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農林水産省

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平成30年度 第1回 農業保険部会(平成30年5月30日)

1.日時及び場所

平成30年5月30日(水曜日)15時30分~17時20分
農林水産省 本館4階 第2特別会議室

2.議事

(1)農作物共済の共済掛金標準率の算定方式の考え方について

(2)農業経営収入保険の保険料標準率の算定方式の考え方について

3.概要

15時30分   開会

松澤技術総括
それでは定刻となりましたので、食料・農業・農村政策審議会を開催したいと思います。私は本部会の事務局を担当しております経営局保険課技術総括の松澤でございます。よろしくお願いいたします。農林水産省では節電対策や地球温暖化防止に資するためにクールビズの取組を実施しておりますので、本日の部会は軽装にて開催させていただきます。
それでは始めに、委員の皆様を御紹介させていただきます。部会長の中嶋委員でございます。

中嶋部会長
中嶋です。よろしくお願いいたします。

松澤技術総括
栗本委員でいらっしゃいます。

栗本委員
栗本です。よろしくお願いします。

松澤技術総括
佐藤ゆきえ委員でいらっしゃいます。

佐藤(ゆ)委員
佐藤です。よろしくお願いします。

松澤技術総括
染谷委員でいらっしゃいます。

染谷委員
染谷です。よろしくお願いします。

松澤技術総括
前田委員でいらっしゃいます。

前田委員
前田です。よろしくお願いいたします。

松澤技術総括
続きまして臨時委員の御紹介です。伊藤委員でいらっしゃいます。

伊藤委員
伊藤です。どうぞよろしくお願いします。

松澤技術総括
鴻上委員でいらっしゃいます。

鴻上委員
鴻上です。よろしくお願いします。

松澤技術総括
佐藤繁委員でいらっしゃいます。

佐藤(繁)委員
佐藤です。よろしくお願いいたします。

松澤技術総括
今年の4月27日に新たに臨時委員をお引受けいただくことになりました浜野委員でいらっしゃいます。

松澤技術総括
今年の4月27日に新たに臨時委員をお引受けいただくことになりました浜野委員でいらっしゃいます。

浜野委員
浜野です。よろしくお願いします。

松澤技術総括
古谷委員でいらっしゃいます。

古谷委員
古谷でございます。よろしくお願いします。

松澤技術総括
堀田委員でいらっしゃいます。

堀田委員
堀田です。よろしくお願いします。

松澤技術総括
本日は当部会の委員、臨時委員合わせまして11名全員の方に御出席をいただいております。所属委員の3分の1以上の出席がございますので、食料・農業・農村政策審議会令第8条第1項の規定に基づきまして本部会が成立しておりますことを御報告いたします。
次に農林水産省の出席者を紹介させていただきます。まず德田経営局担当参事官でございます。

德田参事官
德田です。

松澤技術総括
前田保険課長でございます。

前田保険課長
前田です。よろしくお願いします。

松澤技術総括
小林保険管理官でございます。

小林保険管理官
小林でございます。よろしくお願いします。

松澤技術総括
窪山保険課農業経営収入保険室長でございます。

窪山室長
窪山です。よろしくお願いします。

松澤技術総括
白江保険課課長補佐でございます。

白江課長補佐
白江です。よろしくお願いします。

松澤技術総括
土屋保険課課長補佐でございます。

土屋課長補佐
よろしくお願いいたします。

松澤技術総括
次に議事の運営でございますけれども、食料・農業・農村政策審議会議事規則第3条第2項によりまして、審議会は公開が原則となっております。本日の部会につきましてもこれまでと同様公開となります。議事録等につきましても公開することになっておりますので、御了承ください。御発言をされる際は挙手をしていただき、お手元のマイクでお願いいたします。また、本日の部会からペーパーレスにより実施させていただいております。お手元のタブレットを用いて資料を御覧ください。簡単に使い方を御案内させていただきます。まず、タッチペンの先端側にあるボタンを押して電源を入れてください。次にタブレットの画面上方にあるタブがございまして資料番号が載っておりますが、これを御覧になられる資料のタブをタッチペンでタッチしていただきたいと思います。そうしますと画面左側のしおりにその資料のページ一覧が表示されますので、何ページというふうに説明者が申し上げた時にはそのページ番号をタッチしていただきますと、該当ページが御覧いただけるようになります。御不明な場合は、審議の途中でも結構ですので、お近くの事務局員にお声掛けいただくようお願い申し上げます。また、資料につきましては、正面のスクリーンにも映しておりますので、こちらで御覧いただいても結構でございます。
それでは、これ以降の司会の進行につきましては、中嶋部会長にお願いすることにいたします。中嶋部会長よろしくお願いいたします。

中嶋部会長
部会長の中嶋でございます。よろしくお願いします。それではまず初めに農林水産省から德田参事官より御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

德田参事官
経営局を担当しております大臣官房参事官の德田でございます。よろしくお願いいたします。食料・農業・農村政策審議会農業保険部会の開催に当たりまして一言御挨拶申し上げます。委員の皆様におかれましては御多用のところ御参集いただき誠にありがとうございます。厚く御礼申し上げます。
さて、御案内のとおり農業災害補償法の一部改正法が本年4月1日に施行されました。法律名が農業保険法となりこの部会も名称が農業保険部会となっております。
新たな収入保険及び見直し後の農業共済が平成31年1月からスタートすることになりました。ただし、麦の作付けが早いため農作物共済は平成31年産から引受けすることになっております。
御案内のとおり農業共済は自然災害による農作物の収量減少等の損失を補塡するものでございます。また収入保険は品目の枠にとらわれず、自然災害による収量減少に加えまして価格低下なども含めた収入減少を幅広く補塡するものなっております。いずれも保険の仕組みを取っており農業者の経営安定を図るとともに、制度の適切な運営を確保する観点から、農業者が納付いたします共済掛金及び保険料の算定の基礎となる標準率をどのように設定するかが要となります。
本日は農林水産大臣から、一つは「農作物共済の共済掛金標準率の算定方式の考え方について」、もう一つは「収入保険の保険料標準率の算定方式の考え方について」、諮問がなされております。委員の皆様におかれましては忌憚のない御意見を賜り、御審議の上、答申をいただきますようよろしくお願い申し上げます。
最後に、今後とも農業保険制度の発展に御支援・御協力を賜りますようお願い申し上げて私の挨拶とさせていただきます。本日はよろしくお願いいたします。

中嶋部会長
ありがとうございました。それでは会議次第の3番目「農業保険部会の所掌事務等について」に移りたいと思います。まずは事務局から説明をお願いいたします。

前田保険課長
保険課長の前田でございます。まず資料4を御覧ください。農業保険部会の所掌事務等について御説明させていただきます。御案内のように「農業災害補償法の一部を改正する法律」が本年4月1日に施行され、法律の名称が農業災害補償法から農業保険法に改称されるとともに、従来の農業共済に加え、農業経営収入保険いわゆる収入保険が新たに導入されることになりました。これを踏まえ、従来農業共済の掛金率等について御審議いただいておりますこの農業共済部会につきまして、まず1点目としまして所掌事務に収入保険に関する事項を追加するとともに、2点目といたしまして部会の名称を農業保険部会に改正することといたしました。これにつきましては去る5月16日に食料・農業・農村政策審議会が持ち回りで開催され決定をされておりますので御報告いたします。
続きまして資料5を御覧ください。料率見直しのスケジュールについて御説明させていただきます。ただいま申し上げましたとおり農業災害補償法が改正され、新たな収入保険それと農業共済の見直しが平成31年1月、ただし農作物共済は平成31年産からスタートすることになりました。農業保険法に基づきまして、農業共済における農作物共済、家畜共済、果樹共済、畑作物共済及び園芸施設共済の料率につきましては従来どおり3年ごとに改定することとされ、新たな収入保険の料率についても3年ごとに改定することとされております。また改定に当たりましては農業保険部会において御審議いただくこととしております。
さて本年度、平成30年度につきましては、果樹共済と畑作物共済の一般改定期に当たりますとともに、農業共済の全事業について制度見直しに伴います料率の改定、さらに、新たな収入保険について料率の設定を行う必要がございます。そこで本日の部会におきましては、引受時期が本年秋からと早い麦を含みます農作物共済と収入保険について御審議いただくこととし、農業共済のその他の事業につきましては、果樹共済と畑作物共済の直近年のデータを収集の上、11月頃に御審議いただく予定でございます。すなわち本年度は本日を含め2回の開催とする予定でございます。説明は以上です。

中嶋部会長
ありがとうございました。ただいまの説明につきまして何か御質問等ありますでしょうか。よろしいでしょうか。部会の名称も変わったということですが、どうぞよろしくお願いします。
それでは会議次第の4「議事」に移りたいと思います。本日付けで農林水産大臣から諮問がございました「農作物共済の共済掛金標準率の算定方式の考え方」及び「農業経営収入保険の保険料標準率の算定方式の考え方」について調査審議を始めたいと思います。
まず、「農作物共済の共済掛金標準率の算定方式の考え方」について、制度の概要を含めて事務局から説明をお願いします。

前田保険課長
それではまず資料7をお開きください。農業共済制度の概要等につきましてポイントを御説明いたします。まず左上の「制度の目的」にございますとおり法律の名称は農業保険法に変わりましたが、従来どおり農業者の経営安定を図るため自然災害等による収穫量の減少等の損失を補塡することを目的としてございます。「制度の仕組み」といたしましては保険の仕組みを用いまして、農業者があらかじめ掛金を出し合って共同準備財産を造成し、被害が発生した場合にはその共同準備財産から共済金を支払うこととしております。「共済事業」といたしまして対象品目ごとに5つの事業が用意されており、本日の部会では表の一番上の農作物共済の掛金率について御審議いただきます。右上の「事業運営体制」を御覧ください。まず農業者が各地域の農業共済組合に共済掛金を支払いまして、被害を受けた場合に共済金が支払われることになります。また共済金の支払が多額となるような大災害に備えまして、都道府県ごとの連合会、更に政府が支払責任を分担する、保険、再保険を行ってございます。具体的には農業者が支払う共済掛金の一部をあらかじめ保険料、再保険料として徴収し、甚大な被害が生じた場合に保険金、再保険金が支払われることになります。なお図の右の方でありますけれども、農業共済組合は組織の強化等を図るため合併を進めてきてございまして、1県1組合となった32の都府県におきましては連合会がなくなり、いわゆる2段階制になってございます。
続いて資料の2ページを御覧ください。農作物共済の概要でございます。まず左の1の「共済目的」は、水稲、陸稲、麦の3つでございます。右の上にまいりまして4の「引受方式」を御覧ください。以下の5つの補塡の方式が用意されてございまして、農業者が加入時に選択することになります。まず1番上の全相殺方式につきましては、農業者ごとに、収穫量の合計が、農業者があらかじめ選択する支払開始損害割合を超えて減少した場合に共済金を支払う方式でございます。2つ目の半相殺方式につきましては、農業者ごとに、被害耕地の減収量の合計が支払開始損害割合を超えた場合に共済金を支払う方式でございます。3つ目の地域インデックス方式につきましては、農業者ごとに、統計データによる収穫量が支払開始損害割合を超えて減少した場合に共済金を支払う方式でございます。4つ目の災害収入共済方式につきましては、農業者ごとに、減収または品質の低下があり生産金額が補償割合を下回った場合に共済金を支払う方式でございます。最後の一筆方式につきましては、耕地ごとに、収穫量が支払開始損害割合を超えて減少した場合に共済金を支払う方式でございます。このうち、今回の制度見直しによりまして、一筆方式これは被害耕地の全筆を、現地調査を行って損害評価する方式でございますけれども、現地調査に携わっておられる農業者の減少などにより将来に向けてこの方式を継続していくことが困難な状況にありますことから、平成33年産までで廃止することにいたしました。また地域インデックス方式これは地域の統計データを用いて損害評価を効率的に行う新たな引受方式でございますけれども、これを今回追加したところでございます。また米印の2の一筆半損特約ございますけれども、これは収穫量が目視で50%以上減少した耕地があると認められる場合に50%減収と端的に評価をいたしまして共済金を支払う特約でございまして、これを農業者はオプションで付けることができることにいたしました。これは今回の制度見直しで一筆方式は廃止するものの、耕地ごとの補塡という一筆方式のメリットを他の引受方式でも受けられるようにしたものでございます。
続きまして3ページを御覧ください。左の6の「共済金額」でございます。共済金額とは損害が発生したときに組合が支払う共済金の最高限度額でございまして、引受方式ごとに、例えば1の全相殺方式であれば、農業者ごとに、基準収穫量の9割若しくは8割若しくは7割に単位当たり共済金額を乗じて設定するというようなことになってございます。右の7の「共済掛金」を御覧ください。農業者が支払う共済掛金につきましては、ただいま申し上げました共済金額に共済掛金率を乗じて算定される金額となります。米印の1にございますとおり、共済掛金には水稲であれば50%、麦であれば55%といった国庫補助がございます。また米印の2にございますように、共済掛金率については、この後御審議いただきます農林水産大臣が定める共済掛金標準率を基礎といたしまして、組合が危険段階別に共済掛金率を設定し、それぞれの農業者には被害の発生状況に応じた危険段階区分の掛金率が適用されることになります。従来は、組合内で同一の掛金率とするか農業者の危険段階ごとの掛金率とするかについては組合ごとの判断で決定することになっておりましたけれども、今回の制度見直しにおきまして、農業者の公平性の確保や事故低減の努力を促すといった観点からこの危険段階別掛金率に一本化したということでございます。
続いて4ページを御覧ください。8の「共済金」でございますが、これは引受方式ごとに、例えば1の全相殺方式、半相殺方式、地域インデックス方式及び一筆方式であれば、減収量から支払対象外部分いわゆる足切りを控除した部分につきまして共済金を支払うことになります。簡単ですが以上で制度の概要等の説明を終わります。

松澤技術総括
続きまして農作物共済の共済掛金標準率の算定方式についてご説明させていただきます。資料6には本日の諮問文が載っておりますけれども、これからご説明いたします資料8あるいは資料13の中に、左側に諮問文を全て貼り付けてございまして右側に解説文を書くという資料の構成にしておりますので、諮問文の御説明につきましては、この資料8あるいは資料13の中でさせていただきます。
それでは、まず資料の8をご覧いただきたいと思います。資料8を開いていただきまして1ページ目をお願いしたいと思います。1ページ目は「農作物共済の共済掛金標準率の算定方式の考え方」でございます。平成31年産の水稲、陸稲及び麦から適用する農作物共済の共済掛金標準率は、次により算定するとなってございまして、右の方を御覧いただきますと、共済掛金標準率は、従来からやっておりました農業災害補償制度における算定方式と同じというところでございます。過去一定年間の被害率を基礎としまして、組合等の積立金の水準に応じた調整を行って算定することとしております。括弧内の従来との違いという部分でございますけれども、これにつきましては、共済掛金標準率の設定区分としまして、先ほど保険課長からも話しがありました新たに付け加わります地域インデックス方式のもの、それから一筆半損特約の有り無しというものが追加されるというところでございます。
資料の2ページ目を御用意いただきたいと思います。資料2ページ目の「基礎被害率」という部分でございます。基礎被害率につきましては、共済目的の種類ごと、引受方式ごと、補償割合ごと、一筆半損特約の有無並びに組合等の区域ごとに直近20年間における各年の実績金額被害率を基礎としまして、必要に応じて修正を行ったものを各年の基礎被害率として設定するとしています。右の方を御覧いただきますと、農作物共済の共済掛金標準率は、共済目的の種類ごと、括弧書きでございますけれども、これを更に細分化した類区分ごとに設定いたします。それから、引受方式ごと、補償割合ごと、一筆半損特約の有無ごと並びに組合等の区域ごとに設定するとなっておりますので、被害率も下の表のようにこの区分ごとに整理をすることにいたしております。それから、2ページの右下を御覧いただきますと、直近20年間として平成9年産から平成28年産のデータを用いまして、各年の実績被害率を計算してございます。実績金額被害率は、支払われた共済金を共済金額で割ったものを使うことにいたしております。また、「必要に応じて修正を行う」ことにつきましては、引受実績のない引受方式につきましても、引受実績のある引受方式の被害率から換算しまして被害率を算定するということでございます。
3ページ目をお願いいたします。3ページ目は「農作物通常標準被害率」というタイトルで書いてございますけれども、これにつきましては、共済目的の種類ごと、引受方式ごと、補償割合ごと、一筆半損特約の有無ごと並びに組合等の区域ごとに設定することといたしておりまして、右の方を御覧いただきますと、農作物通常標準被害率とは、共済金額のうち比較的軽微な被害に対応する部分としまして、共済組合が支払う共済金の上限に対応するという部分でございます。それから、組合の事業運営の安定を確保する観点から、組合が一定の責任を有しつつも、組合の支払責任額のうち掛金収入で賄えない部分、言わば不足してしまう部分でございますけれども、こういった部分が過度にならないように所定の算定式によりまして、農作物通常標準被害率、q1と略称しておりますけれども、これを定めるというところでございます。下の方に図がございます。各年の被害率を20年間並べてまいりまして、通常標準被害率というラインを一定程度のラインで引くという形でございます。そこまでの部分につきましては、基本的に共済組合、一部県連がございますけれども、農業共済団体が全て責任を負うというラインでございます。
4ページ目をお開きいただきたいと思います。「共済掛金標準率1」ですけれども、共済掛金標準率につきましては、まず単位がございますけれども、共済目的の種類ごと、引受方式ごと、補償割合ごと、それから一筆半損特約の有無ごと、組合等の区域ごとに各年の基礎被害率のうち農作物通常標準被害率以下の部分の平均値を算定いたします。その算定しました平均値に対しまして、組合等の農作物共済に係る積立金の水準を踏まえました所要の調整を行ったものを通常共済掛金標準率といたします。右の方に図がございます。横が各年の被害率、基礎被害率を並べてまいりまして、先ほどの農作物通常標準被害率q1というラインで上下に切りまして、下の方に出てまいります、この青の部分のところを踏まえまして通常共済掛金標準率を設定していくという部分でございますけれども、各年の平均値だけではなくて、積立金の水準を踏まえました所要の調整を行いまして、このP1、通常共済掛金標準率を設定していくということにしてございます。この積立金の水準を踏まえました所要の調整につきましては、4ページ右下の方に記載してございますが、これは前回までに御審議願いました調整方法と同じと考えていまして、多くの共済団体に積立金が蓄積されておりますので、農家負担を軽減しながら国庫負担の軽減も図るというために、共済団体の積立金の水準に応じまして共済掛金率の引下げを行うというところでございます。
それでは、5ページ目をお開きいただきたいと思います。「共済掛金標準率2」と書いたページでございます。まず、共済目的の種類ごと、引受方式ごと、それから補償割合ごと、一筆半損特約の有り無し並びに組合等の区域ごとに異常共済掛金標準率を定めることとしております。資料の右の図を御覧いただきますが、先ほどの組合ごとの各年の被害率を並べたもので、農作物通常標準被害率以下の部分は、先ほどの計算で出ておりますので、この茶色の部分、通常標準被害率q1を超える部分の被害率につきまして、これを県単位の方にまとめてきましたもので算定をすることでございます。
続きまして資料の6ページ目をお開きいただきたいと思います。「共済掛金標準率3」と書いた部分でございます。右の図を御覧いただきながら、前ページと同じでございますけれども、農作物通常標準被害率q1を超える部分の被害率を県単位で集めてまいりましたものが、図の一番下に茶色の棒グラフになっている部分でございます。この棒グラフになった被害率部分につきましても、農作物異常標準被害率q2というラインで線を引かせていただいております。この線の下の部分が、団体の負担ということになりますけれども、各年の被害率の平均値をベースにいたしまして、それに積立金の水準を踏まえました所要の調整をこれについても行います。この部分で計算しました数字と、農作物異常標準被害率q2を超えてくる異常な部分の被害率の単純平均値、この2つの数字を合算したものが異常共済掛金標準率の算定基礎率P2’と右端に書かせていただいておりますけれども、こういった数字をまず作るという形になってございます。この数字につきましては、組合ごとの共済金額の合計金額の見込額と、組合ごとに危険の程度が違っておりますのでその危険の程度に応じましてこの算定基礎率を分解したものが、それぞれの組合ごとの異常共済掛金標準率P2という数字になってまいります。要は県単位で計算しました異常部分の被害率の平均的なものを各組合にもう一度戻しまして設定していく形になってございます。
7ページ目を御覧いただきたいと思います。資料7ページにつきましては、特定組合及び全国連合会と書いた部分でございますけれども、6ページでは、共済組合なり県の連合会があり、それから国があるという3段階制での説明でございましたが、7ページにつきましては、県域の特定組合それから国という2段階制での説明でございます。これにつきましても3段階制と基本的に同じでございます。7ページの右の図を御覧いただきます。3段階制で設定しました農作物異常標準被害率q2というラインが、この特定組合いわゆる県単位の組合につきましては、農作物通常標準被害率q1に相当いたしますので、これと同じラインで線を引く形になりまして、特定組合の場合は、端的にq1を超える部分の平均値が異常共済掛金標準率P2となってまいります。この図ではq1を超える部分の茶色のところの平均値が、その県の異常共済掛金標準率P2そのものになるという考え方でございます。
8ページ目を御覧いただきたいと思います。前ページまでで計算してまいりました通常共済掛金標準率P1と異常共済掛金標準率P2を合算したものが、共済掛金標準率の算定基礎率Pという数字になります。要は、これが掛金率の基礎となってくるものでございます。
これにつきまして、掛金率を設定するときにもう一手間掛かるようになっておりまして、9ページ目を御覧いただきたいと思います。「共済掛金標準率6」と書いたページでございます。右側を御覧いただきたいと思います。水稲、麦につきましては、品種や栽培方法に応じまして下の表のように類区分が定められております。例えば水稲では主食用米とエサ米の違いなど、あるいは麦では小麦や大麦の違いといったところにつきまして、それぞれ被害の程度等が違いますので類区分が設けられてございます。その類区分ごとに按分したものを共済掛金標準率として設定する訳でございます。下の方に大きな字で「P」と書いてございますが、これが8ページ目までで計算してまいりました共済掛金標準率の算定基礎率でございます。要は、水稲なら水稲一本、麦なら麦で一本という形での数字でございました。これを類区分ごとに分解をしていく作業をするということでございます。これにつきましても、各類区分の共済金額の合計金額の見込金額と危険の程度を表示する指数に応じて按分していく。要は、元々の被害の程度に応じまして、全体のこの基礎率を分解しながら適用していくという形でございます。この分解されたものが共済掛金標準率として設定していくところでございます。ここまでが基本的な考え方でございます。
特例という部分がございますので、10ページを御覧いただきたいと思います。「1の特例」と書いたタイトルの部分でございます。右の方を御覧いただきますと、共済組合が合併したときに、共済掛金標準率は新しい組合の区域を単位としまして算定し直すのが原則でございます。けれども次の料率の一般改定、3年ごとに一般改定を行っておりますので、そこまでは、農業者に適用される共済掛金率が変更されないように、合併前の旧組合ごとの既存の共済掛金標準率を適用できるとしてございます。これについても従来から、やってきた措置でございます。
それから、11ページ目の「地域インデックス方式」と書いたページでございます。地域インデックス方式の仕組みにつきましては、先ほど御説明しております。新しく加わってくる引受方式でございますが、料率の算定方式そのものにつきましては、他の引受方式と同じやり方でございますけれども、違っております点は、統計単位地域のデータがある区分ごとに共済掛金標準率を設定していくという部分でございます。統計データの存在する単位で算定していきますのでそのデータのある単位ごとに掛金率を決めていくという考え方でございます。単位につきましては、下部の表にあるとおりでございます。水稲なら水稲一本、麦であれば田で耕作する小麦と畑で耕作する小麦に分かれていくとか、あるいは市町村ごと、陸稲の場合だと都道府県ごとに設定していくという考え方でございます。こういった単位で設定するところが地域インデックス方式の特色となっている部分でございます。
続きまして資料9に農作物共済における金額被害率の推移の表がございます。今回は、平成9年から28年産のデータを用いるというところでございます。資料には平成6年から28年までの被害率が載ってございますが、平成6年から25年産の前回までの平均的な被害率は11.1%でございましたが、今回使います9年から28年産の平均値につきましては9.5%ということで、前回より1.5%ほど被害率が低下してございます。と言うことは掛金率の引下げにつながってくるというところでございます。
続きまして資料10につきましては、農業共済の共済掛金率の引下げ措置でございます。これにつきましては、昨年11月に御審議いただいた内容と全く同じでございます。昨年11月にこの下の表にありますように積立金の水準につきましては、判定水準の5倍以上あるいは判定水準の3~5倍といったところにつきまして引下げ幅を高めるという措置を昨年追加したものでございます。今回も同じようにこれで引下げ措置を算定することといたしております。
続きまして資料11をお願いいたします。資料11が以上のこの掛金標準率の算定方式に基づきまして算定された結果でございます。資料下段に麦の数字が載ってございます。26年度の改定というところが現行でございますけれども、改定案を御覧いただきますように、特に麦では災害収入共済方式が加入の大宗を占めておりますが、被害率の低下等を踏まえまして、掛金率につきましては、現行より約2割近く下がるという結果が出ています。水稲につきましては、新しく始まる地域インデックス方式とか一筆半損特約ありという部分につきまして、新しく料率を設定しています。これらにつきましてが、掛金標準率の算定方式等でございます。私の説明は以上でございます。

中嶋部会長
ありがとうございました。ちょっと長くなりますけれどもこの議事の資料の説明の続きを行っていただきたいと思います。「農業経営収入保険の保険料標準率の算定方式の考え方」につきまして、制度の概要を含めて事務局より御説明をお願いします。

窪山室長
農業経営収入保険室の窪山でございます。よろしくお願いいたします。資料12を使わせていただきまして、収入保険制度の概要について御紹介をさせていただきます。まず収入保険制度は平成31年1月からスタートするということで、今準備にかかっているというところでございます。既に本年4月2日に、保険者となります全国農業共済組合連合会が立ち上がっております。そして、窓口業務は各地域の農業共済組合が担当するということで、今、業務委託の締結を進めながら準備態勢を作っていっているというところでございます。その下の方に収入保険制度の具体的な仕組みというのがございます。収入保険制度はまず経営全体に着目しますので、品目の枠にとらわれず、自然災害による収量減少だけでなく価格低下などいろんなリスクも含めて収入減少を補塡するといった仕組みになっているということでございます。対象者は青色申告を行っている農業者で、個人、法人、両方とも対象ということでございます。農業者が自ら生産した農産物の販売収入全体が対象というところで、その下に米印が幾つかありますけれども、簡易な加工品、例えば精米なども含まれます。補助金は原則対象になりませんけれども、畑作物の直接支払交付金などの数量払については、含めるという扱いでございます。畜産の4品目、肉用牛、肉用子牛、肉豚、鶏卵につきましては、マルキン等の別途対策がございますので、別立てにするということで除きます。
その次が補塡の仕組みでございます。右の上に図がございますので御覧いただきたいと思います。まず個人ごとに収入の減少を補塡するという仕組みでございますので、基準収入を作ります。青色申告5年間の方であれば過去5年間の平均をとるのが基本でございます。ただ、毎年経営は変わってまいりますので、当年の営農計画も策定していただきながら規模拡大の状況とか過去の収入の上昇傾向とかそういったものを反映して、できるだけ経営実態に近い基準収入を設定するというものでございます。それから基準収入から下がった場合の補塡の仕方ですけれども、農業共済と同じように自己責任部分というのがございます。収入保険の場合は1割でございます。従いまして基準収入の90%のラインを下回ったときに発動するというものでございます。補塡の仕組みは2つの方法でございます。収入保険ですので保険方式、掛捨ての保険方式にまず加入をいただきまして、その上に積立方式、特約でございますけれども、これを乗っけるかどうかは御判断となります。この図は両方に加入をされた場合を想定して作ってある図でございます。ですので、まず基準収入の90%のラインを下回ったときに積立方式が発動しまして、80%のラインを下回りましたら保険方式が発動するという仕組みでございます。農業者は保険料・積立金を支払って加入します。任意加入となっております。保険料、本日御審議いただく部分がこれに関わりますけれども、保険料率というのがあります。保険料には50%の国庫補助があります。それから保険料率は自動車保険と同様に、保険金の受取が少ない方は保険料率が下がっていくというような仕組みでございます。その下に「積立金は」とありますけれども、積立金は自分のお金でございます。全国連合会に預けているお金であり、補塡に使われない限り翌年に持ち越されます。ここには75%の国庫補助があります。欄外に記載しておりますけれども、収入保険制度と農業共済、ナラシ対策、野菜価格安定制度などの類似制度はどちらかを選択して加入するということでございます。こういった内容を今、農業者の方々に広く周知して回っているという状況です。
ページをめくっていただきまして2ページ目にまいります。本日の保険料率の審議に関係するポイントを説明させていただきます。まず対象者ですけれども、青色申告を行っている方が対象であって、5年間継続している方は保険方式の補償限度は80%になりますけれども、1年分で加入される方、2年分で加入される方、3年分で加入される方につきましては、補償限度額を引下げて加入できるということにしてあります。1年分の方は基準収入の70%が保険方式の補償限度額の上限で、2年の方は基準収入の75%、3年の方は78%、4年以上になりますと80%というように段階的に上がっていくというような仕組みでございます。
それから4ページを開けていただきたいと思います。4ページの補償内容でございますけれども、(3)に補償限度額及び支払率というところがあります。ここも本日の保険料率の算定のところに関係しますけれども、保険方式の補償限度額は、基準収入の80%を上限に、70、60、50の4刻みから選択できるというふうになっております。5年分ある方がこの刻みでございます。5年分ない方は先ほどの率が上限となるということになります。
それから6ページを開けていただきたいと思います。6ページを開けていただきますとスケジュールが出てきますので、ここでちょっと補足をさせていただきます。今、全国連合会が各地域の農業共済組合と連携をしまして説明会を開催しております。今後のスケジュールですが、7月以降になりますとシステム開発が整いまして、本日使っているようなタブレット端末というのが出来上がってきます。このタブレット端末を使いまして加入申請手続ができるようにするというところが今までの共済事業と違う訳でございます。今までは書類を全部書いて判子を突いてということでしたけれども、タブレット上で必要事項を記入し、チェックし、タブレット上でサインをして契約をしていくという流れにすることで、できるだけ簡単に手続がとれるようにしたいというところでございます。11月末までに加入申請手続を終えまして、その後、保険料、積立金、事務費の納付、それから保険期間があって、その翌年の確定申告後に保険金、特約補塡金の請求、支払という流れになっております。こういったことがうまくいくように、今、実務的な部分を詰めていっているというところでございます。簡単ではございますけれども制度の概要でございます。ありがとうございました。

松澤技術総括
私から収入保険の保険料標準率の算定方式について御説明させていただきます。資料13を御用意いただきたいと思います。資料13の構成につきましては、先ほどの農作物共済の構成と同じでございまして、左側に諮問文、右側に説明といった形で作っています。まず1ページ目をお開きいただきたいと思います。1ページ目の「収入保険の保険料標準率の算定方式の考え方」という部分でございます。平成31年1月以後に保険期間が開始する農業経営収入保険の保険関係に適用する保険料標準率は、次により算定するとございます。右を御覧いただきますと、保険料の標準率は、過去一定年間の被害率を基礎としまして、それに安全率を加えて算定しますという基本的な考え方が書いてございます。具体的には、資料2ページからになってまいります。
2ページ目をお開きいただきたいと思います。「基礎被害率1」と書いたページでございますけれども、この基礎被害率につきましては、保険限度額の区分ごとに直近10年間における各年の実績金額被害率を基礎としまして、必要に応じて修正を行ったものを各年の基礎被害率とするとしてございます。けれども、今回につきましては、保険限度額区分ごとに、収入保険制度の検討調査委託事業、これは平成26年度から28年度までに行ったもの、それと収入保険制度調査委託事業、平成29年度に行ったものに基づき、直近8年間の被害率を各年の基礎被害率といたしております。具体的に右の方で御説明したいと思います。
保険料標準率につきましては、保険限度額区分ごとに設定することとしておりますので、被害率もこの区分ごとに整理しております。この保険限度額区分と申しますのは、先ほどの制度の概要でも説明しましたが基準収入に対します保険限度額の割合、要は保険の発動ラインで農業者が加入時に選択いただきます。これにつきましては、最高が80%、最低が50%で間が4つということで、全部で6段階ございます。また、収入保険につきましては、自然災害を対象とする農業共済とは異なりまして、農産物の需給状況ですとか農業経営を取り巻く環境が変化する中におきまして、近年の被害実態等を保険料率に反映できるようにするため、農業共済のように20年ではなく直近10年間のデータを用いまして各年の被害率を算定するようにしてございます。被害率の算定につきましては、支払われた保険金を保険金額で割るという形で計算してございます。また、「必要に応じて修正を行う」という部分につきましては、加入実績のない保険限度額区分につきましても、加入実績のある保険限度額区分の被害率から換算いたしまして被害率を算定してございます。ただし書きですが、今回は、制度開始前で、実績の保険金、保険金額等のデータがございませんので、調査委託事業で収集しました農業者の収入金額のデータのうちで、収入保険の方に加入したいと意向を示していただいた方のデータを用いて試算した直近8年間の被害率を用いまして、それを各年の基礎被害率としております。
3ページ目をお開きいただきたいと思います。「基礎被害率2」と書いた部分でございます。調査委託事業でやっておりますので、被害率の試算の概要という部分でございます。委託事業で収集しました農業者ごとの農業収入金額のデータにつきまして、収入保険の補塡のスキームに則り、ある年の過去5年前までの収入金額の平均、5中5なり4中4、3中3あるいは2中2を基準収入としまして、その基準収入に保険限度額区分、80%から50%の数字でございますけれども、この割合を乗じたものを保険限度額に設定いたしまして、この保険限度額に支払率を掛けたものを保険金額としております。また、当該ある年の収入金額が保険限度額を下回る場合に、保険金の支払があったものとみなしまして被害率を算定しております。今回につきましては、この被害率は実績ではなく計算上出てまいりました保険金を保険金額で割ったものという形で算定しております。
4ページ目に参考で、調査委託事業の26年度からの概要が載ってございます。この調査委託事業につきましては、青色申告を実施している農業者の方、個人4千経営体、法人1千経営体をベースに調査の対象にしておりました。今回、この収入保険の保険料率の被害率のベースになってまいりますのは、この5千人のうちで加入意向を示した方が2千名余おられます。そのデータを用いまして算定したところでございます。
5ページ目をお開きいただきたいと思います。こちらにつきましても通常標準被害率を定めてから料率を算定していくというところでございます。通常標準被害率につきましては、保険限度額区分ごとに各年の基礎被害率の平均値を算定いたしまして、その平均値に各年の基礎被害率の標準偏差を足したものを通常標準被害率とするということでございます。通常標準被害率は、農業共済の説明と同じでございますけれども、保険金額のうち比較的軽微な被害に対応する部分としまして、全国連合会が 支払責任を負う保険金の上限に対応するものでございます。また、収入保険につきましては、制度開始時で全国連合会に十分な積立金はございませんので、全国連合会の支払責任額のうち保険料収入で賄えない部分いわゆる不足率という部分を低く抑えるために、次のように算定するとしています。通常標準被害率は、各年の基礎被害率の平均値に各年の基礎被害率の標準偏差を足したものを設定していくところでございます。通常標準被害率以下の部分につきましては、全国連合会が全面的に責任を負うところでございます。
6ページ目をご覧いただきたいと思います。保険料標準率の設定でございます。保険料標準率につきましては、保険限度額区分ごとに、各年の基礎被害率のうち通常標準被害率以下の部分の平均値を算定いたします。 その平均値に安全率を足したものを通常保険料標準率といたします。また、保険限度額区分ごとに各年の被害率のうち、この通常標準被害率を超える部分の平均値を算定いたしまして、その平均値に安全率を足したものを異常保険料標準率といたします。保険料標準率は、この通常保険料標準率と異常保険料標準率を足したものになります。右の図でもう一度申し上げます。今回、平成21年から28年の各年の被害率が出ております。これにつきまして、平均的に起こり得るというところで通常標準被害率のラインを設定いたしまして、それより下の部分、オレンジ色の部分でございますけれども、これを単純平均したものがベースとなりまして、これに安全率を加算すると通常保険料標準率になってまいります。また、通常標準被害率を超えてくる網掛けの部分のものの平均値に安全率を加算したものが異常保険料標準率となってまいります。この2つを単純に合計したものが、保険料標準率となります。
7ページ目をお開きいただきたいと思います。7ページは安全率の説明をさせていただきます。安全率につきましては、当面の間、全国連合会に十分な積立金がございませんので、農業共済で用いられるのと同様の方法により安全率を算出したいと思います。安全率の計算方法は、各年の基礎被害率の標本標準偏差に一定の係数を乗じることでございます。7ページ右下に表がございますけれども、括ってありますように、今回収入保険は、8年分のデータがございます。赤字の発生確率は極めて小さくというところで1%に設定してございます。そうしますと統計学的にこの標準偏差に1.1倍を乗じたものが安全率になってくるという算定になっておりますので、この係数を掛けました標準偏差の1.1倍が安全率で付加するというラインになってまいります。こういった形で収入保険の保険料標準率の算定は、やってきてございます。
なお、8ページ目には各年の基礎被害率の算定結果が載っておりますけれども、これは、調査結果でございますので説明は省略させていただきます。保険料標準率が幾らになるかというのは資料14をお開きいただきたいと思います。
資料14を御覧いただきますと「収入保険の保険料標準率等の算定結果」で、左を御覧いただきますと、最も保険方式で補償が高いものは保険限度額区分の80と書いたところでございます。80%ラインで、保険料標準率は2.159%となってございます。従来から2%程度という説明をしておりましたけれども、大体近い数字の2.159%で算定ができたところでございます。この保険料標準率につきましては、農家の負担と国庫負担の両方を合わせたものでございますので、農業者の負担につきましては、保険料補助が50% ありますので、このちょうど半分の1.080% が 農業者の負担となる保険料の水準でございます。私からの説明は以上でございます。

中嶋部会長
ありがとうございました。議事に係る資料としては、農作物共済それから農業経営収入保険の両方が対象となっていますけれども、どの点でも結構でございますので御質問・御意見があれば発言いただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
それでは鴻上委員お願いします。

鴻上委員
農業共済の地域インデックス方式 についてお伺いをしたいと思います。今回の改正で新たな方式として地域インデックスが入りまして、都道府県単位の減収があれば個々の農業者にはそれによって補償を行うということですけれど、これはかなり思い切った新しい方式だなと思っていまして、従来は農業者ごとの被害を確認してそこを実損塡補してきたということなのですが、あるいは新設の収入保険も当然農家ごとの収入を補償するということなのですが、地域インデックスでは仮に被害が余り大きくない農業者でも都道府県での被害率が大きければ補償がされるということでこれは大きな変更かなと思う訳ですが、ここら辺のことを事務局に事前に伺ったところ、地域インデックス方式でも被害がない農家さんには補償はしないというお話しでありました。これでちょっとまた疑問が生じてきましたので、ちょっと3つ質問させていただきます。
1つは、被害のない農家には補償しないというのはどこに規定されているのかというのが1つ目ですね。
2番目は、各農家は自分のところに被害があることをどのように証明するのか 。
3点目はですね、アメリカにもグループ・リスク・プラン(GRP)という郡の収穫量がトリガー 、保険の発動ですね、これを下回れば全加入者に一律の支払がなされるという制度がありまして、これを参考にされたのだと思うのですけれども、アメリカの場合ですと、私の調べる限り被害がない農家にも補償をしている、補償するということになっているのではないかと思う訳です。地域インデックス方式ではGRPと違いまして被害農家にだけ補償するということになっておりますけれども、ここはなぜなのかという3点を教えていただきたいと思います。

中嶋部会長
それではお願いします。

前田保険課長
鴻上委員の御質問にお答えいたします。今回新たに追加いたしました地域インデックス方式は、農業者の収穫量の減少を地域の統計単収などのデータを用いまして簡易な形で効率的に損害を査定する、評価するという新しい手法でございます。
御質問のまず1点目、被害のない農家には補償しないという点につきましては、農業保険法の第130条に、加入者は、損害があると認める場合は、組合に対して損害通知を行うという義務が課されておりまして、この損害通知がない場合には共済金は支払われない、免責事由に当たるという取扱いがされてございます。
それから2点目の 被害があったことを各農家はどのように証明するのかという点につきましては、この損害通知におきましては、加入者は事故の種類や発生年月日などを組合に通知するだけでよく、被害が発生していることを自ら証明する必要はございません。損害通知を受けまして、組合が各加入者の耕地を見回って被害が発生しているかどうかを確認するという仕組みを取っております。
3点目のアメリカでは被害のない農家でも補塡がされるが日本の場合は被害のある農家にだけ補塡がされるという点でございますけれども、これは元々、農業共済の目的、農業保険法第1条にその目的が規定されておりますけれども、「農業経営の安定を図るため、災害その他の不慮の事故によって農業者が受けることのある損失を補塡する」というふうになってございまして、この目的を受けまして、第130条で損害があると認める場合は損害通知を行ってくださいという仕組みとなっております。要は損害通知を行った損害のある農業者にだけ共済金を支払うということが農業共済制度の法律の大きな枠組みとなってございます。それで先ほど御説明いたしました一筆方式や全相殺方式や今回の地域インデックス方式などのいわゆる引受方式は下位の省令で定めることになっておりまして、いずれの引受方式につきましてもこの法律の枠組みに基づいて損害のある農業者に共済金を支払うというような体系になってございます。一筆方式であれば損害を各耕地ごとに坪刈りなどを行って査定をする、全相殺方式であれば農業者の出荷伝票を見て査定する、地域インデックス方式であれば統計データを使って査定するということで、精度はまちまちですけれどもいずれも損害があった農業者を補塡するという法目的に沿ったものになっていると考えてございます。

鴻上委員
ありがとうございます。組合は損害通知があった農地の確認をされる訳ですよね。そのときに確認を相変わらずしなければいけないことは余り省力化にならない、損害査定の省力化にならないということはないでしょうか。

小林保険監理官
一筆方式などでありますと実際にほ場ごとに減収量を確認していく訳でございますけれども、このインデックス方式というのは、損害が生じたという事実だけを確認するのであって、どれだけの量が減収したかということまで確認する訳ではございません。したがって、手間につきましては、大幅に軽減されると考えております。

鴻上委員
ありがとうございます。要するに農業者がここの米については一部の損害を示せばそれでオーケーだということになるのでしょうか。

小林保険監理官
基本的にインデックス方式の場合には、損害があったことを通知していただいて、組合の方は現場を見て、損害がありましたねということが確認できればいいのであって、どれだけの量減収があったということまで、いちいち現場で査定するという訳ではございません。

鴻上委員
なんとなくそれですと、被害があろうがなかろうが、いや一部のここが確かに被害があるのだと皆仰るでしょうから、結局は全員のですね、さっき都道府県と申し上げましたが市町村みたいですけれど、市町村の農業者全員を、農業者の農地の全体を見ればそんなに被害がないところも結局は全農業者を補償するようなことになるのではないかと思うのですけれど、結局アメリカと同じようなことになりまして、そこに不都合はないのかなという感じがいたしますけれどもいかがでしょうか。

小林保険監理官
結果的に大部分の方が対象になるということはあり得るのだと思っています。おそらく今回の場合に一番想定されますのは、お米の場合でいけば冷害が起きたときに地域全体として冷害が生じている場合が想定されます。そのときにはおそらく大部分の方が被害を受けているので、大部分の方から損害通知が来て、大部分の方が共済金の支払の対象となってくるというようなことになると思われます。統計データとして、一定の地域に大きな損害があるというのはそういう場合が想定されますので、結果的には大部分の方が対象というようなことになってくると思います。

中嶋部会長
それでは堀田委員。

堀田委員
資料の11ページに掛金率の表がありますよね。これを見ると地域インデックスが一番安くなるのですが、これはどういう根拠でこうなるのでしょうか。先ほどの御説明には多分なかったのではないかと思うのですけれども。単に経費が掛からないということがここに反映されるということでしょうか。

土屋課長補佐
御説明いたします。資料11を御覧ください。各共済目的の種類の引受方式ごとの料率が出ております。地域インデックス以外についてはこれまでの共済の実績がございますので、そのデータを基に料率を算定しております。地域インデックスについては正に統計データを基に料率を算定しますので、統計の単収をベースにそこから被害率を計算して料率を算定するということになります。例えば水稲であればその地域の単収に余り変動がなければ被害率としては小さいものになりますので、料率は低い結果になります。

堀田委員
地域インデックスにすると掛金率が安くなる理由がまだよく分かりません。被害データだけはあるのでしょうが、現時点では損害実績はないですよね。どうやって算出しているのですか。

土屋課長補佐
統計単収というデータがまずございます。その過去5年のうちの3年平均という形で当年の基準単収を決めます。それに対して当該年の単収がどのくらい上がったか下がったということで被害率が算定されますので、それを20年間揃えて、そこから同様の方式で料率が算定されるということになります。例えば地域の中で被害が出られた方がいるかもしれませんが、逆に単収が伸びた方もいるかもしれないということで、その地域の単収としては均されたような形になるので、被害率としては、データを見る限り共済の今の実績よりは低いという結果になっております。

堀田委員
90というのはトリガーだけなのですか。

土屋課長補佐
そうです。

小林保険監理官
実態面から分かりやすい説明をいたしますと、最近の共済金の支払例を見ていると、お米の場合だと、台風などで川が氾濫した場合にごく小面積のところで共済金を払うという例が生じています。このような場合でも、例えば大きな面積で地域全体の作況を見ると、そんなに大きくは下がっていないということが結構生じています。インデックス方式では支払うことにはなってこないけれども、個々のほ場ごとに狭いところで見ると支払うほ場が生じているということが起きているのです。先ほどの冷害のように地域全体として被害を受けていればインデックスの場合でも支払が出てくる訳ですけれども、洪水などの場合だと河川の周辺だけで被害が起きるので、地域全体で被害を受けるようなことはそうそうはないので、結果的に被害率にも反映されてくるのだと、このように見ています。

中嶋部会長
今のお話しだと、逆にかなり被害が出ている人がいるにも関わらず地域としてはそれほど単収が下がっていない場合に、その方には余り保険金は払われないということになるのですか。

小林保険監理官
インデックス方式の仕組み上はそうですけれども、半損特例や全損特例などもありますので、大きな被害が生じればそういう方でも一定の補償は得られるという道がございます。

中嶋部会長
そういう特約を入れていればそれをカバーできると。それにしてもそういう払って貰えないリスクというのでしょうか、それがあるのでこの掛金標準率はちょっと安めになっている訳で、そこでどっちを選ぶかということですが、常にカバーしてもらえる方を選んでくださいというのがこちらの提案だと理解いたしますがよろしいですね。
それでは伊藤委員お願いします。

伊藤委員
今までの議論と関連していますが、地域インデックスは省力的でいい方式と思います。世界的に見ても天候インデックスを採用している国も少なくなく、いかに省力的に保険を提供するか、そういうことにも適っている。ただし、先ほど中嶋部会長が言ったように、結局その地域の範囲をどう設定するかが課題です。統計単位で実施すると、市町村合併で広域になっている地域ではなかなか実態を反映できない、合併せずに小さなエリアで頑張っている市区町村では比較的地域の実情を反映している。そういう意味ではまだまだ旧町村単位でデータを取れる地域もあると思います。そういった実態を反映するデータをどう収集するのか、それが今後の検討課題ではないかと思います。それが結局は、できるだけモラルハザードを発生させない仕組み作りにつながっていくのだと思います。

前田保険課長
ありがとうございます。委員の御意見、ごもっともだと思います。先ほど鴻上委員の御発言の中に都道府県単位ということがございましたけれども、今回地域インデックス方式で用いる単位は、市町村統計があるものは市町村単位、どうしてもないものは都道府県単位でというふうに、極力小さな単位があればあるものを使うという姿勢でやっております。委員の御意見を踏まえまして、可能な方策を更に検討してまいりたいと思います。

中嶋部会長
今の件で言うと統計がこれから変わってくる可能性がありますよね。 非常に広い範囲でしか取らなくなってくるという事態は将来懸念されるのではないかということをお聞きしたいと思います。

伊藤委員
その場合にドローンの活用なども検討に値すると思います。北海道の十勝で台風や大雨等で土砂災害が発生したときも、ほ場の被害がどの程度なのか、寸断された道路の被害がどの程度なのかといったことに対して、ドローンを飛ばして被害状況を確認し、それを復旧プラン反映させたと聞きました。また、リモートセンシングの活用、すなわち衛星データを使った収量推計も有効な手法になると思います。現在はまだ推計値と実測値に乖離があると聞いておりますが、今後その精度を高めていくことが重要と思います。

小林保険監理官
今の御意見ですね、ごもっともだと思っております。 実はドローンの活用に関しましては、我々も関心を持っておりまして、農水省の技術会議事務局において公募型の研究を世間に広く募集して課題として採択していますが、その中で本年度ドローンの活用も1つ テーマに設定していただき、その中で共済事業の損害査定をドローンを使ってできないかというものを研究課題として設定していただきました。実際に応募があったので、これから研究もやっていただく予定となっているところでございます。

中嶋部会長
ありがとうございます。それでは他にいかがでございましょうか。
それでは染谷委員。

染谷委員
それでは収入保険についてお聞きしたいのですが、自分でも米を作っていますが、農家にとって必要な保険だと思っています。それはやはり農業には作るリスクと売るリスクがあり、それをカバーしてくれるのではないかなと期待しているのですけれども、その中で1つ聞きたいのは、今、米に関していろんな交付金が出ています。その交付金を収入として、今回含まれるのかどうか。その辺をちょっと聞きたいのですけれど。

窪山室長
ありがとうございます。収入保険の対象収入、基準収入を算定するときの収入と、保険期間の収入を算定する収入がありますけれど、これは農産物の販売収入というのが基本でございます。補助金は政策によって単価が下がったりとか、なくなったりとかする性格のものですので、保険に馴染みませんので原則として含めません。ただし、畑作物の直接支払交付金、麦・大豆のゲタ対策で数量払というのがあります。コスト割れを補塡しているものがあります。数量払は従来から農業共済の補償対象になっていますので、収入保険の販売収入に含めるという扱いをします。米の交付金と仰いましたけれども、例えば水田活用の直接支払交付金で麦・大豆3万5千円とか飼料用米5万5千円から10万5千円というものがありますけれども、これらは従来から共済でも補償していませんので、収入保険でも対象収入には入れないという整理です。

染谷委員
それと今、飼料用米がありますが、これからも続くと思うのですけれど、実際飼料用米そのものの価格1kg15円、600kg取れても9千円しかならない。そこに国が補塡してくれて10数万円になるのですけれども、そうすると例えば今まで飼料用米を作ってなくて今年からやりますよといったらその10数万円が1万円になってしまう。そこに国から入ってきますよね。その交付金を含めないとなると、例えば10haやったとします。1万円ということは100万円にしかならないのですね。今まで1千万円以上入っていたものが100万円に落ちちゃうということで、もうその収入は100万円でいいことになってしまうのかどうか。その辺はどうですか。

窪山室長
ありがとうございます。これまで主食用米を育てていた方が、例えば全部飼料用米に切り替えますといった場合には営農計画ががらっと変わりますので、当年の営農計画のときに飼料用米を前提とした収入試算をします。それがこれまでの過去の平均より低ければそちらの方が基準収入になるというような計算になります。あくまでも農産物の売上を基本として基準収入を算定するということです。収入保険とは別に、交付金は農業者の収入に入っているという考え方になります。

染谷委員
ありがとうございます。それともう1点ですね、昨日も市内の農家といろいろ話し合いがありました。その中でこの収入保険についてちょっと話しを聞いたのですが、大方が、いろいろ新聞とか何かで知っている、聞いたことがあるけれども、ただどうなるのか、どういうものかが全然分からないのですね。たまたまその前に県の主催でGAPに関しての研修会がありました。その中で収入保険について話しがありました。またその中の資料にこういうものがあったのですね。これを見ても農家の人達が分からないという、多くの人達がですね。ですから国がいろんなことを考えて、これからの農業を考えて農家をもっともっと盛り立てようと、そういう形の保険ができたのだよということもなかなか理解できないのですね。その辺のところを一般の農家に周知するというのは、どうしたらいいのかというのをお聞きしたいと思います。

窪山室長
ありがとうございます。仰るとおり収入保険の話しが農業者それぞれの皆さん方に届いているかというと、届いていないケースがあります。私の知り合いの農業者の方に話しをしますと、収入保険のことが聞こえてこないのだけれど、今初めて聞きましたというケースがあります。そこで全国連合会が4月2日に立ち上がりまして改めて4月、5月、6月と、特に今仰いましたけれども保険の補償範囲、収入保険はこういったリスクもカバーできるのですよというところが伝わっていませんので、そこを重点的に説明しましょうということで今やってもらっております。我々も、各都道府県、重点地域がありますので、そういったところには出向かせていただきまして御説明をするということをやっております。7月以降になりますと今度は加入申請に向けた説明会というのを随時やっていくことになりますので、本当にあらゆる機会を使ってその説明を徹底していきたいと思います。ここに来て説明して欲しいという御要望がありましたら言っていただきますと飛んでまいりますのでよろしくお願いします。

染谷委員
ありがとうございました。よろしくお願いします。

中嶋部会長
他に。それでは前田委員。

前田委員
収入保険の方で正に今お願いしようと思っているところですけれども、私の方は農業法人協会の方に所属しておりますけれども、その農業法人協会の者は意外と情報が入ってくる方なのですけれど、先日お尋ねしたところ、どうしますかと聞いたら、情報が例えば1年前に聞いた話しで止まっている。私の記憶ではその当時、あるいは1年半くらい前からあったかも知れませんけれど、大分中身がいろんな意見を集められて進化しているというか、いい方に変わっているのですね。それをほとんどの方が御存じないというのが改めて、2、3週間前に感じました。この間、農業法人協会の女性部で全国で集まったときにそういうことでした。それで全国に農協もありますけれども、農業法人協会等を活用いただきまして、熊本であれば北部・中部・南部とそれぞれ分けてありまして、それぞれ3回、その北部は北部ごとにセミナーを年間を通じてやっていますので、そういうところに必ずしも熊本地方に集まるのは難しいけれど地域ごとにやっていただく、そういうところに行っていただくと。
あと7月以降にまたそういうことができると、タブレットがいつから持ってきていただけるのでしょうか。タブレット持込みで、何月くらいになりますか。

窪山室長
7月にはシステムが仕上がりますので、全国連合会の方と相談をしまして全国一斉に始まる時期を決めたいと思います。

前田委員
8月、9月にそれが可能になるかもしれないということですね。その場で今仰ったようにその場で何人かの方をまず計算をしてみて、そういうプロジェクターとかを使って、皆で実際数字を入れていく、見てみると。私も自分のを入れてみたのですけれど、かなりメリットがあるというふうに思っていますので、皆さん知らないのだろうというふうに思っています。
それから、先ほど2千件ほどが加入意向があるということをお聞きしましたけど、その2千件の中の、例えば農協関係の方とか全然何も属さない方、あるいは農業法人協会の方とかそういう比率があったらあとで教えていただきたいなということと、今後の目標ですね、31年から例えば3年なのか5年なのか何件を目標にあるいは面積はどのくらいを加入目標に持っていらっしゃるのか、分かっていればお聞きしたいと思います。
それとここの保険の資料を見たときに、多分保険方式と積立方式の併用を推奨されているのかなと思ったのですね、その辺もどちらでもいいのだけれどもその併用のメリットであるとか、その辺も含めて計画があるのだろうと思っておりますので詳細が分かれば教えていただければと思います。

窪山室長
ありがとうございます。まず法人協会さんを通じた説明の話しですけれども、正にそういったところにお願いをしているところでございます。全国連合会も前日に農業法人協会に足を運びまして、まず会長さん方にすぐ御挨拶をしたいということでありました。それでこれからなのですけれども、各都道府県の農業法人協会さんの方に各県の農業共済組合が出向きまして、説明の機会を作ってくださいというお願いをすると思います。ですので、今お話しがあったように熊本は3か所、地域ごとにと仰いましたが、そういった方法で場所の設定ができるように是非御協力をいただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
それから加入希望者2千件についてでございますけれども、 売り先別の集計は取っておりません。ただ個人と法人というのは元々データ収集するときに分けて取っておりますので、その比率からいきますと大体8割方が個人の方で2割方が法人の方となっております。
それから今後の目標ですけれども、これは国は予算要求上は10万経営体というのを見込んでやっております。全国農業共済組合連合会、農業共済団体の方としましては、昨年11月に早期に10万経営体を確保するという決議をしておりますので今そういったものを目指して加入推進に取り組んでいるということでございます。できるだけ多くの方が加入されるような環境になるように御協力をお願いしたいと思っております。
それから最後に保険方式と積立方式でございます。これは全て保険方式でやりますと浅い部分の収入減少が起こりやすいですので、保険料率が上がるという傾向になりますから、積立方式と保険方式の組み合わせにしますとなったところでございます。積立方式の範囲内で補塡を受けられる方につきましては保険金を受け取らないということになりますので、危険段階によって保険料率は下がっていくといったメリットも出てきます。こういったところも御紹介をさせていただきながら推進したいと思っております。よろしくお願いいたします。

中嶋部会長
ありがとうございます。今日の料率の議論が終われば正式にいろいろと告知できるのではないかと思います。他にいかがでございましょうか。
それでは浜野委員お願いします。

浜野委員
収入保険の保険料率について少し意見を言わせていただければと思います。今回、この収入保険そのものは初めての制度で、保険実績がないところでございますが、数多くの農業者様のデータを集めて農水省で算定された結果だということで、こちらについて何か意見があるというものではありません。一方、今後について言えば実績に基づいて検証をきちんとやっていく体制をどう整備していくかというところが重要になってくるのではないかなと考えています。
収入保険 について先ほど説明いただきましたが、自然災害若しくは価格の変動、不確実性の高いリスクを担保しているということになりますので、制度を開始した後に突然大きな災害が起こる、若しくは全く起きない、こういったケースも考えられるかと思います。こうしたときにどういう対応をしていくのか、このあと数年、早ければ1年か2年で悩むこともあると考えています。例えば災害が発生して、3年後いきなり今の2%くらいの料率を大きく引き上げるとなると3年後から加入が進まなくなる可能性、逆に全然起きなかった場合に2%を例えば1%に本当にしていいのか、例えば先にまだ自然災害があるかもしれないのに本当に1%にしていいのかという悩みも出てくるのではないかと。また、結果、加入の安定性が、そういう形で想定と異なることになるという悩ましいところが出てくる可能性もあると思います。こういったときに先ほど自然災害を含めた被害率を10年間で平均するというお話しがありましたが、いきなり上げるくらいなら10年をもっと長期で平準化するという検討があってもいいと思いますし、よくよくいろいろ実績を見てみたら地域で偏りがあったというようなことが分かれば、今回はこのデータに基づき全国1本、前も御説明があったと思うのですが、全国1本でやるということなのですが、そういうところを見直していくということを検討されてもいいのではないかと思います。繰り返しになりますが、保険料率そのものを、今回決定するということになるのですが、今後収支の結果を踏まえて想定と実績の何が同じで何が乖離しているのか、リスクなのか、もしかしたら先ほどの話しが少しありましたが、加入で想定していた ポートフォリオが違うことになっていたとか、リスクだけではないケースもあると思いますので、そういったところを洗い出し、先ほど私が言ったようないろんな方法、値段を上げるだけではなくて他のやり方もあるかもしれない、推進の仕方を変えたらいいかもしれない、こういうのがいろいろある中でどれをやってみたらどういう結果が生まれるのかということをシミュレーションしていくこと、これが大変重要な取組になってくるのではと思います。
なので3年後にまた改定をするというのが冒頭お話しがありましたが、3年を待たずに今後実績を積んでくる度に対応の方向性を先んじて検討し、見直すところは見直していく。そういった検証をするような体制、ここが必要になるかと思います。その在り方みたいなところについても十分御検討いただければいいのではと思いましたので、意見させていただきます。

中嶋部会長
それではいかがでしょうか。

窪山室長
ありがとうございます。保険料率の改定は3年後というのが目途となっております。収入保険のスケジュールからいきますと、まずデータを見ていかないといけないと思っております。実際の支払が生じるのが今年でもなく来年でもなく32年になりますので、そのときに実際保険金の請求、支払があったときにどういった要因で起こっているのかとか地域的にどういった事情があるのだとか、そういった分析もできるようにシステムも組みながら検討していきたいと思います。またそのときにいろいろ教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。

中嶋部会長
確認なのですけれども、農作物共済の平均は20年間ということですよね。 収入保険の場合将来的には何年取るということになるのですか。

窪山室長
10年でございます。

中嶋部会長
それは先ほど仰った10年。

窪山室長
はい。10年です。

中嶋部会長
それは農作物共済と違って10年に短くする理由はあるのでしょうか。

窪山室長
資料13の2ページですね。表題が「1 基礎被害率1」という画面の右側の3つ目の丸のところに、「収入保険は、自然災害等を対象とする農業共済とは異なり、農産物の需給状況や農業経営を取り巻く環境が変化する中で、近年の被害実態等を保険料率に反映できるようにするため、直近10年間のデータを用いて」というところで、共済とは性格が違いますので、できるだけの直近のデータを反映したりすることで10年にしているというところでございます。

中嶋部会長
浜野委員の御指摘は10年のデータが積み上がっていく前の段階での料率の設定をどうするかということへの御意見だったのでしょうか。

浜野委員
もっとデータが溜まっていったときの話しということに近いのかもしれないのですが、例えば1年目は普通の2% と同じくらいでしたと、2年目にもの凄い保険金を払ってしまって15%くらいの被害率が出ましたと、あとは2% がずっと続いたとした場合、それを単純に10年で割って値段を上げるのがいいのか、その15%の災害というのは10年間に1回起きるような災害なのかどうかということをちゃんと評価した上で、もしそれがやはり10で割ったらちょっと高過ぎるということであれば、やはりそこでちゃんとリスクを評価した上で、この被害を平均に入れるのだったら20年分にした方がいいのではないかとか、そういう、言ってみればフレキシブルな対応というのが必要なのではないかと考えた次第です。この先の3年間でどうしろとか、そういうことよりか、そういうことが起きたときにどうするか、ここで今まだ決められないところはフレキシブルに見直しされることも必要ではないかと、そういった意見になります。

中嶋部会長
ありがとうございました。参考にしていただければと思います。
他にいかがでしょうか。それでは古谷委員。

古谷委員
収入保険についてですが、少しでも多く加入していただきたいという思いからなのだろうと思いますが、タブレット上で契約を行うということでした。簡単にするということだろうと思われますが、メリットとデメリットがあるようですから、どのようにお考えか教えていただけませんでしょうか。

窪山室長
ありがとうございます。余りデメリットを考えたことがないのですけれども、タブレット端末を使うことによってそこで補償内容ごとの計算をしながらお客様とのやり取りができるという点でメリットがあると思っています。また、書類の簡素化ができるという点もメリットと思っています。ただし全ての地域でタブレット端末が使える訳ではないと思います。電波が届かないというところがありますので、そういったところにつきましてはタブレットではなくて書類を作っていただいて農業共済の担当が持ち帰ってシステム入力をして、また書類の確認をしながら契約をするということも当然出てくると思います。その辺は加入者のニーズに合わせて対応したいというふうに思います。

中嶋部会長
よろしいでしょうか。

古谷委員
ありがとうございます。

中嶋部会長
お時間がそろそろ終了に近付いているのですが、諮問事項につきまして何か御質問があればそれを中心にお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。すみません、何か審議を終了させるような誘導をしてしまいまして申し訳ございません。
ありがとうございます。これにて審議を終了させていただきます。それでは今回の諮問事項であります「農作物共済の共済掛金標準率の算定方式の考え方」及び「農業経営収入保険の保険料標準率の算定方式の考え方」につきましては、適当と認める旨、議決してよろしいでしょうか。

〔異議なしの声〕

 中嶋部会長
ありがとうございます。異議なしとさせていただきます。 それでは、審議会の議事は、食料・農業・農村政策審議会令第8条第2項の規定により 、出席委員の過半数で決することとなっておりますので、本部会は本件につきまして適当と認める旨、議決いたします。また本部会の議決につきましては、「食料・農業・農村政策審議会における部会の設置について」の第2条第1項の規定により、審議会の議決とみなすこととされておりますので、農林水産大臣に答申したいと思います。ありがとうございました。
それでは最後に直接の審議事項ではございませんが、収入保険の危険段階別保険料率につきまして事務局より報告をお願いします。

窪山室長
ありがとうございます。参考資料2を開けていただきたいと思います。そうしますと「収入保険の危険段階別保険料率について」という紙が出てくると思います。参考資料の2です。御紹介をいたします。今日御審議いただきました算定方式というのは保険料標準率ということになりますけれども、実際には危険段階を設定するということになります。収入保険の危険段階別の保険料率は、保険料標準率を中心としまして上下10区分、全21区分の保険料率を設定しまして、最低区分「マイナス10」の保険料率は、区分「0」、真ん中の区分の5割水準になるように設定いたします。
それから、加入された方は最初は「0」区分から始まります。2年目以降は加入者ごとに保険金の受領実績を基に損害率というのを算定しまして該当する区分の保険料率を適用するということになります。したがいまして保険金の受領がなければ基本的には1段階ずつ下がっていきます。受領があれば危険段階は上がるのですけれども、極端に上がると負担が大きくなりますので激変緩和という意味で、上がるときには年最大3区分まででとどめるというような扱いとします。以上御紹介です。よろしくお願いいたします。

中嶋部会長
ありがとうございます。ただいま御説明いただきましたことにつきまして何か御意見・御質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。ありがとうございます。先ほど収入保険と農作物共済の件につきまして御意見を止めてしまったのですけれども、何か最後に御発言したいことがあれば承りたいと思いますが、いかがでしょうか。それでは堀田委員。

堀田委員
今回収入保険が導入されるということで、いろいろな不確定要素が入ると思います。例えば農業共済制度も収入保険の導入によって大きく影響を受ける可能性が高いです。本日は、掛金率を予測されたのですけれども、その根拠となっているところが、もしかしたら大きく動くかもしれません。あるいは農業収入保険と農業共済制度が行ったり来たりできるとすれば、ある程度、落ち着くまでは不確定な状態が続くのだろうと思います。その意味では、今後、細かい動きを注視しながら料率算定をしていかないといけないのだろと感じています。余り早急に判断をしたりすると、間違った方向になりかねないという印象を持ちました。

中嶋部会長
ありがとうございます。先ほど浜野委員に御指摘いただいたと同じように、堀田委員からも大事な御指摘をいただきましたので、これは是非御配慮いただきたいと思います。
他にいかがでございましょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは本日長い時間にわたりましてありがとうございました。以上をもちまして農業保険部会を閉会とさせていただきます。

 

17時20分   閉会

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