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食料・農業・農村政策審議会企画部会(平成26年10月17日)議事概要

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1. 日 時:平成26年10月17日(金曜日)15時00分~17時30分

2. 場 所:農林水産省 7階講堂

3. 出席者:中嶋企画部会長、市川委員、伊藤委員、香髙委員、小林委員、近藤委員、生源寺委員、萬歳委員、藤井(千)委員、松本委員、三石委員、山内委員、山口委員、青山経営所得安定対策小委座長

 

1. 開会

 

2. 新たな食料・農業・農村基本計画について

【意見交換概要】

(藤井(千)委員)

  •  青年新規就農者の倍増に向けた支援策が示されているが、新卒、UIJターンや転職で農業をやりたいという人に対し、どのようにアプローチするか明確でない。人手不足がこれから更に深刻化する中、よほどの策を講じなければ若い世代は農業に注目しない。ハローワークの求人500件のうち農業関係はわずか2件。これでは農業という選択肢があると若い人に伝わらない。例えば、農業者を雇用する企業はハローワークに登録することを義務付けるといったことも考えるべき。
  • 日本農業経営大学校の定員がわずか20名というのはあまりに少ない。もっと多くの学生を受け入れるべき。例えば、地方農政局ごとに学校を作り、有望な人を受け入れてはどうか。インターネットを使って授業を地方からも見られるようにするなどの工夫が必要。企業的な経営を勉強する際は、東京で実習すればよい。農業を志す若者をもっと多く受け入れる組織にしてほしい。
  • 基幹的農業従事者の42%を占める女性が、十分に力を発揮できるか否かが、日本の農業の将来を考える上で大きな鍵を握っている。例えば、人・農地プランの検討の場に女性を3割としているが、この3割の全てに就農している女性を充てるべき。
  • 女性農業者の事業の積極的な採択に配慮する事業が8つあり、総額485億円の予算が計上されているが、平成25年度で、このうち女性がトップまたは女性グループに対する事業の件数、全体に占める割合、事業費を示してほしい。女性農業者の能力を積極的に活用していくといった表現ではなく、必ず半分は女性がトップといった、もっとはっきりとしたポジティブアクションを導入すべき。

(萬歳委員)

  • 経営の多角化、複合営農は、日本農業の一つの形として重要。主食用米が減少傾向にある中、非主食用米の生産拡大を通じた水田のフル活用が大事。まさに、需要に応じた米生産が重要であり、今後の米政策の基本。
  • 米政策の推進のためには、水田活用直接支払交付金について、長期的かつ継続的な支援が極めて重要。現場では不安の声もあり、中長期的にやっていくということを基本計画に書き込むべき。
  • 水田のほ場整備は担い手への農地集積を考える上で極めて重要であり、農地中間管理機構による農地集積と両輪で推進をお願いしたい。
  • JA改革については、8月から自己改革案の取りまとめに向けて精力的に議論を重ねている。11月に中間取りまとめを公表する予定であり、企画部会の場で御意見をいただきたい。
  • 基本計画の主な対象を平成12年、17年と同様に「効率的かつ安定的な農業経営」とすることには賛同。ただし、認定農業者制度は、来年度からは一律の年齢制限を設けないなど、弾力的な運用が行われると認識。地域の実態に応じた柔軟な運用を徹底してほしい。
  • 中山間地などの地域の実態を踏まえると、兼業農家や家族農家などが多様な担い手として農業・農村の機能を維持している現状。地域政策の更なる強化・拡充に合わせ、多様な農業者の重要性、役割も基本計画に明確に位置付けるべき。

(小林委員)

  •   「効率的かつ安定的な農業経営」について、「効率的」と「安定的」の考え方が示されているが、定性的過ぎるのではないか。こういう数字を狙っているとの定量的な表現を明記すべき。
  • 40代以下の農業従事者を現在の20万人から10年後には40万人に拡大するとのことだが、担い手を個々にどの程度定量的に想定していて、だからこのような数字になるということを示す必要。
  • 法人化を目指すのはよいが、一般の産業には、大企業・中小企業向けといろいろな政策がある。一律でカバーするのは困難であり、きめ細かな政策が必要。
  • 農業農村整備について、長期のプラン、長期の展望を持って、国交省などと協議しながら施策を打っていくべき。
  • 企業の常識と世間の常識は一致しないことがある。JA組織の中に、例えば一般企業の人を入れることで、もっと多様性のある組織という方向で考えてはどうか。
  • 構造展望が市町村で認知されていない理由を分析し、活用できる方向でやるべき。

(松本委員)

  •   「効率的かつ安定的な農業経営になっている経営体」の経営体数、売上、利益などを教えてほしい。
  • 担い手の育成について、家族経営や集落営農は重要だが、経営だから100%上手くいくとは限らない。どうリスクヘッジしていくかという点を深めるべき。
  • 農業法人の増大に伴い、従業員の雇用改善をすべき。平成23年の調査では、法人の平均所得は200万円を切るくらいで、休日は月に5日程度とハードな就労体制。所得水準や雇用状況の改善の目標や政策を示す必要。
  • 農林水産業・地域の活力創造プランに、農地集積について、現行の5割から10年後には8割を目指すとあるが、これまでの5割の農地集積は条件の良いところであり、それでも20年、30年もかかった。これから増やす3割は、条件の厳しいところであり、声をかけてもなかなか進まない現実。区画が整理されていても排水不良な水田は50万ヘクタールもあり、食料自給力の観点からも、農地の基礎条件を整備する必要。こうした現実を真正面から受け止めて、計画を練り上げる必要。
  • JAや農業委員会について、規制改革の視点から一定の枠組で閣議決定されており、これは重いことだが、本審議会では、現場で政策課題を着実に前進させるとの観点で、御議論いただきたい。農業会議所についても組織内の検討を進めており、本企画部会の場で提示させていただきたい。農業団体の現場での役割という観点でご検討いただきたい。

(山口委員)

  •  今後拡大が期待できるマーケットのニーズに対応するためにはどのような品種改良や技術開発が必要かを考えるべき。例えば、外食、中食に移行する中、炊飯後の経時変化が大きな課題。他方、医療・介護マーケットでは、咀嚼しやすくかつ固形感があって食べやすくおいしいものが求められている。また、海外需要には、外国人の嗜好に合い、海外のメニューに最適なものは何か、米の質はどのようなものかを吟味すべき。新品種開発のための技術開発テーマは多岐に渡り、従来とは変わってくる。単においしい米という視点ではなく、調理技術など周辺技術も含めて考えながら技術開発することが、多角化につながる。
  • 現地調査の際、成功している方は、(1)農業に対する情熱が深い、(2)実地体験に基づき農業が大変という認識を持ち、それを超える技術を持っている、(3)合理性を持っているという要件を備えていた。これらを併せ持つ担い手を育成できるかが農業の将来を決める。アグリフューチャージャパン等においても、この3つの要件を持ち得る資質を持った人を選抜し、それに相応しいプログラムに徹底的にこだわってインプットしていく必要。
  • 日本農業経営大学校は、選抜基準を満たした方を選んでいると聞いている。現場で現実の肌感覚を持ち、現実的に考えることをプログラムに組み込み、他の産業の参考事例も取り入れながら育てていく必要。

(奥原経営局長)

  • (藤井(千)委員の意見について)青年新規就農者を増やす際のアプローチは非常に大事。ハローワークとの連携は最近始めた。学生等を対象に農業参入フェアを開催しており、人気が高まっている。また、個別に大学を訪問して働きかけているが、女子大学や体育系の大学の学生がかなり熱心に前向きに捉えている。幅広く若い人と接点を持ちながら、広めていく工夫を今後もしていく。法人経営者が集まって学生を対象として説明会を行っているが、有名大学の学生も来ており、若い人の農業を見る目が変わってきているのではないか。
  • アグリフューチャージャパンは国が直接運営しているものではなく、農業界・食品産業界からの出資により設立されたもの。財政的な問題もあり、定員は20名となっている。一方、従来から、各都道府県に農業大学校があり、高校卒業レベルを中心として募集し、農業技術を含めて教育している。1学年2,000名くらいいるが、質を高めていく必要。アグリフューチャージャパンは農業経営セミナーを開催しており、各県の農業大学校の学生に夏季休暇や冬期休暇を利用して東京に来てもらい、企業経営者等の話を聞いて経営者としてやっていくために必要なことを勉強してもらっている。全国の農業大学校のレベルを上げることも含めて、教育の充実に更に取り組んでいきたい。
  • インターネットを使って農業教育を行う法人に対しても、補助金を交付して取組を拡大してもらっている。
  • 農業の発展のためには、女性の農業者の能力をいかに発揮していくかが鍵と認識。農業女子プロジェクトを含めて、相当な力を入れている。人・農地プランの検討会については、3割を女性にしてもらっており、この多くは農業者だと考えているが、今後、更に徹底していきたい。
  • 女性に補助金を出す際の優先配慮の実績について、数字は改めてお示ししたい。24年度に、女性向け優先枠を作ったが、政府内で憲法違反になる恐れがあるという議論があり頓挫した。現在は優先配慮としているが、女性の活躍について改めて政府内の検討が始まっており、その中で更に議論が必要。
  • (萬歳委員の意見について)エサ米を含めてフル活用していくことは、極めて重要なテーマであり、これからも安定的にできるよう十分配慮したい。
  • 農協改革について、本企画部会において意見を伺う機会を設けられるよう、中嶋部会長とも相談したい。
  • 認定農業者を弾力的にとの御意見について、従来から年齢要件を作らないよう各市町村にお願いしているが、法改正により、意欲と能力のある人に幅広くなってもらえるようになっているので、市町村への周知を徹底していきたい。
  • (小林委員の意見について)「効率的かつ安定的な農業経営」との表現が定性的過ぎるのではないかとの御指摘だが、基本法の中の書き方がこのようになっている。実際に認定農業者を認定するときには、農業経営基盤強化促進法において、市町村が基本構想を作ることになっている。労働時間や所得について、市町村が基準をつくっており、将来的にこれに到達することを目安にしながら進めている。
  • 40代以下の農業従事者を現在の20万人から10年後には40万人に拡大することについて、現在、定着している人が年間1万人くらいで、まずはこれを2倍にしようと考えた。この2万という数は、構造展望を作る際にこの企画部会でも御議論いただきたいが、現在の基幹的農業従事者170万人を土地利用型と非土地利用型に分けて考えた。非土地利用型は専業的にやっている場合が多く60万人。土地利用型は368万haあり、この8割を担い手に集積するとすれば、大体300万haくらい。規模拡大を進めて、1人10haを作業するとすれば30万人であり、合わせて90万人。20歳で農業を初めて65歳まで働くと考えると、1人当たり45年働くことになり、これで割って毎年2万人入れば安定した構造になるのではないかと考えたもの。
  • 構造展望の市町村段階での認知度が低い点について、これまでの展望の作り方にも問題がある。これまでの構造展望においては、家族経営や法人経営がどのくらいの数になるかを出しており、行政にとっても推進の仕方が難しく、認知度の低い理由になっていたと考えている。次期構造展望では、担い手が農地をどれだけカバーするかを目標に掲げる考え。農地中間管理機構を作り、各県で担い手が農地をどれだけカバーするかについての目標を立ててもらっている。10年後に8割になるように設定されており、都道府県・市町村段階においても当然これをイメージしながら仕事をすることになると認識。
  • (松本委員の意見について)「効率的かつ安定的な農業経営になっている経営体」がどれくらいあるかについては、なかなか難しい問題。認定農業者の中には、効率的かつ安定的な農業経営になっている経営体と目指している経営体があり、また、認定農業者を卒業して効率的・安定的な経営体として維持しているところもある。認定を受けている農業者の中で、効率的かつ安定的な農業経営になっている経営体と目指している経営体の区分は難しく、データを持っていないが、上手く整理できれば説明したい。
  • 法人が増加すると従業員の雇用環境が大きな問題になるという点は、御指摘のとおり。若い人から見て魅力ある職場環境を作らなければ、若い人に来てもらえない。いかに職場環境を改善していくかという側面を今後更に強化していく。
  • 農地集積について、今後5割から8割にするのはなかなか難しいとの御指摘があった。たしかに段々難しい農地が多くなっていくとは考えているが、まだ平地でも流動化させないといけないところや分散錯綜しているところがかなり残っている。その上で、中山間地を含めて、条件の悪いところをどうするか、農地中間管理機構を上手く使いながら進めていきたい。
  • 団体について、規制改革の観点ではなく、あくまで政策課題を前進させていく観点でとの御指摘については、おっしゃるとおり。今回の農協や農業委員会の問題は、事柄の経緯として、5月半ばに、規制改革会議からかなり極端な意見があり、政府与党の中でいろいろな議論をして、農業の政策課題との関係が整理された。農協に関しては、農家所得の向上や地域の農業で何をするかという観点でどうしたらよいか。農業委員会も農地の流動化を進める、あるいは耕作放棄地の発生を防止するといった観点でどうすればよいかといった観点で整理されている。
  • (山口委員の意見について)多角化を進めていくときに、拡大できるマーケットにきちんと対応していくことは非常に重要。試験研究機関と連携しながら、いろいろな工夫を進めていく。例えば、おいしい米であればよいというわけではなく、カロリーの低い米の需要もあり、発想を変えてニーズに合うよう工夫しながら進めていく必要。
  • 人材育成の3つの要件についてはおっしゃるとおり。アグリフューチャージャパンもそのようなことを取り組み始めている。農業経営者の教育について、各地で様々な取組があり、良い取組を横に広げられるよう、工夫していく。

(三浦農村振興局長)

  • (萬歳委員の意見について)ほ場整備の実施によって担い手への農地集積が進むといった御指摘はそのとおり。資料のとおり、ほ場整備の実施済み地区の担い手への農地集積は、未整備地区と比べて格段に進んでいる。また、農地中間管理機構との連携についても、参考資料にて連携の考え方や事例を紹介しているので参照いただきたい。
  • (小林委員の意見について)農業農村整備について、長期の展望を持って、予算を効率的に執行するべきといった御指摘はそのとおり。土地改良事業は、土地改良法に基づき土地改良長期計画を定めて事業を実施している。現行計画は平成24年度~28年度までの計画だが、食料・農業・農村政策審議会の農業農村振興整備部会において、新たな政策の展開も踏まえた農業農村整備の具体化に向けて議論が開始されたところ。次期土地改良長期計画の策定も視野に入れ、当企画部会の議論等も踏まえつつ、検討していく。具体的な展望を定めつつ、必要に応じ関係省庁とも連携して予算の効率的な執行に努めたい。

(雨宮技術会議事務局長)

  • (山口委員の意見について)マーケットの動きに対応した品種・技術の開発を進めるべきとの御指摘があった。これまでも、リゾット向けのお米など新しいライフスタイルにあった品種の開発を進めてきたが、よりマーケットイン型の試験研究・技術開発を、実需者とも早い段階から連携しながら進めていきたい。

(市川委員)

  • 集落営農が担い手に位置付けられているが、支援には税金を使うことから、どこまでどのような支援していくのか、現実的な考え方を示して進めていくべき。「効率的かつ安定的な経営」を目指す集落営農もあるが、地域の中で生きがいを持って暮らしたい、地域のつながりを重視したいなど効率性とは違ったものさしで形成されているものもある。限られた資源は有効に使うべきであり、必要なところに必要な支援が届くようにすべき。
  • 耕作放棄地対策が耕作放棄地を少なくすることを前提とするのであれば、明らかに農業に不向きな土地まで対応するような効率の悪い施策にならないようにすべき。
  • 女性の活躍の推進について、女性用の資金枠を広げるといった取組もよいが、もっと根本的で社会学的なアプローチを整えて欲しい。若い女性にとって魅力的な職業にするために、働く環境、育児・教育環境まで含めた施策としていくべき。
  • 農協、農委、土地改良区、また、農地中間管理機構の関係性が今ひとつわからない。それぞれの団体の関係性や役割分担を整理し、何を目指しているか国民に説明する場があってもいいのではないか。

(伊藤委員)

  • 経営の多角化について、山口委員のニーズの把握が大事との発言に全く同感。小売業にとっても、農家の方々が作られたものを売るのではなく、こちらが欲しいものを作っていただくということが大事。特に6次産業化では更にその視点が必要。現地視察で訪問した川場村にあった、世田谷区のパティシエの方がやっているケーキ屋さんにお話をうかがうと、彼らが考えているのはマーケティングであり、ニーズの把握、パッケージング、ネーミング、ブランディングに細心の注意を払っているとのこと。6次産業化の中でもそのようなことにどんどん支援するべき。
  • 女性の活躍の推進は当社も取り組んでいるが、問題はかなり複雑。ヒアリングすると、制度の問題、働く女性の意識の問題、そして一番大きい問題として、管理職の問題があるということがわかった。かけ声だけで終わらないよう、本質的な議論が必要。
  • 農業分野において経営継承する人がいないという状況は、40年前に小売商店の後継者がいなくて減る一方、大規模小売店が台頭してきた状況と似ている。当時は、フランチャイズ方式を導入し、経営指導、販売のための什器や備品、物流システムの提供等の支援をして共存共栄を図った。これと同様、農業生産を担うための企業参入だけではなく、農業支援のための企業参入もあっていいのではないか。

(香髙委員)

  • 資料は農業者の高齢化の状況がわかりやすく示されており、農業のおかれている危機的な状況が多くの国民に伝わる。従来、農業の極端な人口構成は特殊なものとして捉えられがちであったが、近い将来、どの産業でも同じような状況になり得る。したがって、今、農業の分野で進めている改革は、日本経済の中で最も先進的なチャレンジ。このことを打ち出し、より多くの人々を巻き込んで、ポジティブに課題を解決していくというムードを醸成していってもらいたい。
  • 今回の農業改革では、農業者がより深く自らの経営について考え、自立していくということが一つのポイントだが、自立後にどういう絵が描けるかが若い人達にとっては重要。例えば、輸出をしていくとか、企業のオーナーとしてのれん分けし、農業の子会社をつくっていくなど、様々なイメージが描ける。10~30年後まで展望すると、農業ではこのような発展的なことができるという絵を示してほしい。そうすれば、若い人達も未来が描ける。
  • 協同農業普及事業の在り方について、現在、農水省の中で議論していると承知。予算の構成が、国が5%に対して地方自治体が95%となっており、ここ10年で大きく変わった。それに伴って自治体の中には普及指導員の数を減らし、予算も減らしている状況がある。今後、普及指導員にどのような役割を担ってもらうのか、国が明確な定義づけをする時期に来ているのではないか。
  • 「農業女子プロジェクト」について、ともするとキラキラした部分ばかりに目がいき、女性の中には抵抗がある人もいる。一時の話題作りで終わらないように、農業の世界でも根付かせるような取組が必要。
  • また、農業委員会への女性の参画について、「平成27年3月までに各組織において2人以上の女性役員の選出を確実に達成すること」との経営局長通知が平成22年に出ている。今年の7月に全国的に農業委員の統一選挙があったが、結果を検証し、課題が何であったかを踏まえて施策を検討すべき。もし達成できていないのであれば、農村には何か根深い課題があるのかもしれない。
  • 水路の維持・管理について、担い手は、規模を拡大しても地域の方々が減って水路管理まで任されると、農業に割く時間より水路管理に割く時間の方が長くなってしまうという不安がある。これまで、地域によってはボランティアで管理が行われてきた部分もあると思うが、相応の報酬を払うといったことも必要ではないか。例えば、子育て世代の母親達が、ある程度の金銭を支払うことでお互い子どもを預けやすくなったという事例もある。農業分野だけで考えるのではなく、このような身近な生活の事例も参考にしながら、視野を広く持って検討すべき。

(近藤委員)

  • 農業問題を突き詰めていくと、農家の所得があまりにも低すぎることにつきる。基本計画の中で、どの施策が農家の所得の向上につながっていくのか明確にするべき。農家の所得の66.7%が生活保護世帯以下という数値をみて驚いた。
  • 手段としての農地は、農地中間管理機構を中心に今後集約化を図っていくということだが、そこでの問題は農地の集約化。点在する荒廃農地を集約化する中で、雑種地が間に入っていると基盤整備の助成対象外となっている例もある。運用で整備が可能になるよう対応をお願いしたい。
  • 今後、法人の割合が高まる中、従来、農協や役場が担ってきた人材育成、技術の継承等を、これからは地域の優秀な農家・法人が中心となって担っていくということを基本計画に明記するべき。
  • 法人経営をひと括りにしているが、実際には多様な法人経営が展開されている。それを全体として育成・支援する仕組みが見えない。新規就農支援資金など、入り口は各種整備されたと思うが、それぞれの地域の気象条件にあった生産技術、経営技術などを一体で指導できる仕組みが各県に措置されないといけない。現状として、自治体や普及センターは、そのような指導ができていない。今後、生産現場の構造が大きく変化していくことを踏まえて、基本計画の中での位置付けを明確化して欲しい。

(生源寺委員)

  • 担い手の育成、農地集積、構造展望は制度・政策として落ち着きを取り戻したところ。基本的にはこの方向で基本計画を策定していくことに賛成。この7~8年間の制度のジグザグが、農家や法人経営者の投資判断など様々な意思決定に悪影響を及ぼしたことをかみしめるべき。制度・政策の転換は、市町村や農協の職員にも相当の負担。そうした負担は、本来より前向きな分野に向けられるべき。今回こうした形で落ち着かせたものが持続することを強く表明するような基本計画であるべき。
  • 担い手への農地集積・集約については、耕作者不在の農地の出現が加速する中、それらが耕作放棄地となることを防ぐため、農地を引き受ける担い手へのサポートが最大のポイント。
  • 「農林水産業・地域の活力創造プラン」には、「中期的には、全ての作目を対象とした収入保険の導入について調査・検討を進め、その道筋をつける」とあり、素直に読めば経営所得安定対策に代わり収入保険制度となると受け止めることもできるが、本日の資料では農業共済制度との関係で説明がなされており、これまでの説明と異なっていることについて、どのように理解すればよいか。経営所得安定対策自体もジグザグを経てきており、継続性を確保できるのか、また、経営所得安定対策自体は維持しつつ別の仕組みに乗り換えることもあり得るということか。共済が関係するとほぼ全ての経営タイプに当てはまる気もするので、今後の検討ではあるものの、検討の枠組みについて、基本計画に向けた議論の中でもある程度明らかにしておくことが必要。
  • 土地改良制度における維持管理の仕組みについては、香髙委員と同様の認識。同時に、土地改良事業の参加資格者、土地改良区の組合員資格者について、そろそろ新たな方向性の検討を開始すべき時期ではないか。昭和24年の土地改良法の策定以降、局長通達や、現場のベテランの配慮などにより、どうにか維持している状況。3月までに議論ということではないが、今後どのように議論するか、枠組みを作るべき。農地法関連の法改正が大方落ち着いたので、土地改良法第3条について検討すると同時に、おそらく一律でない各現場における運用面の2つの切り口から考えていくことが必要。

(三石委員)

  • 担い手に万が一の事態が生じた場合の対策を考えるべき。大きな組織体、経営体であれば、一人いなくなっても誰かがカバーできるが、多くの場合は、その担い手に事故等があれば、優良な農地、良い経営であっても継続が困難になる。効率的かつ安定的な農業経営を達成した後に、いかにそれを継続させるか。担い手に生じ得る最悪のケースを想定し、支援を検討すべき。これは施設園芸でも同様。
  • 法人化やフランチャイズシステム、パートナーシップ制などが考えられる。サポート体制、補完体制を持った仕組みを表に出して欲しい。
  • JAは、21万人の農協職員、1万4千人の営農指導員の力量をいかに上げるか。また、農業委員会は、不満や必要性が資料にも記載されており、何をすべきか明確。それをやるという姿勢を示してもらいたい。
  • 日本において農業は一つの重要な産業分野。農業の課題は農業部門だけで解決できない。農業に全く関係ない分野も含め、総力を挙げて正面から取り組むべき。その上で、日本の将来の食料・農業・農村についての姿勢を可能な限り次期基本計画に出していくべき。
  • CSRは、利益を確保した上で余力的にやるものでなく、徹底的にやらなければ厳しい状況。例えば、日本の大手企業が人事異動の一環として3年間就農させるなど行っても良いのでないか。就農に関心を持つ者2万人と実際の就農者1200人の差の原因についてもその取組の中で分析できるのでないか。

(山内委員)

  • 青年の就農については、農業が魅力のある職業だということを若い人に伝えていくべきとのこれまでの発言に賛成。大学高校のみならず、小中学生の頃から、地域のリーダーなどを訪問して農業のすばらしさを学ぶ体験授業についても、基本計画の中で施策につなげていくべき。
  • 女性の活用について、一人一人の努力には限界があるが、地域やグループで励まし合える関係があればやっていける。各地で、農業や企業、公務員などで女性管理職を増やすことも含め、地域のネットワークを設立して異業種交流しつつ、農業への理解の醸成や互いの支援を行える関係ができれば良い。
  • 農業農村整備の方向性についてはもっともだと思うが、実施には莫大な予算が必要。これまで何にいくら支出し、どのような効果があったのか検証した上で、次の5年10年間での優先順位などが具体的に示されないと議論ができない。納税する国民の負担は大きいが、必要性は理解しており、具体的な提案をするべき。

(中嶋部会長)

  • 担い手を作ることも重要だが、その後続けてもらうこと、育てることが重要であり、経営継承の問題に着目している。現在、農業経営を行う上で求められる規模や内容を考えると、経営継承は法人のスタイルをかなり参照する必要。かつては、自作農、借地農の家族経営でも、当時のやり方で持続的な経営を維持できたが、現在それらの知恵では営農継続は困難。自作農主義、借地農主義から、ある種の法人主義への転換が必要。全て法人化すべきという意味ではなく、法人の知恵をいかに取り入れていくかということ。
  • 継続性の観点から、農業者、経営者として数十年続けていくための仕組みが必要。現在は新規参入への支援が中心であり、その後の育成のための教育・研修システムがあまり見えない。現在は意欲ある法人が個別に育成しているが、農業界を挙げて教育界や労働界とともに人材を育成していく仕組みを作るべき。
  • 学生達は、キャリアパスを強く意識。就職後にどのような仕事ができるか、自身がどのように育っていくのかを見せないと入らない。どのような仕事をしてきたのかを社会的に評価し、法人間の転職や起業時にそれらの経験が認められる仕組みが必要。

(奥原経営局長)

  • 集落営農には様々なタイプがある中で、どこまで支援するかについては、それぞれの施策ごとに整理し進めていく。
  • 女性が活躍する場を広げることは非常に大事。農業女子プロジェクトのような場で、どんどん女性が前に出ていくことではずみがつく。また、こうした方々の活躍により、女性を見る目も変わり、社会的な変化にもつながっていく。
  • 農協、農業委員会と農地中間管理機構の役割のオーバーラップについては、農地中間管理機構関連の法案作成時に、ある部分は整理したものの、完全には整理しきれていない。むしろ、これまでのものを併存させながら進めることがよいと判断したところ。法律に5年後の見直し条項を入れており、その際実施状況をみながら整理する必要があると考えている。
  • 経営の多角化に向けて、マーケティングや6次産業化の支援はしっかり検討していく。
  • フランチャイズのように、経営継承の支援をするような法人も必要とのご指摘を頂いた。現実的にまだそこまで出来てきている状況ではないが、これも課題として検討させて頂きたい。
  • 農業だけを特殊なものと考えないことは非常に大きなポイント。他の産業のいいものは取り入れるという発想で政策をつくっていく。
  • 農業界と経済界との連携も重要。これからもいろいろな形で連携を継続していく。
  • 農家の自立後については、他産業と同様にいろいろな展開がある。企業と連携して輸出に取り組む等いろいろなパターンがあるので、若い方が農業に参入しようとする意欲が湧くよう、イメージが膨らむ工夫をしていきたい。
  • 農業委員における女性の割合は、ある程度増えたものの目標は到達できていない状況。現在我が国の農業委員の選出は、公選制が4分の3で議会推薦が4分の1となっており、女性の多くは議会推薦で選出される。現況のもとでは女性が立候補しようとしてもさせてもらえないケースもある。また女性だけでなく担い手農家の方が委員になることも大事。農業経営の4割が兼業農家という状況も踏まえ、市町村長による選任制をプランの中で提案させていただいている。
  • ご指摘の通り、担い手への農地集約や法人化により、従来役場がやっていた仕事を法人が担うようになってきている。少数の担い手と多数の兼業農家にわかれる時代となり、水路管理等の共通の作業がどうしても担い手に集中してくる状況。産業政策と地域政策をわけるという発想もその対策の一つだが、今後もいろいろな工夫が必要と認識。
  • 生源寺委員のご指摘通り、政策の枠組みの継続性は非常に重要なポイント。制度が安定して続くことで農家も投資ができるので、意を用いてきちんと取り組んでまいりたい。
  • 農地の受け手となる担い手へのサポートについては、従来からも融資制度、出資制度等いろいろ用意してきているところ。農地集約が進み、担い手のシェアが高まるほど、担い手の経営が駄目になったときの地域のダメージが大きくなる。セーフティネットも含めてよく検討していきたい。
  • 収入保険は、3年くらい検討しているが、その発想は、現行の共済制度の問題点を踏まえたセーフティネットの拡充にある。野菜を生産している担い手はたくさんいるものの、野菜は共済の対象外となっており、担い手のセーフティネットとしては不十分。また、大規模になるほどチャレンジのリスクも大きく、そうしたリスクに対応できるセーフティネットとなるよう、検討しているところ。法制化するまでにはまだ時間があるが、導入の際には、現行の他制度、共済やナラシ、野菜や畜産の価格安定制度も含めて、調整をどのようにするかは大きな問題。時間をかけて調整する必要があり、どこかで議論する機会を設けたい。
  • 三石委員のご指摘通り、担い手に何かがあったときにどうするかも大事な問題。一つの答えは法人化であり、法人のサポートも大事な問題。フランチャイズも含めて勉強したい。
  • 農協、農業委員会の問題は、アンケート調査により担い手からいろいろな指摘もでている。これをどう改善するかという観点で、プランを踏まえ、最後のつめを検討していきたい。
  • 農業の問題は農業界だけで解決することでは済まない時代。農業界と経済界が連携して、農業所得の向上を図っていくという方向をこれからも続けていきたい。
  • 法人経営者の高齢化もかなり進んできており、経営継承は非常に重要な問題と認識。中小企業でも経営継承するまで、7~10年かかると言われている。時間がかかることを農業法人にも自覚してもらい、早めにいろいろな手立てを講じていただく、場合によっては法人同士の合併も含めて経営が続けられる仕組みを考えてもらうことは非常に大事。
  • 人材育成に関しては、キャリアパスの意識が重要。今の法人経営の規模だと5~10年で法人の中でそれなりの立場につくが、そこからの昇進が難しい。のれん分けをして社長になるというような、キャリアパスのモデルをつくっていく必要。法人の方の取組を含め、モデルができるよう取り組んでまいりたい。

(三浦農村振興局長)

  • 耕作放棄地の再生については、現場を調査し、農地としての再生利用の可否を調べた上で、再生可能なものに対して対策を講じることとしている。
  • 水路の維持については、昔は無償でやっていたことだが、なかなかできなくなってきていることを踏まえ、地域における共同活動を財政支援で後押しするという観点で平成19年から農地・水・環境保全対策を行っている。今年、多面的機能法案が成立し、来年度から法律に基づく事業となる。その中で日当を支払うというような取組もできるので、活用いただきたい。また、大規模な担い手の負担を軽減するという観点から、ICT化等で水路維持に係る省力化を図ることも重要。
  • 生源寺委員の土地改良制度に関するご指摘については、認識はほぼ共通である。全国土地改良事業連合会に検討チームを立ち上げたところであり、実態調査・分析を踏まえ、土地改良法の3条資格者の問題等を含め、土地改良制度の在り方について検討を深めていく。
  • 山内委員ご指摘の農業生産基盤整備については、今回、今後の施策の具体的な検討方向について考え方を整理させていただいているつもり。具体的な予算措置については参考資料の方に政策課題に沿って掲げている。企画部会における取り上げ方については、事務局で検討し、部会長と相談させていただきたい。なお、各事業の実施に当たっては事前、期中、事後に評価を行いながら進めているところ。

(西郷生産振興審議官)

  • 普及事業の財源は、地方分権改革の際に地方交付税の中に移譲されたが、都道府県財政が厳しくなる中で予算が絞られてきている現状。普及員が全然役に立っていないわけではなく、農家と一緒に販路開拓に取り組んだり、試験研究機関や企業と一体となって新品種・新技術の普及に取り組む等、普及員でしかできないこともやっている。研究開発と生産現場のコーディネート等に特化するなど、メリハリの効いた事業を展開することで、さらに普及事業が役に立つものになると考えている。

 

3. 生産条件不利補正交付金の調整額の算定方法の制定等について

経営所得安定対策小委員会の青山座長から、10日3日の小委員会における審議の結果として、審議事項に特段の異議はないことを報告。この報告に対して各委員から異議はなく、平成26年9月25日付けで農林水産大臣が諮問した「生産条件不利補正交付金の面積単価及び数量単価の改正並びに調整額の算定方法の制定並びに収入減少影響緩和交付金の算定方法の改正について」のうち、「生産条件不利補正交付金の調整額の算定方法の制定及び収入減少影響緩和交付金の算定方法の改正」について、適当であるとの答申を行うことで了承。

 

4. 閉会

以上 

お問い合わせ先

大臣官房政策課
代表:03-3502-8111(内線3086)
ダイヤルイン:03-3502-5515
FAX:03-3508-4080

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