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農林水産省

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新たな土地改良長期計画に関する地方懇談会 関東ブロック(平成27年11月20日)議事概要

1.日時及び場所

日時:平成27年11月20日(金曜日)14時30分~17時00分
場所:さいたま新都心合同庁舎2号館 11階 関東農政局 第1会議室

 

2.議事

    (1)開会
    (2)新たな土地改良長期計画の策定について
    (3)関東農政局管内における農業農村整備の概況等について
    (4)地方代表者による意見・要望等
    (5)質疑・応答
    (6)意見交換
    (7)閉会

 

3.議事概要

議事概要(PDF:208KB)

【地方代表者による意見・要望等】
【ひらさわファーム  平澤氏】※ 全国認定農業者協議会 会長
○主な栽培品目は加工・業務用の葉菜(キャベツ)、ポテトチップス用のジャガイモで、加工・業務用野菜は近年需要が急増し、作っても作っても需要に応じきれないような状況。この30年間で作付面積は10倍になったが、今後も増加する見込み。全量契約栽培をしており、決まった時期に決まった量を生産するような、「確実な商売」をすることを目指している。JAを通してカルビーやカット野菜の工場に出荷しているが、販路は自ら探し、逆にJAにアドバイスしているところ。キャベツ生産は7人のメンバーで取り組んでいるが、一人当たりの平均所得は1,000万円程度を確保しており、契約栽培なので(中間マージンも取られることなく)手取りは高い。今後も確実な収益の確保を目指していきたい。
○未整備の農地や1~2a程度の小規模な区画が多く、小さい区画では150馬力といった大型の農業機械を入れることができない。畑の基盤整備が必要。また、水田で適正な水管理ができれば畑作化したいと考えているが、水はけが悪く、野菜は作れない。

 

【斉藤農園  斉藤氏】
○扇状地で土地利用型の経営を行っている。数年前までは、主に水稲作に取り組んでいたが、米価下落もあり、水稲作だけではダメだということで、生食用のハウストマトを導入し、施設園芸にも取り組んでいる。水田ではそばも栽培しており、生産から生そばの製造・販売まで行っている。
○ほ場整備を行う前は20a区画の農地が多く、老朽化し損傷した水路からの漏水により、湿害が起きており転作も難しかったが、ほ場整備により、水管理が容易になったほか、1筆あたりの面積が30a~50a区画と大きくなり、作業の効率化が図られた。作業時間が短縮したおかげで、余剰時間を活用し、干し芋の加工やトマトの導入が可能となった。
今までは相対で農地を探していたため、なかなか農地の集約が進まなかったが、今後は基盤整備と併せて農地中間管理事業等を活用し、農地の集約を一体的に進めてもらいたい。

 

【千葉県園芸協会  山本氏】
○当協会は、昨年の4月から始まった農地中間管理事業の事業実施主体であり、農地の貸借を仲介する農地銀行のような役割を果たしている。従来も農地利用集積円滑化事業により農地を集積する制度があったが、農地中間管理事業では集団的な農地として担い手に貸し付ける(農地の連単化に寄与する)のが特徴。
○千葉県の農地集積率は極めて低いが(20%)、今後10年間の計画では30%増となる51%、40,000haの集積を目指している。このため、ほ場整備との連携を進めており、農地利用の話し合いが進んでいる重点推進地区48地区のうち46地区がほ場整備関連地区である。機構の取組はワースト1だが、今年は600haの農地を集積する見込み。
○農地の受け手から、農地整備や水管理に関する要望を受けることがある。農地耕作条件改善事業の活用を検討したいが、総事業費2,000千円以上という要件があり断念せざるを得ない場合もある。さらに取り組みやすい事業とするため、現在の総事業費要件の下限を下げていただきたい。

 

【静岡県土地改良事業団体連合会  小松氏】
○本会は土地改良事業を行う土地改良区等の農業団体や市町を会員とする共同組織。近年、NN予算の減少、農協合併や土地改良区合併の影響といったこともあるからか、会員数も減少しており(200→121)、職員数も60人から32人に半減するなど、組織としての規模、機能ともに低下している。連合会の経営についても留意していただきたい。
○土地改良の現場では、市町、土地改良区ともに人員削減が進んでいる。土地改良事業部門の職員がおらず農家からの意見を受ける部門が実質「0」という自治体もある。インフラを扱う他部局も同様の傾向にあり疲弊しているが、これでは農業者に対応してきめ細やかな対応ができなくなってきていると感じており、土地改良事業連合会としても、今後、さらに技術力を上げ、能力ある人材を育てていく必要がある。
○こうした人員削減の背景として、市町の中で農業を議論しないといったことがある。浜松市は、本田やヤマハといった工業都市として有名だが、国営三方原用水事業を契機として、農業に対する首長の理解が進んだ。そういった意味からも国の支援をお願いしたい。
○耕作放棄地対策や農地の集積といった末端の構造政策を進めるに当たっては、きめ細やかな対応が必要である。(基幹的な事業だけでなく)国の職員の方にも現場に入っていただくなど、サポートをお願いしたい。

 

【山梨県北杜市  白倉氏】
○北杜市は「山紫水明」※1が特徴であり、「一流の田舎町」という看板を掲げ、住んでいる市民が誇りを持って暮らせるような地域づくりを目指している。人口の15%が農業者と、農業は基幹産業であり、県内最大の面積を誇る農地のうち、水田の8割はほ場整備済み。土地改良は農村、農家を守る原点であり、当市における基盤整備の恩恵は大きい。農業就業者数の減少、耕作放棄地の増大、鳥獣害の拡大といった課題を抱える中、今後も農業・農村の基盤を支えるため、NN予算の回復をお願いしたい。
○本日、TPPに関しては触れないが、国民の意識として、食に対する安全・安心といった関心が高まっていると感じており、企業型農業生産法人が増加している背景として、そうした影響があると思う。
○企業の農業参入は地域の雇用にも大きく貢献している。北杜市では、計400名の雇用が生まれているほか、それぞれの企業が連携してコンソーシアムを構築し、地域の活性化も図られている。
※1(ア)山:森林占有率76%(イ)紫:国蝶オオムラサキの生息地(ウ)水:ミネラルウォーターの生産量日本一(国内シェア約3割)(エ)明:日照時間日本一

 

【旅館みやま  星野氏】
○片品村は村の92%が森林であり、12月には雪が降り始めスキー場として賑わう。森林の合間に農地があるといった地形環境であり、農家は、6月~11月に農産物の生産・出荷を行い、冬場はスキー関係の仕事に従事するといった状況。村内には約200軒の宿泊施設があるが、半分以上は農家民宿である。
○(写真を示しながら)集落内には、平地の少ない村内で珍しく15haほどの畑があり、かつては盛んに耕作されていたが、耕作者の高齢化に加え、ガードレールもない狭く危険な農道といった通作条件等もあって農家が減少し、大半は耕作放棄地となっていた。しかし、尾瀬トマトの栽培が始まってからは、Iターン(1人)、Uターン(3人)、退職者等の新規就農者が参入し、栽培面積も耕作者も年々増加している。現在、片品村では70人の生産者がいるが、普及センターによる徹底した土壌分析や栽培指導等のサポートもあって安定した生産が可能となり、確実に収入が上がる経営ができるようになった。ただ、トマト栽培農家の3分の2は、灌漑施設がなく沢水を利用している状況であり、沢水の運搬に経費(ガソリン代)も掛かることから、小規模ではあっても基盤整備して欲しいといった要望は高い。尾瀬トマトは、年当たり250万円の売り上げ、125万円/10aの利益が見込めるため、夫婦で50aでもあれば、年間625万円と安定した収益を上げることができる。私としても、この畑が整備されたら、どれだけUIJターンが来てくれるのか、どれぐらいトマトが増産できるのか、どんな農業体験ができるのか等を考えると希望が湧いてくる。
○中山間地域では、まとまりのある農地が少ないことや担い手が少ないなど、基盤整備事業の採択要件に合致しない場合もある。補助率の高い事業の創設、面積や担い手に関する補助制度要件等の緩和など、中山間地域の現状にあった基盤整備の支援をお願いしたい。
○また、基盤整備は中山間地域の農村において、生活基盤の整備にも繋がる。中山間地域が生き残っていくため、基盤整備といったハード的なものはもちろん、集落でリーダー的な役割を担うような、専門性のある人材の派遣や役場職員の指導といったソフト面の支援もお願いしたい。

 

【生坂村農業公社  岩間氏】
○生坂村はかつて養蚕が盛んだったが(昭和40年代)、養蚕業の衰退に伴い桑からの転換作物としてブドウの栽培が始まり10年程度掛けてブドウ園として整備し産地化した。平成7年、耕作者の高齢化、後継者の減少による産地の荒廃化を防ぐため、農地の中間管理の役目を果たす農業公社が設立された。大豆、小麦については、安全・安心な生坂村100%ブランドとして公社が全量買い取り、加工して販売することもしている。
○後継者が育たないという現状もあり、農地の借り手を発掘すべく平成10年より、新規就農支援に取り組んだが、当時は、なぜ農家への支援ではないことに村の予算を使うのかといった批判もあった。しかし、18名の新規就農者を受け入れ、今では14世帯が村に定着している。新規就農支援に当たっては、ただ村に住んでブドウを栽培するということではなく、経営感覚の向上とか人脈の形成とか、農業経営として成り立つような組立が必要と感じている。
○当時は、新規就農者に対し3年間の支援を行った。現在、国では新規就農者向けの支援として、年150万円を5年間給付する制度(青年就農給付金)があるが、5年間は長すぎる気がする。2~3年の助成でその後は本人の経営を精査し、経営拡大(機械導入や施設補助)のための支援を行った方が担い手の育成として有効ではないか。

○担い手だけで集落を守っていくことは困難なため、多様な担い手を支援する視点も必要と考えており、高齢者やリタイヤ農家などに条件の悪いところで麦や大豆を作ってもらい、6次産業化することを計画中。
○仲介する農地は基盤整備されていることが必要であり、小さな区画のままでは借り手に渡しづらい。また、30年以上前に整備した施設は老朽化しており、近年の豪雨等の異常気象による災害も増えていることから更新整備をしっかりと行って欲しい。気候条件も年々厳しくなっており、施設栽培用の整備も必要。
○中山間地域において、中山間地域等直接支払制度や農地・水支払の制度は有効だが、事務が煩雑・大量であり、村役場の担当が代わりに事務をこなすほどであった。多面的機能支払制度となり、多少、事務が簡素化されたと聞いているので、そのように農業者が取り組みやすいような制度設計をしてもらえると助かる。

 

【意見交換】
【中嶋委員(座長)】
○これまでのご発言に追加されたい事項や意見交換メモにある内容、長期計画や土地改良事業への質問など意見があればお願いする。

 

【ひらさわファーム  平澤氏】
○農地中間管理機構、改正農地法に伴う新たな農業委員会、そして認定農業者の3者が密接に連携し、農地に関する情報を共有できるような枠組みが必要。その際、基盤整備の要望もまとめるとか、土地改良サイドからの視点も重要。
○中山間地と平坦地では営農形態が違うように、経営環境には様々な条件がある。経営規模等、平場と同じ目線で中山間地を見るのではなく、それぞれの経営の姿に着目した特例を設けて欲しい。新たな土地改良長期計画と併せ、「農村振興モデル」を提示するというのは良いことだと思うが、規模の大きな成功事例だけではなく、小さな取組であってもそのアイディアが波及するような、小規模な事例も取り上げて提示していただきたい。

 

【斉藤農園  斉藤氏】
○ これまでの農地集積は「担い手対兼業農家」という相対で進めるケースが多いと思うが、虫食い的な農地利用にならないよう、担い手(借り手)、農地の貸し手、行政が一体となって集積を進めていく必要。
○基盤整備により、耕作放棄地は減少する。今後は、基盤整備の中で後継者を育てるような視点が必要。また、水稲作のみならず、施設園芸も組み込んでいく必要。基盤整備に当たっては、机上の設計に終始することなく、農業者の意見をしっかり聞いて欲しい。
○今後の農村振興のあり方について、耕作者の高齢化が進行しており、農地等の管理に対する一農家の負担が大きくなる。労働力が限られている中、集落一体となって農地を守る必要。

 

【千葉県園芸協会  山本氏】
○もうかる農業の方法論として、コスト低減といった方向性が示されているが、TPP交渉の大筋合意による影響以前に、H30の生産調整廃止があると思う。生産環境が大きく変わろうとしている状況の中、交付金がなくても耐えられるようなコメ生産の原価計算をどうするのか等考えるべき。千葉県は首都圏近郊ということもあり、地元農家の中には「作れば売れる」と考え、危機感がない方も多いように感じる。5~10年先、農業を続けているのかといったアンケートを取り、その報告会で集まってもらい地域農業をどうするのか意識してもらうような工夫が必要ではないか。
○今後の農村振興のあり方について、農家個々の活動では限界があり、地域の課題として捉える必要がある。人・農地プランのように農地や施設の維持管理は、集落単位で担っていくという考え方を共有すべき。中間管理事業を活用し担い手へ集積が進んだとしても、ほ場まわりの草取りや堀払い等は農家個々で対応しきれない。中間管理事業の推進に当たっては、熟度の高い地域、やる気のある地域を先進的に進め、横展開を図りつつ、地域皆で考えるような仕組みとする必要。

 

【静岡県土地改良事業団体連合会  小松氏】
○これまで農地の集積は、農地利用円滑化事業、農地保有合理化事業といった枠組みの下、JAの営農担当や普及センターの指導員が地元農家と顔を突き合わせ、様々な調整を行いながら集積を進めてきた。機構に農地を預けると安全だというが、農家にとっては信頼が第一。農地中間管理事業の推進に当たっても、関係者間の信頼関係を築くような努力が必要。
○新たな土地改良長期計画の策定に併せ、「農村振興モデル」を提示するのは良いことだと思うが、農村の振興には、仕事・雇用・生活環境・教育など、それらを含め農村振興という部分もあり、土木的な視点だけでは大変な作業になるのではと思慮する。集落機能の維持という視点も必要。

 

【山梨県北杜市  白倉氏】
○強い農業を実現するためには、力強い土地改良が必要。土地改良施設の老朽化は深刻であり、更新事業を進めるためにもNN予算の回復を期待している。
○地方創生を考えるに当たっては、人口減少にどう歯止めをかけるかが課題。都市の出生率の増加を期待することは困難であり、農村の振興が不可欠。食の自給なくして国の存続はあり得ず、国民の「食」を守るためにも、農村振興に取り組む必要。

 

【旅館みやま  星野氏】
○片品村では農地中間管理事業の実績はない。貸し出せるような魅力のある農地が無い。基盤整備を行い、借りてもらえるようにすることが必要。

 

【生坂村農業公社  岩間氏】
○当公社では、農地中間管理事業の制度が始まる前から、農地の中間的な管理を行い、新規就農者等へ貸付をしてきた。やはり、そうした農地や地域を誰が守るのか、といった役割・位置付けを明確化することが重要だと思う。不在村地主も多く、農地の集積が難しいことも課題。
○今後の農村振興のあり方について、当村では、村、県、公社、農業委員会、認定農業者などによる地域の農業活性化に向けたプロジェクト会議を開催している。年に1度、担い手の将来像とか地域の将来像についてアンケートを行い、誰がどうするのか共有できるよう、地域で考える体制を目指している。

 

【中嶋委員(座長)】
○地方代表者の意見に対して、委員から質問があれば出して頂きたい。

 

【武山委員】
○基盤整備と併せて地域の将来像を描く話し合いが必要ということだが、会議の開催、アンケートの実施等、関係者のネットワークづくりに有効な事例を教えて頂きたい。


【生坂村農業公社  岩間氏】
○毎年最低2回、集会を開いて、地域の皆で話し合いをしている。最初はなかなか意見も出なかったが、2年目3年目になると画期的な意見が出てきた。地域に入っていって行かなければ何も始まらない。

 

【千葉県園芸協会  山本氏】
○行政と地元を繋ぐキーパーソン、集落単位での世話役をどう見つけるかが鍵。農業委員会が見直され、農地利用最適化推進委員の制度ができたが、公的な立ち位置が強く広域的過ぎるので、もう少し地元に近く集落の世話役となる人を中心に取組むことが重要。
○農地中間管理事業は、面的集積が魅力の一つだが、始めは虫食いでも担い手へマッチングすることが大切。中には、「この人にしか貸したくない、この人には貸さない」という地権者の声もあるが、数年経った後に利用権設定の再配分することで面的集積も図れるので、時間をかけて進めていくことも必要。

 

【ひらさわファーム  平澤氏】
○認定農業者協議会、農業委員会、行政が定例会等を開いて地域の現状を皆で共有化する必要があると感じている。地域の意見をしっかり吸い上げるためにそういった活動が重要だと感じた。地元で話し合い、実践してみたい。
○今後、担い手が少なくなり、隣接する集落の農地も引き受けるようになると考えている。その場合も、個でなく組織、地域で取組んでいきたい。

 

【小谷委員】
○現地調査で見学した発戸地区においても、1年半の間に10回以上の会議を開催し、顔を突き合わせながら細部まで調整を行ったことで、スピーディーな事業実施が実現できたと伺った。細やかな合意形成が大切だと実感。


【斉藤農園  斉藤氏】
○毎年、営農継続に関するアンケートを実施し、農地貸し出しの要望を把握している。また、アンケート結果について、農家、非農家に関わらず集落全体で集会を行い、農地の受け手を話し合いで決めている。農地は個人のものだが、集落の財産でもあるので、なるべく集落の中で受け手を見つけるようにしている。自分たちの集落のことは、集落全体で考える仕組みに取り組んでいる。集落内の人材をいかに活用するかが重要。

 

【中嶋委員(座長)】
○農地中間管理事業が県単位となっているのは、集落外から担い手を呼び込むための枠組みと認識している。担い手を呼び寄せる場づくり、集落と外部とがスムーズに話し合える仕組み作りについて意見を伺いたい。

 

【山梨県北杜市  白倉氏】
○先祖代々の農地をよその人に貸すことは容易なことではないので、貸し手と受け手との間に行政なり公社が介在する必要。

 

【生坂村農業公社  岩間氏】
○ただ農業がやりたいから、といった理由で農村に来て農作業をするのは、個の取組であり地域との結び付きがない。地域の中に入り込むことができるよう、農業経営やマーケティング、その地域に住むための地域との関わり方、農村で生きていくための知恵について教える等、きめ細かい支援が必要であり、行政、普及センター、JA等の関係者全体の連携が重要。

 

【中嶋委員(座長)】
○新たな土地改良長期計画の策定に当たっては、多様な「農村振興モデル」を提示していきたいと考えているが、モデルを明示する上で、誰がどのように道筋を付けるのかといったことだけではなく、“よそ者”をどう巻き込んでいくのか考える必要があると思う。土地改良区は、そうした役割を果たせないだろうか。

 

【静岡県土地改良事業団体連合会  小松氏】
○畑地かんがい施設が整備された地区に企業が参入した際、問題が生じた。当地区では、設計基準に従って日かん水量4mm、間断日数7日のかん水方法で施設が整備され、ローテーションで利水していたが、カット野菜を栽培する参入企業は出荷の都合があって、ローテーションブロックによるかん水運用ルールを守らず、地区内の水利用が破綻した。改良区と企業との間で話し合いの場が持たれたが調整がつかなかったため、県農林事務所と県土連が仲介に当たり、参入企業はルールに理解を示すとともに、作業の一部に地域から雇用 することで和解した。水田に比べ、畑の使い方は粗放的な面も多く、企業は草刈り等もせず、地元にとって迷惑な存在となる場合があるので留意する必要がある。


【中嶋委員(座長)】
○最後に発言されたいことがあればお願いする。

 

【静岡県土地改良事業団体連合会  小松氏】
○TPP対策が具体化する中、「UR対策に投じた土地改良事業予算がばらまきだった」と報じる世論があるが、本県では効果も上がっており、力強い産地が形成された。こうした間違った風評は、現在、進められている新たな土地改良長期計画の策定にとって好ましいことではないので、打ち消してい く取組が必要である。

 

【農林水産省設計課  廣川課長補佐】
○農村振興モデルに対するご意見も含め、新たな土地改良を考えるに当たっての厳しくも温かい叱咤だと心得る。ただ、農村振興モデルについては、国が勝手に新たなモデルを作成するというのではなく、営農類型や地域類型を考慮した上、産業政策や地域政策の視点を意識しながら、あくまで既に取り組まれている先進的な事例を収集・分析して例示しようというもの。現場関係者が、一歩踏み出せる参考となるようなものにしたいと考えており、平澤さんの仰った“小さな取組”も意識するようにしたい。土地改良事業そのものについては、悪しき公共事業といった見方をされがちだが、農業生産性の向上を通じ、白倉市長が仰った地方創生にも寄与する、域内経済循環といったストック効果を有するもの、さらには、他の公共事業とは違い、人と人とを結び付ける農村協働力を活性化させるという2つの視点から、その在り方について議論・整理してきたところであり、近日中に公表する予定なので、参考にしていただきたい。

【山梨県北杜市  白倉氏】
○最後に、農地は農家が守っているということを忘れないでいただきたい。

お問合せ先

農村振興局整備部設計課計画調整室

ダイヤルイン:03-6744-2201
FAX:03-5511-8426

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