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食料・農業・農村政策審議会企画部会(平成26年10月7日)議事概要

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1. 日 時:平成26年10月7日(火曜日)13時25分~17時05分

2. 場 所:農林水産省 7階講堂

3. 出席者:中嶋企画部会長、市川委員、香髙委員、小林委員、近藤委員、生源寺委員、藤井(雄)委員、松永委員、松本委員、三石委員、山内委員、山口委員

 

1. 開会

 

2. 新たな食料・農業・農村基本計画について

〈食料安全保障、食料自給率、自給力等について〉

【意見交換概要】 

(山内委員)

  • 食料自給力の具体的な指標化に向けて検討することについて賛同。
  • その際、食料自給力がこれまで強化されてこなかった要因を詳細に分析した上で整理する必要。年毎の行程計画を策定することで、到達目標を具体的に指標化し、それを定期的に評価できる仕組みを作ることが必要。
  • 食料自給力の新たな指標は、客観性を持ち、多くの国民に理解されるよう、公開されたプロセスを踏み、地域毎の特徴が反映されたものにしていく必要。
  • 農地面積についても、今までの施策の中で有効だったものや難しかったものを評価の上、食料自給力の要素につなげていく必要。
  • 食料自給率について、現行のような目標数値ありきでの策定は見直す必要。この場合、全国の目標は各地の状況にのっとって作られているので、各地の課題を把握して、地域毎の計画策定も必要。
  • 食料自給率は、カロリーベースがよく知られているが、生産額ベース、重量ベース、品目別など多様なものを総合的に見ていく必要。国民に正しく理解されるよう、食育、学校教育、メディアの協力も得て、それらの指標についても伝えていって欲しい。

(小林委員)

  • 食料安全保障については、二国間の良い関係作りが重要であり、くさびを打ち込んでいく必要。対象国に対して、食料生産技術の提供や指導員派遣などを行い、日本に輸出しないといけないと思わせるような雰囲気作りが大事。
  • リスク分析に当たっては、例えば、横軸を発生頻度、縦軸をインパクトの大きさにしたリスクマップを作成して、リスクの高いものから定期点検するなど、濃淡を付けた対応をしてはどうか。
  • 現在の自給率目標は50%となっているが、新たな目標は背伸びしてジャンプしたら届くような数値にし、必ずやり遂げるというものにすべき。
  • 和食については、日本料理のイメージにある伝統や美をコアにして理屈付けしてはどうか。

(山口委員)

  • 食料安全保障のリスク管理については、一定期間でサイクルを回していくということで、来年の3月が第1回目のターゲットになると思うが、対象品目それぞれについて、作物年度も踏まえて時限目標をしっかり設定した上で、定期的に評価すべき。
  • 国内リスク対応に関し、食品産業事業者のBCP(業務継続計画)は作っているが、官製版のBCPを作って欲しい。例えば、東日本大震災の際、同じ企業でも別の工場なら生産可能な場合に、製造所記号を別の工場で流用することが許された。どういう状況が起きたときに、どこまでを想定するかということを、省庁間で検討して欲しい。
  • 消費者といっても様々であり、信頼を得るためには、多層の軸からバランスをとった判断基準を作ることが大事。例えば、食品表示について、多くの情報を知らせた方がいいが、記載し過ぎると見えにくくなってしまう。消費者に情報を伝える手段はパッケージだけではないので、ネットも含めてどの情報をどのメディアに載せると最適か、複数軸から検討する必要。
  • 食資源の確保について、個別のテーマの裏付けとなる技術を超えた、もう少し深くて広い影響を与えるような技術革新が世界中で起きている。そのような技術革新をフォローしておき、影響が出たときの対応を分析しておく必要。各テーマ毎の技術よりも大きな技術革新に対する目線が必要。
  • 6次産業化の成果として生み出される技術の知的財産権を確立させ、グローバルスタンダード化する取組が重要。この点、地理的表示保護制度は時宜を得ている。アセアン諸国のモデルとして浸透すれば、知財先進国や中国や韓国に先駆けて、日本モデルがグローバルスタンダード化し国際競争力強化につながる。農林水産・食品知的財産保護コンソーシアムは素晴らしい試みであり、よく検討して欲しい。
  • 農業が基盤分野であるアセアン諸国に対し、日本の有する6次産業化による高品質、安全、高収量といった農業技術・関連技術を移転し、知財のコンセプトを共有することで、アセアン諸国、ひいては、アジアとの連携・連合を強めて欲しい。

(松本委員)

  • 農地の減少、水路の老朽化、中山間地域における担い手不足といった課題について、不測時に備えた食料安全保障という視点から、顕在化しているリスクと捉えて体系化する必要。
  • 農地面積の見通しに関して、平成21年の農地法改正において、優良農地の転用を抑制する制度改正が行われたが、面積は減少。条件不利地域である中山間地域の活用策が、次期経営展望において大きなポイント。
  • 耕作放棄地は40万haとよく言われるが、既に何十年も山林化しているところも多い。荒廃農地は27万ha、うち15万haは現場から見て再生可能と認識されている。これらの数値を精査し、将来的に確保すべき農地とそうでない農地を峻別し、具体的な政策を打ち出すべき。

(三石委員)

  • 不測時に備えた食料安保に関して、リスク管理の対象となる海外17項目、国内7項目はよく整理されている。その中には、自分でコントロールできるものと、相手国政府や自然災害などコントロールできないものがあるとの視点での分析が必要。特に前者については、万全な対応をとっていく必要。
  • 自給力を数値化するのはなかなか難しいと思うが、5年~10年先を睨んだときに、例えば、輸入飼料と自給飼料のバランスをどうしていきたいのかなど検討する必要。地域完結型の国内農産物でモデル地域を作り、一方で海外輸入もするような仕組みを作るなど、国全体だけでなく、個別地域モデルも必要。

(市川委員)

  • 不測時に備えた食料安全保障について、リスク管理の仕組みをきちんと整えることは心強い。政権や施策が変化してもぶれることなく長い目で進めて欲しい。
  • 食料安全保障や輸入・輸出の促進の観点から、植物検疫は重要な課題。国際的調和の観点での技術開発が進む中で、日本では放射線を使った植物検疫が認められていないが、必要性についてどう考えているか。
  • 小麦は、収量や品質面で良いものができないなど、日本に向く作物、向かない作物がある。食料自給率を高く設定することで、無理な政策を進めることは、税金を投入するとの観点でも問題。日本の風土に合わない部分に対して積極的に技術開発するのか判断が必要。

(川合食料安全保障課長)

  • (山内委員の意見について)自給率はFAOが算定式を示している一方、食料自給力の指標化は、それほど多くの国でやっているわけではない。どういう姿なら指標化できるのか、あるいは難しいのか、検討を深めていきたい。
  • 前回の食料自給率目標が、生産面、需要面において、現実に見合っていなかったとの御指摘も踏まえ、次期目標について検討を深めたい。また、平成17年の食料自給率目標から、カロリーベースと併せて、金額ベースも目標と位置付けており、様々なチャネルを使ってPRしていきたい。
  • (小林委員の意見について)食料安全保障について、関係国との良好な関係の構築が重要との点については、全く同じ認識。発展途上国における生産支援や輸送体制の構築などについて、JBICや外務省と連携して行い、関係国との協力関係の構築に努めている。
  • リスクマップ作成について、御指摘の点を踏まえて検討したい。
  • (小林委員及び山口委員の意見について)国内外のリスク評価についてレビューする枠組みは初めての試み。基本計画に合わせて示した上で、一定の頻度でレビューをしていくが、その頻度や作物毎の扱い等については、今後、検討してまいりたい。
  • (山口委員の意見について)BCPの御指摘については、不測時の食料の安定供給のための対策事業を進めており、平成26年度は、優良事例の普及による取組の定着・強化を図っている。
  • (松本委員の意見について)リスクファクターとして、農地面積や担い手の減少を加えてはどうかという点について、今回取り上げたリスク要因は、食料供給全体に一定程度の影響を及ぼすものを選定しているが、今後、要因として馴染むか否か検討していきたい。
  • (三石委員の意見について)リスク要因をコントロールできるものとできないものに仕分けるべきという点について、海外における輸送体制構築の支援などコントロールできるものについては、万全な対応をしてまいりたい。顕在化しているリスクと顕在化してないリスクという区分け以外の区分けができるかについては、検討していきたい。
  • 自給飼料と輸入飼料の目標について、現行の基本計画では、飼料の自給率目標を示しているが、次期計画での取扱いについては引き続き検討してまいりたい。
  • (市川委員の意見について)食料安全保障についての御指摘は、しっかり受け止めて対応していきたい。

(三浦農村振興局長)

  • (山内委員の意見について)農地面積に係る施策の有効だった点、難しかった点を評価した上で盛り込んでいくとの点について、(1)優良農地の転用抑制については基本計画における見通しとほぼ同程度で推移、(2)耕作放棄地の発生抑制については見通しから徐々に乖離、(3)荒廃農地の再生については見通しから大きく乖離しており、これらの分析を踏まえて、食料自給率目標や食料自給力との整合性も確保しながら検討していきたい。
  • (松本委員の意見について)耕作放棄地・荒廃農地について、世の中で一番よく使われているのは、農家の自己申告をベースとした5年に1回の調査である農林業センサスによる耕作放棄地40万haとのデータ。一方、市町村や農業委員会が農地基本台帳などを基に現地調査をした客観的データが、荒廃農地27万ha、うち再生可能な土地が15万haである。耕作放棄地や荒廃農地をどうするかという施策を考える際には、その毎年の客観的データが必要であるが、一方で、農家の考えの傾向を見るデータも有用であり、それぞれの特性に応じて活用していきたい。

(小林消費・安全局長)

  • (山口委員の意見について)大災害時において表示規制を厳密にやり過ぎると対応できないとのことだが、まさにおっしゃるとおり。厳密に見ると多少疑問はあっても、流通させざるを得ないことが起こり得る。消費者庁と連携して、現実に支障のないように対応していきたい。
  • パッケージ以外にも手段はあるため総合的に考えて表示ルールを決めるべきとの御指摘については、消費者委員会等で議論していただくこととなるが、農林水産省は消費者、生産者、流通業者の皆様の意見を聞ける立場にあるので、しっかりと消費者庁と連携して対応していきたい。
  • (市川委員の意見について)植物検疫に係る放射線照射については、食べて大丈夫かという点がハードルとなるが、所管する厚生労働省、食品安全委員会に、市川委員の御意見は既に伝えている。なお、現時点では、放射線照射した食物を日本に輸出したいというリクエストはない。

(西郷生産振興審議官)

  • (市川委員の意見について)小麦について、需要に沿った生産が基本であり、無理に拡大することは考えていないが、一方で、パンや中華麺に合うものなど、競争力のあるものや地域に根差したものは、導入を進めていきたい。

(別所技術総括審議官)

  • (山口委員の意見について)資源確保と技術革新の関係について、現在、遺伝資源の収集技術、生産栽培管理の精密化による収量の向上など、様々な分野でいろいろな技術革新が行われている。今後も、国内外問わず広い視点から情報収集し、充実に努めてまいりたい。

(雨宮農林水産技術会議事務局長)

  • (山口委員の意見について)品目毎の技術開発も重要だが、もっと大きな技術革新が必要との御指摘があった。例えばDNAマーカー育種などは品目共通の革新的技術。農業以外の分野の最先端技術を農業分野で使うとの観点での融合研究も進めている。

(今城総括審議官(国際))

  • (小林委員の意見について)二国間の技術協力についての御発言があった。我が国は、ODA等を通じ、アジア等へ技術的・人的協力を実施。食料安全保障との関連では、今後、世界人口が増加し需要増になっていく中で、それらの国には輸入増のリスクを除き自給をしてもらうという方向で協力していく。
  • 我が国のリスク管理の対象品目として示した小麦、大豆などは、先進国からの輸入が基本。技術協力というより、先進国同士の関係で食料安全保障を確実にしていくことが主眼となる。
  • 本年7月に日本・豪州の両首脳が署名した日豪EPA協定においては、豪州内の生産が不足した場合にも、我が国に対する輸出規制を行わないよう努めることを内容とした規定を設けることができた。
  • (三石委員の意見について)コントロールの可否という点に関して、輸送についても、例えば小麦は米国から300万トン輸入しているが、日系企業が現地で行う集荷やエレベーターなどを含めた総合的な対応が必要。

(櫻庭食料産業局長)

  • 知的財産権等の話については、しっかり取り組んでいきたい。

(中嶋部会長)

  • (山口委員からの意見について)官製版BCPを検討すべきとの御指摘について、先ほどの回答では趣旨が少し違っており、検討をお願いする。

(藤井(雄)委員)

  • 震災の際に、食料供給ができないのが疑問だったが、今回のリスク分析の話を聞き、生産だけでなく、いろいろな仕組みが動いてないと不測時の食料安全保障は守られないことが分かった。
  • 生産者として短期的な取組によりできることは少ないため、長期的な視点で評価し活かしていける指標・施策をお願いしたい。
  • 食料自給力については、食料安全保障のリスク評価と絡めて、どのように活かされるのか整合性を持って考える必要。食料自給力イコール国内生産力とあるが、国際競争力を持った作物を長期的に作り続ける生産力がないと意味がなく、このような観点を入れて検討する必要。
  • 北海道でも、条件不利地域だから耕作放棄地につながっているという例が多々ある。荒廃農地の再生といっても、大型機械では乗り入れられない地域もある中で、使える土地と使えない土地を柔軟に評価して現実に即した形で運用する必要。

(香髙委員)

  • 食料安全保障の確立についての総合的な管理・評価は国の仕事であり、今回の積極的な取組を高く評価。
  • 農業分野のリスク要因の洗い出しだけでなく、事態が起きたときの自治体と住民のリスクコミュニケーションなどまで視野を広げ、様々な課題に目配りをして盛り込んで欲しい。
  • 国の高いレベルの情報が、自治体に共有されず、また、共有しても自治体側でその意味するところが消化できず、結果的に住民に重要な情報が届かないことがある。情報の伝わり方にミスがないようにする必要。
  • リスクの洗い出しについては、1度やればいいというものではなく、その手法も含めて不断の見直しが必要。
  • 食料安全保障に係るリスク管理の対象となる6品目については、生命の維持というカロリーベースの視点なら十分かもしれないが、日々の生活で占める割合の大きい野菜や果物を除いてよいのか議論が必要。野菜は年複数回作付けや代替可能であることからリスク要因は低いというが、消費の行動上、不安心理を高めることが起こると、6品目に限らず、異常な動きが出てくることもあるので、より広い範囲で目配りをしていく必要。
  • なぜイギリスの例を取り上げているのか、政策に落とし込む際には、日英の共通点や差異等の要因も踏まえ、分かりやすく説明する必要。
  • 食料自給力については、昭和50年から議論されているが、今回は農業の改革期・転換期だと認識しており、これまでの議論とは一歩違うステージで考えた結果が食料自給力に反映できればと考えている。
  • 厚生労働省が健康な食事の認証マークを作ったが、今後、農林水産省が日本型食生活に関して別のアプローチをすると消費者は混乱するので、受け手側の視点に立った施策の推進をお願いする。

(近藤委員)

  • 食料自給率の数値は、達成する手段、PDCAサイクル、予算による支援等を含めて目標設定する必要。また、国が示す生産数量目標と、自治体ごとの目標と整合性を検証する必要。例えば、野菜は、需要と供給のバランスが崩れて価格が高騰、低迷するが、気象要件だけなのか分析が必要。
  • 自給力は、生産構造と関係しており、その検討に当たっては、法人を含めた専業農家、1種兼業、2種兼業それぞれの生産力の現状を検証し、目標設定するという視点も必要。
  • 前回の基本計画改定時に比べ、100haを超える法人、県域を越える法人が出てくるなど、法人の規模や経営形態は変化しているが、そこにあった新しい施策となっていない。こうした変化に即した施策を検討いただきたい。
  • 新たな経営モデルは、それぞれの地域、現場で使いこなせるモデルとすべき。これまでのモデルが使われていなかった原因を分析し、活用されるものにする必要。

(生源寺委員)

  • 不測時の食料安全保障については、リスク評価から実際にアクションを起こすまでの様々な段階において、省庁間や民間との連携が必要。どの品目にするかという点についても、栄養士、医師の観点から他省庁との連携が必要となってくる。
  • 不測の事態に冷静に対処するという意味で、東日本大震災や93年の米の大凶作時等、過去の経験に学ぶことが重要。食品産業界では大震災時に何ができたのか、何が不足したか等の総括がされている。品目の選定にも関わる話だが、例えば粉ミルクなどは、代替品がないという意味で非常に重要な要素といえる。
  • 食料安全保障という言葉について、国内の不測の事態に対して食料安全保障という言い方をすることは問題無いが、「世界の食料安全保障」という言葉にはかなり抵抗がある。「フードセキュリティ」という言葉は、定義に不測の事態も含むが、基本的には途上国の貧困層が直面している毎日の食の問題。別の訳を当てた方がよい。

(川合食料安全保障課長)

  • (藤井雄委員の意見について)食料安全保障の関係では、生産者による短期的取組だけでなく、長期的な取組にも活かせるよう検討したい。また、食料自給力と食料安保のリスク評価は密接に絡むものとの視点で検討していきたい。
  • (香髙委員の意見について)食料安全保障、食料自給率、自給力について、イギリスの例を用いた理由は、同じ島国であり、先進国という点。食生活の変化の有無など国民性の違いも視野入れながら、今後検討していきたい。野菜や果物は年複数回作付けや産地のリレー出荷が可能であり、リスク管理の対象品目としていないが、どういう整理が妥当か検討したい。
  • (近藤委員の意見について)自給率目標については、達成する手段、PDCA、予算が必要との視点をもって検討を進めたい。野菜の県毎の生産目標は、農地条件や反収などの地域実情を考慮しており、過去、国が基本計画を策定すると県でも目標を見直すことが多い。自給力の検討にあたり、専業・1種兼業・2種兼業といった要素を加味することは、データがない中で、人の要素をどう盛り込んでいけるか否かを検討したい。
  • (生源寺委員の意見について)リスク評価の対象品目は関係省庁と連携して意見を聞きながら検討したい。不測時の対応は、過去の事例や反省を踏まえて更に検討を深めたい。世界の食料安全保障の訳語については、誤解されないよう使い方に留意したい。

(櫻庭食料産業局長)

  • (香髙委員の意見について)「健康な食事」については、今後厚労省と連携してガイドラインを作成することとなっている。弁当を所管する立場から、栄養面、健康面に留意しつつ、現実的対応ができるよう検討してまいりたい。

(豊田経営局審議官)

  • (近藤委員の意見について)法人化は、家計と経営の分離、雇用環境の向上等が期待され、政策的にも融資や出資などの支援をしているところ。今後も現場の担い手の方々と意見交換を重ねつつ使いやすい形となるよう検討してまいりたい。

(三浦農村振興局長)

  • (藤井委員の意見について)条件不利地域の耕作放棄地については、農地として再生できるかが課題であり、そのために地域に応じた様々な制度・施策を設けている。それらを現場で実施する際には、農地所有者の意向などの実情を踏まえた運用を図ってまいりたい。

(中嶋部会長)

  • 食料安全保障という言葉については、日本語の問題だけでなく、基本計画改定後、国際的に発信する際にフードセキュリティと訳した場合にミスリードする可能性があるということか。((生源寺委員)そうではない。)いずれにしても概念整理をしっかりする必要。

 

〈食料の安定供給の確保に関する施策等について〉

【資料10「活力ある農山漁村づくり検討会」の報告】 

(松永委員)

  • 活力ある農山漁村づくり検討会では、「田園回帰」をキーワードとして捉えている。今般の人口減少・超高齢化という中で、農村にとってプラスと思える転機として、中山間地域や離島において、若者を中心に定住が相次いでいることが挙げられる。こうした新たな価値観をもつ意識の高い若者が、農山村の中で役割を果たしていける社会を作っていく必要。
  • 農山漁村の中で若い世代の仕事・雇用を見出していく必要。社会的企業(ソーシャルビジネス)という形で、地域の課題解決に向けて、行政に依存しない民間主体の新しいビジネスモデルを構築しようとする人が出てきている。これも「田園回帰」という若い世代が作り出している動きと結びついていることに注目。
  • この他、都市農村交流なども含め、農山漁村における新たな動きを世間に広く発信することによって、農山漁村の新たな価値を見出していこうというビジョンづくりを行っている。

【意見交換概要】

(山内委員)

  • 6次産業化等関連所得10兆円の実現に向けて、地域ごとに目標と具体的なプロセスを示す必要。魅力的な商品開発や販路拡大等、個人の生産者では難しい課題は、自治体や地域の団体と協働で取り組むべきであり、そのための後押しが必要。
  • 輸出については、大きな生産者だけでなく、意欲ある中・小規模生産者も参加できる配慮をもった施策を展開してほしい。

(市川委員)

  • 6次産業化に取り組む者は、海外展開を視野に入れたビジネス戦略を持っている者、地域のネットワークを活かして再生・活性化に取り組む者など様々であり、これらを明確に切り分けて施策を打つべき。
  • 所得倍増に係る計算式内の生産コストの縮減部分について、所得としては見えないコスト削減かもしれないが、労働時間軽減という視点を入れてはどうか。
  • 経営モデルで示されるレベルは、見栄えのよい優良なもの、中間、最低ラインのどれか。どのレベルを示すかにより、見え方、受け止められ方が違う。現実味のあるモデルがよりよく、納税者の理解も得られやすい。

(小林委員)

  • 6次産業化の推進、地方再生に向けては、雇用を作り出す企業の参入をどんどん増やしていくべき。企業を呼び込むメッセージを地方に出してもらう必要。
  • 農産物輸出5500億円の実績についてレビューを行い、成功事例を分析の上、共有することが重要。輸出業者に対して系統立った調査をするなど既存のネットワークを利活用する工夫も必要。
  • 所得倍増について、P×Q-Cとの数式があるが、これだけではイメージがわかない。農協に具体的に一体何ができるのかを問いかけ、農協自身が形にしたものに対して支援していく必要。

(三石委員)

  • 輸出について、最終的には原材料(例:ぶどう)ではなく、付加価値のついた商品(例:ワイン)を視野に段階を踏んで取り組んでいくべき。
  • 資料6_2はよくまとまっており、非常に良い資料。次の世代を担う小・中・高生向けにアレンジし、HPに掲載してわかりやすく伝えていけるようにしてはどうか。早いうちから、農林水産業と他産業とのつながりについて、数字も用いて教えていくことが大事。
  • 展望と戦略では、受け取り方が違う。あくまでも展望なのか、それとも具体的事項を示した工程表なのか。地域にとっては、できあがった姿でなく具体的に何をしたら良いのかがわかるものにすることが重要。第三者も交えて、地域の魅力を徹底的に洗い出し、分析することにより、何をすれば良いのかといった具体的なステップを示す必要。

(松本委員)

  • 経営モデルは、農村のマンパワー確保の面からも、どう頑張っていけばよいのかわかるものであることが重要であり、新たな経営展望は、地域ごとの条件を考慮しつつ、新規就農者が当面3~5年後を目指していけるように、具体的なイメージの湧くようなものも作成する必要。

(近藤委員)

  • 農業の成長化、所得の増大は必ず達成しなければならないが、これまでの施策によって達成できていない原因を精査すべき。実際に下がっている生産コストは一つも無い。所得も減っている。所得倍増をどう具体化するのか、具体論で示すべき。
  • 6次産業化は農業者だけでは取組が難しいので、農業者同士の連携、ネットワーク化等、協働できる環境整備が必要。
  • 単品輸出でなく、生産、加工、食文化も含めたバリューチェーン全体を輸出する発想が必要。その際、生産者が参画して利益が農村に還元される仕組みの構築が同時に必要。
  • 農家民泊は、子供たちの思い出になるものの、カリキュラムができていない現状。農家の大変さ(大根1本つくっても100円くらいでしか売れない等)が分かるような民泊等、グリーンツーリズムの組み立て方を検討していただきたい。

(櫻庭食料産業局長)

  • (山内委員の意見について)6次産業化の地域別パターンを示すことは難しいが、類型パターン(米中心等)はお示しできると思う。また、中小規模生産者も輸出に取り組めるプラットフォームの構築に取り組んでまいりたい。
  • (市川委員の意見について)6次化に取り組む多様な方々に対しては、最初の相談から各人の目指す将来像に至るまで、フォローアップしてまいりたい。
  • (小林委員の意見について)企業が原料を自ら調達する動きが出てきている。1次産業との連携について、しっかりメッセージを出していきたい。輸出については、品目毎の部会で国別品目別輸出戦略を検証しているところ。
  • (三石委員の意見について)付加価値のついた商品の輸出については、ぶどうをワインにする、ゼリーにするなどいろいろなパターンがある。農林水産業と他産業との関わりの資料を分かりやすくして教材にすべきとの指摘に関しては、今年初めて農業高校の教材に6次産業化という言葉が載ったところであり、副教材などで何ができるかなど考えてまいりたい。
  • (近藤委員の意見について)6次産業化に関わる農業者や関係事業者のネットワーク化について、PRしてまいりたい。輸出については、今まで輸出によりマイナス収支になるケースもあったことを踏まえ、輸出保険等、環境整備をしていきたい。

(天羽政策課長)

  • (市川委員の意見について)農地集積、技術開発、基盤整備は、労働時間縮減につながり、それが実現すれば、生産額の増大や生産コストの縮減につながると考えている。
  • (小林委員の意見について)農協については、今まさにその機能が問われているところ。農協に具体的な行動を求めるという視点ももっていきたい。
  • (近藤委員の意見について)足元、燃料費の高騰等、資材コストが上昇していることは理解。一方、生産コストの削減は永久に求めるべき方向性。具体的には、経営展望のモデル作成の中でも考えていきたい。

(別所技術総括審議官)

  • (市川委員の意見について)経営モデルでは、主業農家の平均がどういった取組を行えば効率的かつ安定的な経営になるかを示すこととしている。示す目標のレベルは、非現実的なものではなく、先進事例を参考とした目標という形で整理する予定だが、地域性、経営形態は様々なので、バリエーションを持って示していく必要があると思料。
  • (三石委員の意見について)経営展望について、具体的に取組をすればどれだけ所得が上がるか示すことを考えているが、具体的なステップを記した工程表を示すとすると6次化の推進手法ともリンクしてくる。示し方は検討していきたい。
  • (松本委員の意見について)新規就農者については、現在考えているものとは異なるが、担当の部署とも相談し、できるかできないかも含め検討してまいりたい。

(三浦農村振興局長)

  • (近藤委員の意見について)子ども農山漁村交流の例では、農家民泊は宿泊日数が高いほど効果的というデータもあるので、宿泊日数を増加させていくことは重要。プログラム内容の充実を図ることも課題。こうした問題認識に立った施策の充実を検討してまいりたい。

(生源寺委員)

  • 「所得倍増」を、政府として基本計画に書き込むことはふさわしくない。元になった自民党の農業・農村所得倍増目標10ヶ年戦略は、農業・農村に可能なこと、不可能なことを見極めて積み上げることによって、倍増という目標が導き出されたものではない。これは、昨年の参院選のための有権者に対するアピールといった性格が強く、ある意味では、倍増ありきで策定されたものであることから、これに基本計画を合わせるということはよくない。7月までの企画部会における検証では、現行基本計画の食料自給率目標について、先に50%という数字ありきの面があったと評価をしたところ。今回の「所得倍増」はそれと同じようなことになってしまう。このような検証を行ってきた企画部会であればなおさら注意する必要がある。したがって、「所得倍増」と記載することは控えた方がよい。「所得増大」や「所得増」であれば、かまわないと思うが。

(藤井(雄)委員)

  • 輸出促進にあたっては、国際規格の整備、例えば農場HACCPなどが特に大事だと思うので、力点を強くおいて進めてほしい。
  • 私自身、牛乳をアイスにして、台湾で販売会をやってきたが、売上げよりも経費の方が多くかかってしまった。チャンスは間違いなくあると感じているが、価格の面でいかに折り合いをつけていくのかというところが大きな問題。すぐに解決できる問題ではないが、長期的な視点で切り拓いていくことが大事。
  • 私自身の経験では、農業者自身が輸出までやるのは非常に難しく、関連企業と農業者を密接につなげていくことが大事。農業者自身がマーケットの動向をみながら経営するのはいいことだが、実際に地域全体の所得をあげていくためには、農業者はしっかりと生産面で価値を生み出し、関連産業者がそれぞれの分野で力を出すということが必要。
  • 現実的な経営展望を示すべきといった意見も出たが、酪農家は、個人経営で100頭、法人経営では現実的には200頭ぐらいだが、実際には余計厳しい経営状況。現在の機械化体系では1,000頭ぐらいでないと効率的にならない。現実的な姿とその先の姿の2段階で考えてもいいのではないか。

(香髙委員)

  • 6次産業化の資料の中で、「新たな分野との連携を厭わず」という言葉が書かれているが、大変苦労して入れられたものだと感じている。農業界側には企業アレルギーがまだ強いのではないか。企業と農業との連携強化はプラス面の方が多いと思うので、農林水産省としても、農業界の企業アレルギーを取り払うような仕組みづくりなどを進めてほしい。
  • 成功要因の抽出だけでなく、成功した人は必ず多くの失敗を経験した上で成功に辿り着いており、そのような失敗事例を深く掘り下げて検討する必要。
  • 農林水産業の世界では、成功事例の紹介ということがよく行われるが、事例をまねてうまくいくこともあるが、汎用性が出てうまくいかないこともある。あくまで農業者の主体的な動きをサポートするということを強調してほしい。
  • 6次産業化に係る認定総合化事業計画のフォローアップについては、必ずやっていただきたい。
  • 最近、日本酒の輸出が伸びている一方で、酒米の生産が不足しているようである。このため、農水省は、酒米の増産分は生産数量目標の枠外にしたとのことだが、もし輸出を抑制してしまっているような規制・仕組みがあれば、できるだけ前もって柔軟に撤廃するよう心がけて欲しい。
  • 輸出に関する資料の中で、日本食と和食という近い概念の言葉が2つ出てきている。世界に広めたいのはどちらなのか。整理するべき。

(松永委員)

  • 6次産業化が所得倍増の柱として掲げられ、経済的な評価に偏ってしまっているとの懸念。6次産業化の根本は、地域からのビジネス創造、雇用創造であり、そのビジネスから産まれた配分をいかに地域に還元するかというところにある。出口としての市場規模や、生産額などが資料には記載されているが、必ずしも経済効果だけで測りきれない。経済効果の周辺にある社会的効果にも着目して、より多面的にみる必要。

(中嶋部会長)

  • 6次産業化が広い意味を持った政策ツールであることは理解。ただしそれを受け止める現場が混乱しないよう、6次産業化関連政策に横串を刺す統括的な部署か計画が必要ではないか。そういった意味で、資料6_2は、総合力を発揮するプランになっているかについて検討が必要。
  • 本来6次産業化は極めてローカルな施策であり、「食」はグローバルなもの。グローバルとローカルのかけつなぎを行う政策推進に際して、「6次産業化等」という議論でひとくくりに収まるのか。一方、6次産業化の過程で農家や企業が輸出に取り組むケースもある。既存の食品産業である卸売市場等の役割も含め、整理が必要。
  • 経営展望等も含め、長期的な人口減少や、既に現場で生じている人手不足についても議論が必要。高齢者や女性の活用についてもこの問題と絡めて検討してもらいたい。既存の事例の延長線上でない働き方をいかに創造していくかが重要。
  • 食料自給力は重要な議論なので、次回議論を予定している第13回企画部会までの間でも、途中で検討状況を報告してもらいたい。

(櫻庭食料産業局長)

  • (藤井(雄)委員の意見について)6次産業化の推進による輸出の取組については、小ロットを大ロットにするなどによる物流コストの削減が重要。また、プラットフォームによる仲間づくりや日本の得意な低温物流も進めていきたい。
  • (香髙委員の意見について)農業者の企業アレルギーは、最近は薄れている。また、食品産業は元々地域に根ざしており、従業員や地元産品の活用など関係も深く、1次産業との連携はスムーズ。
  • (香髙委員の意見について)輸出に係る規制は、国内のみならず海外のものも多く、しっかり対応していく。
  • (香髙委員の意見について)「和食」だけでなく「日本食」という用語をあえて用いている。伝統食に限らず、ラーメンなどは日本に来て100年。日本食として根付いたもの。その中で、伝統、四季食も含んで和食というものがユネスコで位置付け。様々なかたちで日本の魅力を伝えていきたい。
  • (松永委員の意見について)6次産業化の取組の社会的な効用について、定量的な評価は難しいが、アンケートなどを用いて定性的に評価していきたい。
  • (中嶋部会長の意見について)6次産業化にかかる部局は、以前に比べ整理されてきており、農政局も含め担当部署を一元化して進めていきたい。
  • (中嶋部会長の意見について)グローカルという言葉があるように、6次産業化と輸出は、地域の特徴や資源の付加価値を、輸出をからめてどう高めていくかという点で一体的取組。卸売市場を含めた様々な政策をパッケージとして地域の特性に合わせて進めていきたい。

(別所技術総括審議官)

  • (藤井(雄)委員の意見について)経営展望について、例えば酪農の法人経営は搾乳ロボットやフリーストール・ロータリーパーラー等の省力化や、飼料生産をどうするのかという課題もあるが、各取組の規模やレベルについてそれなりに現実的かつ意欲的なものとすべく、よく考えていく。
  • (香高委員の意見について)先進事例の分析が必ずしも次の成功に結びつかないとのご指摘だが、係数や効果等の数字を出すためにも事例を参考にする必要があり、どう取り組んでいくかに関して戦略的なものを例示する考え。地域の工夫は政策的にサポートしていくことが重要。
  • (中嶋部会長の意見について)人手不足という社会的実態についての指摘も踏まえて検討。

(天羽政策課長)

  • (生源寺委員の意見について)所得倍増に関する指摘については、経営展望の作業を進めた上で改めて説明。

(小林消費・安全局長)

  • (藤井(雄)委員の意見について)CODEXなどの国際規格は、事実上のスタンダードとなるので、我が国としても人的な面でも、検討内容の面でも貢献していくことが重要。
  • (藤井(雄)委員の意見について)HACCPやGAPは、事実上も輸入取引基準として前提となる場合があり、輸出する上で取り組まないといけないものと認識。農場HACCPは、先進的取組であり、導入数はまだ少ない。導入に手間がかかるが、取引先からの信用、コストダウンといったメリットを整理し、理解を得ていくことが必要。

(森生産局総務課長)

  • (香髙委員の意見について)酒造好適米に限らず、輸出抑制的なものがあれば見直しが必要。

(豊田経営局審議官)

  • (中嶋部会長の意見について)高齢農業者は、地域の相談役や高度な技術の継承面での活躍を円滑に進めていきたい。女性農業者については、基幹的農業者の4割、人・農地プランへの参画3割となっており、ほかにも、6次産業化チャレンジ支援や、農業女子プロジェクトなどによるネットワーク化などを推進していきたい。

(川合食料安全保障課長)

  • (中嶋部会長の意見について)食料自給率・自給力について、指摘を踏まえて検討を進めていきたい。検討状況の報告のタイミングは改めて相談。

 

3. 閉会

以上

お問い合わせ先

大臣官房政策課
代表:03-3502-8111(内線3086)
ダイヤルイン:03-3502-5515
FAX:03-3508-4080

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