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農林水産省

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新たな土地改良長期計画に関する地方懇談会 九州ブロック(平成27年11月16日)議事概要

1.日時及び場所

日時:平成27年11月16日(月曜日)13時30分~15時30分
場所:熊本地方合同庁舎A棟 4階 農政第4会議室

 

2.議事

    (1)開会
    (2)新たな土地改良長期計画の策定について
    (3)九州農政局管内の農業農村整備の主な現状と課題
    (4)地方代表者による意見・要望等
    (5)質疑・応答
    (6)意見交換
    (7)閉会

 

3.議事概要

議事概要(PDF:203KB)

【地方代表者による意見・要望等】
【(有)松井農園松井氏】
○町内にはまだ畑地かんがいが未実施のところもあり、天水に頼っている地域もあるので、是非整備を進めて頂きたい。
○数年前にほ場整備した地域(大平山地区)では、排水が不完全であり、畑の水はけが悪く、作物が腐れ易い環境にあるため、暗渠排水事業の推進もお願いしたい。
○綾町では有機農業を町ぐるみで取り組んでいるが、有機JASの取得者が伸び悩んでいる。食の安全性が高まる中、また、2020年に東京オリンピックを控える中、もっと有機JASが取得しやすい環境を整備して頂きたい。具体的には、申請書類の簡略化や書類作成の支援等があれば、もっと有機JAS取得者も増えると思われる。

 

【(株)さかうえ坂上氏】
○ほ場整備については、更なる効率化のため、ほ場区画の拡大(少なくとも1ha以上/1区画)を望む。
○白地と農地の棲み分けが必要であり、農地転用の歯止めも必要。
○農地の貸し手、借り手の農家へ経営支援が必要。
○法人組織等への支援を充実させてほしい。

 

【水土里ネット熊本田上氏】
○長期計画等に基づいた整備が着実に推進できような予算確保をお願いしたい。
○熊本県には、多くの揚水機場と排水機場がある。農業生産性の向上のためには不可欠な施設であるが、電気代や燃料代などを含め、維持管理には多額の費用を必要とする。しかも両施設共に、公益性の高い施設であることから、維持管理費節減対策を要望する。

 

【豊後大野市橋本氏】
○農業における鳥獣被害は深刻な問題。鳥獣害防止対策を抜本的に進めるなど、中山間地域の振興にも力を入れてもらいたい。
○中山間地域と平野部の農業政策の在り方は区別されるべきであり、また、水田と畑の違いにおいても、生産性や地理的条件を考えた制度設計と制度の運用が必要。そこで現在進められている農地中間管理事業については、制度の必要性及び有効性は理解できるが、運用面において現場の実態に応じきれない点があり、継続的な見直し・検証が必要。

 

【熊本消費者協会坂口氏】
○消費者と農業や農村の地域共生が課題であり、再生可能エネルギーの活用も積極的に推進すべき。
○TPPの関連もあり、安心安全は大前提であるが、安ければ輸入物ということではなく、日本の農業、農村が果たしている役割について消費者にも十分理解してもらう必要があると考えている。

 

【質疑・応答】
【森委員】
○松井さんにお聞きしたい。合鴨米及び有機野菜において販売ルートはどのようになされているのか。JAを利用されていないのか。

 

【(有)松井農園松井氏】
○販売ルートについては、各地から注目されている町であり、営業にあまり出向いたことはなく、インターネットが主な商談の窓口である。あと、綾町役場に有機農業開発センターがあり一括取引先の紹介、提案を頂いて、それを活用している。
○JAについては、最初は利用していたが、土日等の個別配送が難しいということもあり、自分たちで会社をつくり細かなことまで気を配るようにした。

 

【森委員】
○坂上さんにお聞きしたい。およそ100haのうちに2割の20haが畦畔と伺ったが詳細を教えて欲しい。

 

【(株)さかうえ坂上氏】
○資料3に載せている面積は実(耕作)面積なので、およそ100haに加えて畦畔が17haほどになり、平均すると全体のおよそ15~20%が畦畔になる。

 

【森委員】
○田上さんにお聞きしたい。高齢化して合併もむずかしく負担も増えているとのことだが、担い手の人たちで土地改良区を新たに受け継いでくれている人は動きとしては結構出てきているか。その場合若い人たちは水路の維持管理を個人でなかなかできなかったり、技術的にも経験の無い方が多いと思うが、もし良いケースがあれば教えて頂きたい。

 

【水土里ネット熊本田上氏】
○集落で農地・水の制度があり、農家だけでなく非農家もいろんな形で巻き込んでいる。必ずしも農家あるいは担い手だけではなく地域ぐるみでやっていこうというのが今のやり方で、水土里ネットでは役職員になられた方に理解してもらうというのが一番良いやり方ではないかと思っている。
○11月11日にも九州管内で農地・水フォーラムを熊本で開催したが、1,400人参加し、九州各県から団体の方に集まって頂いた。平成20年から始まり8年目になるが最初は200名の参加でしかなかったが、今は多くの参加を頂いているので、かなり隅々まで広がっていると思う。

 

【森委員】
○橋本さんにお聞きしたい。農地中間管理事業について現在の制度が現場の実態に応じ切れていないとのことだが、具体的に教えて頂きたい。

 

【豊後大野市  橋本氏】
○農地中間管理事業は良い制度だと思っているが、進めていく上で事務的な部分が簡素化されると良いなということと、我々が中で困っていることは土地への執着が多いというのもある。非農家の方に農地ブランドをつくってやることを理解して頂くには、現場に我々がもっと入っていく必要がある。制度的にも、がんじがらめでない方法で我々をもっと信用して頂いて自治体の中で自由度を増して頂ければ我々の責任でもって、これをやっていこうと思っており、これは農水省にもお願いをしているところ。

 

【森委員】
○坂口さんにお聞きしたい。消費者として安心・安全な食料を生産するための農地の環境保全に対して、何か消費者協会の方ではこういうふうにしていきたいとか、あるいは知らないことをこういうふうに教えて頂きたいとか要望はあるか。

 

【熊本消費者協会  坂口氏】
○私は、たまたま代表をしておりますので、農業に関わっている方とよく会議などでご一緒させて頂いてお話しを聞くことはあるが、一般の消費者が直接農地を保全している方、あるいは農業に携わっている方とふれあう機会というのは、だいぶ増えては来ているが、たくさんあるわけではない。一部の農業に興味がある方においては、ネット等で自分でどんどん進んで行かれるが、それ以外の方達をいかに目覚めさせるかが難しい課題である。

 

【加藤委員(座長)】
○松井さんにお聞きしたい。私は山梨県にいるが、去年亡くなられた菅原文太さんが山梨にこられて「今からは有機の時代だ。」と言ったことで、山梨で有機農業を始めるきっかけとなった。そこでお聞きしたいのは、今までの一般的な農業から有機農業への転換をしようとしたきっかけは何か。

 

【(有)松井農園  松井氏】
○私の場合は以前は葉たばこを作っていた。南九州は葉たばこの産地で、葉たばこを作っていれば生活に困らないというくらい潤った町だった。当時私が就農した頃は葉たばこ農家は45,6件あったが、現在は1件になっている。その中で葉たばこは、化学的なものを使わないと生産できない。葉たばこは土壌消毒剤とか劇薬を使わないと病原菌に対抗できないというのがあるが、菌にも抵抗性が出てくるので、一年目10kg使えば二年目は12kg,13kgと効果を得るためには薬剤を多用していかないといけない。これを続けていくと自分の代は良いが、次の子供達が農業をやると言ったときに、果たしてこのようなことしていいのかと疑問を持った。
○また、綾町の郷田前町長がこれから先、食が乱れてくると地球環境も乱れるということで町をあげて施策として行った。たとえば堆肥を使う、堆肥を置く施設を作る、堆肥を撒く機械を購入するといったことに補助金を出すといった取組をし、最初は堆肥づくりからコンクールをやったりした。最初は半信半疑で堆肥をふればお金がもらえるということで、今まで使わなかった堆肥を使って同じように野菜作りをしていったが、どんどん野菜が健康になってきて、有機物をどんどん入れれば、おいしい野菜ができだした。私が有機農業を始めた頃には有機野菜に対する注目がなく、同じ市場に出せば農薬付けの野菜は高く評価されて、虫が食えばB級品となり生活の糧にならなかった。そこで前町長が、そういうものが売れる商業施設を作ろうということで有名な『本物手作りセンター』で、農家が農産物を持ち込んで野菜の販売を展開したのが転換のきっかけである。

 

【加藤委員(座長)】
○土地改良とは関係ないかもしれないが、有機JASの関係で取得認証が非常に厳しいと思う。たしかお金も結構かかるし、更新にもお金がかかる。有機JASを取得しやすい環境整備とは国がどういう形を取っていければ良いと思うか。

 

【(有)松井農園  松井氏】
○今は有機JAS農家が11件しかない。なぜかというと書類の簡素化がなされないという現状と年に一回の監査でパソコンを使用することが多く、年配の方にとってはネック。また、有機JASの品物がようやく今評価されてきたが、これまでは、それほどまだ注目されなかったというのもあると思う。

 

【加藤委員(座長)】
○坂上さんにお聞きしたい。従業員48名で年間を通しての労働時間をどのように管理されているのか。

 

【(株)さかうえ  坂上氏】
○一つは作物を組み合わせること。ばれいしょ、キャベツ、ケール等を栽培しているが、その他にも、夏はデントコーン、施設栽培も1.4haでピーマンを栽培している。あと派遣の申請もして、労働力調整を行っている。例えばお茶農家に仕事に行き、反対に繁忙期は来てもらうといったこともやっている。

 

【武山委員】
○畦畔がこれだけあると草刈りの負担を誰がしているのか。
○さらに規模拡大を望まれているが、一般的に考えるとより畦畔の面積が増えて潰れ地が多くなってしまうことを嫌がり、ほ場整備が進まないようなことがよくあると思うが、その辺の問題をどのように捉えられているか伺いたい。

 

【(株)さかうえ  坂上氏】
○畦畔の管理に関しては、自社で全て行っている。刈払い機20台、トラクターにつける約500万円のもの3台で行っており、正確には調べないとわからないが年間延べ400~420人程度かかる。
○広くすればということだが、昭和30年代に整備したところもあるので今風の整備をやり続けて頂きたいと思っている。

 

【武山委員】
○ちなみに今お話し頂いた内容として草刈りにかかる経費は全体の売り上げ経費の中で大きなところを占めるものではないという理解でよいか。

 

【(株)さかうえ  坂上氏】
○割合としては、大きい。正確なところはわからないが、機械の維持等も合わせて、年間1,000万円程度はかかっていると思う。

 

【武山委員】
○それでも規模拡大して、効率的な農業が行えれば草刈りの面積が増えたとしても問題ないか。

 

【(株)さかうえ  坂上氏】
○畦畔の面積比率は低くなると思うが、それでも限界はある。

 

【武山委員】
○94haを借り入れられているが、この合意形成に工夫されたことがあれば教えて頂きたい。

 

【(株)さかうえ  坂上氏】
○地域貢献である。とにかく畦をきれいに払うこと。だいたいの法人で一番先にコストカットするのが畦を払わないということが一般的にあるので、人がやらない畦を払いきれいにすることで地主さんは喜ぶ。

 

【武山委員】
○すなわち、農地の上だけでの作業だけでなく水路、畦をきれいに管理することで信頼を勝ち得て合意形成に向けていくということか。
○もう一点だけ松井さんにお聞きしたい、畑地かんがいが未実施のところについては、水源の水量が不十分で出来ないのか、それとも水路自体は来ているが、末端の整備が済んでいないのか。

 

【(有)松井農園  松井氏】
○元々そばに綾川のダムがあり、水源はある。

 

【武山委員】
○この辺りの整備が進まないということは何か背景になる理由はあるのか。

 

【(有)松井農園  松井氏】
○それだけ魅力がない土地というか、鳥獣被害があったり、人が敬遠するところになると地主さんが希望したがらない問題がある。

 

【武山委員】
○そういうところで整備が進めば、より畑の利用が見込まれるということか。

 

【(有)松井農園  松井氏】
○法人とかも何カ所かあるので、手は伸ばせるが、なかなか水路を自分達で負担してまでしようとする法人は綾町にはまだ少ないというところ。

 

【武山委員】
○畑が平らでなくて、連作障害の回避に水を溜める作業が上手く出来ないというご意見だが、一般的に畑は水はけを重視するようなイメージがあり、平らにするイメージがなかなかない。平らにした上で水を溜め、更に排水のし易さも確保し、両者ができると良いというご意見か。

 

【(有)松井農園  松井氏】
○そうである。というのが除草剤を使わない、土壌消毒剤を使わないとなれば、一番効率的な方法としてそのような対応をとっている。
○真夏の宮崎は40℃を日中は超え、靴を履いてでもロータリ後のところを歩くと足が熱くてたまらないくらい土壌の温度が上がるので、なかなか作物が作れない。2~3ヶ月は梅雨も長く何を作っても、良い物が作れないため、その時期に思い切って畑を休ませて水を張れば景観も良くなるし、周囲の温度も下がり、一石二鳥ではないが、その後に作物を作るときに雑草も減る。
○均平化をすることによって隅々まで水が張りやすくなる。現状では広い畑を区切らないと水がたまらない。また、スプリンクラーの水はしれているので、水を出しながらトラクターで10a当たり1~2日かけながら2~3時間毎にかき混ぜ広げないと水田みたいには溜まらない。

 

【武山委員】
○有機栽培の観点から見ると効果はいかほどか。

 

【(有)松井農園松井氏】
○消毒剤等を使っているものと比べても見分けがつかないほどである。

 

【意見交換】

(議題1高付加価値化等による畑地農業の振興のため、畑地の基盤整備をどのように推進していくべきか。また、その際にどのような課題があるか。)

【水土里ネット熊本  田上氏】
○水田、畑ともに基盤整備の本質は農地と水でこの二つが不可欠であり、畑地帯では特に水が不可欠である。水は作物の品質にも大きな影響を与えるのでこの確保が課題である。
○基盤整備をするしないにかかわらず熊本県では樹園地等の作業用道路があまり設置されていないため、負担が大きくなる実情があるので必要である。
○中山間地域の農業では、地形的な要因で、防災面も考慮しなければいけないため、先人たちが石垣で農地を囲ったりいろんな対策をやってきたりしているが、その把握が必要だと思っている。
○農地の地図情報も作っている。この地図情報の中で農道の配置とか用水系統、排水系統それから防災面で評価すべきところ、そういうものは地図情報が重要な情報源となっていると思う。中山間の直接支払等で集落の状況、作物の状況といろいろ作っていると思うが、これに附随させて、農地情報も入れ込むような政策をとって頂きたい。

 

【豊後大野市  橋本氏】
○我々の所は、水田の場合は約90%で整備が進んでおり、畑地の方もかなり進んでいると思っているが、いかんせん老朽化による改修を常にやっていかなければいけない状況にある。私達が今やらないといけないと思う一番の原因は、高齢化していき辞めていく方々がおり、受益面積が減ってくる。今、賦課金にしてもかなり負担になっている。このため、今やらないと将来、後でやりましょうという話にはおそらくならない。我々にとってもギリギリの所で今、整備をやっていこうと考えている。前の政権の時にかなり土地改良についての事業費が減らされたが、当時、私どもは補助費がないからやならいとはしなかった。市単年度予算を突っ込んでも今やっておかないと出来ないという事で我々としては補助無しで進めた。非常に財政の厳しい中から、そういう選択を選ばざるを得ない状況である。ですから今、国の方がきちんと手当てして頂かないともう間に合わないという緊迫した気持ちを我々は持っている。

 

【加藤委員(座長)】
○橋本市長さんから今しかないと、今やらないと困るというお話で、一番土地改良事業で問題なのは最後の財源の負担だと思う。それについて先ほど坂上さんからは面積も今から増やしていきたいとの話もあったので、その場合の整備の負担の仕方についてはどの様に考えているか。

 

【(株)さかうえ  坂上氏】
○我々は担い手が負担していくと思っていて、整備する上では、所有者は実質負担金0でやれると、賦課金に関しては我々が対応するということでもいいと考えている。今農地を借りているところはそうお話をして賦課金相当額の土地代を払うという事で、実際集まってくる。
○インフラの整備はずっとやり続けていく必要がある。世界で競争するためには、合理化だったり、ニーズが変わってきたときの変化に対応出来る環境を整備しておくことが一番重要と思っている。

 

【加藤委員(座長)】
○付加価値型畑地農業関係へのご意見、地元の熊本県の取組状況はいかがか。今しかないというのが橋本市長、負担は大丈夫、心配ないというのが坂上さんのお話し。最後は国の補助金・事業費という話も出てくるだろうが、熊本県の田上常務の所では土地改良施設の維持管理の中で負担金という問題はどのようになっているか。

 

【水土里ネット熊本  田上氏】
○熊本県の場合だと、県の方も負担金対策については手厚く補助を頂いている所。特にほ場整備の制度として促進費という制度が出来て4~5年前ほど経つが、経済育成、促進費活用の農家の負担金がかなり軽減された。最初は水田だけだったが、畑についても促進費を中山間整備事業の制度として認めていただけないか、ずっと国の方に要望してきた。先程お話しにありました、今やらなければいけない、と言うことで数年間単県費を導入し、同じような制度を熊本県で行ってきて、今では国の制度に変わっているという状況。単県費を使ってまでやろうと、そういった事が一番大事なのかなと。
○高付加価値になるとどうしても品質が重要。作物が出来る品質には水というのが大きな要素を持っていると思っている。水の必要性をもっとPRしていかなければならないと思っている。


(議題2平地と中山間地においては目指すべき農業・農村の姿が異なると思うが、それぞれの地域においてどのような施策を推進していくべきか。)

【豊後大野市  橋本氏】
○当市は中山間地域が多いが、ここで農業をするというには環境整備が必要である。一つは水路、水環境がきちんと整っていること、もう一つは鳥獣被害で、イノシシ、鹿の対策、これが大変な労力。生産に従事する以前に、そこを囲わなければいけない、もしくは駆逐しなければいけない。余分な手間と労力がここに集中し、結構な費用が掛かる。これを食い止めない限り農業生産に専念出来ないというのが実状であり、冒頭に生態系の問題を取り上げましたがかなり深刻だと我々捉えている。
例で言うと普通鹿の生息は1平方キロメートルに3頭~5頭、我々の市で毎年調査している中では1平方キロメートルに30頭~40頭。これは本当に大変な状況だと思っている。鹿の生態系が崩れており、ここは産地化する以前にこれを食い止めるということを国策として更にやっていただきたいという事がまず一番。
○平地についても水田に関しては非常に厳しい状況にある。綾町のように皆さんと同じようにやるには意識が低くてもう少し時間がかかる。高齢化している方々が今からやろうという意欲はもう無い。だから若い人たちが取り組むためにはどうやったらいいか。法人的な経営の中で雇用として進めていくしかないと思っている。しかし、1人20ヘクタールという話は我々の所では無理。法人的経営で大きなブロックとしてやる方向に進めていくしかない。産地化については付加価値が出来る農産物、高齢者が収穫出来る重量なものでない、加工が出来て輸出出来る、そういった品目に切り替えていかない限り、従来の展開では厳しいのかなと思う。そういった新しい作物の品種改良を含めたバックアップが欲しい。全部自治体がやりなさい、農家がやりなさいというのは非常に困難な状況なので、我々もフォロー、相談しながら提案していきたいと思っている。

 

【(有)松井農園  松井氏】
○当県も中山間地を抱えており、鳥獣防止の事業があるが、網で囲っても個体数は減らない。個体数を減らすためにハンターがいるが、かなり高齢化されて昔のようには出来ない。一方で警察の方でも高齢者の免許更新はかなり難しくなっている。高齢の方ばかりに頼って、何か問題があってからでは遅い。県の方から高齢者の免許更新の話はここで話しておいてと頼まれたのでお話しさせて頂いた。

 

【加藤委員(座長)】
○免許更新については国の方も力を入れているのは事実。鳥獣害対策は農村振興局に事業も移ってそれなりに予算も付いてくると思う。仕留めた後の「ジビエ」というのもこれから問題になってくると思うがどのようになっているのか。捕獲した後の活用策は何か考えているか。

 

【豊後大野市  橋本氏】      
○仕留め方から違うので難しい。暴れたら商品にならなので、一発で仕留めてきちっと解体するというプロの技が無いと商品として成り立たない。そういった事業が立ち上がっているが、処理をして流通をどう確立させていくか。またジビエそのものがあまりに馴染みが無い状況なのでそこを我々も考えていかなければならない。

 

【加藤委員(座長)】      
○山梨県では、捕獲したり、銃で射殺した後、シビエにするためのマニュアルを作成している。いろいろ問題はあるが、鳥獣害に対応するためにはジビエ等何か考える必要がある。
○坂口さんのほうで、ジビエも含めて中山間地域の農業は平地に比べると生産性も落ちるので、同じものでも、高く買って頂かないと農家として厳しいが、今消費者の目線というのは産地趣向も含めてどういう形になっているのか。

 

【熊本消費者協会  坂口氏】
○一般の消費者の方は二極化するのではないかと思う。情報収集して高くても少量でもいいので食べたい、きちんと表示を見極める力があって、納得して払うという方と、安い方がよいという方が出てくる。だから教育の部分が大きくて、どうして農業が必要なのか、あるいは中山間地が無くなると日本の景色が無くなるといったことを大人もわからないのではないか。そういった部分も含めて食育について、更に進めていく必要があると思っている。
○それとジビエについて、料理に限らず何か他に使えるものはないか。例えば健康食品に使えるとか、美容や健康などに関する開発ができればもっと良いと思う。
○基盤整備の話について、ハードだけではなく人材を育てるところにも補助金の光が当たるようにすれば、より消費者の身近になると思う。人を育てるということにも力を入れて頂きたい。

 

【加藤委員(座長)】      
○平地と中山間ということで坂上さんから中山間の法面の勾配がきついという話があったが、希望やこんな施策が必要だというものがあったらご意見を頂きたい。

 

【(株)さかうえ  坂上氏】
○中山間地域は担い手がいない。広いところは需要と供給があり借りる人もいるが、中山間地には難色を示すので、人を呼ぶということについて各地域で取り組みを行っている。人が中山間地に行かないと活性化はない。よそ者でも土地が借りられるようにするとチャレンジする者も出てくると思ので、こういったことにも施策が必要ではないかと思う。

 

【武山委員】
○資料3に、白地と農地の棲み分けが必要、転用の歯止めも必要とあるが、詳しく要望を聞かせて頂きたい。

 

【(株)さかうえ  坂上氏】
○我々のところも中山間地ばかりではなく平坦のところもある。だいたいが平坦地の畑や田んぼが都市化の進行で住宅地になっていくのが元々の流れだと思うが、後からきた住人の方が強くなって、堆肥を振ると臭いとか苦情を言われると、有機農業も出来ない。実際我々も、ケールは無農薬で有機農業をやっている。そういった農業をするにしても有機(堆肥)をいれるので、住宅地になるとだんだん出来なくなる。

 

【武山委員】
○優良農地の宅地化スプロールということは現在でもよく起こっているのか。

 

【(株)さかうえ  坂上氏】
○完全な農地から都市化、白地になると農地と宅地が混在するので、畑をやめるかというとやめないので、混在することになる。農振農用地ではないところでも作付けしてくれと言われることもあるので、中山間地より混在している方がやりづらい場合もある。

 

【森委員】
○松井さんにお聞きしたい。キャベツや大根等の重量野菜を作っているが、高齢化してくると労働負担がより少ない機械が必要になってくると思うが、機械を農地に入れるために排水改良が必要だとか、新たにこれに関する要望はあるのか。

 

【(有)松井農園  松井氏】
○重要な問題である。私どもにも若い従業員がいるが、若い人に限って無理してしまう。重量野菜でもにんじん、タマネギ、キャベツ等は消費者の需要が多いのでそこは外せない品目であり、工夫しながらできるだけ機械化をしなければならない。現状広いほ場であれば機械とか軽トラとか作業道を入れられるが、あまり広くない集約された農地では、少しでも収量を上げるため農地で活用しなければならない。効率化を考えてはいるが、現状は手押し台車等を使ったりして収穫している。

 

【森委員】
○坂上さんにお聞きしたい、飼料用トウモロコシ(青刈りトウモロコシ)を作られているのは、日本の現状の中ですごく大切だと思う。北海道においては、大きな畑作地帯では傾斜を緩くつけて効率の良い基盤整備事業を行っているところもあるが、このようなことは坂上さんから見てどのように思われるか。

 

【(株)さかうえ  坂上氏】
○鹿児島は特に夏場の作物が緑肥を植えるか飼料作ぐらいしかないので、あまり傾斜がきついと地表が梅雨時期に流れてしまう問題がある。

 

【九州農政局  山田部長】
○九州農政局では特に南九州地域を中心に畑地かんがい事業を宮崎県、鹿児島県と共に強力に進めてきた。畑地かんがいは計画栽培・出荷を可能とすることから、6次産業化バリューチェーンの構築という意味で、最近注目されている。行政側はさらにバリューチェーンの構築に向けて、農家と企業をマッチキングさせるような対応や、重量野菜は1次加工して水分を落として出荷するような加工技術の開発を行っている。宮崎県、鹿児島県では畑かんによる攻めの農業に積極的に取り組んでいる。
○もう一つ、攻めの農業とは反対になりますが、豊後大野市の橋本市長さんが話されたように、中山間地では、その地域の維持のためには農業の維持が不可欠であり、その農業を維持していくためには老朽化した水路を今の段階で整備し直して行かないと地域の持続性が無くなってしまうという危惧がある。地域の維持に向け老朽化した水路の整備を、大分県のように県をあげて整備を行ってこられたところもあり、九州の基盤整備は二極化している。

 

【(株)さかうえ  坂上氏】
○根本的な考えの中に担い手をどうするかというのが柱にあってほしい。農業を辞めるような人たちに、ばらまくのではなく農地中間管理機構等でリタイヤしたら補助金を出すものもあるが、担い手をどうするかを考えて頂きたい。
○政治の話をしてもしょうがないが、民主党が政権をとる前の自民党の間は、すごく応援されているような感覚があったが、民主党に変わった後は見放されたと感じた。一つ一つ単発的ではなくて、担い手をどうするかという総合的な取組がされれば良いと思う。具体的に言うと農地の貸し借り、賃貸借して契約をすればお金を出すとか、あるいは若手が就農するのに支援するとか、新しい次の担い手の集積だったりスタートを応援したりと、私のような規模が大きいところも、今後やろうとする人間に対してもそうだが、基本的に次の世代が頑張れる人がいないと続かないので、そこをどうやって引き継いでいくかを考えて頂きたい。

 

【(有)松井農園  松井氏】
○関連だが、一方ではうちも募集をかけているが優秀な人材というのが、集まりにくいのが現状である。全国的に人口が減少しているなかで若い人の取り合いになっているが、そうではなくて、定年退職された方を再雇用するという方法がある。再雇用というと60歳以上の方なので、率先して法人が手を挙げるとは思わない。そこで60歳以上の雇用を推し進めて頂けるとまだまだ体力のある方もいるし、また知恵袋も若い人たちよりあるのでよい。退職された方を再雇用するのに、国の手助けがあればリスクが軽減されるので、是非農の雇用の裏番みたいなのをつくって頂きたい。

 

【九州農政局  山田部長】
○松井さんと坂口さんの話で人材育成の話が出ていたが、農業の分野でも新卒でなくても、たとえば30代、40代、50代でも、農業に対する再教育をしてどういう年代でも農業の現場にいけるような農業教育インフラというのが出来てくると担い手の状況も変わると思っている。教育に対する投資は農業だけでなく産業全般に言われていることであるが、農業にこそ再教育により、多くの方々が農業に取り組めるような環境を作ることが大切であると思う。

 

【熊本消費者協会  坂口氏】
○6時間、8時間フルタイムで働かなくても、3時間とか年金+アルバイトでできれば女性も男性も入りやすいし、土を触るというのは楽しいと思うので、そういう雇用方法があれば良いと思う。

お問合せ先

農村振興局整備部設計課計画調整室

ダイヤルイン:03-6744-2201
FAX:03-5511-8426

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