土地改良制度の見直しに関する説明 議事概要
1.日時及び場所
日時:平成29年1月23日(月曜日)17時10分~17時55分場所:神野新田土地改良区事務所会議室(愛知県豊橋市)
2.議事
(1)開会(2)土地改良制度の見直しに関する説明
(3)質疑応答
(4)閉会
3.議事概要
渡邉部会長
土地改良制度の見直しについては本部会の審議事項ではないが、ここで意見を述べることで関係者の参考にしていただきたい。
まず私から伺うが、具体的にはどのような法律を改正することになるのか。
農村振興局 山口土地改良企画課長
改正が必要な法律としては「土地改良法」、「水資源機構法」、「農地中間管理事業の推進に関する法律」を予定している。
農地中間管理機構が借り入れた農地に関するほ場整備については、申請によらない事業として、県営事業の新たな規定を土地改良法に設けることを想定。これまでは事業に参加する資格を有する者の負担と、3分の2以上の同意が必要だったが、これを不要とする。「農地中間管理事業の推進に関する法律」の改正では、機構が農地を借り入れる際に、こういった事業が行われる可能性があることを農地の所有者に説明するようにすることを明記。
共有地に係る事業同意等の代表制、申請人数要件の廃止、突発事故への対応については、「土地改良法」を改正することになる。
一定の機能向上を伴う更新事業に係る同意徴集手続きの簡素化については、「土地改良法」だけでなく水資源機構の行う事業もあるので、「水資源機構法」も改正の対象となる。
防災減災事業については、「土地改良法」の改正を想定。
浅野委員
概ね時代の流れに沿った改正という印象。
共有地に係る代表制について、これまでは「所有」とは異なる「総有」という形態を認めているという認識だったが、今回の見直しは、「総有」を「所有」に近付けようとするものと感じる。学術関係者の間では、環境問題等を議論する際に「総有」の考え方を尊重した方がよいといった意見もあり、「総有」に対する世の中の期待があるということをコメントさせていただく。
河野委員
今回の見直しは、施策を推進していく上で、円滑な事業の進捗に対応する流れだと思うが、個人の意思を尊重すると不都合な場合もあるということだと理解した。ただ農業には地域なりの事情があり、オートマティックに事業が推進されることによって協働力の発揮が阻害されないだろうか。見直しにより、一方的に事業が進められると誤解されることを懸念。
武山委員
事業の同意を求めることの意義が薄れていく印象。所有者が農地を貸さないのは、農地を取られるかもしれないという思いがあるところ、同意を取らないということになれば、さらに不安が増すのではないか。農地中間管理事業の推進に際してマイナスの要素にならないよう、慎重に制度設計いただきたい。
そもそもほ場整備の実施を通じ、話し合いが重ねられることによって地域のコミュニティ力が向上し、それを土地改良事業の特徴として評価してきた。また、合意の下に事業を実施するからこそ、施設の維持管理に対する地域としての責任感が生まれると認識している。見直しに当たっては、新しい地域と行政の協働の仕組みといったものを考え、協働力の発揮といった土地改良事業の良いところをなくさないようにしていただきたい。
農村振興局 山口土地改良企画課長
共有地に係る代表制について、近年、都会に住む人の中には、共有持ち分は持っておきたいが、その土地の営農については住んでいる人に任せるという人が増えてきている。今回の見直しは、このような人の意思を酌んでいくということ。
農地中間管理機構が借り入れた農地の整備に関する事業については、事業開始手続きの同意は求めないようにするが、ほ場整備を行う際には換地が必要となり、その際、換地の権利者会議における同意といったものが必要となる。あくまで事業化の手続きの一つを省略できるというものであり、これまでどおり人・農地プランの作成など地域の合意は重要と考えている。
以上
お問合せ先
農村振興局整備部設計課計画調整室
代表:03-3502-8111(内線5514)
ダイヤルイン:03-6744-2201