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農林水産省

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平成25年度第1回技術小委員会議事録

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1.日時及び場所

日時:平成26年3月4日(火曜日)13時30分~15時00分

場所:農林水産省本館7階 第3特別会議室

 

 2.議事

 (1)委員長の指名(報告)について

 (2)農業農村整備について

 (3)土地改良事業設計指針「ため池整備」の改定に向けた検討方針について

 (4)その他

 

3.議事内容

議事録(PDF:269KB)

 

○佐藤計画調整室長
それでは、定刻より少し早いようでございますが、皆様おそろいいただきましたので、ただいまから「食料・農業・農村政策審議会農業農村振興整備部会」平成25年度第1回技術小委員会を開催いたします。
皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、大変ありがとうございます。
本日は、委員改選後の初めての会合となりますので、まず初めに委員の皆様方を座席順に紹介させていただきたいと思います。
恐れ入りますが、この場ではお名前だけを御紹介させていただきます。
まずこちらのほうから、毛利栄征委員でございます。

 

○毛利委員長
毛利です。よろしくお願いいたします。

 

○佐藤計画調整室長
続きまして、青木章雄委員でございます。

 

○青木専門委員
青木です。よろしくお願いします。

 

○佐藤計画調整室長
木下幸雄委員でございます。

 

○木下専門委員
よろしくお願いいたします。

 

○佐藤計画調整室長
向後雄二委員でございます。

 

○向後専門委員
向後です。よろしくお願いいたします。

 

○佐藤計画調整室長
島田信二委員でございます。


○島田専門委員
島田です。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○佐藤計画調整室長
武山絵美委員でございます。

 

○武山専門委員
武山です。よろしくお願いいたします。

 

○佐藤計画調整室長
堀野治彦委員でございます。

 

○堀野専門委員
堀野でございます。よろしくお願いいたします。

 

○佐藤計画調整室長
吉田修一郎委員でございます。

 

○吉田専門委員
吉田でございます。よろしくお願いいたします。

 

○佐藤計画調整室長
続きまして、三浦農村振興局長より御挨拶申し上げます。局長、よろしくお願いいたします。

 

○三浦農村振興局長
農村振興局長の三浦でございます。よろしくお願いいたします。
委員の皆様方におかれましては、日ごろから農林水産行政、とりわけ農業農村整備、農村振興の推進につきまして、各段の御理解、御協力をいただいておりまして、心から感謝申し上げます。また、本日は委員改選後初めての会合でございますけれども、委員御就任を御承諾いただいたことにつきまして、改めて御礼を申し上げます。
さて、現在農林水産省を挙げて「攻めの農林水産業」を展開する中で、農林水産業を産業として強くしていくという取組と、それから農業の有する多面的機能の発揮を図る取組の両者を一体的に推進しているところでございます。
施策の具体化につきましては、昨年12月に「農林水産業、地域の活力創造プラン」として取りまとめを行いました。本年は、このプランに基づく攻めの農林水産業実行元年という位置付けでございまして、施策を総動員して、強い農林水産業と、それから美しく活力ある農山漁村をつくり上げるという方針で取り組んでおります。農村振興局といたしましても、そのための施策を積極的に推進していくという考えでございます。
また、政府全体といたしまして、国土強靭化に向けた取組を開始しているところでございます。今回議題としております「土地改良事業設計指針『ため池整備』」につきましては、国土強靭化を進めていく上で重要な取組でございますため池の液状化対策を含む耐震化等について検討を行うものでございます。
現行の設計指針が策定されましてから7年が経過しておりまして、この間、東日本大震災等の大規模災害が発生いたしました。また、防災・減災力の強化を一つの柱とする土地改良長期計画が策定されております。こういった状況を踏まえまして、昨年度から本指針の改定に向けた検討を進めているところでございます。
本日は、本年度の第1回目の会議ということで、設計指針の改定の検討方針について御説明申し上げまして、御議論いただくこととしておりますけれども、委員各位の御専門の立場から、忌憚のない御意見を賜りますようにお願いを申し上げまして、挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○佐藤計画調整室長
それでは、議事にしたがいまして進めさせていただきます。
まず最初の議事の「委員長の指名(報告)について」でございます。
その前にまず技術小委員会の位置づけについて、事務局のほうから御説明させていただきます。お手元にお配りしているA4縦長の資料1「食料・農業・農村政策審議会関係資料」を御覧いただきたいと思います。
資料の1ページでございますが、農林水産省の審議会の概要の体系図を示しております。一番上に食料・農業・農村政策審議会、これが大もとの審議会になります。これは食料・農業・農村基本法に基づいて設置されております審議会でございまして、食料・農業・農村基本計画等について御審議いただく場となっております。
この審議会のもとに幾つかの部会が設けられておりまして、農村振興局の関係は一番下に書いてございます「農業農村振興整備部会」が設置されております。この部会では、土地改良長期計画等について御審議をいただいております。この下に設置されておりますのが「技術小委員会」になっております。
技術小委員会における検討事項でございますが、右の2ページの2.に書いてございます「土地改良事業計画設計基準及び土地改良施設管理基準の制改定並びに農業農村整備事業の実施に必要な技術的課題に関する事項」について御検討いただくことになっております。この技術基準、管理基準につきましては、参考資料1に少し詳しく記載をしております。
参考資料1の2.(1)でございますが、「計画設計基準」は、土地改良事業を適正かつ効率的に実施するために定めた技術基準でございまして、このうち計画基準は遵守すべき調査・計画に関する基準、設計基準は遵守すべき工事の設計及び施工の基準を定めたものとなっております。また「施設管理基準」につきましては、国営造成施設の管理に当たって遵守すべき一般的な事項を定めたものでございまして、2ページを見ていただきますと、具体的にどういうものが定められているかということを一覧にしております。
計画設計基準のうち計画につきましては、各事業に対応したもの、また、設計基準については、施設に対応したものが制定、あるいは改定されてきております。
また、3ページ目にございます施設管理基準につきましては、施設ごとにこのようなものが設定、改定されてきているということでございます。
その下に、「その他の技術資料」ということで、設計指針、あるいは手引きがございます。この位置づけにつきまして、1ページ目の一番下でございますが、「指針」につきましては、基準の一部についての詳しい記述や開発段階にある技術等を内容とした技術参考資料。また「手引き」につきましては、土地改良事業等の実施に当たり、新たな課題に対応する取組を実施するための基本的な考え方を取りまとめた技術参考資料という位置づけになります。
今回御審議いただくのは、この「土地改良事業設計指針『ため池整備』」でございまして、4ページを見ていただきたいのですが、この技術小委員会を設置する基となっております農業農村整備部会の今年度第1回が10月16日に開催されております。そのときの資料でございますが、赤で囲ってございますように、この場で土地改良事業設計指針「ため池整備」の改定に向けた検討状況について、整備部会から技術小委員会へ付託することになっております。これを受けて、本日の技術小委員会の開催になっております。
続きまして、また資料1の2ページに戻っていただきたいのですが、3に、「技術小委員会の委員長は部会長が指名する」ことになっております。これに基づきまして、10月16日の第1回農業農村整備部会におきまして、部会長より毛利栄征委員が委員長に指名されたところでございます。また、毛利委員におかれましては、農業農村振興整備部会の部会長代理にも指名されましたので、併せて御報告します。
それでは、ここで毛利委員長から御報告をいただきたいと思います。その後の議事進行については、毛利委員長にお願いしたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○毛利委員長
今御説明いただきましたように、部会のほうから指名をいただきましたので、この小委員会の委員長を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
委員の多くの方が改選されたということでございますので、今日は丁寧に審議をさせていただきたいと思います。皆様から忌憚のない御意見をいただけるように運営したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
東日本大震災から3年がたとうとしております。この未曾有の震災を受けて、様々な分野で大きく意識改革が進んだと認識しております。局長のお話にもありましたように、攻めの農業、戦略的イノベーション創造プログラムなどが動こうとしておりますし、国土強靭化が具体的に成果を出していこうとしているところでございます。
土地改良長期計画でも、防災から減災に軸足を移した記述がなされております。施設の維持管理、運営についても、これまでと同様、革新的な技術を取り入れて、農業、農村を支えていくという方針が明示されております。これらの方針、施策を支えるために、8つの設計基準、あるいは計画基準や指針が12ほど制定されておりまして、これらの基準、指針を基に標準的な技術の水準をしっかりと維持し、将来に継承していくということで今まで技術者の育成、あるいは技術の継承をしております。その意味で、今回御審議いただきます「ため池整備」についても、非常に重要な技術でございますし、農業、農村を支えるため池、あるいはパイプライン、ダムという施設群を守っていく核になる技術だと思っておりますので、様々な角度から御意見をいただき、方針を示していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
少し長くなりましたが、以上よろしくお願いいたします。
それでは、議事次第にしたがいまして、審議に入りたいと思います。「農業農村整備について」ということで、事務局のほうからお願いいたします。

 

○佐藤計画調整室長
それでは、お手元にお配りいたしました資料2に基づきまして、農業農村整備の概要について御説明をさせていただきます。概要については、皆様御存じのことと存じますので、極めて概括的な説明とさせていただきます。
まず資料の3ページでございますが、農業農村整備事業を大きく3つに区分しております。農地へ水を運ぶための水利施設の整備・更新、あるいは保全管理を行う農業水利事業、それから集中豪雨や地震等に対応した農地の湛水防止やため池等の改修を行う農地防災事業、3つ目は農地の区画整理や大区画化、あるいは暗渠施設による汎用化等を図る農地整備事業、大きくこの3つを主な内容として農業農村整備事業が展開されております。
以後4ページ以降は、これら事業の内容、また事業の仕組みでありましたり、また課題と対応について整理したものでございますが、これらを計画としてサマライズしたものが、土地改良長期計画になっております。資料の18ページでございます。
この土地改良長期計画は、24年3月に閣議決定されたものでございまして、28年度までの5カ年間の計画になっております。政策課題として、「農を『強くする』」、「国土を『守る』」、「地域を『育む』」の3つ掲げておりまして、それぞれに対応して政策目標を7つ定めております。
一番上が「農地の大区画化・汎用化等による農業の体質強化」ということで、重点的な取組として、農地整備とあわせて、経営体や農地集積を進めていくという取組を掲げております。また、青字の一番下に書いてございますように、大区画の水田面積をふやしていくという目標を掲げております。
2番目が施設の保全管理でございまして、農業水利施設の老朽化が進展しておりますことを踏まえまして、水利施設の長寿命化対策を重要な取組と挙げまして、このためにまず必要となる機能診断済みの施設の割合をふやしていくという目標を掲げております。
「国土を『守る』」のところでは、特に4番目、ハード・ソフト一体となった災害対策の推進ということで、先ほど委員長からもお話ございました、防災・減災対策の推進ということで、内容としては老朽化したため池の整備や排水機場の改修等による災害のおそれの解消ということを目標として掲げております。
「地域を『育む』」のところですと、6番でございますが、地域コミュニティによる農地周りの資源の保全管理の推進ということを目標に挙げておりますし、また7番目では小水力等発電の自立・分散型の再生可能エネルギーの推進ということの目標を掲げております。
19ページは、この長期計画を達成するために必要な技術開発の推進方向について、25年から29年の5カ年計画として策定されたものでございます。それぞれの長期計画の政策目標を達成するために必要な技術開発の推進方向について整理されております。
続きまして、20ページでございます。毛利委員長の御挨拶でも触れていただきました大きな動きの中で、2つトピックスとして「インフラ長寿命化計画」、「国土強靭化の取組」を挙げております。その1つ目である「インフラ長寿命化計画」が21ページでございます。
これは昨年の政府連絡会議で11月に、政府として一つの計画として策定されたものでございます。インフラ長寿命化基本計画、左の赤囲みでございます。この計画におきましては、3.に書いてございますように、インフラ長寿命化計画、いわゆる行動計画と呼んでおりますが、これは国や県等インフラを管理、所管するものが作成する計画でございまして、必要な施策にかかる取組の方向性等を作成することとなっております。農林水産省では、右下に書いてございますように、土地改良、森林整備、漁港漁場整備について作成する予定でございます。
また、個別施設ごとの長寿命化計画、いわゆる個別施設計画、これにつきましては、インフラの管理者、あるいは更新等を行う者が策定することとなっておりまして、個別施設の状態等を踏まえた対策内容と補修・補強・更新をする時期を定めるものとなっております。
こういう政府で一つの計画を策定することとなった背景といたしましては、あらゆるインフラが高齢化を急速に迎えているということ、また、インフラについては様々なものが関与しているということで、やはり一つとしてまとまったこういう方針の基に施策を進めていく必要があるという考え方でつくられております。
農業水利施設につきましても、所有者と管理者が異なっていましたり、また基幹から末端に至る中で、一連の水利施設であっても所有者が異なる場合がございます。こうした統一的な考え方の基に関係者一体となった長寿命化に取り組んでいくこととしております。
続きまして、22ページでございますが、国土強靭化でございます。昨年の12月に国土強靭化基本法が制定されております。強靭化の理念でございますが、左上に4行目あたりでございますが、大規模自然災害等を念頭に置いていること。通常の災害ではなくて、極めて巨大な災害を念頭に置き、こうした災害が発生しても国民の生命、身体及び財産の保護、あるいは国民生活や国民経済に及ぼす影響の最小化、国民経済が致命傷を負わない、こういう考え方の基に施策が進められているというのが強靭化の一つの特徴となっております。
中央の緑部分に書いてございますように、国土強靭化基本計画というのをこれから定めることになっております。この中では、下の記載事項に書いてございます対象とする施策分野、この施策分野には農林水産分野が含まれる予定でございます。この施策策定に係る基本的な指針というものが作成される予定となっております。この強靭化基本計画がつくられれば、これに関する部分については、国の他の計画もこの基本計画を指針として作成することになります。この他の計画の中には、先ほど御説明いたしました土地改良長期計画等も含まれて参ります。
この基本計画は、右上にございます脆弱性評価を実施した上で策定することとなっております。現在、この脆弱性評価を実施しているところでございまして、基本計画は5月頃の閣議決定が目指されている状況でございます。
これまでの国土強靭側の検討状況は、23ページにございますが、検討のプロセスといたしまして、大規模自然災害が発生しても起こってはならない事項というのを45個並べております。マトリックスの縦の欄にございますが、例えば「食料の安定供給の停滞」等でございます。これに対しまして、横筋で施策分野(12分野)毎に、この中では農林水産分野が含まれておりますが、施策の内容を整理し、45件毎の施策のパッケージをプログラムと規定しております。このプログラム毎で国土強靭化を進める際の優先順位を判断しております。
その一覧が24ページになります。これは先ほど申し上げました45の起こってはならない事態の一覧表でございますが、そのうち黄色で塗っております15個が重点化すべきプログラムになっております。このうち農業農村整備に関連の深いものとして、備えるべき目標の5つ目にございます大規模な土砂災害等による多数の死傷者というところがございます。この中では、本日御審議いただくため池の耐震という施策も含まれて参ります。また、事前に備える目標の5の一番下の「食料等の安定供給の停滞」につきましては、生産基盤の災害対応力の強化というものが含まれて参りますし、また7の下から2つ目の「農地・森林等の荒廃による被害の拡大」では地域コミュニティーと連携した農地の保全という施策が含まれて参ります。
また、施策分野として整理したものとしては、25ページ「国土強靭化政策大綱」というものが昨年12月に政府決定されております。この中で農林水産分野の取組方針といたしましては、2番目に書いてございます、集中豪雨や地震・津波等の大規模災害の発生を踏まえ、ため池等農業用排水施設の耐震対策、湛水防除などのハード対策を点検・調査計画に基づき推進。それからその下では、農山漁村のハザードマップの作成・周知や施設の保全管理体制強化等のソフト対策を組み込んだ総合的な災害対応力の強化ということが整理されております。
農業農村整備の概要については以上でございます。

 

○毛利委員長
ありがとうございました。
ただいま農業農村整備の概要について御報告をいただきましたが、御質問等がございましたらよろしくお願いいたします。御自由に御発言をいただければと思います。
それでは一つ私からよろしいでしょうか。23ページのところで、自然災害等に対する脆弱性評価を実施しているという御説明をいただきましたが、これは設計基準ですとか、指針に取り込む前段の状況を把握しているということでしょうか。

 

○佐藤計画調整室長
脆弱性評価につきましては、プログラムごとの施策に応じて実施しております。例えば、ため池であれば、先ほど申しましたように、大規模な土砂災害等による多数の死者の発生のみならずというプログラムの中に、ため池の整備という施策が含まれております。では、このため池の整備をしていく上で脆弱性をどう評価するのかということについて検討しております。例えば、ため池を点検していって、どういうものについてどう整備をしていくのかといった、そういった手法を今、脆弱性評価として検討しているという状況でございます。

 

○毛利委員長
これは、ため池に限らず施設全般と考えてよろしいですね。

 

○佐藤計画調整室長
はい、そうです。

 

○毛利委員長
ありがとうございました。
委員の皆様から何かあればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
それでは、また後ほど御質問いただく時間も設けたいと思いますので、次の議事に移りたいと思います。
それでは、3番目の議事といたしまして、「土地改良事業設計指針『ため池整備』の改定に向けた検討方針について」事務局より御説明をいたします。

 

○皆川施工企画調整室長
施工企画調整室長の皆川と申します。
私からは「土地改良事業設計指針『ため池整備』の改定に向けた検討方針について」、資料3で御説明をさせていただいます。また、今回のテーマが技術的用語が少なからず出て参りますので、お手元に用語集というものも置かせていただいております。あわせて御参照いただければと思います。
それでは、資料3の1ページをお開き願います。
この資料3におきましては、土地改良事業設計指針の「ため池整備」について御議論をお願いしておりますが、まずため池の現状について確認させていただきたいと思っております。ため池は、御案内のように稲作を中心とする我が国の農業において、確実な水源施設として古くから築造されてまいりました。左の円グラフに示すように、ため池の約7割は江戸時代以前に築造されており、各地域において試行錯誤を繰り返しつつ、その過程で得られた経験に基づいてつくられてきております。右側には、その歴史を写真などで示しております。
2ページをお願いいたします。ため池は、全国で約21万カ所存在いたします。左側の日本地図と表でお示ししているとおり、兵庫県の約4万8,000カ所を筆頭に、西日本に偏在している状況にあります。さらに、右側のほうを見ていただきまして、地域別に見てみますと、年降水量の少ない瀬戸内地方に57%と多くが存在しております。
3ページをお願いします。次に、ため池の種類に着目いたしますと、左の写真のように、山間や丘陵地で谷をせきとめてつくられたいわゆる「谷池」、右の写真のように平地のくぼ地の周囲に堤防を築いてつくられたいわゆる「皿池」に大きく区分されます。
また、用水を貯留するため池の堤体の構造に着目いたしますと、下の左側の絵のように、堤体の全断面で遮水する型式、または堤体の最大断面で均一の材料の占める割合が80%以上である「均一型」と言われるもの、中央のように、堤体が遮水材料と半透水性または透水性材料からなる「ゾーン型」と言われるもの、右側のように堤体が透水性または半透水性材料からなり、上流法面にシートやアスファルト舗装を施工して遮水、水をとめる「表面遮水型」に分類されます。
4ページをお願いします。ため池の災害についてですが、右下の円グラフで示すとおり、ため池の被災原因の約9割が豪雨に起因しておりまして、左上の写真のように急激な増水に堤体が耐えられず、決壊して災害に至るようなものでございます。右下の円グラフで見ていただきますとおり、1割以内ではありますが、地震による被害があり、東日本大震災では左下の写真のように、藤沼湖の決壊により尊い命が失われるとともに、人家や農地が被災いたしました。近年多発しております大規模地震ですとか、南海トラフの巨大地震に対する検討からも、大規模地震に備えた耐震照査と必要な対策を講じることが急務となっております。
5ページをお願いします。このような現状を踏まえまして、ため池の防災・減災対策が講じられておるところですが、そのうち地震対策といたしましては、全国に多数存在するため池について、各地方自治体が優先順位を決定し、耐震照査などを行うための一斉点検を平成25年度から実施しております。また、ため池の下流域における被害が大きいと認められる「警戒すべきため池」、この定義は左下の※の部分で小さい字で書いてあります。この警戒ため池につきましては、優先的に耐震照査と対策を進めるとともに、ソフト対策としてハザードマップ等の減災対策をあわせて推進しているところでございます。
ここまでがため池を取り巻く現状をまとめさせていただいたものです。
6ページをお願いします。ここから土地改良事業設計指針「ため池整備」についての御説明となります。
設計指針「ため池整備」は、平成12年に策定をされまして、その後平成13年の土地改良法施行令の改正などを踏まえまして、平成18年に環境との調和に配慮したため池整備を追記するなどの改定が行われました後、冒頭局長が申しましたとおり、7年が経過しているところでございます。この間、平成23年に東日本大震災が発生したこと、1年前倒しして平成24年に策定された土地改良長期計画に土地改良施設の耐震強化が明記されたこと、また本設計指針の利用者から改定を求める要望があったことなどを踏まえまして、改定の運びとなっております。
7ページをお願いします。このような動向を踏まえまして、本指針の改定作業に着手をしたわけですが、まず昨年度24年度には、発生確率は低いものの、断層の近傍域で発生するような極めて激しい地震動と定義されていますレベル2地震動に対する耐震照査を実施する対象として、新たに重要度区分AA種を設定しております。この赤い字で書かれている部分です。
レベル2地震動に対して、限定された損傷にとどめるとともに、液状化対策工の評価を行うことの対象としたものであります。この下の表は、改定前後の対比を示しておりまして、改定前の重要度区分A種を人命重視の視点から細分化し、堤体下流への影響や避難、救護活動への影響が極めて大きい施設を新たにAA種といたしまして、従来のA種のうちAA種以外のものは新たなA種とし、従来のB種とC種はまとめて新たなB種として再編をしたものでございます。
8ページをお願いします。今7ページで御説明したことを設計指針に具体的に落とし込んだものがこの新旧対照表でございまして、赤字部分が新たに追加したものでございます。
ここまでが、昨年度までの検討結果でございます。
次に、9ページをお願いします。ここから今後の検討内容に移行して参ります。先ほどの説明と重複いたしますが、平成18年の本設計指針の改定以降の動きとして、東日本大震災による被災状況を踏まえた検討が必要になっていること、平成24年に策定された土地改良長計の目標として、土地改良施設の耐震強化が謳われたこと、また本設計指針の利用者から見直しの要請が寄せられていることを受けまして、主要改定項目として以下の2つについて改定をしたいと考えております。
1点目が、レベル2地震動に対応した耐震設計の導入でございまして、平成24年10月の第2回技術小委員会におきまして、短時間で簡単に判断ができ、将来的に耐震性を有することを確認するための照査手法の開発の必要性について委員から御指摘をいただきましたことを踏まえまして、検討を行っているところでございます。
2点目が本指針の利用者からの要請を受けまして、記載内容の充実、新技術の活用、ソフト対策の充実等について、検討の上可能なものについては反映をさせてまいりたいと考えております。
10ページをお願いします。ここから15ページまでが、主要検討項目の1点目としてのレベル2地震動に対する耐震設計の導入について整理したものでございます。まず、「ため池の耐震照査等に関する現状と課題」を整理をしております。この検討の前提といたしまして、ため池と類似する施設でありますフィルダムを下のイメージ図で比較をしております。左右見比べていただきたいのですが、ため池は右側のフィルダムとは異なりまして、基礎岩盤上には築堤されておらず、堤体に使用されている材料の粒度分布などの材料や締固度が管理されていない場合が多いため、強く長時間の地震動により堤体地震の築堤材料、堤体土の強度低下が懸念されます。
11ページをお願いします。ここでは現在規定されておりますため池の設計指針の検討手法をフロー図でお示ししております。施設の供用期間中に1回から2回の頻度で発生する確率を持つ大きさの地震動と定義されますレベル1地震動につきましては、この図の青線で囲まれた検討手順が耐震設計の手引きに規定されておりまして、重要度区分がA種またはB種のため池におきましては、堤体の安定は震度法に基づく安定計算により安全率を算定、検討いたします。
また、液状化については、A種のため池は液状化の可能性、液状化の詳細検討、沈下量の検討を行うという検討手法が確立されています。
一方で、レベル2地震動につきましては、右側の赤い線で囲まれた部分ですが、今般新たに設定されましたAA種のため池について、レベル1地震動とは異なる検討が必要であるという認識に立って考えられておりまして、堤体の安定及び液状化についても、現時点では確立された手法が存在していないため、この手法の確立が必要となっているところでございます。
12ページをお願いします。ここでは、類似施設でありますフィルダムの耐震照査方法をお示ししております。フィルダムの地震時における堤体の安全性の検討手法は、「静的解析」「準静的解析」「動的応答解析」という3つに分類されます。
1点目の静的解析は、左の図のとおり、幾つかのすべり円弧を仮定し、その面に沿ってすべりを起こそうとする力とそれに抵抗しようとする力の関係から安全率を求め解析する方法で、ため池のレベル1地震動の照査設計においても採用されておりまして、最も安価な解析手法となっております。
2つ目の準静的解析は、今申し上げた1点目の静的解析に加えて、すべりの変形量まで考慮する算定方法でありまして、地震応答解析が必要となりますので、静的解析よりもより高価となります。
3つ目の動的応答解析は、構造物及び地盤をモデル化いたしまして解析する方法でありまして、このようにメッシュを切った有限要素法の手法でありまして、この3つの中では最も高価な解析手法になります。
次に、13ページをお願いします。ここでは、2つに分かれておりますが、上段ではため池の堤体の耐震照査について、下段ではため池の液状化に対する照査手法について、それぞれの現状と課題を示しております。
まず、上段のため池堤体の耐震照査についてでございますが、現状としましては、ため池堤体のレベル2地震動に関する耐震設計については、確立された手法は存在しておりません。
一方、類似する構造物であるフィルダムにつきましては、計画・設計基準「ダム」におきまして、その手法が示されており、これをため池に適用できる可能性があります。しかし、この場合の課題として、現存するため池は、冒頭申し上げたとおり、築造年数が古いものが多く、近代的な施工がなされておらず、使用材料や締固度が管理されていないため、強く長時間の地震動に対して堤体度の強度が低下することが懸念されております。
また、多数のため池において、ダムと同様に長い時間と多額の費用をかけた検証を行うことは困難でありまして、堤体土の強度低下を踏まえた簡易かつ安価な手法の検討及び開発が必要となっているところでございます。
次に、下段のため池の液状化の照査手法についてですが、この現状といたしましては、上段の堤体の場合と同じように、ため池のレベル2地震動に対する手法が現時点で確立したものが存在しておりません。
一方で、フィルダムにつきましては、計画・設計基準に動的解析手法が示されており、また道路橋示方書及び同解説に簡易判定手法が示されております。しかし、この場合の課題としましては、上段の堤体の場合と同様に、全てのため池に長い時間と多額の費用をかけた動的応答解析を伴う手法を採用することは困難でありますので、簡易判定手法を適用させたいと考えておりますが、ダムや橋梁とは異なるため池への適用に当たって十分な検証が必要となっているところでございます。
14ページをお願いいたします。ため池の堤体の耐震照査に関する検討方針案をお示ししております。現在、フィルダムを対象とした耐震照査手法としては、準静的解析の一つでありますニューマーク法という手法が確立されております。このニューマーク法とは、フィルダムにおいては近代的な施工方法で施工され、締固度がしっかり管理され、強度低下を引き起こさない、つまり一定であるということを前提として地震応答解析を行い、堤体のすべり変形量を求める手法でありますが、費用が高額で時間もかかるという課題もあわせて有しております。
次に、このニューマーク法を改良してため池に適用するためには、その前段として堤体の締固度が管理されていないため池の特質を反映して、ニューマーク法の解析の前提条件に堤体土の強度低下という要素を追加した手法として、中段にあります詳細ニューマーク法D法を開発して、ため池への適用が可能となるよう検討しているところでございますが、ダムに適用するニューマーク法よりその堤体の劣化、変形を加味するということで、さらに高額で長時間を要するという大きな課題を有しております。
そこで、3番目になるのですが、ため池への適用が実現可能なものとして、詳細ニューマークD法を改良した簡易ニューマークD法という手法を開発しようとしておるところです。この簡易版は、詳細版の考え方を基礎としておりますが、一定の前提条件の基に、土質調査と動的応答解析を省略することにより、詳細版の課題を解決しようとするものですが、堤体の強度低下の要素の一般化が必要であるということ、さらに堤体の基盤部と堤頂部、下と上の揺れに対する応答値が許容範囲、同程度であるという省略を可能とするための前提条件をクリアすることが必要となって参りますので、本設計指針を適用する堤防の高さ、堤高15メートル未満のため池全てに適用できるかという検討が必要になっております。
15ページには、今御説明いたしました3つの耐震設計手法を比較した表を参考としてお示ししておりますが、時間の関係もありますので、説明は省略させていただきます。
16ページをお願いします。ため池の耐震設計に関する2つ目の検討課題であります「液状化の照査手法に関する検討方針」を示しております。
まず、液状化の定義でございますが、液状化とは、水が飽和している砂質土に急に振動や水圧が作用したとき、土粒子間の有効応力が0になって、せん断抵抗を失い、液体状になる現象とされておりまして、イメージをお示ししております。
次に、下段にその液状化の簡易判定の手法について示しておりまして、一般的な方法として、FL値法というものがございます。FL値法とは、地盤が液状化しようとする力であります繰り返しせん断応力比、ここでLと言っておりますが、これを分母といたしまして、地盤が液状化に抵抗しようとする力であります液状化強度比、ここではRと表示しておりますが、これを分子としまして、R÷Fを算定して、これをFL値としております。この値が1を下回る、つまりLがRより大きい場合は液状化し、この値が1を上回る、つまりLがRより小さい場合は液状化しないと判定する方法でございます。イメージを右下にお示ししております。
17ページをお願いします。「ため池の液状化の照査手法に関する検討方針」についてお示ししております。
ため池に対して、ダムで採用している動的応答解析を行う手法を採用することは、時間と費用の関係から現実的ではないため、FL値法という簡易判定手法及び道路橋示方書及び同解説で示されております設計水平震度の考え方を採用して、ため池の特性に適合したレベル2地震動に対する簡易判定手法を確立したいと考えておりますが、ため池はダムや橋梁と特質が異なるため、その適用性について十分な検討が必要になっております。
18ページには、今御説明したフィルダムと道路橋に関する液状化の照査手法とため池への適用、この三者の関係についてレベル1地震動、レベル2地震動に分けた表を参考としてお示ししておりますが、これも時間の関係により説明は省略させていただきます。
19ページをお願いします。ここでは「ため池版のレベル2地震動に対応した評価手法の確立(イメージ)」として、今まで御説明したため池の堤体の安定と液状化の検討について、フロー図で総括してイメージとして示しております。昨年度新たに重要度区分AA種として設定されたため池については、レベル1地震動に関する検討を経て、堤体基礎または堤体材料に液状化の可能性があるか。堤体材料の粒形の大きさによる分布である粒度分布や、地盤の強固さをあらわす指標でありますN値によりまして概略的な判定をして、液状化の可能性がない場合には、左側の堤体の安定のみの検討を行うこととして、開発しようとしております簡易版のニューマークD法による検討、沈下量の検討の結果によりまして、必要に応じて対策を行うこととします。また、右側の液状化の可能性がある場合は、この検討が必要になりまして、FL値法による検討を行い、必要に応じて対策を行うことと考えております。
20ページをお願いします。ここから21ページにかけましては、現在の検討状況についてお示ししております。
まず簡易版のニューマークD法の確立の前段で必要となります詳細版のニューマークD法につきまして、現在詳細ニューマークD法の計算結果と3つの写真でお示しておりますが、室内模型実験の結果を比較、分析するなどして、照査方法の妥当性について検証中であります。さらに、中越沖地震、東北地方・太平洋沖地震時の被災ため池の状況と計算結果の比較を行いまして、適用性についての検証の作業中でありまして、年度末までにこの詳細ニューマークD法の確立を目指していきたいと考えております。
21ページをお願いします。次に、最終的な目標としております簡易ニューマークD法について、様々なため池堤体の土質試験の結果に基づきまして、右側にグラフでイメージで示しておりますが、堤体土の強度の低下を示す「標準劣化モデル」の完成を目指しておりまして、このために必要なデータとして、全国で80のため池の土質試験データの収集を行っているところでございます。
3番目の液状化照査手法につきましては、レベル2地震動の液状化強度比の算出に使用する設計水平震度の設定を目指しておりまして、具体的にはため池の液状化に関する検討を先行して実施しておられます愛知県、大阪府及び香川県のデータを収集いたしまして、ため池への適用性に関する問題点の抽出を図っているところでございます。
22ページをお願いします。今般の本設計指針の検討に当たって、今まで申し上げてまいりましたため池の耐震設計の導入と並んで、もう一つのテーマであります利用者の要望などの反映についてお示ししております。本設計指針の改定作業に先立って、地方公共団体と全国の本設計指針の利用者を対象としたアンケート調査を行いまして、要望等を聴取したところ、この表に示すとおり、記載内容の充実、新技術、ソフト対策、維持管理の追加などについて様々な御意見、御要望が提出されました。
23ページをお願いします。この要望等を受けまして、全国の施工実績等も参考にしつつ、以下の方針に則って本設計指針への反映を検討しております。例えば、1)の堤体保護工につきましては、施工実績を踏まえまして、施工性、経済性などを考慮しつつ、工法の選定について記載を追加することを検討しております。
飛びまして、3)の環境との調和への配慮につきましては、前回平成18年の改定で追加後、具体的事例やその効果の整理が進んだものにつきまして、より効果的と考えられる事例等を追加することを検討しております。
4)及び5)の新技術につきましては、実績等を踏まえまして、標準的な仕様や留意点などの追加をする方向で検討しております。
6)のソフト対策につきましては、ハザードマップの先行作成事例などを収集いたしまして、事例の追加等を検討しております。
7)の維持管理に関する項目についても、管理者などからの御意見などを聴取して追加することを検討しております。
24ページ~27ページは、今申し上げた内容を少しかみ砕いて御説明したものです。参考で示したものですが、これも時間の関係上省略させていただきます。
最後の28ページをお願いします。ここには「今後の検討スケジュール(案)」をお示ししております。「1.重要度区分」とそれに対応する耐震性能につきましては、平成24年に策定済みでありまして、既に指針の一部改定を行ったところでございます。
「2.耐震設計」につきましては、今年度末までに詳細版のニューマークD法を確立することを目指しておりまして、並行して最終目標であります簡易版のニューマークD法の検討を行い、来年度末までに確立したいと考えております。
「3.液状化」につきましても、今年度から来年度にかけまして、簡易型の液状化の照査手法の確立を目指して、必要な作業を進めていきたいと考えております。
「4.設計指針利用者の要望などの反映」につきましては、アンケート調査結果に基づいて、全国の施工実績等も参考にしつつ、採用の可否について検討し、来年度末までに取りまとめていきたいと考えております。
「5.技術小委員会」につきましては、このような現状を踏まえまして、来年度の中間段階で1回、年度末までにさらにもう一度と、都合2回御議論いただきたいと考えておりますので、どうぞよろしく御指導願います。
以上で、私からの説明を終わらせていただきます。

 

○毛利委員長
ありがとうございました。
24年度、過年度までの審議事項と、26年度の予定、方向性まで御説明をいただきました。
それでは、あと40分足らずですけれども、意見交換をしたいと思います。それでは、どこからでも構いませんので、よろしくお願いいたします。

 

○向後専門委員
昨年度、A区分からAA区分に変えられましたけれども、概略でよろしいのですが、対象となるため池はどの程度あるのかという調査はやられているのですか。

 

○鈴木海岸・防災事業調査官
資料の8ページで、設計指針の改定の文章が赤い字で書いてございまして、一番下のところで「なお」とありまして、例えばということで、震度6以上が想定される地域で下流への影響が大きく(貯水量が10万トン以上)、それから地震の増幅度が大きい(堤高が10メートル以上)、あと砂質土云々とありますけれども、この10万トン以上、10メートル以上といったことでグルーピングをすると、全国で280カ所ほどあるということで集計はしております。ただ、こういった数値以外でも、やはり下流への影響が大きいので、やはりAA種として耐震性を照査しなければいけないというため池もあると思いますので、正確な数字としてはまだ押さえ切れていないということでございます。

 

○向後専門委員
大体280プラスアルファということですね。

 

○鈴木海岸・防災事業調査官
そういうことです。

 

○向後専門委員
分かりました。
非常にスケジュールがタイトで、中身も結構濃いので、これはまとめるのが非常に大変なのではないかなと思います。まず最初に、ニューマークD法についてどのような進捗状況なのでしょうか。その実績みたいなものはどうなのでしょうか。手法としては、地震時の強度低下を考えるということなのでしょうけれども、そういう実験をやるにしてもかなりのテクニック、ちょっと難しいのかなという気もするのですけれども、そういうものも含めてどのくらいの実績を今踏みつつあるのかをお聞きしたいと思います。

 

○皆川施工企画調査室長
資料の20~21ページでございますが、ゴールとしては、ため池に応用しやすい簡易ニューマークD法を目指しているわけですが、その前段で簡易版をつくるためには、全体というか、フルスペックの詳細版の詳細ニューマークD法の検討が必要だという意識に立って、今年度このニューマークD法の確立を目指して、先ほど簡単に御説明をしてしまいましたが、データと模型実験の比較検証やモデルとの比較検証を行っていると申し上げました。簡易ニューマークD法に応用するためには、さらに先ほど申し上げたような前提条件が必要になりますので、そのために全国のため池の実績、ため池県から約80ほどのデータを収集しまして、そのデータと突き合わせをして、ゴールである簡易ニューマークD法が果たして目指す方向どおり突き合わせができるかどうかということを来年度にかけて整理をしていきたいと考えているところでございます。

 

○向後専門委員
現在は実験に対して適用していると考えていいわけですね。

 

○平山施工企画調整室課長補佐
こちらに表示させていただいております実験は既に終わっていて、今はモデルの突き合わせを精査している段階と聞いております。

 

○向後専門委員
分かりました。

 

○堀野専門委員
最初なので、私はちょっと勉強不足の点が多く、よくわからない用語があるので確認させていただきたいのですが、このレベル1とかレベル2の地震動の定義は、どこでオーソライズされたものですか。農水省の中だけなのか、それとも他省庁も含めてこういう認識であるのか。

 

○皆川施工企画調整室長
私どもの整理しています耐震の手引きの中でも定義づけがされており、これは農水省だけではなくて、省庁横断的に定義されております。

 

○堀野専門委員
それに関連してというか、間をちょっと離れるのですけれども、例えば農水省でつくられている設計基準、ダムはよく知っていますけれども、ため池というものとしてはないではないですか。基準書なり設計書としての、ため池の設計というのはあるのですか。それともダム設計の中にため池も含まれているという理解でいいのですか。なぜお聞きするかというと、今回の事前のときにお聞きしたのですけれども、ここで漠然と言っているため池というのは、堤高15メートルを超えても守備範囲に入っていると認識したらいいのか、否かということです。

 

○皆川施工企画調整室長
ため池自身の定義にも関係すると思うのですが、やはり堤高15メートルというところで線を引いておりまして、15メートルを超えるものについてはダム基準の適用ということが大原則になります。
基準があるかというお話が最初にありましたが、基準としてはやはりフィルダムの基準はありますが、ため池については、ここで設計指針としておりまして、設計指針は、基準までデータですとか、施工実績ですとか、そういうものがまだ積み上がっていないのだけれども、その基準化する前段ではあるのだけれども、参考としてお示しをする。それが積み上がってきて、もう基準としてオーソライズできるレベルになれば、設計基準として大臣の諮問を受けて、事務次官名で通知を出す基準としてオーソライズして提出するということになりますので、ため池はその領域にまだ達していない状況であり、設計指針として取り扱っているというのは、そういう意味でございます。

 

○堀野専門委員
恐らくため池というのは、古来つくられてきたものを引き継いで「ため池」という総称で呼んでいると思うので、例えば比較的最近、例えばここ50年ぐらいの間につくられたものは、数的には多くても、総体的な比率としては少ないと思うのです。それが気になる理由というのは、先ほどの地震動に戻りますけれども、供用期間の間に1~2回という定義で入っているので、そもそも供用期間というのをどう捉えるのか。例えば、私は大阪府なので、狭山池とか、日本で最古とか言われますけれども、堤高15メートルを超えましたので、事実上はダム、そういうのがまず守備範囲に入るのが気になったから、先ほどお聞きしたというのもありましたし、仮に超えていなかったとしても、供用期間をどう考えるのかということで、今のレベル1とか2という分類にどう当てはめるのかと、そもそもその辺からちょっと難しいのではないかという気がします。
それとこのレベルの分類では、長期振動に対する分類が入っていないので、特に液状化で問題になるのは地震そのものの強さよりも、どのくらいの長期振動、長周期であるかということが結構問題になってくるはずですので、そういった部分をどうやって具体に切って分けるのか。その辺がちょっと疑問であるというか、疑念がちょっと浮かんだので尋ねさせていただいています。

 

○皆川施工企画調整室長
若干繰り返しになってしまうのですが、15メートル以上あるため池を再整備をするという場合には、これは15メートル以上ですので、ダム基準を適用させて整備をしますが、今、先生がおっしゃったのは、その整備だけではない場合があるということでしょうか。

 

○堀野専門委員
例えば、レベル1とか2というのは、供用期間という認識がまず必要ですよね。そのときの供用期間はどう捉えたらいいのか。我々はどう考えたらいいのかということが一つです。何百年も前、極端に言うと1,000年ぐらい前のため池もありますね。そういった場合どう考えさせてもらったらいいのかというところがまず疑問の1つ。
それから、先ほど言ったような、ここのレベル1とか2という区分けは、他省庁も含めて認識されていることですので、例えば農水省だけで決められないと思いますけれども、長周期に対する区分けみたいなものは別途設けるのか、あるいはそれは考えないのか、その2点です。

 

○皆川施工企画調整室長
なかなか答えになっていないかもしれませんが、供用期間については、非常に古いため池で、それこそ過去何百年、下手したら1,000年とか経ているため池ももちろんあるわけですが、今後どれだけ供用するかという軸はそちらの方向に向いておりまして、過去手を加えられてきていますので、その歴史の積み重ねでありますから、影響はもちろんあるのでしょうけれども、今後どれだけ供用するか、ため池として機能していくかという考え方に立っております。

 

○堀野専門委員
それは具体的には100年とかですか。私はそういうところが知りたいのです。例えば、ため池なら供用期間は100年を見込むのですよとか、それをちょっと教えてほしいところです。

 

○毛利委員長
施設構造物の設計のときには、耐用年数という言い方をいたします。目標の性能が維持できる期間、あるいは経済性も考えての年数だろうと思いますが、そういうもろもろの総合判断を基に耐用年数40年とか、50年という値が、構造や工種ごとに分かれた数字がございます。そういう意味で、ため池は80年ということが今まで言われてきておりましたので、漠然と供用というのは、今から耐震診断をするということですから、今の時点がスタートだとして当面80年スパンの中でしっかりと性能が維持できるかどうかということだと理解をしています。これは非常に難しい問題で、その期間の中にそういう災害事象がどのぐらいの確率で起こるのかということも含めての御指摘だったかと思います。トンネルの耐用年数でも同じような議論がございまして、例えば交通事故、航空機の事故と比較して、この施設構造物がどのぐらいのリスクを負っているのかという視点で説明された方もいらっしゃいます。少し情報を整理していただいたほうがいいかと思います。
他にございますでしょうか。
どうぞ。

 

○吉田専門委員
詳細ニューマークD法の簡易化についてちょっとお伺いしたいのですけれども、詳細法を簡易化するという意味は基本的にコストダウンということが大きいのだと思うのですけれども、逆に簡易化することで推定誤差が大きくなって、安全なものが安全でないといった側に評価するようなことがありますと、補修のほうで逆に余計なコストが出てくるということで、その辺のバランスを考えないといけないと思うのですけれども、例えば強度低下率を標準化して、グラフのようにその土性に応じてあらわしていくというような、こういう実験結果を見る上で、例えば一番強度低下が大きいほうに合わせれば安全ではあるけれども、過剰な評価をしてしまう。つまり、危ないという評価をしてしまうリスクがあると思うのですけれども、80カ所のこういう試験結果を基に、どのようにこれを、平均を使うのかとか、あるいは一番厳しいほうを使うのかとか、その辺の哲学というか、現時点でまだ結果を分析する段階ではないと思いますので、なかなかわからない面もあるので、ちょっと早過ぎる話かもしれませんけれども、もしお考えが現時点であれば御説明いただきたいと思います。

 

○皆川施工企画調整室長
21ページのグラフに関連して御質問いただいたと思っておりますが、ここで見ていただいていますとおり、これはイメージではあるのですが、粘性土と砂質土とで全く状況が異なりますので、今全国で80のため池の土質データを収集して、これと突き合わせをするということを申し上げましたが、比較的砂質土の多いため池もあれば、粘質系のもので築堤されたため池もあると思いますので、ため池の築堤土の土質区分ごとに区分累計化して当てはめるということが確からしさが一番高いのではないかと思っておりまして、したがって平均とかいう方法ではなくて、土質分類ごとに区分した上で整理をしていくのかなと考えております。まだ過程ではありますので、今後詰めていくのですが。

 

○吉田専門委員
土性ごとに区分するというところまでは理解しているのですけれども、その土性の中で大分ばらつきが大きい検証なのではないかなと思いまして、その場合に、そのばらつきた中で一番強度低下が大きい側で評価するのか、平均値で評価するのかといったあたりの問題は多分あるのかなと想像します。

 

皆川施工企画調整室長
申しわけございませんでした。おっしゃるとおりです。区分をした上で、さらにその中にばらつきがある場合ということの取り扱いだということですので、その辺は実際の数値を見て、どれぐらいのばらつきがあるのか確認した上で、再分類が必要であるのかとか、その辺も宿題として残っております。

 

○毛利委員長
御指摘いただいていることを踏まえて、80件のデータをうまく整理して、中間報告のときには御提示いただけるようにお願いいたします。
少し細かいところまで入り込んでおりますけれども、全体的なことでも構いませんので、御意見をいただけましたらと思います。いかがでしょうか。

 

○木下専門委員
経済が専門なものですから、ちょっとお恥ずかしい質問になるかもしれませんけれども、資料として14ページがよろしいかと思いますけれども、今議論になっている簡易ニューマークD法を目指すというところで、これがよりベターな方法だということですけれども、もう一つのポイントは、費用と時間がかからないということで、それでDマーク法の概要の説明で、3つ目のですけれども、スタンダードというか、デフォルトのニューマーク法より安価かつ短時間の開発の手法を目指すということですので、先ほどの進捗状況と関連しますけれども、こういった安価でコストがかからないということができそうかどうかということ。
というのは、最初のニューマーク法というのは、やはりため池にそのままかけるというのは、基本的に対象外というか、適切な判断ができないということですので、場合によってはニューマーク法よりコストがかかっても、ニューマーク法が適切な手法とはもうならないのですよね。つまり、詳細よりはコストが安ければこれがメリットがある、そういう考え方でよろしいのですか。

 

○皆川施工企画調整室長
ニューマーク法につきましては、前提条件としてダムのように管理された土質材料でしっかりと築堤をされたものということで、堤体の強度低下を起こさないという前提に立った解析手法なものですから、これをそのままため池に応用するというのは、成り立ちからやはり無理があるということでして、そこで詳細ニューマークD法のように堤体の劣化を加味して解析をどうしてもしなくてはいけません。しかし、フルスペックでやると、こういう時間とかお金の問題があるので簡易型を目指すという流れなのですが、先ほどの検討のところで申し上げましたが、やはりそのときに一番ネックになるのが、先ほども御質問いただきましたが、土質劣化のモデル化と、堤高が高くなって、15メートルに近づくような大きなため池は、基盤部の揺れと堤頂部の揺れ、応答と言っていますが、これが許容範囲、同一という前提条件が相対的に成り立ちにくくなります。ですので、そういうものが今言った2つの前提条件をクリアして、果たして詳細版でなく簡易版にいけるかというところが最大のポイントになります。
どうしても規模の大きなため池で、今言った2つの前提条件が当てはまらないということになってしまえば、しかもその下流部に重要な公共施設があるとかいうことになりますと、場合によってはお金がかかっても詳細版をやらなくてはいけない場合が出てくる可能性はございます。ただ、それを全てのため池にというのはどうしても現実的ではありませんので、簡易版を目指していきたいと考えております。

 

○木下専門委員
分かりました。

 

堀野専門委員
同じようにニューマークD法を少し確認させてもらいたかったのですけれども、私は構造専門ではないのですけれども、極論を言うと、ダムと違ってため池は基本的に岩着しないところが多いから、下と上で同じような構造を持つだろうということで、この簡易版でいけるのではないかと考えて提示されたと思うのですが、その割合はどの程度と考えられているのですか。私の考えでは、皿池は恐らくそれでもいいかなと思うのですけれども、谷池というか、山池の場合は、必ずしもそうではないだろうと思っていますし、その比率的に、そのウエートが、例えば8割は恐らく同じ応答を持つだろうと認識されていて取り組まれたら効率が非常に高いと思うのですが、それが2割~3割の場合だと、あえてこの方法を取り入れるというメリットが余りなくなってくると思うのですが、どのぐらいの比率でお考えなのか。お考えと言うか、考えてもいいのか。もしお分かりになれば教えてください。

 

○皆川施工企画調整室長
残念ながらその答えをまだ持ち合わせておりませんでして、簡易版でどれぐらいカバーできるのか、捕捉率がどれぐらいになるのかというのは、まだ押さえておりません。

 

○毛利委員長
今の堀野先生の御質問は、応答のことですか。

 

○堀野専門委員
簡易版ニューマークD法を取り入れることは、経費を節約する意味において、私は否定的ではないのですが、それをやってもいいよという前提として、対象となるため池が全体のため池のうち例えば20%ぐらいしかないのであれば余りメリットがないなと思います。

 

○毛利委員長
なるほど、分かりました。まず、従来の耐震診断と決定的に違うのは、ニューマークD法は地震動を考えているということだと思うのです。どうしてそれをしないといけないのかというのは、前段に事務局のほうから御説明がありましたけれども、決壊ため池が頻繁に、毎年のように発生しています。このため池の危険度を照査することが今の設計基準では十分できないというジレンマがあったわけです。それは安全率1.2というその数字だけで判断していたものですから。しかも、設計水平震度という値を0.15と0.12という2つの数字しか設定していませんでした。この方法では、非常に危険な状態にあるため池を峻別できないというジレンマから、地震動の特性を取り入れた手法ということで、ニューマークD法が俎上に上がったと理解しています。
ですから、詳細ニューマークD法と簡易ニューマークD法の区別というよりも、震度法という現行で指針に提示されているものをレベル2にそのまま適用して、ため池の危険度を峻別することができないのではないか。この矛盾を少し検証して高度化していこうというスタンスなのだろうと思います。考え方としても、各段に峻別できるレベルは上がるということなのだろうと思います。

 

○堀野専門委員
吉田委員が先ほど言われたように、簡易版でコスト削減オーケーです。例えばその分精度が落ちたら困るし、今、私がぱっと考えるに、その投資効果というのか、これを検討する効果が、例えば極論で言うと、先ほど言ったように全ため池の1割とか2割ぐらいにしか適用できませんよとなると、私もどちらがいいか悪いかという判断はつけられる立場にあるわけでもないし、個人的にもわからないのですけれども、こういうことを検討する価値があるかということです。例えば1割でも、やはり詳細にやらなくても簡易版でやるとちゃんと判定できますよとなると、それはそれで意味があるのですよと言われれば、ああそうかなと思いますし、そういう意味で、もしおわかりになっていたら教えてほしかったなということです。

 

○室本整備部長
正確な数字は押さえていないと思いますが、堤高15メートル以上のいわゆるため池、普通はダムの分類に入るようなため池は、数としてはほとんどないと思います。一方で、堤高15メートル以下の5メートル未満というため池が、江戸時代以前に築造されたものがほとんどを占めていて、そういった意味では、詳細は把握しておりませんが、ほとんどこの簡易ニューマークD法が使える、そういった領域がかなり多いのではないかと推測されます。これでいけば、先ほどの長周期の地震等も、堤体の強度低下という部分を考慮する形になりますから、計算上十分見込めるのではないかなと思います。

 

○皆川施工企画調整室長
今に関連してなのですが、今部長が言っていただいた、その上のレベルが、クリティカルな部分が15メートル未満なのだけれども、堤高が15メートルに近いようなため池で、その前提条件が合わない場合が出てくる可能性がありますので、そこは、数はずっと少なくなると思いますが、全てに当てはまるかどうかというところは、まだまだ宿題が多いという意味でございました。

 

○室本整備部長
施工企画調整室長の補足をちょっとしますと、15メートル未満であっても、県によっては先ほど警戒ため池という表現が出ていましたけれども、下流に民家を抱えている、市街地を形成しているみたいな、決壊したら甚大な影響を与える、そういったところではレベル2の動的解析までやってしまうという県も結構多いわけです。
先ほど施工企画調整室長が答えました、5メートルから15メートルぐらいの適用できるかどうかというぎりぎりのところを見出した場合は、基礎地盤が悪い場合は動的解析までやってしまおう、そういった選択肢も十分あり得ると思いますので、そこは個々の実態に応じて柔軟に対応していくというところが必要ではないかと思います。

 

○毛利委員長
ありがとうございました。
ニューマークD法のほうにちょっと議論が集中しておりますが、いかがでしょうか。青木委員は、現場の近いところで様々な御要望が届いているのではないかと思うのですが、御意見をいただけますか。

 

○青木専門委員
最近の情勢をちょっと言わせていただきますと、愛知県の場合は25年度、今、全体で3,000カ所弱のため池がありますけれども、そのうちのかんがい面積2ヘクタール以上の1,300カ所について、今年度ため池の一斉点検ということで、いわゆるAA種の区分の定義に当てはまるか当てはまらないか。それから、簡易な土質調査等々を含めて、1,300カ所でやっております。来年度は受益面積が2ヘクタール未満のところで、今のところ700~800カ所やる予定ですけれども、おおむね県内のため池が今年度、来年度でどういう状態にあるか。特にAA種に入るか入らないかの判断がこの2年間の間にできるという状況ですけれども、私は他県の例を余り聞いていないのですが、これは全国的な調査で実施をしておるのかどうか。この2年間のデータはかなりなボリュームになって、今議論されておるような内容が、どこのため池がどこの種類のものに当てはまるかというのはかなりわかると思うのですけれども、そこら辺の全国的なレベルでどういう調査がやられておるのか、ちょっと私は把握していないのですけれども。


○鈴木海岸・防災事業調査官
まさに今、青木委員がおっしゃられたような一斉点検、これは全国的にやっておりまして、25年度はいわゆる警戒すべきため池と2ヘクタール以上のため池で、全国で一斉点検していただいています。それから、来年度それより小さいものを含めて、0.5ヘクタール以上の受益面積を持ったため池について一斉点検をお願いしようと思っていまして、一斉点検のデータが来年度にそろいます。その結果として、AA種に該当するものというのが各県から出てきますので、先ほど大きなものというだけで、ざっと280と言いましたけれども、恐らくもっと大きな数でAA種に該当するものというのが出てくるのだろうと思っております。

 

○向後専門委員
今の一斉点検の件ですけれども、点検項目としてどういうことをやっていらっしゃるのですか。各県によってやはりレベルはかなり違うのですか。それとも、これはやりなさいということは大体決めていらっしゃって、本省のほうからそういう話でいっているのでしょうか。

 

○鈴木海岸・防災事業調査官
実施要領をつくりまして、これは全額国費でやってもらっていますので、こういう内容でやってくださいということで、中身を事細かに決めまして、それでやってもらっています。余り難しい点検ではないのですけれども、土質の確認もしてもらっていまして、それから漏水があるかどうかとか、あとは余水吐がどうかとか、そういう基本的なところを抑えてもらって、なおかつ堤体の土質まで調べてもらうということで、一斉点検ということをやってもらっております。

 

○武山専門委員
今のお話の続きでちょっと質問があるのですが、昨年度までにAA種とA種の仕分けという基準を、この資料の8ページで、設計指針の改定ということで赤文字の部分についての修正が行われたということなのですが、このAA種とA種の区別ですね。もちろん、ある程度の指標としての数字は、貯水量が10万トン以上、堤髙が10メートル以上というふうに、これはあくまで参考にすべき数値ということだと思うのです。むしろこのAA種とA種を判断すべき境目は、まさに書いてあるように人命への被害が出るかどうかというところだと思うのですけれども、これは例えば人命が1人でも出そうだということであればAA種にするという判断なのでしょうか。つまり本来の判断基準というのはどういうものになるのか御説明いただけたらと思います。


○鈴木海岸・防災事業調査官
下流に民家があって、決壊した場合にどこまで水が流れるかとかそういうのも調べた上で、やはり1戸でもそういう家があって、人命に影響を及ぼすというのであれば、ここに書いてあることに該当するということになるかと思います。いわゆるAA種です。

 

○武山専門委員
ありがとうございます。
周辺の都道府県や何かで、もちろん点検ということが進んでおるようなのですけれども、まずは10万トン以上のため池を対象にしようとかいう具合に、やはりどうしても数字のほうが先にいってしまって、対象は10万トン以上なのだみたいなところが現場では見受けられるような気がするのです。
つまり、これはあくまで指標であって、AA種とA種の判断基準はどういうところにあるのかというのも、やはり現場に対して示していかなければ、最終的に例えばニューマークD法、簡易法をどういうところに適用したらいいかということがわからないという懸念をちょっと感じました。つまり、指針の中身に入るかどうかわからないのですが、現場がため池を判断するときに適切なAA種に当たるのかどうかを判断できるようなものももう少し具体的に指針として入ってくればいいのかなと感じました。

 

○毛利委員長
予定している時間がもうほとんどなくなってしまっているのですけれども、他に御意見ありますでしょうか。よろしいでしょうか。
盛りだくさんの内容でしたので、少し時間が足りなかった感があるのですけれども、今のため池の重要度区分のところと、設計のところ、ニューマークD法を詳細法と簡易法が提示されていますけれども、この辺の流れが少しすっきりとしないということで御意見をいただいていたのだろうと思います。一斉点検からこういう詳細法の設計までデータを整理して、来年度はしっかりとしたものをおつくりになると伺っておりますので、中間報告のときには先ほどの地震の発生頻度や堀野先生から御指摘のあった課題についても、しっかりと社会に提示していくということも必要だろうと思いますので、もう少し内容が充実するデータが整ってくるということですので、整理をしていただきたいと思います。
予定している議事は以上でございますので、これで事務局のほうに議事進行を戻したいと思います。よろしくお願いします。

 

○佐藤計画調整室長
本日は委員改選後の初めての会合ということでございましたが、皆様から活発な御意見を賜りまして、大変ありがとうございました。
今後の技術小委員会の開催予定でございますが、本日の議題のため池の検討を進めて参りますとともに、またその他の課題につきましても、本年の3月18日に農業農村整備部会が開催される予定でございます。その中で皆様方に検討を付託させていただく事項が決定される予定となっておりますので、その辺が明らかになりましたら、また事務局のほうから皆様方に御連絡を差し上げたいと思います。
それでは、以上をもちまして本年度第1回の技術小委員会を閉会させていただきます。
本日はありがとうございました。

 

お問い合わせ先

農村振興局整備部設計課計画調整室
担当者:計画企画班
代表:03-3502-8111(内線5514)
ダイヤルイン:03-6744-2201
FAX:03-3500-4053

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