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食料・農業・農村政策審議会企画部会(平成27年2月13日)議事概要

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1. 日 時:平成27年2月13日(金曜日)14時30分~16時35分

2. 場 所:農林水産省 7階講堂

3. 出席者:中嶋企画部会長、市川委員、香髙委員、生源寺委員、萬歳委員、藤井(千)委員、藤井(雄)委員、松本委員、山内委員、山口委員

 

1. 開会

 

2. 新たな食料・農業・農村基本計画について

【意見交換概要】

(山内委員)

  •  前回の基本計画の総括、まとめ、評価が必要。この5年間、農業の担い手の減少、耕作放棄地の増加など農業生産が縮小していると認識。このような現状に対して、計画に沿って、何を行い、具体的にどのような成果があり、何が十分でなかったかについて、計画の策定の前に、きちんとまとめて評価していただきたい。
  • 第1の「1.食料・農業・農村をめぐる情勢と施策の評価」について、情勢の変化の記述が圧倒的に多く、施策の評価が見えない。情勢と施策の評価を分けて記述すべき。
  • 第2の1.「(5)食料消費及び農業生産の課題」について、「食料消費に関する課題」の次に「農業生産に関する課題」の記述があるが、食料自給率向上に向けて最も大切なのは、農業生産の維持・向上をいかに図るかということであり、順序が逆ではないか。食料自給率の向上を図っていくためには、縮小しつつある日本の農業の問題の解決、すなわち、農業者、農地、農業技術に関する政策の強化が最重点課題。
  • 「(6)食料自給率向上に向けて重点的に取り組むべき事項」についても同様に、「食料消費」と「農業生産」の順序を入れ替えるべき。
  • (5)(6)それぞれの最初に「農業生産に関する課題」を記述し、その中に第1の2.「(3)需要や消費者視点に立脚した施策の展開」の消費者の視点に立つことや需要を大切にするといった視点をまず記述してから具体的に記述すべき。
  • (5)1の1点目に「加工食品の原料原産地表示」の記述があるが、国産消費を進める上で中食・外食・加工食品での国産農産物の拡大が大きな影響を持っており、「加工食品の原料原産地表示」よりも先に、この点について記述すべき。
  • 今回の政策の基本は、国内農業生産力の現状を正しく評価し、今後の課題と目標を明確にすること。国民に広く理解して欲しいのもこの点で、そのために「食料自給力」という指標が使われるべき。
  • 骨子(案)で最も注意すべき点は、国民が「食料自給力」の意味を正しく理解できるかということ。今回使おうとしている「食料自給力」という言葉が、正しく理解されないまま広がってしまうのではないかと懸念。新たな認識の齟齬の発生は避けたい。
  • 従来、食料自給力は、農業者(担い手)、農業資源(農地)、農業技術の3つの要素で構成されると説明されてきた。最初にこれらの現状を示すべき。その上で、国内のポテンシャルを示す「能力」の意味で、Food self-sufficiency potentialを直訳し、「食料の潜在生産能力」とするのが分かりやすいのではないか。
  • 食料自給率についても、結果がどのように導き出されるかというプロセスが大切。資料4の5ページに示したように、まず、食料自給率の分子である国内食料生産努力目標を示し、その次に食料自給率の分母である食料消費見通しを示して、その割り算の結果として食料自給率目標が出てくることが分かるように示していただきたい。

(市川委員)

  • 第1の「1.食料・農業・農村をめぐる情勢と施策の評価」について、最初に情勢と施策の評価を据えたことは重要。これまでの企画部会において行ってきた施策の検証について書き込んで欲しい。その際、情勢と施策の評価はきちんと書き分けるべき。
  • 第1の2.「(1)基本法の基本理念の実現に向けた施策の方向の安定性の確保」について、「施策の方向の安定性の確保」は重要なキーワードであり、きちんと書き込んでいただきたい。
  • 「(2)食料の安定供給の確保に向けた国民的な議論の深化」について、内容は理解できるが、このままの文章で議論を深めようとすると、食料自給力を無理に導き出しているようでどうかと思う。冷静な書きぶりを期待したい。
  • 第2の1.(5)「1 食料消費に関する課題」について、「加工食品の原料原産地表示」の記述があるが、「1 食料消費に関する課題」と「2 農業生産に関する課題」の順序を入れ替えるべき。
  • 加工食品の原料原産地表示について、表示というツールを駆使してまでも食料自給率を上げたいという発想の転換をしていただきたい。「(6)食料自給率向上に向けて重点的に取り組むべき事項」においても「加工食品の原料原産地表示」の記述があるが、表示に頼って食料自給率を上げることよりも、加工業者が必要とするしっかりとした国内農産品をつくるということが重要。
  • 第3の1.(2)「2 「和食」の保護と次世代への継承」について、和食の保護・継承は重要。一方、和食は塩分が多く、日本人は世界的に見ると塩分を多く摂取している。これが私たちの食文化に由来しているのではないかと考えると、単に優れた栄養バランスと言っていいのか懸念。
  • (4)「1 農林水産物・食品の輸出促進」について、戦略的な検疫協議の記述があるが、輸出を積極的に行いたい事業者や生産者が植物検疫で困ることがないよう、日本も国際植物防疫条約の国際基準に沿った対応がとれるようにすることが重要であり、そういった記述があるといい。
  • 3.(2)「2 多面的機能支払制度の着実な推進」と「3 中山間地域等直接支払制度の推進」は、共に事後検証しやすい似たような制度だと考えているが、このまま並行して推進するという記述でよいか。制度の仕組をシンプルに分かりやすく見直すといった書きぶりがあってもいいのではないか。

(藤井(雄)委員)

  • 第3の1.(4)「1 農林水産物・食品の輸出促進」について、輸出環境整備レポート(仮称)の記述があるが、これからどんどん輸出していこうというときに、情報の確保が非常に重要であり、強力に推進して欲しい。
  • 「2 食品産業のグローバル展開の促進」について、日本発の国際的に通用するHACCPをベースとした食品安全管理に関する規格や認証の記述があるが、日本発の仕組み自体は既にいろいろあるので、それが国際的に通用するよう働きかける努力をして欲しい。
  • 「3 知的財産の戦略的な創造・活用保護」の地理的表示保護制度は、これからアジアで戦っていくために重要な観点。グローバルマーケットの開拓について、戦略的・長期的に取り組んでいただきたい。
  • (5)「2 海外や国内におけるリスクへの対応」について、昨今、北海道はアジアからの観光客が非常に増加。その中で防疫体制が今後重要になってくる。「国内での防疫体制の強化」というところに「農場HACCPの推進」という文言を入れて欲しい。
  • 人材の確保・育成をどのようにやっていくかについて、もう少し踏み込んだ内容を整理して欲しい。2.(1)「2 新規就農や経営継承、企業の農業参入の促進」に「農業法人等における実践研修等への支援」とあるが、これは農の雇用制度のことか。
  • 農業高校、大学、農業大学校と生産現場をいかに結びつけるかが非常に重要。省庁が違うためなかなか難しいかもしれないが、就農の促進というところで橋渡しの役目をしていただきたい。
  • 飼料用米について、我々畜産農家がいかに使うことができるかが重要な観点。飼料用米の競合になる輸入トウモロコシの価格が高騰している場合はいいかもしれないが、大きく変動するため弾力的な対応が必要。国際価格の変動に合わせた対応が必要。また、畜産農家に対して傾斜をかけてメリットを創出していかないと、流通・加工・保管のインフラや技術が整備できるまで、なかなか出口で推進が進まないのではないか。
  • 畜産クラスターについて、近年バター不足の話も出てきているが、現場では牛の不足が大きな問題。性判別精液、受精卵移植技術の活用をしっかりやっておかないと、720万tある牛乳の生産量が600万tになってしまうというのが近い将来あり得る現実。労働力も大きな問題であり、畜産クラスターという形で総合的に収益性も含めて支援していただきたい。
  • 再生可能エネルギーについて、FITの運用が基礎だと思うが、環境整備の面でまだまだ必要なこともあるので、是非推進して欲しい。

(天羽政策課長)

  • (山内委員と市川委員の指摘について)第1の「1.食料・農業・農村をめぐる情勢と施策の評価」に、施策の評価をしっかり書き込むこと、情勢と評価を書き分けるべきといった意見について。去年、この企画部会で、評価についてずいぶん議論していただいたところなので、記述の仕方について工夫をしていきたい。
  • 自給率の部分の、(5)1の加工食品の原料原産地表示の順番と、2 農業生産の項目の順番についても、事務局で検討させていただく。
  • (市川委員の指摘について)8ページ、第3の1.(1)2 の2で、和食について、優れた栄養バランスと書くのはいかがかという指摘をいただいた。いずれにしても、科学的に解明していくというのが課題だと思っている。現在研究プロジェクトも進めているということも踏まえながら、書きぶりについて工夫できるかどうか検討したい。

(川合食料安全保障課長)

  • (山内委員の指摘について)「食料自給力」ではなく、「食料の潜在生産能力」という呼び名にしてはどうかという意見について、審議会でも縷々(るる)説明してきたとおり、食料・農業・農村政策審議会が出来る前の農政審議会の時代から「食料自給力」という言葉が潜在生産力を意味するということで、これまでずっと定性的な議論が重ねられてきたところ。これまでの用語の使い方との連続性ということから、「食料自給力」ということで表記させていただければと思っている。
  • ただ、以前から山内委員に指摘をいただいているように、この食料自給力という言葉が、食料の潜在生産能力を表すということが、きちんと読む人に伝わるように、今日の資料の中でも、「食料自給力(食料の潜在能力)」等と注釈を付けさせていただいているところ。誤解の無いように、この言葉を使わせていただきたいと思う。
  • 食料自給率について、資料4の5ページで示されたような、自給率について、分母分子が分かるような示し方をということで、意見を頂戴した。これについては、数値を発表するときに、どのような示し方が良いのか、工夫をさせていただきたい。
  • (市川委員からの指摘について)2ページの2.「(2)食料の安定供給の確保に向けた国民的な議論の深化」について、冷静な書きぶりをという意見を頂戴している。いずれにしても、食料の安定供給は基本法でも、国内生産の増大を基本としつつ、輸入と備蓄を組み合わせて行わなければならないと定められている。基本計画全体として、委員指摘のような誤解が生じないような、バランスの取れた書き方を工夫していきたい。

(小風消費・安全局長)

  • (市川委員の指摘について)5ページの原料原産地を含めて指摘をいただいた。原料原産地について、食品表示法の下で、消費者庁が中心になって検討を進めている。委員からも指摘があったが、これは加工業者だけでなく、農業生産者、そして消費者にとっても、メッセージを最終段階の消費者にも伝えることができるという役割があるので、そのことも踏まえて、消費者庁での検討ではあるが、しっかり農林水産省としても対応していきたいと考えている。
  • 植物検疫について指摘をいただいた。委員の指摘のようにIPPC国際植物防疫条約に基づき、輸出国と輸入国が、病害虫の移動を防止するための検疫協議を行っている。日本も積極的にこの協定に参加しており、その下で対応していきたい。もちろん、人的にも、事務局に農林水産省からも人を出しており、国際的に貢献していると考えている。
  • (藤井(雄)委員の指摘について)動物に関する防疫体制について指摘があった。国際的に国境を越えた鳥インフルエンザとか、口蹄疫とかにも、しっかり対応しているところである。指摘があった、特に農場HACCPについて、衛生管理の観点からも、当然しっかり進めてまいりたいと考えている。

(石田食料産業局審議官)

  • (藤井(雄)委員の指摘について)輸出について、この骨子(案)にも、いくつかポイントが書いてあるが、本文になれば、もっと書き込みたいと思っている。品目別に団体をオールジャパンで作るということも進めており、戦略的に優先順位を考えながら取組を進めて行くといった取組もある。
  • GIは基本的には、国内における知的財産としての活用だが、併せて、委員の指摘のように、海外においてそれを商標登録するような形で、海外における知財の保護にも資するものである。現在、その下の「・」にあるように、新しい農林水産省の知財戦略というものも作成中。こういった中で、海外のことを意識した記述をしていきたいと考えている。
  •  日本発のHACCPを念頭に置いた食品安全管理の規格づくりについてであるが、国際的な規格に対応する中で、輸出も進めていきたい、国際的なルールメイキングにも参加したい、その前提として、我が国発のものを作っていき、その中で、人材を育てて行きたいという、いろんな狙いを込めて、取り組んでまいりたいと考えている。
  • 再生可能エネルギーについて、FITの運用が基礎になるが、ソフト的な部分での支援はもちろんのこと、昨年成立した農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律に基づく計画づくりが各市町村で進められており、総合的に進めていきたいと考えている。

(鈴木生産局生産振興審議官)

  • (藤井(雄)委員の指摘について)飼料用米と畜産物について指摘いただいたような認識はあり、例えば、畜産クラスターのところでも、畜産の収益性を向上させる取組と書いており、その下の段落でも、労働負担軽減と書いている。
  • 飼料用米のところも、そういう点で、水田活用の直接支払交付金による支援の他に、インフラ面、流通コストの削減についても、基本計画本体にしっかり書き込みたいと思っている。

(山口経営局審議官)

  • (藤井(雄)委員の指摘について)人材の確保・育成について、問合せがあった10ページの2(1)2の「農業法人等における実践研修等への支援」は、基本的に農の雇用事業を指している。
  • その後ろの文章にもあるように、農業大学校や農業高校等の卒業生の就農の促進もしていかなければならないということで、昨年の段階から農林省と文科省との間で意見交換の場を設けている。
  • 委員から指摘されたように、インターンシップという形で、農業体験ができるようなことも含め、いろいろやっているが、今回の意見交換で分かってきたことは、農業高校の先生方の意識が、まだ、就農を前提とした教育課程だという意識ではないということ。
  • 就農へのステップアップとして、例えば農業系の大学とか、農業大学校に行くという方向での意識づけというものを行っていくことが重要だと思っている。

(三浦農村振興局長)

  • (市川委員の指摘について)中山間地域等直接支払制度と多面的機能支払制度に関する意見があった。従前、企画部会でも説明したとおり、それぞれ成り立ちや内容、考え方が異なっている。
  •  中山間地域等直接支払制度は、中山間地域等における生産条件の不利を補正する交付金。多面的機能支払制度は、農地・水保全管理交付金と称していたものが基になっており、地域資源の管理等を行う共同活動を支援する制度。
  • 昨年、「農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律」が制定され、27年度から施行される。一つの法律の下に、これらの交付金、それと環境支払と称している環境保全型農業直接支払交付金の3つが統合される。市町村は計画を立てる仕組みになっているが、一本の計画ということになっている。
  • 今後、現場で分かりやすく、使いやすい運用となるよう、これら制度の更なる普及推進に努めていきたい。

(山口委員)

  • 革新的技術というのは、品質の向上、生産性の向上、付加価値の向上、競争力の強化に不可欠なものであるが、技術が革新的であればあるほど開発にかかる時間や国民から理解を受けるのにかかる時間を要する。
  • グローバルな開発競争に先駆けて、テーマアップとその情報開示を早期に平行してやっていくことが非常に大事。そのためには、行政のリーダーシップを強力に発揮していくこと、そのことをマスメディアの方に分かり易く、偏りのない情報伝達をしていただくことが社会的に非常に大事。そのような観点から革新的技術について早期から具体的な議論を進めるというようなことを入れていただきたい。
  • 骨子の9ページの食品産業のグローバル展開の関連の記述があるが、日本食の世界的浸透、普及はユネスコへの文化遺産登録を機にして一層拍車がかかってきており、これを更に浸透させるためには、日本の食材がどこでも容易に調達ができる、まがい物で無い本来の和食が調理提供されるということが非常に大事。
  • 現状で言うと、食材に関して規格の彼我(ひが)の違いがあって、日本の食材が輸入或いは現地生産ができないということがままあるようである。日本の食材の規格認証について早急にグローバルスタンダード化を進め、和食文化の普及、円滑化に繋げていくことをお願いしたい。
  • 骨子の8ページに食育の推進、和食の保護、継承のことが語られているが、学校教育における食育というのは、関係者の努力で一定の成果が上がってきていると思う。和食の保護、継承についても、その周辺で同じような努力が続けられ進むだろうと思う。
  • 一番の問題と思うのは、家庭で食育の推進、和食の保護、継承が崩れつつある。その部分について手を打つことが非常に大事。家庭での食育にあたる部分、或いは和食の継承に当たる部分が進むような具体策を盛り込んで頂くことが非常に大事。

(藤井(千)委員)

  • 今回の新たな基本計画のテーマというか、目指すべき目標というのが見えにくい。目指すべき目標が必要ではないのか。新聞で言うところの見出しであるが、多くの国民の心を掴むには見出しが必要。
  • 資料3の2ページの「食料・農業・農村に関する施策を進めるにあたっての基本的な視点」がテーマだと思う。
  • 資料1の基本的な視点には、「農業・食品産業の成長産業化に向け以下の視点から改革を推進」とハッキリ書いてあり、明確に成長産業化だと打ち出してあるが、文言になると現状分析みたいなことが書いてある。そこのところが骨子(案)は弱い。
  • 資料1を見ると最初に評価が書いてあるが、基本的な視点が最初だと思う。基本計画のテーマと視点を打ち出し、その背景に現計画の評価、現状の分析、情勢の説明でないと不自然。一人でも多くの国民に「これはこういうことですよ」とストンと落ちるような見せ方、表現をしないといけない。
  • 資料3の8ページからの講ずべき施策について。食料の安定供給の確保は、「生産、加工、流通過程を通じた新たな価値の創出による需要の開拓」や「グローバルマーケットの戦略的な開拓」の項目が上に来た方が説得力がある。
  • 食の安全、食育というのは、消費者に対してとても大事なことだが、現行でも進められているので、「生産、加工、流通過程を通じた新たな価値の創出による需要の開拓」や「グローバルマーケットの戦略的な開拓」による成長産業化を進める。そのためにも、食品の安全確保や食育に力を入れてやっていくとの説明の仕方の方が良い。
  • 10ページの施策の「(2)女性が能力を最大限発揮できる環境の整備」について、項目として新たに立てて頂いたことには感謝。ただし「女性」ではなく、「女性農業者」とすべきである。記述されている内容についても、同様に「女性農業者」である。
  • 政策が2つ書かれているが、これまでも展開してきた政策であると思う。女性農業者への政策は予算も含めていろいろな対策が行われていることは理解している。さらに女性が経営に参加したり運営に参画したところは業績が良いという調査結果があるにもかかわらず、進出できない現状がある。
  • 女性農業者が活躍し難い、手を挙げにくいという阻害要因を早急に洗い出して、それを排除することが必要だと思う。それが無いと、いくら義務づけたり、農業女子プロジェクトをどんどんやっていったりしても、その時限りで持続可能にはならないような気がする。

(香髙委員)

  • 骨子の立て付けに関しては、基本的には良いと思うが、基本的な視点をいかに多くの人に共有してもらうかという努力をする必要があると思う。いかにアピールできるかにかかっている。もう一工夫してもらいたい。
  • 基本的な視点に書かれている、実態が大きく変化し施策の転換点であるという認識や意義付け、成長産業化に向けて改革を推進するという意気込みを明確にしたのは大変良い。
  •  情勢と評価については、多くの委員が指摘してしいるように、情勢と評価が必ずしもセットになりきっていない部分があると思う。それぞれ深掘りしたということを明記する必要があるのでないか。
  • 今回、ずっと我々がテーマとして考えているのは、少子高齢化の問題が顕在化した中での農業を、今後5年間どう考えるかという視点である。評価の部分でも少子高齢化問題についての大くくりの評価をしてもいいのでないか。農業人口の減少といった言葉は見当たらないが、農業人口の減少が一段と懸念されていることを明確に書き込むべき。
  • 農業界でいう若手、即ち49歳以下の農業者が一割にも満たない現状を強調し、この状況が続くと更に産業の衰退が懸念されていると指摘して、農業界への人材確保の努力はこれまで十分な成果を挙げたとは言えないと、過去の評価をした上で、課題先進産業である農業界がこの問題に対処することが、国全体の少子高齢化社会への対応や、地方創生などの喫緊の課題に対して一つの処方箋を示すことになる、といった政策全体の位置付けを明確に書き込むべきでないか。
  • (2)のグローバル化の情勢と評価では、「気候変動の顕在化の可能性」とあるが、今後をにらめば「可能性」という言葉は必要ないのでないか。過度の留保表現は政策の不透明さや逃げ腰というイメージを与えかねない。
  • 食の国際化について、即ちインバウンドについて触れられていないので、2020年の東京五輪を控え、日本に来る観光客に対する攻めの姿勢での日本食のアピールの必要性なども骨子の中で強調する必要があるのでないか。
  • 食料安全保障と自給力について、「食料安全保障」が何気なく使われているが、この言葉の意味するところをもう一度きちんと周知することを忘れないでもらいたい。
  • 自給力の最後に、今後、毎年指標を出すと書いてあるが、前回、農水省から人的な制約により現在項目として示せるのが6品目しかないという発言もあったので、今後、推計の精度を高めるための努力を続けるという文言も入れていただければと感じた。
  • 女性の活躍を阻む要因として、例えば男尊女卑の古い慣習などがあると度々指摘されている。委員等への登用という制度面での指摘と併せて、発言や参加を阻む見えない壁の存在、撤廃についても併記してもらいたい。
  • 農地の現状把握について、今回はあえて荒廃農地という言葉を使っているようだが、今後、荒廃農地を主流に使うのであれば、耕作放棄地と荒廃農地のそれぞれの定義や数値の違いを広く国民にも提示し、議論の混乱回避に是非努めてもらいたい。
  • 農地については、リアルタイムでの現状把握が難しく、推計に頼る部分が出るのは仕方ないのは理解しているが、農業の最も重要な生産要素である農地の稼働状況を把握できなければ、その先の議論が極めて空虚なものとなる。できるだけ正確に把握する作業は極めて重要。
  • 26年度の予算で、農地の集約状況を地図上に簡単に見えるようにする取組が始まっているので、早期に生きたデータベースとして稼働させるとともに、農地の現状把握の精度を上げることの重要性を骨子に書き込むことを期待したい。
  • 今回の基本方針の一つのポイントとして、マーケットインの発想によるというのが大きな焦点だった。それを踏まえて講ずべき施策等で消費を先に持ってきていたと推測されるが、第2の1(5)で加工食品の原料原産地の表示という小さいところに落とし込まれてしまったところが、若干違和感がある原因ではないか。大くくりの表現に変えて、重要だから先に持ってきているという表現を付け加えることにより、新しい施策が明確になるのでないか。

(天羽政策課長)

  • (藤井(千)委員及び香髙委員の指摘について)柱建ての整理のあり方などについて多くの指摘を得た。事務局で再度検討し、より良いものにしていきたい。
  • 他の委員の指摘にも関係するが、原案は今回提出した骨子(案)の倍程度の量になると考えており、書き込みに際しては、いただいた意見・指摘を極力盛り込む形にしたい。メッセージ性、テーマ設定についてもできるだけ配慮し、工夫していきたい。

(川合食料安全保障課長)

  •  (香髙委員の指摘について)食料安全保障に関するイメージが伝わるようにとのことだが、原案にどのような形で盛り込めるか検討。
  • 自給力関連のことで指摘があったが、6品目云々の部分については恐らく自給力でなく、9ページ(5)1 「食料供給に係るリスクの定期的な分析、評価等」についてではないかと思われるが、いずれにせよ、原案の中でどのような書き方ができるか検討。

(小風消費・安全局長)

  • (山口委員の指摘について)食材のグローバルスタンダードへの指摘に関連して、CODEX委員会において国際食品規格が定められており、消費者の健康の保護、食品の公正な貿易の確保等を目的としてFAOとWHOにより設立された。日本としても、科学技術に則った国際的に合意された枠組みに則ったリスク管理措置を実施するということで規格の策定にも積極的に参加している。指摘のとおり、動植物の検疫の問題により輸出できないこともあり、これについては輸出戦略の一貫で国別に交渉していくことも併せて進めていきたい。
  • グローバルスタンダードの意味で、有機農産物の2国間の国際的同等性も進めている。日本の有機JASとオーガニックの概念と統合を進めていくことも一つの手段。JAPANブランドについては、知財戦略も絡むので、食料産業局と一体になって進めていきたい。
  • (山口委員の指摘について)学校教育における食育については、文科省とも連携し進めており、比較的進んでいる。家庭における食育については、消費者のニーズ、ライフスタイル、属性等にも配慮しながら取組を進めていきたい。

(石田食料産業局審議官)

  •  (山口委員の指摘について)「グローバルマーケット」関係の記述は、9ページの「輸出の促進」と「食品産業のグローバル展開」の両方の意味合いで載せている。食品安全管理に関する規格作りについても触れているほか、フードバリューチェーンや、それらを担う人材の育成も含めて進めていきたい。
  • (香髙委員の指摘について)インバウンドやオリンピック・パラリンピックに関する記載については、9ページ(4)1 「日本食や日本の食文化の効果的な海外展開」の部分で書き込んでいきたい。

(山口経営局審議官)

  •  (藤井(千)委員及び香髙委員の指摘について)女性の能力活用について、「女性」は「女性農業者」の意味であり、原案を作る際に盛り込んでいきたい。女性が活躍できる環境については、ここに記載したもの以外、農村全体の意識があると指摘を受けており、そうした要因を書く方法もあるが、男性の意識が変わらないと上手く進まない。女性を外に出すような家庭環境になることが重要であり、原案においてどのように工夫できるか検討したい。
  • (香髙委員の指摘について)耕作放棄地、荒廃農地の状況把握のための情報システムの構築について、平成27年度から実際の農地台帳と電子地図をネット上で公表することを目指している。当初は、それぞれの農業委員会の活動状況によって内容に差が生じ得るが、毎年更新していく中で精度を上げて良いものにしていきたい。

(三浦農村振興局長)

  • (香髙委員の指摘について)「耕作放棄地」は、昭和50年から農林業センサスで5年毎に把握している農家の主観ベースの数値。「荒廃農地」は平成20年から市町村農業委員会の現地調査により毎年把握している客観ベースの数値。基本計画において、農地面積を見通したり、食料自給率目標・自給力を考える基礎となる農地を把握したりする場合は、客観的なデータによることが適当であり、荒廃農地を基本としたい。この旨を何らかの形で示すなど、混乱が生じないように工夫したい。

(西郷農林水産技術会議事務局長)

  • (山口委員の指摘について)研究開発のコミュニケーションについて、新規性や革新性が高い技術については、研究開発の推進と同時に、関係者の双方向のコミュニケーションが重要と認識。食料・農業・農村基本計画と同時期に策定予定の農林水産研究基本計画においても、一般市民向けの各種シンポジウムの開催や、サイエンスカフェ、科学館等が主催する学習講座等への研究者の派遣、メディアへの各種PRや研究開発の状況を開示するといったアウトリーチ活動を強化すること等を検討している。

(木内環境政策課長)

  • (香髙委員の指摘について)1ページの気候変動による影響に関する書きぶりについて、気候変動の影響については、「可能性」と「確信度」の二つの尺度で高い・低いと表現をするためこのような書きぶりとなっている。読み手にインパクトが正しく伝わるよう、表現ぶりについては、今後検討する。

(松本委員)

  • 農地中間管理機構について。11ページの「2 荒廃農地の発生防止・解消等」の部分で、「再生利用可能な荒廃農地の農地中間管理機構への利用権設定等を推進」と記載されているが、実際には扱ってもらえないケースも多いと聞く。荒廃農地や条件不利地は、なかなか理想どおりにはいかない。
  • 農地の借り手の希望は多いが、条件の良い農地の出し手が少ないといったミスマッチが起きており、中間管理機構自身も大変苦労している。こうしたミスマッチを少しでも改善する工夫が必要。持続的な制度にしていくため、現場の声に耳を傾けて、どう解決するのか改善策の方向性を示すべき。
  • 第4の「(5)施策の推進体制」について。基本法制定当時と比べて、行政の推進体制の力量が低下している。地方行政の合理化が進む中で、農林水産行政に関わる職員体制も3割以上減っているという現実がある。市町村など現場の脆弱化した行政体制をどのようにサポートするのか、知恵を出さなければならない。
  • 大変難しい話ではあるが、施策推進のためには、予算をどう持続的に確保するかということに尽きる。とは言っても、現実的には厳しいため、農林水産予算全体の中で、どのように実用性を持った施策を打つのかが重要。

(生源寺委員)

  • これまでの企画部会の特徴として、前半に施策の評価をしたことがあるため、書きぶりの工夫をお願いしたい。例えば、食料自給率の目標という具体的なものについての評価がある一方で、政策の安定性というような指摘もあり、具体的なものと政策のあり方の両面での評価が可能。難しいと思うが、最初に頭出しのようなことをしておいて、具体的に論じるべきものはその後に書くといったように、全体として読みやすく理解しやすいものにしていただきたい。
  • 「施策の方向の安定性の確保」について、「方向の」という表現にやや幅があり、さらに、その下を見ると「施策の基本的な方向の」とある。何か逃げを打っているような印象。ずばり「施策の安定性」と言えばいいのではないか。
  • 制度・政策の体系、整合性の問題が課題としてある。例えば、先ほど、多面的機能支払制度と中山間地域等直接支払制度について説明があったが、法律は法律として、もっと大きなフレームの中でもそれぞれの位置付けなどを整理しておく必要。
  • これまでの企画部会の資料では、担い手、認定農業者、認定新規就農者という言葉が頻繁に使われていたが、「人・農地プラン」についてはあまり強調されてこなかったかと思う。骨子(案)では、「人・農地プラン」に関連する記載が複数箇所あり、震災に関連するところでも、復興マスタープランの「中心となる農業経営体」という表現が出てくる。
  • これと関連して、認定農業者制度は、農業経営基盤強化促進法に基づいた制度であるが、人・農地プランでは、中心となる農業経営体を徹底的な話し合いを通じて決めることになっており、その中心となる農業経営体に農地を集積していくこととされている。農業経営基盤強化促進法でも、認定農業者に農地を集積すると書かれている。法律に対し予算措置の形で人・農地プランの制度が出来ているが、ずれが生じうる状態になっている。今後、政策のあり方について検討・検証するという文言を基本計画に折り込むことができるはず。一番困っているのは現場の方々。これは実は安定性にもつながる論点である。
  • 認定農業者制度が出来てから20年以上経っており、前政権の下では、制度の見直しに関する議論もあったと聞いている。以前、近藤委員から、複数の市町村にまたがって活躍している法人の場合の認定農業者制度上の整理について、意見が出されていた。また、松本委員からも市町村の農林水産行政の体制が脆弱化しているという発言もあった。このような状況の中で、認定農業者制度そのもののあり方について、考えていく必要があるのではないか。「土地改良制度の検証・検討」と同じように、検討を行うといった書きぶりにしてもいいと考える。
  • 認定農業者は、公庫資金の融資や農地集積の対象となる等、政策のバックアップを受ける存在である。認定農業者が、実際にどういう農業経営であるかという情報を開示することも必要ではないか。それなりの政策支援を受ける以上、国民にも納得していただけるようなものであるべき。

(天羽政策課長)

  • 松本委員から、市町村の施策の推進体制が脆弱化しているのではないか、という指摘をいただいた。どういうことができるのか、考えていきたい。
  • 生源寺委員から、「施策の安定性」に関する記述について意見をいただいた。書きぶりについて、検討させていただきたい。

(山口経営局審議官)

  • 松本委員から、農地中間管理機構の事業がなかなか現場で、うまくいっていないのではないかという指摘をいただいた。現場の苦労などを聞きながら、制度、実務、それとも農家の意識に問題があるのか考えていきたい。借り手は公募で集められるが、貸し手は、公募したからといって出てくるとは限らない。人・農地プランで話合いをする中で、貸し手側もあと何年したら土地を出していいといった考えができてきて、まとまった貸付けになることを期待している。これは、機構があるからできるというわけではなく、市町村、農業委員会などの協力を得ながら、現場感覚でやっていくことが重要。今後検討していきたい。
  • 生源寺委員からの担い手の定義の問題について指摘をいただいた。認定農業者制度という法律に位置付けられた制度がありながら、中心経営体という考え方が何故出てきたのか、追って説明させていただきたい。

(中嶋部会長)

  • 今日は、部会長としても重く受け止めなければならない指摘がいくつかあった。最終的な打ち出し方も非常に重要。何をどういう形で伝えるべきなのか、今日いただいた意見を受け止めながら考えたい。例えば資料1についても、今後、頻繁に使われる資料になると思うので、精査するべきと考えている。
  • 次回は原案がでるということで、その中に入れるかどうか分からないが、「まえがき」というものがある。基本計画で何を目指すかというメッセージを含めて、全体を提案することになるかと思う。

 

3. 閉会

(以上)

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大臣官房政策課
代表:03-3502-8111(内線3086)
ダイヤルイン:03-3502-5515
FAX:03-3508-4080

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