このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

平成25年度第4回議事録

  • 印刷

1.日時及び場所

日時:平成26年3月18日(火曜日)10時00分~12時00分

 場所:農林水産省本館7階 第3特別会議室

 

2.議事

(1)今後の農村社会の変化等を踏まえた農業農村整備について

(2)技術小委員会への付託事項について

(3)その他

 

3.議事内容

 議事録(PDF:313KB)

 

○佐藤計画調整室長
それでは、定刻となりましたので、ただいまから「食料・農業・農村政策審議会」平成25年度第4回「農業農村振興整備部会」を開催いたします。
本日は、御多忙中にも関わりませず御参集いただきまして、まことにありがとうございます。
本日は12時までを予定しておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
なお、本日は松永委員、角野委員、河野委員、毛利委員、北村委員、西尾委員、井手委員におかれましては、所用により御欠席との御連絡をいただいております。また、小谷委員におかれては、5分ほど遅れて到着されるとお伺いしております。
それでは、まず本日の議事について御説明をさせていただきます。
議事次第に書いてございます、1つ目の議事につきましては、これまで御審議いただきました「今後の農村社会の変化等を踏まえた農業農村整備における課題について」中間整理をいたしましたので、その内容について御議論いただきたいと思います。
2つ目の議事といたしましては、「技術小委員会への付託事項について」としております。ここでは農業農村整備部会として技術小委員会に来年度審議を付託する計画基準等について、説明をさせていただきます。
その他の議事といたしまして、「農山漁村活性化法の施行の状況及び今後の方針について」御報告をさせていただきます。
最後に、御参考としてお手元にございます、資料5でございます。これにつきましては、毎年調査を行っております農地及び基幹的水利施設の整備状況等について、最新の数値に修正したものでございますので、参考として配付させていただきます。
それでは、議事に入りたいと思いますが、ここからの進行は渡邉部会長にお願いいたします。

 

○渡邉部会長
皆さん、おはようございます。
昨日、今日と、ちょっと春らしくなってきましたが、一方年度も押し迫って参りました。そんな中、今日はお集まりいただきまして、お世話様でございます。
御案内のように、新たな農業農村政策が始まっていますし、大震災から3年が経ちました。農業農村をめぐる状況がいろいろと動いている中で、私たちがここで担当しています農業農村整備のあり方の検討というのは非常に大事だということで、この時点で毎回ですが、改めて、確認して審議に当たりたいと思います。
あっという間に、初年度目が終わるところですが、今日は先ほど御説明ありましたように、課題の整理の取りまとめをしたいと思いますので、よろしくお願いします。では、着席して進行させていただきます。
これから、議題の最初の「今後の農村社会の変化等を踏まえた農業農村整備における課題について」事務局に説明をお願いしますが、前回はこのときに「これが終わってからみんな一人ずつ順番に意見をお願いします」と予告したのですが、前回はそのようにご意見を並行的に伺いましたけれども、今回は皆さんの意見を重ねた議論をしていったらいいと思いますので、順番に伺うことはしないつもりです。今の時点で予告させて頂きます。
それでは、事務局の方より御説明をお願いいたします。

 

○佐藤計画調整室長
それでは、資料1月2日になります。この資料に基づきまして御説明させていただきます。
まず最初に、前回の議論を少しだけ振り返らせていただきたいと思います。資料の7ページをご覧いただきたいと思います。
ここでは、今後取り組むべき課題を体系的に整理しております。農業農村整備におきましては、「産業政策」、「地域政策」双方に取り組むことが重要であるということで、上に「産業政策」、下に「地域政策」と分類しております。また、地域特性に応じた対応が必要ということで、左に「平地」、右に「中山間」と配置しております。
この中で、産業政策と地域政策のバランスを考えていく際に、平地におきましては、経済的価値の追求により重きが置かれるのではないか。また、中山間地域においては、社会的価値の追求が重要になってくるということで、右肩上がりの斜め線を引いております。
上の産業政策につきましては、経営体としての担い手の育成・強化、ここに向けて様々な政策を講じていくという姿にしております。また、地域政策につきましては、地域コミュニティの維持・強化というものを中央に置きまして、これを軸として展開をしていくという形にしております。
産業政策についての課題でございます。一番上に挙げておりますのが、「農地集積の促進と生産基盤の更なる機能向上」ということでございます。次に、「担い手の育成・強化」、ここにつきましては「法人化・異業種連携」、そしてまた、6次産業化の推進と基盤整備との連携が重要になってくるということで、ここに位置付けしております。その下には「農政改革を踏まえた地域の農業構造や営農戦略等への対応」といたしまして、営農が担い手に集中していく、あるいは担い手の自主的な経営判断の営農が必要になってくる、こういったものを可能とする生産基盤を整えていくのが課題としております。
続きまして、地域政策につきましては「集落構造の再構築」、今後少数の大規模な担い手と多数の土地持ち非農家に二極化していく中で、こうした多数の土地持ち非農家の方にも新たな役割を構築していただくということが、まず最初に重要になってくるのではないか。その上で、下に書いてございます「地域資源の保全・活用」、これはベースとして重要になってくるだろう。その上には「農業・農村の魅力を活かした地域社会の活性化」、ここでは交流を軸とした地域活性化の推進というのが今後課題となってくるのではないかというふうに整理をしております。
その下には「農業水利施設等の持続的な保全・管理」や「防災・減災力の強化」、これらは上に書いてございます産業政策や地域政策を展開していく上での土台として必要なものではないかということをお示しさせていただいたところでございます。
これにつきまして、前回の議論でいただいた御意見が、表紙の裏のページに整理をしております。
まず、先ほど御説明いたしました課題の整理の視点では、この斜め線を静的なものとして見るのではなく、動いていくものである。それを動かしていくことが政策の役割として整理できないかという御意見。また、ある程度この関係を定量的に表現できないかという御指摘をいただきました。
2番目に書いてございますが、産業政策から見た地域政策の重要性だけではなく、地域政策が産業政策を動かしていくというベクトルも重視すべきという御意見。
また、基盤整備の意義といたしまして、農地のオプション価値を高める。これをどう生かしていくかという政策展開が重要である。一方、この産業政策の追求が困難なところでは、最低限の条件の保障が必要になってくるのではないかという御意見。
また、水利施設の保全管理につきましては、ここから発生するフローの効果を見るだけではなく、ストックとして次世代に引き継がれる資産価値を有していることを考慮すべきという御意見。
そしてまた、このように課題を総花的に並べるだけではなくて、ポイントが分かるように重点化、明確化していくべきという御意見をいただきました。
続きまして、農地集積につきましては、経営規模を拡大していく際に、大区画化やほ場施設の削減を同時一体的に行うとともに、一経営体当たりのみでなく、農業専従者一人当たりの経営規模の拡大にも留意が必要という御意見。
また、中山間地域等においては、耕作放棄地対策や鳥獣害対策が大きな課題となっているという御意見。
また、集落構造の再構築につきましては、非担い手も含めて地域コミュニティに加わり、地域づくりを行う。またその際、土地改良区の役割も高めていけないかという御意見。
環境につきましては、生態系が豊かな農村においては、環境配慮及び生物多様性の観点を重要な視点として位置づけるべきという御意見。
また、地域活性化につきましては、世界文化遺産に登録された日本の食と農業・農村をもっと関連づけてアピールしていくべきという御意見。
農村インフラにつきましては、生活環境や地域づくりの観点が必要という御意見。
また、防災・減災につきましては、土地改良施設が壊れることの影響ばかりを見るのではなく、農地や施設をフル活用し、これらの防災機能を高め、地域全体の災害対応力を高めていくことを追求すべきという御意見。
また、土地改良施策につきましては、事業費負担を所有者・耕作者いずれが負担するかというのが地域で課題になっているという御意見。
また、横断的事項といたしましては、人材育成や情報発信が重要という御意見をいただきました。
このような御意見を踏まえまして、今回、前回から資料を追加、修正した部分を中心に御説明をさせていただきたいと思います。
まず、資料の7ページは、先ほど御説明いたしました課題の体系図でございます。ここについて、先ほど御説明した意見を踏まえまして、新たに8ページを追加しております。ここでは、産業政策と地域政策の関係を整理しております。
右の方に示しておりますのは、農業農村を構成する資本として、人的資本、社会資本、自然資本、これらが相互に関連し合っているのが農業農村の姿と捉えたものです。その上で、産業政策、左上の箱に「農業構造の改革と競争力の強化」と書いてございます。この中で取組むべきことといたしまして、社会資本の質の向上、農地という社会資本を大区画化し、質を高めていく。あるいは農業水利施設という社会資本をより使い勝手のいいものにして質を高めていくということと、人的資本の強化、担い手の経営力の強化、経営面積を拡大していく。これらをセットで実施していくことが産業政策による競争力の強化という形にしております。
これと向き合う地域政策として、下に書いてございます「構造政策を後押しする地域政策」。少数の担い手を集落全体で支えるための地域コミュニティによる地域資源の保全が必要ではないかとしております。
そしてまた、地域政策につきましては、右側に「攻めの地域政策」としておりますが、地域コミュニティによる地域資源の高度な活用、農産物のブランド化、あるいは交流を軸とした地域活性化、こうした地域政策が産業政策に向かうベクトルとして、農村の新しい価値、創造を生かした6次産業化等につながっていくのではないかとしております。
そして、この地域コミュニティを軸とした産業化と左側の農業構造の改革と競争力の強化、これは同じ農村で展開されるわけでございます。片方は担い手、片方は地域コミュニティが主体になるわけでございますが、これをうまく組み合わせていくことが重要だということで、「連携」と書いてございます。これがまさに集落構造の再構築ということで、担い手と土地持ち非農家の総合力を発揮し、集落全体が豊かになる姿を目指していくことが重要と考えております。
そして、この斜め線をどう動かしていくかということでございますが、左の方に下に向かう矢印を書いております。ここは産業政策を推進していくために、「農業農村の経済的価値を効果的・効率的に追求できる地域を拡大」していく、こうした地域を左下に押し下げていくことが、まさに農業農村整備事業としての攻めの役割ではないかと考えております。
一方で、右の方に書いてございます赤の上に向かう矢印、「農業農村の社会的価値を高める地域コミュニティが形成された地域を拡大」していく、これについても地域政策として求められているのではないか。つまり、このように双方向に地域を伸ばし合っていくことが必要ではないかという構造をお示しさせていただいております。
また、社会基盤の役割につきまして、下の黄色い矢印に書いてございます。こうした産業政策と地域政策を展開していく上で、基礎となるものは、社会資本であるということ、そしてまた、この社会資本はフローとしての効果を発揮させるのみではなく、ストックとして次世代に引き継がれる社会資本であるということを十分考慮していく必要があります。このため、これらを適切かつ効率的に維持するのが長寿命化対策でございますし、また質を高めていくという視点も重要であると整理をしております。
そして、これらの関係を定量的に示せないかということで、9ページでございます。これは日本の水田面積を整備状況で区分して、平地と中山間に分けて整理したものでございます。一番上の色の濃いところが1ヘクタール程度以上に整備された水田、真ん中が30アール程度以上に整備された水田、一番下が未整備の水田でございます。傾向として、右肩上がりの線の状況になっております。この右上がりの斜め線を下に下げていく、つまり社会資本としての質を向上させ、産業競争力を高めていくことが重要ではないか、これがまさに農業農村整備事業の役割の一つではないかと考えております。まさに、土地改良長期計画におきましても、こうした大区画化のほ場を、現在20万ヘクタールでございますが、5年間で40万ヘクタールにしていくことを政策目標としているところでございます。
続きまして、10ページでございますが、こちらでは、担い手が経営している農地面積、これは田畑でございますが、平地と中山間に分けて整理をしております。色の濃いところが認定農業者、その下の薄いところが法人、一番下がその他となっております。ここでも右上がりの斜め線になっております。ここにつきましても、この線を右下に押し下げていくというのが、産業競争力を高めていくために必要な施策と捉えております。
以上が、検討の視点のフレームでございます。ここから下は、各課題ごとに整理をしております。
まず、12ページでございますが、「農地集積の促進と生産基盤の更なる機能向上」でございます。今回の資料では、各課題ごとにこのように冒頭に新たにページを設けまして、各課題ごとの重点的なポイントが明確となるよう整理をしております。この農地集積のところでは、新たに設置されることが法定化されました農地中間管理機構としっかり連携をいたしまして、農地整備を行う上で担い手への農地を集積していく。担い手への農地の規模を拡大していくのみではく、集約化、団地化を図っていく、これを確実に進めていくことが重要ということが1つ目の課題として挙げております。
その際、畦畔除去等による大区画化を推進していく上で、土地改良区の役割も強化し、戦略的に進めていくことが課題としております。そして、併せまして、スケールメリットが発揮しにくいほ場レベルでの農地・水の管理省力化に資する整備も重要であると整理しております。
また、経営規模拡大や大区画化が困難な地域では、特色ある営農展開に資する整備を図るなど、地域特性に応じた整備の実施に留意が必要としております。
資料の14ページは、大区画化の効果を書いておりますが、ここでは委員からいただきました大区画化を図る際に、農専従者1人当たりの規模拡大にも留意していくということを追記しております。
また、新たに加えましたのが、資料の18ページでございます。農地中間管理機構と連携した畦畔除去による大区画化を促進していく上で、土地改良区としっかり連携していくということを示しております。
左側は、農地中間管理機構が関与した場合の姿でございます。地域の農地の大宗を農地中間管理機構が借り受け、そして利用権をシャッフルして、下の図のように集約化していく。ただ、どうしても土地所有者との調整を行いませんと、区画拡大というのは難しい。所有者はそのままで、区画もそのまま、ただ利用権をシャッフルしているというのが左の姿でございます。
それに対しまして、土地改良区が土地所有者とも調整を行いながら、畦畔除去等による大区画化を行っていくというのが右の姿にしております。このことによって、より低コストで営農が可能な環境を整えていく、こういうことを可能とするための土地改良区と農地中間管理機構との連携の促進が重要ではないかということで、こういった資料を追加しております。
資料の22ページには、中山間地域におきまして、特に耕作放棄地対策や鳥獣害対策の推進が重要ということで資料を追加しております。
次の課題が23ページ「農政改革を踏まえた地域の農業構造や営農戦略等への対応」でございます。農政改革の展開により、今後、地域では農地利用の集積・集約化の加速的進展や営農戦略の再構築が見込まれます。このため、地域の営農変化に伴う水需要の変化、あるいは大規模・少数の担い手が利用の大宗を占める水利秩序、これらに適用するためのいわば新たな農業水利システムの構築が必要ということを重点的な課題として挙げております。
また、その下では、麦・大豆等に対応するための排水対策や、高収益作物導入のための畑地かんがいなど、こうしたものについては地域ごとに作成される水田フル活用ビジョンを踏まえながら、機動的かつ重点的に対応していくことが重要としております。
この新たな農業水利システムにつきましては、資料といたしまして、28ページと29ページを追加しております。
28ページの左上では、課題を整理しております。農村社会の変化として、人口減少、高齢化が進む。その中で右側に書いてございますように、分水操作人が減少する、あるいは水管理技術の継承が困難になってくる。そのことによって、水利秩序が守れない事例が出てきているとしております。
また、その下の課題2では、農業の変化ということで、少数の担い手が大宗を占める構造になってくる。そうしますと、用水需要が変化すると、右側の中央に書いてございますが、担い手の経営判断で用水量が変化してくると。これらに対応して、右側の対応策のところでは、赤字で書いてございますように、「供給重視から営農重視の水管理への転換」が求められます。また、これらを可能とする持続可能な水管理体制の再構築が必要であるとしております。
具体的には29ページでございますが、左側が農業水利システムの現状でございます。よく「重層管理」と言っておりますが、基幹的な施設は土地改良区が管理をし、最末端、一筆ごとの給水栓などは農家が管理をするわけですが、その間に水利組合というものが介在いたしまして、支線水路の管理等を行う。この水利組合につきまして、地域によってはかなりの高齢者の方が地域の長年の勘ですとか、調整力で何とか水操作をされているということでございますが、今後こういった水管理を担う方々の後継者が不在となってくるのではないかと想定されます。こうした管理では、どうしても個々の経営判断に基づく農家の融通のきいた水管理というのは難しい側面もございます。
このため右側に今後の姿を書いてございます。右の図の左に「二層管理のイメージ」と書いております。ここでは、土地改良区が大規模経営体と向き合う水管理体制ということをイメージしております。
また、こういう管理体制を可能とする水利システムとして、図の中に書いてございますように、調整水槽や配水槽を設けるなどして、水利用の弾力化を可能としていく。つまり、供給サイドではなく需要サイド、営農重視の水管理を可能としていくシステムを整えていくということになります。
また、水管理を極力省力化していくために、水路を管水路化したり、給水口の数を減らしていく、あるいは、分水ゲートを自動化していく、こういうことについて、ICT技術も取り入れながら進めていく、こういう姿を、まさに上に書いてございますが、いわば次世代型の大規模経営体をにらんだ次世代型農業水利システム、この姿を目指していくことが重要な課題ではないかということで、整理をしております。
続きまして、次の課題が34ページになります。「基盤整備と多様な担い手の育成・強化」でございます。ほ場整備のように地域の姿を大きく変える事業につきましては、計画段階からそこに向けて20回、30回と話し合いが行われます。そういう機会を最大限活用いたしまして、ハード面の計画のみではなく、法人化、集落営農の強化、異業種との連携、経営の広域化等の議論が必要と考えております。
また、複合経営強化、熊本で現地視察をいただいた地区では、水田地域でほ場整備をするのにあわせて、ハウス団地を集団化しております。そうした場合、そういう営農施設の支援、担い手支援施策や生産振興策等との連携も重要となってくると考えております。そしてまた、今後特に6次産業化への取組の推進に向けて、構想段階からの一体的な検討を促進することが課題と考えております。
この6次産業化との連携につきましては、40ページで6次産業化とほ場整備との連携した事業を載せております。この事例では、ほ場整備で、創設換地をして直売所の用地を設けた例を挙げております。ただ、全ての地域でこういうふうにうまくいくかというと、課題が多うございます。創設換地を行うには、6次産業化の計画の熟度が高くないとなかなか実現できないということがございます。このため、基盤整備、あるいは6次産業化法等に基づく6次産業化の地域計画、こうした計画については、双方とも構想段階からお互いに共有、連携し合って、お互いの計画の内容を相乗効果的に高めていく。構想段階からの連携をしっかり行っていくということが今後重要になってくると考えております。
続きまして、42ページ以降は、「地域政策」でございます。
まず、43ページ「集落構造の再構築と地域コミュニティの維持・強化」でございます。今後とも農村の人口減少・高齢化の進行が見込まれる中、担い手農家と土地持ち非農家の二極化や集落機能の脆弱化が懸念されています。こうした状況を踏まえ、新たに打ち出されました多面的機能支払、これをまずしっかり全国的に展開し、地域コミュニティを維持・強化しつつ、農地が有する多面的機能の維持・増進を図ることが重要としております。
また、これと併せまして、集落構造の再構築を図っていく。次の44ページでございますが、左に書いてございますように、人・農地プランや農地中間管理機構の中で、大規模担い手農家というのを特定していきます。その一方で、右側に書いてございますように、はるかに多くの土地持ち非農家の方が、また別の意味で特定されてくるわけでございます。こういった方々にも新たな役割を担っていただく。それは地域資源の保全のみではなく、地域活性化、6次産業、市民農園、都市農村交流、福祉との連携、あるいは地域防災、こうした新たな役割を担っていただくよう集落内の役割分担を再構築していただくことが、まず重要ではないかと考えております。それを契機として、下に赤字で書いてございます多面的機能支払による「保全管理構想」の策定ですとか、先ほど来から話しております基盤整備を契機とした話し合い、こうした機会を用いて、こういう話し合いをまず十分していただくことが重要ではないかと考えております。
その上で、次の課題といたしまして、46ページでございますが、「地域資源の高度な活用」ということで、地域資源を保全するのみではなく、農産物のブランド化に生かしていく、女性や高齢者による加工・販売活動につなげていく、こうした活動については、幾つか取組が進んでおりますので、これをしっかり取りまとめ、横展開を図っていくことが重要なステージになっていると認識しております。
また、土地改良区のネットワークも生かしながら、上下流域の一体的な保全活動を推進するなど、効果をより広域化、高度化していくような取組も進めていくべきと考えております。
また、49ページに書いてございます農山漁村再生可能エネルギー法、これは昨年12月に法定化されております。これに基づく市町村の計画等と、農業農村整備に関してもいろいろと連携しどころがあると考えております。これについても、6次産業化と同じように構想段階からの連携が重要と考えております。
次の課題が50ページになります。地域資源の保全の中の一つになりますが、「生物多様性の保全」でございます。これについては、項目として新たに追加しております。
下の51ページの図に示しておりますように、農村における水路を中心とした水のネットワークというのは、生物の貴重な棲みかとなっております。生物は生育ステージに応じてこのネットワークを行き来しておるわけでございます。こうした水のネットワークというのは、原自然からあるわけではなくて、人がつくり上げてきたもの、つまり農業用水路等が主役となっているわけでございます。
一方、地域コミュニティとの関係で言えば、地域コミュニティがこういうものを保全し、一方では地域づくりにも活用しているという動きが出てきております。
こうしたことを踏まえまして、次の52ページでございますが、平成13年に土地改良法が改正され、環境との調和への配慮が義務づけられて以来、環境配慮ということを進めて参りました。できるだけ環境への影響を軽減するということでございますが、今後、水利施設の更新が中心となる時代におきましても、こうした事業を契機といたしまして、こういう水のネットワーク、生き物の価値、水路施設の持つ価値というのを再認識した上で、これを地域づくりに生かしていくような検討を一般化できないかということで、環境配慮の技術指針を改定したいと考えております。
また、その下の53ページに書いてございますが、これまで多くの技術的な知見が蓄積されてきております。左の図は、カエルが水路からはい上がれるスロープ、これについて、角度が何度であれば一番はい上がれるかというデータ、こうした技術的知見が蓄積されております。これを技術指針としてしっかり取りまとめていきたいと考えておりますし、下の方では生き物マップというものを充実させ、地域づくりへの活用を促進していきたいと考えております。
次の54ページは、「農業・農村の魅力を活かした地域の活性化」でございます。ここでは、福祉・教育・観光・まちづくり・環境等の分野において、交流を軸とした関係府省が連携した効果的な取組を推進していくことが課題である。また、世界農業遺産を初め、美しい景観、歴史・伝統等の保全・活用を契機として、地域活性化につなげていく取組が課題と整理しております。
次に追加しておりますのが、海外からの注目が高まっている日本の食を生かした地域活性化ということで、資料といたしましては、59ページを追加しております。ここでは、ユネスコ無形文化遺産に登録された日本の食について左側に書いてございますが、上の右側に書いてございます自然の美しさや季節の移ろいの表現、年中行事と密接な関わりということで、日本の食のおいしさのみではなく、こうした食文化にも関心が高まっているということでございます。
右に書いてございますように、こうした日本の「食」・「食文化」を農村の地域活性化に生かしていくことも重要な視点ではないかと考えております。行事食や郷土料理というのは、まさに農村部で豊かなものでございますし、農家レストラン等を通じて、都市と農村の交流に加えまして、海外との交流というものも視野に入れた取組を追求していくことも一つのアプローチとして重要ではないかと考えております。
続きまして、60ページ以降は、社会基盤でございます。
61ページ「農業水利施設等の持続的な保全・管理」ということで、施設の長寿命化を関係者が一体となって徹底していくことが重要と考えております。また、更新のタイミングをより遅くしていく、長寿命化をより徹底していく一方で、突発事故のリスクも高まるわけでございますので、ここについては、セーフティーネットを十分強化していくことも課題と考えております。
続きまして、資料の66ページでございます。「農村インフラの戦略的な再編・保全」、これについては新たに項目として追加をしております。農村インフラも数多くの施設を整備してきております。特に、集落排水施設につきましては、今後耐用年数を超過する施設が急速に増加して参ります。一方で、農村については、あるいは日本全体でそうなるわけでございますが、今後人口減少が見込まれる状況でございます。こうした状況を踏まえ、これら施設の更新に際しましては、生活環境施設の総合的な集約・再編を通じた利便性・効率性の向上等が必要になってくると考えております。
下の図の右側では、集落排水施設を書いてございますが、集落排水施設を更新する際に、その時点、あるいは将来の人口見通しを踏まえて、施設を集約化していく、また地域コミュニティ施設についても同様の集約を図っていく。一方で、跡地を地域活性化に活用していく、こういう取組が重要ではないかと考えております。
また、左側では、農道橋でございますが、土地利用の調整とあわせて必要でなくなる農道橋を撤去していく、こうしたことも考えていく必要があるのではないかということで、項目として追加をしております。
続きまして、69ページでございます。「防災・減災への取組強化」でございます。防災・減災につきましては、脆弱性評価をしっかり行い、ハード・ソフトを組み合わせ計画的に実施していくことが重要と考えております。
また、ソフト対策として、土地改良施設の管理におきましても、BCP、業務継続計画の考え方を導入していく。また、管理体制が特に脆弱なため池については、管理者への技術支援、これらの取組強化というのが今後の課題になってくると考えております。
また、その下に書いてございます、地域コミュニティと連携しながら、例えば大雨時に水田に水をためる田んぼダムや、ため池を事前放流して貯留機能を持たせるといったことによって、農地・農業施設が有する防災機能をフルに活用し、災害対応力を向上させる取組を充実させていくことも課題と考えております。
資料として追加しておりますのが、71ページでございます。ここでは、地域レベルで防災・減災の優先順位を明確化していく必要があるということで、地域単位でマスタープランをつくりまして、どの工種が防災・減災について優先順位が高いのか。そしてまた、当面ハードが困難なものは、どういうソフト対策を講じていくべきかというのを地域単位でしっかり計画を立て、評価をしていくという考え方を示しております。
一方で、72ページでございますが、工種単位で、全国レベルで総点検をし、対象施設を洗い出していくというアプローチも必要ではないかと考えております。例えば、ため池では全国で21万カ所あるわけでございますが、一定規模以上のため池につきまして、全国点検を行い、危ないため池をあぶり出していく。
このように地域単位での計画づくりと、全国レベルでの点検を組み合わせながらしっかりと脆弱性評価を行い、効率的な防災・減災対策を講じていくことが課題と考えております。
最後に、第5章といたしまして、82ページの「土地改良施策の今後の留意点」でございます。
土地改良事業は、土地改良法に基づき、農家からの申請、受益農家の同意があって実施をしております。また、土地改良区は、土地改良法に基づき、土地改良施設の管理をしてきております。
一方、今後農業構造の変化が進む中で、均質な農家で構成されていることを前提として成り立ってきた集落による農地や水の管理、土地改良区の組織運営、土地改良事業の実施等、様々な局面において、新たな事態が生じる可能性がございます。また、施設の更新も円滑に進めていくことが必要となってきております。このため、土地改良施策のあり方につきましては、今後の地域の動向や、意向等を把握しながら、必要に応じて検討を深めていくことが重要と考えております。
最後になりますが、89ページ、ここは「課題解決に向けた横断的な留意事項」として、5点挙げております。
1点目、産業政策も地域政策も攻めの視点を重視していくべきだという点。
2点目は、産業政策と地域政策を有機的に連携・補完していくことが重要であるという視点。
次のページに参りまして、地域の特性に配慮した機動的な対応が産業政策、地域政策ともに重要であるという点。
また、人材育成の強化、ここでは、大学、研究機関との連携も重要になってくるのではないかと考えております。
それから、関連施策や関係団体としっかり連携をしていく。農地中間管理機構、土地改良区も含め、しっかり連携をしていく。
そしてまた、最後に、優良・先進的な取組等の体系的整理と効果的な広報と横展開ということで、積極的な情報発信と、効果的な広報活動が重要だと挙げております。
以上が、資料1月2日の説明になります。資料といたしましては、この他に縦長の資料1月1日、これは先ほど申し上げたパワーポイントを文章に直したものでございます。
それから、参考資料1ということで「農村社会の変化」というものをつけております。これは第1回の農業農村振興整備部会で説明いたしました農村社会の変化を示すデータを取りまとめたものでございます。この3つを合体させまして、中間整理として取りまとめていきたいと考えております。
私からの説明は以上でございます。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
それでは、今、御説明がありました内容につきまして、御質問、御意見を受けたいと思います。11時25分まで50分、時間を用意していただいております。随分大量の内容ですし、重要なこともあるのですが、先ほど申し上げましたように、とりあえず今年度はここで一回まとめるということですので、それに向けて、御意見、あるいは御質問をお願いしたいと思います。順番に当てるのではないと先ほど申し上げましたけれども、最初だけテーマを絞らせていただきたいと思います。絞ると申し上げるのは、前回、皆さんの意見が集中し、今回「第1章課題整理の視点」として、特に産業政策、地域政策の位置づけ、平地と中山間での役割を改めて整理していただきましたので、ここのところについて、まず御意見、御質問をいただきたいと思います。どなたからでも結構ですので、どうぞよろしくお願いします。
では、柴田委員お願いします。

 

○柴田臨時委員
御説明ありがとうございます。
ともすると、昨年来、矢継ぎ早に農業の見直し、政策の見直しというのを出されてきて、錯綜して分かりにくかった部分が、今回平地、中山間地、産業政策、地域政策という形で、それをダイナミックに捉えていただいて、かなり分かりやすくなったなという気がいたします。
そういう中で、こういう政策面での動きというのが実際に進められるわけですけれども、地方に行ってみると、地方は地方なりに独自の動きも行ってきているというところで、そちらとの兼ね合いというか、例えば細かな話ですけれども、地域政策で見ると、22ページの鳥獣害の部分ですけれども、昨日、岩手県に行って参りまして、いろいろ話を聞きますと、鳥獣害の被害がかなり出ているというところで、鹿などはこれまで1,000頭ぐらい処分したというのです。しかし、それを処分するに当たって、まずハンターの問題として、かなり高齢者になっています。
それから、処分した場合に、それを実は肉として売りたいとか、直接販売するにしても、保健所とか屠殺場が近所になく、それらの場所に一旦持って行ってやらなければいけない。地域で簡易的な屠殺場というか、処理場が建てられていれば、その地域ごとにかなり対策が出るのではないか。今、屠殺したものも雪の中に穴を掘って埋めているという状況なのです。そう見ると、この地域の動きをさらに地域政策に止まらず産業政策として生かしていこうとしても、様々なボトルネックが生じていると思います。そこで、これらを進める上でのネックは何なのかを細かく拾っていく必要があるかなという気がいたします。
全体としては、非常に明確になってきたなという印象を受けます。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
そうしますと、今のお話を整理すると、90ページの地域の特性に配慮した機動的な対応というところにまとめてありますが、今後、これをもう少し具体的に、どういう課題があるかを拾っていく必要があるということでしょうか。

 

○柴田臨時委員
地域は地域なりに、将来を心配する中で、創意工夫して動きが出ているということなので、それらを助長するような形で育てていくようなきめ細かい対応が必要かなと思うのです。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
どこかに書き込んだ方がいいということではなくて、さらに次の課題としてあることを忘れないようにという御指摘ということでよろしいでしょうか。
実は、私、昨日京都府のある会議に出ていたのですけれども、そこでも高齢化や少数化で、ハンターの資格を取る人がものすごく少なく、それもネックになっているという話が出ていましたけれども、そういうところもセットで考えないといけないという御指摘でよろしいでしょうか。

 

○柴田臨時委員
はい。若い女性などがハンターに憧れて、志望したいというグループはあるらしいのですけれども、教育するまでに3年とか4年かかるということなのです。細かなことですけれども、そういう支援策、地方の小さな動きを育てていくような対策がこれから必要かなと思います。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
では、森委員お願いいたします。

 

○森臨時委員
御説明ありがとうございました。
一度事前に説明していただいたときよりも、さらに分かりやすくなっていて、資料としては非常にいいのではないかと思っています。お疲れ様でございました。
「地域社会の維持や地域の安全・活性化を目指した『地域政策』」というのが42ページから書いてありまして、最後の90ページに書いてある「人材育成の強化」というところに結びついてくることで一つ気になることがありまして、私が知らないことでしたら教えていただきたいなと思うのです。
まずは、90ページの文を例にとっていきますと、一番最初に「地域の特性を十分理解し」から始まる文章がありまして、「総合的に地域支援できるような人材育成が必要」と書いてあるのですが、実際には、担い手の方、それから新規参入する方に、農業の技術、それから営農の以外に、地域環境、地域保全、農村の環境保全についてレクチャーをするような機会は、あまりないのではないかと思っています。新たに始める人、あるいはその担い手の方の資質に依存しているのが現実ではないかと、私は不安に思っているところがあるのです。例えば農業委員会ですとか、地域の農協が、指導的立場で何らかの勉強をする機会を実際に提供しているのか。そういう勉強する機会がなく、農業の農作業の部分だけをやろうとしたり、おいしいものを食べたいからということで、地域を応援するぐらいの考えで農村にいらっしゃる方たちには、実際に結びついていかないのではないかという懸念を感じるのです。その点について御意見、あるいは実際にこういう制度がありますよというのがあったら、お聞かせ願いたいと思います。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
参入者に対して、いわゆる営農指導だけではなくて、農村社会生活オリエンテーションみたいなものが必要だと、そういうことですね。少し伺って、まとめて回答していただくようにしようと思います。
では、他に御意見をいただきましょう。
そうしたら、委員が考えていただいている間に、今のそういう制度、仕組みがあるかということをお願いします。

 

○佐藤計画調整室長
ありがとうございます。
まず、資料の90ページ「人材育成の強化」の最初に書いておりますのは、実はむしろ行政機関における人材育成が求められるのではないかということで書いておりました。基盤整備を進めるノウハウ、それから営農の質を高めていくノウハウ、あるいは委員指摘のように、地域づくりをしていくノウハウ、いろいろなノウハウを組み合わせて施策を展開していかなければならない。そのときに、地域ではそういうことを総合的にプロモートし、調整していく人材育成、これが市町村であったり、あるいは農協であったり、営農普及所であったり、土地改良区であったりするのだろうと思います。そういうサポートをする人材育成が重要ではないかということで書かせていただいております。
そしてまた、そういうことをしていく仕組みがあるかということでございますが、先ほど申し上げましたように、様々な関係機関がうまく役割分担しながら新規参入者を支えていく。そのときに中軸になるのは、地方自治体、市町村と思っております。そういう市町村の人材育成が重要ということで書かせていただいておりますが、特にそういうところにスポットを当てた制度が、明確にどういうものがあるかというのは、今うまく答えられませんが、いろいろな機関がそういうことをしっかり問題意識として捉えて、総合的に支援をしていかなければならないと考えております。

 

○森臨時委員
ありがとうございました。
今、室長に御説明いただいたことは分かるのですけれども、一応皆さんがおつくりになった資料は、一般の国民の方もご覧になる中で、人材育成というのを、行政や農業関係機関の方の育成だというふうにはあまり思わないのではないのでしょうか。農業に直接関わる人たちの育成と捉えるように私は思うのですけれども、そこのあたりがちょっと伝わりにくいのかなと思うので、ぜひ御検討いただきたいです。農業にこれから新しく従事される方たちのところまで、実際に地域環境保全や、農村環境の保全の考えが浸透するような、今おっしゃった中の行政や農業関係機関の人たちの人材育成というのを早くやっていただいて、こういうことをやっているのだよということを早い段階で明文化というか、見えるようにしていただければと思います。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
では、加藤委員お願いします。

 

○加藤臨時委員
今の森委員の話の関係でございますけれども、私、去年まで山梨県の農政部の職員だったものですから、手前みそで大変申し訳ないのですけれども、山梨県におきましては、アグリマスター制度というものをつくりまして、いわゆる篤農家の方に、もちろん農業を中心に教えていただくのですけれども、農業以外の、地域文化、農村のコミュニティ、そういうものも理解していただくということで、1年以上その農家の方々にマンツーマンで教えていただく事業として制度をつくりまして、その方のところで農業も覚える、また地域で生活をやっていただいて、地域の仕組みと言いますか、農村というものを理解していただくという取組もしています。多分他県でもかなりやられている県は今、多いのだと思うのですけれども、事例紹介ということでお話しさせていただきました。

 

○渡邉部会長
情報をありがとうございました。
他に。
では、浅野委員お願いします。

 

○浅野臨時委員
農業農村整備の課題というのが非常に明確に提示されており、それから必要になる政策の方向というのが一層クリアになって、国民的にも非常に理解しやすいものができたと思います。
その上で、次の段階のことになるかもしれないのですけれども、通常そういう政策というのは目標を立てて、こういうふうな体系でいきますといったときに、それがどの程度うまくいったかというのは、評価していく軸、あるいは、その評価に乗せてPDCAサイクルを回していくということが必要になるのですが、その評価軸に関しては、今回の資料では提示されていません。だから、どういう軸で、どういう観点で地域政策、産業政策はうまくいっている、あるいは、うまくいったと事後的に言えるのかということは、少し考えておいて、その成果をもとにきちんと国民に説明するという視点が要るのではないかと思います。あるいは政策評価という観点をもう少し、最後の全体の包括的なところに加えていただいてもいいのかもしれません。政策として実施する上では政策評価は、今後欠かせない点になろうかと思いますので、ぜひ言及されたらどうかなと思います。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
浅野委員もおっしゃるように、次の課題かもしれませんが、課題を整理して、次にいく最初のときにそれをどう評価するかというフィードバックのシステムについても、きちんと言及していくべきではないか、そういうことかなと私は伺ったのですが、その辺の次の位置づけみたいなものがあればと思います。浅野委員もそうおっしゃいましたけれども、もしかしたら一番最後に議論することかもしれませんが、もし今あればお願いします。

 

○佐藤調整室長
最終ページの横断的な留意事項の方に追加する必要があるのではないかという御意見と承りましたので、明記を検討していきたいと思っております。
また、資料の8ページでは、これは評価軸になるかどうかということはございますが、産業政策として下に向く矢印として、経済的価値を効果的・効率的に追求できる地域を拡大していく。また、地域政策としては、地域コミュニティが形成された地域を拡大していく。これは、アウトカムに近いものではないかなと思っております。こういうことも参考にしながら、検討を深めていきたいと思っております。


○渡邉部会長
ありがとうございました。
今、浅野委員もわかりやすい説明になってきたとおっしゃっていただきましたけれども、前回も、ここでの議論のキーワードとして「わかりやすさ」があったのですが、私ども、あるいはここにいらっしゃる委員の方は、7ページ、8ページはわかりやすい図になったと思っているのですが、わかりやすさの視点で、ぜひ近藤委員、小谷委員には一言意見をいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

 

○近藤臨時委員
「第1章課題整理の視点」というところに限定して言えば、非常に分かりやすくて、私は何も注文することはありません。内容はまさにそのとおりですし、総論としてもよくまとめられていると思います。
ただ、せっかく指名いただいたので、感じたことを、全体に関わるテーマではありますが、お話させていただきます。全部で4つあるのですが、とりあえず2点についてだけお話をしておきます。
今回、農業農村整備の課題をまとめる途中で、思いのほかと言ったら怒られてしまうかもしれないけれども、国の農政改革が急展開して進展しそうな気配もあると感じています。農業委員会の構成や役割を巡る改革とか、かねてから批判があったJAの自己改革問題とか、多くの課題が同時並行的に進んでいます。当然そうなると、ここに書かれている内容もどこかで微調整が必要なのかなと思います。
今回、総論としてはわかりやすいのですが、多くの改革が進む中でのまとめだという位置づけが必要かなと思います。今の農政改革が完遂するかどうか分からないけれども、その行方次第では多くの調整が必要になると思っています。
あと2つ言わせてください。第2章と関わるところかと思うのですけれども、前回、室本整備部長からもお話がありましたし、予算委員会にも資料を出されたようです。全体の方向として、いわゆる減反廃止という生産調整の見直し、飼料用米への誘導、この話です。飼料用米に生産を誘導する結果、米価格は下がらないことが前提になっているという説明でありました。少なくとも読売新聞というか、私の立場からすると、本当の強い農業、あるいは消費者の利益、自給力の強化とか、いろいろなことを考えると、米価格が下がらない前提での政策というのには賛成しかねます。だから、総論では反対する点は特にないのですが、コメ価格を下げないという前提の政策であるならば、今回のまとめに書かれている幾つかの点については反対です。それが2点目。
3点目は、今回、復興とか除染の話が全く抜けてしまった感じがあります。「こういうテーマの報告書だから入れない」という判断もありだと思うので、入れてくれという話ではありません。意見です。たまたま私が出ているBSの報道番組で先日、石原環境大臣が出てくれて、そのときに雑談していると、縦割りの霞ヶ関の事業の中では、意外にうまくいっている事例があるのだという話をしていました。土地改良事業の中で除染に役立つ排水溝を整備時に一緒に設置するなど、環境省の除染事業と土地改良事業がうまく連携した例があるのだという話を聞きました。いい話だなと思ったわけです。そんなことが起きているなら、今後も進めるべきだし、まだまだ続く復興や除染への対応という視点がどこかにあれば、より良いのかなと思いました。
以上3点です。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。事務局のお考えを少し伺いましょうか。いいですか。それでは、続けて小谷委員から伺ってからにしましょう。今の点に、後で御回答ください。
それでは、小谷委員に先に伺いましょう。

 

○小谷臨時委員
分かりやすくなったという点では、そのとおりだと思いますけれども、この中で、私が一番素人なので、一般の人が見ると分からないこともまだあるなと思いました。まとめの方向に来ているのに、ちょっとややこしいことを言いますけれども、最初から「土地持ち非農家」という言葉が、私はびっくりしたのです。そもそも土地を持っているのに農家にあらずという、存在し続けていることがびっくりしまして、農地法というつもりではないのですけれども、来年相続税の強化で、都市農業がまた大変になっていくという話をたまたま聞きましたが、市民レベルで家庭菜園とか、市民農園の、都市にあるささやかな農地や、農に触れ合うことがまた新規就農にもつながっていくと私は思うのです。若い人、今20代の大学を卒業した人に、担い手のイベントや何かも農水省でもいろいろやっているのは存じていますけれども、では、そのもう少し前の今の子供たちの、農に触れる機会を奪っているのではないかなと思っています。
NHKのEテレで、福祉、介護の番組をやっていまして、そういう観点からも、今、農水省でも医福食農連携で自給率アップというフードアクションがありますが、実は福祉、高齢者の問題、障害者の雇用とか、生きがいとか、若い人のストレスが多くて自殺になっているというような、心の問題、あるいは子供たちの食育の場も含めて、農的環境というのが、特に都市においては、非常に多くの解決のヒントを秘めている、大きな宝になっていると思います。
例えば、56ページにも「『農』と福祉の連携プロジェクト」というのがあるのですが、あまり多くの事例が出てこなくて、もっとあるのでしょうけれども、もっと事例を増やすような、それは都市の農業で言うと、生産緑地とか、農地をそのまま残しながら、国が土地を農地として守るということも含めて、もう20~30年後には、人口が減少することはわかっているのに、農地を売ってアパートに変えるというのは、明らかに20~30年後には間違いだと分かる話ですね。そういうことも含めて、特区がいいのか何かわかりませんが、都市部に、あるいはもう少し多面的な意味で、農地を残すことを求めたいと思います。国際家族農業年というのが今年なのだそうですけれども、「家族で農業を」というコンセプトはあまり知られていないと思うので、もう少し広めるのも、それこそ新規就農にも繋がるのではないかなと思います。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
事務局で御回答いただきたいと思うのですけれども、今の一番最初は、言葉がわかりにくいのは、資料としてはどこかにつけておいたらいいという御提案ですか。

 

○小谷臨時委員
そういうということではないです。

 

○渡邉部会長
分かりました。
それでは、八木委員お願いします。

 

○八木臨時委員
私も、毎回この審議会に出させてもらう中で、今回の資料は今までより一番わかりやすいということでは大変ありがたいと思います。
私も実際に現場で農業をしておるわけですけれども、今、私たちのところで、人・農地プラン、農地の中間管理機構の話をする中で、各自治会でまず人・農地プランを立てようとしています。私達の所では小学校の校区、6集落ぐらいあります。それを最終的に一つにまとめて、規模拡大、集積しようかなということで、今、話を進めています。6集落あったら、各集落いろいろな問題があります。皆さん一つの問題ではないわけです。それをこれから一つにまとめていこうという中で、最近、農地中間管理機構、この役目が大変重要だと私は思っております。
ただ、今も言いましたように、人・農地プランの話をいろいろしていく中で、私たちのところで6集落あって、担い手という存在は私のところだけです。あとはそういうところがありません。まだ各個々で農地を守っている所です。まだ個人の方で田んぼを守られていて、ほ場整備もできていない所もあり、山間地域のあるところ、いろいろな問題があります。それを一つにして、これから組織でやっていこうかという中で、土地改良区も、あるところとないところがあります。
土地改良区といっても、私のところも水利関係を管理しているだけという中で、これから農地中間管理機構の事業としての農地の集積、集約化や放棄地の解消のための整備及び活動の支援を、明確に地元の方へ反映してもらって、ぜひとも早急に進めてもらいたい。この4月1日からの事業ということなのですけれども、なかなかまだ見えてこないところがたくさんあります。そこをできるだけ早く前へ進めるようにしてもらいたいというのが一つ。
それから、今の新規就農の話、新しく農業に参入される方ということなのですけれども、私たちのところにも新規就農の支援の事業があります。私のところも、今年また1人、そこでお世話になりますけれども、話を聞いていたら、新規就農担い手育成事業で勉強された後に農業に携わるといったら、ハウス、野菜、果樹、そういうところがほとんどだと聞きます。土地利用型の農業をやりますという方はほとんどおられないとの事。それは何故かと聞いたら、土地利用型、米、麦、大豆を中心に収穫を上げる事がなかなか難しい。10アール当たり10万~15万ぐらいの収益であると。その割に、機械、施設、そういうものに大きなお金がかかります。
そういうことで、なかなか土地利用型の農業へ参入してもらえない。この土地利用型の農業、多面的機能とか、いろいろな問題を抱えています。そこへ、もっと若い人に入ってもらいたいというところの支援をもう少し前向きに考えてもらったら、もっともっと若い人が入ってもらえるのではないかなと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。

 

○渡邉部会長
前半で強調された中間管理機構については、ここの資料でも3ページぐらいで書いているけれども、これはこの内容でわかりやすいということでよろしいですか。

 

○八木臨時委員
そうですね。

 

○渡邉部会長
早く進めた方がいいと、その先をおっしゃったということでよろしいでしょうか。

 

○八木臨時委員
わかりやすいのですけれども、反対に現場では前へ進んでいないというのですか、一つの問題があって、お尋ねしてもなかなか答えが出てこないというのが現状なので、もう少ししっかりと説明できるようなところでお願いしたいなと。それが、前へ行くというのですか、皆さんが一つになって、これから農業を守っていこうかというところに繋がるのではないかなと思いますので、よろしくお願いします。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
では、石井委員お願いします。

 

○石井臨時委員
私も、この7ページの図は分かりやすくていいなと思いました。
それで、先ほど小谷委員からもお話が出たと思うのですけれども、少数の担い手と多数の土地持ち非農家に分かれるという書き方はシンプルで非常にわかりやすいのですけれども、実際には平場であっても、もちろん中山間地域であっても、「農的な」と先ほどおっしゃいましたけれども、産業としての農業ではなくて、零細ながら趣味の農業をやってもいいし、アルバイト的な農業があってもいい。そういう方は現実におられるわけです。こういった方たちも取り込んでいかないと、この地域コミュニティの維持というのはなかなか難しいと思います。これらは「土地持ち非農家など」のところに恐らく全部入っているのだとは思うのですけれども、そこも書き加えた方がいいように思います。
加えて、土地も持っていない新住民の方というのも農村部にはいて、今の農村集落というのは、ここに書かれた少数の担い手と多数の土地持ち非農家だけではなくて、それ以外の方たちというのはかなりいっぱいいるのです。その方たちも含めた地域コミュニティというのを考えることが必要になるだろうなと、その点は思いました。
それからもう一つ、これは今回とは少しずれるかもしれませんけれども、中山間などの地域を維持していく場合、現実にどう維持されているかというと、これは地方都市で働く兼業農家に支えられているわけですね。ですので、その地方都市自体がやせ細ってしまうと、兼業も立ち行かなくなって、そうすると、その地域の農村が危なくなるということもあると思います。そういった意味で、もう少し広域の都市も含めたような活性化というのが恐らく必要になるように思いました。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。前半は御指摘いただいたと思います。
では、他の方いかがでしょう。
そうしたら、ちょっとここで切らせて頂き、事務局から。それでは、局長お願いします。

 

○三浦農村振興局長
それでは、いただいた御意見について、まず私の方からお答えいたしまして、補足するところがあれば、また担当課長から補足してもらいます。
まず、近藤委員からの、農政改革が急展開しつつあって、そういう中でのものであるという位置づけをもう少し明確にしてはどうかという御指摘だったかと思うのですけれども、随所に「新たな農政の展開の中で」というフレーズは出て参りますけれども、恐らく補うとすれば、最初の方の6、7ページにもう少し書くか、あるいは最後の方の90ページにもう少し書き込むかということになろうかと思います。そこはどういった工夫ができるのかという観点で検討したいと思います。
それから、2つ目の米の価格が下がらないような前提での政策展開には賛成しかねるという厳しい御指摘でございます。これについていろいろやりとりをしていますと、それだけで時間が終わってしまいそうな感じもありますけれども、私ども農林水産省としては、米という非常に重要なものについて、需要が減少している、そういう中でどう対応していくかということですけれども、主食の米ですから、需要に即して安定的に供給されることが重要だということが何よりも基本と考えております。そういう状況では、需要を上回る米の生産を促すことで、米価を下げていこうということはいかがなものかという考えに立っているというのが基本でございます。
一方で水田をフル活用して、食料自給率ないしは食料自給力の向上を図っていかなければならないという課題もございます。そういうことに対応しますと、水田を活用して、需要のある麦や大豆、あるいは飼料用米といった生産振興を図るということが政策のあり方として必要なのではないかというのが2つ目でございます。
ただ、今回の農政改革のもう一つの大きな柱として、農地中間管理機構の活用等によって担い手の経営規模の活用ですとか、農地の集約化ということを図って参ります。そうなりますと、当然生産コストが下がって参ります。この部会のテーマである農業農村整備ということを推進して参りますと、そういった規模拡大、あるいは生産コストの低減がより促進されるということは、今まで十分説明しているところだと思います。そういうことになって参りますと、コストの低減ということで、米の価格も中長期的なスパンで見れば、消費者にもメリットが還元されるような形で推移していくということも考えられるところでございまして、こういった方向で進めていくという考えであります。
それから、復興除染の話でございます。確かに、除染と土地改良事業の連携といったことは、私ども進めておりまして、環境省と連携をして、農地の除染と、私どもの区画整備の事業とを一体的に実施するという取組を進められるところでは進めるということを行っております。この部会の今回のテーマに、どこまでそれを書き込むかということについては、また別の角度からの考えが必要かなと思っておりまして、今回は農村社会の変化ですとか、新たな農政の展開といったことを踏まえて、農業農村整備のあり方について議論するということでございますので、今日御説明した資料には出てこないということでございます。
ただ、東日本大震災からの復旧・復興が、農林水産省として重要な課題であるということはもちろんでございまして、そういったことをどういうふうに進めているかということは、例えばこの審議会の範囲で言いますと、食料農業農村白書の中での御紹介といったことも考えられるのではないかと思っております。そういった観点で今回は整理しているということでございます。
それから、小谷委員の、言葉の問題もございます。「土地持ち非農家」というのは、ちょっとパンチのある言葉かなと私も個人的には思いますけれども、これは統計上の用語にもなっておりまして、一定の規模以上農地を所有しているけれども、農家としてはカウントされないという世帯でございます。何故そういう分類をしてことさら取り上げているかと言いますと、ごくわかりやすい例で言いますと、耕作放棄地の発生が大きな課題になっておりますが、そのかなりの部分は土地持ち非農家の農地であるということもありまして、そういった方々をどのように、先ほど石井委員からお話がありましたけれども、地域のコミュニティに取り込んでいって、役割を果たしていただきながら、地域の農業ないしは農村の振興に貢献していただくということを考えることが重要だという視点でございます。
それから、都市の住民の方々を中心に、農に触れ合う機会とか、そういったことを増やして、理解を深めていくということの御指摘がありました。これも大変重要な御指摘だと思っております。大ざっぱな言い方をしますと、都市農業の振興ということになるかもしれませんけれども、都市農業の振興ですとか、都市農地の保全といったことの重要性ということを私どもも認識して、そういう方向の取組を進めてきているところでございます。予算措置でも、「農」のある暮らしづくり交付金といったものを平成25年度に創設をして、各地域の取組を支援しているところでございます。
また、都市農業の振興と都市農地の保全のあり方というのは、一つの政策のテーマになっておりまして、与党でも検討が進められていると承知しておりますけれども、私どもも今回の基本計画の見直しの過程において、もう少しどういったことができるのかという観点で検討を深めていくべきものであると考えております。
それから、八木委員の農地中間管理機構の話は、おっしゃるとおりでございまして、重要な役割を果たしていくように指導したところでございますので、これがどういうふうに展開するかということをよく見ながら、私どもの政策と連携をとって重要な役割を果たしていけるように、私どもも心していかなければならないと思っております。
お話の中にありました土地利用型農業への新規参入なり、新規就農が少ないのではないかというのは、おっしゃるとおりでございます。比較的短期間に習得でき、収益を上げやすい施設園芸や、野菜、花卉とか、そういったところに新規就農者が多いという状況であろうかと思いますが、土地利用型農業につきましても、今日御説明をしたような現下の情勢に応じた積極的な取組を展開することによって、規模が大きく、コストを下げて、また米、麦単品ということではなく、地域によっては複合化をしたり、付加価値をつけて販売をしたりと、いわゆる6次産業化の取組に展開したりとか、様々な取組が資料の中でも御紹介してあると思いますけれども、そういった取組を、家族経営から発展した法人ですとか、集落法人ですとか、そういう法人の形に持っていき、そういう地区もたくさんありますけれども、そういう法人に雇用されるという形態で最初は入っていくという形で、若い人が地域に入っていくというケースもありますので、そういう土地利用型農業の規模拡大、法人化というもとで、雇用という形で最初は入っていくということも含めて、新規就農の促進を土地利用型農業の方でも図っていく必要があると考えております。
それから、石井委員からお話がありました、土地持ち非農家という方々だけではなくて、多種多様な方がいらっしゃる。農業とは全く関係のない新しい住民の方ですとか、自給的な農業をやっている方、あるいはちょっと言葉は悪いかもしれませんが、趣味的にちょっとやっている方という方々もいらっしゃいます。そういった多様な方々をみんな包括するような形で地域のコミュニティを維持していく。それによって、地域で育成すべき担い手を支えていくということが非常に重要な視点でございます。今回の日本型直接支払というのも一つはそういう視点に立って、支援措置を講ずるということもございますので、そういう視点をこれからも重視して取り組んで参りたいと考えております。
また、中山間地域についての地域の維持がなかなか難しくなってきているような状況において、広域的な視点を持って活性化を図っていくべきだという御指摘もありました。これも全く御指摘のとおりでございまして、そういった観点の施策をさらにどのように進められるかということについても重要な課題であると考えております。
私からは、以上でございます。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。三浦局長に丁寧にお答えをいただきましたが、事務局、よろしいですか。
そうしたら、実は、冒頭でこの枠組みに議論を絞ったままになっているのですが、中身は産業政策と地域政策の枠組みの話でしたので、皆さんのお話はもうその中身の全体に展開しているので、改めてこの枠組みを外して、全体について、あるいは今の三浦局長の御説明についても含めて、御意見があったらいただきたいです。ただし、時間があと10分ぐらいしかありませんので、簡潔にお話しいただきたいと思います。課題を絞ったので、多分発言の内容を制限された委員の方もいらっしゃると思うので、自由に御発言いただきたいと思います。いかがでしょうか。
では、近藤委員。

 

○近藤臨時委員
先ほどの三浦さんにお答えいただいた件では、今、話をすると長くなってしまうのでそれはやめておきます。言いたいことがないわけではありませんが。
1つだけ、先ほど言い忘れた件があります。59ページに食文化の話が載っているのが非常にいいと思います。私の勉強不足かもしれないけれども、この局の政策で、この類いの話がこの文書に出てくるのは、随分新鮮な感じがします。産業的な分野に踏み込んでというのはいいなと思いました。
あえて言うなら、まだこれから検討するのでしょうけれども、その心意気はよしなのだけれども、具体策がもう少しあったらよかったなと思いました。どうやって地域のそういう食文化を6次産業化なり、俗な言葉で言えば、農家の懐が暖まるように活用できるのかという政策の視点というのは非常に大切だし、いいと思ったので、ぜひよろしくお願いしますということです。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
他に。はい、浅野委員どうぞ。

 

○浅野臨時委員
短く2点。
1つは、他省庁との連携の話は、中にも出てくるのですが、省内の農業と林業と水産業とか、一体になってやるような仕事を今後増やしていくべきではないかという側面が1つ。
あと先ほどの食文化の部分もそうですし、最後の90ページの広報もそうですけれども、国内に限らず、もっと国際的な視野で攻めの農業、農業の魅力、農村の魅力を世界に発信する、広報するということが大事だと思うので、その観点もぜひいれていただきたいと思います。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
では、石井委員どうぞお願いします。

 

○石井臨時委員
先ほど言いましたけれども、14ページのところに「農専従者1人当たりの規模拡大にも留意」というのが入ったのが非常に大きいと私は思っています。先ほど、今後、米価が下がるかもしれないという話がありましたけれども、米価が下がってもやっていけるような農業というのは、恐らくこういう形に、1人当たりの経営規模を、数十ヘクタールぐらいやっていけるようなことに今後留意していかなければいけないということで、それが組み込まれたことが、一つの課題の取りまとめとしてよかったと私は考えています。
現状では、1人当たりの経営規模はなかなか拡大できない状態で、今、大体1人あたり10ヘクタール以上はなかなか難しいだろうと言われているのですけれども、それを突破するためには、資料にありますように、区画の規模を拡大する。それも、3反ではあまりに小さいので、これをかなり飛躍的に大きくしていかなければいけないだろうと考えます。それから、大区画化と一緒に附帯しているほ場の施設、水路とか、そういったものをなるべく減らしてあげることが今後必要になると考えます。今回のとりまとめは、それらが取り込まれたものになっていると思いますので、そこを評価したいと思います。ただ、区画規模や経営規模はもっと大きい方が私はいいと思っています。
以上です。


○渡邉部会長
ありがとうございました。
では、横田委員お願いします。

 

○横田委員
今日のこの話の流れを聞いていますと、私は農業者の一人として、農業と消費者の皆さん方、国民の皆さん方が、あまりにもかけ離れているような気がします。ここでいろいろな議論をしても、消費者はどういうふうに捉えているのかなと。これを一番身近に感じさせるには、農と食は命という繋がりをどこかに分かりやすく入れていただきたいなという気がいたします。
あと、農業委員でもある私は、地元では、遊休農地は、いち早く分かるのは農業委員です。遊休農地をどう減らしていくかというのが、もう大変な課題になっておるのですが、就農される方々は、どういうふうにしていこうかということで、この地域の遊休農地を利用しました活動をしていくことによって、6年たちましたが、ここで県の事業としてサポーター事業というのがありますが、その中で就農につながっていった方がいらっしゃるのです。時間をかけなければ、就農していくという方が出てこない。また、こういう遊休農地の協議会を立ち上げた中で、面倒を見ると言ったら語弊があるのですが、サポートできるようなメンバーがいる。その中で就農していけるという形が一番自然なのかなと思います。正直言って、大きな面積では機械が必要です。鍬一本で田畑、作物もつくれません。その中でサポートできるのは、そういった組織の中で地域を見守っていくという、地道な活動ではございますが、実例として御報告させていただきます。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
では、加藤委員お願いします。

 

○加藤臨時委員
前にも一度お話をさせていただいたかもわかりませんけれども、この施策を展開するには、前にもちょっとお話したのですけれども、人づくりだと私は常々思っておりまして、今回も最終的には第6章に人材育成の強化という格好で謳っていただいてございまして、文章になるとこういう形になるのだと思います。それで、今回資料の優良事例を見てもわかりますように、優良事例というのは、農村振興局だけでもない、食料産業局関係だけでもない、経営局関係だけでもありません、また他省庁だけでもないということで、幅広い省庁間連携も含めて、そういう中で初めて施策が地域に有効に生きてきているという格好だと思います。
その中において、これを文章にするというのは非常に難しいのだと思うのですけれども、基本的にはこの人材育成というのは、多分、民間の方々の人材育成ということを中心に書いておられるのだと思いますが、冒頭のまとめのところにもございましたが、市町村も含めてという格好なのですが、農林水産省の職員、都道府県の職員、我々のような団体の職員も含め、そういう方々の人材育成というのが非常に大事ではないか。
そうすると、当然、お勤めの方々は65歳なら65歳でリタイアをしていくわけでございますので、その第2の人生の場所として、農業ということではなくて、地域のコミュニティという分野で参画ができるのではないかなと思います。そういうことによって、今、農業改革の中でも出てきている農協の本質という問題もありますけれども、そういう問題に近いようなこともクリアができるのではないかなという感じが、最近特にしておりまして、この人材育成の強化というところの文章ではなかなか表現が難しいかもしれませんが公務員、団体職員等々の人材育成という面を頭に入れていただいた強化策をぜひお願いをしたいなと思います。そうしますと、その次にございます関連施策や、関連団体との連携強化というものがかなり活きてくるのではないかなという感じがしていますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
一応、委員の方から一通り御意見をいただいたところで、予定の時間を過ぎたのですが、冒頭申し上げましたように、今年度は、課題を取りまとめるということになっておりますので、今日の御意見を踏まえてこの課題を取りまとめたいと思います。
少し意見がありましたけれども、事務局の方で特によろしいですか。
では、局長からお願いします。

 

○三浦農村振興局長
ちょっと時間の関係がありまして、ごく短くコメントいたします。
近藤委員からの、「食」・「食文化」とそれを生かす具体策というお話がございました。施策としては、地域の取組であれば、例えばソフト、ハードの支援策というのがありますけれども、一方で、今、こういう食文化、日本食といったことを世界に発信したりとか、国内にも知っていただくというような取組は、また別の部局でやっているものがありまして、そういったことと我々の取組がもう少し連携した方がいいのではないかという視点はあるかと思いますので、もう少し考えて行きたいと思います。
それから、浅野委員からの、林野水産分野との連携というお話がありました。後の資料4で説明があるのですけれども、一つの例として、農山漁村活性化法というのがあります。これは、林野庁・水産庁も含んだ施策でございまして、そういったことも幾つかやったりしておりますけれども、なお一層そういう視点というのを重視していく必要があろうかと思います。ただ、国際的な視野での発信ということにつきましては、先ほどの食文化ということとも関連しますが、そういう発信ということにも努めて参りたいと考えております。
それから、石井委員の御指摘は、1人当たりの規模拡大の点でございまして、それは重要な御指摘だと思います。
それから、横田委員の御指摘の、農と食は命というようなキーワード、キーフレーズ、そういったことを今回のとりまとめにどのように反映させられるかということは、また考えてみたいと思います。
人づくりの点、先ほど森委員からの御指摘もありまして、文章がやや明解でないところがあって、行政関係者を念頭に置いているのか、民間の方なのか、そこのところがはっきりしない面もあって、いろいろ御指摘を受けたかと思いますけれども、そこは書きぶりについて工夫をしたいと思います。

 

○森臨時委員
一つだけよろしいですか。

 

○渡邉部会長
では、手短にお願いします。

 

○森臨時委員
ちょっと細かいことになりますが、55ページの「都市農村の共生・対流」のところで、大変いい事例が紹介されています。都市農村共生・対流事業の関係で、昨年視察に行ったところがあるのですけれども、それは高齢化によって買い物難民などが非常に深刻な問題になっているのに対応するような支援事業でした。
今、この55ページだけを見たら、農村の現状で困っていることは書いてあるのですけれども、農村のニーズと都市側の供給が本当の意味でマッチする対流にはなっていなくて、どちらかというと都市の人たちのニーズに農村が応えるような事例だけが今のところ出てきているように思います。農村に都市の人たちが買い物支援や医療支援で来て、都市側の雇用の創出になっているというような共生・対流になっている事例もこれからは紹介していただきたいと思います。そういうことにもっとスポットを当てていただけたら、本当の共生・対流事業になっていくのではないかと思います。非常に価値のある動きをしているところがたくさんあるので、もう少しページも割いて紹介していただきたいと思います。
以上です。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
具体的な御提案ですね。時間と紙面の都合もあるでしょうが、皆さんからいただいた意見を反映して、事務局でこの課題を修正して、取りまとめていただこうと思います。勝手ですが、時間の制約もありますので、最後の取りまとめは私に御一任いただきたいと思うのですが。
小谷委員、どうぞ。

 

○小谷臨時委員
この間の関東甲信の大雪で、横田委員のところも大変だったと伺いまして、お見舞い申し上げます。長野の佐久市長が、個人的なツイッターで交通情報や、いろいろな情報をすごく細やかに個人の判断でなさったのが話題になっていて、すごく役に立ったという話がありました。私もフェイスブックで、山梨の知り合いが、「これは壊滅的だ」と叫んだ言葉によって早い段階で大雪の被害が尋常じゃないとわかったことがありました。今、生産者や個人が孤立しそうな現場からそういう発信をする時代ですので、農水省としても、何かあったときに素早く、現場の職員などが、皆さんに分かる情報を発信するということと、同時に、生産者サイドの叫びをいち早くキャッチするSNS対策班というのですか、何かそういうソーシャルメディアでの情報の発信と収集を今後検討していただきたいと思います。

 

○渡邉部会長
この中で、ICTのいろいろな活用がありましたけれども、どこかで触れられるといいですね。
今おっしゃられたようなことも含めて、御意見をいただいたものを事務局で反映させていただくようにして、最後の取りまとめを私に御一任いただいてよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

 

○渡邉部会長
ありがとうございます。そのように進めさせていただきます。
確認したいのですが、この位置づけは前も確認したと思うのですけれども、今年度ここで取りまとめますが、御承知のように、食料・農業・農村基本計画は今、審議会の企画部会で取りまとめています。そこにここの課題もインプットされるような形になると思いますし、官邸中心の活性化プランも夏に改定する予定など、そちらも動いているわけで、これがそちらへインプットされる、あるいはそちらの動きを踏まえて、次年度以降この課題をもう一回見直さなければいけない、そういうことを踏まえて今年度まとめるという資料だと私は理解しているのですが、それでよろしいですね。
そういうことから考えて、一つ提案があります。文書のタイトル「農政の新たな展開を踏まえた農業農村整備の課題」ですが、この部会の第1回の最初に言ったかと思うのですけれども、何かちょっと農政の展開に対して受け身になっている感じがするので、こちらからインプットするようなことも、さきほど申し上げたように位置づけとしてあると思うので、「新たな展開における」とか、「中で」とか、そういうような言葉にしていったらどうかなという提案です。それも含めて検討させていただくということでよろしいでしょうか。局長何か御意見ありますか。

 

○三浦農村振興局長
また後で、部会長とも御相談したいのですけれども、例えばタイトルで言えば、これだけ見ると「農村社会の変化や農政の新たな展開に対応した」とか、そうしただけでがらっと雰囲気が変わるかなとちょっと思いましたので、また御相談したいと思います。

 

○渡邉部会長
そこも含めて検討させていただきます。ありがとうございました。
予定の時間を大分過ぎてしまったのですが、次の議題に移らせていただきます。
次は「技術小委員会への付託事項」です。これも事務局より御説明お願いいたします。

 

○佐藤計画調整室長
それでは、お手元にお配りしております資料2になります。これに基づきまして、説明をさせていただきます。
これにつきましては、農業農村整備部会として、来年度技術小委員会に付託する事項として5つのテーマを紹介させていただいております。
まず1つ目が、土地改良事業計画設計基準・計画「農業用水(畑)」の改定についてということでございます。実はこれにつきましては、食料農業農村政策審議会長が本日付で大臣の諮問を受けております。それが、別途1枚で皆様のお手元にお配りしております諮問の文書が、大臣名で審議会の会長宛に送付されております。
「土地改良事業計画設計基準・計画「農業用水(畑)」を改定するに当たり、貴審議会の意見を求める」という大臣の諮問文がございます。
これを受けまして、農業農村整備部会が技術小委員会に検討を付託するというのがこの1番目でございます。これにつきましては、この内容を別途、A4の横長の資料3で、「計画『農業用水(畑)』の改定について」という内容を説明した資料を用意しております。
ごく簡単に説明させていただきますと、資料の2ページでございます。この計画基準と申しますのは、土地改良事業が適切かつ効率的に実施されるよう、調査計画手法及び技術的基礎緒元を整理した技術基準でございます。一方、この計画基準の「農業用水(畑)」につきましては、平成9年の制定から17年が経過しております。その間、左下に書いてございますように、平成13年には土地改良法の改正がなされ、環境との調和への配慮が位置づけられております。また、19年、23年には、施設の長寿命化について手引きが策定されてきております。
そういうことを踏まえまして、右側に検討項目2つ挙げております。1つは、畑地かんがい施設についても整備をし、随分経過年数が来ております。ストックマネジメントが重要な段階になってきているということで、既存施設の老朽化による更新事業の増大などに対応するため、施設のストックマネジメントの考え方などを踏まえた調査計画手法の位置づけ及び検討を行うというのが1点目。
それから、2点目が環境配慮でございます。畑かん地区における環境配慮事例を踏まえた記載の充実を図るということにしております。
以上が、大臣諮問を受けました「計画基準(畑)の用水の見直しの内容でございます。
また、資料2に戻っていただきまして、2点目が「土地改良事業設計指針『ため池整備』の改定について」でございます。
これにつきましても、平成18年に一度改定しておりますが、平成23年、東日本大震災がございまして、福島県の藤沼ため池が決壊し、人命に影響を与えるということがございました。こういうことを2度と起こしてはならないという考え方のもとに、通常の地震ではなくて大規模な地震に対応したため池の耐震照査及び液状化に対する照査手法等について位置づけを明確にしていく改定を行っていきたいと考えております。
3点目が「土地改良事業設計指針『耐震設計』の改定について」ということで、ため池も含めて多種多様な構造を有する土地改良施設の耐震設計が必要となっております。これらはある程度横断的に比較できるような内容として、耐震設計の改定を図って参りたいと考えております。
4点目が「環境との調和に配慮した事業実施のための調査計画・設計の技術指針の改定について」ということで、先ほどの資料でも説明して参りました環境配慮につきましては、いろいろな技術が蓄積されてきております。それを反映するということ、それから地域づくりへの取組にも活用していくことを明確化していきたい、そういったことでの技術指針の改定を行っていきたいと考えております。
最後が「農業水利施設の機能保全の手引きの改定について」ということで、水利施設の点検・診断を行う際の手引きでございますが、ストマネまでの各段階でリスクを考慮するようなリスク管理の位置づけを明確にしていく、あるいは近年創設された制度への対応を明確化していくものになります。
以上の5点の見直しを、来年度1年間かけまして、技術小委員会で御議論いただき、改定をとりまとめていきたいと考えております。
ちなみに、この5つの指針を含めた技術指針や設計基準については、別途、お手元に配っておりますの参考資料2を開いていただきますと、土地改良計画設計基準・計画、設計、3ページ目には、土地改良施設管理基準、その他技術資料として設計指針なり、手引きというものがございます。このうち赤で囲ったこの5つが、来年度の技術小委員会に農業農村振興整備部会から付託する事項となっております。
説明は以上でございます。


○渡邉部会長
ありがとうございました。
いかがでしょうか。何か御質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、今の御説明を受けて、必要な事項につきましては、この部会の技術小委員会に付託するということにさせていただきたいと思います。審議会の会議規則9条に基づいて技術小委員会に付託するということでございます。そのように進めさせていただきます。今日は技術小委員長が欠席ですけれども、よろしく伝えて、審議していただくようにお願いしたいと思います。ありがとうございました。
それでは、次の議題の項目としては「その他」になっていますが、そのうち「農山漁村活性化法の施行の状況及び今後の方針について」、事務局よりまず御説明をお願いいたします。

 

○大澤都市農村交流課長
都市農村交流課長の大澤と申します。
それでは、早速御説明させていただきたいと思います。資料4でございます。「農山漁村の活性化のための定住等及び地域間の交流の促進に関する法律」というものがございます。表題にありますように、いわゆる「農山漁村活性化法」と申しておりますが、これにつきまして、今後の方針等について御報告させていただきます。
まず、7ページをご覧ください。この法律は、農山漁村における定住や都市と農山漁村の交流促進を図ることにより、農山漁村を活性化するため、平成19年5月に公布され、同年8月1日に施行されました。制度の基本的な仕組みですが、ご覧いただいている7ページの左側に書いてあるとおりでありますが、国が基本方針を策定いたしまして、都道府県又は市町村が、単独で又は共同して農山漁村活性化に関する計画を作成するというものでございます。
右にまいりまして、国は、活性化計画に基づく事業の実施に関する経費に充てるため交付金を交付するということができるとされております。右側の中ほど、上側の部分でございます。この交付金につきましては、平成19年度予算から「農山漁村活性化プロジェクト支援交付金」を設けまして、活性化計画に基づく交流施設の整備等を実施しております。
また、法律上の特例といたしまして、そのやや下ですが、活性化施設の用地を確保すること等のための農林地等の所有権移転促進等の特例措置、また、市民農園整備促進法に基づく手続の簡素化が措置されております。
資料の1ページにお戻りいただきたいと思います。「1.はじめに」でございます。5行目でございますが、農山漁村活性化法の法律の附則におきまして、「政府は、この法律の施行後7年以内に、この法律の施行状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」と規定されております。同法の施行後7年、それが本年7月末になりますが、これを目途に、政府におきまして施行状況について検討を行い、必要な措置を講ずることが法律上規定されております。
このため、私ども農林水産省は、これまで作成された全ての活性化計画1,464ございますけれども、これにつきまして、市町村などに対するアンケート調査を実施するとともに、これらを補完する形で現地調査を行いました。こうした分析を通じまして、この法律の施行状況の検証を行うとともに、今後の方針について取りまとめましたので、その概要を報告させていただきたいと思っております。
1ページの中ほど「2.施行の状況」の「1.基本方針について(法第4条)」をご覧ください。
農林水産大臣は、基本方針を定めることとされておりまして、法施行と同時に農林水産大臣告示として策定されました。基本方針本文は、後ろになりますが、16ページ以降にございますので、後ほど見ていただければと思います。この基本方針第1としまして、「定住等及び地域間交流の促進の意義及び目標に関する事項」。
基本方針第2としまして、2ページになりますけれども、「定住等及び地域間交流の促進のための措置を講ずべき地域の設定に関する基本的事項」。
基本方針第3といたしまして「定住及び地域間交流の促進のための施策に関する基本的な事項」等が記載されております。これらの項目ごとに国が実施した事項を記載しているところでございます。時間がございませんので、省かせていただきます。
続いて2ページなのですけれども、申し上げましたように「定住等及び地域間交流の促進のための施策に関する基本的事項」においては、国などが実施すべき措置について書いているのですが、国が講ずべき措置として、1つ目として、施設整備に関する支援。2つ目として農山漁村の重要性に関する国民の理解醸成。3つ目といたしまして、国が行う事務に関する透明性の確保が掲げられております。今の2ページの中ほどでございます。
この1の施設整備等に関する支援策等につきましては、先ほど申し上げましたが、平成19年度予算から「農山漁村活性化プロジェクト支援交付金」を措置し、毎年度必要な事業メニューの拡充等を実施しているところでございます。
また、2でございますが、農山漁村の重要性に対する国民の理解醸成につきましては、各種交付金によりまして、農山漁村の重要性に関する普及啓発活動を実施するほか、「オーライ!ニッポン」など、農山漁村活性化に取り組む優良地区を表彰する事業を毎年度実施しております。
国が講ずべき施策とされている事項につきましては、こうした取組を通して実施しているところでございます。
3ページをご覧ください。「活性化計画について」でございます。上から3分の1ほどでございます。活性化計画につきましては、先ほど申し上げましたように、アンケート調査を実施した内容を記載しております。昨年度末までに全国にある市町村1,719の約半数にわたる881の市町村におきまして、1,464の活性化計画が作成されております。活性化計画は、一つの市町村におきまして、複数地区に係る活性化計画を作成することが可能となっておりますので、市町村数よりも活性化計画数が多くなっています。
活性化計画の対象となる地域は、いわゆる農山漁村地域を対象としておりますので、厳密な統計はありませんが、三大都市圏を除くと大部分の農山漁村地域においてこの計画が作成されていると考えていいと思っております。
活性化計画には、1つ目として、農業用用排水施設など、生産基盤の整備に関する事業、2つ目といたしまして、排水処理など生活環境施設の整備に関する事業、3つ目として農家レストラン、直売所など地域間交流の拠点となる施設の整備に関する事業などを単独、または複数記載することができるとされております。
アンケート調査の分析結果でございますが、活性化計画には、生産基盤の整備に関する事業は約78%、生活環境整備に関する事業は約4%、地域間交流の拠点となる施設の整備に関する事業は16%記載されていることが分かりました。
次に、4ページでございます。活性化計画の計画期間ですけれども、基本方針によりまして、計画期間は3年から5年までが望ましい旨の規定がありまして、左側の円グラフにありますように、概ねこれに則った運用がなされているところでございます。計画策定時に、計画策定主体が策定した目標につきまして、計画期間終了後にその達成度合いを自己評価することになっているのですけれども、円グラフの右側でございますが、計画どおり、すなわち9割以上達成していると評価しているところと、それから概ね計画どおりとなっている、目標7割以上達成している、そういう答えを合わせますと、約9割、86%だと思いますが、少なくとも概ね目標を達成していると評価しております。
次に、5ページでございます。何度も申しておりますが、活性化計画に位置づけられた事業につきましては、「農山漁村活性化プロジェクト支援交付金」による支援が行われております。この交付金につきましては、アンケート調査及び現地調査の結果、一つの計画のもとに幅広い事業が実施できる事業なのでございますが、これが市町村や地域の農林漁業者から高い評価を受けているということが明らかになっております。
同じページの上から3分の1ぐらいでございます「法律上の特例について」をご覧ください。先ほど御説明したとおり、この法律には、法律上の特例としまして、活性化施設の用地を確保する等のための農林地の所有権移転等の特例措置。
もう一つは、市民農園整備促進法に基づく手続の簡素化、これらが措置されております。
アンケート調査を行ったところ、この2つの事例については、現時点では活用をされたという事例がありませんでした。その理由は、本文中にあるとおりでございますけれども、「使う必要がなかったから使わなかった」という回答が多いのですが、中には活用できたにも関わらず活用しなかったという事例が見られたことから、制度の趣旨を市町村担当者に改めて分かりやすく周知したいと考えております。
続きまして、資料の6ページでございます。これまで御説明申し上げて参りましたが、この法律の施行状況を踏まえまして、今後の方針といたしまして、以下の2点を講じたいと考えております。
まず1点目は、基本方針の改訂に向けた検討です。基本方針は、平成19年8月に策定されましたが、この間大きな改定は行われておりません。今日もそうでございますが、現在、食料・農業・農村政策審議会におきまして、農山漁村活性化施策をはじめ、幅広い議論が行われているところでございます。これら審議会におけます議論を踏まえつつ、基本計画の策定後、必要に応じまして基本方針を見直すことといたします。
それから2番目、活性化法のさらなる普及についてでございます。27ページにあるのですけれども、時間がありませんので後ほどご覧いただけたらと思いますが、この交付金を活用した優良な地域活性化についての取組について、現地調査を行っております。今後、優良地区に共通する事項などを他地域に横展開を図りますために、これらを事例集として取りまとめて、市町村、農林漁業関係者団体等に幅広く周知したいと思っております。
また、先ほど法律の特例の活用実績が無いということを申し上げましたが、市町村担当者の理解を十分にいただいていないという面がございますので、制度の趣旨、活用法について、さらなる周知と理解が図られるよう努めたいと思っております。
この交付金につきましては、アンケート調査や現地調査におきまして、地域から高い評価をいただいていると申し上げましたが、さらなる運用改善を図る点がないかどうかにつきましては、今後とも検討して参りたいと思っております。
私からの説明は、以上でございます。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
一応、御報告ということで承りましたが、何か御質問ございますでしょうか。
最後になりましたが、この審議会の議論と並行して、また検討されるということのようです。
では、浅野委員。

 

○浅野臨時委員
一点だけ教えてください。回答率が74%ぐらいで、4分の1が回答していないという結果が出ているのですが、それはどういうことなのでしょう。

 

○大澤都市農村交流課長
市町村等に伺っておるのですが、また引き続き、さらに回答があれば、それは盛り込んでいきたいと思っております。

 

○渡邉部会長
よろしいですか。
回答率も高くてもいいのではないかという背景の御質問。

 

○浅野臨時委員
これは、国の交付金を使ってやっている事業なので、答えることは一種義務ではないかと私は思うので、有効回答率がちょっと低過ぎるなという印象を持ちました。ただ、いろいろな諸事情があるのかもしれないし、後ほどもっと集まるのかもしれないので。以上です。

 

○渡邉部会長
では、御意見がありましたので、今の点を御留意いただきたいと思います。
では、この報告は承ったということで、この議題はここで終了させていただきます。
一応、本日用意した議題は以上で終了です。私の進行が悪くて、予定の時間を過ぎてしまいましたが、先ほど申し上げましたように、今年度まとめた課題は、来年度いろいろな動きを見ながら、また見直すということになって、後段はその課題を整理しただけでは済まないので、課題を見据えた次の展開、あるいは施策の議論をこの審議会ですることになると思います。
また、次年度以降も引き続きよろしくお願いいたします。
それでは、進行を事務局にお返しします。

 

○佐藤計画調整室長
どうもありがとうございました。
それでは、本日予定しておりました議事を終了いたしましたので、これで閉会とさせていただきたいと思います。「今後の農村社会や農政の新たな展開を踏まえた農業農村整備における課題」につきましては、このタイトルも含めまして、部会長と相談の上、修正を行った後に中間整理とさせていただきます。
それでは、今回が今年最後の開催になりますので、ここで三浦農村振興局長より、閉会に当たって御挨拶をいただきたいと思います。

 

○三浦農村振興局長
委員の先生方には、改選後約半年の間でございましたけれども、農村社会の変化ですとか、新たな農政の展開に対応した農業農村整備の課題等につきまして、現地調査も含めて活発な御議論をいただきまして、大変ありがとうございました。
当審議会では、企画部会で食料・農業・農村基本計画の見直し作業がスタートしているということは御案内のとおりでございますけれども、この部会の御議論、今回の取りまとめにつきまして、新たな基本計画の検討に先立つタイミングでできたということで、今後の議論に反映させることができまして、時宜を得たものであったと思っております。
特に、産業政策と地域政策との相互の関係に留意しながら、平地から中山間に至る地域特性も踏まえた車の両輪として推進していくといった基本的な視点を持って取りまとめていただきました。これは新たな基本計画策定に当たっての検討素材として、積極的に活用させていただきたいと考えております。
また、本日、技術小委員会に付託されました各種基準、指針、手引きの改正につきましては、これはいずれも農業農村整備における喫緊の課題に対応するものでございます。これらの改正につきましては、現場のニーズに対応したものとなるように留意しまして、来年度早い段階から技術小委員会での御審議をいただきたいと考えているところでございます。
本年度は、この部会、今日が最後となりますけれども、委員の皆様には引き続き御指導いただきますようによろしく申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。
どうもありがとうございました。

 

○佐藤計画調整室長
以上をもちまして、本日の整備部会を閉会させていただきます。
来年度以降の日程につきましては、改めてまた事務局から御連絡をさせていただきます。
本日は、どうもありがとうございました。
 

お問い合わせ先

農村振興局整備部設計課計画調整室
代表:03-3502-8111(内線5514)
ダイヤルイン:03-6744-2201
FAX:03-3500-4053

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader