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食料・農業・農村政策審議会企画部会(平成26年10月31日)議事概要

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1. 日 時:平成26年10月31日(金曜日)13時25分~16時10分

2. 場 所:農林水産省 7階講堂

3. 出席者:中嶋企画部会長、市川委員、伊藤委員、香髙委員、近藤委員、生源寺委員、武内委員、萬歳委員、藤井(千)委員、藤井(雄)委員、松永委員、松本委員、三石委員、山内委員、山口委員

 

1. 開会

 

2. 新たな食料・農業・農村基本計画について

【意見交換概要】

(山内委員)

  • 資料5に、意見書を提出している。今まで、何か月か掛けて日本の生協関係者の皆様と生協の立場から基本計画に関する意見を整理し、今週、取りまとめて提出させていただいた。2ページ目に、総合的政策テーマを4点掲げており、3ページ以降は各論で詳細のテーマについて意見を述べている。
  • 今回の基本計画は、これからの農業を発展させ、持続可能なものにするタイミングとして極めて重要。危機感を持ちながら生協という立場で、生産者の方々と共に、やることはやっていきたいと考えているが、やはり担い手の確保・育成が非常に重要。併せて、今後、地域全体をどのようにしていくのかという視点も非常に重要であり、この方向を皆さんと共に論議して作っていきたい。
  • 担い手、とりわけ若い方たちが夢を持って就農できる状況を作っていくことと、地域社会を俯瞰した対策を作っていくことの結果として、食料自給力の強化やその結果としての食料自給率の向上が図られる。食料自給力については、まだどのような視点で見ていくのか明確になっていないが、皆さんと共に作り上げ、それを指標化し、到達目標を作っていくべき。
  • 研究基本計画について、中長期的にやるべきこと、短期的にやるべきこと、国民の動向などから優先順位を付けていくことは非常に重要だが、産学協力による先進的な研究開発が非常に優先的に見える。広く国民に関係する気候変動や農業者の安全の問題など、極めて速やかに対策をとるべきものもある。緊急性、重要性、コストを鑑みて優先順位を付けて取り組んで欲しい。
  • レギュラトリーサイエンスを大切にし、日常から多くの国民が科学的な視点でリスクを判断できる力をつけていくことが極めて重要。先進的な情報のみならず、基礎的な科学情報を小さい頃から理解できる仕組みを文科省などと共に作り上げて欲しい。
  • 省エネ対策や温暖化への適応策として再生可能エネルギーは重要。電力会社による接続申込への回答保留は、社会全体で考えるべき問題。再生可能エネルギーの普及を目指す上で、固定価格買取制度そのものは優れているが、いろいろな課題があるので、必要なものは改善すべき。農村社会では、太陽光発電を始めとして、多くの再生可能エネルギーのチャレンジが進んでいる。バイオマス発電や水力発電がようやく着手されようという段階に来ているときに、今回のような問題が起きたことは、地域資源を使いながら発電をし、地域の中で利用していこうという方々の意欲を削ぐもの。他省庁の課題だと思わず、農林水産省も積極的に意見を出して行動して欲しい。

(市川委員)

  • 日本の農業分野は、例えば、省エネ・省資源という意味において、他の先進国に比べて対策・対応が遅れている。特に、最近増えてきている施設園芸、農業機械の省エネなどについて、これから積極的かつ効果的に進めていかなくてはならない。全体のエネルギーの使用量から見れば微々たるものだが、農業はこれからの産業の大きな貴重な柱の一本となるものなので、環境政策においても他分野に遅れをとってはならない。是非、省エネ・省資源という視点を盛り込んで欲しい。
  • 研究基本計画について、委託プロジェクト研究費及び競争的資金の予算額が、平成21年度は248億円、平成26年度は127億円であり残念。いくら良い研究の種があっても、予算が無ければ研究は進まない。将来的に、あのときにやっておけばよかったということがないように、研究予算の確保を頑張って欲しい。
  • ニーズに直結した研究開発の推進は大変重要な視点。特に、農業は積極的な女性の活用が打ち出されている。いろいろな決定をするだけでなく、いろいろな作業を女性が担当するにあたって、簡単な装着で力が出るようなロボットの開発は、日本の得意分野ではないか。早く現場の方々が安く活用できるようになることを願う。
  • 遺伝子組換え技術を利用することによって、一番の恩恵を受けるのは農業者であるという立場に立って、まずはそれを利用する方々に、こんなメリットがある、労力が軽減できる、収量が上がるなど、具体的な理解を進めていくことが大事。その上で、消費者、国民的理解と進めていく方法もあるのではないか。遺伝子組換え技術と呼んでいいのか、呼ばないのかという新たな技術も出てきている段階なので、専門用語の選択、どのような言葉で説明していくのかといった具体的な方法も含めてしっかりと取り組んで欲しい。

(萬歳委員)

  • 米政策については、現在、行政による生産数量目標の配分と直接支払交付金による誘導によって、需要に応じた米作りを推進している。しかし、本年は最安値との新聞報道もあったように、米価の動向は大変な状況。今後、平成30年産からの見直しに向けて、国は様々な環境整備を行うこととしているが、今よりも行政の関与は弱まり、米の直接支払交付金も廃止される中で、米の需給の均衡、価格の安定を図るのはこれまで以上に困難な環境になると考えられる。国はまず現行の政策の定着状況の十分な検証を行い、需要に応じた米作りに向けて必要な対応を進めるべき。
  • 畜産・酪農について、離農が相次いでいる。高齢化、担い手不足が深刻化している状況。国内の生産基盤を維持・拡大することが喫緊の課題。畜産・酪農経営は、投資の回収期間が長いという特性があり、新規就農者の確保、後継者への円滑な経営継承、増頭への支援、地域営農組織への支援など、長期的な展望に立った支援の充実が必要。
  • JAグループは経団連と共に、「経済界と農業界の連携強化ワーキンググループ」を立ち上げた。「生産」、「物流・加工」、「国産農畜産物需要拡大」という3つの分野において、連携したプロジェクトに向け、現在、具体的な検討を進めている。革新的な技術を持つ企業と生産現場に精通した農業団体の連携によって、新たな付加価値を生み、農家の所得を向上させることを目的としている。機械貧乏という言葉があるが、政府の方針である「農業・農村の所得倍増」につながる技術開発を最優先で取り組むという方針を示して欲しい。

(山口委員)

  • 今後、伸長が見込まれるマーケットは(1)中食・外食マーケット、(2)高齢化に伴う介護・医療食マーケット、(3)海外市場である。資料1では、(1)が対象になっており、(2)、(3)がやや視野の外になっている。中長期テーマのところでは、この言葉があるが、2つとも既に顕在化したマーケットなので、(1)と同様に検証対象として良いのではないか。
  • 価値創造をする、付加価値を付けるということを考えるときに、生産あるいは販売から価値が生み出されるということが一番目立つし、売値も高くなるからそこが中心になる。しかし、特にコストの合理化との観点からみると、ロジスティックスの部分は、言わば、合理化のためのアイデアの宝庫である。生産・販売と同じような密度でロジスティックスをテーマアップすることが大事。
  • 技術移転の加速化のためのプラットフォーム作りのアイデアはすばらしい。是非、早期に立ち上げて欲しい。
  • ハローワーク、人材サービスセンター等と連携した援農隊の考え方は良いアイデア。企業では、50代後半から65歳くらいまで10年間のベースで雇用期間の後段部分を組織にとっても個人にとっても前向きな取組になるように考え始めた。地方創生のための事業後継者、農業経営者がローカルではなかなか得られない傾向にあり、両者のマッチングを図る場としての人材サービスセンター等と連携した援農隊という考え方も有効ではないか。
  • 食材・食品の高品質化のためには、品種開発は最重要だが、それだけでなく、前処理、調理条件、保存条件で非常に大きく変わる。これらの要因の吟味も非常に重要な技術テーマ。例えば、米の場合、精米状況、炊飯時の水質、温度経緯、炊飯器具、炊飯後の保存条件によって、品質は全く変わってしまう。ターゲットとするマーケットニーズに合わせた技術開発が必須。
  • 新技術は、必ず消費者、ユーザーに新たな知識や認識を求めるもの。新規性・革新性が高いほど、サイエンスコミュニケーションを分かりやすく繰り返し行うことが必須。アウトプットに関する不安材料をサイエンスコミュニケーションでしっかり分かってもらう努力が大事。

(藤井(雄)委員)

  • 先日、畜産部会で十勝の現地視察と地方公聴会に出席した。現場の酪農家から厳しい意見が出ている。円安と畜産物の海外需要の変化により、飼料費、燃料費、資材費が高騰し、さらに北海道においては電気代が値上がりした。自分のところの試算で年間200万円以上も電気代が値上がりする。タイムリーな対応をしないと厳しい。
  • 24年の生産費調査の中では、酪農経営はそれほど悪くない。酪農経営の中でも、良いところと悪いところが二極化しているのではないか。特に積極的に規模拡大をした酪農家は円高の中で経営を最適化してきた。飼料・原料などの変動費が急激に高騰化する中で、積極的にやってきた酪農家ほど厳しい状況。この辺りをしっかり見ていかないと、地域のリーダーの農家が倒れてしまい、地域ごと打撃を受けるところもあるのではないか。25年度の生産費調査が11月末に出ると思うが、そこに表れないところを是非拾って欲しい。
  • 酪農専業地帯の労働力不足は本当に限界に来ている。高齢化の影響が最も早く出るのは酪農ではないか。酪農家は若い人が多いが、酪農は最も生産時間が長く、365日、朝晩の搾乳を欠かすことができないなど、60代を超えると保たず、離農が進んできている。日本の農業の縮図の最初が酪農に表れているのではないか。この辺りを対策していくことが、酪農以外の分野においても重要な試金石になるのではないか。
  • 畜産クラスター、地域ぐるみの活動体制を作っていくのが最優先。預託育成、コントラクターがあれば、設備投資が軽減される。今回の視察においても、7千万円~1億円の投資をしないと新規に酪農を始められない状況。
  • 収益性の改善のため、自給飼料の増産が重要。配合飼料価格は、今は下がっているが、また上がってくるだろうし、粗飼料については、中国やアラブ諸国の買い付けが増え、日本は買い負けている状況。粗飼料基盤が薄いと、規模を拡大しようとする酪農家に大きなダメージとなる。自給率を上げるうえでも、自給飼料の増産が重要。草地更新、コントラクターなどを広めていく形で推進して欲しい。また、エコフィード、イアコーン、飼料米といったものを積極的に活用する政策を推進して欲しい。特に、飼料米等については、流通、加工、保存などの面でまだまだ大きな問題がある。飼料米を使うことが逆に経営にマイナスになることもある。その辺りも含めて、日本の政策としてしっかりと長期的なスパンで推進していくことを生産者として求めていきたい。
  • 日本の酪農・肉牛の分野で、頭数の不足が顕著になってくる。繁殖・肉牛農家の減少、ホルスタインについても小さな家族酪農の中で初妊牛を市場に出してきたという経緯があるから、そういったところが少なくなると、市場に出回る初妊牛・肉牛が少なくなる。元々、日本の酪農・肉牛は、ホルスタインにF1をつけて肉牛市場に送るという世界的に見ても特異なやり方。このような構造を改善するために、受精卵移植・性判別精液を積極的に利用していくことを国としてもっと推進していくべき。
  • 研究開発について、長期・短期の視点を入れたことは非常に評価。技術移転の加速化について、プラットフォームを作ることは非常に有用。現状として、大学等の研究も、ある学会に限られ、現場の酪農家までなかなか下りて来ない。メーカーが主導して行うセミナーについても、メーカーだけになり、関係者がなかなか一堂に会して行う場がない。
  • アメリカに視察に行った際、ウィスコンシン大学が中心となり、酪農家、畜産コンサルタント、関連業者が集まり、技術を作っていくという取組が見られた。北海道では、民間の畜産コンサルタントが中心となって、酪農家や幅広い関連業者を対象に北海道酪農技術セミナーを開いている。これらをモデルにするとよいのではないか。
  • 地理的表示保護制度に関して、アジアでは「北海道」がブームになっており、台湾の夜市に行ってみると、北海道産でないのに北海道産として売られていた。「北海道」という名前を付ければ売れるという状況に既になっている。どのようにして信頼を取り戻し、保護していくのかについて、非常に大きな問題になるのではないか。

(西郷生産振興審議官)

  • (市川委員の指摘について)園芸や農業機械の省エネ・環境政策が進んでおらず、きちんと進めていくべきとの御意見についてはおっしゃるとおり。ただし、農業機械も最近は規制が厳しくなっており、例えばトラクターの排ガス規制も強化されており、きちんと対応していく必要。自動車であれば、省エネの星マークがあるが、農業機械についても団体が同様の取組を始めているところ。園芸についても、補助事業で次世代施設園芸をやっており、地域のエネルギーを使おうという取組をしている。
  • (萬歳委員の指摘について)米の対策についていろいろと御意見をいただいた。定着状況についてはしっかり見ていく。需給動向についても情報提供を進めていく。
  • (萬歳委員、藤井(雄)委員の指摘について)畜産部会の方で、新たな酪農及び肉用牛の生産の近代化を図るための基本方針について議論をしており、その中できちんと議論をしていきたい。
  • (山口委員からの意見について)ロジスティックスに関する御意見については、おっしゃるとおり。例えば、青果物についても、どのようにすれば合理化できるかという視点で個別に考えていきたい。

(木内環境政策課長)

  • (山内委員の指摘について)農林水産省にとってもバイオマスや小水力の関係は非常に重要であり、農林水産省としても今回の固定価格買取制度の問題にきちんと対応していきたい。

(岩瀬食料産業局次長)

  • (山内委員の指摘について)本年5月に施行された農山漁村再生可能エネルギー法に基づく施策の導入をすべく、各説明会を開いているところ。再生可能エネルギー発電の事業構想から運転開始に至るまでに必要な様々な手続き・取組への支援等を行っており、引き続き、農山漁村活性化のために支援をしていきたい。
  • (山口委員の指摘について)地方の中小の食品産業とマッチングを上手くできないか検討している。比較的大きな食品企業の方々と地方再生のための地域の食品産業の支援ができないかということ。
  • (藤井(雄)委員の指摘について)知的財産が侵害される事例が増加している。そのため、引き続き、海外の現地人材を活用した共同監視や侵害の調査、知的財産保護に関わる地方の相談会、海外展開食品企業の知的財産担当OBを活用した国別担当者の設置等により、農林水産物・食品の知的財産保護に取り組んでいきたい。

(雨宮技術会議事務局長)

  • (山内委員の指摘について)研究テーマに優先順位を付ける際には、緊急性、重要性もしっかりと考慮に入れたい。
  • (山内委員、市川委員、山口委員の指摘について)科学的知見で不足するところを集めて、足りないところは研究で補っていく。その結果出された科学的知見を国民の皆様に分かりやすく、丁寧に粘り強く提供していく。その際、利用するメリットを農業者に分かりやすく説明したい。
  • (市川委員の指摘について)研究の予算が減っているのは残念ということで応援演説をいただいた。農林水産分野の試験研究が後退しないよう、しっかりと予算を確保していきたい。また、生産現場の変化に対応した技術開発について、女性の参画に伴って力の弱い部分を補うような技術も出てきている。生産現場とよくコミュニケーションをとりながら早期に活用できるようにしていきたい。
  • (山口委員、藤井(雄)委員の指摘について)今でも製品開発まで見込める研究については、産学官連携で民間の方にも入っていただいて応用研究から開発のところまで進めるようなやり方もやっている。プラットフォームにおいては、むしろ日頃から関係者が意見交換をしてアイデアを出し合い、現場の課題を研究につなげ、研究で出てきたシーズが製品につなげられないかということを常にコミュニケーションができる場にしていきたい。
  • (山口委員の指摘について)品種開発も大事だが、加工・流通・保存もしっかりとやる必要があるとの御指摘があった。公的機関においても、例えば、玄米の栄養分を損なわずに白米と同じような食感が楽しめる精米方法や、炊飯したお米を原料にしてお菓子などが加工できる米ゲルの技術など、ニーズを汲み取って民間と一緒になって研究していきたい。
  • (萬歳委員の指摘について)機械貧乏にならないような研究開発をして欲しいとの御意見があった。費用対効果を意識して経営評価をしながら研究開発を進めていきたい。

(西郷生産振興審議官)

  • (山口委員の指摘について)介護食や輸出マーケットを目指した生産・供給体制の確立をすべきとの御指摘について、まさにおっしゃるとおり。関係者と協力して対応していきたい。

(別所技術総括審議官)

  • (山内委員の指摘について)研究開発の優先順位はしっかりとつけていきたい。また、農業の構造が変化する中で、研究技術のターゲットはどこかということもしっかり考えていきたい。先端的技術についても、例えばアシストスーツは、中山間の農家の方をサポートするものでもあり、GPSのコントローラーは新規就農者の方をサポートするなど、非常に多面的なところもあり、ターゲットをきちんと見ながら優先順位を付けて進めていきたい。
  • レギュラトリーサイエンスについては、比較的新しい分野で、日本はまだまだ遅れている。食品安全等の科学的な行政を進める上で、そのベースとなるセオリーを積み上げていくと非常に重要な分野なので、引き続き積極的に取り組んで行きたい。
  • (萬歳委員の指摘について)技術開発と所得の増大の関係について御意見をいただいた。農業・農村の所得をどう増大させていくかの道筋として、例えば経営展望の中で経営の発展の姿などを示していくが、それを技術的にどうサポートできるかという視点を含めて進めていきたい。

(豊田経営局審議官)

  • (山口委員の指摘について)企業と農業との連携の関係で人材について御意見をいただいた。法人化が進む中で、経理、財務、労務、マーケティングに精通した人材が欲しいという声をよく聞く。企業を退職した方が現場で活躍しているという例がかなりある。能力のある人に入ってきてもらうことは重要だが、都会で稼いでいた分と同じだけの給料を払うのは難しく、今後、そういった連携について検討していきたい。

(松本委員)

  • 生産現場の議論に際しては、単収、労働生産性に寄与する作付け栽培技術、耕地利用率をあわせて考える必要があるが、農地の稼働率は年1作に至らない悲しい状況が続いている。現行の基本計画では、耕地利用率108%という大変果敢な目標が立てられているが、現実的には100%を割るような状況。耕地利用率の向上に寄与する視点から、技術開発や生産体制の強化等を中長期的かつ継続的に追求していく必要。
  • 農業経営における労働力問題はたいへん複雑で難しい面が多く、放っておいても将来避けて通れない問題。高齢化が進み、県によっては外国人研修生がいないと生産体制が組めないところもある。こういう問題を農政にどう位置づけていくか考える必要。こういった問題をきちんと分析した上で、スマート農業やパワーアシストスーツといった技術の話をすすめてもらいたい。
  • 環境と農業という観点で鳥獣被害について。農林水産省の公式数字では、直近の被害額は200~300億円となっているが、現場ではこの数字に大変違和感を持っている。桁が1つくらい違うのではないか。こうした数字が実感と乖離している状況では、きちんとした政策はできないのではないか。きちんと分析し、現場の実感にあった状況を把握した上で政策作りをする、あるいは、技術開発を進めていかなければ、マインドとして現場はついていけない。

(伊藤委員)

  • カット野菜、カットフルーツ等は、世帯人数の減少等により大変需要が伸びており、今後もますます増えていくだろう。これは、企業における食品由来の廃棄や家庭内での食品廃棄の削減にもつながるので、環境への貢献という観点でも是非推進して頂きたい。また、品種改良や生産流通の技術革新だけでなく、包材についても、鮮度の維持や食品ロスの削減にもつながるので、検討して頂きたい。
  • 地理的表示保護制度は生産者にとっては、努力が報いられる、知財が保護されるという意味で大変良いが、消費者の立場からすると、どんどん地域ブランドや銘柄が増えて区別しにくい状況。保護することは大事だが、お客目線で何が違うのか明確にわからなければ、もったいない。輸出の上でも、細かすぎると逆にブランドとして打ち出しが弱くなるのではないか。ブランドをもう少し大まかにしてきちっと売り込むことも検討頂きたい。

(武内委員)

  • 気候変動の適応政策と生態系保全政策の有機的な統合は極めて重要な課題だが、気候変動適応計画の作成に当たっては、自然災害の観点も付け加える必要。国内外問わず、自然災害とうまくつきあう社会づくりが極めて重要となってきている。その観点から、農業・農村の果たす役割は大きいと思うので、その点を議論に入れていくべき。
  • 国際社会も国内も、経済活動と環境保全をそれぞれ分離して考えるのではなく、環境と経済を両輪として、社会の持続可能性を考えていく方向に向かっている。現在の環境政策をその方向へすぐに転換することは難しいとは思うが、方向性について触れておくことは重要。農林水産業は、まさに自然資本ビジネス。環境、地域社会・経済の両面でよい好循環を生み出していくということが重要。世界農業遺産のような取組は、それをシンボライズしたような取組になるだろう。
  •  知の集積による技術革新という発想自体は強く支持する。研究そのものについても、技術と経済を別個に考える従来の個別分散型の科学技術の体系を束ねていくことが重要。それぞれの研究を束ねて社会イノベーションを引き起こすための、基本的な情報を提供する枠組みが不十分。知の集積による技術革新の前段となるような研究の枠組みがあってもよい。
  •  今の農林水産業をどう地方創生につなげるかということや、高齢化社会における農林水産業のあり方を考えることが重要。例えば、健康・医療と農林水産業は政策として全く別の分野だが、つながりがあるのではないか。また、65歳以上でも働ける人たちは多くいるので、きちんと使っていけば労働人口の減少をカバーすることにもつながる。農業をやることと健康のつながり、このことによる医療費削減等は、農業の新たな価値の創造にもなるし、地方創造にも貢献することになる。他の産業との連携を含め、地方創生の中で農林水産業が果たす役割について、研究的な面でもう少しフォーカスをあててもよいのではないか。
  • CGIAR(国際農業研究協議グループ)という農林水産業関係の国際的な研究機関を束ねる組織があるが、最近日本の拠出金も人員派遣も減り、国際的なビジビリティ(visibility)が非常に下がっているという話を聞いた。まだアジアではよいが、アフリカやラテンアメリカにおける日本の研究的な分野でのビジビリティは極めて低いと言わざるをえない。そういう状況の中で予算を減らすとますます見えなくなってしまう。拠出金が難しければどうするかという二次的な問題も含め、日本の研究が国際社会の中でみえていく方向にしていくことが重要。

(藤井(千)委員)

  • 技術革新を進めるプラットフォーム作りは技術革新が成功するかどうかの鍵となるが、単なる民間活力による技術の橋渡し程度であれば、その実行性が懸念される。オランダのフードバレーやアメリカのシリコンバレーのように、より高みを目指し、スピード感をもって徹底的にすすめて頂きたい。また、これによって国民の生活や農業がどうなるかも描いてほしい。
  • 研究開発の段階で「農業者等の参画を得ることにより」とあるが、農業者というくくりではなく、是非女性農業者を入れていただきたい。基幹的農業従事者の半分は女性。プロとして日本の農業を支えている人たちであり、こういう人たちの意見が参考にされずに、農業の目指す方向は見いだし得ない。6次産業化や輸出拡大を進める上でも女性の力やアイデアは大事。女性農業者が自立した一人の農業者として参画できるような仕組みを作っていただきたい。

(三石委員)

  • 資料1_1は米についてよく書かれているが、例えば麦はどうするのか。現在の日本人の食生活の中では、コメも小麦も非常に重要。例えば、生産、供給、輸出が非常に安定している農産物の輸出国からの小麦の輸入を中心としつつ、国内では非常に特徴のある伝統的な小麦の生産についてしっかりサポートしていくことで、コメと小麦の両輪ができる。そういったようなものが、どこかに記されていないのかなと感じた。小麦は非常に大事な作物なので、食料自給力等の議論の際にもう一度取り上げた方がよい。
  • 技術者の視点だけでなく、現場で誰が担っているのかという視点が必要。これには高齢者、女性、外国人の3つの要素がある。技術開発の際には、常にこの3者にとって使いやすい技術なのかどうかという点で考える必要。
  • また、研究の担い手についての議論が抜け落ちている。食料・農業・農村関係の研究に優秀な人たちが参入してくるよう食料・農業・農村関係の研究の魅力を高める支援体制について議論すべき。将来性がないと思われれば、能力のある人が離れていってしまう。

(西郷生産振興審議官)

  • (伊藤委員の指摘について)カット野菜については、ご指摘のとおり伸びており、技術開発は包材についても進めるべきだと思う。予算を確保し、生産者、事業者一体となって開発を進めていきたい。
  • (松本委員の指摘について)耕地利用率を上げていくことも大事な問題だが、需要があるものを作っていくということで今取り組んでいるところ。水田フル活用等をきちんと推進してまいりたい。
  • 鳥獣害の被害額については、聞き取りによる積み上げの数字であり、おっしゃるとおり、必ずしもすべての被害額を表しているものではない。鳥獣被害対策については、次回資料等を準備してご説明したい。
  • (三石委員の指摘について)麦の活用については、おっしゃるとおり、ターゲットを絞ってやっていきたい。

(木内環境政策課長)

  • (武内委員の指摘について)気候変動の関係に自然災害も盛り込むべきというご指摘はおっしゃるとおり。適応計画では、しっかりと防災や自然災害の分野は書き込んでいきたい。
  • 自然資本という概念については、企業側でようやく少しずつ広がってきているという認識。農山漁村では意識がまだまだというところなので、これからどうやって高めて社会の中で定着させていくかを検討してまいりたい。

(岩瀬食料産業局次長)

  • (伊藤委員の指摘について)ブランドが細かく、多すぎて消費者が混乱するというご指摘があった。今回のGI制度について言えば、一定の品質を満たす商品のみに地理的表示がつけられるので、品質を守るもののみが市場に流通することとなる。また、統一マークもできるので、識別性は高まると考えている。また、海外に対しても、真の日本の特産品と考えて頂けるものと思料。来年の6月までにGI法が施行されるが、関係者にご理解頂けるよう制度の周知に引き続き努めてまいりたい。
  • 食品ロスについては、全般的な食品ロス削減に向けて取組んでおり、検討もすすめているところ。詳細は省くが、商慣習の見直しや意識改革に引き続き取り組んでまいりたい。

(雨宮技術会議事務局長)

  • (伊藤委員の指摘について)包装材の技術開発については、新しい技術を使用した穴の開け方により包装中の内部環境を今まで以上に制御していくような技術もできているので、今後も力を入れていきたい。
  • (武内委員の指摘について)知の集積関係について、農村の構造変化といったこともよく視野に入れ、融合的な研究をすすめていきたい。
  • CGIARに対してはいろいろな支援の仕方があるが、農水省は、プロジェクト的な形でいろいろな機関と共同研究などをしつつ支援している。この予算はそれほど減っていない。また、運営委員にも日本の研究者が入っており、一定の評価を頂いている。JIRCAS((独)国際農林水産業研究センター)では途上国の研究機関との共同研究や国際研究機関との研究を行いつつ、技術の移転のようなことを行っている。こういうところにも力を入れていきたい。
  • (藤井(千)委員の指摘について)プラットフォームの実行性については、オランダの産学官連携の例を参考にしながら、日本でどう実現できるか検討していきたい。
  • 研究開発段階への女性農業者の参画については、考慮しながらすすめていきたい。
  • (三石委員の指摘について)実際に技術を使うターゲットを明確にして研究を進めていきたい。研究の担い手について、担い手の育成という点では、農林水産分野の研究人材がどうあるべきか、プログラムのようなものも発表したり、研修や表彰事業の形で若手の研究者を育成するようなこともしている。また、この研究基本計画が将来の農林水産業分野の研究の方向性として、将来の研究者に見て頂けるような形にしていきたい。

(皆川事務次官)

  • (萬歳委員の指摘について)米政策改革については、平成30年産から行政の関与を低下させ、経営体として需要を自らつかみ、その需要に応じて生産水準を決定していくという大変意義深いことをやろうとしている。しかし、その実現のためには階段があるということも事実であり、毎年改善を図りながら、またその結果についても検証しながら、平成30年産からの改革ができるように我々としても最善の努力を積み重ねていきたい。
  • (藤井(雄)委員、萬歳委員の指摘について)酪農の現状について実態に即した指摘や、畜産・酪農問題として国内の生産基盤をどう維持するのかといった指摘を頂き、重く受け止めている。最近では、バターなどの緊急輸入を余儀なくされている状況もあり、国内の安定供給体制はどうなっているのかという指摘も受ける。来年は今までにない畜産・酪農関係の予算を要求しており、しっかり確保していくとともに、基本計画の中でも体制をつくっていきたい。経済的な側面だけではなくて、労働環境も含めてしっかり対応し、長期的展望に立った支援体制を構築していきたい。
  • (山内委員の指摘について)日本生活協同組合連合会からの意見について、先日、浅田会長と意見交換をさせて頂く機会があった。内部でしっかりと検討していただいた上でまとめられたとのことで、こういった意見書は十分踏まえさせて頂きたい。食料・農業・農村基本法の趣旨でもある、国民全体が農業を自らのこととして考え、どう支えていくのかという観点をまさに具現化したような検討プロセスを経て頂き、敬意を表したい。
  • バイオマス・小水力発電などの再生可能エネルギーにおいて、最近では接続問題が生じているという指摘があった。実は再生可能エネルギーの中でもそれぞれ電源の性格が異なっている。バイオマス・小水力発電というのは、火力・水力発電であり、電源としては比較的安定性が高い。おそらく問題になっているのはメガソーラーで、日照状況等に応じて大きく振れる電源であり、これをどうつなぐかという課題であると認識している。当然、地域全体で再生エネルギーを進めてきたのに、接続問題が生じてしまったといったようなところもあるかと思うので、他人任せにせず問題の解決に当たれるよう対応してまいりたい。
  • (松本委員の指摘について)鳥獣被害は大きな問題と認識。農業全体の持続可能性という点で鳥獣被害が非常に大きな制約となっていることについて、重く受け止めている。技術開発や林業の問題とも関係しており、しっかりと対応を考えていきたい。
  • (藤井(千)委員の指摘について)女性の活用に関する非常に面白い資料があり、日本政策金融公庫が融資している経営体においてどのような売上げの変化が生じているかという調査の中で、女性が経営に参画している方が売上げの増加割合が高いという結果が出ている。6次産業化などにおいては、女性の感性による今までにない新しいチャレンジによって、経営の革新が行われていることの証左ではないかと思っている。女性の活躍ということについて、しっかりと受け止めたい。近々、農業女子プロジェクトのイベントに私も出席することになっており、全国の女性農業経営者に対しエールを送ってきたいと思う。

(豊田経営局審議官)

  • (松本委員の指摘について)近年の外国人技能実習生の推移を見ると、毎年約1万人入ってきて、2~3年と延長する人が約1万人となっており、合計約2万人が農業分野で働いている。茨城や長野で実習生が多いという現状があり、農業を営んでいく上で無視できない実態がある。我々としては、将来的に約90万人の基幹的農業従事者を確保するため、毎年平均して2万人の青年層を新規就農させていくことで、担い手を確保していきたい。今日の議題との関係で言えば、技術を活用することで高齢者や女性にも活躍してもらうことが大事。本筋としては、若い人に計画的に農業に入ってきてもらうことを考えている。

(香髙委員)

  • 農業がこれまで様々な変化を遂げているにも関わらず、旧態依然とした産業だと見られがちなのは、このような施策を国民、農業者にうまくPRできていないことが大きなポイント。一連の精緻な政策に横串を差して、「今後の農業は、こういうキーワードの下にやっていくのだ」というような、分かりやすいメッセージを考えることも必要。
  • 今日の資料の中で心に残ったのは、「スマート農業」という考え方。これまでもスマート農業について研究会の中で精緻に議論されてきたかと思うが、農業者一人ひとりが、どのように作業したら効率的になるのか、流通はどうあればいいのかを考えることそのものが、スマートな取組になると考えており、もう少しスマート農業の言葉の使い方を格上げし、より広いものを包含するような、今後の農業を象徴するような言葉にしていったらいいのではないか。
  • マインドという点で気になったのが、資料1_1。まず米、2番目に畜産・酪農、3番目がその他の農産物という括りになっていること。米を1番に考えるのも重要だと思うが、野菜、果樹、花き、有機農産物を「その他」扱いにするのは、そろそろ終わりにした方がいいのではないか。このような取り上げ方が、一歩間違えると生産者のやる気の減退につながりかねないので、考慮して欲しい。
  • 毎回申し上げている人手不足の関係だが、今回の資料でも、ハローワーク、シルバー人材センター等と連携した繁忙期の人材の確保と記述されている。先ほどの議論では、農業の場合には、なかなか見合った給料をさしあげられないことが問題との回答だったが、人手不足で各産業では人の取り合いが始まっている。給料が低いからしょうがないと言って諦めムードで議論を出発させるのではなく、いい人をとるためにはどうしたらいいか、どうやったら給料を高くできるのか、農家の需要にあった人材をどうやったら集められるのかを考えなければならない。ハローワークやシルバー人材センター等、今までのフィールドで探すだけではみつからない。短期間かつ効率的であれば高い給料も払えるかもしれないといったことも含め、ゼロベースで様々な新しい角度から検討し、農業界を盛り上げるような施策を練って欲しい。

(生源寺委員)

  • 資料1_1に、米政策に関する活力創造本部決定の文書があるが、非常に分かりにくい文章。30年産をメドと言うことになると、今回の基本計画のタームと重なるため、30年の形を具体的に、かつ多義的にとることができないように記述し提示することが重要。基本計画はもう少し大きな枠組みの話なので、どこまで書くかはいろいろ議論の対象となるかもしれないが、明示的に分かりやすい形で提示することが大原則。3~5年で、どのようにステップアップ、ステップダウンしていくのか、ある程度の方向性を書いてもらいたい。
  • 資料1月2日のスライド3にはかなり具体的なことが書かれているが、本当にできるのかと思う。「自ら販売している生産者は主体的な経営判断に基づいて決定」とあるが、裏返せば、自ら販売していない方については、何らかの形の誘導に従うのかということを想起させる。参考資料については食糧部会等で議論されると考えているが、表現などには気をつけてもらいたい。
  • また生産数量目標という表現の意味するところは、そう明瞭では無い。記憶では、2008年以降しばらくの間、都道府県別の需要量の情報が実質的に目標として機能していた時期があった。目標という場合、強制力を持つ場合とただの参考という場合様々であり、この辺も特に生産現場の方にきちんと伝わるようにすることが必要。難しい問題なので、この問題については今後も企画部会でも議論する必要。
  • 環境政策については印象論になるが、気候変動の話や生物多様性を重視することについては、この5年、10年で世界的にも大きく変化していることを受けたものであり、様々な提示に基本的に賛成。具体的に何が改善されるべきなのかが書かれているということはポジティブに受け止めているが、少し気になるのが、生産の現場の行動を促すような仕組み等を設けていくのか、強化していくのか、あるいは現在あるものを別の形にしていくのか、という点。
  • 環境の問題は、私は経済学が専門なので、外部効果、外部不経済、外部経済という言い方で、市場経済の外側で起きるものであって、その改善のため、課税や補助金などによって政府がインセンティブを与えるという理解で来たわけだが、今の情報技術が発達した中では、この製品・生産物は環境に対する配慮がしっかりした農法でできているということが伝わることによって消費者がそれを選択し、それが環境保全型農業の広がりにつながっていく。この関係の高まりは経済学のパラダイムというか、この分野の考え方を変える必要があるほどの変化だと思っている。資料には情報伝達の重要性が書かれていると思うが、そのあたりに気をつける必要があるなと思っている。
  • もう一つは、政策の方で促進するものということで、多面的機能を発揮する新法等を活用した取組のことが書かれていたところとの関連で、2005年の基本計画の中に、ある種の環境規範を作るのだと言われていた。最低限これを守って欲しいということで当時の基本計画の中で、クロスコンプライアンスという言葉を使ったと記憶している。農業者の支援に当たっては、それが遵守されていることを条件にするということが言われていた。2010年の基本計画にはこういうことは一切書かれていなかったと記憶しているが、この流れのものはもう消滅したのか、まだ使えるツールとしてあるのか。この点について教えて欲しい。いずれにせよ、政策的に推進なり抑制するようなツールについて深めていく必要がある。

(松永委員)

  • 研究開発に関する資料4の中で、知の集積によるプラットフォームについて、みなさま好意的な御意見であったかと思う。経済産業省や文部科学省の方でよく似た政策、地域の産業クラスター政策というのが、十数年前から重ねられてきた。非常によく似た議論になるので、それをベースに比較しながらフィードバックし、課題などをお話させて頂きたい。
  • 10年来産業クラスター政策が設けられてきた中で、プラットフォームという場を形成すると同時に、そこを橋渡しする人材、いわゆるコーディネーターこそが重要だということが議論されてきた。おそらく知の集積によるプラットフォームにおいても、研究機関や農家、あるいは食品加工事業者が一堂に会することも重要だが、そこをつなぐ人をどう機能的に位置付けていくのかということを同時に考えていく必要。
  • その上で、研究成果をどう位置付けていくかということについて、経済産業省のクラスター政策でも10年間の評価を見ていると、事業化をしたから成功か、事業化をしなかったから失敗かといった二極化で評価できない難しさがあった。文部科学省の補助金でも評価がここ数年来課題になっており、自己評価をさせられるのだが、公開されているデータを見ると自己評価はほとんどA、Bになっている。しかしながら、実際にどれだけ社会のためになったかという客観性を見るとそこに非対称性がある。研究評価軸を同時に複数あるいは多面的におくことが、農学に限らず、科学全般に関する共通課題である。いずれにせよ、集積プラットフォームというのは、経済産業省や文部科学省が10年来取り組まれているのと同様の構想であるため、そういう評価軸や地域コーディネーターの活かし方など応用出来ることは吸収していく要素があるのではないか。

(近藤委員)

  • 需要構造の変化に対応した生産と供給体制の改革の部分について、高齢化と、人口減少という予測の中で、需要の構造がどのように変化していくのか。それに生産現場がどう対応したら良いのか、それぞれの生産現場を導いていくために、品目別にきちんと分析をして、それを指針として生産者に示して欲しい。
  • 需要構造だけではなくて、地球温暖化等による影響が非常に拡大してきて、これが生産態勢に大きな影響を与えている。その辺の考慮が十分基本計画の中でなされているのかどうか。
  • 単純に需要構造が変化するのを眺めてそれに合わせるだけで良いのか。食生活の乱れをちゃんと正しながら、やはり主食である米の需要の拡大の方法というか、正しい食生活を通して米の消費も伸びていくような政策も同時に立てていかないと、自給率の向上につながっていかないのではないか。
  • 農業の生産・流通現場の技術革新等の実現について研究開発にあたり、技術とか開発とかが、ずいぶんと生産現場から遠ざかったものになってしまっているのではないか。そういう意味で、現場の農業者や農業法人の経営者がそういった研究開発に参画できる仕組みを是非構築していただけないか。
  • 当然やられているとは思うが、各県の試験研究機関とも重複とかがないように役割等分担をきちっとやっていただいて、もう少し加速度的に現場の農業が早く元気になって、労働力不足も解決するような手法が早くできてくれれば良いと思う。
  • 研究開発についてもう一点は、企業が行っているいろいろな、ICTなど含めた、日常の技術開発を農業分野に応用できるような取組と仕組み、農業界と経済界の連携が言われているが、これらの分野で新しい開発の核になるような仕掛け、仕組みがもう一個あると、加速度的に進んでいくのでないかと思うので、是非ご配慮をお願いしたい。
  • もう一点、総合的な環境政策の推進ということで、万が一の場合、食べ物は海外からなんとか持ってくることもできるが、日本における環境というものは動かせない。農業は環境に与えるいろいろな影響、空気、水、景観を良くするなど、農業が環境を創造していくという価値をもう少し表にきちっと出して位置づけていくべきではないか。
  • 政策全体のバランスを見ると環境農業は非常に大事なのに、非常に端っこに置かれている印象。今日の資料にも書かれているが、環境や有機など、需要があると言いながら、どうも脇役、政策の端の端のもう一個端に置かれているようで、気になる。
  • 資料3_1の4ページの施策の検討方向を読んでもよく分からない。たとえば、飼料用米を積極的に進めていくという政策の柱立てとなっているが、エサ米を遠くに動かすと輸送費等がかかり、目的としていたことが達せられない。これは米に限った例だが、他のものでも、地域で循環できる有畜複合農業みたいなことをそれぞれの地域毎にきちっと作ってくと、結果として環境農業ができあがっていくと思うので、これから政策的によく検証し具体化して欲しい。

(中嶋部会長)

  • 本日示された技術移転のプラットフォームには、金融の視点が抜けているのでないか。産学金連携が政策の中で示されているが、技術開発の推進や事業化においてベンチャーが果たす役割は大きい。ベンチャーの参入には金融の後ろ盾が必要なため、そうした点についても検討が必要。
  • 時間の関係で、最後の5名の委員の発言に対するコメント等は、次回企画部会又は個別に対応してもらいたい。

 

3. 閉会

以上

お問い合わせ先

大臣官房政策課
代表:03-3502-8111(内線3086)
ダイヤルイン:03-3502-5515
FAX:03-3508-4080

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