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平成28年度第1回議事録

1.日時及び場所

日時:平成28年6月15日(水曜日)10時00分~11時50分

場所:農林水産省本館4階 第2特別会議室

2.議事

(1)新たな土地改良長期計画の策定について

(2)その他

3.議事内容

 

○安部計画調整室長

おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会平成28年度第1回の農業農村振興整備部会を開催いたします。

本日は、ご多忙の中ご参集いただきまして、まことにありがとうございます。

なお、河野委員、中嶋委員、石井委員、岡本委員、北村委員、沼尾委員におかれましては、所用によりご欠席との連絡をいただいてございます。

まず、開会に当たりまして、農村振興局長の末松よりご挨拶申し上げます。

 

○末松農村振興局長

皆さん、おはようございます。本日は、お足元の悪い中ご参集いただきまして、厚く御礼申し上げます。

まず、4月に発生した熊本地震の被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。現状でございますが、農地・農業用施設についても大きな被害が出たわけでございますが、復旧に全力を挙げております。特に農地・農業用施設については、その災害復旧、市町村で実際の様々なことを進めなければならないということでありまして、我々国のほうからも要望のあった9の市町村の役場に直接2人ずつ人を配置して、作業を一緒にやらせていただいております。また、事務局から対応状況をご説明させていただきますが、一刻も早い復興を願うものでございます。

さて、この農業農村振興整備部会では、昨年度より新たな土地改良長期計画についてご審議いただき、社会資本の継承、新たな価値の創出、農村協働力の深化という3つの基本理念のもと、土地改良事業の実施を通じて、個性と活力のある豊かな農業・農村社会の実現を目指すこととしております。政府においても、去る6月2日、攻めの農業を展開し、農業を成長産業にするとともに、美しく伝統ある農村を次世代に継承していくといった考え方を示した、いわゆる骨太の方針というものを閣議決定いたしました。これは、これから議論いただく土地改良長期計画の方向性とも合致していると考えております。

本日は、4月から実施したパブリックコメントの結果や事業の成果目標と事業量を明らかにした計画案についてご説明させていただきたいと思います。また、土地改良長期計画と併せて、地域が自ら考え、多様な農業・農村の潜在力を発揮できるよう、その手がかりとなるプロセス事例集についても説明させていただきます。今回を含めて2回程度ご審議をいただきたいと考えておりまして、限られた時間でございますが、よりよい計画となるように、委員の皆様には忌憚のないご意見をいただきたいと思っております。

また、農林水産省に限らず、今、政府は人事異動の時期でございまして、今日の新聞に載っているのですけれども、私、異動することになりました。今度は経済産業省産業技術環境局長ということで、明後日から向こうに行くということでございます。当然、後任の局長、しっかりした者が参りますし、また、この我々の局の体制は継続的にありますので、ご迷惑をかけることはないと思います。個人的には、今まで議論していただいた話を聞いて、途中で任を離れるというのは非常に残念でございますが、今の政府では省庁を超えて局長級の人事異動をするということも一つの新しい方針ということでありまして命ぜられたので、行ってこようと思っています。農林水産省で局長級の人事交流をするのは初めてということでございます。

今回、この議論がきちんと進むということは、先ほど申し上げましたように、今の政府の大きな方針、農業・農村地域の発展が日本の発展につながっていくという大きな考え方に沿うものだと思っています。また、その中で、この計画ができるだけきちんとしたもので、政府全体の政策の中で大きな位置を占め、また、各省の政策もこの土地改良長期計画を踏まえながら様々な政策が動くようにしていければいいと思っていますので、今後とも皆様方のご指導をよろしくお願いいたします。

本日はよろしくお願いいたします。

 

○安部計画調整室長

そうしましたら、配布資料につきまして確認をさせていただきます。一番上から会議次第、委員名簿、配布資料一覧、資料としまして、資料1、資料2-1、資料2-2、資料3、1枚紙ですけれども資料4、そうしまして参考資料が1-1、1-2、それから参考資料2でございます。不足等ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、本日の議事について説明をさせていただきます。1つ目は、新たな土地改良長期計画の策定についてということでございます。2つ目といたしまして、参考資料として配布をしておりますけれども、都市農業振興基本計画の閣議決定に関する報告、それからもう一つが、熊本地震の被害と対応に関する報告をさせていただきます。

本部会の公表の方法については、これまでと同様といたします。配布資料につきましては、会議終了後に、議事録につきましては、内容をご確認いただいた上で、それぞれホームページにて公表することとさせていただきます。ご了承お願いします。

それでは、早速ですが、議事に移りたいと思います。

以降の議事進行は渡邉部会長にお願いしたいと思います。なお、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 

○渡邉部会長

おはようございます。議事に入る前に一言ご挨拶させていただきたいと思います。

先ほど末松局長も、お触れになりましたけれども、このたびの熊本の震災、改めて亡くなった方のご冥福をお祈りし、ご遺族と被災された方に、お悔やみ、お見舞い申し上げ、一刻も早い復旧・復興を願うところであります。

さて、この部会でございますが、ご承知のように、中心的な課題であります次期の長期計画の策定に向けての議論も、パブリックコメントを踏まえて、最終的な段階に入ってきたかと思います。実は私も様々な方に様々な局面で感想やご意見を伺ったのですが、立ち話レベルの話が多かったのですが、多くの方から、「ちょっと今までと違うな」とか、「新しいところへ踏み込んだな」、「新しい香りがするな」と言った感じの表現をされる方が多く、私なりに整理してみますと、はっきりとした堅いゴールがあって、それに向けての計画というような部分もありますが、それに加えて、一定のビジョンのもとで計画を進めながら、基盤を整え、次のビジョンに展開していくというような、ダイナミクスを含んだような計画になっている、あるいはなりかけていると言うべきでしょうか、そういうことを内包したような計画になってきているのではないかなと思います。

そういう意味では、堅い言い回しですけれども、自己言及型計画のようなところがあるのかなと思います。土地改良事業そのもののあり方を考えている中で、計画のあり方自体も、計画の生かし方自体も計画の中に書き込まれているというように、私自身は新たな展開を感じているところでございます。それだけ農業・農村をめぐる状況が変動していて、厳しいということかもしれません。そのような私見を持つところですが、先ほども局長が、強調されましたように、高い目標と現実的なアクションプランを持つ、実効をもたらす計画になれば良いと思います。

少し今日の議論に枠をはめてしまったかもしれませんが、さらに皆さんのご意見を得て、この計画案がより充実したものとなるようにご検討いただきたいと思います。そのようなつもりで進行したいと思いますので、何とぞよろしくお願いいたします。

それでは、次第に従って議事を進めていきたいと思います。

議事1、新たな土地改良長期計画の策定について、事務局よりご説明をお願いいたします。

 

○安部計画調整室長

事務局の安部でございます。座って説明をさせていただきます。

資料1から4を続けて30分程度で説明をさせていただければと思っております。

最初に、資料1でございます。パブリックコメントの概要の資料でございますが、昨年度末、3月にお諮りをしました中間取りまとめ案につきまして、4月15日から1カ月間、パブリックコメントを実施してございます。提出された意見は全体で33件ございまして、これを資料1に一覧表として整理をしたところでございます。

表紙をおめくりください。大きく列が3つございますけれども、本文のどの部分についての意見なのかというところにつきまして、一番左の列に整理をしてございます。それから、真ん中の列には意見の内容を、そして一番右の列に事務局としての対応方針(案)を記載しているところでございます。

全体を概括しますと、意見といたしましては5つほどありまして、1つは土地改良制度にかかわるもの、2つ目が高収益作物への転換にかかわるもの、3つ目が女性の位置づけ等にかかわるもの、4つ目が中山間地域における基盤整備にかかわるもの、5つ目が環境への配慮にかかわるもの等々、さまざまな観点からの意見でございました。これらの意見につきましては、既に本文で記載されているもの、軽微な文言の追加修正が必要なもの、それからこの長期計画とは別に対応すべきものの大きく3つのパターンに分かれておりました。資料に沿いまして、主な意見の概要を説明させていただきます。

なお、説明の中で意見の通し番号を用いさせていただきます。真ん中の列の意見の内容というところに1、2というふうに番号を振っていまして、これが通し番号になっておりますので、ページ数と併せて参照いただければと思います。

最初に、最も意見が多かった土地改良制度に関わるものでございます。

ページ1番、通し番号の2でございますが、こちらにつきましては、耕作者の意見が反映される事業運営手法の検討が必要であるといった趣旨の意見でございます。

少し飛びますけれども、8ページをおあけください。8ページの通し番号26、27、28でございますけれども、26につきましては、土地改良事業の参加資格のあり方の検討は慎重に対応すべきであるというご意見、それから通し番号27番につきましては、土地改良区のボランティア活動を増加しかねないということへの懸念でございます。それから、28番でございますけれども、足腰の強い管理体制の仕組みづくりの検討を進めていただきたいといった意見がございました。このような意見にも十分配慮しながら、土地改良制度につきましては今後、丁寧に検証・検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。

次に、高収益作物への転換に関してですが、ページをお戻りいただきまして、5ページでございます。通し番号の14番、15番というところですけれども、14番につきましては、農家自らが手軽に更新できるような暗渠の技術開発が必要であるというご意見、それから15番につきましては、農地の整備以外に土づくり、営農の習得、鳥獣害対策等の支援が必要といった意見がございました。

14番でございますけれども、本文の中の項目として第5の3に技術開発の促進と普及という項がございまして、この中で水管理や営農作業の省力化技術の開発を推進することという旨が記されてございます。この新たな技術の一つといたしまして、農家が簡易に利用できる無資材・迅速な暗渠の穿孔機の開発が含まれておりまして、引き続きこれについては進めていきたいと考えてございます。

次に、通し番号15番でございますけれども、項目第5の2に関連施策や関係団体との連携強化という項がございます。この中で、土地改良事業の効果を早期に発現する観点から、営農、鳥獣害対策など、さまざまな施策との連携強化を図っていくこととしてございます。いずれも本文の中の趣旨に沿った内容となってございます。

次に、同じ5ページの16番、女性の位置づけの関係でございますけれども、食料・農業・農村基本計画における記載内容を踏まえながら記述すべきであるというご意見でございます。次のページ、6ページの19番に、土地改良区における女性役員の配置を促進すべきというご意見がございました。

16については本文の修正でございますけれども、趣旨といたしましては、女性農業者が一層活躍できる環境整備の必要性でございますとか、女性のアイデアや感性を生かすといった記述を追加させていただければと考えております。

それから、19番につきましては、土地改良区において女性が活躍する事例を紹介させていただくなど、引き続き女性の参画の促進を図ってまいりたいと考えております。

同じく6ページのその他といたしまして、18と20でございますけれども、18につきましては、中山間地域においては、担い手の規模拡大等を図るために社会資本の整備は必要不可欠であるというご意見、それから20番においては、事業の環境配慮の取り組みに当たっては、ビオトープ管理士等の専門家との連携が必要であるなどの意見がございました。

時間の関係で全てのご紹介はできないのですけれども、それぞれの意見への対応につきましては、今お手元にあります資料1の対応方針(案)にあるとおりでございます。また、意見を踏まえまして本文の修正・追加をした箇所につきましては、資料2-2の中で赤色の見え消しでお示ししております。ここでは詳細のご紹介は省略させていただければと思います。

以上が資料1の説明でございます。

続きまして、資料2-1、A3判の折り込みになってございます。全部でA3判、4枚でございます。

この1枚目の資料につきましては、前回にもお示ししておりますけれども、計画案の全体構成を示してございます。前回3月末の当部会においても説明をいたしましたけれども、3つの政策課題と6つの政策目標を設定して進めていくというものです。今回はこれら6つの政策目標ごとに成果指標と事業量について数値目標を設定したところでございまして、次のページ以降でその内容を説明させていただければと思います。

では、2ページ目をお開きください。主要なKPIと事業量についての説明をさせていただきます。

まずは、政策課題Ⅰの強くて豊かな農業、この中で政策目標1と政策目標2がございます。

まず、左上の政策目標1、担い手の体質強化では、担い手の米の生産コストの大幅削減を目指して、基盤整備完了地区におきます担い手の米生産コストが削減目標に達している地区の割合、これを8割以上とするKPIを設定しております。ここで言います削減目標とは、日本再興戦略における担い手の米生産コストを全国平均で4割削減するという目標でございます。過去の実績を見ますと、約6割の地区でこの目標が達成されているところでございます。このため、本計画期間の5カ年間の中で、基盤整備が完了する水田地区のうち、約8割以上がこの水準をクリアすることを目指すものでございます。

なお、8割とした関係で、実は大区画化が地形的に困難な、傾斜が20分の1以上の標準区画以下の水田が、中山間地域を中心としまして全国で約15%ぐらいございます。それも考慮をいたしまして、今回、目標を8割としたところでございます。

続きまして、右上でございます。政策目標2、産地収益力の向上につきましては、高収益作物への転換でございますとか、6次産業化による所得の増加に着目したKPIを設定させていただいております。高収益作物の観点では、基盤整備着手地区における生産額、これは主食用米を除く生産額でございますけれども、この生産額に占める高収益作物が相当程度の地区の割合を約8割以上とするというKPIを設定してございます。ここでの相当程度とは、主食用米を除く生産額に占める高収益作物の割合が8割以上、または5割以上で、かつ50%以上増加することを求めております。これはTPP対策で導入した指標と同様の考え方としてございます。このKPIでございますけれども、過去の実績が55%でございます。このため、この目標をクリアする地区を約8割以上確保することを目指すものでございます。

一方、6次産業化の観点でございますけれども、KPIといたしまして、基盤整備完了地区における6次産業化等の取り組みによる雇用と売り上げの増加率、これを2.5倍以上とするというKPIを設定させていただいております。6次産業化の取り組み地区につきまして抽出した実態調査をしたところ、基盤整備の前後で年間の販売金額におきましては1.7倍の増加、それから、雇用者数につきましては1.9倍となっていたことを踏まえまして、さらなる取り組みの強化を図るために、5割増しの2.5倍以上に目標を設定したものでございます。

次に、政策目標1、2の事業量について説明いたします。政策目標1の担い手の体質強化と政策目標2の産地収益力の向上を図っていくために、事業量といたしましては、水田の大区画化、約8.3万ヘクタール、汎用化で約15.9万ヘクタール、畑の区画整理・排水改良で約3.1万ヘクタール、畑地かんがい施設の整備で約2.5万ヘクタールを設定したところでございます。これらの事業量につきましては、基盤整備を実施中の地区、また、これから予定されている地区の計画に基づきまして、本計画の期間でございます5カ年間の事業量を推計して、積み上げて設定したところでございます。

以上が政策課題Ⅰについての説明でございます。

次に、政策課題Ⅱ、美しく活力ある農村の中での政策目標3、政策目標4について説明いたします。

まず、左下の政策目標3、農村協働力と美しい農村の再生・創造では、地域資源保全管理の質と持続性の向上の観点から、地域協働活動における農業者以外の多様な人材の参画、地域協働活動の体制の広域化に着目したKPIを設定しております。具体の数値目標としましては、多様な人材の参画率については約4割以上、体制の広域化については約5割以上に設定をしております。これは、それぞれ現状の5割増しの水準を目指したものでございます。事業量といたしましては、近年の実績のトレンドを踏まえまして、地域協働活動による農地・農業用水等の保全管理面積、約280万ヘクタールとしたところでございます。これが政策目標3でございます。

右下、政策目標4でございます。快適で豊かな地域循環型社会の構築におきましては、農村の生活基盤の再編等による保全管理の効率性の向上、再生可能エネルギーの導入による維持管理費の軽減の観点からKPIを設定しております。生活基盤の保全管理の効率性の観点からは、農業集落排水施設の再編計画の策定市町村数を約300市町村というKPIを設定しております。これは集落排水事業の計画人口から供用人口が3割以上下回っている施設を有します市町村、この数が全国で約300市町村あることを踏まえまして、設定をしたものでございます。一方、再生可能エネルギーによる維持管理費の軽減の観点からは、かんがい排水に用いる電力量に占める小水力等発電電力量の割合、これを3割以上というKPIを設定しております。これは、長期計画の計画期間内の小水力等の整備によりまして新たに発生する発電見込み量を考慮して、現状が18%でございますけれども、この5割増しに当たる3割以上としたものでございます。

この事業量といたしましては、機能診断を実施する集落排水施設数を約1,600地区設定しています。これは、本計画の終期でございます平成32年度までに、全ての施設において機能診断を実施することを目指した設定でございます。一方、小水力につきましては、経済的・効率的な小水力等発電施設の整備地区、約120地区を設定しました。これは、同じく計画期間内の整備見込み量をもとに設定したものでございます。

1ページめくっていただきまして、政策課題Ⅲ、強くてしなやかな農業・農村のところでございます。

左上の政策目標5、老朽化や災害リスクに対応した農業水利施設の戦略的な保全管理と機能強化におきましては、施設の保全管理の効率性の向上、湛水被害等の災害防止と施設の耐震化の観点からKPIを設定してございます。KPIでございますけれども、更新等が必要と判明している基幹的農業水利施設における対策着手の割合、これを5割以上と設定しました。これは、機能診断の結果、健全度の状態が悪い、すなわち5段階のうちのS1またはS2と判断されまして、更新等が必要とされている施設の半数につきましては、計画期間の5カ年間の間に対策に着手するということを目指すこととして、5割以上の目標を設定したところでございます。そのほかのKPIといたしまして、湛水被害等が防止される農地面積を、現計画では10万ヘクタールですが、この約3倍に当たります28万ヘクタールを目標に設定いたしますとともに、耐震対策が必要と判明しております重要度の高い国営造成施設の全てで耐震化計画を策定することを目指すこととしてございます。これらKPIに対応する事業量について、それぞれそこにお示しをしております量を設定したところでございます。

次に、最後でございますけれども、政策目標6、災害に対する地域の防災・減災力の強化におきましては、地域資源や農村協働力等を活用した防災・減災力の強化の観点からKPIを設定してございます。コミュニティを活用した減災活動や農地施設等が有する減災機能の活用が行われている市町村の割合を10割というKPIを設定してございます。これは、全ての市町村におきまして、例えば地域のコミュニティによる、ため池のパトロールや排水路の泥上げ、それから小水力発電による非常時電力の利用等々に取り組まれることを目指して、目標を設定したものでございます。また、事業量といたしましては、全ての防災重点ため池で、ハザードマップ等、ソフト対策が実施されるように、ソフト対策が未実施な約5,000カ所の防災重点ため池箇所を設定したものでございます。

以上のとおり、全体にわたって意欲的な目標を設定させていただいたものと思ってございます。

次に、4ページ目でございます。先ほど述べました主要なKPIと事業量以外のものも含めて、一覧表として整理をさせていただいております。政策目標の着実な達成に向けてKPIを補完する観点から、複数の活動指標を位置づけるなど、全部で成果指標を36、事業量を17、設定してございます。例えば政策目標1では、生産コストの削減に向けまして、農地の集積率、集約化率、農業法人の増加、大区画化圃場の割合などに着目をした複数の活動指標を設定してございます。また、政策目標2では、所得の増加に向けて、高収益作物の面積の拡大、それから耕地利用率の向上に着目した活動指標を設定してございます。これらの一覧にございます事業量並びに成果指標につきましては、この内容を本文でございます資料2-2において赤字で反映をさせていただいてございます。

以上が資料2-1のご説明でございます。

続きまして、資料2-2のほうは飛ばしまして、資料3でございます。前回は1事例だけお示しをいたしましたプロセス事例集について、資料3に基づきまして説明をさせていただければと思います。

少し復習でございますけれども、農村振興プロセス事例集は、人のかかわりや合意形成といった取り組みを、発展のプロセスに着目しつつ、先進的な事例として示して、地域自らが考える手がかりを提供するために作成を進めているところでございます。8月の土地改良長期計画の閣議決定と併せまして、約30地区程度の事例をお示しすることとしておりまして、今回は10地区の事例をお示しし、今後の取りまとめの方法等についてご指摘をいただければと考えているところでございます。

まず、目次をご覧ください。目次では、地区のタイトルや地域類型、それから主な作物のほかに、それぞれの地区でどのような取組が行われ、その取組が土地改良長期計画のどの政策目標に該当するのかを表で整理してございます。また、各地区で特にポイントとなる取り組み、これに二重丸をつけて整理をしております。

1枚おめくりください。この最初の地区をもとに、事例集の整理方法について説明させていただければと思います。

まず、1ページ、上のページは、左のほうに取組前、それから右のほうに取組後、真ん中に実施した取組を整理してございます。また、一番右端に地区の特徴と取組内容をキーワードで整理してございます。

2ページ、下のページですけれども、発展プロセスに着目をいたしまして、取組を行うこととなったきっかけから始まり、取組のプロセス、そして最後には、将来に向けての展開方向を記載してございます。また、プロセスの中で、どのような人が中心となって進めたのかなど、参考となる情報につきましては、吹き出しとして表記させていただいてございます。前回の部会で、取組を進めていく中で、うまくいかなかった場合、それをどのように解決をしたのかについても記載すべきというご意見をいただいてございます。この最初の事例にはないのですが、どのように解決したのかというところにつきましては、吹き出しの最初に星印をつけさせていただいて整理をしてございます。また、同じく前回の部会でそれぞれのステップの時間軸を示したほうがよいとのご意見をいただいておりまして、下のステップ1からずっと進みますけれども、ここにステップが行われた年度を記載させていただきました。

以上が事例の基本的な整理方法でございます。

次に、本事例の内容について説明をいたします。本事例は、茨城県竜ケ崎市で、基盤整備によりまして農地の大区画化と担い手への農地集積を行い、また、米の多品種栽培によって作期の分散を行いまして、米の生産コストを大幅に削減した事例でございます。

下のページ、実施プロセスで整理をしておりますけれども、取組のきっかけは、平成8年に地域の担い手の一つとなる有限会社が設立をされたこと、それから、農業の後継者不足により、農地の集積の必要性が高まったことであります。

ステップ1では、市の農業公社が中心となりまして、農地集積計画を策定してございます。この取組につきましては、昭和30年代に区画整理事業を実施した当時の若手だった農家代表3名が推進しました。そのことにつきましては、吹き出しとしてステップ1の上に整理をさせていただいてございます。

その後、この作成した集積計画に基づきまして、ステップ2で基盤整備を実施し、ステップ3でコメの直接販売に取り組み、ステップ4ではコメの多品種栽培に取り組んでいったところでございます。また、法人が直接販売を行っている理由につきましては、吹き出しとして情報を整理してございます。次に、ステップ5では、IT農業の導入、ステップ6では、米粉ケーキ等のお菓子の製造販売を行ってございます。最後に、将来に向けてIT農業によるさらなる省力化と若手の育成でございますとか、会社のファン獲得に向けた米粉ケーキ等のお菓子の製造販売を拡大していきたいという法人の考え方を示してございます。

以上が1つ目の事例でございます。このような形で、この後、9事例についても整理をしてございますけれども、時間の関係もあり、2つ目以降からは概要のみを紹介をさせていただきます。

3ページ、4ページをおあけください。これは、北海道の士別市で巨大区画化とIT農業の導入により米の労働生産性を向上させた例でございます。巨大区画に不安があったようでございますけれども、その効果が目に見えてくると、農家自らが農業機械の改良に取り組むようになったというようなことが紹介をされています。

1枚めくっていただいて、5ページ、6ページでございます。これは、秋田県横手市で農事組合法人が特別栽培米の輸出を行っている事例でございます。危機感を抱いていたJA職員らが世話役となって、組織づくりに取り組んだ地区でございます。

1枚めくっていただきまして、7ページの事例でございます。これは、前回の部会でもお示しをしました青森県の外ヶ浜町でございます。圃場整備、集落営農組織の設立と、それから法人化を進めまして、1集落1農場を実現した事例でございます。将来の営農への不安に対しまして、個人経営と法人経営の場合の経常収支の試算、これを数値で示して理解を得たというようなことが紹介されております。

ページをめくっていただきまして、9ページの事例でございます。山梨県北杜市で、基盤整備による農地の集約化と農地の賃貸借を行う農地保有合理化法人の設立によりまして、外部からの担い手の確保と荒廃農地の再生を実現させた事例です。企業の農業参入を短期間に実現するための工夫が見てとれます。

ページめくっていただきまして、11ページ、12ページでございますが、これは大分県日田市で、草刈りの労力等の軽減に、多面的機能支払いを活用いたしまして、農事組合法人の営農を下支えしている事例でございます。定年退職した元教師と集落の代表者が立ち上がりまして、延べ150回を超える話し合いで理解を得たとされております。

次に、13ページ、14ページでございますけれども、こちらは昨年の10月に委員の皆様方に現地を視察いただきました兵庫県淡路市の地区でございます。法人を中心とした地域づくりに取り組んでいる事例です。役場職員で青壮年会の役員が圃場整備と集落営農を提案して、それを上の世代が理解したというようなことが紹介されてございます。

次に、15ページ、16ページでございますけれども、これは島根県の出雲市で、農業だけではなく、高齢者向けの外出支援サービス等、農業外部門の事業に取り組み、経営の多角化を図っている事例でございます。中山間地域直接支払いによる取組で、地域の団結力が向上したことと、2つの集落営農組織の合併が契機となったということが見てとれます。

次に、17ページ、18ページでございます。これは岐阜県郡上市で農業用水を活用しました小水力発電施設を整備するとともに、その維持管理を行うための専門農業協同組合を設立しまして、売電収益で農村の活性化を目指そうとしている事例でございます。自治会長や地区外からの移住者がけん引役となっているところが見てとれます。

最後でございますけれども、19ページ、20ページでございます。これは石川県志賀町で、地震被害を契機として、ため池の復旧、ハザードマップの作成、防災訓練を行い、地域の防災・減災力の強化を図っている事例です。地域住民が参加するワークショップを活用したハザードマップの作成でございますとか、防災体制構築に向けた取組により、農村協働力の強化が図られております。

以上、10地区の説明でございますけれども、今後はこれらと同様の形で事例の整理を行いまして、30地区程度の事例集を作成する予定でございます。

続きまして、資料4、今後の進め方(案)でございます。本日いただきます意見を踏まえまして、計画案の内容の修正等を行い、修正後の計画案に基づきまして、第2回目のパブリックコメント、それから、法手続となる知事及び関係行政機関の長からの意見聴取を行うこととしております。これらの諸手続におきまして出てきた意見をもとに答申案を作成し、8月上旬に本年度第2回目の部会でご議論をいただきまして、8月中に閣議決定まで持っていきたいと考えてございます。

なお、本日の審議内容やパブリックコメント、それから都道府県知事等の意見とあわせまして、答申案に反映をさせていきたいと考えてございます。このために、答申案を取りまとめる過程で、本日の計画案の内容に変更があり得ることにつきまして、ご了解いただければと思います。

以上、事務局からの説明でございます。

 

○渡邉部会長

ありがとうございました。

ただいま事務局より、パブリックコメントの結果、成果目標・事業量を盛り込んだ計画案、農村振興プロセス事例集、それから最後に今後の進め方をご説明いただきました。これから委員の皆様からご意見、ご質問をいただきたいと思います。よろしくお願いします。進め方も含めて、細かい中身の話もいろいろあると思いますが、どこからでもどなたからでもご意見、ご質問いただきたいと思います。いかがでしょうか。

では、柴田委員、お願いします。

 

○柴田臨時委員

ご説明ありがとうございます。

かなり具体的で分かりやすくなっていると思うのですが、プロセス事例集のところを幾つか確認させていただきたいと思います。目次で全体像が浮かび上がるのですが、ここで政策課題Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、その他に丸と二重丸がついています。この二重丸の部分というのは、一連のそれぞれの取組において肝になったところ、あるいは、駆動役になって、これがあるから全体が、プロセスが稼働していくということかとは思うのですが、ご説明いただいたところを見る限り、この部分が本当にこのプロセスを稼働させる役割を果たしているのかがいまいち見えてこない印象です。それから、例えば二重丸の部分というのは、プロセスが始まっていくスタートラインの肝なのかなと思ったら、最初の事例はステップ1のところで集約化というのが出てくるわけですけれども、2番目はステップ4とか5とかで出てきます。あとは、事例の5、6、7、8あたりはこの二重丸の部分がどの段階で出てくるのかというのがいまいちはっきりしないと感じます。そして、9番のところは、目的のあたりで再生可能エネルギーのところでようやく出てくると。この辺の考え方をちょっと整理していただいた方がよいように思います。共通する肝になるのは何なのかというと、法人化とか集約化というのが全体の共通項になるのではないかという気もします。それから、人がどういうふうな役割を果たしたのかというのが余り見えてない部分があります。

もう1点は、生産コストの大幅削減というのが全体の狙いにもなっているわけですけれども、集約化すると生産コストが大体下がるのですが、それが生産性が上がっているのか、あるいは、集約化した結果、それぞれ個別に持っていたトラクターなりコンバインなりが少なくなって、コントラクター的なものに集中される結果、そういったハードのコストが下がっている部分が大きいのか。例えば①の茨城県の竜ケ崎市の場合も、水稲の面積が16ヘクタールから125ヘクタールにふえているのですが、生産量は80トンから600トン、ヘクタール当たりの単収を上げると、5トンから4.8トンと、むしろ減っているわけで、一方で、生産コストが大幅に減少しているということは、まずはそういった固定資産の回転数をよくしているのかなという印象を受けます。

ちょっと幾つかあるのですけれども、とりあえずはそういう印象を受けます。

 

○渡邉部会長

ありがとうございました。

このプロセス事例集は、皆さんもお考えと思いますが、いろいろな整理をされて貴重な資料ができたと思います。多分ほかの委員の方もご意見あると思うので、最初、少しこの事例集を中心に伺いましょうか。何かほかにありますでしょうか。

では、小田切委員、お願いします。

 

○小田切委員

今のプロセス事例集ですが、すばらしいものができたなと思っております。前回も申し上げたのですが、私ども、現場と接して一番重要なのが、プロセスデザインという言葉をあのときも申し上げましたように、場面集といいましょうか、場面場面で必要な対応だと思うのですね。その意味で、こういう形でプロセスを明らかにするというのは、非常に大きな意義があると思います。

なおかつ、改めて事例を見ると、今回の長期計画案の中でもスピード感という言葉が出てくるのですが、どの事例も最低でも10年近くかかっている。こういうプロセスの中に今の存在があるという、そのことも確認することができます。例えば、9ページ、10ページの有名な北杜市の事例なのですが、これは既にもう25年前、四半世紀前からいわば助走路があるという、そして大変有名な取組の姿があるということが確認できるということで、改めてすばらしいものをつくっていただいたなと思います。

実は、その点でいえば、こういうふうにつくっていただいたがゆえに、様々な希望なども出てくるのですが、小さく生んで大きく育てろですので、とりあえずこれでよろしいかと思います。柴田委員がおっしゃったように、人がどういうふうに動いたのか、とりわけ相談機関ですね。こういうふうに困ったときにどこに相談したのか、そして、そのことによって突破口がどこで見つかったのかというプロセスなども書き込めればいいのですが、ただ、そこまで要求するというのは、今の段階では余りにも盛り込み過ぎだろうというふうに思いますので、この事例集を育てていく過程でご検討いただきたいと思います。

その点で1点だけ、長計にできれば修正をしていただきたいなというのが、今の点にかかわってございます。今の記述のところなのですが、13、14ページ「プロセスの例示」、まさにこのタイトルなのですが、このタイトルだけ見ると、国はプロセスを例示するだけなのかという、そんな誤解も生じてしまいがちだと思います。確かに、発展プロセスを例示するというのは先ほど申し上げたように大変重要なことなのですが、解明したというこの行為が大変重要なのだろうと思います。プロセスを解明して、そして例示して、なおかつ分かりやすいように提供したという、この重要性が分かるような、単なる事例を示して、済ませているわけではないというニュアンスが伝わるようなタイトルにしていただければ、重みも伝わるのではないかというふうに思っております。

この点に関しては以上です。

 

○渡邉部会長

ありがとうございました。

少し関連することで。では、西尾委員、お願いします。

 

○西尾臨時委員

前回の部会に参加できなくて、その議事録を拝見させていただいて、本当にいろんな意見が出て、きちっとしたものができ上がったなという印象を受けたところでございます。

本文のところではなくてこの事例集のところでいうと、結局、全部のことを載せることはできないので、例えば県の機関とか、そこへ問い合わせれば分かるような問い合わせ先ですとか、そういうものが載っていると、地元に帰ったときに、これちょっと研究してみたいなと思った場合に、身近に聞くことができるのかなという印象を受けております。

 

○渡邉部会長

ありがとうございました。

では、小谷委員、どうぞ。

 

○小谷臨時委員

ありがとうございます。

プロセス事例集のすばらしいものが分かりやすいと思った半面、ちょっと印象を述べさせていただきたいと思います。事例集という形でつくっていただいているのは、私のような者でも分かりやすいと思いました。ただ、よく見ていると、何か図のようで鮮やかなのですが、そんなに見やすくはないのではないかなと思いました。取組前、取組内容、取組後というふうに3つに分かれていますけれども、これが必ずしも取組前と後を並べたような形になってないという印象を受けました。また、2枚目のほうで「誰がどのように」という枠をつくってくださったのはすばらしいと思いましたが、同時に、「きっかけ」という丸があってここがよく読んでいるとダブるような部分もあって、始まりの部分がはっきりしないということとがあります。印象としては、図が楕円になっているのですけれども、最後の「今後の展望」が見た目、左下になっていて、何となく時系列の流れで、横のものは左から右に見ていく印象があるのですが、見た目のビジュアルの印象で分かりやすさというか、そういうものももう少し工夫していただければ、もっと見やすくて広がるものになると思います。

 

○渡邉部会長

ありがとうございました。

ほかいかがでしょう。

さきほど小田切委員がおっしゃったように、材料ができてくると、いろいろ注文も出てくるし、何人かの委員からはこの使い方を考えて、もう少し分かりやすくということがありましたけれども、今までのところで事務局、何かありますか。今までのプロセス事例について。

それから、先ほど小田切委員の指摘のあった長計の本文のタイトルは、前回の議論で現在の表現に変えた経緯もあったように思うのですけれども、それも踏まえて、ご対応を考えていただけたらと思うのですけれども。

 

○安部計画調整室長

順不同になりますけれども、タイトルにつきましては、ご指摘を踏まえまして、いま一度検討させていただきますけれども、実はもともと「実施プロセスの横展開」というようなですね……

 

○渡邉部会長

そうでしたね。前回は横展開という表現が問題だったのですね。分かりました。

 

○安部計画調整室長

というご指摘があって、今回はこの「例示」ということにさせていただいたのですが、いい表現が出てくるかどうかも含めて、もう一度知恵を絞ってみたいと思います。

まず、柴田委員から1枚目の目次のところの二重丸について、これ実は、このプロセス事例集と土地改良長期計画の関係を明らかにするために丸を打っているのですが、この地域を特徴づけるような取組という意味で二重丸をしていまして、そういう意味では、プロセスのキーになったというか、プロセスの始まりになったという意味での二重丸ではないものですから、そこはちょっと我々もそういう意味合いが分かるように工夫をさせていただく……

 

○柴田臨時委員

コメントがあればいいですね。

 

○安部計画調整室長

ですね。そのようにさせていただきたいと思います。

それから、人がどのようにかかわったのかということについては、吹き出しでわかっているところについては幾つか事例をやっているのですけれども、正直、ここだというのがわからない地区もあるものですから、わかっているところについては、そこが特徴的に分かるように、もう少し吹き出しのほうで工夫ができるのかなと思ってございます。

それから、生産コストの関係でございますけれども、確かに竜ケ崎の地区におきましては、農業機械の減少によってコストの削減が図られているという事例でございますけれども、全体を通しまして、コストでございますとか売り上げだとか販売額だとか分かるものについては、できるだけ紹介をさせていただいているのですが、なかなか法人の経営内容にかかわるようなものもあって、全てをつまびらかにするのは一方で厳しいところがあるものですから、そこは工夫できる範囲で工夫をさせていただければと思います。

それから、小田切委員のほうから、どこに相談をしてブレイクスルーしたのかというようなご指摘がございました。これにつきましても、分かるものについては工夫をさせていただきたいと思っております。

西尾委員のほうから問い合わせ先があればもっと分かりやすいというご指摘がございましたが、これは今の時点では配布するに当たって、少なくともそれぞれの地方農政局ごとの窓口についてはお示しできればなと思ってございました。どのように盛り込んでいくかについては、30地区、取りまとめるに当たって盛り込ませていただきたいと思います。

それから、小谷委員のほうから見やすさの点でご指摘いただきましたが、これは我々素人がやって、なかなか見栄えとしてはよくないのかもしれません。ご意見もいただきながら、もう少し見やすいように工夫をさせていただければと思います。

 

○渡邉部会長

ありがとうございました。

このプロセス事例集につきましては、まだご意見あるかもしれません。それも含めて、またどこからでもご意見いただきたいと思います。

では、近藤委員、お願いします。

 

○近藤臨時委員

意見を2つと質問1つです。

まず、細かい話ですが、土地改良長期計画の中身についてです。数字が入って非常によく分かりやすくなったのですが、23ページ、政策目標2の6次産業化等による雇用と所得の増加の部分です。全体的に数字が入ったものは、生産コストの大幅減だとか、いろんな農地面積だとか、土地改良事業を進めることによって、直ちにその効果が反映されるものがあるのですが、ここの23ページにある6次産業化等による雇用と所得の創出、施策5、これだけ読んでいると、土地改良の事業が直接的に及ぶというよりも間接的に及んでいくもので、若干異質なのだと思います。入れてはだめだということではなくて、ここに書かれているのだと、何故、土地改良長期計画で6次産業化による雇用と所得の創出ができるのだろうというのが、素直にすっと入ってこないので、若干の言葉を補ったほうがいいのかなという気がしました。

例えば「土地改良事業をきっかけに地域の連携が強まって、産業化のための支援になることが多い」みたいな、何かそんなものを挿入すると分かりやすくなるのかなと思います。全体を読むと、ここだけさらっと読めずにひっかかったところがあるものですから。もちろん、今話題になったこのプロセス事例集を見れば、そのあたりの関係は多分分かるのでしょうけれども、全部を読んでくれるとは限らない、これだけ見る人もいるだろうから、そこのところで若干の補足の修文があったほうがいいのかなと思いました。細かい話ですけれども、それが1つ。

それに関連して質問です。このプロセス事例集、うれしく拝見しました。ポイントはいろんなリーダーが出てきて、活躍されて、事業を引っ張っているというふうに私は感じたのですけれども、何年か前までの議論というか実態を聞くと、リーダーがいないと。なかなか出てきてくれないと。仮に出てきたとしても、地域の長老が、「いや、うちの地域ではそんなことをやったことがない」と言って、非常にリーダーをディスカレッジして、やる気をなくしてだめになっていくと、この2つのパターンが多いのでなかなかうまくいかないというようなことを現場の方からうかがったことが強く印象に残っています。

質問ですが、もちろんいいところをピックアップしてくれているのですけれども、全体のトレンドとしてはどうなのでしょう。そのあたりの空気が変わってきたような、地域のリーダーが出やすいような環境に少し変わってきたならうれしいなと思うのですけれども、そのようなちょっと俯瞰した形で、そんな傾向があるのかないのか、教えていただけたらと思います。

最後の意見の一つは、パブコメを見てやはり気になったことです。4ページの13番、「土地改良区が中心になって飛躍的に集積が進むため、無理に農地バンクと連携する必要はないのではないか。」の声です。地域の特性があるから、この声自体をどうこう言うつもりはないのですが、土地改良事業というか、これから先、この土地改良長期計画をうまく進めていって、効率的にやっていく、予算の使い方としてもいいねという評価を受けて、ますます前に進めていく好循環のためには、農地バンクをもっと活用して事業が進んでいくことが不可欠だと思います。ただ、現状はどうひいき目に見ても、大幅におくれているとしか言いようがない状況です。他局のことなので、なかなか役所の常としては言いにくいのかもしれないけれども、そうした農地バンクなどの農地集積等の推進がより土地改良の効果を上げるものだと、だからしっかりやってよねという感じをもうちょっとにじませたほうが、いいのかなと思います。

以上です。

 

○渡邉部会長

ありがとうございました。ご質問については、後で事務局に回答をいただきますが、続けて少しご意見を伺ってから。

では、森委員、お願いします。

 

○森臨時委員

説明ありがとうございました。大変分かりやすく、また、今回の事例集については、見開きで2ページにわたって説明してくれていることによって、今までと違う分かりやすさがあると思います。その点は評価したいと思います。10例を30例に増やすということで、これから出てくるのだとは思うのですが、目次をパッと見たときに、政策課題Ⅲの水利施設にマークがついているところが少ないのが気になりました。

例えば、6次産業化などはその後についた付加価値でありますので、農村振興局が出すものとしては、本来は政策課題Ⅲの水利施設とか防災・減災力のところにもう少し事例が多く出てくるよう、配分をご配慮いただきたいと思います。

また、例えば2番、北海道士別市、それから11ページの大分県に当たるところ、それから17ページなどは、はっきりと取組内容のところに農業水利の問題、例えば地下水位制御システムが入ったという取り組みが書かれているので、ここに大きな二重丸をつけてもいいのではないかと思って見ました。事例一つ一つは説得力はあると思いました。

以上です。

 

○渡邉部会長

ありがとうございました。

ほかいかがでしょうか。

それでは、事務局にご回答いただこうと思います。初めに、近藤委員が最初におっしゃった表現についてですが、政策課題のところは、政策目標2の全体についてもおっしゃっているようにもうかがいましたが、6次産業化による雇用と所得の創出に限っておっしゃっているということでよろしいでしょうか?

 

○近藤臨時委員

6次産業化による雇用と所得の創出に限ってですね。ほかのところ数字に直結するなというものがあるのですけれども、ここだけちょっとスッと読めなかったものですから。

 

○渡邉部会長

分かりました。それでは、事務局でお答えをご説明いただきましょう。

 

○安部計画調整室長

本文についてですけれども、要は、土地改良事業、基盤整備事業がきっかけとなって6次産業化が進んだというような地区も当然ございますので、言葉についてちょっと補う方向で検討させていただければと思います。

それから、過去にはリーダーがいないとか、アイデアが出ても長老につぶされるというようなのがあったのだけれども、最近の傾向としてはどうなのだろうかということについてです。これは皆様に見ていただきました淡路島で、まさしく若い世代が声を上げて長老の方々がそれを受け入れたということが起こっているということがこの中でも出てきておりまして、そういう動きがあるということは事実だろうと思ってございます。ただ、全体のトレンドとしてどこまで進んだのかということについては、データを持ってここでお答えすることはちょっとできかねます。すみません。

それから、パブコメの関係、農地バンクの関係ですけれども、こちらについても、やはり農地の整備を行うに当たって、この中でも述べているのですけれども、中間管理機構と連携することによってそれが推進されるということが確かでございます。これはどちらが先かというのはあろうかと思いますけれども、しっかり取り組まなければならない問題であろうと思ってございます。

それから、森委員のほうから政策課題Ⅲについての、事例がないのか丸がついてないのかというのはあるのですけれども、少なくとも今回お示しした中では、少ないというご印象だろうと思いまして、30事例を取りまとめるに当たりましては、政策課題Ⅲについても十分事例を用意したいと思います。

 

○渡邉部会長

ありがとうございました。

近藤委員、先ほどの質問の回答はそれでよろしいですか。私も個人的な意見をここで少し申し上げさせていただきたいのですけれども。

今の議論に関連するのですけれども、今回のこのプロセス事例集は、背景に今回の長期計画の基本に置いた農村協働力がベースにあって、それを理解する上で非常に重要だと思うので、各表現のところでも、農村協働力を実感できるような形にさらに整理していただくといいと思っています。この辺の展開については後で浅野委員に振ってご意見を伺おうと思ったのですが。そのときに事例集の対象とする農村のスケールの話、どの範囲で協働力を言うのか、事例を出すのかということは次の課題かと思います。もう少し広い範囲の様々な動きもあって、大型の水利施設の改修なり新築なりを基軸にした地域の展開といったケースも、この事例の中に入ってきてもいいのかもしれないなと思った次第です。

振ってしまいましたが、浅野先生、関連してご発言あったらお願いします。

 

○浅野臨時委員

農村振興プロセス事例集を拝見したときに、ここには直接書かれてないのですけれど、実際は農村協働力の深化のプロセスが描かれていると思いました。様々な地域の多様性を踏まえて─いろんな形の出方はあるわけです。もともと地域は多様ですから、結果も多様に出ていると。それゆえ、これ自身が農村協働力の深化を記録している文書だと思います。だから、部会長が言われたように、農村協働力の深化という観点に配慮しながらまとめられると、全体の整合性というのがきれいにとれるのかなという印象を持っています。

一般には、長期計画の最初のほうで、農村を資本として理解する、それを膠のように固める農村協働力、この深化が重要だよと言って、具体的にその深化というのはどのような形で今まで行われてきたかというのは、プロセス事例集を見てくださいねというつくりになることを部会長も期待されているのではないかなと思いました。

あと、もう一つよろしいですか。先ほどの近藤委員のご意見なのですが、前段がございまして、このKPIをつくったときに、最初のKPIというのはもっと多分に事業内容に直結したKPIだったような気がするのですけれど、そうではなくて、前回の部会の意見で、アウトプットとかインプットとかを出すのではなくて、アウトカムに近いところで議論しましょうという意見がありました。NN事業というのは、基本的にはどれだけ事業量があるかということを見てもしようがなくて、それによってどう地域が変わったかということが大事であるから、それを見るための一つとして、ここに出ているようなKPIが出たことについては、私は大きな改善ではないかというふうに評価しています。ただ、近藤委員のご意見にもあったように、ややそのあたりの意図を少し書き込まれたら、分かりやすくなるのではないかという印象を持ちました。

以上です。

 

○渡邉部会長

きちんと位置づけて説明し直していただき、ありがとうございました。

最後のところで、農村協働力の深化を表現するには、具体的にどういうふうに今後修正していくべきかといった方向性について何かアイデアあったら、また適当なタイミングで提案していただきたいと思います。

では、毛利委員、どうぞ。

 

○毛利臨時委員

ありがとうございます。

プロセスの事例を拝見いたしまして、随分と多くの展開が今後も期待されるいい資料だと感じております。

先ほど森委員からもご指摘がありました政策課題Ⅲ番の施設のところについて感じるところを申し上げておきたいと思います。それぞれのシナリオの中で取組内容のところには、施設あるいは技術に関することが記述されております。見方によるということで解決することであるかもしれませんが、ややもすると、既往の技術だけでこういう展開が将来もできるというふうに見てしまいがちではないかと危惧いたします。創造的な復旧や整備が将来の農業を支えるという考え方は非常に重要だと感じているのですけれども、やはり技術開発のいっそうの展開が必要であるというようなところを、もう少し前に出して表現していただいてもいいと感じました。先ほどの農村協働力のお話もありましたが、その視点での施設整備だとか技術開発もありますので、少しこの表現あるいは説明文の中でご検討いただければと思います。

もう一つ、これはコメントです。多くの事例は今後、横展開が期待されるという場面が幾つも散りばめられております。これを読み手が、どのような制度や組織を利用すればいいかをイメージできることが重要です。私の専門である防災・減災に関係する最後の部分にはため池についての展開が記載されています。これは今後もこのような展開は必要だろうと考えますが、この事例がたまたまそこに関連する技術があったからできたのではなく、明確な技術開発の方向を持って推進するという制度設計が重要と感じているところです。そういう面で、もう少しビジョンやプロセスが技術開発計画とうまく連携しているという見せ方も必要だと思います。

以上です。

 

○渡邉部会長

ありがとうございました。

やはりプロセス事例集についてのご意見が多いようですが、この読み方とかまとめ方については、武山委員はご専門ですので、多分ご意見があるかと思い、伺おうと思います。

 

○武山臨時委員

ありがとうございます。

やはり現場で基盤整備に取りかかれない地域というのは、基盤整備が終わった後に何があるのか、どういうふうに展開できるのかがわからないことによって、二の足を踏まれるようなケースも多いので、そういう意味では、このようにプロセスを見せていただけるということは、これから取り組もうとされる地域にとって非常に大きなきっかけ、勇気を与えていただくのではないかなと思います。

一方、1つ提案なのですけれども、例えば目次の後に総括するようなページがあってもいいのかなと。例えば30地区を串刺ししたときに、1つビジョンづくりがあって、そのビジョンに基づいて土地改良をやって、その後に土地改良を基礎として地域の発展につながっていくという、大きく3段階あるように見えて、そういうプロセスが共通してありますよというようなページが1つあると、土地改良がどういう役割を果たしているのかということのアピールにもつながるのではないかと思いました。先ほど、土地改良がきっかけで6次産業化という話がありましたけれども、私自身はきっかけというよりは、むしろ必要不可欠なものであって、土地改良ということが真ん中に位置づけられることで、地域のビジョンもできるし、組織の再編も図られるし、やはりそういう組み合わせというものがきちっと分かるように、総括のページがあったほうがいいのではないかと。少なくとも二、三パターンぐらいに分けて、こういうパターンがあるよ、詳しくは30事例を見てねというような入り方だと、利用しやすいかなというふうに思いました。

以上です。

 

○渡邉部会長

ありがとうございました。今のご提案は、先ほどの浅野委員がおっしゃった農村協働力の深化から全体をどういうふうに位置づけられるかという話も含めて、何か総括するのがあったらいいということと思うのですけれども、学位論文級の仕事をしないといけないという感じですね。

 

○武山臨時委員

私も研究者がやらなきゃいけない仕事だろうなと思いながら発言していたのですが。例えばですけれども、この一つ一つの事例、2ページにわたってある、その下の段、全ての事例についてこのプロセスの道が書かれていますけれども、これの共通版みたいなものがあれば、非常に分かりやすいなということでした。

 

○渡邉部会長

ありがとうございました。

それでは、このプロセス事例集にまた集中してしまいましたけれども、事務局のほうで何かご対応いただくことがこの時点であれば。いかがでしょう。

 

○安部計画調整室長

浅野先生から深化に着目してというようなご指摘がございました。また、これはご指導いただきながら、対応できるものは対応させていただきたいと思います。

それから、毛利先生のほうから技術開発についての言及がございましたけれども、実はこの土地改良長期計画の中でも技術開発についての言及があり、この計画に基づき、この後、技術開発計画というものを別途定めることとしておりまして、そちらでの対応でしっかりやらせていただけると思ってございます。

それから、武山委員のご指摘、非常に大変だなと。出発点が多種多様なものがあって、こういう姿を示すことは非常に難しいので、それぞれのプロセスをというところからこちらに入ってきたという流れで、それをもう1回総括できれば、それはすばらしいことなのですが、今段階では本当にたくさんあるんだなというのが事務局の感想でございまして。と申しますのも、地域の方々、実はあまり意識されてないのですね。担当は過去の事例を1地区あたり2センチから3センチぐらいの資料を読み込んで、ああこうなってきたのだというのを抽出して、つくっているのが現状でございます。先ほど10年ぐらいかかってますねというと、地域の人にとっては当たり前になっちゃっているのですね。非常に難しいけれども、重要なご指摘だということは認識をいたしました。

 

○渡邉部会長

今の点は、総括は大変ですけれども、どう読める、何が分かるかの総括も必要ですけれども、まずは何を読んでほしいかということを分かりやすくまとめることは考えたほうがいいかと思いました。

 

○安部計画調整室長

分かりました。

 

○渡邉部会長

時間が限られていますが、まだご発言いただいていない加藤委員、横田委員のほうからまず伺いたいと思いますが。

 

○横田委員

ありがとうございます。

大変見やすくなっておりまして、私のような者でもよく理解ができる内容だと思います。ただ、やはり長期にわたっての改良区の土台づくりとして、かなりのお金を投じ、人を育て生産率を上げ、土地を守っていくということが見出された中で、どれだけの人たちが関わっていたかというのは、10年、15年、20年かかっているので、わからないというご説明でしたが、本来は私どものほうは改良区がないところで、やはり10年かかっております。この10年の中で何を見出していくか、自立を求めながら、やる方向性を見出していくのは、やはり時間がかかるものです。これを土台として見たときに、どれだけの人が関わって、どれだけの収益を上げられてというところが明確にわかったほうが、やり手としては、やりがいのあるものとして見ていかなければいけないと思います。要は、このプロセス事例集は参考書ではなく、実践的にやりがいのあるものをつくり上げてくださいということが一番私は言いたいことです。

改良区がないところというのは、全部、自分達で考えて、お金を見出してやっていかなきゃいけない。もちろん、水路もそうです。ここで1つお願いしたいことは、改良区がないところでも、用水組合という組合組織を何十年もつないできているのですが、そういうところにも将来的、日本の水田が中山間地の農振地でもないようなところでも息づいているところには、光を当ててほしい、時代を見出していただきたい。これは、しっかりとした景観性を持って、生産率を上げて、もうかる米をつくりましょうということで取り組んでいるところはたくさんあります。そういう意味でも、将来、そういう農地も守っていけるような日本の政策をお願いしたいと思います。今回のこの問題からちょっと遠い話になるのかなとは思いますが、私の切のお願いでございます。

以上です。ありがとうございます。

 

○渡邉部会長

ありがとうございました。

では、加藤委員、お願いします。

 

○加藤臨時委員

私のほうからは、今回の長期計画、平成32年度までの5年間でございますが、内容的にはよくできているのではないかなというふうに思います。これ以上は書くのはなかなか大変なのかなと。そのような中において、1つ、お願いでございます。これは私の持論でもございまして、やはり私たちは農業・農村を次世代へ引き継いでいくという責務があると常々思っていまして、今回の長期計画の中にも記載されていますけれども、やはり農村は食料生産の場であるとともに、そこに住んでおられる農家を中心にした多様な方々の生活の場であるということを、まず1つ原点に置いた形が私はすごく大事ではないかなというふうに思っています。そういう中で、今、安倍政権の中でも地方創生ということでいろいろなアイデアを出してきなさいという話があるわけでございますが、都市部に比べ、地方は高齢化も人口減少も急速に進んでいるわけでございまして、そういう中において、今回の長計の5年間という話であれば、協働力についても農村コミュニティも維持できるのかなという感じはございますが、その先を考えたときに、今のままで農村がいいのかというところが私は非常に危惧をしているところでございまして、今回のこの32年までの土地改良長期計画とは別の分野として、次のステップとして、ぜひ生活の場の基盤整備といいますか、農村整備といいますか、そういう分野について少し光を当てていただきたいなということを今後の課題としてご検討をお願いしたいということでございます。

以上でございます。

 

○渡邉部会長

ありがとうございました。

今、横田委員、加藤委員からそれぞれ非常に長期的な視点で、この土地改良長期計画の位置づけや次の展開まで含めてご意見いただきました。まだ少し時間があるので、先ほどまではプロセス事例集に議論がやや集中したところもありますので、先ほどご説明いただいたKPIも含めて、長期計画の現時点の案について、短時間ですがご意見いただきたいと思います。なるべく簡潔にご発言いただけたらありがたいです。

では、西尾委員から。

 

○西尾臨時委員

先ほどの意見のときに申し上げればよかったのですけれども、10ページの(3)地域政策の視点から見た施策の方向性というところで、「農村の潜在力を効果的に発揮させる必要がある」というふうに書いてあるのですけれども、潜在力を効果的に発揮させる前に、なくならないように維持することが基本の重要な点かなというふうな気がして、突然、発揮させるというところになると、どうかなという気がしました。

それから、23ページの6次産業化等による雇用と所得の創出という欄で、パブリックコメントにあったように、女性の記述を入れることは本当に重要なことだというふうに思います。先般も地域資源保全女子プロジェクトと題した意見交換会があって、それに出たのですけれども、やはり女性が活躍する地域は活力があって、いろいろなことをしていらっしゃるので、女性の力を入れることが大変重要だというふうに思います。ですけれども、「女性ならではのアイデアや感性も生かす」という文言は、唐突なような気がして、女性が意思決定の場に参画するということが、私は基本で、最も重要ではないかなというふうに感じております。

以上です。

 

○渡邉部会長

ありがとうございました。

では、武山委員、続いてお願いします。

 

○武山臨時委員

すみません、資料2-1の2ページなのですが、オレンジ色で政策課題Ⅰ、強くて豊かな農業というふうに書いてあるページです。政策目標1の担い手の体質強化というところで、担い手の米の生産コストの大幅削減ということなのですが、8割以上という数字が出ています。あとの2割は、中山間地域等の圃場整備で生産コストの目標が達成できないだろうということで、2割が除かれていると思うのですけれども、例えば、中山間地域であっても、圃場整備が入れば、かなりの生産コストの削減に確実につながるわけですから、例えば残りの2割のところは何%削減していくとか、何か補足的な数値を出して、残り2割は目標の対象外というような見え方じゃないように、工夫がいただけないのかなということが1点です。

もう1点は、同じところですけれども、その下に事業量ということで4つ書かれているのですが、これはもちろんこの政策目標1、2に両方かかってくることだとは理解しているのですけれども、さすがにこのように書かれると、畑の区画整理とか畑地かんがい施設の整備ということが、米の生産コスト削減につながるような見え方になってしまいますので、もちろん間接的には、経営体が総合的に労働生産性を上げていくということでは米のコスト削減になるのでしょうけれども、ちょっとこの畑というのがここに出てくるのが、見え方としてまずいのではないかなというご指摘です。

以上です。

 

○渡邉部会長

ありがとうございました。

特にほかにいかがでしょうか。

では、小田切委員。

 

○小田切委員

改めて地域政策をめぐって大きな前進があったと同時に、やはり今後の課題があるということを指摘させていただきたいと思います。先ほど西尾委員がご指摘いただいたところなのですが、10ページの(3)のところに、「農業の構造改革を後押ししつつ農業・農村の有する多面的機能を維持・発揮させる地域政策」、地域政策の定義はここに書いてあります。これは基本計画にもこういうふうに書いてありますので、それでよろしいかと思います。

私はこの文脈の中に大きく前進した点があると思うのは、ある種の地域政策の持っている多様性というか多義性を今回の長計では認識されていると思います。

時間がないのでざっと申しますと、地域政策という意味合いは、地域対象政策、産業ではなく地域が対象としているという、そういう意味合いが1つあります。それから、2つ目は、地域別政策、地域の非常に多様なものを対象としているという、そういう意味合いもあります。さらに、地域主体政策、国ではなく、地域それ自体が主体となっている。そして、最後は地域一体政策、地域の多様な主体が一体的に動くという意味です。こういういくつかの意味合いを持つ、多義的なものが地域政策だと思うのですが、多分それがかなり意識されて書かれているのが今回の特徴だろうと思います。

その意味で、一次の案と比べると大きな前進が見られるということを喜びたいと思うのですが、しかし、先ほど読み上げたところについての考察は、今後深めていただきたいと思います。というのは、農業の構造改革を後押ししつつ、農業の有する多面的機能を維持・発展する、この「しつつ」のところが必ずしもスムーズにいかないというのが実態だろうと思います。むしろそれが常態という可能性さえもあります。つまり、環境政策が産業的政策とバッティングするということはしばしばある。その意味で、「しつつ」というふうに単純に書いてしまうというのは、恐らく今後のことを考えると、分厚い議論が必要だろうというふうに思います。

今回は差し当たりこれを前提に議論が進んでおりますので、これでよろしいかというふうに思いますが、この多面的機能を維持するということと構造政策の後押しということが必ずしもともに進まないという、この部分の、あるいはそういうことも常態的にあり得るんだという認識は、農村振興局としては持っておくべきだろうというふうに思いました。

以上でございます。

 

○渡邉部会長

ありがとうございました、きちんと整理していただいて。

ほかにいかがでしょうか。

では、森委員、お願いします。

 

○森臨時委員

また事例集のことで恐縮なのですが、30事例に数を増やすときにご配慮をいただきたいところが1つあります。まず目次を開いたときに、主な作物のところに水稲と野菜ばかり出ています。排水改良によって産地収益力が向上したという、政策目標2にかかわるような事例が基盤整備事業の上で成り立っているところが、特に北海道については酪農・畜産の分野ではっきりとありますので、それを意識して入れていただきたいと思います。ご検討いただきたくお願いします。

 

○渡邉部会長

ありがとうございました。

ほかいかがでしょうか。

随分大きなご提案、ご意見をいただいたことと併せて、具体的な表現についても検討の要請がありました。これから多分、時間をかけて検討していく必要があるご指摘だったと思うのですが、事務局でこの時点で何かご対応いただくことが何かあったらお願いします。

 

○安部計画調整室長

ご指摘いただいたことについては、いま一度検討させていただきたいと思います。ただ、1点、武山委員のほうから、目標について8割以上というところで、中山間地域を排除したということではなくて、数値を見積もるに当たっては、そういうバックでやっていますけれども、決して中山間地域であるからその対象から外れているわけではないというところを、そこだけはご説明させていただければと思います。

 

○渡邉部会長

ありがとうございました。

多分、まだご発言いただきたいこともあろうかと思いますが、時間ですので、皆さんからご意見を伺うのはここまでとさせていただきまして、今日いただいたご意見を踏まえて、事務局で修正いただき、その計画案をもって2回目のパブリックコメント、また先ほどご説明いただいた都道府県知事等に対する意見聴取を実施させていただくことになろうかと思います。その上でまた8月にご審議いただきます。今日ご発言いただけなかったご指摘があれば、私あるいは事務局にお寄せいただけたらと思います。ありがとうございました。

それでは、次の議事の2に移りますが、その他ですが、事務局よりご報告お願いいたします。

 

○原川都市農村交流課長

都市農村交流課長の原川でございます。都市農業振興基本計画についてご報告させていただきます。

本計画につきましては、平成27年4月に施行されました都市農業振興基本法の規定に基づき、政府が新たに策定するものでございまして、昨年度、2回の部会でご説明し、審議していただきました。5月13日の閣議において決定されましたので、ご報告したいと思います。

昨年度の部会でもご説明しましたけれども、本計画につきましては、都市農業の振興に関する施策についての基本的な方針を定めておりまして、中心的な政策課題として、都市農業の多様な機能の発揮を位置づけております。また、都市農地の担い手の確保、都市農地の確保、都市農業振興施策の本格展開など、今後の施策の方向性を示しております。

閣議決定された内容につきましては、昨年度の3月にご説明した内容とほぼ同じでございます。多少、てにをはの変化がありましたけれども、基本的には同じというふうに認識していただければと思っております。

今後は基本計画に沿って、土地利用規制等の措置を含めた法制度、都市農業の継続に必要な予算、さらには税制上の措置について検討を進めてまいりたいと思っております。

以上でございます。

 

○渡邉部会長

ありがとうございました。

それでは、引き続きまして、熊本地震の被害と対応について、これも事務局より報告をお願いいたします。

 

○鈴木災害対策室長

災害対策室長の鈴木と申します。参考資料2をご覧ください。ちょうど発災から2カ月になりましたけれども、熊本地震の被害の状況と役所の対応状況につきまして簡単にご説明いたします。

まず、1枚めくっていただきまして、左方の上のほうですけれども、地震の概要ということでございます。今回は震度7が2回続けて起きたというところが初めてということで、特徴でございます。

それから、その下のほうでございますけれども、熊本から大分にかけまして、北東から南西方向に延びる約50キロの領域で、断層帯に沿いまして地震活動が活発であったということでございます。本震と言われています16日の地震の際には、加速度で約1,800galという大変大きな揺れが観測されております。

また、右方の上のほう、赤のグラフがありますけれども、これはマグニチュード3.5以上の揺れが何回観測されたかということを示しておりまして、最近、日曜日にも八代のほうで震度5弱がありましたけれども、250回を超える回数がございます。

それで、その下のグラフ、ちょっと見にくいのですが、青い線が平成16年の新潟県中越地震のグラフでございまして、似たような活動になってございます。

被害の概要でございますけれども、その下の方でございますが、農林水産の被害の関係ということで、主な震災の被害の数字を表にしておりますが、ちょうど新潟県中越地震と同じような農林水産関係の被害額─1,350億円でございますけれども─となっておりまして、そのうち農地・農業施設土地改良関係の被害につきましては、600億円を超えるような被害となってございます。

また、めくっていただきまして、施設の関係でございますけれども、ダム・ため池につきまして、これは発災後すぐに点検をしておりますけれども、ダムにつきましては大きな異常はございませんでした。ただ、ため池につきましては10数カ所被災しておりまして、二次災害防止対策等の措置を講じておりまして、今後復旧を進めてまいります。

その中で、その下にあります大切畑ため池という大きなため池がございます。これは、ちょうど本震が起きてすぐにNHKの報道で決壊したという誤報が流れまして、大変注目されたわけですけれども、実際に調べてみますと、右の上にありますように、隣接する道路が大変大きく被災しているということで、活断層の影響があるのではないかというふうに言われておりまして、復旧に当たって大変技術的には難しいということで、県のほうで学識経験者による委員会をつくって検討を始めておりまして、その中に農水省も入りまして、技術的な支援をしていくということで進めてまいる予定でございます。

また、めくっていただきまして、今回は農地の被害が非常に顕著にありまして、特に断層沿いに亀裂ですとか、それから、写真見にくいのですが、真ん中でポール立てておるものがありますけれども、1メーター以上の段差が生じたところとか、そういったものがございまして、これは新潟県中越地震の際も似たような被害がありましたので、その際の復旧の方法を参考にしながら、これから復旧を進めてまいりたいというふうに考えております。

また、右上は、これまた農地・農業施設の被害の状況写真でございます。この被害に当たりまして、発災後すぐ熊本のほうに全国から農業土木の職員を派遣しまして、被災状況の確認ですとか、それから支援業務等を実施しております。また、農研機構の専門家の方ですとか地質官あるいは災害査定官を現地に派遣しまして、技術的な助言・指導等を実施してございます。

それからまた、めくっていただきますと熊本県の地図がございますけれども、特に被害の大きかった益城町ですとか阿蘇市等々の9市町村に全国から職員を派遣しまして、災害復旧に向けた作業を手伝っております。特に益城町等、被害が起きたところといいますのは、職員の方々、農業関係の担当の方もつい最近まで罹災証明の事務を担当されたりとか、なかなか農業関係の復旧の仕事が進んでないということで、職員を直接送り込んで支援をしております。

その下に、ちょっと分かりにくいのですけれども、査定前着工制度ということで説明しておりまして、通常はいろいろと計画書をつくってもらって、それから現地査定をして、それから復旧の工事に入るのですけれども、ここで復旧を急げば営農に間に合うというようなことがあれば、査定を飛ばしまして、すぐに応急工事ができるという制度がございます。今回はそれを使いまして、熊本県は田植えがちょうど今ごろから始まるということで、できるだけ田植えができる水田を復旧していこうということで、査定前着工制度を活用して進めております。

また、最後に、右上でございますけれども、九州は干拓によって農地を開いたところがたくさんありまして、そこの堤防は農水省が管轄しておりますけれども、その農地海岸の堤防が大分、今回の地震で被災しておりますが、そこを、本来であれば県の管理ということで、県のほうで復旧をするわけですれども、液状化等で技術的に難しい問題もありますので、直轄代行ということで、農水省が代行しまして復旧を進めていくということで、こういった手続を進めているということでございます。

復旧はまだまだこれからですけれども、現地の状況に寄り添いまして、早急な復旧に向けて支援をしていきたいと思っております。

以上でございます。

 

○渡邉部会長

ありがとうございました。

ただいま事務局から都市農業振興基本計画の閣議決定と熊本地震の被災状況等について、ご説明いただきました。これにつきまして、委員の皆様、何かご質問等ございますでしょうか。

よろしいですか。

ほかにその他で事務局のほうからございますか。ありませんか。

それでは、きょう予定しておりました議事は終了しました。全体を通して何か委員の方から特にご発言いただくことはございますでしょうか。よろしいでしょうか。

引き続きよろしくお願いします。

では、進行を事務局にお返しします。

 

○計画調整室長

本日は貴重なご意見をいただきまして、まことにありがとうございました。冒頭、説明申し上げましたとおり、次回は8月の開催を予定しております。

それでは、以上をもちまして本日の部会を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

 

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ダイヤルイン:03-6744-2201
FAX:03-3500-4053

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