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平成27年度第1回技術小委員会議事録

1.日時及び場所

日時:平成28年2月29日(月曜日)13時30分~15時00分

場所:農林水産省北別館7階 農村振興局第1会議室

2.議事

(1)委員長の指名について(報告)

(2)技術小委員会への付託事項について

(3)土地改良事業計画設計基準・計画「暗渠排水」の改定について

(4)農業農村整備に関する技術開発計画の策定について

(5)その他

3.議事内容

議事録(PDF:596KB)

○原川計画調整室長
  ただいまから平成27年度第1回農業農村振興整備部会技術小委員会を開催いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中ご参集いただきありがとうございます。
  本日は、委員改選後初めての会合となりますので、私から委員の皆様方を座席順にご紹介させていただきます。
  まず、臨時委員になりますが、茨城大学教授の毛利委員でございます。

○毛利委員
  毛利でございます。よろしくお願いいたします。

○原川計画調整室長
  次に、専門委員の方々をご紹介します。
  東京大学大学院准教授の飯田委員でございます。

○飯田委員
  飯田でございます。どうぞよろしくお願いします。

○原川計画調整室長
  農村工学研究所主任研究員の北川委員でございます。

○北川委員
  北川です。どうぞよろしくお願いします。

○原川計画調整室長
  同じく農村工学研究所上席研究員の中嶋委員でござまいす。

○中嶋委員
  中嶋と申します。よろしくお願いいたします。

○原川計画調整室長
  岡山大学大学院助教の本田委員でございます。

○本田委員
  本田でございます。よろしくお願いします。

○原川計画調整室長
  佐賀大学准教授の弓削委員でございます。

○弓削委員
  どうぞよろしくお願いいたします。

○原川計画調整室長
  東京大学大学院准教授の吉田委員でございます。

○吉田委員
  吉田でございます。よろしくお願いいたします。

○原川計画調整室長
  新潟県土地改良事業団体連合会専務理事の渡辺委員でございます。

○渡辺委員
  渡辺でございます。よろしくお願いいたします。

○原川計画調整室長
  なお、農村工学研究所上席研究員の樽屋委員におかれましては、所用により欠席とのご連絡をいただいております。
  それでは、室本農村振興局次長より挨拶を申し上げます。

○室本農村振興局次長
  皆様方におかれましては、年度末の大変ご多忙の中、ご参集いただきまして厚くお礼申し上げます。また、先ほど司会からありましたように、本日は委員改選後初めての会合ということでございます。新任の委員の皆様方におかれましては、就任をご承諾いただきまして、心より感謝申し上げます。
  この技術小委員会におきましては、計画設計基準の計画「暗渠排水」の改定と、新たな農業農村整備に関する技術開発計画の策定に向けた第1回の委員会ということでございまして、これら基準等を改定する背景や検討方向等について本日ご説明をさせていただきたいと考えております。
  当省におきましては、TPP協定の大筋合意を受けまして、農業の成長産業化を促進し、美しく活力ある農村の創出に向けた取組を進めているところでございます。土地改良事業についても、これまで以上に現場の成果が上がるように、新たな知見や技術を活用しながら、効率的・効果的に事業を推進していくことが求められております。
  ご審議いただく2つの事項は、このような観点から非常に重要な事項と考えておりまして、委員の皆様方におかれましては、忌憚のないご意見、活発なご審議をお願い申し上げまして、開会の挨拶とさせていただきます。
  本日はよろしくお願いいたします。

○原川計画調整室長
  ありがとうございます。
  それでは、本会議の公開方法について説明させていただきます。本会議は、傍聴については可とし、会議の配布資料は会議終了後、議事録は内容をご確認いただき、発言者の氏名を明記した上で、ホームページにて公開させていただきますので、ご了承をお願いいたします。
  次に、配布資料について確認させていただきます。会議次第、委員名簿、配布資料一覧、資料1から4までございます。参考資料といたしまして、1から5までとなっております。
  不足等あれば事務局に言っていただければと思っております。
  それでは、議事に従いまして進めさせていただきます。
  最初の議事は委員長の指名でございますが、まず、資料1で技術小委員会の位置付け等について説明させていただきます。
  農林水産省の審議会の概要です。一番上に食料・農業・農村政策審議会がございまして、その下に9つの部会があります。その中に、農業農村振興整備部会がございまして、その下に技術小委員会があるという位置付けになっております。
  2ページは、食料・農業・農村政策審議会の議事規則です。3ページ、その中の第9条ですが、この農業農村振興整備部会の部会長は、京都大学大学院の渡邉紹裕教授にお願いしております。第9条「部会長は、必要あると認めるときは、特定の事項を部会長の指名する委員によって構成する小委員会に付託し、調査審議させることができる。」と、ここが規定になっております。
  4ページ、技術小委員会の設置についてというものでございまして、まず第1に、先ほど申しました9条の規定に基づきまして、技術小委員会を置くとなっております。技術小委員会の調査審議事項ですが、先ほど次長からあったとおり、計画設計基準、管理基準の制改定並びに農業農村整備事業の実施に必要な技術的課題となっております。
  3でございますが、技術小委員会の委員長は部会長が指名するとなっております。本委員会の委員長につきましては、渡邉部会長から毛利委員を指名させていただきたいというご意向がございましたので、この場でご報告させていただきます。
  それでは、毛利委員長から一言ご挨拶いただくとともに、以降の議事進行についてお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

○毛利委員長
  甚だ力不足でございますけれども、先生方のご意見をいただきながら公正に審議を進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。是非とも忌憚のないご意見をいただきまして、基準と技術開発計画を実効性のあるものにしていきたいと考えております。特に「暗渠排水」につきましては、15年ぶりの改定ということであります。その間様々な技術開発がなされてきておりますし、将来の農業を左右するような大きな技術も出てきております。そういうものを背景に、将来の農業を技術でしっかりと支えるという意味での基準になってほしいと願っております。技術開発計画につきましても同じで、農業の方向性を技術でしっかりと支えるという意味で、様々な角度からご意見をいただきまして、まとめていただきたいと思っておりますので、ぜひとも活発なご意見をお願いいたします。
  それでは、議事次第に従いまして進めさせていただきます。
  事務局よりご説明をお願いいたします。

○原川計画調整室長
  資料2です。技術小委員会への付託事項ということで、大きく2点ございます。
  1つは計画基準「暗渠排水」の改定。こちらは大臣諮問でございます。大区画化の推進に対応した暗渠排水計画の策定、汎用化による高付加価値型農業への転換を促進するための地下かんがい等の暗渠排水技術の導入、また、効率的な保全管理手法等々について記載の充実を図るというものです。
  2点目が農業農村整備に関する技術開発計画の策定です。現在、次期土地改良長期計画の検討を行っておりますが、実用性に富み、社会に貢献し得る技術開発を推進する観点から、技術開発の展開方向について新たな技術開発計画として取りまとめるというものです。
  第1回の技術小委員会は2月下旬から3月上旬と記載しておりますが、本日2月29日に開催いたしまして、来年度も引き続き2回から3回程度開催予定でございます。
  事務局からの説明は以上です。

○毛利委員長
  ありがとうございました。
  ただいま事務局よりご説明いただきました。2つの項目が付託されておりますけれども、ここまでの部分でご意見等ありますでしょうか。よろしいでしょうか。来年度も引き続き2、3回程度ということで、全体的にはそんなに多くの会合を持てるわけではありません。1つずつ前に進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  それでは、後ほどご意見をいただいても構わないと思いますので、よろしくお願いいたします。
  次の議事は、土地改良事業計画設計基準・計画「暗渠排水」の改定についてです。
  事務局よりご説明をお願いいたします。

○森澤農村環境課長
  農村環境課長の森澤でございます。本日お配りいたしました資料の資料3をご覧ください。計画基準「暗渠排水」の改定についてという資料でございます。
  1ページおめくりいただきまして、最初に暗渠排水の目的及び効果について整理させていただいております。「釈迦に説法」のところはございますけれども、ご案内のとおり、我が国は、モンスーンアジア、湿潤気候のもとで、湿害回避あるいは排水改良というのは不可避な課題になっておりまして、暗渠排水は大変重要な役割を担っているという形で整理させていただいております。
  まず第1点は、作物の生育環境を改善して収量の増大、あるいは、品質の向上を図ることが可能という効果があるということ。お手元の資料に写真を載せてございますが、左から2番目は大豆畑で暗渠排水の有無の写真でございますけれども、暗渠がある場合に生育環境の改善が如実に図られるという点が効果の1点目でございます。
  次に、効果の2点目といたしまして、農作業環境の改善ということで、農業機械の作業効率化が図られるというメリットがございます。これは、右から2番目の写真にございますとおり、いわゆる踏み抜き等が発生して機械作業に支障を来すようなことがなくなるということでございます。
  3点目の目的・効果といたしまして、排水性の改善を通じまして、水田の汎用性が向上する。その上で、戦略作物等の生産拡大に寄与するということで、いわゆる経営面での選択肢の幅が広がっていくという効果が期待されるということで、これも一番右側にございますとおり、水田を畑地化して麦の作付ができる、ブロックローテーションも可能になるということがございます。
  それから、一番左側に本暗渠の施工状況ということで写真を載せてございます。これは念のためでございますけれども、本計画基準で取扱う暗渠の範囲でございますけれども、この写真に載せておりますいわゆる本暗渠、暗渠管、吸水管に疎水材を入れるということの他に、いわゆる弾丸暗渠等の資材を使わない暗渠、あるいは、疎水材だけの簡易暗渠といったような、補助暗渠についてもこの基準の中で対象にしているということでございまして、この本暗渠並びに補助暗渠の計画設計、施工の考え方をこの基準の中で示していくという形で整理させていただいております。
  2ページでございます。暗渠排水基準の計画改定の内容でございます。先ほど委員長からお話がございましたとおり、平成12年の改定から15年が経過しております。もともとこの暗渠排水基準が最初にできたのが昭和30年でございまして、次が昭和54年、現行の平成12年の基準という形になっておりまして、15年が経過して、第4次の改定を今考えているところでございます。
  この見直しの背景事情といたしまして、事務局としては3点整理をしております。
  まず1点目が、現行の土地改良長期計画の中で大区画化・汎用化等による農業の体質強化を掲げ、この中で排水不良水田の排水性の向上、あるいは、地下水位制御システムの導入、農業者の自力施工等による暗渠排水の整備ということが位置付けられております。その後の食料・農業・農村基本計画、あるいは、平成27年度のいわゆる「骨太2015」等の中でも同様の位置付けがされておりまして、それらの整理については、資料2の左側にポイントを幾つか整理させていただいております。この農政の動向が見直し背景の1点目でございます。
  2点目の背景事情といたしましては、昭和50年代から平成初期頃をピークに整備された暗渠排水が、30年程度経過して、標準耐用年数に到達又は超過する施設が年々増加しているということでございます。これも後ほど詳しくご説明いたしますが、こういう形で老朽化が進んでいるという事情がございます。
  それから、見直し背景事情の3点目でございますけれども、申し訳ございません、これは資料の中に入ってございません。私ども、今回事業計画を担当している現場のユーザーの皆様からいろいろなニーズを聞かせていただいております。具体的には計画基準改定調査の中の意見聴取会で都道府県等の担当者の皆様から様々な意見を聴取いたしました。その中で、暗渠排水計画基準の改定については63件の意見をいただいております。
  それぞれ逐一つまびらかにはご説明いたしませんけれども、先ほど委員長からお話がございましたとおり、15年が経過して社会情勢が変わっているということで、その変化に対応した計画の見直しが必要ではないかという意見が非常に多くございました。あるいは、これも後ほどご説明しますが、地下かんがいの記載を充実するべきであるとか、いわゆる暗渠の更新整備、維持管理についての記述の充実が必要ではないかというような意見もいただいております。
  以上のような農政、老朽化の動向、それから、現場のユーザーの声等を踏まえまして、私どもとしては、検討項目といたしまして、右側にございますとおり、大きく4つの方向性を考えているところでございます。後ほど個別にご説明をさせていただきたいと思います。
  続いて3ページ目でございます。中身に入ります前に、計画基準の内容及び構成ということ、そもそも論という形で若干整理させていただいております。
  一番上に書いてございますとおり、計画基準とはということで、土地改良事業計画の策定にあたりまして遵守すべき調査・計画に関する基準を定めたものという形になっております。その上で、この計画基準の構成でございますけれども、これは基本的には基準書と技術書からなり、基準書というものは基準本文、それから、基準本文の運用にあたって遵守すべき内容、それらの根拠・背景等を示した解説という3つの中身、それから、基準書に入らない技術の解説や具体的な取組事例をまとめた技術書という形の構成になっておりまして、基本的には暗渠排水の計画基準に限らず、計画基準につきましては、こういった体系になっております。これは平成6年のかんがい排水審議会の技術部会の中で整理された体系をそのまま準用しているものでございます。この中で特にポイントは、一番下に赤字で書いてございますとおり、この技術小委の親部会でございます農業農村振興整備部会の答申では、基準書のうちの基準本文を対象にしているというところがポイントになるかと思います。
  続きまして、4ページからが主な改定の中身でございます。先ほど4点と申しましたけれども、順次ご説明させていただきたいと思います。
  まず(1)といたしまして、農地の大区画化の推進に対応した暗渠排水計画の策定ということで、課題の最初のマルに書いてございますとおり、ほ場の大区画化等の農地整備を現行の土地改良長計の中でも進めるという形で位置付けられております。下に円グラフと棒グラフがございます。基本的には同じような中身でございますけれども、いわゆる1ha程度以上の大区画のほ場が平成24年度は22万ha程度あると。整備率でいうと9%程度であると。これをおよそ5年後、平成29年頃に40万haまで拡大していくというのが、現行の土地改良長計の方針となっております。
  その上で、課題の2つ目のマルにございますとおり、 現行の基準で目安としている暗渠管の敷設勾配がございます。具体的に申しますと、敷設勾配100分の1から1000分の1が現行基準で定められておりまして、これをそのまま大区画の農地に適用した場合どうなるかということでございます。今、100分の1から1000分の1と申しましたけれども、例えばこの中間値の500分の1という敷設勾配で大区画農地の長辺部分200mとした場合、上流端と下流端の出口での高低差がどれくらいになるかというと、単純にいうと40cmの差が出るという形になります。場合によっては、ここに書いてございますとおり、排水路の深さが過剰に深くなって、排水路の維持管理労力の増大、あるいは、法面長が長くなりますので、作業の安全性に支障を来す可能性があると。当然、施工費の増等もあるということで、そのまま現行の基準を適用できない場合があるのではないかというのが課題の2つ目のマルに書いてあるところでございます。
  その上で、検討の方向でございますけれども、最初のマルに書いてございますとおり、大区画に対応した暗渠排水計画の策定にあたりまして、無勾配を含む緩勾配敷設を導入できないかということ。これは先ほど申しました1000分の1以下という形になろうかと思いますけれども、そういった形での勾配で、さらに排水能力に支障を来さない形での計画施工条件、あるいは、維持管理上の留意事項を基準に追加できないかということを考えているところでございます。
  さらに、検討方向の2点目といたしましては、例えば大区画化する場合でも、畦畔除去によって区画拡大する場合もございますので、こういう場合は耕区長辺方向というよりも、耕区短辺方向での暗渠管の敷設も当然考えられるわけでございまして、こういった場合の暗渠排水組織図を基準書へ追加することも検討してまいりたいと考えているところでございます。
  続きまして5ページ目でございます。見直しの2点目、汎用化による高付加価値農業への転換を推進するための暗渠排水技術の導入ということで、これも現行の土地改良長計の中で水田の汎用化の推進を謳っているわけでございまして、特に先ほども申したとおり畑作物の湿害回避のためには用排水の制御が非常に重要なポイントになってくるということでございます。下にオレンジと緑の棒グラフをお示ししておりますが、暗渠排水の整備等によりまして、麦、大豆等の畑作物の作付拡大が当然ながら図られていくという事例がございます。
  さらに課題のマル2でございますけれども、特に地下水位をコントロールしていく際には、地下水位制御システムが非常に重要な記述になってくるかと考えております。この地下水位制御システムにつきましては、平成25年のほ場整備(水田)の中で記載させていただいている経緯がございますけれども、現行の暗渠排水の基準の中にはそういった記載がないということが課題として挙げられます。
  それから、「また」以下で書いてございますが、これも先ほどの大区画水田と同じようなロジックになるかと思いますけれども、排水路が浅い等の現場条件によっては、現行の基準の埋設深や勾配に適合した暗渠排水の敷設ができないケースがあるということで、具体的には浅埋設暗渠排水に関する記載も必要ではないかという形で整理させていただいております。
  その上で、検討の方向といたしまして、地下水位制御システムを導入するための計画施工条件、維持管理上の留意事項等を基準に追加できないか。さらに、浅埋設工法という形で、現行の水田・畑利用の埋設深は大体60から80cmという形で基準をつくってございますけれども、それよりやや浅い程度、50cm程度での浅埋設工法というものも留意事項や事例等を技術書に追加できないかということを考えております。当然、浅埋設工法という形になりますと、土質や地耐力によりましては、暗渠管は閉塞してしまったり、不陸が発生してしまったりといったような機能低下の恐れもございますので、そういった機能低下を起こさないためにはどうするべきという形での整理も必要かと考えております。
  続きまして6ページ目、見直しの3点目でございます。ストックマネジメント手法を導入した暗渠排水施設の効率的な保全管理ということで、先ほど老朽化というお話をさせていただきましたが、下にグラフを載せてございます。まず緑色の棒グラフをご覧いただきたいと思います。特に平成25年以前の数値を見ていただきたいのですけれども、新規の整備という形で暗渠排水の整備が行われた面積をそのまま経年的に載せております。
  その上で、白の点線で耐用年数外という形で棒グラフを積み重ねております。これは、参考の白丸の3つ目に「耐用年数は」と書いてございますけれども、「農林水産省の土地改良事業におけます経済効果の策定に必要な諸係数について」というところから引用いたしまして、この中の標準耐用年数15年から30年という完全暗渠の最大値、つまり30年という数値を、緑色のグラフをそのまま右側にシフトした形で単純に試算したグラフということでございます。見ていただくと一目瞭然でございますけれども、平成20年度以降にピークの山が来ているということでございまして、これまで以上に効率的・計画的な保全管理が重要になってきているということでございます。
  その上で、課題のマル2に書いてございますとおり、現行の基準の中では、機能低下状況に応じた補修や長寿命化に関する記載がございませんので、そこを盛り込んでいくということが検討の方向になります。具体的には、最初のマルに書いてございますとおり、暗渠排水施設の保全管理にもストックマネジメント手法を導入する。「にも」というのがポイントでございまして、従前の暗渠排水以外の施設に関します計画基準の中では、順次、ストックマネジメント手法の導入を進めているところでございます。具体的には平成22年の農業用水(水田)のときからストックマネジメント手法を導入しておりますので、今回の暗渠排水計画基準の中でも同様に、ストックマネジメント手法の導入を進めて、定期的な機能診断、あるいは、それに基づく機能保全対策の手法を基準に追加できないかということを考えているところでございます。
  その上で、先ほどこの基準の対象というところで申したとおり、暗渠管だけではなくて、疎水材につきましても見直しの視野に入ってくるということで、右側に疎水材(モミガラ)の場合の腐食の状況、腐食によって機能低下しているという状況でございます。特に疎水材の場合は、それぞれの資材、あるいは、現場の条件、地下水位や田畑輪換の条件によりまして、同じ疎水材でも耐用年数は様々異なるという状況がございますけれども、この疎水材の長寿命化の可能性というのも併せてこの中では検討してまいりたいと事務方としては考えているところでございます。
  それから、検討の方向の2点目、2つ目のマルでございますけれども、保全管理に関する各手法につきまして、例えば心土破砕や管内洗浄等々がございますけれども、そういった場合には農業者の自力施工を活用した整備手法の導入も視野に入れて基準に追加していきたいと考えているところでございます。
  続いて7ページ目でございます。技術の進展等に応じた効率的・効果的な事業の実施ということで、これも先ほど委員長からございましたとおり、前回の改定から15年が経過して、新たな暗渠排水技術の普及が進んでおります。下の写真で3つばかり事例を載せてございます。例えば一番左側は、非開削工法によりまして、疎水材と吸水管を同時に敷設する一体施工の工法でございますが、こういった掘削土が生じないような効率的な施工方法がございます。真ん中にございますのはカットドレーンでございますけれども、従来工法よりも耐久性の高いほ場暗渠、穴が横にずれていくということで、土の崩落を受けにくいという形で耐久性が高いような工法がございます。それから、ほ場暗渠の場合の疎水材を入れる方法といたしまして、簡易な暗渠開削充てん機械「もみさぶろう」という機械でございますけれども、こういったものを使ってほ場暗渠の施工も行われております。こういった技術を視野に入れながら新しく基準の中に追加できないかということを考えているところでございます。
  その上で、検討の方向に書いてございますとおり、例えばカットドレーンや「もみさぶろう」の場合もそうでございますけれども、農業者の自力施工を活用した整備手法が可能であろうということで、自力施工も視野に入れた基準への追加を考えてまいりたいと考えております。
  さらに、課題の2点目といたしまして、マルの一番下でございますけれども、東日本大震災に伴います津波浸水によりまして、農地の塩害対策ということで、暗渠排水を利用した除塩事業の知見が蓄積されておりますので、こういった施工フロー、あるいは、留意事項、事例等を技術書の中に追加することを検討してまいりたいと考えているところでございます。
  最後、8ページでございます。今後のスケジュール(案)を示しております。先ほどご説明がありましたとおり、平成27年度、1月29日に技術小委員会への諮問付託が行われておりまして、本日が第1回目の会合ということでございます。平成28年度の4月から10月ごろに2回目のご審議、それから、2月頃に3回目のご審議をいただきまして、年度末までには親部会の答申をいただきたいと考えているところでございます。その上で、パブリックコメント等を経まして、平成29年度のできるだけ早い時期に計画基準の基準書の改定通知を行いたいと思っておりますし、平成29年度内には技術書の改定通知も併せて行ってまいりたいというのが、今、事務局で考えているところでございます。
  説明は以上でございます。

○毛利委員長
  ありがとうございました。
  事務局より暗渠排水についてご説明をいただきました。それでは、委員の皆様からご意見、ご質問等をいただきたいと思います。どこからでも構いませんので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
  北川委員、よろしくお願いします。

○北川委員
  せっかくの機会ですので、一言、ご意見させていただけたらありがたいと思います。
  今、次長からもお話があったように、TPPが絡んで今後の日本の農政、米だけをつくっていくだけではなくて、転換畑や高収益のものを入れていかなければならないということで、この暗渠排水も時代の流れに沿った、農家の人に一番身近な工種の改定だと考えています。今までの暗渠排水の設計指針は、どちらかというと水田をターゲットにしてきた感があり、暗渠の深さもだんだん浅くなり、今回も無勾配化という提案もなされているということで、水田を中心に改善が進む部分があると思います。
  一方で、食の多様化ということで、米の消費も減っており、畑作物を導入してその収量を高収にしなければならないということと、畑の収量もヨーロッパ並みに追いついて、小麦などは1t収穫するような地域もあります。両方はとてもかけ離れた部分があり、それぞれに対応した暗渠排水というものもあると思います。
特に今回の提案である深さと勾配については、水田の暗渠を対象にしており水田から畑に転換する場合には、地形が無勾配で排水路も浅く条件が悪いところでも暗渠を積極的に入れていこうということになり、このときには暗渠の無勾配化と浅層化というのもある。一方で、畑作物がヨーロッパ並みにとれているような地域では、暗渠の低勾配化だけを導入すると逆に地域の生産性の実態を考慮しない技術となる場合もあると思います。
  特に北海道の網走のように畑だけの暗渠排水の設計指針を使うような場合には、作物の根域を拡大して、麦の収量で1t収穫しようとすることを目標にしますので、1m近くまで根が入ることから暗渠排水設計指針のぎりぎりの80cmぐらいの深さに管を入れなければ根域全体を守れないということになります。このように、できればある程度浅い方にもターゲットを置きつつ、深いところにも対応できるような基準の記載も必要で、低平地水田と畑作地帯の両方で使えるように暗渠の深さや勾配など基準の設定をご配慮いただきたいと思います。
  また、疎水材の耐久性については、構造的な耐久性に影響し、モミガラの腐朽が重要になってくると思います。日本の場合は、北は北緯45度から北緯20度台の九州の南の方までの寒冷地から亜熱帯地までを網羅する世界でもあまり例のない気候帯を持つ農業地帯です。緯度の狭いヨーロッパのある国の設計指針をそのまま利用できるというわけではなくて、北の方の国の設計指針とエジプトあたりの設計指針を考慮すべき国であるとか思います。そういう点では、今までは地域にある疎水材を使いながら、耐久性を度外視して、地域で安くできるような設計指針の思想もあったと思いますが、先ほど耐久年数30年の場合、耐用年数外の暗渠が増えてくるとのご指摘もあったように、疎水材の耐久性についても、今までのただ単に羅列した一覧表だけではなくて、資材の地域的な腐朽の違いなどを考慮した工夫が必要になってくると思います。
  これが2点目で、3点目としては新技術の導入について、農家の方が活用できる技術の導入というのは、基盤整備と受益者の農家の人たちの維持管理という点で機能維持の両輪だと思っています。今回、何点かの事例がありましたが、この他にもまだまだ農家の人たちが取り組める技術というのは、色々な成果情報が様々な地域でも行われている例もあると思いますので、この辺ちょっと充実させた記載を、基準書ではなくて技術書になるとは思うのですが充実させていただければありがたいと思います。
  まずは3点ご意見として述べさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○毛利委員長
  ありがとうございました。
  暗渠の深さ、疎水材、農家の技術というところで3点ご意見いただきました。関連する項目についてご意見がありましたら、お願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。重要な項目だと思いますけれども。
  吉田先生、よろしくお願いいたします。

○吉田委員
  関連する項目ということで一つ述べさせていただきたいと思います。
  今、地下水位の制御が畑と水田で違うという話が出ましたけれども、この「地下水位」という用語の使い方については、分かりやすいように書いていかないと、今のような水田の場合の耕盤の上に水が溜まっているようなのと、畑のようなところで常時水位が高いという地域の暗渠排水と考え方が違いますので、その辺は十分分かりやすく解説するということで。これまでもそのような意識を持ちながら改定してきたのは存じ上げていますが、今回も一層そういうところは気をつけてつくっていただくといいのではないかなと思います。
  関連することとしては以上です。

○毛利委員長
  北川委員は補足することはありますでしょうか。大丈夫ですか。

○北川委員
  そのとおりで。地下水位という形で、土の中に入っているものを全て地下水位と述べている例が多かったので、停滞しているのか、本当に地下水位が高いのかというような記載は、基準書にどこまで書けるか分からないのですが、気をつけて書いていただけると、技術者も理解が深まると思います。

○毛利委員長
  よろしいでしょうか。
  それでは、事務局から何かございますか。

○森澤農村環境課長
  ご意見ありがとうございます。
  基本的には、今いただきましたご意見を踏まえまして、さらに検討を進めてまいりたいと思いますけれども、北川先生からございました1点目のところについては、水田の場合の水田利用と畑利用の場合、それから、畑地そのものの場合という形の使い分けはこの基準書の中できちんと使い分けて、書き分けもしていきたいと思っております。
  それから、疎水材についても、ご指摘ございましたとおり、今まではどちらかというと地域入手性みたいなところを重点的に書いていた部分がございましたけれども、耐久性なり、他の吸水管の場合は施工性みたいなものも当然問題になってきますので、そういった形での総合的な検討を進めていきたいと思っております。
  また、新技術、特に農家が導入できる技術というところで、今日は3例程度でございましたけれども、さらに私どもも事例調査等を進めまして、積極的に拾い上げていきたいと考えているところでございます。
  それから、地下水位はまさにご指摘のとおりでございまして、現行の農業用水(畑)やほ場整備(水田)のときにも、地下水位制御システムについては相当書き分けた経緯がございますので、そういったところも踏まえてきちんと誤解のないような形での書き分けをしていきたいと思っております。

○毛利委員長
  ありがとうございました。
  それでは、他にご意見、項目ありましたら。どうぞ、吉田委員。

○吉田委員
  今回、暗渠排水という名前の基準ということですけれども、地下かんがいをかなり細かく書いていくとなると、「暗渠排水」という名前で良いのかどうかというところがちょっと気にならなくはないのですけれども、ある意味かんがい技術ですよね。そういう意味でいうと、その辺も検討されたらいかがかなという気もしますので、ご意見いただければと思います。

○毛利委員長
  委員の先生方、どのように受けとめておられますでしょうか。

○森澤農村環境課長
  参考資料2の2ページ目の上が計画基準の全体の体系図になっておりまして、主要な8工種毎に計画基準をつくっております。そして、赤で書いてございますとおり、今回、暗渠排水、平成12年につくったものを見直すという形で、順次、ほ場整備なり農業用水の見直しは進めてきております。また、排水も平成18年に行っておりまして、揚排水ということになると全部にかかってくるところもございますので、こういったことで適宜この整理の中で入れていきたいと考えているところでございます。

○毛利委員長
  そうですね、色々な計画基準にオーバーラップするところがあるということですけれども、新しい技術が開発されてくると、そういうところがどんどん検討事項が増えてくるというのはいた仕方ないところではあります。どちらにしても使い勝手のいい、実効性のあるものにしていっていただきたいと思います。全体を見て、しかるべきときにはこの枠組みも見直していただくということになるかもしれませんが、今回はそういうことだと理解させていただきたいと思います。
  他に、渡辺委員、よろしくお願いします。

○渡辺専門委員
  今の地下かんがいの技術について、暗渠排水基準の中にもっと盛り込んだ方がいいのではというご意見が出ましたけれども、私、実は暗渠排水の計画基準の検討メンバーの一人でありまして、その会議の中でも、色々なことを暗渠排水の基準に盛り込もうという意見もあり、徐々に基準そのものが網羅的になっていって、どうなのかなという気もします。
  いわゆる地下かんがいそのものは、あくまでも一つの営農上のかんがい技術の延長線との整理にさせていただいた方がいいのかなと。暗渠排水というのは地下水を安定的に排除するという目的があるわけですので、その主目的についてしっかりまとめていただいて、地下かんがいそのものは派生的にくっついてきたような技術なので、その辺についてまでこの基準の中で書き込むとどっちつかずになってしまうような感じがしますので、その辺はもう少し時間をかけて整理していかれた方がいいのではないかと感じています。

○毛利委員長
  細かい技術を見ていないのでどこまで議論できるか分かりませんが、先生方の感覚はいかがでしょうか。排水とかんがいという面ではいかがでしょうか。
  北川委員、よろしくお願いします。

○北川専門委員
  地下かんがいの部分については、渡辺委員がおっしゃったように、基本、暗渠排水のベースは譲らないで、排水の機能についてはきちんとやっていくというのが本筋だと思っています。一方で、せっかく入った暗渠を利用するというところについては、今までも地下灌漑について書かれている部分があります。徐々に技術の導入が進んできている地域も多いので、積極的に書くというよりも、その利用場面というのを記載しても良いと思っています。
  ただ、暗渠排水を導入するために必要な土壌条件や圃場の条件に比べて、確実に地下かんがいを実施できる条件というのは極めて狭い範囲になってきますので、全ての暗渠排水を設定したところで全て地下かんがいができるというような書き方までになってしまうと問題点も多くなって、留意事項が多くなると思いますので、その辺どこまで書き込むかというのは、渡辺委員が言ったように留意は必要だと思います。提案の中にも書いていますけれども、暗渠排水の地下灌漑への利用について留意事項をどこまで記載するかについては注意していただけると、ありがたいと思います。

○毛利委員長
  事務局からは何かご意見ありますでしょうか。

○森澤農村環境課長
  今、先生からお話ありましたとおり、現行の農業用水、畑の基準の中でも、地下水位制御システムの導入につきましては、例えば極端に地下水位の高いほ場や、非常に水抜けしやすいほ場は、そういうものは入れられない、難しいというような記載もしておりますので、どこでも入れられるものではないということを前提に、留意事項という形でまとめていきたいと考えているところでございます。

○毛利委員長
  ありがとうございます。
  それでは、別の事項も含めてご意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  中嶋委員、お願いいたします。

○中嶋委員
  初めて出席するもので教えていただきたいのですが、委員会はあと2回で結論を出すと思うのですけれども、それぞれ案件に対して事務局の案が出てきて、それを検討することによって、最後、収束していくというステップを踏むのでしょうか?

○森澤農村環境課長
  事務局の作業といたしましては、意見聴取会の中で、本日も何人かの先生に入っていただいておりますけれども、専門家の先生方に中身を詰めていただくという形を作業としては考えておりまして、本日、基本的な方向付けについてご了解いただければ、この方向について意見聴取会の中でこれから肉付けをしてまいりたいと。そして、節目の来年度の夏から秋頃、それから、最終的には2月頃に案という形でまとめて、この場でご審議をいただきたいという作業スケジュールを考えているところでございます。

○中嶋委員
  はい、分かりました。
  もう一つは暗渠のストックマネジメントについてです。あまり暗渠の実情を知らないのですが、現実に30年ぐらい耐用年数が過ぎると暗渠をどう対策しているのでしょうか。

○森澤農村環境課長
  実際の場合は再整備ということで、恐らく埋殺しみたいな形でさらに新設しているものが多いのではないかと私どもは認識しております。ただ、一部はきちんと部分補修という形で機能を延ばしていっているというような事例が多いのではないのかなと認識しております。

○中嶋委員
  6ページの緑が全て新設というわけではなく、更新も含まれた形というわけですね。

○森澤農村環境課長
  まさにおっしゃるとおりでございまして、6ページはあくまで単純な試算という形で、単純に30年そのまま延びた場合にどうなるかという形でございますので、実態はこの途中で全く機能がなくなって、暗渠としてももう残っていないようなものもあったりしますので、これはあくまで試算とお考えいただければと思います。

○中嶋委員
  はい、わかりました。

○毛利委員長
  よろしいでしょうか。
  北川委員、お願いいたします。

○北川委員
  すみません、細切れで。6ページの耐用年数に関連してですけれども、日本が1万から2万ヘクタールでやっていくと、ちょうど60万haぐらいのときに耐用年数のピークがきて、その後、数年で耐用年数内の整備面積が下がっていくというような実態だと思いますので、できれば積算値で試算すると説得力が出てくるかなと思います。
  それから、耐久性のところについては、何年か前に5年くらいかけて、疎水材の分解について、農水省に全国的な知見があります。その知見を論文として職員の方が書かれているものもあります。是非使っていただいて、地域別の耐久性の知見として生かしていただけたらありがたいと思います。

○毛利委員長
  先ほど地域別というコメントをいただきましたけれども、材料も全国的に随分とバリエーションがあるということですか。

○北川委員
  そうですね、農村環境課でやった調査は全国のモミガラを各都道府県別に、土壌型別又は地目別に、40点ぐらいのデータの例があって、それが日本を網羅する分解特性ということで、世界的にも貴重な、北緯45度から20度ぐらいのデータが出ています。職員の方がきちんと論文にしていますので、それを利用していただければと思います。

○毛利委員長
  ありがとうございました。
  それでは、飯田先生、お願いいたします。

○飯田委員
  先ほど地下かんがいに関する記述をどこに書くかという話がありましたけれども、設計基準を使う側の立場からすると、検索をする機能というはあるのでしょうか、電子データで。設計基準というと昔から冊子体のものを思い浮かべますが。

○森澤農村環境課長
  基本的に今は紙媒体でしか出しておりませんので、そういう機能は持っておりません。

○飯田委員
  原稿はもちろん電子媒体でつくっていらっしゃるわけで、それを公開することは何の差し障りもないような気がするのですけれども。

○森澤農村環境課長
  公開のあり方についてもまさに今内部で議論をさせていただいておりまして。通常は紙媒体にして、製本して、特に学会等を中心に、あるいは、都道府県の関係者の方にまいているという形をとっておりますけれども、これから皆さんに、特に農業者の方に使っていただくということを想定した場合に、広く普及というものも重要であろうということですので、今、委員ご指摘のような電子媒体での出し方もこれから検討を進めてまいりたいと考えております。

○飯田委員
  もっと言えば、たくさん設計基準がある中で、もともとからどの設計基準を見ればいいのかということまで検索できれば、先ほどのようなどこに書いてあるのか、どこに書くべきかというような問題はかなり解決できてくるのではないかなという気がします。

○毛利委員長
  ありがとうございました。
  他にご意見いただけますでしょうか。弓削先生、お願いいたします。

○弓削委員
  今も話題になった地下かんがいのことですけれども、先ほどほ場整備の水田には記載があると伺ったのですが、その他の農業用水関係には地下かんがいに関する記述はあるのでしょうか。

○森澤農村環境課長
  今のところはほ場整備(水田)だけの記載でございまして、農業用水には記載はございません。

○弓削委員
  わかりました。
  今後、中身の詳細について詰められると思いますが、先行で反映されているものがあれば、なるべくそちらと合わせるような形にしていただけると良いのではないかと思います。先ほど飯田先生もおっしゃったユーザーが見るときのことを考えると、こちらではこういう書き方をしているけれども、こちらではちょっと違うとなると、使い勝手が悪くなるのではないかと思います。ユーザーに対するご配慮もいただければありがたいと思いますので、よろしくお願いします。

○毛利委員長
  よろしいでしょうか。
  他にご意見をいただければと思いますけれども、いかがでしょうか。
  吉田先生、お願いいたします。

○吉田委員
  4番目の項目に関してですが、先ほど疎水材の更新を農業者が自力で施工することに関して少し盛り込むというご説明でしたけれども、これは農業者が自力で勝手に施工するというより、例えば補助金をいただいて施工するというようなときに、この工種は基準に沿った工種であるということを認証するような意味合いが出てくるのでしょうか。ここに書き込むということは、どういう意味合いか、参考資料としてかどうかというあたりがポイントになると思うのですが、お願いします。

○森澤農村環境課長
  自力施工の場合には私どもは基本的には補助事業等を想定しております。再整備を行うときに農業者の自力施工で更新や補修・補強を行う場合に、この基準に準拠していただくような指導をしてまいりたいということを想定しております。個々の農家の方たちがこの基準を見ながら独自に施工するということも当然あるかとは思いますけれども、私どもとしては、一番のツールは補助事業等がこれと密接にリンケージする形になろうかと認識しております。

○吉田委員
  わかりました。

○毛利委員長
  その関連する技術というのは、随分と整理というか収集は進んでいっているということでしょうか。

○森澤農村環境課長
  本日は特に補助暗渠なり、本暗渠の開削手法の機械的な部分だけを事例として並べさせていただいておりますけれども、例えばGISを使って現地測量を簡素化してやっていくということも新しい技術として考えられるのではないかと考えておりますので、そういうものも含めてさらに新技術の中身を精査していきたいと考えているところでございます。

○毛利委員長
  いかがでしょうか。4つの検討項目をご説明いただいているわけですけれども、委員の先生方から加えてご要望あるいはコメントいただければと思います。いかがでしょうか。
  よろしいでしょうか。
  それでは、時間的には余裕があるのですが、全体を通してご意見いただくようなことがございましたら、お願いしたいと思います。よろしいでしょうか。
  委員の先生方からは、埋設深や疎水材の問題、耐用年数、新技術に関するご意見をいただいたところです。地下かんがい、排水、この2つをどのようにバランスして基準としてまとめていくかという問題については、少し注意を要するというコメントもいただいておりますので、少し委員会でご議論いただいて、使いやすいものにしていただきたいと考えております。
  4つの検討項目をご説明いただいているわけですけれども、15年の中で新しい技術が開発されて、将来の農業に画期的な役割を果たすようなものも出てきていると認識しております。どういう技術がどういう項目にあてはまるのかということも少しお示しいただければ理解が進むのではないかと思います。先ほど来お願いいたしましたように、新しい技術も収集され、整理されているということを伺っておりますので、一連の検討項目にどのように対応し、フィットしていくのかというところをお見せいただけると、次の議論に反映できるのではないかなと思います。いかがでしょうか。
  北川先生、何かありますか。大丈夫ですか。

○北川委員
  後ほど発言します。

○毛利委員長
  よろしくお願いいたします。
  それでは、次の議事に移らせていただきたいと思います。4つ目になりますけれども、農業農村整備に関する技術開発計画の策定についてということでございます。
  事務局よりご説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○佐々木施工企画調整室長
  設計課施工企画調整室の佐々木でございます。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、資料4に基づいてご説明します。
  まず1ページ、計画の位置付けでございます。技術開発計画は、土地改良長期計画の政策目標を達成するために必要な技術開発の展開方法を取りまとめたものでありまして、関係者間で技術開発の共通認識を図りながら、技術の開発なり普及を促進していく上での指標となるものでございます。現計画の計画期間は平成25年度から29年度までの5年間でございます。
  2ページ、計画の概要を表に示しております。現行の技術開発計画では、土地改良長期計画に定められました7つの政策目標を達成するという観点から、合計18の技術開発テーマにつきまして、技術開発を推進するということにしております。表の中の(4)のウのテーマを見ていただけますでしょうか。土地改良施設の耐震強化や津波対策に資する技術。こちらにつきまして、参考までに吹き出しで本文例を記載しております。このような形で推進する技術開発の内容を具体的に記述しております。また、表の右側の欄を見ていただきたいのですが、計画の実施にあたりましては、地域の特性に応じた技術開発や人材の育成・確保等に留意して推進することとしております。
  3ページ、計画の対象範囲です。一般に技術の開発は、図に示します左から右への段階を踏んで進みます。最終的に活用可能な技術につながるという形です。技術開発計画では、図に示しますオレンジ色の部分、技術開発の段階、実用化技術と事業化技術と称しておりますが、この部分を対象に進めるべき技術開発を取りまとめております。
  4ページ、計画に即して取り組んできている取組についてご説明します。農村振興局で行っております官民連携新技術研究開発事業を左側に示しております。技術開発計画に基づいたテーマを設定してプロジェクトを公募する。そして、民間企業等が試験研究機関と連携して技術開発を実施するというものです。1プロジェクト当たり3年程度の期間で、毎年度4件程度採択を行っております。
  右上の図は試験研究機関と行政との連携です。農村振興局と農村工学研究所などが協議会を開催しまして、情報の共有なり、ニーズにマッチした技術の開発、現場への適用を図っているところでございます。また、地方における連携としまして、北陸コンソーシアムの例を載せております。地域における産学官の関係組織が連携して講演会や講習会を行っております。
  5ページ、地域特性に応じた技術開発につきまして、ここでは2つの事例を載せております。各地域の特性、地域のニーズに即しまして、技術開発を展開しております。人材の育成・確保につきましては、専門的技術知識の修得に係る研修の実施、それから、CPD(技術者継続教育)による技術者の研鑽の評価、それから、新技術新工法に関する説明会、こういったことを実施しております。
  それから、新技術の普及促進につきましては、インターネット等を通じた情報提供、それから、実用新技術講習会・相談会の開催、更には、優れた新技術・新工法といったものを導入した工事を表彰する、こういうような取組も行っております。また、技術の国際化につきましては、国内外で培った技術を生かして技術協力を行っております。
  6ページからは技術開発を行ってきた取組の事例でございます。6ページはFOEASの事例です。FOEASにつきましては、ご案内のとおり、ほ場の地中に有孔パイプを設置しまして、そのパイプを通じて排水あるいはかんがいを行っていくというものでございまして、最適な地下水位を維持することができるというものでございます。
  FOEASに関する技術開発の一例を右側に示しております。先ほども少し話がありましたが、現地土壌の透水性が余りにも大きい場合は、パイプの下方に水が浸透してしまいまして、かんがいがうまく機能しないというような状況も発生します。そこで、右下を見ていただきたいのですが、地表面下60cm付近以下の土壌の透水係数が1×10ー5cm/sオーダー以下であるということになれば、十分有効にこれが機能するというような簡易な評価手法を開発しております。
  7ページ、次世代型水管理システムです。水管理の一層の省力化・効率化を図る観点から、ほ場の水管理にICT技術を導入するということで、気象条件、ほ場の状態、作物の育成状況、こういったものに応じて、水管理を遠隔操作・自動制御するという技術。
  もう一点はほ場レベルと広域レベル。これは、左の図でいいますと、赤い点線と青い点線、それぞれほ場レベルと基幹部分をイメージしておりますが、この両者を連携させまして、ほ場から広域までシームレスに監視・制御していくという技術を開発して、地区全体で渇水あるいは洪水に強い農業水利システムを構築しようとするものでございまして、現在、検討、開発中でございます。
  8ページ、無人調査ロボットです。本装置は、用水路トンネルの変状を撮影・記録するカメラを装備したフロートタイプ型の無人調査ロボットでございます。本装置の特徴は、上流側からこのフロートタイプのロボットを放流しまして、下流で回収することによりまして内部の変状が把握できるというのが1点。
  もう1点は、取り付けられているカメラは常に壁面を真正面から見るように自動制御できるものでございます。右下の写真は、ひび割れを模擬したシートによる性能検証でございます。水の流速等に応じてカメラ搭載部の回転速度を調整することによって、壁面へ正対する精度を向上させる。これによってひび割れ幅1mmまで検出できるというような精度の向上が図られております。
  9ページ、ポンプ設備の機能診断技術。ポンプ設備の回転部から潤滑剤を採取しまして、その汚染状況なり、中に含まれます金属粒子の量や形態の情報を用いまして、機械を分解することなく、ポンプ設備を簡易に診断できるというものでございます。
  左の図をご覧いただきますと、従来方式では、ポンプの状態にかかわらず、5年程度で定期的に分解点検を行っているという状態です。新方式では、一次診断としまして、今申し上げましたような潤滑剤を採取して簡易な診断を行い、その際、何もなければ使用を継続し、何かあったときに初めて分解点検を業者に発注するという形をとることによりまして、維持管理費の節減が期待できるというものでございます。
  10ページ、三面一体化堤防でございます。左の図が現行堤防でございます。津波が堤防を乗り越えた場合に、水の圧力で堤防が大きな損傷を受けるというのが課題でございます。三面一体化堤防では、右側に示した図のとおり、堤体の中にジオテキスタイルとセメント改良土を入れ込み、これらと表面のブロック、この3材を結合させます。それから、天端、表法、裏法の三面を鉄筋などで結合させます。これらによりまして、狭いスペースの中で耐震性、耐久性に優れた堤防整備が可能となるというものでございます。
  11ページ、農地における効率的な除染工法です。このワイパー工法につきましては、油圧ショベルのバケット側面にエッジ板を取り付けまして、油圧ショベルの旋回機能を利用したスイング運動によって、農地の表層を効率的にはぎ取る手法でございます。左の写真にございますホイールローダーでの掘削、あるいは、油圧ショベルの振り子のような掘削では、はぎ取り厚さの制御に習熟が必要です。一方、ワイパー工法では、ショベル高さ位置を固定し、アームを左右にスイングすることによりまして、比較的容易に表層のはぎ取りが可能となるものでございます。
  12ページ、水路トンネル工事におけるシールド工法の適用でございます。シールド工法といいますのは、シールド機の先端カッターヘッドを回転させながらトンネルを掘削しまして、その直後にセグメントを用いてトンネル壁を造成していく工法でございます。
  国営事業の九頭竜川下流(二期)地区の幹線用水路トンネル工事におきましては、左の図に示しましたように、土質ごとに異なる2種類のカッターを使い分けて掘進するシールド工法を適用しております。これによりまして、カッター寿命の延命化、掘進の安定化が図られまして、カッター交換等のための立坑設置を抑制した長距離掘進を実現しております。また、掘削により坑内に土砂が発生するわけですが、その土砂につきましては、右の図に示しましたように、鋼車運搬という形ではなくて、トンネルの中で泥水状態にしてポンプにより流体輸送することで、騒音・振動を大幅に抑制するという形をとっております。
  次に、13ページ、新たな技術開発計画の策定に向けた検討の進め方(案)でございます。実際にはこれから検討を進めさせていただくことになりますが、検討にあたりましては、左の箱の中でございますが、新たな土地改良長期計画の策定目標に照らしまして、解決すべき技術課題、それから、現行の技術開発計画の進捗状況、さらには技術開発のニーズ、シーズ、こういった状況をよく整理をする。併せまして、右側に記載しておりますような、関連する国の基本計画、こういったものを十分踏まえまして検討を行ってまいりたいと考えております。そういったことで、これからの技術開発の目標、方向性を明確化した技術開発計画を策定してまいりたいと考えております。
  14ページでございます。今申し上げました1点目の新たな土地改良長期計画の政策目標に照らした技術課題の整理でございますが、新たな土地改良長期計画につきましては現在検討中でございます。参考までに、農業農村振興整備部会に示しました計画の構成案を添付しております。その長期計画の案の政策目標は、右側に記載する担い手の体質強化をはじめとする6つの目標を設定するという形の案をもとに検討しているところでございます。
  15ページをお願いいたします。また新たな長期計画におきましては、ここに記載がございますように、その長期計画の中に、計画の円滑かつ効果的な実施にあたって必要な事項の中で、記載のような「技術開発の促進」という項を設けることを検討しております。現時点ではここに記載しているような内容を検討しております。
  16ページでございます。2点目の現行の技術開発計画の進捗状況の整理につきましては、技術開発分野ごとに、右の表のようなイメージで、技術開発の進捗状況、現場での活用状況、あるいは、今後の課題といったことを整理することを考えております。
  それから、3点目の技術開発のニーズ及びシーズの整理でございますが、まずニーズにつきましては、事業を実施する者、あるいは、施設管理に携わる関係者に意見を求めまして、事業の効率的・効果的な実施に向けた課題なり必要な技術等について整理を行います。また、シーズにつきましては、技術開発を担っておられる方、あるいは、研究者の方々、こういったところで発信される情報などを整理して、右にあるようなイメージで、対比的に整理をした上で、検討してまいりたいと考えております。
  17ページ、最後でございます。今後のスケジュールとしましては、本日の第1回技術小委員会でいただきましたご意見を踏まえまして、整理・検討を進めます。10月頃を目途に計画の原案を提示させていただきまして、来年2月頃を目途に計画案を取りまとめることを予定しております。最終的には、順調にいけば平成29年度の早々に新たな技術開発計画を策定してまいりたいと考えております。
  なお、参考までに、参考資料3に現行の技術開発計画、参考資料4に新たな土地改良長期計画の検討中の資料、それから、参考資料5に農林水産省の気候変動適応計画を添付させていただいております。
  説明は以上でございます。

○毛利委員長
  ありがとうございました。
  技術開発計画についてご説明をいただきました。それでは、委員の先生方からコメント等ご意見をいただきたいと思います。どこからでも構いませんので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
  どうぞ北川委員、お願いいたします。

○北川委員
  新しい開発計画案のご説明、ありがとうございます。
  基本的な方針は、これまでの歴史の継承と新しい農業に対する発展ということで、ご提案の計画で良いと思います。ただ、私自身も実際にトラクターを運転したりして試験をやったりする立場から、現場に行って農家の人と話すと、急速に人口が減少していて、特にこれから強い農業、体質強化という形で、ターゲットになっている大区画等が推進される現場では、高齢化とともに人口減少によって今後10年ぐらいで水田農業者の3分の1ぐらいはいなくなるだろうと言われていて、地域の存続自体が危機的だという地域も多く見られます。特に北海道、東北の地域は危機的だと統計的にも言われていると思います。
  農業の体質強化とともに地域を存続させて生き残らせる最大の技術でサポートできるのは、この農業農村整備だと私は思っています。実際に北海道のある地域では大規模な整備を行って、今後の生き残り策としてやっているところもあると思いますので、体質強化だけではなくて、地域づくりというのです、地域の生き残りという視点も今後は必要になってくるかなという感じがしました。何かの検討の際にそういったところも加えていただけるとありがたいと思います。

○毛利委員長
  どうぞ本田委員。

○本田専門委員
  5ページで人材の育成・確保や新技術の普及促進といったことがあったのですけれども、その前の暗渠排水のところで農業者の自力施工を進めるといった話もありましたので、例えばここで自力施工される農家さんを対象にされるような講習会というのは考えておられるのでしょうか。というのは、確かにストックマネジメントや自力施工を進めるというのは、すごくいい方向性だと私も思うのですけれども、私、技術のことはあまり詳しくないので、自力で施工してもしっかりクオリティが保てるのだろうかというのが少し気になるところです。そういったときに人材の育成や講習会などで現場の方の知識や技能を上げるような場があればいいのではないかと思いました。

○毛利委員長
  関連する意見は。渡辺委員、よろしくお願いいたします。

○渡辺委員
  先日新潟で、トライボロジーの勉強会をしていただきました。新潟の場合は排水改良が主体だったということで、排水機場が非常に多くあります。それをこれからいわゆるストマネ等を入れて維持管理していこうとするときに、非常に目から鱗的な技術だと思いました。要するに人間の健康診断と同じで、血液検査をすると、どこが悪いのかというのが大体想像がつくという非常にすばらしい技術で、私どもも積極的に導入したいなと考えているのですが。こういった技術開発、色々なメニューが出てきたときに、それを実際に普及していくやり方を、今までのようにこんな技術ができたからという形でトップダウンで流すのではなくて、いわゆる民間を活用するなど、あまり行政主導ではない形で普及を図られた方がいいのではないのかなという感じを受けています。
  一つの例として、新潟におきましても、小水力発電というのを全県的に普及・啓発しようとするのですが、最初のアプローチの仕方が、土地改良区なり市町村なりが、その施設を造って自分たちで経営してくださいみたいなところから入ったら、そういうノウハウがない皆さんとしては躊躇して思うように普及しない訳です。発想を変えて我々が管理している場所を提供するから、そこを使って上手にお金もうけして、地域にも還元してくださいというようなアプローチだと良かったのかなという気がしております。それをいわゆる新技術の導入で、新しい技術の地域への普及のことを考えたときにそういうやり方もあるのかなと感じていまして、ぜひその辺も視野に入れていただきたいなと思います。

○毛利委員長
  ありがとうございました。
  では、事務局からお願いいたします。

○佐々木施工企画調整室長
  1点目、北川委員からいただきました地域の振興というのでしょうか、地域の生き残りという面、単に強い農業という視点だけではなくて、そういった視点が必要だというご指摘だと思います。大変重要なご指摘だと思いますし、そのために必要な技術開発という視点も重要だと思っております。その点踏まえて検討させていただきます。
  それから、農家への説明につきましては、全て私どもで押さえているわけではないのですが、例えば本日ご説明した講習会・相談会についても、ご案内は幅広くさせていただいておりまして、土地改良区さんなども含めてご案内しているものもございます。また、各農政局に土地改良技術事務所というところがございます。そこは技術の指導を行う機関ですが、そこで様々な情報提供や土地改良区の皆様方あての講習なり情報提供なりもさせていただいているところでございます。ただ、そういった視点が十分かというところかと思いますので、そういった視点、留意してまた検討してまいりたいと思います。
  それから、トライボロジーの関係で普及のお話がございました。ご指摘のとおり、普及につきましては大変重要だと思っております。普及が促進されて、またそれが開発にフィードバックされて、いい循環ができていくということだと思っております。そこの普及を、今まで以上にマインドを高くして普及を促進していくやり方が、どういったことがいいのかということを十分検討して、計画の中に盛り込むなり、実効性のある形で取り組んでいきたいと考えております。

○毛利委員長
  よろしいでしょうか。
  飯田先生、よろしくお願いいたします。

○飯田委員
  どうもご説明ありがとうございました。
  この技術開発計画のそもそもの位置付けからして、非常に重要なのが16ページのニーズ及びシーズの整理というところかなと思うのですが、ここをどのようにうまく整理して、さらにこれをどうマッチングしていくかというところが大事かと思いまして。こういう形で表にまとめて整理すると、これも非常に大事な仕事なのですけれども、さらにこれをどう公開していくか、多くの人に見てもらって、そこからマッチングを進めていくかと、そういったところも計画の中に取り込んでいくといいのではないかなと感じました。

○佐々木施工企画調整室長
  ありがとうございます。検討させていただきます。

○毛利委員長
  中嶋委員、お願いいたします。

○中嶋委員
  私も16ページですが、このようなロードマップをつくらなければいけないし、あるとすごくいいなと思います。自分でもつくりたいなと思うのですけれども、なかなか整理できないでいます。そこで、こういうのをつくりたいと思ってこれまで考えてきたことをちょっと述べてみたいと思います。
  まず、研究者はニーズについてはなかなか把握できないため、行政の方が本当に何に困っているものが何かを強弱をつけて記述して欲しいと思います。事業の中で本当に困っているものは何か、こんな技術があれば良いなというものです。次に、時間軸を意識したロードマップを作成して欲しいと思います。短期的に欲しいもの、技術的には困難であるが長期的に開発が必要であるものそのような時間軸の上での優先順位が分かると、研究者もいつまでに成果をだせば良いかが明確になり、気の早い人は本当に困っていてすぐ欲しいものを対象とする場合もあるだろうし、本当に困難な、本当に困っているけれども、少し難しい問題に取り組む研究者もでるというように、ニーズに対して研究のマッチングがうまくできると思います。
  もう一つは、研究成果の普及については、その技術を継続的に使っていく仕組みを考えないとなかなかうまくいかないと思います。例えば、普及の初期段階では行政が後押しするが、その後は、市場の中でうまく稼ぎ、継続する仕組みをつくることが必要だと思います。そのためには、開発技術がまず行政の技術図書に反映され、標準化され、事業の中でブラッシュアップすることで、改良していくようなPDCAサイクルに基づく研究成果の普及方法を考えていただくと良いと思います。
  人材育成についても、国の職員の人材育成をするのか、それとも県なのか、それとも土地改良区なのかと、これもターゲットを決めることがまず重要だと思います。
また、ロードマップを示すとともに、研究から普及までを一体とした技術開発の「型」みたいなものを示すことが必要と思います。このような研究開発の仕組みであれば良い成果がでるというような優良事例です。これらは、過去の研究開発の中の優良事例から抽出できると思います。例えば、「製品開発での優良事例」、「技術図書に反映することを目的とした研究開発の優良事例」、「人材育成に関する優良事例」などです。このような優良事例を研究者や行政・民間の方が見ることにより、より良い研究開発ができると思います。
これからの研究開発は研究者一人では何もできないと思います。産学官の全てがメンバーに入り、パッケージとして成果を出していかなければ成らないと思うのです。なかなか自分でも答えを出せないのですが、参考になればと思って発言しました。

○毛利委員長
  ありがとうございました。
  関連するご意見でも構いません、他でも構いませんが、いかがでしょうか。ご意見をいただければと思います。
  よろしいですか。
  事務局は何かございますでしょうか。

○佐々木施工企画調整室長
  このマッチングのところは、こういうものを体系的にやったことはなかったのではないかと思っております。こういったものをしっかり計画に位置付けるということもありますし、まずはニーズとシーズを共有するということも大事ではないかと思っております。
  それから、今、中嶋委員からご指摘ございました強弱をつける、優先度をつけるということでしょうか、あるいは、人材育成の観点など、ご指摘の点をよく検討させていただきたいと思います。

○毛利委員長
  残り時間もあまりないのですが、全体を通して、漏れているところ、あるいはコメントをいただければと思いますが、いかがでしょうか。
  どうぞ北川委員。

○北川委員
  ちょっと戻ってよろしいですか。

○毛利委員長
  はい、どこでも構いません。

○北川委員
  暗渠排水の方で要望を述べるのを忘れていました。
  暗渠排水の深さと無勾配化というのが今回きちんと明記されると、今までの暗渠排水の設計指針の思想とガラッと変わると思います。暗渠排水の施工にあたっては、施工管理指針に基づいて現場では資材などを算定するため、勾配とか計算して、長さをきちんと決めてやってきていると思うのですが。設計指針、会計検査などの対応においては設計指針に基づいて施工した場合の資材の数量は施工管理指針でもきちんと押さえて実施されてきたと思います。今回の無勾配化は施工管理指針ではあまり扱ってこなかった点でもあり、その辺、齟齬がないようにすることが必要です。低勾配化だとある程度の流速、流量の計算は現状でも算定できるのでいいのですが、その辺の理論について、昭和初期の頃の最初の暗渠排水の設計指針の理論の教科書で書かれているものと、今回のものが若干、考え方が変わってくるので整理しなければならないと思っています。また、無勾配化するのが集水渠と吸水渠のどの部分とするのかなど、色々あると思いますので、あと何回か委員会があると思いますので、その中での検討の際には留意していただけたらありがたいと思います。

○森澤農村環境課長
  まさにおっしゃるとおりでございまして、私どもとしては現行の基準をこの際全部ガラッと見直してという趣旨ではありませんので、まさに今ある基準を体系的に維持しつつ、今回のような無勾配なり緩勾配というものをどういう形で位置付けられるかというところも含めて議論させていただければと思っております。

○毛利委員長
  ありがとうございました。
  ちょうど予定していた時間になっておりますけれども、いかがでしょうか。さらにご意見をいただければと思いますよろしいでしょうか。
  最後に説明いただき、飯田先生からもご指摘をいただいた技術開発計画の16ページ目のところ、私も同じように感じておりまして。このような3つのカラムでニーズ、シーズを整理いただいている、そういう意識で見ていただくのは本当に重要なことだろうと思います。まだ気になりますのは、シーズのところに農工研、大学と書いてありますが、民間の方がはるかに進んでいる分野もたくさんあります。
  地下水位制御技術でも同じだろうと思います。FOEASに限らず多様な技術があるというところをしっかりと掘り起こしてきて、農業農村整備事業の中に展開していくという流れが見えるように知る必要があると考えます。その中で、どの段階の技術をどのように提供していくのかということも含めて渡辺委員からご指摘ありましたように、行政主導型の技術開発で進めるのか、民間の力を借りてやっていくのかという戦略をこの技術開発計画の中でどのように書込むべきかというところも少しご検討いただければと思います。
  委員の先生方、他にございませんでしょうか、よろしいでしょうか。
  ありがとうございました。それでは、本日予定しておりました議事は以上でございます。事務局に進行をお戻しいたします。

○原川計画調整室長
  本日は貴重なご意見多くいただきありがとうございました。本日いただきました意見を踏まえまして、検討を進めていきたいと思っております。
  来年度の予定でございますけれども、2回程度開催したいと考えており、日程が決まりましたらご連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
  以上をもちまして本日の部会を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。

お問い合わせ先

農村振興局整備部設計課計画調整室
ダイヤルイン:03-6744-2201
FAX:03-5511-8426

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