ホーム > 組織・政策 > 審議会 > 食料・農業・農村政策審議会 > 食料・農業・農村政策審議会 第3回施策部会 議事録


ここから本文です。

食料・農業・農村政策審議会 第3回施策部会 議事録

日時:平成13年10月15日(月曜日)14時00分~16時00分
場所:三田共用会議所 第四特別会議室
開会
甲斐部会長 ただいまから食料・農業・農村政策審議会第3回施策部会を開催いたします。
本日は、平成14年度において講じようとする食料・農業・農村施策の構成案、食料・農業・農村の現状を中心に審議していただきます。
本日は明石委員、坂本委員、生源寺委員、八木委員、養老委員、千賀専門委員、中村専門委員、長谷川専門委員がご都合により欠席されておられます。なお、第2回総会におきまして決定されましたとおり、審議会、部会及び分科会は原則公開とされておりまして、本日は一般公募によって3名の傍聴者の方がみえておられます。また、資料や議事録等につきましては、すべて公開することとなっております。
本日は遠藤副大臣にご出席をいただいておりますので、副大臣からごあいさつをいただきたいと存じます。
遠藤副大臣 どうも皆様ご苦労さまでございます。ご紹介いただきました、副大臣の遠藤でございます。
委員並びに専門委員の皆様方には、お忙しい中をご参加いただきましたことを、まずもって厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
この施策部会は、我が国農業・農村の現状を踏まえて、平成14年度にどのような施策をもって当たったらいいか、いってみれば、農水省にとりましての憲法のようなものを議論していただくわけでございまして、非常に重要な部会であると存じます。
さきの小泉内閣の誕生によりまして、内閣の改造が行われ、構造改革内閣と名付けられました。我が国農業及び水産業、森林・林業、いずれも構造改革なくしては国際競争力に太刀打ちできないという状況に追い込められております。我が省といたしましても、農山漁村のもつ本来的なさまざまな機能は機能として、決して都市と農山漁村が対立する関係ではなく、むしろ共生対流する関係だと位置づけました。さきの国会では、森林・林業基本法、水産基本法の基本法2法を通させていただきまして、森と海は私たちの命のふるさとと、こういう理想を掲げて施策の実現を図っているところでございます。
また、何といいましても、食料の自給率向上、安定供給というのが我々に課された最大の役割でございますから、その意味でも構造改革を進めるとともに、農山漁村はきれいな空気、おいしい水、あるいは防災やエネルギーや、そうした都市生活者のライフラインを支える緑の基盤だと、この理念のもとに、施策の具体化を図っているところでございます。皆様方におかれましては、どうか闊達なご議論のもとに、我が国農業のあるべき姿をお示しくださいますように、こころからお願いを申し上げる次第でございます。
また、この場をおかりして、大変恐縮でございますが、牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病について、いささかご報告をさせていただきたいと思います。
私が対策本部長ということでございまして、連日対応に追われているところでございますが、来る18日、厚生省と連携をいたしまして、すべての牛について、エライザ法という新しい、しかも非常に感度の高い検査を実施することにいたしました。したがいまして、この検査によりましてBSEに疑われるような牛は、と畜場から食用としても、あるいはえさ用としても出荷されることはなくなります。出回ることはなくなります。白と黒の世界ですから、疑わしきものは全部黒、グレーはないと、こういう考え方で対処してまいりたい。
さらに、いわゆる牛の脳に発生する異常プリオン、これの運び屋が肉骨粉ではないかということがほぼ、世界に共通した認識でございます。そんなわけで、肉骨粉の輸入と製造販売を一時的に停止いたしております。そのことによって、感染源といわれる肉骨粉を遮断して、国民の皆さん方に、もとは断ったのだなという安心感だけは、早くご理解いただきたいと思っているところでございます。
農水省としては、全国 460万頭の牛すべてについて、専門の獣医師による検査を行い、かつまた、誤って肉骨粉を食べさせたりしていないかということを調べておりました。現在のところ、14万農家 450万頭余りの検査を終了いたしましたが、異常は報告されておりません。しかし、食品としての、牛肉と乳製品は大丈夫なのでありますが、風評被害が相当大きくて、学校給食が一番大きかったのではなかろうかと。学校給食で用いられる牛肉は月に2回程度だったそうでございまして、全国民の消費量の 0.4%であります。コンマ4%です。しかし、3万の小中高のうちの3分の1強が肉の供給を停止しておりまして、その背後には、お母さん方がいらっしゃるわけで、やはり横の広がりというのは強かったのかなと思っております。牛乳は代替品がないのかどうかわかりませんが、牛乳は用いられていて、肉だけは禁止と、こういうことなので、いささかその辺も腑に落ちなかったのでありますが、初動態勢のおくれから、大変ご迷惑をおかけしたと思います。
これからも、一たん揺らいだ食の安全というものを信頼できる体制に、あるいは現場に取り戻すべく、全力を尽くす体制を整えつつございますので、機会があれば皆様方から、いろいろな方々にご理解をいただけるように、お願い申し上げる次第でございます。
委員の皆様方には、専門的な立場から忌憚のないご意見を賜りまして、甲斐部会長さんのもとで、立派なものがおまとめいただけるように心からご期待申し上げ、またこのような席でなくとも、農林水産政策に何かと直言をいただければ、大変ありがたいとお願い申し上げましてごあいさつといたします。ありがとうございました。
甲斐部会長 どうもありがとうございました。
それでは議事に入ります。
本日は多くの資料が配付されております。予定では16時の閉会となっておりますけれども、審議の時間を十分とりたいと思いますので、最大30分程度の延長があり得ますことを、初めにお断りしておきます。
まず今回の資料説明の手順でございますけれども、初めに農林水産省より、講じようとする食料・農業・農村施策を検討していただく参考資料として、最近の食料・農業・農村の現状について、参考資料1により、その関連として牛海綿状脳症、いわゆるBSE対策につきましては、参考資料の8によりましてご説明いただき、その後、資料の講じようとする施策の構成案、参考資料2月1日の施策のポイントなどについてご説明いただき、関係各省から出されております施策のポイントについて、各省の担当者の方にご説明いただきたいと思います。
資料をまとめてご説明いただいた後に、委員の皆様からご意見を伺いたいと思います。審議の時間を十分とりますために、資料の説明はポイントを押さえて簡潔にお願いしたいと思います。
それでは企画評価課長、よろしくお願いいたします。
資料説明
武本企画評価課長 官房の企画評価課長でございます。お手元の参考資料1をごらんいただきたいと思います。「食料・農業・農村の現状」というタイトルの資料でございます。この資料は、ことし4月に公表いたしました12年度の白書、この白書の報告以降、可能な限り直近までの食料・農業・農村をめぐる最近の特徴的な動きを整理したものでございます。
この食料・農業・農村の現状という資料は、来年4月、当審議会の施策部会の議論を踏まえて作成をいたします13年度白書の動向編の文案を、今後、作成する上での1つのたたき台と位置づけているものでございます。
次の目次をごらんいただきたいと思います。食料・農業・農村の現状ということで、3章立てで整理をいたしております。第1章が食料消費及び供給の動向、第2章が農業生産及び農業構造の動向、第3章が農村の動向と農業の有する多面的機能の発揮について、章立てをいたしております。この中身につきまして、最近までの特徴的な動きについて、ポイントを絞って説明をさせていただきたいと思います。
1ページ目をごらんいただきたいと思います。食料消費及び供給の動向に関してでございますけれども、右側のグラフをみていただきたいと思います。最近の景気低迷を反映いたしまして、これまで堅調に伸びておりました外食にも、その影響が及んでおります。上の折れ線グラフは単価を示しておりまして、下の棒グラフが頻度でございます。単価は近年、停滞傾向を示しておりますし、頻度は、12年度は10年度に続きまして、対前年度減という形になっております。
それから3ページをごらんいただきたいと思います。3ページに「『食』と『農』の距離の拡大」というサブタイトルがついておりますけれども、これはことしの12年度白書で取り上げたテーマでございまして、話題を呼んだものでございます。ことしもこのテーマにつきまして、さらに深堀をしていきたいと考えております。また、昨年は農業等の体験機会をふやしていくというような、農村との交流ということを1つの切り口にいたしましたけれども、もう1つ、右側の棒グラフでございますが、これは高校生の食生活の現状と食や農業に対する理解度との関連を調査した資料でございます。非常に高い相関関係がみてとれるわけでございます。そういったことを踏まえますと、左側の(ア)のパラグラフの下の方に出ておりますけれども、家庭、学校等における食事体験等を通じた食生活・食文化等に関する知識の付与が必要ではないかというようなことを考えておりますし、また(イ)にございますけれども、食と農の距離が拡大している中で、地域によっては、その距離を近づけようとする取り組みがみられておりますので、こういったことを今後、検討していきたいと考えております。
それから6ページまで飛んでいただきたいと思います。 (2)「食の安全性の確保と消費者に対する情報提供の充実」という節でございます。食品の安全性の確保ということで右側の棒グラフでございますけれども、消費者の食品の安全性に関する関心というものが非常に高いわけでございます。こういったことを踏まえまして、左側のパラグラフの下から3行目、「また」というところでありますけれども、生産者と消費者、実需者の間の顔のみえる関係の構築のため、食品の履歴遡及を可能とする仕組み、トレーサビリティーシステムというように呼んでおりますが、この導入等について検討を深めていく必要があるのではないかと考えております。
なお、先ほど副大臣のごあいさつの中にございました牛海綿状脳症の関係につきまして、その疑いのない、安全な畜産物の供給体制の構築に向けた取り組み等について、ここでご紹介をし、あるいはその取り組みを説明していきたいと考えておりますが、現状につきましては、後ほど畜産部長の方から説明をしたします。
11ページまで飛んでいただきたいと思います。食料の安全保障についてでございますが、左側の文章の(イ)のところでございます。ご案内の平成13年9月に米国における同時多発テロ事件が発生したわけでございますが、シカゴ穀物取引所の取引停止でありますとか、空港港湾の封鎖等が講じられたところでございます。こういったことを踏まえまして、食料の安定的輸入等にかかる危機管理対応の重要性について再認識する機会となったと考えるわけでありますが、この食料の安全保障についての危機管理対応につきましては、右側の中段より下に、「マニュアルに定める不測時における対策」ということで、食料安全保障のマニュアルを現在、総合食料局を中心に検討を行っているところでございます。左側の(オ)にございますように、食料・農業・農村政策審議会総合食料分科会食料安全保障マニュアルの小委員会で議論をしていただいているところでありますが、年内にこれをとりまとめることを目途に検討しているところでございます。
また飛んでいただきまして15ページ、ここから第2章、前の14ページから第2章に入りますが、農業の関係でございます。15ページは農産物の生産者価格の動向についてでございまして、右側の表でございますが、表頭の農産物総合という欄で中段より下あたりの対前年騰落率をみていただきますと、平成12年は11年に続きまして 5.9%というマイナスを記録としたところでございます。その要因としましては、米、野菜等の下落に規定されたところであるわけであります。ことしの1月以降につきましては、米が対前年同期比では引き続き低落を続けているところではございますけれども、野菜、果実等が持ち直してきていることもあって、農産物総合では上下を繰り返しておりますが、総じて前年を上回る水準で推移しているところでございます。
続いて16ページをごらんいただきたいと思います。他方、生産に要する資材価格の動向についてみたものでございます。表頭の農業生産資材総合のところ、中段より下の対前年比騰落率をみていただきますと、平成12年は 0.2%減ということで、ほぼ横ばいの状況にあるわけでございます。13年1月以降につきましては、肥料、農業薬剤、農機具が前年同期比をかなり下回っているものの、総合といたしましては上回るという水準になっているところでございます。その結果として、農業の交易条件指数をみたものが下の折れ線グラフでございまして、見づらくて申しわけございませんが、農業生産資材価格指数が 100より上の世界にあるのに対しまして、農産物価格指数が平成3年から若干の上下動はありますけれども、傾向的には右下がりで推移しているところでございます。したがいまして、農業の交易条件指数は分母に農業生産資材価格指数をとり、分子に農産物価格指数をとったものでございますけれども、農産物価格指数を下回る勢いで低落をしているということでございます。
それにつきましては、左側の文章の下から5行目あたりに出ておりますけれども、農産物価格が市場原理に即した価格形成の進展等を反映して低下傾向が続いている一方で、生産資材価格の方は農産物価格に比べ、下方硬直的な動きを示しているということで、農業生産側の相対的な不利性は増しているということを示しております。この点につきましては、資材メーカーでありますとか供給団体等における一層のコスト低減、適正な価格形成を図ることが求められているのではないかということで、引き続き検討を深めてまいりたいと思っております。
17ページをごらんいただきたいと思います。主要農産物の関係でございまして、これ以降、米、麦、大豆、工芸作物等々が続いていくわけでありますが、まず17ページは米についてであります。右側の折れ線グラフ、一番上の折れ線グラフでございますけれども、これは米の1人1カ月当たり消費量の増減率をみたものでございます。左側が年ベースの数字でございまして、12年は対前年でいきますと 0.1ということでほぼ横ばいであったわけであります。が、13年1月以降の動きをみてみますと、3月以降、対前年同月比を下回るという形で、引き続き消費の減退が続いているのかなと思われるような状況にあります。
次の18ページが生産動向についてでございまして、(エ)に記述してあるとおり、ことしの13年産につきましては、9月15日現在で作況指数 103のやや良という状況であります。
続きまして19ページをみていただきますと、そういった消費動向、供給動向を踏まえて自主流通米価格の動向をみたものでございます。13年産につきましては、12年産を上回る水準で今のところ推移しているところでございます。
それから稲作経営安定対策という、稲作の経営を安定するための収入補てんの対策があるわけでございます。この対策につきましては、1つは主業農家と副業的農家に及ぼす影響、あるいは効果に違いがあるわけでございますので、そういったことを踏まえて取り扱いをどのように考えていくか、これはより有効に活用する方向で検討しているという記述にしております。
もう1つは13年産の補てん基準価格、これはルール上は過去の直近3カ年の平均値をとるということでやりましたけれども、13年産につきましては、12年産と同額という取り扱いにしたわけでありますが、このことがさまざまな問題を引き起こしているのではないかと考えられておりまして、見直しをする必要があるのではないかということがございます。
それから右側の図でございますけれども、これは作物畜種別にみた農業総算出額の農家類型別構成比でございます。米以降豚まで、主業農家、準主業農家、副業的農家のシェアをみたものでございます。総じていえば、米以外の作物につきましては、主業農家のシェアが3分の2とか、あるいは7~8割を占めている一方で、お米については、この主業農家が36%と、3分の1というシェアを占めているにすぎないという状況にあるわけでございまして、この点が、稲作については特に構造改革がおくれた状況にあるとされているところでございます。そういったことを踏まえまして、左側の文章の下から3行目に、「今後、需要の動向に即した生産の展開、意欲と能力のある経営体への生産の集約等、水田農業の構造改革の観点から施策の再検討が必要となっており、現在、米政策の総合的かつ抜本的な見直しを進めているところである」という整理をいたしております。
22ページまで飛んでいただきたいと思います。園芸の関係でございますが、まず野菜の2つ目のパラグラフ、セーフガード暫定措置の発動についてでございます。本年4月23日から11月8日までの 200日間でございますけれども、我が国で初めての一般セーフガードの暫定措置が発動されたところでございます。その効果につきましては、中段より下あたりに出ておりますけれども、ネギの輸入量は前年を下回っており、6~8月の輸入量は前年同月に比べて3分の1となっている。価格水準については総じて回復基調にあるということで、一定の効果を上げているところであります。
野菜につきましては、今後の対応といたしまして、(ア)低コスト化、(イ)契約取引の推進、(ウ)高付加価値化といった戦略を産地が実情に応じて選択しつつ、生産・流通の構造改革を進めていくということが急務となっているところでございます。
23ページをごらんいただきたいと思います。畜産物でございます。(エ)でございますが、昨年は雪印の食中毒事故があったわけでございますけれども、これを契機に、飲用牛乳等の表示について議論がなされたところであります。この飲用牛乳等の表示につきましては、13年4月に公正取引委員会の認定を踏まえまして、生乳使用割合 100%等の条件を満たしたものしか、商品名に牛乳と表示できないという取り扱いとされたところであります。
24ページでございますけれども、ここには畜産物需給及び生産における牛海綿状脳症の影響とその対応、生産サイドに対する影響について記述していきたいと思っております。
それから27ページまで飛んでいただきたいと思います。担い手、農業経営及び生産基盤についてでございます。昨年2月現在での2000年センサスを実施したわけでございまして、そのセンサス統計を現在分析をしているところでございます。この中で、農家の分化過程について、平成7年と12年との間の移動をみたものが右側の図でございます。小さくてみづらくて申しわけございませんけれども、真ん中あたりに「65歳未満の農業専従者がいる主業農家」というのがございます。ここから黒い矢印で左右、下の方に行っているわけでありますけれども、左下あたりに「65歳未満の農業専従者がいない準主業農家」というのがございます。それから「右側に副業的農家」、その下に「自給的農家」ということが出ておりまして、総じて申し上げれば、農業へのウエイトの高い農家から次第にそのウエイトを下げていく方向に、農家が移動していると。最後は離農という形をとるという傾向がみてとれますが、ただ副業的農家というところから色の薄い矢印が左側の「65歳未満の農業専従者がいない準主業農家」の方にかなり太い線で入っております。これが定年帰農といわれている、安定兼業農家の方々が、定年という形で兼業部門からリタイアされて、結果的には農業へのウエイトが高くなったという傾向を示しているものであります。
それから28ページをごらんいただきたいと思います。これを、ちょっと切り口を変えまして、基幹的農業従事者の動向という形で地域別にみたものでございます。これも非常に字が小さくて恐縮でありますが、白抜きの棒グラフの部分というのが定年帰農者数を示しているものでございます。左側が平成2年~7年の5年間の変化、右側が平成7年~12年の変化でございまして、黒っぽい棒グラフは定年帰農がなかった場合の基幹的農業従事者の増減数で、現に定年帰農があるわけですから、差し引きで灰色っぽい部分が実際の増減数ということでございます。これをみますと、東海地方では定年帰農者数が多かったものですから、結果的に基幹的農業従事者増という形で出てまいっております。
30ページ目をごらんいただきたいと思います。続きまして農業の担い手、あるいは経営の現状についての分析でございます。新規就農の関係でございますけれども、右側の表の一番上にあるものが新規就農の推移でございます。特に新規就農青年につきましては、1万 2,000人程度で推移しているところであります。これを農家子弟と非農家子弟でみたものが中段の図でございます。上段の農家子弟につきましては、その大部分が真ん中あたりですが、既存農家の家族構成員として就農しているのに対しまして、非農家子弟につきましては、一番左側の文字でありますが、新規参入による農業経営主として就農する場合と、右側の方に出ております、既存の農業法人等農家以外の農業事業体に雇用され、就農する場合、あるいは既存のサービス事業体に雇用され、就農するといったようなことで、とりわけ非農家子弟の就業には法人の果たす役割が非常に大きいという特徴がみてとれます。
32ページをごらんいただきたいと思います。農業法人の現状についてでございます。ことしの3月から農地法の一部改正によりまして、一定条件のもとで株式会社の形態が選択可能となったところであります。ことし8月現在では、右の表にございますように4つの経営体が株式会社として経営を行っておられます。この法人経営につきましては、(ウ)に書いてございますように、経営規模の拡大、経営の多角化等を通じて、効率的・安定的な農業経営を実現するのに有効な経営形態であると考えられますので、今後、育成すべき農業経営に対して、関連諸施策を集中化・重点化する中で、地域農業の核となる農業法人を育成していく必要があるのではないかと考えているところであります。
33ページは、個人経営でもなく、法人経営でもない、集落という場を1つの単位として行われている営農の実態でございます。(ア)に書いてございますように、全国で 9,961、存在しているわけでございますが、右側の集落営農の地域別割合にも出ておりますように、特に兼業化、高齢化が進行しております北陸、近畿、中四国で、その割合が高いものとなっております。右側の中段の棒グラフでございますけれども、集落営農の活動内容といたしましては、さまざまな活動が行われているわけでございますが、とりわけ、一番下になりますが、集落内の営農を一括管理運営するという1つの経営体としての外形を整えつつある集落営農については全体の12.1%を占めているという状況にあります。また特定農業法人という、集落が丸ごと法人になるようなものでございますが、ことしの3月現在では、73まで増加をしてきているところであります。いずれにいたしましても、(オ)の2行目から書きましたように、今後、そのための条件整備、将来方向に関する合意形成を進めていく必要があるのではないかと考えております。
34ページは大規模農家の現状について分析したところでございます。右側の真ん中の図にもございますように、大規模農家の生産性、あるいは収益性は極めて高いものになっているわけでありますが、他方で、右側の一番下の表にございますように、収入階層による経営困難となる収入減少の水準をみてみますと、農業への依存度の高い大規模階層ほど、わずかな収入減によっても経営が不安定になるという意見が示されているところでございます。こういった状況を踏まえますと、左側の(エ)の一番最後の行に示しましたが、経営リスクを軽減するセーフティネットを構築する必要があるのではないかと考えているところであります。
36ページまで行っていただきたいと思います。第3章の「農村の動向と農業の有する多面的機能の発揮」についてであります。まず農村の現状でありますが、右側の下のグラフでございます。これは農林業センサスによって調査したものでありますが、人口集中地区から時間距離別にみた農業集落規模の推移ということでございまして、左側が平均農業集落規模、右側が農業集落数でございます。いずれも30分未満、つまり人口集中地区から30分未満の距離にある集落の場合には、集落の規模が拡大しておりますし、また集落数トータルは減っているのですが、30分未満の集落の場合、集落数そのものもふえているという傾向にあります。こういったことからいたしますと、左側の(イ)に書きましたように、地方における交通基盤整備の向上等により、農業集落は大きな変化を遂げているということがみてとれるわけであります。
40ページまで飛んでいただきたいと思います。都市と農村との交流というものを考えていった場合に、何らかの農村部における就業の場というものが必要になるわけでありますが、右側の上段の折れ線グラフは、市町村が考える今後必要なアグリビジネスを発揮させる取り組みについて調べたものであります。これからもわかりますように、農産物加工品の供給でありますとか、あるいは積極的なブランド化、そういったものが高い割合を示しております。とりわけ中山間地域においては、観光資源の誘客力を利用するとか、地域の魅力づくりといったようなところに高い意向が示されているわけであります。いずれにせよ、左側の(イ)のところにも書いてございますように、農産物の生産に製造業、観光業等を組み合わせた複合的なアグリビジネスの展開を必要とする市町村が多いという状況にあるわけであります。
41ページをごらんいただきたいと思います。昨年も取り上げましたけれども、食と農との距離の拡大への対応の1つでありますが、子供たちの農業体験学習についての取り組みであります。右側の下の図にもありますように、子供たちの自然観察や農作業体験、旅行・教室への参加意向は非常に高いものがあるわけであります。とりわけ(ウ)に書いてございますように、平成14年度から全国の小中学校で全面実施される総合的な学習の時間の中で、農業体験学習に取り組む学校も増加すると考えられるわけでございます。したがいまして、円滑な実施に資する各種支援を行っていく必要があるのではないかと考えます。
42ページでございますが、ここは農業の有する多面的機能の発揮の関係でございます。右側の下の表にとりまとめておりますように、農業の有する多面的機能の発揮について、それぞれ地域において独自の取り組みが展開されております。こういったことを今後、さらに分析をしていきたいと考えておりますし、また左側の文章の(エ)にございますように、現在、農林水産省は地球環境、人間生活にかかわる農業及び森林の多面的機能の評価に関して、日本学術会議に諮問を行っているところでございます。学術会議の方では、学術的な見地から幅広い検討がなされているところでございまして、今月末、あるいは来月早々には答申が示されると考えておりますので、それを踏まえた分析も行ってまいりたと思います。
以上でございます。
甲斐部会長 どうもありがとうございました。
続きまして参考資料8のBSE対策に関しまして、生産局畜産部長からご説明をお願いいたします。
永村生産局畜産部長 畜産部長の永村でございます。参考資料の8、3枚つづりの紙をお手元にお願いしたいと思います。「牛海綿状脳症(BSE)の疑いのない安全な畜産物の供給体制の構築と緊急対策について」という紙でございます。
まず1番目、当該牛の確認でありますけれども、8月6日、千葉県白井市の酪農家の牛が起立不能ということでと畜場に運ばれたことから事が始まっておりまして、9月10日にBSE感染を示唆する結果が独立行政法人動物衛生研究所の検査結果で得られたわけであります。このため、同日、農林水産省内に遠藤副大臣を本部長とする対策本部を設置いたしました。翌日、東大の小野寺教授を座長といたします牛海綿状脳症に関する技術検討会、この助言をいただきまして、まず間違いなく陽性だろうけれども、アジアで初めての発生ということもあり、イギリスのリファレンス研究所に内容を送付いたしました。米国のテロ等で、フライトを確保をすることがなかなか困難であったということもございまして、9月21日に確定診断がなされております。
2番目、これがとりあえずの大きな結論でございますが、この間、いろいろな作業を厚生労働省と我が省が連携をしてやってまいりました。(ア)にございますように、10月18日から、と畜されるすべての牛、年間にすれば 130万頭程度の牛でございますけれども、すべての牛について、と殺後、脳をとってBSEの検査を実施をする、これが1つ。それから2番目としてBSE感染の恐れのある、これは最もプリオンが蓄積しやすいと考えられております脳、脊髄、目、小腸の一部でございますけれども、これをと畜場で除外をして焼却をするという措置。これが18日からきちっとルール化される措置でありますけれども、それまでの間、我が省といたしましては、生産者に対しまして、この体制が整うまで、できるだけ出荷を繰り延べるように、他方、厚生労働省の方では、と畜解体の停止、あるいは抑制、それを相互に強力に指導をいたしました。いずれにしても、こういった措置をとることによりまして、今後はBSEを疑うような牛は一切食用としても、また解体後、骨とか不可食内臓が出てくるわけでございますけれども、これがレンダリングに回りましても、一切、危ないものはエサ用の原料としてもと畜場からは出ていくことがない、このようなシステムが確立されるということであります。
3番目、これは農水省サイド固有の問題でございます。BSEの原因が、BSEに感染をした牛の肉骨粉を再び牛が摂取することによって伝播をしていく、こういう事実にかんがみまして、まず (1)でありますけれども、次ページに書いてございますが、全ての肉牛、乳牛、合わせた牛の飼養農家全頭数、私ども検査をいたしましたが、残念なことに、一部の農家において、牛由来の肉骨粉等を牛に与えている例が見つかったということが1つございます。これに対して、国民の肉骨粉に対する不信が大変強まったということから、10月4日から当分の間、あらゆる国から肉骨粉の輸入を止めるということとあわせまして、国内の肉骨粉も製造出荷を一時停止と。要すれば、家畜の口には一切肉骨粉が入らない、こういう体制を整えまして、BSEの感染経路を遮断したわけであります。さらに実施要請という措置では生ぬるいというような声もございまして、そのために (2)にございますけれども、国内における一時停止の実効性をより確実にするために、飼料安全法に基づき、肉骨粉等を含むすべての家畜用飼料の製造販売、家畜への給与を法的に禁止をすると、今日付けで改正をいたしております。
次のページをお願いします。これは現在も進めているもの、あるいは過去においてやったもの、諸々書いてございますけれども、まず1つは、原因究明のための調査であります。(ア)は既に済みましたけれども、千葉において発見された牛、また導入もとの北海道佐呂間町の農家由来の牛、生存しておりました70頭についてすべて処分をし、BSE陰性であることを既に確認いたしました。(イ)は先ほど申し上げた、全国14万戸、約 459万頭の牛に対して、家畜防疫員を中心に約 5,800名の陣容で立ち入りを行いまして、9月30日までにすべてを終了いたしております。これはBSEを疑う牛に対する臨床診断の要領に基づきまして、すべての牛に対して診断をした結果、これを疑う牛は、臨床現場段階では発見をされておりません。(ウ)でございますけれども、牛、豚、鶏の飼料をつくっておりますすべての飼料工場、全国 142工場を対象に、肉骨粉が牛のエサに混じっているかどうか、このために立入検査を実施いたしました。9月21日までですべて終了いたしましたが、その結果、牛のエサに肉骨粉が混入されたという事例は認められておりません。ただ、先ほど前段に申し上げた、一部、この肉骨粉を使用している農家が散見されたという事実との関係について申し上げると、全国二百数戸約 9,000頭の牛について給与実態がみつかりましたけれども、これは単体で給与されたもの、いわゆる配合飼料という形ではなくて、血粉ですとか骨粉ですとか、そういった補助飼料として給与されたものでございまして、この工場立入検査の中身とは別物であることをお断りをしておきたいと思います。
それから (2)でございます。これは過去に輸入された肉骨粉が一体国内でどういう商社を通じてどういう飼料メーカーに流れ、どういった鶏豚のエサに回ったかというような追跡調査を現在も続けておりますし、近年において輸出実績が多かったBSE発生国、イタリア、デンマーク、この国もごくわずか発生をしております。それから香港、タイといった、我が国が肉骨粉を、近年においていささか大目に輸入をした国に対しまして、今、担当官を派遣して調査をさせているところであります。これは、それぞれの国における肉骨粉の製造工場等に対する調査も含めてやらせようとしております。
5番目が対策であります。とりあえず緊急の対策として、第一陣といたしまして (1)に掲げたような措置を今まで講じております。先ほど申し上げた出荷繰延のために必要な掛かり増し経費の一部助成、それからこれは生産者、流通業者を問わず、つなぎ資金の供給、いわゆる緊急融資であります。それをより円滑にするための債務保証の支援、要するに無担保・無保証での融資を措置したところであります。さらに、今後最も困難を伴うと考えられます、利用が困難となった肉骨粉、要するにエサへの利用の道を閉ざされましたので、基本的に焼却という方途しかないわけでございます。これがうまく進みませんと、と畜場が回っていかないと、こういう大きな問題を抱えているわけで、これに対しても助成措置を講じたところであります。
さらに(オ)、大変重要な問題として、BSEの正しい知識の普及と国産牛肉等の安全性のPR、これは特に18日の新しいと畜スキームが始まったと同時に大々的なPR活動を実施したいと、かように考えている次第であります。さらに(カ)、これは生産現場からのBSEに対するアプローチでありまして、出荷を予定している牛のより濃密な臨床検査をやって、と畜場に行く前に、怪しいものがいれば、その場で病性鑑定までして、最終的に陽性であれば焼却をすると、こういったプロセスを強化をしたい、これが(カ)であります。(キ)は先ほど申し上げた、既に終わったことであります。
(2)として、今後、現在でも子牛の市場、あるいは枝肉の市場等で、大変大きな幅での価格下落等が伝わってきております。こういったことに対して、特に肥育経営等の農家の経営安定のために、どういった措置を講じるか、緊急に今、検討を重ねているところであります。
3枚目は、18日から新たなと畜スキームが開始されることに伴いまして、安全な牛肉しか国内に流通をしないという1つのチャートでございます。ご参考までにご説明しました。
以上でございます。
甲斐部会長 ありがとうございました。
続きまして、講じようとする施策の構成案等を企画評価課長からご説明をお願いいたします。
武本企画評価課長 お手元の「資料」というものをみていただきたいと思います。これは「『平成14年度に講じようとする食料・農業・農村施策』の構成(案)」でございます。この構成案は、前回、当部会に14年度において講じようとする食料・農業・農村施策作成の基本的考え方という資料をお示ししたところでございますが、その基本的考え方では、14年度に講じようとする施策の構成につきまして、12年度に講じようとする施策の構成、それから13年度に講じようとする施策の構成と同様に、食料・農業・農村基本計画の柱立てに形式的にも沿ったものとするという考え方を整理したところでございまして、このような考え方を踏まえまして作成したものでございます。
A.「食料自給率の目標の達成に向けた消費及び生産に関する施策」、B.「食料の安定供給の確保に関する施策」、C.「農業の持続的な発展に関する施策」、D.「農村の振興に関する施策」、次のページにE.といたしまして「団体の再編整備に関する施策」、F.「その他重要施策」、G.「食料、農業及び農村に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための取り組み」という柱立てになるわけでございます。
参考資料の6月1日をごらんいただきたいと思います。クリップどめをしているかと思いますので、そのクリップを外していただきまして、まず参考資料の6月1日は、色刷りのA3という大判の資料でございます。タイトルは「食料の安定供給と美しい国づくりに向けた重点プラン」でございます。この資料の経緯でございますけれども、先ほど遠藤副大臣のごあいさつの中にもございましたが、まず左側の方に、字が小さいのですが、「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」というところがございます。その下に4つの、点線で囲まれたものがあるわけでございますが、これはことし6月26日に経済財政諮問会議でとりまとめられ、閣議決定をされた文章でございます。その同じ日に、小泉総理大臣から各省大臣に対しまして、この基本方針の実施プランを作成するようにという指示がございました。
農林水産省といたしましては、その総理指示を踏まえまして、食料・農業・農村基本法、それからその基本計画。基本計画は平成22年までの10年間を視野に入れた計画であるわけでありますが、これに沿ったものとすることを基本に、とりわけ14年度を中心に当面の重要な課題をまとめていく必要があるのではないか。特に、政府全体の方針であります構造改革という切り口から、農林水産施策を10の項目にとりまとめたというものでございます。ちなみに、この重点プランに沿いまして、農林水産省といたしましては、14年度概算要求を行ったところでございます。
左側の基本方針を踏まえまして、他方、基本計画では4つの理念が示されているわけであります。食料の安定供給の確保、多面的機能の発揮、農業の持続的な発展、ちょっとワーディングが異なりますけれども、農山漁村の新たな可能性という考え方、理念があるわけでございまして、これにつきまして、とりわけ14年度、構造改革という観点から10の重点施策をとりまとめたものが、真ん中の欄にございます柱立てでございます。
この10本の柱を4つのグループに分けております。最初のグループが「『農業の構造改革』を通じた効率的な食料の安定供給システムの構築」というものでございます。これは5つの柱からできておりまして、最初が「創意工夫を生かした農業経営の展開を可能とする構造改革の推進」ということでございます。例えば、水田農業の構造改革のための米政策の総合的かつ抜本的な見直しといったようなものが位置づけられております。
第2の柱が「安全・安心で良質な食料の供給システムの構築による消費者の信頼確保」ということで、例えば顔のみえる関係の構築に向けた生産情報を食卓へ提供するシステムの構築といったようなものでございます。
第3の柱が「構造転換に取り組む経営の価格変動リスクを軽減するセーフティネットの整備」ということで、その導入に向けた具体的設計のための調査を実施するといったようなことをとりまとめております。
ちなみに、この3つの柱につきましては、その右側に矢印でつなげておりますけれども、「経営関連諸施策を見直し、構造改革の推進に重点化」ということで、8月に経営政策研究会でとりまとめを行ったところでございます。これは本日の資料ナンバーでいくと参考資料7がそれに該当するものでございます。
4番目が「セーフガード暫定発動等に伴う生産・流通構造改革」、5番目が「世界の食料安全保障への貢献」。
2つ目のグループが、「循環型社会の構築に向けた農山漁村の新たなる可能性の創出」ということで、6が「多くの国民の願望を実現する『村づくり』」ということで、都市と農山漁村との共生・対流を可能とし、人・もの・情報が循環する共通社会基盤として、都市住民にも開かれた村づくりを、広域での連携のもとで推進するというものであります。
第7が「農林水産公共事業の『環境創造型事業』への転換」ということで、都市のライフラインを支える緑の基盤として、食料の安定供給等とあわせて自然と共生する環境を創造する事業へ転換するということであります。
第3のグループが「新たな森林・林業政策、水産政策の展開」でございまして、第4のグループが「環境問題への対応、科学技術・IT等の21世紀の政策課題の重点的推進」ということで、そこに(ア)から(キ)の各項目に該当する施策を整理したところでございます。
こういった形で、これは8月30日に対外的にも公表し、経済財政諮問会議に農林水産大臣から説明したものでございます。
これを踏まえまして、次に参考資料6月2日をごらんいただきたいと思います。これは経済財政諮問会議の方でとりまとめられました改革工程表というものでございます。表紙をめくっていただきまして、その裏側に「はじめに」というところがございます。このはじめにの2つ目のパラグラフでございますが、「『改革工程表』というのは、『基本方針』に盛り込まれた内容が、実施に責任のある各担当省庁において、どのように具体化され、どのようなタイムテーブルで実施されるかを明らかにするものである。これにより、政府は、構造改革の各施策について、国民に約束した工程に沿って、その実施に取り組むこととなる」というように整理されたところでございます。
この改革工程表の資料の40ページをごらんいただきたいと思います。40ページが、分野名では「地域に密着した産業の活性化等」という部分でございます。産業という書き方になっておりますけれども、その右側の「改革の理念(考え方)」をみていただきますと、「意欲と能力ある経営体に政策を集中し、食料自給率向上を図りつつ、農林水産業の構造改革を推進する。また、地方活性化とあわせ、都市と農山漁村の共生と対流、おいしい水、きれいな空気に囲まれた豊かな生活空間の確保を通じ『美しい日本』の維持、創造を目指す」ということで、ここで産業と書いてございますけれども、基本的には農林水産業なり、農山漁村というものを意味しているということでございます。
改革工程表でございますので、いつまでに何をやるかというタイムテーブルでございまして、まずA.が9月末までに措置するもの、B.が臨時国会で措置するもの、C.が10月以降に措置するもの、次のページが14年度中、15年度以降といったように、実施の時期が大まかに定められておりまして、それぞれ、どの時期に何をやるかということを明らかにしたものでございます。この9月末までに措置したところをみていただきますと、具体的施策の内容ですが、大括弧で、まず「農業構造改革を通じた食料システムの構築」とございまして、(ア)の「創意工夫を生かした農業経営の展開」から(オ)までが、この大括弧でくくられたグループでございます。
その下に、「都市と農山漁村の『人、もの、情報』の共生・対流」ということで(カ)「村づくり維新の推進」、(キ)が「農林水産公共事業の抜本的改革」。
3つ目の大括弧が「新たな森林・林業政策、水産政策への転換」で、(ク)(ケ)とございまして、その下に大括弧で4つ目でございますが、「環境等21世紀の政策課題の重点的推進」ということで(コ)「『基本方針』重点7分野への積極的な取り組み」ということでございます。
ここでの整理の仕方は、先ほどごらんいただきました参考資料6月1日の重点プランの10項目の柱立て、あるいは4つのグループ分けと完全に一致をしているところでございます。
以上のような、これも8月、9月の動きでございますけれども、こういったことを踏まえますと、その下に「『平成14年度に講じようとする食料・農業・農村施策』の構成(農林水産省案)」というものがあると思います。そちらをごらんいただきたいのですが、以上、申し上げました8月30日に公表いたしました「食料の安定供給と美しい国づくりに向けた重点プラン」、参考資料6月1日、それから9月26日に公表されました「改革工程表」、参考資料の6月2日が出されたわけでございます。政府全体として、このような改革工程表を踏まえて構造改革に取り組むということとされたわけでございますので、そういったことを考えますと、先ほどご説明申し上げました、前回――7月12日でございますけれども、当部会に「14年度において講じようとする食料・農業・農村施策の策定の基本的考え方」という資料をお示ししたわけでありますが、それ以降、大きく状況変化があったところでございます。以上のような状況変化を踏まえますと、14年度に講じようとする施策の構成につきましては、参考資料6月1日の重点プラン、参考資料6月2日の改革工程表に示されております構成と整合する形で対外的にお示しをすることが、国民の皆様に対し、わかりやすいものになるのではないかと考えまして、農林水産省案という形で、そこに用意をさせていただいたものでございます。
したがいまして、柱の立て方は重点プランに沿いまして、A.の「『農業の構造改革』を通じた効率的な食料の供給システムの構築」、B.が「循環型社会の構築に向けた農山漁村の新たなる可能性の創出」、C.が「環境問題への対応、少子・高齢化への対応等の21世紀の政策課題の重点的推進」。林水は、それぞれ白書がございますので、そちらに任せることといたしました。
それから、それ以外の分野でも重要施策がございますので、D.といたしまして、「その他重要施策」。E.といたしまして、「施策を総合的かつ計画的に推進するための取り組み」という整理をしたところでございます。
このような農林水産省案による構成案に基づいて施策のポイントをまとめたものが、参考資料の2月1日でございまして、内容は、先ほど参考資料6月1日で申し上げた内容を、さらに概算要求ベースで整理したものでございますので、説明は省略をさせていただきます。なお、参考資料2月2日は、農林水産省が平成12年度から実施しております政策評価の結果を12年度概算要求にどのように反映させたかというものの概要でございます。ご参考までに配付をさせていただきました。
以上でございます。
甲斐部会長 ありがとうございました。
それでは続きまして、参考資料3の国土交通省関連の施策のポイントを、国土交通省地方整備課長からご説明をお願いいたします。
平岡都市・地域整備局地方整備課長(国土交通省) 国土交通省都市・地域整備局地方整備課長でございます。それではお手元の参考資料3に基づきまして、平成14年度に講じようとする主な食料・農業・農村施策の国土交通省関連部分について、ご説明申し上げます。
この資料は先ほどご説明のありました資料、平成14年度に講じようとする施策の構成案に沿った整理をいたしております。内容は、大きく分類いたしますと、農村振興に不可欠な生活環境の整備という観点から、道路、下水道、河川、住宅等の基盤をしっかり整備するというインフラ整備、また都市と農村の連携、交流を促進するという観点から、交流の基盤となる幹線道路の整備でありますとか、農村における魅力ある地域づくりを推進するというような観点から、この施策を整理いたしております。資料に沿って、事項ごとに重点的な施策につきまして、ご説明いたします。
まず1ページですが、「農村の総合的な振興」のうち、1「農業の振興その他農村の総合的な振興に資する施策」といたしましては、産業といいますか、農業の振興に寄与し、また生活の基盤として重要な道路につきまして、市町村道から広域幹線道路までのネットワークの整備、また下水道事業の推進、あるいは農林水産省との連携によります農村振興基本計画の作成推進等をいたすことといたしております。
2でございますが、「農業生産の基盤の整備と生活環境の整備その他福祉の向上との総合的な推進」といたしまして、交通関係では、地域連携の強化を図るような広域圏での道路整備、また地形的な制約を解消する交流ふれあいトンネル・橋梁整備等の事業を推進いたすこととしております。
2ページになりますが、生活環境関連では、農業集落排水事業等と連携いたしました下水道整備の推進。また防災対策として、災害弱者、高齢者等が居住する地域での床上浸水対策や土砂災害対策の重点的推進等を進めることといたしております。
3ページになりますが、IT関連では、民間事業者による家庭やオフィスまでの光ファイバーネットワークの実現を支援するための道路、河川、下水道等の収容空間の整備やその開放。防災分野でのIT化の推進等を実施いたすこととしております。
4ページでございますが、中山間地域等の振興に関するものとして、今ほどご説明いたしました総合的な対策のほかに、特に中山間地域等を想定した施策として、山村や過疎、半島、豪雪地帯などの地域での道路整備事業等の事業を推進いたします。また都市と農村の交流等に関しましては、多様な主体による地域づくり活動の支援、地域相互の交流促進等を担う幹線道路整備やITSの推進。
5ページになりますけれども、道の駅や水辺プラザなどの交流拠点となる事業の整備、推進。また自然と共生する国土を実現するための自然再生事業として、蛇行河川や湿地の再生等の施策を推進いたすこととしております。
国土交通省関係は以上でございます。
甲斐部会長 ありがとうございました。
続きまして参考資料4の文部科学省関連の施策のポイントを、文部科学省生涯学習政策局政策課長からご説明をお願いいたします。
山中生涯学習政策局政策課長(文部科学省) 文部科学省でございます。参考資料4を御覧ください。施策の中では、人材育成、教育にかかわる部分ということでございます。
文部科学省では、小中学校においては、来年度から新しい学習指導要領が始まりまして、授業科目として総合的な学習の時間という授業が行われるということもございまして、農業につきまして、今までのように教室の中で農業についての技術を学ぶ、これも重要でございますけれども、あわせて子供たちが農業を体験する、そういうことを含めました体験学習を積極的に推進していきたいと考えております。次代を担う子供たちが自然に親しむ、あるいは食べ物をつくり、育てる喜び、苦労を体験する、そういう中で食べ物を大切にする心を養う、そのような目的でございます。
現在も農水省、あるいは農協の方とも連携いたしまして、子供たちが農家に宿泊いたしまして農作業を体験するといった、これは資料でいいますと、マルの上から3番目でございますけれども、青少年の長期自然体験活動推進事業というようなものも実施しておりますが、こういう体験的な活動も積極的に来年度以降、実施していきたいと考えております。そのほか、農業高校と農業大学校との連携でございますとか、次のページにありますような、農村における伝統的な文化を継承していくような活動、これについても引き続き実施していきたいと考えております。
以上でございます。
甲斐部会長 ありがとうございます。
続きまして、参考資料5の厚生労働省関連の施策ポイントを、厚生労働省生活習慣病対策室栄養指導官からご説明をお願いいたします。
古畑生活習慣病対策室栄養指導官(厚生労働省) 厚生労働省でございます。よろしくお願いいたします。
私の方からは参考資料の5でございますが、特に私どもで所管しております食生活指針の普及・定着という観点でペーパーをお示ししてございますので、ご説明させていただきます。
まず食生活指針の普及・定着という観点で、21世紀における国民健康づくり運動、「健康日本21」の推進という中で、さらに普及・定着をしていこうということでございます。また、毎年実施しております国民栄養調査の中でも、食生活指針の内容における行動の把握ということも含めまして、その結果についても公表させていただくと。それから、栄養成分表示の普及を初めとした食環境の整備。それから今月10月が食生活改善普及運動ということでございますけれども、そういった中でも食生活指針の普及・定着を図っていく。ホームページにおいても普及啓発をしていると。さらには14年度には、食生活改善支援媒体等の作成ということで、さらに普及啓発を図っていこうというように考えております。
以上でございます。
質疑
甲斐部会長 ありがとうございました。
本日、たくさんの資料が配付されたわけでありますが、これから質疑を行うわけであります。本日の議題は講じようとする施策の構成案と食料・農業・農村の現状であります。これから、それぞれにつきまして議論を行いたいと思いますけれども、議論を円滑に進めるために、それぞれのテーマに分けてご議論をいただきたいと思います。なお、委員の皆様には十分ご議論をいただくために、簡潔な発言をお願いいたします。
それではまず、講じようとする施策の構成案につきまして、前回の当施策部会で議論されました14年度において講じようとする食料・農業・農村施策作成の基本的考え方を踏まえて作成されました構成案と、最近の諸情勢を踏まえて作成されました農林水産省案の2つの案の説明がありましたが、まずこの点についてご議論をいただきたいと思います。
稲田委員。
稲田委員 参考資料2月1日でよろしいと思うのですけれども、1ページ目の、細かいことになりますが、アグリチャレンジャー事業への支援ということについてです。この文面をみますと、生産・加工・流通等を整備となっておりますけれども、やはりこれは広くとらえていただき、環境にも配慮したリサイクル事業、いろいろな面でのリサイクルというものがあると思います。特に食品廃棄物等のリサイクル、バイオエネルギー等に関する事業などに関しても対応していくべきであるのではないかと考えております。
続きまして2ページ目ですけれども、新規就農対策の充実ということで、1つ、農業に飛び込んだ若者は、初年度というのはほとんど収入がないわけなのです。私もそうでしたけれども、全くゼロからのスタート、蓄えを崩しつつ生活して、経費もそれで賄っていくということで、収入が入ってくるまでに、耕種農家ですと最低半年、畜産農家ですと3年ぐらいかかりますので、その間の資金対策ということで、できるかどうかというのはまた別問題といたしまして、厚生労働省さんとも絡みがあるかと思いますが、失業給付というものを支給できないかというように思います。というのは、私の場合、ハローワークに失業給付をもらいにいったわけです。そうしたら、あなた、何をするのですかと。私は農業をやりますといったら、あなたは個人事業主になるのだから、失業給付というのは受けられませんよというような答えで断念したことがあります。そういったことから、やはり柔軟にとらえていただきたいという希望ではございますけれども、失業給付ということも考えていただければと思います。
さらに農業法人への就職の場合ですけれども、これらに関しても、賃金の給付というものに何らかの助成があれば、雇う側としても入る側としても、新規就農、そして担い手の対策、確保というものができるのではないかと思います。特に40歳から60歳までの年齢層の方々の新規就農、または参入ということに関して、いろいろな農業関係の制度上、ほとんど何も支援措置がない。若者、定年帰農の方には若干なりともあっても、40~60代の、今、問題になっている年齢層に対しては非常にお寒い状況でありますので、そこら辺もあわせて農業法人への就職ということに対しても給与の補てん等の措置があれば非常に助かるし、農業にとっても非常にいいことではないかと思います。
以上です。
甲斐部会長 わかりました。
今、稲田委員からありましたけれども、まず議論していただきたいのは、お手元の資料の「資料」と書いてある第2回の部会でやりました平成14年度に講じようとする食料・農業・農村施策の構成の案と、最近の諸情勢を踏まえて、更新した平成14年度に講じようとする食料・農業・農村の構成の農林水産省案、この2つの案についてご説明いただいたのですが、少し構成が違うということから、第2回でご承認いただいた方針に基づく構成案と最近の諸情勢を踏まえた農林水産省案、この両案について、まず最初に議論していただきたいと思っております。
どうぞ。
畑中専門委員 最初に会合が開かれたのは、一番最初はたしか2年ぐらい前の冬だと思うのです。予算が決まってしまってからの施策部会ということで、どうも後追いになるのではないかという議論がありまして、そこでまだ予算が固まらない前に、中身を皆さんで検討して、大いに議論しようと。その結果を取り入れて、農林水産省なり各省が8月末のとりまとめで概算要求をするということで、いわば中身というのが議論の対象になっていたわけです。今のようなお話もありますけれども、それをどのように構成するかというのは、ほかの方はどうかわかりませんが、議論している側でいえば、すごく大きな問題というようには考えられないところがありまして、いわば中身の問題だろうと思うのです。
それで、今度は構成が変わりましたけれども、こういう形で、農林水産省と今、出ておられる各省との間は、この1枚紙で全部入ってくると。これが各省、それぞれ出てきますと、今度は小泉内閣の、先ほど構造改革を中心にした政策だと副大臣がおっしゃっていましたけれども、そういうものが、これが何枚か積み重なると、ざっとみんなわかるということになるのだろうと思うのです。そういう意味でいえば、私は全体の調和を図る意味からも、新しい形に構成を変えていったらどうかと思うわけです。ただ、それが全体の基本計画からはみ出してはいけませんので、基本計画の中、その土俵の中であれば、全体の内閣のご指示に従って、こういう格好でやることが整合性もとれているし、国民の皆さんもみやすいのではないかと思います。
私は、むしろ構成案よりは中身、どういう施策をやるかということが非常に大事で、お役所の場合には構成案というのが非常に大事なのかもしれませんが、そういう感じがしております。
甲斐部会長 では、農林水産省案の方でいかれた方がいいのではないかという意見ですね。どうぞ。
林委員 私も今の農林水産省案の方で、いわゆる構造改革を中身に取り入れていった構成案ということに関して進めていく必要があるだろうと考えております。実質的には政府の方針にもあるわけですけれども、特に農業の生産面、あるいは流通面、販売面で、先ほども主業の農家、副業農家ではなくて専業農家の率が実質的に、米であれば36%程度ということもありまして、非常に構造改革のおくれている産業分野であろうと考えております。そういう中で、特に14年度以降に講じようとしております施策の中で、認定農業者、あるいは意欲ある担い手、ここに施策を集中していこう、あるいは経営所得保障をしていこうというような方針を打ち出しておられるわけでありますけれども、そういうことになりますと、他分野、例えばサラリーマン層、あるいは中小零細企業の経営者層、こういった方々に税の公平性といった面で理解いただけるかどうか。認定農業者、あるいは農業の後継者に対して経営の所得保障をしていくというようなことになりますと、かなり農業分野において構造改革をしたというようなものがなければ、税の配分として、そういった方々の理解が得られていかないだろうと考えております。先ほど、特に資料6月1日で示されましたさまざまな重点プラン、こういったものをスケジュールを追って示していった中で、そういった施策を農村に講じていくというようなことにしていかないと、全体的な意見にならないと考えておりますので、その方で構成していただきたいと思います。
甲斐部会長 ありがとうございます。
甲斐委員、どうぞ。
甲斐(麗)委員 十分に当局の方でお練りになったので、新しいこの並びの方がわかりやすくていいのですけれども、ただ前のと比べてみますと、その他の重要施策というところですか、言葉が変わっているだけで、内容はどこかに詳しく盛られているのだと思うのですが、私は熟読しないで、見出しだけで申し上げて申しわけないのですけれども、WTO農業交渉への取り組みとか、米の総合的かつ抜本的見直しというのは、タイトルからは消えているのです。それが、どこかにもっとわかりやすい言葉で入り込んでいるのか、それともそこら辺は消えてしまっているのか、まだ中身まで検討していないので申しわけないのですけれども、このタイトルだけでみますと、そこら辺が消えている。統計情報とか、そういうのはほかのところを比べていったら入っていたのですけれども、その辺のところは――確かに一般の人にはWTOなど、大変難しい問題ですし、米のあり方というのもなかなかわかりにくいのですが、その辺はどこかに、どのように入って……。
武本企画評価課長 今のご指摘の点でございますけれども、資料の構成案の6のその他の重要施策の1のWTO農業交渉への取り組みにつきましては、農林水産省案の構成でいきますと、A.の1というか、もう1つの参考資料の6月1日の大きい版をみていただいた方がいいかもしれません。参考資料6月1日の色刷りのものです。それの1の5番の「世界の食料安全保障への貢献」に入ってまいります。
甲斐(麗)委員 そうするとA.の5ですね。
武本企画評価課長 それから米の総合的かつ抜本的見直しの方は、A.の1「創意工夫を生かした農業経営の展開を可能とする構造改革の推進」という形の中で、構造改革の一番重要な柱がお米でございますので、この中に入ってくるということです。
甲斐部会長 項目はその中に入っているそうであります。
今、お三方からご意見がありましたけれども、それでは、今の意見を踏まえますと、農林水産省案をベースに構成していくという方向でよろしいかと思いますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
それでは、そうさせていただきます。講じようとする施策の構成については、そのように進めさせていただきたいと思います。
次に、食料・農業・農村の現状、その他につきまして、ご質問、ご意見をお伺いしたいと思います。どうぞ。
山田(陽)委員 6ページ目の「食の安全性の確保と消費者に対する情報提供の充実」のところに、狂牛病に関する記述をする予定という括弧があるのですけれども、私はそこに何が書かれるか、ちょっとわからないので、ぜひそこに入れていただきたいのは、冒頭、副大臣の方からも初動態勢の不備ということがありました。本当にクレームというのは初期消火が一番大切だといわれますけれども、その辺でおくれをとったということを、きちっと反省を込めて入れていただきたいのです。私は、今回のこの狂牛病に関してどたばたしたときに、ホームページで昨年のこの審議会の議事録を読みました。その中で、例えば口蹄疫の資料に関してですとか、あるいは食の安全性に関してということがきちんと討議されているのです。それにもかかわらず、何でこういうことが起きてしまったのかと。また12年度の白書の中の「食品の安全性の確保と表示、規格制度の充実」という項目の中に、食品の安全性に対する消費者の動向というのがありまして、この中に不安があるというのが95%、その中の細かい項目の中で、農畜水産物の生産過程での安全性に関しては、よくみえないのでわからないのですけれども、80%近くの消費者が不安をもっているわけです。こういったことがわかっているのに、なぜ正しい情報とか早急な対策がなされないのかというところで、危機管理意識が余りにも希薄なのではないかと、私は感じたのです。
物事には幾ら万全を期しても起きてしまうことというのはあるのですけれども、起きてしまうことがあるからこそ、例えばPL法の中で開発危険の抗弁というのが認められていると思うのですが、その開発危険の抗弁にしても、知見をもってしてという項目があるだろうと思うのです。この場合には、起きてしまったらどうなのかというところが全然私たちに伝わってこない。
この狂牛病に関して、きょう、新しくいただきました資料8の中にも、安全な牛しか出回らないシステムの確立ということで、これから先、多分、大丈夫なのだろうとは思うのです。5の中に、特に(オ)で、正しい知識の普及と国産牛肉等の安全性PRの実施というのがありました。また、しつこいようですけれども、副大臣のお話の中に、お母さんたちは云々という話がありましたけれども、当たり前なのです。母親というのは、子供に安全なものを食べさせたいと。自分はちょっと傷んでいるものを食べてもいいけれども、子供には安全なものを食べさせたいと思うのです。幾ら国が安全だ安全だといっても、では安全だと思ってきたことで、過去にどういったことがあったのか。やはり砒素ミルクとかライスオイルとか、さまざまなことがあって、そして今日、来ているわけですから、幾ら安全だ安全だといわれても、素直に信じるわけにはいかないのです。そこら辺のところをわかってもらった上で先へ進んでもらわないと、何かまた同じことを繰り返すのではないかと。これだけ不安があるとわかっていながら、また不安を増幅させるようなことをされてしまったら、ますます何を食べていいかわからない。
私の回りにいる人たちから、結構「牛肉食べた?」と聞かれて、「あなたが牛肉を食べたら私も食べるわ」といわれるので、私は1回だけ、非常に繁盛していて、なかなか混んでいて入れない焼き肉屋さんにこの間行ってみましたらがらがらだったのです。デパートもスーパーも牛肉売場というのはかわいそうなぐらい人がいませんし、私自身も今現在は、聞かれたら、私は牛肉は買わない、牛肉エキスと表示にあったら買わない、コラーゲンも同じと。とにかく本当に安全だとわかるまでは、私は買いませんというように伝えているのです。そうでないことはわかるのですけれども、でも本当にそうかといったら、そうでなかったことがあるわけです。それほど消費者というのは怖いのだというところをわかっていただきたいと思うのです。
ちょっと長くなると申しわけないのですけれども、十数年ぐらい前に私が当時、かかわっていた中で、ある1つのクレーム商品があったのです。1つのメーカーがつくったものが、データの改ざんとかなにかで店頭から撤去されたときに、私はそれをつくっている会社のライバル会社の消費者関連部門の友達に、今回の件についておたくの会社はどう思っているかということを聞いたのです。私は、ライバル会社の商品がすべて撤退されてイメージダウンしたことによって、多分、喜んでいるだろうと思ったのです。ところがそうではないと。社長から、社員全員に手紙が来たと。そこには、今度の事件を対岸の火事と思うなと。我が事と思ってなお一層励めと書いてあったと。私はなるほどなと。そこは、そのころからも今もシェアが1位の会社なのですけれども、やはり危機管理とか、日常のことに対してきちんとなされているところというのは、いつどこで、どういう質問をしてもきちんと答えられる体制というのはできているのです。そこから本当にとりこぼされてしまうと、何を信じていいのかわからない。頭の中では、これがそうなのだろうなと思っても、体が拒否してしまうというところがあるので、その辺のところもぜひご理解いただくために、私は何らかの今回の初期体制の不備に関することに触れてほしいと。それを、何も知らずに、これからは大丈夫なのですということで通り過ぎてほしくないというのが、私の意見です。
甲斐部会長 わかりました。ほかにございませんでしょうか。
斎藤専門委員 この今回の見出しのところが「食料の効率的な安定供給システムの構築」ということでございますが、1つのシステムがかなり相互の関連性をとって進めざるを得ないという趣旨だろうと思います。これは安全性にかかわってもそうです。先ほどのトレーサビリティーについてもそうでございます。
それで、まず細かなところからなのですけれども、例えば民間流通については、麦でかなり進んできておりますが、どうも実際のところ、非常に構造的なミスマッチがかえって増幅する面があるようでございます。民間流通の中に契約システムというのをもっとちゃんと位置づけていかないと、取引先との関係で、つながりがなかなかとれない。そういうことが1つのポイントでございます。
もう1つはセーフガード絡みで、野菜の構造改革に少し入ってきたかなというように私もいい評価をしているつもりでございますが、やはり契約を入れてきます。そうすると、これは果物などでもややそういう可能性がございますが、共済制度との関係がどうなるのかとか、あるいは市場流通との関係で、ちゃんとしたシステムをつくれる可能性があり得るのかどうか、そういう流通との関係で、生産と流通がどうやってくっつき合うのかということが、必ずしもよくみえないわけでございます。この安定供給システムの中身というものを、もうちょっとご説明していただくようなところがあっていいと思います。これは情報の、できるだけ共有化を進めていくという、その先は、そういう主体間の何らかの関係を、少し長い目でつくっていくという姿勢があった方がいいかなと思っているわけでございます。
以上です。
甲斐部会長 この件に関して、よろしいでしょうか。
武本企画評価課長 承りました。
甲斐部会長 では、ご意見ございませんでしょうか。
山田(俊)委員 食料・農業・農村の現状で参考資料1でよろしいですね。これの19ページです。稲作経営安定対策につきまして、かなり具体的に政策転換の方向をここに書かれているわけでありまして、ちょうど真ん中であります。ここの点につきましては、農水省といいますか、食糧庁として、こうした考えでおられるということはあるかと思いますけれども、各地で大きな議論を呼んでいるわけであります。この資料の性格にもよるわけでありますが、こうした整理でいかれるのかどうか、問題があるというようにいわざるを得ないのではないかと考えますので、よくよく点検をお願いしたいと思います。やろうとしておられる、思いとして考えておられることをここに書くということですか。それとも現状として、ここまで進んでいるとか、こういう実態にあるということを整理されることになるのか、両方含まれる部分もあるのかと思いますけれども、よく点検していただきたいと思います。
関連しまして、ここに金額も含めてかなり具体的に書いてあるわけであります。しかし、この資料全体をみまして、平成7年から13年産まで、米価は60キロあたり 6,000円も下がっているのです。自主流通米の価格です。結局は、米の全国生産額も、生産調整の拡大もありますけれども、それから需要の減退ということで全体としての生産量の減少もあるわけですが、総生産額は、2兆 9,000億円から1兆 9,000億円と1兆円も落ちているわけであります。これは、相当程度消費者への貢献になっておりますし、その分、生産側の取り分を減らしていることになるわけです。この点は、1兆円ですから大変な事態であります。それから比べますと、ここに資金造成額から 300億円上回りましたという形で書いて整理するのが、施策として妥当かと。妥当なのかもしれませんが、バランスを欠いているように思うのです。私、この資料をみましたけれども、総生産額が1兆円落ちているとか、米価が 6,000円落ちているとかということについては触れられていないわけでありますので、その点はいかがかと思います。これが第1点です。
第2点は、平成10年ですか、農政改革大綱なりプログラムがつくられておりますし、平成11年に新しい基本法ができて、翌年ですか、基本計画が策定されているわけであります。多分、それぞれ整理されている資料は、当然のこと、こうした農政改革大綱だったり、プログラムだったり、基本計画だったりを踏まえて資料整理されているのだろうと思いますし、第1回目や第2回目のこの会議で、そうした資料が配付されたかもしれませんし、そういうことであれば、私はいいようがないわけでありますけれども、いずれにしろ、そうした、あのとき一生懸命つくっているわけでありますので、当然、そのことを踏まえた講じようとする施策だったり、現状の分析があってしかるべきなのだろうと思います。
第3点は、そのことと関連するのですが、21ページです。麦対策について記述してあります。そこにありますが、「新たな麦政策大綱」というのが平成10年5月から実施されていて、現在2年目に入っているわけであります。この前、主要食糧分科会がありまして、麦価、その他につきまして検討がありました。その際、2年前に入れました民間流通のあり方についても見直すという整理がなされていたようでありまして、分科会が出したというよりも、食糧庁としての問題意識なのだろうと思いますけれども、細かい背景の説明は省きますが、当然のこと、種々背景があるのだろうと思いますし、この21ページに書いてありますように、需要と供給のミスマッチの状況がみられると書いてある。そこの部分についても問題意識があるのだろうと考えますが、これをみましても、2年間移行しまして、この2年間で国内産がちょっとふえると、問題だから見直しますといったような整理でいきますと、果たして、先ほど前半申し上げました新しい基本法の方向なり、基本計画なりにきちっと沿った整理なり対応でなされているのかどうかというように考えざるを得ないわけです。生産の立場からしましても、わずかに2回です。1年に1回しかつくれませんから、2回しか生産していないのに、生産や品質向上で種々問題が生じているから、基本の政策を見直しますという話でいいのかという気がしますし、それから新しい基本法の基本計画でいう、10年間で自給率を5%上げていくという動きの中で施策の方向が出ているわけなので、もっと中長期の立場に立った政策推進でなければならないと考えるわけでありまして、その点は十分点検が必要と思います。
第4点は25ページにも農業技術について記述がありますけれども、それは1ページに入れるわけでありますから、たくさん書けないというわけでもっともだと思いますが、しかし、麦のありようについて、21ページであれだけの指摘をされていながら、一方、それでは麦の品種開発等の動向については一体どうなるのだということが対で、対応として出てくるのではないのかと思いますので、問題意識だけ申し上げておきたいと思います。
甲斐分科会長 ありがとうございました。
甲斐(麗)委員 関連です。私、今こそ日本の食料を守るためには生産者と消費者、食べる人とつくる人というのが背中合わせになっては絶対にいけないことだと思っているのですけれども、今の山田さんのお話を伺いまして思いますことは、農業基本法が食料・農業・農村という、食料という言葉が入ったということは、消費してもらわなければ仕方がないということで入れていただいたのだと思うのです。やっとここで消費者が浮かび上がってきたわけです。長いこと、日本は食料に限らず物が足りなかったから、何しろ生産すれば生産しただけ売れるというか、生産が目的だったのですけれども、今、循環型社会とかグローバル化ということになりますと、やはり日本だけで立っているわけではないので、世界の食料の価格というのも考えなければなりませんし、また世界の中の日本として循環型の社会を考えていった場合には、日本だけがよければいいというだけではおさまらなくなってきている。米だったら、ミニマムアクセスをどうして入れたかというのはいろいろ問題もありますけれども、あれは関税化になって、いつまであれだけの差額を補てんできるかもわからない。関税化になったのに、国内では割り当てだとか、調整も割り当てだとか、本当にこれはおかしなことでして、本当は農家の方がもっと危機感を感じて、自分でつくったものが売れなかったら、何か転作しなければいけないとかって、本当は考えなければならないことだろうと思うのですけれども、長い間、ずっとこういうシステムできたのに、一遍にひっくり返したら大変なことだというので、順々に手当てして、何年かかかってきているんだと思うんです。
麦の問題につきましても、コストプール方式をとっていたら、生産をしたら生産するほど赤字がふえるということになりますし、私も難しいことはわからないのですけれども、何しろ食べてもらうものをつくらなければ、自給率も上がらないし、つくっても無駄だということですので、つくる側と食べる側が、加工品の業界とか、外部委託が多くなりまして、昔のように原材料をすべての主婦が買っているわけではありませんから、その需用者というのは、消費者、食べる人だけではなくて、大きく外食産業とか、いろいろな食材の会社が入りますけれども、そういう方たちの意向をよく汲み取ってつくる。つくったものは食べられる、消費が目的というところに、原点に返ってお互いに考えないと成り立っていかないのではないかと、そんな気がしましたので、山田さん、よろしくお願いしたいのですけれども……。
甲斐部会長 ほかにございませんでしょうか。鈴木委員、田中委員、いかがでしょうか。よろしいですか。平野委員はございませんか(「結構です」の声あり)。堀江委員。
堀江委員 資料1の25ページから26ページのあたりに研究だとか、環境問題のことが書かれているわけですが、毎回伺っていますと、研究の話になりますと、稲ゲノムとか、いつも同じようなことが書いてある。確かに稲ゲノムというのは未来に向かって重要な研究テーマであるのですが、先ほどから出ていますように、麦、大豆の外国との品質、もちろん価格もあるわけですけれども、特に大豆あたりは最近、生産性が落ちてきていると、そういったような現場の声があちこちで聞かれるわけです。あるいは品質が青立ちといったような、かつてなかったような障害が起こっている。そういった、本当に今、農政が直面しているようなことについて、農水省はどういうぐあいに研究をやっていこうとしているのか。田畑輪換、ああいったことです。いつまでも研究というとゲノムをやっていますというのではなくで、国民にわかるようなメッセージを伝えてほしいと思います。
次に環境問題があるわけですけれども、環境問題で温暖化したら食料がどうなるという話もあるわけですが、世界の食料の安全保障という話がありまして、世界の食料に貢献するのだという話があるわけです。それとグローバルにみたとき、環境問題というのが非常にリンクしている。食料の生産がうまくいかなくて、例えば焼き畑が広がっている、頻度が高まってる、あるいは砂漠化していく。これはみんな食料とリンクしている。環境問題といいますと、一般的な森とか CO2とか、そのようなことろへ飛んでしまって、食料といいますと、すぐ安全保障とかになりますけれども、環境と食料というのは、グローバルにみたとき非常にリンクしている。そこに対する、何かもう少し説得力のある切り口があってしかるべきではないかと思います。以上です。
甲斐部会長 ありがとうございます。稲田委員、よろしいですか。
斎藤専門委員 これは全体的なことでも構わないですか。
実は、見出しに「循環型社会の構築向けて」という大きなあれがあるのですけれども、では、その循環型社会を構成するところに、人、もの、情報と。人も循環ということについてはよくわからないところでございますが、ものでみたときに、少なくとも産業廃棄物まで含めた、いろいろな資源循環の中での農業の新しい役割というのも評価されるべきだと思いますが、そのところがほとんどないのです。ないのに循環型社会が出てくるわけでございます。何か私、非常に奇妙な感じがするわけで、これから非常に重要なこととして、農業の環境負荷の問題を含めて項目になるはずでございますので、このことについて何らかの、もうちょっと突っ込んだ記述があってもいいのではないかと思います。少なくともものにつきましてまず――ものがなくて、すぐ情報と人が来るのも変だなという感じがしないでもございません。
もう1つ、結局食料の安定供給システムを議論していけば、当然魚も入ってまいりますけれども、これは水産庁との関係でかなり断絶しているような感じがいたします。資源管理は水産で独自の領域があってしかるべきですけれども、川下、川中、特に消費と川下につきましては共有化して議論していかないと、日本型食生活の議論はできないわけでございます。この縦割りをもう少し調整できないかということでございまして、水産のそういう問題につきましては、できるだけ農業関係にも取り込む議論をして行くべきだと思います。
以上です。
甲斐部会長 ほかにございませんでしょうか。林委員。
林委員 資料1の3ページに、中段ぐらいにあったのですけれども、食と農との距離の拡大というようなところで少しテーマを絞って書いてあります。これは先ほど甲斐委員がいわれた部分にも当てはまると思いますけれども、基本的には消費と生産現場がかなり離れてきたというようなことでまとめてあると思います。きょうは3省から、国土交通省、あるいは文部科学省、厚生労働省と、それぞれ来ていただいておりますけれども、基本的には農水だけの問題ではなくて、そういった各省庁の連携がこれから大変大事になってくると考えております。
先ほど文部科学省の方で2002年から総合的な学習の時間をとっていこうということが本格的に始まるわけですけれども、これはもちろん子供たちに食料、あるいは農業というようなものに十分な時間を与えて勉強させようということが主だろうと思います。特に私が考えますのは、もちろんそういった、子供たちに農業体験等をさせていくのは大変大事なことでありますけれども、これは全国的にやれるかどうかという問題はあります。都市部、あるいは農村部というようなところがありますから、問題点はあると思いますけれども、学校給食自身をもっと見直すべきであろうと考えます。地産地消のことも記述してありましたけれども、農村部の幼稚園、小学校、中学校、そういった給食に関しまして、必ずしも、その地域でとれている米が供給されていない。学校給食米は、学校給食会から基本的には提供されていますので、産地が全く特定できずに子供たちはそれを消費しているというようなところが大半でございます。最近はかなり学校給食米、米は地域でとれた米を出そうという試みが、各自治体で努めていますけれども、まだまだそれにしても弱過ぎる。進んでいるところは今、野菜についてもそういったものを取り入れていこうというような試みがありますけれども、旬にその品物が合うかどうか、あるいは年間を通して、カロリー計算できたものが順次間に合うかどうか。いろいろ問題点をもっておりますけれども、やはり子供たちに食農体験させるには、それを食べてもらう。そしてそれを食べるときに、先生がその食材を説明する、そういったものから基づいていかないと、なかなかそこにたどりついていかないだろうと考えます。
特に学校給食につきましては、十分な記述になっておりませんので、そのあたりは文部科学省の方がいいかもわかりませんけれども、もっと進めてとっていくべきだろうと思います。
それから厚生労働省の方には、今、日本的な食生活が大変乱れております。特にヤングファミリー、ヤングママといった方がいいかもしれませんけれども、外食、中食が大半になりまして、内食にならないということで、手作りの料理をほとんどされないというような部分があると思います。日本的な食生活を国民運動として喚起していかなければ、問題が大変大きくなってくるのではないかと思います。そのあたりで、地域でとれた食材がお母さんの手、あるいはおばあちゃんの手でつくり出された部分が、やはり食材としておいしいというようなものを、子供の食生活体験の中から育てておく必要があろうというように思います。
先日の新聞のデータでみていましたら、今の小学高学年から中学生の体力度、 100メーターとか幅跳びとか持久走、そういったものは、お父さんの同じ年代よりもすべて下だというようなデータが出ていました。 1,000メーターとか 1,500メーター、 3,000メーター、特に持久走の場合は現在の子供たちがお父さんよりもすべて劣っているというような数字もありました。これも1つのそういったものの積み重ねではないかと考えておりますので、特に関係します省庁につきましては、どの分野でそれをしっかり出すかという問題は今後のところでありますけれども、やはり食料としては農水省がこれをリードしていくということが必要ではないかと思いますので、そのあたりも十分に検討していただきたいと考えています。
甲斐部会長 よろしいでしょうか。そろそろ、予定の時間が迫ってまいりました。これでなければ、事務局には、本日の議論を十分踏まえて、講じようとする施策の策定に当たっていただきたいと思います。また、白書につきましても、有意義な意見が多々あったと思いますので、策定に対しまして、十分に反映していただきたいと思います。
それでは……
甲斐(麗)委員 1つよろしいですか。同じ人ばかりと思って遠慮しておりましたけれども、やはり今まで経済効率だけが目的でずっとやってきて、目先の経済効率だけ考えていたのですが、今度の狂牛病の件をみていますと、後からやる、尻拭いするのはすごく大変な労力もお金もかかることだろうと思うのです。口蹄疫のときにもそう思ったのです。そうすると牛の育て方にしても流通のやり方にしても、もっと違った形で考えられる――今、日本のものは材料も何も高いとかいっていますけれども、最後のそういうどたばたが起きないような管理ができるのだったら、国内のもので、国内のものを使ってやる。飼料についても、できるだけ国内でとかという形がとれれば、その方が結果的には安上がりだったということもあると思うのです。全く素人考えですけれども。そういうことだと、今、目先のことで競争しなければならない、これは高いから使えないとかなんとかいうことよりも、完全に管理のできることとか、本当にいいものであるものとか、環境型社会に適した、これから持続性のある農業を育てるためには、この方法がいいのだという方法がもしあったら、それは日本型農業として、畜産も水産もですけれども、全部保全しておくべきではないかというように思います。
先ほど山田さんにちょっと反論みたいなことを申し上げましたけれども、日本のよきやり方でやるのだったら、透明性があって、全部みえるのだったら、支えていく国民もあるのではないかというように思いますので、トータルして、どういう金額になるかわかりませんが、そこら辺のところもよくお考えいただいて、目先の競争だけに走ってしまうところがどうにかならないか。農水省の中でも流通とか生産とか、みんな縦割りでやっていられるので、同じ共通の価値観をもってやっていこうと考えないと乗り切れないのではないかという気がしております。よろしくお願いします。
山田(陽)委員 国土交通省の方と文部科学省の方がいらしているので、ぜひお願いしたいことがあるのですけれども、資料3の2枚目の一番下に「災害弱者関連緊急土砂災害対策」というのがありますけれども、聴覚障害者が、例えば浸水とかというときに情報が行き渡らなくて置き去りにされてしまうというのが、毎回聴覚障害者新聞に出てくるのです。例えば全日本ろうあ連盟ですとか 聴難協とか、さまざまな障害者団体でネットワークをつくったりしているのですけれども、夜中の災害というのは、寝ている人は全く何があっても聞こえない。本当にどんなことをしても忘れられてしまうのです。そこら辺のところで、ぜひその辺は力を入れてほしいということ。
それから下水道とか道路に関してなのです。グレーチングがありますよね。私などたまに、いろいろなところを目にしていると、グレーチングの置き方が全く違ってしまっていて、車いすの輪がはまってしまう。道路に対しての角度が違っているのではまってしまうとか、それから路面が非常に荒れていて、みえない人が白杖をついていても察知できないとか、あるいは電動車いすだったら何とか行くことができるけれども、手動の車いすだと路肩に流れてしまって、例えば横断歩道でせっかく車いす用の押しボタンがあっても、そこの路面が斜めになっているので、押そうと思ったら、そのまま車道に突っ込んでしまうという、何もならないというのがすごく多いのです。本当に命にかかわることなので、きちっとやってほしい。何か業者に任せてしまって、すごくいいかげんと感じますので、そこら辺のところをお願いしたいということ。
それから最後に文部科学省の方には、今度の体験というのに、盲学校とかろう学校とか養護学校とかが含まれているのかわからないのですけれども、ぜひこれらの学校も中に含めていただきたいと、それだけをお願いします。ありがとうございました。
甲斐部会長 よろしいでしょうか。どうぞ。
田中委員 最初からA3の重点プランをずっとみておりまして、キャッチが「食料の安定供給と美しい国づくり」というようなことでございます。全体のイメージとすれば、食料の安定供給は十分にイメージはできますけれども、美しい国のイメージはどこでわくのかなというようなことで、非常にキャッチと構成がちょっと……。美しい国というのがイメージができなかったのかなと思います。その辺はどうなのでしょう。
武本企画評価課長 美しい国づくりの方につきましては、特に7番目の「農林水産公共事業の『環境創造型事業』への転換」ということで、公共事業そのものに対していろいろとご意見がたくさんあるわけでございますけれども、そういった中で、農林水産公共について、ほかの省の公共事業も基本的には同じ方向にあるわけでありますが、特に農林水産公共については環境創造型事業に切りかえていくことによって、我が国のありようといいましょうか、整備の仕方については美しいというコンセプトで推進していきたいということであります。
甲斐部会長 ですから、ここの6番、7番あたりが念頭にあって、食料・農業・農村の農村部分の方向が美しい村づくりという方向でと書いておられるのではないでしょうか。
田中委員 あと国土交通省のペーパーなのですけれども、私は国の産業は農業が本当に基幹産業だと、そう感じております。それで、国土交通省さんのペーパーをみますと、農業施策で一番大事な点の多面的機能というような面が、なかなか全体から把握できないものですから、やはり共通の施策として、多面的機能というようなことも入れてもらえれば、非常にわかりやすいと思います。
以上です。
平野委員 発言させていただきます。参考資料4の文部科学省関係なのですけれども、2ページ目に文化財保護法に基づいてということが2点ほど挙がっています。これだけみると、集落、町並みとか、または農具だとか、既に形となって残ってみえているものや何かが中心になっていると思うのですけれども、実は形としてはみえなくても、言い伝えだとか、そこの土地に眠っている民話とか、そういったものも対象にしていただければと思っているのです。というのは、そういったものにはいにしえの心というものが込められていることがあって、その心を知ったり、また伝えられたりすることによって、その土地に対する愛情がもう1回わいてきたり、さらにはこれは農業という枠を超える話になってしまうと思いますが、日本を、自分の国を愛するということにつながるのではないかと思うのです。そういった心を途切れさせないということでも、眠っている物語や言い伝えを掘り起こすということも考えていただければと思うのです。そして、そのことの信憑性の検証ですね、中身。それは物語だから、事実関係はひょっとして違うことが書かれているかもしれない。しかしそこに真実があった場合に、それは貴重な資料であり、歴史の証言になっていくと思うのです。例えばこの間、出雲大社の何か、柱でしたか、発掘されましたよね。あれも、もともとは言い伝えで、今の社殿の2倍の高さの社殿が昔、あったらしいという言い伝えから掘り起こしたら、本当にあったということなので、やはりむげにできないなという感を強くいたしました。そこでそういったものも国の財産の1つとして目を向けていただきたいというのが1つあります。
それからもう1つ、全く話が変わってしまうのですが、実はきょう、この場でいうことかどうかわからないのですけれども、最近、思うのが、家庭内での教育ということが結構おろそかになっていて、そしてそれらのことを学校で教えるべきだとか、行政指導でやるべきだということに非常に偏っているような気がしているのです。もちろん、安心して食事をとれるかどうかということについては国が中心になって動いてくれないと困る点もあるし、そして、ぜひそういうもとで安心して食べたいというのももちろん私たちはあるのですが、先ほど副大臣の言葉の中に、学校給食の中で牛肉が月2回ほど出されているというのを聞いたとき、私がそこからふっと思ったのは、子供たちの成長に必要な牛肉が月2回だったのだと。意外と少ないので、驚きました。その回数や分量が現代っ子の成長に適切かどうか、年齢に応じた栄養バランスになっているのかどうかについては、常に考えてみなければいけないことと思いますが、いずれにしても、日頃の生活の中での栄養のバランスはとれているのだろうかということをふと思ったのです。学校給食のことはもちろん、行政とか政府で考えなくてはいけないと思いますが、果たして家庭の中で、学校給食で考えているのと同じくらいの栄養バランスを考えて家の中で食事をとっているかどうか、そういうこともあわせて見直してみる必要があるのではないかということを強く感じました。病気や何かの原因というのは、本当にどこまで追求すれば真実がわかるのかわかりませんが、どんな食べ物であっても偏るということが体に良くないということは言うまでもありません。例えば甘いものだって、甘いものが悪いのではなくて、甘いものを取り過ぎて、食べ続けると病気になることもあるし、それからこげついたものをたくさん食べることによって、やはり悪い病気になるといわれている。これはうわさなのか真実かわかりませんが、同じものを食べ続けて、偏ることが病気を引き起こしていないかということも1つには考えられると思うのです。家庭内の食事のバランスも、これを機会に大いに考えるべきではないかと、ふと思いました。すみません、長くなってしまって。
甲斐部会長 ありがとうございました。
後半の方でたくさん意見が出たのですが、事務局におかれましては有意義な意見を踏まえて、白書の作成に当たっていただきたいと思います。
それでは本日はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
閉会

ページトップへ

農林水産省案内

リンク集


アクセス・地図