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農林水産省

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食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針

食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(平成十二年法律第百十六号)第三条第一項の規定に基づき、食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針を定めたので、同条第四項の規定に基づき、公表する。

平成十三年  月  日

財務大臣名
厚生労働大臣名
農林水産大臣名
経済産業大臣名
国土交通大臣名
環境大臣名

 

  我が国においては、食生活の多様化・高度化に伴い、生産・流通段階においては消費者の過度の鮮度志向等の要因により大量に食品が廃棄されるとともに、消費段階においては大量の食べ残しが発生し、多くの食品が浪費されている。他方、このようにして生じた食品廃棄物等は、肥料、飼料等に再生利用することが可能であるにもかかわらず、利用されずに大量に廃棄されているのが現状である。

  一方で、土地利用の高度化、住民の環境への意識への高まり等を背景として廃棄物の処理施設の確保はこれまでにも増して困難なものとなってきており、最終処分場の残余容量のひっ迫等廃棄物処理をめぐる問題が深刻化している。

  また、我が国は食料の多くを輸入農産物に依存しており、世界の総人口の増加に伴い中長期的には世界の食料需給はひっ迫する可能性があると指摘されている中で、食品を大量に廃棄することは、それ自体、深刻な問題であるといえる。

  このような状況の中で、健全な食料生産及び食料消費並びに食品廃棄物等の減量を実現するためには、関係者の適切な役割分担の下、食品に係る資源の有効な利用と食品に係る廃棄物の排出の抑制を一体的に推進していくことが求められている。特に、食の外部化の進展、加工食品の増大等を背景として、今後、食品関連事業者の事業活動に伴い生ずる食品廃棄物等の増大が見込まれるところであり、食品産業の健全な発展を図るためにも、食品関連事業者による食品循環資源の再生利用等の取組を促進していくことが必要となっている。

  この基本方針は、このような認識の下に、食品循環資源の再生利用等を総合的かつ計画的に推進するため、必要な事項を定めるものである。

 

一 食品循環資源の再生利用等の促進の基本的方向

1  基本理念

イ 法の基本的な理念 

  食品に係る資源の有効な利用の確保及び食品に係る廃棄物の排出の抑制を図るためには、食品の製造、流通、消費、廃棄等の各段階において、食品循環資源の再生利用並びに食品廃棄物等の発生の抑制及び減量を推進し、環境への負荷の少ない循環を基調とする循環型社会を構築していくことが必要である。
  また、食品循環資源を肥料又は飼料として利用することにより、農林漁業の自然循環機能を維持増進していくことが重要である。 
  このため、個別の食品廃棄物等に着目して、その再生利用等を促進するために、食品産業の特性、特定肥飼料等の利用の実態等を踏まえつつ、必要な措置を一体的に講ずるべきである。

ロ 食品循環資源の再生利用等の手法に関する優先順位

  食品廃棄物等に関する循環型社会を形成するに当たっては、循環型社会形成推進基本法(平成十二年法律第百十号)第三条から第七条までに定める循環型社会の形成についての基本原則にのっとりつつ、食品廃棄物等の特性を踏まえた対応が求められる。 
   具体的には、第一に、生産・流通過程の工夫、消費の在り方の見直し等によって食品廃棄物等の発生の抑制を図ることが重要である。これにより、再生利用、減量又は廃棄処分に伴う環境への負荷を低減する必要がある。 
   第二に、食品廃棄物等のうち有用なものである食品循環資源については、できるだけ再生利用を進めることが重要である。その際、特定肥飼料等の需給の動向、特定肥飼料等の利用に伴う環境への負荷等を踏まえて実施することが必要である。 
   第三に、水分を多く含み、腐敗しやすいという食品廃棄物等の特性にかんがみて、脱水、乾燥等による食品廃棄物等の減量を行うことにより、廃棄処分される食品廃棄物等の排出量を減少させるとともに、その後の廃棄処分の実施を容易にし、生活環境の保全を図ることが必要である。 
   ただし、この順位によらないことが環境への負荷の低減を図ることとなる場合には、より適切な方法を選択することが必要である。 
   なお、発生の抑制、再生利用及び減量を進めた上で、なお発生する廃棄物については、適正に処分が行われなければならない。

2  関係者の役割

  食品循環資源の再生利用等の推進に当たっては、関係者は、適切な役割分担の下でそれぞれが連携しつつ積極的に参加することが必要である。
  食品関連事業者は、その事業活動に伴い食品廃棄物等を排出する者として、食品循環資源の再生利用等の推進に当たっての主導的な役割を担う責務があり、食品廃棄物等の分別、適正な管理等を行いつつ、計画的に食品循環資源の再生利用等に取り組むものとする。
  食品関連事業者から委託を受け、又は食品循環資源を譲渡され再生利用事業を実施する者(以下「再生利用事業者」という。)は、食品関連事業者と特定肥飼料等の利用者とを結ぶ立場にあり、特定肥飼料等の利用者のニーズを踏まえ、食品循環資源の品質等について必要な情報を食品関連事業者に伝えるよう努めるとともに、再生利用事業の実施に伴い生活環境の保全上支障が生じないよう必要な措置を講ずるものとする。
  農林漁業者等の特定肥飼料等を利用する者は、特定肥飼料等の一層の利用に努めるとともに、特定肥飼料等を利用して生産した農林水産物等を、再度、食品関連事業者に対して供給すること等により、農林水産物等の生産と食料消費との間の資源循環を確保するよう努めるものとする。
  消費者及び食品関連事業者以外の事業者は、食品の購入又は調理の方法の改善により自ら食品廃棄物等の発生の抑制に努めるとともに、食品関連事業者が行う食品循環資源の再生利用等に協力し、及び特定肥飼料等を利用して生産された農林水産物等を購入することにより食品循環資源の再生利用を促進するよう努めるものとする。
  国は、食品循環資源の再生利用等を促進するために必要な情報提供、研究開発、啓発普及及び資金の確保に努めるものとする。
  地方公共団体は、食品廃棄物等の適正な処理を図るとともに、その区域の経済的社会的諸条件に応じて、住民の自主的な活動、地域における食品関連事業者、再生利用事業者及び農林漁業者等の連携の促進を図ること等により食品循環資源の再生利用等を促進するよう努めるものとする。

3  食品関連事業者による食品循環資源の再生利用等の実施に関する基本的方向

  食品関連事業者は、食品循環資源の再生利用等の実施に当たっては、1の基本理念を踏まえ、環境への負荷の低減を図ることを旨として、その事業の特性に応じて再生利用、発生の抑制及び減量の各手法を自らの判断に基づき適切に選択する必要がある。  また、食品関連事業者は、その実施する食品循環資源の再生利用等による環境への負荷の低減の効果を適切に評価し、食品循環資源の再生利用等の実施方法の改善に努めることが重要である。
  発生の抑制、再生利用及び減量の各手法を実施するに当たっての基本的方向は、次のとおりである。

イ 食品廃棄物等の発生の抑制

  食品循環資源の再生利用等を行うに当たっては、散在する事業所から少量ずつ排出されることの多い食品廃棄物等について再生利用又は減量を行うことは技術的・エネルギー的・経済的に制約が多いことにかんがみて、環境への負荷の低減が図られるとともに、費用負担の削減が促進されることとなる食品廃棄物等の発生の抑制に第一に取り組む必要がある。
  具体的には、食品の製造工程の改善による原材料ロスの削減、食品の流通過程における食品の品質管理の高度化その他配送及び保管の方法の改善による食品廃棄の防止、受発注管理の高度化、価格設定の工夫その他の仕入れ・販売方法の改善による売れ残りの削減、飲食店等におけるメニュー、盛り付け等の工夫による食べ残しの削減、調理方法の改善等による調理くずの削減等食品関連事業者の事業特性に応じた取組が求められる。
  また、このような食品廃棄物等の発生の抑制の取組は、これまでも食品関連事業者の利益向上の観点から行われていたところであり、食品に係る資源の有効な利用と廃棄物の排出の抑制を推進する観点からは、従前の取組に加えて、環境保全の観点に立った、より一層の発生の抑制に努めることが求められる。
  さらに、食品の小売業、飲食店等にあっては、食品廃棄物等の発生の抑制を効果的に推進するためには、場合によっては消費者の利便性を一定程度減じる必要があることも予想されることから、発生の抑制の実施に当たっては消費者の理解と協力が不可欠である。このため、消費者は、食品小売業者による食品の量り売り、飲食店等における食べ残しの削減のためのメニューの変更、待ち時間の増加等について協力するとともに、発生の抑制に取り組む食品関連事業者が提供する食品及び食事のサービスを積極的に購入するよう努めることが必要である。他方、食品関連事業者は、このような消費者の協力と理解を得るため、消費者に対して、発生の抑制の効果について的確な情報提供を行うことが必要である。
  なお、食品関連事業者は、食品廃棄物等の発生量について、発生の抑制の取組を実施する以前の食品廃棄物等の発生量と比較し、又は同種の事業を行う食品関連事業者の標準的な食品廃棄物等の発生量と比較することにより、食品廃棄物等の発生の抑制の取組の効果を評価するものとする。

ロ 食品循環資源の再生利用

  食品循環資源の再生利用を円滑に行うためには、食品関連事業者は、自らが発生させる食品廃棄物等の量、組成等を十分に把握し、これらを踏まえた、適切な再生利用の方法等を選択する必要がある。また、製造された特定肥飼料等の需要の確保を図ることが重要であることから、食品関連事業者又は再生利用事業者は、農林漁業者等特定肥飼料等の利用者と一体となった計画的な再生利用に取り組むこととし、これに当たっては、農林漁業者等特定肥飼料等の利用者と特定肥飼料等の供給量、品質等について十分な調整を行う等により、特定肥飼料等の利用者の求める品質を確保した付加価値の高い特定肥飼料等を製造するよう努めることが重要である。
  また、特定肥飼料等の品質を確保するため、食品循環資源の性状及び含有成分を把握し、特定肥飼料等の成分の安定化に努めるとともに、特定肥飼料等に異物が混入することを防ぐため、食品循環資源の発生、収集又は再生利用の各段階において、食品循環資源と容器包装、楊枝その他の異物及び再生利用に適さない食品廃棄物等との分別を徹底することが必要である。さらに、食品の製造、加工又は流通の段階において、再生利用に当たっての分別が円滑に行われるよう食品の容器包装等についての工夫を図ることも重要である。
  また、特定肥飼料等の需要を顕在化させるためには特定肥飼料等の価格を抑えることが必要であることから、食品関連事業者は、再生利用を行う費用の低減を図るため、多数の食品関連事業者及び関係事業者と共同して再生利用に取り組み、施設の共用化、再生利用の規模の大型化等に努めることが重要である。
  なお、食品循環資源は、腐敗しやすいという特性を有することから、再生利用の実施に当たっては、生活環境の保全上支障が生じないように適切に管理することが求められ、食品関連事業者の事業場においては必要に応じて脱水・乾燥の処理、冷蔵設備を用いた保管等を行うとともに、再生利用を行う事業場に食品循環資源を運搬する場合には、食品循環資源が飛散し、及び流出し、並びに悪臭が漏れるおそれのない運搬車、運搬容器等を用いることが必要である。また、再生利用事業を行う者は、特定肥飼料等が利用されずに廃棄されることのないよう特定肥飼料等の品質管理の適正化、販売先の確保等必要な措置を講ずるとともに、再生利用事業を行う事業場の周囲の生活環境の保全上の支障が生じないよう悪臭、水質の汚濁その他の公害の防止に関する関係法令を遵守しなければならない。

ハ 食品廃棄物等の減量

  食品廃棄物等を最終的に処分する前に、その減量を行い、廃棄物として処分する際の運搬・処理を容易なものとするとともに、腐敗の進行を緩和することにより、生活環境の保全上の影響を軽減することが重要である。
  具体的には、脱水、乾燥、発酵又は炭化により、食品廃棄物等の重量を減少させることが必要である。
  また、水分を多く含む食品廃棄物等については、これまでも簡単な水切り等廃棄物の重量を減少させるための取組が、廃棄物処理の費用削減の観点から行われていたところであるが、食品に係る廃棄物の排出の抑制を推進する観点からは、従前の取組に加えて、環境保全の観点に立った、より一層の減量に努めることが求められる。
  なお、食品廃棄物等の減量を行う場合には、減量装置等の排水の適正処理、臭気の漏れの防止等生活環境の保全上必要な措置を講ずるとともに、減量により生ずる食品廃棄物等については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)に基づく、適正な処理を行う必要がある。

4  一般家庭から排出される食品廃棄物等に係る食品循環資源の再生利用等の実施の基本的方向

  消費者は、その家庭生活等に伴い食品廃棄物等を排出しており、その排出量は食品廃棄物等全体の約半分と大きな割合を占めており、食品循環資源の再生利用等を推進していく上で、消費者による取組は不可欠なものである。このため、消費者は、自らの食生活に起因する環境への負荷に対する理解を深め、大量消費、大量廃棄の生活様式を見直すことが求められる。具体的には、食品の買い過ぎや作り過ぎに注意した食べ残しのない適量な食品消費、賞味期限や消費期限を考えた無駄な食品の廃棄の削減、献立の工夫などによる食品廃棄物等の発生の抑制に努める必要がある。また、食品を廃棄する際には、生ごみの水切り等により食品廃棄物等の減量にも努める必要がある。
  国は、一般家庭から排出される食品廃棄物等に係る食品循環資源の再生利用等を促進するため、教育活動、広報活動等による普及啓発を行うとともに、必要な調査研究を行うものとする。
  地方公共団体は、その区域の実状に応じ、消費者が自主的に取り組む食品循環資源の再生利用等を促進することが重要である。

二  食品循環資源の再生利用等を実施すべき量に関する目標

  食品関連事業者は、特定肥飼料等の需要の動向に対応しつつ、技術的かつ経済的な状況を踏まえて、食品循環資源の再生利用等の実施率を向上させるよう努めなければならない。
  具体的には、食品関連事業者は、食品循環資源の再生利用等の実施率を平成18年度までに20パーセントに向上させることを目標とする。ただし、平成13年度の時点において既にこの目標を上回る食品循環資源の再生利用等の実施率を達成している食品関連事業者にあっては、現在の実施率を維持向上させることを目標とする。
  なお、この目標については、目標の達成状況、社会経済情勢の変化等を踏まえて必要な見直しを行うものとする。

三  食品循環資源の再生利用等の促進のための措置に関する事項

  食品循環資源の再生利用等を実施すべき量に関する目標の達成に向け、食品循環資源の再生利用等を促進していくためには、次のような対応が求められる。

1  研究開発の推進

  食品廃棄物等の発生の抑制及び減量を推進するため、食品廃棄物等の発生を抑制するための食品の製造方法や、食品廃棄物等を効率的に減量するための技術を開発する必要がある。
  また、食品循環資源の再生利用については、その大部分が肥料又は飼料の原材料として再生利用されているが、今後、法の施行による再生利用量の増加、家畜排せつ物の農業利用の増加等を踏まえた場合、これら用途のみの利用では一定の限界がある。さらに、農業地域等と遠隔な都市部等においては、これらの地域特性を踏まえた再生利用を実施していく必要があり、メタン、乳酸その他の新素材への再生利用の開発及び普及が必要である。あわせて、食品関連事業者の再生利用等への取組を円滑化するため、食品の容器包装及び食品を廃棄するごみ袋への生分解性プラスチックの応用等新規技術の開発及び普及が必要である。

2  施設整備の促進

  食品循環資源の再生利用等を促進するためには、再生利用施設の整備を推進し、我が国における再生利用可能量を向上させていくことが重要である。
  再生利用施設の整備の推進に当たっては、肥料や飼料のような従来型の再生利用のほか、メタンのような新たな用途への再生利用の促進の観点に留意するとともに、大ロットによる効率的な再生利用が図られるよう、食品関連事業者が共同で利用することが可能な再生利用施設の整備を促進していく必要がある。

3  共同処理の促進等

  食品循環資源は、散在する食品関連事業者の事業場で少量ずつ排出されるという特性があることから、食品関連事業者が個別に食品循環資源の再生利用等に取り組むことは必ずしも効率的ではない。
  このため、実効性のある形で食品循環資源の再生利用等を促進していくためには、再生利用等を効率的に行い得るに足る規模の施設を有し、低コストで食品循環資源の再生利用等を業として行う者を育成していくことが重要である。したがって、国は、登録再生利用事業者制度の適正な運用を通じ、再生利用事業者の育成を図っていく必要がある。
  また、一定の地域内、同一の建築物内、同一業種内又は一連の流通過程において多数の食品関連事業者及び関係事業者が共同することにより、食品循環資源の再生利用等の効率化を図ることが重要である。したがって、食品関連事業者は、再生利用又は減量に係る処理施設の共同設置、食品循環資源の運搬の共同委託、再生利用事業者への共同委託、食品の生産から小売までの一貫した品質管理体制の整備による発生の抑制の工夫等により、食品循環資源の再生利用等の費用の削減に努めることが必要である。この場合において、食品関連事業者にあっては事業協同組合その他の法人を活用して再生利用事業計画の認定を共同して受けることにより、再生利用の共同化を進めることも重要であり、国及び地方公共団体にあっては食品関連事業者が共同で行う食品循環資源の再生利用等に対して必要な措置を講ずるものとする。
  さらに、地方公共団体は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の運用に際しては、食品循環資源の再生利用等の円滑な実施が図られるよう努めるものとする。具体的には、市町村による多量排出事業者に係る食品循環資源の運搬方法・再生先の指示及び市町村の委託する事業者の活用、食品関連事業者が運搬又は再生利用等を委託する廃棄物処理業者の育成・確保、特定肥飼料等の製造を行う事業者の設置する施設に係る許可等の円滑な実施に努めるものとする。

4  特定肥飼料等の利用者との連携の確保

  食品循環資源の再生利用が継続的かつ安定的に行われるためには、食品関連事業者や再生利用事業者の取組だけではなく、再生利用により得られた製品の安定的な利用を確保することが極めて重要である。
  したがって、国及び地方公共団体は、施設整備と併せ、食品廃棄物等を発生させる食品関連事業者、特定肥飼料等を製造する再生利用事業者及び農林漁業者等の特定肥飼料等の利用者の三者の連携が促進されるよう必要な連絡調整を行うとともに、国にあっては、再生利用事業計画の認定制度の適正な運用を図り、三者の連携を促進する必要がある。
  また、特定肥飼料等である肥料の施用に必要な施設機械の整備、営農技術体系の確立・普及等を通じて、農業を営む者による当該肥料の利用の促進を図る必要がある。さらに、特定肥飼料等である肥料及び飼料を利用して生産された農林水産物の消費を促進するため、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(昭和二十五年法律第百七十五号)に基づき、有機農産物等の表示の適正化が確保される必要がある。

5  特定肥飼料等の品質の確保等

  食品循環資源の再生利用が円滑に行われるためには、特定肥飼料等の品質及び安全性の確保を図ることが必要である。このため、国及び地方公共団体は、肥料取締法(昭和二十五年法律第百二十七号)、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(昭和二十八年法律第三十五号)等関係法令の適正な運用を行うものとする。また、国は、特定肥飼料等の品質及び安全性の確保を図るための調査研究及びその成果の普及を行うものとする。
  さらに、国は、食品関連事業者の選択に資するため、食品循環資源の再生利用又は食品廃棄物等の減量に使用される機械装置の性能に関する規格・基準について検討を行うものとする。

6  関係事業者の協力の確保

  食品関連事業者による食品循環資源の再生利用等を促進するためには、食品関連事業者と密接な関係のある食品関連事業者以外の事業者の協力の確保が不可欠である。具体的には、食品関連事業者がテナントとして入居する商業施設の設置者、給食の実施を委託する給食施設の設置者、食品関連事業者から食品の輸送を請け負う運送事業者その他の関係事業者は、食品関連事業者が行う再生利用又は減量に係る処理施設の導入、発生の抑制のための給食メニューの変更、輸送方法の改善その他の措置に協力することが望まれる。また、国は、これらの協力を促進するため、食品循環資源の再生利用等の意義について関係事業者の理解を深めるために必要な啓発活動に努めるものとする。

四  環境の保全に資するものとしての食品循環資源の再生利用等の促進の意義に関する知識の普及に係る事項

  食品循環資源の再生利用等の促進は、特定肥飼料等及び特定肥飼料等の利用により得られた農林水産物等の利用の促進とあいまって、食品及び特定肥飼料等の生産等に要する資源の消費の抑制、廃棄物の排出の抑制、廃棄物処理に伴う環境汚染物質の発生の抑制、農業の自然循環機能の維持増進等を通じて、全体として人間の活動に起因する環境への負荷を低減させ、環境への負荷の少ない循環を基調とする循環型社会システムを構築していくという意義を有する。
  以上のような食品循環資源の再生利用等の促進のためには、食品廃棄物等の発生の抑制をはじめとする広範な国民の協力が必要であることにかんがみ、国及び地方公共団体は、環境の保全に資するものとしての食品循環資源の再生利用等の促進の意義に関する知識について、広く国民への普及啓発を図るものとする。具体的には、環境教育・環境学習や広報活動等を通じて、食品循環資源の再生利用等の促進が環境の保全に資することについての国民の理解を深めるとともに、環境の保全に留意しつつその実施が行われるよう関係者の協力を求めるものとする。

五  その他食品循環資源の再生利用等の促進に関する重要事項

1  食品循環資源の再生利用等に要する費用の商品の価格への反映

  国は、食品に係る資源の有効な利用の確保及び食品に係る廃棄物の排出の抑制を図るためには、食品循環資源の再生利用等に要する費用を商品の価格に適切に反映させることが重要であることにかんがみ、その費用の円滑かつ適正な転嫁に寄与するため、法の趣旨及び内容について、広報活動等を通じて国民に周知を図り、その理解及び協力を得ること等に努めるものとする。

2  再生利用事業者に関する情報の提供

  国は、食品循環資源の再生利用等を促進するため、食品循環資源の再生利用等の実態、優良な再生利用等への取組等食品循環資源の再生利用等に係る情報の把握に努めるとともに、これらの成果を関係者に対して適切に情報開示していくものとする。また、食品関連事業者が再生利用事業者を選択するに当たって必要となる登録再生利用事業者その他の再生利用事業者に関する情報を収集整理し、食品関連事業者等関係者に対して広く当該情報を提供するものとする。

3  食品廃棄物等の発生の抑制の過程における食品衛生の確保

  食品廃棄物等の発生の抑制を図るためには、食品工場内において食品製造工程において発生した副産物の食品への有効利用を促進することが有効であるが、このような有効利用を行うに当たっては、食品衛生の確保のため十分な措置が講じられる必要がある。このため、国及び地方公共団体は、食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)に基づき、食品関連事業者に対して適切な指導監督を行い、食品廃棄物等の発生の抑制の過程における食品衛生の確保を図るものとする。

4  ライフ・サイクル・アセスメントの研究等

  関係者は、農林水産物等の生産、加工及び運搬、食品の製造、流通及び消費、食品循環資源の再生利用等並びに食品廃棄物等の廃棄に至るまでの全段階を総合的にとらえて行う環境への負荷の評価(ライフ・サイクル・アセスメント)の手法について、調査研究を進め、その確立を図るとともに、その手法の活用に努める必要がある。