このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

平成26年度第2回議事録

  • 印刷

1.日時及び場所

日時:平成26年10月8日(水曜日)10時00分~12時00分

場所:農林水産省本館7階 第3特別会議室  

 

2.議事

(1)本年度の検討事項について

(2)新たな政策の展開を踏まえた農業農村整備の具体化について

(3)国際かんがい排水委員会(ICID)について

(4)技術小委員会への付託事項について

(5)その他 

 

3.議事内容

議事録(PDF:502KB)

 

○原川計画調整室長
皆さん、おはようございます。
ただいまから食料・農業・農村政策審議会平成26年度第2回の農業農村振興整備部会を開催いたします。
本日は、ご多忙中にもかかわらずご参集いただきまして、誠にありがとうございます。
私は、4月より事務局を担当しております設計課計画調整室の原川と申します。よろしくお願いいたします。
なお、本日の部会でございますが、第2回となっておりますが、第1回は持ち回り審議とさせていただきましたので、実質今年度最初の会合ということになります。
まず初めに、本部会の公開方法について説明させていただきます。
本部会につきましては、傍聴につきましては可とし、会議への提出資料は会議終了後、議事録につきましては発言者を明記の上、後日ホームページで公開することとさせていただきますので、ご了承をお願いいたします。
次に、配付資料について確認させていただきます。
一番上から、会議次第、委員名簿、配付資料一覧、資料1、1枚紙でございます。それから資料2ー1、2ー2、2ー3、ICID関係で資料3、資料4、それから参考資料が1から6の順になっております。皆さん、不足はございませんでしょうか。
それでは、早速ではございますけれども、三浦局長より挨拶申し上げます。

 

○三浦農村振興局長
おはようございます。農村振興局長の三浦でございます。
委員の皆様方におかれましては、本日、ご多忙のところご参集を賜りまして厚く御礼を申し上げます。また、日頃から農林水産政策、とりわけ農業農村整備、農村振興施策の推進につきまして格段のご理解とご協力を賜っておりますことに心から感謝を申し上げます。
まず、このたびの御嶽山の噴火によりまして被害に遭われました方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。また、このところ、台風による豪雨などで全国各地で被害が発生しております。被災された方々に心からお見舞いを申し上げますとともに、引き続き農地等の災害復旧に万全の対応をとってまいりたいと考えております。
さて、農林水産省におきましては、現在、昨年度末の農林水産業・地域の活力創造本部で決定されました「農林水産業・地域の活力創造プラン」の基本的な方向を踏まえまして、「強い農林水産業」とともに「美しく活力ある農山漁村」を実現していくということに向けまして、平成27年度を始期とする食料・農業・農村基本計画の策定を検討しているところでございます。現在、食料・農業・農村政策審議会の企画部会でご審議が行われております。
一方、週末の台風18号はもとより、今年は記録的な豪雨が相次ぎまして、全国各地で甚大な被害に見舞われる中、6月に閣議決定されました国土強靱化基本計画に基づきまして、強くてしなやかな国づくりに向けて、地域の特性に応じた新たな防災・減災の取り組みを進めるということとしているところでございます。
このように農業農村整備を取り巻く政策が展開されようとする中、本年度の農業農村振興整備部会におきましては、昨年度、中間整理として取りまとめていただきました課題を踏まえながら、次期土地改良長期計画の策定を視野に入れまして、こうした新しい政策の展開を図る上で重要な役割を有する農業農村整備の推進方向の具体化等に向けて、調査審議に着手していただきたいと考えておるところでございます。
本日は、こうした観点から検討をお願いする実質的に最初の会議ということになりまして、今後の議論の素材となるような農業農村整備の状況等についての説明を申し上げることとしておりますけれども、そういったことを踏まえていただいて、委員の皆様方にはどうか忌憚のないご意見、活発なご議論を賜りますように心からお願い申し上げまして、簡単でございますが挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。


○原川計画調整室長
三浦局長におきましては、所用によりここで一旦退席させていただきます。
本日は、横田委員、角野委員、八木委員におかれましては所用によりご欠席との連絡をいただいております。
議事に入る前に1つご紹介させていただきます。委員の皆さんのお手元に、「藤枝かおり」、藤枝から誕生した新しいお茶でございます。北村委員のほうからご提供いただきましたので、ご紹介させていただきます。

 

○北村臨時委員
今売り出しておりますので、よろしくお願いいたします。

 

○原川計画調整室長
恐れ入りますが、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。
それでは、議事に入らせていただきます。
以降の議事進行は渡邉部会長にお願いいたします。

 

○渡邉部会長
皆さん、おはようございます。ご参集いただきましてありがとうございます。
早いもので、中間整理をまとめてからもう半年たちました。先ほどお話がありましたように、今日は今年度の顔を合わせての初めての会合かと思います。中間整理は、いわゆる官邸プランの改定が予定され、それから、食料・農業・農村政策審議会が基本計画の検討に入る前に、私どもの部会とし、半歩先といいますか、少し顔を先に出して状況を整理したと私は理解しております。この半年の間にいろいろ状況が進みましたので、それを踏まえて、この部会としてさらに次に、来年度に向けて一歩、あるいは大きく前へ進めないといけないと思うのですが、それに向けてのスタンスと方向をきちんと議論していくことが必要で、今日の会合はそのための第1回になると理解しており、先ほどの三浦局長のお話もそのようなことだったと思います。
そういう意味で、今日は皆様方から忌憚のないご意見を広くいただくというのが趣旨でございますので、自由にいろいろなアイデアを出していただきたいと思います。そのように進行させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、事務局で用意していただきました議事に沿って進めさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
初めに、議事の1番目、本年度の検討事項について、それから2番目の新たな政策の展開を踏まえた農業農村整備の具体化について、これは関連する事項ですので一括でご説明いただき、ご意見をいただくようにしたいと思います。
では事務局、ご説明をよろしくお願いします。

 

○原川計画調整室長
まず、資料1をごらんください。
本年度の検討事項でございます。大きく3つございます。
1つは新たな政策の展開を踏まえた農業農村整備の具体化に向けてでございます。活力創造プランの改定、さらには、6月3日に国土強靱化基本計画が閣議決定されました。農業農村整備を取り巻く政策の理念、目標が明らかになったわけでございます。そういうことで、次期長期計画の策定を視野に入れまして、農業農村整備の推進方向を具体化したい、成果目標を明確化したいということで調査審議に着手したいと思っております。
2点目は国際かんがい排水委員会(ICID)についてでございます。
3つ目は、技術小委員会への付託事項で、本部会については報告になりますけれども、本年度5つの技術基準なり指針を改定する方向で検討しております。これらについての報告ということでございます。
本年度の部会につきましては、現地調査を含め3回程度予定しております。
続きまして、資料2ー1でございます。資料2ー1の3ページをお開きください。
26年度以降の部会における検討の視点ですが、一番左には昨年度整理いただきました中間整理について記載しています。競争力強化の視点、国土強靱化の視点でございます。
真ん中を見ていただきたいと思いますが、本年度、食料・農業・農村基本計画の見直しが企画部会で検討されております。企画部会では、各条文ごとに検証しておりまして、生産基盤については4月22日議論され、これまでの評価と課題等について整理されたわけでございますけれども、基本的には昨年度の中間整理に沿った形で、基本計画の検討が進んでいるということでございます。
さらにその右を見ていただきたいと思います。6月24日に活力創造プランが改定されました。その中で、今後10年間の目標として担い手の農地利用が全農地の8割を占めるなり、担い手の米の生産コストを現状全国平均値4割削減、また、法人の形態数を5万法人増加と、こういうふうな目標が決定されたわけでございます。その中で関連する施策として、4でございますけれども、大区画化、国土強靱化を踏まえた水利施設の整備等が位置付けられています。
下でございますが、6月3日に国土強靱化基本計画が決定されました。本基本計画の位置付けは、国土強靱化に係る国の他の計画、例えば土地改良長期計画等の指針となるものでございます。また、理念として4つの目標が位置付けられております。基本方針としては、効率的に進めるということで、施策の重点化、ハード・ソフトの組み合わせ、既存社会資本の有効活用等が位置付けられております。骨太の方針におきましても、同様のことが位置付けられているということでございます。
一番右でございますけれども、地域政策として、人口減少・高齢化対策として、農水省としては現在、活力ある農山漁村づくりに向けたビジョンのための検討会を設置して検討を進めております。また、政府におきましても、まち・ひと・しごと創生本部が設置されまして、年内を目処に長期ビジョン、総合戦略を策定するスケジュールで検討が進められております。
こういう状況を踏まえまして、4ページを見ていただきたいんですが、真ん中辺りの農業農村振興整備部会のところで、黄、青、緑、書いております。この点につきまして、先ほど申しましたとおり中間整理を踏まえながら、具体的な推進方針、目指すべき成果目標等を幅広に議論していただきたいというふうに思っております。その中で緑につきましては、先ほど言いました長期ビジョン、総合戦略の検討、または活力ある農山漁村づくりに向けたビジョン、こういう大きな方向性を踏まえて検討していくのかなと思いまして、緑の部分については来年度以降検討を始めたいというふうに思っています。その上で、現在の長期計画が28年度末までになっております。1年間議論して、来年の秋頃から次期長計に向けての検討に本格的に着手したいというふうに考えております。
2ページに戻っていただきたいんですが、2ページが昨年度の中間整理の目次でございます。今年度は第2章と第4章の(1)、(3)の5項目について具体的に検討着手したいと思っています。また、第3章、第4章の(2)につきましては、来年度より具体的に検討を開始したい。第5章の土地改良施策につきましては、中間管理機構の動きもございます。今後の地域の動向とか意向を把握して、別途の検討会で慎重に検討していきたいというふうに考えております。
それでは、引き続きまして、この赤の部分について説明をさせていただきます。
資料2ー2でございます。
目次を開いていただきまして、大きく時計文字で力強い農業を支える農業生産基盤整備の推進、大きな2番として農業水利施設の持続的な保全・管理、3番として防災・減災対策の推進と、その下に1番から5番がございますけれども、これが昨年度の中間整理の目次に対応したものになっております。
それでは、1ページから説明したいと思います。
1ページ以降の構成でございますけれども、一番上の箱に昨年度の中間整理に位置付けられた課題、活力創造プランの目標、国土強靱化基本計画の理念等を踏まえまして、今回新たに課題を整理させていただきました。その上でその課題に関係する各種のデータ、事例を下につけているということでございます。
まず1ページ、担い手への農地集積でございます。一番下の真ん中を見ていただきたいと思いますが、水田の場合、区画が整備済みのところが約156万ヘクタール、未整備のところが91万ヘクタールと、整備済、未整備に分けて担い手への集積面積を推計いたしました。整備済みのところは64%、未整備のところは24%ということでございまして、農地整備を通じて担い手への集積、集約化を確実に進める必要があるんだろうなというふうに考えております。
2ページでございます。生産コストの削減の点でございます。
右の上のグラフを見ていただきたいと思います。これは21年度の完了地区で作ったものでございますが、青が実施前でございます。赤が事業実施後、その中でも大区画で整備されたところの実施後でございますけれども、米の生産費で見ても約6割削減という大きな効果が出ているということでございます。
下の絵を見ていただきたいと思います。その中で、標準区画134万ヘクタールあるんですけれども、その中で道路とか小水路に囲まれました農地の範囲であるほ区、それがほとんど田面差がないところが53万ヘクタールございます。こういうところは畦畔除去だけで大区画化のポテンシャルがあるということでございまして、こういうものを踏まえながら生産コストの一層の削減を確実に進める必要があるんじゃないかというふうに考えております。
3ページ目は参考でございますが、下のほうの2でございます。簡易な整備、例えば畦畔除去等につきましては農家負担がない定額助成の制度を用意しております。また、下に米印で書いてございますけれども、一定規模以上の集約化をする農地についてはインセンティブ措置を講じております。また、3番で事業主体につきましても農地中間管理機構を追加していると、こういう事業制度がございます。
次、4ページでございます。
ここでは、先ほど申しました畦畔除去等による大区画化が可能となる農地、このような情報を関係者間で共有することが大事だろうということで書いてございます。
5ページでございますけれども、その情報を関係者間で共有するに際しては、ここに示しております地図情報システムを使うことが有効ではないのかということで参考で付けさせていただいております。
次の6ページでございます。
土地改良区と中間管理機構の連携の視点でございます。これは昨年度の中間整理にも付けていた資料でございますけれども、中間管理機構との連携、集約化に向けてのインセンティブ加算、こういうものを通じて担い手の農地集約化を進めていく必要があるだろうということでございます。
次の7ページでございます。
そういう連携の中で、やっぱり土地所有者との調整に関するノウハウを有する土地改良区が中間管理機構とうまく連携していく必要があるんだろうということでございます。右側の図の真ん中でございます。中間管理機構、これは地域の農地の大宗について借り受けまして、担い手にまとまった形で貸し付けるわけでございますけれども、それと改良区がうまく連携することによって、利用権の再設定と大区画化、これが一体的に実施できるだろうということで書いております。
次の8ページでございます。
これも昨年度の中間整理に載せた資料でございます。宮城県角田市枝野地区の事例でございます。こういう事例もございますので、改良区等も中間機構とうまく連携していく必要があるだろうということでございます。
9ページは新しい動きでございます。岩手県一関市夏川地区の例でございますけれども、ここでは、左下にありますとおり平成14年からほ場整備を実施しておりまして、改良区が既に中間管理機構から業務を受託しまして利用権設定関連資料などの作成をやっているというふうな、このような動きも出てきているということでございます。
次の10ページでございます。
ほ場レベルの水管理の省力化でございまして、右側の上の絵を見ていただきたいと思います。区画整理済みで標準区画のところ、134万ヘクタール、こういうところでパイプラインで整備されているところは約2割、大区画でも50%弱というふうな状況になっております。
左下が地下かんがいシステムでございますけれども、現在計画段階で約1万5,000ヘクタールございます。右のほうの絵で整備済みが約156万ヘクタールですので、計画段階でも1%程度にとどまっている状況でございます。
11ページは、地下かんがいシステムとパイプラインの地区事例について載せております。
12ページでございます。
水需要の変化を踏まえた農業用水の活用ということでございます。一番左に農地集積、飼料用米の作付増加、こういうことによって作業が分散して、水需要の時期が変わるだろうということで絵を載せております。これはイメージの絵でございまして、実際、全国我々が見ていますと、今時点では大きく水利用が変わるような状況の地区は見当たりませんけれども、今後、こういうところが出てくるだろうと、こういうことに対してもしっかり既存の農業用水を有効活用したり、用水を節減したり、必要であれば新たな水源を確保すると、こういうことを地元で情報を共有しながらしっかり進めていかなければいけないということで書いております。
13ページは紹介でございますが、国営かんがい排水事業で来年度に向けての要求内容でございます。右側のほうにありますけれども、用水ブロックごとの用水需要に対するバッファー機能を持つ調整水槽、これを設置する場合、従来国営事業では500ヘクタールまでしかできませんでしたけれども、末端要件を緩和して100ヘクタールまでできるようにしようというものを概算要求しているということでございます。
次、14ページでございます。
新たな農業水利システムということで、左側が現状でございます。重層管理ということで、改良区、水利組合、農家等が重層的に管理している状況で、高齢化等もあり、戦略的な営農への対応が困難だということで、新たな水利システムということで、担い手の水需要にダイレクトに対応できるような二重構造のフラット型、こういうことも考えていかければいけないだろう。その際、ICT等の新しい技術も活用してやっていかなければいけないだろうというふうに思っております。
15ページは、27年度の今要求中の内容でございますけれども、国営事業でこういうふうなシステムができるような事業制度を要求しているということでございます。
さらに、右の一番下、関連事業のところを見ていただきたいんですけれども、農地整備と同様に、水利事業においても農地の集積率に応じて促進費を交付すると、こういうことも併せて要求しております。
次の16ページ、これについては補助事業でも同様な要求をしているということでございます。
17ページでございますけれども、水田の汎用化でございます。
左の図を見ていただきたいと思います。標準区画で整備されたところであっても、排水不良な水田が約3割残っている。大区画でも排水面で見たら3割は不良だと、こういうふうな状況でございます。
18ページ、畑地かんがいでございます。
現在、畑地かんがいの整備率、約2割ということで、右のほうに品質向上の効果とか収益性の高い作物へ転換した事例を載せておりますけれども、現在水の多目的利用ということで、除塩とか施肥とか防草とか、いろいろな活用がされております。また、最近ニーズが多い業務加工用への対応をされているところもあるということで、今後はこういう事例をしっかり収集して分析していきたいというふうに思っております。
19ページでございます。
多様な担い手の育成・確保ということで、先ほど官邸プランで10年間で5万法人という目標がございました。現在、右にあるとおり、約1万4,600法人でございますけれども、基盤整備、これは農地集積等に向けて多くの話し合いを行うと、こういう機会を最大限活用して法人を含む多様な担い手の育成・強化を図っていく必要があるだろうということでございます。
次の20ページでございます。
ここは、事業を契機とした法人化、6次産業化を展開している事例を20ページ、21ページに載せております。20ページの例が水田地帯、21ページは畑地帯の事例でございます。
次、22ページでございます。
大きな2番、農業水利施設の持続的な保全・管理ということでございまして、22ページは農業水利施設が担う役割を整理しております。1つは食料生産に不可欠な基本的なインフラであり、もう一つは、国民の生命・財産を守る重要な社会資本ストックであると、こういう2つの役割を十分踏まえながら今後の展開を考えていかなければいけないんだろうと思っております。
23ページは、水利施設の老朽化の状況でございます。左の棒グラフがありますけれども、毎年400から500の施設が耐用年数を超過する見込みだと。青で示しておりますけれども、その半数以上は土地改良区が管理している状況でございます。
また、右の下のほうに突発事故、これも経年的に増加しているという状況でございます。
今のは耐用年数の関係でございますが、24ページを見ていただきたいと思います。24ページの右の上のグラフでございます。我々も今、機能診断、これに力を入れておりまして、現時点で基幹的農業用施設に対して55%ほど終わっております。その結果を左のグラフに載せております。
我々は健全度指標というのを定めて評価しております。S-5はほとんど問題ない。S-1はすぐ対応しなければいけない。このS-3とS-2でございますけれども、これについては補修とか補強なりで延命措置が図れると、こういうふうな段階だと認識していまして、それが赤なり青でございまして、これが経年的に増えてきている。こういうものを踏まえまして、いかに効率的に保全管理をやっていくかということを検討していく必要があるんじゃないかなと思っております。
それで、26ページをお開きください。
農業水利施設の一つの特質でございます。基幹施設から末端水路を通じて機能が発揮されるということでございますが、建設は規模に応じて国、県、市町村、改良区と、管理につきましても市町村、県、改良区、末端は農家、集落農家が担っているということで、他のインフラと異なりますので、いかに造成者、所有者、管理者が連携・調整して一体的に保全・管理していくのか、ここが大きな課題ではないかと思っております。
27ページ、このため、1つは農地情報と併せて、施設の情報も関係者間でしっかり共有、可視化する必要があるんじゃないか。また、多面的機能支払で集落が長寿命化の取り組みをやっています。こういうところともうまく連携していく必要があるんじゃないかなというふうに思っております。
28ページでございます。
防災・減災対策で、28ページは、現在の災害リスクの高まりを示しております。気候変動の影響もあって災害発生リスクが高まっているということでございます。特に都市化・混住化が進む農村部、海抜ゼロメートル地帯に位置する低平地では、住民の生命、家屋・公共施設の財産にも多大な影響を与えることが懸念されるところでございます。
29ページは、最近の例として8月の広島の豪雨でございます。グラフにありますとおり、1時間に100ミリを超える猛烈な雨を記録しております。
右の図を見ていただきたいと思いますが、赤が土砂崩壊したところでございます。柿色がいわゆる宅地、その中に青、これは農業用水路でございまして、農業用水路も被害を受けたということでございます。
30ページが、8月の京都府福知山の災害の例でございます。総雨量300ミリで、由良川流域で浸水被害が発生いたしました。その由良川の支流の土師川の上流にため池がございます。そこでも決壊しております。また、写真でもわかるように、一方で貯水池内には上流からの土砂、流木の堆積が確認されておりまして、下流への流出防止にも一定の効果を出しているというふうな状況でございます。
31ページは災害リスクの中の地震、津波でございますが、右側にありますとおり、南海トラフの地域では全国の農業水利施設のストックの約3割が存在しているという状況でございます。
32ページでございますけれども、国土強靱化基本計画は、国の他の計画の指針ということでございます。基本計画の基本目標、基本方針を書いてございます。
それで、下のほうに書いていますが、例えばため池は、本来機能はあくまでも農業用水の安定確保でございますけれども、空き容量を活用して洪水調節機能があるとか、先ほど申しましたとおり、上流の土砂・流木の下流への流出防止、有事の際の水の他用途への供給とか、いろいろな機能も有しています。農道も、本来機能はあくまでも通作、農産物の流通状況の改善ですけれども、ここに書いてあるような機能も有している。こういうものも踏まえまして、農業農村整備における国土強靱化の理念を明確にして、効率的な防災・減災対策をやっていく必要があるだろうということでございます。
33ページ以降は、強靱化基本計画で位置付けられている、例えば重点化・優先順位、ハード・ソフトの組み合わせについてどういう取り組みをやっているかというものを示しております。33ページはため池の整備の部分、次の34ページは既存施設の有効活用ということで、平常時でも非常時でも施設を効果的に活用するという観点で、ため池なり農道なり田んぼダム、これは本来機能以外の機能も有しているということを示す資料でございます。
また、強靱化基本計画では地域共同力が大きく位置付けられております。これにつきましても、多面的機能支払制度とうまく連携して、こういう視点もやっていかなければいけないだろうということでつけております。
36ページは、具体的に既に多面的機能支払を活用した取り組みを紹介させていただいております。
あとは参考までに付けておりますので、見ていただければというふうに思っています。
その上で、資料2ー3でございますが、施策検討の視点ということで、1、2、3、今説明したような内容でございますけれども、こういうことにつきまして具体的な推進方向、成果目標の明確化、こういうものを意識して幅広く議論していただければというふうに思っております。
事務局からは以上でございます。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
それでは、議題(1)と(2)ですが、今のご説明をもとに委員の皆様からご質問や意見を受けていきたいと思います。
時間の話をして恐縮です。時間管理も座長の役目の大事なところですけれども、11時45分までこの議題について皆さんからご意見をいただくことにしたいと思います。たっぷりあるようですが、75分ありまして、13人の方がご出席いただいていますので、大体の持ち時間を頭に入れてご発言、あるいは事務局の回答をいただけるとありがたいと思います。
今日は順番を決めずに自由にご発言いただきたいと思います。どなたからでもどうぞ。どんなことでも、質問からでも構いませんのでよろしくお願いします。
では、近藤委員お願いします。

 

○近藤臨時委員
近藤です。お世話になります。
説明していただいた資料の項目は、去年皆さんと、いろいろ議論して非常に精細に、多面的に漏れなく網羅されているので、その中身と重要性については何ら異存はありません。
ただ、今回、この時期に、農政の課題のどこに焦点を絞って論じればいいのかよくわからない面があります。というのは、目先、農政が大きく動く要素が2つほどあります。
1つはTPPなど貿易自由化の話と、もう一つ、農協改革、農業委員会改革、生産法人への企業参入の話があります。政権の意気込みからいって、両方とも本当に大きく動くのであるならば、ちょっと今、具体的にこの点でどうすべきだというディテールまでちょっと思いが至らないんですが、いずれにしろ、今やっておかないといけないことは、ここにあるたくさんの項目の中で、優先順位を付けるための頭の体操をしておく必要があるのかしらんという気がしています。
TPPでもし物事が進むならば、私自身としては、農地の集積のところと、それに伴う生産基盤の推進、ソフト面も含めてそこに優先順位があり、それを進めていかないといけないと思います。実際、ここに書かれている目標どおりに米の生産費を4割、この10年間で削減できるのであるならば、いろいろ農村の姿も変わっていくでしょう。そもそも農業予算、特に公共の通常年度の予算はそんなにたくさんは確保できないだろうと思います。TPPが妥結したら農業体質強化のための固まった予算が出てくるでしょうけれども、そこで集中的に整備すべきものと、日常的に着実にでもいいから少しずつ進めておくべきものの仕分けの頭の体操だけして、これから先起こる農業、農政の変化に備えておく必要があると思います。
それで、1つ質問。農地の集積が進むのかどうかという問題意識から言うと、農地バンクによる集積が実際、始まったばかりなのでまだ形に現れていないんだろうけれども、実際本当にうまくいくのかねという懸念があります。その辺りの動きというか、順調に動き始めているのかどうか、教えておいていただきたいと思います。また、今後部会の度に聞こうと思っているんですけれども、農地バンクが目指した集積の状況はどうなっているのかというのは、定期的にウオッチしていきたいなと思います。

 

○渡邉部会長
大きな優先順位の話ですけれども、少し他の委員の方から伺ってから、事務局にまとめてご回答いただこうと思います。
柴田委員、どうぞ。

 

○柴田臨時委員
柴田です。ご説明ありがとうございました。
ハード面での国土強靱化に向けたダイナミックな取り組みというのは理解できましたが、ここで国土強靱化、もう一つの面はソフト面の適切な組み合わせと、こういうふうな話になっておりますけれども、このソフト面でのイメージがいま一つ見えてこない部分があります。例えば今の近藤委員の話でも、農地バンクによる集積の際に、一体この貸し手のイメージと借り手のイメージが見えにくい。それと一方で大きな地域経済、あるいは農村の場合、消滅集落とか限界集落とか、こういうことも急速に進むというふうに指摘されている中で、いわゆる地域の共同力という言葉が上がっていますけれども、ここもどういうふうにして、この地域共同力という潜在的な力を出していくのか、あるいは大きな消滅集落的な流れの中で、ここをどうやって共同力を強めていくのかというふうなソフトの施策というか、これも必要かと思うのですが、このソフト面のイメージをもっと明確にする必要があると思います。
以上です。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
では、もう少し。河野委員お願いします。

 

○河野臨時委員
ご説明ありがとうございました。
確かに今後に向けての課題抽出は丁寧にされていると思いますし、それを裏付ける根拠も示されているというふうに資料を拝見いたしました。
幾つか意見というか、質問も兼ねて申し上げたいと思いますが、今、お2人の委員の方がおっしゃったこととちょっと重なるかもしれません。まず農地集積に関しましては、補助事業とインセンティブをつけて推進していくというお話ですが、阻む要因というか、それをやっぱり取り除いていかないといけないと思います。ここに書かれているのは進めるという方向性だけなんですが、阻む要因がどれだけしっかりと確認されているか。そこのところをやはり資料に書き込んで、進めるのと同時に障害も取り除いていくというふうな見方をしていかないとだめなのかなというふうに感じました。
それから、2点目は担い手のところなんですが、担い手はここの主たる課題ではないというふうに思っておりますが、基盤整備を進めるに当たっての、その担い手が確保できるのか。つまり、生産の担い手も非常に厳しいところにいると思いますが、今、さまざまな産業の分野で人手不足が言われています。基盤整備をするときの、誰がリーダーシップをとって、そして誰が主体的にそれに取り組むのかというところでの担い手というのが、ちょっとこの資料では見えてこないかなと。土地改良区の方なのか、水利組合の方なのか、あとは都道府県、それから市町村の行政の方なのか。多面的補助のところで地域の農業者の方は頑張るというふうには書いてあるんですけれども、それだけではとてもいかない大きな部分があると思いますので、その辺が見えるといいかなと思いました。
それから、3点目は、持続的な水利施設と、それから基盤の保全管理に関してなんですけれども、基本的に老朽化等に伴う機能診断を伴った維持管理というのと、それから、国土強靱化という災害に対する施策というのがどういうふうにリンクしているのか。それぞれの診断方法ですとか、それから優先順位ですとかは、例えば24ページには基盤整備のことが書いてあり、32ページには国土強靱化のことが書いてあるんですけれども、計画上でどう重なっていくのか。同じところに違う視点で予算をつけていくのか。その辺りがちょっと私自身の理解が不足しているところもあって見えないかなと思ったところです。
いろいろな視点で同じ地域に対して投資をしていくというか、経費をかけていって無駄を省いていただきたいのと、例えば用水確保、農業維持と、それから防災・減災の視点は入っていますが、エネルギー確保、例えばお水でいうと小水力発電のような、新たな地域の中で資源を生み出す方向性も出されていると思いますが、そういったものが、この基盤整備のところに入ってこないのかどうかというところを伺いたいと思います。
以上です。

 

○渡邉部会長
もう一方。北村委員お願いします。

 

○北村臨時委員
静岡県藤枝市ですけれども、よろしくお願いいたします。
初めに、今回の台風18号、静岡県直撃でございまして、本市でも史上初めて避難指示、要するに避難勧告の次の避難指示ですけれども、それを出しました。今、その状況を検証しているのですが、特にコミュニティですね。特に農山村のコミュニティ、これがこういうような災害ほど必要なときはないんじゃないかということを今実感しているところでございます。藤枝市も約7割が中山間地域を抱えているものですから、これからの課題だなということを今見直しをしているところでございます。
それから、この国の長期計画の見直しに合わせて、どの県もそれなりの計画の見直しをやっているというふうに思っております。静岡県におきましても、静岡県農山村整備みらいプランという名前で、今見直しをかけているところでございます。その中で、私は3点ポイントがあるんではないかなということで、今申し上げます。
例えば、北海道、東北、あるいは九州、私たちの静岡県、東海地方とか、一律の土地改良長期計画ではないんですね。非常に地域性がありまして、例えば今、TPPの交渉の問題も静岡県と東北とを比べると、その受けとめ方も大分違っているんではないかなというような感じがいたします。そういう中で、今、例えば基幹産業として農業を捉えたときに、その経済性ですね。経済の効率性を高めるための農業生産基盤整備の実施に当たりましては、これまで行ってきました環境との調和、これの配慮、これだけではなくて、いわゆるコミュニティですね、社会。その形成に対する配慮を特に重要視した農山村づくりの推進、これを本県では今掲げているところでございます。
ただし、例えば経済と環境と社会、これをマッチしていくという、この3点の視点を統合するには、例えば総合整備事業などで集中的に実現する統合手法と、一方では地域の課題に応じてさまざまな事業を用いて段階的、かつ長期的、こういうふうに行う手法などがありまして、これはぜひ弾力的な運用が必要ではないかなということが1点です。
それから、もう一点は、今、各地ではさまざまな農業を営む工夫をしているわけですけれども、例えば藤枝市の場合は、明治の時代から、お茶はもちろんなんですけれども、ミカンの輸出を始める歴史がありまして、特にミカンは、これは全国でここだけにしかないと思うんですけれども、毎年アメリカの栽培地検査を受けまして出荷をしているところでございます。近年、特に市内の酒蔵が4つあって頑張っているものですから、日本酒の輸出、これも今拡大をしているところでございます。その新しい品種の山田錦にかわる酒米、これも開発しまして今盛んに生産されているということでございます。
そういう中で、ユネスコの無形文化遺産に登録された例の和食、これについて静岡県の特徴であるお茶、この輸出拡大を今年11月に、来月、本市で全国茶サミットというものをやるんですけれども、そこで提唱していきたいというふうに思っておりまして、そういう中で、ぜひ海外輸出を目指した高品質の農産物の生産を目指した基盤整備、それと地域の活性化を図ることが重要ではないかなというふうに思っています。
3つ目、最後ですけれども、先ほど説明の中にもございました。今、農地中間管理機構、これが大分今取り組みが盛んになってきているところですけれども、特に都市的地域の水田で近年新たな水稲の受託組織が立ち上がりまして、今後、藤枝市でも耕作面積を10倍程度増やす、そういったような目標に今取り組んでいるところでございます。その中で、末端での水管理労力の低減、これは先ほど説明がありましたけれども、それを図る基盤の整備とともに、水需要に対応した自由度のある水利システム、これをぜひ早急に構築していく必要があるんではないかなというふうに今思っているところでございます。
雑駁ですけれども、以上3点、今の説明から感じたことを申し上げました。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
石井委員の手が挙がっていましたけれども、大きな基本的な枠組みについてのご発言かなと思うのですけれども、そうだったらご発言いただいて、もしそうではなかったら一旦事務局に回答いただこうと思います。いいですか。
では、ここまでの質問に対してお答えいただき、また、情報提供をいただいたところは可能だったらお話しいただき、さらに、今日の基本は意見を受け止めて次の課題として整理するということだと思いますが、今の時点で事務局として何か受け止め方や、今の時点でお考えがあればお話しいただきたいと思います。こういう形で、今までの委員の発言に対してレスポンスをいただきたいと思います。

 

○原川計画調整室長
近藤委員の方から農地中間管理機構の情報に関するお話がございました。これは、現在46都道府県で既に組織が設立されております。ほとんどの機構で借り手の公募をやっております。多くの借り手から応募があったというふうに聞いております。最終的には出し手とのマッチング作業になるわけでございますけれども、これにつきましては、まだ今年度の営農が続いておりますので、稲刈りが終わった秋、冬以降、本格的なマッチングに進んでいくんだろうと、そういうことを思っていまして、そういう動きを我々も注視しているというところでございます。
また、柴田委員のほうから、ハード面での強靱化についてはイメージしやすいんだけれども、ソフトのほうがちょっとイメージしにくい。また、それに併せて消滅集落というふうに言われている中で、やっぱり地域共同力といいますか、そういうソフト対策を重視しなければいけないという話がございました。
今日の国土強靱化の視点では、まさに基本計画でハード・ソフトの組み合わせということがございまして、我々、今時点では今日お示しした事例しかまだ持ち合わせていないんですけれども、1つ大きな柱になると思っていますので、ここは一発、国土強靱化の理念に基づいて、農業農村整備の理念とは何なのか、ソフトも含めて、この部会でのご議論も踏まえながらしっかり検討していきたいというふうに思っています。
消滅集落につきましては、先ほど政府全体でもまち・ひと・しごと創造本部でいろいろ議論されておりますので、こういうものを含めて4月以降どう対応していくのか、しっかりやっていきたいというふうに思っております。
河野委員のほうから、1つは集積に関しまして、推進方策を検討する上で、それを阻害するようなところの分析も必要じゃないかというご意見をいただきましたし、また、その基盤整備をやる際の取りまとめ役といいますか、そういうところのご意見があったというふうに思っております。
私自身は、その阻む要因の一つに地域のリーダーの不足ということもあるというふうに思っています。改良区でいえば、理事長だけじゃなくて、職員だけじゃなくて、地域に理事さんがおられますので、そういう人たちの状況とかをきちんと分析して、他の阻む要因も含めて整理していきたいというふうに思っています。
あと、水利施設の老朽化と、その災害対応のところの仕分けというところなんですけれども、老朽化対策イコール災害対応力強化というところでかなりかぶさっているところはございます。そういう中で、老朽対策の中でも特に重要構造物、ダムとか頭首工とか、かつその施設が一旦壊れたら下流にすごい影響がある、また復旧するのに極めて時間がかかる、そういうところについては、かなりレベルの高い耐震化もやる必要がありまして、老朽化と強靱化が重なっているところもありますけれども、そこはきちんと考え方を整理して、今後進めていきたいというふうに思っています。
エネルギーについては、実は地域振興の中で議論を詳細にしようと思っていますけれども、強靱化の中でも再生可能エネルギーということだけではなくて、地域分散型エネルギーという観点では強靱化に資するものがあると思いますので、そういう観点では強靱化の理念の中にも盛り込んでいけるのかなというふうに思っております。
北村委員のご指摘の中で、今回の台風18号関係でコミュニティが重要というふうな話がございましたし、また、地域特性があるということで、特に静岡のほうはお茶とか、あと傾斜地も多いということにつきまして、実は昨年の中間整理も、産業政策と地域政策というのがあるんだけれども、それは平場と中山間地ではちょっと目指す方向が違うだろうという整理がございました。我々、今考えているのは、例えば中山間、地域政策の部分の、4月以降やる、そういう中で北村委員のご指摘についてもしっかり検討していきたいというふうに思っておりますし、ユネスコとの連携とか海外輸出、これをいかに地域活性化につなげるかということも重要な視点で検討していきたいというふうに思っていますし、環境配慮につきましても、ただ環境に配慮するだけじゃなくて、これも昨年の中間整理がございましたけれども、それを地域づくりにつなげていく、こういう取り組みを推進したいというふうに思っていまして、そういう視点で環境配慮の技術指針も今年度見直していきたいというふうに思っております。
事務局からは以上でございます。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
ご発言いただいた委員の方、さらに何か今説明にコメントなどあれば。いいですか、今まで発言された方。何かあったら……。
では、石井委員からお願いします。

 

○石井臨時委員
ご説明どうもありがとうございました。
力強い農業のための農地の利用集積と農地整備を同時に行っていくということで、私もそのように考えておりますので、これは賛成いたします。
その主要な場になってくるであろう平場の水田地域について、利用集積等の整備に関して、少し具体的に3つほどコメントさせていただきたいと思います。
1つ目は、競争力強化、あるいは攻めの農業とありましたけれども、そのためには、ここに挙げられた利用集積率を高めるということだけではなくて、そこの経営体で働いている専従者1人当たりの利用集積面積あるいは1人当たりの経営規模の拡大が重要になるということがあると思います。
資料2ー2の1にありましたように、利用集積率は整備済みの水田で64%ということで、かなり進んできていると私は捉えていますけれども、であるにもかかわらず、現在100ヘクタールを超えるような大規模経営体が大分出てきていますが、水田がまだ小さく農作業効率が低いので、必要な農業専従者の数が多くて、1人当たりにすると結局10ヘクタールとか15ヘクタールとか、そのぐらいにとどまっているというのが現状だと思います。それで十分なコスト削減ができていないということだと思います。1人当たりの経営規模の拡大が必要で、だから集積と集団化だけではなくて、より大規模な区画に整備していく必要がある、農地整備が必要だ、1人当たりの経営規模拡大が必要だから農地整備が必要だということになると思います。今後、競争力をより高めていくためには、私自身はこれは専従者1人当たり数十ヘクタールやっていかないと無理であろうというふうに考えています。そのためには、一つ一つの水田を5ヘクタール以上ぐらいに整備して、それを連担させていくというような、そういったことまで考えていかないといけないのではないか。これは北海道に既にこういうものが出てきていますね、国営事業でつくられたもの。北海道だけではなくて、本州以南でも平場であったら福井であるとか千葉であるとか、そういう5ヘクタール以上の水田を整備した実績もありますので、今後こうした整備事業を検討すべきではないかと思います。
2つ目は、今お話ししたようなコスト削減を目指す大規模経営体の扱う農地と、それ以外の農地を、平場であっても分けていかなければいけないのではないか、ゾーニングしていかなければいけないのではないかということがあります。つまり、平場の水田地帯であっても、例えば住宅地の周りであるとか、幹線道路とか河川で仕切られていて十分に大きい田んぼにできないような水田というのが結構たくさんあるわけです。そういった農地まで、これを大規模経営体に集積するということになってしまうと、今度は農作業効率が極端に悪くなってしまうということが出てくるわけですね。そうなると1人当たりの経営規模拡大というのが難しくなってくる。ですから、そういった農地に関しては、大規模経営体の集積の目標農地からむしろ外したほうがよくて、そういった農地については別途、例えば農地保全のための組合をつくるとか、あるいは個人でも二種兼業をやるとか、あるいは趣味の農業を行いたい方もおられますし、都市住民あるいは地域住民の方に利用していただく、あるいは非農用地、ビオトープのようなものをつくってもいいと思うんですね。そういった仕分けのようなことを考えていく必要があるのではないかと思います。
3つ目は、大区画化の方法ですけれども、3反で整備済みのものを畦畔除去で再整備していくという、これは大規模化がやりやすいやり方で、私もそれは取り組んでいくべきと思いますが、そのときに、畦畔の除去だけではなくて、現在管理に非常に手間がかかっている末端の排水路、用水路、あるいは給水口、排水口、これも極力除去していくこと、削減していくことが必要なのではないかと考えています。つまり、今の3反区画、30アール区画というのは、これは小さいわけですが、その小さい区画全てに用水路、排水路が設置されてしまっているわけですね。しかも用水路には給水口、排水口がたくさんついて密度が高くなっている。経営規模が1ヘクタールぐらいであったこれまでであれば、これはやむなしであるし、適切な配置だったと思います。ですが、今後は100ヘクタールを超えるような大規模経営体も既に出てきています。そういう経営規模が拡大された状況では、そういった末端水利施設というのは過剰なのではないかというふうに私は考えています。これを削減しないと、先ほどお話がありましたように、水管理はたくさん給水口があり過ぎて手間がかかる。それから水路の維持管理も大変だということになって、実際、担い手1人では管理しきれないで、管理のために人を雇わなければいけないということも起きているわけですね。ですから、畦畔の除去と大区画化を検討する際には、そういった最末端の水利施設の除去、あるいは廃止、あるいは統合といったもの、そういったものを考えるべきではないかと考えております。
以上です。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
続けて手の挙がっている加藤委員、西尾委員の順でご発言いただきます。

 

○加藤臨時委員
山梨の加藤でございます。それでは、私のほうから少し意見とご質問をさせていただきたいと思います。
まず質問のほうですけれども、今回の資料、非常によくできていると思います。ご苦労様でした。基盤整備の方向とすれば間違いなくこの方向だと思います。今回の活力創造プランにおきまして、農業農村全体の所得を今後10年間に倍増と、非常に聞こえはいい訳でございますが、私としては、やはり農家の方々に、もう少しインパクトがある形であればもっと良いのになあと思います。例えば農家の所得が倍増という言い方が一番ベストなんでしょうけれども、なかなか農家の所得を倍増ということは厳しいのかもわかりませんが、そういうインパクトのある見出しといいますか、成果目標が非常に大事ではないかなというふうに思っております。
そこで、2つ質問させていただきます。1つ目の質問は、先ほどの資料2ー2の1ページの中で、担い手の農地利用が全農地の8割にというフレーズがありました。これには大賛成でございますけれども、水田面積のうち区画が不整形、狭小なところが91万ヘクタール、約37%あるとなっておりますが、先ほどどなたかからか話がございました中間管理機構の事業で、今マッチングのちょっと手前まで来ているという話でございましたけれども、借り手と貸し手という形の中だけの整理が今進んでいるような形がございまして、将来の農業を考えたときに、果たして借り手と貸し手だけの話で決めてしまっていいのかなと思います。
というのは、中間管理機構事業は、農水省の前でこんなことを言ってお叱りを受けるかもわかりませんが、生産局が中心になって今おやりになっている訳でございます。これには人・農地プランも関わってきますし、本日説明いただいた生産基盤の話も関わってくるということで、やっぱりオールマイティーに農業を考える人がその中心にいないと、結局は今までの利用集積と同じ形になっていくのではないかなと非常に危惧をしています。
また、先ほどお話しした37%の区画不整形で狭小というところについても、当然中間管理機構が仲介をして貸し手と借り手のマッチィングを行う訳です。こういう取組が進んでいきますと、当然虫食い的な集積、集約化になる可能性がある訳でございまして、大規模化というところに向かうとなると、非常にこれがまたネックになるというような感じを私は持っています。10年後の目標達成に向けた農業基盤の整備を進める方々にとっては逆にそれがネックになるのではないかなと危惧されます。その点についても成果目標を達成する上でぜひ考えていただきたいなと思います。
もう一つは、2ページの農地整備による生産コストの削減についてですが、当然大区画に整備すればこういう形で4割削減は十分可能だということは解りますし実感もあるわけでございますが、こういう形になりますと農家の反当たりの所得も必然的に下がるという方向になります。消費者目線でいきますと結構な話ですが、その結果、余った労力で規模拡大を行うという話にもなっていく訳ですけれども、そういう中において果たして、先ほど私が最初に申し上げたように輸出等を含めた農業農村全体での倍増は可能だと思いますが、農家の所得として果たして倍増なり増加が可能なのかという点について少し説明をお願いしたいと思います。
次に要望でございますが、5ページの農地集積における地理情報システムの活用についてですが、私は、現在、県土連に勤務させていただいておりますが、このシステムは、非常にいいシステムでございまして、ただ、活用がごく一部の県に限られていますが、山梨県ではかなり活用しています。活用率が低いという話も聞いている県もございますが、そういう中において、担当局が違うということは重々承知していますが、ぜひ局と局との横のつながり所謂プラスの連携だけではなく、掛けるぐらいの強い連携でお願いしたい。予算も年々減少し、厳しいわけでございますので、予算の効果的な運用を計りより大きな効果を上げるという方向で、ぜひ地理情報システムの活用についても積極的に生産局等へ働きかけをお願いしたい。
以上でございます。

 

○渡邉部会長
では、西尾委員お願いいたします。

 

○西尾臨時委員
西尾です。よろしくお願いいたします。
先ほどのいろいろなご意見と重なる部分もあると思いますけれども、農地集約化について、私が感じているところを申し上げたいと思います。
平成26年、今年度の米価が下がって、これは概算払いであって、実際は1万5,000円との差はならしでというようなお話もございますけれども、米農家にとっては、やっぱり何となく米価が下がったという気持ちがありますし、やっぱり米政策の見直し等によって収益は今後悪化していくだろうという機運が広まっているというふうに思います。
先ほど農地中間管理機構の応募も多数あるというようなご説明ではございましたけれども、生産規模を拡張する意欲のあった組織も、やはり今後の先行き不安から拡大を見合わせている状況にあるのではないかというふうに感じているところです。やはり主力の米の先行きが不安であれば、農地拡大はなかなか困難が予想されるのではないかなというふうに思いますので、やはり農家が将来に明るい希望を持てるような政策を実施していかなくちゃいけないのじゃないかというふうに私は思います。
1つは、目の前の施策として、例えば個別の補償はもうないわけでございますから、その担い手に重点的に支援を配分していくというような考えから、例えば農機具や農業施設等への手厚い支援とか、それから排水の維持管理に対する支援とか、県単ではそれぞれ上乗せ補助とかあると思うんですけれども、国の施策として、やはり農家が将来設計を立てるときに計算がしやすいような施策が必要でないかというふうに思います。
もう一つは、畦畔除去などをして大区画化にするという構想がございますけれども、結局5センチも差があると、畦畔を除去しても田植えのときなんかに水張りをすると田植えができない状況にあるので、結局はもっとならしをしたり、先ほど石井先生からもございましたように、排水口とかいろいろな面でしていかないと、畦畔除去だけでは大区画化はなかなか難しいんじゃないかなというふうに思いますし、区画整理、30アールでしたものも随分経年劣化を起こしていると、やはり土地改良事業を行って新しい施設にしていかなくちゃいけないというふうな考えも多々出てくると思いますので、全体の予算規模でいってそれがどれぐらい可能かということが私としては心配なところがあります。だから、畦畔除去だけでできれば、それは経費も節約できますからありがたいんですけれども、実際それでは成り立たないのではないかなというふうに思います。
ですから、1点目には、目先の施策をして将来を見通せること、それからは将来的な設計が立てられることをすることによって農地の集約化は進んでいくのではないかなというふうに思います。
それから、これは質問なんですけれども、資料の2ページに労働力の低減の表が載っていますけれども、この労働力の低減に伴って生産量と品質はどのように変化をしていくかというところがどうなのかなというふうに思います。結局、30アールでやっていたときは、やはり効率は悪いけれども、品質と生産量と、それから労働力を総合的に判断したときに、やはり30アールが一番適切なんだということで今まで農家はやってきたところがあると思うので、そこのところがどうかなというふうに思います。教えていただきたいなというところと、それから、3ページとか6ページに、この畦畔除去の実施主体が県とか市とか土地改良区とか、そういうことになっていますけれども、一つの経営体が実施することは可能なのかどうかということをご質問させていただきます。
以上でございます。

 

○渡邉部会長
森委員お願いします。

 

○森臨時委員
ご説明、大変わかりやすく、資料もきれいにつくられていてよかったと思います。ありがとうございました。
意見が2点ありまして、まず18ページなんですけれども、畑地かんがいについて触れているところですが、18ページの上のほうに黄色い枠で、地域の営農変化に伴う水需要の変化に対応し、畑地かんがい施設整備による農業の高付加価値化を推進する必要というふうに見出しがついていますけれども、その下にあります事例が、要するに転換作物のときの考えの必要性のような事例だけになっています。実際畑地かんがいの整備率というのは21%ぐらいしかなく、必ずしも常に畑地にかんがいが必要じゃないこともあるのかもしれませんが、北海道では気候の変化に伴いまして、この春、非常にかんがいの水が畑作の地帯で不足しました。農地の集積が進んでおります帯広地方などは、一軒の経営規模がもう既に40ヘクタールほどあるんですけれども、畑地に余りかんがいが必要じゃないと思っていた人たちのところを買い取ったり集積して経営規模を大きくした農家さんの話を具体的に何点か聞きました。自分のほ場の中でも収量に非常に差が出てしまっているということで、作業の効率が悪いということが出てきていました。水不足ということは、北海道が暖かくなったということで、畑地でもこれから懸案事項というか、問題になることがあるんじゃないかと思うんです。その中で、今ここにうたわれているのは転換の高付加価値化ということがメインになっていると思うんですけれども、畑地かんがい施設整備の整備率向上を図って、生産力の向上をさらに上げる必要性をもっとはっきり言うということが重要なんじゃないかと思います。
もう一点は、12ページの飼料用米のところなんですけれども、全体的にはおっしゃりたいことも非常によくわかりますし、まだ飼料用米、面積的にも少ないですし、作られ始めてからの時間も足りないんですけれども、自給率の向上を考えたときに、飼料をどうするかというのは日本の大きな課題であると思います。その扱いが少し小さいんじゃないか。飼料用米に転換しようという国の動きに対して農家のお気持ちがついていっていないことと、それから、用水の使いようが時期がずれるんじゃないかということなどの不安があって、なかなか取りかかれないという現状があるように思いますので、積極的に整備を進めて作りやすい状況をつくっていただきたいなというふうに思います。
以上、2点でした。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
もう一方だけ。毛利委員お願いします。

 

○毛利臨時委員
ありがとうございます。よろしくお願いいたします。毛利です。
農地の集約と国土強靱化について、少し感想とお願いを発言させていただきたいと思います。
まず、国にとって最も大事な食料生産をしている農家の方が、それだけで十分な生活を送っていけない方もたくさんいるというふうな状況が一番大きな矛盾だと思っています。これを回避するためにさまざまな政策が掲げられていて、農業の競争力の強化、国土強靱化、地域社会の維持・活性化という、この3つに分けてこの部会では審議しているわけですが、これらの政策がイメージしているところがいま一つ、理解できていません。
例えば5年後とか10年、20年後にどういう農村地域が構築できるのか、また、どういう地域を目標にしているのかというのがイメージできればと思っています。私の理解が浅いからこうなのかもしれません。部分的な側面では大規模化、国土強靱化のためのハード整備、ソフト整備、ソフト対策というのはよくわかるのですが、それが一体となってどんな農業農村地域ができるのかというのがいま一つわからないなというふうに思っています。
限界集落というキーワードが出てまいりました。そういう意味では、熊本にお邪魔して中山間地や平地の農地集約を拝見して、一つのいい事例だなと思って明確なイメージをする事ができましたが、全国的に限界集落をどういうふうに扱って、その地域の農業・食料生産を活性化していくのか。そのためには水利施設はどうあるべきか、6次産業はどうあるべきかというふうなところを考えると、このような農村地域は必ずしもマイナス要因だけではなくて、新しく展開できる可能性のある地域になるんじゃないのかなというふうにも思います。
さらに国土強靱化という側面から見てみると、中山間地である程度の減災が進めば、下流域にある集落なり低平地というのは減災が可能となるわけですから、地域全体で見ると、農業施設や農地があることが地域の減災、安全につながる。また、それを実現する施設配置も考えられるわけですので、そういう意味で、兵庫県で水路があったがために避難中の方が巻き込まれたとかがありましたけれども、水路があるだけで津波が来なかった、軽減されたという事例もありますので、その設計段階から地域全体の防災・減災、国土強靱化というふうに考えていくと、施設をもっとフル活用できるのではないかと思います。水を配るだけではなくて、防災・減災、緊急時の用水という意味でも活用できるだろうと思っています。
先ほど来、ソフト対策についても議論になっておりましたが、ソフト対策というのは、ハザードマップを作っただけではソフト対策にならないというのは当然のことで、逃げない限り、避難しない限り意味がないという発言を耳にする場合があるのですが、避難行動を実現するためには、コミュニティが一番大事、隣の方が一緒に逃げようという声かけ一つで避難できたというところも随分あるわけです。そういう意味で、ソフト対策というのはさまざまにあるだろうと思いますけれども、誰が何をどうするのかというところからの具体的な行動を考えた対策までを地域に浸透していかないといけないんだろう考えます。このためには、プロが地域をサポートしていかないといけないんではないか。農家の方々、地元の方だけではなくて、それを身近で指導なりされるコーディネーターが地域に育成されるのが大事で、そのためには我々の分野の人たちがOBの経験者も含めて地域で活躍できる場がまだまだあるんだろうと思っています。農地・水の事業でもそういうことができると聞いておりますけれども、もっともっと進めつつ、地域の活性化、コミュニティの育成、それが国土強靱化にもつながるし、いろいろな面でのメリットがあるんではないかというふうに思っています。それぞれの施策がうまくリンクしてくるようなイメージをしっかりと示すのが大事だと考えています。
それと、最後に1つお願いでございまして、高度化事業なり、先ほどの加藤委員のほうからありましたようなデータについてですが、全国、かなりたくさんの老朽化施設、あるいは施設の診断でデータが集まっていると聞いております。こういうデータが全国ベースで活用されることが重要です。水路の補修・改修について東北でやっている事業、検証した事業が北陸で活きるのかということを突き詰める必要があります。最近話題になっているビッグデータのように農業関係のデータを一元管理して、さまざまな切り口で現象を見極めていく、効果を見極めていくことによってデータ本来の力を発揮すると思います。そういう使い方を意識したデータの集積というものも少しご検討いただければと思います。
ちょっと長くなりました。よろしくお願いいたします。


○渡邉部会長
ありがとうございました。
以上の5人の委員のご質問、あるいはご意見に対して、事務局のほうから先ほどと同様にレスポンスをいただけたらと思います。

 

○原川計画調整室長
石井委員のほうから、1人当たりの経営規模が大事だというご指摘がございました。
実は、この資料の2ページを見ていただきたいんですけれども、今回、先ほど説明したとおり、大区画によって米の生産費がどの程度削減したかというような整理をさせていただきました。これは21年の完了地区なんですけれども、そういうところのデータをもう少し増やさなければいけないのかなというのも思っていますし、これに経営規模を絡めたデータも整理して、そういうものを通じて、今、石井先生が言われたようなことも検討していきたいというふうに思っております。
それと、特に担い手の効率を高めなければいけないという観点から、いわゆる条件が悪いところを担い手が借りたら効率が逆に下がってしまうというふうなご指摘があったと思います。私もそういうふうに思っていまして、資料の8ページを見ていただきたいと思います。宮城県の角田市枝野地区の例でございます。これの左下のところを見ていただきたいんですけれども、このCさん、現状を維持したいというのがございまして、その方については公社が借り受けて、Cさんに別の農地を貸し出すというところです。私は、ここに以前行ったことがあるんですけれども、担い手の方には可能な限り農地のど真ん中のほうのいいところを充てる。現状維持、二種兼の方については、または高齢の方には比較的条件が悪いんだけれども集落の近くに配置する。こういうことは、今、石井先生が言われたように極めて大事だと思いますので、その辺も頭に入れて今後検討していきたいというふうに思っています。
また、畦畔除去のときの給水栓、水口の話なんですけれども、これについても定額助成の中でもできるということを聞いていますし、そういう制度をうまく活用して水口を少なくするというのは我々も極めて大事な視点かなというふうに思っております。
加藤委員のほうで所得倍増のお話で、農家にインパクトのある成果目標という指摘がありました。現在、食料・農業・農村基本計画の見直しが行われています。その中でも所得倍増についていろいろ議論されておりますので、その議論を踏まえて、それを農業農村整備との関係でどういうふうに考えていくのか、そこは大きな課題だというふうに思っております。
また、人・農地プランとか、また水土里情報の関係についても、経営局なり生産局と連携を進めていきたいと思っていますし、既にそういうことでどういう連携ができるか実際に話し合いを進めているという状況でございます。
西尾委員と森委員のほうからは米価下落や飼料米の関係の指摘がありました。これにつきましては、農業農村整備の中でどういうふうに対応するかというところもあるんですけれども、農林省全体としても、米価の下落に対しては、米の需給を安定させるのが極めて大事だというふうに思っておりまして、そういう面では主食米から需要のある飼料米に切りかえていかなければいけないというふうに思っております。そういう中で、全農では来年度、飼料米60万トンを直接買い上げるという方向も出ています。今年度に加えて3倍ぐらい集めるというふうなことがございます。そういう動きに対しても対応できるように準備していきたいというふうに思っております。
また、森委員のほうから、畑かんの件につきまして、高付加価値化だけではなくて、そもそも生産量を上げるというふうなこと、特に気候変動の件については我々も大きな課題だというふうに思っています。これにつきましては、気候変動については今農林省全体で適応計画を策定するということで議論を進めております。これは来年度の夏を目処に農林省における適応計画を定めるということになっていますので、その議論も注視しながら、農業農村整備の中でどう反映させていくのか、そこはしっかり考えていきたいというふうに思っております。
それと、毛利委員のほうから、まずはどのような農村地域を目標とするのか。限界集落というキーワードがある中で、そういうところをしっかりイメージした上で、じゃ、水利施設はどうあるべきなのか、6次産業化はどうあるべきなのかというふうなご指摘があったと思います。それについても我々、大変重要な視点だというふうに思っています。
これについては今日の資料で反映させておりませんけれども、先ほど申しましたとおり、政府全体での創造本部のほうで議論をされております。農林省のほうでもビジョン策定に向けて検討しております。その辺の議論を踏まえながら、そういう中で農業農村整備をどうしていくのかということをしっかり考えていかなければいけないのかなというふうに思っております。
あと、毛利委員のほうから幾つか言われた中の一つで、いろいろな老朽化とか診断のデータ、これを全国ベースできちんと集積して一元管理してうまく活用しなければいけないというふうなことがございます。これについては今年度からの取り組みでございますけれども、基幹的水利施設、先ほど説明しましたとおり、かなり診断が進んできており、55%終わっています。今年度から、そのデータを地理情報システムに落として関係者に可視化できるような取り組みをやっているということでございます。
併せて、今日いろいろな整備図のデータを示しました。例えば1ページをちょっと見ていただきたいんですけれども、1ページで、例えば下の緑と黄色の図、ここでよく農林水産省農業基盤情報基礎調査というのがございます。例えば農地の整備状況とか、ほ区均平かどうか、いろいろなデータを調べているわけでございます。これにつきましても地理情報に落としていくと、こういうふうな取り組みを始めておりますので、そういうことで一元管理なり活用を充実していきたいというふうに考えております。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
ご発言いただいた委員の方、ご意見あるかもしれませんが、まだご発言いただいていない委員の方からご発言頂きます。

 

○横井農地資源課長
委員長、1点、ご質問があった点だけお答えさせてもらってよろしいですか。

 

○渡邉部会長
そうですか。では手短にお願いいたします。

 

○横井農地資源課長
すみません。農地資源課長の横井でございますが、西尾委員のほうから、1つは資料の3ページ、4ページとかに事業メニューがあって、1つの経営体でもできるのであろうかというご質問があったんですけれども、これ、土地改良事業として公共事業で実施していただくという観点になると、土地改良事業の参加者として、いわゆる3条資格者という面でいうと2人以上の方で実施をしていただくという形になります。ただし、集落営農とか、そういう法人経営をやっている中で、その事業の実施の仕方というのは、土地所有者とかも含めていろいろなやり方があると思いますので、必ずしも集落営農で法人経営をやっているところ、その法人が取り組もうと思ってできないかどうかというと、これはそういうわけでもございませんので、いろいろなやり方というのを仕組んで、よく考えながら事業の使い方ができるかと思います。
それともう一点、あと、2ページのところの生産コストと労働時間の低減のグラフの中で、品質とか収量とかが加味されているのかというお話がございました。ここにおいては、品質面においては一般的な主食用米の世界で整理されておりますけれども、収量はここに加味されております。実際、区画を大きくすれば生産費は下がる。しかし、これは今、本体の審議会の企画部会とかでも農業構造の展望とか、経営の展望とか、これからいろいろ議論されていきます。地域によったそれぞれの姿とか、平場、中山間地、そういうタイプによってどういう農業経営、また作物にどういう形があるのか、そういうものに応じて、この大区画化、生産コストの低減のほうに大区画化を図るのか、それとも収量、品質のほうに重きを置いていくのか、こういういろいろな農業のあり方はあろうかと思います。そういう点をちょっと付け加えさせていただきます。
以上でございます。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
それでは浅野委員お願いします。

 

○浅野臨時委員
1つ質問と1つコメントです、毛利委員からのご質問と関連するわけですけれども、今回の農業農村整備の具体化に向けてということで、やはり目標の明確化というのはまだまだできる可能性があるなと思いました。活力創造プランの中を見ると幾つかの目標を掲げられているわけですけれども、私としては、この部会の中では我が国の農地の面積をどうしていくのかという、すなわち全体の農地をどの程度守っていくのか、あるいは保持していくのか。そのうちの8割が創造プランにあるような形で守られるとか、そういう議論になるはずなので、そもそもどの程度の農地を考えるのかを明確にする必要があると思います。もしかしたらこれは企画部会とのすり合わせも必要かもしれません。とりわけ自給率との関係、あるいは食料供給力との関係もありますので。そのことがまず前提にないと、全体、そのうちの8割がとかいう議論が余り意味をなさなくなってしまいます。その点についてはどういうふうにお考えかというのをうかがいたい。これが1点です。
もう一つはコメントですけれども、昨日久しぶりに喜ばしいニュースが入ってきました。ノーベル物理学賞を日本人が受賞したということ。これはとても重要なことでして、実は青色LEDは基礎研究から普及まで、ほぼ全てのプロセスを日本人がなし遂げたものです。このことはいろいろなことを示唆しておりまして、技術革新というのは、一般には軍事目的でなされるということが圧倒的に多いのですが、我が国というのは民生部門が実は技術革新のエンジンを担っている。これは絶対軽視すべきことではなくて、平和でも技術開発ができるんだということを世界に唯一示しているのが日本という国です。それに対して与えられたノーベル賞ということですので、この意味は極めて大きい。
これは、実は国土強靱化にも絡んでいまして、国土強靱化というのは、一種の日本の脆弱性、弱さみたいなものを見つけていって、それについて手当をし、新しい技術によってその問題の発生を抑えるというのが基本的な考え方です。ということは、日本各地にあるため池などについても技術の技術基準を上げて、壊れにくいものにしていくということになる。一般には要求水準が上がると、それに関してコストが高くかかるというふうに思われますが、歴史的には自動車産業の排ガス規制の例なんかを見てわかるように、実はそれこそが競争力の源泉になったりということが経済の世界ではあります。だから、実は国土強靱化というのは、一方でそういった形の技術開発を誘発するという目標もあるということです。今回の説明には、その辺りの側面が少し弱かったので、技術を開発する、あるいは防災・減災技術を日本発で開発して、それを世界に普及させていくというのは、先進国日本、あるいは戦争をしない国日本の重要な社会的な役割と思いますので、ぜひ中へ積極的に書き込んでほしいということが私のコメントです。
以上です。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。そのほかの委員。
では松永委員、お願いします。

○松永委員
昨日企画部会がありまして、いろいろなテーマを議論しているのですけれども、農村整備に関わるところですとキーワードになっているのが自給率とともに自給力です。もし海外からの輸入がストップした場合に、国内自給だけでどれだけの生産力が、国民の皆さんに過不足なく食料が供給できるのかということをいろいろなレベルで勘案していく必要がある。海外では既にされているけれども、日本ではされていないということで、恐らくこちらの部会との、さっき浅野先生がおっしゃられたように、自給力と農村整備がどの程度必要かという目標値というのは非常にリンクしてくる話かと思います。
それともう一つ、昨日の企画部会では、6次産業化の話、それから現在、議論に出ている所得倍増の話が上がってまいりました。所得倍増の話に関しては企画部会としてどう取り扱うのかというのはこれから審議が深まっていくことかと思います。地域の活力創造本部のほうでは、10年後に農業農村所得を倍増するということですけれども、従来の大規模化、それから6次化という出口という方向性は考えられているけれども、倍増ということを基本計画としてどれだけ国が責任を持って言えるのかというところは慎重になるべきではないかという意見が昨日出ています。所得増加という方向でとどめるべきではないかということが意見としてありましたので、申し添えたいと思います。
1つ意見ですけれども、今回の農地中間管理機構によって、農地集積がいよいよ大規模化、集約化が一層促進されていくということですが、それはいわゆる農業政策全体で見れば入り口の部分、あるいは守りの部分に当たるのではないかと思います。昨日、企画部会でメインの議題でもありましたが、6次産業化というものが、農業政策のいわば主要な政策として国民にもアピールできるような形で、重要な政策として一本の柱になりつつあると思いますけれども、6次産業化というのはあくまで消費者にとっての出口の戦略、生産と消費を結ぶところだと思います。
ただ、実際の担い手の方、農家の方というのは同一主体で、そうした農地の規模集約というものを進める主体である農家と6次産業化を図る主体である農家というのは同一です。我々は、こうした縦割りの議論をしているわけですけれども、入り口の攻めの農業政策としてのこうした大規模化、法人化というものがいよいよ加速していく。出口のほうの6次産業化、6次化も加工販売だけじゃなくて、非常に幅の広い、本当に都市農村交流であったり、子供さんたちへの農山漁村の教育であったり、医福食農連携、機能性食品の開発、エネルギー需給、本当に幅広いマーケットまで意識されているわけですけれども、そうした幅の広い6次産業化との接点というものを、それをわかりやすい形で戦略としてどういうふうに提示していくかということが求められると思います。
例えば、大規模化が進みました、中間管理機構が集約して進みましたと、岩手県一関市の例が出ていましたけれども、非常に大規模な集約が本当に進んでいるなというふうに実感します。一方で、これから着手していく、これほど大規模じゃなくても、例えば数十ヘクタール規模であっても、大規模化した場合、そこの中で付加価値を上げていくために加工販売していく、そのための足がかりとして何をしていったらよいのかというと、やっぱり規模集約した後に次に悩むところがあると思います。それを一貫的に、地域のビジネス創造、あるいは雇用創出につながるような何かモデルの幾つかの提示が経営規模ごとによって必要ではないかというふうに感じます。
資料は非常にわかりやすいものでした。ただ、ここの地域ではこういうことがされているという、ベストプラクティスというか結果論なんですね。やはり地域によって特性が違うと思うので、条件を細かく分けた経営モデルの提示というのが必要になってくるのではないかなと思います。それは恐らく大規模化の議論だけじゃなくて、今後議論になってくる中山間地の地域政策、新たに多面的機能から日本型直接支払と制度変更されていますけれども、直接支払制度をきっかけにして、集落、地域の現場では、地域で協議会をつくってまとまる話って非常に加速化していると思います。そういうとき、やっぱり6次産業化の話というのは必ず出てくると思います。どう農村整備と接点を結びつけていくのかというのは、農家さんに何かモデルなり、どこから踏み出せばよいかという提示がいま一度、必要に思いますし、特に所得倍増という文脈と絡めるなら一層必要になるのではというふうに思います。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
井手委員どうぞ。お願いします。

 

○井手臨時委員
どうもありがとうございました。1年ぶりにアメリカから帰ってきて、久しぶりに参加をさせていただいているんですけれども、アメリカにいる間に政治がすごく変わっていて、帰国して軽いめまいを覚えながら、状況が変わったなと思いながらずっと見ていたんですが、ただ、その中で今日はとても何か嬉しいことが幾つかあったので、それの感想をまずお話しさせていただきたいと思います。
今日、部会長のほうからスタンスと方向性についてというふうに最初にご指示があったわけですけれども、もうまさにそのスタンスと方向のことを伺いたいんですね。まず、地方創生というときに、僕はちょっと今、統合失調気味になっていて、というのは、一方で地方中枢拠点都市を創ろうというときには、もう過疎地域から撤退しましょうという議論が背景にありますよね。他方で、今日は消滅集落やコミュニティの話は4月にまたというふうにご指摘がありましたけれども、ただ、恐らく農水省は、少なくともそういう中山間地域からの撤退ということを考えていないんじゃないのかなと思うんですね。結局地方創生というときに向いている方向がすごく違うという印象を僕は持っていますが、まずこの認識が正しいのかということです。
その上で、今日毛利委員と北村委員からご指摘があって、これがうれしかったことなんですが、災害のときにこそコミュニティが重要であるというご指摘ですよね。そうだと思うんです。山梨で大雪が降ったときに、僕のいとこが一人でそこで雪に埋められて全く外に出られなくなったんですけれども、そのときに、ふだんコンビニばかりで飯を食っているやつが、ご近所の方からずっとお食事をいただいて、むしろ孤立したほうが飯は豊かになると言って大喜びしていたんですよね。何かその話を思い出したんですけれども、ちょっと冗談じゃなく、結局経済というのが目的なのか結果なのか。実は両方だということをもう少し考えたほうがいいなという印象を今日持ちました。例えば、ここの中で生産コストを縮減するとか、また農地の大規模化、集約化、営農戦略と言葉が踊る中で、つまり収益を上げる、経済効率性を追求するというときに、なぜそれが必要なのかなということなんですよね。やること自体に意義があるわけじゃありません。ただ、何のためにやっているんだろうということです。
実は、コミュニティが災害のときに機能を発揮するというお話は、例えば経済人類学者のカール・ポランニーの教えと同じことをおっしゃっておられるわけで、つまり、経済の基礎には互酬性や再分配みたいなものがなければいけないということですよね。互酬性、お互いが助け合うという関係が1つもちろん必要ですし、さっきの僕のいとこの例じゃありませんが、災害で困った人が出たときには、その困った人をコミュニティが助けるという、これは互酬であるだけではなく再分配なんですね。そういうものがあって初めて実は経済というのは回っていく。ここのない経済というのは、実は歴史の中でないんですよね。なのに、経済を目的化して、どうすれば効率化が図れるかという議論に議論がどんどん収れんしていくということですね。だから、もっともっと互酬性や再分配みたいなものが基礎になければ、そもそも経済というのは回っていかないという議論を前面に打ち出さないといけないと思うわけなんです。
そのときに、僕はだからわからないわけですね。集落消滅のお話とかコミュニティの話が4月以降になるというふうにおっしゃられるときに、切り取れるんでしょうかね。方向とスタンスということなのでお聞きしたいわけですけれども、むしろそういうものをどのように再生していくかという延長線上にしか僕は経済効率性というのは発揮できないというふうに考えていますから、当面産業政策、国土強靱化を今年度は話をして、4月になったら今度は地域政策ないし農山漁村の活性化の話をしましょうというふうに分けられてしまうと、一体今年度、僕、どういうふうに議論すればいいのかなというのがよくわからなくなってしまうんですね。
なので、最後に少し質問めいたことを言えば、今年度の議論をしていく中で、この第3の領域というんですか、地域社会の維持・活性化の問題というのをどのように位置付けて、それは4月からやりますからもう話さないでくださいということなのか、いや、そうではなく、やっぱり我々が黄色と水色で議論しようとしている根底にその問題はあるんだという理解でよろしいのかどうか、教えていただければと思います。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
では、小谷委員。最後になりましたけれどもよろしくお願いします。

 

○小谷臨時委員
ご説明ありがとうございます。
農地集積とか大規模のことについて、大枠ではもちろん異論はありません。食料のために大事なことだと思いますが、何人かの委員の方からもお話にありましたように、国土強靱化ということで、やはり強いという意味は、多様性、日本らしさ、しなやかさということも含めて初めて強い国土になると思っていますので、少し小さな農業のことについて言わせていただきます。
まず、石井委員からも、都市農業のビオトープなどの話がありましたが、私は世田谷区で、区民農園をいつもやりたいと言っているんですけれどもなかなか当選しなくて高い倍率なんですね。担い手不足と言われてはいますが、実は農に触れたい都市住民はいるわけで、そういう人たちにもっと農地法の特区とか、何かそういう策をしていただけないかなと思っています。都市と農村の交流、対流というのがテーマにはあると思いますが、子供のころにそういう農業体験をした子が、いずれ10年後に担い手になる可能性はあるわけで、どうしても今、霞が関と農業関係者だけでいつも話し合われているような気がします。都市の人、圧倒的な国民とか消費者がもっと農を知る、あるいは親しむ機会がふえれば、国産の農産物の価値も上がると思います。それが強い農業につながると思います。
それと、都市のことと同時に限界集落について、私は、やはり柴田委員、毛利委員のお話にもありましたが、見方によってはとても価値のある場所だと思っています。棚田百選、ため池百選もありますように、美しい景観で、これから海外からの観光客を受け入れるためにも観光資源としての価値もあると思っています。そういう意味で、観光庁と例えばタイアップして、農村をもっと観光地として見ていくような考え方があればいいなと思います。ICIDのかんがい施設に国内の9カ所がかんがい施設遺産に登録されたということで、これはとても喜ばしいことだと思います。水のこととか農業の施設のことがもっと広く一般の人に知られるように、PRも含めてお願いしたいと思います。
以上です。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
これで一応全員からご発言いただきましたけれども、事務局のほうで同様にレスポンスをお願いします。

 

○原川計画調整室長
まず、私のほうから答えられる範囲について答えさせていただきたいと思います。
複数の委員の共通なことだと思いますけれども、今回の農業農村整備部会で農業農村整備の具体的な推進方針、目指すべき成果目標、こういうものを一つ頭に置いて議論していただきたいということは申しました。その一方で、現在、先ほど官邸プランができたというお話をしましたけれども、それに基づいて松永委員のほうからもございました食料自給率をどうするのか、食料自給力をどうするのか、その結果が農業農村整備とどう関わりを持つのかという大きな命題もございます。そこについては、今、企画部会のほうで議論されていますので、その議論にも我々は積極的に参加していますし、そういう議論を踏まえて今後検討していかなければいけないということがございます。
あと、一方で農村地域をどうするのかというお話もございます。先ほどご説明しましたとおり、農林省の中でも活力ある農山漁村づくりについてのビジョンについて検討会をやっています。政府のほうでもまち・ひと・しごと創生本部で長期ビジョン、総合戦略と、先ほどのものを繰り返しますけれども食料・農業・農村基本計画の見直しもあると、こういう中で我々の思いとしては、次期長計をにらんだ場合は、通常1年前から議論をするわけですけれども、大きな変革の年でもございますので、さらに1年前倒しでいろいろな幅広い議論をしながら、他のところの検討も含め今動いている、その動きを注視しながら検討していきたいと思っておりますので、何とぞご理解をお願いしたいと思っています。
その中で、浅野委員のほうから、防災・減災に関する技術の開発を世界に発信する、そういうものが競争力の源泉だというふうなお話もございました。これは先ほど国土強靱化の理念、農業農村整備事業における理念を整理したいと申しましたけれども、32ページにあるように、国土強靱化基本計画の理念として、この4つの目標の下にありますけれども、結果的に産業競争力、経済成長力を守り、国の経済の成長の一翼を担うと、これが明確な理念になっておりますので、浅野委員の指摘も踏まえて、今後そういう理念について整理していきたいというふうに思っております。
それと、井手委員のほうから、産業政策と地域振興、4月からということで切り離した議論ができるのか、それとも切り離してそもそも議論するのかというお話がございました。それで、昨年度の中間整理も、やっぱり産業政策、地域政策、これらが車の両輪のごとくうまく機能していかなければいけないというところが昨年の中間整理の大きな視点だったと思いますので、そこは一体的なことを頭に描いて、今後検討していきたい。特に農村振興のところは4月からと言いましたけれども、そこは明確に切り分けるわけでもなくて、うまくリンクしながら検討していかなければいけないというふうに思っております。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
地方創生の話が出ましたので、佐藤農村政策部長から少し補足いただきたいと思います。

 

○佐藤農村政策部長
ありがとうございます。
井手委員から地方創生本部のご質問をいただきました。今回、政府として最重要課題として地方創生に取り組む一つのきっかけになりましたのは、ご案内のとおり本年5月に日本創生会議が出しました増田寛也先生のレポートで、796市町村が消滅可能性があるというレポートだと思います。これまでも過去何度か、少子・高齢化に対する提言が出されている中で、増田先生の日本創生会議における検討は、少子・高齢化を克服するためには若い世代が子供を産み育てやすくすると、そのためには就労ですとか結婚ですとか子育て、しかも女性だけじゃなくて男性も含めて、あるいは家庭の問題だけじゃなくて企業での働き方も含めて、そういったことをまず議論として提言、検討を始め、突き詰めていくと、どうも東京に一極集中して、東京の特殊合計出生率が低いこともあって人口減少がこのままだと歯止めがきかなくなるということで、東京の一極集中に歯止めをかけるためには地方の活性化が必要だということで、東京の一極集中の歯止めとともに地方の活性化というようなことで、言ってみれば3点ですね。若い世代の子供の問題、それと東京一極集中の問題、それと地方の活性化、地域の課題の解決の問題、こういうものを3点セットで提言したということだと思います。
特に東京一極集中と地方の活性化との関係において、農村から東京に人が流れていってしまうので、そこで地方の中枢拠点都市みたいものを人口のダムにして東京一極集中を食いとめるんだという発想を反映したところがあるのも、これはまた事実です。ただ、だからといって、過疎地域なり農山漁村地域を畳む、消滅やむなしとするのかどうか、ここは大きな議論になるところだと思います。
少なくとも政府のまち・ひと・しごと創生本部におきましては、1つは東京一極集中をどう是正するかという問題、併せて札幌、仙台、広島、福岡における人口のダム機能をどうするかといった問題、さらに地方中枢拠点都市での集約と分散の考え方をどう実現していくかという問題、さらにその外側といいますか、中山間地域ですとか離島ですとか農山漁村地域においていかに地域の活性化を図っていくか。この地方創生本部は、4つの地域それぞれに目配せをしながら、決して農山漁村地域を畳むものではないという基本的な認識に立ちまして、石破大臣が中心となりまして関係各省も集まって検討しているところでございますので、方向としては、地方中枢拠点都市に人口のダム機能を持たせるということもありますけれども、だからといって農山漁村地域を畳むものでは決してないということはご理解いただければと思います。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
まだまだ皆さんからご意見をいただきたいところですが、残念なことに時間となりましたので、今日はここまでとさせていただきたいと思います。今日はまとめる会議ではありませんが、最後に私も3点ほどコメントと問題提起をさせていただきたいと思います。ご回答いただかなくていいと思います。
皆さんのお話を伺って、やはり大事なのは、中間整理にありましたように、産業政策と地域政策を両方常にバランスよく見ていかないといけないということです。今日の皆さんのお話も、みなさん節々にその点を指摘されたと思いますので、この部会としてはその姿勢をきちんと保つべきだというのが1点目です。
それからもう一つは、具体的なイメージを持った長期ビジョンをどのように示していくかということです。土地改良の長期計画の検討をにらみながらの議論になると思います。長期計画といっても5年ですね。大学の5、6年の計画は中期計画と言っているのですけれども。農地整備や農業水利施設の整備などを考えたときに、もう少し長いスパンでの計画、これは今検討されている食料・農業・農村基本計画の大きな枠組みがあるわけですが、土地改良としても具体的イメージを持った長期ビジョンをこの際どういうふうに仕立てていくかという視点が、今日のご説明にもありましたけれども大事な視点ではないか思います。これが2番目です。
それから3番目は、あちこちで話題になりました国土強靱化の話です。これは、「国土強靱化の議論を踏まえた」整備という話になっていると思います。さまざまな農地や農業水利施設等のいわゆる多面的機能は本来機能だと思うのですが、それとここでいう国土強靱化との関係をきちんと整理するということが必要です。それから、国土強靱化という言葉を農業の競争力強化や地域社会の維持・活性化と並列に並べておいていいのかという言葉遣いの話もあるので、それらも合わせて検討したらいいというのが私の個人的な見解です。最後に申し述べさせていただきました。
進行が悪くて10分ほど予定からずれておりますが、皆さん、ご了解いただければ6、7分延長させていただきたいと思うのですけれども、よろしいでしょうか。大変申しわけございません。
それでは、次の議題に移らせていただきます。
議事3番目の国際かんがい排水委員会について、事務局より説明をお願いいたします。

 

○宮崎海外土地改良技術室長
設計課海外土地改良技術室の宮崎でございます。よろしくお願いいたします。
国際かんがい排水委員会について、資料3でご説明させていただきます。資料3をよろしくお願いいたします。
2枚めくっていただきまして、1ページでございます。
先月、9月14日から20日まで、韓国の光州市におきまして第22回、それから第65回の国際執行理事会、ICIDの理事会が開催をされております。61カ国、1,300名の方が参加されまして、日本国内委員会からは佐藤洋平委員長を初めとしまして14名の委員の先生方にご出席をいただきました。
総会のテーマは、下にございますように、気象変動時における食料と農村コミュニティのための水の確保ということでございまして、総会の議題、クエスチョンといたしまして2つ設定をされておりまして、このクエスチョンに論文等を提出されているというようなことでございます。
2ページに総会・理事会の様子がございますので、ごらんいただければと思います。
1枚目めくっていただきまして3ページでございます。
先ほど申しましたように、14名の国内委員の先生方に総会、国際執行理事会、それから所属をいただいております委員会等に出席いただいたわけでございます。下にございますように、総会におきましては渡邉委員が先ほど申しましたクエスチョン58全体の論文審査、それから取りまとめの役になっておりますジェネラルレポーターを務められております。また、増本委員におかれましては、その議題の中に3つ副題が設定されておりますけれども、それの論文審査、それから取りまとめ役でございますパネルエキスパートとしての役割を果たされておりまして、総会全体でも非常に大きな役割を果たされた次第でございます。
その下に国内委員の先生方からも論文が出されております。4人の先生方からの論文が採用されているというところでございます。
その下でございます。ご出席をいただきました各委員の皆様方の出席の状況をまとめておりますので、ご覧いただければと思います。
1枚めくっていただきまして、次、5ページでございます。
今年の国際執行理事会におきましては、会長、副会長の選挙がございました。会長についてはイランのNairiziさんが会長に就任をされまして、副会長につきましては9人いらっしゃいまして、毎年3名の方が改選をされるということになっておりますが、今年につきましてはエジプト、それから中国、韓国の3人の方が当選をされたということでございます。
それから、3年後になりますが、2017年の23回総会につきましてはメキシコシティで開催をされる予定になっております。来年につきましては、その下にございますようにフランス、再来年はタイでそれぞれ会議が行われる予定になっております。
次、その下、6ページでございますが、先ほど小谷委員からもお話がございましたが、かんがい排水施設遺産につきましてご説明をさせていただきます。
ICIDにつきましては、歴史的なかんがい施設を登録・表彰しますかんがい施設遺産につきまして、その制度を創設することを昨年のトルコでの国際執行理事会で決定をいたしまして、今年からその取り組みを開始をしたところでございます。9月16日に開催されました国際執行理事会におきまして、日本では、下の日本地図のところに張りつけておりますけれども9施設を含みます、5カ国17施設がかんがい排水遺産として登録されたということでございます。先ほどお話がございましたように、PRにつきましても今後、今年初めての取り組みでございますので、地元の皆さんと協力をしながら、この制度の認知に努めていきたいと思っております。
次でございます。1枚めくっていただきまして7ページ、情報発信でございますけれども、日本国内委員会といたしまして、パネル展示をいたしましたり、またサイドイベントで国際水田・水環境ネットワーク、INWEPFと申しますけれども、それについてGIAHSの事例のワークショップを開いております。その中でも日本で世界農業遺産に認定をされております事例などの紹介をしたところでございます。
1枚まためくっていただきまして最後でございます。第7回世界水フォーラムへの参画につきましてご説明をいたします。
来年4月に韓国大邱・慶州の2都市で、世界的な水関係の会議でございます世界水フォーラムが開催される予定になっております。その世界水フォーラムに参加するために、ICIDといたしましてもタスクチームを設置しまして、その取り組み方針、どういうようなものに取り組んでいくかということについて議論をしているところでございます。日本国内委員からは、太田委員がそのチーム長、それから山岡委員がメンバーということで参画しているところでございます。
ICIDにつきましては、現在でございますが、その世界水フォーラムの中でテーマプロセスというのがございまして、それぞれの課題別に分けられた16のテーマがございます。その一つとしまして、Water for Food、「食料のための水」という課題が設定をされておりまして、その全体を取りまとめるメンバーの一員として参画する予定になっております。その「食料のための水」の中で5つのセッション、サブテーマが設けられておりまして、ICID全体としましては、「かんがいの近代化」というセッションの取りまとめ役になりますコーディネーターとして参画する予定でございます。日本国内委員会でございますが、それについてもちろん協力をすることでもございますが、先ほど申しましたINWEPFとともに、その食料のための水の5つのセッションのうち、かんがいの近代化とは別のセッション、「農業用水の水利用における農民の能力向上」というセッションにメンバーということで参画する予定にしておりまして、それとあわせて、日本全体で日本パビリオンが設置される予定でございますので、その中で展示等を行いまして情報発信をしたいと考えております。
以上で国際かんがい排水委員会につきましてご説明を終わらせていただきます。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
では、ただいまのご説明に何かご質問等ありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、次の議事に移ります。議題の4番目、技術小委員会の付帯事項につきまして、事務局よりご説明をお願いいたします。

 

○原川計画調整室長
資料4でございます。
本年度の技術小委員会の付託事項につきましては、ここにあるとおり5項目ございます。第1回委員会を6月13日に開催いたしまして、今後、あと3回開催する予定でございます。その結果を来年の3月頃本部会に報告したいというふうに考えております。
以上でございます。

 

○渡邉部会長
ありがとうございました。
ただいまの技術小委員会への付託事項につきまして、何かご質問等ございますでしょうか。
技術小委員会、よろしくお願いいたします。
ほかに特に事務局や当方で用意した議題はないのですが、よろしいでしょうか。
それでは、以上をもちまして本日予定しておりました議事の審議を終了いたしたいと思います。
では、進行を事務局にお返しします。

 

○原川計画調整室長
本日は本年度初めての会議ということでございましたけれども、活発なご意見、ご指摘いただきまして大変ありがとうございました。今後の検討の参考にさせていただきたいというふうに思っています。
次回の部会開催でございますけれども、できれば年内に現地調査をやりたいというふうに考えております。日程等の詳細につきましては改めて事務局よりご連絡させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上をもちまして本日の部会を閉会させていただきます。
どうもありがとうございました。

 

お問い合わせ先

農村振興局整備部設計課計画調整室
担当者:計画企画班
代表:03-3502-8111(内線5514)
ダイヤルイン:03-6744-2201
FAX:03-3500-4053

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader