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食料・農業・農村政策審議会企画部会(平成26年6月27日)議事概要

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1. 日 時:平成26年6月27日(金曜日)9時30分~12時30分

2. 場 所:農林水産省 三番町共用会議室

3. 出席者:中嶋企画部会長、市川委員、伊藤委員、小泉委員、香髙委員、小林委員、近藤委員、生源寺委員、武内委員、萬歳委員、藤井(千)委員、松本委員、三石委員、山内委員

 

1.  開会

 

2. 新たな食料・農業・農村基本計画について

【意見交換概要】

(市川委員)

  • 人口減少の中で、農山漁村の活性化をどのように進めていくか。広い視点で関係省庁と連携していく視点は重要。特定のポイントで満足できるかではなく、どうすれば幸せに暮らしていけるかという視点から総合的に、社会的コスト等も合理的な範囲となるようにしながら考える必要がある。
  • 再生可能エネルギーの導入については、単に固定価格買取制度があるからドンドン進めていくというだけではなく、日本全体のエネルギー構成のあり方、社会的コスト等を勘案しながら進めていくべき。
  • 2050年の1人当たり食料支出が17%増加すると推計されているが、これはエンゲル係数が17%あがるということか。付加価値の高い加工食品の購入が増加していくということなのか、それとも今と同じような食生活でも物価が上がればこうなると覚悟しなければいけないということなのか。

(伊藤委員)

  • 6次産業化をマーケット・インの発想で進めていくことは賛成。食品も含め、総じて物余りの時代。おいしさ、栄養、安全に加え、情緒的な価値がマーケットに浸透していく上で重要。生産者の思いが消費の場に伝わることが大切であり、そういった努力をお願いしたい。
  • 国産原材料の調達について、当社では地方自治体と地域連携協定を結んで、国産を強く打ち出すものもある。例えばお弁当にはどこの原材料が使われているかというトレーサビリティの仕組みももっている。しかし、メーカーへの納入業者が国産としていたものの中に中国産があったといったケースもあり、そうした商品ではあえて声高に国産と打ち出していない。仕入れの中で国産であることを明確化できるよう努力をしているが、国としても努力をしていくべき。
  • 効率的な技術開発には、現場の問題の解決という視点が重要。当社グループ内では定期的に又は不定期に現場の問題を拾い上げ、どう解決するか検討する場を設けており、技術開発についても、農業の現場、特に意識の高い農業者から問題を吸い上げる取組を進めてはどうか。

(小泉委員)

  • 就農者の平均年齢が非常に高く、若者の新規就農が必要不可欠であり、若者に農家の面白さ、参入方策を説いていくことが必要。学生に日本の食料、農業の状況や就農のアイデアを講義で話すと、講義後には約7割が農村に行きたいと答える。
  • 若者を取り込むためのどのように農業所得を向上させるか考えていかなければならない。6次化も一つの手段。
  • 和食を構成する7つの食材は昔から農家が作ってきたもの。和食の推進は自給率向上につながる。
  • 学校給食で地元農産物の使用率の高い地域では、地元の町が好きという子が多い。地元産を食べることで地元に愛着が生まれ、将来残っていく。和食と地元産を組み合わせて取り組んでいけば、自給率もどんどん上がっていくのではないか。
  • 鳥獣被害対策には、発想の大転換が必要。日本では利用できない捕獲した害獣の獣肉を、缶詰に加工して飢餓で苦しむ世界の人々に送ってはどうか。また、海外における害獣駆除方法、利用法についてわかる資料がほしい。 

(香髙委員)

  • 食料消費の将来推計について、1995年から2012年にかけて供給熱量も摂取エネルギーも減少している背景は何か。供給熱量と摂取エネルギーの関係は、今後も平行で推移していくのか、それとも、食品廃棄が減少すれば、この差は縮まるのか。
  • コーホート効果について、具体的な特徴は何か。またその特徴は今後どのように推移していくと想定しているのか。
  • 穀類の支出割合は減少しないと試算されているが、量はどう変化するのか。自給率を大きく左右する穀類が結果的に減ると考えてよいのか。
  • 6次産業化は推進していくべきだが、基本計画を策定する上では、リスクの視点をにじませるような表記の工夫が必要。農業に限らず、日本における起業後の廃業率は決して低くない。スムーズに継続していけるよう配慮した政策であるべき。マーケット・インの発想で推進していく点は賛成。
  • 6次化アドバイザー等の仕組みについて、人々の好み、需給は日々変化することを注意すべき。プランナーの指摘通りに取り組めば成功するという甘いものではない。公的支援はあくまで立ち上げをスムーズにするものであり、継続には自らの努力が必要と喚起していくべき。成功事例だけでなく、失敗学の視点から注意点や課題を整理し、失敗を減らしていくという工夫も必要ではないか。
  • 認定事業者のモニタリング調査は、立ち上げ当初であり売上の拡大に焦点があてられているが、将来的には利益が重要。目標が雇用と所得の確保なのだから、利益をみる視点が必要。

(小林委員)

  • 人口減少、高齢化、地方の疲弊、農業が抱える問題など待ったなしの課題については、若者を含めて国民全体で共有し、議論していくべき。高校生でも話をすれば問題意識をもってくれる。当社の社員にも農業体験をさせ、その苦労を理解させている。国民、特に若者が日本を支えることを体験(農業体験等)し、問題意識を共有していくプロセスが必要。
  • その地方の特性に応じ、ないものねだりではなく、あるもの探しをする必要。また、地方政策は農林水産業だけで考えては無理。産業構造全体をみながら、他の産業も含めた育成を図っていくことが必要。
  • 6次産業化を産業政策として進める上では、規制はできるだけ取っ払い、誰が主導権を持つとか、資本金のバランスをどうするか等は問わず、とりあえず良い案件であれば、誰でも取り組めるようにすべき。また、若手の農業経営者に経営を勉強してもらうことが儲かる農業につながるステップであり、そのための場を与える取組を進めるべき。
  • 鳥獣被害については、森林伐採に対するインセンティブが働かない結果、日光が届かず草木が生えず、住みにくくなった山から動物が下りてくるという悪循環に陥っているのではないか。森林資源の伐採や利活用にインセンティブを与える政策を進めるべき。

(近藤委員)

  • 活力創造プランの方向性は理解できるが、基本計画で具体化させることは難しいのではないか。所得倍増という方針が出たからといって、実際そうならないのではないか。手段として構造改革、規制緩和が挙げられているが、価格政策抜きで、プランに謳われている内容を実現することが可能なのかどうか、検証すべき。
  • 40年前にも、みかんを大増産した時に各県で果汁工場がたくさん作られるなど、1次産業が加工に手を出したが、結局大半はメーカーの下請けとなっている。今後、1次産業に利益を引き戻すという6次化の目的を実現できる仕組みをしっかり具体化していく必要。ここをしっかりしないと、結局2次・3次産業に吸い取られてしまう。
  • 最近、耕作放棄地となった農地に太陽光パネルが次々に設置され、異様な雰囲気になっている。エネルギー需給も大切だが、農地政策上どのようにバランスをとっていくのか整理するなど、設置の推進には工夫が必要。
  • 規制改革会議で決定された3つの改革(農協、農業生産法人、農業委員会等の見直し)と、農業の成長や農業所得の向上とのリンクを丁寧に説明してほしい。農業生産法人への出資規制の見直しは結構だが、農協と農業委員会は、ただ壊して終わらないよう、注意すべき。

(生源寺委員)

  • 失敗学の情報発信は重要。農水省だけでなく、政府内では、各事業の成功を強調するトーンが強い。いろいろな切り口からのアプローチが必要。
  • 今の若者には、衰退産業であるといった農業に対する先入観がない人が多い。若者にはきちんとした説明をしていくことが大事。活力創造プランで謳われている所得倍増のようなスローガンは、真面目に農業に取組む若者へのアピールになるのか。また、高齢化が進んでいるのは水田農業であり、施設園芸や畜産などは若者も多い。基幹的農業従事者の平均が66歳であると一律に議論するのではなく、いろいろな面があることをしっかり伝えるべき。
  • インフラの維持管理については、2007年から始まった農地・水保全管理支払で農業者以外の方を巻き込むというかなり良い効果があったが、一方で農地の所有者と耕作者が異なっている、あるいは所有者が農地のある村に住んでいないケースが増えているといった現状を踏まえると、インフラの維持管理の責任者を一度整理する必要があるのではないか。これは、土地改良法3条資格者の問題とも密接に関わる問題であり、これまでも研究会で検討されてきたもの。今後どうしていくのか、この審議会の場でも検討してはどうか。多面的機能支払とした位置付けへの疑問は別として、助成の拡大が進むと、インフラの維持管理が国の義務ということにもなってしまい、そういう整理もなくはないと思うが、本当にそれでよいのか考えていく必要。
  • 人口減少に関して、今のトレンド予測が大きくズレないとすると、現在の集落、農地をすべて今のまま維持することは甚だ困難。最終的には市町村や集落が判断することになると思うが、長期的なストック形成のための投資を継続する地域と、投資は断念するが人が住み続ける限りはフローとしてのサービス提供を全うする地域とを判断すべき状況がでてきている。人口減少をとどめる努力も必要だが、難しい判断を行うことも視野に入れる必要がある。

(武内委員)

  • 6次産業化は1次産業に経済的なメリットがくる仕掛けになっているのか。農林漁業者は、下流にいるITや販売戦略のプロ集団に負けないような知識と戦略を持っているのか、あるいは持つ方向で施策が展開されてきたのか。大学等の教育で得られた知識を農村に定着させ、1次産業からみた6次化の戦略を構築するという方向に目指すべき。
  • 農村地域への再生可能エネルギー導入は積極的に進めるべき。ただし、特定の企業が固定価格買取制度を利用し、農村の景観が損なわれるだけで利益は農村の外に流れるということにならないよう、農林水産業の施策に積極的に再生可能エネルギーを位置づけていく必要がある。大量のエネルギーを必要とする灌漑排水、施設園芸等で活用するなど、売電のためだけでなく農村をよくするために使っていくべき。再生可能エネルギーは地産地消の考え方にもなじみ農林水産施策と親和性が高い。農業と関連づけて、自然の恵みを収穫するという観点できちんとした施策体系にすべき。
  • 鳥獣被害に関しては、鳥獣保護法改正に関わったが、環境政策だけでは捕獲した後の議論までいかず、鳥獣の適正な管理を進めていくことが難しいという印象。小泉委員の言うように、捕獲した獣肉を食料・食文化として展開していく必要。獣肉を上質な肉として処理、加工、販売する戦略を作成するなど、食文化施策と結びつけてはどうか。
  • 人口減少、高齢化の中で、国や都道府県ではなく、地域で今後の地域のあり方を考えていく際に、国はあらかじめ、どのような想定ができるかシュミレーションし、方向性を提案していくべき。大都市における人口減少、高齢化は平均値で議論するしかなく、ちょっとした取組で社会を変えることは難しいが、小さな集落の社会はちょっとしたきっかけで変わることができる。今の政策は、平均値の議論で現状を捉え、方向性を打ち出しているようにみえるが、農業・農村政策は、細かい視点でしっかりみていくべき。

(萬歳委員)

  • 5年連続で人口減少しているとあるが、あまりにマイナス思考の見方をしているのではないか。行政の立場として農林省は大きな責任があり、積極的に、将来を見据えた方向性の打ち出しが必要。農業基本法は農業の観点だけだったが、新たな基本法で食料と農村振興が加わっており、農水省が方向付けして様々な観点から振興策を進めていく必要。
  • 川上の中山間地域にも人がいてはじめて農業生産ができる。川下の都市はその恩恵に預かっていることを踏まえ、農山村振興を考えるべき。
  • 直接支払など制度もあるが、6次化やグリーンツーリズムなど様々な取組をもって中山間地域の活性化を図ることが重要。
  • 社会政策としての日本型直接支払の農地維持、資源向上支払は、四分の一が地方負担であり、地方自治体によってはこの負担が重い。社会政策であるからには均衡が必要であり、国による財源措置などをお願いしたい。
  • シカ・イノシシを10年後に半減という目標は評価している。鳥獣被害が死活問題である今、環境省とも連携して多様な取組の強化が必要。
  • 再生可能エネルギーについて、地域の活力向上という観点で評価する反面、省エネの視点も重要。
  • バイオエタノールの実証事業は、28年まで延長となっていたが、現在、施策転換の話も聞こえている。予算が途中で打ち切られるような状況となっているのか農水省に聞きたい。

(藤井(千)委員)

  • 日本創世会議が発表した試算では、2040年に現在の自治体の半数が消滅可能性都市になるとされており、その理由は20歳から39歳の若年女性が半分以下に減少すること。これは農業分野に突きつけられた課題。これまで中山間地域に講じられた措置や制度には女性の農業参入に関する施策が見受けられず、次期基本計画では、それに対する対策や回答を明示すべき。
  • 6次産業化の推進については、人口減少により既存のマーケットは縮小するため、マーケット・インだけでは爆発的な市場拡大にはならない。ブルー・オーシャン戦略的な考え方で未開拓の新規市場を切り拓いていくことも重要。
  • 6次産業化のための人材育成・専門家によるサポートはあるが、6次化の担い手の育成や掘り起こしの施策が見えない。6次化法の認定件数は1900件程度と少ない。大学生のキャリアパスに、農業はほとんど入っておらず、6次化を進める上ではそのようなところにアプローチしていく施策、仕組み、仕掛けが必要。

(皆川事務次官)

  • 日本創成会議の試算は、消滅可能性都市が具体的に挙げられたためショックが大きかった。中山間地域だけでなく、秋田市や豊島区などの都市部も挙げられた。危機意識は閣内からも強く出ており、仮に今後内閣改造などがあった場合は、関係する担当相がおかれ、各省からもスタッフを寄せた、かなり大きな政府全体としての検討の場ができるのではないか。
  • 日本創成会議の増田氏は以下のように発言していた。

人口の社会的な増減部分は、政策の在り方によって大きく変わる。また、地域の中で人口を扶養する基本的な産業分野が定着し、再生されていけば、シナリオはかなり変わり、その中の大きな期待の星は農業と、農業に関連する様々な分野である。

秋田県で消滅可能性都市にならない市町村は、大潟村。若い人々が残っており、農業だけでなく販売管理まで含めて行う農業関係の生産法人があり、そこに雇用されている若年人口が定着している。

  • 高知県の山間地域の檮原村では林業・再生可能エネルギーを活用した施策を打っており、若い人がいる。また、高知県の馬路村では、地元のJA馬路村が柚子を使った商品の全国展開を行っている。また、全国への発送拠点も村内にあり、若い女性も多く活躍している。
  • どのようにして付加価値を地域に呼び戻すか、地域での付加価値を増やしていくかが重要であり、今後更なる議論をいただければ幸い。
  • 鳥獣害について、環境省の法改正で、一部の鳥獣については保護だけでなく管理にまで踏み出した。与党内の鳥獣議連に環境省と農林水産省の事務次官が呼ばれ、これまでとは異次元の対策を行うと発言したところ。我々としても相当真剣に取り組まなければならない課題である。
  • 農林水産業・地域の活力プランについては、規制改革会議でも様々な議論がなされたが、我々の意図は、農業・農村の活性化のために関係する諸機関がそれぞれどのような役割を果たすかということ。例えば、先程触れたJA馬路村などの取組を全国の組織がどのように支援していけばよいのか、とった問題意識の下で議論した。最終的な出口として、農業の発展と農村の振興につながるような方向性を見いだしていきたい。
  • 改革の進め方等について、閣議決定の中でも系統組織での議論も踏まえて具体化を図るということがいわれている。政府内でも検討を深めていかなければならないが、その過程で、企画部会委員にもご意見を賜る機会を設けられれば、と考えている。
  • 萬歳委員から指摘のあったバイオエタノールの開発事業は、技術実証について一定の成果を得た一方、採算性や事業として回っていく姿が見えていないことも事実。PDCAサイクルの中で現在検証段階。与党内では、平成28年までは同じような形ではやれないとほぼ結論が出ており、今年度の施策についても見直しは不可避と考えている。

(松本委員)

  • 条件不利な中山間地域はこのままではさらに荒廃が進む。こうした地域では将来守るべき農地をしっかり仕分けするべき。そこでは、地方自治体の判断が案件を大きく左右。農振計画や生産調整など種々の政策が複雑に絡み合っており悩ましい。政策的に突っ込んだ検討が必要だが、線引きできれば残すべき農地への支援の更なる肉付けがやれる可能性があるのでないか。
  • 平野部も含め、水田地帯は農道や水路管理の人手が不足。規模拡大しても、道普請や水路の管理などに割く労力が必要であり、見えない部分の負担が大きい。これらをサポートするため元気な高齢者の組織化や、集落間のサポートグループの組織といった、人的な取組やグループ化を真剣に考えるべき。
  • 6次化の取組の果実、付加価値が地元に留まる仕組みを作らなければ、農業・農村の所得倍増にはつながらない。果実のかなりの部分が地元に留まる仕組みでないと中山間地域の集落は30年後には消滅してしまう。
  • 中山間と平場など地域間の作付け調整などでタッグを組んだ経営やセラピー農園など、中山間のメリットを活用した取組を後押ししていくべき。

(三石委員)

  • 様々な個別データをベースにし、現状認識を委員と農水省で共有した上で、現実的な将来を描いていく作業が今後生じる。
  • 日本国内の人口減少の展望については異存ないが、日本の周辺では人口は増加する。政策や地域の役割と同時に、市場原理・マーケットの役割も併せて考える必要がある。農村活性化に取り組む中では、市場原理も相当程度影響する。政策、地域、市場の三つをバランスよく考える必要がある。
  • 2050年には全耕地の4分の1~3分の1が無人化・高齢化していく可能性が示されている。一つのカギは経営管理も含めた技術である。少ない人手による農地のマネジメントや、それをサポートする機械的・自然科学的な技術について腰を据えた投資や促進が必要。
  • 農業や食品産業は究極的にはローカル産業であり、地域の存在が不可欠。グローバル産業にはなりにくい一方、そこで得た知見はグローバル・マーケットにも適用可能。今後の技術開発やマーケティングでは、国内で世界水準のものを確保し、それを海外や今後成長が見込まれる市場に適用する施策と、足下の地域を守るための施策をバランスよく行う必要がある。
  • 単なる国産農産物の輸出では話にならない。日本で採れたものにいかに付加価値をつけるか。1960年代の加工貿易の現代版のイメージ。国内の原材料と、必要に応じて輸入した原材料を国内で加工し、更なる付加価値を加えて需要が伸びている地域に輸出すれば、単なる輸出入に留まらず、世界への貢献や、それを通じた日本国内の農業・農村の活性化といった将来を描ける。

(山内委員)

  • 企画部会は今後どのように議論を進めていくのか。
  • 新たな基本計画では、日本社会の発展の方向を見据えた抜本的な提案をしていくべき。その際、できること、やっていきたいこと、できないことを明らかにし、広範な国民に問題提起して、意見を問うべき。
  • 基本計画の見直しの度に、生協として食料問題に何ができるか、検討してきている。今回も論議を始めているが、各地で関心が高い。後継者不足や農村維持などの課題についても、自分たちが住む地域社会の維持・発展にかかる問題として、消費者も当事者意識を持っている。
  • 意見を求める際、相手別にテーマを設定した意見交換会を設けてはどうか。その際、若年層の意見を求める場等を設置してもらいたい。農水省の取組は地方からは見えづらいという意見もあり、様々な形で幅広くお知らせをして、意見を拾うべき。
  • 生協では自ら生産法人を作り、障害者の就労の場としている。また、生きづらさや働きづらさを抱えた人が仕事に就く訓練の場にもなる。農業のこういった機能も重要と考えるので、施策の中で考えていくべき。
  • 農協改革について、生協も農協と同じ協同組合であり、今回の改革の指摘には関心を持っている。協同組合の株式会社化の提案がなされていたが、協同組合という組織形態を選んでいる理由もあるので、正しい認識を持ってもらいたい。

(中嶋部会長)

  • 定量的な情報に基づいた制度設計が重要であり、今回の人口減少が与える影響についての分析は、今後の検討に非常に大きな役割を果たす。
  • 今回の推計で、日本の農業が単なる国内の食料供給産業であるだけならば、成長は無いということがはっきりした。藤井委員がおっしゃったようなブルー・オーシャン戦略のような新たなマーケットの拡大をもっと積極的に考えていく必要。グリーンツーリズムのような観光にも、もう少し焦点を当てるべき。また、新たな技術を使った商品の開発なども積極的に行っていく必要があるが、それをイノベーションとして実現し、ビジネスとしていくには、様々な制度上の問題がある。今後の計画を考えていく上での課題を改めて整理する必要。
  • 規制改革実施計画に、規制改革すべき課題の一覧が示されているが、これは現段階での課題。将来どのような課題があるかという踏み込んだ議論が必要。
  • 人口減少局面における消費の問題と農村集落の問題は分かったが、労働力不足がどれくらい深刻になるかについて、もっとはっきりさせるべき。震災の影響もあると思うが、現在でも農林水産業において人手を確保するのは難しく、今以上の人口減少が起こればもっと問題が深まる。これは、全体の政策を考える上でのひとつの大きなポイントであり、検討していただきたい。

(三浦農村振興局長)

  • 人口減少社会での集落機能の維持等については、どのような考えの下でどのような対策を講じていくか、今日お示ししたところであるが、今後、御議論いただく中で御意見をいただきながら検討してまいりたい。
  • 生源寺委員から土地改良の在り方についての御発言があったが、土地改良法第3条は制度の根幹に係る問題であり、多角的に慎重に検討していくべき重要な課題。農地中間管理機構がどういう機能を果たすのか、また、それと土地改良法との関係をよく見極め、実態を確認しながら考えていく必要。
  • 若者の視点等や山内委員から御発言のあった障害を持つ方の農業への関わり、グリーンツーリズムについては、次回、説明させていただきたい。
  • 藤井(千)委員から御発言のあった中山間地域における女性の位置付けについて、資料2_2にK集落協定の例を挙げたが、これは高齢者や女性の働く場の確保を明確に目標に掲げて取組を推進しているもの。中山間地域における6次産業化等の優良事例においては、多くの場合、女性が重要な役割を果たしており、このような点を施策の検討の中でどのように反映させていくかが課題。

(山下食料産業局長)

  • 6次産業化について、できるだけ地元に付加価値を落とし、所得を向上させるべきとの御意見は、まさにご指摘のとおり。平成20年の農商工等連携促進法の制定後、農業者が主体となって付加価値を取り込んでいくという観点から、平成22年に六次産業化・地産地消法が制定。6次産業化の所得・雇用への影響について、今後、モニターを継続的に行っていく。
  • 6次産業化は農業者主体で進めているが、産業競争力会議において、官民ファンドの在り方について問題提起があり、農業者に新しい事業を行う際の資金余力があるのかという話があった。いずれにしても、1次産業に所得が落ちる取組を進めていきたい。
  • マーケット・インが大事との御意見は、御指摘のとおり。市場で評価されて市場で売れる商品をつくることが必要。
  • 担い手が少ないとの御指摘については、国が支援しなくても、やるところは自分たちでやっている。関心の高いJAも増え、もう少し浸透していけば、やってみようと思う人が増えていくのではないか。高等学校の農業科の教科書にも6次産業化の話が出てくる。
  • 失敗例も示すべきとの御意見は、御指摘のとおり。認定を受けても取り下げになる事例もある。なぜ上手くいかないのかという点についても紹介していきたい。
  • 来年に見直し時期を迎える六次産業化・地産地消法、A-FIVE法について、様々な課題、御意見を踏まえながら見直し作業を行っていきたい。
  • 小泉委員から御発言のあった学校給食の活用については、教育の面で良い効果があり、これまでも推進しているところ。
  • 再生可能エネルギーについては、地域の活性化のために施策を総動員して取り組んでおり、昨年、農山漁村再生可能エネルギー法が成立。この法律の枠組を活用して、地域の合意の下、未利用の資源等を有効に活用して、地域が活性化するよう取り組んでいる。売電収益を地域の農業の健全な発展にどう活用していくかという点も含め、地域できちんと議論して計画をつくることになっており、今後、この制度がしっかりと活用されるよう進めていきたい。

(吉村農林水産政策研究所長)

  • 市川委員から、1人当たりの食料支出が2050年には17%も伸びるという点について御質問があった。ここでは経済成長により、1人当たりの実質GDPも伸びていくことを前提としている。1人当たりの実質GDPが80%以上伸びる中での17%の伸びであることから、エンゲル係数は下がる。また、将来の実質価格を固定して推計しており、物価上昇という要因も含まれていない。
  • 香高委員から御質問のあった1995年から2012年までの摂取エネルギーの低下は、時代効果だと分析している。特に低下が大きいのは、男性の30代・40代、女性の10代。摂取量と供給量の関係については、香高委員のおっしゃったとおり、廃棄する分が減ればこの差は縮まる。
  • 1990年代以降に生まれた男性のカロリー摂取が他に比べて大きいという点がコーホート分析において顕著に見られた。
  • 穀物の消費支出水準は、2030年までにパンの消費支出は少し増えるが、米、麺類は減るという分析になっている。一方で、主食的調理食品は今後も大きく伸びると見込んでおり、米や小麦の供給量、自給率などを考えるには、今回の資料だけでは分析できない。逆に言えば、主食的調理食品や加工食品に対する国産の供給をどう増やしていくかが課題。

(西郷生産局生産振興審議官)

  • 鳥獣被害について、平成24年は230億円くらいの被害があり、そのうちイノシシ、シカ、サルで7割を占めている。被害額以上に、丹精を込めて作ったものが収穫前に盗られ、農業者の意欲が削がれてしまい非常に深刻な問題になっている。
  • 鳥獣被害対策特別措置法に基づき、各市町村が被害防止計画を立てており、その実行に対して農水省が支援している。1700市町村ある中で、鳥獣被害が認められているのが1500市町村、被害防止計画を立てているのが1369市町村となっており、少しずつ整備されているが、まだまだ発展途上であり、今後きちんとやっていきたい。
  • 鳥獣の利活用については、処理施設の補助を進めている。いつ入荷するかも分からずペイしていないのが現実であるが、少しずつ取り組んでいる。食肉については衛生上の問題があり、厚労省が食肉利用する際のガイドラインを検討している。
  • 鳥獣被害対策は8省庁で連携して進めている。今の捕獲活動のままだと、シカとイノシシが10年後に倍になってしまうと言われており、それを半分にするために対策を考えていかなくてはならない。
  • 諸外国の制度については、改めて資料を提出させていただきたい。

(雨宮技術会議事務局長)

  •  伊藤委員から、研究開発に当たって現場の課題をよく把握することが重要との御発言があった。現在、都道府県、農業団体、業界団体などを通じて課題把握を行っている。意識の高い農業者からの直接的な課題把握やコミュニケーションを強化していきたいと考えており、先進的農家の方に、研究開発過程の中にも入っていただいて、より現場で使えるような技術開発に努めているところ。
  • 三石委員から人口減少の中でのハード・ソフトの技術対応についての御発言があった。担い手の減少が進む中で、省力化、生産性向上が必要となる。大規模化につながるようなITやロボット技術の活用を進めて、ハードあるいはそのソフトで圃場の地図情報と生産情報などを組み合わせた作業管理に力を入れて取り組んでいきたい。

(天羽政策課長)

  • 山内委員から、今後の進め方に関連する御発言があったところ。これまで現行基本計画の検証ということで進めてきたが、次回の7月の会で一巡。これが終われば一般の方の声を聞く予定だが、やり方ついては、山内委員の御意見を踏まえて工夫させていただきたい。さらに、秋以降の議論の進め方については、省内でたたき台を作り、中嶋部会長とも相談させていただきたい。
  • 小林委員から、植樹にはインセンティブがあるが、伐採については今ひとつなのではないかという御発言があった。戦後、林業の方々が一生懸命に植林されて、今まさに伐採の時期を迎えている樹が多くあり、世界でも希な森林資源を有している。次回、資料を準備して説明させていただきたい。

(萬歳委員)

  • 協同組合は、相互扶助を共通理念としている。規制改革会議において、非農家の委員の先生から農協間の競争を高めるというような話が出ていたが、協同組合は切磋琢磨するものであり、我々は共に高め合おうという考えであることをご理解頂きたい。規制改革会議(5月14日の農業ワーキング・グループ)で出された意見には疑念を持っている。

(小林委員)

  • 6次産業化について、農業者に利益が回るようにという話も分かるが、足かせがあると、簡単には事業として成り立たないのではないか。人口減少で日本の市場が小さくなり、パイの取り合いで海外に行かなくてはいけないというときには、様々な知恵が必要。地域の雇用のために何かが必要なのは分かるが、ダイナミックな展開がなければ10兆円には絶対にならない。本当に地域が活性化するためには何をしたら良いのかという視点で検討する必要がある。がんじがらめではだめ。

(小泉委員) 

  • ハードの方が先行している印象。Agricultureというのは、やはりCultureであり、農村文化の面から発信するという点が欠けているのではないか。
  • 私の試算では、500の市町村に50人ずつ若者を派遣して、農業を体験して戻ってきてもらっても、480億円しかかからない。農村に若者がいくと地方に力が出るが、これが日本の農業の再生の原点だと考えている。

 

3. 閉会

以上 

お問い合わせ先

大臣官房政策課
代表:03-3502-8111(内線3086)
ダイヤルイン:03-3502-5515
FAX:03-3508-4080

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