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農林水産省

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食料・農業・農村政策審議会企画部会(平成27年1月28日)議事概要

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1. 日 時:平成27年1月28日(水曜日)15時00分~18時35分

2. 場 所:農林水産省 7階講堂

3. 出席者:中嶋企画部会長、市川委員、伊藤委員、香髙委員、近藤委員、生源寺委員、萬歳委員、藤井(千)委員、藤井(雄)委員、松本委員、三石委員、青山専門委員

 

1. 開会

 

2. 新たな食料・農業・農村基本計画について

【意見交換概要】

(市川委員)

  • 不測時に備えた食料の安全保障について、大変充実した資料を作っていただいたと思っている。このような日本の食料の供給を取り巻くリスクをきちんと見せていただくことで、改めて、日本の農業を冷静に見る一つのツールとしても使えるのではないかと思う。とても充実した内容だと思う。
  • 資料5の新たな農林水産研究基本計画の骨子案について。第1の1.「(1)ニーズに直結した研究開発の戦略的な展開」で、情報収集と分析は当然やっていただきたいとして、その「定量化、課題解決に役立つ技術の一覧化」をきちんとこの骨子の中に盛り込む必要があるのではないかと考えている。
  • 第1の2.「(4)国民理解の促進」について、遺伝子組換え農産物に対する国民理解の促進、特に双方向性のコミュニケーションの大切さというのは、これはもうその通りだと認識をしている。ただ、なぜ遺伝子組換え農作物に関するリスクコミュニケーションが必要なのかという背景説明とか、その定義をきちんと書き込む必要があるのではないかと考えている。
  • この遺伝子組換え農作物については、日本の食品安全行政の中できちんとリスク評価され、リスク管理がされていると認識しているが、安全性の情報と国民の一般的な理解の間に非常に乖離があると認識している。ただ、そうは言いながらも実際私たちの食生活の中では、現実には利用しているというものがあるので、そういう情報を国民、消費者に伝えていただくということが、いわゆる受容性を高める理解促進に効果的であると思う。是非きちんとした情報発信を続けていただきたい。
  • ただ、近年情報発信については、私は非常に低調というか少ないのではないかと思っている。もし、情報発信が十分でないと認識されているのであれば、その原因がどこにあるのか、なぜそういう風になってしまったのかということを明らかにすることも大切なことなのではないか。原因を特定しなければ、効果的な情報発信はできないと考えている。
  • 遺伝子組換え農作物に関する技術ということで発言させていただくが、行政の方が遺伝子組換え農作物について国民が受容していないからと、頭から決めつけられているのではないかと思えてならない。確かに、アンケートなどをとれば不安に思う割合が高いというのは重々承知をしているが、現実の食生活の情報であったりとか、そういうことを丁寧に伝えることによって、少しずつ国民の受容性は高まっていくのではないか。現実の情報を伝えていくということは非常に重要なことだと思う。
  • 実際現実に遺伝子組換えに反対をされる消費者が居るということも、もちろんそれは事実だが、その方々が今の日本の国民全体の世論を代表している訳では決してないので、その一部の声だけに引きずられて行政の判断が動いてきたということであれば、そのほかの多くの消費者の人たちにとっては本来得られるはずのメリットが得られていないということにもなるので、それを私は問題ではないかと考えている。
  • 新たな育種技術、いわゆるNBT(New Bleeding Technic)と言われている技術が世界でも話題になってきている。これについてもいろいろな見解はあるとは認識しているが、この技術についての情報発信やコミュニケーションをとるのが遅すぎたりすると結果として不利益を被るのは、やはり消費者であり国民ではないのかという思いがあるので、是非このNBTについての情報発信のあり方もよく考えていただきたい。
  • 基本的には、国として農水省として必要な場面で遺伝子組換え農作物についての重要性をしっかりと示したり、具体的にこのように利用していけるとか、あるいは利用していくという方策も示されることが重要ではないかと考えている。
  • 第2の2.に書かれている「DNAマーカー」を活用した選抜技術について、いろいろな有用な変異を誘発する技術は重要だが、それをきちんと書いていただいたりとか、要は遺伝子組換えの技術というものが、様々な技術のベースにあるということを、きちんと伝えていただきたい。
  • 海外で無償に提供されている、いわゆる特許切れの技術というものを、評価、分析あるいは課題などを洗い出しして、活用できるものは活用していくこともあっても良いのではないかと思っている。
  • 食料自給力について、資料の2_2の4ページの食料自給力の指標化の意義・目的の、4.に「主要穀物の米、小麦、大豆などの単収の伸びが近年鈍化している」と記載されているが、単収の伸びの鈍化の原因と、どうすれば単収が伸びていくのかということについて教えていただきたい。

(伊藤委員)

  • 不測時に備えた食料安全保障で、対象品目が規定されているが、実際の食生活とかを考えたときに、これだけなのかというのが率直な感じ。極めて限定的だという気がしている。
  • リスクについての、5年後から10年後の評価ということを掲げているが、もちろん専門家の方達の意見を踏まえた形で、この○△あるいは×を付けていると思うが、極めて、立つ視点によって、見方が分かれてくるのかなと思う。感覚としてかなり○が多いなという感覚があった。これはあまり無用な不安を与えることを避けたいということかもしれないが、それにしても、どうなのかなというところがある。
  • 5年後から10年後の評価が○、これの意味は、変化がないという、変わらないということかもしれないが、印象としては、楽観視していると思われるかもしれないので、ここについては、別の「/」なのか、何か別の方法にした方が良いのではないか。
  • 農業経営等の展望について、所得倍増に向けての試算が出ていたが、これも数式のロジックと、その数値が本当に正しいのかどうかということで疑問を感じるところがある。例えば25ページの試算の前提の、その他で、「農村への帰属割合を考慮して算出」と書いてあり、この農村への帰属割合を尋ねたら、15.2%と回答があったが、それが正しいのかどうか分からないため、こういった数値を、きちっと明記しておくということが、その後の計算の信憑性を高めるという意味でも必要かと思う。
  • 関東と東北の地方意見交換会に私も出させていただいた。農業の方達が、3次産業に入ってくるのは、本当に難しいと思うが、そのために、6次産業化の様々な施策をやっているのだと思う。ただ、見ていると、やっぱり結局は最後、キーになる人が居るかどうか、各地域に居るかどうかということが、凄く成功を分けていると思っている。そういった中で、特に例えば都市部の人と東北の方々が本当にインフォーマルに語らえるような場が設定できれば、単に、農家の段階にお金を出すだけでなくて、そういった場を数多く提供していくということが必要なのではないかと感じた。

(香髙委員)

  • 食料自給力と不測時に備えた食料安全保障について、この資料は、これまでの議論を踏まえて改訂していただき、私としてはある程度理解が進んだと思っている。ただ問題はこういう長い議論を続けている人間が理解できるというのと、一般の方が例えば食料自給力というものをパッと出されたときに直感的に理解できるというのは、別物だということ。
  • 率直な全体的な印象としては、まずこの2つの問題に関しては、若干やはり資料を見る限り、リスクを小さく見せようというような意識が透けて見えるような気がする。国としてはいたずらに危機をあおるということは避けたいというのは非常によく分かるが、今、国民は食料の自給状況とか、あるいは食料の安全保障について、非常に不安を持っている状況なので、例えばイモを全部植えれば大丈夫ですとか、そういうことを強調したとしても、ピンと来ないと思う。そのあたり全体的な印象として、是非、今後発表して行く上では、気を使っていただければと思う。
  • 具体的には、食料自給力の言葉のイメージ。言葉は必ず一人歩きするという前提で是非公表をしていただきたいと思う。例えば、食卓で中学生のお子さんや高齢のお母さんに一言で説明できるかどうか、こういうものさしで、公表の際には説明をしていただきたいと期待している。
  • 4つ数字が出ているが、4つを全く同じ比重で出すということには、まだこの段階でも、どうしても納得がいかない。やはり、一番現実に近い(1)を主ということにして、仮に(2)、(3)、(4)と若干現実から遠くなるが、パターンを計算したらとりあえずカロリーはまかなえますというような形で、ある程度濃淡を付けて公表をするのが良いのではないかということを提案したい。
  • 食料安全保障については、いわゆる緊急事態に発展するおそれがある場合がリスク0。0からスタートというのが、感覚的に国民にアラームを出すという意味では、若干ズレがあるのではないかなと思う。例えば、普通は平時が0で、何か事が起こりそうだという時に1で、実際に顕在化してきたら2、凄く大変な事が起こってきたら3という風に普通の人は受け止めるのではないか。その辺のリスクコミュニケーションのあり方というのも、是非再考していただければなと思う。
  • 伊藤委員も、若干、先の見通しがこれで良いのかという懸念を示されていたが、私も同意見。
  • 発生頻度の蓋然性のところの表示の仕方について、下の方に注釈があり、「高、中、低」とあって、その後に「顕在化」があるが、「高」よりも高いものが「顕在化」という理解で良いか。もし、そういうことであれば、順番としては、顕在化しているものが最初に来て、「高、中、低」っていうような形になるか、あるいは、「高」と連動するような何か別の言葉に置き換えるかしないと、この顕在化しているものが、リスクが高いというのは伝わりにくいのではないかと感じた。
  • 同じように一覧表でも示していただいたが、まず対応しなくてはいけないのが顕在化しているリスクだと思うので、これが左側に来るべきであって、一時的、短期的なリスクとして将来見込まれるものは右側に置くというような形で注意を喚起した方が良いのではないかと感じている。
  • 農業経営等の展望の、農業所得について、物的経費の中から、雇用労働費と支払利子と地代を控除すると書いてあるが、これはどういう意味なのか。こういったものは経費として含めるというのが、普通の考え方ではないかと思うが、どうしてこういうルールになっているのかを教えていただきたい。
  • 地方意見交換会での感想を少し申し上げたいと思う。総論としては、地元では大規模化の実践とか、6次化の活発化に向けて、非常に勇気づけられる胎動が始まっていると強く実感した。とりわけ新規就農に関しては、例えば小学校や診療所の廃校とか、あるいは東日本大震災に見舞われ、危機を契機にたくましく立ち上がった地域の方々の新しい取組に強い感銘を受けた。
  • 是非、農林水産省としても、こうした頑張っている方々に対して、あるいは新しいアイデア等を持って取り組まれている方々の力になるような政策、あるいはそういった方々が、例えば省庁横断的に何か規制で困っているようなことがあれば先頭に立って様々な弊害を撤廃していただくように動くことを強く期待したい。
  • ある市長が、都会に行かれなかったから地元で農業をしているという、農業に対する負のイメージを払拭するような政策を是非してほしい。農業、漁業が尊敬されるような政策を期待するというように言っていた。これについては同感。是非、前向きな政策を今後も進めていただきたいと思っている。
  • 補助金のあり方についても、非常に示唆に富む発言を多く耳にした。別の首長さんだが、お金を上げるからやって頂戴という方式では、いずれ限界がくると明言されていた。新規就農者の方は、こんな風にも言っていた。新規就農するといきなり収入がゼロになる。就農当初はありとあらゆる補助金を使ったけども、ただそれをやっていると補助金ありきの事業になってしまう。自分のやりたい農業は何なのか分からなくなると発言されていた。
  • また、別の方は、補助金がないと成り立たない事業を民間がやっているのであれば、その事業は存在する価値がないというような事もいっていた。補助金は一定程度私も必要だと思っているが、農業者を補助金漬けにするのではなく、発展を阻害していないかどうか、たゆまぬ精査と、何のために補助金を出すのか、それを受け取る側にも是非伝える努力を期待したい。
  • 転作についても多くの課題が浮かび上がった。とりわけ大豆について、おもしろい意見があったので、是非紹介させていただきたい。ある加工業者の方によると、国内で生産される大豆はそもそも生産者のために開発された品種であって、つまり収量とか作りやすさを重視しているということを意味しているのだと推測するが、その方が言うには、品質にバラツキがありすぎて、豆腐などの原料としては使いにくい。海外の農家に対しては、こういう品質のものを作ってくれと、直接加工業者の方が要望できるのにも関わらず、国内ではそういう相談すらできないということ。これでは国内の生産の喚起ということを政策の主題としている中では、本末転倒の出来事ではないかと思った。ここ企画部会でもマーケットインの発想が重要だとさんざん議論してきた。転作で少量のロットを生産する農家と加工業者を繋ぐ仕組みを今後どう構築するかということは大きな課題だと思った。
  • 最後に、消費者との繋がりについて。生産者だけを向いた政策からの脱却を農水省は掲げているが、まだ、道半ばなのかなという感想を持った。地域では、いわゆる老舗の消費者団体との繋がりが非常に高いようだが、そういう古い団体の方々は、見識は高くても、高齢化が非常に進んでいる。消費者庁の資料を見ると、消費者団体の設立には1970年代と2000年代という大きな二つの山がある。若い消費者及び新しくできた団体の意見をどう取り込むかというのは一つの課題であるような印象を受けたので、お伝えしておく。

(近藤委員)

  • まず、自給率について。品目別の目標を定めると書いているが、私も農業生産をやっているが、周りの農家と話す、そんなことは知らんという意見が大半。実際現場で生産している人、あるいは自治体に、食料自給率を上げるための目標を実感できる形にしていただきたい。できれば地域毎に品目を定めて、そういった認識が生まれるような施策の組み立て方でないと、国民に対して、説得力を持たない。
  • 今後、これからの議論で率の話が出てくるのだと思うが、今後5年間、外部の委員も含めて、単年度毎にどうして上がらないのかを検証して、評価する。国民の皆さんにそのことをちゃんと明らかにする。例えば、米の消費が減るから自給率がなかなか上がらないのだとか、そういうことは、国民一般には伝わっていない。今の食生活は非常にバランスが崩れているという話があるが、おにぎり1個、一日1個余計に食べてというような、それが自給率上がるのですよというように、伝え方をやはり工夫していく必要があるのではないか。この点については、提案として受け止めていただければありがたいなと思う。
  •  食料安保については、だいたい全体が網羅されていると思うが、不測時は必ず物がどこかに無くなる。流通段階における秘匿だったり、価格の高騰を狙って、ずらして出したり、そういった場合の管理・監督の体制は機能するのかというところを、少し具体的に、現実的にやっておかないと、緊急時の増産なんていうのは、いくら早い米でも100日掛かるので、増産は季節によってはできないので、その辺の検討も是非併せてやっていただけるとありがたいなと思う。
  •  経営展望について、私何回も発言しているが、所得があまりにも低すぎて、新しく農業をやる人が、農業の生産現場から居なくなっているというのが実態としてあると思っている。その低い理由を規模拡大とかでカバーしようとするけども、現場に人が居ない、それが後継者だけでなく、生産に携わる人、あるいは、今度の政策では6次産業化とか輸出をキーにしているが、6次化とか輸出をやっていたら、それなりの経営管理ができるスタッフ、経営管理能力を持ったような人も当然、農業界で育てていかないと、なかなか、継続発展のベクトルに繋がっていかないと思うので、その点も是非政策の中には考慮していただきたいと思う。
  • 結果としてやはり所得をどうやって上げるのかということは、6次化と輸出だけで本当に上がるのかということをもう少し深めないと、綺麗な作文を作って終わりとなりかねない。結果、相当な新規就農支援のための資金とかをつぎ込んでも後継者が残らないという結果になるのではないかと危惧しているので、是非この辺も具体的な施策の中で行程を定めるとか、実現のための仕組みの具体化とかを取り組んでいただきたいなと思う。
  • その中で、医福食農連携が新しい施策の目玉に出ているが、是非、これを事例の紹介であるとか、それを具体的にどう推進するのか、その辺を是非、具体化を進めていただきたいと思う。
  • それと、地産地消という言葉が出ているが、これは数十年来言ってきて、なかなか進んでいない。その原因をちゃんと分析をして、是非それに対しても進むような対策をお願いしたいと思う。
  • 資料4の農業構造の展望について、大きな目玉として、法人化によって大規模経営なり6次化なりを進めて行くというのは有効な方法だと思うが、まず、10年で5万法人にするというが、どうやってするのかというところが全く具体論として出てこない。法人化の推進のための具体策をもう少しきちんと、謳っていただきたい。
  • それから、先ほど地方からの意見として紹介があったが、農業界を挙げて人材をどうやって確保していくのか、あるいは育成していくのだという合意がまだまだ足りないので、例えば建設労働力と農業労働力のシェアの問題とか、言葉では言ってはいるが、まだ仕組みとして全くない。なかなか農業界に急激に人が増えるとは思えないので、是非、後で具体的にペーパーで出させていただきたいと思っているが、いろんな方法を是非、取り入れて、いろんなことを考えないといけないと思っている。
  • ちょっと重複するが、後継者や従業員のキャリアとかスキルをどうやって上げていくかという、そういった仕組みも含めて作っていかないと、法人を作っても人が居ない、人は居るのだけど、経営管理とかキャリアを持った人が居ないということになると、これは失敗の始まりになるので、是非、そういったことも踏み込みながらお願いをしたい。
  • 資料5の新たな農林水産研究基本計画について、先ほど事前レクの際に予算額について聞いたら、国の研究としてはびっくりするぐらい少ない。例えば文部科学省や経産省のやっている研究分野と重複はないのか。私は長崎県の審議委員もやっているが、長崎県は合理化で、それぞれバラバラだったものを全部一本化した。見ていると九州の中でも重複して研究をしている、ここは国がきちんと連携を取れるような、分野毎の連携とか、研究の効率化とか、少ない予算で効率的に研究成果が上げられるように、是非ここは、日本の農業の研究分野で遅れをとらないように、お願いしたい。

(生源寺委員)

  •  食料自給率、食料自給力、食料安全保障について、他の委員からのリスクコミュニケーションの感覚を持つべきという意見に賛同。今後、基本計画そのものや基本計画に基づく様々なメッセージが出されると思うが、食は国民全員、農業には百万もの経営体が存在する中で、リスクコミュニケーションは極めて重要。
  •  不測時の食料安全保障に係るリスク評価について、サプライチェーンに多少言及はあるものの、対応手順については2002年に策定した食料安全保障マニュアルを前提に増産に係る記述が多い印象。局地的あるいは緊急に生じた事案について、どう対処するかについても、もう少し発信が必要。
  • 食料安全保障マニュアル改訂版には、家庭備蓄の推奨やBCP(Business Continuity Plan)の準備等が盛り込まれており、この指針を周知し、国民の認知・理解を上げていくことが大事。
  • 農業・農村の所得倍増については、そもそも農村の定義の明確でないこと、年率7.2%の増加が必要であることに加え、積み上げの根拠があって打ち出されたものではないため、基本計画の中で取り扱うことは、難しいと思料。政府方針として存在する事実はあるが、それと、農林水産省の所管でできるものとは切り分けて考える必要。参考資料であっても所得倍増の発信という形になることを懸念。農業所得と関連所得を積み上げて倍になるという表現があることにより、基本計画で定義し直したと理解され、それについて責任を持ってくれるのですね、ということが問われる可能性がある。所得の増大に貢献することができる取組について情報を提供することはあっても、これを足し合わせて倍になるという形での議論は避けるべき。試算において、経済全体の成長の取り込みをどう見通すかについても懸念。一方で、少なくとも最近のトレンドを押さえ、更に政策的な後押しによって伸ばすことができる部分がどれだけあるかを推計することは、施策として取り組んでいく際にも有用。ただし、これはあくまで部分であって、これを全体の倍増に結びつける話は避けるべき。
  • 構造展望に関連して、1万5千人の就農者のうち、定着しない5千人について、なぜ辞めたのかの原因を把握しておくことは、今後定着者を増やすことを考える上で重要。

(川合食料安全保障課長)

  •   (伊藤委員の指摘について)6品目の選定の理由について。多くの品目に手を付けられればいいが、限られたマンパワーと時間の中で主要なものからスタート。これで終わりではなく、毎年リニューアルをしていく中でどういうリスク評価が可能か検討させていただきたい。また、将来評価に丸印が多く、違和感があるということについては、表現ぶりを検討したい。
  • (香髙委員の指摘について)食料自給力の示し方について。A、B、C、Dの4パターンあるが、それぞれに持つ意味があるので、複数パターンとして示していきたい。
  • 食料安全保障指針のレベルの定義について。今回の作業は指針を所与とした上で、整理・具体化の作業を行った。今後の指針見直しの際に、意見を参考にさせていただく。
  • リスクの「高・中・低」と「顕在化」の関係について。いつ起こるか分からないものと、ある程度顕在化が経年的に進んでいるものを同列で比較するのは難しいことから、今回は別に整理している。
  • (近藤委員の指摘について)食料自給率の単年毎の検証について。毎年8月頃の実績公表時に、どういう動きがあったかを具体的に示しており、この充実・強化も含め、どういうやり方がいいのか検討させていただく。
  • (生源寺委員の指摘について)リスクコミュニケーションについて。基本計画策定後に理解促進に努めるのは当然と考えており、特に食料政策においては、食料自給率、食料自給力、食料安全保障が大きな部分を占めると思うので、この点について、分かりやすく、多くの方に理解いただけるよう努めたい。
  • 指針の中の局地的対応は、24年9月に追加したが、先ほどいった紹介の中で指針本体のPRも合わせて進めていきたい。その際に、家庭用備蓄の必要性についてもPRしていきたい。

(山口経営局審議官)

  • (近藤委員の指摘について)法人化の推進の具体的な方策については、色々な予算措置があるが、法人化のメリットを享受できる経営規模となる経営体を作っていくことに尽きる。農業政策は各種あるが、それらを総動員して、法人経営体を増やしていくことが重要。また、経営管理をする者とともに、労働力の確保がこれからは特に重要。建設労働とのローテーションなり、人材の回し方も考えていかなければならない問題。さらに後継者、従業員のキャリアアップも併せて考えていく必要。
  • (生源寺委員の指摘について)定着していない理由については、一般論として色々言われているが、より具体的に、なぜ辞めるまで放置されていたか、誰かがそこをフォローできなかったのかということも含めて今後分析して施策に反映していきたい。

(西郷農林水産技術会議事務局長)

  • (市川委員の指摘について)次期農林水産研究基本計画では、どういう研究をいつからいつまでやっているのかが分かる一覧を付けたい。また、内閣府で取りまとめている戦略的イノベーション創造プログラムの中でコミュニケーションの進め方に関する調査研究といったものがあり、これらも活用して国民とのコミュニケーションを推進していきたい。
  • 新しいテクノロジーであるNBTについては、実際には遺伝子を操作しているが、結果として操作しているかどうか分からないといったことを問題とされている方もいるが、有用な技術であることは間違いないため、今後、議論していきたい。
  • 海外の技術に関して、除草剤耐性の品種など、特許が切れたものがあるが、これを日本で育種するとなると売れる売れないの話もあるので、そこは今後の課題として検討したい。
  • (近藤委員の指摘について)独立行政法人の中には5つの地域農業研究センターがあり、そのハブ機能を強化し、地域内における大学や県の研究をコーディネートして効率的に予算を使っていきたい。

(櫻庭食料産業局長)

  • (伊藤委員の指摘について)帰属割合の具体的な数字は次回以降、算出方法と併せ提示したいと考えている。農村部の活動は非常に漠としたところがあるが、地場の農産物をどのくらい原料として使っているかという調査結果も踏まえながら、農村の帰属割合を推計していくことを考えている。基本的にはこの帰属割合をいかに高めていくかが重要。
  • 都市と農村の人々が語り合える場について。農業者と他の事業者のマッチング、異業種交流などを目的に、ある程度自由度の高い6次産業化ネットワーク活動交付金を県に交付。産業連携ネットワークを創設しており、民間企業、製造業、NPO、農家、JAなど1300人・団体が参加。こうした取組も含め、今後更に人材育成に対応していきたい。
  •  (近藤委員の指摘について)地産地消に関し、平成24年度調査で農家が主体となって行っている加工・直売は1兆8,539億円。ちなみに平成23年の米の産出額は1兆8,427億円であり、加工・直売は相当な規模になっている。一方で加工・直売はある意味飽和段階にきているかもしれず、次のステップをどうするかを考える必要。例えばマーケティングをどうするのか、新たな商品開発をどうしていくのか、どうやればリピーターを呼んでさらに売上げを伸ばしていけるのか。これらに対応した一般経営学や企業活動のノウハウも活用しながら取り組んでいく段階にきていると考えている。医福食農連携については、いろんな形で地場産の原料を使って、介護食品であるとか、あるいは医薬品の原料であるとか、いろんな部分に対する今後の考え方をしっかりと整理して提示したい。

(鈴木生産振興審議官)

  • (市川委員の指摘について)一つは品種の問題がある。コンバインの使用を前提としていない大豆や収量よりも品質を重視した米の栽培などが収量の鈍化にも影響。二つ目には、大豆や麦は排水性の問題がいわれるが、ほかに、適期に作業しないとなかなか収量が上がらない。規模が大きくなる中、ある程度雨が降った後でも、できるだけ短い時間でほ場に入れるような省力的な播種の方法を今の生産方法に合った形で拡げていくことが大事。また、品目をいろいろ回して作るとか、ほ場の管理手法について新しく研究して、現場に導入していくことなどにより、単収も伸びていくと思う。
  • (香髙委員の指摘について)資料2_1に「ニーズに対応した生産の推進と加工原料としての供給体制の確立」ということを入れており、品質のバラツキは対応していく必要がある課題と認識。実需が求める情報を産地側に流す取組などを通じ、実需の求める供給体制の構築を図っていきたい。

(佐々木統計部長)

  • (香髙委員の質問について)個々の農業経営で見る場合には、経営外部に支払う雇用労働費などを経費として差し引いて、手元に残るものを所得と見るわけだが、マクロで見る場合には、どれだけの付加価値が生み出されたかの総額であるため、労働、資本、土地が誰のものであるかを問わず、それらによって生み出された総額を生産農業所得ということで、国民経済計算と同様に扱っている。

(天羽政策課長)

  •  (生源寺委員の指摘について)所得倍増については、委員指摘の通り、昨年来の政策決定文書に記載されているという歴史的事実もある一方、試算をしていこうとすると、帰属割合をどうするか、用語の概念なり定義をどうするか、バックデータはあるのかなどの様々な技術的な課題があることも事実。その中で、より適切なお示しの仕方ができないかということで作業を進めている。また相談させていただければと思う。

(別所技術総括審議官)

  •  (近藤委員、生源寺委員の指摘について)実際に取組を進める上で、きちんとした人材がいるかどうか、あるいは人材育成についてどういう施策を打つかが重要というのは、まさに指摘の通り。指摘のあった、それぞれのパーツについて、メッセージを地域にしっかり示していかなければならないというのもその通りと認識。
  • モデルを示すことで終わるのではなく、関係部局の中でどう施策を打っていくのかということも一つの課題。モデルについては、所得の増大に向けて各地域が取り組んでいく端緒として、具体的なイメージを捉えていただくものであるので、これが有効に使われて、地域の取組が進むようにという視点で説明を行ってまいりたい。

(萬歳委員)

  • 基本計画について、生産者は政策の内容も見ながら生産活動を行うため、最低でも生産者が5年先の見通しが出来る計画でないといけない。
  • 自給率について、水田フル活用の中で主食用から非主食用への転換の主たる戦略作物として飼料米の生産拡大が行われようとしている。JAグループも60万トンの生産目標を掲げて取り組んでいる。
  • 26年産の米価は過去最低水準で大変な状況であり、生産者は再生産が不可能な事態を背負わされている。生産現場では、飼料用米等の戦略作物の本作化に向けた動きを加速しているが、政策の継続性を懸念する声がある。
  • 飼料用米等の戦略作物の本作化は、農林水産業・地域の活力創造プランでも明記されており、政府方針と理解している。一方、財政制度等審議会や産業競争力会議では、それに逆行するような内容が議論され、現場の不安感を助長しており、生産推進の足かせになっていることが否めない現況にある。
  • 戦略作物の本作化に向け、基本計画にどのような形で位置づけようと考えているのか、今年産の作付準備が本格化しているこの時期に、農水省としての考え方を改めて伺いたい。
  • 食料安保に関連して、国内の複数の報道機関がTPPにおける日米協定の品目毎の具体的な内容を報道しており、生産現場で混乱が生じている。今日の新聞では、主食用米の輸入量拡大の検討もあると掲載されていた。
  • そういう状況の中、生産現場はTPP交渉の内容について知りたがっている。政府においては国会決議に沿った交渉をしていただくものと信じているが、守秘義務を理由に全体像が開示されない状況にあるため、生産現場が混乱しないように十分に留意して交渉を進めていただきたい。

(藤井(千)委員)

  • 食料自給力について、日本が直面する人口減少、超高齢化社会、東京への一極集中、それらの対応として、政府では地方創生というテーマを設定しているが、その要は各地域における農業の再生、発展にあり、農業がその地域の成長産業になることが地方再生の礎になる。
  • 自給力指標を、その推進力にすると位置づけることによって、自給力のメッセージが国民に伝わるのではないか。
  • 政府一体となった政策展開が不可欠と思う。地方創生の礎が農業と成長産業になるということを政府一体となった政策展開のメッセージとして込めて欲しい。
  • 農業経営等の展望について、農村地域の関連所得の増大に向けた取り組みの7分野というのは、いずれも農業と他の分野を結びつけて成り立つが、鍵を握るのは、両分野の仲をコーディネートする人材である。この部分に人材育成についての言及が無いというのを懸念する。
  • 農村地域の関連所得の増大に向けた対応方向の資料の中に、「これに伴う付加価値のより多くの部分を農村地域に帰属させ、地域内に雇用を生み出す等により」と書かれているが、本当に付加価値の多くの部分を農村地域に帰属させるということは、そういうことが出来る人材がいないと出来ない。
  • キーパーソンとなる人材の育成が急務である。単に、農業のコンテンツと他所の分野のコンテンツを結びつけるだけの人材では無く、農業に精通しマーケットが見渡せるというような人材が必要。現に国の認定する「食の6次産業化プロデユーサー」、都道府県には「6次産業化プランナー」という人が何千人もいる。他に「食農連携コーディネーター」という人もいるが、整理する必要があるのではないか。また、マーケットは日々変わるのでそれに対応する人材の確保、育成、講習等を不断の努力としてお願いする。

(藤井(雄)委員)

  • 不測時に備えた食料安全保障について、かなり細かいリスク評価、リスクマップの整理が進んで、分かり易くなったと思う。これをしっかりと広報して国民の目にさらした中でのリスクの評価を再度検討されると、より、国民が抱えている不安について、払拭できる材料になるし、議論を戦わせる材料になるのではないかと思う。これに関しては非常に評価している。
  • 質問として、レベル0発動時における広報等の概要についてはどのようなことを考えているのか。
  • また、過去の動向からみるとレベル0の発動がどれぐらいありそうなのか。今後、TPP交渉等が進んだ中で、このリスクマネジメントがどのように変化するのか。輸入依存が進むことによってリスクがどのように変化するのかといったようなものを併せて入れると良いのではないか。
  • 地域における所得倍増計画について、所得倍増と謳っておきながら、個々の経営の所得倍増では無いと先に話をきくと、なんだと思ってしまうのが農業者としての率直な意見だと思う。その中で、地域における所得倍増というのは、考え方としては現実的。
  • ただ、地域における所得倍増計画に農協の立ち位置が明確にされていない。地域において、特に北海道のように加工食品産業があまり発達していない所で、農協抜きにして、地域の所得倍増をどういうふうに関連づけるかということがある。決して農協ありきで考えるべきではないと思うが、農協の立ち位置をはっきり示していかないと、新規事業を動かす時に農協内でのコンセンサスを取るのがかなり難しい中で、国が立ち位置を明記し後押しする必要があるのではないか。
  • 所得倍増について、全ての農業者が黙っていても所得が倍増するということはあり得ないと思うので、それはハッキリ言っても良いと思う。その中でも、それなりのリスクや努力を払えば倍増することもできるというモデルがあっても良いのではないか。地方意見交換会でも、よく、夢のある展望を描いて欲しいということの声が聞こえる。現実、現実のモデル以外のモデルがあっても良いう気がする。
  • 若者や新規参入、農業に夢をもって参入する若者が決して所得を増やしたいから農業をやりたいという訳では無いということもある。いかに、農業という分野で地域や日本に対して貢献出来るのかというモデルが有っても良いのではないかという気がする。農業も作物とかだけに張り付いただけで無く、もっと幅広い単位でも捉えても良いのでは無いか。
  • 農業法人について、北海道の酪農法人等の実際の経営は苦戦をしている。経営局の方から5,000万円の売り上げがあればと良いとの話もあったが、実際の酪農経営のメガファームでは、3億円とか5億円とかが当たり前だが、現実問題、経営は厳しい。正直、社会保障の増大等もかなり経営を圧迫している状況。雇用の採用自体が厳しい中で、給与を上げたいが上げられない。社会保障費は嵩んでくる。人をなんとか雇いたいが雇えないために規模拡大が出来ないという悪循環に入っている。
  • 法人がしっかりとした力を持つ規模になるまで、国が推進材料を与えるというのは必要ではないかと思う。いろいろな制度はあるが、法人が力を持つには、まだまだ不十分だと考えている。その実情として、酪農の現場での生産量が上がらないということは、離農分を補うだけの法人の規模拡大が進まないことに問題があると私は思っているので、しっかりと法人が推進力を持てるまでの環境の整備を進めていただきたいと思う。
  • 法人の雇用について、外国人労働者について全く触れていないが、集約的農業に関しては現実的には外国人労働者を抜きに語れない状況になっている。そこの実情を踏まえた上で、人材の育成、確保について議論をすべきと思う。
  • 研究開発について、研究開発について予算が少ないのではないかと思う。酪農分野でもよくあることだが、法人向けで使えるような技術の開発が非常に遅れている気がする。大規模経営は戦っていくための武器(技術)が正直無い。技術が開発されていないことも、法人が推進力を持てない、環境整備が出来ていないということの一面ではないかと思っている。
  • 家族経営から、企業経営を目指そうというときのキーポイントとして、技術革新という要因が非常に大きいと思う。うちの牧場は111年続いて、わたしは5代目になるが、各世代において技術革新とともに投資を進めてきたという経緯がある。技術革新をおいて、日本の農業は語れないと思う。
  • 輸出や6次産業化が農業の本質では無いと思う。生産物の質と価格で勝負出来なければ、日本の農業の発展は無い。そのために、研究開発と人材育成ということがもっとも重要なのではないかと思う。これについて、強く骨子の中に盛り込んでいただきたい。
  • 若者と先進的な取り組みをする農業者、法人に対して、重点的な予算配分をしていただきたい。また、国際競争力を持つための視点を強く持っていただきたい。
  • 自給率目標について、生産する力があるかどうか、確かにこれも重要である。人材がいるかどうか、労働力という面も大事であるが、価格や品質面で競争力が無いものを大量に作ってしまっても、それは政府で買い取るしか無いというスキームになってしまうと思う。競争力をいかに付けていくかという視点を抜きに自給率目標等を掲げても無意味だと思うので留意していただきたい。

(松本委員)

  • 食料自給率、食料自給力の維持確保にあたって、荒廃農地の再生利用という観点から、将来にわたり活用すべき農地を明確にし、昨年できた農地中間管理機構を活用してこれをつなげていく。このようなことを考える人が大事だと思う。
  • これらの荒廃農地は条件不利地域に多く、様々なハンデを有している。農政として、この地域について、継続的な支援措置の検討を行ってもらいたい。
  • 農業経営等の展望については、飼料用米の生産拡大が焦点となる。農地有効利用の観点から重要であるが、現場からはこの新しい施策は5年、10年の継続性があるかと、率直な不安を言われる。不安を払拭するために、基本計画の中で、関連する助成資金、長期的な対応の確保について特出ししてメッセージを打ち出すような対応が必要ではないか。
  • 農業経営モデルが提示されたが、中山間地域、定年帰農による農業経営、都市農業などは、基本計画として目指していくモデル的な事例、経営等とは若干色合いが異なると思われるが、どのように織り込んでいくのか。第二の参考事例として追記するなどすれば、現場の実態に合った各種支援を講じる際に役立つのでないか。
  • 善し悪しはともかく、現場によっては現実として兼業で農業をやるしかない場合がある。このような現実を忘れてはならず、こういうものを基本計画のなかでは捨象せずに受け止めていくことも必要でないか。

(三石委員)

  • 地方意見交換会を回っての印象だが、食料自給力について、聞き手がどういう人かしっかり踏まえた上で、できるだけ丁寧で分かりやすい説明をお願いしたい。
  •  今回、自給力指標化の意義・目的について、生産者、消費者、食品産業従事者別に分けて記載したことは評価。これに加えて、小中高などの学校関係も整理してもらいたい。また、「食料自給力」の英訳について、初めて聞く人でも意味の分かるようなものを検討してもらいたい。日本が世界で初めて指標化した重要なものであり、そのまま訳したのでは意味が変わる可能性があれば「潜在生産能力」などの英語訳の方が良いのかもしれない。
  •  食料安全保障にかかる不測時の対応について、山内委員提出資料にもあるように「演習」や「避難訓練」が必要。必要な対応についてのシミュレーションや、行政組織、自治体、生産者がどう動けるのかについて、世界でどのような訓練を行っているかを調査した上で検討が必要。それにより、不測の事態を想定内の事態とすることにつながる。いつまでも不測の事態では困る。ある程度想定内の事態とすることが必要。
  • 食料安全保障に関する22項目のリスクの中に「社会に多大な影響を与える技術」を加えるべき。遺伝子組換えの話やNBTの話もあったが、何となく顕在化しつつありどうなるか分からないが、技術が革新的な進歩をしたり、安全性が明確になればすごく大きな影響を与えるものであるから、そういったものも多少考えておいた方が良い。
  • これまでの企画部会でも、新規就農についてはキャリアパスが見えないことが課題という話があった。全体の中で、キャリアパスと具体的な支援についてどこかに盛り込めないか。経営展望または構造展望で、例えば「35歳、経験10年、何ヘクタール耕作し、収入いくら」のようなイメージができれば、所得モデルに直接はつながらないかもしれないが、新規就農者や農業を続ける者も将来像を描きやすくなる。
  • 東日本大震災からの復旧・復興については、一つのポイントになると思う。津波被害に遭った農業経営体の状況と営農を再開できない理由については非常に大事な資料。よく資料に「津波被災農地の7割で営農再開可能」と書いてあるが、現実は半分、福島に至っては四分の一も再開していない。7割が営農可能ということだけを言うのでなく、再開できていない現実に、どう対応するかを計画の中にしっかり位置づけていくべき。耕地や施設が使えない、生活拠点が定まらない、それらが一番大きな問題であり、そのためのサポートをどこかに入れるべき。
  • 今回の基本計画策定に際しての議論や資料を、2~3ページのパンフレット等にまとめて、基本計画の考え方や内容を誰に対してもきちんと説明できるような資料を作ってもらいたい。そうでないと、農水省の考えや、我々の一年間の議論が伝わらないし、誤解が生じると本来進んでいくべきものがなかなか進まない。米国農務省では、農業法のポイントをA4用紙二枚程度にまとめており、その位のものでも良いと思う。ポイントや項目だけでも書いてもらえれば、それをベースに上手く説明できる人もたくさんいる。つくって終わりではなく、基本計画を全国で実行するという形で進めてもらいたい。

(川合食料安全保障課長)

  • (藤井(千)委員の指摘について)自給力のメッセージの発信について、人口減少社会の中で、農業や農村がいかに重要であるかを、特に消費者や都市住民に理解してもらえるような材料として、食料自給力指標を活用していきたい。
  • (藤井(雄)委員の質問について)レベル0の場合の広報については、緊急事態食料安全保障指針において、「緊急の要因に即応した情報の収集・連絡体制を敷くとともに、収集・分析した情報に基づき各種媒体を通じ、需給・価格の動向、実施する対策の取組内容等について適時適切な広報活動等を行う」こととしている。具体的な媒体は、新聞、テレビ、インターネット、各種説明会、パンフレットの配付、有識者、消費者団体等のオピニオンリーダーに対する情報提供。
  • (藤井(雄)委員の指摘について)自給率目標について、競争力のないものをつくっても意味が無いとの指摘があったが、指摘のとおり。基本計画においては、品目毎の消費の見通しを示した上で、それに対応した生産数量の目標をお示ししたい。
  • (三石委員の質問について)自給力の英語表記については検討。なお白書等ではfood self-sufficiency potentialが使われている。
  • (三石委員の指摘について)食料安保にかかる演習の必要性について、指摘の通り。27年度予算で演習のための予算を獲得しており、きっちり行っていきたい。

(別所技術総括審議官)

  • (藤井(雄)委員、松本委員の指摘について)資料3_2で、中山間地域の集落営農法人、複合経営モデルなど、地域性に応じたものについて検討状況を整理している。都市農業については、都市住民のニーズに応えた農業体験農園を地域戦略で作成する予定である。
  • JAの取組を参考としたモデルも作成しており、地域の所得向上に向けてJAの役割は重要と考えている。

(今城総括審議官(国際))

  • (萬歳委員の指摘について)TPP交渉は、日米間で交渉が進展していることは事実だが、農産品他全体をパッケージとして議論しており、米を含め何ら確定しているものはない。依然として解決すべき難しい課題が残っている状況であり、早期妥結に向けた努力はしていくが、衆参両院の農林水産委員会決議が守られたとの評価を得られるよう、政府一体となって交渉に全力を尽くすことに何ら変わりは無いので、理解いただきたい。

(鈴木生産振興審議官)

  • (萬歳委員、松本委員の指摘について)飼料米について、米価は需要と供給のバランスで決まる。主食用米については需要に合った生産をしていくことが大事であり、主食用米から飼料用米への転換が必要と考える。昨年11月14日に農水省が公表した米の緊急対策の中でも、飼料用米については基本計画の中に位置づけるとしており、現在それに向けて作業中。

(中嶋部会長)

  • 基本計画の最後の取りまとめに向けて重要な指摘を多く得た。各担当におかれてはしっかり受け止めて検討してもらいたい。
  • 自給力については、委員の中でも様々な意見が有り、徐々に収束してきたものの、まだ完全に同じ理解にはなっていないように思える。食料の安全保障の体勢や自給率の向上に大切な役割を果たすと期待しており、また国民への最終的なコミュニケーションが重要との指摘もあるため、ぶれないよう検討が必要。
  • 農業・農村所得の倍増については、様々な意見があることを改めて確認した。基本計画の全体像を定めていく上で重要な項目であるので、最後まで議論をまとめてもらいたい。
  • コメント、積み残しについては次回宿題返しやあるいは個別の説明で対応をお願いしたい。

 

3. 平成26年度食料・農業・農村白書の作成について

政策課長より諮問文の代読及び政策課情報分析室長より白書の構成案について説明。

(中嶋部会長)

  • 委員からは特段の意見なし。
  • 先ほど、分かりやすいパンフレットを作って基本計画の説明をすべきとの意見が出てきたが、この白書もコミュニケーションツールとして非常に重要。新たな基本計画ができた後、すぐに公表されるものなので、是非とも特集2(食料・農業・農村基本計画の見直し)については、活用できるようとりまとめていただくことを期待している。

 

4. 生産条件不利補正交付金の面積単価及び数量単価の改正について

経営所得安定対策小委員会の青山座長から、1日19日の小委員会における審議の結果として、審議事項に特段の異議はないことを報告。この報告に対して各委員から異議はなく、平成26年9月25日付けで農林水産大臣が諮問した「生産条件不利補正交付金の面積単価及び数量単価の改正並びに調整額の算定方法の制定並びに収入減少影響緩和交付金の算定方法の改正について」のうち、「生産条件不利補正交付金の面積単価及び数量単価の改正」について、適当であるとの答申を行うことで了承。

 

5. 閉会

(以上)

 

 

お問い合わせ先

大臣官房政策課
代表:03-3502-8111(内線3086)
ダイヤルイン:03-3502-5515
FAX:03-3508-4080

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