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農林水産省

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議事録(第18回)

1.日時及び場所

平成26年7月16日(水曜日) 15時00分~16時54分
農林水産省 第2特別会議室

2.議事

(1) 気候変動を巡る諸情報について

(2) 気候変動適応計画について

(3) その他

3.概要

○大臣官房環境政策課長
それでは、定刻になりましたので、ただいまから、食料・農業・農村政策審議会企画部会地球環境小委員会、林政審議会施策部会地球環境小委員会、水産政策審議会企画部会地球環境小委員会、第18回合同会議を開催いたします。
本日、司会を務めます環境政策課長の木内でございます。
よろしくお願いいたします。
今日は、食料・農業・農村政策審議会の亀山委員、河合委員、寺島委員、根本委員。
それから、林政審議会の葛城委員、安成委員は所用によりご欠席となっております。
本日の会議につきましては、公開とさせていただきます。
ただし、カメラ撮りにつきましては、冒頭挨拶までとさせていただきます。
また、本日の議事録につきましては、会議終了後に整理し、委員の皆様にご確認いただきました後に公開させていただきますので、よろしくお願いいたします。
それでは、開催に当たりまして、西郷大臣官房生産振興審議官から一言ご挨拶申し上げます。

○大臣官房生産振興審議官
どうも皆様、こんにちは。
暑い中、またお忙しい中お集まりいただきまして大変ありがとうございます。
食料・農業・農村政策審議会、林政審議会、水産政策審議会それぞれの地球環境小委員会の合同会議としてやらせていただいておりますけれども、日頃、農林水産行政、特に温暖化防止対策などにつきまして、ご理解、ご協力をいただいておりまして、この場を借りまして深く御礼申し上げます。
さて、今日は2回目になるわけですけれども、前回は、今なぜこういったこと、適応策ということについて議論していかなければいけないかとか、あるいは政府の動向でございますとか、農水省でどんなことをしているかということについてご紹介を申し上げたわけでございます。
本日は、もうご承知の方もいらっしゃろうかと思いますけれども、気候変動に関する政府間パネル、IPCCがときどき報告書を出すわけでございますが、今度は第5次報告書でAR5ということで、考えてみたら随分長いことやっている感じがするわけでございますけれども、その内容、あるいはほかの国でも適応策についてどのような対応をとっているかと、農業部門につきましてでございます。
それから、国の外での情報、国内でどの程度の検討が行われているかということにつきましても、ご紹介申し上げまして皆様方のいろいろな観点からコメントをちょうだいできればと思っております。
今年、暑いとか寒いとか、この間、気象庁がエルニーニョと言っていたけれども、どうもそれはなくなったかもしれないとか、もうちょっと見る必要があるとかいろいろなことを言っていて、一言では気候の状況は記述できないのがいろいろなところで出ております。
その影響を端的に受けるのが農林水産業でございます。
当然のことながら、農林水産業も環境に影響を与えていくということでございますので、なるべく先手、先手の議論をしていただいて、施策に反映させてまいりたいと思いますので、ひとつよろしくお願い申し上げます。

○大臣官房環境政策課長
ありがとうございました。
カメラの方いらっしゃいませんね。
議事に入ります前に、前回6月6日に開催いたしました地球環境小委員会におきまして、山家委員から再生可能エネルギーに関するご質問を受けておりましたので、初めにこれについてご説明をさせていただきます。
資料については、資料の束とは別刷りで配付させていただいております。
それでは、農振局からお願いいたします。

○農村振興局農村環境対策室長
前回の小委員会におきまして、山家委員より再生可能エネルギーの導入促進に関する農地転用制度について、事実上、規制緩和になっていないのではないかという趣旨のご質問がありましたので、この現状について回答させていただきます。
再生可能エネルギー発電設備の設置については、優良農地を確保するということを基本としつつ、大きく分けて2つの農地転用の特例の措置をしているところでございます。
資料の3ページを見ていただきたいのですが、農林水産業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律、いわゆる再生可能エネルギー法でございますけれども、この法律に基づく農地法の特例でございます。
この中にさらに2つございます。
1つは、集団的な農地等である第1種農地については原則として転用が禁止されているところでございますが、この再生可能エネルギー法に基づいて市町村が再生利用困難な荒廃農地とこのページの黄色と赤に相当する部分でございますが、こういったところを設備、整備区域に含めた場合は第1種農地であっても、例外的に転用できるように措置しているところでございます。
もう1つは、風力発電設備、あるいは小水力発電設備については立地場所が制約されること、転用される面積が限定的であるということを踏まえまして、一定の要件を満たす場合には再生利用困難な荒廃農地等以外の第1種農地、ここでいうところの緑色の部分でございますけれども、ここであっても例外的に転用できるように措置したというところでございます。
これが再生可能エネルギー法関係の特例の措置でございます。
もう1つございまして、こちらは5ページを開けていただきたいと思います。
支柱を立てて営農を継続する太陽光発電設備等についての農地転用許可制度上の取扱ということでございまして、平成25年3月31日付で通知を出しているところでございます。
内容としましては、ここに書いてあるとおりですが、支柱を立てて営農を継続する太陽光発電設備等については、下の部分の農地における営農の継続が確保されるものについては、優良農地であっても一次転用許可の対象としているというところでございます。
これが再エネ関係の大きな2つの特例措置でございます。
最初に説明しました再エネ関係の法律につきましては、施行が本年の5月1日でございまして、現在、再生可能エネルギー発電事業者や市町村担当者等を対象に農政局等で説明会を各地で開催して、その周知を図っているところでございます。
今後は、この法律に基づく取組が増加してくるものと考えております。
また、営農継続型発電設備についても写真に幾つか例が紹介してあるとおりでございますが、現在普及が進んでいるところでございまして、事例の蓄積によりさらに取り組みやすくなってくるものと考えております。
私ども農村振興局といたしましては、引き続き農業上の土地の利用との調整を適正に行いつつ、農林水産業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー発電の取組が円滑に実施されるよう説明会の開催ですとか、個別の相談等の対応に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

○大臣官房環境政策課長
農振農用地の関係につきましては、4ページに書いてあるような形だと思います。
それでは、本日の議事につきまして、まず配付資料の確認ですが、資料一覧にありますように資料1から9まで、参考資料が1から6までとなっております。
もし、資料に不足等がありましたらお申しつけください。
それでは、以降の議事進行につきましては、武内座長からお願いいたします。
それでは、よろしくお願いいたします。

○武内座長
それでは、早速、議事を始めさせていただきたいと思います。
本日の議題は、1、気候変動を巡る諸情勢について、2、気候変動適応計画について、3、その他となっております。
まず、議事1及び議事2について、事務局から説明をいただき、その後、委員よりご意見、ご質問等を伺わせていただくことにしたいと思います。
それでは、最初の議事1について、事務局から説明をお願いいたします。

○大臣官房地球環境対策室長
それでは、最初の議題であります気候変動を巡る諸情勢につきまして、資料1から7に基づきましてご説明させていただきたいと思います。
ちょっとたくさんあるんですけれども、この中で、ご説明、情報提供させていただきますのは、まず世界全体の情勢といたしまして、IPCCにおきます世界的な気候変動の科学的な知見の議論、それを受けまして、我が国における気候変動による影響評価の分析の状況。
また、我が国の農林水産業への気候変動の影響のこれまでの知見という形でご説明させていただきまして、その上で、平成19年に農林水産省の地球温暖化総合戦略がつくられておりまして、その中に適応策の部分があるんですけれども、それをもとにいたしまして、高温等の影響の状況ですとか、施策への取組の状況を中心にご説明させていただきたいと考えております。
それでは、早速資料に基づきましてご説明いたします。
まず、資料1でございます。
こちらは、IPCCということで、気候変動に関する世界での議論の状況でございます。
めくっていただきますと、2ページ目でございます。
IPCCの議論がどのような枠組みで検討されているかということを示させていただいておりまして、この下のIPCCの組織というところに作業部会というものがございます。
本日、情報提供させていただきますのはこの中の第1作業部会ということで、一番ベースとなります科学的根拠の部分、それから第2作業部会、ここで影響、適応、脆弱性とかございますので、その部分についてポイントを絞りまして情報提供させていただきたいと思います。
まず、第1作業部会なんですけれども、これにつきましては4ページ目になります。
過去から現在までの世界の気温の状況が載っているわけでございます。
これにつきまして、左側の四角にございますけれども、気候システムの温暖化について疑う余地がないということがございます。
1880年から2012年まで世界の平均の気温というのは0.85度上昇しているという事実があるという情報がございます。
次に、5ページ目をご覧ください。
こちらのほうで将来の予測についてでございます。
この第5次報告書でございますけれども、こちらのほうでは新たな将来の予測の方法として、RCPシナリオというシナリオが出されております。
この中で、将来の予測のシナリオというものが4つございまして、この4つというのは、ちょっと小さくなってしまうんですけれども、この5ページ目ですと、右側の上の(A)という図表の横にRCPの2.6から8.5まで、4つ色のついたものがございますけれども、シナリオをつくって、今世紀末までにどのような形になっていくかということをシナリオをつくって予測してございます。
その中で、特に気温について将来予測として整理されておりまして、一番気温が上らないという予測でございますけれども、可能な限りの温暖化対策を前提としたシナリオというものがRCP2.6というものがあるんですけれども、この場合でも今世紀末には0.3度から1.7度上昇するであろうということでございます。
緩和策を実施しない前提のシナリオが、RCPの8.5というものでございますが、この場合には2.6度から4.8度の上昇ということが予測されております。
そのほか、6ページ目、いろいろなものが載っておりますけれども、そのほか、寒い日の頻度が減少するとか、大雨の頻度、強い雨が増加するなどさまざまな予測がなされております。
7ページ以降に、第2作業部会、影響や適応等について触れております。
こちらでは、まず最初のところ、8ページ目のところで、農林水産業との関係ということで、気候変動が農作物に与える影響というものにも触れられております。
そういう中で、個別のデータとしては、右側のグラフからいたしますと、ゼロよりも下のところに、正の影響よりも負の影響のほうが大きいということが示されております。
9ページ目をご覧いただきたいのですが、今後の気候変動による主なリスクが整理されているんですが、8つ主要なリスクが挙げられております。
さまざまな分野のリスクがあるんですけれども、特にこの中、ちょっと太字にさせていただいているんですけれども、下のほうの4つにつきましては農林水産業に直接関係するような分野のものが挙げられているということで、農林水産業は気候変動に関する影響を受けやすい分野であるということが示されていると考えているところでございます。
そのほか、この資料で背景となる情報について10ページ、11と掲載させていただいております。
第2作業部会の報告書全体につきましては参考資料2として、日本語に訳されたものを配付させていただいておりますので、ご参考にしていただければと思います。
続きまして、資料2をご覧ください。
こちらは、IPCCによる世界での影響、分析の結果、これを受けまして、日本国内における気候変動の影響をどのように評価するかということで、環境省中心に気象庁の気象研究所の協力のもとに、先月6日に公表されたばかりの資料この1部を紹介させていただきたいと思います。
この中で、まずご覧いただきたいのが、2ページ目のところに前提条件として、どのような評価をしているかということが書いてございます。
ちょっと難しいことが書いてあるんですけれども、黒ポツの2番目のところをちょっとご覧いただきたいんですけれども、前提といたしまして、予測の期間といたしまして、1984年から2004年を現在と置きまして、将来というものは2080年から2100年ということで、今世紀末という部分をとっております。
また、将来予測のシナリオといたしましては、RCPの4つのシナリオ、これを使っております。
そのほか、気候変動に与える影響といたしまして、将来の海面水温の状況、また、積雲対流スキームと書いてございますけれども、これも降水量に影響を与えるバロメーターということで、値を入れて、さまざまなモデルを与えて、今世紀末の状況を予測しているということになります。
次の3ページ目に、全部で19のケースを計算してやっているということになります。
幾つもの条件を変えたケースを設定して、予測に含まれる不確実性の程度を評価できるようにしているということでございます。
この分析の結果、具体的な内容につきましては、まず4ページをご覧いただきたいんですけれども、4ページ目のところが気温でございます。
この気温といたしましては、先ほど世界全体のお話が出ましたけれども、日本の区域といたしましては、この4ページ目の上のところにございますけれども、全国で1.1度から4.4度の上昇ということを想定しています。
この中で地域別にもいろいろ程度は分析されておりまして、次の5ページ目をご覧いただきますと、模式図も書いてございますので、わかりやすくなるかと思います。
年の平均気温は、北日本で温度の上昇幅が大きくて、南のほう、沖縄、奄美のほうは比較的小さいというような予測になっているということでございます。
続きまして、次に6ページ目をご覧ください。
こちらは、真夏日ということで、夏の暑さでございます。
最高気温30度以上の年間日数の変化、7ページのほうをご覧いただきますと、この左側の棒グラフで、西日本、また沖縄、沖縄奄美のほうで、真夏日の日数の増加の幅が大きくなるということが予測されてございます。
一方で、次の8ページ目をご覧ください。
年間の降水量の変化を予測しております。
こちらに地域別の年降水量があるのですけれども、一番左側のところで何ミリと振っておりますけれども、真ん中がゼロになっておりますので、両側に振れております。
こういうことで、年の降水量についてはケースによって増加する場合も減少する場合もあり、現時点での予測ではまだ明確な方向性は予測できないという状況にあるということでございます。
11ページ目、こちらのほうでは強い雨が降ったとき、大雨による降水量の変化というものも見ております。
これは大雨になった場合の日降水量がどう変化するかというのを見ておりまして、この場合はすべてのケースでどのようなモデルで見ても降水量、強い雨というものは増加するという予測になっております。
世界でIPCCの予測を踏まえまして、日本国内でも評価が始まっているという状況でございます。
続きまして、資料3に基づきまして、我が国の農林水産業への気候変動の影響に関するこれまでの評価に関する情報をご説明したいと思います。
この資料3につきましては、前回の小委員会でも既に紹介させていただいたものも幾つか含まれております。
そこに新しいものを追加しまして、再整理いたしました。
既に評価されている情報でございますので、ただいまご説明いたしました最新のIPCCの第5次報告書、略称ではAR5といいますけれども、この最新の気候変動予測を使っているものではなくて、2007年に報告されました1つ前の第4次報告書であるAR4やそれ以前のシナリオに基づいて評価されてございます。
主に利用されているそのシナリオのモデルというものは、前回もご説明させていただいたんですけれども、資料3の1ページ目をご覧いただきたいのですが、この四角の中に書いてございますように、IPCCのAR4、第4次報告書で使われたモデルを使っています。
A2というものが、経済発展重視型ということで、温度がより上るもの。
A1Bというものが、経済発展重視なんですけれども、エネルギーバランスを重視したものということで、少し緩和されたものでございます。
B1というものが、持続的発展型、グローバル化というものでよりマイルドなものということで、3つ事例を挙げております。
これが下の左側のグラフにありますように、この下の2100年の部分にあたるところが、温度の上昇になりますので、一番上るもので4.0、真ん中のもので3.2、一番下のもので2.1度の上昇というシナリオになっております。
参考までに、右側に第5次報告書のRCPのシナリオとの比較を載せさせていただいております。
点線のSRES-AとかBとか書いてありますけれども、後ろのAとかBとか、そちらを先ほどの四角のところと合わせていただきたいんですけれども、例えばSRES-A2というもの、これを見ていただきますとわかりますけれども、RCP8.5と近いシナリオになっていることがわかるかと思います。
このようなことで、新旧のシナリオ、いろいろなものがあると思いますけれども、分野ごとの評価結果も一定のシナリオモデルを前提に算出されているために、新たなシナリオ等を適用した場合には結果も変化してくるという、不確定なものとなっております。
今後また新たなシナリオベースの評価に切り換えていくということも必要になってくるというふうに考えているところでございます。
内容につきまして、追加させていただいたところを中心にご説明させていただきたいと思います。
2ページ目は前回ご紹介させていただきましたコメの収量の関係でございます。
コメにつきましては、3ページ目、こちらでコメの品質に与える影響というものを追加させていただいております。
このシナリオのA1BとA2というシナリオのもとで、下の気候モデル名がいろいろ書いてございますけれども、いろいろなモデルで算出しても0から下のほうに行っておりますので、1等米の比率というものが、下の2046、2065というのは、年代でございますが、今世紀中頃、それから2081から2100年と今世紀末に向けて品質が低下するのではないかという予測となっているということでございます。
続きまして、新たなものといたしましては、6ページ目をご覧いただきたいのですが、こちらで雑草の分布の拡大ということでございます。
例として挙げさせていただいていますのは、大豆を栽培する際に、問題となります帰化アサガオにつきまして、温度が上昇すると次第に分布が広がるということが予想されております。
続きまして、7ページ目でございますが、こちらは病害虫の発生の変動ということで、こちらもやはり温度が上がってくるに従って、イネの害虫でありますカメムシがだんだん北東方向に広がっていくということが観察されているということでございます。
今後も広がっていくのではないかということになるかと思います。
続きまして、8ページ目。
こちらも林業の関係でございますが、林業の関係の病害虫につきましても、同様に温度の上昇に伴いまして、北海道におきますトドマツオオアブラムシですとか、本州、東北地方におりますカイガラムシですとか、こういうものも分布域が広がるということも予測されております。
そのほか新規のものといたしましては、11ページ目でございます。
こちらで気候変動が農業用水や土地資源に与える影響ということで整理させていただきまして、上の四角の中、1つ目の丸でございますけれども、冬季の積雪の減少、雪どけの早まりによって、代かき時期の水の確保が困難になるようなことがあり、これは左下でございますけれども、用水充足率ということで、水が足りなくなる可能性がありますということ。
また、右下のほうですけれども、雨の強度、豪雨の規模、強い雨が降るようになると、農地が水に浸かってしまう。
水が深くなったり、その継続の時間の増大が予測されているということでございます。
現状、評価結果の例としては、このようなものがあるということでございます。
引き続き資料の説明を続けさせていただきたいと思います。
次に、資料4と5は連続したものになります。
こちらで現行といいますか、農林水産省の地球温暖化対策総合戦略、この中に地球温暖化への適応策が策定されております。
これにつきまして、まずどのようなものかと簡単にご説明させていただくことによりまして、現状について情報提供をさせていただきたいと思います。
総合戦略につきましては、1.でございますけれども、19年6月に策定されております。
この中で、適応策の部分でございますけれども、地球温暖化適応策の推進ということで、(1)でございますけれども、1、2、3ということで、生産現場への普及、指導、技術の普及、指導ですとか、新たな技術の導入実証、また影響評価に基づく適応策の検討ということが挙げられます。
また、(2)として技術開発等の推進ということで、生産安定技術の開発、予測研究、また影響予測に基づく適応技術の開発というものが掲げられております。
そういう中で、基本構成としてこれまでの取組、課題、これからどうするかということ、そしてまた工程表として2030年まで、それ以降というような形で整理されております。
この裏をめくっていただきますと、適応策の項目として、実際に目次の項目という形になっているんですけれども、適応策の推進、技術開発、先ほどの項目と似たような形なんですが、その中が分かれて、また研究の予測、技術開発ということで設定されております。
このような構成でつくられて今まで当省で取組が行われてきております。
このような背景の中での取組の状況が資料5、こちらのほうに整理してございます。
この資料5の構成といたしましては、資料4の4.の項目ごとに、めくっていただいて2ページ目のところをご覧いただくとわかるんですが、総合戦略の内容を上のカラムのほうに入れてございます。
その上で、実際に総合戦略をつくったあとに、どのような取組をやっているかということを整理しているんですけれども、その中、特にポイントとなることを次の図表で説明しておりますので、その図表のところで説明させていただきたいと思います。
まず、3ページ目をご覧いただきたいんですけれども、適応策の推進の農業生産の部分でございます。
これは現状として挙げられるところといたしましては、水稲、果樹、野菜、家畜ということで、それぞれの影響、把握がなされております。
また、それぞれこのような高温等への影響に対して、その右側に適応技術の導入が図られているという整理になってございます。
また、具体的な取組につきまして、次の4ページ目に整理してございます。
ここでは取組といたしまして、先ほどの3ページ目のところ、具体的には農業生産現場での状況等を取りまとめる、一番最初の四角のところでございますが、地球温暖化影響力調査レポートというものを公表したり、高温適応技術レポートの公表がございます。
また、2番目のポツの一番下のところにございますけれども、さまざまな問題を解決するための都道府県等が連携した適応技術の共同検証を支援。
また、3番目ところでございますけれども、こういう情報を共有するためのサイトとして、農業温暖化ネットの構築というものもやっております。
この中で地球温暖化調査レポート、高温適応技術レポートにつきましては、参考資料として添付させていただいておりますので、また参考に見ていただければと思います。
ちょっと時間が押してきておりますので、その次の6ページ目は水稲の平年収量の関係でございます。
温暖化によって影響をうけるのではないかというご指摘がありましたので、これつきましても気象データの年々の温度上昇に対応したものにすべく、見直し検討をやり対応しているということでございます。
続きまして、8ページ目、9ページ目のところをご覧ください。
こちらに農業生産基盤との関係を整理してございます。
地球温暖化が我が国の農業生産基盤、農地農業用水、土地改良施設に及ぼす影響についてということで、現状認識としては8ページ目にあるようなさまざまな影響を把握、整理をしているということになります。
これに対応した施策として、9ページ目のところにございますけれども、平成20年、ちょっと前になりますけれども、農業農村整備における地球温暖化、対応策のあり方ということで基本的な考え方の検討を行ったり、また2番目の丸のところでございますけれども、農地、農業用水、土地改良における短期的な影響の把握、中長期的な影響の予測、評価、対策の検討ということも行っております。
また対応する技術開発を進めているところでございます。
次に、11ページでございます。
こちらは森林・林業の関係でございます。
現状の把握といたしまして、ブナ、ハイマツというような樹木の分布域が減少する可能性。
また、シイタケ等の病原菌の発生リスク、生産に影響を与えるようなこと。
また、4番目以降のこととして、大雨等、災害の可能性が上るというようなことに対する現状認識がなされていることになります。
これに対応して、12ページ目になるんですけれども、まず1番目のポツとして、プロジェクト研究ということで温暖化、林業分野に与える影響、適応技術の開発、プロジェクトを行って情報収集、影響評価を実施するということ。
また、4番目のポツのところで、産地災害の被害を最小限にとどめるための治山施設ですとか、森林の整備を進めてきているということでございます。
水産の分野については14ページ、15ページ目のところで、温暖化ということで14ページ目の2番目のポツで、日本近海における海水温の上昇が要因と考えられる現象、ここに挙げられておりますようなさまざまなことが報告されて、その把握に努めているということ。
それからまた海面上昇が進めば、漁港、漁村集落への災害の影響、またその安定性と機能性低下の懸念という状況の把握がなされております。
その中で、15ページ目に対応策として高温、耐性等を有する養殖品種の開発、順応的管理手法を取り入れた漁場整備。
海岸保全施設等の検討ということが進められてきたということになります。
そのほか、研究開発につきましては、予測研究ということで、17ページ目になりますけれども、影響を高精度に評価するということ、また極端現象に対する評価というものを行っております。
また、19ページ目、これもちょっと観点が違うところで、地球温暖化は日本だけではなく地球上すべてに影響が出るわけでして、世界の食料自給にどのような影響が出てくるかということで、中長期的な食料安定供給の確保に向けた戦略というものをつくっていくために、さまざまな影響を考慮しながら世界の食料自給予測を行うことをやっております。
そういう中で、国際的な食料自給動向に関する情報を幅広く提供するというような取組も行ってございます。
資料5の最後のところでございますけれども、こちらに研究開発でございますが、適応技術の開発ということで、既に評価されている情報、資料3のところとも重なるんですけれども、さまざまな技術開発が行われているということになります。
続きまして、ここはごく簡単にご紹介という形です。
資料6に我が国はこれから適応計画というものを政府全体でもつくっていこうということがございますけれども、世界的に見ますと、もう既に政府全体の適応計画をつくっている国もございます。
そういう中で、イギリスと米国の例を挙げております。
細かく説明する時間がないので、どのような傾向にあるか、2つ合わせてご説明させていただきたいと思います。
イギリスとアメリカを選ばせていただきましたのは、イギリスのほうは政府全体1本で、国家適応プログラムをつくっていくような方式、米国のほうは全体を束ねるものがあるんですけれども、どちらかといいますと各省でそれぞれの省庁別の適応計画をつくるという形式になってございます。
そういう中で、資料6-1でございますけれども英国については、政府全体の中で農業と林業というものを位置づけられて、さらにこの下の概要のところにございますけれども、重点分野ということで、農業、林業の分野、病害虫、そういうものが重点として挙げられているということになります。
また、アメリカのほうになりますけれども、こちらは農務省の適応計画を例として挙げております。
こちらのほうはめくっていただいて、2ページ目、3ページ目に、農務省がそれぞれの部局に対しての戦略を示しております。
主な事項としましては、このカラムの右側の可能な対応戦略のところがわかりやすいかと思うんですが、アンダーラインを引かせていただきましたけれども、気候変動に対応した品種の開発、3ページ目のほうをちょっとご覧いただくと、アメリカならではという感じもするんですけれども一番最後のところ、農産物の輸出の増加ということも戦略の中に入ってございます。
最後の資料7でございます。
こちらのほうでは今回政府全体の適応計画をつくるということで、環境省で進めている取組とも密接に連携しながら進めていくことが必要になります。
環境省のほうではつい先日、7月8日に中央環境審議会の小委員会が開かれまして、今後の進め方等の話し合いが持たれております。
基本的な流れは変わっていないんですけれども、この中で1ページ目のところでは8月頃というところに書いてあるんですけれども、ワーキンググループを設置して、今後検討しますというところが私どもとも直接関係するところかと思います。
次の2ページ目で、ワーキンググループの構成ということで、一番最初のところに農業・林業・水産業ワーキンググループというものが設置されるということが出ております。
この部分、前回の小委員会のときに情報提供させていただきました3ページ目の環境省のほうで整理している将来影響の評価の分野。
これをベースに検討されたということなんですけれども、この一番上の食料とあった部分が、農業・林業・水産業ということで名称も変わってきたということになります。
ここは今後、影響評価だけではなくて、その出口として適応計画という実行の部分を見据えて、業の部分も意識した構成になったというふうに聞いてございます。
非常に駆け足になりましたけれども、資料の1から7までの説明でございます。
以上でございます。

○武内座長
どうもありがとうございました。
いろいろとご意見、ご質問もあろうかと思いますが、大分時間も超過しておりますので、次の議事についての説明をいただいた上で、質疑応答に入らせていただきたいと思います。
それでは議事2の資料、気候変動適応計画について、事務局のほうから説明をお願いいたします。

○大臣官房環境政策課長
それでは、適応計画について私から説明いたします。
資料8ですが、今、作田から説明しましたのは、これまでどのような評価がなされて、あるいはこれからどういうふうになっていく、予測がどういうふうになっているのか、それから農林水産省がこれまでどういう適応策をとってきたのかということを説明いたしましたが、改めて今回、環境省を中心に政府全体で適応計画をつくるということです。
そこで資料8にありますようにこれから気候変動の適応計画を改めて策定するわけですが、左の上に現状の把握、分野別と書いてありますが、まずは検討すべき分野、事項とかを網羅的に取り上げて、この中には当然、検討した結果、当面様子見のものもあるだろうと思いますけれども、こういうものも含めて、網羅的にいろいろなものをリストアップする、その上でこの右側にあります気候変動対策のさまざまな段階。
例えばコメの対策はどういう段階にあるか、既に暑い影響が出ていて、それに対していろいろな品種開発が行われている。
そういうステージにある分野もあるでしょうし、まだ全く手がついてない分野もあるだろうということで、1は既に暑熱対策、研究開発に取組中の課題、2対策、評価、研究に急いで着手しなければいけない課題。
この2つは既に暑さの影響が出ている、見えているというようなことを対象にしております。
それに対しまして、3は影響が今は顕在化していないけれども、将来的な課題となっているもの、また不明なものもあるだろうということで大きく分けています。
その上で、矢印が下にいっていますが、適応計画の検討、赤で囲んであります顕在化している課題、1、2については既に適応策ができているものについては左側にある取組の実践、適応技術を普及。
全国にグッドプラクティスを広めていくということをどういうふうに進めていくかということを計画しなければいけない。
右のほうには研究開発を。
これからも影響評価、リスク評価をやらなければいけない、あるは技術開発をしなければいけないものを位置付けています。
それから、赤囲みの2番目にあります将来の影響への対応については、果たして影響があるのかどうか。
リスクがあるのかどうかをまず評価するという研究開発から始めるというようなこと。
こういうふうな場合分けをして、それぞれの分野ごとにやっていくということをイメージしております。
その中では下のほうにありますように都道府県で既に暑さの影響が出ている、あるいはこれから想定しながらいろいろなことを考えている現場の実践の状況も計画に反映させるようにインプットしていくことを考えております。
裏でございますが、時間軸で書いてございます。
右のほうにいきますと将来ということでイメージとしては緑の線で囲んでありますところが適応計画。
今の時点は左側にあります現在でありまして、その現在の段階はいろいろなものがあるだろう。
顕在化しているもの、顕在化していないものがあるだろうということで、これを将来を見越して、27年の夏に計画をつくってその後半から動かし始めるということでございますけれども、それぞれの計画をすだれ方式で、一部は、いつか取り組むことにしましょうとか、こういうふうな形で分類して計画を立てていくというイメージでございます。
資料9、最後の資料ですけれども、今日、皆様にご意見をいただきたい主な論点について簡単に記載しております。
1番目に適応計画作成に当たっての主要課題ということですけれども、これは今ほど申し上げました現状の認識で顕在化している影響、あるいは将来懸念される影響など、今まで私どもが説明した政府の認識についてのご意見や委員の皆様ご自身のご認識についてご意見をいただければと思っております。
それから、今後取り組むべき課題については本日説明で取り上げたいろいろな課題についてのご意見や取り上げなかった課題についてなど、それから将来の検討方向については計画をこれから作成しますが、その実行にかかる現行の方針についてのご意見等をいただければと思っております。
また、国と地方の連携や役割分担について、それから関係する省庁との連携や役割分担のあり方、それから海外において生じる気候変動の我が国への影響についてどう考えるべきか。
あるいはどういうふうに取り上げるべきか。
どういう視点で取り上げるべきか。
それから、適応策の実施主体や国民、一般への情報提供のあり方、これ以外でも結構でございますが、こういう観点でご意見をいただければありがたいと思っております。
以上でございます。

○武内座長
どうもありがとうございました。
それでは、質疑に移らせていただきたいと思います。
ご質問、ご意見のある方は、札を立てていただきたいと思います。
八木委員、どうぞ。

○八木委員
私は、研究開発のほうで、地球温暖化気候変動と農林水産業の関係で、科学的な知見、あるいは技術的な情報を提供している者でありますが、その立場から3点ほど意見を申し上げたいと思います。
1つは、研究成果の取扱でありまして、予測の不確実性ということを少しお話しする必要があるかと思います。
例えば、私たちの研究成果が資料3のほうに幾つか取りまとめられていますけれども、この研究というのは、将来に起こることを予測することであります。
現在、起こっていることを研究する場合にも、わからないことが多くありますけれども、将来のことを予測することはさらに難しいことであります。
明日の天気を予測しても最近天気予報は大分精度が高まってきましたけれども、はずれる場合もある。
将来の気候を予測する、さらにはその気候によって農林水産業がどう影響するかで、もうワンステップ要因が入るものが影響するわけです。
したがって、不確実性ということを我々科学者はいつも気にしております。
これはIPCCの報告書等でもそこは示されておりまして、確からしさ、可能性の幾つかの段階の表現を使っております。
こういった不確実性を含めて、この適応計画を出すときにはそこの部分が誤解を与えないような表現になるよう、できるだけ配慮いただきたいと思います。
例えば、資料3の3ページですけれども、これは私たちの研究成果を引用されて大変ありがたいんですが、これは1等米の比率は確かに将来低下する傾向が出ております。
これはきちんと書かれているんですが、よく読めばわかるんですが、この2つのシナリオというのは、経済発展重視型のシナリオでありまして、温度が上る度合いが高いシナリオであります。
一般の方がこれを見たときにひどいことになるといった過剰な意識を持たれる危険性を懸念しますので、温室効果ガスの排出を少なくした場合にはこうですとか、そういった過剰な誤解を与えないような表現に1例でして、これをどうのうこうのう言っているわけではありません。
全体としてご配慮いただければと思います。
2点目は、今回、適応計画ということで、温暖化、気候変動した地球環境にどう対応するかということが観点になりますが、それと同時に忘れてはいけないことは気候変動自体をその影響を少なくしていくこと。
つまり温室効果ガスの排出を少なくしていくとか、あるいは我が国の農林水産業で進められております、特に農業の分野で進められております気候変動だけではない、ほかの環境負荷を押さえる環境保全型農業、こういった課題も農林水産業には現在、そして将来の課題であります。
この適応計画を考える上で、もし同時に緩和、あるいは環境保全型農業、こういったものが同時に解決できる方向にある技術があれば、積極的にそういったものを取り入れていくという観点が必要だと思います。
3点目は、長期的な視点ということについてコメントしたいと思います。
適応計画の中で、長期にわたることをお考えだと思います。
冒頭で西郷さんのほうからIPCCが大分長くやっているというお話がありましたけれども、これは確かに長いんですけれども、もっと続くものだと思います。
少なくとも100年、3世代、恐らくIPCCの報告書はAR5ですけれども、AR20ぐらいまでは出るのではないかなと私は考えております。
そうしたときに、この適応計画を今回初めて策定するわけですけれども、現在起こっている問題に対処することももちろん重要であります。
しかしながら、将来の長期的なことを見越した観点からの対応も必要でありまして、その点で資料8の裏側にありますオレンジと水色の斜めの線、これはちょっと違和感がありまして、逆なのではないかなと思います。
将来になればなるほど、現在影響が顕在化していない問題が大きく出てくるのではないかと思います。
影響が顕在化してないのではなくて、今後、顕在化する可能性のある影響ということで、ぜひ長期的な観点からのご検討をお願いしたいと思います。
以上、3点であります。

○武内座長
それでは、橋本委員、お願いします。

○橋本委員
気候変動が起きますと、私どもは現場としては天災と思って対応するしかないわけで、品種の育成、さまざまな技術の開発は試験場、大学のほうでやっていただくとして、私たちはどんな状況でも同じことをやらなければいけないわけですが、この資料4の中に地球温暖化対策推進の1、既存技術の生産現場への普及指導というふうにありますけれども、新しく何か考え出すというよりも今の段階で本来やるべきことができていないということが随分あるのではないかと思っております。
例えば、ここ2、3年ですけれども、ちょっと干ばつになると牧草の収量が落ちたり、長雨が続くと水がたまってしまうというところが農家による差が随分出てきているような気がいたします。
これは土壌の構造がしっかりできているほ場とそうでないところの差が出てきているのではないかなと思っております。
機械化、大型化が進むにつれて、効率重視で畑が工業的に扱われるといいますか、生物学的な部分というのがちょっと見逃されてきているような感じがいたしますので、この部分について今一度きっちり指導するというのもあれですけれども、見直しをかけてくる必要があるのではないかなと思っています。
それから、2点目は、家畜の飼養に関してですけれども、密飼いされている家畜が暑くなるとストレスが大きくなって、生産量が落ちてしまうというようなことがあると思います。
これらについては、最近アニマルウェルファアの考え方が出てきていますけれども、認証問題とは別にやはり家畜のストレスをなくしながら飼うような方向を打ち出さないといけないのではないかと思っています。
以上、2点、どのようにお考えかお聞かせいただければありがたいです。
そのようなことを現場として考えております。

○武内座長
永田委員、お願いします。

○永田委員
ちょっと個別の問題になるんですが、資料5で林業に関して地球温暖化が要因と考えられる影響という中にぜひとも取り込んでいただきたいと考えるんですが、温暖化に伴いまして、越冬固体が必ず増えてくると思います。
これによる現状以上の獣害の発生、または獣害の発生地域の北進化というのが考えられると思うんですが、その辺も取り込んでいただきたいと思います。
以上、1つです。

○武内座長
それでは、次に井村委員、お願いします。

○井村委員
私たち農家の使命として食料自給率を上げていくことが言われておりまして、お米と麦と大豆をつくっているわけなんですけれども、お米についてはもともと南の作物で、熱帯モンスーンになっていっても品種の改良、高品質にしていくことはできるのかなと思うんですけれども、麦と大豆に関していいますと、近年の大雨の頻度が大きくなったということがここ数年かなり全国で影響を受けているのかなと思います。
例えば、台風の影響もありましたが、今年は関東のほうの大麦は壊滅状態と聞いております。
去年、大豆も収量がかなり落ちて、ちょうど麦の収穫期と大豆の播種期の大雨及び大豆の収穫期と秋まき小麦等の播種期、ここの短期間の間で豪雨が出た場合、雨が降った場合に、農家としては手立てがないという現状がありまして、その中で今回、麦と大豆の対策がほとんど書かれていないということがありまして、これは将来的に麦と大豆というのが適地ではなくなって減らしていく方向で、お米中心にやっていくということなのか、それともこういう環境の中でも麦と大豆をつくっていく方向でいくのか。
その中で適地、適作というところがポイントとしてあるのかなと思います。
ぜひ、麦と大豆、大豆をこの国でつくり続けるということであるならば、ぜひ麦と大豆の対策を考えていただきたいということが1つです。
あと早急な対策として、農業共済として麦と大豆の播種期、収穫期における品質低下、根本的に播種ができないとか、そういったものに対する対策が少し遅れているような気がします。
以上です。

○武内座長
鮫島委員、お願いします。

○鮫島委員
幾つかあるのですけれども、現状の認識ということで、いわゆる温暖化ということで温度の情報を比較して、いろいろ懸念しているわけですけれども、やはり被害ということを考えると、今年の初めの大雪、最近だと集中豪雨、雹が降ったり、水が絡む災害はものすごく目立ってきているような気がします。
多分、データとして地表の温度と高層の温度の差がどうなっているのか。
それによって非常に大きな異常気象が起こるということがあるのではないかと思います。
水蒸気の量がどうなっているのか。
もうちょっと何かデータの集め方を幾つかの切り口でとったほうが良いのではないかなという気がします。
それから、やはり被害ということを考えた場合、当然、中長期的な温度の変化とか大きな全体の変化もあるけれども、被害というのは一瞬にして起こるわけですね。
ですから、そういう非常に短期間の異常な気象現象による被害がどう変わっているのか。
どういうことが起こっているのかというのものは、きちんと定量的に見ていったほうがいいのではないか。
それによる被害額とか、そういうことも見ていったほうがいいのではないかなということがひとつ思っていることです。
要するに経済的なダメージ、そういうものも集中的にかなり起こるわけで、それに対する対策というのはしっかり、もちろん農業は農業で、それから山地は山地でやっていかなければいけないと思います。
私の場合は、森林ということで来ていると思うので、やはり山地災害をどう防ぐかということにものすごく注力すべきではないかと思います。
当然、雨、集中豪雨も増えるでしょうから、保水力の高い山は一体どういうものなのか、その辺もきちんと整理していったほうがいいでしょうし、それから実際に大雨が降ったときにどうやって受け止めていくのか、河川の再設計も当然あるのではないかと思います。
お聞きしたかったところはそういうところです。

○武内座長
それでは、山家委員、お願いします。

○山家委員
今日、適応計画に対する会合ということで、ちょっとずれるんですけれども、冒頭前回の宿題のご説明をいただいてどうもありがとうございます。
その関係で、ちょっとコメントをさせていただきます。
今回、わざわざ時間をとってご説明をいただいたんですけれども、やはりあまり説明していただかなかったという気がしております。
私は別に文句をつけているわけではなくて、幾つかの自治体の委員、アドバイザーをやっていますし、再生可能エネルギーをやりたいという方にいろいろお話をお聞きする立場にもございます。
そうした中で、どうしたら再生可能エネルギー設備をつくれるのかというそこの視点でお伺いしているわけで、あまり時間を取るのもなんなんで、一度大変恐縮なんですけれども、時間を取っていただいて、ディスカッションというか、どうしたら立地ができるのか。
という視点、前向きな視点でちょっとご議論というか、あるいは教えてもらう時間をいただければありがたいなと思っております。
以上でございます。

○武内座長
それでは、牛窪委員、お願いします。

○牛窪委員
私自身はマーケティングライターとして、一般の方、それから企業の関係者に取材し、マーケティング調査をするというのがうちの会社の仕事なんですが、そういう意味で言うと農業の現場というのは非常に弱い分野なんですよね。
ただ、去年共同通信さんだったと思うんですが、たしか温暖化によってリンゴが甘くなったという記事が出たことがありました。
これは青森とか長野のリンゴだったと思うんですが、一般の方々からするともちろん温暖化になって、今日も資料2などを拝見すると、これは大変なことになるぞという印象を多分すごくお持ちだと思いますが、やはり一方で「農業にとって温暖化がいい方向に働くこともあるのかな」といった方も、一般の方を取材すると出てきます。
もちろん大変なことのほうが多いというのは、これまでご説明いただいた中でわかるんですが、八木委員のほうからもお話がちらっとあったんですが、やはり誤解を与えない表現というか、あまりにひどくなるとか、これから大変だぞという表現が協調されますと、結局は現場の方もそうなんですが、これから農業、農林水産業を目指そうとする若者、特に最近取材していると、新たにそういうものに取り組みたいという若者も結構いまして、逆に言うと、これから大変だぞというところがあまりに過度に出てしまうと、そういう方々がやはり未来がないのかなという印象を持ってしまわないかなという不安もあります。
ですので、情報の出し方というものがやはり1つ重要かなというふうに思っています。
という意味では、今は農林水産業にかかわっている人の認識、どの程度危機感を持っていて、どの程度悩みがあって、これから品質改良する方面に予算も含めてどの程度サポートしていくかということがもちろん重要なんですが、もう1つ一般の方々がどのぐらいの認識を持っていて、どのぐらいの温度感で情報を出していくかというところも事前にある程度把握した状態で情報開示をするほうがいいのではないかなと今回ちょっと伺っていて思いました。

○武内座長
それでは、三石委員、お願いします。

○三石委員
ちょっと私自身の認識もまだ不十分なのでぜひお聞きしたいのですが、現状認識のところで、各国の適応計画の話をしていただいて、アメリカとイギリスの話をちょっとしていただいたので、アメリカに関してはものすごく明確です。
ある意味、コーンベルトはしっかり残す、残すためには気候温暖化して状況が変わっても品種改良をして、それには技術を使って、自分たちはいつまでたってもトウモロコシを外に出していく。
こういう明確なものが出ています。
そういうことを考えたときに、アメリカはいいんですが、中国はどうなんだろうかということが私は非常に気になりまして、中国のコメの生産量は皆さんご存じのとおり、1億4,000から5,000万トンありますよね。
ここは今後どうするか。
世界最大のコメの生産国であり、なおかつ世界最大のコメの輸入国でもあります。
ご存じのとおり急速に中国のコメの輸入数量が増えてきている。
それは今後どういうふうに見ていったらいいのか。
そこら辺の話で、輸入の場合のアメリカとそれからお互いにコメをつくっている重要な国という意味で、中国のコメ生産、あるいは彼らがどういう適応計画をつくっているのかというようなところももしご理解がありましたらちょっと教えていただければと思います。
そこら辺が非常に気になったところです。
以上です。

○武内座長
増本委員、お願いします。

○増本委員
私は研究畑に所属しておりますが、研究と行政の施策とのまさに中間の立ち位置でのコメント、あるいは質問をさせていただきたいと思います。
2つありますが、最初の1つ目は、適応計画の策定に当たっての現状の認識と方向に関してのコメントです。
先ほどの鮫島委員からの関連の発言もありました。
現状での把握において、実際問題としては起こってないようなこと、すなわち大雨や豪雨がどのように発生してきているのかの認識や、また将来それらがどのようになるかの問題に関しては、今日の配布資料の資料2の中で、大雨がどのモデルでも増加するというような指摘が示され、あるいは結論も見せていただきました。
確かに、その現状認識を持って将来もその変化に対応することになりますが、実際には大雨や豪雨の量である降雨量というのは平均的には増えるけれども、降り方がどうなって変化しているかにも注目といいますか、注意しないといけないと思います。
具体的にどういうことかと申しますと、例えば1日100ミリ降りますといっても、それは過去のようにだらだらと降るのではなくて、現在は温暖化や気候変動によって集中豪雨的といいますか集中的に降ってきています。
このような、平均的に言うと大雨だということになりますが、そこでの短時間の雨の降り方がどうなっているかといった分からない事実にも注目する必要があるということです。
そういった認識がないと、これからの適応策の作成に当たっては十分なものが検討できないのではないかというのが1つ目です。
ここでは、研究分野での成果も十分に利用できると思います。
2つ目ですが、資料9の中にある国と地方の連携と役割分担の中で、国が対応すべきことに関する質問です。
適応計画といいますと、農業生産基盤を考える場合には、必ず施設をどうするとか、先ほどの大雨に対してどの程度の施設を作っていくかのような対応になると思いますが、一方で、国が対応すべきものとして違う方向といいますか、検討すべきものがあるのではないかと思います。
それはどういうものかといいますと、これまで水利施設の建設等に関しては、国として施設の計画基準や設計基準、さらに管理に関して管理基準というような指針をつくってきました。
それらは、現在までの過去に起こった現象等を調べて、こうあるべきという指針として10年に1回程度発生する大雨に対してはこの規模の施設の建設や管理が必要でかつ重要だというふうに検討してきました。
ところが、これからは前提であるものが変わってきている、あるいは確実に変わると予測される訳ですから、将来の対象とする雨の大きさであるとか、あるいは対象となる施設規模に関する基準も変わってくる筈です。
それを将来起こる、また変化すると予測される現象を取り入れた基準にするのかどうかという検討もいるのではないかと思います。
そこで、このことについて農業生産基盤を考える部局としてはどのように考えられておられるのかを伺いたいと思います。
この第2点目の検討も、重要な国のなすべき施策であって、それが適応策の1つとして打ち出してもいいのではないかと思うわけであります。
ただし、これは研究サイドでも慎重に検討すべきことで、研究と行政の協働の適応計画の策定として検討していっていいのかもしれません。
以上です。

○武内座長
それでは、椛島委員、お願いします。

○椛島委員
今日、資料を拝見して、大きく短期的なところと中長期的なところで考えるということを出していただいているのかなという印象を持っております。
やはり短期的にはやはり顕在化している個々の品種でのリスク、しょっちゅうこのところ豪雨とか台風だとか季節外れの天気ということで、農業現場が被害にあっているというところ、ここに対策を打っていかないといけない。
もちろん安心して農業をしていただくためには当然その部分が必要だというのもよくわかります。
他方で、中長期的にやはり米国だとか英国の事例を今回出していただいているというところもやはりトータルの戦略の中での適応策というのが国益を考えたときにどうあるべきかという視点も非常に重要なのかなと思っております。
先ほど来、委員の方がおっしゃっていますけれども、米国でやはり輸出というところが明確に入ってきているとか、欧州のほうはやはり昨今、私自身も規格の分野に非常にかかわっているので、バイオマスを中心にバイオ燃料でハードローとしては報告を特定の業界に対して義務づけをして、一方で民間のほうとか、トレーサビリティのルール、バイオマスのCO2をどうカウントするかというところをルールして、それを認証する、それをサービスにしている人、そういうことでハードルを上げることによって欧州の中に入っていく、ある種一定のルールができてきているというところを見ていると、やはり国益というものが背景に中長期的に考えているのかなという印象を持っております。
こういったこと、国民的議論で緩和策と適応策のバランスもそうですし、適応策の中での優先順位というところも今後中長期的に耐えるものをつくっていただきたい、もしくは我々もそれに対していろいろと調べて対応していかないといけないのかなというふうに感じております。
また、最後にやはりこれはちょっと視点がずれるのかもしれないんですけれども、一番環境政策のところでも関連してくると思うんですけれども、今、日本で進めている環境配慮型農業は大きく防除のところでハードルが上がってくると、やはり日本でオーガニックはさらに難しくなって、気温が上ることによってさらにハードルが上るかもしれない。
エコファーマー制度も今の制度のまま農薬とかを節減することが難しくなってくるかもしれないというところを考えると、その日本の環境配慮型農業が今後どうあるべきか。
ちょっと最優先ではないのかもしれないんですけれども、やはり影響を受けてくる分野なのではないのかなというところで、ちょっと3点目は今取り上げられてないところということで、今後の対応をどう考えるのかという視点で申し上げました。
以上でございます。

○武内座長
小倉委員、お願いします。

○小倉委員
3つほど聞きたいと思います。
現状の認識のところで、先ほどリンゴの話もありましたけれども、暑さに対して強いものをつくっていくということを進めていらっしゃって、それをどんどん広げていくということはとても大切なことだと思います。
温州みかんの例が出ていますけれども、皮が浮く被害が出ているということなんですけれども、リンゴと同様に、その栄養価に対して、それが劣っているのかどうかというようなところも調べられているのかどうかちょっと教えていただきたいなと思います。
機能性もつけて、農産物を売っていこうというときに、温州みかんはもう一番のトップバッターとしてやっていくのではないかと思っているんですけれども、頑張っていただきたいなという思いも込めて、品質のいいものをどんどんつくっていただきたいなと思っています。
今後取り組むべき課題のところで触れられなかったんですけれども、私としてとても気になっていることがありますので、伺いたいと思います。
飼料用の作物について、高温障害が出てくるということが予想されると思うんですけれども、蚊とか虫もとても怖いんですけれども、カビ毒というのもとてもこれから怖いと私は思っています。
自分たちが食べる食物のカビ毒も怖いんですけれども、家畜等に与えられるカビ毒について何か対応策を考えていらっしゃるのかどうかということを伺いたいと思います。
最後に、国民、一般への情報提供ということにも通じてくると思うんですけれども、和歌山県の那智勝浦では前回ひどい被害にあったんですけれども、今回はまちの人たちが助け合って声を掛け合って避難を呼びかけたとか。
淡路島の人たちもどこで誰が寝ているから助かったということがありました。
農林水産だけでできることではないし、国だけでということではないと思うんですけれども、本当にコミュニティづくりをもう一度省庁挙げて取り組んでいく必要があるのではないかと思っています。
本当に恐れ過ぎずに正しく恐れずということと、それから私たち一人一人が何をすればいいかというような情報を出していただけるといいのかなというふうに思いました。
以上です。

○武内座長
水産分野でコメントいただいていないのですが、山川委員、渡邊委員という順番でご意見いただきたいと思います。
特に、海洋の酸性化の問題もちょっと考えなくていいのかなという思いもちょっとあるんですけれども、その辺も含めて。

○山川委員
水産の立場から意見を言わせていただきます。
水産業は、養殖業は別として天然の野生生物を資源として利用している産業です。
ですから、養殖業ですと、高温耐性品種を品種改良、育種していくことによって技術開発によって何とか適合していくという、そういうことを打ち出せるんだろうと思いますが、天然の野生生物資源を漁獲していくという、そういう視点から申しますと、天然の海域の生産性、あるいは生態系、そういったものがどういうふうに変化していくか、海の自然がどうなっていくかというところをどう押さえていくか。
そしてそれに対して、産業としてどのように適応していくか。
あるいは順応していくか。
そういうことを考えざるを得ないと思います。
酸性化の問題もそうかもしれませんけれども、そういったときに、将来どうなっていくのか、海洋環境、あるいは海洋生態系がどうなっていくのかというそこの研究開発、研究に力を入れていただくという、そういうところがもちろん大事なんですけれども、何より大事なのは、モニタリングを継続していくということが大事なんじゃないかなというふうに思います。
海洋環境、海洋の生態系、沿岸生態系、沖合生態系、そういったものがどういう現状にあって、どのように変化してきているのか。
そのモニタリングに力を入れていく必要があると私は考えます。
そのときに、国だけではなかなか、海は広いですから、十分なモニタリングを行うことができませんから、やはり地方と連携しながらモニタリング体制を国と地方の連携を強化しながら、力を入れていく。
そういったことが必要なのではないかと思います。

○武内座長
渡邊委員、お願いします。

○渡邊委員
皆さんの意見の中にも、短期的な話、長期的な話への対応という部分のコメント等がありましたけれども、特に適応策を考える上で、例えば資料3の1ページ目に出ているような平均気温の上昇がどうなるかというシミュレーションの結果等がございますが、こういったもののどのあたりをターゲットにするかというか、短期的な目標としてこの辺を想定して、対策をつくり上げていくとか。
長期的には100年後どうなるかというところに目指した技術開発はなかなか難しいでしょうけれども、そういうある程度目標みたいなものが省庁間であるのかどうか。
また農林水産省としてどの辺を目指して対策をつくっていくのか。
そういった視点、そういったものをある程度明確に持っている必要があるのではないかなということを思います。
水産のほうからいいますと、漁船、漁業であれば、ターゲットにする漁業が決まって、それで船をつくって、漁業に入っていく。
現状でもそういうサイクルがあると思います。
その中で、20年後までそういう魚をとり続けられるのか、漁業を継続する上では重要なポイントになるのではないかと思いますので、短期的という意味では、20年後、30年後、そういったちょっと短期ですけれども、短期的にどういう状況を想定して、その対策、例えば先ほどの生態系の話もございましたけれども、どういう生態系がそこの場にあるか。
そういったものを予測するのか。
そういったことを考えながら、そういう対策も含めて、国としての情報を出していければ現場にとってはいろいろな生産活動にとって将来を見越した形でできるのではないか、そういうふうに考えています。

○武内座長
鈴木委員、お願いします。

○鈴木委員
今の渡邊委員さんの話にも関連しますが、漁業を経営する立場として一言お話を申し上げます。
この報告書に水産関係においてはサワラは北のほうへ行く、増えてくる。
しかし、イカとスルメイカは温暖化のために北のほうへ追いやられているということが報告に載っていますが、ここ2、3年の傾向でやはりそういう傾向がありまして、例えば青森県沖のスルメイカは日本最大の漁場の種類ですけれども、あと函館のほうと。
青森県沖は去年は非常にとれませんでした。
それから、皆さん、ニュースでも見ていると思うんですが、サンマが去年あたりも近海に寄ってこなくて、そしてかなり遠いところの漁場におりました。
今、話がありましたように、漁船、漁業は沿岸とそれから沖合と遠洋、サンマ、サバ、イワシ、このような種類は沖合漁業として中小企業ではありますが、企業的な体質でやっております。
沿岸は親子とか兄弟とかという小型船の種類が多いのですが、今言ったようなものをとるのには、大型というかそういう漁船でやっているんですが、この問題が起こるとどういうことが起こってくるかというと、日本の漁業は漁業種類によってどのものをとっていいという許可とあともう1つは地域によって、例えば私は巻き網をやっていますが、北部太平洋海区、中部太平洋海区、それから北日本海区と、海区とそれから漁業種類に分かれておるわけでございます。
海区の問題だと、遠くなるととりにいけません。
それからもう1つは、燃油が最高値の状態にありますので、今までとれた漁場ではなくて、北のほう、サンマでもわかりましたように、500マイル、1,000マイルというふうに去年あたりなってまいりましたが、そうなるとなかなかとって帰ってくる日数も大変ですが、燃油がものすごく上がって採算が合わない。
そのほかにも流通の問題等があると思うんですが、このような問題で将来的に継続していけるのか。
継続していけなくなった場合に、北のほうの冷たい水で魚は生きているかもしれないけれども、それをとる漁業が衰退するというか、廃業に追い込まれる。
そういうときに、魚が元のところに戻るのかわかりませんけれども、戻ったとしてもそれをとる船がいない。
やはり漁業はちょっと特殊ですから、普通の方が、ちょっと船がいなくなった、魚が来たから漁業をやってみるかと、そういうわけにはいかないような職業ではないかと思います。
そういうことで、先ほど温暖化は災害と言えば災害だという話もありましたけれども、災害で、そして魚がその地域でとれなくなって、あるいはとる会社なり、漁業者がいなくなった場合には水産というものがどういうふうになるのかなと非常に心配しております。

○武内座長
ほかにございませんか。
それでは、事務局のほうから回答をお願いしたいと思います。

○技術会議事務局研究総務官
技術会議事務局、研究総務官の大野でございます。
先ほどの橋本委員のほうから、ご質問という形でお話がございましたので、答えになるかどうかわかりませんけれども、お答えしたいと思います。
まず、牧草の収量というか、草地の管理の仕方があまりに工業的なのではないかと。
言ってみれば草地を粗末に扱っているのではないかというようなことについて、どういうふうな方向を考えておられるのかというご質問ともう1つは家畜の飼養形態が密飼いになる中で、どうやってストレスを軽減するようなことを考えているのか。
この2つについてどういう取組をしているのかというご質問だったと思いますが、よろしゅうございますか。
草地の問題、飼養管理の問題、連続しているんですけれども、大きく2つの方向があるのかなと思います。
1つは、橋本委員は早いうちから放牧サミットにもご参加しておられて、放牧酪農は畜産部のほうでも進めておりますけれども、ああいったやり方で、循環型の酪農を目指していくような方向、さはさりながら既に大規模化している酪農家について、今から放牧酪農の道をというのも、これは無理な話なんだろうと思います。
でも、そういった中で、北海道の現状を見ると草地の更新が全く行われない。
更新率が2、3%程度、先ほどおっしゃるように大型機械をいれるから、その草地はパンパンになっていく。
そういう中で、最近の大雨、干ばつに近い気候の中で、大きな収量の変動があるというか減収があるということだと思います。
ここら辺のところは放牧というような取組、環境保全型の取組を進めていく一方で、今の大型の経営については草地更新を支援するとか、そういった手立てで、先ほど三石委員のお話にもトウモロコシのお話がございましたけれども、地球的に気候変動で一昨年も干ばつで米国のトウモロコシは減少いたしましたけれども、そういうことを考えて、国産飼料をその草地でつくっていくような方法について支援していくというようなことが対応の方向だと思っております。
家畜のストレス軽減ですけれども、まさにストレス軽減のことを考えると放牧酪農みたいな取組は引き続き紹介していくというのと合わせて、密飼いになっている形態が当然あるので、100頭、150頭どころか、メガファームみたいなところもございますので、今も実証研究で取り組ませていただいているんですけれども、ICTを利用した環境制御、環境中の畜舎の環境の中の気温と湿度、その状況でどういうふうに送風するかとか、そういうのを可変にしていくとか。
極端なのは、ウインドレスもありますけれども、そういった形で、牛の状況、それから牛舎の環境、温度、湿度のバランス、そういうのを見ながら、環境制御をITでやっていく。
そういう手法をとっていく。
それによって家畜のストレスを軽減して、生産性も向上させていくという2つの方向、大きく分けるともちろん連続していますけれども、そういうのがあるのかなというふうに思っております。
それから、井村委員のお話にございましたが、麦、大豆はやらないのかという話ですけれども、今でもコメのほうがあまりに有名になっているのであれですけれども、麦、大豆についても高温耐性、あるいは病害虫耐性、こういう研究を進めております。
今やっておりますのは、私どもは研究というと、直接独法がやられる研究と合わせて国が直接、これは重要施策だというので、研究課題を決めて依託する、そういうプロジェクトをやっておりますけれども、私も昨日、一昨日と行っていたんですが、各ブロックを回って、実際に農業者の方から生産現場でどういうものが求められているのか。
そういうのを御用聞きした上で、育種に反映させていくというようなことをやっておりまして、そういった中で、重要なことは取り組んでいきたいと思っております。
小倉委員の話ですけれども、栄養的には劣ってないと思いますけれども、劣化が早いというので、その分、置いておくと食味も内容も劣化していくということだと思います。
飼料用のカビ毒の話ですけれども、カビ毒については流通しているものは飼料安全法で当然チェックしています。
一方で、実際に生産している方に向けて、あるいは農研機構のほうで、カビ毒に限らないんですけれども、そういった飼料用作物の畜産草地研究所のほうでやっていますけれども、植物について防除法とか、それから抵抗性品種の紹介とか、そういうことをやらせていただいています。

○大臣官房地球環境対策室長
三石先生からご質問がありました中国の状況はどうかということなんですけれども、私どものほうで把握している範囲としは、環境省のほうで調べたものがありますけれども、その範囲ですと中国では2012年に中国の気候変動対応に関する政策と行動というものを挙げておりまして、あまりがっつりしたものではなくて、全部で29ページ程度、その中に緩和と適応と両方載っているようなものです。
そういう中で、将来の農業生産をどうするかとか、そのようなところまでまだ載っていないように思います。
まだ、引き続きどのような形で対応するかというのをフォローしていきたいと考えております。

○林野庁森林利用課長
林野庁でございますが、まず永田委員のほうからいただいたご意見でございますけれども、これは前回のシカの被害の話がございまして、やはり越冬、子鹿の生存率のお話をちょっとさせていただいたことがありますが、やはり非常に問題でございますけれども、資料5のほうでちょっとご説明させていただきました。
12ページでございますけれども、委託のプロジェクト研究ということで、森林に対する地球温暖化の影響を、こういった情報を集めてございます。
ここでは野生生物の保全のほうをちょっと強調したような書きぶりになっておりますけれども、そういったシカ害のほうについてもこういったプロジェクト等を通じて情報収集していきたいと考えてございます。
それから、鮫島委員のほうから降雨量等の増大ということで、こちらのほうにもご指摘いただきましたけれども、こちらもやはり同じ資料5の11ページのほうにお示しさせていただきましたけれども、大雨の発生頻度が増加している、今後も増加することが見込まれることがございまして、特に治山の関係で私どももやはり課題だと感じてございます。
こういった発生リスクが高まってきますので、緑の国土強靱化ということで、災害に強い森林づくり、また避難経路の保全、こういったことを一体的にやっていきたいと考えてございますので、やはり治山の関係でも気候変動の適応という側面からもやっていきたいと考えておりますし、認識しているところでございます。
それから、牛窪委員と八木委員のほうから、どのように皆さんにお知らせするかというところがあって、これは非常に難しいところだなと思っておりまして、やはり予防原則といいますか、どういった形で皆様に今後のリスクをお示しするか、逆に出さないと何か起こったときにどうしたんだと言われてしまいますので、そこは難しいところでございます。
私どもやはりある意味でリスクがかなりあるのではないかと見込みながら対応していくというのがある意味で、転ばぬ先の杖というところもあるんですが、逆にそれで無用な心配といいますか、そういったものを煽るようなことになるというのはよくないことでございますので、そういった視点も気づかせていただきましたので、こういうことも念頭に置いて対応を進めていきたいと思っております。
それから、若干門外漢で申し訳ないのですが、中国の話がございましたけれども、林業のほうなんてすけれども、2012年だったと思いますけれども、林業の関係では第12次5カ年計画における森林・林業分野の気候変動対応に対する行動要点というペーパーが、国家林業局から出されておりまして、造林からキャパビルまでたしか15項目ぐらい、結構具体的に書いております。
どのくらいこれに基づいて実施しているかまでは取材しておりませんが、そういった気候変動、緩和も含めて、課題と考えているというところは日中一緒だというところで、一つの接点になるのかなと考えているところでございます。

○水産庁増殖推進部参事官
水産関係につきましては、お三方の委員から、主に漁船漁業に対する適応策という観点でのご質問があったと認識します。
山川先生からご質問があったように、水産業というのは野生生物に依存した産業でございますので、当然海洋の環境がこういった気候変動によって変わってきた場合には生態系が変わって、獲れるものも変わってくるということは認識しております。
ただ、野生生物を人間の手でコントロールすることは非常に難しい問題でございますので、その中で、海洋モニタリングは非常に重要だというご指摘をいただきました。
水産庁としてもそのとおりだと考えております。
独立行政法人水産総合研究センターと各都道府県に地方の水産研究所がございますが、それらが連携して各海域の環境モニタリングに努めているところですが、なかなか地方行政も予算が厳しいということがありまして、こういったモニタリング体制をどう維持していくかということについても、水産庁と各都道府県との意見交換をする枠組みの中で議論しているところでございます。
それから、渡邊委員のほうから、ターゲットをどこら辺に絞るというお話もございましたが、研究のほうでは漁業の将来予測ということで、先ほどご紹介があったIPCCの報告書に従いまして50年程度の長期的な気候変動シナリオに従いまして、日本周辺の魚がどうなっていくかという予測をしているところでございますけれども、確かに昨年はブリが北海道周辺で大量に獲れたとか、毎年、異常な短期的な現象も起こっておりますので、その両面からしっかりとらえていきたいと考えております。
それから、鈴木委員のほうから漁船、漁業は厳しいという話がございまして、まさにそのとおりだと認識しております。
例えばサンマが沿岸になかなか寄らなくなったといったことがございます。
過去にも水産業というのはイワシが獲れたり獲れなかったりとか、そういったことで漁業形態が変わってくるということがありましたように、そういった問題にどう対応していくかは非常に大きな政策課題でございますので、しっかり対応していきたいと思っています。
これが温暖化の適応策となるかどうかわからないのですが、燃油の問題をおっしゃりましたけれども、省エネ型の船体の開発など、そういった対策を考えるとか、それから例えば漁海況予報というのを水産総合研究センターのほうで出していただいていますが、そういったものの精度を高めて、魚がいつどこでどれだけとれるかというのをあらかじめ予測しておけば、無駄な燃油を使わないで効率的に魚をとることができるとか、そういったような対策でなるべく漁業者に負担がかからないような形で、気候変動や生態系の変化にも適切に対応できるような漁業を目指していくということもこれから大きな課題となると思います。

○農村振興局計画調整室長
増本委員のご指摘で、大変難しいご指摘を受けたと思っております。
雨の関係ですけれども、現に雨の降り方が変わってきておりまして、局所豪雨、ゲリラ豪雨ということで、既に排水施設について影響が出ているところがあります。
我々はそういう認識をしておりまして、今ある施設の機能でいかにそれを対応していくのか。
操作をどうするのか。
あと小倉委員も言われました地域のコミュニティの役割がかなり大きくなると思いますので、その辺についてはソフト対策を中心にさらに土地改良施設管理基準等への反映を検討することも視野に入れていかなければいけないと思っております。
あと増本委員が後半に言われた計画基準、設計基準、これは委員が言われたとおり、現在は今までの雨の降り方を考慮して機能を決定している。
それに対して、今、増本委員のほうから将来の降雨の予測も踏まえて、施設の規模を決定していくことも考えたらどうかというご指摘だと思います。
これについても重い課題だと思っていまして、まずは将来予測の精度を高めなければいけないというふうに思っております。
その上で、当然農家の方が一部負担されるということもありますし、その施設の耐用年数がどのくらいあるか。
そういうことも考えながら、中長期的な課題として重く受け止めて考えていかなければいけないのかなと思っております。

○農村振興局農村環境対策室長
山家委員のほうから、再生エネルギーの立地が制度論ではなくて、どのようにしたら立地が進むのか、ちょっと前向きに別途の議論の場を設定してほしいというご意見がありました。
実は、再エネ法自体は、食料産業局というところが所管してございまして、その関係で農地の転用について、農地法を私どもの振興局が所管しているということになってございまして、実は食料産業局の担当官が出てきておりませんけれども、山家委員のご意見について前向きに対応できるように両局で相談して、また別途議論の場ができるようにご回答を申し上げたいと思っております。

○生産局農業環境対策課長
椛島委員のほうから環境保全型農業等について影響受けるのではないかということで、資料にもありますように温暖化してきますと病害虫の発生が広がったり、発生が増えたりということで、我々も懸念しておりまして、基本的にはそういう状況を踏まえてどんなことができるかというのが環境保全型農業で求められていると思います。
今やっておりますのは、IPMといいまして、総合的病害管理技術、簡単にいいますと、病害虫の発生の初期に早く情報をつかんで、初期に叩いてしまうということを頑張ってやろうとか、あるいはフェロモントラップを使って病害虫の密度を下げるということをやっていますので、こういうことが今後も使えるのかどうか、あるいはそういう影響をどのぐらい受けるのか。
新たな対策として、技術としてどんなことが可能なのかをしっかり考えていかなければならないと思っております。
特に、有機農業、化学肥料、化学合成農薬を使わないということになりますと、そういうことがなかなかしにくいという点もありますので、それについては具体的な問題が生じているのかどうか、その辺も踏まえて検討を進めていきたいと思っております。

○水産庁増殖推進部参事官
海洋酸性化につきましては、北方の沿岸域で貝とかウニとか炭酸カルシウムを体に蓄積するような生物が成長できなくなるという問題があることは認識しております。
今、環境省予算の研究プロジェクトがございまして、水研センターも一緒に研究していると思います。
それにつきましても、今後研究をさらに深める必要があると考えております。

○武内座長
今、回答がございました。
今後の気候変動適応計画に関しまして、今日いたたいたご意見を可能な限り反映させて、より具体的に検討をしていただくということにさせていただきたいと思います。
今後の検討状況について、説明をお願いいたします。

○大臣官房環境政策課長
今日は貴重なご意見をありがとうございました。
委員からのご意見を踏まえて、農水省の気候変動計画の策定を省内で進めてまいりたいと思っております。
今後については、参考資料の1にスケジュールがございますが、改めて政府全体の適応計画の検討状況も踏まえて農水省の適応計画の検討状況について、また年が少し改まってからでございますけれども、ご報告をしてまたご意見をいただきたいと思っております。
それでは、本日はありがとうございました。
これにて閉会いたします。

○武内座長
どうもありがとうございました。
散会とさせていただきます。

 

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