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農林水産省

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新たな土地改良長期計画に関する地方懇談会 北陸ブロック(平成27年11月4日)議事概要

1.日時及び場所

日時:平成27年11月4日(水曜日)13時30分~15時30分

場所:金沢広坂合同庁舎 7階 第2会議室

 

2.議事

    (1)開会

    (2)新たな土地改良長期計画の策定について

    (3)北陸農政局管内における農業農村整備の概況等

    (4)組織等の概要、取組の特徴及び意見・要望等

    (5)質疑・応答

    (6)意見交換

    (7)閉会

 

3.議事概要

議事概要(PDF:209KB)

【地方代表者による意見・要望等】

【上江ファーム  堀川氏】
○農事組合法人上江ファームの経営については、面積的にもまだ少なく、資料の通り24.7haであり、水田15ha麦8ha蕎麦0.9ha、豆3haと書いてあるが、大豆ではなく在来種である青豆と丹波種の黒豆を主として生産をしている。後は野菜で、キャベツ等の露地物を1ha程度生産している。
○6次産業として、平成23年の暮れに農事組合法人を立ち上げ、翌年より直売所を設置し、豆腐、豆乳、生厚揚げ、水ようかんの全てを自社で栽培した原材料を用い加工販売している。
○福井県でも老舗の菓子店より、当方の特色のある豆を使いたいという話があり、その菓子店にも豆を販売している。しかし、材料である豆が枯渇しないように販売先を限定し、一般には販売しないという体制をとっている。
○また、籾殻を利用した固形燃料を生産している。生産当初は非常に販売できる商品と考えたが、まだまだ一般には浸透していない。しかし、我々が籾殻に着目した理由は、籾殻は毎年何百万トンと廃棄物として出るからである。籾殻固形燃料は、籾殻の水分を飛ばして生産しており、非常に火の持ちが良く、薪と違い虫が湧くことがなく、大きさも直径10センチ、長さ30センチほどで重さは軽く、道具を使うことなく割ることもできる。主に京都方面へ販売している。販売先である、京都は住宅の間隔が狭く、普通の薪は臭いがあり、洗濯物に臭いが移る等の問題があるが、籾殻固形燃料はそういう臭いの問題は気にならない程度であるといわれ評判が良くなっている。
○私達が経営する福井県坂井地域は、パイプラインが整備され、水温の低い農業用水が供給されている。
○そのパイプラインの水を利用することで、福井県の中山間地域で十数年前に廃れた酒米を生産できると考えて、福井県の協力の下、昨年度より生産を開始した。平成26年度は収穫量が低かったが、今年も挑戦し収穫量は昨年より2俵多く収穫できた。現在、2社の酒蔵と契約しており、12月上旬には新酒が出来るのではと期待している。
○インターシップの高校生と保育園児でキャベツの種まきから定植までの作業を合同で行った。なお、保育園児は今年初めて参加した。
○6次産業として食品産業を確立し、その後販路の拡大を目指し県内だけではなく県外へも足を向けたいと思っている。技術的に新しいものを取り入れつつ、6次産業の商品が1品だけでは、消費者の関心を引くことが出来ないので原材料の検討を主としながら新商品の開発を行っている。
○農業農村整備に対する要望として、私達の地域では、パイプライン化がほぼ完成され、給水に関しては全ての農業者が、今年のように暑い日が続く中でも、十分に水が供給され水管理がしやすくなった。今までは水の心配があったが、水温の低い水が十分に供給され、品質の良いコシヒカリが生産できている。
○一方で、排水に関しては、暗渠排水の整備は進んでいるが、ほ場から出る支線・本線排水路は整備後40年が経過している排水路もある。
○集中豪雨等で田に水が入ったら中々水が引かない状況が多いため、水田園芸を取り入れる場合、排水が悪いと作物が定着しても冬を越すと尻つぼみとなってしまうので、今後、排水の改良もお願いしたいと思っている。

 

【たちばな  田中氏】
○我が社は、平成18年に設立。平成16年の中越震災でほ場や水路に大きな被害を受けた事を契機に集落全体で農業生産を行ってきた。その後、準備期間を含めて1年間経過を見て、平成18年2月に会社を設立した。会社の水田利用権設定面積が21ha、作業受託12ha、畑が1.8ha、ハウスが3棟である。畑については、50aくらいの農地は、耕作放棄地を再生事業により再生した農地であり、そこにはカボチャを植えている。また、ハウスは当初1棟であったが、現在3棟に増やし、夏はトマト、冬はプチヴェールを栽培している。プチヴェールは、乾燥・粉末という形で販路を拡大したいと考えている。
○昭和47年から53年にかけて私の地域は、ほ場整備事業を行った。それ以前の町村合併で4つの村が合併し川西町が出来た。そのときに各村毎に構造改善事業でライスセンターを作ったが、今思えば、この時に各村毎の農地を集約化しておけば良かった、しかし、農地の集約化を行うには半世紀の時間が必要だった。現在は、各村毎に法人が立ち上がり施設を利用しつつ活動している。
○魚沼米の産地といえ稲作一辺倒では、経営は厳しく園芸作物の生産に大きくシフトしていかないとこれからは生き残れないと考えている。
○そのためには、農地耕作条件改善事業等で除礫や湧水処理等を行い畑作がよく出来るほ場にしているところである。
○国も地域創生で色々と取り組んでいるが、私の地域は豪雪地帯であり、事業を行っても冬期間は工事が出来ないという事が一番のネックとなっているので、その当たりを考慮した予算配分をお願いしたいと思っている。
○私の地域では、現在パイプライン工事を行っている。工事は平成13年に採択されて現在15年目となっており、工期の長期化により、当初は同意していた農家が、代替わり等で農地を法人等に預け、土地持ち非農家となった方は農業への関心も薄れ、負担金への理解が中々得られないため、工期の長期化を避け、短い工期で事業を完了してほしいと考えている。
○多面的機能交付金も使っているが、多面的機能というと山間部は林野庁の管轄であり、河川に関することになると国土交通省の管轄となるので、国土保全という事を考えると、農業分野だけではなく国土交通省も関係してくる話なので、国として柔軟に対応していただきたいと考えている。
○要望を言うだけでは、実現が中々難しいので、我々も出来るだけ成果も出していかなければいけないと思っている。
○別途、配布した資料は川西地域の一番大きな法人の事例であり、農地の集積は80%を超えているがそれを更に進め、また6次産業化にも取り組んでいきたい。

 

【砺波市長  夏野氏】
○砺波市は昔からの穀倉地帯であり、土地改良事業は早くから取り組んできた。そういう点で課題がいくつかある。
農地集積に関しては、農地中間管理機構を利用して集積を行うことは間違っていないと思うが、今回の制度が始まった時の混乱は大変であった。予算額と制度設計が全然リンクしておらず地元での混乱は大変なものであり、市の職員が現地で説明してもその内容通りにならないので、このようなことをやると農政に対する不振が高まる。
農地中間管理事業について、今までは農地保有合理化制度があったので取り組んできたが、およそ2年毎に制度名が変わるため、今度は5年やるというが本当なのか疑問である。制度と予算をしっかり合わせてほしい、そうしないと誰も話を聞いてくれなくなるのでよろしくお願いしたい。
○土地改良事業について、現在大きな課題となっているのは、施設の維持管理である。
砺波市では、国営農地防災事業を行っており、事業によって、かなり大規模な維持管理を必要とする施設が造成されたが、今後、それを地元で管理することになる。
施設として大きな水門や水路等もあるが、今回遊水池を造ってもらっている。これは排水機場等を造るより、エコな施設であるが、この施設は、維持管理の支援のメニューには入っていない。今回、国の方でも考えていただいて、概算要求の中に今まで国営の維持管理について対象外であった施設等も支援メニューに入ったが、これから大規模な事業が完成するのはありがたいが、その維持管理費は大きな額になる。庄川左岸地区だけでも年間3千数百万の維持管理費が想定され、そのほとんどが草刈りや泥上げで、その上中央制御システムの経費もかかる。維持管理費については、事業計画の事業費の中で維持管理費を別枠にするくらいの事を行わないと行けないと思っている。
維持管理費の補助率は国が3割であるが、建設事業の補助率のように、もう少し補助率を上げてもらいたい。国営農地防災のような事業は、河川の上流から下流にかかる大きな地域で行われているので、国や県がもう少し関わっても良いのではないかと思っている。
○多面的機能支払いの制度がなければ、日本の農村はかなり壊れてしまっていると思っている。
富山県や北陸地域は兼業化率が高いので、非農家をどう取り込んでいくかが大きな課題であり、砺波市は、まだコミュニティが健在であるので何とかなっているが、土地持ち非農家が増えていくとさすがにコミュニティの感じがなくなってくる。そういう意味で砺波市も人口は横這いで住宅自体は増えている中で非農家をどう取り込んでいくかが課題となっている。
多面的支払制度について、もう少し支援メニューやベースの支援額が多くても良いのではないかと思っている。
昨年制度が変わる時に非農家を取り込まなくても認められるという話があったが、詳しく調べてみると八郎潟のような非農家のいないところでも対象となるという話であったのだが、それは個別所得補償の一部だと話している人もいたので地元は混乱した。農林水産省の人は色々考えてくれる事は良いのだが、正確な情報を出してもらわないと地元の混乱の基となる。
私も日本農業新聞も読んでいる。この新聞に書かれていることが最終形だと思うが、そこに掲載される前に農林水産省や国会議員から混乱する情報が入ってくるのでしっかり検証して今後そういうことがないようにほしい。
○北陸は小水力発電についても頑張っている。また電力の使途の拡大もしていただいたが、選択の問題として完全に自由化として電気を売って儲けたい者には、儲けさせても良いのではないかと考えると、それを土地改良施設に限定するのはどうかと思う。省庁の垣根もあるので簡単にはいかないと思うが、やりたいという者のために道筋だけ作って行くことも必要ではないかと思っている。
○6次産業については、砺波市も水田一辺倒であったが、園芸作物としてタマネギを作り米価が下落しても農家の所得を確保することが可能となった。その一方空き家も増えており、空き家を農家レストランにした事例もいくつか出来ており、評判も良くJTBのツアーに組み込んでもらっているところもある。
○特殊な事例かと思うが砺波市は種籾の産地であり、種籾の価格は米価によって決まるため米価が下落している現在は、収入が減ってきている。しかし、種籾生産者に対してどのような支援をして良いかわからない。野菜の種苗に支援制度はあるが、稲の種苗について支援がない事を覚えておいて頂きたい。
○今年からJAと共同で土作りをして米の食味や品質を上げる努力をしているが、私個人として心配していることは、集積率も上がり平野の中心部では耕作放棄地も少ないが、その大きな要因は担い手がいることである。その担い手の大多数は集落営農組織である。現在は元気な人が多いので後10年は大丈夫であるが、10年後誰が担い手になるのか問題である。大規模農家が受け皿になってくれれば良いが、彼らにも限度があるので、10年後、現在の集落営農組織の農地をうまく大規模経営体や大規模農家に移管していく誘導制度がいるのではないかと思っている。
○砺波市にも中山間地はある。そこではイノシシや熊と戦っており、何か鳥獣の被害に遭わない作物はないかと色々試しているところであるが、そのような地域にあった作物を作るための小規模な土地改良事業等の支援が必要なのではないかと考えている。
○維持管理費のことに戻るが、大きな施設は国がもっと関与して管理する、小さな施設は多面的支払いの制度を利用して地域の人が非農家を取り込んで守るといった基本的な方針が打ち出せれば良いと思っている。

 

【コープいしかわ  染川氏】
○北陸3県の生協を併せて農産物を取り寄せると大規模農家としか取引は出来ない状況があり、組合員より生協とは地元生産者を応援するのではないかとの意見が出たことから、その反省からここ2~3年は、地域生協オリジナルで地域の個別の生産者と取引を始めた。
○消費者の皆さんは国産の農作物を求めているが、現状では、国産品は価格も高く数量も少ないため地元でもっとたくさんの農産物が取れればと思うことから、そのための農地の整備であれば整備していただきたいと思っている。また、長年つきあいのある生産者の方からは現在は頑張っているが、担い手の問題もあり、この先どうなるか不安に思っている農家もいる。
○能登に若い人が集まって生産団体を作り、農業生産をしている所もあるが、私達からしてみるとその人達が、これからも地域に根付いて、農業生産をしてくれるか心配であり、その時に私たちが何かしてあげられることはないかと考えている。
○また、最近水害が多発していることから、災害に強い整備を考えて頂きたいし、可能であれば、災害の規模を想定し、それに耐えきれるような整備をして頂きたい。

 

【越前市エコビレッジ  野村氏】
○越前市エコビレッジ交流センターは、平成13年4月より環境学習の施設として作られた市の施設であるが、地元の振興会に管理を任されています。オープンした時からの夢は子供達と一連の稲作体験をし、最後にはかき餅作りまで行うことであったが、ここ数年その夢が叶い向け順調に進んできている。
○また、私は別の7つの団体組織の世話をしているが、その中で学校給食に野菜を提供してきた団体があるが、近年はイノシシ等の被害により活動が停滞しているところである。
○私自身、山、川、田を守っていきたいと考え、地元の町内で多面的機能支払交付金で活動している組織グループ山川田(やかた)を作り、そこでセイヨウタンポポの駆除をしているが、駆除が目的ではなく外来種について考えてほしいということが狙いである。
○地域の取り組みとしてコウノトリの餌を確保する為、耕作放棄地で水田ビオトープを行っており、昨日は、そこでドジョウすくいをした。グループ山川田の構成員メンバーは子供からお年寄りまで都合の付く方には全て出ていただいた。
○ほ場は、畦の高低差があるとか、夏場の用水が不足しているとか地域によって課題がいろいろあるので、土地改良をする場合は、地域の方としっかり話し合い地域にあった改良をして頂きたい。
○現在、当該地域では、コウノトリをシンボルとした地域振興・活性化について考えている。
○先日、南魚沼市から40名の方が1泊2日で視察に見えた。「里山はやっぱり良いなぁ~」といって帰られたので私たちの取り組みは良かったのだと実感している。

 

【 質疑・応答】
【沼尾委員】
○砺波市長から維持管理という話がでたが、これからは更新や維持管理のコストなど、農業基盤にとどまらず、一般の公共施設でも長寿命化や維持管理計画、固定資産の管理が言われている。大規模な施設整備が進むなかで、その施設を地元の方が維持管理をすることが出来る技術はもっているのか。それとも東京などの技術を備えた都会の業者に維持管理を依頼しないといけないという状況なのか。今後の施設の維持管理について現在、どのようになっているのかについて教えて頂きたい。また、維持管理にかかる費用負担について、地元の負担の状況等、苦労しているところがあれば教えて頂きたい。

 

【砺波市長  夏野氏】
○国営事業による大規模な施設は素人には管理できないが、東京から専門業者を呼ばなければならないほどではない。国営事業を受けて、今後施設を管理するため地元の市と土地改良区等で維持管理を行うための新しい組織を作ろうとしている。水路の管理については、土地改良区の人に任せるので土地改良区が管理するその他の水路と併せてトータルで管理してもらう事となり、そのときに維持管理団体より土地改良区に委託料を出す事にしており、その金額は試算すると年間3千5百万円かかるためとても厳しいと思っている。
○一部の国営施設には、補助制度はあるが、対象施設の範囲としては不十分だと思っている。また、維持管理費の補助率は国費が3割であるが、庄川左岸地区を例にすると排水は五箇山から富山湾まで流れていくため、全て平野部で関わってくることから国や県にももっと費用負担をお願いしたいと思っている。
○先ほど水害の話が出たが、最近は時間雨量100mmの雨はいつでも降り、砺波市は国営農地防災事業を行っていたので助かっている事もあるため、当然、非農家にも利益があることから市も負担は出すのだが、水害等の事を含めて国費や県費の補助がもう少しあっても良いと思う。
○土地改良財産のほとんどは土地改良区が持っており、その維持管理にかかる財源は農家からの賦課金であるが、最近は農家が減少しており、そのため土地改良区の財政も厳しくなっていることから、小規模な施設は多面的支払いの中で非農家を取り込んで地域みんなで維持管理していければ良いと思っている。
○大規模施設はしっかりと国も関与して支援する制度を確立し、小さな施設は多面的支払いのスキームを活用して非農家を取り込んだ形で、地域を一緒に守って行く事が大切であると考える。

 

【たちばな  田中氏】
○私達の地域はダムが5つある。3、4年前に、その内3つのダムにより、水害被害が軽減され助かっている。その時の雨が時間雨量120mmであり、ダムには当然土砂も流入しており、そのためダムには多くの土砂が堆積している。その土砂を放置しておくとダムの防災機能が低下するため浚渫が必要となってくるが、浚渫の費用を土地改良区だけでは負担する事が出来ない。一般住民もダムの恩恵を受けているので、土地改良区の組合員だけに負担をさせる事は無理であり、行政に支援をしてもらいたいと考えている。
○ダムがある地域において、水田にも水は必要だが防災機能を維持する事も必要であり、いざというときに役に立たない事がないように、そのためのシステムを作っておかないといけないと考えている。

 

【砺波市長  夏野氏】
○施設の維持管理の必要性は理解され始めたが、農業関係の施設については農業者だけで守れと言われても無理である。田中さんも言われたが、防災の観点をアピールし、将来の減災につながる施設については、国から維持管理の補助をお願いしたい。

 

【越前市エコビレッジ  野村氏】
○坂口地区では6つの地域があり、その内2つの地域は多面的機能支払いを導入してない。当該地域は、人口減少と農家の高齢化により農地の管理が出来ない地区であるが、現行の制度のように高齢者にPCで複雑な事務処理を行わせるのは無理であり、私も毎年申請書の内容が変わるので大変さを感じていることであることから、高齢化が進行している地域でも多面的機能支払いの制度が楽に利用できるようなシステムできないかと思っている。
○これまで農家の方は農業生産に力を入れていたため生き物について考える余裕がなかったが、コウノトリの取り組みを始めてからは、農家の生き物に対する意識が変わってきたところであり、今後基盤整備を行う場合は、農産物の生産と生き物は共生しているという意識を持って実施していただければ有りがたいと環境保護をしている側から要望させて頂く。

 

【田中地域整備課長】
○砺波市長より、排水施設の維持管理に対し、更なる助成を行うべきとの御意見があった。排水事業の建設費について、過去に同様な議論があった。従来は、かんがい排水事業の中で農家を受益と想定して排水事業も行っていたが、地域の都市化・混住化が進んでおり、農家以外の方の排水も含まれることから、農家の負担が減るよう事業制度で工夫し、現在、砺波市で行っている庄川左岸地区のような防災事業制度を創成し、建設費の農家負担の軽減に対応をしてきたところ。
○今後、広域的な地域を対象とした排水事業で造成した施設の維持管理を農家だけで負担させるのは困難ではないかという意見をいただいたと理解している。

 

【砺波市長  夏野氏】
○国営農地防災事業で造成した施設の維持管理の負担を農家からとる事は出来ないため、市が負担する事になる。
○その対象施設の負担率は国費30%県費30%地元負担40%となり農家より負担をとっても良いのだろうが、現実的に混住化が進み且つ防災事業で、なぜ農家だけから負担をとるのかという事になり、周辺の市長とは、市が負担することになると話しているが、農林水産省は農家負担も勿論だが、自治体の事も考えて頂きたい。
○大規模排水については、現実の水の流れを鑑み、国土保全、安全の観点で河川と同様な支援をお願いしたいと考える。
○建設費では農家負担を軽減する事は出来るが、維持管理費は難しいのは何故なのか。同様のものとして考えて頂きたいと思う。

 

【意見交換】
【渡邉部会長】
○最初に6次産業化を進めるためには、具体的にどのような農業農村整備が求められるか、また皆様のところで、現在お困りの事は何かということについてご意見いただきたい。

 

【上江ファーム  堀川氏】
○6次産業につなげていく上で、私が思っている事は、色々な農業農村整備事業で施設を整備している事は理解しているが、農業者が1つの拠点で販売所、加工場、消費者とふれあい体験が行えるなどの施設を作れる制度を創設して頂ければありがたい。
○昨今、全国的にも学生が農業に関心を持っているといわれるが、福井県に都会の学生は来てもらっていない感じがする。そこで、市町等と協力して市街地にある空き店舗を活用し、大学生と地域で一緒に活動し、大学毎に空き店舗を経営してもらってはどうかと考えている。どこかの大学の店舗が、あわら市にあれば、一度行ってみたいということになり、町の活性化になると考える。
○また、普通高校や農業高校を出たものが農家に就職する人は非常に少ないことから、高校卒業後に、各農業法人に2年間くらい実践研修をしてもらい、実経験をしていく中で農家に就職してもよいと思える気持ちになるような仕組みができないかとある人と話していたが、一般には、まだ3Kの意識が残っていて中々足を運んでくれないにように思える。
○6次産業化は、就職してくれた新卒者と一緒に、生産した商品を県外への売り込みや展示会への出展などにより一緒に活動し、販売方法も一緒に実践していただく事で若い感性を取り入れる事もできるので私たちにも非常に良いと思う。
○スタッフにも言っているが、6次産業にも手を伸ばし、若い人の考えを取り入れていかないと、私たちの古い考えだけでは、これからは置いて行かれるような気がしている。

 

 【たちばな  田中氏】
○私たちは直売所で地元産の作物を加工して販売しているが、もう少し直売所の面積が大きければ良いと考えている。
○ここでもそうだが、夏はジャムを作り冬は商品がなくなるという形となり、年間を通して商品を定期的に供給する事は非常に難しいところがある。冬の作物を作るためハウスによる園芸農業を取り入れることができれば、私達も少しずつ品物が提供できると考えているが、私達の地域は毎年3mの雪が降り除雪は大変で有り、機械除雪となると経費もかかるので中々思うように行かない現実がある。
○6次産業化は作る品物により多種多様な生産物が必要であり、産業化につなげるのは難しいところもあるが、農業を何とか産業に結びつけといかないと生き残りは難しいと思っている。
○直売施設や加工場については、個人がやっても難しいので地域でまとまって活動し、地域で農産物を出していく必要があると考えている。
○農業が生き残っていくためには6次産業化が重要になってくると思うので国の方でもしっかりとした支援をお願いしたい。

 

【渡邉部会長】
○皆さんは、たくさんのアイディアを持って取り組まれておられ、酒米の増産や耕作放棄地を再生させての野菜生産の拡大はその現れと考えます。皆さんのアイディアを実現させるために農地においてはどのような整備が必要でしょうか。堀川さんのところでは、パイプライン化よって水温の低い用水が供給され、酒米生産に効果があったとうかがいましたが、今後、酒米生産をさらに増やす見込みはありますか。生産の拡大や品質の向上には、一層の排水改良が必要と思われますがいかがでしょうか。

 

【上江ファーム  堀川氏】
○酒米も水稲であるのでそこそこ大丈夫であるが、農業用水に関しては全て国土交通省との関係が深く、用水や排水については国交省の許可が必要となっている。特に排水に関しては、私達下流の地域では、上流で農地が開発された市街地の排水も農業用排水路に入ってくるし、上流の地域では水が引いても下流地域では本線の排水路が引かない限り絶対に水は引かない。水田園芸をやろうとしても、それがネックになっている。ほ場整備にしても水田園芸をやる場合は、水田の側面に溝掘りを行う、その時に水田の排水と溝掘りをしたところでは段差ができるため、ほ場整備を行う時には水田の右と左の端の額縁というところに合うように排水用の為のはめ込みがほしい。今は額縁に溝を掘っても、水田用の排水溝にオーバーフローしたものしか排水できない現状になっている。パイプラインが整備されたおかげで農家は水の無駄遣いはしなくなったことから、国交省の方に排水をきちんと整備するよう要請したい。

 

【渡邉部会長】
○排水の実情はわかりました。堀川さんのお話を整理させて頂くと、6次産業化にはやはり基幹的な施設整備は継続的に必要だが、その維持管理については関係省庁との協議や費用負担には大きな課題があるということかと思います。
○話題の2番目の農村における雇用の場についてです。本日話題には出ませんでしたが大規模な稲作農家を集中的な育成が進んだ場合、集積・集約された大区画ほ場周辺の小区画ほ場などで野菜栽培や施設園芸などが行われて、それが6次産業化等につながり新たな形の雇用の場が作られることが考えれます。こうした展開やそれに対して現在ネックとなっていることがあればお聞かせ願いたい。

 

【砺波市長  夏野氏】
○現在では稲作単一経営はなく、米、麦、大豆が一般的となっている。米、麦、大豆では、男性の担い手でも何とかなるが、花を作ったり野菜を作るとなると農家のお父さん達ではだめであり、嫌でも女性や高齢者にも入ってもらわないといけない状況である。特にチューリップは一回作ると5年間は連作障害などで生産できないので、ある程度まとまった土地を回していかないといけなく、そうすると農家の奥さん達の意見が必要となり、そこで奥さん達が考えて切り花を売り始めると切り花を作る責任者は農家の奥さん達になるし、高齢者もよく働いてくれる。国が地方創生で職場を作ってくれるが、砺波市の有効求人倍率は3倍を超えており、人がいない。仕事が多くある中、魅力のある経営体を作っていくためには、大規模経営体でも休まずに何でも作っていくことが必要であり、例えば育苗ハウスで軟弱野菜を作っているところでは、野菜を作ると手間がかかるので必ず人手が必要となるのでそういった人が、表に出てこない効用に役立っていることになる。
○実際、農業は砺波市内の企業と比べても利益が出ている。
○農地の集約化について、1人の人間ができる農地面積は限られているが、大規模経営体になりたい人にチャレンジさせてあげられるような支援制度があれば良いのではないかと考える。
○土地改良については、色々な作物に対応したほ場に整備していただいているので、これからもそうしていただければ良いと思う。

 

【越前市エコビレッジ  野村氏】
○今まで、周辺の農地を一手に請け負っていた農家の方が、農業が出来なくなると、条件が良いところは引き取り手がいるが、条件の悪い農地は引き取り手がなく耕作放棄地になりつつある。過疎化が進み残されたものだけで、土日に農業を行うのは無理である。条件の悪い土地に適している農作物はないか、そこを管理すればイノシシ対策にもなる。しかし、そうした良い作物のアイディアが出ない。このような条件不利地域に合う作物についてアイディアや営農の指導者の確保が、今切実な問題である。

 

【渡邉部会長】
○現在、農村や農業関係の様々な人が動きだし、その中で販売についても新たな活動が起きると消費者や消費関係団体とも新しいつながりができるのではないかとおもいますが、染川さんいかがでしょうか。

 

【コープいしかわ  染川氏】
○現在農業を行う方にとって6次産業化が大切であるということであれば、昨年度からコープ石川が取り組んでいる能登モールという事例がある。コープ石川が音頭をとり奥能登の輪島市、珠洲市、能登町のJA、漁協、地元高校や住民などを取り込み、販売ではコープいしかわや県内のスーパー等と連携し、みんなでそこの地域の産物を商品として販売するプロジェクトを立ち上げました。能登大納言を使った赤飯やぜんざい等、地元の方だけでは、製品化する力がないのでJAや企業が生産し、県内のスーパー全店で売り、利益の一部を生産者にという取り組みが始まっている。こうした取組で生産者と消費者で広域的な6次産業を作っていくという方法はいかがか。

 

【砺波市長  夏野氏】
○6次産業化で良いと思ったのは、インショップである。スーパーの中にコーナーを作ってもらうことで生産者は訓練され、意識改革が行われ、そのうちスーパーの方と意見を交わし加工していこうと考え始める。すぐ6次産業化ができない時はインショップから始め農家の意識改革を始める方が大切だと思う。
○砺波市の6次産業化は、JAがとても頑張っているので良いがそのJAの中で6次産業化ができるため、反面、生産者がそれに頼っており、良い面も悪い面もあると思う。

 

【渡邉部会長】
○今日は、皆さんから、主に基本的な農業や農村の方向性やそこでの人の動きについてお話をうかがいました。それに対応してどのような施設や制度の整備が具体的に求められるかは、審議会等で検討しないといけません。ひとつ、この米どころの北陸地域においてうかがっておきたいことがあります。北陸地方では基本的には稲作の効率化が求められると思いますが、農政局からの説明では、新潟と石川でほ場整備の進捗が十分ではなく排水改良も必要であるとのことですが、今後のほ場の整備や関係する施設の整備についてご要望をうかがいたい。とくに雪対策に関わる事業も必要と思いますがいかがでしょうか。

 

【たちばな  田中氏】
○山間部のほ場はほとんど手付かずの状態で、農地を守るため中山間直接支払い、多面的機能等の様々な制度を利用して維持しているが、面的な整備は遅れている。
○耕作者が耕作をやめると、農地を受けてくれる人がいない状態で、日本一の田んぼや景観は一部の地域の事であり、農地を守っていくためには、受け手ができる形に農地を整備していかないと今後10年で農村は崩壊するという一般的な見方である中で、それに対応できるよう早急に整備して頂きたいと考える。
○都会の人が、景観が良いといって農地管理の手伝いをしてくれても、一ヶ月に一回のペースでは、そのくらいではとても管理はできない。
○松之山地区の人で畦畔の草刈りを一ヶ月かかっている中で、農地面積が増えれば増えるほど作業が増える。そして作付面積より畦畔と法面の面積の方が大きいので、最新機械を入れて管理をしているが、この労力が非常に大変である。それで生産量が増えるかというと増えない。
○そこで6次産業化で、県の試験場の薦めでイチジクを作付けたが製品化するまでに4年かった。そして雪が多いため、春の芽吹きが遅く結実する量が少ない。稲もそうだが販売価格が下がる中で農地だけを維持するのは、平場に比べ酷である。その当たりの所を考えて支援して頂ければと思う。
○人口の減少に伴いますます農地は維持できない。このことから国から予算をつけていただいてもそれを使いこなす人がいなくなっているので早急に対策を立てて頂かねばと思う。

 

【沼尾委員】
○担い手がいないということだが、若い人が地域に入っても土地も家も収得できずに労働力として賃金だけもらうのは大変だと思われる。地元の方が都会に出ていって戻ってこない場合は、外部から入ってきた若い人に技術や家屋敷、農地を譲渡してでも担い手を確保しようと考えはあるか。そこを柔軟に対応し外部の人を入れ、土地も譲渡し、水利の管理も一緒に取り組んでいこうと腹をくくっている所は、若い人が入り始めている傾向がみられるという印象を得ているが、今後のインフラ整備に影響があると思うので、その当たりは、どのように思われているのか率直な印象や感想をお聞かせ頂きたい。

 

【上江ファーム  堀川氏】
○私どもには、その覚悟はある。私たちが担い手として預かっている農地は先祖代々の農地であり守っていかないといけないが、それを身内で守っていくか、外部の方に手伝ってもらって守っていくかは、私たちが考える事である。このままでは10年後には農村は崩壊する。そのため都会の学生や若い人に来てもらい農業経営そのものを若い人に任せていくことが必要だと思う。私たちは、若い人たちが農業経営に入りやすい体制を作るために6次産業や農産物の計画栽培も行い、そこに若い人の感性を加えていけば、石川県の六星のような体制が出来るのではないかと思っている。私の法人のスタッフには、私たちだけでは今後この法人経営を維持することはできないので、新規に若い人を入れていかないといけないと言っている。現在は、そのための受け皿の下準備を行っている。

お問合せ先

農村振興局整備部設計課計画調整室

ダイヤルイン:03-6744-2201
FAX:03-5511-8426

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