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平成27年度第2回議事録

1.日時及び場所

日時:平成27年9月18日(金曜日)10時00分~12時00分

場所:農林水産省本館4階 第2特別会議室

 

2.議事

  (1)新たな土地改良長期計画の策定について

  (2)その他

 

3.議事内容

議事録(PDF:623KB)

 

○原川計画調整室長
  ただいまから平成27年度第2回農業農村振興整備部会を開催いたします。
  本日は、ご多忙中にもかかわらずご出席いただきまして、誠にありがとうございます。
  本日は12時までを予定しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  また、加藤委員、北村委員、柴田委員、西尾委員におかれましては、所用によりご欠席との連絡をいただいております。
  それでは、早速でございますけれども、開会に当たりまして、末松農村振興局長よりご挨拶申し上げます。

○末松農村振興局長
  皆さん、おはようございます。
  委員の皆様におかれましては、本日、ご多忙のところご参集いただき、ありがとうございました。
  また、日頃より農林水産政策、農業農村整備政策、さらに農村振興政策の推進にご協力いただき、ありがとうございます。
  まず、台風による豪雨の被害に遭われた方々に、心からお見舞いを申し上げたいと思います。私たちとしても、これからできることを全力でやっていきたいと思っております。当省も

政務の方々、それから私ども災害対策室長初め現場に行っておりますが、やはり災害というのは今まで思っていないことがその度毎に起こるということでありまして、原因を究明すると

いうことも非常に大切でございますし、今からできることも多くあると思いますので、全力を尽くしたいと思っております。
  また、この農業農村振興整備部会、8月7日に始まり、ちょうどその日が私、着任の日でございまして、出席できなかったことをお詫び申し上げます。
  私は昭和58年に入省しまして、その時にも当時また計画がありました。法律に基づく色々な諸計画というのは、法律に求める骨太で決めていかなくてはいけないことがあるということ

であるとともに、その時代毎に何を書くべきか、どういうことをきちんと書いていただき、我々はそれに従って仕事をしていくべきかということで変わっていくことがあるなというのを

今、勉強していてつくづく感じております。
  当時は事業量をどうやって決めていくかということが非常に重要だった気がしておりまして、私、入ったばかりの時の幾つかの数字が今でも頭に残っております。しかし、今は農業農

村整備、多面的な機能というか、事業自体の効果、狙いも色々ありまして、他の政策と相まって農業・農村をどのように良くしていくかということで、今日的な意義というのは非常に多

くあると思います。
  こういう時にまた細かい話をするのは恐縮ですが、私は前任地が関東農政局でございまして、地域を回って色々な方々と話をするというのが大きな仕事でありました。その時に非常に

大きく感じたのは、農林水産省の政策、本省で仕事をしていますと、例えば農村振興局の仕事と生産局の仕事は違う仕事のように見えるのですが、現場に行くと非常に一体であって、そ

の一体であることを行政の側がどれだけ理解しているかというのが、地域のプラスになるかならないかに決定的に重要な気がしておりました。例えば、今、飼料米を進めるとか、色々な

特産の作物を進めるということがありますが、その根っこにはやっぱりきちんとした農地の整備がどうできているかということが重要でありますし、それは我々の農業農村整備は今年か

らやろうといってすぐできるものではなくて、計画的に進めていかなくてはいけなくて、それが何年か経って動いた時に、どういう作物を植えるかとか、そういうことがセットになると

いうのを非常に感じました。
  また、例えば60歳になった方々が農業を新たに始めるという話は、我々農林水産省の中では本当の真ん中の政策ではないかもしれませんが、地域で土地改良を機に60歳になった方々が

みんなでブルーベリーを栽培したりとか、観光農園をやり始めたり等してその地域が活性化するような事例、ここにいる先生方がいろいろな地域でお感じになって、それを政策にどう反

映させようかと思っておられるようなこと、そういうことが日本国中いっぱいあると思っております。
  本部会は、大臣の諮問を受けて新たな土地改良長期計画の策定に向けた審議ということになりますが、色々なご意見をいただきまして、本当に今の時代に必要なこと、多様な地域の特

性を踏まえた農村の将来ビジョンというようなことをどのように立てていくか、忌憚のないご意見をいただきたいと思っております。
  いつも申し上げることがありまして、忌憚のないご意見と、それから様々な考え方がありますが、一方で、役所は土地改良長期計画という枠があって、その中で農政全部語り尽くせる

ものでもないという、そういう限界もあると思います。また、そこは他の部局の政策と相まって進めるところもあると思います。我々は我々のこの政策を立てられること、それから進め

ていく事業の中で全体を見ながらベストを尽くすようにしたいと思っておりますので、是非、今日は活発なご議論をいただきたいと思います。
  よろしくお願いいたします。

○原川計画調整室長
  それでは、本部会の公開方法について説明させていただきます。
  本部会は、傍聴については可とし、会議への提出資料は会議終了後、議事録は内容を確認いただいた上で発言者を明記し、後日、ホームページで公開させていただきます。
  次に、配布資料について確認させていただきます。
  一番上から、会議次第、委員名簿、配布資料一覧、資料1ー1、資料1ー2、それから参考資料1から4となっております。
  不足等はございませんでしょうか。
  それでは、今年度新たに選任されました2名の委員の方をご紹介したいと思います。
  明治大学教授の小田切委員でございます。

○小田切委員
  小田切です。よろしくお願いします。

○原川計画調整室長
  日本大学教授の沼尾委員でございます。

○沼尾臨時委員
  沼尾でございます。よろしくお願いいたします。

○原川計画調整室長
  それでは、議事に移りたいと思います。
  以降の進行については渡邉部会長にお願いしたいと思います。

○渡邉部会長
  皆さん、おはようございます。
  第2回目となりました。第1回目から一月ほど経ちましたけれども、この間、猛暑、台風など、はらはら、ばたばたしているうちに一気に秋になった感じですが、先ほども局長のお話に

ありましたように、最近では豪雨、河川氾濫の被害もありました。余り大きくは報道されておりませんが、農業・農村への影響も随分大きかったのだろうと思います。
  この最近の被害を見ていますと、改めて感じたところは、農村地域の社会基盤の整備のあり方とともに、地域のコミュニティの活動のあり方が非常に重要な局面になっていることであ

ります。農業あるいは農業で生きる、農村で生きることのアートというか、術といいますが、そこの仕立て直しもここでの議論のどこかで底流として意識しておかないといけないと思い

ながら、この会議に臨んだ次第です。
  今日も、先ほどもお話がありましたように、広く皆さんからご意見をいただくということを中心に進行することになると思いますが、よろしくお願いいたします。
  それでは、お手元の次第に沿って進行させていただきます。まず初めに、議事次第1の、新たな土地改良長期計画の策定について、事務局よりご説明をお願いいたします。

○原川計画調整室長
  資料1ー1についてご説明いたします。
  第1回の農業農村振興整備部会で、大きく7つの主な意見をいただきました。この7つについて補足説明をしたいと思います。なお、一番下にありますとおり、7つ以外の意見につきまし

ても論点整理の過程で検討していきたいと思っております。
  まず、1ページでございます。
  水田の大区画化の推進ということでございまして、左にありますとおり、新規整備・再整備につきましては、合意形成に4年程度の期間を要するとの調査結果です。また、畦畔除去につ

いては1年程度ということでございまして、事業主体である県等におきましては、合意形成に多くの労力と時間をかけてきた新規整備・再整備への支援を優先する傾向であります。
  また、簡易整備の内訳については、現行の計画の目標は畦畔除去9万ヘクタールということで、暗渠排水整備よりも高く設定しておりましたが、実績、要望とも多様な作物生産を可能と

する暗渠排水整備の方が多いという状況がありまして、畦畔除去による大区画化が伸び悩んだものと推測しております。
  2ページをお開きください。
  その中で畦畔除去の採択の一般的な流れでございますけれども、まず地形条件が一番大きく影響します。低平な水田、ほ区均平であることが前提でございますが、そのような条件であ

っても、右の方にありますとおりマル1からマル3のような地域の考え方がございます。
  マル1は道水路の配置を変更して整備水準を向上したいという地区です。このような地区は新規整備・再整備で対応する訳わけでございます。また、畦畔除去も2つありまして、担い手

への集積のための権利移動を図りながら実施するタイプと、権利移動を伴わないタイプがございます。前回の部会でもご説明したとおり、マル2については現計画の見込みに対して伸び悩

んだと推測しております。
  また、下の方に大区画化の効果もありますが、新規整備につきましては地域の農業構造や営農形態が大きく変化します。畦畔除去については、変化はさほど大きくないですが、短期に

効果を実現するという特徴があると思っております。
  3ページでございますが、これは2ページのマル1の新規・再整備の実績でございます。新規・再整備の地区におきましては、担い手の経営面積が約1.6倍に増加しております。また、4分

の1の地区で新たに生産法人が設立されているという状況でございます。
  4ページでございます。
  畦畔除去の取り組み状況でございますが、整備前後におきまして筆数は約3分の1に減少しております。一方で、1区画の平均面積が約3倍まで拡大しているということでございます。畦

畔除去の取り組み形態としましては、平成27年度の実績で、担い手への権利移動を伴う取組が面積比で10%、権利移動を伴わない同一経営体の農地を対象とした取り組みが面積比で90%

ということで、後者の取組がほとんどだったということです。
  5ページは、P2のマル1新規整備の事例でございますが、これは北海道の中樹林地区で、担い手の集積率が94%まで向上しているといった事例です。事業を契機としまして、新たに生産

法人を設立し、小麦、豆、野菜の作付が増加しております。また、戦略作物として新しいスイートコーンの品種を導入して多角的に経営しているという事例でございます。また、余剰労

働力を活用しまして、キャベツの生産量を5倍に増加させ、加工・販売に取り組んで地域の雇用を創出しているということです。
  次の6ページは権利移動を伴う畦畔除去の事例です。
  7ページが、権利移動を伴わない畦畔除去の事例です。この事例が畦畔除去の中で全体の9割を占めていたということです。
  次は8ページです。
  畑地かんがいでございますが、こちらにつきましては水利用の歴史の長い水田と異なって、基幹から末端までの一連の施設の整備が新たに必要になることから、合意形成の難しさがご

ざいます。ただし、地域農業の転換の大きな契機になるということもあり、地域農業の将来構想に対する合意形成を進めながら区画整理、農道整備等と一体的に導入を図っていく視点も

必要だということです。
  下の方は熊本県の事例でございますが、一体的に整備することによって担い手への集積を図っております。併せて、露地みかんの労働時間が低減し、その余剰を活用して収益性の高い

ハウスみかんの生産を拡大しております。
  次が9ページです。
  これは宮崎県の例ですが、ここも畑地かんがいと排水改良、農道を一体的に整備して、干ばつ等の場合も安定して生産できる体制を構築しております。これにより、実需者への安定出

荷が求められる加工・業務用野菜の栽培が増加しているということでございます。
  下の方にありますとおり、従前は飼料用とうもろこしが主でありましたが、ほうれんそうやごぼう等の業務用野菜が増えているということです。
  次が10ページです。
  企業参入で島根県の例ですが、一体的な整備により、特に加工・業務用野菜の生産を目的に農業参入する企業が増加しているということです。
  11ページです。
  ここは観光でございますが、広域農道の整備に併せ、畑地かんがい・区画整理を一体的に整備しております。そういったことで多様な法人向け団地や観光農園団地が形成され、左の下

に記載のありますとおり、目的別に団地化をいたしまして、それによって多様な法人が参入しております。併せて、観光農園、6次化も進めて、地域全体の活性化が実現したという例でご

ざいます。
  12ページです。
  長野県の例でございまして、畑地帯総合整備により、平成10年から19年にかけて整備した地区です。完了の1年前、平成18年から新たに輸出にも取り組んでいるということです。
  13ページは、畑の整備状況をデータで整理したものです。普通畑全体で116万ヘクタールあり、末端まで畑かん施設が整備されているのは24万ヘクタールとなっております。その中で黄

色の部分ですが、区画が整形され、かつ排水も整備され、農道も整備されている部分が約6割ということで、末端畑かんと合わせて一体整備が図られているということです。
  14ページは樹園地です。
  樹園地につきましては特に農道が必要になるわけですが、末端まで畑かんが整備されている部分では約9割弱、農道もセットで整備されております。
  16ページをお開きください。
  農業生産基盤と作物生産量の関係です。今回、一定の前提の基に試算しておりますが、生産量は作付面積に単収を乗じたものでして、そういったことで生産基盤が作付面積の維持拡大

、また単収の維持拡大にどういった効果があるか、このような視点から整理したものです。
  18ページを見ていただきたいと思います。
  水田の場合ですが、汎用化として麦・大豆の増収効果があり、これは単収増につながるものです。また、麦・大豆の作付率も向上しております。これは作付面積の拡大に貢献するもの

です。また、開墾・干拓等で作付面積も増加している。ただ、試算に当たりましては、当然農地転用を見込んで試算しております。また、左の下の方ですが、用水の安定供給による単収

増もございます。また、水田が整備されたことによって耕作放棄もかなり抑制されます。これも作付面積に寄与する効果だと認識しております。
  その上で、16ページの左の方は水田となりますが、作付面積の維持・拡大効果として耕作放棄抑制、開墾・開拓、水田の汎用化による麦・大豆の作付面積の増加、また、単収について

は、水の安定供給による効果、水田の汎用化による効果を見込んで試算しております。畑についても同様でございますが、畑の単収は農道整備による荷傷み防止、また、畑かんによる単

収増を見込んで計算しております。
  後ほど食料自給力指標についてご説明しますが、この指標につきましては、先ほど説明しました効果の中の赤で囲った部分のみが特別に切り分けて計上されているということです。
  17ページを見ていただきたいと思います。
  試算結果ですが、水田の3品目、水稲、小麦、大豆について、平成25年の生産量が948万トンに対して約6割の567万トン、この部分が生産基盤が支えていると考えております。
  同様に試算しまして、19ページです。
  畑については、様々な作物がございますので、単収や作付面積の統計データがあります55種について試算いたしました。平成25年度の生産量1,995万トンに対して761万トンと、約4割を

生産基盤が支えているものと推測できます。農地の整備や新たに大区画を図るという視点に加えまして、既に形成されてきたストックの機能を維持し、現在の生産量を維持していくため

にも、いかに健全に既存のストックの機能を確保していくか、維持していくか、このような視点が極めて重要ではないかと思っております。
  21ページ、食料自給力指標です。その前に、考え方として23ページをお開きください。
  食料自給力指標につきましては、一定の前提の基に試算されております。例えば、イで、必要な労働力は確保されているとの前提になっております。また、肥料や農薬、農業用水のよ

うな生産要素につきましては、十分な量が確保されている前提となっております。また、農業水利施設はかなり老朽化が進んでいまして、これらをいかに保全管理するかということが大

きな命題となっておりますが、これも全て機能が発揮されているという前提の基で指標は計算されているということです。
  21ページを見ていただきたいと思いますが、4期に分けて整理しています。まず、昭和40年から54年ですが、全体として7.1ポイント下がっております。プラス要因として、基盤整備、

単収増、魚介類の生産量の増がございます。プラス要因も大きいのですが、マイナス要因の人口増、農地面積の減が多く、相対的に減少しているということです。
  昭和54年から63年ですが、プラス要因は前期とほとんど変わっておりません。一方で、マイナス要因が前期よりかなり緩やかになっており、相対として自給力指標は上がっているとい

うことです。
  昭和63年から平成5年でございますが、若干単収増の効果が薄れてきておりますが、基本的にはプラス要因は変わらない中で、新たに水産の生産量が大きく減少していることで、相対と

してマイナス3.8%になっております。
  平成5年以降ですが、マイナス要因もかなり緩やかになっておりますが、他方プラス要因もかなり鈍化しており、相対的に減少傾向という関係になっております。
  26ページでございます。
  第1回の部会で指摘を受けまして、災害に強い農村づくりについては、農地・農業水利施設が有する減災機能に着目することが必要であり、施設配置や設計の工夫ということで様々な研

究が進められております。例えば、農地や農業用施設を活用した津波の減勢やため池の防災支援システムの開発、また、ため池の両極端現象、これは豪雨と渇水の影響評価、これらにつ

いて研究が進められているところでございます。
  27ページは、実際に現場で取組まれているものということでございまして、例えば周囲に高い建物がない低平地に位置する排水機場に階段を設置して、避難場所として活用する等、た

め池については、台風時期の洪水調節容量を確保できるようため池栓の設置や、複数のため池を群として捉えて下流の被害防止を図るという取組みが進められているところでございます


  28ページでございます。
  小水力発電です。左の方は維持管理の軽減事例ということでございまして、発電した電気を土地改良施設へ供給しております。また、余剰分を売電して管内の農業用水路の維持管理に

充当しているという例でございます。農業農村整備事業で45地区整備しておりますが、1年間に発電される電気量を売電額に換算すると、全国の維持管理費の約6%に相当するという現状

でございます。右の方は、農村活性化施設へ直接電気を送っているという例です。
  29ページですが、新たな取組みが出てきておりまして、災害時のエネルギー源として小水力発電を活用するといった例も出てきております。
  次が30ページでございます。
  地域社会の視点ですが、近年の農村では下の図にありますとおり、土地・水利用面では農地・農業用水といった農業生産的要素が中心であります。一方で、人の面で見ますと、非農家

が増加して、従来の農業者中心という構造が大きく変化しております。こうした変化は集落の共同活動による地域資源の保全活動、また事業の円滑な合意形成に影響を及ぼすということ

でございます。また、農村は農業生産活動と生活空間が一体の場であるということもありますので、前回、委員から指摘のあったとおり、農業面のみならず非農家も含む地域全体の維持

・活性化という視点が大事だということで考えております。
  32ページです。
  小規模農家等を含めた取組みによる持続可能な農業・農村の実現ということで、当然、担い手へ農地が集積されることに伴い、営農規模を縮小する農家、離農する農家が発生すること

になるわけです。また、集落人口・農業就業人口が減少する中で、非農家も含む担い手以外の方々も地域の中で役割を持って、地域全体で持続可能な農業・農村の実現につなげていく必

要があると考えております。
  例えば、集落営農組織、生産法人への参画による地域一体となった営農、また農地・農業用水等の保全管理への参画、こういったことを通じて、地域全体で雇用・所得を増大する視点

も大事だと思っております。
  右の方にありますとおり、集落営農、生産法人に参画して直売、6次産業化、こういったものに参画ということもあり得ると思っております。33ページが、これらの取組を展開していま

す滋賀県の事例でございます。
  最後、34ページです。地域の特性に応じた整備の推進ということで、これについては多くの委員からご意見をいただきました。平地や中山間地域において目指す農村の姿は様々であり

、また、先ほど局長のご挨拶にもありましたとおり、農村の振興は個別の事業のみによって実現するものではなくて、複数の施策を適切に組合わせることによって実現が図られるだろう

ということです。これらを踏まえ、複数の施策を組み合わせた農業・農村振興ビジョンを提示したいと思っています。これは閣議決定の土地改良長期計画の発表と併せて、こういった複

数のモデルも提示したいと考えております。
  目的・位置づけの部分に書いていますが、農業農村整備事業を中心とした複数の施策を組み合わせたビジョンを考えております。また、提示する姿といたしまして、その発展に向けた

道筋を提示したいと思っていまして、その際、政策同士の関連性についても可能な限り記載したいと思っております。
  また、35ページ、今考えているモデルのイメージですが、平地と中山間、産業政策と地域政策のバランスを考慮して、今後の部会で議論を深めていただければと思っております。
  引き続きまして、今回の台風第18号の状況について簡単に説明させていただきます。

○鈴木災害対策室長
  災害対策室長の鈴木と申します。
  では、参考資料2でご説明いたします。
  平成27年台風第18号による被害の概要と対応ということでございますが、既に報道等でご案内のように、9月7日に発生した台風第18号によりまして、10日、11日あたりが台風被害の発

生ということで顕著でありましたけれども、特に栃木県の北部で1日で500ミリを超える大変な雨が降りまして、その雨が鬼怒川の方に集まりまして、下流の茨城県で堤防が決壊して大変

な水害になったということでございます。
  また、茨城県に限らず栃木県あるいは宮城県の方でも大きな被害がありまして、宮城県では国営のポンプ場が故障したということで、そこに農政局が緊急のポンプを持っていきまして

、徹夜で運転をして1日で水位を下げたというようなことで活動しております。
  真ん中に表がありまして、被害の概要とありますが、これは既に数字が古くなっておりまして、昨日の途中結果でいいますと、農地・農業用施設の被害の合計で既に100億円を超えてお

ります。これは、災害の被害の調査というのは通常1カ月程度かかりますので、まだまだ被害は増えると思っております。
  それから、今回、特に顕著な被害があった茨城県常総市の浸水範囲ということで図面がございまして、破堤した箇所から徐々に下流の方に水が回っていったわけですけれども、私も11

日金曜日に政府調査団に加わりまして、ヘリコプターで上空から見ましたが、一面泥の海というような状況で、赤澤副大臣が団長だったのですが、常総市役所の方に行ってくれというこ

とで市役所の方に行きましたら、市役所が水没しているという大変な状況でございました。
  それから、今週の月曜日、14日に私も含めた農政局職員で現地の調査をしてまいりまして、その写真を付けてございます。当日、まだ行方不明者15人という報道がありまして、自衛隊

が行方不明者の捜索をしているという緊迫した状況の中で、限られた時間でしたけれども、農地・農業施設の状況を調査してきたと。破堤したということでバツ印がありますけれども、

堤防が壊れたところの下流は、まさに東日本大震災の津波の被災地のような状況でございまして、農地も厚く泥をかぶっていたということですけれども、少し下流の方に行きますと、余

り被害の状況というのは甚大ではなくて、水路がちょっと流されたとか、それから農道のアスファルトが剥がれたとか、そういった程度でございました。
  ただ、茨城県からの報告によりますと、この地域、国営事業の受益地でもありまして、低平地などでポンプの数は多数ございまして、そういった小さなポンプが100台以上、今回の水害

で故障したという報告がございます。
  それから、一番右下に田んぼの稲が泥水をかぶっている写真がございまして、今回特徴的なのは、稲刈りの前後にこういった水害がありまして、稲の被害が甚大であるということでご

ざいます。
  それで、今回、鬼怒川等、国土交通省自らが管理する堤防が決壊したわけですけれども、これは1986年の小貝川の決壊以来、約30年ぶりのことでございまして、まさかそういった堤防

が決壊するとは地域の方々は思っていないんですけれども、想定外ということは、これは使ってはいけないということなので、地球温暖化といいますか気候変動の影響で、昨年の広島の

土砂災害も含めて、従来想像できないような集中豪雨がありますので、そういった場合に、例えばこのような主要な河川の決壊といった事象に対して、災害に強い農村づくりという観点

でどういった土地利用計画を作るとか、そういった対策がこれから考えなければいけないのかなということで大変難しい課題ですけれども、今回も被災地が特に茨城県ということで、委

員に茨城大学の毛利先生がいらっしゃいますけれども、防災に強い毛利先生ですので、ぜひ現地をくまなく調査していただいて、ご提言をいただければと思っております。
  以上でございます。

○渡邉部会長
  ありがとうございました。
  事務局から前回の指摘事項への補足説明と、今回の災害についてご説明いただきました。
  前回は、これからの事業のあり方、あるいは長期計画の検討に当たって、これまでと今の動きをレビューしていただいた資料を出してもらい、私ども委員の方から意見を提出させてい

ただきました。今のご説明は、それらへのレスポンスも含めて改めて整理していただいたということかと思います。
  また、時間の話を申し上げて恐縮ですが、今から50分ほど今の2つの説明につきまして、皆さんからご意見をいただきたいと思います。なお、委員と事務局との単なるQ&Aではなく、少

し委員同士の意見交換もあってもいいかなと常々思っております。時間が限られていますので、そのようにうまく進行できるかどうか分かりませんが、そのようなことも少し頭に入れて

進行させていただきたいと思います。
  それから、広く皆さんからご意見いただきたいことから、その辺もご配慮いただいてご発言いただきたいし、またご発言をお願いするかもしれませんので、よろしくお願いしたいと思

います。
  では、どなたからでも、ただいまのご説明についてご意見、あるいはこれ以外の件で関わることでも結構かと思いますが、ご発言いただきたいと思います。
  では、河野委員、お願いします。

○河野委員
  ご説明ありがとうございました。
  私は、前回欠席をしてしまいまして、ここで皆さんどんなご議論をされたのかと思っておりましたが、今回整理していただいたような内容で色々意見交換がされたということで、それ

を前提にして、先ほどご説明いただきました資料の1に関して、私が思ったことをお伝えしたいと思います。
  一番私がこの資料の中で感じて、ここで渡邉部会長が今おっしゃったように意見交換のテーマとなるかなと思ったのは、この整備事業の推進の原動力、つまり主導するのは一体誰なの

かというところを非常に資料から感じたところです。
  例えば、水田にしても畑地かんがいにしても、それぞれここには様々なグッドプラクティスといいましょうか、成功事例が効果も含めて記載されています。こういった上手くいったの

は誰がどのように関わったのか、これを進めるために誰が大凡の計画の主体を立て、長期間、地域をまとめ、最終的にこのような効果を導き出す、その推進する原動力はどこにあったの

かなと感じたところです。
  地域の中に、国ではこういった大きな農業政策を立てて、恐らく都道府県まではしっかりと下ろしていくと思いますが、それぞれ対象になった地域にそれがどのように下りていって、

特に今回、水田でいえば、水田の阻害する要因として権利移動等がありますよね。権利移動が伴うとやはりなかなか地域の整備というのは進まないと。それから、畑地でいえば、恐らく

コストの問題だと思うんです、非常にコストがかかると。それらを共通のこの地域における持続可能な農業の維持推進、それから地域コミュニティの維持、そういったことをみんなの共

通の目標としてコンセンサスをとってやっていく原動力はどこにあったのかなという、そういったことがわかるといいのかなと感じました。それが1番です。
  それから、3番目のテーマとして、整備事業と食料自給力との関係性を分析していただいていますが、そこのところはこの施策の有効性というか、評価のためには大事な視点だとに思い

ますが、この整備事業とそれから食料自給力との関係・関連を整理したものは、一体誰に向けて私たちはこれを確認しているのか。また、これもそうなのですが、誰に向けて分析・整理

しているのかというところがちょっと分からなかったところです。
  減災とそれから発電に関しましては、これは私も地域社会における産業振興以外の日々の暮らしそのものに役立って支える機能へフォーカスをすることというのが非農業者の方にとっ

てみても、それから高齢化、少子化、労働力に不安を持っている農業者の皆さんにとってみても、この整備事業といいましょうか、暮らしのインフラにも関わる整備事業が進められると

いうことが非常に心強いものになると思いますので、こういったことに関していうと、エネルギーの地産地消、それから減災への取組みというのがここでも重要な課題になると感じまし

た。
  うまく言えませんが、最後の方でお示しいただきました、今後に向けて複合的なプランを幾つか提案し、地域の特性に応じて選択していっていただくような提案にするというお話でし

たけれども、考え方は賛成なんです。では、主導するのはどこで、責任を持つのは誰で、こういったことが地域にしっかりと施策として根づいていくことを、この審議会でいえば期待す

ると思うのですが、期待するのは誰で、期待されるのは誰かという、そのあたりの主体を整理していただければなと感じたところです。
  以上です。

○渡邉部会長
  ありがとうございました。
  少し何人かの方からご意見いただきましょうか。近藤委員、お願いします。

○近藤臨時委員
  意見で、河野さんの話題とは関係なくてもいいですか。

○渡邉部会長
  結構です。

○近藤臨時委員
  拝見しまして、2点です。
  1点目です。大区画化の状況のデータを見て、前回も私、この策定に関わったので、畦畔除去の目標に対する実績がかけ離れているのにちょっとショックを受けた次第ではあります。た

だこれからのやり方としては2ページにあるように、地域の意向も踏まえながら、大区画化への移行が容易な水田がある地域を中心に引き続き推進することが重要というのは、そのとおり

だと思いますので、次期計画でもここは堅持していただきたいと思います。
  ただ、どうなんでしょう。特に畦畔除去は色々な事情があって、例えば権利関係が難しかったり、利用者の農地が隣り合っていない等、様々な事情が多分あると思うのです。今後5年間

を展望すると、期待どおり農地の集約化が進むのかとか、あるいは離農する方が増えて、そういう意味でも集約化が進むとかということを考えれば、私自身はもうちょっとここの数字は

伸びるのが期待できるのではないかなと思っています。ここは引き続き期待したいなと思っているのですが、もし私の認識や見通しが間違っているなら、違いますよということを教えて

ください。
  それと、2点目。産業政策と地域政策をしっかりやろうというところ、これは賛成です。この役所というか、ここの局は地域政策的なことは、中山間の直払いとか、そういうのも含めて

きめ細かいことをたくさんやられているので得意な分野だと思うのですが、産業政策的な部分はどこまで打ち出せるのかということなんです。できるだけ出していただきたいなと思いま

す。
  産業政策的なこととは何かというと、コスト削減を図るための手助けをする、あるいは企業や個人に限らず投資しやすい環境を作るということ、そういうことだと思うのです。もう少

し砕いて言うと、民間資本あるいは個人の資本をどのようにして農業という産業として受け入れられるようにするか、促していけるかということを書くということになると思います。そ

れはできるだけそうしていただきたいと思います。
  それで、民間資本との関係で、これは質問になりますが、10ページにあるようなことが進むのならば産業政策的なことの一つの代表的な例として、なるほどということが言えるんだと

思います。
  ただ、この事例で教えてほしいのは、農道整備などを一体的に行うことによって農業参入する企業が増加したと、どういう効果が生じて、どういう経路を通じてそれが企業の意思決定

に波及したのか、その因果関係がよく分からないので、説明してもらえると産業政策的なことのイメージが湧くのかなと思います。

○渡邉部会長
  ありがとうございました。
  では、もう一方。小田切委員、お願いします。

○小田切委員
  小田切でございます。
  今回、初めて委員を仰せつかったということもあり、あるいは前回欠席したこともありますので、既に議論が大分積み上がっているようであります。その意味で、今の議論のいわば延

長線上に2点、あるいは議論の幅を広げるという意味で2点、併せて申し上げてみたいと思います。
  まず1つは、大区画の議論がある訳ですが、これは議論の中身を聞いていても、そもそもそういうニーズが低かったのか、そのことによって進捗状況が低いのか、そうではなく、ニーズ

はあったけれども、事業的あるいは制度的な、場合によったら技術的な、そういう問題があって、そのニーズを十分応えられなくてこういう状況になったのか、この峻別がよく分かりま

せん。
  恐らく、この峻別をするというのはとても大切なことであって、例えば前回の長期計画は当時の民主党政権の基で比較的高い自給率目標、それに応じたものであったという、そんなこ

ともありますので、当然ニーズとの関係というのはそういう部分が出てくると思います。その意味で、大区画の問題は今申し上げたようなニーズとの関係をきちんと整理していただくと

いうのが一つのポイントではないかと思います。
  そう考えると、少し大区画から外れるのですが、いわゆる小規模土地改良、地域によっては「まち直し」や「田直し」、「田まち直し」等色々な表現がありますが、あるいは場合によ

ったら自力土地改良をやられているところもありますが、とりわけ中山間地域ではこういったもののニーズは非常に高いものがあるのだろうと思います。ところが、今回の議論の中では

こういったものが入っていない、これらをどう考えたらいいのか。いずれにしても、ニーズベースで整理していただくというのが1点目です。
  それから、2点目は、論点の後ろの方に産業政策と地域政策のお話がありました。これは近藤委員もおっしゃったことですが、実はこの産業政策と地域政策という切り分けは、かなり農

林水産省独自のものであって一般的な用語ではありません。多分、これが出てきたのは2006年の経営所得安定対策大綱、この時に品目横断型と農地・水・環境保全向上対策、これが車の

両輪だということで今の産業政策と地域政策という言い方になったと思うのですが、試しにネットで検索いただくと分かるのですが、産業政策と地域政策で検索していただくと、農水省

内部のサイトしか出ないというのはちょっと大げさですが、そういうものであって一般化していないんだと思います。
  その点で、これをどのように捉えるのかというのはきちんと議論した方が良さそうだと思います。恐らく、意識の中にはこの産業政策と地域政策がある種の補完関係にあるという、そ

ういった発想もあるんだろうと思います。私は、車の両輪というよりもむしろ補助輪化しているという、そんな批判もしていますが、いずれにしてもそういった捉え方が一つ。もう一つ

は、両者が拮抗しているという捉え方です。これは、本来は産業政策と社会政策という表現で一般的には論じられます。これは両者が拮抗しているという考え方に基づいて、むしろこち

らの方が一般的です。
  私は多分この両者ではなくて、食料・農業・農村という言い方をした場合に見方の違い、つまり産業政策の内部を見るのが農業政策であって、産業政策の外への広がりを見るのが地域

政策だと、つまり両者同じものを見ているという、見る角度が違う、あるいはスケールが違う、そのように捉えるべきではないかと思います。
  そうなると、産業政策と地域政策の連携という言葉自体がおかしい。つまり、一つの政策を別の見方をしているわけですから、そのような結論も出てきて、このあたりの理論的な整理

といいましょうか、この部会だけではなく、恐らく農村振興局全体だと思いますが、そんな整理が必要だと思います。
  簡単にあと2点、幅を広げるという意味で3点目になりますが、実はこの部会に参加するのは私、初めてではありません。2000年代初頭にも臨時委員として参加したのですが、その時に

はたしか平成13年の土地改良法改正による環境配慮規定、それに基づく計画を立てた、そんな記憶があります。ところが、今回どうでしょうか。環境配慮の規定が必ずしも全面的には生

きていないように思います。工事の際の環境配慮、もちろん景観という意味での環境配慮、ここの部分はある種の今後の地域社会あるいは日本の社会を考えると肝だと思いますので、こ

の環境配慮規定についてもっと議論すべきではないかと思います。
  それから、議論を広げるもう一点は、人口減少社会についてです。委員の中にご発言があったと聞いておりますが、やはり2020年を超える目標となると、激しい人口減少が起こること

は間違いありません。私どもは低密度居住地域構想と言っていますが、より人口密度が低い中で農業・農村をどのように維持していくのか。当然、農業的には生産力の向上・省力化とい

うことになるでしょうし、農村的には生活をどのように維持するのかということになろうかと思います。
  いずれにしても、細かい論点について、今は申し上げませんが、ある意味で人口減少社会ということをもっと強烈に意識した、そんな計画づくりを目指すべきではないかと思います。
  以上でございます。

○渡邉部会長
  ありがとうございました。
  少しここで整理させていただこうと思うのですが、この資料について、皆さんの関心の高かったと私が想像するのは資料の2ページ、10ページ、大区画化と簡易な整備の関わりの部分と

、それから企業参入のことです。これについてご質問やご意見があったら関連してお受けしようと思うのですが、どなたかいかがでしょうか。
  では、岡本委員。

○岡本臨時委員
  私のところもこれと全く同じような形態でやっています。企業も今、3社入っているのですが、10ページの穂日島ですか、土地改良をやって97ヘクタールあるわけですね。実際に企業が

35ヘクタール作付しているというような資料かと思いますが、そうなった場合、地元との関わりがどういう形になっているのかということを思いました。私のところも今、約200ヘクター

ルあるのですが、そのうちの1割、20ヘクタールを企業に貸して、残りの9割を地元でうまく企業との間でやろうということで今、取組んでいるわけなのですが、これを見ますと、かなり

企業の参入の比率が大きいものですから、地元の農業と企業とのギャップが出ないかなと思って心配しているのですけれども。

○渡邉部会長
  ありがとうございました。一部質問もあったと思うのですが、ほかに関連していかがでしょうか。よろしいですか、今の点。
  事務局から回答をいただいて、その上でまたご意見いただきたいと思います。地域政策、産業政策、車の両輪というのも私も発言してきておりまして、皆さんもご関心あると思のです

が、基本的な考え方は小田切委員から少し検討すべきだというご指摘がありましたけれども、この辺いかがでしょうか。私もこの間、車の両輪という表現をよく使うけれども、それぞれ

認識が違うと思います。私はスクリューの二枚刃のようにという表現もしましたが、現場で実際に事業を展開する中で、地元の方は地域政策を産業政策として生かしていったり、その反

対もあったりという、具体的な展開もありますよね。そういう中で、両方バランスよくというのがポイントかなと過去に発言してきのですが、いかがでしょうか、皆さん。
  では、森委員。

○森臨時委員
  ありがとうございます。森でございます。
  小田切先生がおっしゃっていること、非常によく分かります。35ページの産業政策、地域政策を縦軸で、分類というか方向性を持っているところに少し違和感を感じて、混沌と両方混

ざっている部分を、無理して分けないような表現の仕方で提示する方がいいのではと思いました。確かに両輪ではあると思うのですが、実際にそこで生活している農家の方たちは、2つに

分けて考えていないのではないかと思います。そこをもう少しうまく表現して、地域の特性に応じた整備の推進という目的に向かって、表現できないかということを考えるべきだと思い

ました。
  35ページの一番最後の右下で「よそ者を含む多様な主体の参画による」というのは、表現されたいことは非常によく分かるのですが、「よそ者」という言葉をあえて使っていいのだろ

うかという違和感は少し思いました。
  他の委員の方もご指摘されていましたけれども、資料を拝見していて全体的によくまとまっていると思いますし、非常に見やすいです。けれども、資料としての見やすさ、整頓のされ

方がうまい反面、専門家の方が専門家の方に分かるようなつくり方になっている傾向が、前の長期計画のときよりも強くなっていると思います。例えばやぼったいけれども、ポンチ絵が

あって、農業の多面的機能がわかるような表現を国民に向かって言うというようなアプローチは1カ所もないですね。これは河野委員がおっしゃったように、誰がご覧になって、誰が理解

して、何を言いたいかという最初の部分を、もう少し詰めてから作ることも必要ではないかと思いました。
  一番言いたいのは、汎用性とそれから食料自給力の関係だと思います。汎用性を理解していただかないと、自給力の向上が大切だと国民に意識いただくきっかけになりません。汎用性

という言葉を少しは分かるつもりで何となく今までも聞いていたのですが、実際、国民の方が汎用性といった時に分かるのでしょうか。自給力の考え方に対して、難しいということで、

農家の方から何を言っているか分からないというご批判の声を、基本計画が出てから随分と色々な農業地帯に行く度に、北海道だけではなく多くの府県でも聞きました。誰が何を分から

ないのか、そのためにどうアプローチするかということに立ち返ったところから議論を始める必要があるように思いました。
  以上です。

○渡邉部会長
  ありがとうございました。
  では、事務局からレスポンスいただこうと思うのですが、今の資料自体はまだ内部向けですよね、審議会向けなのですが、これからどうするかについて、分かりやすさの発信は大事な

ポイントなので、事務局からもご意見いただきたいし、後で是非小谷委員からもご意見いただきたいところです。
  それから、河野委員のご発言ですが、これまでの事業の上手くいっていた原動力としての誰がどう働いてきたかというところははっきり整理しなければいけないというのは、その質問

の背景に、「これから先はちょっと心配」というようなこともお持ちでそのように発言されているということですか。

○河野委員
  これから先に心配というよりは、今ここで施策を打って、コストもかけて、それで結果として出てきて、ここに取り上げられたところはいわゆる効果があったと、水平展開をすべき非

常にいい事例ですと。これを各地域の農業者の皆さん、各地域の皆さんが理解して、自分のところでもこういった将来像を描いてやっていきたいなというところまでは共感が得られると

思いますが、これはやはりなかなかここにきれいに整理されていない裏の話があると思うんですね。先ほどのイオンさんの農業への参入に関しても、企業の経営方針もあったと思います

が、自治体との間で企業が合意を得るには背景が非常に複雑なものがあったと思うんです。
  ですから、ここに1枚にまとめられるとすごくスムーズにここまでたどり着いたような気がするのですが、本当はその後ろにある様々なご苦労ですとか経緯等がもう少し分かるような形

でないと、これを拝見した、こういう良い事例を自分の地域にも導入しようと思っている方にとってみても、ただの絵に描いた餅でしかないのはもったいないという思いで先ほどの発言

をしました。

○渡邉部会長
  ありがとうございました。
  少し私が余計なことを申し上げたところもありますが、事務局の方で何か、幾つか質問がありましたし、ご回答いただくなり、お考えがあったらお願いします。

○原川計画調整室長
  先ほどの河野委員の、誰が原動力かというところは極めて重要だと思っています。今回、事例を示しましたけれども、最後の方でモデルを示したいということで、ちょっと言葉足らず

ですが、道筋を示したいと思っています。それはどういった政策を使って政策同士の関連性だけではなくて、その過程において誰がどのような汗をかいたのか、こういうことも分かって

、それを地元の人が見て、ああ、こういうことなんだな、では、目指そうかという形になるようにやっていきたいと思っています。
  それと、国民の理解のところですが、食料自給率との関係で森委員や河野委員から言われました。前回、中嶋委員から食料自給率の関係の分析のコメントがございました。分析しよう

としたのですが、やはり品目ごとの生産、これは色々な要因があります。それから、消費の関係もあってなかなか関係の分析は難しかったところです。ただ、今回初めてこのように今の

生産量をどの程度農業生産基盤が支えているのかということを試算しました。この試算が出て、これは部会用に説明させていただきましたけれども、これを用いて国民に分かりやすい形

で情報提供しなければいけないと思っています。長期計画をつくっても、これを達成するにはやはり国民の理解がないといけないと思っていますので、そういった点は大事だと我々も思

っています。

○渡邉部会長
  それ以外にも、先ほどの10ページの事実関係の部分や大区画化の話についても、ご回答いただけるところがあればお願いします。

○原川計画調整室長
  分かる範囲で回答いたします。近藤委員から、大区画化の畦畔除去のお話がありました。簡単に言いますと、実績に対してニーズはかなり多いというのが一つ事実でございます。
  そういったことになれば、当時の目標値がどうだったかという議論が出てくると思います。先ほど小田切委員からございましたとおり、当時の上位目標、当時は食料自給率50%という

目標を掲げておりました。それから、当時は平成28年までの計画期間として、平成23年度に策定、検討したのですが、5年間で集積を8割という目標がございました。今回はそういった前

提となる目標は変わっていますので、これらも踏まえながら大区画化をどの程度進めていかなければいけないのか、その上で畦畔除去と新規整備をどのようなバランスでやっていくのか

、そこは中間管理機構も設立されましたので、今回、実績で畦畔除去のマル2のケースが少なかったといったことも踏まえてしっかり検討していかなければいけないと思っています。

○渡邉部会長
  よろしいでしょうか。
  それでは、先ほどの議論に関連していても、また全く違う課題でも結構ですので、引き続き委員からご発言を求めたいと思います。いかがでしょうか。
  では、石井委員、お願いいたします。

○石井臨時委員
  まず、35ページで、左上、モデルで5ヘクタール以上の巨大区画化に合わせて100ヘクタール規模の大規模経営、これは重要なことだと思うのですが、現実には100ヘクタールを超える形

態というのは3反区画でもあります。1ヘクタール区画でもあります。ただ、従業員をたくさん雇っていて、1人当たりにすると10町歩とか15町歩ぐらいのところで留まっていて、十分なコ

スト削減になっていない。だから、1人当たりの規模を拡大することが必要で、そのためには5町歩が必要だということです。ですから、1人当たりの規模というのが重要です。
  それから、畦畔除去の話と大区画化の話で、2ページのところでお話がありましたが、簡易な整備や再整備をしていくということは、基本的には3反で整備された地区の話だと思います

。ここでは左側のグラフで出ている53万ヘクタールというところだと思うのですが、先ほどの5ヘクタールの巨大区画化の対象地は中山間でできる話ではないですから、ここが有望な地域

になっていくだろうと思います。
  それで、この地域で現在実施している再整備あるいは畦畔整備ですが、それぞれ難しいところがあります。再整備は事業費が高いことです。1反当たり100万ないし150万かかっています


  それが何故かというと、これは10ページを見ていただくと、右側に水田と用排水路のレイアウトの絵がありますね。この赤い線が用水路で、青い線が排水路で、これは畑ですが、日本

の3反区画は大体このような形で水路がレイアウトされています。
  再整備の場合は畦畔除去だけで大区画化するのではなくて、この用水路や排水路も、用水路はパイプライン化しあるいは排水路はコンクリートライニングする等して、そこでお金が掛

かってくるわけです。畦畔除去や簡易な整備の場合は、水路の整備というのは基本的に実施しないため、そこで大きく価格が変わってきて、100万も掛からない、50万ぐらいで実施できて

しまうというようなことになるわけですね。
  ただ、簡易な整備の場合、何が問題になるかというと、このエリアの中にまだ小規模でやりたいという人が残っているのです。畑をやりたい人も残っているし、色々な人が残っている

わけですね。そういった人たちの営農、整備も含めた事業を組んで調整していって耕作地を1カ所に集めてもらわないと、ここを大きい田んぼにしましょうといってもなかなかできないと

いうことがある。これが畦畔除去の難しいところですね。全面的に集積が進んでしまったところであれば全面的に畦畔除去できるのですが、そうでなければ、畦畔除去というのはあるエ

リアの中の一部に留まってしまうということになります。
  私が5ヘクタールでとお話ししているのは、この赤い線で囲まれたところが3反の場合だと6ヘクタールの農区になるわけですね。そこで、今お話ししたように小規模農家とも調整を組ん

で、きちんとゾーニングできれば、水平に横向きに書かれている赤い用水路あるいは排水路というのは、1枚1枚も一番小さい田んぼに水を配るための水路ですから不要になってくるので

す。排水路についてもそうです。
  ですから、用水路はそのまま放置しても構わないし、あるいは埋めてしまって農道で拡幅しても構わない。排水路についても、もちろん暗渠が入るから暗渠用の集水管は必要ですが、

それ以外は全部埋めてしまって構わない。そうすると、かなりコストが安くなります。現在の再圃場整備事業よりもかなり安くなるはずと思います。
  さらに、そのように用水路、排水路をなくすことで、今度は整備した後の維持管理であるとか補修、そういったものに要する費用がかなり安くなるはずです。少数の担い手でこれ全部

管理できるようになります、水路が無くなるわけですから。そういったことを考えていく必要があるだろうと思います。つまり、地域で、例えばこのエリアの中で小規模農家も含めた営

農計画あるいは土地利用計画を立てて、それを集団化していって、それぞれに見合った整備をしていくということが、先ほどの53万ヘクタールの30a整備済み地区については重要になって

いくのではないかと思います。
  以上です。

○渡邉部会長
  ありがとうございました。
  ほか、いかがでしょうか。
  では、武山委員、どうぞ。

○武山臨時委員
  ただいまの大区画のお話を引き続きちょっとしたいと思うのですが、私、現場に入っていると、やはり新規の圃場整備事業等でも、まだ5反区画が実現できないと、やはり3反でいくん

だという現場がまだ残っているわけですね。ただ、これを否定的に捉えるべきなのか、また違う見方もあるのではないかという気がしています。すなわち、今、石井委員からもお話があ

ったように、現場には様々な営農意向を持った農家さんがいらっしゃって、それを一気に1人の農家さん、2人の農家さんに集積しようということはやはり現実に難しいというケースがあ

ります。ですから、そういった小規模で残りたいという農家さんも巻き込みながら合意形成をして圃場整備にこぎつける戦略として、まずは小区画でも整備し、段階的に畦を抜くと大区

画になるというような圃場整備のあり方というのを戦略的に捉えるという方法も重要ではないかなと思っています。
  その際に、例えば将来の大区画化を見越して通作道は大区画圃場に見合う重機、機械が通行できる幅員に既に整備しておく、大区画化した際に水路を撤去しやすい構造にしておく、配

置にしておく等、そういったことで合意形成の手法として段階的にフレキシブルに圃場の区画を変えていけると、こういった考え方も新しい時代に必要かなと思います。要は、時代とか

地域の変化に応じて農地の利用方法をフレキシブルに変えていける、大きな意味での汎用性を持たせた圃場整備、こういったことが、一つの考え方として、地域、現場を見ていると、あ

るのかなと思うところです。
  もう一つ、大区画の話とはもう一つ別の話を発言させていただくのですが、やはり中山間地域の問題を前回の委員会でも発言させていただきました。別の参考資料の1にも、前回の委員

会で、部会で出ましたその他の意見についてもまとめがありますが、例えば参考資料の1の2ページで、地域特性に応じた整備の推進といったところに中山間地域の農地をどう守っていく

のか、平地との格差がまだ埋まっていないというような意見のまとめがあります。確かに平地と中山間地域というのはそもそも地形が異なりますので、労働生産性が大きく改善されない

というのは、これは自明でございます。その部分を多面的機能支払い等で補助されているという状況だと思うのですが、もう一つ非常に重要な観点として、労働環境としての危険性が排

除されていないという現状があると思います。
  すなわち、皆さんもご承知のとおり、農作業における死亡事故、これがまだ減少できていない。ほぼ横ばいの状況で、年間、農水省さんや何かもデータを取りまとめられていますが、

300人以上の方が農作業中の事故で亡くなられるという現状がありまして、特に中山間地域の傾斜地では、そういった労働環境の改善が行われていないという現状がございます。もちろん

、耕運機の横転等が主な原因ですので、生産者の方の単純な操作ミスということもあるとは思うのですが、我々基盤整備に関わる者としてよく言われるのは、やはり機械と基盤のミスマ

ッチ、機械の大きさに対して道路の幅員が十分でない、車道が十分でない、こういった現状がいまだに残されているということがあるわけでございます。
  これに対して基盤整備というのは、農地での農作業の安全性を格段に向上させる極めて重要な役割を担ってきたと思います。やはり圃場整備が入ったところは十分な道路の幅員、のり

肩の補強、様々な面で農家さんの安全性を保証するような設計基準というものがきちっと規定されているわけです。しかし、やはり未整備のところで極めて危険な労働環境が残っている

と。例えば、建設業や何かでも同様に、人が野外で体を使って作業されて、けがのリスクも高いような仕事ではありますけれども、こういったところでは労働安全基準法とかそういった

ものがきちんと適用されますので、事業者の責任で労働者の安全確保といったことが措置されてぐっと死者数というのは減ってきているわけです。まだ農業の世界は応えられていないと

いうことに、何とか次の長期計画の中で盛り込んでいかれないのかなと思います。
  私自身も棚田に学生を連れていって、調査させていただくお礼に草刈りを一緒にしたりすることがあるのですが、作業自体が極めて危険なんです。学生にはヘルメットを被らせて、私

は一日中草刈りをしている現場をぐるぐる回りながら注意を呼びかけながら、けが人が出ないようにという配慮をして、ようやく素人に草刈りがさせられるような現場なわけです。まし

てや、例えば都市農村交流等で、これから定年帰農で農作業に戻ってこられる方、新規就農者で本当の素人の方が中山間地域の農業の担い手として期待されていることを考えますと、こ

れらの方が安全に農作業ができる環境を整備していきますよという方向は非常に重要だと思います。
  具体的には、例えばそういう死亡事故が起こっているような現場をきちっと精査して、どういう基盤条件でそういうことが起こりやすかったのか、では、次の長期計画ではそういった

基盤条件を解消する目標を設定していきましょうと、そういった方向性も具体的にはあるのではないかなと感じております。
  すみません、意見でした。以上です。

○渡邉部会長
  ありがとうございました。
  他にいかがでしょうか。では、沼尾委員、お願いします。

○沼尾臨時委員
  すみません、今回初めて参加をさせていただいたのと、私は必ずしも農業が専門ではございませんので、そういう意味では若干的外れなコメントになってしまうかもしれません、気が

ついたことを申し上げたいと思います。
  10ページで、先ほどからも出ているイオンの取組みの事例があります。私は地域政策のことを財政の観点から普段考えていますが、この資料を見た時に、例えば元々その地域で農家の

方たちがグループを組んで農業の生産をやるということと、こうしたいわゆる大規模資本が入って農業をやるという場合の基盤整備というものを、大規模化するというところで、並列し

て書かれていることについて大変違和感を覚えました。
  例えば、商業政策を見ましても、個店が集まって商店街をつくっているところでの買い物と、大規模なこのようなイオンさんが郊外にお店を出しているというところで、大規模なとこ

ろができれば当然売り上げが上がっていくので、駅前の商店街はシャッター街になっていくと。ところが、そこで今度イオンが撤退してしまうと、近くに買い物ができる場所がなくて買

い物難民になっている等が各地で問題となっていて、こういった商業ベースでみても、商業資本というのは当然そこの土地と資本と労働力を活用して利潤を上げていくということを考え

ているわけです。そこで地域の消費者の買い物の環境をどのように整えるかといったところを一体的に考えて、その地域の生活と生産の環境を整えるということが恐らく地域政策という

ものを考えるときに非常に重要になってくるのだと思います。
  それを農業という分野で考えていったときに、ちょっと分からないので、むしろ教えていただきたいところですけれども、このように大手の企業さんが入って大規模に開発というか農

地を整備するというときに、やはり個別の農家さんが整備する場合と同じように圃場整備については補助金を出しておられるのかというようなところと、逆にこういった整備をしてこら

れたときに、当然、農業・農村にはさまざまな公益的な機能があると。地域の色々な環境を守るとか伝統文化の保全だとかいろんな機能があるという時に、そういったところにも配慮し

た形で企業さんの側が地域で農業を担うというところについて、どのように地域と共存できるような関係を築けるのかといったところがすごく重要になってくると思いますが、その配慮

が行われているのかということが気にかかります。
  そう考えたときに、大規模化をして生産性を上げて、カロリーベースで一定の国民を飢えさせないということは非常に重要だというのはよく分かるのですが、その時の大規模化、効率

化というのをどのようにしていくのか。もう片方でその地域の暮らしですとか環境あるいは関係性ということを残しながら維持していくのかというところが課題になってくるのだろうと

思います。そこを、両立できる仕組み、あるいは基盤整備のあり方、補助の出し方が問われてくるだろう思いまして、それが議論できればいいと思いました。
  あと、もう一点は、これも素人の質問で恐縮ですが、大区画化ということが挙げられていますが、色々な地方の中山間地域に行きますと、およそ大区画化できないというところは多々

あって、これは先ほど小田切先生もご指摘されておられましたけれども、そういった状況を考えた時に、それぞれの地域特性に合った適正な規模だとか、あるいは先ほどから意見が出て

いるように、それぞれの地元の担い手の方がどのような農業をやっていきたいのか、それがその地域の土地の状況だとか環境だとか、その地域の特産物みたいなものの生産とどうマッチ

するのかという観点から多分基盤整備というのが求められるのだと思うんですが、これでいうと、とにかく平場を大区画化して効率化しましょうというところだけが強調されているよう

な印象を持ちまして、本当にこれでいいのだろうかというのは、これから本当に人口も減ってきて、そもそも食料のニーズ自体もちょっと減ってくるかもしれないという中で、あるいは

今、海外から色々人が来られて日本の様々な農産物を食べると思うのですが、その時に本当にその地域に合った多様な食べ物があるということが大切ではないかと思います。イタリアな

どはその典型で、地域特性を生かした農業と食文化があり、それが色々な地域を訪れようとするきっかけにもなると思うのです。大区画化して、ある意味そこに合った画一的なものをど

んどんつくって、カロリーベースを確保できればいいというようにも見えてしまっていて、本当にこれで大丈夫なのかなというのはちょっと心配になったということです。

○渡邉部会長
  ありがとうございました。
  初めの石井委員と武山委員からは、圃場整備の具体的な、特に技術的な課題も含めて整理した上で、進め方の制度の段階性、戦略性のフレキシビリティについてのご提案もあって、検

討していくことになろうかと思います。それらについて、今の沼尾委員のご質問を含めて、事務局で今、ご回答いただくことがあったらお願いします。

○原川計画調整室長
  1つの例でございますが、35ページの一番左のケースを見ていただきたいと思います。5ヘクタール以上の巨大区画化ということで、これに関して石井委員はじめ複数の委員からご意見

があったと思います。石井委員が先ほど、100ヘクタールだけではなくて1人当たりの経営規模の拡大が大事だということをおっしゃいました。1人当たりの経営規模拡大ということは、結

局農業を離れる方が地域で増えるということになるわけです。このため、産業政策と書いていますけれども、この中でも結局、規模縮小、離農する人が地域でどういう役割を持つか、そ

ういうのも併せて示さないといけないのかなと思っています。そういうことで、色々な委員からの地域政策と産業政策のバランス、その関係はどのようになっているのか等、色々ござい

ましたが、恐らくきれいに整理できるものではなくて、そういった平場なら平場で100ヘクタール規模の巨大区画でやるに当たっても、地域を維持するというか、そういった視点もそれぞ

れ入ってくるのではないかなということで、具体のモデルでその辺はまた整理していかなければいけないのかなと思っています。

○渡邉部会長
  ありがとうございました。幾つかのご指摘はまた引き続きこの場で検討して、適宜事務局から情報をいただくことになると思いますが、その他にまだご発言いただいていない委員の方

で何かありましたらお願いします。
  では、小谷委員、お願いします。

○小谷臨時委員
  小谷です。たくさん資料をありがとうございます。
  前回も申し上げましたけれども、私のような素人には整備がどのような生産につながったり、加工の広がりにつながっているかということが分かり、事例をたくさんつけてくださった

ことは感謝申し上げます。
  そして、分かりやすいかどうかということを部会長にも言われ、16ページ、17ページですが、まずはこの農業農村整備事業と食料自給力の関連を2枚作ってくださったという、素人には

その整備事業と食料自給力にまず関連があるということが分かってよかったです。知れたという意味ではよいのですが、それ以上に分かりやすいかというのはちょっとよく分からない、

まずは関連性があるということが分かりました。
  それから、申しおくれましたが、この度の台風被害の皆様、お見舞い申し上げます。
  26ページですが、ニュースのトピックスでもありますので、この減災ということが、農業施設が減災に関連してくるというのはすごく大事なことで、特に農地を段々にしているんです

か、段差を設定することによって津波や水の被害が減災されるという、また隣のため池のシステムについてもすごく重要なことだと思いまして、今の時代として巨大な堤防を1つ造るとい

うことよりも、こういう小さな有機的な方法を用いて、無くすのではなく、減らすという考え方が素晴らしいと思ったので、この26ページの資料はすごく良いと思いました。
  そして、29ページの小水力発電についても、やはり自立分散型エネルギーというのが素晴らしいと思いました。供給するエネルギーの大きさということよりも、そういうものがあると

いうことが大事だなと思いました。特に今回の水害で、孤立した人がSNS、ツイッターで存在を呼びかけて助けを求めたという話もありましたので、例えばこちらの岐阜県の事例は、多分

供給の電力は他と比べても少ないと思うのですが、分かりやすく携帯電話を充電することができるという、いざという時に一番一般の人、私も含めてですけれども、携帯の電源が無くな

ることがすごく不安なので、こういう安心材料みたいなものがあるというのをきちんと示してくれるのはありがたい資料だと思いました。
  以上です。

○渡邉部会長
  ありがとうございました。
  余り時間が無くなってきたのですが、ちょっとオーバーしても是非ご発言いただきたいという方いらっしゃると思うので、お願いしようと思います。
  では、横田委員、お願いします。

○横田委員
  大変私にとっては分かりやすい資料で、ありがとうございます。
  前回、中山間地と平場の農業の格差を埋めていただきたいというお話はしたと思いますが、これは恐らく無理だろうと。実際、自分のところの農業を見渡してみても、日本の国の農業

を考えたときに大規模の政策、国民の食料を担っていく場所、それを国としてやっていかなければならないということは、中山間地からしてみると、どうしてこの格差があるのだろうと

思ったのですが、やはり日本の農業を考えたときに、これは絶対的に必要なことであるということを実感いたしました。確かに現場は、一生懸命この傾斜の中で食料を作っても、獣に食

べられてしまったり、土砂で埋まってしまったり、いろんな現場の状況の中で今回の台風のように平場で大水が出て、土砂で農地が埋まってしまって再生するにはかなりのお金がかかる

と。そういう中で、どこにそのお金を費やしていくかと考えますと、やはり大変なことだと思います。
  では、中山間地はどう息づかせていくのかということを考えますと、やはりその地域性を出していかなければならないし、担い手ももちろん減っている中で、人口も減少している中で

、代々守ってきた農地をどうしていくかというのは本当にそれぞれ農家が悩んでいるところでもあります。我々の農業をやっているところは、もちろん国に支えてもらえるような農振地

では無いようなところでもやっているわけですが、そういうところは独自にこういった情報を農業委員も含めて色々な知識を得た中で、地域の担当したところの農業の手厚さを考えてい

かなければいけないのかなと、こういうところで議論するにはちょっと外れるのかなと私は思うのですが、現実問題、そういった農振地でない中山間地の農業のことを考えますと、つい

ついこのような意見を言ってしまいます。これからも私は一生懸命勉強させていただきながら、日本のようなこの島国の中山間地が多い農業をどう息づかせていくのかということを本気

でやっていかなければいけないのかなと。平場は大区画化されたり、企業が入ったり、その企業が入ったことによって食料を生産していく、これは正直、私から見ると大事なことだとい

うことが今回の資料でも分かるように勉強させられました。
  ありがとうございました。

○渡邉部会長
  ありがとうございました。ご指摘の点はまさにこの場できちんと議論すべきことかと思います。
  予定の時間を過ぎて、まだご発言いただいていない方がいらっしゃいますが、お顔ぶれを見ると時計を見ながら発言を控えられたのかと思って、少し恐縮しているところです。終了時

間をちょっと延ばさせていただくことを前提に、まだご発言いただいていない方でどうしても発言されたい方あれば、ポイントだけでもぜひお話しいただきたいと思います。
  では、毛利委員からお願いします。

○毛利臨時委員
  私からは施設の面から農業全体を拝見しているという立場で、意見を述べたいと思います。何度もお話ししているのであえて言うことではないかもしれませんが、施設農地があるとい

うことが地域の大きな資産だという農業政策になってほしいと思っています。そういう意味で施設のフル活用というような言い方もさせていただいて、農業水利施設は灌漑水を配水する

というだけではないでしょうと考えています。もっと減災に役立つような使い方もあるし、たとえば、道路1本通すだけで減災に莫大な効果をもたらすようなことも十分ある。そういった

地域計画になっていますか。設計基準をそのように書いていますか。そのような施設設計を選択できるようになっていますかという問いかけをしておりました。現状の施設工事における

直工費だけで決めてしまいがちな単純なやり方を進めていけば、いずれ農業土木技術者は要らない、洞察力のある活動家や、アクティビティの高い社会系のコーディネーターが1人いれば

、あとは一流の技術者が補佐についていれば、そこそこのことはやっていけるのではないですかといったように、ちょっと厳しい目で見ると思ってしまいます。
  逆に、私はこれから農業土木技術者、農業を分かっている技術者の時代が来ると思っていますが、この農業土木技術者だけが地域に入ってしっかりとコーディネートできて、地域の要

望を受けとめて、地域に合うものを社会に落とし込んでいける、そういうシナリオが描けるのではないかなと思っています。
  あと一つだけ、26ページに書いていただいていることで、小谷委員からいただいた段々畑のこれは減災農地という言い方で、農工研にいる時代に私が描いた絵なのですが、評価いただ

きありがたく思っております。
  実はこれは、実現がなかなか難しいんです。考え方はいいねと言っていただけるのですが、現実にこういうものを造ってもらえるかというと、なかなか難しいようです。制度上の問題

ですとか、地域全体をどのように振興していくのかということが決まってこないと、なかなかこういうパーツを導入できないという状況もあるようです。一部考え方を導入してくれてい

るところもあるかもしれませんが、そういう意味で、ため池の問題や色々な技術開発というものを盛り込んで描いていますけれども、本当にその技術を地域で使えるような政策や制度を

もっともっとしっかりと作っていただかないと、技術は社会には出ていきません。ほかの土木建築が実施した技術を使うだけになってしまって、本来、農業関係のことを考えて技術開発

していっているものがなかなか現場に浸透していかないという気がしますので、そういう面で地域の方の思いをコーディネート、合意形成しながら選択した技術がしっかりと定着してい

くような、そういう方法を考えていただきたいと思います。
  今回の鬼怒川の決壊でも、ため池の決壊でも共通していますが緊急応急的にすることと恒久的にすることを別の感覚で見てしまいがちです。そうではなくて、緊急応急的に選択した方

法が恒久復旧になっていくんだというような、経済性も考えて、現場が困らないようなパッケージで提供していく等、そのような将来に向けた災害対応技術みたいなものもしっかりと提

示しながら、地域を守っていくという流れを作っていただきたいと思います。

○渡邉部会長
  ありがとうございました。
  では、中嶋委員、お願いします。

○中嶋委員
  今後の長期計画を考えていく上で、3つほど気になっていることを申し上げたいと思います。
  1つは、農業・農村整備をして、それをどのように効果を発揮していくのかというポイントですが、一番初めに河野委員がお話しされた、誰が担い手といいましょうか、主導してやって

いくのかということを私なりに解釈するというか、気になったのは、農業・農村整備はインフラの整備をするだけで、自動的にそれがうまく使われていくのかどうかは疑問な時代になっ

てしまったということだと思います。かつては、とにかく水を引き、圃場整備をすれば元気な農家さんがたくさんいらっしゃって、それを活発に使って生産を増やし自給率を高めるよう

な活動に結びついたと思いますけれども、そこに仕掛けを入れなければ十分使ってくれないというのが今の実態だと思います。ただ、そのための経営政策も、それから6次産業化政策など

も相当用意されておりますので、農業・農村整備はそのような政策と協働して一緒にやっていくということで、その目的は達成されるとは思います。
  ただ、そこで農業農村振興整備部会で議論すべきなのは、インフラを造った後にどのように維持管理をしていくのかということをケアしなければいけないということです。経営政策や6

次産業化政策では、手当てしてくれないわけですね。地域力も下がっておりますので、維持管理がきちんとなされないことになって、せっかく造ったものが全く無駄になるというような

ことも起こるのではないかというのが私は現場の実態なのではないかと思いますので、この計画を考えていく上で、ぜひとも維持管理の部分もどのようにしていくのかということをきっ

ちり検討していただければなと思いました。
  それから、2つ目は、どのような整備をすべきなのかということです。例えば水利施設に関しては耐用年数がもう来ているので、これを更新していかなければいけない。そうしなければ

持続的な農業を維持できないということは当然だと思います。そういった耐用年数、それから利用期限ということは考えなければいけないことですが、では、圃場整備の場合はどうなの

かといった時に、使い続けることはできるけれども、社会や経済の情勢が変わることによって、30アール区画とかが非常に不具合が出てくるようなことがあるのではないか。これから決

定的な人手不足が起こり、もっと省力化する技術体系のもとで営農していけなければいけない時、そういった区画で十分対応できるのかどうか。地域によっては当面は十分できるかもし

れません、使い続けることはできるけれども、人がいなくなったらもう使えなくなってしまうということがあるかもしれない。それならば、やはり1ヘクタール区画にして、もっと違う技

術体系で営農を続けるような思い切った施策というものも必要になってくるのではないかなと思います。これは今、極端な言い方をしていると思いますけれども、単なる耐用年数だけの

問題ではなく、使える期限ということを考えていただきたいと思います。最終的に自給率の向上につながるような生産力のアップということを考えていただきたいが故に、このように申

し上げました。
  横道にずれますが、例えば自給力のお話と農業・農村整備のお話を考えたとき、今日のご説明では、主に単収増にどのように関わっているか、つまり水がどれだけ提供できるのか、そ

れから開墾・干拓による面積がどのように拡大したというような部分を中心にご説明いただきましたが、実は過去の状況を考えると、圃場整備をしていなければ、とても今の営農形態は

維持できなかった、生産はもうできなくなっていると思います。だから、単に水の問題だけではない農業・農村整備の貢献分というのは大いにあると思いますけれども、先ほど申し上げ

たことは、今後そのことがもっと深刻になるにではないかなということでございます。
  今のこの部分について、もう一つつけ加えたいのは、例えば畑かんはどうするのかということです。先ほどの畑かんのご説明を聞いていて、将来の方向性についてよく理解できたので

すが、これは多分、食品産業と契約し、そこに農産物を供給するためにはこういうシステムが必要で、それには畑かんが大きく貢献しているということだと理解いたしました。つまり、

規格化されたものを作り、安定的に計画的に出荷できる体制を構築するためには水をきっちり用意するということだと思います。不安定な生産から脱却した、企業的な経営というのがあ

って初めて食品産業との協働というのが達成できるのではないかなと思っておりますが、その部分をどれだけ増やすのか、日本の農業の姿というのはどういうものなのかという辺りも関

係してまいります。
  それから、これはつけ足しだけですが、草地をどうするのかということは余り触れられておりませんので、また今後、ご説明いただければと思っております。
  最後は、産業政策と地域政策の整理という問題です。改めて、今回お話を伺っていて、企画部会の中で、この産業政策、地域政策は何なのかという議論をしておくべきだったかなとい

うような気もいたします。分かっているつもりだったのでしなかったという、これは私の個人的な感想ですが、そんなところもあったのですが、改めて突きつめていくと、色々な論点が

あるのではないかなと思います。
  資料の一番最後、35ページですが、これは頭の整理には非常にいい図だと思うのですが、この図をぱっと見ますと、平地では主に産業政策をしなさい、中山間地域では主に地域政策を

しなさいという整理なのですが、私はどちらの地域でも産業政策もあるし地域政策もあると。ただ、これは目立つ政策はどちらになるのかということだけで、平地で大規模な営農を促進

するためには、やはり先ほども申し上げた農地、水の維持管理というのは非常に重要だと思います。そのための多面的機能支払いをどう生かしていくかということも考えるべきだと思い

ます。中山間地域は社会政策だけではなく、人々がいわゆる稼ぐというような取り組みも非常に重要で、それは産業政策と理解してもいいのではないかなと思います。
  先ほど小田切委員から、地域政策と書いてある部分は社会政策として理解すべき部分もあるとおっしゃいました。私も全くそのとおりだと思うのですが、それプラス資源管理政策、農

地、水の維持管理という部分も地域政策の中に私は含まれていると思いますけれども、そういう特殊な政策タームになっている、フレームワークになっているということをもう少し整理

しておかなければいけないかなと。長期計画の中でこの産業政策、地域政策を前面に出して議論するならば、やはりもう一歩踏み込んだ理解ができるような整理、ご議論というものを今

後していただければと思いました。
  以上です。

○渡邉部会長
  ありがとうございました。
  では、浅野委員、よろしくお願いします。

○浅野臨時委員
  最後になってしまったので、皆さんがいいことをたくさん言われて、なかなかつけ加えるべきところはないのですが、2点だけ申し上げたいと思います。
  1つは、小谷委員、中嶋委員が言われたことですけれども、NN事業という事業が食料自給力と関連しているということを今回の資料は示されました。ところが、小谷さんが分からなかっ

たと言われているのは全くそのとおりで、どの程度影響を与えるかについては、今回試算はされていない。あえてされなかったんだと思うのですが、そのあたりを一つクリアにしないと

、NN事業が一体どの程度影響しているのか、今日中嶋委員は実はもっとはるかに大きいかもしれないという示唆まで与えてくださったわけですけれども、NNがあっての食料自給率、それ

は食料自給力を計算する時の前提条件というものが必ずしもそう簡単に満たされるものではない、それを満たすために農業農村整備事業が存在しているのだということなので、その点は

もっと掘り下げても私は悪くないんじゃないかと、そのように考えています。だから、そういった意味では、小谷さんが分からなかったのは当たり前のことではないかという。
  もう一点ですが、いつも小田切先生のご発言は目からうろこというべきもので今日もたくさん目からうろこが落ちて、特に分かっていながらも、人口減少であるとか環境という今の時

代のムーブメントをきちんと踏まえた上で議論をした方が世に受け入れられやすいし、多くの国民の胸に届くものになるだろう、そう考えたときに確かに人口減少であるとか環境に対す

る一定のスタンスというのは不可欠なところだと思います。
  その上で、先ほどからも論点になっています産業政策と地域政策ということですけれども、実は私もこれ、少し前から違和感があって、車の両輪という表現に対して私は巴のようなも

のではないかという言い方をしてきたわけです。その心は、実は農林水産省がやっておられる施策というのは多くの場合、産業政策であり地域政策であると。私、実は社会政策という言

葉をあえてこれまで使ってきませんでした。ところが、人口減少社会がやってくるにつれて、社会政策と言ってもいいような側面というのが確かに今出つつある。そこに一歩踏み出すか

どうかというのは、ここでも十分に考えるべき議論ではないかなと思います。ところが、産業政策というのは基本的には収益性に関わる部分だと私は理解していますし、地域政策という

のは地域資源の保全に関わるような政策という、一応そういったことにすると、どちらにウエイトがあるかというそれぞれ政策はあるので、そのあたりは中嶋委員のご理解と私の理解と

いうのはかなり近いと思っております。
  それゆえ、今日はかなり全体の話が広がった上で、正しい場所に据えられる一歩が踏み出されたような気がしていまして、私は本当につけ加えることがなくて申し訳ないのですが、以

上のような感想を持ちました。

○渡邉部会長
  ありがとうございました。
  これで一応委員の皆さんからご意見いただきました。最後に、浅野委員に上手くまとめていただきました。時間管理は部会長の大事な仕事ですが、大分予定を乱してしまいましたが、

皆さん全員からご意見いただくというのもさらに重要な仕事ですのでご容赦ください。後で終了時刻についてはご協力いただかないといけないのですが、今の資料について皆さんからご

意見いただくのは、ここまでとします。
  さらに、事務局では関連して資料を用意いただいているので、引き続き事務局でご説明ください。

○原川計画調整室長
  資料1ー2でございます。現地調査と地方懇談会でございます。
  まず、現地調査でございますが、10月26日から27日にかけて、兵庫県下で4地区視察していただこうと思っております。
  それから、3ページです。地方懇談会でございます。これは11月を予定しておりまして、全国9ブロック、ブロック単位で開催したいと思っております。それで、今回は各ブロック3名程

度、委員に出席していただいて、直に地方の代表者の方と意見交換していただくと、このようなやり方でやっていきたいと思っております。委員の方々には1人1から2ブロック程度、参加

をいただきたいと思います。
  この現地調査と地方懇談会でさらに議論を深めて、今後の論点整理に持っていきたいと思っております。
  以上です。

○渡邉部会長
  ありがとうございました。
  既にご案内のことかと思いますが、特に今回、地方懇談会については、委員の皆さんに自ら出向いていただいて、現場で意見交換、情報収集をしてきたらいいのではないかということ

で事務局でお考えいただきましたが、何かご質問、ご意見、進め方についてございますでしょうか。よろしいでしょうか。
  では、この案でさらに検討を進めて準備いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  次の議題に移らせていただきます。次の議題はその他ということですが、事務局から特に何かございましたらご説明ください。

○原川計画調整室長
  現在、有識者の方々の研究会、今日おられる浅野委員を委員長とした研究会で、農業農村整備の果たしてきた役割等について前回説明させていただきました。第2回目の研究会が8月6日

に開催されましたので、その内容についてご報告したいと思っております。
  今日、委員の方々からご意見いただいたこととすごく関係するような内容もございます。時間の関係がありますので、掻い摘まんで説明したいと思いますが、まず3ページを見ていただ

きたいと思います。
  農村の構成要素というものを整理されておりまして、農村は二次的自然の集合の場であると。また、農地・農業用水等の社会資本、それから、生態系・農村環境といった自然資本が密

接不可分な関係にあると。この2つの資本を結びつけているのはまさに人であります。また、水管理に係る共同作業に由来する慣習・文化に裏打ちされた農村協働力というものが農村には

極めて重要だという整理がされております。
  それで、飛びまして6ページでございます。
  農業農村整備事業、他の公共事業にない特徴を有しているということでございまして、地域の発意に基づいて事業を実施していると、地域の合意形成を重視する仕組みになっておりま

す。また、整備した施設を地域共同によって共同管理をする、このような仕組みがあります。この特徴を今後の社会情勢の変化を踏まえたら、最大限尊重していくべきではないかという

ことでございます。
  その上で、飛びますけれども、49ページでございます。
  49ページ以降の構成のみ、今日はご説明して、また読んでいただければと思いますが、まず第1回研究会の議論では、繰り返しになりますが、農業農村整備は、地域の発意に基づいて社

会資本を形成しており、また、コミュニティの力を活用して整備された社会資本を管理する仕組みを内包しているということで、いわゆる農村協働力、この定義についても今後しっかり

定義していかなければいけないのですが、農村協働力に働きかけることができる特性を有しているということでございます。
  2つ目のポツは、この部会でも議論されていることと同じでございます。
  以上の2つの視点と、投資の効率化の観点から基本的な事項を3つ整理しております。
  1つは、農業農村整備事業を通じた農村協働力の強化。2つ目は、地域特性を踏まえた多様な農業農村整備事業の展開。それから、3つ目が、効率的な事業実施のための配慮。この3つを

基本的な考え方に捉えまして、具体的な事業の展開につきましては、今日、色々委員の方からご意見いただきましたけれども、1つは、急激に老朽化が進む水利施設等の社会資本の機能を

どのように将来に継承していくか。(2)のマル1にありますが、社会資本の機能をしっかりと継承していくということです。
  もう一つは、中嶋委員初め、何人かの委員からございましたとおり、人口減少を初めとして大きく変化する社会情勢に対応して新たな価値を生み出すための社会資本をいかに形成して

いくか、こういった2つの柱で展開方向を整理していこうという議論で進んでおります。
  第2回研究会においてもさまざまな意見が出ております。こちらについては9月30日に第3回目を開催することにしておりまして、またその結果についてもご報告したいと思っております

が、50ページ以降はこの49ページの基本的な考え方に基づいて一つ一つ整理してございますので、またご覧いただければと思います。
  以上でございます。

○渡邉部会長
  ありがとうございました。
  急ぎご説明いただきましたが、これを検討されている研究委員会の委員長は浅野委員がお務めですので、浅野委員から何か追加でご説明いただくことがありましたらお願いいたします

○浅野臨時委員
  今回、少し工夫していただいて、52ページの図をご覧いただきたいのですが、一般公共事業と農業農村整備事業がどう違うかを一目で分かるようにしたいということで、公共事業とい

うのは色々な経済効果のもとになるわけですけれども、ストック効果とフロー効果とあって、通常の一般公共というのは社会資本の整備を通じて色々な効果を発揮させるということです

けれども、その玉突き構造の間が少し違っておりまして、農業農村整備事業の場合は、それをもとにして人的資本であるとか自然資本であるとか、プラスそれに社会資本がくっつくこと

によって全体で農村自身の力を上げていく、農村の一種の潜在力を呼び起こすというのでしょうか、そういうところがある。そのときに大事になる、ニカワのように働くのが農村協働力

であるという、これは普通の公共事業には余り見られない特性で、どちらかというと一般公共事業というのはプラットフォームを作って終わりという側面が強いんですけれども、それだ

けではない仕組みがビルトインされているということを改めて確認しておきたいと、こういうことでございます。
  また、これに併せて新しい時代に、こういった農村協働力が恐らく、少子化なんかでも大きな力を発揮する、少子化を逆転するような潜在力なんかも実は持っているのではないかと思

いますので、そういう新しい展開方向についても色々考えていきたいと思っています。
  以上です。

○渡邉部会長
  ありがとうございました。
  まだ検討中で、近くまた次の研究会が開催されるということですけれども、今日のご説明について何かご質問やご意見があればお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  私の方から一つ、今の資料の61ページに、平地、中山間地、それから産業政策、地域政策を整理したものがあって、これは、前の部会で整理したものですけれども、先ほど中嶋委員か

らご指摘いただいた、意見の対応の35ページの図よりこちらの図の方がいいかなと思っていて、この4つのマトリックスとグラデーションの整理が重要だと思うのです。でも、この中身に

ついては今日皆さんからご意見いただいたので、これを具体的にどのようにウエイトをかけるか、この整理がいいのか、用語は適当かなども浅野委員の研究会でも検討されるでしょうし

、この部会でも引き続きしていかなければいけなということであります。よろしいでしょうか。
  では、引き続きご検討いただき、情報提供をお願いしたいと思います。
  それでは、その他に事務局の方から説明いただくことがありましたらお願いいたします。

○奥田設計課長
  本部会の所掌事務の一つに国際かんがい排水委員会に関する事項の審議がございます。本件の審議につきましては、日程の都合上、持ち回り審議とさせていただき、今後、書面で意見

をご提出いただくということですが、本日、参考資料4でその一部について事前にご説明させていただきたいと思います。
  参考資料4の1ページめくっていただいて、目次を見ていただきますと、ご説明のメインはこのICIDの第66回国際執行理事会の対応方針でございます。
  その1ページをお開きください。
  ICIDでは理事会を年1回開いているということでございまして、第66回の理事会がこの10月、フランスにて開催されます。
  少しICIDについて触れますと、4ページをご覧ください。
  国際かんがい排水委員会(ICID)は、1950年に設立された非営利・非政府の国際機関です。非政府の組織なので、加盟国の参加方法もそれぞれの国に国内委員会を設置するという形で参

加しております。絵で見ていただくとおりに、下の方、日本の場合も国内委員会というものを設置して、学識経験者等をメンバーとして色々議論をしていただいています。委員は佐藤洋

平委員長で、事務局を私ども設計課で担当しております。
  次のページ、5ページの右に委員のメンバーが書いてございます。五十音順のため、一番最後になってしまって恐縮ですが、渡邉部会長にも委員になっていただいているということでご

ざいます。
  2ページにお戻りください。
  そこで、66回の理事会に関する日本国内委員会の対応方針につきましては、この国内委員会そのものの会合が9月25日に開催することとしています。そこで検討していただくということ

でございますので、その結果を踏まえてNN部会の委員の皆様方には、9月下旬から10月上旬にかけて持ち回りで質疑をお願いすることとしております。
  その中で、1点だけ既に方針が固まっているものについてご説明させていただきます。3ページでございます。
  かんがい施設遺産というものでございます。これはICIDが歴史的かんがい施設を認定・登録するという制度を昨年からスタートさせております。昨年は日本から9施設がかんがい施設遺

産に登録されたところでございます。今年でございますが、既に登録に向けて日本国内委員会が、応募があった13施設から11施設を選定して、既に7月にICID本部に申請したところでござ

います。下の左側の表に対象施設や登録基準を記載してございます。これが来る10月の理事会によって登録施設が決定される予定でございます。11施設のラインナップは、日本地図のと

ころに写真とともに並べておりますこの11施設でございます。
  その他参考資料として、ICIDの会長が来日した際の様子でございますとか、第7回の世界水フォーラムの結果報告を付けております。また先ほど申しましたとおり、持ち回り審議の際に

最新の資料にしてお送りいたしますので、よろしくお願いいたします。
  以上です。

○渡邉部会長
  ありがとうございました。
  ご説明のように、9月25日のICIDの国内委員会での審議の後に、委員の皆様に意見提出をお願いするということですけれども、この進め方あるいは中身についてご質問等ありましたら、

お願いいたします。よろしいでしょうか。
  では、そのように進めることにさせていただきます。
  他に、全体を通して何かございませんでしょうか。途中では15分のスケジュールの遅れでしたが、皆さんのご協力で予定どおり今日の審議を終了することができたと思います。ありが

とうございました。
  では、進行を事務局にお返しします。

○原川計画調整室長
  本日は大変貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。今後の長期計画の検討に生かしていきたいと思います。
  また、10月に現地調査、11月に地方懇談会の開催を予定しておりますので、詳細につきましては改めて事務局よりご連絡いたします。
  以上をもちまして、本日の部会を閉会させていただきます。
  どうもありがとうございました。

お問い合わせ先

農村振興局整備部設計課計画調整室
ダイヤルイン:03-6744-2201
FAX:03-5511-8426

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