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食料・農業・農村政策審議会企画部会(平成26年7月22日)議事概要

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1. 日 時:平成26年7月22日(火曜日)15時00分~18時00分

2. 場 所:農林水産省 7階講堂

3. 出席者:中嶋企画部会長、市川委員、香髙委員、小林委員、近藤委員、生源寺委員、武内委員、萬歳委員、藤井(雄)委員、藤井(千)委員、松本委員、三石委員、山内委員、山口委員

 

1. 開会

 

2. 新たな食料・農業・農村基本計画について

【意見交換概要】

(山口委員)

  • 日本全体が人口減少期に入った今、抜本的な農村振興につなげるためには、いかに農村地域に人を移住又は定着させるかに本質的な答えがかかっている。
  •  農村への人の供給元には、1. 都市の若年層の農村への移住、2. 農村の若年層の地元での定着、3. 都市のシニア層の農村への移住の大きく3つがある。まず、1. については、田舎で働き隊の50%以上が定住をし、かつ20代、30代がその8割近くを占めているなど、説明の中でも可能性の芽が示唆されていた。私からは、2. と3. について施策の提案をしたい。2. については、地域の高校、特に職業高校や高専と地元の企業が連携し、学校教育に職業訓練を組み込んだ人材教育をしっかり行ってはどうか。そのためには文科省もこのようなシステムの制度化を検討し、具体化する必要。3. については、企業の雇用年限が60歳から65歳に延びたこともあり、意欲ある健康シニア層の雇用機会の創出が非常に大事。プラス5年を同一の職場で働くケースが多々見られるが、それを好まない積極派は海外で働くケースがあることを念頭に置きながら、技術・マーケティングの専門性を有する中高年層の国内労働市場を形成する施策ができれば、地域経済を担っている中堅企業の人材ニーズと都市シニア層の労働意欲を結ぶことが可能。農業の6次産業化の実現のための担い手がそこから生まれる可能性がある。空き家バンクの誓約率が60代で非常に高いということは、こうしたことの可能性が生まれるサイン。
  • 団体の再編整備については、ここ20年の日本社会全体の動きと連動して考える必要。この20年、内需と外需の2つの合せ技で経済の維持又は微増を図ってきたのが日本経済の実情。社会資源としてのヒト・モノ・カネを国内向けから国外向けにいち早くシフトできた分野は成長を維持でき、遅れた分野は、グローバル戦線から遅れをとっている。こうした傾向は、個々のプレーヤーについても同様。こうしたグローバル経済の波及に対して、農業分野の各組織がどのように再整備されるべきか、その方向性については、既に様々な会議体、委員会等で議論され尽くされている。「6次産業化」という言葉ができる以前から、いろいろなプレーヤーによって農産物を加工・流通させて市場に定着化させる取組が担われており、これを加速化することだろうと思う。再整備に伴う痛みを最小限に止める工夫を込めつつした具体策の策定を急ぐことが、今、大事。我々関係者ができる限りそのための知恵出しと、その具現化について、お互い連動しながら努力していく必要。

(山内委員)

  • 都市と農村の交流については、農業・農村の現状及び農業の多面的機能の理解、健康づくり・リフレッシュなどの点において有用であり、こうしたきっかけから農業に触れたり学んだりすることが就農のきっかけとなると考えている。学校現場や福祉、障害者雇用の視点から、多くの参加が実現できるよう環境を整備する必要。
  • 都市から産地を訪問する生協の企画は年間5千件近くあり、13万5千人が訪問している(2010年)。農業に生態系の保全機能など様々な価値があることを学べ、かつ産地の活性化につながる効果があると考えている。
  • 協同組合としての農協は相互扶助組織として出発しており、組合員が自らの利益を追求するために事業を行うという形の経営体。外から指摘されているいろいろな問題については、自ら考えて改革をしていくことを期待している。
  • 世界には多種多様な協同組合があり、ICA(国際協同組合同盟)は、世界各国の協同組合に共通する運営ルールをつくっている。1994年に改定された最新の「協同組合のアイデンティティに関する声明」で掲げている協同組合原則の最後には、コミュニティへの関与が掲げられており、農村社会にとって農協は、生産者の経済活動の向上に寄与するとともに、様々な地域課題の解決のために組合員自らが参加して活動を担っている。このような役割を持っていることを踏まえて今回の検討をお願いしたい。
  • その他の組織について、農地の有効利用、担い手育成など様々な課題に応じて組織がつくられていると思うが、第三者から見て非常に複雑で分かりにくいのが率直なところ。これらの組織に期待されている機能をどうつくり直せばシンプルで効率的になるか検討いただきたい。また、新たに農地利用最適化推進委員を設置することにより、さらに複雑化するのではないか懸念。
  • 組織を見直す際には、女性や若い世代の参加が非常に重要であり、積極的な登用ができるよう、仕組の検討をお願いしたい。
  • 併せて、振り返りという点で土地改良事業の予算の推移について示していただきたい。

(三石委員)

  • 農協は過去半世紀に渡り事業を拡大してきたが、これは、地域社会の構成員である農協が、農家や地域社会、我が国の食料・農業・農村の様々なニーズに対応してきた結果の姿であり、その結果が約1千万人の組合員、準組合員の数となっている。
  • 農協の組織形態のあり方については、協同組織という組織の特性を踏まえると、本来、組織の内部から自発的にどういう組織を目指すのか、組織形態をどうすべきなのか、真摯に検討を行ってもらい、自由に選択すべきもので、官や外部からこうあるべきだと言われるものではないのではないか。
  • 農協は農業・農村にしか関わっていない印象があるが、食料にも十分関わっている。その辺りの位置付けも含めてよく考え直してみる必要。
  • 農協は特定地域に根付いており、地域とは切っても切れない関係にある。一般企業のように、進出したが不満足だから撤退するということができない組織。これは、これまでデメリットと考えられていたが、日本が直面する高齢化、少子化等を含めて考えると、やり方によっては、地域に根付いているということが、十分メリットになると考えられる。
  • 将来の農協の位置付けを検討する場合には既存の農協法に合致しているか否かという点だけで、正しいか否かを判断してはいけない。法律には則っているが地域にとって本当に良いことなのか、地域にとっては良いことだが少なくとも現在の法律で認められていないのではないかといった点についても考える必要。
  • 我が国の今後の食料・農業・農村社会のために、1千万人を擁する農協というグループをいかに有効活用すべきかという視点で議論を進めてはどうか。

(松本委員)

  • 都市農業が大変高く評価される時代になってきて、与党においても都市農業基本法を制定しようという話になっている。生産緑地制度の30年計画が平成34年で30年を迎えることになり、新しく見直す基本計画の計画期間内に入っている。自治体が当事者から解除請求をされても、財政難など様々な問題で買収できないことが想定される。これに手を打たなければ、財産がアパートやマンション、無計画な転用につながるのではないか。
  • 一般の農業経営についての展望に加え、都市の農業経営についても、一定の展望や経営指標について調整してみる必要があるのではないか。
  • 農業委員会の改革については、与党でも議論がなされ、一定の方向が示された。今後、細部の検討が進められるが、現場で汗をかいて頑張っている人たちの理解と協力が得られる制度改革が第一。例えば、公選制に代わる市町村長による農業委員の選任制について、地域の農業者として信頼が得られる者を選任するという初めての仕組みについて方向性が示された。是非、実現されるようご協力いただきたい。これまでも農業委員は地域の信頼をモチベーションに仕事をしており、モチベーションが下がるとせっかくの改革が形無しになってしまう。
  • 農業委員会について、耕作放棄地が増大するなど十分な機能を果たしていないとの記載があり、反省すべき点は反省しなくてはならないが、成功事例も多々ある。地域の他の行政機関や団体とタッグを組んで総合的な取組をしていくことが大事。是非、現場目線に立って議論していただきたい。 

(藤井(雄)委員)

  • 基本法第36条について、今後、さらに都市化が進む中で、このような活動の重要性は益々高まると認識。制度的に成り立たせるためにもしっかり推進していただきたい。一方で、防疫の問題や病害虫の侵入に関しては、特に外国人との交流について、神経質にならないといけない部分もある。しかしながら、閉鎖的になってしまうのは間違いであり、その辺りの啓蒙を含め、両輪で進めて欲しい。
  • 農村への移住・定着については、結局、地域の農業がきちんと経済力を持っていける形にしないと成り立たない。農業そのものをどうやって強くするかが最終的には大きな課題。
  • 基本法第38条について団体の改革について農業者の総意を集めると、性急な改革を望まないという意見が強くなってしまうのではないか。そういった農業者の世代間の分布を見ると、高齢とは言わないが後ろの方の世代に分布が集中しており、数少ない若者や女性の意見を吸い上げていかないと、どうしても改革に後ろ向きになってしまうのではないかと懸念。
  • 農業委員会等は地域で頑張っているが、情報等が不透明になっている。ITの活用によって土地の情報等を見やすくするような取組はなされているのか。
  • 委員指摘事項に対する資料の中で、ブルーオーシャン戦略に関する資料が提出されているが、この中で、薬用作物の生産振興が出されている。その中で、北海道では麻薬用成分を抜いた産業用大麻の研究・開発が進められている。これは手間がかからないので、遊休農地での利用効率が高いと聞いている。今現在でのような対策がとられているのか教えて欲しい。

(藤井(千)委員)

  • 様々な事業が実施されているが、大目的の農山村地域の持続的な活性化に資するという果実が見えない。例えば、グリーンツーリズムについて、所得と雇用が増えたとあるが、人手不足などが益々深刻化する中で、果たして、それだけの所得と雇用の増大が農村の若者の定住要因になるのか、また、都市住民が新たに参入しようと思うほどの要因になるのかについて検証が必要。一過性の取組ならやらない方が良い。
  • 各団体の活動が見えない。農業委員会に関するアンケートを見ると、農業委員会がよく活動していると答えた農業者等は3割しかいない。農業者に活動が見えるようにする必要。本当に必要な事業に絞るべき。例えば、農協の葬祭事業は本当に農協が担うべき事業なのか。
  • 土地改良事業の予算の推移を教えていただきたい。 

(萬歳委員)

  • 都市農業を巡る環境は変化し、その役割は様々なものとなっている。農村の活性化を起点とした都市農業の役割に関する法制度や税制の見直しを急ぐべき。
  • 農協の実績・現状について正しい検証をしていただきたい。基本法第38条に「国は、基本理念の実現に資することができるように」とあるが、それに向けた努力や実績についての評価がなく、その点についての農水省からの意見もいただきたい。現在、農協の自己改革について検討中。様々な形態の農協があり、具体的な優良事例を記載していただきたい。また、協同組合という基本理念を十分受け止めていただき、ご理解、評価をいただきたい。
  • 小中学校の学習指導要領から「協同組合」の中身が一切削られてしまったが、協同組合というのは大事なセクターだと思うので、是非入れて欲しいと思っている。
  • 見直すべき点は見直し、良い点はさらに伸ばすという考え。実態を十分に踏まえた中で良い改革をしていきたい。
  • 自己改革の検討体制を整備して基本としてスピード感を持って検討しているところ。青年組織からの意見もいただき、また、外部の有識者との懇談会も設置する考え。担い手に評価され、組織外の人の期待にも応えられる自己改革にしたい。 

(武内委員)

  • 農村の振興について、政策連携を進めていただきたい分野が3つある。まず、生物多様性分野との連携について、我が国が参加している生物多様性条約の大きな目的の一つに生物資源の持続的利用がある。生物多様性国家戦略の取りまとめの際に、生態系サービスを都市住民に提供し、それに対して都市住民はサービスを受けた者としてしかるべき行動・支援を行うという考えを提供した。このように、都市と農村の対流・交流という観点だけではなく、人間と自然の再構築という観点で議論をしてはどうか。
  • 次に、健康、豊かさ、生きがいと食料・農業・農村施策とをより深く結びつけることができるのではないか。現在、65歳以上の人の7割、75歳以上の人の5割が、病気でもなく介護の必要もない状態と分析されている。従来、福祉施策は介護などが必要な人向けが中心。今後、まだ社会貢献ができる人たちがどのように社会に参画していき、逆に参画することでより健康で生き甲斐がある状態にしていくかという中で、農業・農村の役割は極めて大きい。農業に従事することと健康との関係についてはまだ明らかにされておらず、データの分析を含め、相互関係の中で施策を検討していく必要。
  • 最後に、観光との連携について、従来、団体観光や旅行会社が企画する既存の観光が多かったが、最近は個人ベースの観光になってきており、観光名所に行くよりも、異日常を体験したいという傾向にあり、農村で受け入れやすい。ニーズを把握しないまま外国人観光客が来たらどうだといった議論をするに留まるのではなく、どうやって農村に引き込むかについて戦略的に検討する必要。
  • 農協など、きちんと評価すべきところは評価する必要。6月に策定された農林水産業・地域の活力創造プランの基本的な欠落点だと思うが、ステークホルダーを互いに競い合わせるだけでなく、協調し得る形の地域管理の体制づくりが重要。
  • 従来の閉鎖的なコモンズではなく、もう少し様々なステークホルダーに開かれたコモンズ(ニューコモンズ)があって、そして、それを受け入れる中で、既存の団体についても地域に位置付けられるような新しい仕組を検討していくことが一つの方向性になるのではないか。 

(生源寺委員)

  • 36条について、他省庁のものも含め非常に多くのメニューがあり、もう少し整理ができないかという印象。市町村や現場のレベルでは、各メニューをどう使いこなしているのか。あるいは使うことが困難な面もあるのではないか。メニューがあまりにも多いことについては、少し考えた方が良い。
  • 雇用就農に関して、若い人が参入・定着してきており、大事にすべき傾向。地方に厚く立地している食品産業・食品製造業や農業について、就業先としての魅力や特徴をしっかりと伝えていく必要。一方で、雇用就農の定着率という点では問題があり、受け入れ側の労務管理レベルが追いついていないといった問題点がある場合には改善が必要。
  • 38条について、前回までの基本計画では各団体(農協、農委、共済、土地改良)が一括して記述され、非常に抽象的。基本計画レベルでは、それぞれの課題や改善すべき方向をきちんと記述する必要。特に、協同組合である農協と、法律に基づき農政のある部分を担うと規定された他の組織とでは性格が異なる。
  • 農協については、農協の有する複数の側面を踏まえて議論を深めていくことが必要。一つは協同組合という側面であり、そこには単協や連合会・中央会といういくつかの形がある。内容的には、農業の事業の実施という側面、地域のインフラサービスを提供するという側面もある。
  • 別の側面として、制度・政策への影響力を行使するという性格がある。制度等への働きかけ自体は否定されるものではなく、オープンな議論の下で集約していくのであればよいが、特定の利害のためだけの影響力の行使であるとすれば、国民の厳しい目にさらされるだろう。
  • さらに、農業政策は、実行段階で農協がかなり関与しており、これが農協の施策等への影響力の源泉となっているという面もある。農協に安易に行政の代行機関的な役割を課さないといった議論は、農林水産省や農政に対する問題提起でもある。農業政策と農業協同組合との関係についてもう少し整理する必要がある。
  • イコールフッティングという方向性自体は良いが、同時に、公的な役割を担う組織として民間の農協がふさわしいかという視点がある。農地利用集積円滑化団体を農協が担うという制度はいかがなものか。公平公正な判断ができる主体としての要件を備えているかという観点も必要。

(近藤委員)

  • 市街化調整区域について、農村レストランなどは農業施設でないため実質的に作れない。都市計画法は、人口増加の中で宅地確保などの観点から市街化調整区域などの線引きを行ってきたが、人口減少下で同じ政策を続けると、36条の目的が達成できなくなる状況が生じるという観点からの検討も必要でないか。
  • 農地中間管理機構で農地集約を行っているが、都市近郊地域では農振地域であってもなかなか集まらないという指摘もあるので、いずれ検討してもらいたい。
  • 農事組合法人は農協法第72条に規定されているが、当初想定されなかった、大規模法人がいくつも生まれており、生産資材の購買から生産の企画・集荷・販売まで自己完結している、農協の営農販売と同等の機能を持った組織が相当数出てきている。そういった法人と農協の競争条件が同じとなっているかといった点検はなされているのか。
  • 自身の法人では、有機農業など総合農協ではあまり扱わなかった分野を担ってきた。競争だけでなく、協調できる側面もある。米国では、議決権などが従来と異なる新世代農協も現れており、事例研究も必要でないか。
  • 農地法に位置づけられた農業生産法人と農協法に位置づけられた農事組合法人の法体系はこのままでよいのか疑問。整理の必要があるのでないか。

  (小林委員) 

  • 都市農村交流について様々な取組を行うことはよいが、体系立っていないのでないか。重要なのは高校生などの若手に対して伝えていくこと。食料問題・農業問題は日本が克服すべき最重要課題の一つであることを学校なども通じて教えていってもらいたい。高校生も相当な問題意識を持っている。日本の限られた資源の中で使われていないものがあり、それを活用していくということについて国民が一つになるべき。
  • 新たに農に取り組む者に対して、インセンティブを整理し、生活していけるという絵を示す必要がある。
  • 人口減少の中ではICTの活用と新しい農業機械の開発にインセンティブを出していく必要。
  • 農業は産業(競争力)と環境(国土保全)の2つの側面があり、団体の整理に際してはそれらを踏まえる必要がある。競争力の向上の観点では、川上における競争力あるコストでの生産、川下における高値での販売、川中における物流・金融の効率的な展開など全体で強いラインを作ることが必要。個々の団体がこうした大きな方針に沿って、各々が機能できる場面を徹底的に追求し、産業としての農業を強くしていく、または国土保全としての農業を守っていくことが重要。これらをきちんと分けて考えていくべき。
  • 今後様々な議論があると思うが、単に白か黒、0か1とするのでなく、国民レベルで議論して方向性を作っていくべき。

  (香髙委員)

  • 都市農村交流には、多様なメニューがあることに驚いた。これらについて、どの程度の予算が投じられ、どの程度の効果が出たのか、その後の政策につながったのか、PDCAサイクルを全体として回していくことが求められている。あまり効果が出なかったものについても、より多くの時間や予算をかければ効果が得られたのかなど、見直しの際は安易に予算と結果だけを見るのでなく、農業の将来あるべき姿も踏まえて見極めるべき。その際焦点を当てるべきものとしては、若者の就農支援(田舎で働き隊など)、女性の活用、海外需要の取り込み。
  • 外国人の観光誘致について、農林水産省としての統一的な旗振りの方向性を明確に出すことによって、自治体による個々の取組が深掘りされる一助となるのでないか。
  • 農業の厳しい現実からすればどれも政策的な支援を得やすいものではあるが、あえて焦点を絞り、外に向けて必死さが伝わるような政策のアピールも重要。
  • 医福食農連携については、省庁間の連携という観点で評価。一方、複数の省庁が関わることで、成果が妥協の産物とならないよう、徹底的な議論を各省と行ってもらいたい。
  • 在宅高齢者の7割が低栄養状態であるにも関わらず、要因の分析が不十分。低栄養の背景には買い物の困難さ、調理のしにくさなど複数の要因があり、介護食品が開発されれば低栄養状態が解消されるという単純なものではないと思われる。現場の声もよく聴いて深掘りし、介護を充実させてもらいたい。
  • 消費者庁の検討会で、「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会報告書」が了承された。食品の科学的なエビデンスの重要性が叫ばれる中、こうした政策がうまく進めば、農業にとっても効果的な新たな視点となる。コストや技術など普及までの課題を早くに克服し、消費者に新たな選択を提供して欲しい。こうした環境が整えば、安心・安全に並び科学的根拠が、日本の農産物の輸出の強みにもなる。

  (市川委員)

  • 都市農村交流と教育の連携について、資料2_2にあるモデル地域については、どのような農業を行っているのかなど、受け入れ側も適切な情報提示が求められる。その際、地域のリーダーを育成し、バイアスのない教育を行うよう目配りも必要。
  • 農協について、地域になくてはならない存在であると同時に、高コストの要因であるとも認識している。協同組合であることにより独禁法の適用が除外されることが高コストの原因と仮定すれば、例えば独禁法の適用除外がなければどの程度のコストダウンがなされ生産者や消費者のメリットになるのか、といったデータがあれば示してもらいたい。
  • 共済団体については、構成員と役員数が約2人のうち1人となっているが、なぜこのような状況となっているのか。 

(中嶋部会長)

  • 基本法第36条に都市農村交流が盛り込まれたことは、エポックメーキングな出来事。戦後は農村から都市へ人、金、土地などを提供する流れが農業政策の基本だったが、1990年代から2000年にかけて、その逆の都市から農村へという流れを交流という形で実現したもの。
  • 検証の中では、制度が現場の取組を加速したのか、現場の創意工夫が活発化し制度は後追い的状況を整備したに過ぎないのかを整理してもらいたい。現場が生み出していく動きを阻害することのないように、制度を改革していくべき。
  • 人口減少社会の中で、都市と農村で人材の獲得競争の激化が予想される。サービス産業でも人材は必要。農村を維持するためにも人材の確保が必要だが、都市が強烈な勢いで様々な取組を行うことで、都市と農村がアンバランスとならないか懸念。その動きに対して規制を行うのでなく、農村が一層力強くなるようなイノベーションを起こすような施策を行ってもらいたい。
  • 今般の制度改革は、団体の持続可能性を評価し、必要な措置をとるということ。社会的役割の観点からの評価のみならず、政策の補完的な機能をどれだけ果たしうるのかも重要。政策そのものが大きく変わってきており、団体の枠組みも必然的に見直しが必要。 

(三浦農村振興局長)

  • 山口委員から指摘のあった若年層の地域への定着について、何よりも重要なのは地元での雇用の確保。そのために、農業自体を魅力ある産業とすること、6次産業化の推進、都市農村交流といった取組を通じ雇用・所得の機会を確保することが重要。その観点も含めて、農水省も大学や企業との連携を進めてきている。地元の教育機関との連携を深めていくということについては、関係省庁とも協議して、どういった対策が可能か検討。
  • 都市のシニア層の農山漁村への受入れの重要性については指摘のとおり。UIJターン等の取組や受入側のニーズの情報提供、受け入れ側地域への空き家や廃校の手入れへの支援などの取組の支援を今後も進めていきたい。
  • 二名の委員から指摘のあった土地改良事業の予算について、近年の農業農村整備事業関係予算の当初予算の推移は以下のとおり。5772億円(H21)→2129億円(H22~24)→2627億円(H25)→2689億円(H26)。
  • 松本委員から指摘のあった生産緑地制度は国交省の専管事項。H34年に多くの生産緑地が指定後30年を迎えるが、その後の取扱いについての委員の問題関心を国交省にも伝え、都市農業・都市農地を所管する観点から取り組みたい。
  • 藤井(千)委員から指摘のあった各施策の所得・雇用の確保への結びつきの検証について、従来の指標だけで十分と考えている訳ではなく、どのような検証ができるか指摘も踏まえて今後検討。人手不足が深刻化する中、こうした取組が移住・定住にも結びつくよう、農業以外にも6次化や都市農村交流などを所得・雇用の確保に結びつけ農村活性化を図っていく際、女性・若者・高齢者など様々な人材のポテンシャルを活用することにより、取組を推進していくことが重要。
  • 萬歳委員から指摘のあった都市農業の税制については、都市計画で定める市街化区域内の農地が農地法上届出で転用可能であることが土地価格や税制面での取扱いに反映されている。今後とも、国交省とも連携して検討を進めていきたい。その際、与党における都市農業基本法の検討状況も注視していきたい。
  • 武内委員から指摘のあった要介護となっていない高齢者の生き甲斐の確保における農業・農村の役割については指摘のとおり。高齢者も農業や6次化、都市農村交流などに様々な役割を果たしており、政策としてどのような在り方が適当か今後検討。
  • 観光については、農観連携の推進協定の締結などに基づき様々な取組を実施。観光業のノウハウも踏まえて、効果のある施策や取組が行われるように努めていく。
  • 生源寺委員など複数の委員から指摘のあった都市農村交流の様々な施策をもう少し、整理できないかとの点について、今回、事業の背景となる目的の変遷や、交流の発展プロセスなどを切り口に整理を試みたもの。現場の視点で、様々な角度から整理を行う必要があると思うが、今後検討。
  • 近藤委員から指摘のあった農地転用の制限については、具体例を見る必要があるが、一般論としては、農産物販売施設等は農地法上転用可能と制度上位置づけられている。また、農振農用地区域においても、国家戦略特区の手続に則ったものであれば農家レストランについて一定の規制緩和措置が講じられる。これらについて通知も発出したが、さらに周知に努める。
  • 香髙委員から指摘のあった予算の施策を講ずる中での検証の手法や効果の捉え方について、重要な論点と認識しており検討を行っていきたい。
  • なお、予算による施策面でも整理を行っており、農山漁村の共生・対流、都市農業の推進等について、各省連携して特に推進すべきプロジェクトについて示している。
  • 外国人の受入れについては、観光庁とも連携しながら、観光立国アクションプランに基づき、外国人受入可能な農家民宿の統一マークの表示や、観光関連事業者に対して日本食提供によるもてなしのパートナーとなるよう呼びかけるなど、農業という枠を超えて取組を進めていく。
  • 市川委員から指摘のあった子ども農山漁村交流の詳細なデータの分類については、手元にないので後日整理し対応したい。 

(奥原経営局長)

  • 山口委員から指摘のあったように、農協についても、時代の変化に合わせて組織を見直すということが基本。平成12年の農協系統の事業・組織に関する検討会及び平成15年の農協のあり方についての研究会での指摘事項と、本年6月の農林水産業・地域の活力創造プランの改訂と基本的な方向はほとんど変わっていない。すべきことは見えているので、これをいかに上手く実践し、それをしっかり法制度で支えることが重要。その際、今まで対立構造で捉えられがちであった経済界と農業界がしっかり連携することが重要。
  • 山内委員から指摘のあったように、農業者自らが農協の事業を利用することによりメリットを受けるというのが農協の理念。しかし、農協法が制定された当時と現在では農協を取り巻く状況が変わっており、どうすれば農業者、特に担い手にメリットがあるのかについて、販売面や資材供給面等から検討する必要。
  • 農地利用最適化推進委員を置くことで複雑化するのではないかという指摘について、現在農業委員会の業務は大きく3つ(委員会としての決定行為・各委員の地域での活動、事務局の業務)に分けられる。このうち、耕作放棄地の発生防止等の各委員が地域で行う農地関係の業務については、委員会としての決定行為等とは別に、最適化推進委員を置いた方がむしろ機能に応じて仕事が上手く進むのではないかと考えて整理している。
  • 三石委員から指摘のあった点については、単位農協や連合会は、農業者や農協が集まって自由に組織したものであり、組織形態のあり方についても、自立的に選択すべきものであるのはそのとおり。従来の農協法でできなかったこともできるようにした方が良いのではないかという話があった。今回、法制度に手をつけることになるが、農業者の協同組織という枠組みこえる改正はできない。
  • 松本委員から指摘があった農業委員会改革について、現場目線に立つ必要があるとの指摘はそのとおり。農業委員会がうまく機能しているのは、地域の中心となる担い手が農業委員のメンバーになり、その地域で積極的に活動しているところ。こういう観点で、農業委員会の制度についても見直しを検討する。
  • 藤井雄一郎委員から指摘のあった農協改革について、若者や女性の意見を聞く必要があるということについては、全くそのとおり。農協の年齢構成であるが、70歳以上が正組合員の4割を占めている。次の世代も農協を利用するかについては、真剣に検討する必要があり、しっかりと青年・女性の意見を聞くことが改革の基本中の基本。
  • 農地の情報については、昨年の臨時国会で農地中間管理機構法の制定と併せ、農地法を改正し、農業委員会が農地基本台帳を作成しインターネット上に公表することを義務化したところ。現在全国統一でシステム整備を進めており、これを活用することにより、インターネットで誰でも農地情報を閲覧可能となる。
  • 藤井千佐子委員からの、団体の事業については農業者にとって必要なものに絞るようにとの指摘についてはそのとおり。農協は民間団体であるが、特に農業委員会については、地方公共団体の独立委員会であり、御指摘のとおりその地域の人と農地の問題を解決するために必要な部分に絞り、さらにその成果が農業者にも見える形で検討していく。
  • 萬歳委員から指摘のあった農協のこれまでの取組への評価はないのかという点について、中央会の尽力により、700余まで農協数は減り、経営体質も強化されてきているところ。ただ、正組合員と准組合員数の逆転、70歳以上が4割を占める組合員の年齢構成、販売事業及び資材購買事業のシェアの低下をどう改善するのかが課題。
  • 農家所得向上に向けた農協の優良な取組例については、農水省が調べてHPに公表しているところだが、こういう事例が横展開していかないのが一つの問題。
  • 農協改革は自己改革が基本であるということは指摘のとおり。改革の基本方向は10年ほど前とほとんど変わっていないので、1日も早く実践して成果を出していただきたい。今後5年間を集中推進期間として取り組むこととしており、この間の自己改革を円滑に進めるために、法制度も整備していく。
  • 武内委員は今回のプランの改訂は、地域の担い手と外部からの新規参入者を競争させるものと言われたが、そうではなく、協調しながら地域の農業を発展させていくという趣旨であると理解。
  • 生源寺会長から指摘のあった労働力の関係については、指摘のとおり雇用就農が増加してきている。農水省では、平成24年から青年就農給付金と法人雇用への支援である農の雇用事業をセットで実施しているところ。これからのことを考えると、独立して営農するには土地も譲り受けなければならない、機械を購入する等コストがかかるため、学卒者でも雇用就農が有力な方法。ノウハウをマスターした後、法人の役員になっても、独立してもよい。こういう雇用就農への支援をさらに強化する必要があると認識。その際、労務管理をどうするかについても重要な問題であり、労務士等様々な方と情報交換しながら、法人経営の労務管理がよりうまくいくように、また優秀な方に就農してもらえるように様々な取組を進めているところ。
  • 農協と、農業委員会等の団体とを分けて整理する必要があるとの指摘は指摘のとおり。農協は経済活動を行う民間団体であるが、農業委員会や共済組合は、事務費等交付金も出している公的な団体。
  • JAについて議論するときに、JAにいくつかの顔があるという指摘があったが、これもそのとおり。今回の地域の活力創造プラン、与党のとりまとめに書いているのは、農業者の協同組合としての側面。それに一番力点を置いて整理をしている。いかに担い手農業者にメリットが出るかと言うことを第一に考えていくべきと考えている。
  • 農協と行政との関係については、平成15年の研究会でも結論づけられており、安易な相互依存にならないように、両者の役割を明確に分ける、農協以外の生産者団体とのイコールフッティングを確保する、農協経由の補助金交付を廃止する等についてこれまでも実施しているところ。農協は民間団体であり、公的な役割を当然に果たすということにはならず、農地中間管理機構等の業務委託を受けるということについても、知事等の承認を受けた上で実施する等のルールが重要であると考えている。
  • 近藤委員から指摘のあった農事組合法人と農協とが本当にイコールフッティングになっているかという点については、各県段階、各市町村段階で様々なことがあるかもしれないので、具体的に指摘していただけば個別に是正を図って参りたい。また、農地法の農業生産法人と農協法の農事組合法人との整理についてであるが、農協法に規定されている農事組合法人は、農業者が作った組織に法人格を与えるもの。他方、農地法に規定される農業生産法人は、法人が農地を所有するための要件を整理したものであり、法人格を付与するものではない。
  • 小林委員から指摘のあったとおり、我々は産業政策としての農業政策と地域政策としての農村政策をきちんと分けて考えていこうということで整理をしている。先の通常国会においても、産業政策と地域政策を分けて政策を再構築したところであり、農協や農業委員会改革においても、産業政策の観点からきちんと成果を出さなければならないと考えている。
  • 市川委員から指摘のあった農協に独禁法の適用除外がなければ消費者にとってどういうメリットがあるのかということについては、資料は持ち合わせていないが、食料については市場価格で決定されるところであり、むしろ問題としては、生産資材価格が割高だと、農家の手取りが低くなる。また、現在の農協の販売は市場出荷が中心だが、消費者が食品に支払っている金額は100兆円にもなり、農協が川下に有利に販売すればこれを農村の方に取り込むことができる。こういう販売の工夫を農協の方にもやって頂きたい。これが今回の改革の趣旨。こうすれば農業者のみならず消費者にとってもメリットがあるものと思料。
  • 共済組合の職員のうち2人に1人が役員になっているのではないかという指摘だが、ダブルカウントはしていない。農家の代表の方が非常勤役員としても選ばれてその組合で運営に当たっているというパターンが多いので、そこでコストが大きくかかっているということではない。 

(石田食料産業局審議官)

  • 香高委員から指摘のあった介護食品のあり方についてであるが、今回の企画部会の資料の「新たな需要の開拓」の実例としてお示ししたものであり、昨年検討会が立ち上がり、検討が進められている。その中で、嚥下障害といった食機能だけではなく、低栄養といった観点からも射程を少し広めにとって、そこにどのようなニーズがあり、どういう形で示していったら良いかなどについて検討を進めており、そういうことを通して新たな市場を創っていきたいという話をさせていただいた。 

(西郷生産振興審議官)

  • 藤井(雄)委員から指摘のあった大麻栽培については、幻覚を起こす物質THCが入っているということで大麻取締法により規制されており、栽培にあたり都道府県知事の免許が必要であること、用途についても神社のしめ縄等伝統品で他に代替がないものに限って認められているところ。幻覚症状が出るTHCが微量あるいは含まれない品種が見つかったということで大麻による地域おこしにつなげたいという御意見であるが、厚労省は抽出を重ねれば当該物質が含まれており、かけ合わせると当該物質が発生するため、大麻の産業利用にかなり慎重。ただ、以前は栽培されていたことや、先の国会でも議論になったところであり、今後とも関係省庁と議論してまいりたい。 

(木内環境政策課長)

  • 武内委員からご指摘いただいた、生物多様性の持続的利用という考え方を都市農村交流にも取り入れるということについて、その一環としてエコツーリズムと、グリーンツーリズムの連携、あるいは世界農業遺産を通じて都市住民が生態系サービスを利用するという動きが始まっている。この他にも、生態系サービスの自然資本という概念が、農業者、都市住民、企業にも認識されやすいよう生物多様性の経済評価等にも取り組み始めたところ。引き続き、関係者との連携を深めてまいりたい。

(中嶋部会長)

  • 本日で検証については終了し、企画部会としては一区切りなので、最後に皆川次官から一言いただきたい。 

(皆川農林水産事務次官)

  • 今回までで、施策の検証は一段落となる。今回のテーマである農村振興及び団体整備についてはマスコミにもかなり注目されている。特に最近マスコミをにぎわしているのは、人口の急減と超高齢化。東京と地方との関係等に対応するため、政府にまち・ひと・しごと創生本部が設置されるところ。この地方創生本部で、我々は農村振興を所掌する省庁として積極的に提言し、また本部にも人を派遣し、我々の思いを伝えていきたいと考えている。この問題は、農水省だけでできるものではなく、各省連携で取り組む必要。
  • 団体の再編整備については、これまでのような飲み込んだ抽象的なことではなかなか済まされない内容を含んでいると思っている。特に、農協改革がクローズアップされているが、経営局長からも申し上げているとおり、自己改革が必要。農協系統では新しい意見を聴く場も設けるとのことであり、来年の通常国会への法案の提出ということもあるので、それにタイミングを合わせて積極的にご議論いただき、私どもと意見交換させていただきたい。 

(天羽政策課長)

  • 今後のスケジュールについて3点申し上げる。まず、7月29~30日に現地調査を行うことを予定しており、本日プレスリリースしたところ。委員におかれては御出席いただきたい。また、これまでの検証を踏まえ、今後の政策の基本方向の議論に入るが次回の企画部会は9月の開催を予定しており、詳細は後日御連絡する。2月の企画部会でアナウンスしたが、国民からの意見募集第2回を開催する。これまでの検証に対する意見や各農政局が開催している説明会で頂戴した意見についても集約したいと考えている。本日プレスリリースを行ったところであり、9月末まで募集することとしたい。

 

3. 閉会

以上

お問い合わせ先

大臣官房政策課
代表:03-3502-8111(内線3086)
ダイヤルイン:03-3502-5515
FAX:03-3508-4080

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