このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

平成25年度第3回議事録

  • 印刷

1.日時及び場所

日時:平成26年1月30日(木曜日)10時00分~12時00分

場 所:農林水産省 本館7階 第3特別会議室

2.議事

(1)今後の農村社会の変化等を踏まえた農業農村整備における課題について
(2)その他

3.議事内容

議事録(PDF:539KB)

 

○佐藤計画調整室長

 それでは、皆様におそろいいただきましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会平成25年度第3回農業農村振興整備部会を開催いたします。

 本日は御多忙中にも関わりませず御参集いただきまして、誠にありがとうございます。

 本日は12時までを予定しておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 なお、本日は横田委員、石井委員、井手委員、角野委員、河野委員、森委員におかれましては所用により御欠席との御連絡をいただいております。

 まず開会に当たりまして、今月より農村振興局長に着任しました三浦局長より御挨拶をいただきたいと思います。

 三浦局長、どうぞよろしくお願いいたします。

 

○三浦農村振興局長

 御紹介いただきました三浦でございます。1月14日付で農村振興局長を拝命いたしました。10カ月ほど前の昨年3月末まで農村振興局の農村政策部長を担当しておりましたので、約半数の先生方とはその際この場でお会いしているのではないかと思っております。立場は変わりますが、よろしくお願いいたします。

 部会長、委員の先生方、大変御多忙のところを御出席いただきましてありがとうございます。また、日頃から農林水産行政、とりわけ農業農村整備、農村振興の推進につきまして御指導、御鞭撻を賜っておりまして、心から感謝申し上げます。

 現在、省を挙げて攻めの農林水産業を展開する中で、農林水産業を産業として強くしていく取組と多面的機能の発揮を図る取組の両者を一体的に推進することとしております。農林水産省で立ち上げました「攻めの農林水産業推進本部」ですとか、官邸に設置されました「農林水産業・地域の活力創造本部」の場におきまして施策の具体化を進め、昨年12月に「農林水産業・地域の活力創造プラン」を取りまとめております。本年はこのプランに基づく攻めの農林水産業実行元年として、施策を総動員して強い農林水産業と美しく活力ある農山漁村をつくり上げていく方針で取り組んでいるところでございます。農村振興局といたしましても、こうした方向に沿って施策を展開していくべく取り組んで参る所存でございます。

 今年度の本部会におきましては、農業農村を取巻く状況のこうした変化に加えまして、農業水利施設の急速な老朽化や集中豪雨等の災害への脆弱性の高まりが一層進むことが想定される中で、今後農業農村整備を実施する際に留意すべき課題について御審議をいただいているところと承知しております。こうした中、経営所得安定対策の見直しや水田フル活用、米政策の見直しといったことと併せて、多面的機能の発揮のための地域活動を支援する日本型直接支払制度の創設といった新たな農政の展開が始まっております。こうした中でこれらを踏まえた農業農村整備の課題についても御議論いただくことは大変時宜を得たものであると考えております。現地調査も含めて本年度第3回目の会議ということで、委員の先生方には忌憚のない御意見を賜りますようにお願いしたいと思います。

 

○佐藤計画調整室長

 三浦局長、どうもありがとうございました。

 なお、これからは渡邉部会長に議事の進行をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○渡邉部会長

 おはようございます。部会長を仰せつかっている渡邉でございます。

 委員の先生方、特に年度末、学年末のお忙しいところを御参加いただきましてありがとうございます。

 今もお話がありましたように、農業農村をめぐる情勢、農政の展開、そういうことを鑑みまして、この部会の課題の大きさを改めて感じ、責めをよく認識しながら進行していきたいと思います。何とぞよろしくお願いいたします。

 今日はお手元にもありますように「今後の農村社会の変化等を踏まえた農業農村整備における課題について」が議題でで、これは今年度の課題で、これをシャープにきちんとまとめることがこれからの議論の基本だと思います。さらにこれについて議論を進めていきたいと思います。

 この後、事務局から40分御説明いただいて、1時間くらいディスカッションできることになっています。ディスカッションの最初は委員の皆さん全員から御意見をいただきたいので、1人3分以内で御発言いただこうと思います。あいうえお順で浅野委員から着席の順で3分程御話しいただいて、その後、30分くらい御自由に意見を言っていただく形にしたいと思います。そのような進め方でよろしいでしょうか。それでは、そのようにさせていただきます。

 それでは、初めに先ほど申しました課題につきまして事務局から御説明いただきたいと思います。

 

○佐藤計画調整室長

 それでは、お手元に配りました資料1に基づきまして御説明いたします。

 まず最初に、簡単にこれまでの検討を振り返らせていただきます。資料1の5ページになります。今回委員長の御発言にもありましたように、審議のテーマは農村社会の変化に対応した農業農村整備の課題ということでございます。第1回の農業農村振興整備部会におきましては、農村社会の変化について御説明をさせていただきました。5ページにございますように、農村における人口減少・高齢化、特に著しい基幹的農業従事者の減少・高齢化、土地持ち非農家・不在村所有者の増加、また集落機能の低下、そして外部要因といたしましては自然災害の増加、施設の老朽化を挙げさせていただきました。

 6ページに参りまして、中段の下、こういうことから「農業生産・供給力への影響」や「農村が有する地域資源・環境への影響」、さらには「自然災害に対する脆弱性への影響」が考えられ、一番下に横断的な課題を2つ挙げたわけでございます。

 そうしましたところ、第1回の農業農村振興整備部会の議論におきましては、7ページの上段でございますが、産業政策と地域政策に分けて議論すべきではないかということ、また産業政策につきましては、「1人当たりの経営規模の拡大」、「ほ場の大区画化」、「維持管理労力の省力化」、「農地集積の推進」、「幅広い分野からの担い手確保」、「儲かる農業を目指した土地改良事業の展開」、「6次産業化の推進」、また地域政策につきましては、中山間地域にもっと目を向けて考えていくべきではないか、市町村職員等の指導者の育成が重要ではないか、ソフト対策が重要ではないか、都市と農村の共生・対流が重要ではないか、地域コミュニティの自立的な活動の充実が重要ではないかとの御意見。また、国土保全・地域の安全では、既存の施設を有効に活用して、防災機能を高めていく視点も重要ではないかという議論をいただきました。

 産業政策と地域政策の関係については本当に様々な御意見をいただきました。その中で両者のバランスを考慮していくべきだ、その際には平地農業地域から中山間農業地域までの多様な地域特性を踏まえて検討を進めていくべきという御議論をいただきました。

 また、昨年の12月3日と4日には熊本県で先進的な取組を行っている地区を現地視察いただきました。そうした中で12月12日には、お手元に参考資料1として黄色のパンフレットをお配りしておりますが、農政改革が打出されております。1ページを見ていただきますと、4行目からでございますが、三浦局長の御挨拶にございましたように「農林水産業・地域の活力創造プラン」が取りまとめられまして、農業を足腰の強い産業とするための政策(産業政策)と、農業・農村の有する多面的機能の維持・発揮を図るための政策(地域政策)を車の両輪として推進し、課題の解決に向けて取組むという部会の議論と同じような展開がなされております。

 具体的な4つの改革といたしまして、まず1つ目、担い手への農地利用の集積・集約化を加速させるための農地中間管理機構の制度化がございます。

 2つ目は、いわゆる戸別所得補償については構造改革にそぐわない面があるため、工程を明らかにした上で廃止するということがございます。

 3点目、水田フル活用と米政策の見直しでございますが、主食用米偏重ではなく、麦、大豆、飼料用米など需要のある作物の生産を振興し、意欲ある農業者が自らの経営判断で作物を選択するシステム、そのために行政による生産数量目標の配分に頼らずとも、需要に応じた主食用米生産が行われるような環境整備を進める。

 4点目が地域政策になりますが、日本型直接支払制度(多面的機能支払制度)を創設し、集落コミュニティの共同管理等により、農地が農地として維持される仕組みをつくることにより規模拡大に取組む担い手の負担を軽減し、構造改革を後押しする。

 こういう4つの改革が取りまとめられております。

 そうしたことを踏まえ、今回の検討のフレームでございます。また資料1に戻っていただきまして、9ページでございますが、課題の検討を行う際の大きなフレームを整理しております。これまで述べてきました農村社会の変化(高齢化・人口減少等)、それに加えまして新たな農政の展開(農地中間管理機構、日本型直接支払制度、水田フル活用と米政策の見直し等)がございます。こういう流れの中で農村社会の展望といたしましては、構造改革を相当加速的に進めていくことが必然となっているわけでございます。そうしますと、農家としては少数の担い手と多数の土地持ち非農家への二極化がますます進んでいきます。また、地域レベルで見れば集落機能の脆弱化が懸念されます。これに対しましては、農業の収益性向上・競争力強化を目指した産業政策と、農家が生活し、農業を営んでいる農村の地域資源の保全・活用や地域の安定・活性化を目指した地域政策を車の両輪として一体的に進め、このことにより農業が持続的に発展し、国民に対しては食料の安定供給、多面的機能の維持・発揮、ここには国土保全機能や地域社会の維持発展が含まれると考えておりますが、これらが可能になると考えております。

 そして、水利施設の老朽化に対応した長寿命化対策の徹底、自然災害の増加に対応したハード・ソフト施策を組合わせた防災・減災対策の推進が行われ、こうしたものが産業あるいは地域社会を安定させ、発展させていく上での土台になるものとして整理しております。

 次の10ページに産業政策と地域政策の内容を整理しております。上の方が産業政策、下の方が地域政策、そして農業農村振興整備部会の御意見でございましたように、左側に平地、右側に中山間地域とし、政策の方向性を区分して整理しております。

 また、産業政策と地域政策のバランスという点につきましては、産業政策につきましては経済価値を追求して政策の重点を置いていく、また地域政策につきましては社会的価値を追求していくと考えております。そしてやはり平地では経済的価値の追求により重点を置いていくのではないか、また中山間におきましては平地と比べれば社会的価値の追求に重きが置かれることになるのではないかということで、右肩に上がる斜め線を引かせていただいております。

 その中で産業政策におきましては、中心に「担い手の育成・強化」を据えております。経営体としての担い手をどう強くしていくかということに向かってさまざまな施策を講じていくのが産業政策の構造。一方、地域政策につきましては「地域コミュニティの維持・強化」を中心に置きまして、これを通じて地域の安定や発展を図っていくという構図をお示ししております。

 産業政策につきましては上から順に、まず「農地集積の促進と生産基盤のさらなる機能向上」、さらなる機能向上というところは担い手にとってより経営力が強化できるような工夫をしていくことを考えております。ここでは平地の特徴としては、大区画化など低コスト化と経営規模拡大を目指した生産基盤がニーズとしてあるのではないか。一方、中山間地域では特色ある営農展開や作業環境の改善を目指した生産基盤が求められているのではないか。実際地域ではこうしたニーズが混在していると思っておりますが、ここでは議論をわかりやすくするためにこういった整理をしております。

 そして、担い手の育成強化という点では法人化あるいは企業参入を含めた異業種連携を進めていく必要があるわけでございますが、平地では家族経営も含めた経営規模の大規模化、中山間地域では個々人の規模拡大に限界がある中で集落営農体制をまず確立し強化していくというアプローチがあるのではないかと考えております。

 また、経営力を強化するための「6次産業化の推進」につきましては、平地では経営・販売を水平的に規模拡大していく、一方、中山間地域では例えば高齢者への弁当の宅配とか、加工品を伝承産業、伝承技術として伝えていくといったいわゆる地域づくりや生きがいづくりというところにも意義があるのではないかという形で、こういった整理をしております。

 その下の「地域営農戦略の再構築への対応」は、特に水田フル活用や米政策の見直しを踏まえて地域の営農が大きく変わることも想定されます。そうしたことに機動的に対応していく基盤整備も重要になってくるだろうということでございます。一方、地域政策につきましては、まずは「集落構造の再構築」。特定の少数の担い手が決まっていく一方で、多数の土地持ち非農家や小規模農家が生まれるわけでございます。そういう方々にも地域資源の保全や地域活性化に向けた新たな役割をまず地域内で決めていただくことが重要ではないかと考えております。

 そして地域政策の一番下に載せております「地域資源の保全・活用」が農業・農村を維持していくベースとなっており、重要であると考えております。その位置付けとして平地におきましては少数の担い手を地域で支えていく側面、中山間地域では集落そのものを維持していく側面が強いのではないかと考えております。

 その上に農業農村の魅力を活かした地域社会の活性化、ここでは交流を軸として地域をどう活性化していくかが課題と考えております。

 最下段に「施設の老朽化や災害への対応」ということで「長寿命化対策」、「防災・減災力の強化」を挙げております。

 この10ページが課題をある程度体系的に整理し、骨格としてお示ししているものでございまして、以後の資料はこの項目の順番ごとに地区事例やデータ、あるいはさらに課題をブレークダウンした形で説明しております。

 それでは個別の内容について説明させていただきます。まず一番上の「農地集積の促進と生産基盤のさらなる機能向上」というところでございます。資料の12ページでございますが、やはり中心となるのはほ場整備事業であろうと考えております。これまでもほ場整備の進展にあわせまして生産コストが低減してきております。右下にございますように、米の場合は労働費が一番生産コストの主要を占めております。

 そういう中で13ページにいきまして、大区画化が効果的だろうと考えております。中央の上段では標準区画、30アール区画の整理に比べまして、1ヘクタール以上の区画整理をするとさらに労働力が半減できるという一定の完了地区からのデータの整理をお示ししております。その右では大区画化が個別農家の経営規模を拡大することも促進していくことをお示ししております。

 一方、一番下の表からは、こういう労働費の削減において畦畔管理や水管理という管理部門はなかなかスケールメリットが生かしにくい、削減率が他の分野と比べて少ない傾向が伺えます。

 14ページに参りまして、大区画化を限られた予算の中でスピーディーに進めていくためには畦畔撤去による簡易な区画拡大が重要だろうと考えております。この候補地としては右下にございますように、標準区画で整備済みで傾斜地がある程度緩やかな圃区単位で均平。圃区といいますのは小水路と道路に囲まれた、30アールの区画であればおおむね10筆単位の3ヘクタール程度の区画でございます。右にございますように、日本全国の農地でこうした圃区単位の区画を区分したデータを地図情報として所有しております。例えば水田0.3~0.5ヘクタール整備済地区で圃区均平なところはどういうところなのか、そういうところを色塗りして区分した上で県土連とも連携しながら農地中間管理機構等ともこういう情報を共有することによって戦略的に簡易な整備を進めていく取組も今後必要ではないかと考えております。

 15ページでは、ほ場整備、区画整理と担い手ごとの農地の集約化という視点でございます。これまでもほ場整備で農地集積を進めてまいりました。ただ、担い手の経営規模が大きくなっても、左下のグラフにございますように、分散錯綜した形で規模拡大がなされてきているケースもございます。こういうことが経営規模の拡大がある程度頭打ちになっている要因の一つではないかと考えられるわけですが、このたび農政改革で農地中間管理機構が設けられ、まさに地域内の分散錯綜した農地利用を整理し、担い手ごとに集約する場合等に借り受けする。そして基盤整備等が必要な場合、それを行い、担い手がまとまりのある形で貸し付けをするという仕組みができておりますし、また基盤整備におきましても、最下段の右側にございますように、これまでの農地集積に応じた促進費に加えまして、農地を集団化した場合、さらにインセンティブのメリットを与えるという仕組みを平成26年度から開始することとしております。こうした制度を用いまして、今後基盤整備、区画整理においては担い手への農地集積、経営規模の拡大のみでなく、集約化団地化を目指す整備として進めていくことが重要な課題と考えております。

 続きまして16ページでございますが、そういう土地利用調整を行っていく際には農地中間管理機構と、水利調整や土地利用調整のノウハウのある土地改良区がしっかりと連携をしながら役割を果たしていく環境整備を整えていくことが重要と考えております。

 その下、17ページでございますが、経営規模拡大のスケールメリットが生かしにくい水管理、畦畔管理につきましては、これは現地調査で見ていただいた熊本県の地区の事例でございますが、省力化を進めるための環境整備が一つの対策になるのではないかと考えております。左下では畦畔管理ということでカバープランツを植栽することによって畦畔の草刈りの手間をなくす。また右下にございます自動給水栓を整備することによって水管理の労力を削減しかつ揚水機場の電気代も削減できたということがこの地区の状況でございました。

 18ページに参りまして、さらに省力化を高度化していく上では地下かんがいが重要であろうと考えております。地下かんがいは経営の大規模化をさらに可能とする直播栽培にも極めて有効ということがございます。また、自然圧を利用した水路のパイプライン化を行えば、水路の草刈り、江ざらいもなくなりますし、水管理も省力化できるということがございます。こういうことも進めていかなければならない課題と考えております。

 続きまして19ページ、小水力発電でございます。土地改良施設の操作等に必要な維持管理費もスケールメリットが生かしにくいコストでございます。小水力発電による売電収入はこれを補うものともなるので、こうした視点からも小水力発電の推進が必要と考えております。左上のグラフにございますように、ポテンシャル地域といたしましては100キロワット未満の地区数が大変多くなっています。これまでの小水力発電の設置ではおおむね500キロワット、1,000キロワットオーダーの地区が多かったわけでございますが、今後こういった低落差・小流量地区の開発を促進していくための技術開発や普及が課題と考えております。

 続きまして20ページでございますが、中山間地域におきましては特色ある営農や作業環境を改善するための整備が重要だろうと考えております。左の事例は、現地調査で見ていただいた熊本県東門寺地区でございます。樹園地の再編という特色ある営農を展開するため、井戸や作業道を直営施工で整備した事例がございました。また、右側は、労働環境を少しでも緩和するということで平行畦畔型の区画整備の例でございます。このように中山間地域では規模拡大・大区画化が必ずしもできないケースもございますので、こうした整備を進めていく視点も重要と考えています。

 21ページでございますが、ICT農業との連携でございます。いわゆる農家の暗黙知をデータ化して、緻密な水管理を可能にするといったことを通じて、より営農を高度化していく。そこに基盤整備も連携・貢献していけないかという視点でございます。事例として挙げておりますのは、水管理でICTを活用して省力化あるいは高度化していくという仕組みを紹介しております。このような技術を研究あるいは実用化、普及していくのが今後の課題と考えております。

 以上が「農地集積の促進と生産基盤のさらなる機能向上」でございます。

 22ページが「地域営農戦略の再構築への対応」ということでございます。新たな農政の展開、4つの改革が展開されます。

 23ページ、その中でも水田フル活用と米政策の見直しでは、水田フル活用ビジョンが都道府県段階、地域段階で作成されて参ります。この中で作物ごとの作付予定面積や3年後の目標あるいは支援対象となる地域特産品が地域で明らかになって参ります。そうした中で、左下にございますように、飼料用米を指向する地域も出てくるだろうと考えております。左は、これまで作業ピークの関係から米の経営規模がある程度押さえられていた農家において、作業ピークをずらせる飼料米を導入することで経営規模全体を拡大していくという事例をイメージとして載せております。また、中央の事例では、3割のニーズがあると言われております中食・外食におきましては特定の米品種の複数年契約が求められているという状況がございます。これまでは行政が示した生産調整でなかなか難しかったことこうした取組が、今後は経営者の判断でより広がっていくのではないか。また、右は、産地交付金の予算額が拡大されております。この中で麦、大豆の生産向上により取り組んでいく、あるいは野菜の産地化といった地域振興作物の取組を進めていく地域が出てくるだろうと思っております。

 22ページに戻りますが、そういう中で今後の見通しとして生産面への影響、飼料米の生産を指向する地域では作期が変わりますので、農業用水の利用期間が変わってくる。米生産の拡大を指向する地域においても農業用水の利用が変わってくる。麦、大豆の振興を指向する地域では排水対策や暗渠排水の汎用化が重要になってくる。特色ある営農展開をする地域では例えば畑地灌漑や土壌改良といったきめ細かな対応が必要になってくるのではないかと考えております。

 24ページは飼料用米が増大することに対応する水利用の変化のイメージを表しております。減水深の関係で、飼料用米が畑作物に置きかわってもピーク量そのものはあまり増えないのではないかと考えておりますが、やはり作期がずれると水の利用期間が変わり、右下にございますように、水利権の枠をはみ出る期間に水利用が必要になってくることも生じ得るのではないかと考えております。

 そうした場合には25ページにございます、左上にございますように、ピークをカットした水量分を後にずらすことによって水利権の変更を行っていく、あるいは右にございますように、配水管理ロスの低減を図っていく、あるいはその下にございますように、新たな水源を確保する。水源を確保するといいましても、用水を反復利用する、あるいはため池の貯留容量を増強するといった対応が今後機動的に必要になってくるのではないかと考えております。

 続きまして26ページでございますが、麦、大豆を指向する地域におきましては暗渠排水による汎用化が大きな効果を有しております。今後水田フル活用ビジョンをにらみながら機動的かつ重点的にこうした整備を進めていくことが課題と考えておりますし、27ページの畑作物、園芸作物を指向する地域におきましても必ずしも大々的な整備ばかりでなく、試行的に新たな作物に取組む農家に対しましてもきめ細やかな支援を営農支援とセットで講じていくことも必要になってくるのではないかと考えております。

 28ページからは「多様な担い手の育成強化」でございます。第1回資料でも申し上げましたように、法人経営がここ10年で2倍程増加しております。左下にございますように、法人経営は経営の多角化が進んでいること、また右にございますように、40代以下の若者を最も取込んでいるのはこうした法人経営にまず入ってくる若者でございます。右上にございますのは、女性が参画する農業経営体は非常に経営が多角化しているデータでございます。

 こうした特徴を捉えながら、29ページでございますが、基盤整備の機会を最大限活用し、農業生産法人を含めた担い手を育成していくということを示しております。基盤整備は地域を大きく変えるということでございますし、そこに向けて数多くの話し合いがされるわけですので、そういう機会を捉えて法人を設立するなど担い手育成に向けた話し合いや育成支援が可能ではないかと考えております。

また、その際水田地域におきましては、大区画化による水田の経営規模拡大は冒頭申し上げましたが、ここでは現地調査の熊本で見ていただきましたように、園芸作物を導入し複合経営を強化するという経営体の事例を示しています。また、中山間地域では集落営農を構築するという形態もあると思います。そういう様々な熊本県の経営体育成をにらんだ基盤整備も考えていかなければならないと考えております。左にある熊本県の事例では基盤整備でナスのハウスを団地化し、そのことによって情報共有して品質も高め、燃料代も節約しました。この地域ではまさに園芸作物農家が地域の中核的な担い手となって水稲専業の農家も引っ張っているという構図がございました。

 続きまして30ページでございます。企業も含めた異業種との連携でございます。左は山梨県の事例でございますが、基盤整備の計画段階から参画企業等のニーズを踏まえ団地を計画してきた事例でございます。また、右にございますように、こうした動きは中山間地域でも地元企業と連携しながら基盤整備を進めてきている事例もございます。こうした取組も全国展開を図っていかなければならないと考えております。

 31ページについては、6次産業との連携でございます。6次産業と基盤整備の連携は数多くの事例がございますが、こうした取り組みをある程度仕組みとして体系的に定着させていかなければならないと考えております。

 32ページでございますが、かなり密接に連携した事例を左に載せております。換地によって創出された用地で直売所をつくっています。また、ほ場整備で生まれた余剰労働力を活用して6次産業に充当しています。そしてまた農家自身の余剰労働力も生まれましたので、環境保全型農業を実施し、より販売力を高めている事例でございます。

 一方、6次産業化・地産地消法が平成22年12月に施行されております。ここでは農林漁業者が総合化事業計画、どういう作物を販売、加工し、6次産業化するのかという計画を策定すれば、資金面や6次産業化プランナーの派遣ということで支援が得られる仕組みがあります。こういう6次産業に係る計画と基盤整備の計画は、下段中央の赤字部分にございますように、双方がリンクしてくるのだろうと思っております。例えばほ場整備事業で営農計画をつくりますが、どういう作物を導入し、加工用の高収益作物として6次産業化していくのか。また、施設用地をどう生み出していくのか。余剰労働力をどう活用するのか。また、活性化施設等をどう活用していくのか。特に用地の生み出しについては、下段にございますように、同時にこういう構想が定まらないと、加工用施設という計画がある程度オーソライズされないと、区画整理の換地計画にも反映できないという事情もございます。そういうことからも両方の計画を同時一体的に詰めていくことによって双方の計画をより高めていく相乗効果があるのではないかと考えております。

 33ページでは、担い手を育成する際にゼロから法人をつくっていくアプローチ以外にも、既存の営農組織を合併する、あるいは既存の経営体の経営規模を拡大していく場合にも基盤整備が貢献していけるのではないかということをお示ししております。

 以上が産業政策の部分でございまして、34ページ以降が地域政策になります。

 35ページでは「集落構造の再構築」ということでございます。人・農地プランの作成、農地中間管理機構やほ場整備事業による土地利用調整で少数の担い手が特定されてくる一方、多くの土地持ち非農家が出てくるわけでございます。こうした方々にも新たな役割を担っていただくことが重要と考えております。農地・水の保全活動として草刈り、江ざらい等、これはこれで重要でございますが、さらに地域活性化として6次産業への参画、市民農園、農家レストラン、都市農村交流、福祉との連携、さらには地域コミュニティによる防災活動、こういうものに携わっていただくことが担い手を支えるという側面だけではなく、生きがいにも繋がっていくのではないかと考えております。下段にございますように、こうした計画を多面的機能支払制度における保全管理構想の策定やほ場整備事業における話し合いを通じて明確化していただくことがまず重要ではないかと考えております。

 その上で36ページの地域資源の保全でございますが、このたび多面的機能支払制度が設けられました。左下にございますように、これまで農地・水保全管理支払交付金ではこうした地域コミュニティ組織が約34%の農地面積で形成されてきておりますが、今後はこの制度を用いながら、より水平展開していくことが課題と考えております。

 37ページは、地域資源を保全するのみでなく、それをより高度に活用していくことが重要であると考えております。左は生態系を保全し、それをブランド米に活用していく事例、右は耕作放棄地を地域資源と捉えて6次産業に活用していくという事例でございます。こうした取り組みは、まさに優良事例を選定し、全国へ発信することを通じて他地域に横展開していくことを促進するのが国の役割と考えています。

 38ページ、共同活動を広域連携することによってより活動を効果的なものにしていく事例でございます。これも熊本の現地調査で見ていただいた取組でございます。左側は、地下水に依存している下流の熊本市や企業が中流や上流の農地で転作田に水張りをすることに対して支援するという仕組みが構築されております。さらにそこでつくられた米を下流の方が「水の恵み米」として消費するという上流と下流の連携が構築されております。また、右の事例では30の土地改良区が広域連携し、上流では水源涵養林、最下流では海浜の清掃といった森・里・海の連携が展開されております。こうした取組は流域あるいは水のつながりがある土地改良区が実質的なプロモーターとなって展開されている事例も多いわけでございますが、こういう取組をもっと全国的に展開していけないかということも課題と考えております。

 39ページは地域コミュニティによる農地周り施設の長寿命化でございます。これにつきましてはこれまで農地・水保全管理支払交付金で展開してまいりましたが、引き続き多面的機能支払制度を活用しつつ展開していきたいと考えております。

 続きまして40ページは、公共事業の実施と環境との調和への配慮でございます。公共事業の実施の際の環境配慮と地域づくりの視点になります。農林水産省の国営事業開始の際には環境配慮計画の作成を義務づけております。右にございますように、これまでは可能な限り事業による影響を回避・低減するという視点が主流でございました。これからは更新事業が多くなるわけでございますが、そういう場合におきましても地域の資源を見つめ直す機会と捉えまして、こうした水利施設を活用し、地域づくりにも活用できないかということを環境配慮計画の中で取り組んでいくことを一般化するとともに、技術指針を整備していきたいと考えております。その際にはやはり流域単位、水系単位になりますので、土地改良区が所定の役割を果たしていけるのではないかということを記載しております。

 続きまして41ページは、農業・農村の魅力を生かした地域社会の活性化でございます。ここでは都市と農村の共生・対流が重要と考えています。

 それを進めていく上では42ページでございますが、交流を軸とした関係府省の連携が福祉、教育、観光、まちづくり、環境等の分野で重要と考えております。左上の事例では、子ども農山漁村交流プロジェクトでは出し手の文科省と受け手の農水省の連携、左下の「農」と福祉では福祉農園等の整備の農水省と福祉施設等の整備の厚労省との連携、また右下の都市農業の振興では用地創出の国交省と交流農園の農水省との連携、こういうことを通じて交流人口を増やすことが重要だろうと考えております。

 43ページは、世界農業遺産でございます。農村の魅力を発信していくことも重要と考えております。世界農業遺産はFAOが認定するものでございまして、これまで世界11カ国25地域が認定されているうち、日本では5地域が認定されております。こうした世界でも価値のある農業農村の魅力をより農村活性化に生かしていくことも重要と考えております。

 44ページでございますが、世界農業遺産まではいかなくとも、日本には棚田や疏水といった美しい景観、文化が数多くございます。こういう魅力を引き出し地域活性化に役立てていくという支援制度として、美しい農村再生支援事業が平成26年度から展開される予定です。この中では地域住民や行政が一体となった体制づくり、計画づくりを支援することを通じて効果的にこういう取り組みを支援していこうというものでございますが、アウトプットとして右下に外国人訪問を例として挙げております。都市住民のみでなく外国人も対象とした観光振興にも繋げていく。まさに日本の「食」が世界的にも注目されているわけでございます。郷土食や行事食も組み合わせ、こうした魅力を海外にもアピールしていくポテンシャルは農村には十分あるのではないかと考えております。

 45ページは、再生可能エネルギーの活用でございます。左の事例は埼玉県のひびきの地域でございますが、土地改良施設を活用した小水力発電、また土地改良施設のスペースを利用した太陽光発電を整備し、例えばそれをハウス団地にも供給していく。そのことによって維持管理費の軽減や園芸作物の振興も図っていくという構想でございます。

 一方、平成25年11月には農山漁村再生可能エネルギー法が公布されております。この法律では市町村が基本計画を策定し、農林漁業と調和した再生エネルギー発電による農山漁村の活性化に関する方針をつくることになっております。こうした再生エネルギーの地域活性化構想と基盤整備事業についても、下段の赤字にございますように、営農計画(ハウス集団化等)と営農施設への電力供給や再生エネルギー施設の用地の創出、あるいは小水力発電の設置や土地改良施設のスペースを利用した発電施設など一体的に検討すべき事項が数多くあるのではないかと考えておりますので、6次産業と同じように体系的な連携を体系的に行う仕組みが構築できないかというのも課題と考えております。

 続きまして46ページからは老朽化対策、防災・減災でございます。

 47ページは、基幹的農業水利施設については既に耐用年数超えが2割あるということです。また、右側、農業水利施設の特徴といたしましては、基幹から末端に亘って建設主体が異なっていること、所有主体と管理主体が異なっているとの特徴がございます。

 こういう中で48ページ。所有者、管理者が一体となって長寿命化対策に取り組んでいくことが重要なわけでございますが、昨年11月には日本政府として1つのインフラ長寿命化基本計画が策定されております。これに基づきまして今後省庁分野ごとに行動計画、また施設ごとに個別施設計画をつくることになっております。こういう共通の枠組みの中で管理者、所有者が一体となった長寿命化対策を推進していくことが重要と考えております。

 49ページでございますが、水利施設の長寿命化に際しましては、さらに長寿命化対策を徹底していくことが重要ではないかと考えております。これまでの補修、補強による長寿命化対策に加えまして、例えば5年に1回の点検に基づく長寿命化対策を、監視を徹底することによりましてより更新時期を後ろにずらせないか。そのためには点検したデータをしっかり蓄積、共有し、可視化する取り組みが重要ということで、右にございますように、そういうことを可能とするシステムを26年度から展開することとしております。今後の課題といたしましては、こういう取り組みを基幹から末端に至るまで共有していくことであると考えています。また、どうしても耐用年数を延ばしていくとなると突発事故の発生も懸念されるわけですので、セーフティーネットを強化していく、また施設の新設・改良という地域の意向に基づくものとこうした長寿命化、これは施設ごとの機能診断結果に基づいて実施すべき時期が自明のものとなって参るわけでございますので、こういう視点を捉えた事業の推進のあり方も検討課題と考えております。

 50ページは、長寿命化をより高度化、効率化するためには新技術を導入していくことも重要であるということでございます。

 51ページは、生活環境施設も老朽化が進行しております。農道橋については30年以上を経過している施設が25%、また集排につきましては20年を経過する地区が今後10年間で約3,200地区と急速に増える見込みになっております。こうした生活環境施設につきましては同じ場所で同じ規模のものを更新するというアプローチのみではなく、今後の人口減少を見据えた適正規模への集約化や再編整理が重要な課題と考えております。

 続きまして52ページ以降が、防災・減災に関する内容になっております。

 53ページにございますのは食料供給を果たしていく農業水利施設という側面からの防災・減災でございますが、これにつきましては基幹的水利施設を更新する機会を捉えまして、2次災害にも影響があるような施設については耐震化を十分講じていくということを書いております。

 54ページでは特にソフト的な対策が重要ではないかということで、土地改良区によるBCP(業務継続計画)の策定を推進していきたいと考えております。BCPの中で災害があったときにどういうところから点検、応急対策をすれば営農への影響が最も少ないのか、2次災害への影響を最も押さえられるのかということをしっかりシミュレーションしていただき、事前の備えをしていただく、そういう取り組みを進めるためにまずは国営土地改良施設におけるBCP策定手法を確立したいと考えております。

 55ページでは、生命・財産を守るための防災・減災です。ここでは、例えばため池等につきましてはまず点検を十分行った上で対策が必要なため池を絞り出し、緊急性に応じてハード対策、ソフト対策を組み合わせて対応していくこととしています。その際、例えばため池では管理体制が弱い部分がございますので、そのための技術支援を講じていくといったアプローチも重要と考えております。

 56ページは施設が災害に悪い影響を及ぼすという視点ではなく、逆に地域の防災効果を高め得るのではないかという視点のもとに、例えば左上の田んぼダムでは、水田の出口を狭めることによって、水田に雨水を貯留し、洪水のピークカットをする。あるいはため池では事前に放流をして、貯留容量を稼ぐという取組を示しております。まさにこれらの取組は地域コミュニティとの連携が重要と考えております。地域コミュニティと連携しつつ、また各関係省庁とも連携しながら地域全体の防災機能を高めるための農地、農業用施設の活用にも課題として取組んで参りたいと考えております。

 57ページ、関係省庁連携による防災力の強化でございます。左上に示していますように、豪雨が降った場合、そこに住んでおられる方のリスクとしては、ため池が崩壊するということばかりではなく、土砂崩壊が起こる、あるいは河川があふれるというリスクがあります。そういう複数の災害リスクを捉えた総合的なハザードマップや合同訓練といった取組も関係機関と連携しながら進めていくことが重要ですし、また右下の事例では東日本大震災時に岩手県の陸前高田市で沿岸部の幹線道路が被害を受けましたが、黄色の広域農道がかなり効果的に代替道路として活用されたわけでございます。こういう迂回路をあらかじめ被災前に地域において緊急輸送道路として認定しておくことが被災時に混乱を少なくしていく上で効果的ではないかと考えております。

 58ページは、地球温暖化でございます。IPCCでこのたび報告書が出されようとしております。この中では5年前の第4次評価書と比べまして海面水位がより上昇する、あるいは日本も含めました中緯度の帯域等で極端な降水がより強く頻繁となったと言われております。こうした動きも踏まえながら、右下にございますように、防災・減災と関係が深い分野におきまして中長期的な影響の予測評価の確度を向上させるとともに、具体的な適応策の検討を進めていくことも課題と考えております。

 最後に59ページでございますが土地改良施策の今後の留意点になります。これまでの内容とやや重複するところがございますが、今後小規模農家、土地持ち非農家が増加し、二極化が進展します。そういう中で土地改良区の水利調整、合意形成への影響が懸念されます。右下にございますのは昨年度の農業農村振興整備部会の現地調査の意見のピックアップでございますが、集落が行ってきた農業用水の管理に変化が生じ、下流の水田に用水が届きにくくなっているというような事例もございます。

 次の60ページ、更新に対しましても土地持ち非農家は投資意欲が少なくなってきており、更新の合意形成にも課題が生じてくるのではないか。それに対して例えば施設の更新支援に向けた事前積立による負担の平準化等も進めていかなければならないとしておりますし、また農業水利施設の長寿命化対策を進めていく上での技術面での基準等の明確化も検討課題と考えております。

 61ページでは、農業の構造改革、農家の高齢化、農業水利施設の老朽化に対応して想定される課題として、日常的な課題としては管理の粗放化等、また土地改良事業や運営に対する課題としては事業に対する地域内での意欲・考え方の偏り、土地改良区運営への影響の懸念をあげています。また施設の長寿命化・耐震化・更新の円滑な実施にも影響が懸念されるのではないかと考えております。こういう課題の解消、最小化に向けた施策等のあり方についても留意していくことが重要と考えております。

 62ページではこれまでいただいた委員の意見に基づき、課題の解決に向けた横断的な留意事項として産業政策も地域政策も攻めの視点が重要であること。あるいは産業政策・地域政策の有機的な連携が重要であり、そのためには地域コミュニティを最大限に活用していくこと、全国画一的な施策の方向性ではなく、地域の特性や条件に応じた機動的な対応が必要ではないかということ、関連施策や関係団体との連携強化が重要であること、先進的な取組を全国発信していくことが重要であることなどについて整理しております。この部分についてはさらに委員の皆様の御意見をいただきながら特に充実していきたいと思っております。

 63ページ以降は今まで述べたことの題目を並べて整理しているものでございます。

 以上、駆け足で申し訳ございませんが、資料の説明とさせていただきます。

 

○渡邉部会長

 御説明ありがとうございました。広い範囲にわたりましてわかりやすい資料をつくっていただいたかと思います。

 御説明がありましたように課題はたくさんありますが、先ほど申し上げましたように、まず各委員の方から3分以内で今の御説明も踏まえましてこの課題についてのお考え、あるいは質問を含めていただいてもいいのですが、御発言いただきたいと思います。今日話題になりました考え方全般、あるいはここでの議論の仕方ということから、個別の要素的な事業や取り組み、あるいは技術に触れられる方もいると思うのですけれども、そこの制約を設けず、各委員御自由にどの範囲でも結構ですので御発言いただきたいと思います。繰り返しになりますが、恐縮ですが3分以内にまずはおまとめいただけるようにお願いしたいと思います。

 それでは、浅野委員からお願いします。

 

○浅野臨時委員

 座長が3分以内ということで、トップバッターが多分一番大事だと思うので手短にやりたいと思います。

 農業農村振興整備が産業政策と地域政策の両側面を持つ、それに基づいて施策の方針を立てられたのはまさにすばらしい区分だと思います。ただ、そのバランスがとても難しいと思います。逆に言うと、バランスをとらなければいけないところがまたおもしろさでもあるわけです。

 今回の資料を見せていただいたときに、目次を見ていただくと、1、2、3、4とあって、3が産業政策、4が地域政策となって、5の施設の保全管理の位置づけが少しどうかなと思いました。5は要するに社会基盤の整備と言われるものに関することであって、実は健全な産業政策、地域政策が行われるためにはここの5のところがとても重要ですが、ここではやや補論のような扱いになっている。ここはもう少し重点を置いて、自信を持って社会基盤整備ということを強調してもいいのではないか。これは経済学の歴史でいうとアダム・スミス以来政府がやるべきこととして、国防であるとか警察であるとかいうものと同様に、社会基盤を整備することはまさに政府の仕事であるわけですから、ここは自信を持って、社会基盤の整備を前面に出されるべきではないかと思いました。これが1点です。

 もう1つ、次は産業政策と地域政策それぞれに該当するのですけれども、1つは農業農村整備で大事なことはオプションを広げる、例えば同じ農地を貸しやすく使いやすくバトンタッチしやすくするという農地の使い勝手を上げることが土地改良事業によって可能になるわけで、これをフルに活かすような政策展開をしていただきたい。それとあわせて地域政策の側面もあるわけですから、下限をどう考えるか。要するにミニマムみたいなことを少し考えておかないと、一方で可能性を広げるために規制緩和し、一方で漏れ落ちるものが出てくることが問題になりますので、少し下限についてお考えいただきたいということになります。

 もう一つ、最初に申し上げた農業水利施設の保全管理に関しては、国連で今、包括的富という概念が非常に大事になってきています。要するに国民経済において富を、お金だけでなくていろいろな資本とかそういうものをきちんと考えよう、ストックにもっと目を向けようということになっていまして、土地改良事業の5番目の課題にはそういう水利施設の保全管理はまさに富の価値を上げる側面もありますので、そのことをぜひ少し考慮いただいたらどうかと思います。

 以上です。

 

○渡邉部会長

 ありがとうございました。

 では、順に加藤委員、お願いいたします。

 

○加藤臨時委員

 今、浅野委員からも話があったのですが、資料1の51ページになるのですけれども、項目の部分に「農村の生活環境施設の老朽化対策の推進」と括弧でございますが、私もまさしく農村の社会インフラの整備のところをもう少し力を入れて書いていただきたいと思います。これは、昔は農村の環境基盤整備として農村総合モデル事業とか色々な事業で整備された時代もあった訳でございますが、非常に老朽化も進んでいる、また先ほど地域政策と産業政策という中においても中山間地域においては地域政策の関係の多面的機能が一番重要視されている訳ですので、そういうところを考えるとやはり住みやすい地域づくりを具体的に、単なる老朽化対策の推進ということではなくて、もう少し視点を変えてこの分野をとらまえていただければ非常にありがたいなという感じを1つ持ちました。

 もう1点は、今回の資料は非常によくできていると私も思いますが、この中で産業政策においては「基盤整備を契機として」という言葉が何回か出てくる訳でございますが、やはり政策展開をするに当たりましては人づくりが非常に大事でありまして、人がいないとなかなかいい政策が横断的にできないということで、この中で謳う内容かどうか私はわかりませんけれども、農業農村の関係の職員も含めてぜひ人づくりをしていただきたい。そういうことによって、今、農協の改革の問題もございますが、農協の改革の中の正組合員の方々は土地改良区の中心的な組合員でございまして、農協改革は土地改良区の改革という話になる訳でございますので、ぜひ政策展開に当たりましては人づくりということで、その分野にも少し力を入れていただいて、今回も4つの改革がございますが、農村振興局、食料産業局、経営局等全てのところが横断的に連携できるようなことを考えていかないと、すばらしいアイデアがあっても今までと同じような感覚で動いてしまうのではないかなという懸念もしますので、そういう人づくり、展開の仕方について御検討願えればありがたいなということでございます。

 以上でございます。

 

○渡邉部会長

 ありがとうございました。

 では、北村委員、お願いいたします。

 

○北村臨時委員

 静岡県藤枝市長の北村でございます。前の2回の部会においては、台風とか公務等で出席できず、大変御無礼いたしました。今回初めての出席ですので、よろしくお願いしたいと思います。

 資料1の62ページに今までの課題の提起がいろいろ出されております。まさにそのとおりと感じています。(3)の地域ごとに異なる特性あるいは条件を踏まえて、画一的ではない、それぞれに応じた目指すべき方向性、この施策を追求とありますけれども、まさにそのとおりと、全国津々浦々見るとそういう感じがいたします。全国市長会を定期的に行っているのですけれども、そういう中で議論されていることは、大きく各地方ごとに具体的に、また問題、課題になることが大体主に3つ挙げられています。

 その1つは、適切、適正な土地利用。要するに集団的優良農地の保全とそうでない農地の農地以外への利用、それを地方の判断に委ねられたい。これが1つです。

 それから、2つ目に耕作放棄地対策。

 3つ目に、耕作放棄地と関連して、イノシシあるいは鹿を始めとする鳥獣被害対策が今、かなり大きな問題になってきているというようなことでございます。

 その他に先ほど御説明いただきましたけれども、62ページ以降いろいろな課題等がありますが、まさに私は言い尽くしていると思っておりますが、あえて特に2つの視点を感じています。

 1つは、農地利用集積が進展しますと、限られた担い手への負担集中がかかる、その対応でございます。

 もう1つの視点は、農村の地域資源の保全、利活用。そういうようなことと防災・減災の面で安全確保の対応。こういう対応として農業農村整備事業に新たな視点を加えて地域の活性化を図る事業、メニューが必要ではないか、この2点の視点があるのではないかと思います。

 1点目の視点は、担い手あるいは経営体へ農地集積を進めることによって農村社会が崩壊しない、崩れていかない。そういう対策と同時に、農地を貸した人も農業と何らかの関わりを持って地域のコミュニティに加わってもらうことが重要ではないかなと思っております。そのためには基盤整備した農地あるいは農業施設の基礎的な維持・保全活動、あるいは先ほど出ておりました6次産業化なども地域ビジネスに参加する、そういうような地域ぐるみの取り組みを進めることが大事だなと思っているところでございます。その手法として土地改良区にもっともっと元気を出していただいて、その機能を工夫して土地改良区が主体となって農地の担い手集積エリア、それともう一つ趣味的農業エリアとか、あるいは市民農園エリアを区分して、全員が参加すること。そのことによって地域コミュニティが維持できていくのではないかと思っております。

 もう一つの視点として、私たち静岡県藤枝市とその隣に島田市がありますけれども、その北部の中山間地域が中山間地域総合整備事業によって今、整備を進めてきているところでございます。この地域には9つの体験交流施設がございます。そこの地域資源を生かしたツーリズム会議を組織しておりまして、平成21年度から一帯を「天空の回廊」というような名前をつけて、体験イベントなどの地域情報を発信して、いわゆる交流人口の拡大によって地域活性化に取組んでいるところでございます。この各施設が提供している種々のイベント、例えば茶摘みだとかハイキングだとかそういうようなものがあります。例えば国際陶芸フェスティバルを行ったのですけれども、昨年は1,500人程度だったのが、今年度は実に4,000人が来ているということでございます。そういうようなことでこういう取組によって地域に人が訪れて交流が活発になること、そして地域が元気になること、これを農業農村整備事業でいろいろなメニューを加えて、今がいいチャンスだと思うものですから、例えば中山間地域総合整備事業の制度の中でこうした地域資源を活用したビジネス展開を応援していくことも考えられると思います。

 

○渡邉部会長

 ありがとうございました。

 では、小谷委員、お願いいたします。

 

○小谷臨時委員

 先日たまたま香川県に行きまして、取材ではなかったのですけれども、目に飛び込んでくる風景であちこちにため池があって、いかにも香川のこんもりしたお山があるという地形に、農村好きの私はすごく感動したのです。世界農業遺産ですとか棚田もそうですけれども、都市と農村の交流、共生・対流を私は個人的にもテーマにしていますので、もっと観光地として、農村の旅としての価値をアピールした方がいいなと思いました。

 どう考えても地域の高齢化が進み、この後ため池の管理はどうなるのだろうと地元の人にも伺いました。そういうときにもちろん若い担い手が必要なのですけれども、ではどうしたら農村に、あるいは農業に新しく就農してもらえるかということになるのですけれども、たまたま知り合いの経営局就農女性課では「農業女子プロジェクト」といいましてフェイスブックをつくっているのです。ですから、新しい農村の魅力を農水省みずから発信していくことが大事だと思っています。メディアももう大きなマスに頼るのではなくて、地産地消の時代だと思っています。農水省自らフェイスブックでため池のページあるいは農村振興のページをつくるようなことが大事なのではないかと思います。

 先ほど浅野委員の包括的富というお話がありましたけれども、まさに『里山資本主義』の藻谷さんのベストセラーがあるように、今、価値としてはお金よりももっと豊かさとか精神的な楽しさ、美しさ、幸せだと思うのです。ですから、若い人が農村に行くことが、儲けるための農業というアプローチも一つもちろんあるのですけれども、同時に同じくらいそこにいる暮らしが心地よい、豊かだと感じる若い人たちがむしろ増えています。昔の人は農業は苦労してなかなか報われないイメージがありましたけれども、今は海外を経験したり、途上国を旅などした若者はむしろ農村にそういう新しい暮らし方がある、ライフスタイルとしての農を感じている人たちに私も触れ合います。そういう意味で情報を発信しないことには若い人が憧れられませんので、積極的な攻めの情報発信を、開かれた農水省、農村振興を提案したいと思います。

 

○渡邉部会長

 ありがとうございました。

 では、松永委員、お願いいたします。

 

○松永委員

 大阪市立大学の松永です。

 今回、農政の軸として産業政策と地域政策を同時に位置づけるという位置づけは非常にきれいですし、わかりやすい体系だと思います。同時に、いよいよ踏み込んで考えないといけないなと思いましたのは、産業政策から地域政策に向かうベクトルというか、矢印では議論が整理しやすい、政策が打ち出しやすい。例えば農地集積であるとか、集積を促すための社会基盤整備、その担い手という方向で産業政策から地域政策への政策展開は考えやすいと思うのです。一方で、特に農業農村振興整備部会でやはり重視しないといけないのは、地域政策に主眼を置いた視点から産業政策をどう考えるかというベクトル、矢印かと思います。今回お示しいただいた中で説明を伺っていると、社会基盤整備を基本としながら地域コミュニティづくりを一体的に相乗効果として発揮していくという御説明がありました。社会基盤整備ですとハード理論になりますので、非常に目的や事業の達成が計画づくりとしてしやすい面があると思うのです。一方で、向かう先のソフト事業、特に今回多面的機能支払制度が創設されます。そうした中で従来の農業者だけではない多様な非農家、それから、地域住民だけではない多様な担い手で地域コミュニティを維持していく必要があるというお話がございましたけれども、そうした具体案がなかなか見えてこないところかと思います。例えば資料1の36ページでは、多面的機能支払制度の概要というところで御説明いただいて、多分担い手以外を巻き込んだ地域活性化は非常に重要ですし、私たちが実際熊本で視察させていただいたように、流域保全では農家以外の住民が主体となった地域イベントも実際現場ではなされています。こうした社会基盤整備プラスアルファのソフト事業、多面的機能の担い手育成あるいは地域コミュニティの発揮についてどこまで農政が踏み込めるのかというのが今回の農政の力の見せどころなのではないかなと思います。もちろん市町村ごと、あるいは地域の特性によって差が出てくるところだと思います。そうした産業政策と地域政策は対等に扱うべきことでしょうけれども、地域政策から見た産業政策という矢印、ベクトルをこの部会では大事にしていただければと思いますし、その具体案を共有して、現場での動きを共有しながら現場を鼓舞するような政策展開を農政として位置づけていく必要があるのではないかと思います。やはり地域コミュニティは皆さん方がおっしゃっておられるように、単に雇用を生んで所得を生んでいくという6次産業化、産業政策の側面と同時に、共同体的な相互扶助であるとか、旧来の村意識ではないですけれども、農山村の新しい社会的価値を発揮している側面があると思いますので、その辺をより重視したような政策を考えていければと思います。

 

○渡邉部会長

 それでは、近藤委員、お願いします。

 

○近藤臨時委員

 読売新聞の近藤です。

 内容そのものはいちいちもっともで、やらないよりやった方がいいねということが書いてあると思います。ただ、いつもこの種の資料に私は注文をつけていますが、平板で優先順位がない「延べ単」の文章で、何かインデックス(目次)を読まされているみたいです。

 どこに優先順位があるのか議論しなければいけないと思います。

 それを議論するに当たり幾つかの重要な情報が足りません。話し始めると長いので簡単にしますが、例えば、1つは政策の方向性についての情報です。具体的には、減反廃止、役所用語でいう「生産調整の見直し」です。減反を廃止されたこと自体は力がいる仕事で、大変なことだったと評価しますが、その方向性についていろいろな説があるのです。

 私の理解では、要するにコメ価格を下げて、一部農家の退出を促し、農地を集積するのが目的です。減反廃止はあくまで手段であり、それによりコメ価格を下げて農地を集積して改革する、それが目的だと思うのですが、ここのパンフレットや他の場所での説明では、いやいや、コメ米価格は下がらないし、実質的には(飼料用米等への)補助金も増えるので、農家の実入りは増える「王手飛車取り」みたいな政策、そういう直截な言い方はされないけれども、そういう説もある。

 今日ここで良し悪しは言いませんが、どこを目指しているのか。減反廃止は目的だったのか手段なのかによって、優先順位が著しく下がる政策とか、極端に言えば要らない政策というものが出てきたりすると思うのです。そのあたりの重要な情報が足りないというのが1つ。

 2つ目は審議のスケジュール感、今後のことを教えていただきたい。

 今、同時並行的に食料・農業・農村基本計画の見直しに関する審議が来年1月に向けて動いています。それはそれで横目で見ながらということなのでしょうが、親審議会である食料・農業・農村政策審議会の生源寺会長の発言などを見ていると、過去の農政も含めて検証し直す旨をお話しになっている。会長の意見がそのまま最終報告に反映されるわけではないのでしょうが、生源寺さんのこれまでの発言をトレースすると、2000年代半ば以降のバラマキに流れた農政に対しては極めて批判的な立場でいらっしゃると理解している。いろいろなことを見直そうという流れがあるのなら、当然、書かれていることの優先順位も変わってくる。こちらの審議スケジュールと親審議会をどういう形で進めていくのかという情報も欲しいのが2点目です。

 あとは感想です。1つだけ言っておきますと、公共事業の優先順位付けがすごく大切になると思います。ここに書かれている政策は「防災・減災」という美しいオブラートをかぶせてあるので、「とてもいいことだね」ということになりがちですが、日本全体の直近の課題では首都直下地震とか中南海トラフ地震とか、いろいろな事態が想定されています。まず命を守るということが優先されるのは当然なので、いわゆる防災・減災関連の公共事業は他の執行官庁の政策も含めて優先順位をつけなければいけないと思います。公共事業の中でも、命を守るための緊急性がある事業と、まあ不急のだとうという事業もあります。っそんな視点がないと、ありていに言うと予算が十分にはない中で、何から先にやるべきかという話は非常に重要な視点ではないかなと思います。

 雑駁ですが、以上です。

 

○渡邉部会長

 ありがとうございました。

 では、続いて柴田委員、お願いします。

 

○柴田臨時委員

 資源・食糧問題研究所、柴田です。私も今日の3回目から初めての出席ですので、よろしくお願いいたします。

 昨年来ずっといろいろな農政の見直しが発表されてきているわけで、やや混乱していたところに今回の整備部会のまとめは非常に頭の整理になると思います。ここでいう、資料1の10ページの部分ですけれども、農業政策を産業政策と地域政策に分けて考えている、それと中間地と平地、両軸で見ると、平地の産業政策・地域政策、中山間地域の産業政策・地域政策に分かれてくるかと思うのです。これが冒頭の浅野委員の話とも絡んでくると思うのです。非常にわかりやすくていいと思いますけれども、現状で見ると産業政策を対象とする平地の実際のウエートは、例えば水田の250万ヘクタールのうち20万ヘクタールくらいが対象になって、これを40万くらいにしていこうということですから、大半の200万ヘクタール以上の部分は、実は地域政策が対象となる中山間地域を中心とした部分になるかと思うのです。要は説明図のなかで、ここが対角線で真っ二つに分かれていますけれども、細かな話で恐縮ですが、実際には経済的価値を追求すべき位置はもうちょっと左4分の1くらいのところに上がった部分で、あと4分の3くらいの右斜め下の領域は、現状は社会的価値の追求の部分になるのかなと。これを政策目標としてダイナミックに見れば、左上の経済的価値を追求する平場の産業政策の部分をぐっと右下に押し下げてくるという方向が描かれていると思うのですけれども、そのためにはやはり地域政策の重要性というか、これが謳われてくる。このような理解で、したがってダイナミックな方向性と現状の農地の割合を見ると、現状はもうちょっと左上が経済的価値の追求という部分に当たるのかな、それを右下の方に押し下げてくるというか、こういう方向性をこの農業農村振興整備部会で出していくことになれば明確にわかってくるような気がします。要は右下に産業政策の部分、経済的価値を追求する部分を押し下げるためにはやはり地域政策、基盤整備が必要になってくると思うのです。同時に右下のものをまた左上に、先ほどの松永先生も多分こういう御指摘だったのかなと思うのですけれども、左上に中山間地域の部分で産業政策、経済価値を追求する部分を強調していくためにも、そういうものを広げるためにも基盤整備が必要ではないか、このようにメリハリをつけたらより鮮明になると思っております。

 それから、ようやくこういう本格的なビジョンが出てきたかなという印象を受けます。というのは、1982年、思い起こせば当時の農政審議会で「80年代の農政の基本方向」という報告書が出ています。私も当時就職したばかりですけれども、それを買って読んだ覚えがあって、改めて読み返してみると、驚いたことにやはり農政審議会の方向性と当時の全中も同じような報告書も出して、農業の改革が必要であると。その背景にはアメリカの自由化圧力とか、当時のソ連のアフガン侵攻に対して穀物の禁輸措置を行ったとか、80年、81年、82年と3年連続で米の不作に見舞われ、天候、環境問題も出てきた。それから、農業の高齢化という話もそのころから問題が深刻になる。これに対してやはり対策としては水田のフル活用で、過剰になればそれは餌米とか輸出に活路を開こう、とにかく活用していくのが重要だと。ただ、活用に当たっては農地があるだけでは済まなくて、優秀な農業者の育成とか水資源の管理とか水源涵養林とか、あるいは地域コミュニティの活性化とか、全て丸ごと保全していくのが重要だと。その意味は、丸ごとというのは全体ではなくて、有機的にそれらが結びついているという話でありました。確かにそのとおりです。それは農業サイドと国サイドと両方事実認識、必要性は一致したにもかかわらず、その後何ら進行がなかったという印象なのですが、なぜなのかというと、ビジョンがなかったのかなということです。ここに来てビジョンが明確に描かれていると私は思うのです。これをもっと国民一般に宣伝していくというか、共感を得るようなことが同時に必要かなと思っております。

 以上です。

 

○渡邉部会長

 ありがとうございました。

 それでは、西尾委員、お願いします。

 

○西尾臨時委員

 西尾です。失礼します。

 今回の会議資料を見させていただくと、産業政策と地域政策と分かれていたりして、今までいろいろな先生方がおっしゃられたように、非常にわかりやすいまとめができていると思います。ただ、これをもとにして現場でどうなのかということを考えますと、やはり減反政策が終了して米価が下がっていくだろうと見込まれる中で、新たに農地を整備することに対して不安を感じたり、その後の維持経費の負担についても不明確で将来の設計が立てにくい状況にあると思います。こうした中にあってはますます耕作放棄地が増えていくのではないかと危惧されます。やはり個々の状況に合わせた将来が見通せるようなサポートが必要ではないかと思います。

 また、この中には少数の担い手と多数の土地持ち非農家との二極化とありますけれども、実際には兼業農家が支えている部分もたくさんあって、二極化にさせない状況は非常に大事ではないかと思います。そういう意味でも将来設計が見通せるようなサポートが具体化されるように期待したいと思います。

 それから、今までにも人づくりが大事とおっしゃられて、やはり私も人づくりは非常に大切なことだと思います。県とか市町村とかそういった職員も踏まえて営農支援ができるようなサポートも必要ですし、例えば多面的機能支払制度ですけれども、地元とか地域にあってもその趣旨がきちんと理解されるような取り組みがなされていないと、交付金を支払うだけでそういう趣旨が徹底しないということが考えられます。資料1の62ページにもありますように、いろいろな留意事項が上がっていまして本当にそうだなと思いますけれども、文章、文言だけではなく、それに繋がる具体的な取組がなされないといけないなと感じているところでございます。

 以上です。

 

○渡邉部会長

 ありがとうございました。

 では、毛利委員、お願いします。

 

○毛利臨時委員

 農村工学研究所、毛利と申します。よろしくお願いいたします。

 農業農村整備の課題ということで御説明いただきました。明確に農水省がどういうふうなことを目指しているのかというビジョンをしっかり示すことが大事だと思っております。そういう意味で産業政策と地域政策という面から御説明いただいたのは非常にわかりやすいと受けとめました。

 農村社会の変化を正のサイクルに持っていくという意味では食料供給の安定化や農村社会の活性化が重要な課題になるだろうと思いますけれども、なかでも農地の集積が1つのポイントになってくるという御説明でした。熊本の現地調査でも拝見しましたけれども、低平地の方は農地集積後の活動が何となく理解できるわけですが、中山間地域がどのように取り込んでいくのか、マーケットとの連携などの視点がさらに必要だろうと思います。農地の集約だけではなく、地域間の連携という面での扱いをどういうふうにするのかも大きな課題と認識する必要があります。森・里・海の連携というキーワードで御説明いただきましたけれども、エネルギー面とか農業水利施設をどういうふうに連携することができるのか、という視点での集約もあるのではないかと思います。その中に耕作放棄地の問題もあろうかと思いますし、中山間地域独特の問題も出てくるだろうと思います。例えば防災・減災の視点から見ると、中山間地域で災害の危険を抑え込んでしまうこともできますし、低平地の方には非常にリスクの小さい状況を生み出すこともできようかと思います。農地だけではなくて施設をフル活用することによって、中山間地域から低平地までの減災を進めることによってBCPの発揮、その効果としては食料の安定供給、人命の安全の確保というところに結びつくのではないかと思います。

 基盤整備をキーワードにしながら、担い手の育成、コミュニティの構築という御説明をいただきました。そのとおりのことで6次産業も視野に入れつつ実施していくことが重要だということですが、地域によってはこういう取り組みに対するファシリテーターを育成する必要があるのではないかと思います。ファシリテーターがしっかりと機能することによってもっと活性化が期待されます人材育成という面でも農村社会の変化を正のサイクルに持っていくには重要で、そのファシリテーターが技術面からしっかり地域をサポートし、体系化された組織を育成していくことが重要ではないかと思います。多面的支払制度が動き出すということで、地域の方の人材と能力を生かした農村社会を構築することができる大きな取組だと認識しております。その中で例えば日常的な課題と災害時のような緊急時の課題があるのだろうと思います。日常的な課題については地域の方ができるわけですけれども、緊急時の問題についてはそれなりの専門家が必要だろうと思います。そういう中で水路、農地、農道が減災に積極的に機能するのだという取組を設計の段階から盛り込めるようなこと、あるいは水管理をしっかりすることによって、低水位管理を実現してため池が洪水防止などの減災の起点になるのだというようなこともアピールすることができるのではないかなと考えております。

 既に御説明いただいたことばかりですけれども、具体的な業務にどのように反映させるのかというところがもう少し見えてくると、次の議論にも進めると思っております。ありがとうございました。

 

○渡邉部会長

 では、最後になりましたが、八木委員、お願いいたします。

 

○八木臨時委員

 八木と申します。よろしくお願いします。

 多分この農業農村振興整備部会で生産する立場として参加させてもらっているのは私ぐらいかなという中で一つお話をさせてもらいます。

 先ほど佐藤室長の方から今後の農村社会等の変化等を踏まえた農村整備の課題についてという説明を受けました。新たな農業農村政策が始まります、4つの改革ということで農林水産省の方から兵庫県に来てもらいまして説明も受けました。しかし、なかなか私も理解できないところがたくさんあります。私たちのところは小さい農村です。皆さん100%第2種兼業農家というところが平成14年にほ場整備をしまして営農組合をつくりました。「みんな仲よく地域とともに立ち行く組織」というスローガンのもと、みんなで農地を守りましょう、耕作放棄地は無くしましょうということで立ち上げたわけです。平成18年に法人化、株式会社にしております。法人化して株式会社にして、たかだか30ヘクタールの農村がこれからどうしてやっていくのだという中で私たちは立ち上げております。今、6次産業で地元の農産物を地元の食品会社とコラボして、農産物の加工販売に努めようということで、国の施策に乗らせてもらって事業で応援を受け、現在に至っております。

 今、農業農村整備ということで、私は自分たちがどのようなことをさせてもらっているのかなということを先ほど考えていたのですけれども、先ほども言いましたように、ほ場整備をして営農組合をつくって法人化して6次産業、コミュニティの関係で田んぼの学校を開催し、平成15年ぐらいから今までずっと1年に1回地元の小学校、地元の住民、地区外の方に来てもらって地元の生物・草花の勉強をし、遊びを通じてふれ合い、先ほど言われましたように、畦畔除去も取組んでおります。もともと50アールのほ場を1ヘクタールにできるようにほ場整備の時、畦畔を田んぼの土でしてもらいまして、畦畔をとったら1ヘクタールの田んぼになるように工事をしてもらっていまして、今回実施しています。それから、新規雇用ということで、私のところは社員が12名おります。管理面積が50ヘクタールくらいのところで12名、それから、パートとかそういうようなことで30名~35名の方が私たちの活動を応援してもらっています。今回6次産業で加工場をつくる、そこで正社員2名、パートで4名~6名ほど新規で雇用しようかということです。私たちのすることは、自分のところはこれで守っていこうということで前に進んでおります。しかし、これはどこに行ってもできるかといったらなかなか難しいと思います。

 今後の農業の課題ということでは農業水利施設の更新及び維持管理にかかる費用の増大ということで、今、私のところも頭首工や幹線水路の改修をしてもらっております。しかし、農業施設の多くは昭和50年代くらいに造成されたもので、四十数年たっております。このためあちらこちら色々と痛んでおります。それでやっと事業を行って、できるところからということで改修をしてもらっています。新たな更新事業にいろいろ取組む必要がある。改修事業でやってもらっても、これで全面改修というわけにいきません。次から次に改修するところがあります。それで基幹水利施設を管理する土地改良区の会計状況では、施設の維持管理費として10アール当たり1,000円という水利費を皆さんから徴収しております。私のところは小さい土地改良区で60ヘクタールの受益面積です。そうしたら、1年間に60万のお金で管理する。しかし、今も言いますように、改修費とかそういうものはどんどん要るようになっております。そこで3年前これではあかんということで、それとは別に特別会費ということで10アール当たり2,000円、これを5年間かけてくださいと。そうしたら600万の金がたまります。それで事業を行ってもらって、1つ1つ改修していきましょうということで、それを実施しております。しかし、やはり今後の資金計画がなかなか立ちにくいのです。皆さんにお願いして、そうしたら誰がその費用を見るのか、所有者が見るのか、耕作者が見るのか、そこら辺がどちらが見るというところが決まらない。今も私のところは所有者に見てくれという中で、管理者も負担できるところはするということで双方で負担してもらっています。合理的な農業支援策を地域内の事情に合わせ具体的な政府の維持管理計画を策定するということが必要なのです。土地改良も私は自分のところの土地改良区の理事長なのですけれども、自分たちで計画を立てるのは難しいところがあります。

 それと基盤整備に対する地域の負担の現状ということで先ほども言われましたように、ここは大規模化、管理の省力化と農業生産コストの削減、将来的に安定した農業経営基盤を目指す基盤整備事業において事業費を農地所有者が捻出するのはなかなか難しくなってきております。私たちみたいに会社で地元の雇用を受けてやっていたら、やはり所有者の方は会社が負担すべきではないかという話も出ます。私たちの所は土地利用型農業が主流です。設備投資を図る耕作者に負担をお願いすることも困難でございます。そういう中で改良区の投資に対する事業費負担の軽減というようなことをもうちょっと考えていかないといけないと思います。

 それと農政の補助政策は一般の人にはなかなかわかりません。私も地元の方にいろいろと聞かれます。八木さん、どうなんですかと。私もわからないところがあります。わからないから皆さんができないというのが現状なので、きちんと一般の人にもわかりやすいように、もっと緻密に政策を説明してもらいたい。そうしたら自分たちで、この政策があるなら乗れるか乗れないかという計画も立てられると思います。

 

○渡邉部会長

 ありがとうございました。

 最後に八木委員から現場の生の声を伺いましたけれども、3分では足りないですね。わかりました。皆さんのお話は大体4分~5分単位ですね。次回の参考にしたいと思います。

 一通りお話を伺いました。皆さんからいろいろな形で御意見をいただきましたが、直接的に質問の形でお話しになったのは近藤委員のスケジュールに関してだけのようなので、これは後で事務局に御説明いただこうと思います。

 私自身も食料・農業・農村政策審議会の委員として一昨日会合に出席させていただきまして、御承知のように大臣から食料・農業・農村基本計画の諮問がありました。その中の議論として、先ほど近藤委員もおっしゃいましたけれども、しっかりと今までのものを見直すという前提で話をすることになっていまして、これから企画部会を中心に議論するように私も理解しております。その中で官邸中心に進めている「農林水産業・地域の活力創造プラン」も夏に更新する見通しというようなこともあるので、いろいろなことの動きを見ながら私どもも議論しないといけないと思っています。

 事務局に御説明いただくことになると思うのですけれども、1つ私も確認したいのです。私どもの関連でいえば、一昨年度末にまとめた土地改良長期計画もあるわけですから、そこも含めての議論になると思うのですが、まず初めに委員からのお話を受けてレスポンスするところがあれば、今のスケジュールも含めて御説明いただけますでしょうか。

 

○小林農村振興局次長

 私の方から3分間話させていただいた上で佐藤室長の方から補足していただきたいと思います。

 若干答えにはなっていないのですけれども、浅野委員なり加藤委員なり、あるいは最後八木委員に農業水利施設は社会共通資本なのでしっかり直せとか、老朽化対策が大事だというような御意見をいただきましたけれども、まさにそういうような形で資料1の9ページの資料を見ていただきたいのですけれども、前回までの資料においては上の青い箱しかありませんでした。その中に老朽化対策なり何なりを埋め込んでおったのですが、内部で議論を重ねるうちにやはり違うだろう、これから我々のやるべき一番の基本がこの土台を支えることなのではないのかというような議論の中で、ここにまさに土台の形、台形の形で橙色の箱を新たに追加させていただいておるという整理になっていることをまず御承知おきいただきたいと思います。

 2つ目、北村委員には地域ビジネスというような表現があったり、松永委員からは地域政策に主眼を置いた産業政策を見る目なり、あとは柴田委員から地域を丸ごと保全するというような表現があったり、そういう言葉をいろいろいただいたわけですけれども、土地改良の原点はそういうようなことなのだろうと思っています。いわゆる担い手だけではなくて、担い手に土地を貸す人、あるいはそこに住んで、残って何をするか、そういうようなことも含めて地域総体を丸ごと面として支えるというのが我々土地改良の仕事の本務だと思っておりまして、御指摘のとおりかなと思っております。

 あとは人づくりを加藤委員、西尾委員、毛利委員からいただきましたけれども、重要な提言として受け取らせていただきたいということ。

 あとは小谷委員の方から情報発信の話がございましたし、八木委員の方からは若干表現を変えてわかりづらいというような表現もございましたので、その辺も重要な提言として受けとめさせていただきたいと思います。

 3分間でございますので簡単に、私の方からは以上です。

 

○渡邉部会長

 ありがとうございました。

 そうしたら、佐藤計画調整室長お願い致します。

 

○佐藤計画調整室長

 私の方から質問のあったことに対する回答ということで、今後の委員会の運営、特に基本計画との関係ということでございますが、まさに基本計画の見直しが企画部会で来年度1年間かけて議論されることになっております。農業農村整備に関しましては、何らかのインプットをいつかの時点でしていくことになるわけでございますが、今回議論いただいているこうした課題の整理は、私どもがそういうことを検討する素材として活用させていただきたいと思っております。今回の農業農村振興整備部会におきましては、とりあえず今年度内の整理としまして、もう一度3月に開催し、一旦中間的なものとして整理をさせていただきたいと思っております。また平成26年度の審議でどういうものを扱っていくかは現段階では明らかになっておりませんが、いずれにしましても、今年度一旦整理したものもについては、今後の基本計画の策定等新たな農政の展開状況を踏まえながら、引き続き検討を深めていきたいと現段階では考えております。

 また、近藤委員から新たな農政の改革についてこの農業農村振興整備部会で説明が不十分ではないかという御指摘もいただきました。また、委員の農政改革に対する御指摘は私ども担当部局で扱っている部分が限られておりますが、今日委員からいただいた意見については担当部局にもお繋ぎしたいと思います。また他の委員からも地元に対する説明も不十分ではないのかという意見もございました。私どもはあらゆる機会を捉えて農政改革についての理解を引き続き求めていきたいと思っております。

 

○渡邉部会長

 それでは、室本整備部長、手短にお願いします。

 

○室本整備部長

 先ほど近藤委員から減反の廃止という言葉が出ましたが、これは総理が国会でそういう答弁をなさったということで、それがマスコミで広がったという経緯がございます。ただ、農林水産省としては減反の廃止という言葉は一切使っていなくて、これは生産調整の見直し、つまり米価を下げることを意図しているということはまったくなく、国主導で配分をやってきたものを生産者なり集出荷業者・団体が国の需給動向を見極めて自主的にやっていきましょうというような整理になっておりますので、ここは誤解のないように御理解いただきたいと思っております。

 それから、もう一点だけ、加藤委員がおっしゃった住みやすい地域づくりの視点はまさにおっしゃるとおりでございまして、実をいうと地方分権の観点で、地域に密着した、近いところのものは地域に出していけという流れがここ10年くらいかなり強く動いて参りました。そういう中で農村の生活環境整備は交付金化する、交付金化によりもっと地域に任せていこうという流れがございましたが、今回導入する地域政策と産業政策の両輪で国の施策として進めていこうということになれば、やはりその辺のことは過去に回帰するという意味ではありませんが、もうちょっとしっかり国が関与していく必要があるだろうということで、ここはある意味挑戦ということになるのでしょうが、ねじの巻き返しを図りたいと考えております。

 

○渡邉部会長

 ありがとうございました。

 あと10分ほど時間がありまして、少しだけ皆さんの意見をいただきたいと思います。今日はさらに皆さんから御意見をいただくということなのですが、私の理解で、先ほど御説明もありましたけれども、資料1の10ページにあります産業政策、地域政策、平地、中山間の整理は皆さんも御理解いただいたと思いますが、よく整理されているということで、そのベースにあるのが先ほど次長から御説明がありました9ページの下の土台のところです。ここはきちんと整理されているという確認で議論したと思うのですけれども、これから議論していくのに、今日多くの皆さんはビジョンがわかりやすくなったとおっしゃったのですけれども、これをいかにアクションプランにしていくか。そのときに優先順位の話だとか、どこを早くやるか、優先順位だけではなくてどの程度厚くやるか、そういうことも含めて議論していくことになります。そこの議論の進め方の大枠についてさらに委員の方から御意見をいただきたいと思います。

 私もこの4つをマトリックスのように見て、ここのバランスをきちんとやることが大事ではないかと食料・農業・農村政策審議会でも発言したのですが、先ほど柴田委員がおっしゃったように、静的に見るのではなくて、ダイナミックにどこを重点化するかという視点の動かし方がこれからのポイントになると考えているところです。そのときにビジョンなのか、中に実はアクションプランも入っているところがありますね。ふと思い出したのですが、前の国連事務総長のコフィー・アナンさんが、アクションプランのないビジョンはただの夢で、先ほど柴田委員もおっしゃっておられましたけれども、ビジョンのないプランはただの徒労だということを言ってましたが、そこのバランスでいかに私たちの課題を整理するかが大事と私は理解した次第です。私の意見を先に申し上げましたが、大きな枠組みのところで皆さん発言されたので、さらに補足的に御意見があったら伺いたいと思うのですが、いかがでしょうか。

 柴田委員、どうぞ。

 

○柴田臨時委員

 今の資料1の10ページの部分の概念図をより精緻にダイナミックに方向性を出していくという意味では、現状がどうなっているのかをデータで示して頂ければ分かりやすいと思います。平地でかなり経営規模の拡大が既に進んで、産業政策の対象になり得るところ、どこか数字が挙げられていたと思うのですけれども、21万ヘクタールあるいはそこに法人を含めた数字については全体の6%になっている。数字に置きかえていくと、この数字をもっと大きくするためにはベースとなる基盤整備が必要ですし、条件不利な地域であっても産業政策、経済的な価値をニッチな部分で付加価値をつけていくとか、そういう活動もこれからどんどん増やしていけると思うのです。その辺の現状をある程度定量的に押さえて見ていくと全体の方向性がまた出てくるのかなという気がします。

 

○渡邉部会長

 資料1の10ページが分かりやすいから、もっと分かりやすくするためにはきちんとしたイメージが湧くような資料をつくった方がいいということですね。

 

○柴田臨時委員

 実際に分岐点、すなわち経済的価値の追求と社会的価値の追求の点線の部分は現状を見ると中央にあるのではなくて左の上の部分にあって、それを少なくとも半々まで拡大していくというような方向性なのかなと思うのです。

 

○渡邉部会長

 ありがとうございました。

 他はいかがでしょうか。

 北村委員、お願いします。

 

○北村臨時委員

 かつて土地改良という名前がわかりにくいということで農業農村整備という形にして、そして今回産業政策と地域政策、これは非常に必要な視点だと思います。先ほど整備部長が国の政策として挑戦という形でやっていくのだと。まさにそのとおりで私は期待するのですけれども、もう一つ、土地改良に徹底的に足りないこと、例えば今度安倍首相が多面的機能という言葉を初めて首相として使ったのです。我々は専門にやっていますので多面的機能というのはごく一般の言葉として使っていますけれども、一般の国民は多面的機能と初めて聞く人もいるのです。ですからもっときめ細かに各地域、私は市ですけれども、市と国、県と連携する、決定的に足りないことは広報だと思うのです。国民の1人1人が何故多面的機能を支援する必要があるのか、何故農家だけが日本型直接支払制度で補助金をもらうかを納得させる必要があります。それが各市町村によって差があり過ぎるのです。例えば国の職員の皆さんと市町村の職員の皆さんがもっともっと国民みんなに知っていただくためには徹底的にどういうような形にしたらいいのか。私はそういうようなことを専門にやってきているものですから、例えば市長と語る会等でこういうことは市民の皆さんに言うのですけれども、県知事とか市長とかでこういうような分野で精通している人はほとんどいないです。ですから今、例えば保険医療とかあるいは消費税はどうなるのだとか、そういうようなものに特化しているわけです。ですからここのところにも国民への理解をしっかり謳った方がいいのではないかと私は思います。我々は専門でやっていますのでごく当たり前の話としてやっていますけれども、こういうような議論を全く知らない市民が聞いたら恐らくわからないですよ。私はそういうことを地方にいて感じます。

 

○渡邉部会長

 ありがとうございました。皆さんから出てきましたけれども、わかりやすさということですね。

 1分あるのですが、わかりやすさということだったら小谷さんに、最後にメディアの立場からということでもないのですが、ご意見頂きたいと思います。アナウンサーだったら1分と時間を切ってもいいですよね。私も前に言ったのですけれども、広く伝えていく責任があるだろうという中で、どうしたらわかりやすく伝えられるか、この資料で私どもはどんなことに注意したらいいか、一言いただけたらと思うのです。

 

○小谷臨時委員

 今、北村委員からおっしゃられたように、まさにどうして農業だけにいろいろな支援があるのかというので思っていたのは、当たり前なのですけれども、売れないアナウンサーは衰退していなくなっていいのですけれども、農業はつまり国民の食を支えているということが、消費者の理解でどうも農業と食が離れてきていると思うのです。ですから今、わざわざ食農という言葉がありますけれども、昔は多分農というと、それは食料生産とイコールだったと思うのですけれども、今度別の委員会で医福食農連携という、医療・福祉・食農連携に関わっているのですけれども、本来食というのが一番の根幹にあるのに、和食のユネスコ無形文化遺産登録などにも農業がすごく重要なんだよということを積極的にアピールして乗っていくと言うと変ですけれども、和食に今、光が当たっているならば、そこと農が本当に繋がっているということをうまくアピールしていかないといけないなと感じます。

 以上です。

 

○渡邉部会長

 ありがとうございました。

 予定の時間になりましたので、まだまだ御意見をいただきたいと思うのですが、今日はここまでとしたいと思います。

 予定していた議事はここまでなのですけれども、引き続きまして今日の議論も踏まえて、またこれまでの議論を含めて、今後の農村社会の変化等を踏まえた農業農村整備の課題については次回のこの会議の最終回までに事務局の方で改めて整理していただくようにお願いしたいと思います。

 今日は限られた時間しか議論できませんでしたので、各委員から改めて御意見がありましたら文書でも、あるいは何らかの形で届けていただきたいとお願いしておきたいと思います。欠席の委員にもそのようにすることをお願いしたいと思います。

 それでは、議事をここで終了して、事務局にお返ししたいと思います。

 

○佐藤計画調整室長

 渡邉部会長、どうもありがとうございました。

 また、本日御多忙中にも関わりませず御参加いただきまして、委員の皆様、誠にありがとうございました。

 次回の資料では、今、渡邉部会長から御指示がありましたように、今回皆様からいただいた意見あるいは今後書面でいただく意見を踏まえるとともに、第1回の資料から含めまして体系的に資料を再編整理して今年度内の整理として一旦取りまとめをさせていただきたいと思います。次回は3月中旬ごろの開催を予定しております。日程等の詳細につきましては改めて事務局より御連絡をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、以上をもちまして第3回の農業農村振興整備部会を閉会させていただきます。本日は皆様方、どうもありがとうございました。

お問い合わせ先

農村振興局整備部設計課計画調整室
担当者:計画企画班 中藤、藤井、久保田
代表:03-3502-8111(内線5514)
ダイヤルイン:03-6744-2201
FAX:03-3500-4053

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader