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農林水産省

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平成28年度第2回議事録

1.日時及び場所

日時:平成28年8月9日(火曜日)10時00分~11時50分
場所:農林水産省本館7階  第3特別会議室

2.議事

(1)新たな土地改良長期計画の策定について
(2)その他

3.議事内容

議事録(PDF : 411KB)

安部計画調整室長
  おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会平成28年度第2回の農業農村振興整備部会を開催いたします。
  私は、事務局を担当しております計画調整室長の安部でございます。座って進めさせていただきます。
  本日はお盆前のご多忙の中ご参集いただきまして、誠にありがとうございます。
  なお本日、岡本委員、小谷委員、武山委員、沼尾委員、森委員におかれましては、所用によりご欠席とのご連絡をいただいてございます。
  早速ですが、配付資料について確認をさせていただきます。
  一番上から、議事次第、委員名簿、配付資料一覧、資料1といたしましてパブリックコメントの概要です。それから資料2-1、計画の概要等でございます。それから資料2-2、こちらが計画案本文となってございます。それから資料3です。これがプロセス事例集でございます。それと、参考資料1、参考資料2と、それぞれ1枚ペーパーがございます。また、それとは別に農村振興プロセス事例集と記載されましたA3判の1枚資料、それとA4の「水の恵みカード」の配布開始についてと記載されました資料を机上配付させていただいてございます。
  また、本日は北村藤枝市長より、ふじえだ和紅茶の提供をいただいてございます。この場を借りて御紹介申し上げます。この和紅茶の関係のPR資料をあわせて机上配付させていただいておるところでございます。
  資料の不足等はございませんでしょうか。よろしいですか。
  そうしましたら、昨年8月に農林水産大臣の諮問を受けまして、新たな土地改良長期計画について、これまで7回のご審議をいただいたところです。長期計画についてご審議いただくのは8回目となります、本日をもって最終となる予定です。どうぞよろしくお願いいたします。
  本部会の公表の方法につきましては、これまでと同様といたします。配付資料は会議終了後に、議事録は委員の方々に内容の確認をいただいた上で、それぞれホームページにて公表することとさせていただきますので、ご了承願います。
  それでは、早速ですが議事に移りたいと思います。以降の議事進行は渡邉部会長にお願いしたいと思います。
  なお、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。

渡邉部会長
  皆さん、おはようございます。
  本当に暑い中、また、8月初めで公私ともに大変お忙しいときかと思いますけれども、ご参集いただきましてありがとうございます。
  今お話ありましたように、長計の審議も今日で8回目ということで、いよいよ取りまとめの会議となりました。いつも私は冒頭で余計な私見を申し上げていて、反省しているところなのですけれども、今日は何も申し上げずに皆様からご意見をいただくようにして、おかげさまで大変いい案ができ上がっていると思いますが、さらによりよい計画となるように、改めてご意見をいただくよう審議を進行させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
  それでは、議事次第に従いまして議事を進めたいと思います。
  議事の1番、新たな土地改良長期計画の策定について、事務局より説明をお願いいたします。

安部計画調整室長
  それでは、お手元の資料をもとに、前回6月にお諮りした計画案の内容からの見直し点を中心に説明をさせていただきます。資料1から3を通して説明をさせていただきたいと思います。まずは資料1をご覧ください。これは6月24日から7月7日までの14日間、第2回目のパブリックコメントを実施をしてございます。提出された7件の意見を一覧にして整理をしてございます。
  表紙をめくっていただいて、1ページをご覧ください。一番左の列、事項とあるところですけれども、該当する章の項目、ページ番号と行、それから真ん中ですね、意見の内容の列にまさしく意見の内容を、それから一番右の列でございますけれども、対応方針(案)というところに事務局の対応方針(案)を記載してございます。
  意見の内容、真ん中の列に通し番号で1から7まで番号を振ってございます。そちらも参考にしながら申し上げます。
  まずは計画案の内容の見直しにつながった2つの意見について説明を申し上げます。
  1点目は、1ページ目の番号の2でございます。政策課題1(ローマ数字)「強くて豊かな農業」と政策課題3(ローマ数字)「強くてしなやかな農業・農村」という名称が、双方とも「強くて」という書き出しであるために、このあたり工夫ができないかという内容のご意見でございます。
  これに対しましては、対応方針に書いてあるとおりですが、政策課題1(ローマ数字)の名称を「豊かで競争力ある農業」に変更したいと考えてございます。政策課題1(ローマ数字)は産業政策でありまして、「豊か」という文字には所得の増加という意味を、それから「競争力」には足腰の強い農業という意味を含ませてございます。これが大きな2つのうちの1点目でございます。
  もう一つ、2点目でございますけれども、同じページ1の番号、真ん中の列の3でございます。米を取り巻く情勢が一層厳しくなる中、水田農業の立て直しには複合経営を可能とする汎用化が重点課題であり、これに取り組む施策の最初に位置づけるべきという意見でございます。このため、水田における畑作物の導入等を可能とする排水改良(汎用化)の推進を掲げてございます。施策名としては「農業生産の拡大・多様化による収益の増大」が施策1となるように、政策目標1を産地収益力の向上とし、政策目標2を担い手の体質強化として、この政策目標の1と2の入れ替えを行ってございます。
  土地改良が、米中心から高収益作物を中心とした営農体系への転換を通じて農業所得の増大を牽引し、後継者が確保されるような環境づくりが今回の長期計画の重要な課題でもございますので、このようにしたところでございます。
  この2点の見直しにつきましては、資料2-1の計画概要、資料2-2の計画本文に反映をさせていただいておるところでございます。
  ここで資料2-1でございます。カラー刷りのものでございますが、これをめくっていただきまして、2ページ目の上半分、政策課題1(ローマ数字)というところでございます。ここで政策課題1(ローマ数字)を、名称でございますけれども、豊かで競争力ある農業としてございます。また、ここで政策目標1を産地収益力の向上、政策目標2を担い手の体質強化として、前回から入れかえたところでございます。
  パブリックコメントのほうに戻っていただきますと、真ん中の列の番号の4、番号の5のような、成果指標や事業量に関するご意見、ご質問、それから番号6のような地域特性に応じて整備を推進していく必要といったご意見、それからその資料の3ページ目、一番最後のページでございますけれども、番号7のような建設業の技術者・技能者の確保が必要といったご意見をいただいたところでございます。それぞれのご意見に対しては、一番右の対応方針(案)に書いてあるとおりの対応を考えておるところでございます。
  以上がパブリックコメントの概要でございます。
  また、このパブリックコメントの他、6月24日から7月15日までの3週間かけまして、土地改良法に基づく意見聴取手続を行いました。47都道府県知事、それから関係行政機関の長に対して意見聴取を行い、異存がない旨、回答をいただいていることを報告をさせていただきます。
  続きまして、資料2-1でございます。この資料2-1でございますけれども、主な見直しとして、先ほど述べましたパブリックコメントに関わる2点以外にもう1点ございます。資料2-1の1ページの右上の目指すべき農村の姿とその実現に向けた基本戦略という大きな黒い箱の中の一番右の基本戦略の箱の中でございますけれども、取り組み・発展のプロセスに着目し、先進的な事例の分析とレビューとございます。前回は「先進的な事例を例示」と書いていたものを、このように修正をさせていただいてございます。これは前回の部会において、取り組み・発展のプロセスを解明したという行為の重要性が伝わるように表現を工夫すべきとのご意見をいただきまして、このように修正をさせていただいたところでございます。以上の3点につきまして、本文でございます資料2-2の関連するところにも反映をしてございます。
  続きまして、資料2-2の本文のほうでございますけれども、先ほど申し上げました反映部分に加えまして、今回の計画の内容を締めくくる総括といたしまして、一番最後のページ番号にして39ページでございますが、あとがきを追加をしてございます。
  主なところを紹介申し上げますと、例えば9行目からでございますけれども、土地改良が「農地や農業水利施設等の機能を次世代に引き継ぐだけでなく、高収益作物の導入を通じた所得の向上や更なる生産コストの削減をもたらし、力強い農業を牽引するものとして深化させる必要」というところ。
  それから13行目からでございますけれども、「農地の大区画化・汎用化や水利用の高度化など農地・水利ストックの高機能化を通じ、次世代を担う若者が活躍する魅力ある農業とその成長を後押しすることが重要」というところ。
  もう1点目、17行目からでございますけれども、「食料の供給機能や国土保全等の多面的機能が適切かつ十分に発揮されるよう、農業者を含む地域住民や農村外の人々が協働する環境を整えることも重要」等々といった今回の計画において注目すべき点を改めて触れさせていただいてございます。
  その他、本文につきましては関係省庁との調整でございますとか、省内の審査等の過程で、文言の追加修正した箇所が幾つかございますけれども、計画そのものの柱立て、構成や方向性といったところに影響を与えるものではないため、説明は省略させていただきたいと思います。
  続きまして、資料3でございます。プロセス事例について説明をさせていただきたいと思います。
  このプロセス事例集につきましては、前回10事例をご説明させていただきましたけれども、部会でのご指摘を踏まえまして、事例集の位置づけや活用方法等を整理しますとともに、新たに20地区を追加いたしまして、合計30地区を作成したところでございます。この事例集は閣議決定される長期計画に併せて公表する予定でございます。
  そうしましたら、1枚おめくりください。この上の段、本事例集の目的等について記載をしてございます。計画案で示してあるとおり、農業の多様性を考慮し、個性と活力のある豊かな農村の実現に向けて、地域の主体的な取り組みを後押しすることが重要と考え、先進的な地域の発展プロセスを分析・レビューし、活性化する農村協働力にも着目しつつ、地域自らが考える手がかりを提供するため、作成したものでございます。
  下のほう、発展プロセスとはというところでございますけれども、発展プロセスについて解説をしてございまして、各地域においてどのような取り組みを行ってきたのか、時系列に分析し、先進的な事例としてレビューをしてございます。
  1枚おめくりいただければと思います。事例集の活用ガイドといたしまして、目次と各取り組み事例の整理方法についてまとめ、活用される方のガイドになればということで整理をさせていただいてございます。
  まず、目次につきましては、前回お示しした際に地域類型と主な作物ということでお示しをさせていただきましたけれども、これに地域の傾斜の情報を新たにお示しをしてございます。これは中山間地域等直接支払制度の考え方と同様に、水田を主体とした地域では、勾配100分の1以上、20分の1未満を緩傾斜、緩い傾斜ですね。それから20分の1以上を急傾斜としてございます。
  一方、畑主体の地域では角度でございますけれども、8度以上15度未満を緩傾斜、緩い傾斜、それから15度以上を急傾斜として整理をさせていただいてございます。
  それから取り組み内容につきまして、前回同様に長計の案に示されております政策課題を踏まえた整理をしてございます。ただし、前回は二重丸と一重丸に分けて整理をしてございましたけれども、前回の部会でこの考え方を整理すべきというご指摘があったところでございます。内容について検討しましたところ、明確に分類できない事例もあることから「そういうことが含まれています」という意味で、一重丸のみの整理をさせていただいてございます。
  次のページですけれども、各事例の整理方法について解説をしてございます。1枚目、2枚目と左右に分かれてございますけれども、左側の1枚目では地区の取り組み前の状況、実施した取り組み、実施後の状況を整理をしてございます。また、地区の特徴と取り組み内容をインデックス風に整理をしました、それぞれの地域で取り組みを行っていれば黒く、それから行っていなければ灰色でインデックスのところに表示をしてございます。
  一方右側、2枚目でございますけれども、発展プロセスに着目をし、取り組みを行うこととなったきっかけから始まり、取り組みのステップ、将来に向けての展開方法を記載をしてございます。また、取り組みのポイントとなった事項につきましては、吹き出しをつけておるところでございます。
  次のページから3ページ、目次の1(丸数字)、2(丸数字)、3(丸数字)と、いわゆる目次を整理してございます。前回説明しました10事例につきましては、タイトルの番号のところを丸で囲ってございます。それから目次の3(丸数字)の右下のところでございますが、今後、事例については引き続き内容の充実等を図っていくこととしてございます。
  それから、次に位置図をつけてございます。各事例の位置図を示してございますけれども、丸の中の数字は目次の地区番号に対応してございます。なお、目次と各事例を見比べていただきますように、簡略化をした目次と位置図を整理したA3判、先ほど資料のご確認のときに最初に申し上げましたものでございますけれども、机上に配付をさせていただいてございます。この後、地区の説明をするに当たって参考にしていただければと思うところでございます。
  では、各事例について代表的なものを説明させていただきたいと思います。時間も限られますことから、今回新たに整理をしました20事例のうちから、政策課題の1(ローマ数字)、2(ローマ数字)、3(ローマ数字)のそれぞれに関連をします事例を1地区ずつ説明をさせていただきたいと思ってございます。
  ページ番号が黒い四角でついてございますけれども、35ページ、36ページをご覧ください。左上に番号18となった地区でございます。これにつきましては、政策課題1(ローマ数字)に関連して、高収益作物への転換を行った事例としてご説明申し上げます。
  山形県最上町におきまして、水稲依存からの脱却に向けて、基盤整備により畑作物への転換とアスパラガスの産地形成に取り組んでいる事例でございます。
  上のページ、35ページの取り組み前をご覧ください。この地域はやませの影響を受けまして、夏期にも冷涼な山間地で、冷害による水稲の減収が課題であり、稲作からの脱却気運が高まっていたところでございます。一方、この地域では畜産業も盛んでして、畜産農家は堆肥の処理に苦慮をしていたところでございます。
  そこで、水稲作から畑作への転換に向けて基盤整備を行いますとともに、アスパラガス生産協議会と堆肥散布組合の2つの組合を設立をしまして、耕畜連携による資源循環型農業に取り組んでございます。その結果、アスパラガスの産出額は平成17年の3,500万円から、平成27年には約4億2,000万円に増加するとともに、新たな雇用も生まれておるところでございます。
  36ページ、下のページでございますけれども、発展のプロセスについて説明を申し上げます。
  先ほども申し上げましたけれども、水稲の減収による園芸作物への転換気運の高まりがきっかけとなりまして、ステップ1につながってございます。平成15年に米にかわる作物を模索し、冷涼な気候に適合するアスパラガスに着目をしました。吹き出しにもありますけれども、ある集落の生産組合長がアスパラガスへの転換を実践をいたしまして、その成功を目にした他の生産組合も取り組みを始め、町全体に普及していったところでございます。
  ステップ2では、同じく平成15年に基盤整備を開始し、土壌改良や排水対策を実施しており、整備の進捗に伴いまして、アスパラガスの栽培面積も拡大をしてございます。
  そして、ステップ3ではアスパラガス生産協議会を設立をいたしまして、県、町、JAの指導による営農がスタートしてございます。
  ステップ4では、地域一帯となった品質確保に向けた取り組みといたしまして、生産協議会を中心とした播種、育苗等の共同作業を実施してございます。また、数名のグループごとに作物のランクをデータ化しまして、グループリーダーと今後の対応を検討することに加え、県の指導員によるほ場の巡回点検も行ってございます。
  吹き出しのほうに記載していますけれども、これらの取り組みを通じて産地としての評価を確立するため、個人単位の営農から地域一体となった営農へと意識転換が図られたところでございます。
  ステップ5でございます。耕畜連携の取り組みについて記載をしてございます。
  アスパラガスの栽培には大量の施肥、肥料が必要なんですけれども、個々の農家ではなかなか対応が困難でありました。一方、畜産農家では堆肥の余剰が発生をしてございまして、これらの問題を解決するために、アスパラガス生産協議会から畜産農家へ働きかけまして、堆肥散布組合が設立をされてございます。この堆肥散布組合は19戸の畜産農家から構成をされておりまして、堆肥の供給に加えて、畜産農家の後継者が各ほ場への散布作業も担っているところでございます。
  さらにステップ6でございますけれども、集出荷選果場での共同選果によりまして、生産者の負担が軽減をされたことに伴って、その分、経営規模の拡大が図られてございます。また。併せて、この選果場で新たな雇用の創出を実現しているところでございます。
  最後に、将来に向けましては周辺市町村と連携した更なる産地の拡大、それから冬期の山菜の促成栽培等との組み合わせによります周年農業、1年を通した農業の確立、それからアスパラガスのブランド化に取り組んでいくことを今、検討しているというところでございます。
  次に、政策課題2(ローマ数字)に関連します地区を説明申し上げます。
  黒四角のページ番号で59ページ、60ページをお開きください。
  これは三重県桑名市において、希少生物に配慮した基盤整備を行い、環境保全型農業に取り組んでいる事例でございます。取り組み前は生産基盤が未整備であることに加えまして、高齢化による後継者がいない農家が多数を占める状況でございました。一方で、本地域におきましては希少生物が生息するなど、豊かな自然環境を持つ地域でもございました。
  そういった中で、この地域ではビオトープや魚道等の環境配慮施設を整備しまして、多面的機能支払による地域資源の保全活動に取り組んだところでございます。その結果として、豊かな自然環境を維持し、生き物観察会や農業体験等を実施することで、都市住民との交流も行われるようになったところでございます。また、営農面でも環境保全型農業に取り組んで、減農薬、減化学肥料の特別栽培米の栽培に加えまして、生産した酒米、餅米を地元企業と連携をして、日本酒やお菓子を製造・販売をしてございます。これは59ページのところでございます。
  次、60ページのプロセスについて説明をさせていただきます。
  先ほど申し上げました生産基盤が未整備だったこと、それから希少生物が生息する豊かな自然環境を保有していたことをきっかけとして取り組みがスタートしてございます。
  ステップ1として、基盤整備に合わせて環境調査を行ったところ、絶滅危惧種でありますホトケドジョウや、桑名市の天然記念物であるヒメタイコウチの生息が確認されました。
  ステップ2では非農家を含めた話し合いを行って、地域住民の希望もあり、生態系に配慮した整備を行うことを地域全体として合意形成をしたところです。
  その後、ステップ3では基盤整備により、既設の石積みの水路の保存や、魚道やビオトープ等の設置を行ってございます。吹き出しに記載をしてございますけれども、こういうことを行うことによって、従来の一般的な工法との差額分、ある意味、高くなるわけですけれども、そちらに係る地元負担につきましては、三重県の単独事業によって補助が行われているということでございます。
  そして、ステップ4でございますけれども、土地改良区が主体となりまして、地域住民を含めた保存会を設置し、維持管理体制を構築してございます。また、効果的な維持管理に向けて、専門家の指導・助言を受けて、三重県が維持管理マニュアルを策定をし、これを保存会に引き継いでございます。
  維持管理体制の構築とほぼ同時期のステップ5におきましては、営農面での取り組みを記載してございますが、酒米、餅米を生産し、地元酒造会社や製菓会社と連携をしまして、日本酒でございますとか、あられの製造を開始をしてございます。
  ステップ6では、新たに設立された営農組合や多面的機能支払の活動組織も維持管理活動に参画し、維持管理体制の強化を図ってきているところでございます。
  ステップ7では、主食用米、酒米、餅米、これはいずれも特別栽培米として生産をしまして、環境保全型農業に取り組んでいるところでございます。将来に向けては観察会に合わせた農産物のPRによる販売の拡大等に加えまして、新規作物の導入や新たな加工品の開発に取り組むことを検討しているというところでございます。
  次に、政策課題の3(ローマ数字)でございます。ページが戻ってしまってまことに申しわけございませんけれども、29、30ページをごらんください。
  29、30ページでございます。政策課題3(ローマ数字)の事例でございますけれども、高知県須崎市において、湛水被害の防止と用水の安定供給により、施設園芸の拡大を図っている事例でございます。
  29ページのほうですけれども、取り組み前は水稲中心の営農であって、平均しますと2年に1回、湛水被害が発生してございました。そうした中で、排水機場や用水施設の整備を行いますとともに、ハウスの整備等を行ってございます。取り組みの内容でございます。取り組み後につきましては、湛水被害が解消され、施設園芸が拡大をしたところです。特にミョウガの栽培面積は5倍以上に増加をしております。また、施設園芸作物の販売額も2倍に増加をしたところでございます。
  次のページ、下のページです、30ページですけれども、プロセスの説明をさせていただければと思います。
  台風等による湛水被害が頻発するともに、農業用水の水質悪化をきっかけといたしまして取り組みが開始をされてございます。こうした課題を解決するために、ステップ1では集落、JA、行政等で検討を重ねまして、施設園芸を中心とした営農を行っていくための基盤整備を行うという方針を決定をしてございます。そして、排水機場の増設、排水路の整備、新たな取水源として用水施設やパイプラインの整備を実施してございます。
  また並行して、ステップ3ではミョウガを生産拡大に取り組む品目として決定をしたところでございます。上の吹き出しに記載をしてございますけれども、品目転換した農家に対して、JAや県が連携をして、栽培技術の実証や現地指導を行うことで、農家の技術の早期取得を図ったところでございます。
  そして、ステップ4ではJAが中心となって消費拡大や販売促進に向けた活動を開始をしてございます。
  その後、ステップ5では所得向上に向けてハウス内の環境を測定する機器を設置し、栽培管理の改善に取り組むほかに、コスト削減のために重油に替わる加温機を導入したところでございます。
  ステップ6では、過去に設置した排水機場の老朽化対策といたしまして、機能診断や機能保全計画を策定し、それらを踏まえた対策を行ってございます。将来に向けましては、高品質・高収量・高付加価値化による産地の強化等に取り組む方針であるということが地元のほうから寄せられてございます。
  以上、3地区説明させていただきましたけれども、今後この事例集を多くの方にご覧いただけるようPRをしまして、地域の主体的な取り組みを後押ししてまいりたいと思います。また、各都道府県においてもこのような事例集を参考とした取り組みが進められるように働きかけをしていきたいと思ってございます。
  資料の説明は以上でございますけれども、ここで農村振興局長の佐藤よりご挨拶を申し上げます。

佐藤農村振興局長
  農村振興局長の佐藤でございます。遅れての出席、申しわけございません。また、この後、お許しいただければ退席を申し上げたいと思います。
  委員の皆様方におかれましては、ご多用の中、またお暑い中、ご参集いただきましてありがとうございます。日ごろから農林水産政策、農村振興政策につきまして、格段のご理解とご協力を賜りますことに関しましても感謝を申し上げたいと思います。
  今、事務方からご説明ありましたとおり、土地改良長期計画を当審議会で何回にもわたってご議論いただいているわけでございますが、私自身この土地改良事業は非常に重要な事業だと思っております。
  世間では、土地改良事業といいますと、公共事業ということもあって、ばらまき、旧態依然といったような言われ方をすることが多いわけでございますけれども、この土地改良に熱意を傾けていらっしゃる現場の方々の生の声を聞いておりますと、やはりこれからの農業を次世代に引き継いでいく、あるいは地域の農地を次世代に引き継いでいく。そのためには土地改良事業をしっかりと行って、水をしっかりと確保できるようにし、農地の大区画化や汎用化をして、後継者が儲かる農業、所得が上げられる農業として、後継者が戻ってくるような、そういう農地・農業を次世代につなげる意味でも、土地改良事業は今こそしっかりと進めなければならないというような、現場の土地改良に取り組む方々の声を聞きますと、まさにそのとおりだと。
  次世代につなぐ土地改良、土地改良は設備投資だというふうに思っております。そういった意味で、この土地改良事業の推進の道しるべとなります土地改良長期計画というものも極めて重要な計画だというふうに思っております。
  これまで7回にわたりご議論いただいてきたというふうに聞いております。パブリックコメントですとか、都道府県知事からの意見聴取の概要も、先ほど説明があったと思いますけれども、一部手直しの提案をさせていただきましたけれども、この土地改良長期計画がよりよいものになることを我々といたしましても大変期待をしておりますので、ぜひよろしくご審議のほどをお願いできればと思います。
  また、今説明がありましたプロセス事例集でございますけれども、これにつきましても思った以上といいますか、現場からの反響が大きくて、ぜひうちの地区も入れてくれというような声もあります。今説明ありましたとおり、30地区でスタートさせていただきますが、注にもありましたとおり、内容の充実を図っていくということで、適宜事例を追加するというようなことも視野に入れながら、引き続き事例の充実に努めていきまして、説明にもありましたとおり、この事例を見て、土地改良の事業の実施を契機に、地域農業を理想的なものにしていきたい、あるいは後継者が戻ってくるような、後継者が確保されるような農業にしていきたい。そういったものの一つのきっかけとしての役割を果たしてまいりたいと。このプロセス事例集にはそういう我々の願いも込めておりますので、これにつきましても忌憚のないご意見をいただければと思います。
  いずれにいたしましても、審議が大詰めを迎えていることと思います。渡邉部会長のもとに新たな土地改良長期計画についての自由闊達なご議論をお願い申し上げまして、ご挨拶にかえさせていただきます。本日はありがとうございます。

渡邉部会長
  佐藤局長、どうもありがとうございました。事務局もご説明ありがとうございました。
  それでは、先ほど説明がありました2回目のパブリックコメントの結果、新たな土地改良長期計画案、プロセス事例集について、これから皆さんからご意見をいただきたいと思います。まず今も局長からもお話ありましたように、このプロセス事例集は前回10事例をご紹介いただいて、今回20事例増えて30事例となりました。非常に評判がよいと私は考えているのですが、またこれからもっと大事にしていかねばならないということで、少し時間いただき、まず初めにこの事例集について、土地改良長期計画の本文とは別枠になっている部分もございますが、皆さんから改めてご意見、ご質問をいただきたいと思います。30分ぐらいを予定しています。どなたからでも、お願いいたします。
  浅野委員、どうぞ。

浅野臨時委員
  とてもすばらしい事例集だと思います。2点だけ、ちょっと文章をというところなんですけれども、1つは事例集の1ページ目ですか、農村振興プロセス事例集とはということで、最初にその前文みたいなのがあるんですけれども、ここの中の「地理的・地形的条件、気象条件や景観等」というところがあるんですけれども、前は「条件」で、「景観」というのはある種結果なんですよね。だから「条件」に統一されたほうがいいような気がして、「地理的・地形的気象条件等に応じた」というふうに、「景観」を除かれたほうが混乱がないように思います。
  もう一つは、この1ページ目と3ページ目にあるんですけれども、「時系列」という言葉が使われています。この時系列の使われ方、例えばその下でしたら「発展プロセスとしては」として、「時系列ごとに分析し」と書いてあって、次2ページめくってもらうと、事例集の活用ガイドの取り組み事例の上のところの「取組のステップ」で、「時系列に記載しています」という。両方とも少し日本語としてこなれていないので、例えば後ろでしたら「時系列順に記載しています」とか、「時系列として記載しています」とかいう表現がよろしいし、発展プロセスのほうにしますと、「どのような取り組みを行ってきたのかを経時的な一連のプロセスとして整理することとしました」というような文章にしたほうが、内容がわかりやすいんじゃないかなと思いました。
  以上です。

渡邉部会長
  具体的なご提案をいただきました。
  引き続き、柴田委員、お願いします。

柴田臨時委員
  非常によくなっていると思うんですね。事例が増えて、しかもこの取り組みの事例、まさに時系列ではありますけれども、10年、20年とわたる歴史的な積み上げが分析されているものもありますし。それから読んでいてそれぞれ創意工夫されておりますし、何ていうか、その地域の取り組みのご苦労とかが、具体的にイメージとして浮かんでくるなという感じがします。
  それで、その上でより充実したものにということであれば、例えばそれぞれのステップごと、きっかけから始まって、「誰がどのように」とか、それぞれの事例が課題ごとにまとめられて紹介されています。その上で、それぞれの事例を縦に貫くもの、きっかけ、あるいは「誰がどのようにプロジェクトを進めていったか」というようなところもかなり共通項が現れてくるんじゃないかなと思います。
  したがって、その最後の終わり方でありますけれども、30番の事例で終わるのではなくて、それぞれのステップごとに縦に貫くようなポイントみたいなものがまとめ上げられていれば、完璧なのかなという気がいたします。

渡邉部会長
  ありがとうございました。
  では、河野委員に伺います。どうぞ、お願いします。

河野委員
  事例集拝見しました。インデックス等もついて、非常にわかりやすく整理されていると思っています。
  ただ、先ほどから何人かの方もおっしゃっているように、これはガラスケースに入れて飾っておくものではなくて、本当に農業者の方が自分のところの地域にしっかりと照準を合わせて活用していかなければもったいないというふうに感じているところです。
  一番気になったのは、公開方法です。紙媒体で公開するのか、恐らくWebでも公開されると思います。その公開方法と、それから、こういうものができたということを周知・広報する、どういうふうな形でこれを周知・広報していくのかという、そこのところはぜひ力を入れてやっていただきたいというふうに感じたところです。
  それから、一番最後のところ、最終ページに全てのお問い合わせ先ということで、農水省、国の電話連絡先と、それから地方農政局さんの連絡先が書いてございますが、もし私だったら、この各事例、例えば1番の北海道中札内村の下のところに、もしよろしければ現地の方の連絡先とかがあるといいなと思いました。そうするには人手もかかりますし、煩雑なことにもなるかもしれませんが、もっともっとこれを見た方と、それから現地がつながるという形でいうと、農政局さんの電話だけではなくて、ここに聞いてみたいなという、その思いをつなげるような工夫もあってもいいかなというふうに思いました。
  それから、もう一つは、やはりこの土地改良計画、長期計画と言われているとおり、ここに書かれている事例はどれを拝見してもスタート時が昭和というのもございますし、一番新しいもので21、22ページ、広島の事例が直近で平成26年からスタートというのがあって、それ以外の事例はやはり20年、30年という長期の取り組み事例でした。
  そこでそういった長い期間をかけて、こういったすばらしい取り組みになっているということと、それからこの事例集の1ページ目の農村振興プロセス事例集とはというところの最後のところに、「関係者が具体的なイメージを共有しながらスピード感を持って取り組むことができるよう」という、このあたりが当然のことながら長期計画と、それからスピード感というのが多少矛盾するといいましょうか、なかなかやろうと思っても、この好事例につながったのは、二、三十年という長い蓄積があるんだなというところがあります。
  ですから、スピード感という言葉をここに書かれるのもいいと思いますけれども、これをきっかけにして、地域の中で丁寧に取り組んでいくというふうな押さえが1つは必要で、この土地改良計画というのは一朝一夕に成果にはつながらないけれども、こういった粘り強い取り組みの結果、いい事例があるんだというふうなリード文にしていただけるといいのかなというふうに感じたところです。
  以上です。

渡邉部会長
  ありがとうございました。
  もう一方、二方、伺いましょう。では、小田切委員どうぞ。

小田切委員
  ありがとうございます。まさにこのプロセス事例集は、私どもたびたび申し上げておりますが、場面集だと思います。事例の横展開をめぐっては、アウトプット事例集ではなくてアウトカム事例集だとか、あるいはむしろ失敗の事例集が必要なんだという、そういう言い方がしばしばされるのに対して、そうではなく場面集という形で、そのプロセスを示すということで大いに成功しているんではないかというふうに思います。
  こういう新しい取り組みでもありますので、これも大分前に申し上げましたが、小さく産んで大きく育てるという、そういう発想が必要だと思いますので、差し当たりはこれでよろしいと思います。もし量がふえてきたときにご検討していただきたいのが、このプロセスの中に青いボックスと赤いボックスがあります。赤いボックスはまさに土地改良長期計画に関わるものを示しているわけなんですが、どうもグレーゾーンが随分あるんではないかというふうに思っております。
  赤と青の中間の部分がかなりあって、むしろ赤で塗られているところが、無理して赤で塗っているところも無きにしも非ずということで、そういう意味では、こういうふうに赤、青で分ける必要も必ずしもないのかもしれません。このあたりのところをどうしたらいいのかということは、さらに検討していただきたいと思うところであります。
  以上です。

渡邉部会長
  石井委員、手が挙がりましたね。

石井臨時委員
  どうもありがとうございます。非常にいいものができていると思います。
  これの目次のところで、政策課題に丸がついて、それから主要な区分などが出ていて、わかりやすくていいのですが、それに加えてどういう土地改良事業をやったのかというのがこのインデックスのところでわかると見やすいように感じました。
  これは、土地改良事業を通じたプロセス集ということなので、そのインデックスがあるといいのではないかと。主要な事業でいいんですね。例えば圃場整備でもいいし、かんがい排水事業でもいいですし、何かそういうのがあったほうが、むしろそちらから探していく方もおられるように思われますので、そういったこともあると思います。

渡邉部会長
  ありがとうございました。これからの扱いと、今の案に対しての具体的なご提案をいただきましたけれども、ちょっと一回ここで切って、何か特に事務局のほうでこの時点でご対応いただくことがあればご説明いただきたいと思います。

安部計画調整室長
  全体に努力目標も含めてご指摘をいただきまして、ありがとうございます。
  浅野先生からありました景観の表現、それから時系列の表現については、ここはもう一度検討させていただければと思います。
  それから、柴田先生からありました縦に貫くところにつきましては、今段階なかなかこの分類するのはまだ30地区程度で難しいのかなと思いますけれども、今後数が増えていって、おっしゃるとおりそういうものが見えてくれば、そういう分析もしてみたいなと思います。
  それから、河野先生から公開方法ということでご質問があったかと思います。今決めていますのは、公開につきましてはこの土地改良長期計画の公表と併せて、まずはプレスに公表したい。それから当然ホームページにもアップしたいと思っています。あわせて秋以降、これはやっぱり各地方のキャラバンなりをして、やっぱり地域に我々も出向いていってご紹介する機会を設けたいなと思っておるところでございます。
  先ほどのスピード感の話、それから丁寧に取り組むということで、おっしゃるとおり、長い期間がかかっていて、我々の気持ちとしてはこういうことをお示しすることによって、ここで20年かかったものがせめて15年になればいいのかなという意味で、そのスピード感という言葉を使わせていただいてございまして、そのあたりお酌み取りいただければと思うところでございます。
  それから、小田切先生のほうからありました赤と青の分類のところでございますけれども、おっしゃるとおりでございまして、今後のステップアップ、今後の中で取り組めればと思ってございます。
  それから、石井先生からあった土地改良事業、何をやったのかというところでございますけれども、ここは目次の中で表現できるかどうか。今回それまで到達できるかどうかも含めて、ちょっと宿題として承りたいと思います。
  以上でございます。

渡邉部会長
  ありがとうございました。
  もう少し委員の方からご意見いただきます。横田委員、よろしくお願いします。

横田委員
  横田です。大変ありがとうございます。
  わかりやすく、丁寧に。ただ1つ、この事例の中に次の世代を担っていく若者が見たときにどう感じるか、そこの部分が見えてこないという気がします。
  この目次の中には女性が参画しているというところで表されておりますが、これは10年、20年という月日をかけた中で、非常に想像するのは、大先輩方が骨を折っているんだろうというところではございますが、若者も参画しているんだよという表現をもう少し入れていただけるとよいと思います。これを見たときに、この地域に合ったものを、また新たに速いスピードでこの事例集を参考にしてできるような形に持っていきたいという思いがございますので、ぜひともそこら辺の表現をどうにかできないかなと思いますので、よろしくお願いいたします。

渡邉部会長
  ありがとうございました。
  ほかいかがでしょうか。では中嶋委員、お願いいたします。

中嶋委員
  ありがとうございます。これのまとめ方については本当にすばらしいと思っておりますので、それについては意見は無いんですが、キーワードのところで、高収益作物から防災・減災力が並んでいるんですが、資料2-1の全体概要版を見て、政策課題1(ローマ数字)、2(ローマ数字)、3(ローマ数字)、それから重点目標という、そこに出てくるキーワードを見たときに、生活基盤の再編というような項目がこのキーワードの中に入っていなくて、それ以外は全部網羅しているように思いました。今ざっと見たところ、そういう事例はこの中にはちょっとないと思いますので、将来的にそういった事例も取り込んでいただけると、長期計画との突き合わせができるんじゃないかなというふうに思いました。
  以上です。

渡邉部会長
  ありがとうございました。
  ほかいかがでしょうか。よろしいですか。では、お気づきの点あったら後ほどお話しいただくことにします。何か事務局で今のお二方からのご意見に対して対応いただくことがあればお願いします。

安部計画調整室長
  若者の参画の関係で、中に二、三事例、要は若者がお年寄りというか、上の人たちを説得をしてというようなものも中に入ってはいるんですけれども、そのあたり今後どう表現していくかについては宿題とさせていただければと。今後のいわゆる努力目標というか、させていただければと思います。
  それから、中嶋先生からあった生活基盤の事例につきましても、よい事例があれば今後の取り組みの中で検討させていただければと思います。
  以上です。

渡邉部会長
  ありがとうございました。
  私も少しコメントさせていただこうと思います。この作成や議論の過程で、1つのキーワードは農村協働力の展開の表現だとしたところもあると思うので、さきほど冒頭で、言葉遣いや文章表現について浅野委員からご意見ありましたけれども、それを考えるときに農村協働力という言葉をどこかにより明確に書き込むことをを改めてご検討いただいたら良いと思います。浅野委員にもまたお知恵を出していただけたらと思うところが1つです。
  それから、これからの使い方についても委員の皆さんから多々ご意見が出ましたけれども、やはり電子的な情報として多分使われていくことになって、いろいろなアクセスの仕方や検索が問題になるなど、活用しないといけない局面が必ず出てくると思うので、そういう活用・検索を考えたつくり方を検討する必要があると思います。言葉だけではなく、最近はテキストやコンテキストで検索するやり方もあると思うので、そうした技法も含めて次のつくり方をご検討いただけたらいいと思います。これは先の話ですが、前から申し上げているように、でき上がってくると注文も増えていきますが、さらにご検討いただけたらと思います。
  よろしいでしょうか。それでは、私は意見を言いっ放しで先に進めさせていただきます。続きまして今回の答申の対象となります土地改良長期計画の案につきまして、ご意見をいただきたいと思います。
  既にいただいたご意見は、本日事務局から提案いただいた案でほぼ対応できていると思いますが、さらに修正が必要な箇所があればご意見いただきたいと思います。それから、さらにこれをどのように位置づけるか、あるいは考えるかという基本的な認識についてもしあればご意見いただきたいと思います。今の2つ、大分性格が違いますので、整理して意見、コメントいただけたらと思います。どなたからでも、どうぞよろしくお願いいたします。では、河野委員、どうぞ。

河野委員
  長期計画の概要版、それから本冊も内容を読ませていただきましたが、具体的に今後やるべきことというのがしっかり書かれているというふうに拝見しました。
  つい先日も日本の農業者、農業就業者の方が200万人を割ったというふうな報道もありまして、この国で生きている私たちとすると、農業頑張ってほしいなという気持ちをすごく強く持っているものですから、今回のこの長期計画が本当に地域の中に浸透して、生きた施策として動いていってほしいなというふうに思っています。
  政策課題を3つまとめてくださいましたが、私自身はやはり政策課題1(ローマ数字)、豊かで競争力ある農業、基本的には収益が上がるというところが一番重要でその全てを動かしていく源になるというふうに感じているところですので、こういったところに本当につながるように、今回の計画が生きていっていただければというふうに思っています。
  それで、本文全体読ませていただいて、先ほどご紹介いただきましたあとがきの最後の1行について、今までの計画では最後が必ず言い切り型だったんだと思って読ませていただきました。39ページのところに「本計画が」とあって、最後、「ひいては地方創生の道につながることを願ってやまない」という結辞なんですよね。願ってやまないのは誰なんだろうと主語を考えたときに、本当に農林水産省さんであり、そして私たち国民みんなが農業を頑張ってほしいと思っているというのが、この最後の1行にあらわれているというふうに強く感じました。ぜひこの願ってやまないというところが実現するように、関係者の方にご尽力いただければというふうに思っているところです。
  それから、これは本当に蛇足の話なんですけれども、その左のページ、38ページに国民の理解の促進というのがございます。私は一人の生活者として、ここに書かれていること、ハードの部分はこんなふうな目標を持ってやっていくのと同時に、それをきちんと生かすのは、そこに生きる農業者の方であり、それから地方公共団体であり、それから土地改良区の関係者の方であり、さらには今回制度改正をされて、その地域の農政のコンサルタントとしていらっしゃる地方参事官の方、こういった方が今回の施策をしっかりと理解されて、同じ目標に向かってその目的を共有するといいましょうか、そこのところで本当に頑張っていただきたいというふうに感じているところです。ほとんど感想になりますけれども、この計画がうまく出発していっていただきたいという強い願いを持っています。
  以上です。

渡邉部会長
  ありがとうございました。
  では、加藤委員、どうぞ。

加藤臨時委員
  私のほうから、今回の長期計画の39ページにも書いてありましたが、全国のキャラバンをやって推進をしていくんだというふうに書いてございます。5年に1度ぐらいこういう機会があるわけですが、なかなか土地改良長期計画は一般の方々に理解・周知が進んでいないというのが私の認識です。今回すばらしい計画ができたわけですので、実効性のあるものにしていくために、今までの土地改良区とか県・市町村等だけではなくて、ぜひ農協関係を巻き込んでいただきたい。
  要するに現在、農協のほうも非常に改革が進んできていまして、先ほど局長からも話がございましたが、儲かる農業を実現していくためには、農協との連携というのは必須条件だと私は思っております。
  今後キャラバンをやる上で、ぜひ地元市町村長、土地改良区役職員だけではなくて、農協関係者を中心としたキャラバンに私はかえていくべきではないかなというふうに思っていますので、ぜひその辺のご検討をお願いをしたいと思います。
  また、これを周知していく上で基本となるのは、食料・農業・農村基本法を支えるという分野になるんだと思いますが、食料・農業・農村基本法の基本計画では、国、県、市町村等、そして農家等の責務というのが非常に明確になっているわけですが、土地改良長期計画ではその辺が非常に曖昧になっている感じがします。先ほどのキャラバンも含めて、ぜひ責務という言葉がいいのか、役割という言葉がいいのか、ちょっと私にはわかりませんが、市町村、県、土地改良区、農協等の役割というところにもう少し踏み込んでいかないと、実効性のあるものにはなかなかなりにくいのかなと、私は思っております。ぜひその辺もご検討をお願いしたい。
  先ほどのプロセス集の中で1つだけお願いというのか、こういう書き方がいいのかどうかということでご確認いただきたい。プロセス事例集の6次化関係事例に、会社名が出てくるんですが、果たしてこういう形で出してよろしいものなのかどうなのか、ちょっとこの辺を室長のほうで確認していただければと思います。よろしくお願いします。。
  以上でございます。

渡邉部会長
  では、先に近藤委員、伺います。よろしいでしょうか。

近藤臨時委員
  渡邉部会長の整理のとおりには話せそうになくてすみません。感想のような話です。
  今回の土地改良計画、競争力の強化から農村の活力、次世代につなぐ、いろんな新しい次世代につなぐ視点が盛り込まれて、非常に幅広い目配りでいい内容になったと思います。佐藤局長の話をかりれば、土地改良事業につきまとっていた「旧態依然とした印象」もかなり薄れたかなと思います。
  最後に加えたあとがきについても、人によっては行政文書にこんなものはいかがなものかという意見はあるかもしれないけれども、私はこんな「思い」が込められたものが非常に人間臭くて、いいなというふうに思いました。
  ということで、その内容・方向性ともに土地改良長期計画については異存はないんですが、ちょっと思っていることを二、三言いますと、今、全体の政府の経済運営の方向性を見ると、金融政策はちょっと行き詰まってきたんで、財政依存型にかじを切ってきたというところがあります。今の超金融緩和、マイナス金利のもとでヘリコプターマネーの話なんかも出始めて、それにちょっと便乗したような動きも私はあるように感じています。
  それはある意味、この土地改良計画の期間中は農業にとって重要な時期なので、事業量の確保には追い風と言ってもいいのかもしれないけれども、そうなると不安なのは、非効率な事業、不要な事業が紛れ込む余地があるんじゃないかという気がしないでもないです。
  実行に当たってはいろいろ事業を精査されると思うのですが、90年代に激しい批判を浴びたような、後から考えたらあの事業は要らなかったねというものが紛れ込むような5年間にならないよう、旧態依然としたものに戻っちゃったねということのないよう、行政の事業の執行に当たっては十分配慮していただきたいなというふうに注文をつけておきたいと思います。

渡邉部会長
  ありがとうございました。
  では、毛利委員、お願いします。

毛利臨時委員
  ありがとうございます。この計画案を拝見いたしました。前段の内外情勢と課題のところのリスクや施設の減少については、ここまで書く必要があるのかという気もします。ただ、後段の施策のところでこれを政策目標や施策に係る事項として受けとめていただいているので、バランス的にはいいと感じております。
  先ほど加藤委員からもお話がありましたように、この土地改良計画、あるいはそのプロセス事例集をどのように誰に届けるのかというところを少しお考えいただければと思います。プロセス事例集の中でも活動の最初の段階では、例えばその研究開発、あるいは技術開発的な要素から端を発し、集落の話し合い、基盤整備、設備投資というふうに進展することが多くみられました。それを受けて、高収益作物、地域づくりというように進んでいくわけですけれども、この過程を多くの方に知ってもらう必要があると思います。
  その多くの人ということについては、若い人材に届くようにするべきではないかと考えます。キャラバンも重要な広報活動ですが、次世代を担うような若い人たち、あるいは学生にも届くように、例えば学会を活用するなども含めて、少しご配慮をいただければと思います。
  さらに技術開発のところでは基盤整備として、大くくりで表現されていますけれども、様々な分野・関係のある特定の技術開発が大きな起点になったものもあろうかと思います。研究開発をしているところとの密接な連携をより推進するということにもご配慮いただいて、キャラバンを組んでいただくことが研究・行政の連携につながると感じます。
  以上です。

渡邉部会長
  ありがとうございました。
  ほかいかがでしょう。西尾委員、あるいは北村委員、何かご発言いただけたらと思いますが。

西尾臨時委員
  いつもこの会に出ると、前向きな、あるいは全国的にすばらしくいい事例を拝見して、非常に前向きな気持ちになるんですけれども、いざ地元に帰ってみると、やはりちょっと現実を目の当たりにするなという気持ちになります。
  農業者の多くは農業収入を得るというよりも、土地を守っていくとか農業を守っていくという義務感で農業をしている人が本当に多いと思いますし、農業収入というか、農業自体もそうなんですけれども、地域においてもやはり高齢化だとか少子化で人口減少などで、次世代を担っていく若い人たちの先行きも何か暗いと感じます。この長期計画は本当にすばらしいものができていると思いますし、あとがきに書かれているとおりだと思いますけれども、それが本当に地元におりたときに、この書かれている気持ちと同じ気持ちに皆さんがなっていただけるような、そうした活用方法とか、国でも、それから地方でも、それから住民の方々でも、多くの支援の輪が広がるような、そんな取り組みになっていったらいいなというふうに思います。大変感想で申しわけありません。

渡邉部会長
  ありがとうございました。
  では、北村委員、お願いいたします。

北村臨時委員
  行政を預かる立場にありまして、この土地改良計画は私は大変よくできているのではないかなと思います。今回のプロセス事例集、これも非常に参考になります。これから事例をもっともっと具体的に載せていくことも必要になると思います。
  それで、今一番地元で一般市民も含めて関心を持っているのはTPPの成り行きですね。それから農協改革。この2つが土地改良計画とどういうふうにリンクしていくのか。これがやはり関心を持つと思うんですね。これからキャラバンでこれを説明していくわけですけれども、私もキャラバンに来たとき、大体出席させてもらっているんですけれども、この土地改良計画というのは、今までに増して、誰に向けて発信するのかが重要だと思います。例えば行政を対象に読ませるのか、あるいは農業団体なのか、農業者なのか。それに加えて、私はこの土地改良という言葉自体も一般国民に知らせるべきじゃないかなと思うんですね。ですから、そこへ出席するのは大体土地改良区の方が大勢来るんですけれども、これだけでは、やっぱり自分たちの中でやっているというふうになってきてしまうんですね。大変うまくまとめてあるものを、もったいないのではないかなと。
  ですから、ぜひ各県に一般のちょっと関心のある人たちも含めて応援団をつくるということも考えたほうがいいと思うんですよ。せっかくこういうふうにつくっている大きいものですから、ぜひそういう面を考慮したらどうかなと思うんですね。
  そういう面では、先ほどTPPのことを言いましたけれども、日本型直接支払制度である多面的機能の支払交付金、これまだまだ需要があるんですよ。やはりこの制度は地域資源の保全ということと同時に、担い手の育成だとか、あるいは農業構造改革を後押しする制度でありまして、このTPP対策を初めとする、要するに農業競争力の強化の面からも大変重要な制度であるということと、もう一つ、一般の市民に分からせるためには、このことをさらに充実させていって、先ほど局長さんも言っていましたけれども、土地改良事業は地域への設備投資だと言っていましたね。このことを分からせて、そして一般国民から応援を得る、そういうふうにしたほうがいいんではないかな。
  ちょっと専門的になっているものですから、我々は理解できるんですけれども、それを各末端の市とか県にやっていただければいいと思うんですけれども、ぜひキャラバンの時も含めて、この発信方法を今一つ検討したほうがいいかなというふうに思います。

渡邉部会長
  ありがとうございました。
  ほかいかがでしょうか。では、石井委員、どうぞ。

石井臨時委員
  長期計画、非常によくまとめられたものだと思います。
  あとがきが加えられたということで、39ページの最初の段落の一番最後のところで、水田農業は歴史的な転換期を迎えてとありますが、これはまさにそのとおりだと私も思います。これは平場の水田地帯に関しての話ですけれども、今まで零細な農家がたくさんいて、それで農地を守ってきたのが、いまが転換期で、少数の大規模農家によるようになってきているということですね。
  今までは、農地であるとか、水利施設であるとか、あるいは土地改良制度であるとか、あるいは土地改良区という水利組織であるとか、それらは、多数の零細農家を前提としたものとしてつくられてきた。それが大きく今、変わろうとしているということで、そういった意味で歴史的な転換期ということで、ここはそのとおりと思います。
  そういった意味で、21ページのあたりで5ヘクタールの水田をつくるとか、22ページのあたりで、集積・集約化を単に進めるだけではなくて、1人当たりの規模を拡大する、要するに集約化の中身も考えていくというところは、一歩踏み出したものと評価されるものとと思います。
  あともう一つ、あとがきのところで2つ目の段落の上から6行目のところで、この農地の大区画化、汎用化が必要というのはいいんですが、ICTの導入によると書かれているんですが、大区画化をするためにICTが必ず必要かというと、そうでもないというのが1つあります。
  つまり、小さい田んぼというのは、たくさん水路が必要で、それだけ工事費も高くて、あるいは管理も大変で、それを管理するためにいろんなICT化が必要だというのは出てくるかと思うんですが。大区画化というのはそれらを徹底的に単純化していくということですね。まだ今のところ日本ではないんですけれども、水利施設を減らして、それによって工事費も安くなって、その後の管理も楽になっていくというものなので、必ずしも高度化を要するものではなくて、単純化の方針というのをまず1つ考える必要があると私は考えていますので、大区画化にICTが必須だというように読める書き方は、ちょっとどうかなと、感想として持ちました。
  以上です。

渡邉部会長
  具体的に、今の最後にお話いただいたところで何かご提案がありますか。「ICTの導入による」がどこにかかるかにもよりますよね。高機能化にかかっているという読み方の話もあるので、具体的にご提案をお考えいただきたいと思います。浅野委員、先に伺います。

浅野臨時委員
  とても読みごたえのある新たな土地改良長期計画ができたというふうに感じています。その上で、あとがきだけ後から追加になったので、少し精査の部分がまだあるかなということで、39ページの22行目の「農業・農村の潜在力の効果的に」というのは、「の」ではなくて、多分これは「が」ではないかと思うんですが「農業・農村の潜在力が効果的に発揮される」という表記ではないかと思いました。
  もしそこをお直しになるのであれば、私は冒頭も少し気になっていて、「TPP協定の大筋合意を受けた国際環境の変化が想定される中」というふうな文言になっているんですけれども、わからなくもないですけれども、例えばこんな文章はどうでしょうか。「TPP協定の大筋合意を受け、農業・農村をめぐる国際環境の変容が想定される中」としたほうが意図していることが明確になるんじゃないかと思うんですが、可能であればということで。
  以上です。

渡邉部会長
  ほか、よろしいですか。では、小田切委員、伺います。

小田切委員
  私は、文言的なものについては異存はありませんので、むしろ全体の感想と課題ということでお話をさせていただきたいと思います。
  簡単に2点あります。
  1つは、今回の土地改良計画で、恐らく余り話題にならないと思うんですが、第2章が非常に重要な位置づけを持っていると思っております。12ページから16ページなんですが、ここではまさに農村の多様性を認めて、その中で具体的なイメージを描くのが地域の農業者や関係者だと。そして国がそれに対してプロセス事例集や、あるいはきめ細かい整備のメニューを用意すると、こういう流れとなっておりまして、これは大分昔になりますが、1970年代後半に地域農政というふうに言われた考え方そのものでありまして、そういう意味で地域農政という考え方を改めて掘り起こして、そして農村振興局の農業・農村に係る基本的な戦略として位置づけたわけですね。私自身は実は農政研究者としてかなり歴史的な意味を持っているというふうに評価しております。その意味でこういったことを決定したという重荷を私たちは噛みしめるべきだというふうに思っております。
  それから、今後の課題なんですが、ひとつは、しばしば私自身、あるいはほかの先生方からも、いわゆる産業政策と地域政策をめぐるやりとりがございました。いわゆる車の両輪論であります。必ずしもこの部会の審議マターとは思いません。もう少し幅広い議論が必要なんだろうというふうに思いますが、そこをめぐって課題が残ったということは認識してよろしいかと思います。
  例えば、前回も申し上げましたが、10の23行目、24行目にページに「農業の構造改革を後押ししつつ、農業・農村の有する多面的機能を維持・発揮させる地域政策の視点」という言葉があります。前半のパラグラフの農業構造改革ということと、多面的機能の維持・発揮というものが、ここではまさにイコールで結ばれているわけなんですが、むしろずれが常態化しているという、そのことを認識する必要があるんだろうと思います。このずれがむしろ重要だという、その際にどういうふうな政策的な手当てがあるのかという、そういった発想から、より大きな場で議論が必要だなというのが残された課題だと思います。
  もう一つ課題を言えば、今回議事録をざっと拝見しましたが、今日ご欠席の武山委員が人に優しいほ場整備といいましょうか、農作業安全と土地改良の関係の問題提起をされました。確かに文言としては計画にも入っているんですが、農作業死亡事故が後を絶たない。最近は少し減っておりますが、三百数十名という固定的な数字が今でも存在しております。そういう意味では、等高線沿いのほ場整備という形で具体的には書かれておりますが、場合によったら今後の長期計画では、安全性を維持するような、人に優しい、担い手に優しい土地改良事業、あるいはそのこと自体、全国的な再整備の非常に大きなキーワードとなってくるんではないかというふうに思っています。そんなことを今次計画の残された課題として、私自身認識しております。
  以上です。

渡邉部会長
  ありがとうございました。
  ほかいかがでしょうか。では、中嶋委員、伺います。どうぞ。

中嶋委員
  ありがとうございます。過去の長期計画に比べて、より一層、農業政策全体との結びつきを非常に意識した計画になっているというふうに思います。特に、この全体概要版の一番最後の政策課題・目標を見たときに、KPI等は政策全体の目標でありますけれども、この長期計画の中にきちんと盛り込まれているということが非常に重要で、これを受けとめる方々はこれを達成しなければいけないということを強く意識させる仕立てになっているというところが大事だと思っております。
  そのときに、先ほども北村委員のほうからもお話があったのですが、土地改良に関わる方々以外もこれに参画して一緒になって考えていかなければ、これは達成されないんだということを強く思います。ただ、一方で、特に土地改良区の方々が、ここは我々の守備範囲で、ここは守備範囲じゃないというふうに、何か区分けして考えてしまわれるとちょっといけないんじゃないかなと思っています。
  高収益作物の導入とか、それから6次産業化の進展、それから米の生産コストの大幅削減というのは、それはもちろんそれぞれの農業者や経営体の方々の課題であるかもしれませんけれども、やはり土地改良区がある種イニシアチブをとってやるべきではないかなというふうに思っていまして、そういった意識改革も含めたこの長期計画のご説明とその普及、それから実践をこれからお願いしたいなというふうに思っております。
  それから、この全体概要版のつくり方でちょっと気になった点があるので、最後に指摘したいと思っておりますが、2枚目の政策課題1(ローマ数字)で、例えば政策目標1の囲みの中の図表が北海道の南幌町のキャベツの生産量や農業所得が平成11年から26年にこのように増えましたということが書かれています。これを見たときに、この表記の仕方が前期の長期計画の結果を何か示す資料のように思うんですが、これは計画なので、こういうことをしますという図表がここにあったほうがいいんじゃないかと思うんですね。
  それで、その右側の政策目標にも各こういう実績がありました、だからこれを伸ばしていくんですというお気持ちで書かれているんじゃないかと思うんですけれども、これを、この資料を使って土地改良関係以外の方にも説明をしていくということであるならば、もっとこの政策目標にかかわる事項を説明するポンチ絵なり、写真や何か概念図、ポンチ絵と同じですけれども、そういったものをこのスペースで使ったほうが私はいいんじゃないかなというふうに思いました。
  その次の、例えば政策課題3(ローマ数字)の政策目標5のところでは、健全性維持のための補修とか、ため池の重点的な整備というのは、これはこういった事業のことを知らない人は、これを見て、ああこういうふうにやるのかと思う。このスペースはこのような利用の仕方をしたほうが私はいいと思いましたけれども、これは個人的な感想なので、ご検討いただければという程度の意見でございます。
  以上です。よろしくお願いいたします。

渡邉部会長
  ありがとうございました。最後の具体的なご指摘は、この次のステージにおいて説明するときに、そういう計画性を表すような図を入れるということを検討したほうがいいというご提案と理解したらよろしいですか。

中嶋委員
  そうですね。数字としては、例えば事業量は水田の汎用化は15.9万ヘクタールという計画を出されているんですけれども、それはグラフ化しにくいかもしれませんけれども、同じようなスタンスでここのスペースを使われたほうがいいと私は思いました。

渡邉部会長
  ありがとうございました。
  それでは、先ほど石井委員に修正案を考えていただくように申し上げたように思うのですが、何か今、ご提案があればおっしゃっていただいて、そうでなければまた検討させていただくことにしたいと思いますが。

石井臨時委員
  簡単なやり方であれば、その水利用の高度化の前にずらすとか、そういうことだと思います。

渡邉部会長
  私の理解ですが、このICTのところは大事なところだと思うので、関係するほかのところもあわせて一部修文したほうがいいのかもしれません。ほかに何かご意見ありますでしょうか。委員の皆様からは基本的にこの案をご了解いただき、今の時点での位置づけと、さらにどう使うかのご注文をいただいたと理解します。少し具体的な修正のご提案もありました。一部は事例集についてのご質問もありましたが、これらを踏まえて、事務局の方で具体的な修文のご提案について何かこの時点でご対応いただくことがあればご説明いただきます。

安部計画調整室長
  いろんな思いをいただきまして、ありがとうございました。端的に質問がございましたので、その部分でございますけれども、加藤委員のほうから会社の個人名でございますけれども、実はこれは一地区一地区公表を前提として、それぞれの地区にお戻しをして、いいかどうかを確認をしてございます。その段階で、要は単純に「法人」となったような地区もございます。なるべく多くの情報をと思い、そのような段取りを踏ませていただいて、今日に至っております。
  ですから、この30地区については、このまま公表しても特にその個人なり会社なりからのクレーム等はないわけですけれども、統一性という意味でどうなのかということについては、いま一度考えさせていただければと思います。

渡邉部会長
  加藤委員どうぞ。

加藤臨時委員
  私のはその逆で、今、室長が言われるのはご了解がとれているという話なんですが、一部の会社の名前を載せることは、公のペーパーなんで非常に効果があるんですよね、会社とすると。それを要するにこういう文面の中でやっていいかどうかと。そうするとうちの名前も入れてくれと。ほかの文書を見ていきますと、ある会社というふうな書き方のところもございますし、その辺は統一したほうがいいんじゃないかなということでございます。

渡邉部会長
  よろしいですか、ご検討いただくということで。

安部計画調整室長
  はい。

渡邉部会長
  それから、最後の具体的な修文のご提案についてもさらに検討するということになりますか。

安部計画調整室長
  はい。

渡邉部会長
  事例集の話が出ましたし、ほかの委員も事例集について触れられました。先ほど私は、事例集についてのコメントを言いっ放しにしたのですが、事例集につきましては佐藤局長も先ほど特別に触れられましたし、これから大事な作業となりますので、ご出席の農村振興局幹部の方にこれからこの事例集をどういうふうに扱っていくのかのお考えを伺いたいと思います。
  それから、さらに、委員の方から長計の大きな課題に関わる部分についてのお考えが示されましたが、これにつきましても何か振興局幹部の方でご意見やご説明があったら、お願いしたいと思います。いかがでしょうか。
  では、室本次長、お願いします。

室本農村振興局次長
  先ほど近藤委員から非効率で不要な事業が紛れ込んでいるんではないかというご懸念があるということなんですが、今回のこの政策目標をご覧いただくと、特に政策課題1(ローマ数字)というところで3つKPIを設定させていただいていますが、これは我が国の農業の体質強化を図っているという、そういうための指標であります。
  今、土地改良の中でもTPP対策として、ご覧いただければ恐らくおわかりいただけると思いますが、極力米をつくる場合には生産コストを低減する、劇的に低減させる。そこで時間を生み出して、別の高収益作物に転換していただく。つまり、米、麦、大豆、いわゆる戦略作物を含めて、ある意味補助金がダブルで入るようなところを、土地改良では極力それから脱却して、毎年8万トン余る米を極力つくらないでいただきましょうという、その意思表示がこの政策目標の1と2に込められております。
  そういうこともあって、このKPIはTPP対策として今進めているものと全く同じ数字を設定しているんです。ですから、要件としてはかなり厳しいわけです。そこからちょっと申し上げたいのは、農地整備も水利施設の整備も、最近は農地集積、集約、特に担い手に集約をしていくという非常に厳しい要件をつけておりまして、特に農地整備なんかであれば、基盤整備実施地区面積の8割が集積されているという実績があります。したがって、そういう生産基盤整備に係る部分は、予算的な余裕がないということになるのではないかと考えております。
  それから、これはUR対策の頃にかなり土地改良が批判されて、それ以来、その批判の論調というのはなかなか消えないんですね。消えない一番大きな原因は何かというと、これはやっぱり生活環境ものをかなりUR対策でやったと。つまり農道をつくってみたり、それがたまたま国道と平行路線であったり、あるいは集落排水をやってみたり、こういうことがいわゆる農業の競争力強化、体質強化と直結しない、そういったものであるとの論調が非常に強いわけです。
  ただ、私もこれは全てよかったとは申し上げませんけれども、やはりそこに定住して営農をやっていただく農業者の方々にとっては、必要最小限の生活環境を整備させていただいたという事実があって、これはこれで意味があった訳ですが、なかなかそういう論調は消えませんので。
  今の農道は、本当に必要最低限の農地周りのものしか整備できない形になっておりますし、集落排水も、これも機能強化といって更新しかできない、そういう形になっているんですね。ですから、今の少ない予算の中では要望量が今の実施量の倍ほどはあるという状況の中で、なかなか近藤委員のおっしゃるような余裕というのはないのが現実でございます。ただ、ご指摘を受けて、そういう地区が紛れないようには注意をしたいというふうに考えております。
  北村委員のTPPについて、土地改良としても貢献をするべく、競争力強化に向けて整備していきたい。
  それから、プロセス事例集は、これは今回いろんなご意見をいただきましたけれども、本当に土地改良サイドで単にそのインプットとアウトプットを整理した事例集というのは過去にもたくさん出しているんですが途中経過、地域の話し合いから始まって、いろんな土地改良以外の関係者も交わりながらステップごとに整理したというのは今回初めてでございまして、非常に意味があることかなと思っております。
  この事例集を発信していきたいというふうに考えておりまして、一方でこれ以外にも優良事例集というとちょっとあれなんですが、非常に効果の出ている地区をピックアップして、中山間地域の事例集とか、そういったものも一方で整備を進めておりまして、極力多くの国民の目に触れるような形で公表していきたい。これは段階的に公表していきたいと思っております。

渡邉部会長
  ありがとうございました。今、広く次長からご発言いただきましたが、特に何かご意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。
  それでは、先ほど申し上げましたように、基本的には本日提案されている案についてとくに大きなご異論はないということで、少し文言の修正の点が残っておりますが、新たな土地改良長期計画案につきましては、今日いただいたご意見を踏まえて修正を加えた上で農林水産大臣に答申する運びとさせていただきたいと思います。修正、これは表現や文言ということになろうかと思いますが、部会長、私にご一任いただきたいと思います。そのように進めさせていただいてよろしいでしょうか。
  ありがとうございます。ご異議なしということで、そのように進めさせていただきます。
  修正の上、答申するということになりますが、答申の結果につきましては事務局から各委員に対してご連絡いただくようにお願いいたします。
  この結論が出たところで、最後に少し感想のようなことを申し上げさせていただきたいと思います。本当に長く真剣にご議論いただいて、皆さんからのご意見にありましたように、いい案ができたと私は考えているところです。もちろん課題はありますが、農政新時代に向けての1つの道しるべとしての土地改良新時代でしょうか、これに向けての一歩、1つの道しるべができたのではないかと思います。
  計画というと、ビジョンと具体的なアクションプランと両方の性格があると思うんですが、農業・農村をめぐる情勢が変動する厳しい中で、ビジョンを描くというのは非常に難しいところでもございますが、食料・農業・農村の基本計画や、その他の方向性を示すようないろいろな枠組みがあるその中で、それらに基づいて具体的に土地改良のこの期間の計画が立てられたと考えます。
  その中でたびたび議論になりましたが、地域の具体的なビジョンを構築して、具体的にアクションに起こし、それをさらにまたビジョンにフィードバックしていくというこのシステム、これは発展プロセスという形でまとめられましたが、この農村協働力の展開をベースに置いた発展のプロセスの事例をこの計画に含めたということは、私は大変意義があったと考えるところです。
  こういうプロセス自体を事業の柱にする、あるいはその契機にするということを明記したというのは、繰り返しになりますが、大きな特徴となったと思います。
  そういうふうに考えますと、これも皆さんからご意見出ましたけれども、後のフォローアップが非常に大事で、今後のプロセスも見ていかないといけないと思います。引き続き委員の皆様初め関係の方のご意見を得て、きょう答申案が決まりました計画が効率的にきちんと実施されることを願うところであります。
  最後にまた余計な私見を申し上げましたが、長いご審議お疲れさまでございました。ありがとうございます。
  本日予定しておりました議事は以上ですが、全体を通して何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。事務局もよろしいでしょうか。それでは、進行を事務局にお戻しします。

安部計画調整室長
  本日は誠にありがとうございました。今回ご審議いただきました新たな土地改良計画の答申の結果並びに閣議決定された際には、事務局より委員の皆様方に一報させていただきたいと思います。
  最後に、農村振興局次長の室本より一言ご挨拶申し上げます。

室本農村振興局次長
  委員の先生方におかれましては、約1年にわたりまして本当に精力的にご審議いただきました。厚く御礼申し上げたいと思います。
  先ほども若干触れましたけれども、今回の計画では水田農業からいかに脱却し、所得の向上を図れる高収益作物、これに転換していけるかというのが非常に重要なポイントでございました。私どもとしてはその精神をこの政策課題に十分込められたというふうに考えております。
  また、熊本地震、あるいは豪雨災害、これが頻発しておりますけれども、今後の農業水利施設や、あるいはため池、こういったものについての整備、これを進めていくということを打ち出した次第でございます。
  いずれにしましても、先ほど委員長からもお話がございましたけれども、こういった整備を進め、農業・農村をしっかりしたものにしていく一番もとになるのは農村協働力ではないかというふうに考えてございまして、私どもとしてはその協働力を最大限に発揮させる、そういった視点を持ちながら今後の土地改良事業を進めていきたいというふうに考えてございます。
  今回の答申をもちまして、政府としての計画の取りまとめというものになってございます。プロセス事例集も含めて、今後広く普及していくという取り組みを進めていくと同時に、事業予算についてもこの計画に負けない形で、しっかりと確保していきたいというふうに考えてございます。
  これまで8回にわたりご審議をいただきまして、貴重なご意見を賜ったことに改めて感謝申し上げまして私のご挨拶といたします。本当にありがとうございました。

安部計画調整室長
  それでは、以上をもちまして本日の部会を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

お問合せ先

農村振興局整備部設計課計画調整室

代表:03-3502-8111(内線5514)
ダイヤルイン:03-6744-2201
FAX番号:03-3500-4053

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