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農林水産省

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平成28年度第2回技術小委員会議事録

1.日時及び場所

日時:平成28年10月31日(月曜日)13時30分~15時40分
場所:農林水産省本館7階  第3特別会議室

2.議事

(1)土地改良事業計画設計基準・計画「暗渠排水」の改定について
(2)農業農村整備に関する技術開発計画の策定について
(3)その他

3.議事内容

議事録(PDF : 304KB)

川村計画調整室長
  計画調整室長の川村でございます。ただいまから食料・農業・農村政策審議会農業農村振興整備部会平成28年度第2回の技術小委員会を開催いたします。
  委員の皆様方、本日はご多忙の中、ご参集いただきましてまことにありがとうございます。
  開会に当たりまして、室本農村振興局次長よりご挨拶申し上げます。よろしくお願いします。

室本農村振興局次長
  どうも皆さん、お疲れさまでございます。ご紹介いただきました農村振興局次長の室本でございます。
  今日は、委員の先生方におかれましては、非常にご多忙の中、この委員会にご出席を賜りまして厚くお礼申し上げます。また、日ごろより農業・農村の振興施策全般にわたりまして、その推進に関しましてご指導いただいておること、重ねてお礼申し上げます。
  まず、この夏、相次いだ台風により全国で被災された多くの方々、その後の鳥取県の地震において被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げたいと思います。私ども農林水産省としては、この災害からの復旧に向けて全力で取り組んでいるところでございます。
  さて、去る8月24日、新たな土地改良長期計画が閣議決定をされました。今回の計画では、水田農業のあり方について従来の考え方を転換した土地改良事業の展開方向をお示ししております。具体的に申し上げれば、米消費の減少が進む中、野菜を中心とした、高収益作物を中心とした営農体系への転換を促し、農家の所得向上を図ろう、そういったところに農業農村整備を重点化していくという方向性を打ち出しております。きょうご審議いただく計画設計基準の暗渠排水でございますが、この高収益作物の作付を可能とする農地の汎用化に欠かせない、そういう設備でございまして、今回のこの計画設計基準の見直しは、まさにこうした事業の展開に寄与するものというふうに考えております。
  また、農業農村整備に関する技術開発計画につきましては、新たな土地改良長計が策定されたことを受けまして、農業の競争力強化に加え、頻発する自然災害に対応した国土強靭化などの政策課題の達成を図るため、情報通信技術の進展状況を踏まえて新たに策定するものでございます。
  限られた時間でございますが、毛利委員長の下、2つの審議事項について自由闊達なご審議をお願い申し上げまして、私からのご挨拶とさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

川村計画調整室長
  ありがとうございました
  審議に先立ちまして、農林水産省からの出席職員に10月付けで内部異動がございましたので、ご紹介いたします。
  奥田整備部長でございます。

奥田整備部長
  よろしくお願いいたします。

川村計画調整室長
  安部設計課長でございます。

安部設計課長
  安部でございます。よろしくお願いします。

川村計画調整室長
  それでは、配布資料につきまして確認させていただきます。
  一番上から会議次第、委員名簿、配布資料一覧、資料の1-1、1-2、1-3、1-4、資料の2-1、2-2、2-3、2-4、それから参考資料の1、参考資料の2となっております。不足等ございませんか。
  本日の審議事項でございますが、2点ございます。1つは、本年1月に農林水産大臣の諮問を受け、本技術小委員会に付託されました土地改良事業計画設計基準・計画「暗渠排水」の改定で、2つ目が新たな技術開発計画でございます。いずれも本日、案をお示ししましてご意見をいただくこととしておりますので、よろしくお願いいたします。
  なお、新たな土地改良長期計画の概要と本文については、参考資料として配布しておりますので、申し添えます。
  本委員会の公表方法でございますが、これまでと同様、配布資料は会議終了後に、議事録は内容を確認いただいた上で、それぞれホームページにて公表することとさせていただきます。
  それでは、早速ですが、議事に移りたいと思います。以降のカメラ撮りは差し控えていただきたいと思います。
  議事進行につきましては毛利委員長にお願いいたしますので、よろしくお願いいたします。

毛利委員長
  ありがとうございます。それでは、議事次第に従いまして議事を進めたいと思います。よろしくお願いいたします。
  1つ目ですが、暗渠排水の改定について、事務局より説明をお願いいたします。

森澤農村環境課長
  農村環境課でございます。
  計画基準「暗渠排水」の改定案につきましてご説明をさせていただきます。
  本日説明いたします資料といたしまして、資料1-1から1-4まで用意させていただいております。1-1が横紙のパワーポイントのポンチ絵、それから1-2が諮問、答申に係ります基準の本文の改正案、それから1-3が、その本文の新旧対照表、1-4が本文以下、運用・解説についてもアンダーラインで改定部分を示しました、いわゆる3段表でございます。ただいまからの説明は資料1-1を中心にさせていただきますが、改定の中身全部を含んでいるわけではございませんので、詳細については1-4のほうもお手元に置いて、必要に応じて並べて見ていただければというふうに思います。
  資料の1-1でございますけれども、前半部分は、2月の第1回の小委員会で主要論点の整理という形でこちらから説明した資料をリバイスしているところでございます。その後、私どものほうも専門家の意見聴取会、あるいは査読等を行いまして、今回後半部分で改定の見直し案という形で提示させていただいておりますので、前半部分は少し駆け足でご説明をさせていただこうと思います。
  まずページ1でございます。暗渠排水の目的と効果について簡単に整理しております。
  大きく3つの目的、効果を記載しております。第1に、土壌の通気性を良好にすることによりまして作物の生育環境を改善し、収量の増大や品質の向上が可能になるという効果、2点目といたしまして、地耐力を確保して農業機械の作業効率を改善するという効果、それから3点目が、排水性の改善によりまして水田の汎用性を向上させて、野菜等の高収益作物拡大に寄与するというような3点の効果をごくごく簡単に整理させていただいております。
  続いて2ページ目でございます。
  今回の計画基準「暗渠排水」改定の内容ということで、いわば見直しの背景についての記載でございます。現行の計画基準を平成12年に改定してから約15年が経過しているという中で、新たな農村の展開方向でございますとか、技術の進展等に対応して計画内容を見直すという形で整理をしております。2月の資料の段階では、まだ新しい土地改良長期計画が策定されておりませんでしたので、旧長期計画に沿った記述をさせていただいておりました。今回、新たな計画に照らして整理した場合におきましても、基本的な政策の方向性というのは大きく変わらないだろうというところで、具体的な検討項目といたしましては、右に色づけで4点書いておりますけれども、大区画化への対応、あるいは汎用化への対応、それからストックマネジメント手法の導入、技術の進展等への対応という、大きく4つの方向で論点整理した前回から変更はございません。それぞれについて後ほどご説明をさせていただきます。
  続いて3ページ目をお開きいただきたいと思います。
  そもそもの計画基準の内容と構成についての記載でございます。平成6年度以降、図に掲げるような現行の整理体系になっておりまして、基準書というのは基準本文と基準の運用、それから、それらの解説といういわば3部構成になっておりまして、右に行くほどに、より詳細な記載になっているという整理でございます。これらをあわせまして基準書と呼んでいますけれども、この基準書からはみ出る部分につきましては、下のほうにございます技術書という中で整理するという体系です。この中で、この農業農村振興整備部会の諮問、答申に係る部分につきましては、厳密に言えば、このピンク色で書いている1(丸数字)の基準本文というところのみが審議の対象になるという整理でございます。
  続きまして、4ページ目をお開きください。
  見直し方向、4つの方向の第1、農地の大区画化の推進への対応というところでございます。課題のところの2つ目の丸に書いてありますとおり、現行基準で目安としております暗渠管の敷設勾配、これを大区画化農地に適用した場合に排水路の深さ等が過剰に深くなってしまうというような弊害が考えられます。これを受けまして、検討の方向の最初の丸のところにございますとおり、無勾配を含む緩勾配敷設を導入するための計画・施工条件等の留意事項等を基準に追加してはどうかということでございます。また、次の丸にございますとおり、両側へ排水する場合の組織図等を基準書に追加してはどうかというのが前回の整理でございます。
  5ページ目でございます。
  見直しのポイントの第2点目、水田汎用化への対応についての記載でございますけれども、この中では、特に地下水制御システムに関する記述でございますとか、50センチ程度の深さに暗渠管を埋設する、浅埋設と呼ばれる暗渠排水に関する記載というものを基準書に追加してはどうかという点でございます。この中で特に地下水位制御システムにつきましては、第1回目の議論の中で、暗渠排水の基準書の中に入れるのが果たして妥当かどうかというところの議論がございましたけれども、その点については、後ほどご説明をさせていただきたいと思います。
  なお、下段のほうに図表を載せておりまして、これも適宜委員の皆様からのご指摘を踏まえて差しかえさせていただいております。左側の棒グラフのところについては、ばれいしょの事例にさせていただいておりますし、右側の浅埋設暗渠の断面イメージ図につきましても、適宜所要の差しかえをさせていただいていることでございます。
  それから、6ページ目がポイントの第3点、ストックマネジメント手法の導入による効率的な保全管理についての記載でございます。ここは現行基準にまだ記載のない部分でございますけれども、検討方向の最初の丸のところにございますとおり、定期的な機能診断や機能保全対策等の手法というものを基準に追加してはどうかというところでございます。
  なお、こちらでも一番下に暗渠排水の整備の推移の年次グラフを載せておりまして、これも委員の皆様からご指摘いただきまして、積算値にしたほうがいいとか、いろいろいただきまして所要の修正を加えてございますけれども、適宜さらにこのグラフについて修正をさせていただきたいというふうに考えてございます。
  それから7ページ目、ポイント4点目、技術の進展等への対応についての記載でございますけれども、ここは本暗渠及び補助暗渠に係ります新たな暗渠排水技術の普及に対応した記載を基準書、あるいは技術書の中にしていってはどうかということでございます。個々に下にも写真、ドレンレイヤーとかカットドレーンとか、これはモミサブローの写真等を載せてございますけれども、後ほどまたご説明をさせていただきたいと思います。
  以上が前回委員会でのおさらい部分でございまして、これから本日の本題でもございます具体的な改定の内容についてのご説明でございます。
  8ページ目をお開きいただきたいと思います。
  まず、大区画化農地への対応についての記載でございまして、ピンクで囲っているところが今回の見直しの概要になります。答申の対象になります基準書本文では改定はありませんけれども、先ほど述べましたように、無勾配を含む緩勾配敷設を導入するための留意点等、あるいは両側排水の排水組織図等を基準書の中に入れていってはどうか。一番詳細な記載になります解説という中に記載してはどうかということでございます。
  この解説の中の主な改定内容、3つございまして、1番目が、順序が逆になって申しわけございませんが、一番下の白丸でございます。6.暗渠管の敷設勾配及び直径というところでございますけれども、この中で緩勾配敷設の留意点を記述しておりまして、具体的には、「更に、1/1000未満の緩勾配となる場合には、泥土の堆積等による管の通水不良へ対応できるよう、吸水渠の上流端に原則として立上り管(管理孔)を配置」という記述を加えさせていただいております。また、大区画化水田においては、管の延長とか管の径について長く大きくなる場合もあるといったような趣旨の記述も加えさせていただいております。
  先ほども述べましたとおり、前回の小委員会の中で無勾配と記載した場合に、現行の理論とかと整合するのかという意見も委員の皆様からいただきまして、大丈夫かということでございましたけれども、基本的には、この原案の記載ぶりでいけば矛盾は生じないというふうに考えておりますし、さらに詳細な記載が必要というところについては、技術書のほうに充実させていく方向で検討したいと考えているところでございます。
  それから、この大区画農地の見直しの2点目は、真ん中の丸のところにございます排水組織図といたしまして、両側排水の場合というのを左側に、これは北海道とか新潟でもう既に導入されている事例を参考にさせていただいておりますけれども、その組織図と、それから右側は、これは例えば畦畔除去で区画拡大していく場合を想定してございますけれども、数本の吸水渠を束ねて排水する場合の組織図という形で図を記載させていただいております。
  それから、見直しの3点目、最初の丸のところでございます。1.適応条件のところで、そもそも大区画化水田とはという定義に係る部分でございます。従前、大区画化水田といえば、例えば過去の計画基準は、ほ場整備、(水田)の中では「おおむね1ヘクタール、またはそれ以上の規模を目安とする」という表現を使ってまいりました。ただし、実際の大区画化の適正規模というのを考えた場合、現場では当然営農とか地形とか気象等、さまざまな条件で総合的に判断して区画の大きさというものを決めますので、当然一律、一概に何ヘクタール以上でなければならないという決め方はしていないというのも事実でございます。一方では、実際の農地整備事業で整備量を明記、説明する際にどういう表現を使っているかというと、一般的には50アール以上の区画を大区画として整理してきた実態がございます。資料に戻っていただいて4ページの下に左側と真ん中に円グラフと棒グラフをつけさせていただいてございますけれども、大区画化といったときには基本的には50アール以上に整備されたほ場というものを一つの閾値として整理してきたというところがございます。
  したがいまして、先ほど申した1ヘクタールというのと50アールという2つの数字が混在しているというところもございまして、なるべく現場で混乱を来さないようにする必要があるのではないかと考えまして、この際、今回の原案といたしましては、50アール以上の規模を目安とするというような表現としたほうが矛盾もないし、よろしいのではないかという形で提案させていただいております。
  なお、参考までにほかの事例として農業土木標準用語事典とか、農業農村工学ハンドブックの中で大区画化水田をどう定義をしているのかというのをひもといてみましたけれども、基本的には、大区画化水田を30アールよりも大きい区画の水田という示し方をしていまして、さらに一般的には50アールから1ヘクタール以上の区画を指すというふうに記述がされていたというところでございます。
  大区画化のところは、以上3点、大きく見直しをしてございます。
  続いて9ページ目、汎用化への対応についての記載でございまして、これもピンクの囲みの最初にありますとおり、地下かんがい導入における暗渠排水組織図の考え方を基準書に位置づけてはどうかということでございます。こちら、審議対象になります本文の第3章、計画の3.3.4として、暗渠管を利用した地下かんがいを計画する場合の暗渠排水組織計画という小項目を新たに起こしました。具体的な記述といたしましては、「暗渠管を利用して地下かんがいを計画する場合の暗渠排水組織計画は、原則として基本暗渠排水計画をもとに、省力的な水管理や作物の生育環境改善の必要性等を考慮して作成する」という記載をしてはどうかというふうに考えております。前回の小委員会の中で、この暗渠排水の計画基準の中に地下かんがいを記載するというのはどうなんだというご指摘をいただいておりますけれども、今回は、この3.3.4の表題にありますとおり、あくまでも暗渠排水組織計画を定める上での、いわゆる特別な手法的なものだという考え方のもとで記載を整理しております。ほかのほ場整備(水田)等にも暗渠排水は出てきますので、矛盾はないのかなというのが事務局の考え方でございます。
  また、同様に、前回の委員会で、地下かんがいを入れる場合、適用条件が限られるということをちゃんと留意事項で書いておくべきだという意見もいただきましたので、同様に基準書の解説の中で、地下水位制御システムにおいては、下層土の浸透量の大きいほ場では水位制御が難しいこと、地下水位が高いほ場ではかんがいの効果が限定的となる場合があることに留意する必要という形で記載をしております。
  さらに、ピンクの囲みの見直しの2点目、浅埋設暗渠の考え方でございます。これも運用の第3章、計画の3.3.1の基本暗渠排水組織計画の(1)吸水渠の深さの中で、「なお、水田の畑利用の場合、浅く埋設する(50~60cm程度)のが有効な場合がある」という形で記載をさせていただいております。
  続いて10ページ目でございます。
  ストックマネジメント手法を導入した効率的な保全管理についての記載でございますけれども、効率的な保全管理手法といたしまして、暗渠排水の機能回復について、本文と運用と解説、それぞれに記載をしてはどうかということでございます。なお、機能保全とか性能とか再整備とか、いろいろな用語があるわけでございますけれども、ここでは機能回復という部分に着目をして整理をしております。と申しますのも、これも前回意見が出たところでございますけれども、暗渠排水施設のストックマネジメントの導入ということを考えたときに、実際は疎水材を入れかえて長持ちさせて使うとか、通常の農業水利施設でやるようなストックマネジメント手法とはやはり違うのではないかと考えているためです。やはりライフサイクルコスト全体の比較ですとか、地区全体での最適計画がどうあるべきかといったような水利施設のストックマネジメント手法というところまでは至らない、いわば簡易な手法というものが適当ではないかという形で、具体的には日常管理とか状況確認等に基づいて機能診断して、適宜補修、対策を講じるという意味で機能回復というところに着目して、そういう表現ぶりをさせていただいております。
  本文中では第5章「維持管理」というところを「維持管理及び機能回復」という形に改めました上で、5.4「施設の機能回復」という小項目を新しく項立ていたしまして、施設の機能回復に当たっては、低下した機能の回復に努めることが必要という記載をしております。また、その下の運用のところでは、機能回復の検討に当たっては、過去の暗渠排水の整備状況や関係受益農家等による維持管理の実施状況、機能診断調査結果を踏まえ、適切な工法を検討することが望ましいという記載をさせていただいております。さらに、その下の解説につきましては、それぞれ全体機能診断ですとか詳細機能診断、機能回復工法の選定について、おのおのの工法の検討に当たっての留意点等を記載、整理しているところでございます。
  続いて11ページ目でございます。
  技術の進展等への対応でございまして、ここは新たな暗渠排水施工技術に関する記載を整理しております。基準書本体の改定はございませんけれども、最初の丸のところにございますとおり、解説の中で第3章、計画の(3)酸性硫酸塩土壌の中で、非開削工法技術について記載しておりまして、開削により下層の塩類等が作土に混入する場合に有効といったような記載をさせていただいております。また、第4章、施工のところでも、本暗渠のところの施工では非開削工法に関する施工機械、それから補助暗渠のところでは簡易暗渠施工用の機械、それから無材暗渠のところでは過湿土壌用のせん孔暗渠施工用機械等について、それぞれ記載をさせていただいておりまして、それぞれどういう具体的な機械がイメージされるのかというところについては、次の12ページに写真つきで特徴等を掲載しております。この一覧表は、前回の委員会のご指摘の中でも、技術と検討項目との関係をわかりやすく整備すべきだというご指摘を踏まえまして、事務局のほうで整理をさせていただいております。ここには限定的に技術を書いておりますけれども、疎水材等の件も含めまして、優良技術につきましてはできるだけ前広に、今後、技術書のほうでわかりやすく解説してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  以下は参考資料でございますが、まず13、14ページ目は、前回の小委員会でいただきました指摘事項と対応方針案につきまして整理した表でございますが、個々のご指摘事項の主なものにつきましては、ただいまの説明の中で述べてまいりましたので、割愛をさせていただきたいと思います。
  それから、最後、15ページ目をお開きいただければと思います。今後のスケジュールでございます。
  先ほども述べましたとおり、2月の技術小委員会で論点整理をしていただきました後、見直し原案の策定に当たりまして有識者の意見聴取会、あるいは一次査読等を実施してまいりました。また、7月には、この小委員会で千葉県のほうに現地調査をしていただきまして、各委員の皆様方には大変ありがとうございました。本日ご議論いただきまして、その後はパブリックコメントの手続に入りたいというふうに考えております。さらに来年2月ごろには第3回の委員会を開催いたしまして、最終案をお示ししてまいりたい。年度内には報告、答申という形に持って行きたいというふうに考えております。
  なお、先ほども申しましたとおり、答申部分は資料2-1になります。ちょっと無味乾燥ですけれども、基準書本文の部分のみが審議対象になっております。
  以上、大変雑駁ではございますけれども、私からの説明を終わります。

毛利委員長
  ありがとうございます。
  それでは、ただいま事務局よりご説明いただきましたので、委員の皆様からご意見、ご質問等をいただきたいと思います。
  冒頭恐縮ですけれども、45分ぐらいは時間がございますので、しっかりとご議論をいただきたいと思います。どこからでも構いませんので、よろしくお願いいたします。
  それでは、飯田先生。

飯田専門委員
  最初、まず細かい点ですけれども、9ページのスライド9枚目、3.3.4の暗渠管を利用して地下かんがいを計画する場合の暗渠排水組織計画のところの文章で「下層土の浸透量の大きいほ場」という表現がありますけれども、これは正確な表現ではないのかなという気がします。浸透量が大きいか小さいかはいろいろな要因がかかわってきます。水の側の要因もかかわってきますので、ここで言いたいことは、下層土の透水性が高いほ場かなという気がいたしました。

毛利委員長
  この部分、ほかに委員の皆様からご意見ありますでしょうか。
  北川委員は、このあたりの課題はいかがでしょうか。

北川専門委員
  今の点は透水性のほうがいいと思います。

毛利委員長
  そうですね。事務局のほうはよろしいでしょうか。
  それでは、引き続きご意見をいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  どうぞ、北川委員。お願いいたします。

北川専門委員
  農村工学研究部門の北川です。
  今の地下かんがいの部分の記載についてですが、今回の計画基準では、地下かんがいと機能回復が改訂の内容の2本柱ということです。機能回復の内容は、この案で私はいいと思います。地下かんがいの内容の記載については、今回の改訂のように記載することは今後の農業生産の上では重要だと考えますので、特に問題ないと思いますが、勾配の管理のところについては留意が必要と思っています。基本的な基準は暗渠排水の設計基準の勾配のほうで決めていくというのが重要で、検討外の内容ですけれども、資料1-4の38ページに地下かんがいの場合の暗渠管の敷設勾配に関する記載があります。基本的な暗渠の勾配の決定と地下かんがいを考慮した勾配の決定が二重で記載されていることになります。できれば暗渠のほうで決めた勾配は守り、地下かんがい側で何かの事情で勾配が変わるということの書き方は、適切でないと思います。調整をお願いしたい。また、前回も話に出たと思いますが、低勾配化は、ほ場の大区画化の流れでどうしても必要不可欠になってくると思います。それは問題ないと思いますけれども、無勾配になると、理論的なところでダルシーの法則が成立しないので計算が成り立たなくなります。最大で管の70%ぐらいの面積となる水位で管の勾配により流していくという考え方で管の径などが計算されていますが、ダルシーの法則が成り立たなくなるので、その辺は留意が必要と思います。無勾配を含むというのを記載するか、今の書き方を留意して、低勾配の暗渠組織として無勾配を含めて考えるという考え方の方が良いと思います。あえて無勾配を含むという表現は書かない方が良いと考えますので、最終的にもう一回暗渠排水の設計指針の検討会があるときにお伝えいただけたらありがたいと思います。

毛利委員長
  そうですね。ここは、赤字で改定されている9ページ目、北川委員からご指摘をいただいた「基本暗渠排水組織計画をもとに・・・」という、この一文でどこまで読み取れるのかというところも少し気になっていたところです。勾配を排水の関係から決めたものを優先的にというご指摘だったかと思いますけれども、このあたりは十分読み取れるような構成になっているということでしょうか。

森澤農村環境課長
  「原則として基本暗渠排水組織計画をもとに」というところの表現ぶりを、もう少し強めたほうがいいというご主張でよろしいですか。

北川専門委員
  そうですね。今回の対象外ですけれども、運用のほうでは地下かんがいを考慮して勾配を決めると書いてあるので、どっちが先に決めるのか。暗渠排水の計画基準で決めた結果が、地下かんがいの検討でもう一回決め直せるという書き方は、余りよくないと思います。あと、低勾配というところは、緩勾配という書き方はいいのかなと思いますけれども、無勾配も含むというのがこの中に入ってくるのは、考え方としてもう一度、検討していただけたらありがたいと思います。 

森澤農村環境課長
  一応事務局の整理としては、この説明資料とは別に本文のほうでは無勾配という言葉は表には出てこない形で、1000分の1未満という言い方しか出てこないような整理はしているつもりでございます。

北川専門委員
  ついでに、細かい修正を1点だけ。資料の1-4の9ページの、これは審議内容ではありませんが、(8)の泥炭土の2行目のところの「中位泥炭」と書いてありますが、中位泥炭という土壌名はなく、「中間泥炭」の間違いなので、これは確認して直してください。

毛利委員長
  今ご指摘いただいておりました、1000分の1未満の勾配となる場合という、無勾配に近いような場合も現実的には導入しないといけないような状況になってくるということでしょうか。そうなると、先ほど北川委員からご指摘がありましたけれども、理論的に機能するのかどうか、そういうところも委員会のほうでは議論した結果であるということでしょうか。

森澤農村環境課長
  具体的に北海道とか新潟のほうで、無勾配で暗渠整備されている、排水施工している事例を意見聴取会のほうでは見せていただいて、基本的にはこの表現で問題ないという形で落ち着いているという状況でございます。

毛利委員長
  基準ですので、実態としてしっかりと機能しているということを確認された上での記述であるということではありますけれども、論理的な面での不整合についての審議や確認状況について伺いました。

事務局
  担当からちょっと申し上げます。
  有識者による検討会がございます。その中で実際に、やはり理論的な部分でまだまだ十分ではないのではないかというご議論がございました。ただし、やはり先ほど申し上げましたとおり、実態で無勾配の暗渠管が敷設されておりまして、堆泥というものもそんなに見られないということも言われている中で、やはり施工費もフラットにしますと通常の勾配があるものよりはかからないというようなメリットもございますので、基準書の中では何かしら無勾配を含む緩勾配施設も明記ができるようにすべきじゃないかというご議論の中で、今回留意事項という点ではございますが、それを明記したところです。理論的な部分につきましては技術書のほうで、あくまで参考という形になろうかと思いますが、動水勾配に関しての計算事例等を用いながら、充実させていきたいということで考えております。

毛利委員長
  ありがとうございました。十分議論は尽くされているようですので、何か補足事項はありますでしょうか。大丈夫でしょうか。

北川専門委員
  実態としては低勾配の暗渠が今後主流になってくるということで、それは問題ないと思っていますし、無勾配も実態としてはあるので。ただ、考え方としてきちんと整理されていることが重要ということです。

毛利委員長
  ありがとうございます。
  ほかに。
  それでは、中嶋委員、お願いいたします。

中嶋専門委員
  すみません。8ページで50アール以上の規模、これは水田から来ていると思いますけれども、水田の場合は、50アール以上になると大区画という根拠が何かあるのかというのが1点。
  もう一つは、下に、上流側に1000分の1の勾配になる場合は立上り管を設置するといいとありますが、これは効果がもうある程度検証されているのでしょうか。
  あと、細かいようですけれども、左の両側に排水する場合だと、この吸水管をどこに立てるかというのがちょっとわからなくて、この3点、おわかりになれば。

森澤農村環境課長
  まず、大区画化の閾値の問題でございますけれども、50アールというのは、先ほど申したとおり、ある意味統計上の整理という形で30アールが標準というところ、それ以上という形で、50で区切って、それがデファクトになっているという状況がございます。一方で1ヘクタールという数字もございましたけれども、この1ヘクタールも、何をもって1ヘクタールと決めているのかというのを、いろいろひもといてみましたけれども、具体的な明確な根拠というのは今のところ私どもも見出せておりません。実態から、先ほど申したとおり50アールという形で決めているところでございます。
  それから、2点目の立上り管……。

事務局
  立上り管につきましては、既存の暗渠排水の中で、やはり上流から水を入れることによりましてフラッシュ(排泥)する効果がございます。そういう中で、緩勾配、無勾配になりますと、どうしてもやはり堆泥するおそれが高いということがありまして、その点につきましては、やはり立上り管をつけることによって排泥を促すということで、それを明示・追加するような形で緩勾配を認めるというか、そういう形での施工を促すというか、そういう形で整理をしたいと考えています。

中嶋専門委員
  じゃ、今やって効果があるので、無勾配はより堆泥の危険性が高いので設置するというという整理ですね。左のこのポンチ絵には立上り管が配置できないような気がしますけれども。

事務局
  それは、今回の技術小委の事前レクの際に、やはり委員の先生方から意見がございました。ですが、今回ちょっと間に合っておりませんので申しわけございません。立上り管につきましては明記をしたいと思います。立上り管のあるものの事例としては、実際まだ確認はしておりませんが、立上り管という形で、大区画ほ場につきましては必要かと思います。

中嶋専門委員
  さまざまなタイプがあるということですね。わかりました。

毛利委員長
  どうぞ。吉田先生。

吉田専門委員
  すみません。審議対象となっている部分の文章も重要かと思いますので、ちょっと申し上げたいのですけれども、まず施設の機能回復というところですが、「施設の機能回復に当たっては、低下した機能の回復に努めることが必要である」と、これはちょっと何か重なっていないかということですね。この「低下した機能の回復に努めること」というのが、低下した機能の特定の部分に注目して集中的に回復させるというような意味であれば通じますけれども、そもそも機能回復というのはそういうことですから。どういう意味がある文章なのかというところをちょっと疑問に思いましたので、意図なり何なりというところを、これでないといけない必然性というか、その辺をご説明いただきたいというのが1つです。
  あと、先ほど議論に出てきました地下かんがいを計画する場合の暗渠排水組織計画のところですが、後半に「作物の生育環境改善の必要性等を考慮して」とありますが、この必要性を考慮するというのは、必要性、つまりやる必要があるのかどうかということなのか、どの程度必要なのかということなのか、ちょっと曖昧なので、そのあたりをどうせ書くのであればはっきりさせたほうがいいのではないかという意見ですけれども、いかがでしょうか。よろしくお願いします。

森澤農村環境課長
  1点目のところは、確かにちょっと重複感がありますけれども、私どもの意図としては、機能回復というのは、先ほど申したとおり、できるだけ簡易なストックマネジメントというのを念頭に置きながら、具体的には例えば疎水材の充填ですとか心土破砕とか、そういうところについてやっていくというようなことを想定しておりますので、ちょっと文言のほうはさらに修正させていただきたいと思います。
  それから、2点目のほうも、ご指摘を踏まえて検討させていただければと思います。

毛利委員長
  確かにご指摘のとおり重要なところです。誤解のないように表現していただくというのが大事だと思いますので、整合性がとれるように検討いただければと思います。
  さて、それでは、ほかにご意見ありませんでしょうか。
  弓削先生、お願いいたします。

弓削専門委員
  細かいところで恐縮ですけれども、この資料1-4のまず20ページのところで、(3)の土壌状態と地下水位というところがありまして、この中で、恐らく畑地かんがいに関係するような表現が幾つかあります。例えば「易有効保水量」とか「正常生育有効水分」とかという記載がありますけれども、これはたしか最近、「農業用水」の「畑」が改正されて、用語の統一が図られたので、恐らくそちらに合わせられたほうがいいのかなというところがありましたので、ご検討いただければと思います。
  それから、2点目で、また同じく資料1-4の23ページ目で平面図のところで、先ほど中嶋委員からもちょっとお話がありましたけれども、この技術書が恐らく技術者の方対象なので、この平面図でもいいのかなと思いますが、私、この暗渠排水を講義のテキストとか参考資料でもよく使わせていただいておりまして、やはりこれは学生にとっては非常にわかりにくいと感じています。後で追加されていた32ページの図の3.11のところで、新しく立体的な3次元の図面があって、これは非常にわかりやすいなと感じました。ですので、もしかしたら後の技術書のほうで詳細な検討をされるのかもしれませんけれども、この暗渠の構造だとか組織的なものをもう少しわかりやすくしていただくような工夫をしていただけると、非常にありがたいなというふうに思いましたので、ご検討いただければと思います。

森澤農村環境課長
  ありがとうございます。
  1点目のところについては、先般の「畑」のところと突合を事務的にさせていただきたいと思います。
  それから、2点目のご指摘は、まさに前回でも、できるだけこの計画基準をわかりやすく現場なり関係者に伝えていくというのが大きい命題としていただいておりますので、ただいまいただいたご指摘も踏まえて、また再度検討させていただきたいと思います。

毛利委員長
  今ご指摘いただいた図のことだけではなくて、寸法、スケールが書き込めるところはできるだけ書き込んでいただく必要があると思います。図の中のスケールが合っているようで、バランスが合っていないようなものもありそうなので申し上げました。浅埋設という項目もありましたが、数値はできるだけ入れていただいたほうがいいと思います。
  それでは、樽屋委員お願いいたします。

樽屋専門委員
  ちょっと細かいところからですけれども、資料1-4の15ページ、3.1.4の用水との関係というようなところの表現がありますけれども、自分が水路のほうの仕事をしている立場から見ると、用水といったときに用水網のことなのか、あるいは用水量のことなのかというようなことがよくわかりません。ここで用水と書いてあるのは、これは用水量のことだろうと思います。これをはっきりさせておいたほうがいいのではないか。量なのか、あるいは組織のことを言っているのかですね。それが1つです。
  それから、今のような見方からすると、先ほどの水路系のほうを日ごろ見ている立場からすると、暗渠排水組織計画について、具体的にどういう組織計画になっているのか、教えていただきたいと思います。その上で、この種の図面を見るときに平面図はよく出てくるのですが、本来、水分をコントロールしようと思ったら、実際は動水勾配で管理するということになるわけですよね。先ほど無勾配暗渠の敷設のお話がありましたけれども、無勾配の施設を敷設したとしても、そこでは必ず何らかの形で動水勾配の管理が行われているはずです。こういう視点から水を動かすということを実際にやっていると思いますので、こういう暗渠組織計画のようなものが本当にどこまで縦断計画、いわゆる動水勾配の計画になっているのかというのが非常に疑問です。
  あと、それから、基準書全体に言えることですけれども、水の流れが見えないですね。施設の勾配をどうするかという議論はありますけれども、それは当然水がそう流れてくれるだろうというある程度の想定をもとに、ある程度の経験をもとに積み上げてきた技術体系によるのだと思いますけれども、実際に管理される対象は、水路と全く同じだと思います。つまり実際には動水勾配が管理されているはずですが、そういう視点がこの基準を読んだだけでは見えてこないというところがございます。これまでの技術の体系上、それは仕方のないことだと思いますが、今までそういう議論があったのか、教えていただきたいのですが。

森澤農村環境課長
  まず1点目のところについては、量か組織かというところは、もうちょっと再吟味して整理をしたいと思っております。
  それから、2点目の組織図の広がりの大きさと、3点目とも関連しますけれども、今回、あくまでもこの暗渠排水計画の基準をつくるに当たっては、基本的にはやっぱり土地改良事業というのをベースに考えておりますので、実態的に暗渠の事業というのがどういう形でやられるかというと、ほ場単位が基本になっているというところがございます。そこを中心に考えていますので、水のように地域全体というような捉え方というのは、していないという整理になっております。
  それはまさにストックマネジメントのほうも同様の考え方のもとに、やはり水利施設のそれとは違うだろうという形で、そちらのほうはできるだけ簡易にという考え方でやっておりますので、必ずしも水利というところまできちんとフォローしてというか、そういうところまでは行っていないというか、そういうところは区別して整理をしたというのが実態としてございます。

樽屋専門委員
  ありがとうございました。ただ、一応今回は暗渠排水を通じて、例えば地下かんがいを記述しようという試みをしているわけですね。ということは、ほ場の中の用水と排水との間の動水勾配を何らかの形でこれからは制御していこうという意味だと思います。そのときに、暗渠排水の側からそれをどう記述するかということと、あるいは、ほ場全体から見て、ほ場の中で最終的には水分コントロールをしていこうとすることだと思います。土壌中の水分コントロールをするために、あるときは用水、つまり上流側のほうの動水勾配をコントロールする。一方で、用水がないときに、今度下流側の条件をもとに土壌水分をコントロールするという状況も出てくるはずです。それはもちろん地域ごとに、それこそ立地条件とか、そういったものでいろいろな条件がある。土壌の条件、地質条件、いろいろ違いはあるだろうということは重々承知してございますけれども、ただ、そのときに水路とは考え方が違うということではないと思います。むしろ、ほ場を主役にして見たときに、この水分のコントロールをどういうふうに記述したらいいのかというような、これは技術の体系の問題だと思いますけれども、今はそれぞれ個別に暗渠排水とかほ場用水とか、それぞれのアプローチで技術の体系ができ上がっているから、こういう地下かんがいシステムのようなものが出てきたときに問題になる。要するにどこにどのようにこれを入れたらいいのかということが問題になる、そういう背景なんじゃないかと私は理解しています。
  だから、この場合どうしたらいいかということを記載するのであれば、上位から下位にどのように勾配がつながるのかということをきちんとある程度整理して、何らかの形で記述して、先々またそれが次の展開につながるような記述にしないと、暗渠排水に記載したということにはならないと思います。言い方が間違っているかもしれませんけれども、言いたいことは、動水勾配を管理するという視点に立てば、今もめているような幾つかの話については整理がつくのではないかと思います。

毛利委員長
  ありがとうございました。
  関連してご意見はありますでしょうか。よろしいでしょうか。
  先ほど北川委員から口火を切っていただいて、暗渠の勾配については、水の流れという点についてもご指摘をいただいていたわけですけれども、さらに樽屋委員からは、地下かんがいという視点から、もう少し吟味してはどうかというご意見でした。技術の成り立ちが少し違いますので、うまく整合性をとらないといけないということはそのとおりだと思います。少しご検討いただければと思いますけれども、ほかに。
  飯田先生、お願いいたします。

飯田専門委員
  よろしいですか、話が変わりますが。

毛利委員長
  構いません。

飯田専門委員
  ちょっと違う観点ですけれども、スライドのほうの7ページ目に検討の方向のところで「農業者自らによる施工を活用した整備手法の導入」というのが検討の方向として挙げられておりますけれども、それは実際の基準案のほうでは、例えば無材暗渠の施工とか、補助暗渠の施工のところで反映されているというふうに理解してもよろしいですか。

森澤農村環境課長
  おっしゃるとおりでございます。基本的には、先ほど申したとおり、土地改良法に基づく土地改良事業というところが中心になりますけれども、この無材暗渠とか、こういった手法においては、先ほどの心土破砕もそうですけれども、農業者の自力施工というのがかなり実態として多いというところもございますので、そういった方たちにも参考として使っていただけるようにというところを意図して含んでいるという趣旨でございます。

飯田専門委員
  これは、基準のほうの文書を読みますと、こういうことが農業者自らできますよということはメインには言っていないですよね。だから、その部分がもうちょっと基準のほうに反映されてもいいのではないかなという気がしますけれども、いかがでしょうか。

森澤農村環境課長
  そこは、これから検討させていただきますけれども、私どもの整理としては、先ほど申したとおり、基本的には農業者の自力施工というのは、どちらかというと、自分たちでやっていただくというところが基本になりますので、それ以外のまさに請負とか、こういう本体のところについては、土地改良事業のほうでしっかりやることを基準本文のほうには書いていきたいという趣旨で、余り基準本文のほうには自力施工ということは出さないような意識づけで整理をしたという傾向になっています。

飯田専門委員
  この辺の表現がベストというところで落ち着いているわけですね。どうもありがとうございます。
  今後、担い手の農家がどんどん育っていくと思いますけれども、そういう場合に、自分のところでやる作業というのはウエートが多くなっていくと思います。そういう場合にも参考になるようなものになればいいなというふうに思っております。

毛利委員長
  よくわかります。ありがとうございました。
  中嶋委員はよろしいでしょうか。

中嶋専門委員
  スライドでいうと10ページですけれども、機能低下という機能に関する考え方ですね。本文のほうでは「施設の機能回復」という題目がついていますけれども、普通の水路でしたら構造機能の低下が最も重要な機能低下となります。しかしながら、暗渠では構造ではなく、それ以外の例えば農業の生産性を上げるとか収量を上げる、品質を上げる、そして作業効率を上げる、そこら辺が主たる機能になると思います。今回ご提案の基準では、資料1-4の48ページに基準外ですけれども「暗渠排水の機能回復は、暗渠排水の機能低下により農業生産性が低下したほ場を対象とする」と記載されています。この記載からは、ほ場の生産性が低下した段階でその次に施設の機能を見ていこうという基本方針であるように思えるのですが、いかがでしょうか。
  言いたいことは、「施設の機能回復」は広い概念なので、構造機能の低下とともにやはり収量とか農業の生産性、そこを向上させるというところも考慮された書き方をする方が良いのかなという意見です。暗渠は水路などの他の構造物と少し違うことを示す方がよいと思います。

毛利委員長
  関連するご質問、コメントは先にいただきたいと思いますので、樽屋委員からお願いします。

樽屋専門委員
  すみません。これは全く先ほどの話と同じでして、機能を表現するときに、実際にどれだけの被害が例えば土壌で起きていたのか、それが、そのときに例えばこれだけ水が足りなかったのか、あるいは排水が不足したのか、暗渠管の排水量がどれぐらいだったらよかったのか、どのぐらいに設定できれば、このほ場が健全な状態になるのかということを考えて、つまり水のコントロールという視点からすれば、従来水路でやっていることと全く同じことをここでやればいいんだと私は思っています。中嶋委員の言われている機能の意味合いとはちょっと違って、もっとすっきり考えて、より明確に水の流れのコントロールの性能、あるいは機能ということを考えて、この際、ストマネを導入するようにやればよい、私は最初そういうふうに、この本文を見たときは理解しました。それが実はオーソドックスなやり方ではないかと私は考えますけれども、いかがでしょうか。

森澤農村環境課長
  ありがとうございます。
  まず、機能という言葉について中で議論したときに、それとの対比で性能という言葉も出てきましたけれども、この暗渠排水の機能というものを考えたときには、やはり暗渠管とか、そういう構造そのものだけの問題ではなくて、土壌とか、あるいは地耐力みたいな問題というのも全体を含めて考えていく必要があるだろうというところで、性能よりも機能のほうがより広く全体を捉えているかなという形で整理をしております。
  一方で、今、2点目のご指摘でございましたストックマネジメントの考え方につきましては、私どもとしては必ずしも、何か構造というところだけの点検でその機能診断というものができるとは考えていませんし、あるいは、農作物の生産性向上だけを一つの指標として見ていくというよりも、先ほど申したとおり、例えば農作業機械効率の問題ですとか、土壌の状況とか、水周り以外のものも含めて、全体的にできるだけ日ごろの見回りの中で現地踏査していただいて機能診断していただくというのが一般的ではないかなと。その中で機能低下の要因が出てくれば、改めて深掘りして分析して機能回復の工法を図るというアプローチが一般的ではないかなというふうに考えて、こういう整理をしたというところでございます。

中嶋専門委員
  私の意見は課長と同じです。その前半のところ、もう少し大事だと思います。施設の機能低下プラスそれ以外のものですね。だから、そこら辺を盛り込まれてはというのが……。考え方は同じです。

毛利委員長
  吉田先生からご指摘のあったところですが、機能と性能をうまく使い分けて、今、課長からご説明があったようなことがしっかりと読めるような表現にしていただく必要があると思います。このままでは誤解が生まれる可能性があると思います。
  それと、用語の使い方という面では、ほかの基準類との整合性もしっかりととっていただいて、機能の表現とか性能の表現だけではなくて、先ほどご指摘いただきましたけれども、用水という表現も使い方を確認いただければと思います。
  ほかにご意見をいただけますか。渡辺先生、お願いいたします。

渡辺専門委員
  今のストマネのことで、少し現場サイドの話をさせていただきたいと思います。理論的な整理もすごく大事ですけれども、暗渠排水をこれから長持ちさせて維持管理していくためには、こういう考え方があるというふうに示してもらったと私は理解しています。
  それで、実際現地を見ますと、暗渠排水の機能の実態というのは全く様々です。排水口からは水が出ていないけれども暗渠はきいている場所もありますし、水が出ているけれども暗渠がきいていないような水田もあります。どういう状況で暗渠が機能しているか、機能していないか。実際に現地でほ場を管理している皆さんが、どうすれば直るだろうかとか、どうすれば長持ちするだろうかということを意識していただければいいのかなというふうな感じがしております。少しずつ経験、実績を積んで、だんだんグレードアップしていくのではないかなと期待しています。私は、意見聴取会のメンバーなもので、最初ストックマネジメント手法という言葉には少し抵抗がありましたけれども、ストックマネジメントの考え方を今回の基準書の中に頭出しをして、ユーザーに意識してほしいというレベルでよかったのかなと考えています。

毛利委員長
  ありがとうございました。
  現場からの意見についても、委員会の中ではしっかりと議論していただいているとは思いますが、地下かんがいというキーワードもこの中で出てきておりますので、全体を見て、将来に向けた整合性のあるものに仕上げていくという努力も必要だと思いますので、少しご検討いただければと思います。
  ほかに委員の皆様からご意見いただくような事項はありませんでしょうか。ご自由に。

北川専門委員
  追加で、このパワーポイントの資料がインターネットに公開されることになる予定ですね。せっかくなので、できれば5ページの真ん中の地下かんがい導入による水管理の省力化の効果の図ですけれども、これ、中樹林地区という北海道南幌町のところだと思います。大区画化と併用して地下かんがいが導入されて、結構うまくいっている地域で、水管理効果も大きい、いいデータだと思います。しかし、本当は大区画化による区画の省力化効果も含まれているので、地下かんがいだけの効果ではないというところで、効果は大きいのですけれども、関連する効果の整理の内容があれば、記載の方法など改善していただければありがたいと思います。
  また、浅埋設の暗渠の断面(例)ですけれども、計画基準では作土のところの部分には疎水材がない形になると思いますので、記載方法の工夫をお願いしたいと思います。
  また、6ページの下のほうの図、暗渠排水の整備の推移については、昔の整備により整備済み面積がふえて、今後は少しずつ減っていく中で、ストックマネジメントの機能回復手法が必要だという実態が、この図からうまく読み取れるようになったなと思います。ただ、一方、年間の整備面積が2万2,000ヘクタールぐらいで推移する予定になっているということで、計画上、これは2万ヘクタールぐらいかなと思いますけれども、どれぐらいを想定していて、これぐらいでいいのか、もしかしたら現実的にはもうちょっと下なのかもしれないなと思いますので確認していただいて、グラフを完成させていただきたいと思います。
  この図が一番いろいろな方々が目にする図になってくると思いますので、検討をお願いします。

毛利委員長
  ありがとうございました。
  ほかにご意見ありませんでしょうか。委員の先生方のコメント等でも構いませんが、よろしいでしょうか。
  今ご指摘いただきました6ページ目の、この暗渠排水の整備の推移については、もう少し検討されるということでした。数値も変わるというふうなことでしょうか。

森澤農村環境課長
  今ご意見をいただいたとおり、数値は再度チェックをさせていただきますけれども、まだ少し見にくいのではないかというご指摘も委員の方からいただいておりますので、もう少し見やすい形で整理をしたいというふうに中で考えております。

毛利委員長
  全体的には了解はしていますけれども、このモミガラの腐食状況では、写真を2つクローズアップしたものを載せていただいておりますけれども、わかりづらい気がします。もう少し腐食前後を載せるなどの工夫が必要ではないでしょうか。腐食してしまうと区別がつかなくなるというのであれば前後の写真にするとか、何かちょっと工夫ができませんでしょうか。
  ほかにご意見をいただくことはございませんでしょうか。コメント等があれば。本田先生はどうですか。よろしいですか。
  それでは、委員の先生方からは一通りご意見をいただきましたので、続きまして審議事項の2つ目の項目に移らせていただきたいと思います。農業農村整備に関する技術開発計画の策定についてでございます。事務局より説明をお願いいたします。

佐々木施工企画調整室長
  施工企画調整室長の佐々木でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  資料2-1が本文案になります。資料2-2が概要になってございます。2-2でご説明させていただきます。
  まず2ページをお開きください。計画の経緯でございます。
  平成9年に最初の計画を策定して以降、平成17年、21年の改定を経まして、平成25年に現行の計画を策定しています。今般、土地改良長期計画が1年前倒しで改定されたことを踏まえまして、新たな技術開発計画を策定するものでございます。
  3ページ、お願いいたします。
  左側に1(丸数字)、2(丸数字)、3(丸数字)とございます。今回の検討の視点でございます。1つが新たな長計の政策目標に照らした技術課題、2つ目が現計画の進捗状況、3つ目がニーズ、シーズの状況でございます。こういったところを踏まえて検討を行いました。
  なお、2(丸数字)の進捗状況については資料2-4に、ニーズ、シーズの関係については資料2-3に概要を整理させていただいております。
  4ページに計画案の構成、ポイントを示してございます。2項でございますが、技術開発の基本方針としまして、まず(1)の目標につきましては、長期計画に位置づけられました、ここに記載します6つの政策目標、これを達成するために、政策課題の解決に直結し、事業のストック効果の最大化に資する技術の開発・普及を推進するとしております。それから、(2)といたしまして、技術開発の推進に向けた取組方針、(3)といたしまして、東日本大震災からの復旧・復興への対応、こういった構成にしております。
  それから、その上で、下の3番目でございますが、技術開発の実施方針ということで、6つの今回の政策目標ごとに具体的な実施方針、これを記載する構成としております。
  5ページ、計画の中身でございます。
  まず取り組み方針、1(丸数字)といたしまして、技術開発につきまして重点化をしながらハード・ソフトを適切に組み合わせて推進していくとしております。加えまして、3つ目の丸でございますが、情報通信技術の発展を踏まえまして、ICTを最大限に活用した技術開発を推進する。こういった観点も踏まえまして、下にございます官民連携事業、あるいはプロジェクト研究、こういった枠組みを活用して、本計画に即した技術開発を効果的に推進するという考えでございます。
  6ページ、2(丸数字)でございます。地域の特性を最大限に生かした整備方法、そしてそれに見合った最適な技術を適用する。それから、既に実用化している技術、こういった技術についても、より広範な地域へ導入を図る観点から、さまざまな現場条件に応じた適応性を検証して、必要な改良を推進するとしております。
  3(丸数字)の産学官連携でございます。新たな技術情報をユーザーに提供することによって現場での活用を促進し、その現場から得られた情報をさらに蓄積して技術を改良することによって普及の拡大につなげていく。こういったサイクルを構築することが重要だとした上で、その下にございますような農業農村工学会の研究部会でありますとか、地域ブロック単位での研修会、あるいは関係機関による共同研究、こういったことに積極的に取り組みまして、関係者の情報共有・連携を促進していきたいというふうに考えております。
  7ページ、4(丸数字)の開発技術の活用でございます。新技術の導入に先進的に取り組んでいる事業現場、こういったところにおけます技術開発から現場導入に至るプロセス、あるいは現場適用後の検証結果、こういったものに関する情報の横展開を推進していく。そして、そういった取り組みのもとで国の計画設計基準等の技術図書への反映による技術の標準化を推進していく。このようにしております。
  5(丸数字)でございます。今申し上げましたような産学官連携でありますとか交流、あるいは新技術導入、さらには研修、こういった取り組みを通じまして、実践的な技術力を有する人材の育成、さらには地域に対して的確な技術的サポートができる技術者の育成を推進していくとしております。
  6(丸数字)のフォローアップでございますが、農村振興局と関係機関が連携して技術開発普及の進捗状況等に関する情報を定期的に取りまとめまして、情報の発信、提供を行ってまいりたいと考えております。
  8ページでございます。
  東日本大震災からの復旧・復興への対応ということで、これまでに下の図に紹介しておりますような除染等に関する技術開発で成果を上げてまいりましたが、引き続き原子力災害被災地域での営農再開に向けまして、除染後農地の省力的な維持管理手法等の技術開発を推進してまいりたいというふうに考えております。
  9ページでございます。実施方針に移ります。
  実施方針の記載の考え方を上の箱に記載しております。長期計画における6つの政策目標と12の施策ごとに必要な技術開発の実施方針を記述しております。そして、特にその中でも重点化すべき技術開発については、重点化する技術開発として明示をしております。さらに関連分野、例えば営農ですとか法人経営、食品加工、流通、こういった分野の技術も現場では積極的に取り入れていくという観点から、関連技術の事例についてもあわせて併記をしております。
  10ページからが実施方針の内容です。
  まず政策目標の1番目、産地収益力の向上でございます。1つ目のポツにございます、産地の収益力を高めるため、水田の汎用化・畑地化に係る簡易で効率的な整備技術、畑地における効率的な水管理を可能とするかんがい技術、あるいは園芸栽培における熱エネルギーの活用促進、こういった技術開発を推進していくとしております。また、2つ目のポツは同様の趣旨でございますが、フレキシブルな農業用水の送水システム、品質コントロールに対応できる配水システム、こういった技術開発を推進していくとしております。
  右側に目指す技術開発の事例を記載しております。例えばセンシング技術を利用した地下水位制御システムによる自動給排水技術でございます。これはほ場の水分状態を常時センシング技術で把握しまして、土壌タイプ、生育ステージごとに最適な水分状態を保つよう、地下水位制御システムにより自動で給排水しコントロールする技術を目指すものでございます。
  11ページをお願いいたします。
  2(丸数字)番の担い手の体質強化になります。これにつきましては、ICTを導入し、農地周りの用排水管理等を遠隔操作・自動制御するシステム、それから、広域な地域全体で水資源を効率的に制御する技術、このほか、その下側にあります農地の低コスト整備技術でありますとか、イのところにあります農地・農業用水等の情報の調査・収集、可視化といったような技術、こういった技術の開発を推進するとしております。
  右側に示します2つの事例でございますが、先般の現地調査において開発中の状況を見ていただきました技術でございます。ほ場レベルの水管理と、それより大きい、ある程度広域な地域の水管理につきまして、気候ですとか生育状況、こういった刻々の変化に応じて用水配分を自動で最適化する、あるいは農家や土地改良区の管理者がスマートフォンを用いて現場から水管理の操作をできる、こういったことを可能化することで生産コストの削減を図るものでございます。
  12ページ、3(丸数字)番、農村協働力と美しい農村の再生・創造でございます。
  アといたしまして、農村地域の資源・景観、こういったものを適切に保全していくための調査・評価・管理に関する技術、あるいは農村協働力を生かした施設の保全管理技術、イといたしまして、地域の農業者などが利用できる簡易な生態系の保全・再生技術、こういったことなど、環境の保全・再生・創造に係る技術の開発を推進していくとしております。
  事例でございますが、例えば上の事例につきましては、土地改良区ですとか資源保全組織に蓄積されました施設の維持管理手法でありますとか、地域資源の保全活動の取り組み、こういったものに関します有益な知見・情報をわかりやすく見える化することによって、次のステップ、多様な人材の参画ですとか取り組みの効率化・広域化、こういったことにうまくつなげていくような技術を開発しようというものでございます。
  13ページでございます。4(丸数字)番、快適で豊かな資源循環型社会の構築でございます。
  アといたしまして、農村の重要な生活基盤となっております農道、それから農業集落排水施設に関する機能診断でありますとか老朽化対策、これに関する技術、それから、農業集落排水施設については、地域特性に応じた再編統合計画、こういったものを策定することについての技術、さらにはイのところに書いておりますが、水路の小落差、パイプラインの圧力水頭、それから頭首工の落差、こういった地域にある現象を活用した低コストの小水力発電技術の開発を推進する。さらには、地域資源等の効率的なエネルギー化技術、農業水利施設等から得られる電気・熱エネルギーを地域で活用していく技術、こういったものの技術開発を推進していくとしております。
  事例につきましては、農業集落排水施設で課題となっていることの一つであります腐食、特に電気機械設備の腐食を防ぐ長寿命化技術の開発、下側につきましては、地球温暖化の防止、あるいは施設の維持管理費用の節減等の観点から、農業用水路ですとかため池にあります水、たまっている水を熱源として農業用のハウスなどに冷温熱を効率的に供給するようなヒートポンプシステム、こういった技術を開発していくというような例でございます。
  14ページ、5(丸数字)番でございます。老朽化や災害リスクに対応した農業水利施設の戦略的な保全管理と機能強化ということで、施設の長寿命化とライフサイクルコストの低減を図る観点から、トンネル、パイプライン、開水路、ポンプ場、こういった施設の診断・状態監視技術、あるいは劣化予測技術、それから管水路につきましては漏水探査技術、モニタリング技術、それから破損に対するリスクを評価する技術、こういった技術を開発する。さらには、長寿命化という観点から新材料導入による補修・補強技術、さらには、今後問題になってくることが予想されますダムの堆砂管理・除去に関する技術、こういったことの開発を推進するとしております。
  事例の下側に用排水機場のポンプ設備の状態監視・機能診断技術を載せております。これにつきましては、現地調査の際に見ていただきましたとおり、右下の写真がございます。潤滑油などを用いてポンプ設備を分解することなく劣化状態を現地で診断する技術でございます。こういった技術は開発されつつあるわけでございますが、さらにこういった技術を応用しまして遠隔からポンプの状態を常時監視するような技術を開発しようというものでございます。
  今、ポンプの例で申し上げましたような状態監視・機能診断、それからリスク評価のような技術については、このポンプだけではなくて、上側の事例で示しています管水路、あるいは他の水利施設についても技術開発を推進していく必要があるというふうに考えております。
  15ページでございます。政策目標5番の続きになります。災害リスクの軽減に資する技術でございます。
  これにつきましては、ため池ですとか農業用ダムを初めとします水利施設の耐震対策技術、それから気候変動に伴う洪水・渇水リスクの増大といったことを踏まえました防災減災対策、こういった技術の開発を推進していくとしております。
  上の例のフィルダムの耐震性評価技術につきましては、現状におきましても強振動に対する動的応答解析といった解析手法は有しておるわけでございますが、ひずみの状態でありますとか貯水状態等に応じた、より再現性の高い耐震性評価技術を開発しまして、将来における効率的な補修・補強対策に生かしていこうとするものでございます。
  最後、16ページの項目、政策目標の6番目、災害に対する地域の防災・減災力の強化でございます。
  豪雨、地震時におけるため池等の情報をリアルタイムで監視・収集し、施設等の危険度、周辺地域の被害予測を即座に情報提供する技術、あるいは、水田や農業水利施設の持つ貯留機能を生かした洪水対策、ため池群を活用した下流の防災減災対策、こういったことなど、既存の土地改良施設を生かして低コストで地域の防災・減災機能を高める技術、こういった技術の開発を進めていこうという考えでございます。
  1つ目の事例は、ため池の防災情報提供システムのイメージでございます。2つ目の土地改良区が有する施設の被災経歴等の見える化につきましては、例えば土地改良区の経験豊富な管理者でありますとか、水番を担っておられる農家の方の中に蓄積された暗黙知とも言うべき、例えば大雨のときには、まずここのゲートをしめるのが一番有効だといったようなさまざまな経験則に基づいた知見を関係者が共有できるような形にする。そういうことで地域における事前防災・減災の取り組みに生かしていく仕組み、システムを開発しようというものでございます。
  以上が計画の中身の案でございますが、17ページ、最後、策定のスケジュールでございます。本日の小委員会での審議等を踏まえまして、計画案の修正・加筆を行った上で、来年2月ごろの小委員会において再度お諮りをし、取りまとめてまいりたいというふうに考えております。
  説明は以上でございます。

毛利委員長
  ありがとうございました。
  今、事務局からご説明いただきました。この件につきまして委員の皆様からご意見、コメント等をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。内容が多岐にわたりますので、少し時間的な問題もありますが、どこからでも構いませんので、関連するところは集中的にご意見をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  本田先生。

本田専門委員
  7ページのところですけれども、その前の暗渠排水の際にも農業者の自力施工という話があったかと思います。この技術開発の基本方針のところでは、特に自力施工ができるような簡易な技術をどうするとか、あるいはそれをどう普及していくかというようなことに関して余り文面で例示はおらず、7ページに写真で現地講習などを考えているというような程度であって、基本方針の(1)のところから、ところどころに省力化といったことが書かれてありますけれども、自力施工を想定したような表現を基本方針の最初のところでもう少し打ち出されていいのではないかなと個人的には思いましたけれども、そのあたりはどのようにお考えか、お聞かせいただけないでしょうか。

佐々木施工企画調整室長
  ありがとうございます。
  技術開発計画の目指すところといたしましては、当然ながら国営事業で実施するような大規模な事業に対する技術もさることながら、現場で農家の方が自力で施工するような際に効果的に施工なり設計ができるような技術もターゲットにしているところでございます。そういった意味で、「簡易な」というような表現がところどころに出てくるわけでございますが、ご指摘のように、基本方針のところでそういったところにも力を入れて開発をするというような表現は少し弱いような気もいたしますので、少し検討をさせていただきたいというふうに思います。

本田専門委員
  よろしくお願いします。

毛利委員長
  ありがとうございました。
  いかがでしょうか。
  どうぞ、中嶋委員。

中嶋専門委員
  本田さんのご発言からちょっと思い出しましたけれども、ばっと見て、資料の中に土地改良区という名前が出てこなくてちょっと違和感を感じました。一般の方にわかりやすい名称は「農業者」の方かもしれませんが。私自身は非常に土地改良区の方が大事だと思うので、どこかに出てきてもいいかなと思いましたけれども、感想です。

毛利委員長
  さまざまな切り口でご意見をいただければと思いますが、何かありますでしょうか。
  吉田先生、お願いいたします。

吉田専門委員
  今、農家と現場というか、実際の利用者というか、そのあたりの部分がちょっと何かどこに載ってくるのというのは不十分な気はしたので、以前もちょっとお話はしましたが、そういう意味で言うと、産学官連携というのは産と学と官ですので、技術開発の場合にはその消費者に相当する農家さんが抜けてきます。そのあたりと連携をどうやって図るかというあたりがちょっと書かれていない気は─書かれていますけれども、章立てになっているわけでもなくて、ちょっと書いてあるという感じなので、もう一押し、どうやって情報を吸い上げてくるかという部分はあってもいいのかなという印象を最初に持ちましたので、今、同じような意見ですが、あわせて申し上げさせていただきました。

毛利委員長
  この件で関連するようなコメント等。
  それじゃ、飯田先生、お願いいたします。

飯田専門委員
  私も吉田先生とかほかの委員の方と全く同感で、このパワーポイントのほうでは、農業・農村の現場で起きている実情やニーズを的確に把握するとか、新たな技術の情報がユーザーに行き渡ることが大事だとかいうことが述べてありますけれども、それが技術開発計画骨子のほうにもうちょっと強く出たほうがいいかなという気がしました。事前説明のときにもこの議論をさんざんさせていただきましたけれども、3(丸数字)の産学官の連携という、これは3(丸数字)のテーマになっていますね。この「産学官の連携」という言葉は大分前から使われている言葉で、「産」、「学」、「官」の連携で、この「産学官の連携」という言葉の中に現場とか営農者が参画するという意味合いは割と入ってきません。我々が今使っている状況の中で。だから、この3(丸数字)の「産学官の連携」というタイトルを、産学官及びユーザーの連携とか、及び営農者との連携、何といいますか、具体的な単語は思い浮かびませんけれども、そこにもうタイトルとして入れてしまえばいいのではないかなと、そうすると大分クローズアップされた感じが出てくるのではないかなというふうに思っております。

毛利委員長
  事務局からご説明をお願いいたします。 

佐々木施工企画調整室長
  ありがとうございます。
  本文でいいますと6ページの3(丸数字)になりますが、ご指摘のように産学官連携というタイトルには、我々としてはそこにユーザーの概念も盛り込んでいるつもりではいました。この表現の中ですと、官という言葉の中にユーザーの概念を盛り込んでいたつもりですが、ご指摘いただいていましたとおり、農家ですとか土地改良区のところがちょっと欠落した形になってしまいますので、ユーザーという意味合いを盛り込んだほうがよいというご指摘の趣旨を踏まえて、タイトルを検討させていただきたいと思います。
  それから、中身についてもご指摘がありました。土地改良区なり、あるいは農家に対してどのように情報提供していくのか、あるいは連携していくのかというところが少し足りないのかなという気がいたしましたので、それもあわせて検討させていただきます。

飯田専門委員
  ちょっと感想めいたものになりますけれども、担い手への集積も現在進みつつありますし、大きな面積を耕作していらっしゃる農家、担い手が出てきていますね。そうしますと、そういう方にやっぱり技術開発自体にもっとアクティブに参画していただくというようなことが、今後やっぱり重要だと思います。だから、そういう方がこの農業・農村整備に関する技術開発の活動自体にアクティブに参加できるようなもの、方針というのがやっぱり打ち出されたほうがいいのではないかなというふうに感じております。

毛利委員長
  ご検討いただければと思いますが、必要な技術要素としては書き込まれていると思いますが、表現の方法とかを少しご検討いただく必要があるということだと思います。産学官連携に関しては官民連携という事業が実施されていますが、その中に土地改良区が入っていたり、意見を伺って共同して技術開発の取り組みを実施している事例もあるようですので、具体的な事例の量的記述は別にして、そういう取り組みは今でも可能だと、やっているということも記述できると思います。少し書きぶりをご検討いただくということかと思います。
  どうぞ、渡辺委員。お願いいたします。

渡辺専門委員
  今までのお話に少し関連しますけれども、パワーポイントの資料の3ページに新たな「技術開発計画」の検討の流れとありまして、3(丸数字)で技術開発のニーズ及びシーズの状況というご説明がありました。いわゆる利用者が行政とか団体というくくりになっておりますけれども、いわゆるニーズの把握の仕方というのが具体的にどういうふうな手法でやられたのか、もしわかりましたら、教えていただきたいなと思います。
  実際に営農に係る部分については、農家の方の意向が少し入っているのかなという感じがしますけれども、そのほかのものについては、何となく行政的にこういうふうにやっていきたいという行政課題の解決のための開発が主眼のように思えます。例えば小水力発電について、私ども現場サイドからすると、条件がいいところについては有効活用できるけれども、低落差の小水力の話となると、本当にそういうニーズがあるのかなと思いますので、そのニーズの把握の仕方等について少し補足していただけると助かります。

佐々木施工企画調整室長
  今回の検討に当たって事前に把握したニーズにつきましては農林水産省内の本省、農政局、出先事務所のニーズでございます。また、その他の機関としては都道府県、それから各都道府県の土地改良事業団体連合会さん、今回聞いたのはそこまででございます。シーズにつきましては試験研究機関、農業工学系を有している大学、それから主立った民間機関、こういったところにアンケートをさせていただきました

毛利委員長
  技術開発の検討の過程でのニーズとシーズの発掘状況などが議論になっているわけですけれども、関連するご意見、コメント、ありますでしょうか。

飯田専門委員
  すみません、私ばかり。ニーズの把握の仕方の問題ですけれども、ニーズを把握する場合に、やっぱりコスト議論、コスト面というか、その面はやっぱり大事だと思います。いろいろな技術ができますけれども、農家はやっぱりそれを自分のところに受け入れるに当たっては、どれぐらい自分が負担しなければいけないコストがあるのかというのをやっぱり気にしていらっしゃいますよね。そうすると、技術を開発する場合には、ちゃんと最低限の営農者側のニーズを把握して、最低限応える安価なシステムを開発する、提供するというのが大事になっていく。そうしないと普及しないわけですよね。そういう意味で、ニーズを把握するときに、あれも欲しい、これも欲しいとみんなおっしゃいますけれども、本当に欲しいのかというようなコストと兼ね合わせたニーズの把握というのが、やっぱりそういうものをやっていかなければいけないかなというふうに思います。
  それで、具体的には骨子案の6ページの産学官の連携のところになりますけれども、「農業・農村の現場で起きている事象やそこでのニーズを的確に把握しつつ」、ここをもうちょっと、そういう面も膨らませてここの文章を書くといいのではないかなというふうに思います。

毛利委員長
  いかがでしょうか。関連するご意見、コメント等。
  北川委員、お願いいたします。

北川専門委員
  ちょっと外れる話題ですが、ICTを活用した農業の例に、リモートセンシングの技術が結構注目されています。北海道の芽室町を中心とする十勝では、昔から小麦の収穫順番を決定するのにリモートセンシングの解析結果を使ってコンバインの運行を計画し、2週間程度の短期間に数万ヘクタールの小麦を最高の品質で収穫する品質を考慮した計画収穫に取り組まれています。また、米のおいしさの指標であるたんぱく質含有率についても、北海道は高品質地帯になったということで、全農家のほ場の米のたんぱく質をリモートセンシングで計測して、農家の方々に、ほ場の生産力、自分の米のランキングを示し、生産技術の改善を行った事例があります。そういうICT・ビッグデータを使った農業生産は、地域に大きい効果を与えて、今後もこの技術を農業・農村整備の中で生かせます、特に、ほ場整備、水管理、特に大きい用水のパイプラインの設備の最適運用などに有効に活用できてくると思います。
  ただ、今回、提示された内容の分野についても、今、飯田委員がおっしゃったようにニーズに対応した、ハードとソフトの適切な組み合わせの研究は重要です。また、今回、示された盛り沢山の技術を全て導入すると、高コストな農業になることは間違いありません。現段階では、やれる技術の開発ということで最高の技術水準を目指して提示されていますが、技術開発の研究・計画が実用水準まで達成した後には、現在もうまく運用されているICT関連の事例を生かしながらソフト面の技術を組み合わせ、高度な技術だけれども、コストを考えた、低エネルギー投入な農業生産というのがその先にあると考えます。農業農村整備においてもICT等を活用したソフト面の技術がサポートする基盤整備ができるようになると考えています。
  基盤整備自体のコストも、この高コスト型じゃなくて、ICTを活用し地域が持っているビッグデータを使いながら低コスト化というのが進められると考えます。
  最初の頃は、コストをかけて何でもできる技術開発に取り組むことも必要ですが、最終的な目標には、低コストで資源を低投入な農業観があるという観点があると良いと思います。
  現段階では、盛り沢山なICTを活用したハード、ソフトの研究開発という感じがありますけれども、その先にある農業観には、高品質な農業というのも一つですし、また一方で食料の生産を担う低コスト農業、また、畜産などの地域資源を利用した低投入な農業もありますので、その辺をサポートできる基盤整備という内容がどこかに欲しいと思いました。

毛利委員長
  いかがでしょうか。
  渡辺委員、お願いいたします。

渡辺専門委員
  施設を実際に管理するユーザーの立場として、こういう形でハード、ソフトを併せて施設の維持管理に関する技術開発をしていただいていることについては非常に感謝したいと思います。ついては、より管理者、ユーザーのレベルに立ってお考えいただくと、一層よくなるのではないかなという感じがしています。ぜひご検討いただければと思います。

毛利委員長
  関連するご意見、コメントはございますか。よろしいですか。
  弓削先生、お願いいたします。

弓削専門委員
  今のハード・ソフトの組み合わせというところで骨子を読ませていただくと、その辺の書き方をもう少しはっきり表現していただくといいのかなというのは感じております。資料の2-1の5ページですけれども、恐らくハード・ソフトベストミックスというのはあちこちで使われていると思いますが、さっき渡辺さんがおっしゃったとおり、農家さんとか土地改良区さんのハンドリングとかオペレーションとかを考えると、恐らく農水省は農水省ですごく独特の形があると考えております。
  この5ページでは、それが残念ながら十分書かれていないと思います。ICTなどはあくまでハード・ソフトの最適な組み合わせを達成するためのツールなのかなという感じがしておりまして、もう少しハード対策とソフト対策を具体的にどう組み合わせていくのかということや、今後農水省としてどのようにハード・ソフトベストミックスに関するオリジナリティーを出していくのかなど、もう少しそういうところをアピールしていただくといいのかなという気がいたしました。
  すみません。ちょっと感想みたいな形になってしまいました。

毛利委員長
  ありがとうございました。
  いろいろ関連する基盤整備とICTの関連性ですとか、個別の技術にとどまらず複合的な技術をどういうふうに捉えるかという観点でのご意見をいただいたと思っておりますけれども、事務局はいかがでしょうか。

佐々木施工企画調整室長
  ありがとうございます。それぞれ先生方のご意見をよく参考にして検討させていただきます。
  少し補足的にお話しさせていただきますと、飯田先生のお話にありましたパワーポイントの6ページの「農業・農村の現場で起きている事象やニーズを的確に把握」というのは、計画後の運動面としては、やはりブロックごと、あるいはより小さい範囲での交流というのでしょうか、情報交換を密にやっていくような形をよく考えていかないといけないかなと思います。行政側もいろいろなアイデアを出して、そこに参画をしていくということが大事だと思っています。
  それから、弓削先生からございましたハード・ソフトの組み合わせにつきましては、今回、骨子案ということで、本文のボリューム的にはこのようなイメージでおりますけれども、別途参考資料みたいなものを少し整理しようかなということも考えておりまして、ハード・ソフトの組み合わせみたいな、もう少しイメージといいますか、目指すものみたいなところがもし補足できれば、そういったところも含めて検討したいと思います。

毛利委員長
  ありがとうございました。
  ほかに。
  どうぞ、中嶋委員。

中嶋専門委員
  同じようなことをよく質問されるので、これは難しいので、できればなんですけれども、それぞれの技術を誰に─例えば中には国の施策に使ってもらうためのハード面の技術もあると思います。そうしたら、そのような技術はやっぱりユーザーの国に使ってもらいたいという気持ちを何となく書いて、ユーザーが土地改良区の技術であれば、その技術は土地改良区の人に使ってもらいたい技術であるみたいなかき分けができると良いと思います。要するに、各技術がどんなユーザーを見据えた技術なのかなというのを少し考えて書きぶりを整理すると、この骨格は変えずに少しわかるようになるのかなと感じました。

毛利委員長
  ありがとうございました。
  関連してよろしくお願いいたします。

樽屋専門委員
  そもそも国が責任を持って進める技術と、末端までのそれぞれの階層の農家さんとか土地改良区さんとか、それぞれのレベルのユーザーの方が考えている技術はそれぞれ多分違う。今回の案の中で、やはり色濃く出ていると感じられるのは、現場、頑張れということです。今までよりももっと、つまり、従来言われてきた、食料安全保障などのレベルの国の大きな視点に立ったところよりも、もう少し末端の現場の立場で頑張れと言っているところがすごく強く感じられます。
  これは現在国会審議中の内容などの影響もあるのだと思いますけれども、ある程度国が安全保障の中で必ず整備しなければいけないインフラとか、あるいは、儲けるというよりは、地域を活性化するためにある程度投資せざるを得ないような現場については、やはり国にやっていただくしかない、そういうバランスをとるためには、それぞれの立場で求められている技術は違うと思います。本文中にいろいろな技術のそれぞれの個別のことが書いてありますが、誰がここの部分をやるのか。特に国がやる部分はここで、現場にはここを頑張ってほしい、というように仕分けられるような書き方にすれば、従来からの、食料需給とか、それから安全保障とかいうことを前面に出していた時代の計画と比べて、これらの技術が決して変わったわけではなくて、今はこういう形で読みかえられるということが、もう少しはっきりするのかな、と思った次第です。
  国と、あるいはそれ以外の人たちが目指すべき、担うべき技術の違いがわかるように書けないだろうかということです。

毛利委員長
  この2件についてはいかがでしょうか。ほかにご意見はありますでしょうか。
  それでは、よろしくお願いいたします。

佐々木施工企画調整室長
  中嶋委員からお話がありました、誰に対する技術かというところがもう少しわかるようにというお話については、書きぶりとして難しいというふうな感じもしますけれども、少し検討してみます。
  それから、樽屋委員からお話がありましたのは、誰が技術開発を進めるかということだとすれば、ちょっとお答えになるかわかりませんが、国立研究開発法人の農研機構については大臣からの指示のもとに中長期計画をつくって技術開発をやるという、まず位置づけがございます。それはある意味では国としては最重要なものというふうに思います。それだけでは当然、技術開発というのは、限られた人員、資源でありますので不十分だと思います。したがいまして、そういったところを核にしながら民間の技術開発をいかに誘発していくかという観点から、利用の促進により普及につなげることによって、さらに民間の投資を拡大していく、そういう流れをつくることが一つ重要なのではないかということで、記載の中では触れたところでございます。

毛利委員長
  ありがとうございました。
  全体の書きぶり、あるいは具体的な事例の部分についても少し見ていただきまして、コメントがあればお願いしたいと思います。
  中嶋委員、お願いいたします。

中嶋専門委員
  多分、12ページですけれども、これはホームページにアップされるということで、やっぱりちょっと農村協働力というのが何かという、ちょっとしたここに─すみません、僕がわからないだけですけれども、農村協働力というものの説明があるとわかりやすいなと思いました。いろいろなところで定義されていますけれども、短いやつですね。それはホームページを読む一般の人向けという意味です。

毛利委員長
  いかがでしょうか。
  それぞれの項目で重点化する技術開発という流れをお示しいただき、右側には技術開発の事例というふうにバランスをとっていただいているわけですけれども、技術開発計画ということですので、事例にとどまらず、これから土地改良長期計画をしっかりと下支えするために必要な技術開発の方向性・ビジョンというのは何なのかというところをもう少し考える必要があると思います。事例とともに、こういう技術開発が欲しいというのがもっとアピールしていてもいいのではないかと思いますけれども、委員の皆様はいかがでしょうか。
  個別の技術を、先ほど先生からいただきましたようなハードとソフトの連携という枠組みをうまく充実させることによって、また新たな展開が出てくるということも事実ではありますし、何か特定の個別技術だけが前面に出過ぎてはしないかという気もしますけれども、この点についてご意見をいただけますでしょうか。

中嶋専門委員
  これから言うことは感想であって、やってほしいというわけではありません。よく、こういうものを書くと、1枚目にロードマップを示せと、全体が見えるような絵があるといいねとは言われますけれども、自分自身書くのが非常に難しいので、まずそういうものができれば、いつ何をどのようにやるかがわかれば大体の計画なので、そういうものがもしお書きになれれば良いと思います。

毛利委員長
  何か別のご視点でも構いませんので、ご意見をいただく項目があればよろしくお願いいたします。
  吉田先生、お願いいたします。

吉田専門委員
  今回は基本的に農業農村工学に限定した技術開発とうまく絞り込んで挙げていくという方針というふうにお聞きしたのですが、その中で具体的に重点化する技術開発というのは、必ずしも一回しか出てこないわけじゃなくて、何個かのところに再掲という形で出ていますね。この再掲というのが多いと、この章立て自体が妥当かどうかということをちょっと感じてしまう要素があるような気がします。結局、その項目に対して農業農村工学がやれることはこれだけなのかというような感じにちょっとなる。例えばかんがいなんか、電源や水源が乏しい傾斜地での省エネルギー型かんがいシステム技術というのは、6次産業化にも資するし、農業生産の拡大・多様化による収益の増大にも資するというような位置づけになっていますけれども、それは当然そうですが、それぞれ個別に分けて書き込んでいるということは、それぞれに対して何か技術開発の何かもうちょっと中身があって書き分けているというのが本来望ましいことだと思うので、余り再掲で実際やれることは同じというのは、何かちょっと気持ち悪いなという印象は持っています。でも、その辺、だからもし重点化する技術開発というところで挙げる書きぶりを変えられるのであれば、その頭にある何々に資する技術という、その言葉に沿うような表現にしたほうがいいじゃないかなという印象を持ちますが、ご理解いただけましたでしょうか。そういうことです。すみません。

毛利委員長
  いかがでしょうか。うまく整理するのは難しそうな事項ですけれども、ほかにご意見があれば。
  それじゃ、北川先生、お願いいたします。

北川専門委員
  個別事例で、添付資料で新聞に報道されている最近の取り組み事例があるので、10ページとか11ページのところの図で示されている内容について、現地で取り組んでいる写真とか実際に進んでいる写真に入れ替えてはいかがですか。農研機構の内容も多いのですが、民間で行われている事例の写真もありますので、うまく利用してわかりやすく、実際に取り組んでいる実態を出していただけると、身近に感じられると思います。ご検討いただければと思います。

毛利委員長
  いかがでしょうか。
  先ほど委員の先生からもご指摘がありましたが、ICTや情報をうまく利用する取り組みと基盤整備とのかかわりや、そのような技術を事業にどのように実装していくのかというところがもう少し見えたほうがいいと感じます。全ての技術開発要素にそういう展開ができるとは限りませんが、そうすべきものは幾つかあろうかと思います。災害対応のところなんかはまさにそのとおりで、ハード対策とソフト対策と言うのは簡単ですけれども、いかに連携していくのかというところは見えてこないですね。個別に見ていくともう少し書き込めるし、実際にはやっている事業がありますので、ご検討いただく要素はある気がいたします。
  さて、時間も余りありませんけれども、どうぞ、飯田先生。お願いいたします。

飯田専門委員
  話を技術開発の担い手と産学官の連携のところに戻してもよろしいでしょうか。私が先ほど申し上げたことの繰り返しになる面もありますけれども、具体的な文章という形でちょっと申し上げると、骨子の6ページの産学官の連携というところですけれども、行番号でいうと頭の14行目のところ、農業農村整備分野の技術開発は、農研機構、農工研等の試験研究機関、大学、民間企業等がその担い手となっているとありますね。私は、やっぱりここにユーザーも入ってくるべきだというふうに思います。
  それから、そのちょっと下に行きまして22行目ですね。「こうした点を踏まえれば、新たな技術に関する十分な情報を現場の技術者や農業者等のユーザーに提供することによって」と、こう書きますと、ユーザーは提供されるのを待っていることになります。ここはもうちょっと、農業者やユーザーも技術開発にアクティブに参加するというニュアンスに変えたほうがいいのではないかと思います。
  それから、もう少し下に行くと、25行目から26行目、27行目ですね。「技術開発の担い手と開発された技術を利用するユーザー」、こうなると、もう両者が対峙される形で書いてあって、ユーザーが技術開発の担い手に参画するという形にはなっていないですよね。ここら辺をもうちょっと文章を改めていただいて、農業者とかユーザー自身が技術開発に参画していくというところをにじませていただけるといいかなというふうに思います。
  実際、私どもも研究開発するときに農業者とかユーザーの方と一緒にやりますけれども、そういう担い手の方のおっしゃる、「いや、こんなものは役に立たないんだよ」とか、あるいは「本当はここができるといい。こういうものができるといいんだけれどもな」とか、そういうご意見は非常に参考になりますし、実際農業者とかユーザー自身がご自分でいろいろな工夫をして、小さな発明をやっていらっしゃる方もたくさんいます。そういうものをやっぱり生かしていきたい、技術開発に参画していただきたいというふうに思いますので、そういう方向でちょっと検討していただけるといいかなというふうに思います。先ほどの繰り返しになりますけれども。

毛利委員長
  ありがとうございました。
  関連するご意見は、先生方のほう、いかがでしょうか。ありますでしょうか。大丈夫ですか。
  事務局のほうはいかがでしょうか。少し詳しくご意見賜りましたけれども。

佐々木施工企画調整室長
  毛利委員長、吉田先生、飯田先生からそれぞれ貴重なご意見をいただきましたので、よく検討したいと思います。

毛利委員長
  ありがとうございました。
  全体を通してコメント、ご意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
  技術の内容も多岐にわたっておりますので、なかなか詳細な部分までの確認は困難ですが、表現上の問題ですとか、既にご意見をいただいているところもございます。追加する項目などいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
  それでは、少し時間を残した状況にはなっておりますけれども、多くのご意見をいただきましたので、司会を事務局のほうにお返ししたいと思います。よろしくお願いいたします。

川村計画調整室長
  委員の皆様方、熱心なご審議本当にありがとうございました。毛利委員長につきましても、進行ありがとうございました。
  まだ時間が早いようでございますが、予定したもの全て終了しましたので、以上をもちまして本日の技術小委員会を終了させていただきます。ありがとうございました。


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