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農林水産省

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平成26年度第3回技術小委員会議事録

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1.日時及び場所

日時:平成26年12月12(金曜日)13時30分~15時30分

場所:農林水産省本館4階第2特別会議室 

2.議事

(1)今年度の検討スケジュールについて
(2)土地改良事業設計指針「耐震設計」の改定について
(3)土地改良事業設計指針「ため池整備」の改定について
(4)環境との調和に配慮した事業実施のための調査計画・設計の技術指針の改定について
(5)その他 

3.議事内容

 議事録(PDF:485KB)

 

○原川計画調整室長

 ただいまから食料・農業・農村政策審議会農業農村振興整備部会の平成26年度第3回技術小委員会を開催いたします。

 本日は、ご多忙中にもかかわらずご参集いただき誠にありがとうございます。

 まず初めに、本会議の公開方法でございます。

 従来と同じでございまして、傍聴については可能とし、会議への提出資料は会議終了後、議事録につきましては発言者を明記の上、後日ホームページで公開させていただきます。

 次に配付資料でございますけれども、一番上から会議次第、委員名簿、配付資料一覧、資料1、資料2ー1と資料2ー2、資料3ー1と資料3ー2、資料4ー1と資料4ー2になっております。大丈夫でしょうか。

 それでは、早速ですが、議事に入りたいと思います。

 以降の進行につきましては、毛利委員長にお願いいたします。

 

○毛利委員長

 ありがとうございます。

 それでは、準備いただいております会議次第に従いまして、議事を進めてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、1つ目ですが、今年度の検討スケジュールについて、事務局から説明をお願いいたします。

 

○原川計画調整室長

 資料1でございます。今年度のスケジュールでございますが、6月13日に第1回目の技術小委員会を開催しております。その際は、計画基準の農業用水(畑)、技術指針の環境配慮、機能保全の手引きについて、ご議論いただきました。

 第2回につきましては、11月11日に開催いたしまして、計画基準の農業用水(畑)、設計指針の耐震設計、機能保全の手引きについてご議論いただきました。機能保全の手引きにつきましては、現在、パブリックコメントにかけているという状況でございます。

 本日が、3回目でございますけれども、耐震設計、ため池整備、環境配慮についてご議論いただきたいと思います。この3つにつきましては、1月にパブリックコメントにかけまして、今日のご審議の指摘とパブコメを踏まえた修正等をいたしまして、2月に再度ご説明させていただきたいと思っております。

 その上で、3月に農業農村振興整備部会に報告するというスケジュールを考えております。

 以上でございます。

 

○毛利委員長

 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの内容につきまして、ご質問等ございましたらよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。

 よろしいでしょうか。それから、また後ほどスケジュールについてもご確認いただくことも可能だと思いますので、議事は次に進めさせていただきたいと思います。

 2つ目ですが、土地改良事業設計指針「耐震設計」の改定ということで、事務局より説明をお願いいたします。

 

○佐々木施工企画調整室長

 施工企画調整室長の佐々木でございます。よろしくお願いいたします。

 それでは、資料2ー1でご説明いたします。

 1ページから4ページは、前回11月の委員会の資料と同じものでございます。

 4ページでございます。

 検討方向ということで、今回の改定におきましては、レベル2地震動を考慮して平成16年に取りまとめられました設計指針の手引きを基として、レベル2地震動を含む耐震設計に関する一般的事項について解説するものでございます。

 また、各施設で適用すべき基本条件につきましては、横断的に一覧で比較できるように整理をいたします。

 加えまして、並行して検討しておりますため池整備の指針の内容については、盛り込んでまいりたいというふうに考えてございます。

 5ページ、指針の構成でございます。

 施設ごとの設計手順等につきましては、施設別の設計基準に記載済みでございますので、記載しない方針でございます。

 今回廃止いたします手引きとの比較で申しますと、第6章と資料編は削除いたします。

 この他、主として、赤字の部分を追記することとしております。

 中身でございます。

 基本方針といたしましては、6ページ、施設の重要度に応じて2段階の地震動レベルを考慮して、耐震性能を確保するように設計することとしております。

 下に、本指針で対象とする構造物別の参照する設計基準等を示してございます。

 7ページに設計指針に関する一般的な流れを示してございます。

 大まかには、フローの左側からスタートいたしまして、重要度区分の決定、設計地震動の設定、耐震性能の設定、右側にまいりまして、設計条件の設定を行いまして、耐震計算法を選択し、耐震性能を照査する流れとなります。

 8ページ、耐震設計に用いる地震動でございます。

 耐震設計では、レベル1地震動とレベル2地震動を考慮することとしてございます。

 レベル2地震動につきましては、上の箱にございますが、プレート境界型地震(タイプ1)と内陸直下型地震(タイプ2)を考慮する考え方でございます。

 右の表でございます。この2つのタイプの地震動ですが、タイプ1につきましては、大きな振幅が長期間繰り返して作用する地震動でございます。タイプ2につきましては、振動時間が短いけれども、極めて大きな強度を有するという特徴がございます。

 左下の箱でございます。耐震設計に用いる地震動につきましては、構造物の種別、地域特性等を考慮しまして適切に設定する必要があるということで記載をしてございます。

 具体的には、9ページに各施設に適用する設計地震動につきまして一覧で記載しております。

 考え方としましては、地上構造物と地中構造物で少し異なってございます。

 まず地上構造物については、構造物に作用する慣性力を水平力として作用させるものでございます。例えば、9ページ左側の、レベル1地震動のところのグラフでございます。これは、農道橋、水路橋等に適用するものですが、施設の固有周期、あるいは地盤特性に応じて-これ横軸等にございます。グラフの縦軸の設計水平振動を適用していくという形になります。

 それから、地中構造物につきましては、構造物自身の慣性力よりも地盤の挙動による影響が支配的となりますので、構造物地点での地盤自体の変位を求めまして、構造物に作用させる形をとってございます。

 10ページのパイプラインと書いてあるところのグラフがございます。地盤の固有周期に応じて、縦軸の速度応答を求めます。これを元に、地盤の変位を算定するものでございます。

 それから、10ページの下にため池というのを今回追記しており、そのレベル2地震動については、他の施設のように、標準的に用いるものを一律的に設定するのではなくて、ため池ごとに地震動を設定して動的応答解析を行うことを基本としております。これについては、後ほどため池のほうでご説明したいと思います。

 それから、11ページでございます。施設の重要度区分につきましては、極めて重要度の高いA種、重要度の高いB種、被災の影響が少ないC種の3種類に区分しております。そして、この区分につきましては、被災による二次災害、被災による本来の機能に与える影響、こういったことを総合的に判断して決定しております。

 下の箱でございます。

 重要度区分の基本的な考え方は、(1)の二次災害、それから(2)の本来機能に与える影響、こういったものを考慮しまして、これらが極めて大きい施設をA種、影響が大きい施設をB種としております。

 それから、下のほうにございますが、頭首工等の一部の施設につきましては、これらへの影響が極めて大きい施設をAA種、影響が大きい施設をA種ということで、耐震性能を1ランク上げた設計を行うという考え方でございます。一覧表は右のとおりでございます。

 12ページに、重要度区分を判断する上での参考指標を記載しております。ここでは、頭首工の例を示してございます。

 例えば重要度区分AA種につきましては、参考指標としまして、河川堤防の改修状況、あるいは生活用水や工業用水の利水状況といったようなことなどを参考指標として例示してございます。

 次に、13ページの耐震性能でございます。

 これにつきましては、健全性を損なわない、限定的な損傷にとどめる、致命的な損傷を防止するという3つのレベルを設けまして、施設の重要度区分に応じて確保すべき耐震性能を下の表のとおり規定してございます。

 例えば、AA種であれば、レベル1地震動に対して健全性を損なわない。レベル2地震動に対して限定的な損傷にとどめるという考え方でございます。レベル2地震動のほうが当然大きいわけですので、それに対して健全性を損なわないようなところまでやると少し過重になってくるというような考え方でございます。

 それから、14ページでございます。

 施設の中でも、先般もご指摘ございましたが、構成要素が分かれているものもございます。こうしたものについては、耐震性能の設定例を記載してございます。これは頭首工の例でございますが、例えば表のAA種の場合、堰柱はレベル2地震動まで考慮しますが、魚道についてはレベル1までの照査でよいといったようなものでございます。

 15ページ、照査でございます。

 目標とする耐震性能を満足するために必要な各構造部材の限界状態を適切に設定し、限界状態を超えないことを照査します。耐震性能と定義と損傷度のイメージについては、前回委員会でご説明いたしましたが、表と図のとおりでございます。

 具体的な耐震設計の手法でございます。16ページ。

 計算法については、静的解析法と動的解析法の2つに大別されます。適用に当たっては,静的解析法を基本とするという考え方でございます。

 16ページの表に構造物別の標準的な耐震計算法と照査方法を示してございます。これらのうち、7番のため池のレベル2につきましては、その変形特性を考慮する必要があるために動的解析に頼らざるを得ないというところがございますが、それ以外に記載する手法は全て静的解析法でございます。

 17ページでございます。

 まず、開水路、ファームポンド等に用いる震度法です。17、18ページは全部静的解析法でございます。震度法については、地震力を静的に構造物に作用させまして、構造物に生じる力、応力度を求めます。そして、その応力度が許容値に収まっているかを確認するものでございます。

 ため池で用いる震度法につきましては、円弧土塊に一様な水平力を作用させまして、すべり面に沿った力のつり合いから安全率を求めるものでございます。分母と分子にそれぞれ土塊の活動する力と土の抵抗する力を当てはめて1.2以上になるかどうかを確認するものでございます。

 それから、水路橋の橋脚等に用いられます地震時保有耐力法でございます。

 これについては、震度法と同様に静的な力を作用させるわけですが、損傷を許容する分構造物の必要耐力を低減するものでありまして、断面に加わる慣性力と保有水平耐力を照査すると同時に、構造物の変位を照査する方法でございます。

 地中構造物であるパイプライン等で用いられる応答変位法につきましては、構造物自身の慣性力よりも周辺地盤の挙動の影響が支配的となります。このため、地震時に生じる地震変形を求め、これを構造物に作用させたときの力や変形を求めるもので、構造物に生じる変位、これが許容値に収まっているかどうかを確認するものでございます。

 19ページ、こちらは動的解析表でございます。ため池で用いられるものでございます。

 これは、考え方としては、振動特性が複雑な構造物等を対象として、構造物・地盤を動力学的にモデル化いたしまして、地震波形を作用させ、その応答を時々刻々と追跡する方法でございます。地震後の残留変形が限界値を超えないかどうかを確認するものでございます。

 これにつきましても、後ほどのため池整備の改定のほうで関連がございますので、そちらで改めてご説明いたします。

 20ページ、耐震計算方法及び照査手法について20ページに概説してございますが、内容につきましては、今説明したとおりでございます。

 21ページでございます。

 今、ご説明いたしましたような各構造物の重要度区分、耐震性能、それから耐震計算法等につきましては、この指針の中で施設ごとに一覧で横断的に記載をしております。この表には、頭首工の堰柱の例を示しておりますが、このような形で整理してございます。

 22ページ、液状化の検討でございます。

 23ページのほうで概要を少しご説明いたします。

 液状化につきましては、飽和している砂質土などで急に振動や水圧が作用したときに、もともと土粒子がかみ合ってその力を発揮しているわけですが、そのかみ合う力である有効力が水の作用でゼロになってしまって、液状化する現象でございます。簡便的な判定方法といたしましては、FL値法というものがございます。地盤が液状化しようとする力と地盤が液状化に抵抗しようとする力の比を取りまして、液状化に対する抵抗率を算出するものでございます。

 このFL値法と言いますのは、ある深度、ある深さでの層、特定の層の液状化を判定するのに使うものですが、下に書いてございますPL値法につきましては、そのFL値をもとに、それを深度ごとに積み重ねまして、地層全体と言いますか、地表面の液状化の危険度をあらわすものでございます。

 22ページ、判定方法でございます。

 現在用いられている地盤の液状化判定方法には、簡易な判定方法、詳細な判定方法、それから実験、あるいは試験で行う判定方法の3種類がありまして、基本的な判定のフローについては図のとおりでございます。

 まず、簡易判定法による判定を行いまして、より詳細な検討が必要な場合に、詳細な判定法による判定を行うこととしております。

 なお、PL値法につきましては、広域の液状化の危険度を見える化するような場合などに適用するものでございます。

 それから、24ページでございます。液状化の検討、液状化対策につきまして記載してございます。

 対策につきましては、大きく2つありまして、液状化の発生を許容した上で被害を軽減する方法と、液状化の発生自体を防ぐ方法の2つに分類されます。内容的には、ここに記載のとおりでございます。

 25ページ、耐震診断でございます。

 ここには目的と手順が書いてございますが、左の中ほどの手順としましては、概略的な診断である一次診断、それから耐震性能の詳細な検討を行う二次診断、この二段階に分けて行うという考え方でございます。

 二次診断につきましては、一次診断により耐震性能の詳細な検討が必要と判断された構造物に関しまして、必要に応じて現場計測、劣化診断、あるいは地盤の調査を行いまして、要求される耐震性能を有しているか否かを診断するものでございます。

 26ページに、耐震診断の方法を書いてございます。

 診断については、構造物の状況等を把握する調査、構造物劣化の評価、あるいは構造解析を行うという部分がありますが、これらを適切に実施し診断するものとしてございます。

 調査方法については、この表の例のとおりでございます。

 27ページでございます。

 耐震対策としましては、耐震診断の結果、既設の構造物の耐震性能が不足することが明らかとなった場合に、耐震補強等の対策を検討するものでございます。

 耐震性能のレベルとしましては、既設構造物の耐震性能について、新設構造物と同等に耐震性能を有するようにしなければならないという考え方でございます。

 施設ごとの補強方法の例を表に一覧で整理しております。

 28ページ、前回の技術小委員会での指摘に対する対応方針を記載してございます。

 1点目は、これは本資料でいうところの15ページに該当いたしますが、ここに書いております耐震性能のイメージ図について、他の構造物についても示してはどうかというご意見でございます。

 今回は、先ほどご説明した17ページから19ページに示すパイプライン、ため池等に係る耐震性能の概要を参考として示してございます。

 2点目は、国交省で管理している河川や堤防等とは違う面があることを意識して農水省ならではの設計指針を策定していただきたいというご指摘がございました。

 これにつきましては、今申し上げましたような農業用施設が有するそれぞれの特性を踏まえまして、施設の重要度区分、耐震計算法、照査方法等を示すこととしたところでございます。

 最後に、29ページ、今後のスケジュールでございます。

 2月頃、第3回の審議をいただくという予定で考えさせていただいております。

 短時間でしたが、説明は以上でございます。

 

○毛利委員長

 ありがとうございました。

それでは、委員の皆様からご審議、ご意見をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。どこからでも結構ですので、よろしくお願いいたします。

 

○青木専門委員

 説明資料の11ページの施設ごとの重要度区分の考え方なんですが、ちょっと私が注目しておりますのが、愛知県は何千町歩とゼロメートル地帯がございまして、大きなポンプ場が結構地元の避難所になっている例があるんです。施設ごとの重要度区分でいきますと、ポンプ場の吸い込み、吐き出し水槽についてはA種、当然のことながら、ポンプ場には30メートル、40メートルの杭が打ってあるんですけれども、杭のほうは、AA種というのがございまして、備考欄に上部構造物の重要度がAA種の場合はAAということは、ポンプ場については、あくまでA種という考え方しかないのかどうかということと、それから、2点目が、同じポンプ場が吸い込み吐き出し水槽だけの構造物についての重要度区分が掲げられておるんですが、ポンプ場の本体はポンプなんです。ポンプが動かなくなるとライフラインそのものがおかしくなってしまうんですけれども、例えば、縦軸のポンプ、これは軸心が2度以上編心すると、ポンプがまず動かなくなるんです。ポンプ場の構造物が幾らガッチリしていても、軸心がずれると本体そのものが動かなくなるということ等、1点目の杭基礎とポンプ場の関連、それから本体のポンプそのものの考え方、その2点についてちょっとお伺いしたいと思うんですけれども。

 

○佐々木施工企画調整室長

 今お話しがございましたとおり、杭基礎につきましては、上部構造物の重要度に応じて設定するという考え方でございまして、上部構造物がAA種であれば、杭基礎もAA種というような考え方をとってございます。ただし、A種のところ該当なしになっていますのは、これはもともと基本的には上部構造がA種であれば杭基礎もA種というのが普通ではあるのですけれども、A種になりますと致命的な損傷を防止するということで、地中に入っておりますので、なかなか対応が難しいという観点から、ここについてはA種についてはAA種にまとめて適用するような考え方でございます。

 それから、ポンプ場につきましては、ご指摘のとおり、現時点ではA種、B種、C種の設定であり、AA種というところまでは設けていませんが、ポンプ場の杭基礎についてはA種に該当するものは適用がないという形になります。

 それから、ポンプ場のそのものですけれども、ここには申し訳ございませんが土木構造物の区分を記載させていただいておりまして、機械ですとか、電気設備については、またそれぞれ規定がございます。ちょっと手元にございませんが、例えばポンプであれば、ポンプの基礎を置く部分の耐震をキッチリもたせるというような設計について、機械のほうでの適用規格が別途あるという状況でございます。

 

○毛利委員長

 いかがでしょうか。

 

○青木専門委員

 ちょっと腑に落ちないころがあるんですけれども、最初に申し上げたとおりに、私ども愛知県の尾張西南部地域には130カ所のポンプ場がございまして、最近避難所になるポンプ場がかなり増えてきたんです。要は近くには大きな建物がない、唯一あるのが将来第二東名になる、今、湾岸道路と言っていますけれども、高速道路へ逃げるというのが一番の近道になっていまして、高速道路まで遠いところは、近くのポンプ場、これは津波なんかの高さを考えて、それ以上のところが避難所になっていて、考え方からいくともうAA種なんです。住民のライフラインのために、地震、あるいは津波から守ろうという避難所になっている。そこの避難所のものが、A種という、物の構造物が倒れることだけを考えていいのかどうか。周辺の避難路も、そのポンプが動かなくなると、避難路も使えなくなるんです。ゼロメートル地帯ですので、夏場に毎日ポンプを運転しています。そういうような観点からいくと、ポンプ場というのは本体がポンプであって、ポンプを守るための上屋なり土木工があって電気設備等があると、本体が動かなくなると、全てのものが壊れたと同じ状態になるんです。要はライフラインがもううまくいかなくなりますので、ちょっとそこら辺までの配慮が少し耐震設計の中に欠けているんじゃないかなという気がするもんですから。ある意味特別な地域かもしれないけれども、そういうところについてはそういう面も配慮した設計が必要であるみたいなコメントがどこかに加えられるといいかなというふうに思います。

 

○佐々木施工企画調整室長

 ありがとうございます。

 ポンプ場につきましては、施設ごとの設計基準がありまして、ポンプ場の設計基準でももちろんこのようなA種、B種、C種というAA種を設けないような区分になっているところでございます。今のご指摘、非常に重要かと思いますので、検討させていただきまして、対応させていただきたいと思います。

 

○毛利委員長

 どうぞ。

 

○向後専門委員

 ちょっとよろしいですか。

 今の、重要度区分なんですけれども、これA、B、Cで分けて、さらにAA、A、Bというので、同じような記号を使用しています。何かもう少し整理されて、分かりやすくしたらよろしいと思います。例えば、AAが重要度が極めて高い、Aが重要度が高いとか、それからBで行けば中程度の重要度であるとか、Cは少ないとか、そういうので統一されたほうが良いと思います。工種ごとにバラバラで出てきて、言葉で言うとみんな同じものを使っていて、ただ種類が違うよというのは混乱すると思います。

 

○佐々木施工企画調整室長

 そうですね、これよく読まないと分からない、分かりにくい表現になっております。A、B、C種の3種類を最初に設定していて、特定の施設についてはレベルを切り上げるようなやり方になっているので、単純な4種ではないというような部分が非常に整理をしにくくしておりますが、もう少しすっきりした表現で整理ができないかちょっと検討させていただきます。

 

○向後専門委員

 そのほうが、後々も良いと思います。よく読まないと分からないと感じました。

 

○毛利委員長

 確かに、初めから見ていかないと分からないところがありますので、ご検討いただくというようなことでお願いいたします。

 他にございませんでしょうか。

 武山委員お願いいたします。

 

○武山専門委員

 今と全く同じ意見なんですけれども、重要度区分というのは、要は極めて影響が大きいと、影響が大きい、影響がない、この3つが重要なことであって、そこに適用する耐震性能のレベルが構造物によって違うということだという理解でよろしいでしょうか。

 つまり、要は耐震性能、13ページのほうに耐震性能とのマトリックスが出てきますけれども、同じ極めて影響が大きい施設でも、物によっては、適用する耐震性能が異なる、そういうふうに理解してよろしいかということです。

 

○佐々木施工企画調整室長

 そうですね、AA種になりますと、ご説明させていただいたとおり、13ページで言いますと、レベル2地震動に対して限定的な損傷にとどめる、A種については、致命的な損傷を防止するということで、求める耐震性能が変わってくるということになります。

 

○武山専門委員

 ですから、恐らくどの施設も3ランクにまず重要度が分かれるということは、どれも同じことだと思うんです。つまり極めて影響が大きいと、影響が大きいと、影響がないという、その3ランクに分けましたよと。それで適用する性能がスライドアップされているということなんですね。

 

○佐々木企画施工調整室長

 そういうことです。

 

○武山専門委員

 それが分かるような表記にされれば、今の問題は解決できるのかなというふうに思いました。重要度区分がそもそ変わっているというふうに読む側が受け取って、私も同じような誤解をやはりしてしまうんですけれども。

 

○佐々木施工企画調整室長

 そうですね、分かりました。

 

○武山専門委員

 すみません。

 

○佐々木施工企画調整室長

 最後のところにちょっと書いてはいるんですが、少し全体として分かりにくいので、再検討させていただきます。

 

○武山専門委員

 今のことですけれども、要は11ページ、最後のところとおっしゃったのは、点線の四角の中の、左側の最後の文章、「他の施設と比べ耐震性能を上げた設計を行う」というふうに書いていただいているところがあると思いますので、これも他の施設と比べて重要度がそもそも高いから耐震性能を上げた設計を行うということかと思いますので、その理由も一言添えていただければその意図が伝わりやすいかなという点もちらっと思いましたので、よろしくお願いいたします。

 

○佐々木施工企画調整室長

 ありがとうございます。

 

○毛利委員長

 どうでしょうか。どうぞ吉田委員。

 

○吉田専門委員

 ちょっと違う部分なんですけれども、耐震診断のところで、構造物劣化の評価というセクションがございますが、この構造物の劣化が耐震性能にどういう影響を及ぼすかを見ていくということですね。ただ、構造物の劣化については、機能保全という観点からも診断されますよね。前回の審議も今ありましたように、そういった部分との整合性とか、あるいは相互参照とかといった観点というのが全くなくて、耐震は耐震、機能保全は機能保全ということでいいのかというところがちょっと気になりましたので、何らかのそういう検討なりがされているかどうか、ちょっとコメントいただければと思います。

 

○佐々木施工企画調整室長

 相互参照については、必ずしもできていないと思いますので、改めてそこは確認をして次回ご説明をさせていただきます。

 それと、劣化のところの評価は、分厚い資料のほうには入っており、劣化の状況を評価して耐震性能を判断するみたいな書き方にはなっていますが、その評価の仕方については、決まったやり方というのはなくて、かなり難しい部分というのが現実でございます。

 

○毛利委員長

 よろしいですか。

 確かに指針類を横断的に見てしっかりと整合性がとれているかどうかというのは、なかなか重要な視点ですけれども、今までそういうふうに見てきていなかったので短時間では難しいことだと思います。というのは、設計をする立場から逆に診断を見ているというのはあまりないものですから、新しい視点だと思います。重要なので整理いただければと思います。

 他に何かございませんでしょうか。

 堀野委員お願いいたします。

 

○堀野専門委員

 幾つかあるんですけれども、一つは、皆さん先ほど言われていた重要度区分、これは事前説明のときもちょっとお願いしていたと思うんですが、やっぱり最初から、割り当てるのは4つの段階しかございません。要するに同じ構造物でも、施設によっては重要度区分の割当てが異なっていると言っているんだと思います。だから、最初から重要度区分としては4種類があって、この施設はこうこうこうというのが理屈としてスッキリするんじゃないかと思います。

 それから、大分まとまりが良くなってきていると思うので、少し細かいことを言わせていただくと、ちょっと恐縮なんですけれども、例えば、9ページのグラフ、一応新旧対照表のほうでもちょっと見たんですけれども、小さ過ぎて見にくかったんで、今説明いただいた資料で言うと、目盛りが不自然、ログの図だと思うんですけれども、例えば、農道橋とか水道橋のレベル1地震動、これ多分0.05とか入っていると思うんです。こんなのは取ったほうがいいと思うし、それから、その下、10ページのこの両対数表も、0.1から1にかけて、1の手前のところの数がちょっと不自然なんで違っているんじゃないかと。そんな間隔には恐らくならないでしょうから。ご確認いただければ。

 それから、文言というか用語の使い方で、例えば、今ちょうど重要度区分の話がありましたけれども、中身というよりも、例えば6ページと今の9、10ページ、この辺の構造物の番号付けは統一がとらえているので非常に分かりやすくていいと思うんですが、例えば27ページの耐震診断というところになると、構造物から施設名に変わっていて、ちょっとよく分からないのは、例えば暗渠とか、ファームポンド、ポンプ場とかいうところはいいと思うんですけれども、例えば埋設管路という表現があったり、建築構造物、こういうようなところで、前に出てきたものと名称が変わってきているものが幾つか見られて、何か違いがあるんだと思うんですけれども、ちょっとそれが捉えづらい。例えば埋設管路と、最初にあるパイプラインとか、一緒なのか、違うのかというところもあるし、同じ今横断的なマニュアルというか設計指針の話しましたけれども、そこは難しいとしても、同じ指針、同じ書籍の中で、用語の使い方に混乱を生じさせるような記述は避けられたほうがいいのではと思います。

 それから、もう1個、もっと今までで一番細かい話になると思うんですけれども、18ページの応答変位法のところですけれども、継ぎ手の資料で当然変位を許容するためには、ある程度量がないと途切れちゃうと思うですけれども、これどこかで使われているんでしょうか。ここはあえて四角で囲って、拡大して、「抜き出し量」と書いてありますね。これが、どういうものかというよりは、ここで何に気を付けないといけないのかということを、ここで対比表、これで見ようと思ったけれども、参考になっているので、どこに書いてあるか探し切れなかったんですけれども、何か触れられていくんでしょうか。何も触られてないのなら、これを出す意味がちょっとよく分からない。

 以上です。

 

○佐々木施工企画調整室長

 最後のところは、継ぎ手の伸縮量でございます。

 

○堀野専門委員

 そういうことなんですか。

 

○佐々木施工企画調整室長

 ええ。申し訳ございません。

 その他のご指摘もご指摘のとおりですので、全て見直して言葉の使い方、それと全体として整合のとれた、対比ができるような使い方になるよう、チェックをかけてまいります。ありがとうございます。

 

○毛利委員長

 4名の委員の方からは重要度区分のところの表記、あるいは重要度区分の定め方についてのご意見をいただいております。このことについては総合的に見直していただいて、分かりやすくということであろうかと思います。AA種を設けているということについては、ご理解はいただけているものというふうに思っております。

 他にご指摘事項がありましたらよろしくお願いいたします。

 

○向後専門委員

 21ページですけれども、この表はどこかに出てくるのでしょうか。これはただ例として載せられただけなのでしょうか。

 

○佐々木施工企画調整室長

 出てまいります。

 

○向後専門委員

 出てくるのですか。

 それであれば、記号について何も記載がないので分かりません。それからCZとかCSとかいうのが下添え字になったり上添え字になったり、しています。もしそれを使うのであれば、きちんと書いてほしいと思います。

 

○佐々木施工企画調整室長

 大変不親切で申し訳ありません。本文のほうにはいろいろなところに表記があるのですが、ちょっと抜き取ってしまいましたので、分からないような形になってしまいました。

 

○向後専門委員

 分かりました。

 

○毛利委員長

 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、膨大な資料をご審議いただいているわけですけれども、まだため池のほうも残っておりますので、次に移らせていただきます。

 それでは、議事次第の3番目でございますけれども、土地改良事業設計指針「ため池整備」の改定について、事務局より説明をお願いいたします。

 

○佐々木施工企画調整室長

 それでは、資料3ー1でご説明させていただきます。

 1ページでございます。

 平成18年に現在の指針が策定されて以降における諸情勢を踏まえまして、主な改定事項といたしましては、耐震設計につきまして、今もございましたレベル2地震動に対する耐震照査方法、液状化に対する検討方法について新たに位置付けすることが1点。

 その他として、最近における技術開発や適用事例等の動向を踏まえまして、設計施工上の留意点等について追加するものでございます。

 2ページ、構成といたしましては、第3章の設計の章の中にレベル2地震動に対する耐震性能の照査と液状化の検討に関する項を新たに設けるとともに、箱書きの内容を既存の項の中に追記することとしております。

 赤字の部分が、項自体を追加するもの、青字の部分が、既存の項の中に内容を追記するものでございます。

 3ページ、先ほどもございました重要度区分についてでございます。

 これにつきましては、平成25年3月の本指針の一部改定によりまして、新たにAA種をため池に設けまして、レベル2地震動に対する耐震設計を位置付けしております。AA種の区分の指標としましては、点線の箱の中に記載しておりますとおり、例えばと書いておりますが、貯水量10万トン以上、あるいは堤高10メートル以上といったことを一つの目安にしてAA種を定義するといったことを記載してございますが、前回の委員会におきまして、堤高等の施設規模だけをもって区分を判断するような誤解を与えないようにすべきとの趣旨のご意見をいただいたところでございまして、これを踏まえまして、赤字のところ、特に人命を優先し、十分な検討の必要性を追記いたしました。

 4ページでございます。

 重要度区分AA種が設定されたことを踏まえまして、今回新たに重要度区分に基づく耐震性能照査全体のフローを追記しています。大まかな照査フローとしましては、フロー図のとおり、重要度区分A種とB種につきましては、左側のフローで流れてまいりますが、レベル1地震動に対する安定計算と液状化の検討を行い、AA種につきましては、この検討に加えまして、レベル2地震動に対する沈下量算定と液状化の検討を行うという右側の流れを示してございます。

 次に、耐震性能の照査方法でございます。初めに、5ページでご説明いたします。

 ため池の耐震性能照査方法には、大きく分けて3つの方法がございます。レベル1地震動に対しては、左側の列の円弧すべり面スライス法、レベル2地震動に対しては、表の中央と右側の動的解析が用いられます。

 概要としましては、円弧すべり面スライス法については、堤体の中に幾つかの円弧を仮定しまして、その面に沿ってすべりを起こそうとする力とそれに対抗する強さを分子・分母としまして、安全率が最小となる円弧を探し出して、堤体が崩れるか否かを判定するものでございます。

 地震力としては、地盤の種類等に応じた固定値であります設計震度を利用するものでございます。挙動の再現性としては、これは堤体の変位までは算定するものではない、算定できないものでございます。判定は安全率1.2で行います。中央の動的応答解析につきましては、構造物、地盤をモデル化しまして、運動方程式を用いて堤体内の変位を解析していく方法でございます。

 地震の強さについては、地震の波形から求める加速度を元に応答解析を行って、堤体内の各地点ごと、時間ごとの水平加速度を算定し、これを基に、この図にあるような要素ごとの変位を算定していくものでございます。挙動の再現性としては、実際の現象に近い挙動が再現できるとしております。

 右側の動的応答解析+塑性すべり解析でございます。

 これにつきましては、静的解析と同様にすべり円弧を仮定して解析するものですが、すべりの有無だけではなく変位まで算定するということでございます。

 地震力の算定方法は、動的応答解析と同様に行いまして、これを基に、スライスの時間ごとの変位を算定していくという方法をとるものでございます。仮定したすべり円弧の変位量として算定されるものでございます。

 判定については、沈下量が許容値以内に入っているかという観点で判定するものでございます。

 6ページで、まずレベル1地震動に対する耐震性の照査を記載してございます。

 これにつきましては、現行指針と同様に、震度法を用いた円弧すべり面スライス法、これは5ページで言いますと左側の方法ですが、これにより実施いたします。

 設計震度の基準となる値につきましては、中ほどの表の中にございますように、地域区分等に応じまして、この表の値を適用します。この設計震度の数値にスライス面、それぞれの土の単位体積重量を乗じまして、地震の慣性力として計算してまいります。

 次に7ページでございます。

 ここからが新たに追記しましたレベル2地震動に関する耐震性能照査でございます。

 今申し上げました25年3月の指針改定で重要度区分AA種が設定されましたが、これに対応するレベル2地震動に対する耐震性の照査方法の具体的内容に関しては、これまで未記載でございました。このため、レベル2地震動に対する検討に用いる地震動、耐震計算法について追記しております。

 中ほどの箱に記載しましたとおり、地震動についてタイプ1、タイプ2の波形を設定しております。

 それから、レベル2地震動に対する耐震計算法につきましては、先ほどの5ページの表で見た2つの方法、動的応答解析、または塑性すべり解析を用いることとしております。

 8ページ、強度低下を考慮した計算法でございます。

 ため池につきましては、ダムに比べて締め固め密度が低い場合がございます。こういった場合には、地震動の継続によりまして、堤体土の強度が時間の経過とともに低下する場合がございます。下の図に強度低下のメカニズムを示してございます。地震発生前は左の図のとおり、土粒子同士がつながった状態、これイメージでございますが、上部からの荷重はこの土粒子を介してしっかりと伝達する形でございます。

 これに対しまして、地震が発生しますと、土粒子が動きまして、しっかり締め固められていないとこれが少しぐらぐらと動いて、土粒子間の隙間が狭まってまいります。隙間が狭まってまいりますとその間に存在する水圧、すなわち間隙水圧が上昇しまして、これに伴って土粒子がつながり合う力が減少し、強度が低下するものでございます。これで、右側の図のように上部からの荷重に耐えられなくなって変形が生じるというものでございます。このため堤体土のこういった強度低下が懸念されるため池につきましては、これを考慮した耐震計算法により検討する旨を追記しております。

 下の箱でございますが、堤体土の強度低下を考慮した計算法の事例としましては、具体的には全応力解析と有効応力解析に大別され、全応力解析としては、堤体土の強度低下を評価し、すべり変形量を算出する塑性すべり解析、先ほどの5ページの図で言いますと一番右の手法です。それから、有効応力解析としては、地震による過剰間隙水圧の上昇、圧密消散等を考慮して変形応力を算出する動的応答解析手法がございます。5ページに示しました右側の2つの方法は、強度低下についても考慮することが可能な方法でございます。

 9ページでございます。

 今申し上げましたような強度低下を考慮した耐震性能照査につきましては、ため池ごとに試験を行いまして、そのため池の照査で用いる強度低下曲線を把握する必要がございます。これには多くの時間、費用がかかります。このため、さまざまなため池におけるこれらの試験データを蓄積しまして、堤体の土質等に対応した標準的な強度低下曲線を求めておくことで個別のため池ではこれらの試験を省略する方法の確立が望まれるところでございます。

 しかしながら、こうした簡易な手法の確立には、今後のさらなるデータの蓄積を要する現状にあることから、今回の指針においては、簡易な照査手法に関する考え方と課題につきまして、中ほどに記載しております。

 ここで、目標としている標準的な強度低下曲線のイメージは、9ページ右下の図面のとおりでございまして、地震の継続による土のひずみの増大に応じた土の強度低下度合いを標準化しようとするものでございます。そういったことを目指しておりますが、今回これまで調査した結果によりますと同じ砂質土に分類されるものであっても、強度低下曲線は大きく乖離している部分も見受けられることから、現時点においては土質ごとに一律の特性を与えることが難しい状況でございます。

 10ページで、この課題について少し補足させていただきます。

 これは、各地のため池の土質試験結果をもとに強度低下曲線を分類して作成したものでございます。下のグラフは、25カ所調査したため池のうち砂質土のため池、これ20カ所ございますが、これだけを抽出してため池ごとの強度低下曲線をプロットしたものでございます。1つの線が1つのため池の劣化曲線でございます。

 この結果、同じ砂質土であっても、強度低下のタイプが、これは形状の話ですが、AからDの4つに大別されまして、その一つのタイプをとっても、強度特性が大きく異なっている状況になっているということで、今後更なるデータの蓄積と検証を進めてまいりたいと考えております。

 それから、11ページ、AA種のため池については、今申し上げましたとおりレベル2地震動に対する耐震性能照査を行って、堤体の沈下量を算出することになります。許容される沈下量については、本指針におきましては、下の箱の左側に記載しましたとおり、堤頂と常時満水との標高差、堤頂と設計洪水位との標高差、それから1メートルというものを例示いたしまして、適正に設定する必要があるという旨を記載してございます。

 12ページ、液状化の検討でございます。

 液状化の検討につきましては、液状化が生じると予想される場合には、生じる影響を適切に判定し、堤体及び基礎地盤の安全性について検討を行わなければならないと記載してございます。

 判定の方法につきましては、先ほどの耐震設計の指針と同じ考え方でございまして、原則として、簡易な判定によるものとしております。

 13ページに、液状化の簡易判定に必要な土質項目試験を追記しております。

 それから、13ページの下には、簡易判定で用います設計水平震度につきまして、道路橋示法書、あるいは液状化により被災したと判定されるため池での検証結果を踏まえまして、以下の標準値及び基準値を設定しております。

 14ページ、調査関係に関するところでございます。

 今申し上げました動的応答解析において必要となるパラメータである弾性係数を把握するための調査としまして、PS検層、密度検層について追記しております。PS検層については、地盤内の弾性波の深さ方向の速度分布を測定するものでございます。密度検層については、地中にγ線を放出して、地盤の密度を測定するものでございます。

 それから、下の材料調査につきましては、同じく動的解析に必要なパラメータである堤体の強度低下特性を把握するための試験等につきまして追記しております。

 15ページでございます。ため池の安定計算におきましては、レベル1、レベル2を問わず、必要となる強度定数であります内部摩擦角・粘着力につきましては、従来現地で採取した試料を室内に持ち帰って試験を行っておりますが、現地で直接強度定数を把握できる試験が開発されておりますので、参考として追記をしてございます。

 それから、16ページ、軟弱地盤の処理工法についてでございます。

 従来は、他の材料で置きかえる置きかえ工法と、堤体斜面の法先に盛り土を置く押え盛り土工法を記載しておりましたが、地盤改良につきまして、追記をしてございます。この地盤改良については、16ページの下に注意書きをしていますが、前刃金土の増設等の部分改修を行う場合の方法として示したものであり、不等沈下には注意する必要があるということで記載をしてございます。

 17ページ、ドレーンでございます。

 ドレーンにつきましては、その浸透流に対して堤体内の土粒子が流れ出してしまわないように、堤体材よりもやや粒度の粗い材料を設置して、水を安全に排出する機能を持つものですが、留意点等を記載してございます。

 それから、18ページ、堤体の法面保護工でございます。

 法面保護工については、捨石、石張り等を記載していましたが、コンクリートブロックマット工、それから布製型枠工、これらを追記してございます。これらは、いずれも工場でつくられたマット状のコンクリート等を重機を用いて現地に敷いていくもので、布製型枠のほうは、型枠を運び込んで、現地でモルタルを注入するものでございます。施工性の面で有利な場合がありますので、工法として追記してございます。

 それから、19ページ、底樋管に関する留意点でございます。

 底樋管とため池の堤体材料が接する部分、この部分は遮水機能を確保する上で重要な部分ですので、このあたりの留意点を少し追記してございます。

 20ページでございます。

 耐震対策工につきましては、照査を踏まえまして、適切なものを選択するわけですが、主要な対策につきまして、押え盛土、地盤改良、盛土の補強、それからドレーン全面改修ということで、その工法の概要と特性を追記してございます。

 それから、21ページ、施工に入ります。

 施工に関する留意点を幾つか追記してございます。旧堤体に堤体盛土を置きかえるような場合について、旧堤体との密着を均一化をするための段切りでの養生に関する注意点を追記しております。あるいは、底樋部の施工に関する留意点を一部追記してございます。また、一番下のところは、堤体盛土の施工に関して所定の転圧が確保されるような観点からまき出し厚等に関する留意点を追記してございます。

 それから、22ページ、施工管理でございます。

 ため池につきましては、その耐震性能を確保し、高める上で、堤体盛土の密度を確保するということが非常に重要となってまいります。堤体の密度を管理する指標としては、一般にはD値と呼ばれる指標を用いまして管理しておりますが、本指針では従来D値90%以上という規格値としておりましたが、今回、規格値を95%以上に原則見直すということで記載の変更をしてございます。

 それから、23ページ、前回の委員会でご指摘いただいた事項でございます。

 1つ目は、レベル1地震動の基準におきまして、「施設の供用期間中に1から2度発生する確率を持つ大きさの地震動」とあるが、この供用期間の考え方について明確に整理しておくべきとの指摘をいただきました。この点に関しましては、なかなか直接的なお答えは難しいのですけれども、対応方針に記載しました、現行の設計法におけるレベル1の地震荷重は地震の発生確率から直接的に設定されているものではなく、地震被害等の経験の中で試行錯誤的に定められてきたものとなっております。レベル1地震動の概念と従来の地震荷重との関連性を明らかにして、ここに定義のあるような本来のレベル1地震動の合理的な評価手法を確立することについては、今後の課題と認識しているところでございます。

 2点目は、前回の資料の中で標準劣化モデルの作成をするということを意図した資料の中でのご意見でございます。これについてどのように整理評価するのかが課題だというようなご意見をいただきました。これについては、今ご説明しましたとおり、今回の指針改定には直接反映せずに、引き続きデータの蓄積評価等を行いつつ、指針への反映を検討してまいりたいと考えております。

 それから、3点目は、先ほどの重要度区分の判断のところで、貯水量や堤高等の規模で判断するとの誤解を与えないようにするべきというようなご意見をいただいております。先ほどご説明しましたとおり、区分について、特に人命を優先し十分な検討が必要である旨を記載をしたところでございます。

 説明については以上でございます。

 

○毛利委員長

 ありがとうございました。

 それでは、ご意見をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

○向後専門委員

 ちょっとよろしいですか。

 

○毛利委員長

 どうぞ。

 

○向後専門委員

 今、最後のほうで、人命という話が出てきたんですけれども、多分3ページのところだと思います。確かにそうなんでしょうけれども、こう書くと僕はあまりストレートすぎるという気がするんです。

 やっぱり決壊したときの下流への影響を考慮してぐらいの形にされたほうが、よろしいんじゃないかなと思います。いきなり人命というと、何か決壊すると何でもかんでも人命が損なわれるよみたいな、そういうような印象を受けられると困ります。そうじゃなくて、やっぱり下流への影響を考慮して決めるんだよと。人命ももちろんあるでしょうけれども、財産とか、そういうこともあるでしょう。それからインフラへの影響とか、そういうこともあると思うんです。だから、そういうことを含めて考慮するんだというような表現にされたほうがよろしいと思います。

 

○佐々木施工企画調整室長

 ありがとうございます。

 区分の定義には今ご指摘のようなことを書いておいて、本文のほうで人命優先とちょっと突っ込み過ぎているような感じは確かにあるので、改めて少し検討させていただきます。

 

○毛利委員長

 これは耐震設計のほうの記述も影響しますか。

 

○佐々木施工企画調整室長

 基本的には、耐震設計の先ほどご説明した枠組みの中での考え方として記載しているつもりでございます。

 

○毛利委員長

 そうですね。

 次どうぞ。

 

○向後専門委員

 5ページですけれども、これは私が指摘したと思いますが、真ん中が有効応力解析だと思わなかったんです。だから、有効応力解析で解析すると一番右側のものと真ん中が入れ替わります。片方の一番右側にある動的応答解析+と書いてあるのですが、これは全応力解析の話ですよね。だから何か同じ言葉でちょっと見たところでは分かりにくいような表現になっています。有効応力解析までやるということを書いておくべきなんです。本文の中では、液状化については簡易解析で云々ということを言われていましたけれども、するということであれば、これは反対です。

 それから、有効応力に基づくものは、有効応力動的応答解析でいいと思います。括弧書きでなく、全応力動的応答解析+塑性すべり解析とか、そういう書き方をしていただくとより明確になります。

 

○佐々木施工企画調整室長

 この有効応力解析の動的応答解析はやる選択肢の一つとしては示したものではございます。

 

○向後専門委員

 ああそうですか。

 それでは、逆なので、その辺を分かるように書いておいていただけるとありがたいなと思います。

 

○佐々木施工企画調整室長

 はい。

 

○毛利委員長

 どうぞ、堀野委員。

 

○堀野専門委員

 ちょっと僕たちの理解が間違っているのかもしれませんが、先ほどの重要度の話なんですけれども、AAからA、B、Cと一応4種類、これは、共通ですよね。

  

○佐々木施工企画調整室長

 はい。

 

○堀野専門委員

 単純に言うと、私の理解が、例えば先ほどの資料の13ページに、今のAAからCまであって、例えば、AA指定をされたものについては、レベル1の地震動について健全性を損なわないという機能を持たせないとダメですよと。レベル2では、限定的な損傷にとどめるよう性能設計をしないとダメですよという理解であっていますか。

 

○佐々木施工企画調整室長

 はい。

 

○堀野専門委員

 とすると、ひとつ混乱しているのは、まず施設そのものに対しての指定がAAとか、Aとか、Bとかありますよね。一方で、例えば、今の資料の14ページでは、その施設の中の構成要素、個々に対しても何かAAとか、Aとか、Bとかありますよね。ここでは同じ意味合いで使われているのかどうかということが一つと、それから今のご説明の資料に行ったときに、3ページのところで、例えば、A種に対してレベル2の地震動のところは何も書かれてないんですけれども、これどういう意味なのか。先ほどと同じ意味を持たせるなら、例えば致命的な損傷を防止するというような文言は来なくてもいいのかと。いかがですか。

 

○佐々木施工企画調整室長

 1点目の14ページの構成要素ごとのほうのご指摘につきましては、頭首工の重要度、AAという基本的な考え方がある中で、その中の基幹的な部分である堰柱等については当然AA種で その場合はやっていきますと。ただ、例えば先ほどご説明いたしました魚道については、単体で見たときにレベル2地震動まで考慮した設計までは少し過大であろうという判断で、そこまでの設計は求めなくてよいという考え方でございました。

 

○堀野専門委員

 もしそうだとすると、どうですか。これは個人の感覚にもよると思うんですけれども、前にある今の資料でいく13ページの表2.4.1の意味がちょっとよく分からなくなると、これ何のために書いてあるのかという。分かりますか。重要度区分の指定をするということは非常に分かりやすくて利用者の立場からすると非常にいいと思うんです。だとすれば、例えば、こういう指定を受けた物については、こういう対応をするんですよというのが、1対1で決まっているべきだと僕なんかは思うわけです。それが1対多みたいになっていますよね。ここではこう書いてあるけれども、いやこのパーツについては、レベル2であってもいいんですよとか、悪いんですよとか。おかしいとか迷わないですか。とにかく一旦指定したら、その指定された対応を図るべきですよと、その対応内容はこれですよというのは、とにかく1個決まったほうがいいです。重要度AAでありながら、個別に見たらその対応が何かちょっと違ったりしているという部分も変だし、でもレベル1についてはいいですよね。

 

○佐々木施工企画調整室長

 そうですね。

 

○堀野専門委員

 もしレベル2に対してのところで、何にも対応がなかったり、あったりする部分、しかも、各AA種でもそのバラつきがあるし、A種でもあるし、じゃ一体そのAA種の指定とかA種の指定というのは何だったんだろうということにはならないですか。

 もう一つは、細かいと言えば細かいんですけれども、その施設で指定をしているそのAA種からC種までの区分と、その施設の中の構成要素にまでやっているわけですよね。それをまた同じ重要度区分に持ってきているというのもちょっと読み取りにくいんじゃないかな。一体何なのと。さっきの繰り返しになりますけれども、ため池の方を見ると、3ページの、25年3月に一部改定指針となっているんで、ちょっと意味がよく分からなかったんですけれども、A種と書いてあるところのレベル2のところは何もないですよね。ここが何か矛盾するというか、さっきA種でレベル2をやったら致命的な損傷を防止するというふうに決めたんであれば、そうしないといけなくはないですか。

 

○佐々木施工企画調整室長

 ご指摘の趣旨はよく分かります。施設でレベル1、レベル2というのを決めておきながら、またその中で分かれていく。しかも、同じ重要度という言葉を使ってという趣旨かと思います。ただ、実際問題、設計は施設ごと、構成要素ごとにやっている部分もございまして、余り小さなものまでレベル2まで求めるやり方というのはちょっと過大な部分がございまして、こういう使い分けをしておりますが、整理の仕方について検討させていただきます。

 それから、ため池につきましても、ご指摘のとおりです。基本的には、耐震の13ページで示したような考え方に基づいて、本文のほうではこれを標準とするというような書き方になってございます。それで、ため池以外の施設は基本的に当てはまってピッタリくるんですが、ため池は今ご指摘の部分が異なっておりまして、具体的には、A種のレベル2地震動に対する検討を行わない形になってございます。これは25年3月に決めたときからこのようになってございますが、ため池の場合、先ほどご説明しましたような、沈下量の評価、限定的な損傷にとどめるというのを許容沈下量設定の案を示させていただきましたけれども、なかなか、じゃあ致命的な損傷のため池の沈下量というのはこれ以上切り下げていいのかというような部分もございまして、基本的にはもうAA種1本で取り扱っているということと、あと、ため池の東日本大震災のときの被災状況等を見てみますと、いわゆるレベル1で改修されたため池については、全て基本性能が維持されていたというようなこともございまして、ため池のA種については、それをレベル2地震動まで、しかも現時点ではレベル2がかなり費用のかかるやり方なもんですから、そのレベル2までやるというのは、余りにも過大ではないかというような議論がございまして、今回の提案ではA種についてはレベル1だけでいいというような、ため池についてはそのような案としているところでございます。

 

○堀野専門委員

 分かりにくいんじゃないですかね。

 

○武山専門委員

 今のご説明だと、恐らく耐震のほうの13ページの表の2.4.1と、今ため池整備のほうで説明いただいた資料の3の表の1.3.1を見比べたときに、誤りだという、間違っているというふうに読み手のほうが判断しかねないと思いますので、今ご説明のあったような趣旨があるのであれば、例えば、こっち耐震設計のほうの13ページの表の2.4.1の読み方として、今ご説明いただいたようにあくまで標準であって、施設ごとに若干の例外が出てくるという、例えば、ため池ではA種のレベル2については、耐震設計は行わないこととなっているというようなことをやはり補足いただいたほうが、読んでいるほうが誤りだという判断をせずに済むかなというふうに思います。

それと、すみませんもう1点なんですけれども、やはりちょっと表現がちょっと難しいなと思うのは、ため池整備のほうの3ページの表の1.3.1ですけれども、ここには、A種の区分定義は被災による影響が極めて大きい施設というふうに書いてあります。それに対して、もう一度戻りますが、耐震設計の資料のほうの11ページの点線の枠組みの中の左の一番下の下線か引いてあるところ、一部施設については、1及び2への影響が極めて大きい施設をAA種、影響が大きい施設をA種となっているので、ここの表現がやっぱり食い違うと思うんです。非常にやっぱり混乱があると思いますので、もう一度ご検討いただいたらなというふうに思います。

 

○佐々木施工企画調整室長

 はい、ご指摘のとおりでございます。検討させていただきます。

 

○堀野専門委員

 繰り返しになってしまいますけれども、先ほどのご説明どおりだとすると、例えば、今のため池についての重要度区分の指定なんかは、前の資料の11ページ、今ちょうど武山委員が指摘されましたけれども、「〇」、「該当なし」、「〇」、「〇」でもいいということですよね。例えば、10番の杭基礎と同じような形の重要度指定をすれば済むんですよね。

 

○佐々木施工企画調整室長

 はい。

 

○堀野専門委員

 やっぱり、要するにコンシステント。同じ農水省から出して基準としては使いづらいというのがちょっと僕個人としては認めがたいですね。そこはちょっと工夫していただいたほうがいいんではないかと。

 それから、ついでで恐縮なんですけれども、そういう整合性で見ると、液状化に対する水平震度の標準値なのか、例えば、今ご説明いただいた13ページのところは、0.12、0.15、0.18と、FL値法を使ってやられていますよね。基礎のほうはともかくとして、堤体のほうも同じ数字で書かれていて、一方で、先ほどの資料で同じようなことが書かれているところ、10ページのところの水平振動、耐震設計、これ一応液状化も考慮されると理解しているんですけれども、こっちは0.10から0.15というような数値になっているわけです。この辺も、これは要するに分かっていてこういう設定をしているのか、単純なミスなのか。ミスと言うのも変ですけれども、設定値の幅が違うと、もしこれ今液状化だけではなくて、堤体の崩壊というか歪みも含めての話であるのであれば、液状化も網羅したようなレベルの範囲になるはずだし、そうじゃなくて、一応液状化が逆に言えば歪みを網羅していると考えるんであれば、ここに書いたように1種地盤、2種地盤、3種地盤と、堤体のほうなんで、どう言っていいのか、僕もよく分かりませんけれども、そういった書き方ができるのならばそれに合わせたほうがいいと思いますし、これもやっぱり統一性の問題で、本が違うとはいえ、同じ尺度で書かれたほうがいいんじゃないかと思います。

 

○佐々木施工企画調整室長

 ただいまの点につきましては、ご指摘のとおり数字が違うんですけれども、耐震設計の指針の10ページのため池の欄に書いてございます0.1から0.15と言いますのは、これは震度法で行う安定計算でございまして、液状化は加味しないものでございます。レベル2のほうについては、動的応答解析で行いますので、レベル2、液状化も考慮できないことはないと思います。いわゆる震度法の値については、液状化と安定解析では成り立ちが違うと言いますか、そもそも別な数値設定になってございます。

 

○堀野専門委員

 逆にそれでいいんですか。いいと言えば変ですけれども、液状化でやっぱり判定するんですよね。

 

○佐々木施工企画調整室長

 はい。

  

○堀野専門委員

 要するにどっちかやれば、必然的にどっちかは満足されるというようなことはないですか。

 

○佐々木施工企画調整室長

 ないです。

 

○堀野専門委員

 ないんですか。ではこっちで0.1でこっちで0.15とやっぱり違うと、それぞれ違う、逆転することもあり得ると。

 

○佐々木施工企画調整室長

 FL値法がアウトで安定計算が「〇」という場合もあると思います。

 

○堀野専門委員

 その逆もあり得ると。

 

○佐々木施工企画調整室長

 はい。

 

○毛利委員長

 水平震度という表現をしているので同じような印象を受けてしまいますけれども、もともと、全然メカニズムが違うということなので、ちょっとこの成り立ちが違うので、表現を変えておいていただければよかったんですけれども、同じ設計水平震度となっているので混乱しています。

 ちょっと時間的にも十分ではないのですが、施工管理、22ページは新しく提案されているものもございますし、今話題になりましたPL値法のところもあるんですが、何かご意見ございませんでしょうか。

 これちょっと私からも、22ページの注の1というのが図の4.2.13の下にございます。注の1です。2行目に、「以上とし、締め固めにくい材料等の条件によっては90%まで下げてもよい」と書いてあるんですけれども、これはちょっと不明確な表現ではないかなという気がするのですが、どういう材料であればどうだとか、要求性能はこういうことなので、要求性能を下げていいというふうには読まないんですよね。

 

○佐々木施工企画調整室長

 違います。

 

○毛利委員長

 要求性能は満足する。してないといけないけれども、その締め固めというのは何なのかということにもなるので、95%という数値で規定するということであれば、95%まで原則というような表現もいいかと思います。ただし、その値を下げてもよいと受け取れる表現があるのは、施工管理的にはいかがなものかなという気がいたします。

 

○佐々木施工企画調整室長

 分かりました。ちょっと検討させていただきます。

 従来90%でしたので、狭窄部などでどうしても施工機械等の関係で出ないというのがもしあればという意味で記載したものです。

 

○毛利委員長

 なるほど。そういう趣旨であれば、そういうことを書いていただいたほうがいいと思います。このままでは、一般的なところも全部というふうに読めてしまうのではないかなという気がいたしま す。

 

○佐々木施工企画調整室長

 分かりました。

 

○毛利委員長

 はいお願いします。

 

○吉田専門委員

 今の資料の11ページの真ん中辺に、「重要度区分AA種のため池はレベル2地震動に対する耐震性能照査を行い」という点線囲みの文があるんですけれども、この最後のところで、「耐震性能を満足するとみなしてよい」という表現になっているのですが、この「満足するとみなしてよい」というあいまいな表現のニュアンスがちょっと必要なのかどうか。つまりみなすという、逆に言えば、耐震性能とはそういうものだとするという定義なのか、他にもっといい方法があるけれども、これで妥協しようというような、何かそういう中途半端な印象を受けるので、ここをはっきり決めていただいたらいいかなと。

 

○佐々木施工企画調整室長

 ありがとうございます。そうですね。

 

○吉田専門委員

 あと時間がないということですので、他に細かいところで気が付いたところがありますので、事務局のほうに後はお伝えします。

 

○毛利委員

 そうですか。どうぞ。

 

○青木専門委員

 今回の耐震の関係じゃないんですが、事前に送られた資料に、ため池の被災の原因別の図があって、9割が洪水、それ以外1割がその他みたいな格好になっていて、それについて一言言おうと思ったら、今日の資料にその図がなくなったもんで、なかなか言いにくいんですけれども、実は、ため池の設計指針の中を見ていったら、洪水調整のことが一切書かれていないんです。農水省も、十何年前に防災ダム事業という制度をつくられて、流域、ため池の容量、それから受益区域、そのバランスによってため池の容量に余裕ができたときには、できるだけ洪水調整容量を持たせるようなのを設計指針の中で入れてほしいと思うんです。かなり、愛知県は防災ダム事業の制度を取り入れて多くのため池で調整容量を設けてきたものですから、最近恐らく全国的にかなり広まっていると思うんですけれども、ため池整備の中に、洪水調整容量のことが一切書かれてないというのがちょっと腑に落ちないものですから、できたら、そういう概念も入れていただけるとありがたいなと。

 

○毛利委員長

 どうぞ。

 

○佐々木施工企画調整室長

 ありがとうございます。

 検討させていただきます。

  

○毛利委員長

 いろいろな場面で、ご指摘の要件については議論をしているところですので、ご検討をいただければと思います。

 ため池整備について、少し時間がなくて大変申し訳ございませんでした。

 ため池については、さまざまな現象が各地で発生しておりますので、最新の知見に基づいたデータをしっかりと取り込んでいただきたいと思います。

 18年の指針でも参考資料に幾つも新しい技術が掲載されておりますので、そのような形で最新の技術を資料として網羅していただきたいと思います。

 それでは、次の議題に移らせていただきます。

 「環境との調和に配慮した事業実施のための調査計画・設計の技術指針」の改定ということで、事務局から説明をお願いいたします。

 

○原川計画調整室長

 設計課の計画調整室のほうからご説明させていただきます。

 資料の4ー1でございます。

 まず1ページを見ていただきたいんですが、この右側で検討内容を書いていますが、大きく2つございます。1つは、技術指針の各項目、特に設計・施工、維持管理、モニタリングに関する記述の充実と、もう一つは、環境保全を契機とした地域づくりの基本的考え方、事例の掲載を検討と、大きく検討項目が2項目ございます。

 それで、資料の2ページから8ページにかけましては、前回の技術小委員会の資料と同じでございますので、9ページから説明させていただきます。

 9ページでございますが、1つは、まず主要検討項目のマル1ということで、事例とか、新たな技術知見を踏まえた記載の充実ということでございます。

 主な改定箇所をご説明しますが、黒の部分が今まで記載している内容、赤が今回追加した内容でございます。

 まず1つは、5章の設計、施工のところの環境配慮工法の選定ということでございますが、工事費、用地費、維持管理費の経済性に加えて、地域住民の利用のしやすさ、安全性という観点を記載しております。また、下のほうでございますが、これはこの資料の4ページ、前回の技術小委でも説明しましたが、移動経路としての脱出スロープに関する技術的知見を今回記載しております。

 次の10ページでございます。これも、前回の技術小委の資料を載せていますが、環境配慮工法の体系ということで、水路断面の床止め工、底板、ポーラスコンクリート、あと護岸の瀬・淵、また、水田魚道の半円形コルゲート管、こういう工法を追加しております。

 次の11ページでございますが、環境配慮工法の選定に当たっての留意点ということで、先ほど言いました床止め工、底板、ポーラスコンクリート、また、12ページの一番下の瀬・淵です。こういうことについて、工法の概要なり、工法選定に当たっての留意点を追加しております。

 また、12ページの一番上のところの工法の概要で、地域住民の利用を考慮、そういうふな事例もあるということを今回追加しております。

 次の13ページも、これも先ほど説明しました半円形コルゲート管の魚道の工法の概要、選定に当たっての留意点を追記しております。

 次の14ページでございます、設計条件の設定ということで、一つ、検討項目の例の中の資材利用条件でございますけれども、資材などとして土砂を調達する際の外来種に関する事項を今回新たに記載しております。また、5.1.4の環境配慮工法の決定、その留意事項でございますけれども、環境配慮工法の組み合わせによる効果等に関する具体的事例を追加しております。特に真ん中あたりの「具体的に」ということで、水路内の渕工内部にU字溝を伏せて設置するというふうな事例でございますけれども、こういうことにつきましては、2ページ先の16ページに参考事例として、詳細に今回事例を追加させていただいたということでございます。

 14ページに戻っていただきまして、下の(2)の周辺環境の考慮というところで、周辺状況によっては、外来種の浸入の可能性を考慮して工法を選定する必要があると、こういうふうな旨を記載させていただいております。

 次の15ページでございますけれども、工法等の詳細設計でございます。

 参考資料といたしまして、水路内の水草が魚類の生息環境に果たす役割ということで、これに関する知見について、事例を掲載しております。これは、資料の4ページに載っています前回技術小委で説明させていただいた事例でございます。

 下のほうの(2)の生息・生育環境の確保の中の順応的管理を考慮した設計についても、赤文字で維持管理、作業の軽減を考慮した設計の必要性について記載させていただいています。

 その参考事例で16ページ、先ほど申しましたけれども、そういう維持管理のことも留意して、例えば、2番のU字溝・魚巣ブロックのところの3つ目のポツと、4つ目のポツとか、3番の工法を組み合わせることによる下から2行のところですね。維持管理に関する事項も記載させていただきました。

 次の17ページでございます。これも3ページに載っています。前回の技術小委でご説明いたしました水性植物の生育に配慮した水路整備の例を載せております。

 この右側にありますとおり、5つの工法で検討してD工法が一番よかったと、こういう実証をして決めた事例を載せております。

 次の18ページでございます。施工時の環境配慮でございますけれども、例えば、1番の施工時期の配慮で、施工時期の設定に当たっては、生物の生活史における重要な活動時期を考慮する施工をするということを明記させていただきまして、2番のところで、段階的施工についての具体的な事例を記載させていただきました。

 あと、3番でございますけれども、生物の移動・移植というところで、これについて、今の技術指針では、3行程度しか記載がないんですけれども、(1)として、移植の時期の検討ということで、魚類の繁殖期や植物の開花期を避けるとか、(2)で移植作業の検討ということで、やっぱり専門家の助言が必要ということとか、保全活動を行う関係団体、地域住民との連携のことを記載させていただいております。

 また、次のページの19ページでございますが、(3)で移植先の検討ということで、捕食種の存在とか、日照、乾湿条件、そういうものに留意する必要があると。また、新しく造ったビオトープ、保全池などに移植を行う場合は、その底土の落ち着きとか、餌資源の復元状況についてきちんと調査して、段階的にやる必要がある、こういうことも記載しております。また、外来植物、外来魚類に関する記載も今回入れさせていただきました。

 また、参考事例として、生物の生活史を踏まえた移動適期に関する事例を掲載させていただきました。

 また、4番の施工時における配慮ですけれども、これも従来2行程度しかなかったんですが、今回外来種も含めた施工時における配慮の留意事項を記載させていただきました。

 次の20ページでございますが、5.2.3の住民参加型直営施工ということで、これは今回新たに追加させていただきました。住民参加型直営施工に関する目的なり、効果、効用について今回記載を追加しております。

 次の21ページでございます。維持管理、モニタリングというところで、前回、環境配慮施設を整備したらやはり維持管理作業も増えると、そういうところもしっかり書いていただきたいということで、従来、ホタルとか、メダカとか、ドジョウ、こういう生物に着目した維持管理の作業は整理していたのですが、今回新たに工法別の環境配慮施設にかかわる維持管理作業をきちんと整理させていただきました。

 次の22ページでございます。モニタリング、順応的管理ということで、1番のモニタリングの進め方のところにつきましては、地域が一体となったモニタリングの必要性なり、効果、その際の留意事項について記載させていただきました。特に赤の4行目の例えばのところで、簡易なモニタリングマニュアルを整理しておくことが有効であるということで、下のほうに簡易なモニタリングマニュアルを作って取り組んでいる事例を参考資料として追記させていただきました。

 次の23ページでございます。これもモニタリングでメダカの生活史を考慮した時期の参考資料と、下のほうに動植物を対象としたモニタリングの例を今回新たに追記させていただきました。

 それと、24ページ、これ前回説明させていただきましたが、順応的管理、これを新たに項目立てさせていただきました。その上で、1番のところで、順応的管理とはどういうものなのかということをしっかり書かせていただきまして、2番で、留意事項として、例えば専門的知見を有する者の知見を活用する必要があるとか、ハードについてはなかなか事業完了後の対応が困難なので、順応的管理を念頭に置いた施設の整備を検討する必要があると。例えばということで、順応的管理をしやすい整備方法などの留意事項を記載させていただきました。

 次の25ページ、これは参考事例ということで、これも6ページに載っています前回の技術小委でご説明させていただきましたが、順応的管理の事例を今回追記いたしました。

 それと26ページの6の3維持管理・モニタリングの体制でございますが、これについても、従来3行程度しかなかったのですが、その体制整備について、記載を充実させていただきましたし、2番のところで、事業の主体から維持管理主体への引き継ぎという項目を設けて、引き継ぎ内容やその方法について記載を追記させていただきました。

 27ページでございます。ここからが主要な改定項目のマル2ということで、地域づくりということでございます。それで、申し訳ございませんが、この資料4ー2のほうをちょっと見ていただきたいと思いますが、資料4ー2、1枚めくっていただきまして、目次がございます。第1章から第5章までありまして、その次のページでございます。第6章維持管理、モニタリングということで、一番最後に、この地域づくりに関するところは、参考資料というふうな今回位置付けにさせていただきました。

 例えば、次のページを見ていただきたいんですけれども、第1章の技術指針の目的と活用ということで、解説の1番の背景のところの下から6行目あたりを見ていただきたいんですが、「これらを踏まえ、農業農村整備事業における環境配慮に係る技術の内容を見直し、その充実を図る必要性から、技術指針を改定することとした」と、これが主要改定項目1の部分でございます。

 なおということで、近年、こういうふうな取り組みが増加しており、地域の活性化に重要な役割を果たしているから、その考え方や参考事例を取りまとめ、参考資料として掲載したと、こういうふうな位置付けで今回整理させていただきました。

 それで、資料4ー1に戻りまして、前回も説明しましたけれども、まずは前段として環境保全を契機とした地域づくりの掲載の背景等について記載いたしまして、28ページでございますけれども、環境保全を契機とした地域づくりの考え方や進め方について、今回記載をさせていただいたところでございます。

 それで、29ページは、大まかな地域づくりの進め方なり、その効果をフローで書きまして、また30ページは、その地域づくりに向けた合意形成手法について、解説を記載しますとともに、地域づくりを進めていく上で活用できるような様々なコミュニケーション手法を参考として掲載させていただきました。

 あと31ページ、地域づくりの事例ということで、ここには1つしか載せていませんけれども4つほど指針に載せております。

 前回の技術小委員会における指摘と対応方針については、今ご説明したような内容で盛り込ませていただいたということでございます。

 次の、35ページにつきましては、先ほどの耐震設計等と同じスケジュールで今後やっていきたいというふうに思っております。

 以上でございます。

 

○毛利委員長

 ありがとうございました。

 たくさんの指摘事項を反映していただいているということですが、ご意見をお願いいたします。

 

○木下専門委員

 時間があれば2点ほどなんですけれども、1点目は、4ー2の資料にしか多分載ってないかもしれませんけれども、それの下にページ番号が振ってある2ページだと思うんですけれども、技術指針の活用方法ということで、単純な質問です。新旧対照、3の技術指針の活用法です。新旧対比表で黒字のままですので、前からのことだと思うんですけれども、活用方法のさらにというところの最後の段落で、自治体が行う農村環境の状況評価、農業農村整備事業を行う際の評価に活用するということで、私なんかも、県とか、農政局とかで、そういう政策評価とか、事前評価、事後評価というお仕事をいっぱいやらせていただいていますけれども、そういうようなところで、この技術指針は活用される可能性があるという、そういうイメージでよろしいでしょうか。

 ちょっと思ったのは、基本的な原論的というか、理論的、あるいは普遍的な内容と、それから参考事例というのがかなり織り交ぜてあって、参考事例はあくまで参考事例なので、それをある事例にその参考事例を比べてどうかという評価は多分ナンセンスなので、技術指針の普遍的なとか、合理的な方針に沿って計画を地方自治体とか、そういう現状とかの事業計画とかをしているという、そういうときに、この指針というのは使われるという、そんなイメージでいいのかなということ。

 それから新しいところで、多面的機能支払いの地域資源の質的向上の共同活動という文言が入っていて、この辺になると、新しい質的向上で、何か新しい取り組みを具体的にやるというときに、参考事例でそれが応用できそうなものを取り入れていくとかというふうに理論的な部分と参考事例という部分でどういうふうに活用というときに、ケースというか、具体的に活用されそうなのかとかというのが少し気になったというか、実際使われるという、うまく使われるかどうかというところで、もし何かあれば教えてください。

 

○原川計画調整室長

 基本的には、活用につきましては、農業農村整備事業をやるときに、活用していただくと、調査、計画、設計、実施ということが基本です。さらに追加ということで、例えば事業がもう既に終わっていたときに、今の最新のものを見て、さらに何かもっといいことができるんじゃないかということとか、今回、多面的機能支払いにつきましては、法律が成立しましたので、環境活動というのがかなり地域でできるようになりますので、そういうところでこれを見て、どういうことができるかと、実際やるときにはどういうふうにやればいいのかということで、プラスアルファで、活用していただければということで、さらにということで今回追記させていただきました。ただ、先ほど委員が言われたことも踏まえて、文言などをもう一回検討したいと思います。

 

○木下専門委員

 前回の私の指摘いまだって通じるんですけれども、私の個人的な考えですと、項目1は環境保全をするという政策目的というか、それをどう達成するかという話と、もう一方は地域づくりというので、本来別々の価値観なり、政策体系というのがあって、ここで、結びつけるというのが分かるような気もするんですけれども、必ずしも1が2につながるわけでもないし、2から1に対する関係はどうなのか、で、2から1に対する関係というのは、よく読むと、指針の136ページと137ページあたりだと思いますけれども、環境配慮施設の維持管理と地域が活性化しているということは、補完的な関係にあるというか、多分そこは2から1につながるという論理なのかなと。よく読むとそれが分かるんですけれども、でしたら、それをもうちょっと前面に、例えば、もう最初のなお書きのところで、その考え方というのも何を指しているかというのがちょっと文章としては分かりにくいんですけれども、考え方といって、実際136ページから137ページを見ると、考え方なのか、進め方なのか、コミュニケーション手法の紹介なのかというのがあって、考え方というのは、むしろあいまいなので、ずっと進め方と合意形成手法について参考になる基本的な考え方を載せるとかという、もっとストレートに言ったほうが私は分かりやすかったかなと思います。

 そうなると、じゃあエッセンスというか、136ページと137ページで、エッセンスかどうかというと、いろいろ専門の方がいらっしゃると思うんですけれども、例えば136ページのフローチャートと、それから137ページ合意形成書というのは、この合意形成手法がこのフローチャートのどこかに入るというイメージですかね。特にフローチャートには、合意形成という言葉がないので、小間切れに手法が出ていると思うんですけれども、現場で、これをどれぐらい参考にできるのかなというところがちょっと懸念があったかなという指摘でございます。

 

○原川計画調整室長

 今のご指摘を踏まえて、もう一回そこを整理したいと思っていますけれども、基本的には環境保全活動を通じて、魅力ある地域づくりとか、地域の活性化につながっているところがございます。大きな構成としては、ちょっと今日説明が足りなかったんですけれども、それぞれ調査の段階とか、計画の段階とか、施工段階、特に直営施工の説明をさせていただきました。あと維持管理・モニタリングの段階で、それぞれ地域づくりを見据えて、こういうことも留意配慮したほうがいいというのが実はそれぞれ書かれているわけですね。そこで最後に参考資料としてもう1回地域づくりというところを特大視してやっているという構成になっています。ただ、ちょっとそこが今分かりにくいというお話がありましたので、そういうこともしっかりどこかに書き込んで、誰が見ても分かるように整理したいと思います。

 

○吉田専門委員

 順応的管理の部分についてちょっとコメントさせていただきたいんですけれども、この順応的管理という概念の重要な部分というのは、こういう事業を行うところで、事業の中で修正も加え得るという部分が今までとはちょっと違う面なんじゃないか。今の施設を直していくという、この例で見ても、1回施工したものがちょっと都合が悪かったので、状況を見ながら修正、施工というのを行ったという理解でよろしいんですよね。

 管理というと、施工した後の管理というような印象を与えるんですけれども、実際順応的管理のこの意味というのは、むしろ事業の中の問題という面もあると思いますので、そのときに、維持管理・モニタリングという章の中で位置付けて、それで順応的管理という考え方がありますよという、このセクションを設けていただいたというのは非常に意義が深いと思うんですけれども、位置付けとして、もう少し設計の段階とか、事業の中として、扱うという必要はないのかなという、ちょっとそういう印象を持ったものですから、コメントさせていただきました。いかがでしょうか。

 

○原川計画調整室長

 我々の理解では、この順応的管理は維持管理のところに入れているんですけれども、24ページに書いていますけれども、生態系は絶えず変化すると、だから一回これがいいだろうと思って配慮してつくって、事業を完了して、その後、やっぱり不都合が生じたという段階での変更というか、修正という意味合いで、ここに入れているということです。

 

○吉田専門委員

 そうしますと、事業の期間中に修正を加えていくというようなことは全く念頭にはなくて、一回完了した後、その維持管理主体が修正していくという、その修正をしやすいようにつくりましょうという、そういうコンセプトと理解していいんですか。

 

○原川計画調整室長

 そうです。

 

○吉田専門委員

 分かりました。そういうことでしたらこういう位置付けでよろしいかと。

 

○原川計画調整室長

 ただ、この事例が事業の途中で分かったというものなんですけれども、コンセプトとしては、今、吉田委員が言われたとおりです。

 

○吉田専門委員

 ちょっと事例が事業の中でというのが表に出ていて、これが印象が濃いものですから、こういう事業の中で修正も加えるという、そういう考え方に変更していくのかなというような、そういう印象を受けますので、ちょっとその辺工夫されたほうがいいかもしれません。

 

○原川計画調整室長

 分かりました。

 

○武山専門委員

 農業農村整備で扱う環境というものは、もう本当にナチュラルな自然ではなくて、二次的自然であるというところが、極めて大きな特徴だと思うんですけれども、それは、やっぱり管理、利用されてこそ初めて環境機能も維持されるわけでして、そういう意味では、今回の改定の中で、施工後の維持管理のしやすさでありますとか、また地域づくりを通じた利用を介して、またこれが維持管理されていくというところへの書き込みがなされたということは、極めて画期的で、また農業農村整備というものの特徴を極めて明確に表現されたんじゃないかなと思って、非常に感動しておるところです。

 1点なんですけれども、いわゆるこういう土木工事を伴う環境配慮というのは、最近ではミティゲーションという言葉がよく用いられていると思うんです。それで、この中の施工時の、例えば被害の最小化であるとか、移植であるとか、こういったことは、ミティゲーションという考え方の中に盛り込まれていることになるかと思うんですけれども、そのような文言というのは、この技術指針の中には出てきますでしょうか、また、他のところにも出てくるようなことはございますでしょうか。

 

○原川計画調整室長

 ミティゲーションの基本的な考え方としてミティゲーションの原則に基づいてやるというのは、今のところにしっかり書かれておりますので。ちょっと今日はそこの説明は省かせてもらいました。

 

○武山専門委員

 分かりました。すみません。今順応的管理という文言の説明がきちんと明記をされていたので、恐らく現場の技術者の方、ミティゲーションということの考え方も農業の整備の中でどのように扱えばいいかということも書いて差し上げると非常に親切かなというふうに思ったという、これはちょっと付加的なことでございます。ありがとうございます。

 

○毛利委員長

 ありがとうございました。

 他に、どうぞ堀野委員。

 

○堀野専門委員

 確認をさせてください。

 参考事例も結構盛りだくさん入れられていて、非常に僕が評価するのもおかしいんですけれども、ありがたい資料になっているんじゃないかと。土地改良法が変わってからもう10年以上経つので、大分こういった工法のデータが蓄積されてきていると思いますから、できるだけ読みやすく整理して、入れていただくと助かるというのと、ちょっと確認はしてないんですけれども、これ前にも言ったかもしれないがダメだった事例、ある地区全部がダメということはないでしょうけれども、こんなふうにするとちょっと予想したほど効果がなかったよというようなものも入れていただくと、現場の技術者にとってはありがたいんではないかと。あまり、こうやるといいよ、これいいよと言うだけじゃなくて、これはアカンかったよというのもあるとありがたいなと思います。

 それから、また細かい話であります。24ページとかに書かれています、例えば「ふゆみずたんぼ」ってありますよね。これは冬期湛水、僕らが普通に専門的に言う冬期湛水のことだと思うんですが、これをあえてかぎ括弧にされている意味は何かあるのかと。どこかの地域でそう呼んでいる、例えば何か地域で取り組まれていることを指すのであれば、その地域名でも入れていただいたほうが、ここだけ何かちょっとポツッといきなり出てくるのが唐突感があるので、事例として挙げてあるなら地名でも入れていただいたほうがいいんじゃないかなと思います。

 最後もう一個、これも教えてほしいんですが、用語として住民参加型、ここまではいいとして、直営施工というのは、これはこういうタームとしてあるんですか。直営というところが、どういうニュアンスで書かれているか。

 

○原川計画調整室長

 これは直営施工については、実はもうマニュアルもあって、そこで直営施工というふうな言葉を使っています。

「ふゆみずたんぼ」については、平仮名なので、かぎ括弧をつけたほうが分かりやすいかなということでかぎ括弧をつけさせていただいております。

 

○堀野専門委員

 例えば、冬期湛水とすればダメですか。

 

○原川計画調整室長

 いや全然ダメとか、そういう考えはなくて、ただ「ふゆみずたんぼ」としただけです。

 そこはもう一回検討させていただきます。

 

○堀野専門委員

 そうですか。

 

○毛利委員長

 いかがでしょうか。

 島田委員は何かございますか。

 どうぞお願いいたします。

 

○島田専門委員

 農村の環境の取り組みは非常にこれから重要になってくると思います。それで、今、堀野委員からご提言がありましたように、あちこちでいろいろな取り組み、これもすごく大変な取り組みが行われると思います。そういう点で、これの情報をお互いに共有するようなシステムというか、これはかなり土地改良区が担っていただけるのかと思いますけれども、いい例、悪い例を情報交換すると、より日本の農村をうまく活かせるんではないかなと思います。そういうコミュニケーションづくりを農水省のほうでもご検討いただけたらというふうに考えております。

 

○毛利委員長

 ありがとうございました。

 先ほど事例が盛りだくさんで、非常に分かりやすくなったという評価をいただいておりますけれども、ここに掲載されている事例というのは、その後のモニタリングもされていて、継承されているものばかりということでしょうかね。

 

○原川計画調整室長

 そういう事例です。

 

○毛利委員長

 希少な事例でその地区だけしか適用できないようなものであれば、そのことを表現しておいたほうがいいと思います。また、全国展開できるものであれば、そういうふうに読み取りができるようにしておいていただいたほうが受け取り手も分かりやすいと思います。ありがとうございました。

 最後にもう一言ということであればお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

 よろしいですか。

 ありがとうございました。それでは、予定しておりました議事は終了いたしましたので、事務局のほうにお返しいたします。よろしくお願いいたします。

 

○原川計画調整室長

 本日は、多くの貴重なご意見をいただき本当にありがとうございました。

 次回の開催でございますけれども、2月頃を予定しております。5つの基準等につきまして、これまでご意見いただいた内容と、あとパブリックコメントの結果を踏まえた上で改定案を提示させていただきたいというふうに思っております。

 改めて事務局より日程調整のご連絡をさせていただきますのでよろしくお願いします。

 以上もちまして、本日の技術小委員会は閉会させていただきます。

 本日は、どうもありがとうございました。

 

 

お問い合わせ先

農村振興局整備部設計課計画調整室
担当者:計画企画班
代表:03-3502-8111(内線5514)
ダイヤルイン:03-6744-2201
FAX:03-3500-4053

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