このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

食料・農業・農村政策審議会企画部会(平成26年5月29日)議事概要

  • 印刷

1. 日 時:平成26年5月29日(木曜日)15時30分~18時15分

2. 場 所:農林水産省7階講堂

3. 出席者:中嶋企画部会長、香髙委員、近藤委員、生源寺委員、萬歳委員、藤井(千)委員、藤井(雄)委員、松永委員、松本委員、三石委員、山内委員、山口委員

 

1.  開会

 

2. 新たな食料・農業・農村基本計画について

【意見交換概要】 

(山口委員)

  • 1点目は、生産、流通、消費の3段階に分け、その3段階について、現在、5年後、10年後のあるべき姿というような大枠を描くことが出来ないか、そしてその姿に近づけるためにはどんな政策を打つべきか、その整理のためのマトリクスを作成してはどうか。
  • その際、主要要因を網羅し、要因毎に方向性、実現あるいは改善可能な程度を、精緻な数字ではなく、要するに半分になるのか、あるいは倍になるのか、その程度のラフさの数量レベルで考えるということで良い。
  • 主要な一次産品について、そのような整理が必要。各委員会なり専門部会で改良すべき問題点が全部リストアップされていることから、こうした中から、例えば100ある要因のうちに30だけは必ず手を打たなければいけない、あるいは見通さなければいけない、といったことを政策的にきちんとピックアップして、その30の要因について、どういう政策を打つべきなのか、という議論をしなければならないのではないか。
  • 2点目は、今日の主要テーマである技術革新について。生産や販売など各ユニットチェーン別に革新すべき技術テーマが当然リストアップされているが、これに加えて、複数のチェーンの全体を見てみる、あるいは、チェーン全体を統合的に見てみる、そういうところから生み出される価値というものがあって、その価値を創り出すような新しい技術テーマという視野もあっても良いのではないか。

 (山内委員)

  • 技術の開発及び普及については、先端技術を農業生産に応用する研究は非常に重要だと思うが、現場に貢献できているのかということでの評価が重要。先端・先進研究に加え、気候変動に適した品種の改良、病害虫対策、種の保存や食品の安全を担保するための継続的な研究・調査・データ蓄積などの基礎研究と、その結果を基にしたレギュラトリーサイエンスを実施する際の課題を明らかにすべき。
  • 飼料用米について、地域の気候に適した品種改良や、飼料用米を年間通じて安定的に供給していくための専用保管施設や合理的な流通の仕組みの整備などが課題であり、これらの課題解決に向けた研究が重要。
  • 遺伝子組換え技術に対しては、重要な技術であることは理解しているが、安全性や環境影響についてまだまだ国民の不安が大きく、多国籍企業などによる種の独占による市場支配なども指摘されているので、実用化に際しては国民との丁寧なコミュニケーションが必要。
  • バイオマス推進について、安定的な原料調達など、具体化に向けてまだ課題が多い。森林資源については、発電に使うものが出てくれば良いというものではなく、林業全体の振興・地域維持とも大きく関わっていると理解。家畜排泄物などの農業系の資源活用の分野では、地域のサイズに合わせた、小規模分散型での利用拡大の技術も重要。
  • 生きものマークの取組は拡大しつつあるが、まだ消費者に広く普及しているとは言い難い。環境保全や生物多様性にどのような効果が得られているのか、この辺りで振り返りが必要。また、何らかの検証の仕組みが必要。検証の仕組みがあると分かれば消費者からの信頼が高まり、普及が後押しされるのではないか。
  • 6次産業化の目的は、農山漁村の地域間の雇用所得の向上ということだと理解。事業の成功のためには、消費者のニーズにマッチした商品やサービスの開発が不可欠。6次産業化、地産地消法による認定事業については、中山間地などでは農業者が零細であることから少ないので、流通や小売、消費者団体などが主体となった事業についても認定を受けられるよう柔軟に検討をお願いしたい。また、共同でやるのはよいが、農山漁村のところにきちんと利益が落ちないということでは良くないので、とりわけ該当の地域の生産者、事業者、流通業者が活躍できる方向にコーディネーションなどの支援の見直しを考えて欲しい。

 (三石委員)

  • 技術の開発、普及については何年先を見るのかという時間軸、タイムテーブルの問題が非常に重要。研究基本計画は5年間のものだが、10年、20年先を見据えた上での5年間なのか、単に5年間だけのものなのかによって、内容がかなり変わる。基本計画がどのくらい先を見ており、それに対して、技術の方もどの程度のスパンを見ているのかという視点を押さえておくことが必要。
  • 同じ技術の開発の中でも、短期で済むものと、非常に基礎的で短期間では成果が出ないが着々と進めなければならず定性的にならざるを得ないものもある。全て具体性がない、定性的だといって研究を打ち切ることは将来にとって好ましくない。どのような研究は5年間でしっかりメドを付ける、どのような研究は10年計画で良いから腰を据えてやるという振り分けが必要。
  • 日本のGDPは世界で第3位だが、育種、種子の開発に投じている予算を、欧米の民間の企業が調査研究に費やす資金と比べると、明らかに規模が違う。このような状況の中で、どのように対応していくのかをこの機会に考えるべき。
  • 日本の基本計画だから日本だけを見れば良いのか、他国も含めて見ていけば良いのかという方向性に関する議論がある。人口減少社会の中で生産年齢人口が減り、単身世帯が急増する。2050年の時点で、一番適した農業と食料はどういうものかということを考えなければならない。いくつかの想定できるシナリオがあり、そのシナリオの中のどちらに転んでも、少なくとも、この方向は間違いないだろうという一歩をこれからの5年間に踏み出さなければいけない。
  • その時に、我々は何で貢献するのか。技術、商品、サービス、または人で貢献するのか、といったことを一つ一つ詰めることが必要。農産物の輸出や6次産業化などいろいろな問題があるが、産業競争力会議や農林水産省それぞれが輸出に取り組むといっているが、船頭が多くても困るので、日本産の農産物の輸出についてきちんとコントロール機能を発揮してもらいたい。
  • 意見が対立したところに初めてイノベーションは起きる。反対の意見を言い合うだけでなく、そこからどうやってイノベーションを起こすかという方向に持って行ければ良い。
  • 農業高校や農学系の大学を年間約5万人が卒業するが、就農する人は3%という状況をどう考えるか。職業としての農業が今後どういう形になれば、魅力あるものになるのか、自分自身が大学に勤めていることもあり、この点について真剣に考えなければと感じている。

(松本委員) 

  • 委員提出資料として5月27日に行われた「全国農業委員会会長大会」の資料を配付している。全国の農業委員会の会長からの政策提案と、規制改革会議からの農業委員会組織制度の見直しの意見に対して、議論をまとめたもの。各委員には、今後の議論の際の参考としてもらいたい。
  • 飼料用米については、過去30年程度の間に何度か単収をどう飛躍的に増加させるかという議論があった。タイムロスがなければ今頃はこういう課題は解決していたかもしれない。今回の政策はこれまでとは違うと打ち出したのだから、早急に多収量米などの開発を行ってもらいたい。
  • エタノールも4、5年前は盛り上がったが、今は太陽光などばかりが注目され、世の中の関心としてもどこに行ったのかという状況。これでは技術開発も成就できないのではないか。
  • 新しい技術は普及や浸透も重要。そういうことを再度かみしめなければならないと思う。
  • 低タンパク米など医薬品作物の取組は重要であり、こうした先端的なものについても果敢に需要開拓し、市場規模の拡大の取組をやっていくことが重要。
  • 担い手対策について、農業は農村というハンデのある地域を幅広く対象としている産業なので、技術指導に加えて、経営管理指導の取組や経営支援対策の予算をもう一度復活してもらいたい。

(雨宮技術会議事務局長)

  • バリューチェーン全体での付加価値の向上に際しては、技術開発の分野も生産現場のみを考えるのでなく、需要・消費のニーズを捉え、流通を含めた全体の中でどう収益を上げるかを考える必要がある。切り花の日持ち性の向上を例にすると、品種開発だけでなく、コールドチェーン、保存のための資材開発など消費者に届くまでの過程全体を考えて価値が高まるようにしていくことが必要。研究開発の様々な場面でこうした視点が取り入れられるよう、今後も取り組んでいきたい。
  • 基礎研究の重要性についての指摘はその通り。バランスの問題にもなるが、気候変動に対応した品種改良など、中長期的に考えていかなければならないものもあるので、力を入れていきたい。
  • レギュラトリーサイエンスについても、食の安全や動植物検疫などの分野で規制当局などとも連携をしながら研究開発に取り組んでいきたい。
  • 飼料用米の技術開発について、収量向上や病虫害対策として、各地域に対応した品種の開発を進めているところ。生産者からの要望も踏まえながら取り組んでいきたい。
  • 遺伝子組換えについては国民からの理解を得ながら取組を進めていきたい。多くの遺伝子組換え作物や種子を輸入しているが、食の安全性や生物多様性への影響については国として事前に評価しているので、情報提供を行っていきたい。また、コミュニケーション手法の一つとして、サイエンスカフェなどの場面も活用し、情報提供していきたい。
  • 研究のスパンについては、バランスの問題もあるが、行政ニーズに対応して短期で行うべきものと、長期で行うべきものにステージを分けて研究に取り組んでいきたい。研究支援のための資金についても同様。
  • 育種における国の役割については、民間や都道府県との役割を整理しながら、国として最も力を発揮できるものを進めていきたい。また、国内人口が減少する中、今後は海外の嗜好性も考慮した研究開発を行っていきたい。
  • 低タンパク米などについては、今後もニーズを見ながら力を入れていきたい。

 (渡邊生産局技術普及課長)

  • 新技術の導入の取組として、普及員に対する新品種・新技術の研修を国が平成26年度から強化し行っている。また、平成24年から各都道府県に農業革新支援専門員を配置し、研究と普及の連携を行っている。

 (木内環境政策課長)

  • バイオマスについては、地域の振興と農林水産業の発展が基本。安定的な原料の供給などはしっかりと進めていきたい。
  • 生き物マークについては政策研で米の分野でコウノトリやトキなどの例について調査したことがあるが、量的に限られており、今後広げていく必要がある。また、環境保全の効果についての検証はなされていないので、今後やり方を検討していくことが必要。

 (山下食料産業局長)

  • 6次産業化の認定に際して、中山間地など担い手が不足している地域では、マーケットインの発想の下、加工・流通業界も含めた地域ぐるみの取組を進めることも必要と考えている。6次産業化・地産地消法は来年見直しの時期を迎えるので、委員のご指摘を踏まえながら対応について検討していきたい。

(豊田経営局審議官)

  • 農業高校等の卒業生の就農について、農業高校は一般的な教養を高め、農業に関する基礎的な知識や技術の習得を目的としている。農学系大学では専門性の高い研究者などの人材育成を行っているが、即戦力となる農業人材の育成が行われているかというとそういった実績はほとんどない。即戦力となる人材の確保を推進するため、農業高校においては農業研究機関との連携を強化して農業教育水準の向上や将来の就農に期待される生徒達に対する実践的な研修の機会を提供していく。大学においては、最近の農業法人ではマーケティングや営業販売、マネジメントなどの人材を農学系以外の学部からも採用していることから、多様な人材確保のニーズに応えるため、農業系以外の大学生も含めて職業の一つとして農業が選択されるようなPR活動を推進していきたい。
  • 経営支援対策については今後検討。

(天羽政策課長)

  • 基本計画の道具立てとしては、供給サイドについては構造展望の中で担い手、生産財の見通しを考え、経営展望の中で経営体毎に品目別、地域別に経営を見通すこととなっている。需要サイドについては、自給率目標を作る際に品目別に需要を見通すこととなっている。今後はそれらをマトリクスとして進めていく必要があると考えており、まずは大枠のものについて検討していきたい。

 (松永委員)

  • 資料4_2の6次産業化・地産地消法の認定事業者のモニタリング調査について、認定事業者の6次産業化関連の売上高が1年間で増加しているとあるが、むしろ、収益や農業所得がどれくらい増加しているのか、雇用増など地域への波及効果がどれくらいあるのかといった指標による検証が大事なのではないか。
  • 資料1の施策の検証について、提示してある指標だけで判断してよいものか迷う。例えば、第32条のエコファーマーについては、インプットとしてこれだけ伸びているのは分かるが、一方で、アウトプットとしてエコファーマーの増加が環境保全にどれだけ影響があったのか、認定を受けたことが農家にとってどれだけのインセンティブがあるのかといった検証が必要なのではないか。今後、人口減少の中での農業を考える上で、必ずしも数字だけでは見えない部分がある。多面的な政策評価のPDCAをどう考えていったら良いのか、ひとつひとつ検証していく必要がある。
  • 資料4_1について、法人化している集落営農は、環境保全、多面的機能、公共的なことを意識した取組をしているように感じる。一方で、国が集落営農や法人化を進めている状況の中で、都道府県ごとのデータを見ると、集落営農の組織化率や法人化率に差があり、都道府県の農政に左右されている側面が大きいのではないか。これから多面的機能支払など、いろいろな制度において集落営農が要件として課される中、法人化を全国一律的に推進していくと思うが、都道府県の温度差がある点について、どのように考えていったら良いのか。

 (藤井(雄)委員)

  • 研究開発については、国際競争力を持つ上で非常に重要であり、生産者だけではなく流通業者・販売業者を含む現場の意見を取り入れ、開発プロセスをつくっていくことを推進していただきたい。
  • マーケットがあり短期的に成果の出る研究開発は、民間でやればいいという考え方もある。むしろ、出口はないが、もしかしたら種になるかもしれないというところにこそ政府の補助金をつけるべきではないか。中止や失敗に関しても、次の研究に生かせれば、ある程度ポジティブな評価があってもいいのではないか。
  • これから国際競争をしていくとなったときに、どのように高いレベルの技術を普及していくのかが大きな問題。現状として、普及センターが各地域にあるが、普及員に係る予算を絞り過ぎており、普及員が高いレベルの技術を習得するのに支障がある状況。日本は技術で戦っていくしかないわけだから、予算配分をもう少し考えていただきたい。
  • 民間の技術コンサルタントが育ってきているが、普及センター等のサービスは無料で受けられるため、民業圧迫になって、全体の技術レベルを下げてしまうことにならないように配慮が必要。農家サイドとしても、経営にプラスなら有料でも良いのではないか。
  • 低レベルでの広い普及よりも、先進的で高い技術をいかにつくっていくかということの方が大事。
  • 農業高校、農業大学の就業率の低さは大きな問題。自給率を上げる前に、きちんとした教育を受けた人間が農業界に入ってくるという道筋をつくることの方が大事。また、研究機関と現場の距離感がある。現場に近い開発に生徒が入ってくることによって、分厚い産業クラスターができるのではないか。
  • 収入保険、所得安定については、酪農業界は補給金制度があり安定しているが、海外の乳製品市場を見ると価格の変動差が非常に大きく、このような中で所得の補償をどのように考えていくのか、収入保険について、輸出とセットで考えていただきたい。
  • 規制緩和をして、自由な競争の中でコスト削減を推進していただきたい。
  • 外部化がコスト削減につながるか否かは疑問。外部化するからには、経営体の規模が拡大するのか、あるいは専門化することにより付加価値がつくのかという点がセットになって動いてない限りはあまり意味がなく、延命措置になっている場合もある。

(藤井(千)委員)

  • エコファーマー制度について、10年間で200倍もエコファーマーが増えており、絶対数としてこれが多いか少ないかは判断できないが、ある程度、政策として成功していると思う。しかし、これが、国民にとってどう利益があるのかが分からない。農業者にとってどういうメリットがあるか、農業の多面的機能にどう役立ったのかを明らかにするのも大事であり、それが国民からきちんと見えるような制度にしていただきたい。
  • 日本の農業の大きな課題は食料自給率の向上だと認識しているが、研究開発の重要課題の中に、自給率を向上させるための研究が入っていないのが不思議。半世紀の間に自給率が半分近くに減ってきたのに、この間に、なぜ小麦や大豆のような自給率の向上に寄与する作物の研究開発に力を入れなかったのか。 

(萬歳委員)

  • まさに地理的表示保護法の審議中であるが、知的財産を積極的に活用していく必要がある。国産の農畜産物のシェアの拡大、高付加価値化の実現という観点からも、EUは大いに力を発揮している。ただ、知的財産の中身が分かりにくいという印象を受けており、分かりやすく説明できる形を示していただきたい。
  • 第33条のコストの削減については、組合員やJAに与えられた努力義務だと思う。経済界と連携し、生産であろうと、加工・流通であろうと、技術革新に取り組むことが大事。
  • 今年は農政改革の元年である。規制改革会議の提言は、非常に極端であり、現場においては不安と混乱を起こす状況。農業の成長産業化や現場の自主性については、我々の目指すところであるが、そのための方策については、規制改革会議の提言と我々の考えは異なっている。また、規制改革会議の場ではなく、この食料・農業・農村政策審議会の場で議論するべき。私どもも成長産業化や所得増大に向けて、自らの意思に基づき改革にまい進していく所存。

 (雨宮技術会議事務局長)

  • 藤井(雄)委員から御意見をいただいたが、現場で活用される技術開発のためには、「現場の目」が必要と考えており、生産現場の方に、開発プロセスに入っていただいて取り組んでいきたい。また、流通、実需の皆さんを通して技術が伝わっていくということもあるため、この方々にも開発プロセスに入っていただきたい。25年度の補正予算で革新的技術緊急展開事業というものがあり、研究機関だけではなく、実需者、生産者、企業に入っていただいて、技術開発を現場でやっていこうという試みをしており、ここで得られた経験を生かしながら進めていきたい。
  • 藤井(千)委員から、研究開発の重要課題に、自給率向上についての課題が含まれていないという御意見があった。資料3には出てこないが、資料1の第29条の22年の研究基本計画の重点目標の1. 食料安定供給という柱の中に自給率向上というのがあり、研究基本計画の本体に出てくる。自給率向上も目標にしながら、農地を最大限に活用していくためにどういう技術開発をしなくてはいけないか。例えば、水田では主食用の米の生産が減っている状況の中で、水田をフル活用するために水田で栽培可能で需要のある麦や大豆等を開発するといったことを進めている。

 (渡邊生産局技術普及課長)

  • 藤井(雄)委員から技術普及のレベルについての御意見があった。新品種・新技術に伴う研修等の強化、農業革新支援専門員によるレベルの高い普及やレベルの高い者からの相談対応を進めているところ。
  • 予算を絞り過ぎではないかという点については、削減されてはいるが、今の農政に対応した新品種・新技術活用型産地育成支援等の関連予算を活用して進めている。
  • 民間コンサルタント関係のご指摘については、協同農業普及事業では、県や国が定めた農政課題や産地課題の解決に向けて努力しており、民業の圧迫というよりも、むしろ民間の高い技術力を使いながら気候変動などへの対応に重点を置いて進めていきたいと考えている。
  • 作業の外部化については、例えば、担い手への農地集積、集約化の進展に伴って、個々の農家が行うには非効率な作業を外部化したり、過剰な機械装備となっているところを外部化したりすることでコストを低減できないかといったことを検討している。

(近藤生産局農業環境対策課長)

  • エコファーマーの取組みによる環境への効果について、定量的な評価は難しいが、化学肥料、農薬の使用量は確実に減少していることから、環境負荷低減に貢献しているものと思料。また、エコファーマーの国民理解の増進については、エコファーマーのネットワークの中で、エコファーマーマークの表示等を行っているところ。こういった活動を増やしていけるよう施策を推進してまいりたい。 

(小林生産局畜産振興課長)

  • 外部化として話のあったTMRセンターは、コスト低減だけでなく、地域の(酪農の)あり方にも関わるもの。畜産部会でしっかり議論していきたい。

(豊田経営局審議官)

  • 集落営農は、地域によって取組の伸び数や、形態も法人、非法人とばらつきがある。手元に分析がないので、次回への宿題とさせて頂く。
  • 収入保険については、現在、制度設計に必要な、農業経営全体に着目した収入データについて調査を進めているところ。畜産については、特殊な事情もあるので、収入保険の対象とするかどうかは、今後、調査の結果を踏まえて判断していきたい。

(山下食料産業局長)

  • 6次化の総合化事業計画の認定の効果については、今後、売上高だけでなく、所得や雇用の分析も進めていきたい。ただし、所得という観点でみると、初期投資等もあるので、実際に効果が発現するまで時間がかかる。継続的にモニタリングをしていきたい。
  • GI法が成立した際には、生産者だけでなく、消費者も含め、分かりやすい資料で制度説明を行い、活用を図ってまいりたい。

(生源寺委員)

  • 事務局の説明を簡潔にすべき。書面で後日回答する等の工夫をし、委員の発言時間を確保すべき。
  • 30条の2項について、「基本法制定以降、基本的な方向性の中で、累次の制度見直しが行われてきた」(資料1の2ページ)と評価されているが、甘い。政権交代もあり、かなり揺れた部分もある。農業経営者や現場の農業政策担当者に相当な負担、マイナスの影響を与えてきたことをきちんと総括すべき。
  • 制度設計に際して、目的の異なる政策同士をリンクさせるべきではない。過去のことだが、例えば共同活動(農地水対策)と環境政策のリンクや、生産調整(戸別所得補償)と構造政策(規模加算措置)のリンクなど。目的の異なる施策をつなげることは、農業経営者の選択肢を狭め、その結果、農業経営の成長が妨げられることになる。
  • 規制改革会議の議論は、問題提起としてしっかりと受け止めるべきだが、農協、農業委員会のあり方については、体系的かつ歴史の流れを踏まえて検討すべき。古い農業基本法では、農協は政策の中に明瞭に位置づけられていた。現行の基本法には農協の記載がないが、農協は、基本法に書かれている政策に強い影響をもつ可能性がある。一度、現行の法制度上や行政指導上の農協、連合会、中央会の位置づけを整理する必要がある。問題は、農業政策における農協位置づけにブレがあること。2009年の法改正で導入された農地利用集積円滑化団体の半分は農協であったが、今回の中間管理機構では、農協はあくまで業務委託と位置づけられている印象。

(近藤委員)

  • 肥料や化石燃料の海外依存、気候変動や生物多様性等の課題は、有機農業により地域循環を形成することで解決できる。特に中山間地では、地域振興として有機農業を位置づけていくべきではないか。
  • 研究開発プロセスについて、農業者の参画を是非推進してほしい。現場では、農業機械の機能の半分も使えていない印象。現場の意見を開発に活かせる仕組みにして頂きたい。また、購入した機械を農家が改造している状況。メーカーによる現場のニーズに則した技術開発がなされるよう、政策的な環境整備を望む。
  • 収入保険の制度設計にあたっては、基本法制定時には想定していなかった大型農業法人の活動内容(生産、加工、販売、輸出等)等も考慮し、いろいろなリスクに対応できる制度となるよう、カバーする範囲をしっかり検討していただきたい。
  • 30条に関して、需要と供給にウエイトを置いた政策だけでなく、今後は生産物の品質評価という生産者の努力の視点も大事にしていただきたい。
  • 生産資材については、不必要な機能が付いて価格が高くなっている一方で、シンプルな機械は海外に輸出されている。農機具メーカーの農機具生産に関する指導を行政の中で考えていただきたい。
  • 農業経営の法人化については、各県の農業会議等が法人の(相談等の)事務局を担っているが、経営継承や経営再建支援等、日常的な法人経営活動をソフト面でサポートできる体制がない。法人化の推進と同時に、法人が自立できるよう専門的に経営をサポートする体制づくりや予算措置等、法人を育成する仕組みづくりを考えていくべき。

(香髙委員)

  • 認定農業者の経営感覚の向上が重要。農業経営指標ツールの開発及びツールを活用した自己評価の市町村への提出の義務付けは良いが、ITに習熟した人向けのものと思料。農業者に使われず、良さが伝わらなければ意味が無い。ツールの活用状況について、実態把握をすべき。今後、自己評価の提出数等を公表して頂きたい。
  • 現行の基本計画には、農業生産のコスト割れを防ぐことの必要性について明記されているが、農業生産のコスト割れは、生産者の経営感覚が磨かれてこそ防げるもの。事実上、コスト割れを国が防いでくれると誤解されないよう、生産者の経営感覚の向上を政策の中心におくべき。
  • 新規就農促進は最も優先度の高い分野。農業が大学生の就職先の選択肢となるよう、就活セミナーや大学の就職課へのアプローチ等、企業が行っているような体制づくりが必要。
  • e-ラーニングなど、いつでも受講できる農業セミナーの充実等により、若手の離農を減らせるのではないか。高齢者から若者支援に、政策の軸足を移していくことが必要。
  • 数年で新規就農の3割が離農、新規参入法人の1割が撤退している現状の課題を洗い出し、死の谷(高い技術力があっても製品化に時間を要する等により資金繰りが厳しくなり数年で倒産の危機となる)とならないよう、法人の新規参入支援の見直し、再検討をしていくべき。
  • 技術の普及については、先進技術を必要としている農家が求める技術をまず実用化し、それを横展開していってはどうか。
  • 農業革新支援専門員は全国に何人いて、具体的にどのような活動をしているのか。また農協との役割分担はどうなっているのか。
  • 米の共済制度は、70年近く前にできた制度であり、強制加入となっている。現状に則した制度であるのか根本的に検討すべき時期ではないか。果樹など農家の技術力で差のでる品目の加入率が低い実態をどうみるのか。また、共済組合、県単位の連合会、政府の3段階で運営している仕組み自体が、事務コストの増大をもたらしているのではないか。構造的な見直しも必要。
  • 需要サイドのニーズの把握として、国は消費者ニーズを積極的に把握するための仕組みづくりを検討すべきではないか。

(中嶋部会長)

  • 使われる技術、目指すべき技術は、ユーザー、適用されるマーケットにより変化するもの。ユーザーである農家の姿の変化、輸出というマーケット展望も開けつつある今後の展開を考えると、不連続な技術の変化も求められ、それに伴う技術開発も要求されてくるのではないか。17年基本計画では、大きく農業の姿が変わることを目指して政策転換したが、そのとき技術開発及び普及のあり方も、それを見通した上での転換があったのか確認したい。もし不十分なのであれば、大きな転換を阻む障害のあることが懸念される。研究は目の前の問題解決だけでなく、ビジョンの提示といった大きなテーマ設定も求められている。技術開発及び普及の枠組み、ガバナンスのあり方をもう一度検討させてほしい。
  • 4人の委員のコメントへの回答は次回の宿題返しで行うこととする。

以上

お問い合わせ先

大臣官房政策課
代表:03-3502-8111(内線3086)
ダイヤルイン:03-3502-5515
FAX:03-3508-4080

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader