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令和元年度 第1回 経営所得安定対策小委員会(令和元年7⽉31⽇開催)議事録

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開会

  • 小林総務・経営安定対策参事官
    少し早いですけれども、予定の時間がまいりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会食糧部会経営所得安定対策小委員会を開催させていただきます。
    委員の皆様におかれましては、お忙しいところをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
    開催に当たりまして、平形農産部長より御挨拶をお願いします。

農産部長あいさつ

  • 平形農産部長
    皆様、おはようございます。農産部長の平形でございます。食料・農業・農村政策審議会食糧部会経営所得安定対策小委員会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
    本日、委員の皆様方におかれましては、御多用中にもかかわらず、このような時間をとっていただきまして、本当にありがとうございます。また、ちょうど今回、委員の改選期に当たりまして、引き続き委員をしていただく先生方、それから新しく委員に加わっていただきます先生方、御承認いただきましてありがとうございます。できるだけ活発な議論を我々としてもやっていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
    この経営所得安定対策小委員会でございますが、平成19年の担い手経営安定法の施行に合わせまして、通称「ゲタ対策」という畑作物の直接支払交付金の面積単価、数量単価と算定方式、そしていわゆる「ナラシ対策」という収入減少に対しての手当対策の算定方法等を調査・審議していただく場として、法律上位置付けられたものになっております。そういった中で御意見をいただくというのが本小委員会の使命ではありますけれども、実は書面での開催という形は過去やっておりますが、こうやって皆様方に御出席していただきまして開催するのというのは、ちょっと久しぶりということになっております。
    経営所得安定対策も10年ほどやっておりまして、その間に特に担い手の方には相当定着をしてきているかと思いますけれども、それに至るまでの中でいろんな議論があったと思いますし、また実際のところ、生産者の団体の方々からも利用してみてどうだったかという話、それから実需の方々からもどういうものなんだということを踏まえて御議論をいただければと思っております。
    本日の中心的な議題というのは、今年10月に消費税が改定されることに伴い、本年産の畑作物の直接支払交付金の単価の期中改定を考えておりまして、それに対しての御意見をいただくというものでございますけれども、できるだけ幅広い意見をいただき、忌憚のない御議論をしていただけるようにお願いを申し上げまして、私の開催の挨拶とさせていただきます。
    本日はよろしくお願いいたします。
  • 小林総務・経営安定対策参事官
    ありがとうございました。
    それでは、本小委員会の委員の皆様方の御紹介をさせていただきます。
    今般の食料・農業・農村政策審議会委員の改選により、これまで専門委員としてお務めいただいておりました佐藤委員が退任され、新たに小野寺委員、林委員が就任されました。また、本日の小委員会は委員改選後初めての開催となりますので、委員の皆様方から一言ずつ自己紹介をいただきたいと思います。
    まず、本小委員会の座長として御指名いただいています農業ジャーナリストの青山浩子委員でございます。よろしくお願いします。
  • 青山座長
    皆さん、改めておはようございます。農業関係の取材をして記事を書いております青山浩子と申します。
    普段、実はあまり麦とか大豆を直接取材でテーマにするということが少ないものですから、今日、皆さんの御意見をお聞きできるのを楽しみにしております。よろしくお願いいたします。
  • 小林総務・経営安定対策参事官
    続きまして、お手元の委員名簿に従いまして、各委員の御紹介をさせていただきます。
    まず、臨時委員から御紹介させていただきます。タレント、農政ジャーナリストの大桃美代子委員でございます。
  • 大桃委員
    皆様、こんにちは。大桃美代子と申します。私はタレント活動もしておりますが、それプラス中越地震の復興から農業に取り組むということを始めまして、その後、地域活性化と農業のことについて取材などもさせていただいております。
    最近では北海道に行ったのですが、北海道では最近、露が出てきてしまって、ちょうど麦をつくる時に雨は大敵なんです。収穫をする時に雨が降ると非常に困るということで、農家の方々が、これから気候が変わって大変だなという話をされておりました。
    そんなことも含めまして、この農業のことで現場での話なども含めて、ここでお話しできたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 小林総務・経営安定対策参事官
    続きまして、株式会社カトウファーム専務取締役、農業女子プロジェクトメンバーの加藤絵美委員でございます。
  • 加藤委員
    皆さん、こんにちは。福島県福島市で農業をしております加藤絵美と申します。最近は、南相馬という土地を借りてビール大麦とかも作り始めたりしました。一応本業はお米を作っているんですけれども、そういう六次化といいますか、そういうところに目を向けて、いろいろ取り組んでいこうと思っているところです。いろいろ教えていただけたらありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
  • 小林総務・経営安定対策参事官
    続きまして、有限会社山形川西産直センター代表取締役社長、山形県農業法人協会会長の平田勝越委員でございます。
  • 平田委員
    平田でございます。おはようございます。山形県で和牛繁殖と米の生産と集荷を少々やらせていただいております。勉強させていただきます。よろしくお願いします。
  • 小林総務・経営安定対策参事官
    次に、専門委員を御紹介いたします。
    北海道農業協同組合中央会副会長の小野寺俊幸委員でございます。
  • 小野寺委員
    おはようございます。北海道農業協同組合中央会を代表いたしまして、今回この席に座らせていただいております。私も北海道は北見市オホーツクの常呂町というところで畑作を30ヘクタールほどやってございまして、特に麦、それからビート、ばれいしょと玉ねぎ等を作る農家をやりながら組合長をやり、そしてまた中央会で、北海道農業全般を見る仕事をさせていただいておりまして、特に北海道農業の抱える問題を率直に意見を申し上げてこいということで、今日この席に出させていただきましたので、よろしくお願いいたします。
  • 小林総務・経営安定対策参事官
    次に、互明商事株式会社代表取締役社長、全国穀物商協同組合連合会理事長の林英伸委員でございます。
  • 林委員
    おはようございます。互明商事、林と申します。私どもは、豆類中心に全国に豆を卸している問屋でございます。私どもは、取扱いの中で大豆が大体半分かなと。全て食品用の大豆ということでやっていますので、よろしくお願いいたします。
  • 小林総務・経営安定対策参事官
    最後に、いなほ総合農園代表の古沢昌子委員でございます。
  • 古沢委員
    おはようございます。栃木県で米を主体に、麦、大豆、そばを作っております、いなほ総合農園の古沢です。ナラシ対策とゲタ対策に、いつもお世話になっておりますので、今回もしっかり勉強していきたいと思います。よろしくお願いいたします。
  • 小林総務・経営安定対策参事官
    ありがとうございました。以上7名で本日は御審議をお願いいたします。
    なお、本日御都合により御欠席となりましたが、株式会社兵庫大地の会代表取締役社長の衣笠愛之様と、敷島製パン株式会社常務取締役執行役員の根本力様が、引き続き専門委員として御就任をいただいております。
    また、本日の会議につきましては公開とさせていただきます。
    議事録につきましては、会議終了後に整理し、委員の皆様に御確認をいただきました後に公開させていただきますので、よろしく御了承願います。
    それでは、議事の前に配付資料の確認をさせていただきます。お手元に配付したものは、上から「座席表」、「資料一覧」、「議事次第」、「委員名簿」をお配りしております。次に資料となりますけれども、資料1「食料・農業・農村政策審議会食糧部会における経営所得安定対策小委員会の設置について」、資料2「畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)における令和元年産の数量単価の改定について」をお配りしております。
    それから最後に参考資料といたしまして、「経営所得安定対策等の概要」というパンフレットを配付しております。以上が配付資料でございますけれども、資料の不足などがございましたら、お申出いただきますようお願いいたします。よろしいでしょうか。
    それでは、この後の議事進行につきましては、青山座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

議事

  • 青山座長
    早速、議事を進めてまいりたいと思います。時間が限られておりますので、円滑な議事進行に御協力をお願いいたします。
    では、まず事務局から資料1の「食料・農業・農村政策審議会食糧部会経営所得安定対策小委員会の設置について」と、続いて資料2の「畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)における令和元年産の数量単価の改定について」の御説明をお願いいたします。

      (1)畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)における令和元年産の数量単価の改定について
      (2)その他

  • 土居下経営安定対策室長
    事務局をしております経営安定対策室長の土居下でございます。本日はよろしくお願いいたします。
    まず、資料1でございます。本小委員会の設置についての規定でございます。本規定は、平成27年11月に本審議会の食糧部会で決定いただいた内容でございます。第4条第2項に規定されておりますとおり、本小委員会で御審議賜りましたことにつきましては、青山座長から食糧部会へ御報告いただくことになっておりますので、委員の皆様におかれましては、あらかじめ御了承いただきたいと思います。資料1につきましては以上でございます。
    続きまして、資料2でございます。畑作物の直接支払交付金、いわゆるゲタ対策におけます令和元年産の数量単価の改定につきまして、この案を御説明させていただきます。
    表紙をめくっていただきまして、1ページのゲタ対策の概要でございます。上段の囲みにありますとおり、ゲタ対策は担い手経営安定法に基づきまして諸外国との生産条件の格差に不利がある農産物を対象にしまして、標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分に相当する交付金を農業者に交付する仕組みとしております。
    交付対象者は認定農業者、集落営農、認定新規就農者でございまして、いずれも規模要件がございません。また、交付対象農産物は、麦、大豆、てん菜、でん粉原料用ばれいしょ、そば、なたねということでございますが、これらは国民に対する熱量供給を図る上で特に重要であること、また、ほかの農産物と組み合わせた生産が広く行われていること、十分な恒久措置が講じられていないこと等の条件を満たしている畑作物でございます。
    また、支払方法でございますが、数量払を基本としまして、数量払の先払いとして面積払を支払う仕組みとしております。現行の交付単価につきましては、作物ごとに定められており、右の表にあるとおりでございます。また、面積払の交付金額は、そばは10アール当たり1.3万円となってございますが、小麦などほかの作物は2万円ということとしてございます。
    続いて、2ページを御覧ください。今回の改定案につきまして御説明いたします。上段の囲みの2段落目でございますが、現行の交付単価は消費税率8%を前提とした生産費を用いて算定しているところでございますが、本年10月1日に予定されております消費税率10%への改定に伴いまして、本年産の交付単価につきましては10月1日以降に発生しうる消費税負担を考慮しまして、交付単価表のとおり改定したいと考えてございます。
    まずは、交付単価表の下にございます10月1日以降の消費税率改定の影響と交付単価の関係について、小麦を例として御説明いたします。左側にございます生産費の合計額は1万122円でございますが、そのうち1,283円が10月1日以降に発生する費用でございます。消費税率改定の影響額は、左囲みにありますように、1,283円に108分の2を掛けました20円、これがいわゆる掛かり増しになります。ほかの作物につきましても同様の考え方に基づきまして算出しているところでございます。今回、これらの金額を増加しまして、単価を改定したいと考えてございます。
    下段の注書でございます。10月1日以降に消費税率の改定の影響を受ける生産費の費目を記載してございますが、麦となたねにつきましては、既に収穫が終わっておりますことから、乾燥調製委託等の費目につきまして影響を受けるということでございます。麦、なたね以外の大豆、てん菜などでございますが、これらは10月1日以降も収穫があるということでございますので、その乾燥調製委託に加えまして、例えば収穫作業の委託費や収穫に必要な燃料になります光熱動力費、あと農機具費などつきましても影響を受けるということでございます。
    こういったことから麦類やなたねは20円ないし10円という増額であるのに対しまして、大豆、てん菜、その他の費目につきましては、それよりも大きい金額の増額となっているところでございます。
    なお、下段の米印のところでございますが、交付単価は消費税の改定に伴いまして、10月1日以降に免税事業者等において生じる生産コストの増加分を加算した額を全ての交付対象者に適用しているところでございます。一方で消費税の仕入額控除がある課税事業者に対して、今後どのように交付していくのかという点につきましては、交付のあり方を検討していくということにしているところでございます。
    次のページを御覧ください。先ほど2ページで説明しました考え方に基づきまして、令和元年産のゲタ対策の数量単価につきましては、このページのように改定したいと思います。これは平均交付単価でございます。御覧のとおりではありますが、小麦、その他の麦類については20円ないし10円、大豆につきましてはプラス80円、てん菜につきましてはプラス60円、でん粉原料用ばれいしょにつきましてはプラス60円、そばにつきましてはプラス120円、なたねにつきましてはプラス10円、それぞれ引き上げて改定したいという内容でございます。
    さらに次のページ、4ページから5ページでございます。平均交付単価につきましては、先ほど3ページで御説明したとおりでございますが、各品目と品質区分別の交付単価につきましては、ここに挙げられている数字のとおりでございます。いずれの区分、品質区分におきましても、先ほど平均交付単価で申し上げましたその引上げ分と同じだけの引上げがあるということでございます。
    例えば小麦は、60キロ当たりの品質区分別交付単価でございますが、上段がパン・中華麺用品種、下段がパン・中華麺用品種以外、いわゆる日本麺用等の品種でございます。1等Aランクから2等Dランクまでの単価となりますが、これらは現行の品質区分別交付単価に今回の引上げ額20円をそれぞれ上乗せして改定後単価としてございます。大麦・はだか麦は引上げ額10円を、大豆につきましては引上げ額80円を、それぞれ品質区分別交付単価に上乗せして改定後単価としております。
    最後の5ページでございます。こちらもてん菜につきましては60円を、丸囲み数字5のでん粉用ばれいしょは60円を、そばは120円を、なたねは10円をそれぞれ現行の品質区分別交付単価に、今回の引上げ額を上乗せして改定後単価としているところでございます。
    資料2の御説明については以上でございます。
  • 青山座長
    御説明ありがとうございました。
    ただいま事務局から御説明がありましたとおり、今回の審議事項は、ゲタ対策における令和元年産の数量単価の改定について調査、審議をするということになっております。早速皆さんからの御意見あるいは御質問もあれば伺いたいと思います。
    私からのお願いですが、まず今回の改定案についての御意見や皆さんのお考えをおっしゃっていただきたいと思います。また、せっかくこうやってお集まりいただきましたし、農産部長もおっしゃったとおり、ゲタ・ナラシ対策を導入して10年という中で、生産の方も時代によって変化しているでしょうし、実需の方の変化もあるかと思いますので、幅広い視点から皆さんの御意見を頂戴できればと思います。
    どなたからでも結構でございますので、お手を挙げていただければと思いますが、いかがでしょうか。
    では大桃委員、お願いいたします。
  • 大桃委員
    質問ですけれども、4ページのところの小麦ですが、パン・中華麺用と、あとパン・中華麺用以外というのが、日本麺とおっしゃったんですが、何のことなのかちょっとわかりませんでした。このパン・中華麺用以外の日本麺はどういうものなのかと、何でこういう差がこれほどまでに出てしまうのかを説明していただけますか。
  • 土居下経営安定対策室長
    日本麺と申し上げましたのは、いわゆるうどんのことでございます。パン・中華麺用はグルテンと言われるたんぱく質含有量が多くて、いわゆる力の強い強力粉の原料になるものでございます。それ以外の日本麺用は主に中力粉と言われます、うどんの原料になるものが多うございます。
    この単価の差でございますけれども、パン・中華麺用品種につきましては、単収と申しますけれども、いわゆる収穫量が少ないものが多いということ、たんぱく含量を上げるために肥料の投入が多い等、やや生産コストがかかるということでございます。
    最初に御説明いたしましたとおり、このゲタ対策の単価自体は、生産コストと販売価格の差を埋めるという形でございますので、まずコストがかかるということと、その単収が低いということから、パン・中華麺用品種の方が高い単価を設定してございます。
  • 大桃委員
    ありがとうございました。
  • 青山座長
    それでは、ほかの皆さんいかがでしょうか。
    では、小野寺委員、お願いいたします。
  • 小野寺委員
    今日提案いただきましたこの単価の改正については異論がございませんし、了承させていただきたいと思います。
    今回せっかくの機会で、先ほど農産部長からお話もありましたので、私ども北海道の現状をお話しさせていただいて、今後の価格改正に当たって、皆さん方にお願いをしたいことを申し上げたいと思ってございますので、よろしくお願いします。
    現在、北海道は小麦の収穫真っ最中といいますか、特に十勝、オホーツクが今その最中でございまして、例年になく収穫量、そして品質とも良好ということで、非常にいい笑顔で収穫をやっているというふうに聞いておりますけれども、今24時間体制で収穫をやっておりまして、夜昼なくそれぞれカントリーエレベーターとコンバインが動いておりますから、この収穫も今週いっぱいでほぼ終了の域を出るかなと思っています。
    そういった中で、特に北海道というのは、今日提案いただきましたそれぞれの作物全てが北海道の主要作物であって、輪作を欠くことはできないわけですが、その輪作が近年、非常にバランスが崩れるといいますか、価格改定によってビートが減ったり麦が増えたりして、年によってこの輪作体系が大きく崩れておるところがございます。特にてん菜等については、やはり労働力の問題や手間、機械化の問題で面積が非常に減少しており、平成に入って以降もずっと減り続けておったわけであります。今年についても200ヘクタールから400ヘクタールの面積が春先の風害あるいは凍害で減少し、過去最低の面積水準になってしまったということとともに、春先の出だしが非常に遅れたということもございまして、今年の糖分に対する懸念が大きくございます。
    そういったことで、今後のてん菜の基準糖度の改正等について十二分に考慮していただくとともに、ここ数年、生産者の努力によって非常に高い糖度のてん菜を作ることができたわけですけれども、今年またそういった災害によって、糖分が低いだろうということで、面積をこれ以上減らさないために、北海道では砂糖の消費拡大に生産者自らが取り組む「天下糖一プロジェクト」というのを立ち上げてやってございますので、そういった部分をぜひ捉えていただきまして、生産者の意欲向上につながる今後の政策を考えていただければと思います。また、麦の関係でありますけれども、パン・中華麺用の品種の更なる拡大をするため、パン用適応の「ゆめちから」が非常に病気にも強いということで、北海道では拡大基調に持っていきたいのですが、たんぱく質含有量が非常に高いので、今の基準たんぱく質含有量の中で一緒に見られてしまい、Aランクになりづらいため、各農協からこの部分を変えていただきたいということを要請してほしいというお話が、全道で巻き上がっております。
    また、麦についてマークアップ削減の部分を適切に反映させていただきたいという部分がございますし、大豆の生産については、北海道も徐々に拡大基調にあるわけでありますけれども、それよりも小豆が減っておりまして、豆の方も大豆に持っていく面積がないと言われてございます。小豆の方も今年は、温度はあるんですけれども、太陽が出ていないので、大豆と小豆ともに花つきが非常に悪く、今後の天候次第によって大きく変わるのかなという期待をしております。
    大豆にあっては、現在、豆腐だとかいろんなものに使われるわけですけれども、納豆に使う小粒大豆の生産を消費者の方々や卸の方々から要望されるものの、非常に収量が少ないものでございます。小粒大豆への取組というのは、こだわった生産者しか生産していないというところに問題があるかなというところでありまして、これらのことにつきましても十分に配慮して、この課題の解決もお願いいたしたいと思います。
    生産面、需給面に応じて安定した政策や対策を我々北海道全体として講じていかなければならないことは私どもの使命だと思ってございますけれども、この部分も十分に努力させていただくことをお約束し、また、国にあっては制度設計にぜひ反映させていただけるようにお願いをいたしたいと思います。
    少し長くなりましたが、ありがとうございます。
  • 青山座長
    ありがとうございました。
    それでは、ほかの方、いかがでしょうか。
    では、加藤委員、お願いいたします。
  • 加藤委員
    今回の改定については異論はございません。1つだけ質問なんですけれども、私も大麦を6月に初めて買って作り始めました。大麦についてはよくわかっていないんですけれども、先日事前説明受けた時に、ビール大麦は対象にはならないということを聞いたんですけれど、その理由と、ビール大麦って二条大麦だと思うんですけれども、資料に載っている二条大麦とビール大麦の違いは何でしょうか。
  • 青山座長
    では、回答お願いいたします。
  • 土居下経営安定対策室長
    加藤委員からいただきましたビール大麦につきましての御説明ですが、ビール用に使われている大麦につきましては、より高値でビール会社の方に買われております。また、関税割当制度では、その分きっちりと国内産の大麦がビール醸造業界に買われるような運用をしてございます。そういったことから高い値で買われており、いわゆるコスト割れをしていないということで、ゲタの対象になっていないということでございます。
    ほかの用途に使われている二条大麦ですけれども、例えば押し麦ですとか、あるいは麦茶ですとか、あるいは焼酎ですとか、そういった用途に販売されてございます。
  • 加藤委員
    ありがとうございます。ビールはだめで、焼酎だと大丈夫ということなんですかね。
  • 土居下経営安定対策室長
    そのような運用をさせていただいております。
  • 加藤委員
    わかりました。ありがとうございます。
  • 青山座長
    御納得いただけましたか。大丈夫ですか。
    では、ほかの委員いかがでしょうか。林委員お願いします。
  • 林委員
    私ども、大豆を扱っている業者なので、もちろん大豆がいっぱい取れてくれないと弾がないということになるので、このゲタ対策の単価改定というのは賛成です。
    それから、生産費をどうやって出したのかわからない部分があります。私どもは、作っているわけではないので、生産費は本当にどのぐらいかかるかというのが、ちょっと疑問かなという部分はございます。
    私どもは大豆を全て食品用ということで扱っていて、大体年間に90万トンという大豆が食品用に使われています。これは、お豆腐や納豆、味噌というところに使われているんですけれども、現状、国産のほとんどは食品用に使われていて、不足分を輸入に頼っています。味噌屋さんにしろ、大手の方が輸入ものを頼りにしているというのは、国産は生産も価格も波があって、安定して使えないというのがどうしてもネックになって、輸入ものに頼るというような構図になっております。
    ただ、消費者の皆さんはどう思っているかわからないですけれども、輸入ものにしても遺伝子組換え大豆が混ざらないように分別して持ってきていますし、安心・安全だとは思うのですが、その辺、消費者の方々が一部ではありますけれども、お豆腐も納豆も全部国産だと思っている方はいらっしゃるし、本来はそうあるべきであろうかとは思いますけれども、足らない部分は入れてこなければしようがないというのが現状ですので、国産も増えていただければ助かります。
    ただ、価格面では今、入札制度があって、それを基準にして販売するということになっております。限られた生産量の中で足りなければ高くなるし、供給量が多ければ安くなる。これは当たり前のことなんですけれども、この辺をうまくならしていって、大豆がもっといっぱい生産されるようになれば安定した供給と安定した価格となって、大手のユーザーさんにも使っていただけるのかなと思っております。
    以上です。
  • 青山座長
    ありがとうございました。
    林委員からおっしゃっていただきました、生産費をどう出しているかというのについて、私も改めて確認したいと思うので、御説明いただけますでしょうか。
  • 土居下経営安定対策室長
    生産費については、統計部というところが生産費調査というのをやってございます。そこで出していただいているものをそのまま使わせていただいているということでございます。でも、品目によりましては、先ほどのビール大麦もそうですけれども、そのまま使えない場合がございます。そういった場合には、例えばビール大麦を作っている生産者は除くとか、そういった形の組換え集計をすることにより、我々が払っているものと同じものになるようにして使わせていただいております。
    以上でございます。
  • 青山座長
    生産費に含まれている項目は、具体的にどういったものでしょうか。
  • 土居下経営安定対策室長
    例えば生産コストで物材費がございます。今回のコストということになりますと、例えば光熱動力費ですと、コンバインなどに使う燃料でございますとか、例えば賃借料であれば乾燥調製料金ですとか、作業委託費は、ほかの方にお願いされたときに支払われる料金です。また、農機具費は、例えば農業機械を買った時のコストを減価償却するための減価償却分など、そういったものが入っているということでございます。
    今回の数量単価の引上げには関係ございませんが、例えば生産費に入っているほかの項目といたしまして、いわゆる労働費見合いの部分も、通常の単価を算定する時には見ているということでございます。
  • 青山座長
    これは毎年見直されているということでしょうか。
  • 土居下経営安定対策室長
    毎年、その年産ごとに統計自体は取っておるということでございます。
    それと平均交付単価を出すときは、10アール当たりの生産費を用いておりますが、これは直近の3年平均の生産費を用いております。これは、やはり生産コストを低減する現場の取組が進んでいく中で、直近のものを取るのがいいだろうと。ただ、単年度だけで使うということになりますと、毎年の様々な変動がございますので、直近3年の平均を用いましてその生産費を出させていただいているというところでございます。
    お手元のパンフレット「経営所得安定対策等の概要」の9ページの下のところにその算定式が載ってございまして、10アール当たり生産費の直近3年の平均を用いさせていただいているということを書かせていただいているところでございます。
  • 平形農産部長
    少し補足させていただきます。パンフレットの9ページの下のところに算定式というのがありまして、ゲタ対策というのは、品質の良いもの、それから収量が取れれば取れるほど交付金が多くなる生産振興的な意味合いを持った交付金にしております。
    その中で、10アール当たりいくら交付するというよりも、こういう品質のものが何キロ取れたらこれだけの交付金を出すというやり方の方が、より良いものを作ろうということに対してのインセンティブが働くだろうということで、平均交付単価は、例えばてん菜の場合は全部原料になりますから、糖度がどのぐらい乗っているものが何トンというふうに、数量に対しての交付単価としております。
    また、10アール当たりの生産費というのは、より効率的なところを使いたいというのがあり、直近3年間としているのですが、単収は先ほど林委員のおっしゃられたとおり、年によってかなりブレがございます。そのために直近3年間というやり方ではなく、直近7年間のうちの最低・最高を除く5年間の平均ということで単収を出しています。
    そこで収量当たりの生産費は、10アール当たりの生産費を単収で割ることで算出できるのですが、基本的にゲタ対策の対象品目というのは、国境措置があまりなく外国産と国産が完全に競争している世界の中にありますので、販売金額がどうしても生産費よりも低い価格になります。
    この販売金額についても、単収ほどではないですけれども、国際相場が上がったり下がったりすると多少大きな波になるので、これは5年中の3年という形にして販売価格を出しております。
    そういったことで、単収当たりの生産費から販売価格を引いて、平均交付単価を算出しているところでございます。
  • 青山座長
    林委員、よろしいですか。
  • 林委員
    はい。アメリカのシカゴ相場という先物相場は、ブッシェル(27.7kg)単位で値段が出ています。アメリカは大農業というイメージでしょうけれども、大きい農家から畑を借りてやっている小さい農家までいろいろあって、全ての農家においてベースの値段はそのシカゴの相場に準じています。
    今、大体9ドル前後ですけれども、コストとしては平均8ドル半ばぐらいなので、土地を借りている人と大きくやっている人とでは、コストは全く違うと思います。
    日本の農家の方も、小さいところと大きいところで生産費は全然違うんだろうと思います。それがどのぐらい差があって、統計でどのように考慮されているのかよくわからないというところです。
  • 平形農産部長
    10アール当たりの生産費は、農業構造が変わると当然変わってきます。お米の平均作付面積というのは1ヘクタール程度ですが、麦、大豆に関しては、ほとんど担い手の方に農地が集中をしてきているところであります。特に麦については、平均の耕作費用が、米とは全く比べ物にならないぐらいになります。農地の利用集積というのをかなり進めておりますし、土地改良事業で基盤整備をやるとしても、その後担い手に対しての集積が進みますと、10アール当たりのコストが下がっていくことになります。
    そういった意味でいうと、今の人口減少の中で農地集積をより進めていくと、10アール当たりの平均コストはかなり下がっていくのですが、特に畑作の世界でいうと、水田とは違い、構造改革が進んでかなりの部分が担い手になってきて、小さい方がだんだん少なくなってきているところでございます。
  • 青山座長
    よろしいでしょうか。
  • 林委員
    はい。
  • 青山座長
    ありがとうございます。では、審議を継続していきたいと思います。
    では、古沢委員お願いいたします。
  • 古沢委員
    今回の単価の改定につきましては皆様同様、承認させていただきたいと思います。
    私事ですけれども、毎年小麦の収量が取れず、今年度は面積払のみになってしまいました。今年度は、途中まですごく麦の出来も良かったのですけれども、減農薬・減化学肥料で作っているため、除草が間に合わず、最終段階で草に負けてしまい、田んぼ1枚半ぐらい麦が取れずに潰してしまったところがあります。もう少し上手に作れば麦が取れるというのはあるんですけれども、そういったところを指導していただけたらうれしいです。
    また、ゲタ対策の交付申請に関して、販売先等との契約書と販売実績を出してくださいと言われます。農協に出荷している場合は、農協に出荷しているということがわかれば、販売証明は要りませんけれども、直売ですと、直売所との契約書と販売実績が必要と言われます。業者が入っている直売所は、きちんと納品書や請求書はあるんですけれども、農家が行う直売所は、納品書や請求書の発行をやっているところが少なく、独自に自分で持っていって書いていただいています。自分のところで納品書を切って、特にサインをもらうということはないので、その納品書で販売数量を提出するような形となっています。また、大きい直売所ですと、販売数量の明細を出してくれるんですけれども、全部が全部そういう形ではないので、全量を証明するのはちょっと難しい状態です。このため、販売証明がどういうふうに使われているのか、どうして必要なのかというのを知りたいです。
  • 青山座長
    では、御回答お願いいたします。
  • 土居下経営安定対策室長
    御案内どおりゲタ対策は数量払でございまして、まさに数量に応じて交付金をお支払するという制度になってございますので、やはりその数量がいくつだったのかというのが本当に重要なポイントになってまいります。そういったことから販売数量を必ず頂くようにしているわけでございます。
    時々、自分で加工されているので、販売数量の伝票とかで証明はないんだという農家さんがいらっしゃいますので、それは自家加工する場合の資料の提出に変えていただくことも可能な面はございます。そういったことまでできるようにはしておりますので、細かいところはまた御説明いたしますけれども、どうしてもその数量に応じて交付金は支払うという仕組み上、そういった手間が生じることは御理解いただければと思っております。
  • 青山座長
    生産技術の御指導をお願いしたいということに関しては、どなたかありましたらお願いいたします。
  • 江頭穀物課課長補佐
    穀物課でございます。生産指導をとのお話があったところなんですけれども、麦につきましては、どうしても畑作物という関係で湿害に弱いという性質を持っておりますので、まずは排水対策を徹底いただくと。あわせて、雑草に負けてしまったということでございますけれども、減農薬という形で取り組まれているということですので、なかなか農薬がまきにくいということだと思うんですけれども、その場合は中耕培土といいますか、土入れといいますか、どうしても労働力はかかってしまうんですけれども、そういったものを励行いただけたらと思っております。
    実際には水田の方でお作りになっているんでしょうか。
  • 古沢委員
    そうです。
  • 江頭穀物課課長補佐
    水田の場合だと排水対策としまして、暗きょが入っていない場合があるかと思うんですけれども、その場合は例えば、ほ場の周囲に溝を掘っていただく明きょなどの排水対策を徹底いただきながら、雑草についてはやはり中耕培土の取組、そういったものを、少し手間はかかるんですけれども、励行いただけたらと思っております。
    また、ここでは詳しくは申しませんけれども、農水省のホームページの「小麦の技術情報」という中に試験研究機関が開発した各種技術情報について御紹介しておりますので、御参照いただけたらと思っております。
  • 古沢委員
    ありがとうございます。
  • 青山座長
    ほか、技術的なことはよろしいでしょうか。
    先ほど後半の方で直売所に出しておられて販売実績を出してもらうのが難しいというのは、何か対応方法はございますか。直売所向けの販売実績の様式はそんなに難しくないんですかね。そのカウントしてもらうのが難しいということでしょうか。
  • 古沢委員
    それもあるのですが、直売所の方で出してくれるのは、あくまでも販売個数で出してくれるんですね。ただ、ロスがあって、期間内に売れなかったものとかは持ってきてしまうんですけれども、そういったものはどちらに入るんでしょう。数量として、商品にはしているんですけれども、売れなかったものとなるのでしょうか。
  • 土居下経営安定対策室長
    大変恐縮なんですけれども、売れなかったものは、販売数量にカウントすることは難しいということでございます。
  • 古沢委員
    はい、ありがとうございます。
  • 青山座長
    その辺のことはホームページ等に載っているのでしょうか。直売所に出荷している人に向けての販売実績の取り方やもらい方について、ロスが出た場合は削減してくださいとか、そういったガイドみたいなのはございますでしょうか。もしあるようでしたら結構ですし、ないようでしたら生産者の方にホームページ等でお示しいただければ参考になると思います。お探しいただく間、先に進めておきましょうか。
  • 土居下経営安定対策室長
    はい。
  • 青山座長
    わかりました。では、後ほどまた御助言があるかと思います。
    それでは、大桃さん。最後に、平田委員お願いいたします。
  • 大桃委員
    この審議に関しては私も異論はありません。計算方法などが複雑でわかりづらいという部分もありますけれども、農家さんや担い手に対しての補助、交付金ということで、少しでも増えると、私も農業をやっていますので、ありがたいなというふうには感じております。
    この担い手に対する経営安定のための交付金ということなんですけれども、今後TPPですとか米国との国際交渉等がある中で、この交付金などに関して今後どうなっていくのか、農水省の考え方みたいなのをお聞きしたいです。
  • 青山座長
    では、お願いいたします。
  • 土居下経営安定対策室長
    まず、大桃委員から御質問あったことにつきましては、TPPとか国際交渉で起きているということでございますけれども、TPPにつきましては既に合意してございましたので、持ち回りではございましたけれども、昨年TPPで影響があろう部分のところの加算をさせていただきました。
    これは令和元年産というところなんですけれども、令和2年以降のものはまだ決まっておりませんので、恐らく今年中になるとは思うのですが、改めて御審議いただくことになろうかと思います。
    一方で、米国との関係におきましては、まだ交渉が行われている最中でございますので、それに対する対応ということにつきましては、予断しにくいところがございますので何とも言えませんけれども、TPP大綱にもございますとおり、影響が出るということになりましたら、その分は安定対策の中で、農家さんの経営に影響を及ぼさないように何らかの措置をしていく必要があるのではないかと思っております。
    一方で、まさにその体力作りといいますか、生産コストの低減といったことの取組も併せて行っていくことになりますので、こういった生産コストの計算の中におきましても、3年ごとの改正の中で反映してまいりますので、生産コスト低減の取組などの成果も踏まえつつ行っていくということになろうかと思います。
    このため、もちろん農家さんの経営に影響が出ないように行っていくわけでございますけれども、それが金額が増えるか減るかということになりますと、3年置きの改定の中で単価をどうするかを御審議いただきたいと思っております。
  • 大桃委員
    交渉事によって世の中が劇的に変わる中で、3年というスパンが一体どうなんだろうかと思うのですけれども、農水省としてはどうでしょうか。
  • 土居下経営安定対策室長
    3年というスパンを設けておりますのは、毎年変わるようですと、その生産現場でも経営の見通しを立てて農業を営みにいくということで、ある程度一定の期間を設けるという形でやらせていただいております。
    そうはいえ、確かに交渉事で、何か急に決まるようなことがあり、新しい交渉事による影響が出るということになりましたら、前回TPPにつきまして期中改定の御審議をいただきましたように、その期中での改定の御審議いただくということもあり得るのかなと思っております。
  • 青山座長
    大桃委員、よろしいでしょうか。
  • 大桃委員
    はい、ありがとうございます。
  • 青山座長
    では、平田委員お願いいたします。
  • 平田委員
    平田でございます。私は畑作の取組がありませんので、詳しくないものですから、ちょっと引いたところから1つお話ししたいと思います。
    経営所得安定対策が10年だということが先ほど話がありました。農業が産業として生き残っていくという意味では、一定の効果があったことは間違いないだろうと現場で感じております。生産を正に下支えしていただいたわけなので、ありがたい話ではあったんですけれども、残念ながら今の現状の農業従事者の数を考えますと、生産費を保障したというのは合っているかどうかわかりません。平均的な経営をやっていれば確実に赤字にならないようにしていただいているはずなのに、農業者そのものは減少が止まっていないわけですね。つまり高齢化していって、現場でその先輩たちが辞めていく数に、新規の就農が追いついていないということです。
    その就農の促進のための対策を、いろいろやってきていただいているのですが、農業次世代投資事業の条件が厳しくなるような話があったりして、現場で大変困っているということを教育の現場で聞いたことがあります。このようなこともあって、なかなか若者が希望を持てていないような気がいたします。
    ゲタ対策の性格上、経営が平均のところではプラスマイナスゼロだけれども、経営を頑張って効率化をすれば、より大きくインセンティブがあるんだという構図になっているはずですが、あまりこれは現場で論じられていないような気がします。前の米のモデル事業の時も同じような話があったかと思うんですけれども、あまりそれが言われていなくて、むしろ恒常的に赤字であるものだから、その赤字の部分を国が背負いますよというようなところの話が広がっているような気がします。若い人たちが自分たちの努力で経営を改善していくというところをもう少し伝える必要があると思っているところがあります。
    若い人はまだ、原石がいますので、彼らにしっかりアプローチしていただけるとありがたいなと思います。
    以上です。
  • 青山座長
    農水省から、全般を通して何かありますでしょうか。
  • 平形農産部長
    人口が減っていくというのは農業に限らず、今の日本の中では完全にそうなっているところがあり、どの産業でも人口が減ることをある程度織り込みながら生産性や効率性などを維持できるようしているところであり、農業でも、スマート農業や規模拡大により、より効率的に、1人の方が受け持てる面積をできるだけ広げようとしているところです。
    人口が減ると同時に農業の生産力も落ちてしまうということになってしまいますので、より規模を拡大したり、いろんな技術を導入して、それが支えられるようないろんな施策をやっているところであります。
    その中で、新規就農者の方を農業次世代投資事業で支援するというのも1つありますし、もう一つは農家以外の方も就農される中で、農業法人が多くなり、まず雇用の中から入り、自分で自信を持ってだんだん独立してくという方もいらっしゃいます。そういった方も含めて農業に意欲を持っていただく方をしっかり確保しなければいけないというところで、より前向きに取り組む方を支援するという施策を全般的にここ10年ほどで作ってきたつもりではあります。平田委員がおっしゃられるように、ゲタ対策というのはコスト割れしているところを補塡するというのがあって、非常に効率的な方もそうではない方も、とにかくコスト割れのところを補塡しますみたいな印象で捉えられているのであれば、大変こちらの方としてもじくじたるものがございますし、この制度というのは平均的なところを取っているので、より効率的にしたり、より品質を良くしたり、より数量を多くすればするほど所得が上がるということが十分御理解されていないのであれば、これは時間をかけてでも、いろんなところで伝えていかなければいけないなと考えているところでございます。
  • 青山座長
    ありがとうございました。
    それでは、先ほどの販売実績の報告方法について、わかったことがありましたら御披露お願いいたします。
  • 龍経営安定対策室参事官補佐
    先ほど古沢委員から御質問のありました、直売所などで売る予定でしたが、売れなかった部分について、いわゆる要綱とはまた違った細かな取扱規程の中で、販売予定数量といったものの確認書の様式自体は、参考様式として作っているものがございます。その様式は、現在、インターネット上に載せてはいないのですけれども、こういった個別の細かな販売といった部分の御質問には、現場でも細かく対応させていただいて、個々の事案によって対応させていただきたいと思っております。今回準備してございますその様式についても、後ほどまた古沢委員の状況などを教えていただきながら、御助言なりさせていただければと思っております。
  • 青山座長
    それでは、小野寺委員から大変貴重な御意見いただいたんですけれども、それに対して、農水省のコメントをお願いしたいと思います。
  • 土居下経営安定対策室長
    輪作体系のバランスが崩れる等の現状を御報告いただきまして、また、てん菜につきましてその最低の面積水準になっている等、御懸念いただいております。また、パン・中華麺用品種につきましてのたんぱく質含有量の基準につきましてもコメントいただいております。
    輪作バランスの関連につきまして、交付単価自体は機械的に算定させていただいているところでございます。そういったことから、交付単価が上がる時もあれば、下がる時もあるというのが現状でございます。糖分価格や基準糖分につきましても、最近のやや良くなっていっているところを踏まえて、今年中の単価改定におきまして、我々も案を検討し、また御審議いただきたいと思ってございます。
    輪作バランスが崩れるという点につきましては、この対策だけではなくて、輪作構造改革の対策を地域作物課で措置してございます。そういった対策も使っていただきながら、現場の輪作バランスを取る取組を進めていただきたいと思ってございます。
    また、パン・中華麺用のたんぱく質含有量基準につきましては、いろいろ御意見・御要望をほかのところからも頂戴しているところでございます。今回の案には入ってございませんけれども、次の3年間の単価改定と合わせまして、私どもの内部で検討を進めてまいりたいと思ってございます。
  • 小野寺委員
    ありがとうございます。先ほど生産費のお話があった時にも少しお話ししようかと思ったんですけれども、北海道の農業については、農業人口は減っており、当然誰かがそれを担わなければならないので、担い手という方々に集積をして、頑張ってもらわないといけないんですけれども、せっかく努力をしても、3年ごとにゲタ対策の交付単価の改定があると、てん菜を作ったら本当にもうかるのか不安になります。だから、もう少し交付単価の改定の時間を長く考えて、価格等や糖分帯を設定していただきたい。
    また、生産費の中で、IT農業とかいろいろ投資をしなければならないのですが、その投資が高いものですから、先行投資しながら頑張っている生産者の生産費に反映してこないという部分があるんじゃないかというふうに良く言われます。
    土地改良事業なども、農業を辞めていく人たちは土地改良をちゃんとしていない部分があり、湿害対策もできていない、暗きょも入っていない、明きょも入っていない、客土もできていない、堆肥も入れていないような農地を引き受けなければならない担い手というのは非常に大変だと思います。
    このため、そういったことが行われないような部分というのを、今日のここの議論ではなくて、違うところで議論させてもらわなければいけないですが、そういった現場の人たちの意見というのをぜひお聞きする機会をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  • 平形農産部長
    小野寺委員からは、今回の改定というより全般的なお話をいただいていると思っております。今回の畑作物の直接支払交付金については、法制度の中で個人の農家に対して国が直接お支払をする制度になっております。そうなりますと、実際の生産費と販売価格との差というのを埋める形でやります。もちろん相場が上がってくれば、コストとの差というのはどんどん小さくなりますが、そういう波はここを10年間でも上がったり下がったりします。交付金単価の改定を毎年やっていると、改定ばかりになってしまい、農家の方も、いくらで計算すればいいのかわからなくなります。大体3年後ぐらいまでであれば投資まで含めてどのぐらいの収益があるのか計算できるというので、3年ごとに単価改定する形にしております。このゲタ対策については、ルールはルールとして、しっかり市場や生産費を反映したものにしていきたいと考えておりますが、このゲタ対策一本で生産段階のところの経営が全部安定するとはとても思っておりません。今お話のありました新しいスマート農業への取組のようなことにつきましては、ある程度、技術が普及するとものすごくコストとしては下がるものになると思いますが、先行投資の部分というのはどうしても高くります。そのこともありまして、農水省は今年度、来年度という2年間を集中期間にしまして、スマート農業の実証事業というのをやっております。これはほとんど現場の負担なしの状態で、一番新しい技術を生産から販売の直前まで一貫して入れていただく地区を全国で選定させていただくもので、これが普及すれば多くの方のコストを下げる要因になると思います。
    つまり、この交付金以外の部分というのはかなり大きいくなっております。土地改良事業につきましても、昔は負担金の負担が多くてなかなか思い切ることができなかったという話がございますけれども、最近は農地中間管理機構を利用して集積率を上げる地区に関しましては、集積率が上がると地元負担がゼロに近い形の支援があり、そういったものを使っていただきながら総合的に農政を進めていくものだと思います。その中の一つとして、このゲタ交付金を安定的に運用していきたいというのがこちらの考えでございます。
    また今年の秋に、3年間の単価改定の議論があるかと思いますが、また委員の方々におかれましては、ぜひそのことも含めて御審議していただきたいなと思っております。
  • 青山座長
    追加で何か御意見がある方はいらっしゃいますか。大丈夫ですか。
    では、私もちょっと一言だけ申し上げ、今日の皆さんの御意見をまとめさせていただきたいと思います。
    今日は単価の改定という少しミクロのお話を御審議いただきまして、ほぼ皆様からの肯定的な御意見をいただきました。どうもありがとうございます。ちょうど今日の午後に食糧部会がございますので、皆様妥当だという御意見をいただいたということを報告させていただきたいと思います。
    その一方で、経営安定対策という、本当に農業の根幹で一番大事なことなんですけれども、この安定対策が本当に経営の安定になっているかという根本的な問題を提起していただいた委員の方がいらっしゃって、お聞きしているとやっぱり下支えなんですけれども、結局技術の向上が伴わないと下支えにならないということでありますよね。
    ゆめちからって、本当にすごい品種だと思っていたんですけれども、一方ではたんぱく質含有量の問題があって単価に反映されづらいということ。また、ちまたではスイーツブームで需要が非常に高まっている小豆の生産量が本当に少なくなっているという問題や、技術とか新しい品種の開発も含めて幅広くやっていかないと本当の意味での経営安定対策にならないのかなという、背筋をしっかりと伸ばさないといけないという感じがいたしました。同時に、この畑作はやはり北海道が非常に依存度が高いということもあって、生産者の方が意欲を持てるような中長期的な視点での対策の位置付けというものがより大事になってくると思いました。
    さらに、古沢委員がおっしゃったように、現場の方の規模が大きくなって事務作業が非常に負担になっているというお話を聞いておりますので、そういった事務作業が少しでも簡略化できるような取組も、農水省にお願いできればなと思いました。
    非常に大事な安定対策でありますし、ほかの施策との組合せがあってこそだと思うんですけれども、大事な位置付けを持っているかと思いますので、次期の改定や今回の運用などは徹底していただきたいと思います。
    それでは肯定的な評価をいただいたということで、こちらのほうで認識をして考えておりますが、それでよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

  • 青山座長
    ありがとうございます。では、異議なしということで、本日の審議内容をもう一度整理しまして、午後行われます食糧部会に経過報告事項とさせていただきたいと思います。その報告事項につきましては、私に一任いただきたく思いますがよろしゅうございますか。

(「はい」の声あり)

  • 青山座長
    ありがとうございます。それでは、進行を事務局にお返ししたいと思います。
  • 小林総務・経営安定対策参事官
    青山座長、どうもありがとうございました。
    以上で本日の議事は全て終了となります。これをもちまして本日の経営所得安定対策小委員会を閉会いたします。本日は本当にお忙しい中御出席いただき、活発な御審議いただきまして、本当にありがとうございました。

閉会

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