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農林水産省

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議事録(第20回)

1.日時及び場所

平成27年7月3日(金曜日)15時00分~16時45分
農林水産省 第2特別会議室

2.議事

(1) 農林水産省気候変動適応計画について

(2) 約束草案について(報告)

(3) その他

3.概要

○環境政策課長
それでは定刻となりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会企画部会地球環境小委員会、林政審議会施策部会地球環境小委員会、水産政策審議会企画部会地球環境小委員会の第20回の合同会議を開催いたします。
本日、司会を務めます環境政策課長の木内でございます。
よろしくお願いします。
先日は、食料・農業・農村政策審議会の井村委員、牛窪委員、河合委員、寺島委員、山家委員、それから林政審議会の永田委員、塚本委員、土屋委員につきましては、所用によりご欠席となっております。
さて、会議につきまして公開とさせていただいております。
ただし、カメラ撮りにつきましては、冒頭挨拶までとさせていただきます。
また、議事録については会議終了後に整理しまして、委員の皆様にご確認いただいた後に公開させていただきますので、よろしくお願いします。
それでは、開催に当たりまして大野研究総務官からご挨拶を申し上げます。
よろしくお願いします。

○技術会議事務局研究総務官
皆様、こんにちは。
ただいまご紹介いただきました農林水産技術会議事務局研究総務官の大野でございます。
食農審・林政審・水政審地球環境小委員会合同会議の開催に当たりまして、一言ご挨拶申し上げます。
まず、本日は委員の皆様方におかれましては、非常にお忙しいところ、また今日は非常に足元お悪い中、本合同会議にご出席賜り、誠にありがとうございます。
また、皆様方におかれましては、平素より私ども農林水産行政の推進に当たりまして様々な方面でご支援、ご協力賜っておりますことをこの場をおかりして厚く御礼申し上げたいと思います。
さて、この合同会議でございますが、前回は2月9日に開催させていただきました。
その時に頂戴しましたご意見を踏まえまして、この3月末に今後10年先を見通した農業の基本的方向、農業政策の基本的方向を示します新たな食料・農業・農村基本計画、この中で農業分野の気候変動対策に積極的に貢献するために、地球温暖化に対する緩和・適応策推進していくと、こういうふうに盛り込まれているところでございます。
委員の皆様方には既にご案内のとおり、農林水産省におきましては昨年の4月でございますが、農林水産大臣政務官を本部長として気候変動適応計画推進本部と、こういうものを立ち上げて、この1年強の間、適応計画の中身について検討を重ねて参りました。
本日お示しさせていただきますが、適応計画の骨子というものを取りまとめさせていただきま したので、是非とも委員の先生方からご意見を頂戴いたしまして、これから作成いたします適応計画の本文に反映させていただきたいと、こういうふうに考えております。
その上で、この夏、もう7月になりましたけれども、この夏策定が予定されております政府全体の適応計画に農林水産省の気候変動適応計画というものをしっかりと位置付けていきたいと、こういうふうに考えているところでございます。
また、今年の12月にフランスで開催が予定されておりますCOP21、これの対応として温室効果ガス排出削減について約束草案の政府原案というものを策定されております。
本日、その概要を併せてご報告させていただきたいと思います。
ご案内のように、今週7月1日から「ゆう活」というのが導入されておりまして、今日会議、お尻が4時45分で切られております。
非常に時間の制約はございますが、是非とも委員の皆様方から活発にご意見、ご助言賜りますことをお願いいたしまして、簡単ではございますけれども、開会のご挨拶とさせていただきます。
本日は、よろしくお願い申し上げます。

○環境政策課長
それでは、本日の議事に入る前に配布資料の確認をいたします。
2枚目の配布資料一覧にありますように資料が1から5まで、それから参考資料が1から3までとなっております。
資料に不足がございましたら事務局へお申し付け下さい。
それでは、以降の議事進行につきましては武内座長からお願いいたします。
それでは、よろしくお願いします。

○武内座長
それでは、今日もまた適応計画の議論を中心にご審議いただきますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
先ほど「ゆう活」という話がありましたので、そのもとの言葉を今調べてみましたら、「夕方を楽しく生かす働き方」なんだそうです。
ですから、この会議が終わったら、皆さん是非その楽しい時間を過ごせるように、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
それでは、議事次第に従って議事進行して参りたいと思います。
まず議事1でございますが、「農林水産省気候変動適応計画について」を事務局からご説明いただきまして、その後、委員の皆様方からご意見、ご質問等を承りたいと思います。
なお、本日説明いただく骨子に今後肉付けをして適応計画を仕上げて参りますので、皆様方からは特に最終案の作成に向けたご意見を賜れればと思います。
それでは、事務局の方から説明をお願いいたします。

○地球環境対策室長
それでは、資料に基づきましてご説明いたします。
まず、最初に資料1を御覧いただきたいと思います。
A3横のカラーのものでございます。
これは畳んでありますので、お広げいただきたいと思います。
こちら「農林水産分野における気候変動への適応の推進」というものでございます。
まず、ここで農林水産分野における気候変動への適応計画策定の全体構成、こちらをご説明いたします。
まず、左側のところに「背景」がございまして、これまでもこの審議会でも何回かご説明して参ったところでございますけれども、まずこの「背景」のところ、1番目といたしまして、「既に現れている気候変動の影響」ということでいくつか写真を載せさせていただいていますけれども、このような影響が既に現れているということがございます。
それから、その次の2番目のところ、「IPCC第5次評価報告書」というふうにございますけれども、昨年の秋になりますけれども、世界の動きといたしまして地球規模の気候変動の評価ということが報告書としてまとめられまして、その中で今後の気温ですとか海面水位の上昇が増していく可能性が高いこと。
また、気候変動によりまして作物生産等に負の影響を及ぼすことというようなことが報告されたということがございます。
その次でございますけれども、それらを受けまして政府全体の適応計画を策定するという方向で検討が進んでおりまして、今年の3月には環境省によりまして農林水産業を含む7つの分野、56の項目につきまして我が国における気候変動による影響評価が行われたところでございます。
この影響評価、この四角の中に書いてございますけれども、重大性ということで、社会、経済、環境の3つの観点から、また緊急性といたしまして影響性の発現の時期、また確信度として、証拠であります研究成果等の量ですとか質、この3つの観点から総合的に評価が行われたということになります。
この評価でございますけれども、真ん中のところに「影響評価」というふうに書いてありまして、我が国全体の影響評価を行ったわけでございますが、その中で農林水産分野のものの代表的なものをピックアップしたものがこの真ん中の「影響評価」というところにございます。
例えば一番上、水稲のように気候変動の影響について重大性が大きく、また緊急性も高く、また確信度の高いというように評価されているものから、真ん中ちょっと下のところにございますけれども、木材生産のように重大性、緊急性は高いという評価がされていますけれども確信度は低いということで、まだ研究成果の蓄積はこれからというように評価されているものもございます。
これと同じ真ん中の下のところにございますけれども、例えば所得の減少の防止ですとか防災・減災ですとか、そういう適応策の必要性の観点、これらも踏まえまして一番右にございますけれども、我が省におきまして「適応計画」の検討というものを行ってきたということになります。
大きな枠組みといたしまして、一番上の「基本的な考え方」、その下に「取組項目」として「農業」、また「森林・林業」、また「水産業」、それから「分野共通項目」というような形で整理してございます。
続きまして、まとめまして適応計画の骨子のポイントの内容につきまして、次の資料2を用いましてご説明したいと思います。
上の囲みの部分は、背景も含めましてまとめてございます。
このポイントといたしましては、その下「1」から「4」までの4つに整理しているということでございます。
まず、第1のポイントでございますけれども、こちらの方は既に影響が生じていて、社会、経済に特に影響が大きい項目への対応というものが挙げられるかと思います。
こちら先ほどご説明いたしました影響評価の報告における重大性、緊急性、確信度、こちらを踏まえまして重点的な取組を推進するものというような整理がなされております。
この項目といたしまして、代表的なものを拾いますと、まず1番目として水稲のようなものがございます。
この中身としては、今後の品種開発につきましては高温耐性の付与を基本とすること、また高温不稔に対する耐性を併せ持つような育種素材の開発に着手するというようなこと。
また、果樹につきましては、優良着色品種等への転換のための改植ですとか、例えば、りんごのようなものですと、標高の高い場所への果樹園の整備の推進というようなものが挙げられております。
また、その次のところ、病害虫とか雑草の分野でございますと、分布の拡大する病害虫の発生状況等の的確な把握のための病害虫発生予察の推進ですとか、雑草につきましては被害軽減技術の開発の着手というものがございます。
また、自然災害等につきましては、山地災害が発生する危険の高い地域のより的確な把握、また土石流等の発生を想定した治山施設や森林の整備、海岸防災林や海岸保全施設の整備等の推進ということが挙げられます。
次のポイントといたしまして、まだ現在表面化していない影響に対する地域の取組の促進が挙げられます。
これにつきましては、科学的な将来影響評価ですとか、いろいろな技 術などにつきまして生産者等が適応策に取り組む際の判断材料をしっかり提供いたしまして、将来直面すると予測される影響に事前に地域が主体となって取り組むことを促進しようということでございます。
次の3番目のポイントといたしましては、影響評価研究、また技術開発の推進がございます。
特に将来影響について、知見の少ない人工林ですとか海洋生態系のような分野につきまして、予測研究ですとかを進めること、また中長期的な視点を踏まえた品種ですとか育種素材、また生産安定技術の開発などを推進するということでございます。
また、最後4番目のポイントといたしましては、気候変動がもたらす、ある意味ではよい効果といいますか、プラスの効果のような機会を活用するということでございます。
これは温暖化が進んだ場合に亜熱帯ですとか熱帯果樹等の栽培可能地域が拡大するというようなことも踏まえまして、既存の品種からそのような品種への転換等を推進することでございます。
このようなポイントが主なポイントとして挙げられるということでございます。
続きまして、次の資料3、骨子の概要の方を御覧いただきたいと思います。
こちらで、より具体的な内容を整理してございます。
ほぼ骨子の内容に沿った形を整理してございます。
こちらで説明いたしますと、まず一番最初、第一章のところで「総論」という形で整理してございまして、こちらには基本的な考え方がまず最初にございます。
第1項として「基本的な考え方」。
これは、これまでの小委員会でもご説明したところでございますけれども、現状と将来の影響評価を踏まえた計画の策定等基本的な考え方をまず最初に整理しているところでございます。
第2項といたしまして「気候変動予測の概要」といたしまして、計画策定の前提としての温暖化の予測情報。
これは20世紀末と21世紀末の比較でどのように変化するかという前提の情報を整理してございます。
その次、第二章「分野・品目別対策」。
いわばここのところが本体の部分となります。
この表の紙をめくっていただきますと、裏にA3の大きな紙が出て参りまして、こちらに品目別の整理がございます。
こちらの整理といたしましては、まず左側からの大項目として、まず「農業」というような大項目、それから小項目として「水稲」とか「果樹」とか、そういうそれぞれの品目、その次の右側に「将来予測される影響」、それからそれに対応する「適応計画の取組」という形で内容を整理させていただいております。
ここの内容につきまして、特に先ほどの資料2のポイントの方でご説明いたしました水稲とか果樹とか、こちら以外の項目で代表的なものといたしましては、下から2番目のところに、例えば「農業生産基盤」とございますけれども、こちらのところでは「将来予測される影響」といたしまして、降雨強度の増加により農地の湛水被害等のリスクが増加すると、そういう将来予測。
これに対応いたしまして、その右側の「取組」といたしまして、脆弱性が高い地域等を把握し、リスク評価を実施する。
また、ハード・ソフト対策を適切に組み合わせて、防災・減災機能の維持・向上を図るというような形で対応させてございます。
次の裏のページに参りますと、こちら大項目のところが「森林・林業」になります。
「森林・林業」ですと、項目として、例えば「山地災害、治山・林道施設」のようなものがございます。
ここで影響といたしまして、集中的な崩壊ですとか土石流等が頻発することというような予測に対しまして、山地災害が発生する危険が高い地区をより的確に把握するというような取組が考えられております。
また、その次の「木材生産」のところを御覧いただきますと、降水量が少ない地域でスギ人工林の脆弱性が増加する可能性があるということに対しましては、造林木の成育環境への適応性の評価を実施するというようなこと、また気候変動が主要造林樹種の成長に与える影響について継続的なモニタリングを行う、また品種開発に着手するというようなことが挙げられます。
その他、「森林・林業」につきましては、その下、「病害虫」ですとか「特用林産物(きのこ類等)」、そのような項目立てもしてございます。
その次、「水産資源・漁業・漁港等」という大項目につきましては、まず「海面漁業」につきましては、魚介類の成長・生残に大きな影響を及ぼす海洋の生産力、そういうものについて変動を生じる可能性というものに対しまして、水産資源への影響を継続的に調査し、資源変動メカニズム等の把握に向けて引き続き取り組むということ、また環境変化に対応した順応的な漁業生産活動を可能とする施策を検討するというようなことが挙げられます。
また、その次の「海面養殖業」では、ブリやマダイ養殖において高水温化による成長の変化や養殖産地の北上化のようなものが挙げられまして、それに対応して高水温耐性等を有する養殖品種の開発等に取り組むということが挙げられております。
その他、「内水面漁業」ですとか「造成漁場」のような項目立てもしてございます。
また、その他「分野共通項目」としていくつか項目立てをしてございまして、「研究」であったりとか、「地域への展開」というものもございますけれども、その次のページを御覧いただきますと、こちらの方では「農林水産業従事者の熱中症の対策」のようなもの、また「鳥獣害」のようなもの、また「世界食料需給予測」というような分野、農林水産分野横断的な対策についても項目として設定してございます。
骨子の全体の概要は以上でございまして、その次の資料4、こちらが骨子の本体となります。
もっと分厚くなりますけれども、最初に目次がございまして、現在骨子ではございますけれども内容の書き込みは大分入っておりまして、全体で20ページまでございます。
ここで一つ一つ触れる時間はございませんので、どのような形式になっているか、特に本体の「分野・品目別対策」の表記の仕方についてだけ触れさせていただきますと、下にページがございますが、例えば4ページを御覧いただきたいんですが、ここのところ、「農業生産の分野・品目別影響及び取組」というところがございまして、1が「水稲」でございます。
ここ「ア」として、まず「影響」、「イ」として「取組」という形になっておりまして、この「影響」の中がまず「現状」の影響、それから2番目として「将来予測」という形で「影響」を2つに分けて整理してございます。
これらの影響に対して、「イ」の「取組」、どのような取組をやるかということで整理されております。
他の分野・品目もそれぞれ同じ形で整理をしているということになります。
適応計画の骨子は、現在このような形で整理されているということでございます。
資料の説明は、以上でございます。

○武内座長
どうもありがとうございました。
それでは、これから委員の皆さん方のただいまの説明に対するご質問、ご意見を承りたいと思います。
ご意見、ご質問のある委員の方におかれましては札を立てていただけますれば、私の方から指名させていただきますので、よろしくお願いいたします。
藤井委員。

○藤井委員
ご説明ありがとうございました。
各分野で本当にいろいろな気候変動に伴い多くのことが起きているということを把握しながらも、この書きぶりの中に人の問題があまり見えてこないなと。
気候変動に伴って品種改良で対応できるものはいいですが、そうでなくて場所が移動するというようなことの中で、ただでさえ農業分野、担い手の問題は大変大きな問題ですから、そういうことの中 で熟練度を上げていく、それから技術を習得していくことを含めて、担い手を同時に育成していかないと理論的に分析しても大変難しいなという思いを持って伺いました。
それから、資料3の「鳥獣害」、これも人にかかわるところですが、この見開きの一番大きい「鳥獣害」について触れているところで、これで解決できるかなと。
大変難しいと思いながら、ここの「適応計画の取組(例)」のところの「侵入防止柵の設置、捕獲活動の強化、捕獲技術の高度化等に引き続き取り組むとともに、野生鳥獣による農林水産業への被害のモニタリングを継続」と。
これはずっとやってきていることがそのまま書かれているようで、例えば、滋賀県の各地域でも漁師さんがどんどん減ってしまっていて、頭数はどんどん増えていくと。
そんな中で市民の中にも漁師の資格を取るとかということをしながら食べるということをかなり明確に打ち出して、農家レストランだけではなくて学校給食とか、いろいろ。
そこの中で、ただ捕獲して、捕獲活動の先のところの絵づくりも一緒にしながら、そして先ほど申し上げた人を育てるということもやっていかないと、ここのところの「鳥獣害」を見てさえも、かなり大変だなと思いながら拝見しておりました。
以上です。

○武内座長
ありがとうございました。
事務局からの回答は一括でお願いします。
次に、小倉委員、お願いします。

○小倉委員
3点ほどお伺いしたいことと意見を述べさせていただきます。
1つ目は、国内農業が私たち消費者の生活を支えるための重要な産業であるということで、しっかりと進めていただきたいと思います。
また、気候変動の農林水産業への影響について、消費者にも分かりやすく伝えていただきたいということをお願いしたいと思います。
2つ目は質問なんですけれども、水稲に関しては最重要課題として今回報告されましたけれども、高温耐性の付与を基本とするということですが、昨日、食品安全のリスク管理検討会の場でもカドミウムに対して低減させて稲を普及させていきたいというお話もありました。
この高温耐性の稲というのがそういったものと両立するのか置き換えていくのか、または地域によって選んでいくのかというようなところが分かれば教えていただきたいと思います。
それと、あとカビ毒についても、同様に気候変動が大きな影響を及ぼすということを学んできたんですけれども、アフラトキシンは特に重要ということで書いてありますけれども、デオキシニバレノールとかパツリンとか、そういったものに対しても低減対策を講じ ていただきたいと思います。
3番目は、水産に関することなんですけれども、二酸化炭素が増加することで海洋が酸性化するということも伺っております。
水産業についても影響があるのではないか。
今回の計画には、その点が触れられていないようですが、影響について調査・研究を進めていっていただきたいと思います。
以上です。

○武内座長
ありがとうございます。
それでは、次に横山委員、お願いします。

○横山委員
横山です。
林野庁の森林について意見を述べさせていただきたいのですが、林野庁の森林と林業のところは、林業と森林環境の両方を考慮するところですので、資料3は要点だけ書かれているので、文章にする際に注意していただきたいところをいくつか申し上げます。
一つ目は、災害防止として治山事業というところで書かれていますが、生物多様性の維持や修復ということに今、林野庁も取り組まれていますので、それらとの両立をどうやって図っていくのかということについての具体的な留意点を述べたり、あるいは留意できる仕組みをうまく整えていただくことができないかと。
いくつかありますが、特に渓流環境のような、冷たい水が流れていることが前提で自然環境ができているところの水温上昇が起こり得る可能性が一番高いと思うんですが、例えば五、六十年前の日本に大変な台風が来た時代に施業が大規模に行われていたところで随分治山ダムがたくさん入りましたけれども、その治山ダムが今老朽化をしているところが時間的に出てきています。
こういう場所のダムの中央部を取り除いて、渓流環境の流路を分断している状態をなくし、低水温を必要とする野生動物が上流域に移動できるような上下流の行き来の回復事業を組むとか、あるいは人工林の拡大で失わせてきた渓畔林という渓流沿いにだけ存在している森林がありますが、これをもとどおり渓流に沿って発達させることによって渓流に日が当たらなくなるという効果で水温上昇を防ぐという、そういう水温上昇を防いでいく環境に森林や施業を活用して戻していくことと、災害を防止することの両立。
そこに力点を置いた記述の仕方を工夫していただきたいと思います。
以上です。

○武内座長
ありがとうございました。
それでは、亀山委員、お願いします。

○亀山委員
ありがとうございます。
ご説明ありがとうございました。
非常に網羅的、包括的にまとめられているというふうに拝見いたしました。
私はコメントがあるのは、第4項「分野共通項目」というところで、あと2つ項目を増やしていただきたいという意見であります。
1点目は、恐らくこの適応計画ができ上がりますと、農林水産業に従事される方がこれを読まれて、それぞれが適応策をとっていくということになろうかと思いますけれども、適応策をとったとしても、突発的な異常気象で例えば集中豪雨ですとか竜巻とか、そういったものでせっかくの生産物がだめになってしまうリスクというのは免れないわけです。
それで、国際的にも今アダプテーションという適応策の次にロス&ダメージという新たな議題が立っております。
こちらは、適応しても、さらに何か被害をこうむってしまった時に、それを補填するような─それがお金なのか技術なのか、いかなる支援なのか分かりませんが、そういったことを検討していこうというような議題でございます。
それで、こちらにつきましてもロス&ダメージに近いような考え方を取り入れる必要があるかと思いまして、例えば、この産業に従事されている方の間で積立金などを作って、そこに政府からも支援していただき、適応したにもかかわらず被害を受けてしまったというような時に十分な支援をして差し上げられるような、そういった制度作り。
その制度作りというものを1本、項目として立てていただきたいというふうに思います。
あと2点目は、先ほどの小倉委員がおっしゃったことと非常に近かったんですけれども、農林水産業って私たちの普段の食料につながってくるものでして、この適応計画がこの産業の中だけで閉じるものであってはならないと思うんです。
それで、消費者に対する情報共有ですとか、あるいは小学校などでの食育の中に取り込んでいただいて、「最近、キャベツの値段が高いわね」という時に、高いだけで終わるのではなくて、なぜ高くなってしまったのか、そういったところまで一般の皆さんが考えてくださるような情報の普及という観点を新たに入れていただきたいというふうに思います。
以上でございます。

○武内座長
ありがとうございました。
橋本委員、お願いします。

○橋本委員
2点ほどありまして、1点は、先ほど藤井委員の方からも指摘ありました人の問題でありますけれども、この適応計画というか、適応していくために、例えば病害虫 の発生予察だとか、そういったものを実際農村というか、現場でやろうとした時に、一体それを誰がやるのかという。
農協がやるのか、農家自身がやるのか。
かつては普及員の方も随分やられていたのかもしれないんですが、今普及員は前の半分しかおりませんし、そういった中で普及所でもほとんど自分のプロジェクトに精いっぱいで、農家一軒一軒回るという普及は、もう今の時代、誰もいないという形の中で、試験場と農家をつないでいくとか、そういった部分の方法をしっかりしていかなきゃならないんではないかなと思っています。
私のところなんかは、光通信に適応したサービスなんかの電話がかかってくるんですけれども、もともと光が引かれていないので、逆にこっちからお願いしますよという感じになるぐらいで、人口カバー率では結構インターネットも使えるのかもしれないんですが、私どものところはかなりイライラしながらパソコンを操っているような、実際そういう環境にあるので、そこを何とかしていかないといけないんではないかなと。
それから2点目は、農家自身も二酸化炭素の吸収源としてもっとやれることはあるんではないかということで、例えば今年なんかの場合ですと、すごく風が強くて畑の土を飛ばされて、もう前が見えなくなっているような状況があります。
これは防風林をどんどん切って規模拡大してきたという歴史の中で、だんだんこういうことになったんだと思うんですが、もう切ってもいい樹齢になったカラマツとかかなりありまして、そのままになっているんですが、これを切って新しくしていくとか、そういうことをどんどんやっていって、林業の補完みたいな形で農家も自分自身のためにやっていく必要があるのではないのかな、こんなふうに思っています。
以上です。

○武内座長
ありがとうございました。
では、次に根本委員、お願いいたします。

○根本委員
ありがとうございます。
非常に微細にわたり対策をお述べいただきまして、それぞれできたらいいなと思うのですが、1点加えていただきたい視点があります。
もともと、気候変動そのものがグローバルに起こっている話であり、対策そのもの、あるいは適応そのものもグローバルに行わなければ意味がございませんので、日本列島の中に閉じないでいただきたいということでございます。
加えて、いくつか「機会の活用」等々の表現で出てございますけれども、気候変動が起 こりますと、裏表の関係の事象がそれぞれ出て参ります。
従いまして、前向きなところはきちんと前向きに書くというところをもうちょっとご留意いただけるとありがたいかなと思っております。
以上です。

○武内座長
ありがとうございました。
それでは、山川委員、お願いいたします。

○山川委員
水産業についてなんですけれども、水産業は野生生物資源の生産性に立脚した産業ということで、生態系がどのように変化していくかということを継続的にモニタリングして、それに対して順応的に対応策を考えていく必要があるというようなことを前回から主張させていただいていまして、その辺りかなり取り入れていただいておりましてお礼を申し上げさせていただきます。
それに関しまして、実際の適応策のところの取組のところでは、「水産資源への影響を継続的に調査する」ですとか、それから「順応的な漁業生産活動を可能とする施策を検討する」とか、そういった文言を書いていただいているんですけれども、資料1の全体の取りまとめのところに、あまりその辺りが反映されていなくて、例えば水産業の適応計画のところで「海面漁業」「養殖業」のところを見ると、「漁場の形成状況や有害赤潮プランクトン等の発生に関する情報提供の高度化」ということで、ちょっと個別の部分的なことが取り上げられているような印象を持ちますので、もうちょっと全体的なトーンと併せていただいたらいいんじゃないかなというふうに思いました。
それとあと影響評価のところで、「回遊性魚介類については影響調査が行われて、例えば、シロザケ、サンマ、スルメイカ等で分布域の変化等が見られている」というような、そういう記述がありますけれども、回遊性魚介類以外にも調査は進んでいると思います。
例えば、水産総合研究センターの方で影響評価に関する報告書等出しておられますけれども、その中でも回遊性魚介類以外にもいろいろな魚介類について影響が出ているんだとか、それから将来、今後水温が上がっていくとすると、その分布域がどういうふうに変化するかとか、そういうシミュレーションなんかもしておられると思いますので、もうちょっと総合的に全体像が理解できるような書き方をしていただけるといいんじゃないかなというふうに思いました。

○武内座長
ありがとうございました。
次に、八木委員、お願いします。

○八木委員
ありがとうございます。
骨子を拝見しまして、全体的には中環審の小委員会で議論された評価につきまして、農林水産分野は極めて幅が広いのでありますが、それを的確におまとめいただいたものであると考えています。
ただ1つ、一番最後の20ページ、「計画の進捗管理と見直し」、これについてご質問と意見を述べたいと思います。
質問としては、進捗管理の特に見直しについてどの程度の時間スケールでの見直しをお考えされているのかということを確認したいと思います。
20ページの記述、一番最後のパラグラフですけれども、「IPCCにより最新の科学的知見等が得られる機会を契機として」と書かれておりますが、これは今IPCCの評価報告書は7年に1度ぐらいの発行スパンですので、これでは少し時間が長いようにも思いますので、ご検討いただきたいと思います。
特に中環審の小委員会での評価に参画した者として、この評価の重大性、緊急性、確信度と3つの視点から評価しておりますが、その中の「確信度」、これが少し誤解を招きやすい表現なので一言申し上げておきますと、この確信度が高い評価、農林水産分野では「水稲」「果樹」ですとか「病害虫・雑草」その他、確信度高と評価されているものがありますが、この評価の基準は、この問題に対して示されている科学的な論文が、数ある論文がその評価が、予測がほぼ一致しているということで確信度が高いと評価しています。
つまり、現在ある情報から研究をしておりますので、全部が間違った評価、予測をしている可能性も否定できないわけであります。
あるいは最新の新しい知見が出る。
特に大きな問題となりそうなのは極端現象です。
極端な高温ですとか巨大台風ですとか、そういったものが今後どのような頻度で発生するのか予測は非常に困難です。
現在のシナリオで予測しておりますので、この確信度について高いとされていても本当に高いかはまだまだ研究の余地はあるということで、「分野共通項目」の中で、最初の「予測研究、技術開発」のところで「さらに研究を強化する」、あるいは「地域への情報提供に努める」ということを書いていただいたことは非常にありがたいことです。
いいことだと思いますが、この最後の見直しについて、そのタイミングを是非ご検討いただきたい。
あと加えて言えば、この中で我が国でこれからまた試験研究、予測ですとか、適応技術の試験研究がこれからさらに進められていくと思いますが、その成果も活用してと、そう いったことを是非ここに記述を追加していただきたいと思います。
以上です。

○武内座長
ありがとうございました。
それでは、椛島委員、お願いします。

○椛島委員
ありがとうございます。
全体的に資料3を拝見させていただいて、本当に広範囲な中でよくまとめていただいているというか、分かりやすいという印象を持ちました。
私の方から質問と少し意見になるかもしれませんが、2点申し上げさせていただきたいと思います。
まず1点目が資料3の方になりまして、第一章第1項の「基本的な考え方」の4ポツ目、「気候変動がもたらす機会の活用」というところで、ポジティブなインパクトのお話かと思うんですけれども、当然人が移動する。
で、同じものを作るのか。
もしくは物を代えるというのも1つの適応策にはなり得るかとは思うんですけれども、恐らくここの整理がまだついていないということなのかもしれないんですが、資料4の方の影響評価、影響の話を見ていると、やはりネガティブなインパクトのお話と取組になっているので、今度こういった対策を整理していって、こちらについても強化するというお考えなのか。
そうはいっても、ネガティブなインパクトを優先されるということで資料4の方はネガティブなものが中心になっているのか、その辺りのお考えを何か具体的に教えていただければと思います。
あともう一点が資料4の方の一番最後のページ、20ページですけれども、5の「世界食料需給予測」のところです。
これは書き方だけのお話なのかもしれませんが、書きぶりとして時期的なところで、2の「取組」のところで「世界の超長期的な食料予測を実施する」、さらにその下、ずっと中長期的な話になっていますので、この「超長期」と「中長期」がどう違うのか。
もしかしたら、ここは超長期的に継続的に見ていくということに対して中長期的に構築をしていくという意図なのかもしれないのかなと思って読んでいたんです。
これ全体が、あと5の「食料需給予測」に関しては、当然経済的なインパクトだとか東京五輪だとか、そういったものの影響もあって、もしくは各国の経済的な成長にも当然影響されるかと思うんですけれども、その辺りをトータルで見ていくとなると、どうしても気候の適応策だけなのかという話になるので、もしかしたら、意図としてはそういったと ころもあるんだけれども、より気候変動による要因をさらに強化して見ていくというふうに聞いた方が分かりやすいのかなと。
何だ、価格の予想までするのかって、ちょっと何か違うんじゃないかというふうに読めてしまうので、恐らく従来からやられているような予測に対して、さらに気候変動による要因を加味して強化して分析をされていくというところが本来の趣旨ではないのかなと思って読んでいたものですから、その辺り今の場面の取組も含めて趣旨をお聞かせいただければ助かります。
以上です。

○武内座長
ありがとうございました。
次に、三石委員、お願いします。

○三石委員
かなり広いところ、広い分野を網羅的にしっかり出していただいて、私自身としては読ませていただいた後、書き振りも個別の細かいところはともかくとして、全体としては非常によくまとめていただいたのではないかなということを申し上げておきます。
それから、何人かの委員の方が指摘されていましたが、これを普及する時に少し分かりやすいパンフレットというか、何かが必要なのではないかなと思います。
どこまで事例を出すかというのは別にして、例えば「水稲」の場合でしたら、「将来予測」の中で、「現在より3℃を超える高温では北日本を除き減収すること」だとか、先ほどの資料1では、「一等米の比率が九州地方は今世紀末に40%減少」などが出ています。
こうした形で個別項目における最悪の事態が全部同時に起こった時に日本の農業はどのような姿を想定できるのか、あるいは逆に、これがすべてうまく対応できた時にはどんな形なのかということです。
恐らく現実は、その中で全てがうまくいったケースと、なかなかうまくいかないケースが出てくるので、3つか4つぐらいの一種のシナリオのようなものを作って説得力ある形を出されたら良いのではないかなという気がいたします。
そうすると、例えば特定の品目について、このまま行ったら、最悪の場合、こういうふうになりますよと言え、それに対しては、やはりこういう対応をしていきますということが、消費者の方とか一般の方でもより分かりやすくなるのではないかなという形になるかと思います。
従いまして、代表的な項目だけでも良いと思いますし、時間的な制限があるので、8月までにどのくらいできるか分かりませんが、いくつか分かりやすい事例を、これはサイエンティフィックな予測ではなくて、あくまでも政策面の方で、こういう状況が継続した場合にはどういうケースになる可能性がありますというようなことを出した方が真剣な議論につながるのではないかなという気がいたします。
以上です。

○武内座長
ありがとうございました。
次に、増本委員お願いします。

○増本委員
私の方も資料3に関してですが、大変よく纏めてあり、個々のものもそれぞれの委員が既に目を通したということもあって分かり易くなっています。
また、今日説明いただいたところに農業生産基盤の適応計画の取り組みについての例もありました。
農作物だけで見ますと確かに影響自身は現在目に見える形で明らかになっていますが、農業生産基盤に関しては影響の評価は作物に比べて幾らか難しい気はします。
一方で、将来の適応計画や適応策を考えようとすると、農村生産基盤分野の重要性が増すのではないかとの思いで説明をお聞きしました。
さて、意見としては資料3の中の「分野共通項目」のところです。
さらに1点強調して欲しいのが「分野横断的な対応」です。
ここで「分野横断的」と言いますと、「分野共通項目」と用語の使い方が似ているため、あえて「項目横断的対応」との説明でもいいかもしれません。
そういった項目を追加で入れていただきたいと思います。
これは、農業生産基盤分野だけでなく、大項目や小項目のすべての分野に共通するものです。
空間を広く見ますと、適応策を考えるにはどうしても流域というものを考えないといけなくなります。
流域ですと上流に森林があって下流に農地があるような土地利用が多く、「分野」とか「小項目」で検討していくと、どうしても共通性がない場面でそれぞれが何かしらの適応策を考えようとすることになります。
農地に限ってみても、中山間地と低平地でそれぞれの検討が行われ、流域としての横断的な視点が抜けてしまいます。
そこで、ここで適応計画を考える上で流域の単位を考えると、農水省内のそれぞれの部署が協力する必要がでてきます。
さらに、森林分野と農業生産基盤分野も協力しないといけなくなります。
あるいは、農水省だけではなくて他の省庁とも関係あって、農水省だけでは完結するわけではなく、都市も流域内に存在するわけですから、それらの部署や分野の協力も必要になります。
このあたりの視点を適応策では少し出す必要があるのではないかと思います。
さらに、時間的な広がりを見ると、極端現象が重要という意見は八木委員からも出ましたけれども、私も同意いたします。
ただし、今回の資料の中で多く出てくる用語としては、まさに今の現象として目に見えている豪雨とか雨が極端に多いことが強調されて使われています。
しかし、極端現象を考えますと、同じ場所にて、流域と考えてよろしいかと思い ますが、多くの雨が降ることもあれば、ある年には渇水の年も発生してきます。
同じ対象地域でも、極端現象として両方の現象があるという点を書き込むか、あるいは意識しておく必要があると思います。
そういたしますと、この点についても項目横断的対応が必要となり、将来的には同じ所で時期は違いますが両方の極端な現象が起きる訳ですから、一方は豪雨で防災対策となりそこで完結しますが、渇水ですと水資源分野での対策で、まさに農業分野は同じでも部署が違うところで協力しないといけなくなり、これもまた項目横断的対応が必要だということになります。
以上です。

○武内座長
ありがとうございました。
それでは、馬塲委員お願いします。

○馬塲委員
まず水産業について。
この資料では自然科学的な調査であるとか情報収集等については網羅されていると思いますけれども、1点、生産現場の技術的な部分について、もう少し具体的に想定した上で計画を立てられたらどうかと思いました。
1つは、いわゆる自然の資源を漁獲する。
漁船でとにかくその資源を追いかけていけるようなものについては、もちろん問題がないわけではありませんけれども、まだしもですけれども、養殖の場合は、恐らく水温が上がったからといって、生産者が漁場を移動できるわけではありませんので、1つは、今ある漁場で高温耐性のあるもの。
もう一つは、同じ魚種を─これは全く専門じゃありませんから思いつきですけれども、例えば沈下式にして、少し水温の低い、そこ近くで養殖するとか、具体的に生産現場を想定して計画を立てた上で試験研究機関にそれぞれの研究をお願いするということが必要ではないかと思います。
実際、恐らく海苔のような場合は、育種である程度高温耐性の改良ができると思いますけれども、魚類の場合はそう簡単ではないと思いますから、いわば熱帯・亜熱帯域で養殖している品種を日本に持ち込んで養殖するという。
その場合は、日本にあった養殖技術なり飼育方法の試験開発が必要だと思います。
これが水産に関する部分で、もう一点、共通項目で、これはもしかするとこの委員会の範疇外かもしれませんけれども、集中豪雨であるとか大型台風の発生頻度、異常事象の発生頻度は世界的に上がっていて、世界の保健機関でも今保険料率の見直しが必要だという ことが最近言われていて、農水にはNOSAI、ぎょさいといった共済制度、保険制度があって、これも将来的には今のままの料率ではいけないでしょうし、いずれにしても生産が不安定になって経営が不安定になってくる。
その形態をどういうふうにバックアップしていくかというような保険も含めた施策の研究を今のうちから関連する研究機関等に、これはかなり長い話だと思いますけれども、お願いしておく必要があるんではないかというように思います。
以上です。

○武内座長
ありがとうございました。
渡邊委員、お願いします。

○渡邊委員
水産に関する部分で1つ意見ですけれども、先ほど極端現象、農業関係で結構関心が高いというふうに聞いておりますが、水産の分野でも極端現象というのは大きな影響を与え得るものというふうに考えております。
例えば、1998年でしたか、非常に暑い夏がございまして、その際に沖縄のサンゴが白化するということがあって、そういう極端な現象が起こると、それが以降何年も影響を残してしまうと。
また、近年ですと、これは養殖ですけれども、2010年の暑い夏の時には、青森県ですか、ホタテの養殖に非常に大きな被害が出るという形で極端な現象というのが海洋生態系、特に沿岸ですけれども、沿岸の生態系を非常に大きく変えてしまう。
また、養殖業に大きな影響を与えてしまうということで、水産分野の中でもそういう極端現象、高温ということの現象ということでございますが、そういったものがあるということを述べておきたいと思います。
それから、水産の分野の中で、この養殖に関してですけれども、あと共通項目の中にもあるんですが、国際的な対応が共通項目の中でございますけれども、養殖に関しては国際的な気候変動の影響というのが間接的に現れてくるような部分もございます。
大きいのは、例えばエルニーニョが起こりますと、ペルー沖でアンチョビというカタクチイワシがとれなくなると。
これは有名な話ですけれども、そうすると、魚粉の生産が下がると。
それがダイレクトに日本の養殖業のエサの減少につながってしまうということで、そういう世界的な規模での気候の変動というのが日本の養殖業に影響も出てくるということで、そういう意味では今回内容的には国際的な関係の中での話というのはあまり表に出てくるものというのはなかなかないですけれども、そういった国際的な環境の中で日本の 水産業なり農業なりが行われているという部分に関係する気候変動の影響という、そういった観点も必要ではないかというふうに思います。
それからもう一点ですけれども、共通分野の中で「温暖化予測研究、技術開発」の部分で、「精度の高い予測研究を必要」ということで書かれておりますけれども、この点は是非推進していただきたいと。
特に海の場合です。
海の生態系を相手にしている研究なんかですと、観測でどうなっているかというのを把握するのはなかなか難しい部分がございます。
ですので、観測とモデル研究というのを組み合わせて生態系がどういうふうに気候の変動に応答するかということを調べていくというのが今行われていることですけれども、そこら辺を是非─まあ、他にスーパーコンピュータが日本にも何台かあって、高速のものがあって、そういったところでも気候変動に関する研究というのは盛んにやられていると思いますけれども、それがこういう生態系にどういう影響を与えているかという部分についても、是非農林水産省の方で力を入れていっていただければというふうに思っています。
以上です。

○武内座長
どうもありがとうございました。
他にございますか。
もしないようでしたら、事務局の方から今までいただいたご意見、ご質問に関しましてコメントをお願いしたいと思います。

○技術会議事務局研究開発官
技術会議で気候変動関係の研究開発の担当をしております研究開発官の波積でございます。
様々な観点からご意見を賜りまして、ありがとうございます。
私ども、こちらの骨子に基づきまして必要な基礎的な研究をしっかりとやっていくということを基本にしておりますけれども、実はもう既に先行的に始めている研究がいくつかございます。
この場では、そのご紹介もさせていただこうかと思います。
まず大事なことは、最後、渡邊委員をはじめとして様々な委員からお話がございました影響評価、予測の問題でございます。
こちらでございますけれども、現在多くの分野で予測、影響評価に係る委託研究プロジェクトを行っておりまして、現時点での影響評価は10 キロメッシュで行っておりますけれども、それを平成29年段階では1キロメッシュで、つまり実際の現場でも使えるようなレベルまでダウンスケールして影響評価を出すということを考えているところでございます。
その際、途中、小倉委員などの委員からも、実際農家の方だけではなくて消費者にもちゃんと分かりやすく情報提供すべきというようなご指摘がございましたが、私どもそれは大変重要な視点だと思っております。
研究の生データをそのまま出しても分かりにくいですので、そこはしっかりと理解できるような形で─理解というか、分かっていただけるような形で情報を出していきたいということで、現在委託研究を受けておりますコンソーシアムとも、どうすれば農家だけでなく国民の皆様方にも納得いくような形の情報を出せるのかということの検討を始めたところでございます。
もう少し時間がかかるかもしれませんけれども、この点についてもしっかりと対応していきたいと考えているところでございます。
この影響評価でございますけれども、現在も全てのものについて影響評価は行っているわけではございませんので、今回の骨子も踏まえまして、例えば椛島先生からご指摘があったようなプラスというか、機会をもたらすような、そういった部分の影響評価も必要かと考えております。
こちらも今回の骨子でもご案内の通り、まず気候変動と申しますと、まず実際農業ではデメリットはかなり出ておりますので、そちらへの対応が中心になりますけれども、実際には温度が上がることが場所によっては、あるいは作物によってはいいということは当然考えられます。
この点も事前に科学的な影響評価をしっかりやる必要があるのかなと、例えば、平均で2度上がりましても冬がなくなるわけではございませんので、そこら辺も踏まえて実際にどのような影響があって、何ができるのかということをしっかりと影響評価を行った上で対応を考えて参りたいと考えているところでございます。
また、今年から気候変動に対応した、新しい育種素材や品種の開発、生産安定技術に係る研究開発を行う委託プロジェクト研究を始めたところでございます。
こちらも小倉委員から最初にご指摘があった話かと思いますけれども、食品の安全性のリスクの問題とか、高温耐性の稲への対応をどうするかというのは、実際に重要な問題かと思います。
高温体制の稲につきましては現在も「にこまる」などの品種を作って普及しているところでございますけれども、今後は高温耐性の稲を通常の育種だけではなくてゲノム育種のような技術も使って、安全性も当然考慮しながら育成をして現場に普及できるように対応して参りたいと考えております。
このほか、高温耐性の稲につきましては、現在は白未熟粒などが問題となっておりますけれども、さらに温度が上がりますと不稔性、つまり、もう実がならないという事態が発生することも懸念されておりますので、これも念頭に置いた研究開発をこれから進めるこ とにしているところでございます。
全てにお答えしていないかもしれませんけれども、委員の先生方からのご指摘について、私が今考えましたのは、以上のようなことでございます。
よろしくお願いいたします。

○林野庁森林利用課長
林野庁の森林利用課の赤堀でございます。
いろいろコメントをいただきまして、ありがとうございました。
林業だけではありませんが、私の方から答えられるところを述べさせていただきます。
まず藤井委員から人の問題、鳥獣害についてご指摘いただきました。
特に鹿が増えておりまして、鹿柵をいろいろなところに張りめぐらせて、何とか森を保護しているわけですが、まさに問題でございます。
これについては様々な対応をしておりますし、林野庁の中でも鹿害対策についてのプロジェクトチームを作り対応しようとしているところです。
例えば、技術的なことについても革新がないわけではありません。
例えばシャープシューティングと言いまして、まず餌付けをして、それから一網打尽にするといった方法もあります。
これはテクニックが要るのですが、例えばそういったことを開発し、学んで使っていただくというようなことも行っております。
人の問題につきましても、例えば緑の雇用といったことで林業に従事される方の底上げをしていくということ、それから総務省の事業になりますが、地域おこし協力隊ということで、若い方に地方で仕事をしていただく事業もあります。
こういったところとタイアップして、農林水産業に携わる者を増やしていくということもやっておりますので、努力したいと思います。
横山委員からもご指摘いただきまして、ありがとうございました。
治山ダム、河畔林、などについてでしたが、これからも是非環境に配慮して山の管理をしていきたいと思っておりますが。
まず1つには、実際にどのように、例えば水温が変わっていくかというようなことには、かなり地道な調査が要るのではないかと思っております。
実は世界遺産の対象地で温暖化の影響について調べることになっておりますので調べております。
しかし、白神で急に気温が上がるといった状況にはありません。
特に森林では農業と比べ長い間調査しないといけないので、これをきちんとやっていきたいと思っております。
それから、今のご指導は、治山などの関係になるかと思いますので、担当に伝えてご相談を申し上げたいと思っております。
それから、亀山委員のロスダメの話なんですが、今申し上げました治山は、まさにロス ダメ的なところがあります。
これからどのぐらい頻度が増えるか、あるいは重篤度が高くなるかということでありますので、ある意味でビルトインなところもありますが、今おっしゃったような視点からも検討すべきだということについては、これも担当と相談したいと思っております。
ありがとうございます。
それから、三石委員から事例の比較について、最悪の事例と、一番たくさん対応した時の差ということですが、不確実性がまだ非常に高く、逆に誇張したのではないかということになってしまいますと、それは何のためかと言われてしまいます。
また、実情として予算もなかなか難しいところもありますので、適切な範囲でそういったことをお示ししていくということになるのではないかと思っております。
それから、最後に、ちょっと繰り返しになりますが、予測についてアンチョビの事例がありました。
先ほど申し上げましたが、精度の高いデータが必要なわけであります。
林野庁の取組として、京都議定書の第一約束期間の遵守のためにインベントリ事業を2000年からやっておりました。
非常に時間がかかりまして、やはり基礎データを作るのは大変でした。
なるべく早くデータをそろえるということが必要でありますし、時間もかかりますので、私どももそれを肝に銘じてこれからも対応していきたいと思っております。
どうもありがとうございます。

○水産庁増殖推進部参事官
水産庁の参事官の板倉でございます。
水産に関連したご質問のうち、まず小倉委員から酸性化についてのご質問をいただきました。
これにつきましては、お手元の資料4の16ページ、2ポツの「海面養殖業」というところがございますけれども、そのイの「将来予測」のところに、予測として酸性化のことを記述させていただいております。
「取組」のところには酸性化の取組については書かれておりませんが、基本的に水産の取組につきましては、あるいは将来予測もそうなんですけれども、非常に複雑な生態系の構成員が関わっているという問題がございまして、具体的な取組を書けるところがなかなかございません。
お手元の資料に戻っていただいて、資料2の方の骨子のポイントを御覧いただきたいと思いますが、それの3ポツの「影響評価研究、技術開発の推進」というところに、「将来影響について知見の少ない人工林や海洋生態系の」という記述がございますけれども、水産の部分、すなわち海洋生態系分野につきましては、知見の少ない海洋生態系における温暖化による影響予測研究や中長期的視点を踏まえて─先ほど育種に関連するご質問もございましたけれども、この部分に入ってくる課題がかなり多いというふうに考えております。
ですから、酸性化にいたしましても、基本的には酸性化は大気中の二酸化炭素の濃度が高まれば海洋に溶け込む二酸化炭素も多くなるわけですから、影響というのは非常に大きいというふうに考えられておりますけれども、そのような物理学的な過程だけではなくて、生物学的な過程ですとか、あとは化学的な過程も複雑に絡みあっていて、その影響評価は非常に難しいところございますので、この3の取組のなかで推進していきたいというふうに考えております。
次に、山川委員からのご質問で、A3の資料1の「適応計画」のところには個別のことが書かれているが、もうちょっと全体的なところも記載すべきということでございますけれども、ここでの書きぶりは、他のところも見ていただいて分かりますように、比較的個別の取組を書くような書きぶりに統一しております。
それで、先ほど申し上げましたように、資料2のところで全体的な将来影響、特に海洋生態系は非常に複雑でございますので、そこの部分については資料2のところで記載しているという、そういうふうな理解でございます。
それから、馬塲委員の方からいただきました養殖は漁場を移動できないので、例えば高温耐性ですとか、そういった対応をすべきというご指摘にお答えします。
おっしゃられたとおり、育種については海苔ではもう既に品種として高温耐性のものがいくつか登録されたりしておりますけれども、魚ではまだそういったところはなかなかございません。
魚につきましては、技術会議の事業、プロ研等でも今育種に取り組んでいるとことです。
確かにそれは時間がかかりますので、なかなかすぐにはできませんけれども、将来的には重要だと思っておりますので、そういったところを取り組んでおります。
あとおっしゃられたとおりに、水温が変わった場合、そこでの魚種を変えるべきというご意見にお答えします。
例えば、カンパチという魚がございますけれども、今は鹿児島県等の南の地方でしか養殖ができない状況ですが、場合によっては、それをもうちょっと北で養殖するようにするとか、そういったところも含めて検討する必要があるというふうに思っております。
最後に、渡邊委員の方から話されたこと、先ほど少しありましたように国際的な状況、そういったところも日本だけの影響ではなくて国際的な影響というのも非常に重要だと思っておりますので、そこについても考えに入れていく必要があるというふうに思っております。
以上です。

○農村振興局設計課計画調整室長
農村振興局です。
農業生産基盤について、いくつかご指摘がございました。
1つ、増本委員の方から、農業生産基盤については影響が明らかとなっており、適応策は重要である一方、難しいというご指摘がございました。
特に我々も将来予測に基づく施設整備の在り方、これはかなり難しいと思っておりますが、今回骨子でしっかり課題として位置付けたところでございます。
また、同じ地域で集中豪雨と渇水、こういう影響があるというお話がございました。
当然我々も河川から水を引いて農地に持ってくる、その後農地から適切に河川に排水する。
いわゆる血液で言えば、動脈と静脈。
これは両方きちんとやらなければいけませんので、そういった意味でも先ほどの増本委員のご指摘のとおりだと思っております。
さらに、分野横断的、省庁連携のお話がございましたけれども、例えば排水1つとっても、農村には農地だけではなく、今都市化が進んでおり、非農家の方もたくさん住まれておりますので、農地の排水だけではなく、農村地域全体の総合的な排水機能の向上という視点も大事だと思っております。
用水の視点でも、異常渇水があれば、当然他の部局と連携した総合的な渇水調整も大事だと思っておりますので、そういったことを踏まえて、また検討していきたいと思っております。

○大臣官房食料安全保障課長
食料安全保障課でございます。
椛島先生から食料需給予測についてご質問がありましたので、お答えさせていただきたいと思います。
食料の安定供給のためには世界の食料需給を把握しておくことが極めて重要だということで、超長期と中長期的な予測を外部の研究機関のお力を借りながら把握をするということで進めてございます。
この超長期は2050年、こういうかなり長期を見通してやってございまして、平成23年からそういうことを始めているわけです。
これは主に気候変動の影響面を十分見ながら予測していくということで、今回IPCCによる最新の評価結果を踏まえて、今年度から3年かけて予測をし直すということにしております。
それから、両予測の違いについてですけれども、超長期は人口や経済的な面に加え、気候変動の影響を重視して見ていくことにしております。
中長期につきましては、どちらかといいますと、経済面とか過去の政策動向を主として予測の要素としてきたわけです。
ただし、気候変動が食料需給に大きく影響するということもあるので、これまでの気候変動の影響も踏まえて予測をしております。
ご指摘の「書き振り」につきましては、適応計画 本文の中で対応したいと考えております。
以上です。

○消費・安全局植物防疫課課長補佐
消費・安全局植物防疫課春日井と申します。
橋本委員の方からご質問がございました病害虫発生情報は誰が行っていくのですかということですが、資料4の9ページの6行目辺りに既に病害虫の発生事業を実施しておりますと記載していますので、これについて少しご説明させていただきます。
植物防疫法の中で都道府県に病害虫防除所を設置することとなっており、病害虫防除所が病害虫の発生状況を調査して国に報告することとされています。
例えば、冷夏になっていもち病が非常に多く発生しています。
毎年梅雨時になると中国大陸の方から長距離飛来するウンカ類が多くなっています。
果樹のカメムシ類が非常に多くなっていますなど病害虫の発生情報を集めて国に報告することとなります。
国としては、都道府県から集まってきた病害虫の発生に関する情報を解析し、今後こういう病害虫がどの地区で発生するだろうという広域な病害虫の発生予報をします。
いわゆる病害虫の発生を予報する天気予報のようなものだと思っていただければ分かりやすいと思います。
国はその病害虫の発生予報を行いまして、それを逆に都道府県、病害虫防除所、普及員等を通じ、農家にしっかり届くように情報提供を行っています。
具体的には、国として年に10回定期的に発生予察情報を公表しています。
さらに各都道府県からも県内の病害虫の発生情報を集約し、県内の予報を発出しています。
情報の伝達方法については、国としてプレスリリースをするとともに、ホームページに掲載するという形を採っており、さらにその情報を都道府県から情報発信し、県のホームページに掲載するなどの対応を行っています。
ホームページが見られないような生産者等に対しては、関係機関からファクスや郵送などの形で必要な情報が届くように配慮しております。
今後の地球温暖化への対応としましては、国と県が協力しまして、引き続き発生予察を継続して行っていくとともに、今後の温暖化による病害虫の発生状況の変化等に対応した試験研究を課題とし、可能な限り生産者の方が困らないような形で情報を発信できるように対応したいと考えております。
以上です。

○生産振興審議官
いくつか残っているやつで、すみません鳥獣害のお話、温暖化かどう かというのを置いておきまして、実は非常に増えていまして、農水省と環境省が一緒になってイノシシとか鹿は数がかなり多いものですから、半減というようなことを目標に立てて取り組んでいます。
農水省の方は、そういう点では市町村段階で里に近いところで対策を打つというのを支援し、今回環境省の方は鳥獣保護管理法という形でもう少し入りにくいところとか、そういうところで都道府県の事業というような格好で進めていくということにしています。
あと食べる方も、当然ながら、うまく循環をしていくためにはということで、実は食肉にするための処理施設とかの支援もしているんですけれども、昨年厚生労働省さんの方がどういうふうに処理すると衛生的にいいかというガイドラインも出しておりまして、それで、私ども、実際上現場でどんな形でやられているかとか、いろいろなことを今調べていまして、もう少しちょっと─まあ、ジビエというと格好はいいんですけれども、使われるようにしていくには、要は捕獲をする段階から処理のところ、それから使っていただくというトータルで考えていかないといけないなということで今検討させていただいています。
それから、カドミの低吸収、あれは実は一遺伝子ですので、マーカー付けて、必要なところの品種には割と早く導入できるような体制を技術会議の方で組んでもらっています。
高温耐性の方は、まずは九州とか暑いので一等米比率が非常に下がっているところを中心にこれから品種育成する時には、基本的にそういう性質のものを入れていかないと、等級で生産者がというだけではなくて、実は精米した時の歩留まりが下がると。
見た目が真っ白で消費者の皆さんもぎょっとするということになってしまうものですから、そこのところはきちんと両立もできると思っております。
ただ、現状、資料4に入れてありますけれども、単に高温耐性で乳白が出ないと言ったら、すっと品種が変わるかというと、ブランド戦略の問題とかいろいろございます。
そういうことで、今後はきちんと生産段階だけではなくて、実需の皆さんとか、逆にもっと先の消費者の皆さんと、要は情報を共有していく中でうまく品種を切り替えていくという方向で進めていきたいということで記述をさせていただいております。
当然カビ毒とかは安全の問題として今までもきっちりやってきていますけれども、引き続きそこのところはちゃんと対応していきます。
それと、前向きのところのお話、分かりやすいので例を果樹で申し上げます。
現状でも実はブラッドオレンジとか入れて─実は昔できなかったんですけれども、暖かくなっ たんで、実はブラッドオレンジ、国内でも愛媛で作ったりしています。
果樹は特にいきなりどんと切り替えるというわけにいきませんので、今いろいろ発生している障害をその場で何とか抑える技術を導入していく、開発していくという他に、亜熱帯の果樹とか熱帯果樹、少しお試しというか、実証みたいな形でどれぐらいできるかとか、そういうようなことをしていくということで、環境に適応するという中に今までできなかったものができるという視点で取り組んでいきたいというふうに思っています。
実際上の品種の転換については改植の支援というものがあるんですけれども、いきなり、じゃ、あなたのところだめだから全部という話にはなかなか、それはとてもできないので、あらかじめいろいろ試して、これぐらいこういう作り方をしたらこれぐらいできるんだなという情報を現場の皆さんにもきちんとご理解をいただくというか、情報提供して、そういうことに取り組んでいきたいということで、実は果樹のところへ書かせていただいております。

○地球環境対策室長
環境政策課作田でございます。
先ほど八木委員からご意見いただきました見直しのスパンがちょっと長いんじゃないかというご意見なんですけれども、資料4の2ページ目を御覧いただきますと、こちらの「基本的考え」の一番最後のところにも「計画の継続的な見直し」とございまして、こちら一番基本の考えとして、「IPCCによる新しい報告等を契機として」ということで、評価については何かのきっかけ、タイミングで見直しをしていけないかということをもともと考えております。
一方、一番最後のところの記述では、こちらでは「等」が抜けていて決め打ちのようになっていて全体として不明確な感じとなっていますが、そこは何かタイミングを計っていけないかという今現状の検討状況が現れているとご理解いただきたいと思います。
これはなぜかといいますと、現在この適応計画、農林水産省の適応計画を考えておりますけれども、その全体、政府全体の適応計画の方もありまして、そちらの方とも評価の見直しのタイミング、また事業の見直しのタイミング、それをどう併せて仕組んでいくかということを今調整といいますか、検討・整理をしておりまして、まだちょっと固まっていない状況でございます。
そういうこともありますので、最終の取りまとめに向けて、その辺の調整をしっかり反映していきたいということでございますけれども、委員からいただきましたように、もう少し短いタームにならないかということを踏まえまして、さらに検討をしていきたいと考 えております。
それから、根本委員からいただいた、先ほど審議官からもお答えいただいたところなんですけれども、ポジティブな対応のところ、これは裏と表のあるものであれば前向きにもうちょっと書いた方がいいのではないかというご意見もいただいたんですけれども、これにつきましては、もともとここのタイトルは「メリットの活用」というふうに私ども立てておりました。
それにつきましては、今まで現場の方々とかからも、との意見交換をいろいろする中で、温度がだんだん上がってくるというような条件の中でメリットを活用するということがある時には、その同じ条件の中でデメリットをこうむっている人もいるはずだと。
日本人は非常に真面目なので、どこかで誰かが泣いている中で自分がメリットをこうむっているというような、あまりポジティブ過ぎる表現というのはいかがなものだろうかというご意見をいただいたところもございます。
そういう中で国の施策として打ち出す時にどういう表現がいいのかということは、引き続き精査させていただければというふうに考えております。
私の方は、以上です。

○環境政策課長
藤井委員からもいただきました人の問題とかというのは、本体を書く時にうまく書き込めるように工夫してみたいと思います。
それから、小倉委員他、消費者に分かりやすく伝えるということについては、そういう方向で書き込んでいきたいと思います。
亀山委員から消費者への情報共有や教育などの普及の話が出ました。
本体の資料4の18ページのところに少し書いてありますけれども、ここでどれぐらい膨らませてきちんと書くかということかと思います。
18ページの2ポツの最後のところに少し書いたのですけれども、そこをもう少し消費者とか教育とかいろいろなことも含めて、現場や国民に伝えることについて検討したいと思います。
最後にロスダメ、あるいは保険の話とかも出ましたけれども、これはどの程度書けるのか。
そこについては検討させていただきたいと思います。
なかなか書きづらいところといいますか、気候変動と結び付けてここに書けるかどうかという問題がありますので、また検討させていただきたいと思います。

○技術会議事務局研究総務官
あと橋本委員がおっしゃられた中の残り半分に答えていないと思うのでお答えさせていただきますけれども、何か生産者の側でもCO2吸収源対策として何かできるんじゃないかというお話ありました。
確かに北海道は顕著ですけれども、特に酪農の分野なんか顕著ですけれども、環境調和 型とか、環境負荷軽減とか、いろいろな支援措置も使いながらいろいろな対策をやっておられる。
ただ、本文書き込む時に、私も資料4の9ページを見ながら、どう書けるのかなとか思っているんですけれども、適応計画をまとめる中で、どちらかというと緩和に近いところがどう書き込めるのか。
現状の取組、そしてその取組を引き続き推進していきますと、こうなっていますけれども、そこのところはご趣旨のところが入れられるのか入れられないのか。
入れる場合どう書き込めるのか、少し検討させていただけますでしょうか。

○林野庁森林利用課長
橋本委員のお話について、林野庁からも一言加えさせて頂きます。
ちょっと私の専門からは外れますが、光通信サービスとか、パソコンがなかなか動かないとのご指摘は、私が担当しております山村振興でも課題となっております。
携帯電話がつながらない地区がまだあるというような話もあります。
これは総務省が担当しておりますので、何らかの形でお話をつなげられればと思っております。
気候変動・適応施策とは直接の関連は無いかもしれませんが、まち・ひと・しごと創世総合戦略で対応しているものと存じます。

○水産庁増殖推進部参事官
水産庁です。
先ほど山川委員からのご質問を1つ失念しておりました。
回遊性魚類以外にも水研センターの方で調査が進んでいるので、それについても記載をするべきだというお話でしたけれども、それについては水研センターの方に問い合わせまして、本体案の方に、もし書けるものがあれば記載したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○武内座長
よろしいですか。
それでは、どうもありがとうございました。
大変多くのご意見をいただきました。
いただいたご意見をこれからの素案の見直しと最終案に反映させていただければと思っております。
それでは、早速ですが、引き続き議事2に入りたいと思います。
「約束草案について」ということでご報告をお願いします。

○地球環境対策室長
約束草案の関係、資料5を用意していただきたいと思います。
表紙緑色、「約束草案(政府原案)について」というものでございます。
こちらの内容につきましては、前回2月の本委員会においても、その一部情報を提供させていただいているところでございますけれども、本年末のフランスにおけますCOP21 で京都議定書に代わる2020年以降の新たな国際枠組み、これが合意されることとされておりますけれども、そのため、全ての国がCOP21の前に十分余裕を持って温室効果ガス排 出削減目標等の約束草案を国連に提出することが求められているということでございます。
このために、2030年度を目標とする政府原案が去る6月2日に総理を本部長とします地球温暖化対策推進本部で議論されたところでございます。
今の位置付けのようなものを先にイメージしていただいた方がよろしいかなと思いますので、表紙をめくっていただいた次のページに「今後のスケジュール」というところがございますので、そこを先に御覧いただきますと、まさに6月2日にその本部がございまして、今後のスケジュール、この下のところにありますけれども、その翌日の6月3日から、ちょうど昨日ですが、7月2日までパブリックコメントが行われておりました。
そこでたくさん意見が寄せられているというふうに聞いてございますけれども、それを整理した上で、7月中下旬にもう一度推進本部が開かれまして、そこで約束草案が決定され、国連の方に日本の案として提出されて、この下にありますが、11月30日から12月11日のCOP21 で議論が行われるということになります。
それでちょっと戻っていただきまして、約束草案自身でございます。
ポイントということでまとめてございます。
もう既にマスコミ等で盛んに報道されているところでございますけれども、まず1つ目の丸といたしまして、我が国の約束草案といたしまして、2030年度に2013年度比で26%削減すると。
これは2005年度比では25.4%の水準ですということです。
これにつきましては、エネルギーミックスと整合的なものとなるよう、また技術的制約、またコスト面の課題などを十分に考慮した裏付けのある対策、また施策、技術の積み上げによる実現可能な削減目標として策定されてございます。
また、最後の丸のところでございますけれども、政府原案には、気候変動に取り組む我が国の基本的な姿勢ですとか、COP決定に基づいた「公平性・野心度」、また「気候変動枠組条約2条の目的達成に向けた貢献」等の説明もしっかり盛り込まれているというものでございます。
あともう一つご説明、ご報告しますのが、この資料の最後のページにございますけれども、「約束草案における我が国の排出削減目標と農林水産分野の位置づけ」ということでございます。
こちら今申し上げましたように、左側の棒グラフのところでございますけれども、2030年度の排出削減目標として26%の削減でございます。
そのうちのこの下のところでありますが、排出削減対策として23.4%とございますが、そのうち農林水産分野は 0.2%。
また、その下、吸収源対策として、森林吸収で2%、農地土壌吸収として0.6%ご ざいます。
従いまして、合計しますと、農林水産分野の対策によって2.8%分の削減ということでございます。
その削減対策の中、どのような対策を行うかにつきましては、右側のところにそれぞれ対策を載せてございます。
これまでの機会にもご説明して参ったとおりでございます。
ご報告は、以上でございます。

○武内座長
どうもありがとうございました。
やっと政府原案がまとまってきたわけでございまして、この議論自体は私どもの小委員会のマンデートを超えていると思いますけれども、もし、この場で特段のご質問等ございましたらお受けしたいと思いますが。
どうぞ、亀山委員。

○亀山委員
機会をいただき、ありがとうございます。
この委員会のマンデートではないというふうにおっしゃいましたけれども、1つ質問させていただきたいと思います。
この目標の水準そのものはさておき、この目標が決まる政策決定過程です。
この過程においても、ほとんどエネルギーミックスどころか、電力のミックスだけが先に議論され、そのミックスが決まったら、もうすぐにそれが自動的に温室効果ガスの削減目標になってしまった。
この決定過程について、かなり批判が出ているところではないかと思います。
資料5の一番最後のポンチ絵を見て質問なんですけれども、特に農林水産省分野に関係するところといたしまして、吸収源対策として2.6%積み上げてくださっているんですけれども、よく拝見しますと、この6つのポチのうち、いくつか森林の吸収で積み上げているというよりかは、むしろ、その他の資源、例えばエネルギー資源ですとか、鉄鋼のような資源を代替する役割を果たしているんです。
上から3つ目の「建築物等における木材利用」なんていうのは、今木材で建物を造る技術が二階建て、三階建ても造れるようになっているそうでして、このような建物をより多く建てることによって、例えばより鉄鋼を使わずに済むようになる。
鉄鋼を使わなければ、その分エネルギーの消費量が減ることになるわけです。
同等のことが木質バイオマスでも言えて、バイオマスの発電については発電のミックスのところに若干入っていますけれども、熱としての利用については十分な議論がなされていなかったというふうに審議会でも言われておりまして、バイオマスの熱利用について、このような観点がこの3月、4月に行われました政策決定過程の中にきちんと農林水産省からインプットがなされたのかどうか、その点を伺いたいと思っているんです。
単に吸収だけではなく、物を代替するという観点での効果です。
よろしくお願いします。

○武内座長
どうぞ。

○林野庁森林利用課長
ご質問いただき、ありがとうございました。
約束草案の作成過程におきまして、森林吸収源の2.0%につきまして、いろいろ議論させていただいたところであります。
木材利用につきましては、高層のものが造れる新しい技術としてCLTという木材製品があります。
こういったものを普及させていって代替できれば良いと思いますし、実際に代替効果はあるのですが、それを実際アカウンティングする方法は現時点ではありません。
木材の使用分についてはHWPというアカウンティングありますが、代替についてはありません。
そういった機能については私どもも認識しておりますので、また検討したいと思います。
以上でございます。

○環境政策課長
少し補足させていただきますと、今回の約束草案を作る過程で、基本的にはしっかりと下からの積み上げ方式であること。
前回の第一約束期間の6%のようなトップダウンではなくて、下から積み上げるという形をとりました。
それで、農林水産分野につきましても、少なくとも今までの、いわゆる既存の方式といいますか、既存の方式でこれぐらいは削減できるだろうというもの、それをまず積み上げていったわけです。
ですから、方法論からすると、新しく森林利用に代替して鉄鋼とか、そういうところからCO2が減るだろうとかというのは考えず、森林吸収源はこれぐらい稼げる、それからそれ以外の従来のもの、排出削減についてはこれぐらい稼げると。
こういうものを積み上げて準備をしておりました。
あとは、農水以外の部分の省エネでどこまで削減できるかということが別のところで議論されたということです。
そういう意味では議論が深まっていないと言えばそうなのかもしれないんですけれども、結果としてはそういう形での積み上げ方式ででき上がった数字でございます。

○武内座長
他に。
よろしいですか。
45分まであと2分ということで、「ゆう活」を推進するためにはそろそろ終わるということにしたいと思いますが、最後に食料・農業・農村政策審議会の地球環境小委員会は近く委員の改選を行う予定でありますが、本日ご出席の委員のうち、藤井委員は残念ながらご退任されるというご予定でございますので、最後に藤井委員より一言ご挨拶をいただけ ればと思います。

○藤井委員
挨拶を持っておりませんでした。
物理的に年齢で外れるということでございまして、いろいろありがとうございました。
このAIBのシナリオ予測の中でも琵琶湖の富栄養湖の問題、さらに進む。
まだまだ大変だぞということと、琵琶湖で言えば、漁師が最大の湖のウオッチャーと思って70年代からずっとつき合って参りましたが、琵琶湖だけではなくて森林域からどこも現場のウオッチャーの数が減ってしまっていますので、そのことがきっちりと見合わないと絵に描いた餅になる。
何とかその人を育てるということを並行してなさいながら、この絵をきちんと実効性あるものに持っていっていただけたらと思います。
他のところでもまだ動きますので、どうぞよろしくお願いします。
ありがとうございました。

○武内座長
どうもありがとうございました。
私の理解では、その他の委員の方は留任されるということでございますので、皆さん方には引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、これで終わりにさせていただきます。

○環境政策課長
本日は貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。
農林水産省の気候変動適応計画については、皆様方のご意見を踏まえて、省内に設置しております適応計画推進本部、これに向けて検討を進めさせていただきたいと思います。
本日は、これにて閉会いたします。
ありがとうございました。

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