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農林水産省

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平成28年度第3回技術小委員会議事録

1.日時及び場所

日時:平成29年2月16日(木曜日)10時00分~12時10分
場所:農林水産省本館4階  第2特別会議室

2.議事

(1)土地改良事業計画設計基準・計画「暗渠排水」の改定について
(2)農業農村整備に関する技術開発計画の策定について
(3)その他

3.議事内容

議事録(PDF : 420KB)

川村計画調整室長
  おはようございます。計画調整室長の川村です。定刻となりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会農業農村振興整備部会平成28年度第3回の技術小委員会を開催いたします。委員の皆様におかれましては、ご多忙の中ご参集いただきまして、まことにありがとうございます。なお、本田委員、弓削委員におかれましては、所用のため、ご欠席との連絡をいただいております。開会に当たりまして、室本農村振興局次長よりご挨拶申し上げます。

室本農村振興局次長
  どうも皆さんおはようございます。
  委員の皆様方におかれましては、年度末の大変ご多忙の中、委員会にご出席を賜りまして、厚くお礼申し上げます。
  この委員会では、土地改良事業計画設計基準の暗渠排水、それから農業農村整備に関する技術開発計画につきまして、現地調査を含め、3回ご審議をいただいております。
  きょうは12月に行われましたこの2件についてのパブリックコメントの結果と、前回いろいろなご指摘をいただきました基準案、計画案に対する修正案、これをご説明させていただきまして、3月開催予定の農業農村振興整備部会への報告に向けて、最終的な取りまとめをお願いしたいと思っております。
  本年度最後の委員会でありますが、毛利委員長のもと、活発なご審議をお願いいたしまして、簡単ではございますが、私のご挨拶とさせていただきます。
  本日はよろしくお願いいたします。

川村計画調整室長
  ありがとうございます。それでは、まず初めに配付資料について確認させていただきます。一番上から会議次第、委員名簿、配付資料一覧、資料1-1、1-2、1-3、1-4、資料2-1、2-2となっております。また、土地改良を取り巻く最近の情勢としまして、土地改良制度の見直しに関する参考資料を配付しております。以上、資料の不足等ございませんでしょうか、よろしいですか。
  本日は、先ほどの次長ご挨拶にありましたが、昨年1月の大臣諮問を受け、本委員会に付託されました土地改良事業計画設計基準・計画「暗渠排水」の改定に関し、昨年末に実施しましたパブリックコメントの結果などを踏まえた計画基準案についてご説明するとともに、農業農村整備に関する技術開発計画につきましても、前回の委員会でのご指摘等を踏まえた修正案をお示しし、ご意見をいただくこととしております。これらについてご審議いただくのは、本日をもって最後となる予定でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  本委員会の公表方法ですが、これまでと同様、配付資料は会議終了後に、議事録は内容を確認いただいた上で、それぞれホームページにて公表することとさせていただいております。
  早速でございますが、議事に移りたいと思います。以降の議事進行は、毛利委員長にお願いしたいと思います。マスコミの方につきましては、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。それでは、毛利委員長、よろしくお願いいたします。

毛利委員長
  毛利です。よろしくお願いいたします。
  最終段階に入っておりますので、引き続きご議論いただきたいと思います。土地改良長期計画が示しております将来の農業農村地域のあるべき姿を支えるのは、人と技術と言っても過言ではないと思います。そのベースとなる技術についてご審議をいただいているわけですけれども、浮かび上がってくる技術だけではなくて、その将来、先を見越した計画となっているかどうか、また、表現についても最終段階ですので、ご意見をいただきながら、全体を取りまとめていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  それでは、早速ではございますけれども、議事次第に従いまして議事を進めていきたいと思います。
  それでは、1つ目の「暗渠排水」の改定について、事務局よりご説明をお願いいたします。
  よろしくお願いいたします。

森澤農村環境課長
  農村環境課長でございます。
  計画基準「暗渠排水」の改定についてご説明をいたします。
  本日の資料でございますけれども、資料の1-1から1-4までございます。
  資料1-1が前回も使わせていただきましたが、今回の改定のポイントをわかりやすくまとめましたポンチ絵資料でございます。
  資料1-2が答申の対象になります計画基準の本文の部分でございます。資料の1-3が本文の新旧対照表、それから資料1-4は、本文に運用と解説を並べました、いわゆる3段表という形でございます。この資料1-2から1-4までにつきましては、黒字のアンダーラインを引いている部分が現行の基準からの改定部分、それから赤字のアンダーライン部分につきましては、前回の委員会で提示した部分からの修正箇所となってございます。
  私からは、従前同様資料1-1をベースにご説明をさせていただきたいと思ってございますけれども、委員の皆様方には1-4のほうも該当箇所をお開きいただきまして、横に眺めていただければありがたいと思ってございます。
  では、まず資料1-1をお開きください。
  1ページ目でございます。
  過去2回の委員会でご説明しました部分を極力省略いたしまして、前回からの変更点を中心にご説明させていただきます。
  まず、1ページ目、暗渠排水の目的、効果でございます。3点整理してございます。基本的にはここは変更ございませんが、暗渠排水の効果の部分の3つ目のマルでございますけれども、従来、戦略作物という言葉を使ってございましたけれども、ここは高収益作物という用語に統一して修正をさせていただいてございます。
  それから、2ページ目、今回の暗渠排水改定の内容でございます。
  検討項目、4つ右側にございます。大区画化への対応、汎用化への対応、それからストックマネジメント手法の考え方の導入、それから4点目が技術の進展等への対応ということで、ここも基本的には変更ございません。
  3ページ目を飛ばしていただきまして、4ページ目からがこの4つの検討項目についてのそれぞれの考え方でございます。
  課題、あるいは検討の方向についても、基本的には変更ございませんけれども、4ページ目の下のグラフがございます。水田の整備状況、水田の大区画整備状況の推移等のグラフがございますけれども、このグラフの数字については、平成27年の数値が最新数値として出てございますので、前回からアップデートをさせていただいているというところが修正点でございます。
  それから、資料5ページから7ページにつきましても、基本的には課題と検討の方向については修正ございませんが、例えば5ページの下の浅埋設暗渠の断面図でございますとか、6ページのモミガラの腐食状況等の図表については、前回毛利委員長並びに北川委員からご指摘を受けました点を踏まえまして、わかりやすいような形で修正を加えているというところでございます。
  8ページからが本題になります。ご説明をさせていただきます。
  今回の改定の内容でございますが、まず(1)といたしまして、農地の大区画化への対応ということでございます。
  8ページの中段の点線のところにございますとおり、まず見直しの1点目といたしまして、大区画化水田の定義についてでございますけれども、ここは前回もご説明させていただきましたとおり、従前はおおむね1ヘクタール、またはそれ以上の規模を目安という表現をさせていただいておりましたけれども、事業実施、あるいは統計上の整理の観点から、これは統一したほうがいいということで、今回50アール以上の規模を目安という形で整理をさせていただいているというところでございます。
  それから、次にその下に大区画水田区の標準的な暗渠排水組織図を添付させていただいてございます。
  左側の図が両側排水、それから右側が片側排水の絵でございますけれども、それぞれ集水渠、用水管、排水管等につきましての位置図をもう少し明確にしたほうがいいという、前回の委員会でのご指摘を踏まえまして、修正を行ってございます。
  また、右側の片側排水の場合のタイトルでございますけれども、前回数本の吸水渠を束ねて排水する暗渠排水というタイトルをつけさせていただいておりましたけれども、渡辺委員からのご指摘を踏まえまして、片側へ長尺な吸水渠で排水する暗渠排水という表題に改めているところでございます。
  それから、その下のマルでございます。
  いわゆる無勾配を含む緩勾配敷設を導入する場合の留意点について、記述をさせていただいてございます。ただし、無勾配といったようなワードは、直接この場では使ってございませんで、1000分の1未満の勾配となる場合には、泥土の堆積等による管の通水不良へ対応できるよう、吸水渠の上流端に原則として立ち上がり管(管理孔)を配置という形で、留意点を記述させていただいているとともに、その下でございますけれども、大区画区の水田と管の延長と関係についてでございますけれども、大区画水田においては管の延長が長く、より大きな管径が必要になる場合もあるという形で、記述をさせていただいてございます。
  以上が大区画化への対応に即した見直しの点でございますけれども、前回ここの箇所でいわゆる無勾配、緩勾配に関しまして、理論的、論理的な検討はどうなのかというご指摘を毛利委員長並びに樽屋委員のほうからいただいてございます。
  それを受けまして、別途有識者で構成されます意見聴取会のほうにもその旨お諮りをさせていただきました。暗渠排水の動水勾配理論が適用できるかどうかというところについてご議論いただきましたが、水面勾配とか圧力勾配といった要素は考えられるのですけれども、それ以外にもさまざまな条件、因子が関与するのではないかという意見がございまして、結論といたしましては、現時点で水理学的にはやはりまだ未確立であるという結論をいただきまして、現時点でこの基準書の中に何らかの理論的な記述をするというのは、時期尚早ではないかという結論をいただきましたので、今回そういう記述はいたしておりません。
  ただ、一方でこの緩勾配施設の実態を見ますと、実用面で特段の支障がないという実態も幾つかございますので、今後の技術書の改定の中で、私ども事例調査を行いまして、動水勾配の検証等を行っていきたいというふうに、事務局としては考えているというところでございます。
  続いて、資料1-1の9ページでございます。
  汎用化への対応のところでございますが、まず見直しの1点目といたしましては、暗渠管を利用して地下かんがいを計画する場合の暗渠排水組織計画について、書き起こしてございます。
  こちらは資料1の37ページをごらんいただきたいと思います。
  3の3の4として書き起こしてございますが、一番左にございますとおり、基準本文につきましては、暗渠管を利用して地下かんがいを計画する場合の暗渠排水組織計画は、基本暗渠排水組織計画を参考に、省力的な水管理や作物の生育環境改善等を考慮して作成するという記述をさせていただいてございます。
  あわせて、右側のほうでございますけれども、運用・解説でも詳細な記述を追加してございます。
  一番左側の計画本文の表現につきましては、前回この場でもう少しすっきりさせたほうがいいのではないかというご意見を吉田委員から頂戴いたしまして、前回の案では、原則としてとか、必要性とかという文言がございましたけれども、そういう文言をそぎ落としまして、できるだけシンプルで簡明な表現に修正をさせていただいております。
  それから、次に地下水位制御システムに関する留意点を資料1-4の38ページの右側の解説のところに記述させていただいてございます。
  暗渠管直下の土層の透水性が高いほ場では、水位制御が難しい。それから、地下水位が高いほ場では、かんがいの効果が限定的となる場合があるという記述をさせていただいてございまして、ここの表現ぶりにつきましては、前回飯田委員から、浸透量の大きいという表現はちょっと直したほうがいいのではないかということで、透水性が高いほ場ではという形で修正をさせていただいてございます。
  同じく資料1-4の38ページの解説の2のところでございます。
  地下かんがいを計画する場合の暗渠管の敷設勾配についてでございますけれども、前回の記述では、かんがいの視点も考慮して敷設勾配を決定とだけ記載してございましたけれども、あくまで暗渠排水の考え方で敷設勾配は決定するものなのではないかという北川委員のご指摘を踏まえまして、暗渠管の敷設勾配は基本暗渠排水組織図を参考に、かんがいの視点も考慮して決定という表現ぶりにさせていただいてございます。
  それから、汎用化への対応については、もう1点修正がございます。
  いわゆる浅埋設暗渠排水の考え方についてということで、これは資料1-4の26ページのほうになります。
  26ページの運用のところでございます。真ん中の段のところでございますけれども、(1)吸水渠の深さというところで、従前水田の場合は50から60センチ程度、それから水田畑利用と畑の場合は60から80センチ程度という、従来の基準に加えまして、なお書きとして水田畑利用の場合は、ほ場の土壌、地形条件等により、浅く埋設する(50~60センチ程度)のが有効な場合があるという記載をしてございます。
  以上が汎用化のところの見直しのポイントになります。
  続いて、資料1-1の10ページに戻っていただいて、ストックマネジメント手法の考え方の導入のところでございます。
  この部分につきましては、今回暗渠排水の効率的な保全管理手法として、暗渠排水の機能回復に関しまして、基準書に大幅に追加を記載しているというところが大きな見直し点でございますけれども、資料1-4になりまして、48ページでございます。48ページの5.4の施設の機能回復というところが該当箇所になります。
  まず、基準本文でございますけれども、前回の案文では、施設の機能の回復に当たっては、低下した機能の回復に努めるということだけ、当たり前のことだけ書いてございましたけれども、もう少し意図を明確にすべきではないかという吉田委員のご意見を踏まえまして、損傷や劣化等によって低下した機能の回復に努めるという修文をさせていただいてございます。
  また、その隣の運用でございますけれども、機能回復の検討に当たっては、過去の暗渠排水の整備状況や関係受益農家等による維持管理の実施状況、機能診断調査結果を踏まえ、適切な工法を検討することが望ましいという記載にさせていただいてございます。
  さらに、その隣、解説の中の計画上の留意事項でございますけれども、施設の機能回復は、損傷や劣化等による機能低下、またはこれらに起因すると想定される農業生産性の低下等が見られるほ場を対象という形で記載してございまして、この留意事項のところの記載ぶりにつきましては、前回の委員会で暗渠は通常のストックマネジメントそのものとは異なるではないかと、生産性、収量等を向上させるということをもう少し具体的に記述すべきではないかというご意見を中嶋委員のほうから頂戴してございまして、そうしたご意見も踏まえまして、前回案では暗渠排水の機能低下により、農業生産性が低下したほ場とだけ記述してございましたけれども、損傷や劣化等による機能低下、またはこれらに起因すると想定される農業生産性の低下等が見られるというように、少し丁寧な表現ぶりに修正を加えさせていただいてございます。
  それから、あと資料1-4の49ページの解説のところでは、全体機能診断、詳細機能診断、機能回復方法の選定等について、新たに書き起こしをしているというところが見直しの点でございます。
  それから、続いて資料1-1の11ページに戻りますけれども、見直しの4点目でございます。
  技術の進展等への対応というところで、幾つか新たな技術についての記載を特に解説のところで追加記載をさせていただいてございます。
  資料1-4のほうでは、34ページが該当いたします。
  まず、非開削工法につきまして記載をさせていただいておりまして、酸性硫酸塩土壌に関しまして、開削により、下層の塩類等が作土に混入することを避けたい場合等に、非開削工法が有効という表現をさせていただいているとともに、41ページでございますが、本暗渠の施工のところで、真ん中あたりでございますけれども、非開削で管の敷設、疎水材の投入までの作業を行うことが可能な施工機械もあるという形で、非開削工法について追加記述をしてございます。
  それから、次に42ページでございますけれども、補助暗渠の施工のところでは、近年ではトラクタ等の牽引車により、簡易開削充填可能なアタッチメントを取りつけ、簡易暗渠を施工する機械が開発という形で記載をさせていただいてございます。
  それから、42ページから43ページにかけまして、無材暗渠施工のところでございますけれども、近年では重粘土や泥炭土などの過湿な土壌への適応性が高いせん孔暗渠を施工可能な機械が開発されているという形で記載をしてございます。
  今述べましたいろいろな工法技術に関しましては、資料1-1の12ページに写真とわかりやすい絵をつけさせていただいてございます。いわゆる商品名になりますけれども、リサイクルドレーナーとか、カットドレーン等の写真等を添付させていただいておりますので、ご参照いただければというふうに思います。
  以上が主な見直しのポイントになりますが、資料1-1の13ページ以降が前回の技術小委等でいただきましたご指摘と対応方法について、整理をさせていただいている表でございまして、基本的にはただいまの説明の中で述べておりますので、繰り返しの説明はいたしませんけれども、14ページのその他のところの2点について、ちょっと追加で補足をさせていただきたいと思います。
  まず、最初のマルの3.1.4の用水との関係につきましてでございますけれども、ここは資料1-4でいうと15ページのところが該当いたします。
  3.1.4、用水との関係というところでございますけれども、ここは樽屋委員のほうから、ここの表現ぶりが組織的な表現なのか、量的な表現なのか、はっきりさせるべきではないかというご指摘をいただいてございます。
  対応方針のところに書いてございますとおり、基本的にはここは量的なイメージを念頭に置いているわけでございますけれども、この3.1.4を含みます第3章計画全体では、暗渠排水全体の組織的な表現というのを一方でイメージしているということで、別途先ほどの意見聴取会、あるいは全国査読等でもお諮りしましたところ、特段修正すべきという意見はございませんでしたので、現行記載のままという形で整理をさせていただいてございます。
  それから、次にその下のマルでございます。
  本暗渠と補助暗渠の定義についてのところ、資料1-4でいいますと、1ページに当たりますけれども、いわゆる疎水材のみの管なしの簡易暗渠につきまして、これは従前本暗渠に分類いたしておりましたけれども、耐水性等の点から疑問があるのではないかという指摘でございまして、改めて過去の施工実績等を検証させていただきましたけれども、疎水材のみ暗渠については、過去20年並びに現時点においても、そうした施工実績が見当たらないということがわかりましたので、今回この疎水材のみの暗渠については、本暗渠からは除外して補助暗渠のほうに整理するという形で、所要の修正を行わせていただいてございます。
  また、それにあわせて、無材暗渠や切断暗渠等についてもちょっと検討させていただきましたけれども、そちらのほうは現場の施工実績等を考慮して、現行記載のままという形で整理をさせていただいたというところでございます。
  それから、資料はございませんけれども、本日ご欠席の弓削委員からご指摘をいただいてございまして、具体的には資料1-4の20ページをお開きください。
  解説のところになります。3の土壌状態と地下水位のところでございますけれども、ここの表現の中で、従前表現では易有効保水量、成長生育有効成分という単語を使ってございましたけれども、最近の計画基準、「農業用水(畑)」あるいは地力増進法に基づきます地力増進基本指針の中では、例えば易有効保水量という言葉は、易有効水分保持能というワードになってございますし、成長生育有効成分という言葉は、容易有効水分量という言葉を使っているということもございますので、こちらのほうにあわせて修正、整合を図っているというところでございます。
  それから、1点申しわけございません。誤字の修正がございまして、この20ページのところの容易有効水分量の括弧書きのところでございますけれども、成長阻害水分点という言葉がございますが、この「成長」の「成」という字、「成る」になってございますけれども、「生きる」という字が正しい言葉でございますので、申しわけございませんが、修正のほうをよろしくお願いします。
  次に、資料1-1の15ページでございます。
  パブリックコメント、前回の技術小委の後に12月15日から26日にかけて行ってございます。その結果を整理した表でございますけれども、基準本文に関しての具体的な意見はございませんでしたが、参考意見が2点ございましたので、ご説明をさせていただきたいと思います。
  まず、1点目は上のほうでございますけれども、基準本文というのは単なる理念であって、実質的な基準であるところの運用・解説こそ、パブコメ対象にすべきではないかというご意見でございますけれども、対応方針案にございますとおり、基準本文は普遍性、規範性の高い事項を示すものだということで、そこまで至らないものは運用・解説として整理しておりますので、基準本文のみをパブコメ対象とさせていただいているということでございます。
  運用・解説の中で、普遍性、規範性の高い事項があれば、基準本文として適宜検討を行っていくという回答をさせていただいてございます。
  また、もう一つの意見、下のほうでございますけれども、特定の工法による吸水渠の幅ですとか、緩勾配暗渠の流量計算の考え方といったような、より専門的、技術的な事柄、内容についてのご指摘をいただいてございますけれども、この部分は運用・解説、あるいは技術書レベルで検討すべき事項ということで、今後の参考とさせていただくという回答で整理をさせていただいているところでございます。
  最後、16ページでございます。
  今後のスケジュールについて、簡単にご説明させていただきたいと思います。
  本日、3回目のご審議をいただいてございますけれども、年度内に親部会である農業・農村振興整備部会のほうに、基準本体の答申をいただく予定としてございまして、その後29年度、速やかに改定通知の発出作業を想定しているというところでございます。
  私からの説明は、以上でございます。

毛利委員長
  ありがとうございます。
  ただいま事務局より、パブリックコメントの結果を踏まえた土地改良事業設計基準計画「暗渠排水」の案について、ご説明をいただきました。これについて、委員の皆様からご意見、ご質問等いただきたいと思いますが、もし具体的な修正案がございましたら、同時にご発言をいただければと思います。
  それでは、よろしくお願いいたします。
  いかがでしょうか。表現、あるいは図についても、修正をいただき、わかりやすくなってきているとは思いますけれども、ご発言、ご質問いただきました趣旨に沿った形になっているかどうかも踏まえて、ご確認をいただいて、ご発言いただければと思いますが、いかがでしょうか。
  それでは、飯田先生、よろしくお願いいたします。

飯田専門委員
  前回からのご意見を踏まえて、入念に改定していただきまして、おおむねよろしいかと思いますけれども、1点今回の改定の中で気がついたところが資料1-4の26ページの吸水渠の深さのところ、先ほどご説明いただいたところですけれども、ここは赤字になっているところがほ場の土壌、地形条件等によりというところを今回修正いただいたのですけれども、この地形条件というのは何を表現しているのかなというところが明確でないかなという気がいたしました。
  ほ場の土壌というのはわかるのですけれども、こっち側の解説のところを読むと、要するに層構造、水田の畑利用をする場合には、水田が2層構造になっているとか、そういう話が右側の解説のところにありますので、ここをむしろ書いたほうがいいのではないかなと。地形条件というと、もうちょっと大きなスケールの地形をイメージしてしまうので、ちょっと用語を検討したほうがいいのではないかなという気がいたしました。

毛利委員長
  いかがでしょうか。

森澤農村環境課長
  私どものイメージというか、想定しているこの地形条件というのは、例えば排水路の水位が高いというようなところを想定して、地形条件という表現をさせていただいてございます。

飯田専門委員
  それは解説のほうには、余り書いてないですよね。

森澤農村環境課長
  そうですね。

飯田専門委員
  そうすると、運用のほうと解説のほうと整合性が必要かなという気もしますけどね。

毛利委員長
  いかがでしょうか。
  ご指摘いただきましたのは、地形条件の意味するところと、受け取り手やユーザーがイメージするところ、さらには解説のところとの整合性をとってほしいということだと思います。地形条件も非常に重要ですし、解説に書いてある土壌構造は層構造と理解するとそちらのほうが重要じゃないかという見方もあるわけですので、この辺は少しバランスをとる必要があるというご意見だと思いますが。

森澤農村環境課長
  わかりました。検討させていただきます。

毛利委員長
  そうですね。ありがとうございます。
  それでは、引き続きどこからでも構いませんので、よろしくお願いいたします。
  北川先生、よろしくお願いいたします。

北川委員
  それでは、意見を述べさせていただきます。
  今回の暗渠排水の設計基準の改定では、特に農家の方が直接的に利用するところを考慮した改定になるので、技術と人とが一体になって使えるような設計基準になり、運用・利用されることが望ましいと思います。
  暗渠排水の年間の整備面積は日本の場合、大体2万2,000ヘクタールぐらいになり耐用年数内の整備面積のほ場においては、適切な維持管理により機能を維持するための方法が書かれており、とてもよい記載になっていると思います。
日本の耕地面積は450万ヘクタール程度で、そのうち水田は二百何十万ヘクタールです。そのうちの半分ぐらいが排水不良地ですので、排水不良地は全地目で200万ヘクタール、水田で100万ヘクタールぐらいの規模になります。これらの農地の排水性を維持しなければ、畑作の振興には、直結してこないと思います。暗渠排水の整備だけでは排水不良地を補うことは難しいので、暗渠の機能を補うために今回の維持管理する補助暗渠などの農家が担うべき技術が充実して記載されています。これにより、よい設計基準になったと思います。また、基準の中で、特に、暗渠の構造や補助暗渠の工法についても充実してきました。これがきちんと運用されることを望みます。
  また、意見として、設計基準の暗渠の区分について、管の有無により暗渠の区分を変えた点があります。設計基準で示される図の中には、いろいろな工法が充実した結果、再度、整理しなけばならないと思われる状況があります。再度、記載する図の中で、管があるものは本暗渠、疎水材だけのものは補助暗渠、このような判断が、はっきりできるように整理していただけたら、使う側の方々が、事業で実施する部分と農家の人に任せる部分もはっきりして、使い勝手の良い設計基準になるかと思います。
 
  あと細かい点で、34ページの酸性硫酸塩土壌のところで、斜線で非開削工法が追加されています。下層の塩類等が作土に混入することを避けたい場合は、非開削ということで、その有効性について書いています。酸性硫酸塩土壌のところなので、塩類等と書いてあるだけなのですが、実際に非開削工法が有効になるのは、その他の微量要素などの重金属が下層にある場合にも有効になるので、「等」の記載により、その他の事例も含める形にするのも良いかもしれません。農業上で問題になる成分が作土に混入するのを避けたい場合は、他の事例でもあるので塩類だけに特定の成分だけではなく、もう少し広げてもいいのではないかなと考えます。


毛利委員長
  では、事務局より補足の説明をいただきたいと思いますが、冒頭北川委員のほうからおまとめいただきました暗渠排水の整備の推移についてはグラフも適切に表現されているとは思いますけれども、表現上の面でいま一度見ていただきまして、趣旨が伝わっているかどうかを含めて、ご検討いただきたいと思いますけれども、事務局のほうはいかがでしょうか。

森澤農村環境課長
  まず、さまざまな暗渠が世の中出てきているというところで、もう少しわかりやすい概念整理をしていくというところについては、図表等も含めまして、技術書のほうで再度実態をもう少し調査して、整理して、概念整理をしていきたいというふうに思ってございます。
  それから、後段の塩類等のところについては、ちょっと検討させていただければというふうに思っております。

毛利委員長
  北川委員、いかがでしょうか。
  技術書のほうでの記述も、当然のことだとは思いますけれども。

北川委員
  今の整理で、工法が進歩して、いろいろな工法が出てきており、バラエティに富んできたので、ある程度区分も必要かなと思っています。これまでの図でカバーできる部分とカバーできない部分とがあると思いますので、再整理だけお願いしたいと思います。

毛利委員長
  技術書のほうでの書き込みでということでよろしいかと思います。

北川委員
  本文のほうは問題ありません。

毛利委員長
  わかりました。ありがとうございました。
  それでは、吉田先生、お願いします。

吉田専門委員
  今のお話に関連して、ちょっと申し上げたいことがありますので、申し上げます。
  本暗渠か補助暗渠かという区別ですけれども、それは余りこういう定義ではなくて、基本的に直接ほ場外へ出る部分のある暗渠が本暗渠で、その本暗渠につないで設置するのが補助暗渠だという、その基本線をはっきりすれば、特に無材か無材じゃないかというところで、どっちなんだという悩みはなくなると思います。そこの本質的な違いを定義として、どこかで明確にしておく必要があるのではないかというふうに感じています。
  ただ、今の基準及び運用の解説の部分の中でそれをしつこく書くかどうかは、ちょっとまた別問題ですけれども、今後の検討の中では、そういう一番単純な物の考え方から、定義をして分けていくのが必要ではないかなというふうに私は思います。
  あとちょっと小さな部分ですけれども、資料の1-1の4ページの右下に水田の整備率と稲作労働時間の推移というグラフがございますけれども、その右軸が稲作労働時間ですね。この稲作労働時間は、10アール当たりじゃないですかね。アール当たりの時間ですか。10アールですよね。これをちょっと訂正していただければと思います。
  とりあえず以上です。

毛利委員長
  ありがとうございました。
  修正点もお示しいただきました。ありがとうございます。
  いかがでしょうか。
  それでは、中嶋委員、お願いいたします。

中嶋専門委員
  意見というより、どういうふうに見ればいいかなということを教えていただきたいのですが、資料1-1の6の暗渠排水の整備の推移という棒グラフと線グラフがあります。棒グラフの緑の棒が新規整備で、灰色の棒がその年に耐用年数を超えた暗渠排水を示す面積を表すとすれば、2つの棒グラフの差が未着手の暗渠排水の面積を表し、未着手の暗渠排水については平成34年以降に対策するように読むのでしょうかというのが1点。
  もう一つは、線グラフのオレンジ色の線は耐用年数内にある暗渠排水の面積なのですけれども、このオレンジが増加するのがいいのか、低下するのがいいのかがよく分からないので、御説明いただけるとありがたいのですが。耐用年数内に留まる施設の面積がふえれば一見良いような気もするのですが、この橙の線が施設保全の中でどのような指標になるかをお教えいただきたいのですが。

森澤農村環境課長
  従前、このグラフは積み重ねの棒グラフで示させていただいておりました。緑と灰色を重ねたような形で、トータルでいわゆる要整備の面積がこれだけふえるよという形で示させていただいておりましたけれども、そこは別にしたほうがいいという前回の委員からのご指摘を踏まえて、横並びの棒グラフという形で示させていただいているというところで、今申しましたとおり、基本的には整備が必要だというところを新規整備と更新、要は機能更新というところで分けて、これだけ必要だという形で整理をさせていただいているというところでございます。

中嶋専門委員
  ということは、緑と灰色の差のところを機能更新で補っていくと考えればいいですか。

森澤農村環境課長
  特に差を見るということではないと。

中嶋専門委員
  この橙色の線は、上がればいいのでしょうか、下がればいいのでしょうか。

森澤農村環境課長
  あるべき水準というのは、説明しがたいのですけれども。

中嶋専門委員
  何のインデックスになるか、わかればオーケーです。またちょっと考えてみます。

横井農地資源課長
  これはいろいろな従前整備してきたものが耐用年数を迎えていくもの、それと汎用化とか高収益作物の導入のために入れていくもの、その兼ね合いと、あとは予算的なものを見ながら、どれくらいのところで推移をしていくのかというところを、これは微妙なところですけれども、ここを整理がされている。
  そこで、このオレンジ色の線のところですけれども、ストックがふえている中で、耐用年数を迎えているものの割合、これは本来単純に考えれば、耐用年数を迎えたものを更新していくということがいいのでしょうけれども、ただしそれをもし長持ちさせながら、ストックマネジメントというところを考えていくという目で見ていただければと思います。

中嶋専門委員
  今のご説明で、要するに余りこれが乱高下しちゃいけないわけですね。

横井農地資源課長
  ある意味乱高下……。

中嶋専門委員
  平準化することが大事だと思うのですが。

横井農地資源課長
  平準化するのがいいのか、もしくはこれは上がっていくのがいいのかという、実はこれは下がっていくというのは、要するにどんどん耐用年数を迎えて、機能として問題があるものがふえてくるわけですから、下がっていくのはどうかという議論があります。ただし、少なくとも横ばいなり、もしくは下がっていくとしても、ストックマネジメントにより耐用年数を超えたもの自体も有効に使えるのであれば、それは施設を使っていく上で重要なので、特にそういう議論を喚起するものと見ていただければありがたいと、施設の置かれている現状ということで。

中嶋専門委員
  わかりました。

毛利委員長
  どうぞ。

北川専門委員
  今のご発言に関連して、公共事業で整備される暗渠排水によって排水性が維持できる農地面積のレベルがここに如実にあらわされていて、費用面でこれを更に上げていくというのは、なかなか現実的には難しいと思います。農家の方が暗渠の機能を維持する面積を伸ばしていく手法が必要だということになります。今回の設計基準では、特に補助暗渠による暗渠の機能維持の対応を充実しており、このグラフが今回の設計基準の肝にもなっていると思います。人と技術と両輪で対応しなければならないということを、資料のグラフにより説明できており、良いグラフになっていると思います。

毛利委員長
  よろしいでしょうか。
  意味するところは、なかなか深いところがあるように思いますけれども、ほかに。
  渡辺委員、お願いいたします。

渡辺専門委員
  意見聴取会のメンバーの私が今さら質問するのもおかしいのですけれども、資料1-1の6ページの右下の写真に対する注書きですけれども、これはわざわざ2つ書かなくちゃいけないのかなという、前回の意見聴取会ではこの注書きが入っていなかったものですから。注書きを入れていただくのはわかるのですけれども、これは何を言いたいのかなという、腐食状況というのは、腐食によって、いわゆる耕盤が沈下して、支障がありますよということを言いたいのであれば、2つ合わせていいのではないか。2つ書かなくても、疎水材の腐食等により耕盤が沈下した事例というか、そういうことでいいのではないかなと感じたんですけれども、わざわざ2段書きをする意味というのはあるのかなというのが疑問でした。
  よろしくお願いします。

毛利委員長
  いかがでしょうか、まとめていいかということですけれども、ほかの委員からもどうでしょうか。どういう表現が理解していただきやすいということですけれども、2段になっているというのは、時系列的な面ではこうなるのかという気もしますけれども、どうでしょうか。


吉田専門委員
  このモミガラの腐食がどういう影響を及ぼすのかということに対する物の考え方で、大分これは何を書くべきか、変わってくると思うのですけれども、透水性が圧縮されて下がるとか、あるいは泥が詰まって下がるとか、あるいは陥没して大穴があいて危ないとか、いろいろこの問題の影響の捉え方があると思います。実際のこの写真の現場でどういう問題があるのかというのは、一概に言えないわけですよね。
  ということなので、つくられた方の意図がないと、私どものほうから一般的にこうだとか、どう書けばいいとかということは、ちょっと申し上げられにくいというか、そういう感じだと思います。

森澤農村環境課長
  つくった意図といたしましては、ここの要は耕土の沈下なのか、疎水材の圧縮の沈下なのかというところをまずわかりやすくということで、後者のほうの疎水材の圧縮による耕盤沈下という形での因果関係をちょっと丁寧に整理したつもりですし、沈下した後なのかどうかというところも、わかりづらいというところがありましたので、分けて説明をさせていただいたということでございます。

吉田専門委員
  ここで実際に疎水材の周りで起こる現象としては、もともと掘った渠孔が両側から土圧でだんだん押されてきて、それでモミガラも幅が狭くなってくるという横方向のつぶれと、あとモミガラがだんだん柔らかくなってきて、緩くなってきて、それでその上の土がだんだん落ちてきて、それでつぶれていくという現象と、あるいは土が意外と安定していると、モミガラだけ腐って、上に空洞ができるというような現象と、いろいろあり得ますよね。
  そういう意味で、そういう整理をするのであれば、そういう説明が必要であるし、ある意味これは暗渠の状態をストックマネジメントのときに目視で確認するというようなことが書かれているわけですけれども、何を見て、何をどう評価するのかということにもかかわってきますので、この図でどういうふうに一言であらわすのかというのはデリケートで、今簡単にこの場でどうしたほうがいいという意見は、なかなか申し上げられないというのが私の実際こういうのを今まで見てきた経験から感じるところです。

毛利委員長
  今、吉田先生から整理していただいた項目をこの写真等で全て表現するのは、なかなか難しそうですね。

飯田専門委員
  タイトルが疎水材の腐食状況というタイトルになっていますけれども、必ずそうなるのかというイメージを与えてしまうので、これは一例であるという位置づけにしたほうがいいかもしれないですね。

渡辺専門委員
  現場では、排水が機能しなくなっているということに対して、どう対応しようかということが求められています。陥没したとか、そういうのはごくまれな事例で、経年変化でモミガラがほとんど腐食してなくなっている状況であれば、どう対処すればよいかを判断するための一つの指標として簡単な表現で読み取れればいいのではという気がします。

毛利委員長
  渡辺委員にまとめていただいたような形になりましたけれども、先生方からいただいた意見もそういう方向ではないかと思いますので、技術書も含めて整理をいただくということでよろしいでしょうか。

森澤農村環境課長
  わかりました。

毛利委員長
  それでは、引き続きよろしくお願いいたします。
  樽屋委員。

樽屋専門委員
  修正等は特にありません。先ほどの飯田委員のご指摘があった1-4の26ページの表現の方法について、一つの意見ということですけれども、ほ場の土壌、地形条件等のところですが、右との対応をとるときに、地形・水文条件ぐらいにしておけば、ある程度読めるのではないかというふうに、私は個人的に思いました。それは一つの意見ということで、ご検討いただければと思います。
  それから、もう一つは1-1の資料の13ページ、前回の委員会で指摘させていただいた理論的背景の対応方針をご検討いただきまして、ありがとうございます。
  一応これで個人的には、納得はしているのですけれども、先ほど暗渠の議論なんかも出てきたので、ひとつ申し上げたいと思いましたのは、水理学的に確立されていないからでは、本来ないのだと思います。水理学というよりは、むしろほかの学問分野で、名を挙げれば、例えば土壌物理学とか水文学とか土質工学とか、いろいろな挙げ方ができると思います。私はこれらの攻めどころが非常にあいまいになっているというところを問題意識として持っていまして、その一つ例は、いま議論のありました、6ページの写真の取り扱いの問題です。
  ここに横たわっている問題は、性能設計の問題ではないかと思いました。機能診断とかストマネを背景と考えたときに、そもそも求める機能が何であって、それを維持するためにはどういうアプローチが必要なのか、という問題です。それは学問的にも、あるいは現場技術的にもいろいろな側面があろうかと思いますけれども、6ページのモミガラの腐食状況の写真については、多分これを書かれた方の意図というのは、従来進めてきたストマネ事業等で、実際に取り組まれているアプローチですよね。要するに、部材の構造的に、あるいは腐食というものを通じて構造的に機能がどう低下しているのかということを多分言いたかった。そういうアプローチをこういう暗渠の分野にも取り入れるというような、そういう気持ち。私のように直接この分野を熟知してない者にとっては、この写真のようなアプローチというのは、ある意味では非常に自然です。
  それで、次のステップとして、13ページにご説明いただいたようなところについてですが、現時点ではこういったものの取り組みを性能設計として仕上げるのには、まだかなり時間がかかり、距離がある。学問的に、つまりそれを支える学問としては、これは単に水理学の問題だけではないはずなので、どちらかというと、むしろほ場をベースにしたほ場の中の水分コントロールにおいていかに未解明な部分が多いかというようなところを本来問題として、もっと切り込んでいくべきだと思います。
  ですので、対応方針の中にそこまで書いていただく必要は全くないのですけれども、私は個人的にはこれで納得しているのですが、たまたま6ページの写真の扱いの議論が出てきましたので、ちょっと言わせていただきました。
  以上です。

毛利委員長
  ありがとうございました。
  先ほど少しご議論いただきました26ページの地形条件というところに、水文条件と、排水的な面も含めたというような文言をというご提案をいただいておりますので、ご検討いただければと思います。また、理論的な面での基本的な考え方について、改めてお話しいただきましたが、何かほかの委員からもコメントございますでしょうか。水理学的な問題だけではないというご指摘だったと思いますがいかがでしょうか。
  よろしいでしょうか。
  そういう面からもしっかりと暗渠排水があるべき方向性といいますか、何を目標にしているのかというところも見えるようにすべきかというふうには思いますが、ほかにご意見がございましたらよろしくお願いいたします。
  大体全体的には見ていただけたかと思いますが、ちょっと私から教えていただきたいのは、ストックマネジメントにかかわるところで、機能回復という表現がございますが、性能も含めて言っているのでしょうか。機能と性能というのは、ちょっと概念が違うのですけれども、この分野でこういうふうなことでずっと通しておられるのであれば、理解はできるのですけれども、中嶋委員はどうでしょうか。
  樽屋委員もこの関係の基準には精通しておられますので、具体的には1-4の48ページのところに、施設の機能回復というふうに書いておりまして、解説のほうには機能の低下、またはこれに起因する想定される何々の低下等というふうに書いているのですけれども、機能という文言だけでいいでしょうかという疑問がありますけれども、いかがでしょうか。

中嶋専門委員
  各種基準でどう書かれているか、忘れてしまったのですが、あくまでも私の個人的な話になります。
  機能は性能を含む概念だと思います。機能と性能、何が違うかというと、ファンクションとパフォーマンスですから、性能は機能を定量的に表す指標だと思います。つまり、幾つかの性能のかたまりを文字などで象徴的に表現したものが機能と認識しています。ここでの表現は、広く捉えるなら機能と思いますので私は機能という表現に余り違和感はありません。

毛利委員長
  北川委員、お願いします。

北川専門委員
  暗渠排水の場合は、機能の中にも細かな部分で性能がきちんと含まれているべきであると考えます。暗渠排水の配管や疎水管など、それぞれの配置の性能というのはきちんと積み上げるべきと考えます。実際の設計の場面では、暗渠管の配線について動水勾配と粗度などによる管の中の流れを性能としてきちんと担保されるべき面もあります。
  ただし、暗渠排水は、用水配分計画のように人為的にコントロールする施設でなく、暗渠管までに到達する水の流れが、気象と土壌の条件により大きく変動するバッファの部分がどうしても多い分野であるということから、暗渠全体の性能を担保し、最終的な排水の量がどうなるかということまで、性能として担保するのは難しいと考えます。暗渠の場合は、自然条件で左右される面もあり、個別の性能を含んだ機能という考え方のほうが合っていると思います。現段階では、この書き方がマッチングしていると思います。

毛利委員長
  よろしいですか。

樽屋専門委員
  現行の技術開発段階と言いましたのは、技術は今後も進んでいくだろうということです。
  現状でどこまで書くかということについて、このような表現にするのはやむを得ないだろうと思います。ただ、個人的には非常に違和感があります。本来は機能と性能は分けられるはずだと私は思っていますし、機能に関しては、例えば暗渠の通水機能とか、そういう表現をした上で、例えば勾配敷設条件などのようなものが、理想的には性能の中に入ってくるようになれば、新たな体系として次の段階にいけるだろうと思います。ただ、前回の議論でもありましたように、ちょっと難しいというご意見をいただいておりまして、私はこれで現状はやむを得ないと思います。

毛利委員長
  よろしいでしょうか。
  私も状況としては理解できておりますし、難しい表現になってしまうだろうなと思っておりますけれども、そういうところも少し注意をしながら、技術書のほうには書き込んでいただければと思います。性能としてしっかりとあらわすべきところはあらわしていただくということに尽きるのではないかなと思いますので、よろしくお願いいたします。
  ほかにご意見いただくようなところはございますか、よろしくお願いいたします。
  よろしいでしょうか。
  それでは、ありがとうございました。
  それでは、ここで一旦議論を閉めさせていただきたいと思います。
  特に大きな修正点はなかったかと思います。技術書のほうでしっかりと受けとめるというふうな事務局からの回答も得ておりますので、本案を農業農村振興整備部会に報告の後、農林水産大臣に答申することとさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
  ありがとうございます。
  それでは、続きまして議題の2に移らせていただきます。農業農村整備に関する技術開発計画の策定について、事務局より説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

佐々木施工企画調整室長
  設計課施工企画調整室長の佐々木です。よろしくお願いいたします。
  資料2-1、ございますか、これが技術開発計画の案の本編になります。
  1枚めくっていただきますと、構成といたしましては、この目次にございますとおり、1のはじめにというところから始まりまして、2の技術開発の基本方針、それから3の技術開発の実施方針、最後にあとがきということで、その構成は前回の委員会でご説明した構成、小項目含めて変更ございません。
  赤字で下に記載しております参考資料というところがございますが、これは追加しております。
  資料2-2のほうの横の資料をお開きいただきたいと思います。
  これは本編のダイジェスト版になりますけれども、その2-2の17ページ、18ページをお開きください。
  前回の技術小委員会でいただきましたご意見、それからパブリックコメントでのご意見を踏まえた今回の主な修正点でございます。
  この資料2-2の項目に沿って、ご説明をさせていただきます。
  まず、1項目め、農家の自力施工が可能な「簡易な技術」の開発・普及について、その推進する方針を基本方針の中で打ち出してはどうかというようご意見をいただきました。これについては、本編の5ページになります。
  (2)中ほどにございます技術開発の推進に向けた取り組み方針をここで列挙しておりますが、その1マル目、技術開発の重点化とソフト・ハードの適切な組み合わせという中で、赤字の部分になりますが、技術の開発、普及に当たっては、国、地方公共団体、土地改良区等が施工する事業での活用はもとより、農業者みずからが行う簡易な施工、施設の管理、営農等での活用も十分に考慮して、技術の開発・普及を推進していくことが重要だという形で、この部分を加筆、一部修正しております。
  2項目めになります。
  産学官の連携の取り組みについてでございます。
  その方針の記載の中で、ユーザーという視点、事業現場、あるいは生産現場のユーザーもその連携に参画するという考え方を取り入れるべきじゃないかというご意見をいただきました。これについては、本編の7ページをお願いいたします。
  まず、上の3のタイトルのところでございますが、産学官の連携となっていたところを産学官・ユーザーの連携という形で修正をいたしました。そして、4行目、5行目あたりからになりますが、技術の開発者の側が行うべきことと列挙する中に、開発された技術を利用するユーザーのニーズを的確に把握するということを明記するとともに、加えてユーザーの立場から、積極的にその技術開発の担い手に対しても自分の思っている課題なりを提案する。そして、技術開発にも参画することが望まれるということを加筆しております。
  3項目めになります。
  土地改良区が管理を担っているところが多いわけでございますが、その土地改良区がユーザーの一員であることを明記しておくべきじゃないかといった趣旨のご意見をいただきました。これについても、本編の7ページになりますが、中ほど以下「このため」という部分がございます。ここでは、さまざまなツールを用いて、関係機関の連携を促進していくというような方針のくだりがあるわけでございますが、その関係機関の一つとして土地改良区を追記いたしました。それから、後ほどご説明いたしますが、参考資料のほうで想定する主なユーザーの中にも、適宜土地改良区という表現を加えさせていただいております。
  4項目めになります。
  これはパブリックコメントの意見になりますが、国営事業の現場というのは、開発技術の普及の場という側面だけではなくて、技術をそこで改良し、最適化していく技術実証の場でもあるのではないかというようなご意見をいただきました。
  それを踏まえまして、具体的には本編の8ページになりますが、上の部分、もともとは事業現場において継続的なモニタリングを行う、あるいは技術開発から現場導入に至るプロセス、現場適用後の検証、こういった情報をしっかり整理して横展開していくことが重要だというようなことも含めて、こうした観点から、開発技術の現場への普及を積極的に推進していくというような記載をしておりましたが、そういった記述の中に、現場適用後の検証という部分に加えて、上の2行目になりますが、技術の改良、最適化という観点も加えさせていただきました。
  それから、5項目めになります。
  技術開発計画の本文の中で、分野ごと、政策目標ごとの技術開発の実施方針を書いているわけですが、そこで5年間で一体何を目指すのかという部分、あるいは開発された技術を誰に使ってもらうのかというところを明確化すべきでないかといったご意見を前回委員会でいただいております。
  これにつきましては、本文の後ろ、本文が21ページまで続いておりますが、その後ろ側に参考資料ということで、今回資料を追加しております。
  めくっていただきますと、1ページから表がございます。
  本文で掲げております分野ごとの重点化する技術開発につきまして、その重点化する技術開発の事項ごとに技術開発の課題といいますか、現状、計画期間である5年後の目標、それからそれぞれの技術ごとの想定する主なユーザーという形で整理をして、それぞれ記載をしてみたところでございます。
  今申し上げましたような整理が8ページまで続いております。
  それから、先にまいりますが、6項目めでございます。
  取り組み方針の中でソフトとハードの技術を適切に組み合わせて活用していくということを本文の中でうたっているわけですが、具体的にそれをどう組み合わせていくのか、あるいは具体的な活用の方向性みたいなもの、こういったところが少しわかりにくいのでもっとアピールすべきじゃないかというようなご意見をいただきました。
  これにつきましては、参考資料に新技術の導入例ということで、後ろの2枚になりますが、ソフト、ハード両面の新技術を現場に導入していくというイメージを政策目標に照らした4つのパターンの導入モデルを追記いたしました。
  モデルの1番目については、産地収益力の向上と担い手の体質強化という観点から、水田地域を念頭に置いた技術導入の例のイメージでございます。
  ここに上の表がございますが、開発、活用する技術のパッケージという意味で、効率的な水管理という視点と営農の省力化という視点、こういった観点から有効と考えられますソフト対策とハード対策、例えば生育状況の監視ですとか、農地情報の高度利用、こういったソフト対策、それからICTによる水管理施設の整備、活用、こういったハード対策、こういったものの組み合わせを掲げております。
  右のほうに効果で書いてございますが、こういった技術を活用し、現場に取り入れていくことによりまして、生産コストの削減、あるいは農作物の品質向上、高収益作物の導入、こういったものを図っていくという考え方でございます。
  1枚めくっていただきますと、モデルの2番目になりますが、同様に産地収益力の向上と担い手の体質強化に主眼を置いたものでございます。これは畑地域、畑地帯を念頭に置いたものでございます。
  ここで掲げている開発、活用する技術のスキームの例としましては、例えば地域に賦存するエネルギー源、こういったものを活用しながら、効率的な水管理という側面、それから営農の省力化という側面、そういった観点から、表に掲げておりますようなソフト、ハード、両面の技術を開発、活用していく。そういった中で、右側に書いていますような効果を得ていこうというものでございます。具体的には、生産コストの削減、農作物の品質向上と高付加価値化という形になります。
  それから、導入モデルの3つ目になります。
  これは施設の戦略的な保全管理を意図したものでございます。左上の表では、ここの視点としては、点的な施設、それから線的な施設、この両面から必要となりますソフト対策とハード対策、ソフト対策としては、施設の監視ですとか変状の把握、あるいは劣化の予測、こういったソフト技術、それからハード対策としては、施設の関係、低コストで効率的な整備、補修、これらに資する新たなハード技術、こういったものの組み合わせを例示しております。これらの技術を現場に導入することによって、1つは農業水利施設の突発事故等の抑止、それによります用水の安定供給と地域の安全の確保、それからもう1点は効果的、効率的な機能保全対策による施設の長寿命化とライフサイクルコストの低減、これを実現していこうというものでございます。
  最後のモデル4番目になりますが、これは農村協働力を生かした地域の防災・減災力の強化ということでございます。
  これにつきましては、ため池ですとか水路、排水路など、こういった施設の機能強化を図るという観点、それからもう一つはポイントに農村協働力の活用と書いていますが、例えば施設ですとか地盤等のものの状態というのを高精度に計測する、あるいは監視する、こういった技術をもとにして、地域にある農村協働力を活用して、地域の防災・、減災力を高めていこうというこの2つの側面から、有効なソフト、ハード対策のパッケージの例を掲げております。
  これらによりまして、施設の機能強化による災害リスクの軽減、防災情報を共有や施設の補修などを協働施工する、こういった取り組みによって、災害に強いコミュニティを構築していく。こういったことで、ひいては農村協働力を生かした地域の防災・減災力の強化につなげていくサイクルをつくっていく、こういう考え方でございます。
  次に、項目のほうに戻りますけれども、7項目めになります。
  参考資料2-2の18ページ、本文中に重点化する技術開発を列挙しているわけですが、前回の委員会では記載の一部が再掲としている記載形態がございました。ご指摘を踏まえまして、重点化する技術を一部追記、あるいは分野間で配置を再編するといったようなことで、再掲しないような記載形態に今回は見直したところでございます。
  それから、最後の項目、用語の解説ということで書いてございますが、本文の下の欄に用語の説明として、技術的な用語など、36の用語の説明を追記しております。
  最後、資料2-2の19ページにスケジュールを記載しております。本日の委員会でのご意見を踏まえまして、年度内に農業農村振興整備部会にご報告し、29年度の早々に新しい技術開発計画を策定してまいりたいというふうに考えております。
  説明は以上でございます。

毛利委員長
  ありがとうございました。
  ただいまから事務局よりパブリックコメント及び前回委員会における意見を踏まえまして、農業農村整備に関する技術開発計画の案について、ご説明をいただきました。これにつきまして、委員の皆様からご意見、ご質問をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  どこからでも構いませんので、ご発言をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

中嶋専門委員
  5ページの用語です。
  今、ちょっと手引きも見たのですけれども、用語の中の脚注の7というのは、性能低下の予測ですけれども、読みますと、「時間の経過とともに施設の性能低下をもたらす部材、構造の変化を予測すること」とあります。手引きの性能低下の定義は「時間の経過とともに、施設の性能が低下すること」なので「部材の構造の変化」という部分を削除した方が良いと思います。性能低下は部材とか構造に限ったものでなく、対象施設の性能低下を予測するのだと思うからです。
  もう一つは簡単で、6ページ目の脚注の12、13は、5ページ目に書いてあるので、こっちに移したほうが見やすいかなと、5ページの脚注、下の12、13、最後の行になっちゃっていますけれども、それを5ページに移すとだめですね。今わかりました。7だけです。

毛利委員長
  性能低下をもたらすという後段は、何か修正案ありますでしょうか。

中嶋専門委員
  「部材、構造の変化」の部分を削除し「時間の経過とともに、施設の性能低下を予測すること」に修正するのが良いと思います。

毛利委員長
  それでは、ほかにご意見をいただけますでしょうか。

吉田専門委員
  2点申し上げさせていただきます。
  1つは、参考の2つ目のポンチ絵のある部分ですけれども、新技術の導入モデルの1と2についてですが、この表題で産地収益力の向上と担い手の体質強化というのが水田についてと畑についてとあるわけですけれども、ここのつなぎが「と」になっているのがちょっと気になります。
  それで、本文のほうでは、産地収益力の向上による担い手の体質強化というような、そういう論理の流れになっていると思いますけれども、ここが「と」ですと、担い手の体質強化についても、直接それに働きかける技術、ソフトなというか、そういう技術が何かあるように見えてしまうので、ここは「と」じゃなくて、「向上による」とか、そういうような表現のほうが中身に合っているのではないかというふうに感じましたというのが1点です。
  あとは、参考資料の1つ目のほうの表についてなんですけれども、これはこの重点化技術開発、技術開発の現状、5年後の目標という枠をつくって、目標の明確化ということで、新たに様式をつくられたというご説明で、これはポジティブな技術を開発していこうという実際の取り組みの具体性が出てきて、非常にいい表ではないかと思うのですけれども、ただ難しさが感じられます。
  それは、重点化技術開発という開発内容に関する記述と5年後の目標という部分の記述が非常に重複しているところが多くなっています。これは大抵こういう表をつくると、こういうことが起こるのですけれども、もし仮に5年後の数値目標みたいなものがあって、こういうふうに整理できるのであれば、この様式というのはいいんですけれども、ちょっとその辺がそこまで絞り切れないということで、7割ぐらいが重複しているような感じが見受けられます。
  ということですので、今回これで修正しろというような意見ではないのですけれども、今後この様式にしていくとなると、書き方についてはもう少し細かく何を開発するかというプロジェクトの計画みたいに、細かく検討する場が必要だと思いますし、その辺は作業的にも結構大変なんじゃないかなとは感じますが、そういうコメントをさせていただきたいと思います。
  よろしくお願いします。

毛利委員長
  2点いただきましたが、いかがでしょうか。

佐々木施工企画調整室長
  まず、1点目の産地収益力の向上による担い手の体質強化というふうに変えたらというご意見でしたが、書いた意図としては、技術開発の実施方針、すなわち土地改良長期計画の政策目標の1番目が産地収益力の向上で、2番目が担い手の体質強化ですので、その目標の両方に資するような技術の開発の活用という意味で、「と」という形で使わせていただいたところでございます。ちょっと検討をさせていただきたいと思います。
  それから、2点目のことについては、ご指摘のとおりでございまして、なかなか定量的なところまでは書くことが難しいところがあり、また余り固定的に書くのもどうかという部分もございまして、このような表現にとどめておりますが、取り組み方針のところで掲げているさまざまな取り組みの中で、連携していく中で、そこはいろいろまさに中身を詰めていく、ユーザーと開発者側の距離を縮めながらやっていくということが重要かなというふうに思っております。

毛利委員長
  いかがでしょうか。
  2つ目の重点化する技術開発の目標のところですが、このあたりは技術を積み上げていく方向性を示しているようなところでもありますので、こういう表現の中でしっかりと受けとめられるのかどうかということも含めて、少し見ていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
  確かに、重複するところはやむを得ないところもあるので、重複していても方向性がしっかりと示せれば、それなりに受け取ってもらえるので、許容できる範囲ではないかとは思います。この計画の中で示している目標がしっかりと定まっているのかという面で見ていただければと思いますがよろしいでしょうか。
  この件は引き続き見ていただき、ご検討いただくということにしまして、ほかにご意見ありますでしょうか、どうでしょうか。
  それでは、飯田先生、お願いします。

飯田専門委員
  2-1の最後についている導入例、これでソフト対策とハード対策の表をつくっていただいて、それでソフト、ハードの適切な組み合わせの具体的なイメージが大分わかるようになったと思うのですけれども、このソフトのほうに分類するのか、ハードのほうに分類するのかという点で、かなり苦心されたのではないかなというふうな気がします。ただ、ちょっと違和感があるのがモデル1とモデル2のソフトのほうに出てくるセンシング技術による生育監視・管理技術、これはセンシング技術というと、農地なり水路なりフィールドにセンサーを置いて、データを取得するという、これがセンシング技術だと思いますけれども、これはどちらかというとハードのほうに入るのではないかという気がします。
  それで、それに対応するソフトとして、得られたデータをどう解析して、どういうような情報を得るかという技術、これはソフト技術としてセンサーデータの利用という意味で、ソフトとして大切なところもあると思いますけれども、そういう意味で、センシング技術による生育監視・管理技術というのは、フィールドでセンサーによってデータを得るというハードの部分と得たデータをどうやって解析して有用な情報を引き出すかというソフトの部分と、両方に分けたほうがいいのではないかと思います。
  だから、具体的な文言がすぐ思いつかないのですけれども、例えばハードを主に書くのであれば、センシング技術によるフィールドデータの獲得技術ですとか、そういうような表現、ソフトのほうで言うと、今はやりの言葉を使えば、ビックデータの解析技術、フィールドで、センサーで次々データが取得できれば、それはたまっていきますので、そこから有用な情報を引き出すという、そういうような文言で2つに分けたほうがいいのではないかと。

毛利委員長
  いかがでしょうか。
  ほかの委員からもこの件について。

吉田専門委員
  本文の中で、ソフトとハード技術を組み合わせるということをかなり強調されて書かれていることに対応して、ソフト、ハードとあえて分けるということになったのだろうと想像するのですけれども、逆に言えばソフトでもハードでもない、間ぐらいの技術もいあっていいと思いますので、ここで逆に変に区別するより、間の点も設けるような、混ざっているよという感じさえ伝われば、それでこの話は十分なのではないかなと思いますので、そういう工夫も別の選択肢として、飯田先生おっしゃられたことと別のやり方としても挙げさせていただいて。

飯田専門委員
  事前説明会でも大分話はしましたけれども、本当はソフトとハードが一体となった技術があるのだろうと、それを開発しなきゃいけないのだろうという話にはなりますけれども、あえてこういう表にするのであれば……。

毛利委員長
  ほかにも委員からご意見を少しまとめていただきたいと思いますけれども、北川委員はどうですか、こういう分類を見て。

北川専門委員
  この最後の表自体は、とてもわかりやすくて、前のところにも具体化されイメージしやすいと思いますし、今回はユーザーという用語が新しく入ってきて、ソフト対策とハード対策を併せてわかりやすく作成いただいたと思います。ただ、飯田先生と吉田先生の指摘のように、その辺はっきり区別するのはなかなか難しいところもあるので、先ほど吉田先生おっしゃったように、区分の仕方を工夫したら、さらにもっとわかりやすくなるのかなと思います。分けるべきところと分けなくてもいいところがあるかもしれません。

毛利委員長
  分けなくてもいいものもあるということですね。

飯田専門委員
  分けて両方を書くことはできるのだけれども、それがカップルになって初めて一つの技術になるというようなイメージが出てくる。

毛利委員長
  同感ですが、センシングですとか、具体的な技術をいかに使っていくのかという面でのソフト的なところがしっかりと連携していますという、それを目指すことによって、新しい農業農村地域だとか、営農が営むことができると、そこを目指しますというものが見えるといいと思います。ただ、この一つの表だけでそこまで示し切れるのかどうかというのは、非常に難しい問題です。右側に効果というところでフォローしていただいておりますので、この辺も含めて、もしできればソフト、ハードの区分をわかりやすく検討することでいかがでしょうか。

佐々木施工企画調整室長
  ご指摘を踏まえて再考させていただきたいと思いますが、ご指摘ありましたように、ハードの物体的な側面とソフトの人の利用とか、人に働きかける部分というところで言えば、まさに我々が今技術開発を目指しているものは、大方のものが両面にかかわってくるものだろうなというふうには思っておりました。
  あえて今回便宜的に分けたのは、ハードについては物、施設とか基盤を整備する、あるいは管理する、それをハードに分類して、物の状態を監視したり、把握したり、調査したり、あるいは情報に基づいて計画するようなもの、そういった整備の前段階の状態のものについては、基本的にはソフトのほうに分類をしたところでございます。
  ですが、無理矢理分けているところはありますので、ご指摘は踏まえてく検討したいと思います。

飯田専門委員
  それに関連して、読者、これを読む人の側から言うと、分けているのは元気づけられるという面があると思います。
  例えば、今のセンサーの話ですと、センサーの研究をしている人は、ハードのセンサーの研究をしています。どういうふうに測定すれば、いいデータがとれるかという、そういう人はそういう人もいるし、得られたデータを解析する人は、また別の人がいます。
  そうすると、そういう人たちが読むときに、ハードのところにも俺の仕事が載っているなとか、ソフトのところにはソフトの人の俺の仕事が載っているなというのが非常に勇気づけられるというか、それぞれ響くものがあると思いますので、そういう意味ではハードとソフトを分けて、細分化して書くというのは意味があると思います。でも最終的に出てくる成果は、そういういろいろな人の技術開発の成果が統合的なもので現場には使われるわけで、そういう流れが出てくるといいかなという気がします。

毛利委員長
  どうぞ。

樽屋専門委員
  議論を伺っていて、ソフトとハードということに関して、余り私は明確に見てなかったことを反省したのですが、こういう最後の4つのモデルで書かれるようなソフト、ハードの書き分けの背景というのは、今議論にあったことと同時に、情報通信技術の急速な発展というのが背景にあると考えていて、そのときに一つソフト、ハードという言い方をされたのだと思います。
  ただ、本来事業を進めるための技術として、ハードウエアの技術と事業制度とか、こういったものを見直すとか、あるいは事業の単位、大きさ等を見直すとか、集積をどう進めるか、などについても、本来はソフトのカテゴリーの中にあると思います。
  その辺は、誤解のないように、明確に情報通信技術と言い切れるところはそうする。さらに、既存の施設のハードウエアのコントロールはどちらかというと情報通信技術にもかかわることなので、いろいろ細かく見ていくと、結構面倒くさくなるとは思います。
  ですので、今回はこれでまとめるという方向性を最優先にすれば、一般の方がごらんになったときに誤解のないような表現にするために、単に情報通信技術でいいのであれば、その部分は1から3、4のモデルの中で、別くくりにして、ソフト、ハードという言葉の使い方を、もう少し厳密にしたほうがいいのかなと感じました。
  どうでしょうか。

佐々木施工企画調整室長
  情報通信技術という単にそれを載せているというところは、もちろんございませんで、情報通信技術を活用した何々に対する技術ですので、その技術がハードなのか、ソフトなのか、もちろん人にかかわる部分が出てきますので、それはソフト的側面も当然持ったものが大半ですが、物を整備するという側面があるものは、ハードのほうに入れているということです。

毛利委員長
  すっきりと2つに分類できるような対象のものと、そうではないものがあるということですので、うまく思いが伝わるようにしていただきたいというご意見だったかと思います。
  マルの6にセンシング技術による生育監視・管理技術というふうに、技術、技術と並んでおりますけれども、これはセンシング技術というよりも、センシングデータとか何か取得された、そういう情報を使って監視なり管理するということではないのでしょうか。
  そうすると、前のほうはセンシング技術というよりも、言葉を足していただいたほうがわかりやすいかと思います。少し全体を先生方にご意見いただきましたところを見直していただければと思います。
  ほかにいかがでしょうか、ご意見をいただければ。
  北川委員、お願いいたします。

北川専門委員
  ユーザーの利用を想定した記載が今回はたくさんいろいろなところで出てきてきています。特に最後のところでは、ユーザーからの視点でも整理されており、とてもわかりやすい開発計画になっていると思います。
  技術は、社会の中に浸透するためには、どうしても実際のユーザーの反応を的確に捉えて、改良を加えながら社会に落とし込んでいかなければ、なかなか実装できないと思います。今回は、その点も会発の中で重要である点が明確になっているので、とても良いと思います。
  できれば、7ページのところにユーザーのところが連携があります。ユーザーのニーズを的確に把握しつつ、積極的に改良する必要性を記載し、利用者に寄り添う形の文言をもう少し入れてもいいのかなと個人的には思いました。今後の技術開発の中では、実際に現地のユーザーの意向を捉えながら改良していかなければ、普及する技術はなかなか出てこないと思いますので、少し強調してもいいと思いました。実際に我々が開発した技術の事例でも、できるだけユーザーの意向を入れながら、少しずつバージョンアップし、販売しているものが多いので、そういう点を積極的に行っていかないといけないと感じています。


毛利委員長
  関連するところはございませんでしょうか。ご意見いただけますでしょうか。
  よろしいでしょうか。
  この部分は、随分と書き込んでいただいております。ユーザーというキーワードで見ても、随分と表現をされていただいておりますし、委員のほうからご指摘いただきました、寄り添うようなという行動についても、ニーズを的確に把握しつつという表現でその意味するところが書き込まれていると理解していますけれども、この点はいかがでしょうか。

佐々木施工企画調整室長
  ご意見を踏まえて、もう一度考えてみたいと思います。

毛利委員長
  十分表現されているかと思いますけれども、適切なキーワード等については、少しご検討いただければと思います。
  ほかにご意見。
  それでは、中嶋委員、お願いいたします。

中嶋専門委員
  ソフト、ハードのところをどうしようかなと。
  これは悩ましいところなので、一つアイデアです。それぞれの表のソフトとハードが微妙に分けられた意図が違うので、例えばソフト対策の後ろに括弧で1ページ目立ったら、情報処理とか、そこをくくるようなところで処理できれば、右側は例えばセンサー開発とか機器開発とか、多分最後のページは、また違ってくると思います。こっちだと左側は評価計測技術、ハードのほうは、これは工法開発とか、そんなのでもいいのかなと、かなりこれをきちっと分けるのはきついと思うので、ユーザーの方がどんな意図でくくったのかなというのを少し参考情報となるようなもので何とかならないかなと思っていました。

毛利委員長
  いかがでしょうか。
  アイデアをいただきましたが、スペース的な問題もありますし、どこまで書き込んでいいのかという問題もありますので、キーワード的なことで表現できるものはということでしたので、ご検討いただけますでしょうか。
  ほかに全体を通してご意見をいただく項目がありましたら、よろしくお願いいたします。
  渡辺委員、お願いいたします。

渡辺専門委員
  この参考資料についている重点化する技術開発の目標ですが本文に書いてあるものと同じ内容が大部分を占めています。いわゆるユーザーさんの要請に対して、今このくらいの技術開発が進んでいて、それを5年後どうしたいということを整理されたほうがわかりやすいのかなと思います。


毛利委員長
  いかがでしょうか。
  先ほどもこの表を少し見ていただきましたが、渡辺委員から明確な目標と技術開発の現状というところ、ニーズと明確な目標の整理があるのではないかというご意見でしたが、いかがでしょうか。
  なかなか全ての項目で書き込んでいくのは、難しい作業になるような気がしますけれども、現状については分析ができておりますので、対応関係を見直しながらということですかね。
  いかがでしょうか。
  飯田先生、お願いいたします。

飯田専門委員
  内容的には、これは全部網羅されていると思いますけれども、書き方として、技術開発の現状の欄は、全部文末が何とかの開発が必要になっています。これをもうちょっとネガティブな書き方に、こういうところに問題があるとか、こういうところに困っているとか、そういう言い方にすると、ニーズをあらわしているなという感じが強くなると思います。

毛利委員長
  どうぞ。

吉田専門委員
  ここの技術開発の現状について、事前に私申し上げた意見がありまして、それである意味ネガティブな技術が未確立であるというような案が最初拝見しました。それは、本当にそうであればいいのですけれども、実際に技術にかかわっている人間から見ると、十分調査した上で未確実とか、やってないとかという言い方をされないと、非常にショッキングなのですね。
  そういう意味で、実際にそういうところもあったとは思うのですが、ちょっと言い過ぎじゃないかとか、そういう関係者を必ずしもこの話の中に巻き込んでない部分で、余り言い過ぎるのもどうかというところが感じられまして、それでちょっとポジティブに、こういうものが必要であるというふうな書き方のほうがいいのではないかという意見を私は申し上げたので、責任を感じてそれを申し上げます。
  その上で、それでネガティブなことを言っちゃいけないのかどうかということですけれども、それはそうでもなくて、技術ニーズの話と技術の開発段階の説明というのは、2つ別ですよね。社会からこういう要請があるという点に関しては、十分述べるべきだと思いますが、それに対して技術が不十分だとか何とかというのは、そこは慎重に実際に開発されている方々の意見を聞きながら挙げていくという、その2つの内容を現状というところに書き込めば、こうすべきという流れが組める、自然に入ってくるような表になるのではないかなと思います。

飯田専門委員
  もちろん吉田委員のおっしゃることは、よく理解できまして、当事者はちょっと困るというのはありますので、ほどほどの表現で。

毛利委員長
  両面あっても、明確に書けるところもあるでしょうし、これはということを重点的に目指したいところもあるだろうと思います。そういうめり張りがあってもいいと思いはするのですが、ほかにご意見いかがでしょうか。
  多様な表現の方法がありますので、どういうものがしっかりと受け取ってもらえるのかということについて、議論は尽くしておきたいと思います。いかがでしょうか。
  5年後の目標というところをしっかりと提示をして、思いが伝わるようなものになっていればいいのだろうと思いますが、これでよろしいでしょうか。全体的にご検討いただくということになろうかと思いますが、いかがでしょうか。
  当初は、開発が必要というところを修正していますね。

佐々木施工企画調整室長
  もともと事前に説明した段階の資料では、現状のところですけれども、「必要」となっている文末の書き方のところが未確立、未整備、不十分などとばらばらな記載ぶりになっていましたけれども、本当に不十分なのかとか、未確立なのかというのは、非常に難しいところでありまして、事前にいただいたご意見も踏まえて必要という形に整理させていただいたのですが、どこのところが欠けているのかという意図が伝わるようにしなければならないというご指摘かと思います。
  そういう視点でもう一回可能なところは、そのような書きかえをしてみたいと思いますが、例えば効率的な水管理といっても、今どのレベルなのかということを一言で書くことはそれなりに難しいという部分はございます。ただ、そうはいっても、何が欠けていて何を目指すのかというところは、意図は伝える必要があると思いますので、もう少し工夫してみたいと思います。

毛利委員長
  ありがとうございました。
  このあたりは、二転三転してしまうような微妙な項目ではあると思いますけれども、再考いただければと思います。
  それでは、全体を通して委員の皆様からご意見いただければと思いますが、いかがでしょうか。
  よろしいでしょうか。
  大体全体を通したご意見をいただいたかと思います。
  それでは、ここで一旦議論を閉めさせていただきたいと思います。
  貴重なご意見を多岐にわたりいただきました。一部再考するところが残った形になっておりますけれども、検討いただき、修正した後に、農業農村整備部会に報告をさせていただきたいと思います。修正点につきましては、委員長一任とさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
  ありがとうございます。
  それでは、以上をもちまして本日予定しておりました議事を終了させていただきます。1年間ありがとうございました。
  本日は、本年度最後ということでございますので、委員の皆様から何か感想等ございましたら、自由に発言をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  どなたからでも。
  どうぞ、樽屋委員。

樽屋専門委員
  本委員会では、いろいろたくさん勉強させていただきました中で、まず今こういう感想をお話しするのは、1つ背景がございまして、それは私が最近スマート農業にかかわるいろいろな研究にかかわることが多くなったということがあります。もともと私は幹線レベルの水利用の仕事をずっとしていましたが、今は、だいぶほ場レベルの問題をお手伝いするような状況になっています。
  そこで非常に強く感じることがあります。今回このような委員会の席では、ほとんどの方が農業農村工学会の学会員ですが、一方、学会の外の方、例えば農学部でもほかの分野の研究者、それから一般市民の方、こういう方とお話しすると分かるのですが、実は水のインフラが整備される過程で、どれだけ見えないところで農業農村整備というものが重要な役割を果たしているかということが実は余り知られていないというか、そのことを全然知らないという方が今さらながらに多くてちょっと驚くようなところがございました。
  それで、2点、日ごろ考えていることを手短にまとめておきたいのですけれども、1つめは農業農村工学会の中の理念として掲げている「水土の知」についてです。本来は「水土の知」のような理念が技術開発というものにつながってきて、しかるべきものだと、考えるわけです。そもそも我々の先輩方がずっと研究されて、あるいは技術開発をされてきた中で、例えば水社会というものが地域の開発にどれだけ重要な役割を果たしているかということに関して、ずっとさまざまな研究がされてきているわけです。
  ところが、我々の分野の中でも例外ではないのですが、今、非常に継承が危ういという感じが個人的にしておりまして、本来水のつながりというものが人をつくってきたということが、例えばこれを玉城哲先生とか志村博康先生とか、全てお亡くなりになった先生方ばかりですけれども、こういった先生方がされてきた仕事が、まず我々の内部で継承されていないこと、これは言語道断なので、何とかしなきゃいけないのですが、ただ外部の方に対しても、余りにも知られていない。
  特に最近急速にICTの普及ということについて議論されるようになりましたけれども、蛇口をひねる感覚で、自由に、機械さえ入れれば何かすぐに農業がスマート化するというような誤解が物すごく蔓延しているように思います。それはとりもなおさず基盤整備、インフラ整備がこれだけ着実になされてきたのに、これが一般に余りにも知られていないということが背景にあります。
  これは我々も個人的にもいろいろ努力しなければいけないところもございますし、あと大学の先生方も余りこういうことを学生さんに教えられていない。いろいろなところで学生さんとお話しする機会がありますけれども、まず先ほど掲げたようなお二人の名前を知っている方なんていうのは、まず皆無、ほとんどいないです。
  まず、一つめの話はそういうことで、理念と、それを実際水社会というものに具体化するための技術開発という整理が非常に必要だと思っている。それと同時に、ICT化が今回の技術開発の中では、そういう展開はまだすぐには来ないと思いますが、先々ICT化とともにAI化の進展によって、水社会は確実に壊れてくるという側面があります。農村協働力は、これらの進展に相反して壊れていく可能性が非常に高いと思っています。
  本来は、我々が背景に持つ、「水土の知」の技術体系からすると、片方が発展した場合、もう片方が減衰していくというような力関係をきちんとまず説明できるような体系整備というものは、本来これは学会とか大学とか、いろいろなところを通じて、続けていくべきだと思いますが、こういう技術背景が今崩れつつあるということに関して、非常に個人的には危惧を感じます。外部の方とお話しするときに、こういった部分について、どうしても一歩踏み込めないところがあるというふうに私は感じております。
  2点目は、委員会の議論の中でも出したことですが、我々の技術の根幹をなすものは何かという問題です。個人的な考えを申し上げますけれども、それはエネルギーによるフラックスのコントロールだというふうに私は理解しています。
  何を言っているかというと、水社会を通じて、水を水源から末端まで流し切る、それでコントロールするという概念は、本来我々の技術のかなめであって、それをするためのさまざまな技術、そのためのいろいろな技術開発がなされてきているはずです。
  現在の我々の技術の体系整備、設計基準も含めてだと思いますけれども、それらに対してとられている手法というのは、いわゆる都市土木の観点の整理になっているのではないかと私は感じています。
  では、どうしたらいいのかというと、長くなって申しわけありませんが、例えばインフラ整備、それから防災・減災技術開発、ICTスマート農業と、これらは別個の技術開発ではなくて、本来はそれぞれが影響し合っている。水社会の崩壊によって訪れる新しい問題に対してどう対処したらいいか、あるいは農村協働力をもう少し強化するにはどうしたらいいかということに対処できる技術体系が必要。技術的には曲がり角というか、ICT化の導入によって、踏ん張りどころに来ている。
  2点と言いながら、非常に長くなって申しわけないですが、要するに言いたかったことは、昨今いろいろ感じる問題として、技術の体系化というものを根本から学会等も含めてやるべきではないかなと強く感じています。
  長くなってすみませんでした。

毛利委員長
  ありがとうございました。
  学会への要望でもあるような気がいたしました。
  ほかに、お一人ずつ少しコメントをいただきたいと思いますけれども、どなたか。
  それでは、渡辺委員、お願いいたします。そちらから順番にお願いいたします。

渡辺専門委員
  初めてこういう場所に出させていただきまして、大変悪戦苦闘しました。ここに出ていらっしゃる先生方ほど勉強もしていませんし、理論的な話もよくわかりませんが、エンドユーザーとしての声を少しでも伝えられることができた点だけは、よかったかなと感じております。
  ただ、私も今回参加させていただいて、こういう会議に参加する前に、もっと幅広に地域の声を聞いて、参加するべきなのかなということを反省しながら、これからまたおつき合いさせていただくことがあれば、一生懸命やらせていただきたいと思います。
  大変どうもありがとうございました。

吉田専門委員
  1年間ありがとうございました。
  今回、暗渠の改定ということで、私も暗渠についてはかなりかかわってきているということから、ある意味学術的というか、理論的な部分の不足というご指摘については、すごく責任を感じました。逆にそういう学術的な研究が必要であるということのお墨付きをいただいたというふうに理解していまして、これから次また改定がいつであるかわかりませんが、そのときまでには、もう少し立派なことが理論的に申し上げられるようにしておきたいなと自覚をいたしました。
  ということで、1年間お世話になりました。

中嶋専門委員
  1年間ありがとうございました。
  一番印象に残ったのは、かなりユーザーの意向を取り入れる仕組みを取り入れたことに特徴があると思います。なかなか現場で起こっている問題を研究開発に吸い上げられなくなってきていることが、研究開発や行政の施策が進まず閉塞感を感じる一つの原因だと思っていました。まずは現場で困っていること、何らかの問題が生じているわけですから、それをどうやって課題化して、解決していくかという道筋が重要と考えます。先ほどの御説明の目標のところにそのような方向が掲げられていますけれども、ぜひともこの方向で問題を現場から吸い上げて、それを課題化して解決することを他の技術基準の策定の中にも、いろいろ取り入れていっていただければと思います。
  ありがとうございました。

北川専門委員
  今回、初めての機会でしたが、いろいろありがとうございました。大変勉強になりました。
  今回、土地改良の計画設計基準の暗渠排水の改定では、改良技術についての研究を行ってきた者として、少し一歩前に進んだような気もしていますし、まだ、やり残したこともたくさんあります。吉田委員がおっしゃっていた理論的なところについては、先輩達は行っていましたが、現場での進展・要請より弱かったところで、今後の改善点として次に向かっていきたいと思います。
  ただ、いろいろな現場の新しい取り組みについては、少し吸い上げられたと思いますので、今回の基準が現場できちんと運用でき、実際に取り組んでいただけるようなものにはなると思います。今後、現場できちんと使われることを期待したいと思っております。
  また、次期の研究開発計画の方向性についても、最新のICTを活用した取り組みも網羅されていますが、社会のベースになる基盤面も網羅されており、農業生産を一段階、先に進める研究として整備されたと思います。これらが将来の農業農村整備で生かされていくことを期待したいと思います。
ありがとうございました。

飯田専門委員
  私も今年度から委員に参画させていただいたのですけれども、1年間どうもありがとうございました。
  委員の方々と活発な議論をする中で、私もいろいろな面で勉強させていただきまして、本当にありがたい機会だったと思います。
  暗渠排水のほうは、研究テーマとしては余り専門ではないのですけれども、暗渠排水の基本的な面も改めて復習ができて、そういう意味でも勉強になったと思います。
  技術開発計画のほうでは、私もいろいろと発言させてもらいましたけれども、中嶋委員からもご発言があったとおり、ユーザーを取り入れるという方向が随分打ち出されて、いい技術開発計画が練り上げられたのではないかなというふうに感じております。
  今後もこういう機会がありましたら、どうぞよろしくお願いします。

毛利委員長
  ありがとうございました。
  委員の皆様方には、本当に1年間貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。いい基準が答申でき感謝申し上げます。
  私たちの分野というのは、土、水、それにかかわる環境、人などの非常に複雑な系の世界を対象としておりますので、一面で語り切れないような、そういう世界で社会に貢献するものを出し続けていかないといけないという責任を負っております。先生方のご意見をしっかりと受けとめて、よりよい技術、指針を社会に出していくのが使命だと思っております。
  今後ともご意見を賜りながら、いい基準を作成することで、社会に貢献していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
  それでは、以上をもちまして、本日予定しておりました議論を終了いたします。進行を事務局にお返しいたします。ありがとうございました。

川村計画調整室長
  毛利委員長、委員の皆様方、長時間にわたるご審議ありがとうございました。また、最後ご感想もいただきました。私どもも問題認識を持って、業務に生かしてまいりたいと思いますので、引き続きご支援をよろしくお願いいたします。
  以上をもちまして、本年度最後となりますが、第3回の技術小委員会は閉会させていただきます。本日はどうもありがとうございました。

 

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