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農林水産省

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平成28年度第1回農業共済部会(平成28年10月31日)

1.日時及び場所

平成28年10月31日(月曜日)10時30分~12時30分
三番町共用会議所 本館2階 大会議室

2.議事

家畜共済の共済掛金標準率の算定方式等に関する諮問事項の概要説明

3.概要

○窪山室長
定刻になりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会農業共済部会を開会いたします。
私は本部会の事務局を担当しております経営局保険課保険数理室長の窪山と申します。
本日は当部会の委員及び臨時委員合わせて9名のうち香髙委員及び堀田委員が都合によりご欠席となっており、7名の方にご出席いただいております。
横田委員は遅れて到着いたします。
所属委員の3分の1以上の出席がございますので、食料・農業・農村政策審議会令第8条第1項の規定に基づき本部会が成立しておりますことをご報告いたします。
次に本日の出席者ですが、昨年度の農業共済部会から委員の皆様には変更がございませんので、変更がございます農林水産省の出席者のみ紹介をさせていただきます。
まず橋本経営局担当参事官でございます。

○橋本参事官
橋本でございます。
よろしくお願いします。

○窪山室長
前田保険課長でございます。

○前田課長
前田でございます。
よろしくお願いいたします。

○窪山室長
小林保険監理官でございます。

○小林監理官
小林でございます。
よろしくお願いします。

○窪山室長
吉武保険課課長補佐でございます。

○吉武課長補佐
吉武でございます。
よろしくお願いします。

○窪山室長
江守保険課課長補佐でございます。

○江守課長補佐
江守でございます。
よろしくお願いします。

○窪山室長
土屋保険課課長補佐でございます。

○土屋課長補佐
よろしくお願いいたします。

○窪山室長
中元保険監理官補佐でございます。

○中元監理官補佐
中元でございます。
よろしくお願いいたします。

○窪山室長
次に議事の運営でございますが、食料・農業・農村政策審議会議事規則第3条第2項によりまして審議会は公開が原則となっておりますので、本日の当部会の審議につきましてもこれまでと同様公開となりま す。
資料、議事録等につきましても公開することになっておりますのでご了承ください。
またご発言をされる際はお手元のマイクのところにあります緑色のボタンを押してからご発言いただきますようお願いいたします。
それでは、これ以降の進行につきましては藤井部会長にお願いすることといたします。
藤井部会長よろしくお願いします。

○藤井部会長
部会長の藤井でございます。
円滑な議事の進行に努めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは初めに、農林水産省から橋本参事官よりご挨拶をいただきたいと思います。
橋本参事官よろしくお願いします。

○橋本参事官
経営局を担当しております大臣官房参事官の橋本でございます。
よろしくお願いいたします。
平成28年度食料・農業・農村政策審議会農業共済部会の開催に当たりまして一言ご挨拶を申し上げます。
本日は、藤井部会長を始め委員の皆様におかれましては、ご多用のところご参集いただきまして、本当にありがとうございます。
本年度は、まずご存じのとおり4月に熊本で大きな地震があったということで、水稲の移植不能、家畜の死亡、廃用、それから園芸施設の損壊等の大きな被害が生じているところでございます。
また8月以降一連の台風によりまして北海道及び東北地方を中心に大きな被害が発生いたしました。
特に北海道の畑作物では、ばれいしょ、てん菜やたまねぎ等の品目に甚大な被害が報告されております。
このような被害に対しまして、農業共済では被災された方々が一日も早く経営再建に取り組めるよう損害評価を迅速に行い、共済金の早期支払いを実施することとしているところでございます。
ご案内のとおり農業災害補償法に基づく共済掛金の料率につきましては、事業ごとに3年に一度定期的に改定することとされておりまして、本年度は家畜共済の改定期ということでございます。
これに関しまして、本日付けで農林水産大臣から諮問がなされているところでございます。
農業災害補償制度の適切な運営のため忌憚のないご意見を賜り、ご審議の上、答申をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
農業共済制度は、昭和22年に制度創設して以来、災害対策の基幹として、自然災害による損失を保険の仕組みにより補てんするということで、農業経営の安定に寄与してきたところでございますが、現行の 農業共済制度は自然災害による収量減少を対象としていて、価格低下は対象としていない、それから対象品目は収量を確認できるものに限定されているということで、農業経営全体を対象としていないといっ た課題がございます。
例えば、この間の北海道の被害で、長芋とか人参について共済の対象品目になっていない、そういったものについてどうするのかという問題提起も具体的になされているという状況でございます。
こういったこともありまして、農林水産省では農業経営全体の収入に着目した収入保険制度というものの導入に向けまして検討を進めてきたというところでございます。
併せて農業災害補償制度につきましてもその在り方について検討を行っているというところでございます。
そういった状況でございますので、本日はその検討状況についてもご紹介させていただきたいというふうに考えております。
最後に、委員の皆様方におかれましては今後とも農業災害補償制度の発展にご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げて、私の挨拶とさせていただきます。
本日はよろしくお願いします。
〔横田委員着席〕

○藤井部会長
どうもありがとうございました。
カメラなどによる撮影は、これ以降はご遠慮いただきたいと思います。
それでは会議次第の3「農業共済部会の審議事項及び審議方法について」に移りたいと思います。
事務局より説明をお願いします。

○窪山室長
お手元の資料の4、右肩に資料4と書いてあります1枚紙、「平成28年度の農業共済部会の開催スケジュール案」というものがございます。
本日は10月31日、第1回目の農業共済部会を開催しております。
家畜共済に係る共済掛金標準率の算定方式、それから診療点数、薬価基準について諮問させていただいております。
それから本日の諮問事項のうち家畜共済の診療点数と薬価基準につきましては、当共済部会に家畜共済小委員会を置いて審議させることとなっております。
今後の予定でございますけれども、11月の21日から22日にかけて家畜共済小委員会の開催を予定しております。
その後、12月16日に農業共済部会の第2回目を開催させていただきまして、その中で、算定方式、診療点数、薬価基準について審議の上、答申をいただきたいと、こういった運びでご検討をお願いしたいと思い ます。
簡単ですけれど、以上でございます。

○藤井部会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして何かご質問等ございますでしょうか。
では、先に進めます。
それでは家畜共済小委員会に所属いただきます専門委員につきましては、食料・農業・農村政策審議会議事規則第9条の規定に基づきまして部会長が指名することになっております。
先ほどの資料4のスケジュール案によりますと、家畜共済に係る診療点数及び薬価基準に関する事項については11月21日と22日にそれぞれ小委員会で審議していただくことになっておりますので、その点を踏ま えまして私の方から追って専門委員の指名をさせていただくことにいたしますが、よろしいでしょうか。
〔異議なしの声〕

○藤井部会長
ありがとうございます。
それでは会議次第の4「農業災害補償制度の概要」に移りたいと思います。
「家畜共済の概要」、それから「平成28年における農作物等の被害状況等について」、この2つを続けて事務局から説明をお願いいたします。

○前田課長
保険課長でございます。
それでは私から、資料5、資料6を用いまして、農業災害補償制度の概要、それから今回の共済部会の審議のテーマでございます家畜共済の概要についてご説明をさせていただきます。
まず資料5をご覧ください。
農業災害補償制度の概要でございます。
制度の目的にございますが、この農業災害補償制度は、農業者が不慮の事故、具体的には、その下に書いてございます風水害等の自然災害又は病虫害等の災害によって受けることのある損失を補てんして農業 経営の安定を図る。
これを目的とした制度でございます。
制度の具体的な仕組みでございますけれども、農業者があらかじめ掛金を出し合って共同準備財産を造成し、被害が発生した場合にはその共同準備財産から共済金を支払うという保険の仕組みを用いてござい ます。
事業の対象としている農作物等でございますが、米・麦を対象とした農作物共済、牛・豚等を対象とした家畜共済、みかん・りんご等を対象とした果樹共済、ばれいしょ・大豆等を対象とした畑作物共済、園 芸施設等を対象とした園芸施設共済がございます。
資料6をご覧ください。
家畜共済の概要についてポイントを申し上げます。
まず家畜共済は、死亡廃用共済、これは家畜がと畜される前に死亡や廃用となってしまった場合にその資産価値を補償するものでございます。
それから疾病傷害共済、これは家畜が疾病や傷害を負った場合に診療費相当額を補償するものでございます。
現行の家畜共済については、この2つの事故をセットで補償するという内容になってございます。
1の共済目的でございます。
家畜共済の対象となっている家畜というのは、牛・馬・種豚それから肉豚、この4種類ということになってございます。
2の家畜共済におけます共済金額、この共済金額というのは補償の最高限度額のことを申しますが、これは農業者が飼養する家畜の価額の総額であります共済価額に付保割合を乗じて得られるものを共済金額 としてございます。
この付保割合というのは、下の米印にございますけれども、保険に付される補償割合のことでございまして、8割までの範囲内で農業者に選択いただくということになってございます。
3の共済金でございますけれども、家畜に事故が発生した場合に共済金を支払うことになりますが、まず(1)といたしまして、家畜が死亡又は廃用になった場合の共済金、これにつきましては農業者の損害 額に付保割合を乗じて得た金額を共済金として払うという仕組みになってございます。
7ページをめくっていただきまして、(2)の疾病又は傷害に対して診療を行った場合の共済金、これにつきましては診療種別ごとに定められております診療点数及び医薬品ごとに定められております薬価基準 に基づいて共済金を算定することにしております。
具体的には枠囲いにございますが、診療点数×10円+薬価×使用量、この合計を共済金として支払うことになります。
この診療点数それから薬価基準につきましては、まず診療点数については人の健康保険と同様に注射などの診療行為に要した費用を点数化したものでございます。
また、薬価基準につきましては給付対象となる医薬品及びその薬価を示したものでございます。
この診療点数、薬価基準は後ほど改めてご説明をいたしたいというふうに思っております。
下の例にございますけれども、例えば獣医師が筋肉内注射を行った場合につきましては、図にございますような点数を金額に換算いたしまして共済金を支払うことになります。
続いて8ページの方をご覧いただきたいんですけれども、4の共済掛金でございます。
共済掛金は事故があった場合に農業者に払われる共済金の原資となるものでございまして、牛及び馬につきましては掛金の2分の1、豚につきましては掛金の10分の4、これを国が負担しております。
農業者が実際に払う共済掛金は共済金額に共済掛金率を乗じて算定することになります。
この共済掛金率は農林水産大臣が定める共済掛金標準率を下回らない範囲内で各組合ごとに定めることになっております。
この共済掛金標準率につきましても今回の審議事項になっておりますので、よろしくお願いいたします。
9ページ以降に共済目的の種類、それから事業の実績、それから病類別事故頭数の推移等についての資料を付けておりますので、後ほどお目通しいただきたいというふうに思います。
簡単ですが、以上、概要の説明を終わります。

○小林監理官
保険監理官でございます。
私の方から28年における農作物等の被害状況についてご説明いたします。
資料は7ということで15ページからでございます。
先ほど参事官の方から挨拶でもございましたように、4月の熊本地震でございますとか、8月以降相次いで襲来しました台風によりまして被害が発生しているところでございます。
まず水稲でございますけれど、8月の台風によりまして北海道や東北地方を中心に被害が発生しております。
次に麦でございます。
麦につきましては西日本を中心に播種期に降雨がございまして発芽不良の被害が発生しております。
また北海道におきまして6月の日照不足や収穫期の降雨による穂発芽といったものに被害が発生しております。
次に家畜でございます。
先ほど話しがございましたけれども、熊本地震におきまして被害が発生しておりますけれども、全体として見ますと本年は平年並みで推移しているとそういう状況でございます。
果樹に関しましては1月にびわで寒害が発生しております。
また3月にはうめでひょう害が、4月にはりんごとか、なしで凍霜害が発生しているということでございます。
先般ございました鳥取の地震におきましても、なしが落果する等の被害が発生しているところでございます。
畑作物に関しましては8月の台風によりまして大きな被害が発生しております。
特に北海道におきましては、じゃがいもとかたまねぎ、てん菜、こういった作物で甚大な被害が報告されているところです。
園芸施設に関しましては1月の雪害によりまして被害が発生しています。
また4月の熊本地震とかその他強風、そういったもので被害が発生しています。
8月の台風によりましても風水害が発生しております。
今後園芸施設に関しましては冬期の降雪が心配されるところでありますので、こういったものを注視していく必要があると考えているところであります。
2に近年の共済金の支払額が書いてありますが、右から2つ目の合計欄を見ていただきますと、近年は1000億円前後、共済金を毎年支払っているとこういう状況にあるということでございます。
簡単でございますが、私の方からの説明は以上でございます。

○藤井部会長
ありがとうございました。
ただいまの説明につきましてご質問等おありかもしれませんけども、次の説明を事務局から聞いた後でまとめて質問の時間を取りたいと思います。
それでは農林水産大臣から諮問のありました「家畜共済の共済掛金標準率の算定方式の考え方」、「家畜共済診療点数表の改定の考え方」及び「家畜共済診療点数表付表薬価基準表に収載できる医薬品の基 準及び価格の算定方法」につきまして、委員の皆様には12月16日に予定されている次回の農業共済部会において審議をお願いしたいと思いますので、本日は次回の審議に向け、諮問内容の要点につきまして事 務局から説明してください。

○窪山室長
では資料8というものがありますのでお願いします。
本日付けで農林水産大臣から諮問されております。
私の方からは、「家畜共済の共済掛金標準率の算定方式の考え方」、別紙1というのがありますので次のページをご覧いただきたいと思います。
算定方式の詳細につきましては第2回目の共済部会の中で説明させていただきますので、本日は変更点だけ説明させていただきたいと思います。
資料9という横紙があると思います。
算定方式の考え方の変更点でございますけれど、今回の変更点は、算定方式自体は前回3年前と同様の方式としておりますので、変更点はその適用時期が変わるというだけのことでございます。
現行ですと平成26年4月1日以後に開始する共済掛金期間に係るというようになっておりますけれども、ここが平成29年4月1日以降にということになると思います。
あとは若干の修正がありますけれども、それは他の規定との横並びで微修正しているところでございます。
今回は年次の更新の部分だけが修正ということになります。
以上でございます。
よろしくお願いいたします。

○小林監理官
はい、それでは私の方から別紙2と別紙3についてご説明したいと思います。
別紙2ということで19ページでございます。
家畜診療点数表の改定の考え方ということでございます。
お手元にこの小さな冊子が配られていると思いますが、要はこれを3年に一度見直しをするということでございまして、本年その3年目に当たっておりますのでこれを改定するということでございます。
基本的に家畜が病気とか怪我をした場合に獣医師さんに診療していただくわけですけれども、その際に共済金をお支払いするというということになるわけでございますが、そのお支払いする額を計算するとき に人間の健康保険と同じように点数制というものを採用しておりまして、この点数をまとめたものがこの小さな冊子の診療点数表ということになっております。
5ページからが実際のその表を書いた部分でございますけれども、一番上の表のところを見ていただきますと種別という欄と点数という欄と備考という欄があろうかと思います。
種別というのは診療の中身を順番に書いたもので107番までございまして、いろんな診療の中身を書いたものでございます。
点数のところにはB種とA種というものがございまして、B種というのは診療費の全体を点数で表したものでございます。
A種の方は医薬品とかいろいろな消耗品そういうような直接費用を書いたものでございます。
それでB-Aというものを計算しますとその部分は獣医師さんが診療行為を行った場合の診療の技術料に相当する額になるわけでございます。
備考欄には各々の種別の取扱い上の説明書きでございますとか増点する必要性がある場合の規定とかそういうものが書かれていると、そういう表でございます。
こういうものを改定するということで、改定しまして来年の4月から適用するということにしたいということでございます。
それで19ページの別紙2のところに戻っていただきまして、まず1番目としまして家畜共済診療点数表というのを種別と備考を見直すということでございます。
これにつきましては獣医学が進歩しておりますのでその進歩によって新しい技術が普及していると、こういうことを反映していくということをしていきたいと思っておりまして実態調査というものを行ってい ます。
その結果を踏まえまして、その種別であるとか備考の記載こういうものを追加するなり変更するなり無くすなり、こういった見直しをすると、そういうことでございます。
2番目でございます。
その点数表というものをA種というものでございます。
A種のところは先ほど申し上げましたように医薬品などの直接的な部分でございますけれども、この部分につきましても獣医学の進歩によって実態との格差が生じているということもありますので、そういう部 分を見直していくということでございます。
大きな3番目といたしましてB種とA種の差額部分、要するに先ほど申しました診療の技術料の部分でございますけれど、この部分につきましても獣医学の進歩によって実態との格差が生じているということがご ざいますので、そういう部分で見直しをしていくと、そういうことを考えているということでございます。
次20ページにまいりまして別紙の3でございます。
この点数表の付表に薬価の基準表というものがついてございます。
実際にはこの小さな冊子の35ページ以降のところに薬価基準表というものが掲載されております。
35ページから1ページをめくっていただくと、37ページから実際には薬剤の名前が載っていて薬価というものが掲載されているということでございます。
こういう表でございます。
これも見直しをして来年の4月から適用したいということでございます。
それでは20ページに戻っていただきまして、考え方でございますけれども、まず大きな1番として収載できる医薬品の基準ということが書いてございます。
この大きな1番の部分に関しましては3年前の考え方から基本的に変更していない部分でございますけれども、簡単に説明していきたいと思います。
この1番については(1)から(4)までございますけれど、この(1)から(4)までの要件、全てを満たすものということになります。
まず(1)として、牛、馬、種豚に対して用いる医薬品であるということでございます。
(2)としまして点数表の中で規定がある、ここに載っています[1]から[18]、この種別で使用される医薬品であるということが書かれてございます。
次1枚めくっていただきまして(3)でございます。
(3)には医薬品、医療機器等法という法律で承認を受けたもの、この法律は以前は薬事法と呼ばれたものが名前が変わったものですけれども、この法律によって承認を受けた医薬品であるということでござい ます。
(4)としまして、除外するものとしまして[1]から[6]に該当しないということが書いてございます。
簡単に言いますと、家畜用に用いるものであって犬や猫とか人間に用いるものではないということなどがここに書かれております。
次に大きな2番として価格の算定方法でございます。
まず(1)として、既収載医薬品ということで既に収載になっているものということでございますけれども、[1]は厚生労働大臣が定めています人間用で使っている医薬品が書かれているもの、そういうものは そこに書かれている薬価を用いるということが書いてございます。
大きな[2]で[1]以外の医薬品である既収載品ということでございますけれども、これが実際に先ほどの表に載っているようなものになってくるわけでございますが、これにつきましては実態調査をしておりま すので、その実態調査を行いましてその結果の平均的な価格に100分の2に相当する額の調整幅、これを設けて、それを加えて設定するという形にしたいと思っております。
そして次のページ、22ページにいっていただきますけれども、イの(ア)としまして、先ほどのような平均価格に調整幅を加えるわけでございますけれども、改定前の価格を上回る場合には上回る価格にはし ないで基本的に改定前の価格にするということが書いてございます。
あと、(イ)としまして販売量が少なくて実勢価格が把握できないもの、こういうものにつきましては最類似の医薬品の価格の動向を見て決定するということが書いてございます。
この中には書かれてはいないのですが、これまでは実態調査の結果、医薬品の価格が大きく下がる場合には一定の引下げの緩和措置というものを講じてきたという実態があるということでございました。
これにつきましては3年前の議論で平成28年度までは緩和措置を適用するという予定でございましたが29年以降はそれはやらない予定でございましたので、その緩和措置については今回のこの諮問文の中には含 めていないということになっております。
22ページの下の方にいきましてウでございます。
先ほどのような実態調査を基に価格を決めていくわけでございますけれど、製造販売に要する原価が大きく上昇するというような場合がございます。
例えば薬剤の原体を輸入に頼っている場合などは輸入原体が大きく上がってしまうとどうしても国内での販売価格も上がってしまうという場合がございます。
そういうものを薬価の方で適切に評価していかないと国内で必要な医薬品が供給できなくなってしまうということがございますので、そういうことが生じないように、原価が大きく上がっているものにつきま しては原価計算方式といって原価をコストの面から計算して積み上げて計算していくと、そういうことで算定するということをしたいということがこの部分に書いてございます。
次23ページにまいりまして(2)でございます。
新規に収載する医薬品でございます。
[1]のところは、組成、剤形及び規格が同一と書いてございますが、簡単に言いますとメーカーとか商品名が変わったということで中身が変わっていないと、そういうことでございます。
これにつきましては従来のものと同一の薬価にするということが書いてございます。
[2]として、[1]以外の医薬品でございます。
アとしまして類似薬がある医薬品でございます。
こういうものにつきましては最も類似の薬と比較をしまして、1日当たりの薬価が同一となるような計算をして薬価を算定するということが書いてございます。
あと下の方に(ア)から(エ)と書いてございますけれど、従来の薬に比べて有用な性質を持っている薬、こういうものにつきましては人の健康保険におきましても従来のものに1.2という係数を掛けて算定す るという仕組みを採用しておりますので、こちらにおいてもこういう係数を掛けて算定するというということにしたいと考えてございます。
一番下の方、イの部分で類似薬がない医薬品でございますけれど、こういうものにつきましては原価計算方式によりまして算定した薬価を用いると、そういうことにしたいと考えてございます。
私からの説明は以上でございます。

○藤井部会長
ありがとうございます。
それでは、これまでの説明につきましてご意見・ご質問お願いいたします。
また、諮問内容についての審議は次回12月16日の部会で行いますけれども、この場で確認しておきたいこと等あればお願いいたします。
どうぞ。

○鴻上委員
鴻上でございます。
資料の8のですね、別紙3について3点お伺いいたします。
まずは23ページ(2)の[2]のアですけれども、2行目の1日当たりの薬価というのが分からないのでご説明いただきたいというのが1点目でございます。
2点目はですね、20ページ1の(1)なのですが、肉豚が入っていないのはなぜかというのを教えていただきたいと思います。
次に21ページ、3点目ですが2の(1)の[2]のアですが、調整幅を100分の2加えるということなんですがこれの趣旨を教えていただきたいと思います。
以上です。

○藤井部会長
はい。

○中元監理官補佐
事故を担当しています中元と申します。
まず1点目ですね、1日当たりの薬価ということですけど、これはですね、動物薬ではあまりないことなのですが、類似薬があってそれを3回に分けて打ちなさいという薬と、2回に分けて打ちなさいという薬が あった場合には、当然同じ効果になりますので2回に分けて打ちなさいといったものの方が通常は濃度が高いものが多かったりするものですから、1日当たりの適用薬価が同一となるよう1回当たりの適用薬価を 調整するという意味でございます。
2点目ですね、肉豚がない理由としましては、肉豚は1頭当たりの単価が非常に安いということで治療せずに、廃用、死亡として取り扱うことが経営上一般的であることから、病傷給付の対象となっていない ということでございます。
あと3点目なんですけど、調整幅につきましては人の健康保険にもある仕組みなのですが、地域の購入実態というのがいろいろ違っており、例えば小規模ですとどうしても医薬品をいっぱい買えない、ロスが 出る、或いは輸送コストというのがかかってしまう、そういったものを吸収するために、本来平均的な価格を適用すべきなんですけど、そういったことが困らないように上乗せをする、そういうものが調整幅 という扱いになってございます。

○藤井部会長
鴻上先生よろしいでしょうか。

○鴻上委員
1点目、2点目はよく分かりました。
3点目がちょっとよく分からないんですけども、調整幅というからには上下に動かせるというのが普通だと思うのですがなぜ必ずプラスにしてですね、今おっしゃられた地域的な差があってですね安く済むよう なところであっても100若しくはこれによれば102が現れるわけですね。
なぜ、その辺がなぜなのかというところを理解しがたいところがございます。
以上です。

○藤井部会長
事務局からお願いします。

○中元監理官補佐
それにつきましてはですね、人の健康保険の仕組みを、そのまま採用していまして、下に振れさせるというよりはちょっと高めに設定して、要は逆ザヤが出るようなところについては救済するような趣旨で 決められたということでございます。
お答えになっていないかもしれませんが。
申し訳ございません。

○小林監理官
ちょっといいですか。
先ほど中元が申し上げましたけれども基本的に地域によっていろいろ実態があってですね、中山間などで交通の便とかでですね輸送で若干コストがかかってしまうところがあるということでございますので、 そういうところで逆ザヤが出てしまってですねコスト割れしてしまうと、そういうところで畜産業が上手くやっていけないということがあると困るので、そういうところでも困らないようなために一定の調整 幅を乗せていると、困らないようにしているということで、人間の世界でもやっているので家畜の世界でも同じような形にした方がよいのではないかという考え方で調整幅を乗せているというものでございま す。

○鴻上委員
健康保険に準じているというのはよく分かりました。
ただ健康保険に関しても同じような疑問を感じるところでありますので。
つまりは多めに払っているということになるのですね、保険金なり共済金を。
それで良いのかと。
仰られたとおり山間地でコストがかかるところはそれでいいのかもしれませんけれど、逆に安く平均よりも安くすんでいるところについては多めに共済金が払われているという実態が。
これは農業共済に限らず健康保険でもある問題なんだと思いますけれども、その根本的なところでですね健保の考え方などを確認する必要はないのかというふうに感じております。

○小林監理官
はい分かりました。
健康保険の方の仕組みも再度確認をしておきたいと思います。

○藤井部会長
他に。

○古谷委員
古谷でございます。
資料8の方から2点お伺いします。
資料8の19ページにあります別紙2の一番下の方です。
「最近における獣医技術の進歩等により、種別ごとに実態との格差が生じている」とありますが、もう少し具体的な例を挙げていただきたいと思います。
それともう1点ございます。
同じく資料8の23ページの最後になりますが、新規収載医薬品の(2)の[1]ですけれども、先ほど少しご説明いただきました「当該既収載医薬品と同一の薬価」ということですが、人間の薬でいうジェネリック なのかなと思ったのですが、そういうことであれば効能としては同じでも、安い価格で販売されていることもあるかと思うのですが、そういう場合はそのまま同一の価格になるのか、それとも下がるのか、そ の辺りをもう一度教えていただけますでしょうか。
以上2点です。

○中元監理官補佐
まず1点目のですね、19ページの点数に格差が生じている具体的な事例ですが、例えばA種点数の格差として、よくあるものが往診料におけるガソリン代とかですね、車両代そういったもの、特にガソリンは 、価格が変動しますので、そういったものをA種点数に反映させないと場合によっては赤字になるということで、そういったものはちゃんと調査をしまして下がったら下げる、上がったら上げるそういう形で見 直しはしております。
あとB-Aの技術料の部分ですが、こちらにつきましては、例えばですね、昔は技術や労力を要した検査でも検査技術などが発達しましてさほど今だとそんなに技術も労力もかからなくなったものがあれば見直 しますし、逆に大変になったというものがありましたら見直しをすると、そのように考えております。
また、ある診療行為と比べてこれはちょっと同じ労力、技術ではないのではというものがあればそれはきちんと調整をします。
例えば○○注射と○○検査というものが同じ点数だった場合、どう考えても○○注射の方が技術や労力を要すると、そういうものがありましたら○○注射の技術料を少し上げると、そういった調整を行ってお ります。

○藤井部会長
もう一点。
ジェネリックの話しですね。

○中元監理官補佐
はいジェネリックの話しですけども、23ページの(2)の[1]をご覧ください。
これは今ご質問があったとおりでして、良い例が出てこないのですが、抗生物質にマイシリンとかペニシリンというものがあるのですが、こういったものはいろいろな商品がございます。
例えば○○株式会社のマイシリンという薬が薬価基準表に載っていた時点であとからまた違う会社からマイシリンが出た場合はいわゆるジェネリックですよね。
こういったものについては同じ薬価を適用しております。

○古谷委員
まず今のジェネリックですが、ジェネリックは一般の感覚では安いと思うんですが、どうして同じになるのでしょうか。

○中元監理官補佐
はい、お答えします。
今のですね動物用医薬品の状況を見ますと、ほとんどですねジェネリックと言いますか後発品しか出てこないという状態でございます。
ですので後発品があとから出てきたとしても、よくあるのが単なる販売会社が変わったりとかジェネリックが出た後に、また同じようなものが発売されるとか、そういう状況でございます。
必ずしも何か最初に新薬があって最初の後発品が出てくるというよりは、後発品で似たものがどんどん出てくると、そういう状況になってございますので、今の実態としてはですね同じ後発品として扱っても 問題ないということで統一収載方式と呼ばれるこのような仕組みを採用しております。

○古谷委員
より実態に即した考えを入れる必要があるのかなと思っております。
ですので、ここで同一と決定してしまうことがいいのかどうかということがあるかと思います。
それと先の質問に戻りますが、A種点数にガソリン代が含まれているという考え方は少し驚きました。
医療器具とか医薬品など、いわゆる消耗品というとらえ方をしておりましたものでどうなのかなと思います。

○藤井部会長
今のはご意見ということでよろしいですか。

○古谷委員
はい。

○小林監理官
ちょっとよろしいでしょうか。
ガソリンが入っていたというのは要はですね往診をするわけですね、基本的に家畜なので。
病院に来るわけではないので獣医さんが行くと。
行くときに往診するのでそのときには当然車で機材を積んで行くのでですねガソリンを使って行くので、ここも往診料の中にですねガソリン代は入れていると。
そこの部分で先ほど例として言ったのですけども、そういう部分も診療報酬の中に入れないといけないのでそういう部分も入れ込んで計算しているということでございます。
医薬品だけではなくてですね。

○藤井部会長
他にご質問は。
ご意見は。

○鴻上委員
念のために確認しておきますが、先ほどの古谷さんのご意見は非常に大きな問題じゃないかなと。
ジェネリックの問題ですね。
これは正にこの考え方で行くかどうかということは正に諮問事項でありますよね。
次回の第2回でこの考え方でいいかどうかということを決めるということでしょうから、 今のジェネリックの問題というのは非常に大きな問題じゃないかなというふうに思いますので、先ほど仰られたほとん どがもう新規開発薬ではないと、ジェネリックがほとんどであると仰られましたが、そこを確認する必要があるのではないでしょうか。
つまり何でジェネリックが安いかというと、開発費用がかからないからですよね。
ですから家畜の薬価におけるですね、いわゆる特許が切れたジェネリックに該当する薬品と、そうではなくて新規に開発されている新薬が実際どのようになっているのかというのを確認した上で判断しないと いけないのかなと思いますので、その辺はお願いできるでしょうか。

○藤井委員
そうですね。
はい。

○中元監理官補佐
一応価格調査をしておりますので、その辺は整理させていただきたいと思います。

○藤井部会長
家畜共済制度は人の制度に近付けているわけですよね。
ジェネリックというのは大きな要素なので是非整理して説明して、小委員会でも議論していただければと思います。
他にございますか。
それでは具体的には今のご質問等を踏まえて次回の小委員会でも議論していただきまして、12月16日の審議会で議論したいと思います。
それでは最後に、今回直接の審議事項ではございませんが、先ほどお話しにもありましたけれど、収入保険制度及び農業災害補償制度の見直しの検討が今進められているということですので、その検討状況 につきまして事務局より説明をお願いします。

○窪山室長
保険数理室長の窪山でございます。
参考資料の3、4、5がございますので、まずは、「収入保険制度について」というものからご説明させていただきます。
1ページめくっていただきまして、現行農業共済制度の問題点と収入保険制度の基本的仕組みというものがあると思います。
左側の現行農業共済制度の問題点等でございますけれども、今の農業共済は昭和22年から始まっておりますが、自然災害による収量減少を対象としていて価格低下等は対象外になっているところがございます 。
それから対象品目は限定されておりまして野菜などは対象になっていないところでございます。
加入単位も品目ごとになっているということで農業経営全体をカバーできない状況になっている点がございます。
こういったことがございまして、右の方にありますけれども収入保険制度としまして農業経営全体を対象としたセーフティネットを構築していくような状況になってございます。
農業経営者ごとの収入減少を対象ということで、価格低下も含めた収入の減少の補てん、それから全ての農業経営品目を対象、それから農業経営全体として加入というようなことを考えているところでござい ます。
収入保険制度でございますので農業経営者ごとの収入をいかに正確に把握できるかというところが制度の要となっているところでございまして、あとでご説明いたしますけれども税制度の仕組みを活用して検 討していこうというふうになります。
1ページめくっていただきまして2ページでございますけれども、法律上の文章でございます。
農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律というのがございます。
平成26年にこの法律を改正した際に、附則のところに収入保険制度に関する規定が入っております。
また、農業災害補償法の規定による共済事業の在り方を含めて検討を加えるということで提起されております。
それから3ページ目でございます。
収入保険制度の導入に向けたスケジュールというところでございます。
こういった法律上の規定との関係もございまして、平成26年から27年28年と調査事業をやってきております。
大きく2つやっておりまして、保険制度をつくる際には、補償水準をどうしていくのか保険料率をどうしていくのかというのがございますので、全国4000経営体、今は5000経営体でございますけれども各農業者 の収入データの収集をやっております。
それから保険事務をどのように組み立てていきますかということもございますので、真ん中にありますけれども事業化調査というのをやってきております。
平成26年の11月から加入申請をやりまして、27年1月から12月末、通常の営農行為をしていただきながら保険事務をこなしていただき、本年度、平成28年3月から6月の間は確定申告後に、実際はお金のやり取り はしませんけれども、保険金の請求それから支払・通知という形で一通りの手続きをやってきているところでございます。
こういった結果を踏まえまして、一番右側ですけれども、9月から与党を中心に議論をしていただきまして、農水省の中でも有識者会議をセットしましてそれぞれご議論いただくという形になってございます。
こういった調査検討を順調に進めますと平成29年の通常国会に法案を提出して、法案の提出後、その後システム整備等の環境整備をしまして、それができました段階で収入保険を開始というような方向で考え ているところでございます。
4ページ目からは、その事業化調査で仮スキームを準備しておりましたのでその中身についてご説明していきます。
まず対象者でございます。
収入を正確に把握するというところが要でございます。
税の申告の仕組みを使いますというところで、税の申告の中には青色申告と白色申告ございますけれども、帳簿の記帳関係から見ますと青色申告の方が信頼性が高いということで、制度を適切に運用するとな ると青色申告者を対象にするということでございます。
それから6ページにいきます。
ただし、とありますけれども、青色申告者の中には都市部を中心に不動産関係をやりながら農業所得が少ないという方もいらっしゃいます。
それから農政の展開方向との調和を図る必要がありますのでそういったところを踏まえて更に検討の必要があると思っております。
7ページ目ですけれども、5年間の青色申告というところが基本なんですけれども、新規就農して間もない方とか白色申告から青色申告に切り替えて間もない方となりますと5年間という実績がまだ揃わないとい うところがございます。
こういった方々についても支援をしていくという観点から、括弧書きにありますけれども、5年未満の青色申告でも青色申告の実績があれば加入できるが例えば補償限度を8割に引き下げるなど、そういったこ とも考えていくなどの検討をしております。
それから8ページ目は収入の把握方法でございます。
青色申告書等の税務申告書類を用いましてそれを実施主体が確認をするというようなやり方になっているところでございます。
それから9ページ目、対象収入です。
農産物の販売収入全体を対象にしますということでございます。
よく所得を補償できないかという話がございますけれども、所得を見るためにはコストまで確認しないといけないというところがございます。
コストにつきましては経営者によってかけ方がまちまちでございます。
ここには機械の話しを書いておりますけれども、高い機械を購入した場合はコストが上がって所得が下がると、逆にコスト意識を持った経営者であればこういったものはできるだけ安く仕入れて所得を上げる ということがございます。
所得が下がった部分を補てんするというのはなかなか合理性が難しいというところで、所得ではなく収入を対象にしているところでございます。
それから10ページ目です。
6次産業化の推進をしていく中で、最近では農産物の加工に取り組んでいらっしゃる方も多くなっております。
事業者にとってみると農産物加工の販売収入もこれは収入の一部なので、その辺までなんとかならないのかという声もございます。
加工品につきましては右側にいちごジャムを例示しておりますけれども、農産物だけではなくていろんなものが混ざって構成されておりますので通常の農産物と同じ扱いをするというのはなかなか難しいとい うのがあります。
それから加工のみを行っている事業者との公平性の問題もございますので加工品の販売収入は対象には含めない。
ただ自ら生産した農産物を加工品の原料とする場合、その農産物を加工原料用として販売したと見なして対象収入に含めるという扱いをしております。
事業化調査をする中でいろいろ現場の実態を把握していきますと、括弧書きに書いておりますけれども税法の中でいきますと、精米とか荒茶、他に梅干しとか干し椎茸、干し柿とかいろいろありますけれども 、簡易な加工が施されたものにつきましては農産物に含めて申告ができるようになっておりますので、加工品の扱いにつきましては税申告のルールに合わせるという考え方もあるという形にしております。
それから補助金につきましては政策判断でできたりできなかったりとするものでございますので保険には馴染まないということで仮スキームでは対象収入に含めておりません。
ただし、畑作物の直接支払交付金など、コスト割れの補てんをしている交付金で数量払というものがございます。
こういったものにつきましては従来から販売収入と一体的に運用されている実態がございますので、そういったことも踏まえて収入保険では扱いを検討していくということになっております。
それから11ページは、実際のその収入の算定方法でございます。
青色申告の中では、農産物の販売金額の他に事業消費金額、棚卸というのがございます。
この販売金額だけを使いますと、事業消費の方に意図的に回して販売金額を抑えるとか在庫として残して販売金額を抑えるということで不正が働く可能性がありますので全て計算の中に含めてやっているとこ ろでございます。
それから12ページは対象要因です。
農業経営を進めていく上では自然災害だけではなくて市場関係の変化などがございます。
そういった中で価格の下落というものも大きなリスクでございますし、それ以外にも様々なリスクがあると思っています。
従いまして仮スキームの中では農業者の経営努力では避けられないものを補償対象としていこうというところでございます。
ただ、捨て作りとか、取引業者と結託をして意図的に安売りをするということによって生じた収入減少というのは補償の対象外にしなければならないと思っております。
13ページは不正受給の防止策として書いております。
仮スキームでは不正が生じないようにということで、災害等の損害発生時には実施主体に連絡、通知をすると共に証拠書類を保存するとか、通常どおり農作業日誌を記帳していただきまして、通常どおりに営 農していたのかを確認できるようにしておきたいと思っております。
それから販売台帳の記帳もありますので、これは税制度の中で記帳を図っておりますので、こういったものも組み合わせて不正の防止策ができると思っております。
今後の制度化に当たっては、不正があった場合には農業共済でもありますように免責として保険金を支払わないとか、明らかに詐欺ではないかと疑わしい行為があったときには重大な不正ということで翌年以 降の加入は禁止するという扱いも必要かなと思っております。
それから14ページからは補償の内容でございます。
仮スキームで想定をしている算定のやり方でございますけれども、収入の減少を補てんするということにしておりますので基準となる収入が必要であります。
過去5年間の平均収入、5中5と書いてございますけれども、これを基本にしているところでございます。
あとで補正の関係はご説明します。
それから右側の方に当年の収入が2本並んでおりまして例示しておりますけれども、基準収入が下がったところで全て補てんしていくとしますと事務コストがかかってきますので、農業共済と同様で自己責任分 、いわゆる足切りというのを設けております。
この場合は1割設けまして補償限度額は90パーセントとなっております。
その補償限度額から下がった部分について全て補てんするとなりますと、これはモラルハザードが生じる、経営努力を怠るということもありますので、支払率を設けて9割と仮置しているところでございます。
こういった大枠の考え方の下で、真ん中には保険金と書いてあるものと、右側に保険金、積立金と2階建てになっているものがございますけれども、真ん中の方は全て掛け捨ての保険方式でやるという方法、右 側の方は補償限度額を80パーセントとして、それを下回った分については掛け捨ての保険方式、その上の1割、90パーセントから80パーセントについては積立方式という2つの方式を試行しているところでござ います。
それから15ページは基準収入でございます。
仮スキームにおきましては過去5年間の平均収入、5中5で基準収入を設定するということを基本にしております。
ナラシ対策というものが別にございますけれども、その場合は5中3という手法を取っております。
ナラシ対策の場合は基準収入というのは地域の主要銘柄の平均販売価格それから統計の実単収を使って算定しております。
それは農業者の操作はできないという環境になっております。
一方で収入保険制度の場合は農業者個々の収入データを直接用いますので、意図的に収入を下げるということをやられては困ります。
5中3の場合ですと低い収入が抜けてしまって基準収入が変わらないというようなモラルハザードが生じますので、この方式では5中3を採用していないということでございます。
それから16ページです。
基準収入は過去の収入の5中5が基本ですが、仮スキームの中では経営面積が過去に拡大している方、それから収益性の高い作物をやっていきながら収入が上昇傾向にあるという方がいらっしゃいます。
そういった方々についてはできるだけ実態に近い形になるように当年の営農計画に基づく期待収入の上限として基準収入を上方修正するという方法を取っております。
逆に経営面積を縮小するなどによって当年の収入が過去の平均収入よりも低くなるということが明らかな場合は、これは下方修正をするということで当年の営農計画に基づく期待収入を基準収入として設定す るということにしております。
それから17ページは補償限度額の支払率ということですけど、先ほど説明をさせていただきましたので省略いたします。
それから18ページです。
補てん方式です。
仮スキームでは掛け捨ての保険方式のみで基準収入の9割以下の部分をカバーする方式と、掛け捨ての保険方式で基準収入の8割以下の部分をカバーし、それから加入者ごとの積立方式で基準収入の8割から9割 の間をカバーする、この2つの方法を試行しております。
どういった手法にするのかといったことはこの秋に取りまとめていくこととしております。
右側の方に保険方式と積立方式との違いを書いてございます。
保険方式だけですと、補償限度額を大きくしますとその分収入減少の発生頻度が高くなりますので掛け捨て部分が高くなるということです。
収入が安定するように努力している農業者は、掛金は毎年払うものの保険金を受け取ることは少ないということになります。
積立方式の方は、積立の補償限度額を大きくしますとその分掛金が高くなる。
ただ、掛け捨てにはならないということです。
積立方式だけでやりますと、自分の積立金のみで補てんしますのでその額を超える大きい収入減少があった場合には対応できないとなってございます。
こういったところを踏まえながら検討しているというところでございます。
それから19ページは補償限度額、支払水準、補てん方式を検討していく必要がありますと書いてありますけれども、右側には調査事業でデータ収集した結果、収入減少の発生頻度がどうなっているのかという のを試算してあります。
24、25、26年と計算をしていきますと、当年収入が基準収入の9割を上回った経営体の割合というのが平均で78パーセント、そのうち括弧書きに書いてありますけれど49パーセントの方については3年間常に基 準収入の9割を上回った経営体、要するに発動していないということです。
一方で基準収入の9割を下回った経営体の割合は平均で22パーセント。
そのうち8割を下回った経営体は10パーセント、7割を下回った経営体は5パーセントとなっておりますので、こういった状況をどうとらえて補償水準、保険料率を定めていくかということになります。
それから20ページは、保険料、積立金でございます。
品目に関わらず経営全体に着目をした制度をつくっていくということでございますので、保険料率については全経営体共通のものとして設定することとしております。
他方ですけれども、収入減少が発生する頻度の高い者とそうでない者、先ほどの19ページの表でいきますと9割を上回った経営体の割合、要するに発動しない方が78パーセント、3年間発動していないという方 が49パーセントの中で公平性をいかに確保していくかといいますと、収入減少の発生頻度に応じて保険料率を変えていく必要があるのかなと思っています。
農業共済では危険段階別の掛金というのがございますので、こういったものを参考にしながら検討していく必要があると思っております。
それから4つ目の丸ですけども、この加入者の目線でいいますと自分がどれくらいの保険料を納めるのかとの関係で補償内容を選択するということが考えられますので、補償限度額とか、それから支払率につき ましては選択できるようにするということも検討する必要があると思っています。
それから加入と支払についてです。
21ページからでございますが、23ページの表を見ていただきたいと思います。
事務手続のスケジュールということで個人の場合を書いております。
税の仕組みを使いますので、収入算定期間というのは1月から12月で設定をします。
保険ですのでその前に加入申請をするということで、前年の10月から11月に加入申請をやりまして、その後、保険料等を納付します。
それから収入算定期間に入ってその翌年の確定申告後、3月から6月の間に保険金の請求・支払という流れにしております。
この場合、1つ課題がありまして、22ページの(4)というところで、資金繰りへの対応というタイトルがあります。
収入算定期間中に損害が起こった場合、農業共済ですと例えば8月とか9月、大雨、台風とありましたけれども、そこで損害が発生したらすぐに査定があって共済金の支払という運びになると思いますけれども 、収入保険の場合はこれが翌年になってしまいます。
その後、営農に必要な資金の確保が必要ですので、資金繰りの対応を検討していく必要があると思っております。
それから24ページ、類似制度の関係でございます。
収入減少を補てんする機能を有する類似制度は他にもいろいろあります。
農業共済もそうですし、収入減少影響緩和対策、ナラシ対策というのもあります。
これは収入減少を補てんするものです。
それから野菜価格安定制度、これは野菜の価格下落を補てんするものです。
それから畜産関係で、肉用牛、肥育経営安定の関係、いわゆるマルキンの関係含めて4本畜産関係がありますけれど、これにつきましては価格だけでなくて生産コストの増なども含めて補てんをする仕組みにな っております。
あと加工原料乳生産者経営安定対策というのがございます。
こういった類似制度との関係をどう整理するのかということです。
25ページでございます。
制度保険として収入保険を仕組みますので掛金補助というのを想定しておりますけれども、国庫の二重助成は避ける必要があります。
これをどのように整理するのか2つの手法があります。
1つは収入保険制度と類似制度の両方に加入をする。
重複加入をして補てん金を調整するという方法。
もう1つはもうシンプルにどちらか一方に加入するという選択加入という方法があります。
重複加入については右の方にありますけれども、幾つか課題があります。
1つは加入者にとってみますと掛金を二重に払わないといけないということになり、掛金負担が増加することになります。
それから補てん金の二重払いとならないように調整が必要なのですけれども実務的に難しいという部分があります。
先ほどの畜産の4対策につきましては販売価格だけではなくて生産コストも見ていると説明しましたが、この切り分けができないという実務的な課題があります。
それから他の類似制度につきましても支払時期が収入保険制度で想定している補てん金支払時期より後にくるというのもあります。
そういった場合はその調整が難しいというのがあります。
従いまして選択加入が考えられるということでございます。
次のページにいきまして、選択加入の場合でも別の課題がございます。
類似制度のうち先ほどの畜産の4対策につきましては販売価格と生産コストに着目して補てんをする仕組みでございまして、このような類似制度につきましては重複加入とする場合は補てん金を分解して収入減 収分だけを抜き出すということは困難ですのでこれは調整ができないということになります。
一方で畜産の4品目を見ますと、右側に表がありますけれども、その複合経営が多いです。
米、野菜関係の複合経営が多い状況でございます。
こういった畜産品目をやっている複合経営の方々がマルキン等の類似制度を選択するとなりますと、米・野菜・耕種農業につきましては、収入保険制度に加入できなくなる、セーフティネットが十分に効かな くなるといったところが課題となっておりますので、この辺についてどうしていくのかということでございます。
それから29ページにありますけれども、実施主体について書いてございます。
収入保険制度につきましては4つの要件を備えておく必要があると思っています。
青色申告者を対象にしておりますので地域ごとに偏在するのではないかなと思っています。
従いまして、母集団の安定確保、危険分散という理由からいきますと、全国をカバーできる事業エリアを持っていることが必要だと思っております。
それから収入減少の補てんでございますので、農産物の価格形成とか販売そういったものに関わっていらっしゃるところですと問題があります。
中立的な立場で事業を実施できることが必要でございます。
それから、保険、農業に関する知識が必要ということで、この4つの要件を備えているところを見ながら調整していく必要があると思っております。
それから30ページです。
収入保険も、ドーンと大きい災害があったときに支払が大きくなる可能性があります。
現行の農業共済も漁業共済もそうですけれど、責任の一部を政府に転嫁する政府再保険というのが措置されておりますのでこういうものも収入保険でも検討していく必要があると考えてございます。
それから参考資料の4をご覧いただきたいと思います。
収入保険制度の趣旨を書いております。
農業の成長産業化でございますけれども、農業者が自由な経営判断に基づいて経営を発展できるようにするため、収入の予期せぬ減少が生じた場合に品目の枠にとらわれずに収入全体を見て総合的に対応し得 るセーフティネットを整備するというのがこの制度の趣旨でございます。
あらゆる品目を対象とすることによってリスクの大きい品目から他の品目へ切り替えるということができます。
そういった場合でもこの収入保険というのはカバーできるということでございます。
2つ目の丸ですけれど、事業化調査の経営体をモデルとしていろんなケースを想定して試算をしますと、一般論でございますけれども現行の農業共済の対象となっていない、十分なセーフティネットが措置され ていなかった野菜などの生産、販売とか複合経営に取り組む場合にメリットが大きいと思っております。
3つ目でございますけれども、これまでの品目別対策というのは、先ほどナラシ対策の説明をしましたけれど地域データを活用して補てん金を算定するという仕組みでございまして、地域全体に被害が発生して いないと補てんがでません。
自分は被害が出ているのだけど周りに変化がなければ補てんは出ないということでしたけれども、収入保険は個人の収入に着目しますので個々の事情に対応したセーフティネットになるというところがこれま での制度との違いかなと思います。
以下2ページ以降はそれぞれ営農ごとに補償を紹介しているところでございます。
紹介しますと野菜経営が2ページにありますけれど、実際事業化調査で白菜、スイカ、ショウガ、ばれいしょ、ごぼう、水稲をこれだけの面積を作っていらっしゃる方がいらっしゃいました。
全ての作物で3つのパターンを整理しています。
1つは収量が2割減少して収入が2割減少、販売価格が2割低下して収入が2割減少、もう1つは収量はあったんだけど出荷が2割減少して収入が2割減少した場合の試算をしております。
収入保険制度は左側になりますけれど、いずれの収入減少の場合でも補てんがされる。
一方で現行制度の場合は、収量が2割減少の場合、白菜、スイカ、ショウガ、ばれいしょ、ごぼう、これらにつきましては農業共済の対象となっておりませんので補てんは出ません。
ナラシ対策が若干出ます。
こういった点で見ますと収入保険の方が有利ということになります。
価格が2割低下という場合も野菜は農業共済でそもそも対象となっておりません。
ナラシが若干出ます。
スイカはこれは対象となっているのですけど足切り2割の関係で出ません。
収入保険の方が有利であると。
それから収量があったけども出荷ができなかったという場合はこれは現行対策では全て対応できませんので収入保険の方が有利であると。
こういった点で収入保険の方が有利かなと思っております。
以上でございます。
ありがとうございます。

○前田課長
続きまして参考資料6をご用意ください。
農業災害補償制度の現状と問題点について説明をいたしたいというふうに思います。
ただいまの説明にございましたように収入保険制度の検討のきっかけと言いますのが現行の農業共済制度、農業災害補償制度が自然災害による収穫量の減少をターゲットにしており、価格低下等は対象外であ ること、それから対象品目が限定されているといった課題に対応するためということで検討が始まったものですから、収入保険制度の検討に合わせて当然この現行の農業災害補償制度をどのようにするのかと いうことも検討が必要になるものでございます。
1ページは概要ですので省略いたします。
2ページですけれども、この左側にありますように農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律の一部を改正する法律の附則の中で、収入保険の検討と併せて農業災害補償制度の在り方に ついて検討を加えるというようなことが明記されてございます。
3ページですけれども、主に論点を5つ挙げてございます。
収入保険制度のカバレッジによって農業災害補償制度がどのようになるのかということもそもそも論としてあるわけですけれども、例えば先ほど申し上げましたように収入保険制度の対象を青色申告者という 形にした場合には青色申告者以外の方々の災害対策というのは当然必要になりますので、現行の農業災害補償制度は存置しなければならないというふうに思っております。
ただそうは言いましても、農業者の減少や高齢化といった時代の変化に応じまして現行の農業災害補償制度についても議論すべき部分はあるのではないかと考えております。
順次論点についてご説明をいたします。
まず4ページですけれども、農作物共済の当然加入制の取扱いでございます。
現在、米、麦を対象にしました農作物共済につきましては一定規模以上の耕作を行う者は加入が義務付けられているということです。
この仕組みの背景といたしましては、昭和22年の制度導入当時、食糧管理法がございまして、米、麦については政府が全量買い入れ全量管理をし再生産を確保していたということとの裏腹の関係で、災害によ って米麦の農業者が受ける損失の補てんについても一律対応を行う必要があり当然加入という仕組みを設けていたわけでございます。
5ページをご覧ください。
しかしながら、お米につきましては生産者数それから生産金額これが随分減ってきております。
また食糧管理法につきましては平成7年に廃止されているなど当然加入制導入時から状況が大きく変化しているという事情がございます。
6ページをご覧ください。
麦につきましても同様の事情がございます。
7ページをご覧ください。
またリスクに対する備えでございますナラシとかマルキンといった他の経営安定対策につきましては、農業者が創意工夫を活かした経営を展開することができるよう全て任意加入制となっている事情もござい ます。
8ページをご覧ください。
現在の水稲共済につきましては当然加入制を採っていることからも1ヘクタール未満の耕作規模の者が約8割を占めておりまして、これが事務コストが大きくなっている要因にもなっております。
参考ですけれども、[5]のところに現在の水稲共済の未納状況、というのは、残念ながら当然加入制の下でも掛金の未納者というのがいらっしゃいまして、1.5パーセントという状況になっております。
これは同じ義務的な制度かつ罰則は無いという同様の制度でございますNHKの受信料の未払率、これが23.4パーセントというのに比べましても農村地域ではこの制度は根付いているというふうに考えております 。
9ページをご覧ください。
以上のようなことを踏まえまして、当然加入制についてどのような取扱いにする必要があるのかということについて検討課題というふうに考えております。
続きまして10ページをご覧ください。
農作物共済、畑作物共済、果樹共済の引受方式の取扱いについての論点でございます。
この3つの共済につきましては補償単位つまり、ほ場単位で補償するか農業者単位で補償するかという単位、それから損害評価方法、これは現地で調査を行うかそれとも出荷資料によって評価を行うかという違 いによりまして複数の引受方式が定められており、その中から農業者が選択をして加入ができるということになっております。
代表的な引受方式としましては一筆方式、半相殺方式、それから全相殺方式がございます。
12ページをご覧ください。
今申し上げました引受方式のうち一筆方式、果樹の場合には樹園地単位方式と呼びますけれども、これにつきましては全ての被害ほ場の収穫量を現地で調査するため以下のような問題があるというふうに考え おります。
まず1つは多数の農業共済組合の組合員でございます農業者の方々に損害評価員として現地調査を行っていただいているところでありますが、農業者の減少・高齢化の中で次第にこの調査方式が難しくなってい るという事情がございます。
右に損害評価員の年齢構成というのがございますけれども、専業農家の方々の割合が段々減ってきて兼業農家の方が損害評価に行くというようなことも増えてきております。
13ページをご覧ください。
この一筆方式の問題点としまして、この方式であると事務コストがかかるものですから農業者の負担する賦課金が共済掛金と比べて割高になっております。
右の表をご覧いただきたいのですけれども、この農作物共済の水稲共済では引受方式の中で79パーセントがこの一筆方式というのを選択しております。
それが故に、この事務費賦課金が328円に対しまして、補てんの原資に使われます共済掛金が318円と、事務費の方が掛金を上回っている状況になっております。
それからこの一筆方式につきましては補償単位がほ場ごとになっております。
従いまして農業者の経営全体の収穫量の減少をカバーするものにはなっていないことから、経営安定の面からは十分な補償とならない場合もございます。
15ページをご覧ください。
また他のいろんな制度を見ますと、例えばナラシとかアメリカの収量保険の一部におきましては地域の統計単収といった客観的指標を用いることによって現地調査を行わず損害評価を効率的に行っているよう な事例もございます。
16ページをご覧ください。
今度は一筆方式のテーマから少し変わりまして果樹についての、特定危険方式についての論点でございます。
果樹共済におきましては、特定の自然災害による損害のみを補償対象とすることによって掛金負担を抑える特定危険方式というものがございます。
具体的には右にありますように、暴風雨だけ補償する、ひょう害だけ補償する、凍霜害だけを補償するコースを選べることになっております。
一方この方式につきましては、[1]にございますように、収穫量の減少が対象とする自然災害によるかどうかを判定する必要がありますので事務コストが大きくなっている事情がございます。
また[2]にございますように、補償対象外の自然災害によって被害を受けてしまったというような事例も増えてきておりまして、右の表にありますように例えば平成25年9月の青森県のりんご被害では特定危険 方式を選んでいたがために水害一般に対しては補償がされなかった、それが1000人いらっしゃったというような事例もございます。
それからまた次の論点といたしまして(5)、農作物共済につきましては、農業者が掛金負担を勘案して補償金額を選択できるよう補償割合を3段階設定し、その中から選択をするということができる仕組みに なっておりますが、畑作物共済と果樹共済については補償割合が1種類しか定められていないと、選択の余地がないという事情がございます。
以上のようなことを踏まえまして、引受方式の取扱いについて検討していく必要があるのではないかというふうに考えております。
続いて17ページをご覧ください。
家畜共済の取扱いについて大きく5つ論点を提示させていただいています。
まず(1)は死廃事故と病傷事故の取扱いであります。
先ほどご説明いたしましたように、家畜共済はアにあります家畜が死亡・廃用となった場合に1頭ごとの資産価値を補てんする補償と、イの家畜が疾病・傷害を負った場合にその診療費を補てんする補償の2つ がセットで補償されるという形になっております。
しかしながら[2]にありますように、現在の補償の仕組みでは農業者が一方の補償のみを選択するということが原則できない仕組みになっております。
また、死廃事故と病傷事故でそれぞれ別々の補償金額を選択することができないと、2つが連動しているということになっておりますので、死廃事故と病傷事故をセットで補償する現在のこの仕組みについて、 どうすべきかということについて論点というふうに考えております。
18ページをご覧ください。
(2)死廃事故におけます家畜の資産価値でございます。
ご案内のように家畜については、肥育牛のように日々成長するにつれて資産価値が増加していく言わば棚卸資産的家畜と、搾乳牛や繁殖牛のように期間が経過するにつれて資産価値が減少していく言わば固定 資産的家畜に大きく大別されます。
現在の家畜共済の補償金額はこのいずれにつきましても共済掛金期間つまり1年間の期首に、期首の資産価値を用いて設定されております。
このため、肥育牛などの棚卸資産的家畜につきましては共済掛金期間の途中に家畜が死亡した場合に、期首から死亡時までの価値の増加分が補償されないという形になっております。
19ページをご覧ください。
一方、搾乳牛などの固定資産的家畜につきましては、例えば固定資産といいますと税制度の仕組みが一般的にございますが、税制度では固定資産は全国統一的に固定資産としての計上時期が定められ1年経過す るごとに減価償却を行っていくという仕組みになっておりますが、現在の家畜共済では各県ごとの事情に応じまして資産の減額開始時期などが定められ、そのときの市場価格などに基づいて資産価値を設定す ることになっておりまして税制度とは整合はしていないところでございます。
以上のようなことを踏まえて、家畜の資産価値の評価の仕方について検討していく必要があるのかどうかということについても論点というふうに考えております。
20ページをご覧ください。
(3)包括共済の事務の簡素化というテーマでございます。
家畜共済では事故が発生しそうな家畜だけを選んで加入するという逆選択を防止するために、加入するのであれば全頭加入するという包括共済が義務づけられております。
このために、牛、馬、それから種豚につきましては家畜が異動する、つまり増えるとか減るという度に農業者は農業共済組合に申告をしなければならない。
また農業共済組合は異動した家畜を確認しなければならない。
その結果、共済価額つまり家畜の資産価値の合計金額を変更するというような手続きが行われております。
また共済掛金を追加それから返還というような手間は省きたいが故に、付保割合を自動的に増減させるという仕組みを取ってございます。
この結果、農業者と農業共済組合に申告や確認の多大な労力と事務負担が生じていると共に、同じ価値の家畜でありましても死廃事故の発生時点の付保割合が幾らだったかによりまして共済金の支払額に差が 生じるという状況になっております。
21ページをご覧ください。
他方、家畜の異動につきましては、肉豚についてはあらかじめ月ごとに飼養予定頭数を農業者に申告させるといったことによって事務を簡素化する仕組みが既にございます。
また掛金につきましても分割払いの仕組みが農業共済でも一般的に行われていることから考えましても、共済価額が増減する度に追納・返還を行う必要はなく事後的に共済掛金を調整すれば問題はないという ようにも考えられます。
以上のようなことを踏まえまして、この事務の簡素化について検討していく必要があるのではないかというふうに考えております。
22ページをご覧ください。
(4)再保険の支払方式でございます。
農業共済につきましては共済金の支払に支障が生じないよう国の再保険が措置されているわけでありますけれども、農作物、畑作物、果樹、園芸施設の4つの共済につきましては、右の上の図にございますよう に共済金の支払が1年間の共済団体の支払責任を超えるような場合に国が再保険金を支払うという仕組みをとっております。
一方家畜共済だけについては、右の下の図にございますように共済事故が1件起こる度に共済金の半分を国の再保険金で負担するという仕組みになっております。
このため再保険金の請求それから支払の事務が年間約300万件発生し共済団体と国の事務負担となってございます。
このようなことを踏まえて、再保険金の支払方式についても何らかの検討が必要ではないかというふうに考えております。
23ページをご覧ください。
(5)家畜の事故低減のインセンティブ対策でございます。
家畜共済のうち病傷事故の補償すなわち診療費に対する補てんにつきましては現在初診料については農業者が全額負担、一方初診料以外の診療費につきましては一定の支払限度額までは共済金で全額補償とい う仕組みになっております。
24ページをご覧ください。
こうした中、病傷事故の発生率につきましては右の下のグラフにありますように横ばい傾向にございまして、事故低減に向けた取り組みを今後促していく必要があるというふうに考えております。
23ページの右の下の図にございます人の健康保険では初診料を含めた診療費全体の3割に自己負担を設けることによって診療費の抑制を図るというような仕組みもございます。
このようなことを踏まえて、事故低減のインセンティブ対策について家畜共済についても検討していく必要があるのではないかというふうに考えております。
25ページをご覧ください。
4番目の論点でございます無事戻しの取扱いでございます。
農業共済においては、過去3年間の共済金の支払額がご自身の負担した掛金の一定金額を下回るような農業者に対しては掛金の一部を払い戻すことができる無事戻しという仕組みがございます。
この無事戻しにつきましては共済掛金の掛け捨て感を緩和するのに寄与しているところでございますけれども、これはそもそも共済組合に積立金がなければ実施はされませんし、また積立金があっても共済組 合の判断によって実施するかどうかが決まるものですから、一定のルールに基づいて翌年以降の掛金の引下げにつなげた方が分かりやすい、事故低減のインセンティブにつながるといった声もございます。
それから漁業共済におきましても無事戻しの仕組みが措置されておりますが、漁業共済では無事戻しを行う場合は漁業者と国の双方に払い戻しをしている一方、農業共済では国の掛金2分の1補助があるにも関 わらず農業者のみに払い戻しを行うことになっております。
このようなことを踏まえまして、無事戻しの取扱いについて検討する必要があるのではないかというふうに考えております。
最後26ページから運営組織の在り方についての論点でございます。
農業共済につきましては各地域に設立されました農業共済組合又は市町村が事業主体となって運営されており、組合の中でリスク分散を図ることが基本になっております。
また組合の共済金の支払金額が多額となるような大災害に備えまして、都道府県ごとの連合会それから政府が保険それから再保険を行っているところでございます。
27ページをご覧ください。
しかしながら現在の運営組織につきましては組合が地域ごとに設立されておりますことから、(ア)にございますように農業者が減少する中、十分な保険母集団が確保できなくなってきているという事情がご ざいます。
28ページをご覧ください。
(イ)にございますように東日本大震災それから平成26年の雪害のように損害が広域的かつ甚大に発生するリスクも高まっておりリスク分散にならない場合がございます。
29ページをご覧ください。
農業者の減少に伴いまして組合員が組合に納めます賦課金収入も減少し事業運営が厳しくなっている組合もございます。
30ページをご覧ください。
共済の実施品目につきましては法律上いろいろな対象品目が定められているわけですけれども、実際に各組合でどういう品目を実施するかは各組合の判断で決定することになっておりまして、地域によっては 生産がされているにも関わらず実施されていない品目があり補償を受けられない農業者が存在しているという事情がございます。
具体的には31ページをご覧いただきたいのですけれども、例えば左上のたまねぎについては全国の作付面積1位から5位までの県を並べておりますが、1位の北海道はたまねぎについての畑作物共済を実施してお りますけれども、2位の佐賀県以下につきましてはたまねぎについての共済を実施しておりません。
また左下のお茶につきましても1位の静岡県は実施しておりますが、2位の鹿児島県、3位の三重県などでは実施しておりません。
32ページをご覧ください。
共済掛金については各組合ごとに組合内で農業者同一の掛金にするか農業者ごとの危険段階別に設定するかを選択することができることになっておりますが、この危険段階別の掛金率の導入は全体の2割程度と 十分に進んでおりません。
32ページの右下にありますとおり、同一の掛金にした場合には例えば事故の多い方、少ない方の公平性の確保、それから被害の低減に努力した場合でも掛金負担が変わらないことによる事故低減のインセンテ ィブというような面で課題があるのではないかというふうに考えております。
34ページをご覧ください。
また農業共済団体では統一的な内部統制が行われていないことからガバナンスが不十分になっている事情がございまして、残念ながら例えば平成21年度の獣医師の架空診療、平成26年度の不必要な固定資産の 取得、平成26年度の収穫量の意図的な減少等々の事案について十分なチェックが働かなかったというような事例もございます。
最後に35ページをご覧ください。
農業共済団体の運営費には多額の国費また組合員の賦課金が投入されておりますので更なる事務コストの効率化や合理化が必要になっていると思っております。
以上のようなことを踏まえて、運営組織の在り方について検討していく必要があるというふうに考えております。
以上です。

○藤井部会長
ありがとうございました。
膨大な資料でしたが、今の説明についてご意見・ご質問お願いします。

○伊藤委員
何年か前にこの会議で収入保険を検討した方がいいだろうと発言しました。
今まだ検討中ということでどうなるか分からない。
ただ、農業共済制度も随分変わって来るんだろうと思います。
それでもし分かっていれば教えてほしいことが一点あります。
収入保険の19ページ、参考資料3に、収入保険のフィージビリティスタディの収入減少発生頻度の試算があります。
サンプル4千のうち3千は個人経営とのことですが、どういった経営が9割を上回ったり乃至は基準収入の7割を下回っているのか、その特徴が分かる資料があれば教えていただきたい。
それと、収入保険のメリットについて参考資料4に整理されていますが、メリットがあるということは当然デメリットもあるわけで、収入保険のデメリットはどのように整理されているか、教えていただけれ ばと思います。
いずれにせよ、アメリカの例も出ていましたが、収入保険について先行的に取り組んでいるアメリカにおいても収入保険で全てをカバーできる状況にはまだまだない。
このため日本でも、農業共済と収入保険の併用ということがしばらく続くのではないかと考えています。
ただ、収入保険はあくまでも保険であって、そこには農業災害補償法の根本にある互助、農家同士が助け合うという精神はない。
そういったところが本当にいいのかということを、収入保険の検討の中でもう少し議論していただきたいと思います。
これはコメントです。
以上です。

○窪山室長
ありがとうございます。
1点目の収入減少の頻度の違いの関係ですけども、この表上は全体を集計した結果を出しております。
最後、事業化調査の結果を報告する際に、どういった形で報告できるかというのは今後検討していきたいと思っております。
特徴だけ言いますと、24年、25年、26年と見ていきますと、26年のところで基準収入の9割を下回っている経営体の割合がちょっと高くなって32パーセントになっているんですけど、これは米の販売価格が下が ったというところが主な要因になっているようです。
そのぐらいが今の状況でございます。
それからデメリットの整理というのはやっておりません。
現行制度に比べてどういった効果が出てくるのかというところを今は勉強しているところでございます。
あとは収入保険制度を新しく創設しますと、経営者によってどの対策を選択するかというのは経営判断があると思います。
農業災害補償制度が現行ありますのでそれが災害対策であり、農業災害補償制度を選択する方もいらっしゃるでしょうし、収入全体というところで収入保険を選択する方も出てくると思いますので、そこはケ ースバイケースかなと思っているところでございます。
以上です。

○藤井部会長
他にご意見、ご質問。

○佐藤委員
岩手大学の佐藤です。
参考資料の3と6ですか良く理解できました。
ありがとうございました。
1点だけなのですけれど、収入保険が実際にできあがって制度設計ができて実際に農家の方々が利用する時期と、農災制度の資料6ですねいろいろな課題があるというお話しをいただきましたけれども制度改正 というのかな、それが同じスケジュールで進むのかどうかというところを確認させていただきたいのですけれども。
この資料からすると同時期は難しいのかなという気はしたのですが、そのスケジュールですねその辺はどうのように見込んでらっしゃるのかなということを現状で何か見込みがあれば教えてください。

○窪山室長
はい、ありがとうございます。
収入保険制度の導入と農業共済制度の見直しは一体的に議論を進めています。
取りまとめもこれは関係するものですので一緒に取りまとめをしていくという方向でやっておりますので、その後の導入に向けた準備段階、整理段階についても並行で進めていって開始の時期はセットででき るようにしたいと思っています。

○佐藤委員
ありがとうございます。
先ほどの説明をお伺いしてちょっと心配していた、先ほどの互助の精神という農災制度の根本の話しがございましたけれど、もう1つ再生産、組合員の人が再生産をする、していくというような制度設計があっ たと思うのですが、その辺が収入保険制度だけでは大丈夫なのかなと思っていたら、あとで農災制度も形を変えて存続する可能性が高いというお話しをいただいたのでそれは安心したのですけれども、是非組 合員の方々にとって或いは国にとって良いような制度設計をしていただきたいというふうに考えます。
コメントです。

○藤井部会長
他に。

○古谷委員
個人的な、お話しを聞いた上での印象なんですが、収入保険の方で自然災害の損害ですとか病気の部分もカバーできるということであれば、将来的には現在の農業共済での災害補償の制度というのは縮小し ていくのではないのかなと思います。
というのは、実際に農業者が制度を利用したいと思ったときに農業共済制度の方は非常に細分化されて判断が難しかったという印象があります。
なんだか分からないけれども収入保険だったら全てのものをカバーしてもらえるんだったらこっちの方が分かりやすくていいかなと、一般の感覚というのはそういうものじゃないのかなという気がしています 。
ですので、理念も大切ですが、実務者が何を選択するのかというところも少し考えておけばいいかなと思います。

○前田課長
貴重なご意見ありがとうございました。
先ほど申し上げましたように収入保険制度のカバレッジによって農業災害補償制度がどのようになるのかということが大きく影響してくると思います。
ただ、収入保険制度について今のところ制度の検討の方向になっております例えば青色申告者ということになると、災害対策として現在の農業災害補償制度は存置させなければならないというふうに考えてい ます。
で、その後ですね、いろんな状況が進んでいく中で果たして農業災害補償制度を将来的にどのようにしていくのかというのはもちろん引き続き検討していきたいというふうに思っております。
なお、少し細かな話しなのですけれど、今の農業災害補償制度の中でも、例えば家畜共済の病傷事故に対する補償、これは収入保険制度の補償とは被らないのでその部分についてはきちんと残しておかなけれ ばいけないとか、園芸施設共済、施設についての災害ですね、そのようなものも被りませんので、必ずしも収入保険制度だけで農業災害補償制度が今果たしている機能がカバーできるかどうかというと、それ についてもよく検討しなければならないというふうに思っております。
以上です。

○藤井部会長
他に。
では私から1点。
最初に説明された29年の通常国会というと開会は来年の1月半ば頃ですよね。
もう最後の段階なんですかね、スケジュール的には。

○窪山室長
はい。
最後の段階というか来年の通常国会に向けて準備を進めてまいります。
法律の提出期限というのは2月か3月とかになってきますので、取りまとめを進めながらですねこれから鋭意法律の方を詰めていって、間に合わせるということでやっていきたいと思います。

○藤井部会長
では何とか間に合いそうな、来年の通常国会に乗せるというスケジュールは変わっていない。

○窪山室長
そういう予定で考えております。

○藤井部会長
分かりました。
他に。
それでは大体出尽くしたようですので、時間も予定時間に達していますので、本日の予定事項はすべて終了したということで進行を事務局にお返しいたします。

○窪山室長
藤井部会長、どうもありがとうございました。
また委員の皆様方もお忙しいところをご参集いただき、ありがとうございました。
今後の日程でございますけども、先ほど資料4の方でスケジュールを確認させていただきましたとおり11月21日及び11月22日に家畜共済小委員会を開催させていただきまして、その後12月16日に再度農業共済 部会を開催してご審議いただくという方向で部会長と相談の上、進めさせていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
その他連絡事項等はございませんので、以上をもちまして本日の農業共済部会を閉会させていただきます。
ありがとうございました。

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