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食料・農業・農村政策審議会畜産部会  平成25年度第4回部会 議事録

1.日時及び場所

平成26年3月24日(月曜日) 13時30分~17時13分
三番町共用会議所 2F大会議室

2.議事

(1) 開会

(2) 部会長挨拶

(3) 出席状況報告

(4) 資料確認

(5) 議事の進め方・資料説明

(6) 質疑応答・意見聴取

(7) チーズ向け生乳の補給金単価等の諮問・答申

(8) 意見の概要とりまとめ

(9) 閉会

3.概要

開会

○渡邉畜産企画課長
それでは、定刻になりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会の平成25年度で第4回目になります畜産部会を開催させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、御多忙中のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。
当部会の事務局であります畜産企画課の渡邉でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、武内部会長、議事のほうよろしくお進めいただきたいと存じますので、お願いいたします。

 

部会長挨拶

○武内部会長
部会長の武内でございます。
今日は、まだちょっと桜には早いのですけれども、大変清々しいいいお天気で、この会場は非常に眺めもよくて、大変いいなあというふうに今思っておりますが、この風景のように、議論も実り多きものであることをお祈りいたします。
それでは、まず畜産部長から御挨拶をお願いいたします。

○原田畜産部長
皆さん、こんにちは。
生産局長はちょっとおくれて参りますので、かわりに御挨拶させていただきます。
本日は、お忙しいところ集まっていただきまして、ありがとうございます。
前回議論を開始しまして、酪肉基本方針などの見直しにつきまして、これから中身のある濃い議論をさせていただきたいと思いますけれども、まず前回の雪害で各地畜産農家さんもかなり被害が出まして、後ほど御紹介しますけれども、関連対策を打ちました。
ふだんなれていない地域ということもあって、いろいろ知り合いに聞いても、なかなか現場でも戸惑っているというようなことで、この対策を早く浸透させて再建に向けて進めていくことができますように、私たちも最大限の努力をしたいと思っております。
今日は、特に酪農・乳業のテーマを中心に御議論いただきますけれども、私どもとしましては、基本的に、できるだけ委員の皆さんの意見交換を中心に話を進めていきたいと思っていますし、私たちも折に触れて御説明いたしますけれども、今日は特に中野委員、藤井委員からプレゼンテーションをしていただくということで、今まで畜産部会、こういう取り組みはなかったのですけれども、まさに委員の方々の知見を御紹介していただく中で、役所とは違った立場でのいろいろなお話が聞けて、私たちもいい勉強だと思いますし、基本方針の見直しに向けましては、大変意義のあることなのではないかと思っております。
今、部会長からもお話しありましたけど、庭に1本、桜の木がありますので、御休憩のときにちょっと出ていただくときれいな景色がありますから、そういったことで半日お時間を拘束させていただきますけれども、よろしくお願いいたします。

○武内部会長
どうもありがとうございました。

 

出欠状況報告

○武内部会長
それでは、議事に入らせていただきます。
まず、事務局から、委員の出席状況、配付資料の確認などについてお願いをいたします。

○渡邉畜産企画課長
本日は、武内部会長を含めまして、現在12名の委員の皆様に御出席をいただいております。
市川委員、飛田委員、山内明子委員につきましては、所用で本日は御欠席ということでございます。
また、笹﨑委員におかれましては3時ごろ、近藤委員におかれましては4時半ごろ、山内委員におかれましては5時ごろに御退席ということで、また冨士委員につきましては3時ごろから御出席ということで承っております。
規定によりますと、委員、さらに議事に関係のある臨時委員の3分の1以上の出席がなければ、会議を開き議決することができないと定められておりますので、本日は、規定数を満たしているということを御報告いたします。

 

資料確認

○渡邉畜産企画課長
また、続きまして、資料の確認でございます。
本日の資料でございますけれども、資料一覧のとおり、資料1から9までと、参考資料として「畜産・酪農をめぐる情勢」という資料がございますので、御確認をいただきまして、不足があれば申し出をいただきたいと存じます。

○武内部会長
ありがとうございました。

 

議事の進め方・資料説明

○武内部会長
それでは、本日の議事の進め方についてでございますが、まず初めに、先月25日に開催されました企画部会における主な議論の紹介と、国民からの意見聴取の考え方等について説明をしていただきたいと思います。
その後、先ほど畜産部長の御挨拶にもございましたように、今回の大雪につきまして、被害状況及び発表されました対策について畜産分野を中心に御報告をいただき、続いて、前回の畜産部会における委員の皆様から御意見があった主な事項に対する回答について説明をしていただきます。
そしてその後、本日のテーマでもあります酪農・乳業につきまして議論していただきたいと考えておりますが、これにつきましては、かねてより「酪農・乳業対策大綱」について検証すべきという御意見もございましたので、今回は事務局より、現行施策の検証として、「酪農・乳業対策大綱」の検証について説明をお願いいたします。
なお、酪農・乳業における酪肉近基本方針の検証については、飼料の話、環境の話等を含めて見ていく必要もございますので、次回にそれらを含めて御説明いただければというふうに考えております。
そして事務局の説明の後、先ほど来お話し申し上げておりますとおり、中野委員、藤井委員それぞれの委員からの将来の方向性等についての御意見を伺いまして、それらを踏まえて意見交換を行いたいと考えております。
本日の詳細な議事録につきましては、後日、皆様に御確認いただいた上で公開するということになりますので、よろしくお願いいたします。
できるだけ効率的な運営に努め、17時半ごろをめどに終了したいと思います。
円滑な議事の進行に御協力のほど、よろしくお願いいたします。
それでは、まず、先回の企画部会における主な議論等について、事務局からの説明をお願いいたします。

○田村畜産総合推進室長
畜産総合推進室長の田村でございます。
よろしくお願いいたします。
元気を出してまいりますので、よろしくお願いいたします。
お手元の資料3をごらんいただきたいと存じます。
食料・農業・農村政策審議会につきましては、先般2月25日に第2回の企画部会が開催されたところでございます。
大きく分けまして、こちら1ページ目でございますけれども、3点の審議事項がございました。
順に、簡潔に御説明申し上げます。
1ページおめくりいただけますでしょうか。
当面の企画部会の進め方、これは(案)がついておりますけれども、これは企画部会において了承されたものでございます。
上段に書いてございますように、夏までの間に、基本法制定以降の施策展開も含め、基本法の条文ごとに施策の検証を行っていくということでございます。
それから、1の(2)でございますけれども、政策目標、特に主要な課題としては食料自給率目標等でございますけれども、こういった目標あるいは展望につきまして、目標の達成状況や目標達成未達の要因等について検証するという進め方となってございます。
第2回企画部会が2月に開催されましたけれども、次回第3回の企画部会につきましては、明後日の26日水曜日に行われるということを聞いております。
具体的には、詳しくは述べませんけれども、先ほど申し上げましたような形で、基本法の条文ごとの検証、あるいは目標の達成状況等の検証ということを、一番下、第7回を7月ごろに開催すると書いてございますけれども、ここに向けて、月に1回ペースで審議を行っていくと。
以上が、簡潔でございますけれども当面の企画部会の進め方でございます。
次のページをおめくりいただけますでしょうか。
3ページ、横長の紙でございますが、食料の安定供給の確保に関する施策についての検証1と書いてございます。
基本法第16条及び17条でございます。
4ページ以降に、事務局のほうから企画部会に提出した詳細な検証の資料がついてございますけれども、こちらの説明については、時間の関係がございますので割愛させていただきます。
ただ、主なキーワードを申し上げますと、まず「食料の安全性の確保等」というふうに、先ほど申し上げた3ページの横長の紙をごらんいただきますと書かれてございますけれども、この食料の安全性の確保等ということにつきましては、GAPあるいはHACCP、それから放射性物質への対応、あるいは最近の課題で申し上げますと、冷凍食品への農薬の混入事件というものもございました。
こういったものがキーワードになろうかと存じます。
この食料の安全性の確保についての委員から出されました主な御意見を少しばかり御紹介いたしますと、例えば原発の関係でございますれば、原発事故の対応について、暫定規制値の設定で消費者が混乱し、風評被害が生じた面もあるということで、今後そういった事態を繰り返さないようにしてもらいたいという御意見。
あるいは、生産者がGAPを導入されているわけですけれども、そのメリットにつきましてもっと消費者にしっかりと伝わるようにすべきではないかといった御意見。
あるいは、先ほど申し上げました農薬の事件につきましては、農薬はホームセンターで自由に販売しているということで、今回の農薬混入事件と同じようなことをしようとすれば、どこでも起こり得るのではないかということで、それをどのように防ぐのかといったような御意見も出されたところでございます。
2点目といたしまして、3ページのほうに返っていただきますと、「食品表示の適正化等」ということが書いてございます。
このキーワードについて申し上げると、原料・原産地表示、あるいは最近の事件で申し上げますと、外食メニューの不適正表示問題といったようなことが挙げられようかと存じます。
委員のほうからは、原料・原産地表示につきましては、消費者が安全性を判断するための重要な手段になっているというような御指摘。
あるいは、加工食品の表示は細かいルールがあるのに、外食、中食では店員に聞くことができるということで対象外になっているということは、バランスを欠いているのではないかといった御意見が出されたところでございます。
3点目でございますけれども、食料消費の改善等というところでございまして、こちらは前向きなキーワードとしまして、当審議会でもこれまで御議論されてきた食育、あるいは国産農林水産物の消費の拡大、さらには最近の話題として、和食のユネスコ無形文化遺産への登録といったことを、どう国産の需要拡大につなげていくのかといったような課題というものがキーワードでございます。
こちらにつきましては、委員のほうから、例えば体験型の教育は大切である、現場での体験を推進するため、農水省、文科省がしっかり連携して取り組んでもらいたいという御意見。
あるいは、学校教育の中で今後食育をどう進めていくのか、食生活の指針、農業資源の有効活用、発展途上国への支援、捨てられている食品など、教育の中でしっかりと伝えてほしいといった御意見。
さらには、国産農産品の消費拡大のためには、例えばイタリアンのように手軽につくれて手間をかけないようなものがございますけれども、日本の食材を使って、誰でもそういった簡単につくれるようなメニューの開発というものが必要ではないかといった御意見が出されたところでございます。
4点目、最後でございますけれども、食品産業の健全な発展とございます。
こちらにつきましても、当部会におきましてもかなり審議されてきてございますけれども、輸出の戦略、あるいは六次産業化の推進といったようなところが今日的なキーワードかと存じます。
この点につきましては、委員のほうからは、例えばスパゲッティはイタリア産小麦がベストといったように、食品企業の海外進出と日本の食材、農産品の輸出というものを関連づけていけば、国内への波及効果も大きいのではないかといった御意見。
あるいは、国内人口の減少により国内需要は減るものの、世界人口は増加しているということで、海外の需要はふえていくということを踏まえ、海外展開を進めていくべきであるといった御意見。
その際、ユネスコ無形文化遺産登録、日本ブランドというものをどう使っていくのかという戦略が重要であるという御意見。
さらには、縮小する市場規模に対して海外市場は大きな希望である。
海外展開の際に、海外で通用する企画をつくっていくことが大事であって、HACCP、GAPなどグローバルスタンダードを見据えた企画制度とすべきであるという御意見。
さらには、所得倍増、六次産業化といった方針を出しているけれども、こういったものは農業者の皆様は不得手であるということで、どのように支援していくのかということをよく考えるべきであるという御指摘が出されたところでございます。
資料3につきまして、3つ目の審議事項としまして、現場の声、実態の把握ということ、あるいは国民からの御意見・御要望の募集といったことがございます。
こちらは、この後、資料4で畜産部会としての案を今から御説明いたしますので、中身の説明は割愛させていただきます。
それでは、駆け足で恐縮ですけれども、資料4のほうをごらんいただければと存じます。
資料3の後ろにあろうかと存じます。
資料4でございますが、表題といたしまして「新たな酪肉近基本方針及び家畜改良増殖目標の検討における国民からのご意見・ご要望の募集及び現場の声・実態の把握について(案)」とさせていただいております。
中身を順次申し上げます。
1でございます。
国民からの御意見・御要望の募集の手段といたしまして、農水省本省のホームページの中に意見募集サイトを立ち上げます。
さらに、地方農政局のホームページもございますので、こちらのほうにもリンクを張ろうと考えております。
さらに、畜産に関係する団体が非常に多くございますけれども、こういった団体などに対しまして、それぞれのホームページから我々の意見募集サイトにリンクを張るというように依頼をしようとも考えております。
こういった本省のホームページにつきましては、なるべく早く、遅くとも4月の頭ごろには立ち上げたいというふうに考えているところでございます。
その次でございますけれども、いわゆるITあるいはホームページを御活用されない方も当然いらっしゃいますので、本省あるいは地方農政局におきまして窓口を設けまして、郵送あるいはファクス等による提出も受け付けるということでございます。
(2)募集の告知でございますけれども、この点につきましては、ホームページのほか、最近、農水省もフェイスブックあるいはツイッターという新たな情報ツールも活用しているところでございますので、こういったところにも募集の告知をいたしまして、幅広く国民の皆様に、こういった取り組みを行っているということをPRしてまいりたいと考えております。
(3)でございます。
御意見の募集の期間でございますけれども、御意見・御要望を効果的に議論に取り入れるというために、2回に分けて募集を行うこととし、1回目が4月から9月の末ということを考えております。
これは後ほど申し上げますが、大体9月末ぐらいで、この畜産における各テーマについての基本的な議論、あるいは本格的な議論が一巡するという段階でございますので、ここで一旦御意見の募集を締めるということとしてはどうかと考えております。
その後、さらに12月から意見の募集を再開いたしまして、2カ月間しっかりと時間をとりまして、1月末まで募集をし、畜産部会での議論を踏まえた酪肉近や改良目標への御意見・御要望というものを募集したいと考えております。
2でございます。
これは前回の畜産部会でも申し上げました。
まさに畜産部会の委員の皆様、あるいは私ども事務局の職員一人一人が現場主義に徹するということで意見は一致していると承知しておりますけれども、この観点から、畜産部会の委員の皆様方におかれましては、生産現場の調査を行っていただき、現場の声、実態を十分把握していただく。
さらには、我々畜産部の職員一人一人も積極的に現地に調査に行って、現場の声を十分に拾ってくるということに取り組んでいきたいと考えております。
3でございます。
国民から出された「ご意見・ご要望及び現場の声の取扱い」とあります。
これは当然のことでございますけれども、事務局のほうで見やすいように御意見・御要望を整理した上で、適時の段階で畜産部会、本部会に国民からの御意見・御要望として提出しまして、御議論に活用していただくことを考えております。
1ページおめくりいただきまして2ページをごらんいただきますと、先ほど私が申し上げました農水省のホームページに設ける酪肉近基本方針、家畜改良目標についての審議をこういうふうに行っていますよということを国民に見せるためのホームページの案でございます。
とりあえず4月の頭にこういった形でスタートして、また委員の皆様の御意見などもいただきながら、より国民にアピールできるようなホームページづくりを行っていきたいと考えているところでございます。
国民の意見募集につきましても、2ページの中段下のほうに、「インターネットからの提出
御意見・御要望の応募はこちらをクリックして下さい」というのがございますけれども、こういった形でネットからの意見の提出もできるようにしたいと考えているところでございます。
資料4の御意見・御要望の募集等につきましては以上でございます。
最後でございますが、4ページをごらんいただけますでしょうか。
前回の部会におきまして、畜産部会のスケジュールの大枠につきましては御了承いただいたところでございます。
今回、夏ごろまでの畜産部会のスケジュールというものをお示しさせていただければと考えて、この資料を用意させていただきました。
次回の畜産部会につきましては、上から2つ目でございますが、まさに26年度の第1回となるわけでございますが、4月ごろに開催を予定しております。
ここでは現行施策の検証ということで、先ほど武内部会長からお話しいただきましたけれども、酪農・乳業も含めた酪肉近の基本方針の検証を事務局のほうから説明させていただくと。
同時に飼料・環境・消費・安全という、いずれも極めて重要な畜産環境のテーマでございますけれども、こちらの専門の委員の方からプレゼンテーションをしていただきまして、しっかりと議論していくと。
当然、あわせまして我々事務局のほうも、それぞれ関連する資料も御提出させていただきまして、議論の活性化に努めたいと考えております。
その後、第2回におきましては、食肉関係、あるいはその他の重要事項ということで、担い手、生産基盤などの重要性はこの場でご指摘いただいておりますので、そういった重要事項について同様の審議を行うと。
その後、第3回、6月ごろと書いていますが、第3回の畜産部会から第6回の畜産部会にかけまして、それまでの議論を踏まえた本格的な議論のフェーズに入っていきたいと考えているところでございます。
恐らく9月ごろの本格的議論を経た上で、それまでの議論の中間的な論点整理と申しますか、議論の整理といったものに入っていくということになろうかなというふうに考えているところでございます。
最後、※ですけれども、あくまでこのスケジュールは、今後の議論の状況等に応じて、あるいは委員の皆様方の御意見に応じまして、変更される可能性はあるということは御留意いただきたいと存じます。
私からは以上でございます。

○武内部会長
どうもありがとうございました。
今後、酪肉基本方針等を検討していくに当たり、広く国民から意見を聴取することは大変重要であるというふうに考えられますので、ただいま御説明のありました意見募集等の考え方、スケジュール案について、こういうことで進めさせていただいてよろしいでしょうか。

〔「異議なし」の声あり〕

○武内部会長
どうもありがとうございました。
それでは、この方向で進めさせていただきたいと思います。
続きまして、今回の大雪の被害とその対策について、さらに前回、委員の皆様から御意見がございましたことに対する回答についてということで説明をお願いいたします。

○渡邉畜産企画課長
まず、大雪関係でございます。
資料5でございます。
5-1に被害状況の整理がございます。
農林水産関係の被害ということで、先週までの段階で、県などを通じまして上がってきたものを積み上げた数字でございます。
農作物の被害、あるいは畜舎の倒壊等による家畜の圧死など、家畜が死亡してしまった、あるいは生乳を集乳車が道路を通行できないことで廃棄、あるいは停電で廃棄、ビニールハウスの損壊、畜舎の損壊といったような被害、合わせますと1,300億円を超えるような被害が現在積み上がっているところでございます。
まさに壊滅的な打撃が発生したというようなことが言えるわけでございます。
これに対する対策を、次の資料でございますけれども、資料5-2というところで説明をさせていただきたいと思います。
まず、こういった自然災害につきましては、支援対策は既存のものもちろんあるわけでございます。
融資あるいは農業共済での保険金がおりるといったようなものはあるわけでございますが、今回は、大雪で地域の基幹産業、農業が壊滅的な被害を受けたということで、特別の対策を発表したというのがこの資料でございます。
まず1点目、災害関連資金の無利子化ということで、通常、政策金融公庫からのセーフティネット資金というものを低利で貸し付けるというようなことをやっているわけでございますけれども、そういった制度資金関係、セーフティネット資金ほかの制度資金をこの雪害に対応してやる部分について、当初の5年間を無利子化するというような対応をして資金繰りを支援しているというのが1点目でございます。
2点目に、農業用ハウスなどの再建・修繕への助成ということで、これは「等」の中に畜舎も含まれるわけでございます。
畜舎など雪でつぶれてしまったというような場合への対応でございますけれども、これにつきましては、赤い字でポツが最初ございますけれども、通常、再建・修繕に係る補助率10分の3、3割ということですが、特例的に5割まで引き上げをするというのに加えまして、地方公共団体が補助する場合は国のほうから特別交付税措置を講ずるということで、農業者の負担を最小化できるようにしているということで、地方団体にもよりますけれども、地方のほうの補助が10分の4ということになれば、再建に係る農業者の負担は10分の1になるような特別の措置をしたところでございます。
また、撤去、つぶれてしまった部分の撤去については、地方負担を含めて10分の10出せるようにという意味で、定額の助成というもので措置をしているところでございます。
また、次のページ、3でございますけれども、共同利用施設として整備する場合には、もちろん共同利用施設の整備の補助金であります強い農業づくりの交付金で支援をするというようなことでございます。
さらに、特に畜産関係、7のところに畜産を特記してございますけれども、被災した畜産農家の経営安定ということで各種の支援措置を講じております。
畜産の関係の詳しいものが、一番最後の25ページにございます。
被災した畜産農家の経営の安定ということで、ここに詳細に説明をしてございますけれども、まず下のほうの主な内容(1)酪農でございますけれども、生乳廃棄を余儀なくされた酪農経営体に対しては、初妊牛の導入をしたりする場合、あるいは性判別受精卵移植をしたりするというようなものを補助金で支援をする。
あるいは(2)の肉用牛でございますけれども、新マルキン事業、粗収益が生産コストを下回った場合に、その差額の8割を補填する事業でございますけれども、被災した者については生産者積立金を免除する対策といったものを準備しておりますし、また養豚につきましても、同じように粗収益が生産コストを下回る場合の差額の補填の対策におきまして、同様に生産者積立金の免除をする。
あるいは、増頭あるいは母豚の導入といったものの支援を厚くするというような対策を講じたところでございます。
以上、雪害とそれへの対応策の御説明をさせていただきました。
引き続きまして、資料6をごらんになっていただきたいと思いますけれども、前回いろいろ議論になった事項につきまして整理をしたものでございます。
説明をさせていただきたいと存じます。
まず、資料をおめくりいただきまして1ページ、畜産物の商品の価格がどれぐらいで、一体生産資材への対策でどの程度の補助金が、また価格差の補填などで一体どの程度の補助金が出ているかというような御議論がございました。
一応資料も準備しておりますけれども、パネルも準備をしておりますので、見づらい部分は、大変恐縮ですが資料のほうでごらんになっていただければというふうに思います。
まず、1ページでございますけれども、例えば、ここにいろいろ商品の値段が書いてございます。
牛乳1リットルであれば、大体小売価格200円程度ということですけれども、餌の対策のほうから、国費分の補助として1円程度のお金が出ているということでございます。
他方、バターは、大体200グラム400円程度というような小売価格でございますけれども、餌の対策として2円程度。
一方、バターについては加工原料乳の部分に補填金が出ているわけでございますが、これが大体30円程度支払われているということでございます。
チーズにつきましては、チーズ100グラムで見ますと、やはり餌の対策のほうで1円程度、これに対してチーズについても補填金、助成金が出ておりますので、これが大体20円程度出ているというような試算でございます。
下の部分に肉牛がございます。
牛肉100グラム、これは左側が和牛などの肉専用種、右側が乳用種でございます。
小売価格を比べてみますと、左側の和牛などは大体サーロイン100グラムで1,200円程度、ももとか肩だと600円程度ということに対しまして、右側の乳用種のほうですと、大体その半分ぐらいの値段、サーロインであれば100グラム600円程度というようなのが小売価格になるわけでございますけれども、また、もも、肩であれば300円程度ということで、ちょうど半分ぐらいということになります。
これに対しまして、左側、和牛などにつきましては、餌の対策として国費が2~3円に対して、製品ベースの価格差補填が、いわゆるマルキンでございますけれども、これは価格がどうかによって出たり出なかったりするわけですけれども、24年度であれば6円程度というようなことでございます。
他方、乳用種のほうは、餌対策としては2円とか4円というようなことでございますが、マルキン、製品ベースのほうの補填で言いますと、24年、価格が悪かった年だと50円程度、25年ですと10円ちょっとというような額の国費が負担されているということでございます。
次のページが豚でございます。
豚肉につきましては、大体小売価格100グラム、ロースであれば250円ぐらい、もも、肩などですと120~130円というようなところでございますけれども、餌対策として1円から2円。
製品ベースへの価格差補填、これは24年度、価格が悪かったときは2.5円ということですが、今年度などは、まだ補填がないというようなベースになっております。
その下に鶏、左側が卵でございます。
1パック当たり200円程度のところに、餌、製品ベースのもの、それぞれ2円から4円ぐらい。
鶏肉のほうが右にございますけれども、こちらは製品ベースのほうは対策ございませんけれども、鶏肉100グラムが120~130円のところに対して、餌対策で1円程度の国費が補助されているというような計算でございます。
次に、3ページに行かせていただきまして、牛肉の嗜好の問題、いろいろ御指摘ございました。
牛肉の嗜好について、アンケートを紹介しております。
赤身肉の関心度は、全ての年代で、6割以上が赤身肉に関心があるというようなことでございます。
また、仮に同価格だったら、霜降りと赤身どっちを購買するかというのを女性にアンケートをとってみたところ、同じ価格だったら霜降りとお答えになった方が75%に対して、同じ価格でも赤身肉にしますという答えも25%というようなアンケート結果もありまして、霜降り一辺倒だけではなくて、赤身肉についても、一定の関心といいますか評価があるというようなアンケート結果がございます。
また、次のページ、新マルキン、対策における交付率といいますか、予算額に対してどの程度交付が行われているかというような御質問もございました。
4ページがマルキンでございます。
マルキンは、折れ線グラフの赤の線が生産コストで、青の線が粗収益でございます。
この差の8割を補填するということでございますけれども、ちょっと数字が見えなくて恐縮ですが、資料のほうで見ていただきますと、23年度などは、赤と青の線が非常に乖離して差額が大きいということで、所要額に対して66%。
左下の表にございますけれども、所要額に対して交付率、実際に使ったのが66%ということで、3分の2程度使っております。
一方、25年度などは、それほど価格が─最近、上昇傾向で価格が推移してきていますので、17%ということで2割程度が使用されているというようなものでございます。
また、同じようなデータを5ページ、次のページは肉用子牛についてつくったものでございます。
肉用子牛につきましても、子牛価格が保証基準価格を下回った場合に補給金を交付するということでございます。
これは価格の推移によって変わってまいります。
右側の表、一番下を見ていただきますと、22年度はちょっと価格が悪かったということで、27%、3割程度の執行ということでございますが、25年度は、ここ最近は子牛の価格が非常によくて出ておりませんので、交付率はほとんどゼロということでございます。
これは子取り用の繁殖雌牛の頭数が減少したということで、子牛の分娩頭数が減少して非常に需給が締まったということでございます。
ということで、次の6ページに整理してございますけれども、そういった肉用牛の繁殖基盤が弱体化しているのではないかというような懸念に対応いたしまして、今年度から、赤い文字で書いてございますけれども、いろいろな繁殖基盤を維持強化するための対策を拡充したということでございます。
これによって、しっかり繁殖基盤が維持、また拡大ということを目指して、今年度の事業は、奨励金の増額ですとか、あるいは今まで対象にしていなかった肥育経営体も一定の事業の対象にするとか、そういった支援の拡充をして、しっかり取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
また、7ページ以降、文化の関係でございます。
畜産にかかわる地域の文化あるいは伝統ということでございます。
家畜は、古来から役務用などに使われていたわけでございます。
例えば牛車に使われる、あるいはトラクター的に使うというようなこともありますし、あるいは、東天紅という鳴き声を鑑賞するような鶏もおりましたけれども、鑑賞用としても利用されたと。
また、畜産物、これは滋養強壮にすぐれるとして、薬のように考えられて重宝されたというようなことで、そういった文化があるということだろうと思っております。
他方、近代に入りまして肉食が本格化する中で、畜産物の需要が拡大するという中で現在の畜産業に発展する過程では、地域の気候あるいは環境といったものに適応した形で畜産業が展開をされまして、各主産地の文化、伝統にも大きくかかわってきたということ。
下のところに写真がございますけれども、左側が、世界農業文化遺産に登録された熊本の阿蘇の草地、放牧の風景でございます。
右側は北海道・足寄でございますけれども、冷涼な気候で広大な土地を利用して放牧が行われているというようなことで、地域社会の文化といったものの維持なりに重要な役割を果たしてきたということでございます。
また、8ページ、和食でございます。
和食は、日本人の伝統的な食文化ということで無形文化遺産ということでございますけれども、食材を選ぶことから始まって、栄養を考えながら料理を組み立てて、さらに、もてなしの心で料理を供して、それをどのように食べるかというようなことも大切な要素だというふうなことでございます。
昔ながらの伝統料理というものもさることながら、明治時代以降の西洋の食が入ってきたというような中で、すき焼きあるいは豚カツ、ここに写真がございますけれども、そういったような和洋折衷的な料理も、和食と一体として文化の中に入ってきたということなのではないかと思っております。
また、食のスタイルが多様化する中で、チーズのもろみ漬けですとか、あるいは乳和食、日本の伝統的な調味料と融合して、ここにサバのミルクみそ煮とございますけれども、そういった形もいろいろな試みが行われているということでございますので、そういったものもまた文化として、時間がたつ中で定着をしていくのを期待したいということでございます。
和食のプロモーションとして、日本食の文化を発信していく中で、畜産物についてもしっかり取り組んでいきたいということでございます。
また、ハラールの議論がございましたので、9ページ、ハラールの整理をしております。
国内でのハラール認証をされた屠畜場あるいは食鳥処理場でございます。
ここの下に3つ並んでおります。
全開連、羽曳野、本庄食肉センターとございますけれども、これは外国のハラール基準の認証を受けているということで、輸出可能な国がここに掲げられておりますけれども、イスラムの様式にのっとって食肉を処理するということで、輸出対応が可能なものがこの3つということでございます。
また、チキンについては、上のほうに2つ、株式会社エヌチキン、あるいは青森県の生産組合とございますけれども、これは認証を受けまして、国内向けでございますけれども、国内のイスラム教徒もハラールとして食べられるような対応、認証を受けているというような状況でございます。
また、学校給食の議論がございました。
10ページでございます。
地元産の食材を給食に利用するという取り組みでございます。
文科省とも連携をしながら食育活動をやるようなこともやっておりますけれども、各地で既に地元食材を使うというようなことは進んでいるものでございます。
また、畜産物の将来の需給が11ページでございます。
世界の食料需給でございますが、開発途上国を中心に、人口の増加あるいは生活水準の向上などで、特に畜産物の需要も拡大をするというような中で、開発途上国を中心に増加をするということでございます。
棒グラフが2本並んでいて、左側が2005、2007でございますが、右側に2030の予測を掲げてございます。
途上国中心に伸びていくということが期待されているところでございます。
また、12ページ、デンマークの関係を整理させていただきました。
デンマークは非常に農業教育がしっかりしているということで、理論教育と現場の実習をサンドイッチ式で交互に実施をするというようなことをやっております。
特に一定規模以上の農地を購入するには、従来、グリーンサーティフィケートと言って、文字の中の6行目あたりに書いていますけれども、農地を30ヘクタール以上使って農業をやるには一定の資格が必要だったのですが、その資格制度自体は2010年に廃止されましたけれども、現在でも大規模にやる方は、しっかり資格をお取りになってから参入されるというようなのがデンマークでは行われているということでございます。
また、13ページ、では日本はどうかということで、日本の農業大学校などの例でございますけれども、ここでも道府県の農業大学校が重要な役割を果たしているということで、座学あるいは実習といったもので農業研修も含めてやっておるわけでございまして、3割から7割といったような就農率でございます。
また、次の14ページ、いわゆる一般の大学はどうかということでございますが、大学でも、後継者育成のカリキュラムをやっている事例もございます。
やってない大学もあろうかと存じますけれども、例えば北海道のある国立大学では、上のほうにありますが、「草地畜産専修」と書いてございますが、別科という名称で、1年間が中心になりますけれども、まさに本当の農業研修を行うような、普通のプログラムとは若干違うプログラムでございますけれども、そういった取り組みがございます。
また、下にあります北海道の私立大学におきましては、ここも座学と実践をサンドイッチ方式でやりまして、大学4年間のうちトータルで1年間、実習するようなシステムを導入しているというようなことで、まさに経営者、担い手を育てるというふうな取り組みもあるということでございます。
畜産振興課長に引き継ぎます。

○小林畜産振興課長
畜産振興課長でございます。
前回の畜産部会で、笹崎委員から、種の保存は非常に重要である、国で積極的にやっていただきたいというお話がありました。
また、野村委員からも特に和牛の観点から、種の多様性に係る必要性という御意見もありました。
それで、今回、農水省はどのように取り組んでいるかということで、生物資源の多様性の確保という取り組みについて御説明したいと思います。
15ページでございます。
農林水産省においては、昭和60年に生物資源確保・利用ということで、新品種の育成や研究基盤の強化ということが重要であるということで、ジーンバンク事業というのを開始しております。
現在はセンターバンクの農業生物資源研究所において、農業・食品産業技術総合研究機構─農研機構ですね、あと家畜改良センターなどをサブバンクとして、連携して、在来の品種、近縁の野生種など貴重な品種について収集・評価をしております。
約22万点の植物遺伝資源の確保をして活用されております。
16ページでございます。
今度はサブバンクとしての畜産部門、家畜改良センターの取り組みを御紹介いたしますけれども、畜産分野の動物資源及び植物資源というものを担当してございます。
家畜・家きんを対象に、遺伝資源の重要なものについて特性を調査する。
生体や受精卵で保存しているということでございます。
ここに書かれているような、和牛の始祖と呼ばれる見島牛や短角などの品種や、鶏ではシャモとか名古屋コーチンの品種というものを保存しております。
植物についても、多様な品種を保存しているという状況であります。
一番下に書いてございますが、この遺伝資源の保存とは別に、家畜改良センター本体ではジーンバンク事業以外で、牛で3,000頭、豚で500頭、鶏で4万羽の育種資源というのを持っているところでございます。
17ページでございます。
家畜改良センター、要は国以外にも県、また民間段階でも生物資源の確保・利用という取り組みをしております。
18ページでございますが、家畜改良の議論も前回ございました。
国、農家、中間の精液供給者というようなそれぞれの立場で、これは酪農をモデルに書いた資料でございますけれども、役割分担をしながら効率的に進めていくというような体制をとってございます。
その、国の役割を担っていただいている家畜改良センターの実態でございますけれども、19ページ、全国に本所も入れて12牧場が配置されて、それぞれの畜種についての家畜改良の取り組みをしているというところでございます。
以上、簡潔な御説明でございます。

○武内部会長
どうもありがとうございました。
これまでの説明につきましての御意見もあろうかと思いますが、後ほど一括して御議論いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日のテーマでもあります酪農・乳業について議事を進めていきたいと思います。
まず初めに、現行施策の検証という意味も含め、畜産物価格のときにもお話がございましたけれども、「酪農・乳業対策大綱」の検証について、事務局よりの説明をお願いいたします。

○菅家牛乳乳製品課長
牛乳乳製品課長の菅家でございます。
私のほうからは、資料7につきまして御説明を申し上げたいと思います。
昨年末のこの審議会で畜産物価格について御審議をいただきました際に、次期酪肉近の見直しに当たりましては、「酪農・乳業対策大綱」についても検証をする必要があるという御指摘を頂戴いたしました。
それを受けまして、現在、当課を中心に主な措置、取り組みの現状評価、問題点等につきまして、関係者からヒアリングを行っているという状況でございます。
これらヒアリングの結果を次期酪肉近の議論につなげてまいりたいというふうに考えております。
本日は、その前段として、大綱の措置状況等につきまして御説明を申し上げます。
それでは、まず1ページ目をお願いいたします。
大綱の概要でございますが、この大綱自体は平成11年3月に策定をされております。
その策定の経緯が1ページの左側の青い箱のところに書いてございますけれども、食料・農業・農村基本法の制定の前段といたしまして、平成10年12月に農政改革大綱、農政改革プログラムが公表をされておりまして、ここで示された改革の方向性に即して酪農・乳業政策の具体的な改革内容を示したもの、これが「新たな酪農・乳業対策大綱」でございます。
この中におきましては、生乳や牛乳・乳製品について、市場実勢を反映した適正な価格形成を行う、これが非常に重要なポイントになっておりまして、こういう考え方を具体化するものとして、加工原料乳法の抜本的な見直し、そのほかの具体的な措置が講じられたということになっております。
次ページ以降、その主な措置、取り組みについて御紹介を申し上げます。
では、2ページ目をお願いいたします。
まず、大綱を受けました加工原料乳生産者補給金制度の見直しについてでございます。
この改革が行われる前までは、加工原料乳につきましては、国が生産者の手取り水準である保証価格というものを決めておりまして、左側の図の棒が2つありますけれども、その左側の保証価格、これと乳業者さんの支払価格となる基準取引価格、右側の棒ですけれども、この両方を決めまして、その差額を補給金として交付する、いわゆる不足払い方式という方式をとっておったわけでございますが、この制度に対しましては、国が一律に価格を決めるということになりますので、乳製品価格等の硬直化を招くといった御指摘。
それから、乳製品価格や加工原料乳の価格に市場実勢が適切に反映されないといった弊害が指摘をされる、こういった状況でございました。
こういったことから、大綱を受けまして加工原料乳法が改正されまして、平成13年度から右側の新たな仕組み、現行の方式に移行をしたわけでございます。
本制度のもとで加工原料乳価につきましては、生産コスト、市場動向等踏まえて、各指定生産者団体と乳業者間の相対交渉で、いわば民・民の価格交渉で決定をされる、補給金につきましては、生乳生産コストの変動等に合わせてスライドをして決定するという方式に変更をされたわけでございます。
その下のグラフをごらんいただきたいのですが、現行制度のもとで、この補給金を含めた乳価と生産コストがどういうふうになっているかという関係をあらわしてございますけれども、ざっとごらんいただけばわかりますように、生産コストに見合った水準のプール乳価が実現をされており、価格がコストを恒常的に大幅に下回っているといったような状況にはないわけでございまして、これは酪農家の皆さんが生産性向上に大変努力をしていただいているということかと存じます。
この点は、国民、消費者の皆様にも評価していただけるものというふうに考えておりますけれども、いずれにしても、このように現行制度は十分に機能しているというふうに考えてございます。
なお、ここで申し上げている生産費でございますが、これは統計上の平均値をとっております。
ですから、当然これより生産費が高い酪農家さんもいらっしゃるわけでございますけれども、そこは納税者に財政負担をお願いするというわけでございますので、平均的な生産費を基準として考えていくということが適当かというふうに思っております。
それでは、1ページ飛ばしまして4ページをお願いします。
指定団体のブロック化等生産流通対策についてということでございます。
大綱におきましては、指定生乳生産者団体制度につきましても広域化を図るということとされたところでございます。
制度改革の前状況では、指定団体というのは県単位で設けられてございまして、そういう体制ですと生乳の取扱量の差が拡大をして集乳コストも増大する、つまり県単位での取扱量の差が非常に大きくなって顕在化してきたというような状況と、不足払い制度の廃止によって、乳価交渉における指定団体の役割が一層重要性を増すと、こういったことが考えられましたことから、加工原料乳法を改正いたしまして、また生産者団体における十分な協議を経まして、都府県は8ブロックの単位に広域化をされて、北海道、沖縄を加え全国10の指定団体の体制に移行をしたわけでございます。
4ページの下のところにブロック化の状況というのがございますが、例えば東北ブロックですと東北6県、関東ですと9都県が入っていると、こういう地域ごとにブロック化をした指定団体というのが法改正によって誕生したというわけでございます。
それから現在の流通状況、この絵をごらんいただきますと、左から右に、酪農家から農協、農協から指定団体、指定団体から乳業メーカーというように生乳が流れてまいりまして、逆に右から左に流れるのがお金の流れ、乳代の流れということになっております。
広域化する前までの制度におきましては、この図における県連、県酪連といった細長い丸のところがございますが、ここが指定団体でございました。
すなわち各県ごとにこういったものが置かれていたというわけでございますが、それが広域化によりまして県を超えての調整が可能になりましたので、集送乳の合理化が相当程度進展をする、それから、配乳や広域調整が可能となって、乳業メーカーの注文にもより的確に対応できるようになると、こういったことから販売不可能乳が減少いたしまして、余乳処理の体制も強化をされたわけでございます。
しかしながら、近年、酪農家戸数の急激な減少に伴いまして、酪農家が点在化するというような状況になっている場所も出てきておりますので、乳業再編と合わせてクーラーステーションの再編とか統合、集送乳の最適化、組織体制の見直し、さらなる合理化を図っていくことが重要であるというふうに考えております。
では、5ページ目をお願いいたします。
大綱におきましては、乳業工場の製造販売コストの低減を図るといった観点から、稼働率の低い乳業工場の再編・合理化を推進するということもうたわれております。
大綱を受けまして、酪肉近の中でも工場数の目標値を設定するといった取り組みを行ってまいりまして、あわせて国としても、乳業再編事業、乳業施設資金といった予算面、政策資金面での支援措置を講じて、乳業メーカーの再編・合理化ということに支援をこれまでしてきたところでございます。
こういったことを受けまして、下半分のところのグラフをごらんいただきますと、飲用牛乳工場数は、再編・合理化の進展等により、概ね目標水準を上回るペースで再編が推移をしてございます。
一方、飲用需要は見通しを下回って減少している状況にありますので、今のままでいいということではないということでございます。
他方、乳製品工場につきましては、一時的に再編・合理化が進んだということがあるのですけれども、近年は発酵乳、チーズ等の需要増から、目標の趨勢には及ばない状況になってきてございます。
このようなことから、飲用工場を含め、今後さらに再編・合理化を推進していく必要があるというふうに考えておりまして、国の事業を活用しやすくするといった工夫もしてまいりますけれども、乳業メーカーにおかれても、主体的に合理化に取り組んでいただきたいというふうに考えております。
次、6ページをお願いいたします。
学校給食用牛乳の供給事業についてでございます。
学校給食への牛乳供給を支援する学乳事業につきましては、大綱におきましては、その在り方を見直して、速やかに効率的な実施方式に転換をするということが求められたところでございます。
これを踏まえまして、保護者等関係者から成る検討部会を平成11年4月につくりまして、その改善方法が取りまとめられまして、その内容がこの青い枠の中にございます。
供給事業者の選定、供給価格の決定、国の助成の在り方、こういったものについて御指摘が多々ございまして、右側のオレンジ色の枠における対応内容、こういった措置を講じてきたということでございます。
このオレンジの枠のところでございますが、幾つかの指摘に基づきまして、まず供給事業者及び価格の決定に当たりましては入札方式を採用する、これと合わせて、供給事業者はHACCPの承認取得者である、こういったことを要件として明示的に求めるということといたしました。
また、国の助成につきましては、輸送費のかかり増し経費の補助等を中心とするメニューに変更する、こういった見直しを行ったところでございます。
下段の参考、課題のところにございますように、見直しを行ったものの入札につきましては、入札を行う供給区域、これは全国で1,142あるということなのですが、そのうち7割以上で1者応札にとどまっている、つまり競争性が十分働いていないのではないかということ。
それから、学乳供給事業者のHACCPの取得につきましても微増にとどまっているとおり、現在60%をちょっと超えた程度というところになっております。
牛乳の飲用工場におきまして、衛生管理に細心の注意を払って取り組んでいただくということは当然のことでございますが、中でも特に学校給食牛乳につきましては、児童生徒さんが飲まれるものでございますので、現在60%ということでございますけど、これは取得率の大幅な向上が今後必要であろうというふうに考えてございます。
それでは、次、7ページをお願いいたします。
大綱におきましては、先ほどちょっと申し上げました市場実勢を反映した価格の形成を推進する、こういう観点から入札による透明性の高い取引を行う場を創設するというようなことがうたわれまして、平成11年に乳製品の取引市場が開設をされました。
どういう仕組みだったかというのが真ん中のところに書いてございます。
乳製品取引市場運営機構というものを設立して、上場するものは国産の乳製品と農畜産業振興機構(ALIC)、当時は農畜産業振興事業団と言いましたけれども、ここが輸入した乳製品でございまして、それを入札によって実需者、消費者等に売り渡すという仕組みでございました。
その結果どういうことになったかというのが左下の青い囲みのところから始まるのですけれども、本来は、リアルタイムの価格情報の提供を通じて乳製品の価格の指標を形成するというもくろみで始めたわけでございますが、上場する品物がなかなか多く集まらなくて、不定期の開催になって、平成22年に市場は終了したという結果でございました。
やはり乳製品につきましては、原料となる国内の生乳価格の変更が年間1回であること、また国内の乳製品価格が国際指標の影響を直接には受けがたいような仕組みになっていると、こういったことから相対取引が中心だったわけでありまして、なかなか入札取引への移行が難しかったということがあるのではないかというふうに考えてございます。
現在のところは、農水省から主要乳製品につきまして大口需要者価格を公表しておりますし、ALICさんにおかれても、輸入乳製品の入札を行うために入札の結果を公表するということを行っておりまして、これらの価格情報が取引の当事者間で共有をされ、こういったものを指標として取引が行われているという状況であります。
8ページ以降は、大綱の項目ごとの措置状況を整理しておりますけれども、説明が長くなりましたので、割愛をさせていただきます。
後ほどお目通しをいただければと存じます。
以上で説明を終わります。

○武内部会長
どうもありがとうございました。
事務局からの説明は以上ということで、これから中野委員、藤井委員それぞれから酪農・乳業をテーマとして、委員としてお考えの将来の方向性等について御説明をいただけたらと思いますが、その前に、笹﨑委員におかれましては3時ごろに御退席ということでございますので、何かございましたら、ここで御発言いただきたいと思います。

○笹﨑委員
済みません、今日はちょっと用事がありまして不在をいたします。
その前に基本的なことをお尋ねしたいのですが、先ほど企画部会のお話がございました。
実は朝日新聞で、2月25日に開かれた企画部会について26日の記事がございまして、たまたまそれを目にしましたところ、私としては疑問な点がありますので、御質問を投げかけたいというふうに思っております。
どういうことかと言いますと、記事ですから、これは正確な記述かどうかは不明ですが、こういうふうに書いてあるんですね。
食料・農業・農村政策審議会の企画部会で25日、食料自給率の目標を現行の50%(カロリーベース)より下げるべきだという意見が出た。
自給率は長らく40%前後の横ばいが続いていて、現実と目標がかけ離れているためである、というふうに話が出ております。
で、どういうことを言っているかと言いますと、政策の目標値というものは、実態と根拠に基づいたものにすべきだと強調したという意見が出ています。
自給率がとにかく高ければいいでは、目標を設定する意味がなくなってしまうと語ったと。
事実かどうかわかりませんが、経営をしている立場で言わせてもらうと、おかしな議論だなという話がございます。
目標というのは何のためにあるのか。
目標というのは3つあるわけですね。
1つは、必達目標というのがあります。
もう一つは理想目標があります。
もう一つは、現状追認の場当たり目標があります。
この3つの何を目指していくのかというところが、私には見えません。
根拠という話がありました。
実態と根拠と。
私が目標を設定する場合の根拠は、会社で言えば、会社をつぶさないということです。
国で言えば、ほかの国に脅かされたりしても、国民を養っていけるという根拠であります。
これが食料自給率の問題なのだろうというふうに思っています。
ただ、カロリーベースがどうとか、いろいろな計算方法がありますので、テクニックの問題はこの場では避けます。
ただ必達目標というのは、損益分岐点を絶対に切らない、赤字にならないというのが必達目標です。
ところが理想目標というのは、さらに利益が出て継続的な投資ができるというのが理想目標であります。
場当たり目標でいったら、その会社は危ないということになります。
今、国は実は場当たり目標で動いているのではないだろうかなと。
なぜかと言いますと、初めに予算ありきです。
今までは税収入、国債を含めて膨らませたお金が入ってくるということでいろいろなことができたかもしれません。
しかし、ここには危機管理という意識がございません。
その上で、目標を下げればいい、上げればいいなんていう議論をしていると、この議論は一体何のためにするんだろうかというふうなことが、私にはどうしても疑問であります。
会社でも経営会議というのがあります。
目標の設定をするわけです。
あるべき姿の目標があります。
しかし、それはなぜかと言いますと、現実とのギャップがあるからであります。
現実とのギャップがなければ、経営会議も要りません。
企画会議も要りません。
そんな意味で、そのギャップをどう埋めていくのかという議論が、私は目標設定と同時に審議会が果たすべき役割なのだろうというふうに思っています。
その差で何が起こるかというと、真剣に取り組む気があるかどうかという差が目標設定の数値をあらわしていくということになります。
一番大事なことは、食料としての必要量はどのぐらいならばという試算が必要になります。
これはカロリーベースにしても何ベースでも結構です。
それに対して、再度、国内で生産ができるのかどうかという議論が一つあります。
国土面積とかいろいろな問題があります。
あるいは労働人口もあります。
そして、そこでギャップが起こったとしたら、その生き残りのために、国益を確保するためにはどういうふうにしたらいいのかということの政策目標が出てくる。
これは政治家の方々にやっていただくほかはない。
私たちに大事なことは、国益を確保するための数字は○○である、しかし現実は○○だということをはっきり提示することだろうというふうに思っています。
自給率を上げればいい、下げればいいという議論ではなくて、どうあらねばならないのかという議論を、根底をやらないと、いつまでたっても場当たり的な政策提言になってしまうのではないだろうかという、私自身の忸怩たる思いが実はございます。
先がないとわかっていても、先の議論をしないのはリーダーがとるべき道ではないというふうに私は思っていますので、会社経営をしている建前、そんなことをいつも考えながら寝られない夜も過ごしておりまして、危機意識というのがどのぐらい大事かということが第1番目です。
2番目は、私も60か国ぐらいあちこち回りましたけれども、マネーとか情報とか物流はグローバル化できます。
しかし、世界の考え方は決してグローバル化の考え方ではない。
例えばクリミア半島の問題にしてもそうだし、まだ19世紀の発想がのさばっているという現実を目の当たりにするわけですね。
そのためにどうしたらいいのかというところをもう少し突っ込んだ議論をしていかないと、こういうのんきな世の中は続かないというふうに私は思って、あえて申し上げたいというふうに思います。
食料争奪戦が本格的になる前に準備をするということを繰り返し伝え続けていくということが大事なんだろうなということ、自分が死んだ後、若いメンバーが生き残れる素地をつくっておくのが僕の仕事ですので、そういうことを考えております。
最後に3番目、「成長の限界」という話が1972年、ローマクラブから言われました。
それ以降、食料の増産体制の技術革新が大変ありました。
まだまだあると言えばそれまでですけれども、日本の場合は、いろんな状態がありながら、田畑資源を放置して厄介もの扱いするという政策は正しい選択ではない。
そのために、それをどうしたらいいのかという本格的な本音の議論をしていかないと、それぞれの業界の都合の議論だけ聞いていたら、多分深みにはまっていくのではないだろうかなというふうな思いがしてなりません。
そんなことの理想論を、今日は初回でございますので提案を申し上げて、その上で皆さん方の幅広い意見を酌み取りながら、どういう形でまとめていくのかという一つの畜産部会としての提案にしておきたいなというふうに思います。
済みません、勝手なことばかり申し上げましたけれども、基本的にはそんな気持ちで参加をさせてもらい、議論を私は進めていきたいというふうに思っております。
よろしくお願いを申し上げます。
不在をしますけれども、申し訳ありません。

○武内部会長
どうもありがとうございました。

○田村畜産総合推進室長
食料自給率につきましては、企画部会におきまして、前回、食料の供給に関する特別世論調査結果の概要といったものの資料、いわゆる世論調査の結果が示されたところでございます。
いずれにしましても、自給率自体のお話、40%をどうしていくのかという今報道のお話しございましたけれども、当然でございますが、まだ審議を始めたばかりでございますし、実際の審議のテーマとしては、次回の第3回あるいは第4回でまず検証を行っていくと。
検証についての議論が次回以降行われていくと、こういうフェーズでございますので、今、笹﨑委員からお話しになられたようなことも、この中に企画部会の委員の先生方もいらっしゃいますけれども、いずれにしましても、企画部会において真摯な議論がこれからなされていくということでございますので、そのように御理解いただければと存じます。
以上でございます。

○笹﨑委員
済みません、新聞だけの話しかわかりませんものですから、失礼があったらおわびを申し上げます。

○武内部会長
多分私どもの部会でも、その自給率について畜産分野でどう考えるかということについては、これから議論していくということになると思います。
そういう中で畜産の場合の一つの大きなポイントは、餌を海外から調達しているので食料自給率がゼロになってしまうというふうな、そういう式自体の問題も含めて、もう少し深掘りで考えなければいけないと私も思っております。
おっしゃったように、数字もカロリーだけでやっていくと、例えば野菜なんかカロリーゼロですから、幾ら国内で一生懸命つくっても、それは自給率の向上につながらないとか、そういういろいろな矛盾もはらみながら皆さんいろいろ意見が出ているという状況ですので、おっしゃっていることの重要性というのは私もよくわかっておりますが、総体的に全てを見て、冷静な議論が必要だと思うのです。
ただ、その数字を守るのか守らないのかという意味ではなくて、いろいろな数字の出し方があり、その背景になっているいろいろな考え方があるわけですから、そういう中で日本の農政としてどういう方向を目指していくかということを考えるということが大事で、間違っても思いつきでいろいろなことをやってはいけないということは、これは私どもとして肝に銘じて考えておかなければいけないところだというふうに思います。
どうもありがとうございました。
それでは、中野委員、藤井委員より説明をお願いしたいと思います。
それでは、最初に中野委員に説明をお願いしたいと思います。

○中野委員
中野でございます。
トップバッターなので、どういう切り口でお話をするかちょっと迷ったのですが、10年後を見据えての議論をこれからしていくということになろうかと思いますので、本日は、乳業者の視点で「乳資源確保と酪農乳業の持続的発展に向けて」ということでお話をさせていただきます。
(パワーポイント)
本日のプレゼンの趣旨ですが、基本的には乳業者の視点から、グローバル化の中で食料資源としての乳資源をどのように理解し、今後の日本の酪農・乳業に関する課題を克服していくかというような視点から、大きく分けて3つお話をさせていただきます。
1つ目が、食料資源としての重要な乳。
2つ目は、日本の牛乳・乳製品の産業構造について。
3つ目は、酪肉近の見直しに向けてということでお話をさせていただきます。
(パワーポイント)
まず、1つ目は、食料資源としての乳をどのように理解して位置づけるかという観点からお話をします。
乳を食料資源として捉えるのか、どういう捉え方をするのかで、基本的な議論のベースが変わってくると思っております。
少し基本的な内容ではございますが、酪農・乳業を理解していただくために、あえてお話をさせていただきたいと思います。
(パワーポイント)
この絵は、生乳から様々な乳製品に分かれていく過程をミルクツリーと称してあらわしたものでございます。
ミルクはほぼ完全な栄養食品と言われており、幅広い用途で使われている基礎的な食品であるということです。
加えて、消費の裾野が大変広く、牛乳のようにそのまま飲むだけではなくて、様々な形で加工され、多様な食品の原材料としても使用されています。
また、ミルクの中に含まれる微量成分を含めまして、まだまだ未知の可能性を秘めた食材であるとも思っております。
量で言えば、米に匹敵する食料資源とも言えます。
生産量は約760万トンですが、輸入を含めますと1,200万トン弱の需要があるということです。
生乳の最も重要な特徴は絵を見ていただくとわかりますが、特定の枝葉だけを大きくして、木そのものが成長することはできないということです。
生乳から分離・加工され、様々な乳製品がつくられております。
ただし、分離をすれば必ず片割れの乳製品ができるということです。
具体的に言えば、生乳から脂肪を分離してバターをつくれば、その片割れで必ず脱脂粉乳や脱脂乳ができるということです。
同様に、チーズを生産する場合は、必ずホエイが産出されます。
また、生乳生産と需要の季節偏差などによる需給調整は、主に保存性の高い脱脂粉乳やバターを生産することにより行われています。
(パワーポイント)
このような中で、乳業者がやっていることをお話させていただきます。
生乳をバランスよく加工してプロダクトミックスを工夫することで、生乳そのものの付加価値は大きく変わります。
また、生乳生産と需要の季節偏差などに対しまして、プロダクトミックスを工夫し、需給調整を行っているということです。
生乳は、いわゆるトヨタ方式、ジャスト・イン・タイムでは入手することができません。
生産された生乳は、生乳のままでは保存性が低いので、全て適切に加工することが求められております。
このような仕組みがうまく回るためには、生乳生産基盤を常に安定的に維持し続けることが大切であります。
過去、生乳の増産と減産のサイクルの中で、国産乳製品の需要を喪失してきたということもありましたが、我々乳業者にとっては、生乳生産が安定しないということは、設備や要員を維持することが困難になるということです。
基本的に乳業は装置産業であるということです。
この絵に示されていますとおり、酪農と乳業は密接な関係にあり、車の両輪と言われております。
このような関係の中で我々乳業者の役割は、1つ目としては、需要の拡大を図ること、2つ目は、生乳の付加価値を最大限に高めること、3つ目は、生産基盤を安定させるために需給調整機能の一端を担うこと、と考えております。
具体的には、品質、投資、合理化というような取り組みを常に継続的に行っているということです。
(パワーポイント)
次に、日本の牛乳・乳製品の産業構造について簡単にお話をいたします。
(パワーポイント)
このグラフは、青が牛乳・乳製品の総供給量、黄色が国内生産量でございます。
黄色の棒よりも上の青の突き出た部分が輸入乳製品ということになります。
平成24年度では輸入乳製品が約36%と、国内生産量では総需要を賄い切れていないということです。
国内生産量が年々減少しているために、輸入品のウエートは平成元年の21.1%から平成24年の35.5%まで、年々高まってきているという状況です。
輸入品の主な内訳は下に記載のとおりですが、チーズは既に自由化をされているために輸入量が多く、総輸入量419万トンのうち約300万トンを占めています。
ちなみに、チーズの関税はナチュラルチーズで29.8%、プロセスチーズで40%となっています。
同様に、自由化されておりますアイスクリーム等も59万トンあります。
(パワーポイント)
この図は、主要乳製品の需要量を示しております。
ごらんのように、チーズ、発酵乳、生クリームの需要は堅調に伸び、生乳需要を牽引しておりますが、牛乳は漸減傾向が続いているということがわかると思います。
酪農・乳業産業は、生産された生乳を適切に全量加工しなければならないので、常に安定的な需要先を確保していくことが大変大切になります。
したがって、需要が伸びている発酵乳やチーズなどの需要拡大は、我々乳業者にとりましても酪農乳業界全体にとりましても大変重要であります。
今回、チーズが補給金対象に組み入れられましたが、国の政策ベクトルもこうした認識に基づくものと理解しております。
乳業者といたしましても、伸びているカテゴリーにつきましては安定的に乳量を確保し、積極的に需要を拡大させていきたいと思っております。
(パワーポイント)
ここで、乳資源の安定確保の重要性と課題ということを少しお話をさせていただきます。
牛乳・乳製品の全世界での貿易量は、世界の生乳生産量のわずか7%程度となっております。
また、世界の人口は2050年には96億人に増加すると予想されており、食料の需要はますます伸びていくと思われます。
人口の増加は主に新興国であり、その新興国では食の洋風化が進み、牛乳・乳製品の需要はますます拡大すると見られております。
一方で、酪農生産地帯は限られており、牛乳・乳製品の輸出力のある国は数か国に限定されています。
オーストラリア、ニュージーランド、EU、アメリカといったところが主なところです。
当然のことながら、世界の生乳生産量も将来に向けて拡大はしていくと思われますが、大部分は自国内消費に回るとみられ、その結果、将来はお金を出しても輸入できないという状況に至ることが懸念されます。
これに対応していくため、食料資源としての乳の安定的な確保の観点から、国内の生乳生産基盤の維持・拡大は重要であると考えております。
(パワーポイント)
これは乳製品工場及び牛乳処理工場の数の推移でございます。
先ほどの菅家課長の資料と一部重複しますが、平成元年から平成20年まででは、約40%工場数が減少いたしました。
しかしながら、平成20年以降は減少幅が小さくなっております。
現行の酪肉近では、平成20年度対比で平成32年度に2割の削減が目標とされております。
このグラフは平成24年までしかありませんが、25年でも7件ぐらい減っていると聞いておりますので、32年度の目標には、これでも何とか届くのかなと思っております。
平成元年から20年までは比較的規模の小さい工場がなくなってきましたが、これからは、ある程度カーブが緩やかにならざるを得ないと思っております。
コスト競争力、強い乳業づくりという観点から、乳業にはより一層の合理化努力が求められていると我々自身も認識をしております。
合わせて、付加価値をつけた牛乳・乳製品を適正な価格で販売できる市場をつくるため、努力をしていくことも大きな課題と認識しております。
(パワーポイント)
最後に、酪肉近の見直しに当たり、議論の一助になればという視点でお話をさせていただきます。
(パワーポイント)
酪農・乳業の持続的発展に向けてということでお話をします。
車の両輪であります酪農と乳業、そして行政との関係について、現在の環境認識を踏まえ、私なりの整理をしてみました。
まず、3者とも、今後はグローバルな視点を持って考えざるを得ない状況であるということです。
特に10年後を見据えた場合、この視点が強く求められます。
その中で車の両輪である酪農と乳業が、それぞれの役割を認識し、その役割を果たすことにより、双方が発展していかなければなりません。
車の両輪ということですから、どちらかの車輪が大きかったり、回転が速かったりしたのでは、スピードをもって真っすぐ進むことはできないということです。
生産者と乳業者がそれぞれの役割を果たす中で、日本の酪農・乳業がスピード感を持って力強く真っすぐ進むための環境づくりとサポートを、行政の皆さんには期待をしたいと思っております。
将来のビジョン、酪農・乳業双方の役割や自助努力の方向性、そして行政の役割は如何にあるべきか、ということを整理するのが、今回の酪肉近の議論の目的になるのではないかと思っております。
酪農・乳業という産業は、食料資源としての乳を扱っており、食料自給率や食料安保の視点からも、日本にはなくてはならない産業であると国民的な理解を得ることが大切だと思っております。
また、そのためには、生産者と乳業者の役割と自助努力、そして行政のサポートが必要です。
(パワーポイント)
この3者の中で我々乳業者の役割とは、こういうことではないかと考えております。
1つ目は、サプライチェーンを俯瞰したローコストオペレーションを実現するということです。
2つ目は、生乳を適切な商品に加工することで付加価値を最大化し、市場の拡大と深耕を図っていくということであり、3つ目は、プロダクトミックスの最適化により、乳資源を有効に活用し、需給調整を図るということです。
4つ目は、いろいろ議論が分かれるかもしれませんが、酪農・乳業の成長を将来的に下支えすると予想される輸出ビジネスへのチャレンジです。
もう一方では、海外乳原料の安定的な確保への取り組みも乳業者の役割ではないかと思っております。
次に、競争優位となる客観的な衛生・品質の向上であり、これらにしっかりと取り組むことによって、車の両輪である乳業が強い競争力を持つことができると考えております。
(パワーポイント)
次に、世界の動向と日本の酪農・乳業が目指すべき方向ということで整理をさせていただきました。
グローバル化の流れの中で、世界の動向を常に意識して、日本の酪農・乳業が目指す方向を定めていかなければならないと思っております。
乳製品の世界で流通する価格は、世界的に上昇傾向にあります。
これは単に生産コストの問題だけではなくて、需給バランスによる価格の上昇圧力がその背景にあります。
一方で、日本の酪農・乳業は、車の両輪がそれぞれの役割を果たし、競争力のある構造になることで、現状の内外価格差をある程度縮められる可能性もあると思っております。
そうなれば、日本の酪農・乳業がグローバル化の中で持続的な成長を果たし、新たなビジネスチャンスを見出していくことが十分に可能であると認識をしております。
(パワーポイント)
最後のページになりますが、グローバル化の中で酪農・乳業の成長に向けてということでお話をします。
グローバル化の中で、日本の酪農・乳業が10年後の将来も持続的な成長を果たしているイメージを図にしてみました。
まず、右側の円ですが、日本の酪農・乳業にはすぐれた技術があります。
それは、飼養技術であり、乳の加工技術であり、高い品質です。
一方、左側の円の市場を見ますと、日本の国内市場は人口の減少は避けられませんが、付加価値の創造による市場の拡大はまだまだ可能だと思っております。
また、海外乳製品との差別化による国内乳製品の拡大も可能です。
先ほどの図にありました通り、総需要1,200万トンのうち760万トンが国産ということですので、まだ国内乳製品を伸ばす余地は大いにあると感じています。
加えて、隣接する東南アジアなどは、人口の増加と食の洋風化により、乳製品需要は拡大をしていきます。
内外価格差の縮小が前提にはなりますが、日本の酪農・乳業にとってはビジネスチャンスもあると思っております。
そのためには、すぐれた技術を維持・発展させること、あるいは差別化できる付加価値の高い商品を開発すること等、我々乳業者の自助努力はもちろんですが、国内の良質な生乳生産基盤の安定が必要不可欠です。
今回の酪肉近の見直しに当たっては、このような視点を持って具体的な議論ができればと思っております。
簡単でございますが、以上でございます。

○武内部会長
どうも大変包括的な御意見、ありがとうございました。
ここで10分ほど休憩を挟ませていただきたいと思います。
3時15分過ぎに再開をいたしますので、一旦ここで休憩をいたします。
午後3時06分休憩 午後3時16分再開

○武内部会長
それでは、時間になりましたので再開をさせていただきます。
それでは、次に、藤井委員に発表をお願いしたいと思います。
よろしくお願いします。

○藤井委員
発表をさせていただきます。
有限会社藤井牧場代表の藤井です。
今回この発表をさせていただくに当たりまして、藤井牧場は創業が1904年でして、ちょうど110年に当たる年となります。
恐らく110年の歴史の中でも、こういった国の中枢でお話をさせていただくという機会は初めてだと思いますし、これからもないだろうなと。
そういう意味で本当にこの発表というのは、いかに大きなものなのかということを感じながら今回発表をさせていただきます。
きのうも2時過ぎまで資料をまとめておりまして、千歳に朝5時に起きて行ったので、ちょっともうろうとしているのですが、そんな感じでやっています。
それで、やはり北海道の酪農家、非常に今厳しい現状に─北海道だけじゃないですね、都府県も含めて、離農が相当進んで地域の崩壊が起きている、生産目標に達せないというような中で、そのあたりも、生産者の代表と言うとおこがましいのですが、そういった意見をできるだけ多くの人に会ってお聞きして、それをお伝えしなきゃならないということも感じましていろいろな方に会ってきたのですが、いろいろな御意見を聞いた結果、何が何だかよくわからなくなってきて、非常にまとめるのに苦労をして、そんな感じできのうまでかかってしまって、非常に資料作成等で御迷惑かけたのですが、これから大体30分ぐらいですが、精いっぱい発表させていただきますので、よろしくお願いいたします。
(パワーポイント)
まず、要旨としては、非常に悩みに悩んで「近代化とはなにか」ということを考えた結果、まず最初に結論を言わせていただきますと、いかに日本酪農の国際競争力を高めるか、これに尽きるのだろうなというふうに思っております。
これにつきまして、これから30分、御説明させていただきたいと思います。
(パワーポイント)
酪農及び肉用牛の生産の近代化を図るための基本方針、「近代化」という言葉、これは一体何なのかということに非常に悩みましたし、生産者のどんな方に聞いても、「何なんだ、この近代化」は、という話になりました。
平成8年をピークに生産は落ち続けている。
酪農家の離農に歯どめがかからない。
いろんなところで、提言として中長期のビジョンが必要だというふうには言うのですけれども、それが何なのか、この近代化なのかどうなのか、そもそもこの根底をしっかり話さないと、今後難しいんじゃないかなという気がしました。
(パワーポイント)
これは僕の私見ですので何とも言えないのですが、やはり酪肉近がつくられた背景として、需要増あるいは一定需要がある中、そして生産増があると、こういう社会背景の中で、計画生産と国内の分配、技術的には北米型の酪農技術をいかに踏襲していくかというような中で、この酪肉近というのはつくられた背景があるのではないかなというふうに思います。
このフレームワークの中で、衰退期に入ってしまっている今の日本酪農の再生する長期ビジョンを見出すというのは非常に難しいんじゃないかなというふうに、悩んだ結果思い至ったわけで、これは本論ではないのですけれども、酪農及び肉用牛、この酪肉近のもとになる法律の根本をしっかり見直さなければ、出てくる方針が何かずれてくるという感じがしてしまうのではないかなと。
これは法律ですので国会議員の先生になるのかもしれないですけれども、というようなことをまず前段としてお話しさせていただきたいと思います。
(パワーポイント)
本論に入ります。
まず、酪肉近の中で市場から発想するという感じのところが余りないので、需要調査というのはありますけれども、ここから発想をしていかないとなかなか難しいなという気がしました。
(パワーポイント)
何で思ったかというと、うちの牧場でも六次産業化というのを平成23年から始めて、チーズをつくったのですけど、簡単に売れないんですね。
いろいろな方に聞くと、まずお客さん、どういうターゲットに何をつくっているの、というようなことを聞かれて、全然マーケットを見てなかったということを勉強させられました。
それと同じなのかなと。
どういうターゲットに何を売るかということをもう一度再確認する必要があるんじゃないかなと。
(パワーポイント)
この酪肉近は、平成37年(2025年)を目標年度としています。
そのときに、日本市場だけを考えますと、一体どういうような人口、年齢構成になっているか。
日本の市場というのは、下がるエスカレーターのように人口が縮小していく、さらに若年層が減っていくと。
(パワーポイント)
これが図にあるわけですが、2010年から2030年までに1,000万人以上の人口が減っていく、さらに若年層がどんどん減っていくという市場の中で、もしこのマーケットでどうするかというのを考えたら、やはり酪農家がどんどん離農していくという状況は致し方ないのではないかなというふうに思いました。
僕自身もちょっと前まで、非常に厳しいなと、先が見えない閉塞感を感じるというような状況を酪農現場にいながら思っていました。
(パワーポイント)
でも、最近知ったのは、やっぱりアジアですね。
先ほどの中野委員のお話の中にもありましたけれども、ここの成長を取り込むということができれば、日本の酪農というのは非常に明るい未来があるのではないかなと。
(パワーポイント)
これは農水省の資料になりますが、2020年まで、もうあとちょっとですが、これまでに食の市場が3倍になる、あるいは2030年までに東南アジアだけで1億2,000万人人口がふえる。
特に若い年齢がこれだけふえると。
日本の人口ほどふえるというのは非常に大きい話だなと。
さらに、中間層と呼ばれる方が16億人から23億人に、これも大きいですね。
牛乳を買ってくれるという市場の中で動いていくというところが、これほど大きくなっていくということ。
ここをやはり認識しなければならないなというふうに思っております。
(パワーポイント)
時系列で見まして、これはGDPで、億ドルで示されますが、2000年の時点ではアメリカが10億ドル、日本が4.7億ドル、ドイツ、イギリス、フランスあたりが2億ドルいかないぐらいというようなGDP構成。
何かすごい昔のことのような気がするのですが、つい2000年のときには日本が第2位だったと。
しかし、今どうなったかというと、2010年ではEUというくくりで14億、アメリカも14億、BRICsという形で11億、日本は5億。
2030年はどうなるかというと、中国が20億、アメリカが18億、EUが16億、インドが9億、日本はどこへ行ったかというと、中国、インド以外のアジアで15億、この中に入っちゃうような感じ。
飲用牛乳も含めてマーケットというのが、2000年までは日本しかなかったというのはこういう背景があったと思うのですが、これから2030年までを考えたときに、マーケットがどう変わっていくか。
日本だけを見るということのいかに合理性がないかということを、私の中で、「あっ、そういうことなのか」というふうに勉強した次第であります。
(パワーポイント)
こういったマーケットの中で、これも中野委員のお話の中にありましたが、強豪ニュージーランド、オーストラリア、アメリカ、EUが今世界市場を握っているというふうに言われますが、将来、もしかすると中国の輸出というのも私はあるのではないかなという気がします。
これらの国々とどういうふうに戦っていくか。
保守的というか今までの考えであれば、せめて飲用需要だけ守れればいいよというお話がありましたが、これらの国々の飲用乳が入ってこないという保証は一つもないというような気がします。
都府県の乳業メーカーに私の大学の後輩がいて、いろいろお話を聞いたときに、都府県の離農がどんどん進んで、北海道から今移乳がふえているという中で、需要期には北海道の移乳がないとどうにもならないという状況だと。
そういうふうになってくると、不需要期にも北海道の移乳を受け入れないとなかなか確保等ができなくなると。
加工率が高まるとプール乳価が下がって、ますます都府県の酪農家の経営が圧迫されるというふうな悪循環があるという話を聞いたのですが、これは実は日本酪農と世界という形で見ることもできるのではないか。
つまり、飲用だけを守っていこうという形でいっても、結局需要期に足りない、足りない、入れてくださいというふうにやると、そこの枠がどんどん大きくなっていって、結果、国内の酪農業がどんどん衰退していくというような形になるのではないかなというふうに思いました。
やはり競争力をつけて、外でも通用するというような形をつくっていかない限り、日本の酪農に未来はないんじゃないかなというふうに思いました。
(パワーポイント)
とはいえ、やはり価格だけで勝負するというのではなくて、どういうポジショニングをとるかというところを今後しっかり考えていかなきゃならないんじゃないかなと思います。
これは、横軸に多機能・安全と書きましたが、これは別に何でもいいのですが、とにかく、どのポジショニングをとって戦っていくかということをしっかり考えていかなければならないなというふうに思っております。
(パワーポイント)
キロ当たり単価は当然、どれぐらいの単価の生産をできるように目指していくのか。
やはり酪農生産者にとって、キロ何円なのだというのが全てなんですね。
ここにどう合わせていくかというところ、ここをしっかりとモデルを示さないと、ポジションがどこなのかということを示していかないと、非常に未来に不安を持ってしまう。
それ以外のところで、何でこれぐらいの単価まではいけるだろう、そこから先、どういったところで戦っていくのか。
やはり品質や安全性の保証、これは農場HACCPなど信頼性で戦っていくということであったり、日本のブランドの浸透、乳和食という話もありましたが、そういう形のもので日本ブランド。
非常に日本に親和性が高い国はいっぱいありますし、日本が大好きな国というのもやはりアジアの中に多いと思います。
そういった日本ブランドで戦っていくという戦法であったり、インフラの発展、流通、技術革新、このあたり、乳業の技術を持って戦っていくというようなところであったり、あるいは非関税障壁、これは伝染病なのかもしれないし、非遺伝子組み換えなのかもしれないですが、そういう形で特異性を持って戦っていく。
いずれにせよ、ポジショニングをどういうふうに持っていくのかという議論があってしかるべきなのではないかなというふうに思っております。
そういった状況を踏まえた上で基本方針を考える、戦略的に構築されるべきであろうというふうに思っております。
(パワーポイント)
まず、需要調査みたいのがありますが、市場は国内と国外の両方をしっかり把握した上で考えなければならない。
さらに言うと、その中のどういった商品、どういった製品で戦っていくのか。
どういったカテゴリーですね。
今日は、先ほど言った中で、各国とどう戦っていくのか、その中でどういったポジショニングをとっていくのか、ということを基本方針の中に盛り込んでいくような形があってもいいのではないかなというふうに思いました。
(パワーポイント)
その戦略に沿った上で、経営モデルというのを作成していく必要がある。
何を指標にしていくのかということが非常に大事です。
先ほども申しましたが、キロ当たりコスト、これを何円に設定していくのか。
あるいは、1頭当たりの負債がどこら辺にあるのか。
経常利益率ではなくて経常利益額、これは農家の手取りが幾らぐらいになるのか。
あるいは総資本回転率、これも非常に考えないと、やはり投資とのバランスで大きく問題が出ているような気がします。
さらに1人当たりの付加価値額であったり総労働時間、そして伝染病の清浄化なんていうのも指標として使われるのではないかなと。
このあたりを作成されたモデルの中にもしっかり盛り込んでいく必要があるのではないか。
具体的にどんな形があるのかなという中で、例えば1,200頭の搾乳牛、売上げが10億、1,000ヘクタールなんていう形、北海道になるとは思いますが、北海道型のメガファーム、あるいは育成預託TMRセンターを完全に使って、搾乳だけに特化したというモデル。
これは内地にもよくありますが乳肉の複合の大規模経営、あるいは都市近郊の六次産業型の経営、さらには放牧酪農モデル。
いずれにせよ、多様性はあってしかるべきだと思いますが、その中にキロ当たりコストや1頭当たりの負債、経常の利益の額、要は生産がしっかり成り立つというところを考えていかなければならない。
今現状あるモデルを見ると、何か平均的なところをとっているのですが、現実的にそれで食っていけるのかなというちょっと不安な感じもしてしまう。
むしろ形はばらばらになってしまうかもしれませんが、いろいろな多様性があるのが酪農かと思いますので、そういった多様性を示したようなモデル作成が必要なのではないかなというふうに思いました。
いずれにせよ、国際競争を生き残っていくんだというモデルを残すべきだというふうに思っております。
(パワーポイント)
国際競争あるいは輸出ということに非常に否定的な意見も多い。
私も、いろいろな方と話した中でそういうことを言われたこともあります。
やはり国内需要をこれだけ満たせていない、今年度は720万トンということで非常に落ち込んでいる、その中で、輸出とは何だ!、これは夢のまた夢だ、現実を見ろ、というふうに言われました。
確かにそうです。
でも、シュリンクし続ける、縮小し続ける国内市場、穀物、資材は高どまりしたままで、しかもそれを乳価に反映できない、厳しい経営を迫られる業界に誰が希望を持てるか、そのような業界に若者が入りたいと思うでしょうか。
あるいは、経営者が返済に10年、20年かかる長期で多額の投資をしようと思うでしょうか。
自らを変革させて、経営改善を図ろうというふうに手を挙げる人がいるでしょうか。
そのような後ろ向きな業界に、日本の国民がいつまでも手を差し伸べてくれるでしょうか。
今、ビジョンが必要だというふうに思います。
国内競争を勝ち抜くための努力は、国内生産をふやし、日本酪農に活力を生むことに大きく寄与すると思います。
日本の乳製品がアジア各国で親しまれ、酪農家やメーカーが誇りと自信を持つことができる、日本の消費者に世界一安全でおいしい牛乳を安価に飲み続けることを保証できると思います。
理想に燃える若者が人生をかけるのにふさわしい業界をつくる。
酪肉近をつくるに当たって、やはりこういうような大きなビジョンが必要なのではないかなというふうに思っております。
(パワーポイント)
そういった中で、競争力を持つための指針というふうに考えたわけでありますが、本当に22年の中の第一の方針に関しては、生産者も、基本的に大体いいよねと、この筋でみんないいこと書いてあるよね、という話はするんですよね。
僕もそんなに、ここがおかしいとかというのはなくて、幾つか新しい項目が上がってきたねというのはあるのですが、ただやっぱり今言ったところの基本的な構造であったり、どこを目指していくのかというのがよくわからないというところ、ここをしっかり話していくべきなのではないかなというふうに思います。
そこで、その真意が一本何だかよくわからないというところがありましたので、私は、国際競争力というのを一つの軸にして7つの指針を考えさせてもらいました。
(パワーポイント)
まず、酪農というのは技術ありきと。
これなくしては語れない。
繁殖、飼料設計、育成技術、環境、遺伝と挙げさせてもらいましたが、これについてちょっとお話しさせていただきたいと思います。
(パワーポイント)
まず、繁殖が悪くなったのは、何か牛のせいになっているようなところがある。
乳量が伸びたので繁殖が非常に悪くなったというお話をこの場で聞くのですが、実際、私もそういうふうに思っていたようなこともあるのですが、これは藤井牧場の改善の取り組みですが、これは妊娠率という指標なのですが、繁殖管理の技術、ソフト側の面で大部分は解消できると、そういう側面が非常に大きいと思います。
うちの場合、最初平成6年、11%という非常に悪い妊娠率だったのですが、これをうちの嫁さんと繁殖管理の獣医師とで改善していった結果、24%まで持っていった。
今もう26%までいっているのですが、倍以上の繁殖効率になってきたと。
これは決して牛が変わったからではなくて、繁殖管理の技術が変わったからこういうことが達成されていると。
(パワーポイント)
実際、検定成績表の中でも、繁殖はここになりますが、分娩の間隔は440日というところから398日、ちょっと拡大しますが、これぐらい、40日の短縮。
平均35、乳量が伸びている。
これは決して1頭当たりの乳量が伸びているわけではないのですが、平均乳量は搾乳日数の短縮によって達成されるということがあります。
これぐらい繁殖のインパクトというのは大きい。
これが伸びていっているということに関して、乳量がふえたという側面もあるのですが、それよりも、やはり規模が大きくなった結果、牛に目が行き届かないという側面のほうが大きいのではないかなというふうに思います。
規模が大きくなったときには、なったなりの繁殖管理技術が必要なのですが、そこをサポートするものが実は国内にはほとんどありません。
そういう問題のほうが大きいというふうに考えております。
(パワーポイント)
これは3年前の北海道酪農技術セミナーで発表させていただいた事例なのですが、繁殖改善の3要素として、発情発見者と管理獣医師とITの活用です。
分析ツールがあると。
この3要素をうまく組み合わせてやっていくことによって、ちょっと内容は割愛しますが、これだけでもかなりの繁殖の問題というのは解決できるというのを、実際うちの牧場でやることができました。
こういった技術をしっかり見ていく必要があるのかなと思います。
(パワーポイント)
次に、飼料設計ですが、今、飼料設計に関しても非常に複雑で、精密な飼料設計が進んでおります。
よく、草がいいから、草が悪いからという話で、乳で出る、出ないという話もあるのですが、今、うちでは年に1~2回、アメリカにまで、カンバーランドというところに粗飼料を送って、分析もしています。
同じような成分でも、でん粉の消化率が違うということがあったり、牧草でも消化率が違うと。
最近の飼料設計に関しては、こういうような消化率の違いも飼料設計の中に組み込まれているのですが、現状、日本ではなかなかこれを反映できるような分析ラボがないということがありますので、そういった分析をもっと綿密にできるような施設があれば、さらに進んだ栄養効率の高い飼料設計をすることができるということがあります。
(パワーポイント)
実際、こういった飼料設計をできる技術者も不足しております。
ソフトがあるので誰でもできるだろうかというと、そうではなくて、いろいろ経験とか基本的な栄養学の知識がきちっとあって、農場についても深い理解がある人間でないとなかなかできないんですね。
そういうような人材が育つことによって、まだまだ日本の酪農が変わるという余地はあるかなと思います。
(パワーポイント)
続きまして、育成技術ですが、初産分娩月齢というのを短縮するというところをターゲットにしていけば、今、牛の不足というふうに言われていますが、これも解消していくことができると。
初産分娩月齢の平均が今24とか25か月だったとしたら、正しい育成の栄養管理の技術だったり飼養管理をすることによって、21か月分娩は可能です。
(パワーポイント)
当牧場では体高、体重を普及所のご協力のもと、計測しておりまして、今研究中ではあるのですが、もう既に21か月分娩は可能になっております。
育成技術というのは、ある意味簡単と言えば簡単というか、そこからスタートになりますので、取り組みさえすれば結果は出やすいところだと思います。
そういった意味でも、まだまだやる余地というのは大きいですし、今後、育成預託牧場などでこういった取り組みを進めていけば、まだまだ遊んでいた3~4か月分の牛が生産に回るということが可能になります。
そういった意味でも、この育成の技術というのはさらに進めていく必要があるのかなというふうに思います。
次、環境というか安楽性、カウコンフォートの追求ということで、これも当牧場の事例になりますが、砂のベッドというのを採用しております。
これは米国の臨床獣医師会の会長でウィスコンシン大学のナイジェル・クック教授というのが当牧場に来ていただく機会がありまして、そのときにいろいろ御提案を受けたのですが、今ウィスコンシン周辺の牧場では、新規に牧場を建てる場合に、9割近くが砂を採用しているということがあります。
砂にすると、非常に深い、やわらかいということですね。
牛にとって安楽性が高くなります。
これによって、2キロから5キロの乳量増加、そして乳房炎が減少、跛行も減少。
足裏の病気ですね。
発情発見、発情までよくなる。
さらに1万3,000キロという高い乳量が達成可能だというふうに言っております。
これ、実際私、アメリカに見に行きましたが、2,000頭近く飼っている牧場が、1万4,000、1万5,000という高い乳量を実際実現しています。
(パワーポイント)
これは藤井牧場の例ですが、乳房炎の発生率がこのような形で減少していったり、(パワーポイント)
体細胞もこうやって少なくなっていくと。
(パワーポイント)
さらに、低疾病の大幅な減少、年とった牛も生産が安定的にできるであったり、発情の取り組みもありますが、妊娠率は現状26%。
今現時点で平均乳量37.3キロということで、高秘乳と低疾病が両立できるというのが今の酪農技術の最先端かなというふうに思います。
ひと昔前といいますか、いまだに言われる方も多いのですが、配合飼料をやり過ぎて牛がだめになったとか、乳量を出し過ぎると牛がだめになる、だから出さないんだと。
ある意味、そういう側面はあるかもしれませんが、酪農が産業である以上、この2つのものをどう成り立たせていくかということに酪農技術の存在意義があるのではないかなと。
意義といいますか、生産者が立ち向かっていく使命があるというふうに感じます。
この砂の技術というのも、非常に生産性を上げる上で大きな技術になるかなというふうに思っております。
(パワーポイント)
改良です。
遺伝子の話になりますが、これは受精場の方とお話ししていた中で出てきた話ですが、今、性判別精液というのがあります。
X精液とY精液を分けて、雌しか生まれない精液であったり、雄しか生まれない精液であると。
これは日本のための技術だと、世界各国というかアメリカの方がそう話したというお話がありました。
ホルスタインに和牛をかけてF1というのをつくるという文化は日本にしかない文化だということで、それをやることによって肉牛は出てくるのですが、牛が不足するという現状も出てきます。
これを解決するときに、この雌雄判別という技術があると、肉牛の生産もできる一方、雄のホルスタインは減ってしまいますが、雌のホルスタインはそれで確保できるということで、この雌雄判別技術をもっと積極的に使っていくことで、日本国内の牛不足を解決していけるということがある。
そういう意味では非常にすばらしい技術だと。
(パワーポイント)
さらに今、遺伝子解析の技術、ジェノミックというのがありますが、まず遺伝病はかなり高い精度で防止できるということもありますし、遺伝改良の速度を飛躍的に速くするということがあります。
ただ、ここで大事なのは、一体日本の改良が向かうべき方向は何なのかということをしっかり見据えてやらないと、間違った方向に牛を導いてしまうということを言っていました。
経営モデルがどこにあるかというのが明確にないと、改良の方向が決まらないんですね。
ですから日本は、国際競争をしてどういうポジショニングで生き残っていくか、そのためにはどういう経営モデルが必要か、その経営モデルを成り立たせるためにどういう牛が必要かと、こういう形で改良を考えないと、単純にアメリカがやっている方向に行ってしまうと、アメリカと日本とではやっている酪農の質が違いますので、誤った方向に行ってしまうということをお聞きしました。
これはまさにそのとおりだと思います。
ですので、やはり経営モデルというのは非常に大事で、そこがどういった牛をつくっていくのか、改良モデルに反映されるようなそれを考えていかなきゃならないなという話を聞いてまいりました。
(パワーポイント)
次になりますが、経営力の向上ということで財務内容、あるいはITの活用、そして融資判断、専業化という内容です。
(パワーポイント)
今、酪農原価研究というので、農業法人協会の酪農部会の中でこういった研究会をつくって、決算書を持ち寄って、原価を割り出したり統一の指標づくりをしたりということをやったりもしております。
現時点で、統一した決算書の出し方とかがなかなかないのが現状。
やはりそのあたりも、もっと農家の経営力をつくっていくために、統一した会計基準というのをきちっとつくっていって、しかもそれを普及させていくという必要が出ているというふうに思います。
(パワーポイント)
あと、経営の見える化ということで、このDairy Comp 305、これはアメリカのソフトですが、販促管理のソフトです。
こういうITの活用が非常に経営の中で重要になってきます。
これを用いることによって、今現時点経営がどういう状況にあるのかというのを把握することができます。
つい最近、十勝でファームノート、これはスマートフォンアプリによる飼養管理ソフトなのですが、こういうのも開発されたりしてきています。
こういう取り組みもぜひ推進していただければと。
酪農家にとって、感覚で経営を語るようでは非常にまずいと。
数値と決算書で酪農経営を語るような形になっていかないと、酪農の今後の未来はないのかなというふうに思います。
ですので、そういった取り組みにインセンティブを与えるような形の施策などがあれば非常にいいのではないかなと。
利子の優遇であったり、融資機会をつくるということがあってもいいのかなと。
ですが、先ほどの繰り返しの話になりますが、専門家のサポートと技術的な指導というのが必要ですので、このあたりを是非考えていただきたいというふうに思います。
(パワーポイント)
融資の適正化という話の中で、お話は変わりますが、法人の投資となると、まず億ですね。
最近だと10億という単位の投資になってきているという中で、それを個人で10億いきなりですかみたいな感じになります。
もし子供が、後継者が継ぐかどうかわからないとなると、そういった投資はできませんよね。
そういった意味で、ファイナンスをもっと軽くするというか、プロジェクトローンという形で、所有と利用の分離という形でもう一つ融資を受ける。
ほかのスキーム、公共事業とかではよくある話だと思うのですが、そういったものも視野に入れて融資を考えていかないと、個人で10億の投資というのは非常に厳しい、ますます酪農が進んでいかない原因になってしまうのではないかなというふうに思います。
(パワーポイント)
次に、TMRセンター育成預託というのは、専業化されることによって技術水準が上昇して、非常に成果が出やすい一方で、同じ餌、同じ育成法でも個々の酪農家の経営力の差が出てしまうという場合もあります。
そのあたり、経営力向上をしっかりやっていくということが、先ほど言ったような財務諸表であったり数値の把握、こういったことをしっかりやっていくということが大事かなというふうに思います。
また、センターの経営力、センターの技術力というのもしっかり監視していかないと、センター自体が地域のお荷物になってしまっている、育成預託自体がお荷物になっているという現状がないわけではないので、このあたりは、補助金など入る場合はしっかり向上させていく必要があるというふうに考えております。
(パワーポイント)
さらに、高齢化した地域の中で延命措置的にセンターを建てた場合、そこの農家が離農した後どうなるのだという、結構そういう話が出てきていまして、5年、10年は延命されるかもしれないですが、その後どうするのだという話があります。
その後、10戸、20戸分であれば、1,000頭、2,000頭のメガファームを建てなきゃならないというような話になってくるのですが、そういった運営管理のソフト面が非常に不足しているということがありますので、ここをしっかり充実させていく必要があるというふうに思います。
(パワーポイント)
時間がなくなりましたので、7つの指針のうち、あとは軽い感じで進めていきますが、自給飼料の拡大、これは本当に22年に書いてあるとおりですが、1つ新しいお話としては、飼料米とイヤーコーンと。
これは今出てきた話になりますが、さらに子実のトウモロコシの自給計画ということで、お手元の資料の中に、飼料用子実トウモロコシの自給の可能性ということがあります。
これは水田にトウモロコシをという話で、転作奨励金があれば非常に経営的にも計算が成り立つという話ではあるのですが、もしこれがしっかりできることになると、ノンGMの牛乳流通をつくることができると。
そうなってくると、アメリカとかその他の海外との競争力といった面で、新たな側面がつくっていけるのではないかなということがあります。
さらに、もし今後、穀物高騰の中で、国内のトウモロコシが価格競争力を持つようなことになれば、すなわちそれが酪農の競争力に直結するということになります。
これは全部話す時間がありませんので、是非農水省の内部でしっかり検討していただければというふうに思います。
これは非常に可能性があるのではないかなというふうに思っております。
(パワーポイント)
次は、六次産業化ですが、これも本当に国際競争力をいかにつけていくかという視点で考えていかなければならないと思います。
確かに消費者が直接購買してくれるということがあれば、これはすなわち国際競争力という形になると思うのです。
消費者に支持されるということが一番ですので。
しかし、もっと広い形で考えるのであれば、海外に通用するブランドをいかに育てていくかという視点でいかなければならないかなと。
フランスのAOC、原産地呼称制度みたいな形で、ここでしかつくれない、それに価値があるのだというような、そういうような競争力をつけていくという視点でこの六次産業化を考えていくことも必要ではないのかなと。
そういった場合に、個々の農家でやるというよりは、農協であったり地域であったり、農商工連携というもっと大きい単位でやらないと、なかなか競争力をつけていくのは難しいかなというふうに思います。
(パワーポイント)
次に、家畜衛生に関してですが、これも22年に出ているとおりですが、農場HACCPというのが出てきていますので、これも競争力をつくっていく上でうまく使っていけば、本当に力になるのではないかなというふうに思っております。
(パワーポイント)
さらに、農場HACCP認証というのは、競争力だけではなくて農場内のマネジメント、人事労務の問題にも対応できると。
PDCAサイクルを回したりコミュニケーションをとっていくということが根幹にありますので、メガファーム2代目とか、世代交代によって非常に運営に困っているところもありまして、そういった中でマネジメントシステムを取り入れていくというのも有用ではないかなというふうに思っております。
(パワーポイント)
次、バイオマスということなのですが、発電、そして売電ということにつながっていけば、これは農家に直接的な収入にもなりますし、競争力をつくっていく上でも意味があるかなというふうに思います。
(パワーポイント)
5番にリサイクルサンドというのを入れたのは、さっきの技術の話であった砂の利用ですが、非常にふん尿処理は困る技術でして、泥濘化して、しかも固液分離が難しいという側面があります。
このリサイクルサンドの技術というのは、これも当牧場で入れた例なのですが、日本初で入れたのですが、粘土から砂を取り出すという技術の応用で、これによって敷料の砂を分離するということができます。
このセットによって、環境対策も非常にできていけるのかなというふうに思っております。
(パワーポイント)
次、最後7番目になりますが、今言ったようなところの特に技術の話であったり経営というところ、ここをしっかりやっていくためには、畜産に関する高度な技術や見識を持った人材を育てていかないとなかなか達成できないので、日本の酪農界においては、ここの取り組みが非常に弱い気がします。
現場で言うと、やはり獣医師というのが一番高学歴な人間なのですが、そのあたりも現場の治療にかかってしまっていることが非常に多くて、そうではなくて、経営管理の面で活躍できるような知見を普及させていく、育成させていくとともに、環境を整備していく必要があるのかなと。
大学、高校というさっき事例も挙げてくれましたが、サンドイッチ方式みたいな形で若い学生を入れていくことで、それが人材の確保につながっていくということもあるのかなというふうに思います。
さらに、やはり後継者の対策というのをしっかりとっていくということも非常に大事かと思います。
これは就職するからそのときにというのではなくて、子供のときから後継者教育というのは実は始まっておりまして、私も中学生のときにアメリカの牧場を見せられていたとか、何が何だかわからないうちからいろいろやられていたのですが、結局そういうことが積み重なって将来のビジョンをつくっていくということになると思います。
ですので、そういったことも含めて人材の育成というところに力を是非入れていかなければならないかなと思います。
(パワーポイント)
これはウィスコンシン大学のホームページなのですが、この中に畜産クラスターみたいな形で、大学が中心となって技術を普及していくという、人材を育成していくというような形のものがつくられておりますので、是非御参考にしていただければというふうに思います。
(パワーポイント)
ちょっと時間がなくなってしまいましたが、補給金にかわる経営安定制度ということで、北海道からの移出入の増加で加工乳の減少。
現状、菅家さんからのお話では、補給金はカバーできているというお話ですが、なかなか厳しいという話も最近、ここ直近聞いております。
(パワーポイント)
さらに、補給金がなくなったときの国際競争間における乳価変動の緩衝材として、新たな経営安定制度というのが、これは保険という形なのか基金という形なのかですが、そういった制度をつくる必要があるのではないかなという話です。
北海道酪農法人が非常に厳しいという現状があります。
穀物高、燃料高、電気高、資材高、ここを乳価に転嫁できていない。
補給金だけでは、正直、全然足りないという話をいろいろなところで聞いております。
構造的に規模拡大していくと変動比部分が多くなってきて、資材や餌代が高くなると、正直、内地の酪農家とそんなに変わらない構造の中で、でも乳価は20円低いというような状況が出てきている。
そこの値上がり分を吸収できないという農家も出てきているということがありますので、そのあたり、価格形成などのもう一度再考も必要なのではないかなという状況が出てきます。
さらに、頭数をふやすという問題もあるのですが、深刻な人不足ということがありまして、短期的には外国人枠の期間の増大や枠の増大が必要なのではないかなという話も出ていると。
(パワーポイント)
次に、指定団体制度の見直しというところで、集乳費用などは指定団体制度があるおかげで一定化できているというところがあるのですが、逆の面から見ると、単価が固定されているということで、スケールメリットが実際出てこない。
これは酪農メガファームからの意見ですが、そういったこともあると。
あるいは加工乳の価格変動性が乏しいというか、先に決まってしまって、飲用乳価は上がるのですけれども加工乳が余り動いてこないということも側面としてあるのかなと。
農家、生産者側としては、乳価を一元化するということもあってもいいのではないかなと。
どうしても飲用乳価、加工乳価という形でいろいろな乳価があるのですが、農家にとっては同じ生産費でつくっているわけで、経営を見る上でも、牛乳が一緒だったら一元化でもいいのではないかなという話が出てきます。
また、生産努力が報われる体制ということでプレミア乳価、これは例えば有機であったりとか放牧、あるいは農場HACCPとかGAP、そういった認証について、プレミアの乳価を出せるような体制というのもあっていいのではないかという話もありました。
(パワーポイント)
乳業についてですが、余りにも内向きだというふうに書かせてもらいましたが、さっき中野委員のお話の中では、外という力強いお話がありましたので、是非そうして外を見て、長期的に考えていかなければならないかなと思います。
生産者が乳業の中に経営参加していくということも今後必要になってくるのではないかなと。
フォンテラやアーラフーズがそうなのですが、やはり乳業の人と話していると、指定団体が何と言うかわからないという話があって、指定団体のほうに行くと、乳業が何と言うのかわからないと。
非常にお互い顔色を見合ってなかなか先に進まないという、あるいは言いわけの口実になっているという側面もあると思うのですが、ここを一緒にしてしまって、一体となって進んでいくと。
実際、世界の乳業業界でそういった組合乳業みたいな形のものが躍進しているというのは、そういった側面もあるのではないかなと。
資本力や技術力あるいは営業力という面で世界に通用していくような形の乳業をつくっていかないと、両輪というお話がありましたが、なかなか生産だけでもこれは難しいのかなというふうに思います。
(パワーポイント)
これは3月17日の記事ですが、日本の牛乳が中国のツイッター、「ウェイボー」というのがあるのですが、それで取り上げられて非常に話題になっていると。
とにかく濃くておいしいという話なのですが、こういった話題が出ているという話もあります。
日本の牛乳が待ち望まれているというような状況もありますので、是非グローバル展開に向けて積極的に動いていただきたいなと思います。
(パワーポイント)
これは、平成22年の農林水産省輸出課題対策事業の中で出てきた結論部分なのですが、中国、アジアの市場は既に世界の主戦場で、トップ自らが切り込む姿勢が必要ということで、指定団体であったり乳業であったりもトップが直接切り込んでいくという、支店に任せるとかいうのではなくて、そういうような姿勢で取り組んでいただかなければならないかなというふうに思います。
加えて、ロジスティクスの話なのですけれども、本日付けの日経新聞では、クロネコヤマトがチャイナポストと提携して、中国全土に宅配サービスを開始するなんていう話も出てきています。
中国全土に、上海に空輸されたものが3日から5日で届くと。
その中には、粉ミルクなども待ち望まれているという話もあったりします。
そういった現状で、本当に日進月歩で流通構造も変わっていきますので、昔だめだったことも今はよくなっているということもいろいろあるかと思いますので、是非積極的にそういったことも考えていただきたいなというふうに思います。
(パワーポイント)
もう時間が本当にないのですが、日本の酪農の意義ということで、これは酪肉近の22年の方針に書いてあるとおりだと思います。
さらに5番目に、食と命の教育というのも書かせていただきましたが、廣野さんがやられておりますが、教育ファームの取り組みというのは非常に大事なものだというふうに考えております。
こういった取り組みを続けていくことも、酪農の意義を伝えていく上で重要ではないかなというふうに思います。
(パワーポイント)
最後になりますが、うちの牧場、110年前は4頭から始まりまして、水田酪農という形で展開しておりました。
実は昭和初期に組合をつくって、バターを製造していたというような、六次産業化も実はやっていたというような経緯もあります。
40年前になりますが、父がニュージーランドに行って酪農を学んできて、放牧酪農もやって、その後、フリーストールパーラー方式を草分け的に40年ぐらい前から始めたというのもありました。
道内でも数件しかないと。
当時、生産調整もありまして、牛乳を廃棄すると。
父が非常に苦い顔をして捨てている牛乳をのぞいたこともありました。
でも、そんな中を乗り越えて、私たち兄弟4人いるのですけど、育てて、みんな大学に入れてくれたという歴史があります。
(パワーポイント)
現状、今どうなったかというと、規模拡大をして600頭という頭数になっております。
実は規模拡大に伴って、法定伝染病との闘いもありました。
10年間、ヨーネ病という法定伝染病が清浄化にかかって、非常に苦労したということもありましたが、それをばねにして農場HACCPを取得するという形もできましたし、六次産業化の取り組みや砂のベッドの取り組みなど、いろいろなことをやっております。
本当に今ここの藤井牧場があるというのは、この先祖の取り組み、先人たちの取り組みの結果であると。
5代110年にわたって酪農にかかわってきました。
酪農界の父とも言われる宇都宮仙太郎は、酪農の仕事は100年仕事だということで、酪農が完成するのは100年かかるという言葉を言って、100年たったわけです。
今こういった600頭飼養するような状況になって、もし先祖が見たら、この技術の発展、牛の乳の出る量、規模の大きさ、機械の大きさ、どれ見ても、こんなところまで来たのかと。
多分想像しないほど発展したというふうに思うと思います。
でも、そこまで来たにもかかわらず、諸外国と全く競争ができないといったら、一体初代、100年前の先祖は何という顔をするかなというような気がします。
私も、この100年の歴史をせおってこれからの日本酪農をやっていく上で、このまま日本酪農を衰退させるわけにはいかないというふうに強い危機感を持っています。
これからつくっていく酪肉近は、新たな100年をつくり出す上での非常に大きいビジョンを描く必要があるんじゃないかなというふうに思っております。
そういった意味で、今回の発言が少しでもお役に立てばいいなというふうに思っております。
時間を超過してしまいましたが、アジアをリードする力強い酪農をつくっていきたいというふうに思っております。
以上です。

○武内部会長
どうもありがとうございました。
大変大きなビジョンも含めていろいろとお話をいただきまして、どうもありがとうございました。

 

質疑応答、意見聴取

○武内部会長
それでは、先ほどまでの事務局からの説明と、ただいまの中野、藤井両委員による説明を踏まえまして、各委員からの御発言をお願いしたいと思います。
まず、近藤委員におかれましては16時35分ごろまでということでございますので、今、御意見、御質問いただければと思いますが、いかがでしょうか。

○近藤委員
ありがとうございます。
先にお時間をちょうだいして申し訳ございません。
大変興味深いお話を両委員からちょうだいいたしまして、改めて酪農といいますか牛の世界に浸ったところでございます。
幾つか感じたことを申し上げさせていただきたいと思いますが、まず中野委員からの御報告にありました5ページのところ、「生産された生乳は、全て適切に処理」しなければならないということで、要するに長期保存ができる商品ではないというようなお話だと思うのです。
どうしてここのところの技術革新ができないのかなというのを、この部門に参加させていただくようになりましてからずっと考えたところでございます。
こういう時代なのに、いまだに生は生でしか流通・加工・使用できないのかということは、大変消費者としては不思議にも思いますので、是非その辺の技術革新について、また時間があればお聞かせいただければなというふうに思っております。
それは、同じページにございます「新商品の開発」へのつながりもありますし、同じ中身の13ページの「生乳の価値を適切な商品に加工する」というところにも全部つながってくると思いますし、大きい話としては、国民の理解、専門家と消費者とのギャップに気づくことが非常に大切だと思いますので、その辺の理解醸成の一つの足がかりにもなるのではないかと思います。
なぜ乳が乳なのかということについて、しっかりと消費者は理解していかなきゃいけないし、それは行政のこういうふうなサポートが必要になるのかなというふうに感じました。
藤井委員のほうにも、グローバル化とか人材とか競争力というお話を丁寧に御説明いただきましたけれども、やはり同じ中野委員の15ページのところ、「グローバル化の中での酪農乳業の成長に向けて」という図がございますけれども、これを酪農ではなくて農業であるとか野菜であるとか米というふうに置きかえても、全てこれが使えるのではないかなという気がしております。
先ほど、先にお帰りになりました笹﨑委員のグローバル化についてというお話、コメントされましたように、グローバルって何なんだろうということを共通認識で持っていかなきゃいけないのかなというふうに感じております。
そして人口増大という話もよく出てまいりますけれども、増大する人口は何なのか、どんな人たちなのか。
宗教や食生活や教育レベルであるとか、その人たちが全部、現状の人口と同じレベルで同じ割合でふえていくわけではないわけでありまして、そこのところをきっちりと把握していかないと、人口増大とかグローバル化というものに正しい認識はできないのではないかなという気がしております。
それから、競争力というところとか新たなグローバル化を見据えた様々な法規制も、これから私たちの知っている法規制だけではないものが迫られてくると思いますので、そこも含めて考えていきますと、メガファームとかメガカンパニーだけが生き残るのかなという不安もあります。
そうしますと、○○ならではというような手づくり感とか、よくここで議論されます付加価値というところについても、ギャップが逆に生まれてきてしまうかなという気もしております。
その辺が、今日様々な御意見聞いた中で感じた感想でございます。
意見ということではなくて、感じたことだけを申し上げました。
ありがとうございました。

○武内部会長
どうもありがとうございました。
何か事務局からございますか。
─それでは、どうもありがとうございました。
引き続きまして、本日御欠席の飛田委員より紙面にて御意見を提出していただいておりますので、事務局より御紹介お願いしたいと思います。

○田村畜産総合推進室長
今、席上に急いでお配りいたしておりますけれども、もうすぐお手のほうに資料が回ってくるかと存じます。
飛田委員から、お手元の1枚紙にございます御意見を3点、書面でいただいております。
御紹介させていただきます。
1.酪肉近見通しに当たっては、近年における酪農家離脱戸数の増加など、酪農畜産生産現場の実態を踏まえ、その問題点と課題を具体的に整理した上で取り進めること。
2.現行の酪肉近で示された方向性に係る目標に対する達成度合いを(達成できなかった場合はその理由も含め)整理すること。
3.現行の酪肉近では、「畜産・酪農所得補償制度については、酪農及び肉用牛生産等の特性を十分に踏まえつつ、現行の経営安定対策が果たしている機能やこれらの新たな仕組みの実施状況等を検証し、その在り方や導入時期を検討する。その際、生産現場の意見を十分に聴くこととする。」と明記されており、議論の過程とその結果について具体的に総括すること。
以上でございます。

○武内部会長
どうもありがとうございました。
それでは、ほかの委員の方からの御意見をいただきたいと思います。
事務局、中野委員、藤井委員、それぞれの説明がございましたので、どなたに対しての御意見あるいは御質問かということも明示していただいて御発言をいただければ大変有り難いと思います。
私は忘れているのですが、前回は石澤委員からでしたということですので、今回は御発表いただいた藤井委員を除いてということで、山内委員からよろしくお願いいたします。

○山内(孝)委員
まず、最初の資料のほうから1つ、2ページ目、3ページ目で、配合飼料価格安定制度の中で、国庫からの補助金といいますか負担金というのが、例えば牛乳だと1リットルパックで1円とか出ているわけですけれども、これ以外に、皆さんよく御存じのように、畜産農家の方と我々飼料メーカーが積み立てをした基金から補填金が出ておりまして、補填金の額はこれの約10倍ぐらいの金額になっているはずでございます。
我々も自助努力しておりますので、その辺、誤解なきようにお願いしたいというふうに思います。
それから、お二人の乳業と酪農のお話ですけれども、大変細かく詳しくお話しいただきまして、ありがとうございました。
お疲れさまでございました。
現場の環境が大変厳しいということも、我々よく認識させていただきました。
お二人共通しておっしゃっているのは、グローバル化が必要であると。
これから人口も減っていく、マーケットも小さくなっていく、日本だけではだめだと、グローバル化して外に輸出していかなくちゃいけないのだというようなことが共通した御意見だったと思いますけれども、一方でTPPの話、これがどうなるかわかりませんけれども、進んでおるようでございます。
生鮮品である生乳は入らないにしても、バターだとかチーズ、生クリームなどが入ってくると、中野さんおっしゃったようなミルクツリーのバランスが崩れるというふうなこともあります。
余り時間がないのかなというふうに思っておりますが、一方で私が耳にしておりますのは、ネットで赤ちゃん用のミルクなど、中国で何百万個もオーダーが入って売れているというような、先ほどからお二人がおっしゃっているような日本の技術、安全性というようなものがあると思うのです。
だから、これからそれを生かしていけるようなことを、私の場合であれば飼料メーカーですけれども、お手伝いできればいいなというふうに考えておりますけれども、余り時間がないと思いますので、この場で議論を早めて進めていきたいというふうに思っております。
以上でございます。

○武内部会長
どうもありがとうございました。
それでは、冨士委員、お願いします。

○冨士委員
前半の農水省の説明のところを聞いてなかったので、済みません。
申し訳ございません。
1つは、酪農・乳業大綱の説明があったと思いますけれども、あれは15年ぐらいたって、1回も検証がされたことがないというような記憶がありますので、いい機会ですので、酪肉近とかありますけど、あのときは鳴り物入りで酪農と乳業、今日も車の両輪というのがありましたけど、10年先を目指した大綱をつくったわけですので、是非それなりの整理というか総括をしてもらいたいなというふうに思います。
それと、酪肉近との関係というか、どういう位置づけに置くのか、引き続き改訂版を出すのか出さないのか、そういうことの整理をしていただきたいと思います。
あと、お二人の話は、聞かせていただいて改めて感心をし、改めて刺激を受けて、これからの議論に非常に参考になって、すばらしい意見だったというふうに思います。
中野委員も藤井委員もおっしゃっていましたが、グローバル化というか外部環境を確かにきちっと把握するということは大事で、外部環境というのは日本以外の外のことも含めて、「国際競争力」という言葉がありましたけど、かなり日本の乳というか酪農は国際競争力があるというふうに思います。
総体的に上がってきているというのはあります。
乳製品需給は逼迫していますので、乳製品価格が上昇していると。
それから、ニュージーランドとかオーストラリアは、ほとんど中国とかに輸出して輸出余力がないというような状況で、餌とか草ももうないということで、これからも輸出する余力というのはそんなに大きなものは見込めないと。
EUもアメリカも同様です。
そうすると、世界的に酪農が輸出できる国はそんなに輸出余力がないという中で、引き続き需要は増大していくということでありますので、そういう外部環境をよく把握して、日本は国内生産と輸出、アジアをターゲットにしてどういうものを輸出していくのか、どういう経営体が輸出していくのかとか、そういうことをよく考える必要があろうと思います。
ニュージーランドの乳価も45円とか50円とかというふうに聞いております。
相当乳価の格差も縮まっているというようなことも聞きますので、そういう分析をしっかりやって、藤井委員ではないですけど、ポジショニングということをきちっと固めていく必要があるのではないかというふうに思います。
私も藤井委員と同じで、経営モデルというか経営展望を描くときに、前は内地と北海道、メガと○○とか、そうではなくて、やはり搾乳を大宗にやって大規模化していく酪農、北海道のような形態と、乳肉複合というか肉の生産も合わせながら複合経営でやっていくものと、藤井さんみたいな都市型というか六次産業化というか、50頭ぐらいの規模でアイスクリームをやったりチーズをやったりして家族経営の中で付加価値を高めて所得をとっていくという、大きく言えばその3つぐらいの経営タイプでそれぞれ展望を描くと。
それを前提にした政策の在り方、酪農政策の所得補償経営安定対策をどうするのか、乳業をどうするのか、中小乳業の再編合理化をどう進めていくのか。
それは乳価に直結しますから、そういう乳業の再編をどうするか。
それから指定団体制度、そういう一元集荷、多元販売というブロック指定団体の仕組みをどうするのかという、そういう形で政策とか団体制度の在り方とか乳業の再編とか、そういうものを考えていく必要があるのではないかというふうに改めて思った次第です。
あと、忘れてならないのは、酪農は肉用牛の重要な資源ということです。
F1とホル雄で我が国の肉用牛資源の2分の1を占めるわけですので、そういう意味で酪農はなくてはならない、乳だけではなくて肉資源として酪農はなくてはならない、そういう観点からも今後の酪肉近の議論をしていく必要があるのではないかなというふうに思います。
以上です。

○武内部会長
どうもありがとうございました。
それでは、廣野委員、お願いいたします。

○廣野委員
私のほうからは、今まで二人の提案を聞いて感じますのは、日本の酪農、畜産の強みというのは、多様と先ほど皆さんも言われていますように、多様な形で経営ができるのが日本の強みでないかと思います。
もちろん、輸出も含めてやれる人はそちらもやるし、基本的には地産地消が一番ムダの少ないやり方だろうと思っております。
今、私が強く感じるのは、生産現場で足りないのは人だけだろうと思っております。
農業をやりたくてもやれる人がいるかいないかということだけだろうと思うのです。
人さえいれば、今ごろは土地もありますし、技術も教えてもらえるし、当然返してくれる事業計画があれば、資金も提供、銀行も貸してくれるというようになってきております。
人をどう確保して育てて定着させるかという、継続的な仕組みをつくる。
それを誰がするかということも含めて、みんなで考え、共有し、連携して支援を継続的にしていくということによって、担い手の確保ができるのではないかと思っております。
それともう1点、後継者の問題が出ますけれども、後継者をつくるというのは誰がするものか、これは経営者がするべきことであると思います。
自分の経営を続けてもらいたいのであれば、外部であれ自分の家族であれ、経営者がちゃんと次の世代をつくるというのが当然すべき大きな仕事であると思います。
その中で、国の政策の中でうまくいろいろな制度を利用して育てていくということが第一番にあると思うんです。
今の時代というのは、非常に速いスピードで物事が変わっている。
中国のほうの問題を見ましても、現在こういう状況でどんどん発展していく。
中国でも、今大きな牧場、国がどんどん乳業メーカーも含めて搾乳頭数を増やしていたり、生産量がふえております。
多分10年後はどうなっているかというのは、今の現時点で想像することと全く違った結果が出るかもわからない。
情報をきちっと早く仕入れて、情報を組み合わせて、それに対応していくというのを我々経営者もしていかなければならない状況が来ているのではないかと思います。
農業が一番弱いところというのは、急激な変化になかなか対応できない。
この急激な変化を想定しておく。
今回の雪害もそうなのですけれども、保険という制度があるのであれば、保険をつくって保険でカバーするという、想定をするという経営をやっていかなきゃならないのでないかなと思います。
経営というのは、大きい小さいだけではなくて、やはりバランスよくやるというのが必要であって、自分のやっている地域の強みであったり、自分の強みであったり弱みであったりというのを見つけて、それを改善していくことによって、最後にはお金としてついてくるものではないかなと思います。
藤井さんの話なんか聞いていますと、やはりそのあたりはすごく緻密に数字であらわして解決していっている。
今日も最後に言われたように、まだまだ問題はたくさん抱えている。
そういうふうに危機感を持つというか自分に問題があるというのを、経営者が感じることによって、経営が改善され継続していくのではないかなと思います。
その辺も含めて、いろいろな情報データを自ら収集できる仕組み、場所をつくることは必要ではないかなと思います。
多様になっている中で、本当に後継者の問題も含めてだけど、経営者、やっている人が楽しそうにするというか、目標をちゃんと設定できるようになれば、やりがいもあるだろうし、それを見ている人たち、周りで関係している人たちも応援したくなるというような雰囲気になると思うので、そういうような経営者というか、やれる人をつくっていくことが必要ではないかなと思っております。
終わります。

○武内部会長
どうもありがとうございました。
今、一応3人の委員から御意見をいただいたわけですけれども、事務局のほうでどうぞ。

○渡邉畜産企画課長
貴重な御意見ありがとうございます。
今後この審議会につきましては、1か月に1回ぐらいのペースで審議をまた続けていくわけでございますが、その中でまた引き続き、分野ごとに委員の皆様からプレゼンをいただくとともに、私ども役所のほうからも、酪肉近も含めて現行の施策の検証について御説明をさせていただいて、そして各事項ごとに本格的な議論をしていくということで進めていきたいと考えております。
冒頭、室長が説明したとおりでございますけれども、その中で、まさにいろいろ御指摘のありました、今後10年あるいは20年先、人口も含めてどういう需給なりの状況になっていくのかとか、あるいは我が国の畜産・酪農の今後の経営のモデル、3つのモデルみたいな話も今藤井委員からございましたけれども、モデルについてどういうふうに考えていくのか。
その中で、競争力、強みをどこに求めて、どうやって生かしていくのか。
その際の政府の施策の在り方をどう考えていくべきなのかというような御議論を、まさに私どもも真剣に考えますし、委員の皆様方のお考えも聞かせていただきながら、しっかり現状の把握なり将来の見通しに基づいて、またこれまでの施策の検証に基づいて、今後の施策の在り方を議論していければと思っておりますので、よろしくお願いしたいと存じます。

○武内部会長
それでは、引き続きまして、野村委員のほうから御意見いただきたいと思います。

○野村委員
私はこれまで専門にしてきたのは肉用牛ですので、本日、乳用牛や乳業のお話をお二人の委員、中野委員、藤井委員それぞれのお立場からの話を聞かせていただいて非常に参考になりました。
本日お話しいただいた内容は、肉用牛などにも随分関連性のあるものと思っております。
とくに、私がこれまで疑問に思ってきた点についても説明いただきました。
まず藤井委員から、繁殖率の低下ということでお話しいただきました。
従来、乳用牛の繁殖率は徐々に低下しており、ある時期から特にその低下が著しいというデータを見たことがあります。
このような低下は、乳量との関係が主な原因であると言われてきたと記憶しておりますが、藤井委員からのお話を聞かせていただいて、飼養管理なども大きく関与している可能性があるのではないかと感じました。
というのも、乳用牛の繁殖率の低下が著しくなったのとほぼ同じ時期に、肉用牛の繁殖率も低下し始めております。
恐らく両方に共通した管理技術の変化が関与しているのではないかと考えられます。
今後、この点について考えていかないといけない部分があるのではないかと考えました。
それと、もう一つ参考になったのは、藤井委員のところのお話で、7つ指針を挙げられた中の1つ目のところで改良・育種について触れられた中で、改良が向かうべき方向について述べられたことです。
お話に出ておりました経営モデルをしっかり決めた上で改良の目標を定めるべきだという点は、恐らくは肉用牛の改良にも大いに通じるものがあると考えています。
このてんについて、今日事務局のほうからいただきました資料6のところで、具体的にデータを示されているところがございました。
3ページのところにあったように、例えば黒毛和種などの場合でも、霜降り肉一辺倒でというふうに消費者は動かずに、若い人たちの間では特に赤肉とかそちらのほうにも注目するようになってきています。
前回の改良増殖目標から、既に脂肪交雑を最優先という形にはなってなかったと記憶していますが、今後、改良増殖目標などを考える上で、従来のように選択肢として改良目標が必ずしも1つである必要はなくて、藤井委員や中野委員のお話にもございましたように、ある程度多様化したものに対応できるような目標の設定も必要なのではないかと思いました。
かといって、黒毛和種が脂肪交雑、霜降りを全く無視してしまうわけにはいかないわけですけれども、他の形質を重視した目標があってもいいと思っております。
そのためには消費者の動向も見ながら新たな方向をつくっていく必要があるのではないかと強く感じました。
あとは、畜産にかかわる文化に関するお話がありましたけれども、私もそのようなものは非常に大事だと考えております。
那須委員がこのほうの御専門ですけれども、和牛というと黒牛だけというふうに思っている消費者が多いと思うのですけれども、赤牛や短角など和牛にはそれぞれの地域や文化の中でつくられてきた品種があること、そしてそれらが独特の自然風土の中で現在も牛肉の生産にかかわっていることを前面に出していけば、私は産業として伸びるのではないかなと思います。
このことに関する教育や啓蒙活動も大事ではないかと強く感じました。
以上です。

○武内部会長
ありがとうございました。
それでは、那須委員、お願いします。

○那須委員
藤井委員も酪農ですね。
うちの近くにも酪農さんが随分いましたけれども、ここ数年で大分やめられました。
これから5年先を見ても、また数軒やめられるだろうと予測しております。
なぜこんなに減るのだろうと思ったときに、やはり一番感じますのは、女性たちの労働力というか、それをとても要求する現場なんですね。
膝が悪い、腰が悪い、女性に圧倒的にそういう人が多いのは、酪農の奥さんです。
ですから、そういうのを見たときに、男は何しているのかなと思います。
本当に不思議でたまらないです。
畜産の奥さんたちは、本当によく働きます。
年中無休という人もいます。
ですから、畜産女性の労働負担軽減がこれからの課題です。
そうなれば、これからの畜産は大いに活性化され、女性の人権にも期待が持てます。
そのために、畜産男性はもっと頑張ってほしいと思います。
話は変わりますが、私、ある会にこの前出席しました。
そうしましたら、ある大学の先生ということでしたので、さぞ立派な御講演だろうと思って行きましたところ、「牛乳は飲まないでください、牛乳を飲むと死んじゃいますよ」と言われまして、びっくりしました。
1時間ぐらいの講演でしたけれども、「牛乳は子牛のためにあるものであって、人間が飲むと早死にするんですよ」と具体的に言われるんです。
そうしますと、聞いている人は、うん、うん、ほんと、ほんとって、みんなうなずいて聞いておられましたから、具体的に話されますので、説得力があり、こういうことが広まれば牛乳を飲む人はほとんどいなくなるんじゃなかろうかと、そんな危機感さえ感じて講演を聞いてきたわけです。
それで、私が思いますに、農水省のCMの中に、牛乳というのはこういう栄養価があって、こういうところがすばらしいんですよというCMを大いに流していただきたいと思います。
韓国のドラマを見ていますと、韓国のドラマの中には、韓牛をどんどんPRするところがセリフの中にあるんです。
日本のドラマの中には、日本の産物をPRしたりセリフの中で言うシーンはほとんどないですね。
ああいうのを見たときに、やはり日本とは違うのかなという感じを受けました。
日本のドラマにあか牛を食べるシーンがあったり、それを美味しいねと言ってくれるセリフがあれば最高です。
今後は農水省からも、そういうCMを大いに発信していただくならと思います。
それと質問ですけれども、輸入牛乳が入ってくるということですけれども、それは日本の品質とどういう違いがあるのか、どういう状態で入ってくるのかというのはほとんど私わかりませんので、その点をお聞きしたいと思います。
よろしくお願いします。
以上です。

○武内部会長
どうもありがとうございました。
それでは、小谷委員、お願いします。

○小谷委員
まずは、前回の意見を踏まえていろいろ丁寧な資料をまとめてくださいまして、ありがとうございます。
中野委員と藤井委員の御発言はすばらしくいい報告で、感動を持って聞いておりました。
こういう話をそのまま伝えて、聞いてくれた人は、今すぐ国産の牛乳を買ったり乳製品を飲むのではないかなと思いました。
乳業も酪農も問題を抱えているということと同時に、いろんな新しい策を提案しつつ、希望をもって営んでいる生産者、協会の声というのを消費者が知れば、国産のものを純粋に買いたくなるはずだと思いました。
産地と食卓というのが遠いと言われて久しいですけれども、国会にはテレビ中継があります。
畜産部会のテレビ中継を提案するわけではないのですけれども、私は那須委員の方言とか廣野委員の方言とか、あとで石澤委員も楽しみで、皆さんの言葉を聞いていると、本当に肉声というか現地の声というか、北海道の藤井さんから始まって、九州まで農業はまさに地域の産業なのだなといつも感じるんですね。
議事録は、まとめなきゃいけないからいろいろあるのでしょうけれども、やはりデータみたいになってしまって冷たい感じがして、そういう肉声とか─そもそも情報というのは、情けを持って報じると書くんですね。
ですから、自分もメディアの端くれで思うと同時に、これからの5年というのは、何かもうちょっとこの場の生の声を伝えるのが大事かなと思いました。
そういう意味でいうと、資料4の国民からの御意見・御要望の募集に恐らくフェイスブックやツイッターなどホームページを使うのは今回初めてでしょうから、そのあたりは評価したいと思います。
生産現場、この部会の現場と消費者との情報交流は、まだまだ足りないというふうに感じています。
以上です。

○武内部会長
どうもありがとうございました。
それでは、事務局のほうから。

○菅家牛乳乳製品課長
牛乳の輸入についてでございますが、現在のところですと、外国の牛乳が日本に入ってくるといったような状況にはございませんが、外国で飲まれている牛乳も、例えば放牧中心で育てられた牛の生乳か、あるいは穀物を中心に給与されて育った牛の生乳かと、そういったもので若干風味の違いというものはあるのだろうと思いますけれども、いずれにしても、現在は輸入の牛乳が入ってくるというような状況にはなくて、むしろ日本からLL牛乳というロングライフ牛乳、こういったものがアジア諸国に、まだ量はそう多くはないと思いますけれども、個々の乳業者さんが輸出に取り組まれている例はあると承知をしております。

○原田畜産部長
今の関連だと、むしろ中野委員とかに聞いたほうがいいのでしょうけど、日本のように成分無調整のような牛乳がそのまま愛されているというのは、海外の場合は結構加工乳で、脂肪1%、2%とか、加工乳で出ているのが多いと思うのですけど、その辺はどうでしょうか。

○中野委員
国によって牛乳のイメージが全然違っていて、あるところへ行けば、ほとんど脱脂粉乳とバターを原料とした還元乳も牛乳とされています。
特に東南アジアなどは、日本で言えば加工乳や乳飲料も牛乳となっているので、一概に牛乳って何を指すかというのが非常に難しいですね。
TPP等の自由化進展の中で、フレッシュなミルクをオセアニアとかから直接日本に持ってくるのは難しいだろうと言われていますが、持ってこようと思ったら、実際には中国なども空輸便で持って来たりしているようですから、物理的にできないわけではないです。
ただ、コストだとか、あるいは日本のフレッシュに慣れたところに、もし海外から持ってくるとすれば、多分LL品を持ってくることになると思います。
チルド牛乳になれた日本人の味覚に合うのか否かが難しいところです。
このため、牛乳そのものは入ってきませんが、入ってくるとすればバターや脱脂粉乳といった、いわゆる生乳を加工し保存性を高めたものが入ってくると思います。

○武内部会長
それでは、次に金城委員、お願いいたします。

○金城委員
和牛のほうの肉牛の生産リスト、資料ありがとうございました。
また、繁殖雌牛への対応もありがとうございました。
現実的に私ども、例えば市場で奨励会をやりますと、その日、絶対夜は泊めてもらって意見交換をしているのですけれども、まだまだ非常に高いものですから、ここ1~2年、どうもうちに来ている業者は結構つぶれそうというか、自分で閉めるという状況が多いようでございまして、この2~3年、まだまだ非常にきついなというふうに思いますので、なお一層の支援をよろしくお願いいたします。
今日、私も牛乳関係のこういう資料等見るのは初めてでございまして、さっきミルクツリーと書いてありましたけど、そういえば私自身が食べているのは、このうちの一部だなと感心しながら見ておりました。
そういう意味では、確かに中野委員がおっしゃったように、需給調整は非常に大変だなというふうに思います。
その時期、時期で食べるものは違いますし、特に今牛乳の話もありましたように、生乳自体がそう長くもたない。
先ほど近藤委員が、そういう部分をもたせる方法はないかと、技術的な開発ができないかというような質問がありましたけれども、そういうことがすぐできれば、当然今までできているのだろうと。
そういう中でも頑張っておられたのだろうというふうに思います。
もう一つは、近藤委員もおっしゃっていたように、輸出というふうに考えたときに、中野委員の資料のところで、ふえるから将来的には、形だけ、字面だけ見ますと、非常に未来が明るいような数字になるのですけれども、やはり人口のふえ方は基本的に、何でもそうですけれども、食べる量があればふえるでしょうけど、食べ物がなきゃ当然にそういう部分は調整されていくのだろうと思いますし、全く今と同じような状況で、資産を持った人が同じ率でふえていくかというと非常に違う話で、逆に言うと、そういうふうに同じようにふえていくということは単純に計算してできるのでしょうけれども、将来的に見たときに、果たしてそういうふうにふえるかなと。
もともと日本だって、産めやふやせや、高度経済成長のときにはどんどんふえていくという計算が、いつの間にか減るという計算になってきていますから、おのずと社会情勢が変わることによって、日本の場合は多分子育てが難しい中で減ってきたのだろうという部分がありますし、そういう面では、自分自身が育てることが難しくなれば、おのずと人口のふえ方も変わりますし、その中での所得分布も当然変わってくるものですから、同じようにはふえていかんだろうと思います。
そういう意味では、日本から乳製品を輸出すれば、今入ってきている輸入の分もふえてくるわけでして、そうした中で果たして日本の乳製品が国際競争力の中で本当に勝てるのかどうか。
そういうことを含めながら、いわゆるプラス面があればどっかでマイナス部分が出てくるものですから、そういう部分を兼ね合わせながら、日本の乳業をどうしていこうかということを考えていかないと、片方、輸出をふやすということは、日本に輸入している部分がふえてくるという計算になるものですから、そういうことを含めたときに、日本の加工輸出製品が、中で競争力を持てるのかどうかを含めて考えていかなきゃならんだろうというふうに思います。
今日は、本当にお二人お疲れさまでございました。
私、これだけの資料を見るというのは初めてなものですから、非常に勉強させてもらいました。
ありがとうございました。
それから、事務局から出している資料の質問なのですけれども、今後の畜産部会のスケジュールがありましたけれども、確か以前、現場も見せるというお話がありましたけれども、いつごろを予定しているのか、どういう現場を予定しているのか、ちょっとお聞かせいただければ有り難いなというふうに思います。

○武内部会長
それでは、石澤委員、お願いします。

○石澤委員
まず最初に、雪害の部分に関しましてどなたもおっしゃらなかったので、一言お礼を申し上げたいと思います。
大変手厚い形で取り組んでいただいているのに感謝したいと思います。
ただ、そういう中なのですけれども、私ども台風19号のときにリンゴの苗木をいっぱいいただきましたけれども、リンゴというのは3年物の苗木をいただければ全然違うのですけれども、1年目の苗木をいただいた場合、収入が入ってくるまですごい時間がかかるんですね。
ですから、長い目で見ていただかないと、もう少し─特に山梨とかの雪害を見ていると、私は人ごととはとても思えないような形ですので、まず一つ、もう少し長い目で見た対策を検討していただければと思います。
まずは、とりあえずありがとうございます。
続きまして、今日中野委員、藤井委員のほうからお話しありましたけれども、考えてみますと、日本の畜産というのは輸入の飼料に頼っているという部分が非常に大きいものですから、どうしても畜産物というのは、普通のお米とか野菜とかと比べると、日本の国内でつくっていても、何か冷たい目線が向けられているというか、そういう部分が非常に高いのですが、その中で政策をきちんと持っていくと変わってくるのではないかというのが、まずは飼料米というような話だと思うのです。
今回の政策の中に入っている飼料米はもちろんですけれども、その前から、以前からやっているWCSとか、そういう部分もじわじわと確かにふえてはいるのですけれども、お米をつくっている農家の皆さんは、まずは8万円とか10万円に目がいってしまうんですね。
今回、私、茨城の方とお会いしたときに、ずっと前から立毛放牧というのをやられていまして、前回の質問のときに小林さんのほうに質問させていただいて、お答えいただいたのですけれども、どうしても農家としては手取りとしてある程度、8万円とかないと、その土地を貸していただけないんだそうです。
私は、立毛放牧というのは非常に効率のいい、農家にとっては手間暇かからないし、非常にいい話なのにもかかわらず、飼料米をつくったほうが8万円になるし10万円になるし、そっちのほうがいいという話で貸してくれないというような話を聞きました。
その辺は、立ち上がりの時期の重要なときなものですから、もう少し検討をしていただくというのが必要になってくるのではないかなというふうに思います。
具体的にいきますと、同じように立毛放牧をやられる方には、それは畜産農家にいくわけではなくて、その土地を貸していただく方にいくわけなので、その辺をもう少し御配慮いただければ有り難いと思います。
同じように、せっかくこういうふうにして飼料の自給に向けて農水省さんが一生懸命考えられている中で、飼料米についても、先日というかつい2~3日ぐらい前に、養鶏協会のほうから飼料米の検査員制度に関する研修の件というふうに出ていまして、今まで飼料米をつくっても、こういう検査員制度とかというのはなかったと思ったのが、今度は検査をしないとその飼料米を取り扱えないというような形の中で、今回は、特別お安く10万程度で研修ができます、東京とか大都市で人数に応じてやります、というふうな形の文書が流れてきています。
これ、具体的なやつは、あさって説明会があるらしいのですけれども、その件についても、今までも飼料米というのはずっとやられてきまして、一番困るのは畜産農家なんですね。
実際、例えば夾雑物が入ってきたり、水分が多かったりするとカビが生えたりとか、いざどっこい育てるときに夾雑物がいっぱいあると、それを鶏に食べさせてもきちんと成長しないとかというふうな点では、困るのは畜産農家なので、もう既にわかっているはずなのですけれども、さらに検査員制度、検査をしていくのだという。
方向性は決まったわけでしょうけれども、できる限りもっと簡略な形で飼料の自給という。
これがいずれ、先ほど藤井さんのほうからお話しあったようなトウモロコシとかの栽培等をやった場合等でも、いろいろな課題が出てくるのではないかなと思いますので、あえてここで質問と意見と両方まぜこぜにしてお話しさせていただきました。
以上です。

○武内部会長
ありがとうございました。
それでは、事務局のほうから、現地にはいつ行くのですかということもございましたけど。

○田村畜産総合推進室長
金城委員から御質問いただきました現地の調査でございますけれども、秋口になろうかと存じます。
9月から11月ぐらいかと存じますけれども、よく部会長初め委員の皆様方と御相談させていただきたいと思います。
それから、訪問していただく場所につきましては、これも基本的には北海道、南九州ということになろうかと存じますけれども、このあたりもよく御相談させていただきたいと考えております。

○武内部会長
ほかによろしいですか。

○小林畜産振興課長
石澤委員から、前回に引き続き立毛放牧のお話がありました。
立毛放牧は、おっしゃられるように、稲を利用する最も効率的な方法だと評価しております。
ただし、周年を通して見ると、秋場しか餌を提供しないという反面もあります。
現在、私どもの仕組みの中では、水田利用という面で、飼料作物として3万5,000円の支払の対象となっております。
加えて、立毛放牧の一定の期間、ちゃんと放牧していただけるという条件さえ満たしていただければ、追加的に耕畜連携の1万3,000円。
したがいまして、8万円プラス1万3,000円には到達できませんけれども、そういう形で御支援しているということであります。
引き続き、そういう事情をいろいろ聞かせていただいて、検討はしていただきますけれども、その中でできれば進めていただきたいなと思います。
あと、後段の話で農産物検査のお話がありました。
これは飼料用米が数量に基づいて支払になるということをきっかけといたしまして、その数量確認の手法として、今規格をつくって、法律に基づく検査ということを計画してございます。
おっしゃられるような夾雑物、要は異物の混入、それから水分という極めて単純な規格で、しかもその検査をする方々の登録も、単純な講習を受けたものでということを計画していると聞いております。
そういうことで、余り負荷のかからない方向で検討されているということを御報告いたします。

○武内部会長
ありがとうございました。
それでは、今日発表いただいた中野委員、何か追加的に。

○中野委員
藤井委員の今日のプレゼン、大変感動しています。
私は、今日、乳業者の立場に限定してお話ししましたので、非常に参考になりました。
ただ、私と藤井委員話の中で「グローバル化」という言葉が双方に出てきたのですが、このグローバル化のイメージが、恐らく私がイメージしているものと藤井委員がイメージしているものとは微妙に違うと思いますし、聞いている皆さんも、それぞれが抱いているグローバル化のイメージは違うのではないかと思います。
これからこの酪肉近の議論を進めていく中で、グローバルな視点を持って議論をしていかざるを得ないというのは、多分皆さん共通だと思うのですが、グローバル化のイメージはそれぞればらばらなので、これから議論をするときには、そこをきちんと詰めた上で議論を行う必要があります。
私自身、乳業者の立場でやれるところはここまでだなというグローバル化の限界を持っていますし、現実、足元のところは内外価格差があり、関税で国内が守られている状況なので、10年後その先を見据えて様々な手を打っておく必要があると思います。
自由化の進展も関税が下がる一方、輸出チャンスも出てくるわけです。
このように微妙に捉え方に違いがあるので、グローバル化と言うと聞こえが良いのですが、全てを解決してくれる手段のような錯覚に陥らないように、きちんとそのイメージを共有化し、議論をして行く必要があると感じました。
以上です。

○武内部会長
ありがとうございました。
それでは、藤井委員。

○藤井委員
22年の酪肉近策定に当たって、すごく閉塞感を感じるというか、転換期だということはうたっているのですが、その転換の先が六次産業化だったり多様な品種ということで、やはりすごく難しい感じになってしまった。
それは、やはり私も平成18年の牛乳廃棄のときに感じた印象が、そのままそういうふうに酪肉近にもなっているなというような気が、つくりながら思いました。
そこに対してしっかり向き合うということをやらないで横に逃げると、結局未来をつくっていけないのかなというような気がしました。
中野委員のおっしゃるとおり、グローバル化は決して生やさしい未来ではなくて、今より非常に厳しい状況に入るということは、私もそう認識した中で、でも、やはり前を向いていくということが非常に大事なのかなというふうに思っております。
その中で、これも宇都宮仙太郎の言葉の中で、牛づくりは草づくり、草づくりは土づくりという話がありますが、その根本を動かすのは人なので、人づくりをやっていかなきゃならないと。
その人を動かすためには、やはり大きいビジョンが必要で、逃げではなくて、しっかり真正面から捉えて、そこでやっていくという。
いろいろな施策や保護や関税障壁とかありながらも、たくましく生き残っていく酪農をつくっていかなけりゃならないなというふうに思っております。
そういった意味で、生産者として皆様のお知恵をおかりしながら、何とか100年後も力強く私の子孫たちがやっていけるように、是非考えていっていただければと思います。

○武内部会長
どうもありがとうございました。
まだ少し時間がありますが、さらに追加的に御意見お持ちの方については、挙手でお願いできればと思いますが、いかがでしょうか。
今日はお二人のプレゼンがとても印象深くて、大変皆さん満足されておられるようでございますので、一応こちらのほうから。

○原田畜産部長
ありがとうございます。
本当にお礼申し上げます。
今日のような議事というのは、この審議会の中で委員の方にプレゼンをしていただいて議論を進めるというのは、私も初めての経験だったのですけれども、大変よかったなと本当にお礼申し上げます。
改めて中野委員、藤井委員、ありがとうございました。
役人的な立場からしますと、フレームのない中で議論をしていただくというのは大変危険なことでございます。
でも、逆に、我々ずっと酪肉近を更新している中で、非常に固くなっている部分もございますし、フレームが硬直化していますので、どこまでできるかというのはありますけれども、まずそういったフレームをつくる前に御意見をいただいて、それをまた積み上げていくというのは貴重な作業かなと思いますし、次回以降も委員の皆さんにプレゼンをいただきますけれども、そういうような形でしばらく進めていただけると、私たちも大変いいでき上がりになるのではないかなと思っています。
できるだけ委員の皆さんの御意見を踏まえながら今後の作業を進めたいと思いますので、よろしくお願いします。
ありがとうございました。

○武内部会長
どうもありがとうございました。
ちょっと早いのですが、締めに入らせていただきたいと思います。
本日は、長時間に及び熱心に御審議いただきまして、ありがとうございました。

 

チーズ向け生乳の補給金単価等の諮問・答申

○武内部会長
最後に、昨年末の畜産物価格の審議の際に話がありましたチーズ向け生乳の件について、事務局より報告があるということでございますので、よろしくお願いします。

○菅家牛乳乳製品課長
今、部会長からお話があった件でございますが、昨年12月19日のこの部会におきまして、チーズ向け生乳の補給金の単価及び交付対象数量につきまして、参考値という形でお示しをさせていただきました。
まだ制度改正前ではありますが、実質的には御承認をいただいたところでございます。
このたび、平成26年度の予算が3月20日に成立したことを受けまして、改正政令が閣議決定をされまして、26年度からチーズ向け生乳が加工原料乳生産者補給金の交付対象に正式に追加をされることになりましたので、御報告を申し上げます。
また、これに伴いまして、事務的にはなりますけれども、チーズ向け生乳の補給金単価等に関する諮問文を本部会に提出をさせていただきたいと存じます。
以上でございます。
──────── 25生畜第2015号
平成26年3月24日
食料・農業・農村政策審議会
会長 生源寺 眞一 殿
農林水産大臣 林 芳正
諮問
加工原料乳生産者補給金等暫定措置法(昭和40年法律第112号)第11条第1項の規定に基づき平成26年度の生産者補給交付金に係る加工原料乳(ナチュラルチーズの原料である生乳)の数量の最高限度として農林水産大臣が定める数量を試算に示した考え方で定めるに当たり留意すべき事項及び同条第2項の規定に基づき平成26年度の加工原料乳(ナチュラルチーズの原料である生乳)の補給金単価を試算に示した考え方で定めるに当たり留意すべき事項について、同条第6項の規定に基づき、貴審議会の意見を求める。

○武内部会長
ありがとうございました。
平成26年度のチーズ向け生乳の補給金単価と交付対象数量については、昨年末の畜産物価格の際に御承認いただいておりますので、ただいまの話を受けまして、本部会としての答申の手続を事務的にさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
参考までに、皆さん方に答申ということで、今決裁されたものを事務局から答申文ということで配付させていただいております。
ということで、今、了という字を書かせていただきました。
──────── 25食農審第62号
平成26年3月24日
農林水産大臣 林 芳正殿
食料・農業・農村政策審議会
会長 生源寺 眞一
答申
平成26年3月24日付け25生畜第2015号で諮問があった平成26年度の生産者補給交付金に係る加工原料乳(ナチュラルチーズの原料である生乳)の数量の最高限度として農林水産大臣が定める数量(以下「限度数量」という。)及び加工原料乳(ナチュラルチーズの原料である生乳)の補給金単価を試算に示した考え方で定めるに当たり留意すべき事項については、下記のとおり答申する。

生産者補給交付金に係る加工原料乳(ナチュラルチーズの原料である生乳)の限度数量及び補給金単価については、生産条件、需給事情及び物価その他の経済事情を総合的に考慮すると、試算に示された考え方で定めることは、妥当である。
────────

○武内部会長
以上、議事終了でございます。
なお、次回でございますが、畜産・酪農を議論するに当たって避けて通れない課題である飼料、環境、そのほか、これまで委員の皆様からも多くの意見が出されております消費・安全をテーマとして事務局からの説明とともに、本日と同様、数名の委員からお考えについて御説明いただいた上で、議論をしていきたいというふうに思います。
飼料については、配合飼料の話を中心として山内委員、飼料米の話と環境ということで、排せつ物処理等に関しまして石澤委員にお願いをしたいと思います。
また、消費・安全につきましては近藤委員にお話をお願いするということで、それぞれの委員のお考え、現状の認識の仕方、今後の方向性等について御説明をいただければというふうに、私、部会長としては考えておりますが、その方向でよろしいでしょうか。

〔「異議なし」の声あり〕

○武内部会長
どうもありがとうございます。
どうぞよろしくお願いいたします。

 

閉会

○武内部会長
それでは、事務局より連絡事項について説明をお願いいたします。

○渡邉畜産企画課長
どうもありがとうございました。
次回でございますけれども、また基本計画のほうの企画部会などの審議の状況を見ながらということでスケジュールなど考えたいと思いますけれども、一応4月の下旬を予定したいと存じますので、よろしくお願いしたいと思います。
具体的な日付などにつきましては、従前どおりの形で、また事務的に連絡をとらせていただきたいというふうに存じますので、よろしくお願いしたいと存じます。
ありがとうございました。

○武内部会長
今日お話しのあった企画部会のほうについては、私、これまで出席できておりませんでしたが、今度はきちっと、自給率の話のときは出席するようにしておりますので、こちら畜産部会の方々から頂いた御意見も踏まえて、私としては発言したいというふうに思っております。
また、その結果については、委員の皆さん方に御報告をさせていただきたいと思います。
今日はどうもありがとうございました。
これで散会とさせていただきます。

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