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農林水産省

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食料・農業・農村政策審議会畜産部会  平成26年度第2回部会 議事録

1.日時及び場所

平成26年5月27日(火曜日) 13時30分~17時32分
農林水産省 7階講堂

2.議事

(1) 開会

(2) 部会長挨拶

(3) 出席状況報告・資料確認

(4) 議事の進め方・資料説明

(5) 委員説明

(6) 質疑応答・意見聴取

(7) 閉会

3.概要

開会

○渡邉畜産企画課長
定刻になりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会の畜産部会、今年度第2回目となります会合を開催させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、御多忙中のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。
当部会の事務局を務めさせていただいております畜産企画課の渡邉でございます。
よろしくお願いをいたします。
本日は武内部会長は所用により御欠席ということでございますので、小谷部会長代理に進行をお務めいただきたいと思います。
それでは、小谷部会長代理に一言御挨拶をいただいた上で、議事をお進めいただきたいと思います。

 

部会長挨拶

○小谷部会長代理
皆様、こんにちは。
本日の部会長の職務を務めさせていただきます小谷でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
委員の各位におかれましては、御多忙のところ御出席をいただきまして、厚く御礼申し上げます。
大分蒸し暑くなってまいりましたけれども、今日は3人の方のプレゼンもあるということで、楽しみにやってまいりました。
熱い議論を楽しみにしております。
それでは、まず畜産部長から御挨拶をお願いします。

○原田畜産部長
お疲れさまでございます。
畜産部長でございます。
本年度第2回の畜産部会でございます。
今日はちょっと会場が広くて、何かちょっと違和感がありますが、広い舞台を用意しましたので、よろしくお願いします。
今日はちょっと暑いですから、本当に上着を脱いでいただいて、我々はクールビズで、こんな格好で失礼しています。
前回は、鳥インフルエンザが熊本で起きたときだったですけれども、5月8日に移動制限が解除されまして、その後もしっかりと防疫は続けておりまして、熊本県の関係者の皆様には、また改めてお礼を申し上げたいと思います。
一方で、豚のPEDがまだ収束していなくて、38県での発生になりました。
ただ、この病気は、ある程度コントロールをしながら、ワクチネーション、衛生管理でもって対応せざるを得ないかなと思っておりまして、養豚経営の皆様にも、そのような形で防疫対策をお願いしたいと思います。
今、動物衛生課で新たな対策を全体の組み立て直しをしていますので、また改めてそちらのほうのアナウンスもあろうかと思います。
本日は6次化、あるいは肉用牛担い手という、食肉担い手ということで3名の委員の皆さんに、またプレゼンテーションをお願いしております。
私たちにとっても大変勉強になりますプレゼンテーションを毎回頂いておりますけれども、本日も委員の皆さん中心に御意見を頂いて、また、私どものほうでも適宜報告をさせていただきながら、熱心なご議論がいただければと思います。
よろしくお願いします。

○小谷部会長代理
ありがとうございました。
それでは、議事を進めます。
まず、事務局から委員の出席状況、配付資料の確認などについて、お願いいたします。

 

出席状況報告・資料確認

○渡邉畜産企画課長
本日は小谷部会長代理を含めまして、現在11名の委員の皆様方に御出席をいただいております。
武内部会長、山内明子委員、金城委員、野村委員、冨士委員につきましては所用により本日ご欠席ということでございます。
規定では、委員と議事に関係のある臨時委員の3分の1以上の出席がなければ会議を開き議決することができないと定められておりますけれども、本日は規定数を満たしていることをご報告申し上げます。
続きまして、本日の配付の資料について確認させていただきます。
配付されている資料一覧のとおりでございますけれども、資料1から資料8まで、それから、あと参考資料が1と2となっておりますのでご確認をいただきまして、不足があればお申しつけをいただきたいと思います。

 

議事の進め方・資料説明

○小谷部会長代理
ありがとうございました。
では、本日の議事の進め方でございますが、まず初めに、先月22日に開催されました企画部会における主な議論について御説明いただきたいと思います。
その後、本日のテーマでもあります食肉関係と、そのほかの重要事項として、担い手、6次産業化、輸出等につきまして議論していきたいと考えております。
まず、事務局から、先般19日に行われました政府の産業競争力会議課題別会合におきまして、農林水産省から提出した資料の概要を御説明いただいた後、本日のテーマについて、現行酪肉近基本方針の検証について説明をいただきたいと思います。
事務局の説明の後、那須委員、笹﨑委員、そして廣野委員から、順次プレゼンテーションを行っていただきます。
その後、一旦休憩を挟みまして、それまでの事務局の説明並びに委員からの説明を踏まえまして、一括して意見交換を行いたいと考えております。
本日の詳細な議事録につきましては、後日、皆様にご確認いただいた上で公開することとなります。
よろしくお願いいたします。
できるだけ効率的な運営に努め、17時半ごろをめどに終了したいと思いますので、円滑な議事の進行に御協力のほど、よろしくお願いいたします。
それでは、まず、先月の企画部会における主な議論等について、事務局から説明をお願いいたします。

○田村畜産総合推進室長
畜産総合推進室長の田村でございます。
よろしくお願いいたします。
本日も盛りだくさんでございますので、いつもながら駆け足で説明させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
お手元の資料、資料3をお開きいただきたいと存じます。
よろしいでしょうか。
資料3でございます。
こちらが4月22日に開催されました企画部会の資料、畜産の関係を抜粋してお配りさせていただいております。
大きくこの畜産部会に関係する議題といたしましては、2の(1)から(3)ということでございます。
順に御説明させていただきます。
1ページおめくりいただきまして、横にしていただきますと、従来行っている基本法に基づく施策についての検証ということでございます。
この下に書いてございますように、望ましい農業構造の確立、担い手の育成・確保、あるいは人材の育成・確保、女性、高齢農業者の参画、あるいは活動の促進といったような施策についての検証というものが行われました。
次のページから詳細な資料がついてございますけれども、説明は時間の関係で省略させていただきます。
それから、2点目でございます。
4枚めくっていただきますと、「現行の食料自給率目標等の検証2」というものがございます。
1枚おめくりいただけますでしょうか。
前回、私から御説明申し上げましたとおり、牛肉、豚肉、あるいは鶏肉、鶏卵といったものは目標を達成、あるいは、おおむね達成となってございます。
他方、今お開きいただきました1ページにございますように、まず飼料米、これにつきましては残念ながらC評価、目標未達成となってございます。
右側の一番下、赤いところを見ていただきますと、まとめとございます。
主食用米の需要が減少している状況のもとで、目標設定は適切。
しかし、多収性専用品種の導入や飼料用米の効率的な流通体制の確立などに対応した取り組みが不十分ということで、24年度の実績が想定していた当該年度の進捗予定値から乖離ということでございます。
2ページ、その下でございます。
今度は牛乳・乳製品、こちらもC評価、目標が未達成となってございます。
下の、まとめをごらんいただきますと、飲用需要の減少率の抑制、チーズ需要の増加を見込んでいる目標設定は適切。
しかし、22年以降の夏季の高温等による生乳生産量の減少により、国産チーズの生産拡大が不十分であったこと、生産基盤の脆弱化に対する施策が不十分であったということから、24年度の実績は想定していた進捗予定値から乖離ということでございます。
さらに、ずっとおめくりいただきまして、7ページでございます。
飼料作物でございます。
こちらにつきましてもC評価となってございます。
まとめでございます。
畜産物の需要が堅調で飼料の需要も堅調であることから、目標は適切。
一方、原発事故の影響や、作付面積の拡大・単収の向上等に対する施策が不十分であることから、実績が乖離したと、こういうまとめでございます。
既に、こうしたことも当然認識しており、25年度の補正予算、あるいは26年度の当初予算に、今は既に多くの施策を盛り込んで、今、施策を実行しているということでございますが、これらの指摘につきましては、今後、当部会において引き続き御審議いただいた上で、酪肉近の基本方針にしっかりと施策を盛り込んでいく必要があると考えております。
それから、次のテーマでございます。
また1ページおめくりいただきまして、今度は「「経営展望」の検証」でございます。
こちらは、ずっとめくっていただきまして、4ページをごらんいただけますでしょうか。
酪農、肉用牛、養豚につきまして、こちらにお示ししておりますような経営モデルの概要を提示いたしまして、そのモデルあるいは技術のもとでの展開状況ということを中段で整理させていただいております。
この中では特に、今後の検討において参考にすべき新たな取り組み例ということを、ポイントを申し上げさせていただきます。
酪農につきましては、自動給餌機、高機能な搾乳ロボットによる飼養管理の省力化などによりまして、大幅な効率化を実現する取り組みが増加している。
また、JAと地域の異業種企業が共同出資法人を設立するなど、多様な担い手が新規参入しているといった取り組み例がございます。
肉用牛につきましては、まさに耕畜連携によりまして、子牛用の乾草以外の粗飼料の100%地元供給を実現、あるいは他業種からの参入を含め、大規模な繁殖経営が実現といったような取り組み例がございます。
最後、養豚でございますけれども、飼料用米あるいはエコフィードを飼料として活用し、循環型の農業を成立、あるいは養豚のブランド化を図る取り組みも出現していると、こういったことでございます。
それから、最後、また1ページめくっていただきますと、「「経営展望」の検証(品目別検証結果)」という資料を、畜産関係を添付させていただいております。
こちらは、ごらんいただきますと、それぞれ酪農、肉用牛、養豚につきましての経営展望の概要、取組状況の分析、現場の事例の分析といったものを詳細な例を添付いたしております。
詳細につきましての説明は省略させていただきます。
次に、以上の諸点につきまして、企画部会の委員の皆様から出された主な意見を簡単に御紹介させていただきます。
まず、望ましい農業構造の確立、担い手の育成・確保につきましては、小規模農家も含めた家族経営を中心とした農業を、日本の国土、里山を維持していくために重要な要素として考えたほうがいいという御意見、あるいは人・農地プランについて地域ごとに検討しており、担い手の明確化を地域ごとに行うのが大事といった御意見、あるいは担い手の位置づけについて、意欲ある多様な農業者から効率的かつ安定的な農業経営に移行すべきという考えに賛同といった、こういった御意見でございます。
2点目の人材の育成・確保というところにつきましては、若者新規就農者に対し、就農により高い所得が得られるよう経営指導や技術の伝授などを行うべきという御意見、あるいは後継者が跡を継ぐ意志があるかどうかで今の経営者の意欲に大きな影響がある、そういった意味から子弟に対する農業教育も重視していただきたいといった御意見でございます。
さらには、現行の食料自給率目標の検証につきましては、カロリーベースの自給率を中心に情報発信をしているが、1つの指標だけでなく、金額ベースなどもっとバランスよく見ていいのではないかといった御意見、あるいは生産数量目標は、水田については飼料用米の畜種別、地域別の生産数量目標など、需要に応じた生産と水田機能の維持などの観点が重要といった御意見がございました。
最後に、経営展望の検証につきましては、経営展望については、地域の農業が多様化している実態を踏まえ、意欲ある担い手経営体と、それを支える多様な担い手に対し、やる気を起こさせるような目標設定、政策確立が必要といった御意見、あるいは効率的・安定的な経営は理想ではあるが、そこまでいかないのが現実であり、地域の条件を鑑みて、地域を維持していく視点を経営展望にどう織り込んでいくか、問題意識を持って進めてもらいたいといった御意見がございました。
以上が、資料3でございます。
駆け足で申し上げます。
次に、その下に資料3-1という資料をつけております。
「これまでの酪肉近基本方針における「担い手」や「6次産業化」の位置づけ」と、これは前回、藤井委員から御指摘いただきまして、事務局で資料を用意させていただきました。
1ページおめくりいただきまして、1ページでございます。
まず、担い手につきましては、上段ですね。
17年度の酪肉近におきましては、担い手は認定農業者を基本とするということでありますが、生産形態の特性、あるいは地域の実情というものも考慮しつつ、認定農業者ではないがそこに準じるような営農形態についても担い手として位置づけるといったような記載となってございます。
その下、22年度でございます。
こちらにつきましては、前回も基本計画の書きぶりは御説明しましたけれども、それに倣ってだと思いますけれども、小規模な家族経営を含む様々な意欲ある経営を育成・確保していくことが必要といったことで、17年度と22年度の書きぶりが、担い手については変わっているということでございます。
これを、今般策定していただく酪肉近におきましてどのような担い手を規定していくべきかといったことにつきましては、まさに本日、担い手ということも1つの重要なテーマでございますので、ご所見がございましたら、是非後ほど御意見をいただければありがたいと存じます。
それから、1ページめくっていただきますと、今度は6次産業化でございます。
こちらにつきましても、藤井委員のほうから、これまでの酪肉近の書きぶりについて教えてほしいという御下問がございました。
これは、まず上段をごらんいただきますと、17年度におきましては、まだ6次産業化という言葉が定着してございません。
それで、牛乳・乳製品の高付加価値化を図るため、自ら製造・加工した特徴ある牛乳・乳製品の販売、産直活動等により経営体質の強化を図ろうとする生産者の取組を推進となっています。
他方、肉用牛については明確な記述はございませんでした。
22年度におきましては、表題をごらんいただきますと6次産業化という言葉が明確に出てまいりまして、それによる酪農及び肉用牛経営の所得向上ということで、明確に位置づけられてございます。
3ページをごらんいただきますと、小規模な家族経営を含むさまざまな意欲ある酪農及び肉用牛経営が加工や直接販売等に主体的に進出し、経営を多角化・高度化する6次産業化の取組を支援することにより、生産・加工・販売の一体化による付加価値の向上を推進するといったようなことが掲げられているということでございます。
私からは以上でございます。

○小谷部会長代理
ありがとうございました。
続きまして、産業競争力会議提出資料と現行酪肉近基本方針の検証について、事務局より御説明願います。

○渡邉畜産企画課長
では、私から御説明をさせていただきます。
まず、産業競争力会議の関係の資料でございます。
資料4をごらんいただきたいと思います。
これは、5月19日に産業競争力会議の課題別会合で、農林水産大臣から説明をさせていただいた資料でございます。
まず、1ページをごらんいただきたいと存じます。
昨年の農政改革などの動きの中で、農地中間管理機構を整備して農地の集約化を図る、あるいは米政策の見直しを進めるということも含めまして、攻めの農業の基盤を形成いたしたところでございます。
まずは、現場の実態を踏まえて、この改革で打ち出した方向をしっかり推進していくということ、需要・供給・バリューチェーンという「攻めの農業」の実現のための3つの柱について、産業競争力会議、その他の場における議論を踏まえまして、企業のノウハウ、資金力、人材を活用して、新たな視点からの取り組みを深化させていこうという方向でございます。
主として畜産・酪農の関係を特に中心に御説明させていただきますので、4ページをごらんいただきたいと思います。
「攻めの農業」を担う生産現場の強化ということで、畜産・酪農分野につきましては構造改革の先駆者ということ、2行目にございますけれども、という認識のもとに、その先駆者たる畜産・酪農分野を更に強化をしていきたいということでございます。
左の下のほうにございますけれども、畜産・酪農の競争力強化ということで、企業も含めましてさまざまな主体が連携をした地域ぐるみの収益力向上の取り組み、畜産クラスターと私どもは呼んでおりますけれども、その構築を進めておりますほか、酪農分野におきましては、酪農家の創意工夫に応える環境の整備というものを進めていきたいということで検討しております。
特に酪農の分野につきましては、15ページにちょっと詳しい資料がありますので、15ページをお開きいただきたいと存じます。
酪農家の創意工夫に応える環境の整備ということで、まず1でございますけれども、まず酪農につきましては、御案内のとおり指定団体に出荷して、そこが乳業と取引を行うというのが基本的な姿になっているわけですが、指定団体と取引を行う場合でも、現在1日1.5トンまでは自分のところで処理して、製造販売枠というものが認められているわけでございますが、その上限を拡大できないかというようなことを検討しております。
また、2番目ないし3番目ございますけれども、ジャージー種ですとかオーガニックといったような特色のある生乳について、乳業者に対して直接販売をするというようなことが解禁できないかというようなことを検討しておりますし、また、3ですけれども、酪農家が自ら乳価交渉を実施するというようなことが、直接交渉というようなことができないかというようなことも検討させていただいておりまして、指定団体による取引というもの、その機能を前提としつつ、それを踏まえつつ、こういった多様な道を検討していくということで、酪農家の多様なニーズに応えていけないかというようなことを考えているところでございます。
また、その一番下のところにありますが、設置規制の緩和と書いてございますけれども、6次産業化あるいは輸出というものに取り組むための乳業施設につきましては、現在、集約酪農地域での乳業施設については設置規制が知事承認というものにかかわらしめられておるわけでございますけれども、そういった設置規制の緩和というもので負担なりを軽減できないかを検討していくということで考えているところでございます。
また、ちょっと戻っていただきまして、6ページに行っていただきたいと思います。
本日のテーマでもあります輸出の関係でございますけれども、輸出で需要拡大するというのは大事なことということで、牛肉あるいはお茶も含めてですけれども、輸出戦略における重要品目をモデル品目といたしまして、外国でも例えばフランスにあるような、フランス食品の輸出なりの拡大を担うような団体というようなものがいろんな国に例がございますので、そういった事例も参考にして、品目ごとの輸出促進団体を核といたしまして、オールジャパンでの輸出促進を推進していきたいということで考えているものでございます。
輸出促進に資する規制緩和として、先ほど乳業施設の設置規制に言及をいたしましたけれども、また、この6ページの一番下のところに書いてございますけれども、例えば輸出用の粉ミルクの添加物使用基準の明確化、これはヨウ素の使用基準のことでございますが、そういった明確化を4月8日に行ったところでございますし、また、ハラール牛肉を生産するために必要なと畜の人員に対する本邦の在留資格の要件を緩和するというようなことができないかということで調整をしておりましたけれども、関係省庁との協議が調ったところでございますので、今後その緩和に必要な手続なりの作業を進めているところでございます。
以上、畜産・酪農分野にかかわる部分を中心に、攻めの農業についての説明をさせていただいたものでございます。
引き続きまして、今度は資料5をお取り上げいただきたいとございます。
今日のテーマとして掲げられている各、牛肉担い手などの、本日のテーマに関連する現行の酪肉近に掲げられた主要施策と、それについての取り組み状況について、本日との関係の部分を御説明させていただきたいと思います。
まず、1ページ、2ページ、現行酪肉近の概要が項目だけ整理されておりますけれども、これは説明については省略をさせていただきます。
3ページと4ページでございます。
まず、現行の酪肉近でございますけれども、畜産・酪農所得補償制度ということで、そのあり方や導入時期を検討するということとしていたわけでございます。
これにつきましては、現行の畜種別の経営安定対策の実施状況を踏まえて、生産現場の意見を聞きながら不断の見直しを行ってきたところでございます。
具体的には、例えば3ページの下の半分にございますけれども、肉用牛の経営安定対策につきましては、これまで有効に機能してきた制度であるという認識に立ちつつ、まず平成22年度でございますけれども、肉用牛繁殖経営対策をシンプルな形に簡素化をしたというような見直し、また、平成25年度になりますけれども、新マルキン事業につきまして地域の実態をより反映した仕組みとするということで、地域ごとにその算定をするというようなことのモデル的実施を導入するといったような見直しを行ってきたものでございます。
おめくりいただきまして、5ページ、6ページでございます。
現行の酪肉近には、ニーズを捉えた消費拡大ですとか、国民理解の促進ということが掲げられているわけでございます。
これにつきましては、6ページ下のところにございますけれども、赤身肉のおいしさをPRした十勝若牛、これはホルスタインの肉ですけれども、通常よりも数か月早く、14か月齢ぐらいで早期に出荷するようなお肉で、十勝若牛というふうに銘打ってマーケティングをする、あるいは、その右側の部分には土佐あかうしとございますけれども、これは褐毛和種の高知の系列のものでございますけれども、こういった赤身肉のおいしさをPRできるお肉ということで、消費者の嗜好の多様化に対応した国産牛肉あるいは肉専用種も含めて、そういった取り組みが進んできているということでございます。
また、そういった取り組みと関連をいたしまして、6次産業化の事業計画認定件数、国産牛肉における認定件数といったようなもの、下の棒グラフがございますけれども、着実に増加しているところでございます。
今後も生産・加工・流通・販売と一体となって商品の開発なりブランド化、情報発信など、多様化するニーズを捉えたその消費拡大につなげていくための一層の取り組みを促進していくことが必要だということを認識をしております。
次に、またおめくりいただきまして、7ページと8ページ、牛肉の需要の見通しと、生産の目標と、その状況でございます。
32年度目標といたしまして、人口が減少するということも考慮をして、国産の全体の消費仕向量を基準年の20年度をわずかに下回る115万トンということで見込む一方、生産量につきましては20年度と同様の52万トンということで設定をしたものでございます。
この状況につきまして、どういうふうに推移してきたかというのが8ページにございますけれども、24年度のこの牛肉、折れ線グラフの一番下の青い部分ですけれども、51万トンと若干下回っておりますけれども、おおむね達成をしているという状況でございます。
分析といたしましては、右側の箱にございますけれども、やはり肉用子牛生産者の高齢化で小規模層を中心に飼養戸数が減る、あるいは乳用種、交雑種のヌレ子の頭数の減少ということもありまして、牛肉生産量の減少が懸念されるという状況にございます。
これを踏まえまして、繁殖経営についての基盤の強化、一層のコストの削減、ニーズに対応した特色ある牛肉生産といったものに取り組んでいくことが必要だということを認識をしているものでございます。
また、おめくりいただきまして、9ページにつきましては肉用牛の流通関係でございます。
まず、肉用牛の流通ということでは、家畜市場での取引ということがあるわけでございますけれども、その公正な取引、適正な価格形成の確保のために市場の取引頭数に関する目標というものも設定をしております。
家畜市場につきましては、小規模市場の統合・廃止などによりまして、集約化が進展をしてきているところでございます。
今後とも地域の実情を踏まえながら、再編整備を進めていくことが重要だという認識でございます。
下半分が牛肉の流通の関係でございます。
牛肉につきましては、食肉処理施設の処理頭数なり稼働率の目標を掲げているわけでございますが、再編合理化といったものでと畜場数が減少しておりまして、家畜の集荷が集約されたということで、1日1か所当たりの処理頭数は年々増加をしているという一方で、1日当たりの処理能力が目標を上回って拡大したということもあって、稼働率は横ばいで推移をしているということでございます。
今後とも、食肉の処理・流通コストの低減、稼働率の向上というための再編整備などの取り組みを推進していくことが重要だということを考えております。
また、10ページでございます。
酪農あるいは肉用牛の生産の基盤でございます。
まず、乳牛が上半分でございますけれども、個体の能力が向上して、1頭当たりの乳量が増加するという中で、飼養頭数は減少傾向ということで、24年度142万頭ということでございます。
また、肉用牛の飼養頭数につきましては、先ほども言及しましたけれども、小規模経営の離脱などで減少しておりまして、24年度時点で264万頭ということで、目標の趨勢を下回っているということでございます。
いずれも、乳牛、肉用牛とも、32年度目標までのトレンドを下回っているということで、生産基盤の強化が重要だなということで考えております。
また、次のページ、11ページないし12ページでございますけれども、担い手ということで、多様な経営の育成・確保ということでございます。
新規参入者の育成・確保、酪農ヘルパーなどの支援組織による技術なり、経営能力の向上ということを掲げて取り組んできたわけでございます。
これにつきましては、12ページの右上にございますけれども、酪農ヘルパーを見ますと、やはり新規就農者の技術習得の場として活用されているということで、酪農ヘルパーからの就農というものがあるわけでございます。
また、所得あるいは収益性の確保、向上のためには、加工、6次産業化といったようなものを目標で掲げたわけでございます。
付加価値の向上、自給飼料中心の給与体系への転換、飼養管理技術の向上といったものでコストの低減なり、省力化を図るということを掲げたわけでございます。
下の12ページのところで整理してございますけれども、6次産業化あるいは地産池消の法律に基づく総合の事業化計画の認定件数も、25年度末に1,800件ちょっとあるわけですけれども、畜産関係が1割を占めているということでございまして、またA-FIVEの出資も、今のところ畜産で2件、決まっているということでございます。
流通飼料費が増加傾向にある中で、引き続き新たな技術の開発・普及によるコストの削減など、あるいは畜産クラスターといった地域ぐるみでの収益力の向上の取り組みというのを、引き続き支援をしていきたいということで考えております。
最後に、13ページ、14ページ、輸出の関係でございます。
やはり新興国あるいは地域が今後、食料消費の質の変化で畜産物の消費拡大が見込まれるということで、畜産物の輸出促進をしていこうということでございます。
具体的には2国間の技術協議、あるいはHACCP、ハラール認証への対応といったようなことをやっているわけでございますけれども、この状況でございますが、14ページ上半分、この青い棒グラフ、これは牛肉についての輸出でございます。
やはり22年の口蹄疫、あるいは23年の原発でちょっと停滞をしておりましたけれども、牛肉25年度を見ていただくと、輸出額過去最高ということで、伸びてきております。
下半分は、牛乳・乳製品の棒グラフが整理してございます。
これも22年、23年の口蹄疫なり原発のセシウムのあれで、ここはどうしても落ちたわけでございまして、24年度が谷でございますけれども、25年度になって若干回復の兆しが見られるということでございまして、引き続き輸出の促進に取り組んでいきたいということでございます。
私からの説明は以上でございます。

 

委員説明

○小谷部会長代理
ありがとうございました。
それでは、ここからはプレゼンテーションを行っていただきます。
まずは、那須委員からは、肉用牛生産や担い手等に関しての話題提供を行っていただけるということでございます。
それでは、那須委員、よろしくお願いいたします。

○那須委員
それでは、熊本県の那須です。
いつもお世話になります。
今日はよろしくお願いします。
60数年生きておりますけれども、こういうプレゼンをするのは初めてでございますので、ゆうべは寝られずに夜中の3時まで起きておりました。
けさは5時に起きましたので、2時間ぐらいしか寝ていません。
頭がぼうっとしていますけれども、一生懸命、皆さんに伝わるように頑張りたいと思います。
よろしくお願いします。
それでは、皆さんに、「21世紀・安心安全な食料確保を!!!」ということで題目を提起しました。
その下にサブタイトルで、「~女性のポテンシャルは未来のパイオニア~」ということで、お挙げしました。
今我が家の周りではホトトギスが鳴いております。
私が一番好きな鳥です。
その訳は、私に似ているからです。
地区ではホトトギスのマリちゃんと言われております。
なぜかと言いますと、ホトトギスは自分で卵を温めません。
ほかの鳥が温めます。
ということで、私も3人子供を産みましたけれども、ほとんど自分では育てておりません。
他の者、つまり、年寄りが育てました。
ですから、若い時から、いろんな会とか、いろんな研修、それから勉強会にと出かけて行くことが出来ました。
そのお陰で、今日もこのような場で発表ができるようになったということです。
ホトトギスではなくカナリアでしたら、とてもこのような場を経験することはなかっただろうと思います。
今日、最終的に、皆さんにお伝えしたいのは、「女性のポテンシャルは未来のパイオニア」と言うことです。
女性が現場でどれだけ頑張っているかというのは皆さんご存じとは思いますけれども、農業女性を少しでも社会に進出させていただいて、一人一人が持っております女性の潜在能力を、地域の中で発揮することができれば、これからの農業の活性化に一役買うのではないかと期待するからです。
21世紀の農業は、ポテンシャルを持った女性をどれだけ農業に引き込めるかが大きな鍵となるでしょう。
次に、お願いします。
目次を7つ挙げました。
「変わりつつある農村」から「最後に」ということでお話ししたいと思います。
それぞれに今、農業現場が、少しずつですけれども変わりつつあります。
それを皆さんにお伝えして、今後農業を維持・発展させていく為には、どうすべきかを消費者も一丸となって考えていかなければならない時代を迎えていると思います。
お願いします。
変わりつつある農村1、私たちの親世代はといいますと、まだまだ「慶安の御触書」とあまり変わらないような生活スタイルです。
皆さんも昔々学校で習われたので覚えていらっしゃるかもしれませんが、一応ここでお伝えしますね。
これは江戸時代、三代将軍家光のときに出されたものです。
こういう文面です。
「早起きをし、朝に草を刈り、昼は田畑を耕し、晩には縄をない、俵を編み、それぞれの仕事を油断なくすること」と記されています。
今は縄とか俵は編みませんけれども、それにかわって明日の前準備とか事務的な仕事があります。
そういうことで、朝早くから夜遅くまで、この慶安の御触書と似たり寄ったりの生活スタイルが、まだ親の世代には残っているということです。
休日も無く、収入も少ない親世代、それでも先祖伝来の自分の農地を小規模ながら一生懸命農地を耕して農地として守ってきたわけです。
だからこそ、日本の農業はどうにかこれまで続いて来たものと思います。
ある他国のように農地が無くなって輸入品が頼りの食料事情では、将来に対して本当に心配でたまりません。
その点からしても先人達の苦労がこれからの農業に生かされるものと思われます。
そして、今少しずつ変わってきていることがあります。
次、お願いします。
今度は変わりつつある、その子供たちの世代です。
後継者の世代は家族経営協定というのを結んでおりまして、給料や休日が締結されております。
それらは個人個人で違い、個人差があります。
それから、アパートや、持家からの通勤農業が増えています。
私は、嫁いだときは10人家族でした。
ですから、4世代おりましたけれども、今は核家族で、子供は自分の持家からの通勤農業です。
それから、パートナー、相手の女性はほかの仕事というのが多いです。
私たちの夫の世代は違いました。
男性は、夫いわく「何もせんでよかけん、俺がそばにおってくれ」と言いまして、農業は一緒にするものと考える世代でした。
しかし今はどうかと言いますと、別々の仕事を好むというのが若い世代の特徴じゃないだろうかと思います。
自分は農業、奥さんは違う仕事。
ちなみに、うちの後継者は、奥さんは看護師をやっております。
それから、子供たちの世代は規模拡大しまして、耕作面積がとても大きくなっております。
我が菊陽町は、いつも言いますけれども、人参の産地です。
1戸当たり20から30ヘクタールというのが今の規模です。
以前は2ヘクタールか3ヘクタールが多い方で、現在の10分の1にも及びませんでした。
次、お願いします。
これは新規就農者が、今、新規参入円滑化等対策事業を取り入れまして、牛舎を整備したところでございます。
上の段の左が我が家の牛舎です。
その右が近くの方でまた新規就農されたところの牛舎です。
下のほうは我が家の牛舎の周りにあります放牧地です。
周りが、菊陽町と合志市と二町市にまたがっておりまして、山つきでもありますので、合志市の畑が耕作放棄地になっていました。
そこでその畑を借り受けまして、土地を繋げて、放牧をさせていただいております。
そこのおうちからも、今まで荒れていたからとても良かったということで、喜んで頂いています。
次、お願いします。
ということで、後継者がいない親世代と後継者がいる親世代では、違いはありますが小規模と大規模に二分化する中で、期待と懸念があります。
期待できることは、今行われております農地中間管理機構(農地集積バンク)の創設であります。
これは、皆さん特に、女性の委員さんは御存じないかもしれませんが、地域の中で生きていますとそれぞれ人間関係があります。
そうしますと、「あやつには貸したくない」というのが出てきまして、なかなかうまい具合に農地が集積できないのが現状です。
それが今後は、出し手つまり貸す人と受け手(借りる人)達の仲介を農地中間管理機構がやっていただくようになりつつありますので、それにとても期待しております。
そうなれば農地が集積され、また耕作放棄地が解消し、農家としても効率が良くコスト削減になると思います。
ただ、耕作放棄地になっているところは基盤整備がされていない所で、出し手があっても借り手がないという所です。
ですから、今後はそういうところをどうするかが課題になってくると思われます。
次、お願いします。
小規模と大規模に二分化する中で期待と懸念があります。
懸念されることは、小規模農家においては、自信と誇りと意欲が今、薄れております。
先日、認定農家の総会がありました。
役場は認定農家の数を求めて、数だけは毎年毎年増やしてきました。
それでも、認定農家の総会に参加する人は年々減ってきています。
今年などは以前の3分の1ぐらいの出席しかありませんでした。
そのような中において、小規模農家さんの自信のなさが目に付きます。
大規模農家さんに押されて話が合わない、だから、認定農家の総会には行きたくないというような御意見も聞いております。
そういうことで、やはり規模的には大小あってもそれぞれに一生懸命頑張っている農家で農業は成り立っているわけですから、規模には関係なく、自信と誇りと意欲を持って、今までのように頑張っていただきたいなと思いました。
それから、大規模だけではやはり維持できない地域の郷土色があります。
郷土色というのはやはりみんなで作り上げるもので、大規模さんだけではなかなかつくり上げることができません。
また、維持していくこともできません。
私が住んでいる地区は400年ぐらいの歴史があります。
細川54万石の直臣武士の跡ですので、今でもその頃の名残が至る所にありますし、そういう昔ながらのいわれのある所ですけれども、以前からの行事が年々とり行われなくなりました。
ですから、我が地区で育った子供たちには、自分の里を表現するとき、特色ある里を残してやりたいし、思い出作りができる里でありたいと思っています。
ですから、郷土色というのは大事だと思います。
それから、協調性が薄れ人間味がなくなりつつあります。
自分の仕事は精いっぱい頑張るが、自分の仕事以外は振り向かない、つまり協調性が無いというのが特色と言えます。
協調性が無くなると人間味が薄れてきます。
言葉掛けもしなくなり「となりは何する人ぞ」に地域の田舎もなりつつあります。
次、お願いします。
大規模化する中で担い手をてこずらせるものがあります。
写真の方を見て下さい。
これは昔の馬車道のままの道です。
そして何十枚もの畑が広がっておりまして、基盤整備がされておりません。
面積も1反もありますし1反半もありますし、いろいろ集まっております。
道巾が狭いので、大きなトラクターが通ると路肩を壊して気の毒でなりません。
水もありませんので、できる作物も限られていて飼料作物ならいいだろうということで、耕作放棄地になっていたところを耕作しております。
作業の効率が悪くコストが随分かかります。
ですから、そのためにはやはりインフラの整備が不可欠じゃなかろうかと思います。
次、お願いします。
この写真も一面に見えますけれども、何枚もの畑が先のほうに広がっております。
所有者が高齢化し、今まではこれで良かったかも知れませんが、これからは、作り手の確保が問題になってくると思います。
次、お願いします。
大規模化する中で担い手をてこずらせるものの中で、最近は皆さんもお気づきの点が多いと思いますが、温暖化現象というのがあります。
サンゴ礁の白色化というのは温暖化現象によるというのは、これは科学的にわかっているみたいです。
季節外れの豪雨とか、最高気温の更新、それから最近は新聞などでバナナのパナマ病、キウイフルーツかいよう病、それから、熊本県におきましては深海にいるイカが捕獲されました。
そういうのを見たり聞いたりすると、「これって温暖化?」とつい素人考えで思ってしまいます。
専門的には分かりませんが、現場で仕事をしていますと、作物によっては播種期が以前より1週間位遅れても大丈夫なものもあります。
そういうことで、いろんな気温に対応でき、単収の多い飼料作物の品種改良が望まれます。
餌をつくるにもコストが随分かかります、大型化すればするほど、外国からの燃料が必要になってきます。
つまり最少の燃料で最大の収穫ができるような、そういう品種改良をお願いしたいと思います。
次、お願いします。
それで、なぜ農業は儲からないか、儲かるための策ということで考えました。
私は、自然は神の声と思っています。
第1次産業は神の声を受け入れながら、与えられた恵みを最大限に生かす産業だと思います。
ですから、やはり神の声を無視はできません。
神の声に頭は下げても、頭をこちらから上げるわけにはいきませんので、自然を受け入れながら、最大限に生かせるよう頑張っていかなきゃならないと思っております。
これが第1次産業の基本です。
次、お願いします。
なぜ農業は儲からないか。
今は畜産業ですが、嫁いだときはスイカ農家でした。
スイカを3ヘクタールぐらいつくっておりまして、嫁いで10年間はスイカを作りました。
その後、夫が牛が大好きで、1頭の導入から初めて現在に至りました。
その為、牛舎やら機械等に総合資金を借りましたので、返金するのに本当に大変な思いをしまして、やっと今に至ったわけです。
今、畜産をされている方の中には少しでも利益があるようにということで、複合経営をされている方がたくさんいらっしゃいます。
畜産プラス野菜や果物、畜産プラス米などがありますけれども、これって本当に経営安定につながるのだろうかとつい思ってしまいます。
我が家も一時期はこれをやりました。
そうしましたら、畜産は1に観察、2に観察、3、4がなくて5に観察と言われるくらいに、観察を怠ると決していいことはありません。
子牛の下痢を見落としたり、発情を見逃したり、それからほかの牛の状態を見落としたり、事故がたくさんありました。
せっかく野菜で何百万円上げても、牛の方でそれ以上に損をしてしまいます。
結局、経営安定にはつながらないということで、この複合経営を畜産に持ってくるのはなかなか難しいです。
労働力がたくさんあるところは別として、家族労働で複合経営をするというのは畜産においては本当に難しいなと思います。
じゃ、増頭すればいいんじゃないということになります。
増頭するには、運転資金がまず要ります。
我が家のように自転車操業でしたら、とてもこの運転資金なんてありません。
それから、生産コストがかかります。
今、もと牛がとても高いですので、この様な時は特に生産コストがかかります。
増頭しようとしてもなかなか難しいです。
それから、ブランド牛との価格差があります。
熊本の牛肉など、松坂牛とか神戸のブランド、神戸ビーフ牛等に比べると全然価格が違います。
3頭出して1頭分ぐらいしかありませんから、そういう中においてはとても太刀打ちできません。
そういうブランド牛との価格差もあります。
それから、酪農の藤井委員がいらっしゃいますけれども、藤井さんのところのお話を聞きましたら、「最近は、乳代だけでは経営は成り立ちませんが、どうにか子牛の値段がしますから、成り立っております」ということを聞きました。
和牛の場合は1頭売っていくらですから、それ以外の副産物は何もありません。
それがもし事故にでも遭ったらもうパアです。
それよりもそのことがマイナス要因になって経営を圧迫します。
とてもじゃないけど経営が成り立ちません。
ということで、いろいろ、儲かる策を考えますけれども、それに至るには本当に難しいです。
ですから、試行錯誤しながら、どうやったら儲かるだろうかと日夜検討しております。
次、お願いします。
儲かるための策の手立てとして、行政の課題ということで、お挙げしました。
今、経営所得安定対策というのがあります。
やはりこれを今後とも充実、強化していただき、これが基礎にあった上で、具体的には畜産であれば、肉用子牛の制度、マルキン補?、それから国土資源の有効活用としての放牧に対する支援強化等の政策を今後強化していただくことが大事だと思われます。
次の写真をお願いします。
これは我が家の放牧風景です。
阿蘇の波野というところに放牧しております。
これを見てお分かりと思いますが、右のほうの写真は、先の方にずうっと行きますと谷になっております。
山谷が放牧場には必ずありまして、子牛が生まれ、1か月ぐらい過ぎて大きくなるといいのですが、生まれて間もない時は豪雨で川の水に流される時があります。
結局、谷を通って下のほうに流れて行く訳です。
そういう子牛の事故も何回かありました。
それから、こういう放牧場にはカラスがおります。
数年前ですけれども、2頭双子が生まれました。
牧野組合さんのほうから電話がかかりました。
「那須さん、すぐ仔牛を連れに来て下さい」ということでした。
「なぜですか」と言ったら、1頭は親牛が守りますけれども、双子ですので、2頭は守れませんという事でした。
カラスが後産を食べに来ます。
それから産まれた子牛の目を一番好みまして、子牛の目を食べに来ます。
それから、放牧場にはダニがおりましてダニ熱というのが出ます。
そのダニを駆除するために薬品を定期的に親牛にかけなければなりません。
そういうことで、放牧は良い事ばかりと思いがちですが、自然の中で生きると言うことはリスクの面も多々あると言う事を皆さんも知っていただきたいと思います。
また、波野というところは、うちから大体、車で往復2時間程かかります。
今はガソリン代が高いですので、牧野の方にも足が遠のきます。
しかし、なるべく放牧場のほうに出掛けていって、牛の状態を観察しなければならないと思っております。
このように、放牧には自然がもたらすリスクもありますが、恩恵もたくさんあります。
今後も放牧に対しての益々のご支援をお願いします。
もとに戻していただいていいでしょうか。
最後の肉用牛生産を支える税制措置ということで、今、肉用の和牛に関しましては所得税の免税というのが行われております。
これが、あと1年か2年で終わります。
ですから、この時限立法の継続をお願いします。
これがあったから、これまでどうにか食べてこられました。
次に、お願いします。
次の次ですね。
農業は儲からないかの4ですけれども、こうした課題をクリアすることによって、農業者がどんなに変わるかと言うと、やはり行政のそういう支援とか試みが、バックにあることによって、まず、やる気が出ます。
何しろ、やる気が出ないことには農業は衰退するばかりです。
ですから、やる気を起こさせるような施策、これが一番です。
これというのは余り大きなことでなくてもいいんです。
今年はこう言う事で支援しますよと、何か目立つような、何かそういう支援策を是非考えていただきたいと思います。
それから、品質向上を目指して、これは農業者ですけれども、技術向上に努力していきます。
やる気が出ますと、やはりみんなには負けたくない、誰々さんには負けたくないというのがありますので、品質向上、技術向上を目指します。
つまり、これは自分の経営にプラスになります。
それから、病気や事故を未然に防止するために、飼養とか衛生管理を徹底します。
今までは衛生的に余りにも無知でしたけれども、いろんな病気が発生しまして、最近は農家もこの衛生管理にとても敏感になっております。
これからは、衛生管理にも重点を置き徹底して頑張っていきたいと思います。
ただ、衛生管理に関しましては、先日も言いましたが、役場とか官公庁はいろんな方々が見えますので、定期的な消毒等の励行をお願いしたいと思います。
さすがJAさんはよくされています。
我が菊陽町の役場においては、先日はじめて見ました。
農業者はもちろんですが官公庁にも定期的な消毒管理をしていただくようにお願いしたいと思います。
次、お願いします。
6次産業化は儲かるのかということで、6次産業を我が家もしております。
1掛け2掛け3は6次産業と言うけれどと書いておりますが、これは以前、1足す2足す3は6次産業と言われた時もありました。
でも、私は、これは1掛け2掛け3と思っています。
なぜなら、1次産業の1がなければ2足す3は5ですから、5次産業なんて成り立ちません。
やはり1が1であってこそ、1掛け2掛け3は6でありますので、1次産業がちゃんとした物を作った上での6次産業だと思っています。
我が家においても肉販売をしておりますが、1の現場でしっかりした肉を作るというのがうちの基本的なやり方です。
6次産業をしていてこんなことを言うのもおかしいことですが、1次産業で経営が成り立てば、6次産業なんかする必要はないと私は思っています。
ですから、これからも1次産業に重点を置き頑張っていこうと思っています。
平成13年9月に国内でBSEが発生しました。
その年の12月に、生体の価格が600キロ、700キロある牛が10万円以下でした。
それで、以前は支払いが盆払い、正月払いというものがありまして、大体4頭ぐらいそれに当てておりましたが一頭しか出荷できず、結局10万円しかしませんので、とても足りません。
夫が私にすぐ言いました、「おまえが売れ。
そうすれば少しは足しになるだろう。
」と急にそう言われても、私もどうしたら良いか分かりませんでした。
それでも、さっき言いましたようにホトトギスでしたので、至る所に友人・知人がたくさんいたお陰で、220~230キロの生肉を3日間のうちに売りさばく事ができた訳です。
それからは段々と肉の値段も回復しまして、コスト面とか手間を考えた時に自分のところで販売するより、そのまま流通で流したほうが楽だということで販売をやめておりました。
次、お願いします。
その後は、息子が後継者として残りまして、6次産業にまた携わってきた訳です。
私は商売人の家で育ちました。
夫に惚れて農家に嫁ぎましたが、一番に思ったのは何かというと、自分の品物を自分のつけた価格で売れないと言うことでした。
嫁いだ時は施設園芸農家でしたのでスイカを販売していましたけれども、前の日は1個1,000円だったのが、明くる日は500円だったりして、全然値段が違います。
これっておかしいなと、常日ごろ思っていました。
自分のつくった自信作に値段をつけられない、これが私が6次産業化に興味を持った一番の理由です。
我が子が小さいときからそういう話をしていましたので、やはり子供は親の後ろ姿を見て育つじゃありませんけれども、私の声を聞いて、「いつかは俺が」と思っていたんだろうと思います。
そういうことで、21年8月に、「うちのあか牛てっぽこ」を開店しました。
経営的には黒牛も生産しておりますけれども、販売は、あか牛だけです。
当初は口コミで販売しておりましたが、現在はインターネットとかメルマガで販売しております。
1頭生肉で予約販売しますが、お客様の固定客もつくようになりうれしい限りです。
次、お願いします。
お肉のカットの技術の修得から、ホームページの立ち上げまで息子がやりましたので、お客様には現場の様子や牛の事が分かると好評です。
問題点としまして、やはり初期投資が高額になりますと大変です。
我が家はなるべく初期投資をしないようにということで、昔の小屋を改造しまして開店しましたので、それほどではありませんでしたけれども、それでもやはり何百万円という資金が要りましたので、利益から返金していくのは、大変です。
そういうことを考えますと初期投資はいろんなことを考えて自分の経営にあった方法ですることがベストかと思われます。
それから、現場と店舗の両立が大変です。
今月の末から販売しますが、その時期は牧草入れと田植えが重なり一番忙しい季節です。
昨日も田苗の種をまいてきました。
そういう忙しい時期と販売の時期が重なりますと、本当に大変です。
そこに1人は張りついていなきゃなりませんから、現場の仕事ができません。
ですから、現場と店舗の両立というのがやっぱり我が家の一番の課題です。
利点としましては、お客様の喜ぶ姿がやはりエネルギーになっております。
おいしかったよと言って、わざわざ手土産を持ってこられる方もいます。
ですから、そういう方との接客は本当にうれしくなります。
てっぽこの客層も大体定着してきまして、店のキャッチフレーズであります「作る人と食べる人が繋がった」によって、いろんな現場の状況を理解していただくようになりました。
何か問題が起こるとメールでお知らせします。
たとえば今回の消費税率のアップや餌や燃料の高騰で価格変更をしなければならない事情を心を込めてお話しすれば、皆さん、応援していただきます。
現場の本当の姿をありのままに伝えることが、食べる人にも理解してもらう一番の近道だなあと思いました。
それから、6次産業化のあるべき姿としては、さっきも言いましたように、1次産業があっての6次産業と思っていますので、2次、3次の専門分野の方と1次産業とのコラボでバリューチェーンの構築をはかり、値打ちとか、付加価値向上とか、そういうのを見出して頂いて、1次産業のほうにどれだけの利益をもたらせるか、これが6次産業だと思います。
つまり、1次産業の人が何もかもするのではなく、2次3次産業の専門の分野の方と協力して、1次産業を引き上げていただき、そうすることによってみんなが利益をそこで分配するというのが、私の理想的な6次産業の姿です。
次、お願いします。
これからの展望の一番目に、輸出促進に向けての必要な事ということでお話しします。
需要フロンティアの拡大ということで今言われております。
熊本県の取り組みとしまして、今、中国やアメリカや韓国へ情報公開を、発信をしております。
それから今度、ミラノの国際万博があります。
そこにもあか牛やトマトの出品、展示も検討中です。
熊本県としても、そういう取り組みのもとに頑張っています。
輸出についての課題ですが、先ほども言われましたけれども、HACCPやハラールの認証を早期に進めるということがやっぱり大事じゃなかろうかと思います。
しかし、その前に現場で、この言葉そのものが周知されておらず、早急に周知徹底が望まれます。
女性に至っては特に知りません。
行政の方向性はいち早く現場に情報を提供することが大事と思われます。
次、お願いします。
これからの展望の2番目に、廃業・離農農家の牛舎等の行方ということでお話しします。
我が地区の校区内だけでも、やめられた方が十数軒あります。
先だって、これは牛舎ではなく、小屋でしたが、不審者が住み付いていたんです。
結局、そういう小屋や廃牛舎が出てくると、不審者の住みかになります。
民家がそばにあればいいのですが、山の中に牛舎がありますと、特にそうです。
それから、ネズミや、野良猫や、犬やらいろんな動物たちの住み家になって衛生上もよくありませんし、危険でもあります。
これからはそれらをどう利用するかも含めて、考えていかなければならない課題だと思います。
次の写真をお願いします。
これらの写真は廃業された後の現状の牛舎です。
左のほうの牛舎は隣の大津町の方が買われました。
現在、牛を入れて飼っておられます。
それから、右のほうの牛舎は廃業されて、今は物置になっております。
まだ、この牛舎は建てられてそう長くありませんので、丈夫な木材でできておりますので、物置になっているのが勿体ないくらいです。
真ん中は酪農されていましたが、わらなどがそのままの状態で放置されております。
それから、左下も酪農でしたが、牛舎はそのままの姿を残しております。
右のほうも、やはり酪農でしたが、この畜舎はさっき紹介しました新規就農者の方が借りられて、育成牛を入れられるようにきれいに掃除をされまして、今、利用されております。
ですから、このように、右の左上とか、右下のように、利用されるようになればいいのですが、真ん中の様に利用されなくなった牛舎は、さっきも言いましたように民家の近くでないといろんな事件や問題が発生するかもしれません。
今後、こういう牛舎をどう取り扱っていくかの、方向づけが大事じゃなかろうかと思います。
前に帰っていただいていいでしょうか。
それから、今この国内においてお肉は備蓄されているのでしょうか、飼料米は備蓄しているという話をよく聞きます。
しかし肉の話は聞いたことがありません。
今の世の中、想定外のことが起こり得る時代です。
お肉も備蓄していた方が良いのではないでしょうか。
大事なたんぱく質として絶対必要だと思います。
ばかばかしいと思わないで、今後の課題にして下さい。
それではその備蓄肉をどこに保管するかですが、備蓄米はいろんな所に保管するところがあると聞きます。
そこで、備蓄肉をどこにするかということで、私の提案です。
今日藤井委員から、北海道はとても寒かったというお話を聞きました。
ですから、北海道の一番寒いところに備蓄肉を保管すれば、コストを掛けなくて済むのではないでしょうか。
素人の考えですので笑わないで下さい。
次、お願いします。
最後に、農林水産業・地域の活力創造プランということで、3つの基本のうちの一つに、農山漁村の有するポテンシャル(潜在力)の発揮というのがあります。
これが、私が最初に言いました女性のポテンシャルの発揮ということです。
女性に潜在力を発揮していただくために、各種地域の会合とか研修会に支援が必要じゃなかろうかと思います。
先だっても言いましたが、東京で会場を借りますと30万も40万もします。
ですから、そういう所に支援をしていただきますと、私たちの会費をそちらのほうに丸々投げ出さなくても済むようになりますので、活動の範囲がまた広がってゆくと思われます。
是非お考えいただきたいと思います。
次、お願いします。
最後に、アフリカのザンビアの全国農業者連盟会長のエベリン・ヌレカさんという方がいらっしゃいます。
その人が言われたのに、「農業がなければ、私たちの未来はない」と、立派な言葉を残されております。
全国畜産縦断いきいきネットワーク理事の那須眞理子、つまり私は、「今日の日本の農業は女性で持っている。
しかし、未来は男性次第」というのが私の考えです。
農村地域の中においては、まだまだ男性の頭が古いです。
いろんなことに対して、都会の人には分からないでしょうけれども、物言わぬところの暗さというのがあります。
それはずしんずしんと女性の胸に届き、女性の行動を制御しているところがあります。
一歩出ようとすると、男の物言わぬ何か威圧的なところがあって出られない。
また女性が出ようとすれば必ず、夫の承諾がいります。
でも、夫は事後承諾、事後承認で済ませ、それが当たり前で通る、本当に理不尽な事だと思います。
男女共同参画社会が、末端の地域にまで波及したとき、この男女共同参画社会という言葉が死語になると思います。
女性が社会に出ることによって、地域が活性化し、何より女性自身が農業に対して、誇りと夢を抱くことができるようになれば、自分の娘でも農家に嫁がせてもいいと思えるようになると思います。
そうなれば農業の活性化は必然的です。
私の地区の中に、「雌鶏がさえずる家に栄えたためしがない」と言う言葉があります。
これは、おかしな言葉だと思いませんか。
雌鶏がさえずると栄えないそうです。
これって、本当におかしいですよ。
雌鶏がさえずってこそ地域は栄える、家庭も栄えると私は思います。
こういう言葉は是非なくしていかなければならないと思っております。
そして、21世紀、安心・安全な食料確保を目指して、それぞれの立場で頑張ろうということで、気合いを入れたいと思います。
今まで取り留めのない話をしましたけれども、やはり私たちが今一番、懸念しているのはTPPの問題です。
それは、安全・安心の規制緩和がどれだけ崩れて来るだろうかと言う事です。
アメリカやその他の国に合わせなければならなくなれば、せっかく安全・安心を売りにしてきた日本が、これから輸出にも力を入れようとしている矢先、どのような戦術で戦おうとしているのでしょうか。
やはり私たちは、日本の食の安心・安全を一番の売り言葉にして、これからの輸出にも、それを全面に出す必要があると思います。
私たち農業者も生産者であり消費者でもありますので、これだけは譲れません。
そして、食料確保の為にはどんな圧力にも屈しない強い政治力が必要じゃなかろうかと思います。
そういうことで、農水省の方々にもしっかり頑張っていただきたいと思います。
現場で働く私たちも、安全の上に成り立つ安心な食料確保に心血を注ぎたいと思います。
そしてJAさん、飼料メーカーさん、それから流通さんその他の、いろんな方々がそれぞれの立場で食料確保の為に頑張っていただくなら、日本の農業も捨てたものじゃないと私は期待しております。
最後のスライドは、「これからも、おもさん、がまだすばい」になっておりますが、本当の熊本弁は、「これから」なんて言いません。
「こるかる」と言います。
「こるかるも、おもさん、がまだすばい!!」。
農業者も皆さんのバックアップをたくさん頂いて、こるかるも、「おもさん」は一生懸命、「がまだすばい」仕事をするぞという意味になります。
何度も繰り返しになりますが、是非皆さんのご支援をよろしくお願いしまして、発表を終わります。
お聞き頂いてありがとうございました。

○小谷部会長代理
ありがとうございました。
空き家問題というのが全国で言われていますけれども、空き牛舎というのも今とても深刻なのを改めて勉強になりました。
いろいろ男女問題から、いろんな普遍的なお話を、現状の6次産業化にとどまらず提言やアイデアも含めてお話をいただいたと思いますので、改めてお礼を申し上げたいと思います。
それでは、次の方、やりにくい。
大丈夫でしょうか。
深呼吸を一回、皆さん、空気を入れかえていただきまして、御紹介いたします。
笹﨑委員からお願いします。
養豚経営の切り口から、6次産業化に関する話題提供をいただきたいと思います。
笹﨑委員、お願いいたします。

○笹﨑委員
その前に、何分ぐらいお時間をいただけますか。

○小谷部会長代理
25分をお願いしたいと思っていますので、3時20分を目指して。

○笹﨑委員
そうですか。
はつらつエネルギーあふれる、時間超過も恐れない那須委員の後でございますので。
ただ、未来は男性次第という話も出ましたから、その言葉に励まされて、私も時間超過を恐れずに(笑)発言をさせていただきます。
私は、当初は養豚界の現状と将来の報告というふうに考えていたんですが、たまたまうちが6次産業化のことも含めてやってきましたので、ぜひそのことを発表してくださいというお話がありまして、急遽資料を練り直しましたが、ちょっと時間がなくて中途半端な資料です。
あとはお話の中でカバーさせていただきたいと思います。
まず、資料の1ページ目、豚というのは家畜の中でどういう位置にあるのか、あるいは家畜というのは、ここにハーバード大学の先生が書いた「銃・病原菌・鉄」という本がございますが、この本の中で、148種類あった大型の草食ほ乳動物の中で、家畜になったものをピックアップして、14種類挙げています。
そして、豚について特に挙げますと、次のページに、豚の特性というのがございます。
特性といいますのは、ほかの13種類が全部草食性であるのに対しまして、豚は動物性の食品と植物性の食品の両方を食べる雑食性であるというのが非常に特徴的であります。
さらに豚は多産系であって、年間たくさん子豚を産む。
さらに、生まれたときは1.4キロぐらいなのが、あっという間に100倍の130キロ、140キロに成長して食用に育っていく。
あるいは、豚の品種を見ても、東西南北に広く飼育されて、環境の適応性に富んでいます。
以前、中国で養豚の技術交流に参加したことがあります。
その時の報告で、チベットにもちっちゃな豚がコケを食べて元気に生育していたり、あるいは、今、飼料米なんて話がありますけれども、ある地域では米だけを食べている豚もいまして、いろんな品種が各地に雑食性という特有な力を持っているがゆえに生き抜いてきた。
そして、何で豚がこれだけ世界中で飼われ、生産が伸びてきているのかといいますと、鳴き声以外、全ての部位が活用できるというすばらしい力を持っているからです。
そして、品種としては100種類以上ありまして、日本の品種の主流は4種類から5種類、L、W、D、B、Yというのがありますが、3つの品種を組み合わせる三元雑種の形で肉豚が出てきているというのが現状です。
次は皆さん方のお手元にも農水省の資料が届いていますので、簡単に話します。
家畜飼養戸数というのが昭和45年に、44万戸で、630万頭の飼養がありましたが、現在は5,500戸、あるいはもっと少なくなっていると思います。
そして968万頭飼養と、専業化、多頭飼育化がどんどん進んできたというのが、この推移でございます。
次のページ。
そして、と畜頭数及び枝肉生産量の推移というのがありますが、1987年、昭和62年の2,152万頭をピークにどんどん減ってきていまして、現状では1,670万頭の肉豚がと畜されて、129万トンぐらいの枝肉が生産されて、52%の自給率になっています。
次のページが自給率の推移です。
これも昭和40年には100%だったのが、どんどん減ってまいりました。
これは、円高とともに毎年減ってきました。
日本の国土の狭さ、日本の中山間地域という問題で、いろんなハンディを持ちながら競争はしてきましたけれども、ついには円高とか、海外の輸出圧力というものに対して抵抗ができなくて、私は360円の時代から生産に従事していますので、その経験を全部持ちながら今の100円の時代を迎えているわけです。
努力しても3.8倍というもののハンディを日本の畜産がどうやってクリアしてきたのか、あるいは今どういう瀬戸際にあるのかという話を後ほどしていきます。
いずれにしても、現在は50%が日本の国産豚肉で、50%前後が輸入肉とちょうどすみ分けているというのが現状であります。
その中で、日本養豚の推移ということを、ざっと駆け足で申し上げます。
これは書いてありません。
1960年代というのは、品種改良の革命の時代でありました。
中型種から大型種に豚の品種が変わってきて、今のランドレース(L)、大ヨークシャー(W)、デュロック(D)、ハンプシャー(H)というものが出てきたわけであります。
そして、70年代、今度は赤肉への改良ということで、脂が多い豚はだめになり、赤肉の歩どまりということが求められてきました。
その結果、PSEという問題が出てきまして、肉色が淡い(P)、肉質がやわらかい(S)、ドリップが出やすい(E)という問題で、非常にいろんな問題が提起をされたわけであります。
それをクリアしながら、専業化に突っ走ってきたのが現状です。
90年代、それを踏まえて、脂肪交雑の重要性という問題がささやかれまして、豚の改良が一気に脂肪交雑を求めるという方向に移り変わってきました。
ちなみにアメリカも、2000年に7つの指標というのを出しまして、脂肪の含有率が1、2、3、4、5、6、10%という7つのステージを準備しました。
1980年代は、ヨーロッパやアメリカに行っても、豚肉がぱさぱさしてフライパンで焼くと縮んじゃってどうしようもないというようなかたい肉だったわけですけれども、2000年に入ってアメリカもそういう方向に転換を始めたわけです。
ちなみに、日本の黒毛和牛はどのぐらいの脂が入っているかといいますと、ロースでいきますと30から40%が平均です。
最高級と言われている、とびの牛肉になりますと50%近くが脂という現状です。
豚肉に関しては、例えばTOKYO Xという豚がありますが、ロース肉の脂の比率は実は5%くらいなんですよ。
そして、普通の豚は3%か2%ぐらいなんですよね。
アメリカも今、1%から2、3%にしようと改良をしているわけです。
日本の平均は3から5%ぐらいの脂の比率になるのかと思っています。
ですから、牛とは随分脂のさしの入り方が豚は違うなということだけは頭に置いておいていただきたい。
いい悪いは別です。
そして、今21世紀を迎えてどういう時代に入っているのかといいますと、健康志向かグルメ志向かという2つの流れになってきます。
同じ健康志向の中でも、赤身肉プラスやわらかさというものが求められて、きめの細かさという改良が今、進められています。
さらに熟成という世界の技術革新も含めて進められているといって良いでしょう。
グルメ志向の中でも、先ほどの脂肪交雑が多ければいいんではなくて、脂肪の質の問題、そして細かい繊維はもちろんのこと、いろんな形でおいしさについても研究が行われているわけです。
生産現場の大きな流れの中では、2つの流れがあります。
1つは規模拡大、量産で、安価な豚肉をつくるという大衆国産豚肉、そういう流れ、これが主流であります。
そして、もう一つはブランド化を含めて品質勝負の6次産業化を目指した豚肉ということになろうかと思います。
ただ、ブランドというのは、何回も申し上げてきましたけれども、ブランディングという英語から来ています。
ブランディングというのは牛に焼印を押して、ほかの牛とおらが牛を区別することに由来することばです。
今、ブランディングに3つの問題があります。
おらが牛というのは養豚家に置き換えると、生産者のおらが豚、もう一つは売る側のお店のおらが豚。
そして、消費者のおらが豚と。
この3つが一緒にならないと本当のブランドはできないんです。
生産者が幾ら地域の名前をつけようが、お客様や店が認証しなければだめ。
店が幾ら名前をつけようが、お客様がオーケーしなければだめです。
さらに、お客様が幾ら認めようが、それを買い支えてもらえる流通体制がなければ生産者と豚がいつの間にか消えていってしまう。
ブランド化という問題は3つの要素をはらんでいるということをまずご理解をしていただきたい。
つまり、これからはもう生産者だけでどうとか言う時代ではなくて、生産者、食肉センター、流通、消費者、研究機関、全員を巻き込んだオールジャパンチームをつくっていかないと、日本の養豚の存続はないだろうと私は思っているわけです。
さて、資料の表のほうに移っていただきますと、年間と畜頭数と豚肉の輸入量の推移があります。
ざっと見ていただくと、輸入量がどんどんふえてきています。
「秩序ある輸入」という話が1970年代に農水省から発表されました。
秩序ある輸入とは何か。
だんだん少しずつ輸入していけば、余り問題が起こらないだろうということでやって来たんではないかと、生産者の私の立場では、そう考えざるを得ない。
しかしもう、今やそういう時代に入っていないということを後ほど申し上げたいと思います。
次のページお願いします。
食肉の輸入数量と金額の問題です。
一番右側にありますように、年間4,000億円のお金を払って豚肉を輸入しているということだけは頭に置いておいていただきたい。
4,000億円という金額はどういう金額かということであります。
はい、次。
豚の栄養価、これについてはいろんな栄養価の算定がありますが、豚肉はアミノ酸スコアとプロテインスコアが非常にいい完璧な食品であるということを申し添えておきたいと思います。
その次です。
大事なことは、養豚の食用以外の用途、豚糞の資源ポテンシャルです。
これは本当は説明すれば3時間もかかるわけですけれども、簡単に言うと全てのものが利用できる。
一方、骨まで愛してという訳ではありませんが、豚骨からおいしいスープができ上がる。
今うちの豚の骨は取り合いになっています。
スーパーゴールデンポークという豚の骨は、あくが出ないおいしいスープができ上がるということで、ラーメン屋さんが行列をしているわけです。
あと、豚糞も処理をちゃんとしていけば、私たちの東北の牧場は大水田地帯にございます。
大きな貯留池があって、そこで処理をしているわけでありますが、その貯留池が、初めは豚の排水は稲によくないと言われましたが、今、文句は一つも出ません。
稲がよくなっちゃった。
そういう処理をして放流する水ですら地域貢献になるということを今考えながら実施しているわけです。
ただ、そのためには大変なコストがかかります。
欧米では考えられないコストをかけて、地元で問題が起きないように、そういうふうな努力をやってきたところが、逆に、お百姓さんから評価をされる。
何であそこの川べりの米はいいんだという話になっているのが現状です。
今、うちの堆肥は取り合いになっています。
豚がうんちをするのを待っているお客さまが、たくさんいらっしゃるわけです。
やはり農家が一番、堆肥の効果というのを知っていますので、ウエイティングの方がたくさんいらっしゃるという現実もつけ加えたいと思います。
では、次のページになりますが、現状の日本養豚の競争力、どうかといいますと、これは後で読んでいただければわかりますけれども、アメリカと比較したら日本の半分以下のコストでアメリカから入ってくる。
ただ、先ほど申し上げたように、私は360円の時代から100円あるいは80円の時代までを経験をしているわけです。
一生懸命努力をしても、為替のマジックで努力がどんどん吹き飛んでいって、現状の日本のコストはアメリカの倍であります。
近い将来、為替が反転して200円の時代が来るんではないかと、私は想定しているわけでありますが、いずれにしても、日本の養豚のハンディキャップというのは大変大きなものがあります。
さらに、と畜場の経費も大変で、日本では生産者が全額負担しています。
これは日本独自のものでありまして、これも一頭当たり2,000円から2,300円ぐらいの経費と運賃が、別途プラスされていくわけです。
さらに、飼料原料というのは輸入品ですから、大変高いものになります。
私が飼料米に命をかけているというのは、色々な意味がありまして、日本の農地を守ると同時に、日本の畜産と農業の共生が成り立ち、そして糞尿処理がちゃんといって水田も助かるとしたら、大変すばらしいリサイクルが実現するのではないだろうかと考えております。
さらに、今、豚舎の建築費、建設コストが非常に高いのも多分世界有数だろうと思っています。
あるいは、獣医、衛生費も大変高いものがございます。
これは人件費の問題から含めて、全てトータルコストという問題から見ても、単に為替とお金だけで換算されますと日本の豚肉は高いお肉になってしまいます。
ただ、畜産の附帯的な価値というものはたくさんございます。
先ほど那須委員が、お肉のストックという話がありました。
英語では家畜のことをライブストックと言います。
ライブというのは生きた、ストックというのは財産。
要するに、生きたまま飼っている財産なんです。
遊牧民の方は、お腹が減ればその場でと畜、解体をして食料としてのお肉が供給できるという形で生きた家畜がそばにいたのがヨーロッパの文化でございます。
日本でも多分、生きた豚さえいれば食料という問題、牛でもそうですが、高いお金をかけてお肉でストックするよりは、そういう形でちゃんと生きたままにお肉が在庫されているんだという意味では、大変価値がある家畜ではないかなと思います。
次のページがちょっと衝撃的な話なんですが、世界食肉会議というのが2010年にございました。
そのときの数字であります。
皆さんご承知のとおり、世界の人口というのは急増しているわけであります。
2010年比で2050年にはプラス30億人増加する。
なお、人口の7割が都市に集中して、所得は2.9倍に増加する。
そのときに畜産物は、現在の2倍を超える供給量が必要となる。
そして、では、それが可能かどうかという問題が議論の中にございます。
現状から見たら、まだ大きなショック、いろんな経済の問題とかが出ているわけではありませんが、刻々とそういう日を迎えつつあるという現状を、クールに考えていただきたい。
細かい説明は省きます。
その次のページ。
世界各国の年間1人当たりの食肉供給量、これを見ますと日本では、肉全体では46.1キログラムです。
世界各国の肉の消費の、食肉国といえばそれまでですけれども、日本の肉の消費量というのは、そう際立って多くなくて、米と魚とそして肉がうまくバランスよく食事の中に入れ込んでいるというのが、日本食の大変大事な点であります。
和食といいますと、和牛とかそういうものが注目されますけれども、食のバランスのすばらしさというのが世界中回ってみて、日本の食というものに対して大変思い当たることが多いのではないかと思います。
その中でも特に私がずっと見てきたのは中国です。
中国の豚肉の摂取量というのは大変なものがありまして、私が初めて中国に行ったのは1973年ですけれども、そのときでも豚肉は随分食べられていました。
統計がありませんのでわかりませんが、そのときでも日本人以上に豚肉が食べられていたことは想像にかたくありません。
その次のページになりますと、地域別の人口がこうふえますよという表です。
これも後で見てください。
その次が、主要国の輸入量・輸出量の表でございます。
これも後でじっくり見ていただきたいんですが、実際に世界中の生産量の10%前後が貿易という形で流通しています。
9割ぐらいは全部自分の国内で消費をしているのが、豚肉の特徴です。
逆に言うと、一番下に書いてあります世界合計のトン数を見ても、この程度のトン数だと何かあるとあっという間になくなりますよということが、次の中国についての表でございます。
中国の食料事情ということをちょっと書いておきましたけれども、54%が豚肉ということで、豚肉は非常に多く消費されています。
そして、その下に、輸入量と輸出量が書いてあります。
中国については、これはUSDAの調査ですので、これがどのくらい正確かどうかはわかりませんが、年間75万トンというものが消費をされています。
ところが、輸出量のところ見ていただきたいんですけれども、アメリカとEUとカナダ、ブラジル、中国の5か国分を足しただけで94.1%。
中国の輸出というのは香港に出しているだけですから、これは無視しても問題ないようなパーセンテージでありまして、要するにEUの中でも主に海外に、つまりヨーロッパ域外に輸出しているのはデンマークが中心です。
ドイツにしても、フランスにしてもEU域内の行き来の輸出が多いわけであります。
そんな意味では、輸出の余力がある国は5か国で全体の94%のシェアなんです。
もし何かあった場合、例えば、ついこの間ですがデンマークで豚コレラが出たという話が5月2日にありました。
農水省は、豚コレラ発生ということで一応、一時保管をいたしまして、それが誤報だったということがわかって、また次の日に解禁をしたわけですが、そういうリスクがいつもつきまとっています。
次のページが1人当たりの中国の豚肉の消費量ですが、こんなにずっとふえてまいりました。
掛ける人口でございますから、人口が多いということがどれぐらいすごい胃袋を持っているかを想像してください。
次が中国の豚肉の輸出入量が2007年を契機として輸入超過に転じたということです。
飼料もそうです。
飼料も昔は全部自給をしていましたが、完璧に輸入に転じて、今、日本が買い負けをしているという状況、あるいはもっと極端に言いますと、アメリカの大きな食肉会社を中国が買収するということが現実に起こっています。
そういう現状でありまして、全面的に輸入に頼るリスクというのは皆さん方、一番よくおわかりとは思いますけれども、何も輸入を全部拒否しろと言っているわけではありません。
私たちの自給というのは、どういう範囲で守るべきなのかをきちんと策定して国民的合意をとりつけなければなりません。
それと、天変地異、戦争、気象異変、既に予兆というものは幾つもあるわけです。
しかも人口というものに対して、おかしなデータではない確実に将来を裏付けるものがちゃんとあるわけです。
国として未来のためにどう対応していくのかという戦略をしっかり策定しなければいけません。
TPPの問題、よく質問されますが、TPPは大きな流れからみると戦術です。
戦略というのは、国益としての食料確保をどうしていくのかの基本、これが戦略です。
それに対してどう対応していくのかというのが戦術としてのTPPであります。
TPPだけで全ての問題が解決するわけではありません。
これが収束すれば、また次の課題が出てまいります。
目先の対応に振り回されるのではなくて、日本の国としてどういうふうに食料を確保していくのか、これを国民の総意の中で決めなくちゃいけないというのが、私は審議会の役割だろうというふうに思っております。
時間がありません。
次のページに行ってください。
第3次、第4次、5次、6次と、なぜ直販を始めたのかという話を、これは社内で話している話なんで、余り公表はしたくないんですが、ご要請ですのであえて申し上げたいと思います。
1つは、うちが直販を始めましたのは1975年です。
正に養豚の興隆期でありました。
その時期に直販を始めるということは、社内から大反対がございました。
何をばかなことを考えているんだと。
これから多頭化飼育して、規模拡大していけばもうかるじゃないかという中に、当時143の輸入制限品目があったわけであります。
これがどんどん解除されていく、そうすると日本の農業は世界に競争できるのかどうか。
約、世界60カ国を回ってみて、とてもじゃないけれども、日本の経済成長の中で高賃金と日本の経済の力というものと、農業との格差がかい離してきた。
その結果金を出せば食料でも何でも買えるんだという流れが主流になってきた。
そういう中で、これはこのままで行ったら日本の養豚産業は生き残れない。
当時、私は26才でありました。
私は一生養豚にかけていきたい。
そのためには、60才を過ぎても、70過ぎても、養豚産業が生き残っていなくては困るということで、直販というものを決意したわけであります。
その原因のひとつは、枝肉相場の乱高下による不安定な経営であります。
従業員に安定して給料とボーナスが払えない、そういうことも乱高下の中ではありました。
うちの父が、なけなしのお金をおろして、従業員にお金を払っていた。
これでは安心した経営ができないということで、相場という問題があるわけですが、これに対してどうしたらいいのかというところが、まず第1番目であります。
第2番目は、種豚を含めて、いいものをつくるのに15年はかかるわけです。
お肉は確かに、種つけをしてから9か月ででき上がります。
しかしそれすら、9か月後に幾らになるのかわからない。
出荷時の相場を当てにして一生懸命につくっているわけですよ。
何も保証がないわけです。
そして、自分たちがこれだけいい肉をつくるためには幾らが、再生産できる価格だというのとは関係なく、相場というものが動いていくわけです。
これは当たり前だと言えばそれまでですよ。
しかし、もし相場がしっかりと生産者を支えてさえいれば、何もサイボクが直販をする理由は全くありませんでした。
肉屋さんの一言、「豚肉を生産する農家なんか幾らでもある!!」と、これを言われたときのショックというのは、私には立ち上がれないぐらいのショックでした。
そして、と畜場に行き、食肉のカットを実際にやって、内臓処理から豚のと殺までを経験させていただいて、約1,000軒の肉屋さんを1年間かけてお肉を配達しながら回らせていただきました。
そのときに、愕然としたんです。
本当にいい肉をつくっても、当時はお店のブランドであって、農家のブランドではなかったんです。
それでもう、これは生産者がやるっきゃないということで生産直売を始めたわけです。
そしてその一方で流通の評価と店頭の評価が連動していないことにもぶつかりました。
どういうことかと言いますと、豚一頭がバラ肉を、あるいはロース肉を、モモ肉をつくっていくわけです。
いいロース肉をつくろうとしたときに、脂が少し減ってきますと、バラ肉がきかないと評価を下げる。
だから値段が下がる。
バラ肉をふやすと脂が厚くなり、それに伴って、ロース肉も厚くなりますから、これは上物じゃなくて中物である。
規格の矛盾の中で翻弄されたわけであります。
そして、店頭に行くと、うちの肉が一番高く売られているわけです。
この矛盾に対して、やむにやまれず、畜舎の跡地を小さく改造してお店を始めたわけであります。
いずれにしても、4番目のように、豚肉がごちそう、高級品だった時代は、肉屋さんだけでなく生産者もそこそこ潤いがあったわけです。
大衆化になり、数量・価格が厳しい状態に入ると、今度はお店が主流から消費者が主流という流れに変わってまいります。
そういう意味で、私も消費者の一人ではありますが、世の中の豚肉に対する物差しの大勢というのは値段が高い安いという評価中心に巻き込まれていったわけです。
そして、5番目、うちは種豚をつくっております。
サイボクという社名は通称で埼玉種畜牧場というのが正式な会社の名前であります。
なぜ、種畜という名称を社名から取らないのかといいますと、種豚づくりには10年から15年かかります。
そうしますと、15年後に食肉の状況がどうなっているのか、経済の状況がどうなっているのか誰もわかりません。
自分が食べたい肉は何なのか、自分の家族や自分の孫たちにどういう肉を食べさせたいのかという願いを込めた改良をしていかない限り、生産の方針は成立しません。
その意味でも直販を立ち上げたわけです。
右側に生産者の都合とありますが、正しくは生産の都合であります。
生産の都合が消費者のプラスになるように啓蒙する場所が、実は店の役割なのではないだろうかというのが、うちのお店のスタンスです。
そういう意味で、下の方に「これを解決するためには」と書いてあります。
「気来」というのは気が来るという意味です。
気が来るから、耳で聞くことができるし、今度は心で聞くのが次の「聴く」であります。
素直になって心で聞く、そしてそれを実行して伝えることによってお客様にじわっと効いていく。
そしてどう消費者のお役に立つかというのを、お店がお客様から教えていただく。
それをまた生産現場に返してあげるということが、実際のお店本来の役割なんだろうと考えているわけです。
次のページが相場とは何か。
これも社内で話していることで、余りこれをオープンにしちゃうと問題があるかもしれませんが、私は相場というのは6つあると考えています。
今、相場、相場でやっていますけれども、操る「操場」というのがございます。
つい先日、1919年に始まったロンドンの金のセリで金融大手のバークレイズの不正操作が発覚しました。
自由で、公正で、何だかんだ言っていますけれども、誰かが操作している部分が必ずあります。
とくに、これは買い手市場の場合によく見られます。
そして「騒場」というのは、騒いで大騒ぎする。
ジャーナリストの皆さん方は、この騒ぐ「騒場」ではなくて、本当に相場の騒ぐ原因をちゃんとつかんでもらえると良いけれども、残念ながら全般にジャーナリズムというのは85%がトピックスしか扱いませんので、本質的な問題に対しては、なかなか迫れないということがあります。
次に、争いの争場、高騰をしたり低迷をしたりする相場の中でやはり得をするのはメジャーな立場にいるメンバーが大半です。
よく見ると公正で自由な相場というのはありません。
私の経験では、公正で自由に見える相場はあります。
ですから、目先の欲と欲のぶつかり合いの中で地球がもっているうちはいいですけれども、多分私の子供たちの世代はそういう時代から全く別の世界を切り開いていかないと生き抜けない時代になるのだろうなと思っています。
それがあと10年後の目標設定の基準にならなきゃいけないというのが私のスタンスです。
5番目の「双場」。
今うちの店が目指しているのは消費者と生産者の立場が肩を並べて等しい関係。
言い方はよくありませんけれども、私はお店をつくるときに、こういう宣言をいたしました。
生産者と消費者を守るとりでをつくろうと。
それが店であると。
ただ目先の利益で店がもうかればいいじゃなくて、そのためには、右側にありますように、そのパワーの根源というのは、消費者と生産者が共感・共鳴をしていく店をつくりあげることです。
サイボクの本店は駅から非常に遠いところにあって、バスの終点にあります。
何百軒の食肉販売店を越えて来なければ、お客様に来ていただけない場所です。
わざわざ手間ひまをかけて遠くからいらしても価値を損なわない商品提供を心がけていく、6次産業化というのは、実はそういう立場で物を考えていかなければいけないと思っています。
そして、お客様からの答えに対して、6番目の「創場」。
お客さんのニーズに応えつつ、実はニーズに応えるだけが店ではありません。
ニーズをつくることです。
お客様、実はこういうものやコトがあります。
これが生産者が自然から学び教えられた答えですというものを伝えていくような力が、お店と生産者に求められているんではないでしょうか。
チラシを見ると安売りばかりの話が出てきていますが、価値をどう伝えるのかという問題が、今お店が最も問われている問題だろうというふうに思っているわけです。
次のページで、サイボクにとってのお店とはですが、自分は生産者でもあり、消費者の一人でもあります。
生産あっての消費、消費あっての生産というバランスを保ちながら、店を運営しています。
そして、両方からありがとう、おかげさまと言われる場をつくりたいなというのが願いであります。
そんな理想的なことを言ったってとよくいわれますけれども、夢がなければ今のお店はやりませんし、やってもおもしろくも何ともありません。
やっぱり、豚の命を引き受けて、その命を人の命に移しかえていくという仕事は半端じゃないんですよ。
ただ100グラム幾らの価値の肉だけではないと、私はいつも思ってやっております。
そのため、お店にミートピアというサブタイトルをつけています。
お肉のmeatと出会いのmeet、その現場で、理想を目指してユートピア(UTOPIA)をつくろうということで、サイボクの社是とスローガンもつくりました。
次のページが、では、どんな経営をしてきたのか。
一番左上の図は全部牧場です。
1971年当時の姿です。
あの放牧場は僕達がスコップで穴を掘ってつくっていきました。
そして次の、下にあるのが、真ん中に建物が入っていますね、ハム工場です。
お店もつくりました。
1982年の姿ですが、実際には小さなお店を1975年につくりました。
そして、次のページが、次の写真、お願いします。
1992年になりますと姿がどんどん変わり、牧場が一番左の上のほうになっていまして、駐車場と新しいレストランやお店、ハム工場ができ上がってきます。
その下のほうの図が、現在の姿で野菜売り場、カフェテリア、ミートショップ、レストラン、ハム工場、天然温泉、陶芸教室、やすらぎ広場、パークゴルフ場、これは18ホールあります。
あと、トントンハウスという、豚が3匹いるミニ牧場もあります。
68年間かけて少しずつつくり上げてきたのが現在の姿です。
その次のページが、牧場です。
埼玉県の日高市にあった牧場をあちこち移転しました。
3カ所に分散しています。
なぜ分散しているかというと、病気侵入のリスクを下げるということです。
例えば近隣市町村で豚コレラが発生したらその地域全体が移動禁止になりますので、自分のところだけで幾ら頑張ってもなかなか難しいところがありますので、3カ所に分散しているということです。
次のページが、では、中身がどうなっているのかといいますと、レストランはこんな形で300席あります。
お店の入り口はこんな風になっています。
一番左の上が、創業当時のレストランで、掘っ立て小屋のようなレストランから始まって、現在はドイツ風のレストランになっています。
次のページが、ハム工場のほうはこんな風に、ウインナーをつくったり、ハムをつくったりと、お店のほうではこういう姿でパックが並んでいます。
次のページが、その中で今度は手軽に楽しめるメニューとして、カフェテリア・キッチンがあります。
次のページが、野菜売り場も地元の農産物をつくっている農家の方と一緒になって、牧場の堆肥を農地に還元して、地元農産物を販売しています。
本当に堆肥は今、取り合いです。
お米も全国の、サイボクの研修卒業生を中心としたメンバーのお米を、まぜ物を一切しないで、そのまま売っております。
お店は玄米の精米をするだけです。
その次のページが、本社のど真ん中にあるのが右側の畜魂碑と、左側の私の父が創業者でありますが、母豚と子豚を抱いている母と父の像を研修卒業生がつくってくれた心友の像というものがございます。
次のページが、本社エリアの中のトントンハウスで、3匹の子豚がいて、子供たちのアイドルになっていまして、お客様に一番影響力を持っている豚さんたちです。
あと、次のページが、3世代がそろってできるパークゴルフ場、北海道から出たゴルフ場ですが、これを18ホール運営しています。
またプロの先生といっしょに陶芸教室もやっています。
そして、最後のページですが、これは私がとんとわからない点であります。
価格政策と所得政策という2つが、国益としての農業保護政策としてあるというふうに伺っているわけです。
ただ、いろんな本を読んでみて、WTO協定で、デカップリングの問題で農業保護政策として所得政策だけを認めることにしたのにもかかわらず、アメリカとかEUはこれを無視してというか、わからないからクエスチョンにしていますが、本当に価格保障政策をやっているのかどうかです。
あるいは、2002年にアメリカが農業保障と農村振興法というのをつくりまして、10年の間に24兆円、年間2兆円の補助金を農家に出しているという話。
日本の農林水産省の予算とほぼ同じでありますよ。
これは本当なのか。
あるいは、農業をとらえる際に、食料生産を国益として捉えて社会政策的な考え方で推し進めないと、農林政策一辺倒だけでは国民の了解を得るのは難しいのではないだろうかというふうに私は思っています。
そして、4番目には、市場原理は正しいという美辞麗句がございます。
生産者の私たちは、どのぐらいこれにだまされてきたかわかりません。
市場原理というのは力関係が主流で決まってゆくものです。
正義が力ではなくて、力が正義の世界です。
そんな意味で、目先の力関係だけで将来の食料政策を委ねていいのかという議論がどこにも起こっていないことに対して、私はいまだに6次産業化をやりながらも、憤りを持ちながら、違うんじゃないのと思っています。
そして、言い方は悪いですけれども、自由競争という名前のもとに無為無策のまま食品産業界との連携を幾ら唱えたって、安いほうに行くに決まっているわけですよ。
現実の大半は絵に描いた餅なんですよ。
そうではなくて、お店も消費者も生産者も、どういう食料を作り、食べたいのか、食料政策はどうあったらいいのかというところを、今回の審議の中できちんとした議論をしていければと思います。
そんな意味で、ただ傍観して、放任しているだけでは自給率は目先の経済で乱高下、生産者は減り続ける一方であります。
食料確保についての基本的な考え方をもう少し政治家も含めて提言をしていかないと、このままでいくと将来に禍根を残すんではないだろうかというふうに私は思っているわけです。
最後に、中小企業の経営者として一言申し上げたいと思っております。
振り返ってみると、サイボクは40年間、6次産業化を目指して必死にやってまいりました。
初めからお金があったわけではありません。
逆に、お金がないからできました。
お金がないから、なけなしの金をどういうふうに配分するか、どういう人材を育てていくのか、自然の恵みというものをどう活用していくのかという創意工夫と実行力が生まれてまいります。
中小企業ではお金がないのは当たり前であります。
私はお役所から、よく聞くんですが、予算がないからできないと。
予算がなければ、ないなりにあちこちに頭を下げて声を掛けてお願いをして、お金をかけずに人を動員し、人を巻き込むことを考えましょう。
自分の省の中の予算がなくとも、ほかの省の予算をちゃっかり使えばいい。
ポイントは、相手が喜んで使うように仕向ければいいわけですから。
そのぐらい腹をくくって省益を越えて、国民のために動くことだと思います。
最後に、国として、豚肉生産を放棄するのか、継続していくのかということですよ。
生殺しでいって、もつはずはございません。
方針をはっきりと打ち出して、その上で自給率はどうするのかということを確定していかなくちゃいけない。
ただ、問題は、会社の場合で話をしますと、会社の取締役会で、方針と目標を決めたら、これを守れなければ全員何らかの責任を取らなければなりません。
そうでしょう。
自給率も守れなくてもいいなんて、のんきな気分で議論をしていると、なかなか目標にいかない。
経営者として一言申し上げると、それでは経営ではありません。
必死になってその目標を達成していく努力をすることです。
決めたらあらゆる反対に立ち向かい、あらゆる説得をして、夢を語り、やり抜くという決意がなければ、責任ある経営者ではありません。
言いかえれば責任あるリーダーのとるべき姿勢ではありません。
現在の日本で、それが失われているところに問題があるというふうに私は思っています。
経営者のやるべきことは山とあります。
その中で、全部とは言わないまでも、当人の努力とは関係のない急激な円高とか、何でも自由放任に近くて、将来が見えない無策によって、どのぐらい真面目な良い中小企業が日本から脱出してしまったのかというのを見てきているわけです。
はっきり申し上げますが、海外進出はいいですよ。
だけど、海外移転は形を変えた国内倒産なんですよ。
今になって再び戻ってきたいなんて言う声があるわけです。
中国に行って大変な目に遭っている方もいます。
国内では経営者を翻弄させる政策をとってきて、海外移転もやむなしと国や県もこれを押してきたわけです。
海外へどんどん行きなさい、銀行さんも、はい、ベトナムの支社ができました、中国にもできました、是非行きなさい。
片や自分の足元はどんどん空洞化していくわけですよ。
抜本的な対策をとらずして、流れに任せるままにどんどん背中を押してきた。
時と場合によったら海外進出は必要です。
だけど、国内倒産のような形で逃げていかざるを得ない企業に対して、どんな手立てを必死になってやったのでしょうか?
これ以上、後世にツケを回さない政策が望まれるというのが私の最後の結論であります。
国の食のあり方については、農水省が中心になって本気になってやっていただきたいし、私たちも努力していきたいというふうに思っています。
どうか、生産者と消費者が喜べる世界をどうしたらつくれるのか、このことを声高らかに農水省から発信できるように頑張っていただきたいなというのが最後の結論であります。
ちょっと長時間になりました。
申し訳ございません。

○小谷部会長代理
ありがとうございました。
改めて豚肉の価値、特徴、歴史をグローバルな視点からもお話しいただきました。
御意見に関しましては、また後ほど回答ということにさせていただきます。
笹﨑委員、ありがとうございました。
それでは、廣野委員から、続きましてのプレゼンをお願いしたいと思います。
ご自身の経営展開とその中での6次産業化の取り組みなどについての話題提供を行っていただきたいと思いますけれども、できましたら4時5分ぐらいをめどにお願いしたいと思います。
それでは、お願いします。

○廣野委員
廣野です。
よろしくお願いいたします。
余りこのような経験がないので緊張しております。
それでは、「酪農を夢のある産業に」ということで発表させていただきます。
私は夢という言葉が大好きで、常に夢を持って、夢を語っていたいというのがあって、こういう題にさせてもらいました。
次、お願いします。
これは私のところの牧場の写真なんですけれども、私のところでは育成という、ホルスタインの種をつけて次の世代を育てるということはしておりません。
お母さんはホルスタインで、お父さんが和牛です。
和牛とのF1仔牛の生産をしております。
F1子牛は2カ月で市場出荷をしております。
従業員の方で、この牛かわいいからホルスタインつけたいとかというのが年間何頭かはいるんですけれども、99%は和牛をつけております。
次、お願いします。
三木町というところなんですけれども、香川県は日本で一番小さい県ということです。
人口が2万8,000人から9,000人ぐらいでずっと推移しております。
高松市とさぬき市というところに挟まれている小さな町なんですけれども、合併しておりません。
香川大学の農学部とか医学部があるので、アパートとか、そういう生活には非常に便利なところであると思っております。
高松市から三、四十分の距離にあります。
私の牧場も40分ぐらいで高松の市内まで行けます。
お願いします。
経営の経過ということなんですけれども、大きな転機が幾つかありました。
農業を目指していたんですけれども、父親に中学校のときに農業高校に進学したいと言ったら、今から田んぼしてどうするんやと言われ普通科の高校へ進みました。
父の職業は左官でした。
5反弱の水田の第二種兼業農家の5人兄弟の末っ子で、兄2人、姉2人いました。
その当時というのは高度経済成長の時代で、兄はさっさと都会に出ていって企業に就職しておりました。
私はどういうわけか農業をしたいとずっと思っていて、農業高校へ行きたいと言ったら、いやだめだということで、普通高校へ行ったんですけれども、どうしても諦められなくて、卒業してすぐに農業大学校に行きました。
そのときに、海外実習という制度があるのを知り、これは今行かなんだら行けんのではないかなということで、2年生のときにデンマークを希望して受けたんですけれども、まだ若いから来年来なさいということになり、北海道酪農家へ実習に行きました。
そのときにもう一度挑戦して、デンマークへ行けることになって、12月まで北海道でいて、翌年の3月にデンマークへ1年間実習に行くことができました。
今振り返ってみますと、その北海道実習というのは本当に勉強になったし、デンマークに行く前に行っていたのはよかったと思っております。
そしてデンマークでの1年間の実習というのは、外から日本を見られるという経験は、海外へ行って生活してみないとわからないと思います。
デンマークの農業は、社会保障が非常に充実している国なので、にゆったりした生活をしております。
まず、一番大きく感じたのは、農業という職業に対するステータスが非常に高い、誇りを持って経営をしているというのには驚きました。
今から田んぼをしてどうするんやと言われるのと、全く違った環境でやっておりました。
それで、帰ってすぐに酪農を始めたかったんですけれども、土地がないということで、JAへ勤めながら準備をしておりました。
2年間ということで勤めたんですが、結局最終的に4年間勤めて、その間に準備をして就農いたしました。
54年にスタートする2年前に子牛を12頭、後継者資金という200万円を借りて、子牛を育てながら農協へ勤めておりました。
2年後には分娩するということで、総合施設資金を借りました。
近代化資金等含めて1,700万余り借りたんですけれども、当然お金はないので全部借り入れということで、家から土地から担保に入れました。
父からは家だけはやめてくれと言われたんですけれども、家まで担保に入れてお金を借りて、54年にスタートをしました。
そこで、すぐ生産調整が始まりまして、なかなか思うように増頭ができないという期間が相当長い間続きました。
それでも、やめるにやめられない状況なので、必死にやって、乳オスの肥育とか、野菜作りなど、いろんなことをやってきたんですけれども、生産枠が緩和したときに実績をつくっていき、少しずつ実績を積み重ねていきました。
話が長くなるのでちょっと飛ばしていきます。
将来的には創業者の思いがあり、自分のつくった牧場は続いてもらいたいという思いがあります。
私ができなくなっても牧場は続いてほしいということで、会社化して、雇用労働でやって、続いていくような仕組みにしたいということで、200頭規模であれば何とかなるんではないかという目標を立ててやっておりました。
それで、次、お願いします。
これが牧場の、今までの売り上げの推移です。
平成18年に、200頭規模に向かっての増頭をやりました。
この投資が約2億、政策金融公庫からお金を借りました。
牛舎に1億、牛に1億、170頭の導入を1年間で行いまして、200頭の規模まで持っていきました。
この棒グラフが牛の頭数規模です。
それと、折れ線グラフが生産量です。
平成22年には、頭数よりは生産量がふえております。
牛の成績が上がってきています。
次、お願いします。
これが決算検討会の写真です。
有限会社広野牧場を設立するときに地元の税理士の先生にお願いしました。
こうこうこうでお願いしたいんですという相談をいたしました。
当初は、農業は見たってお金にならんからとかいう話だったんですけれども、非常にいい先生と出会えたと思っています。
農業に理解をしてもらっております。
毎年私のところで決算検討会というのをやっております。
創業以来10年間、今年で13年目なんですけれども、毎年やっております。
この写真は全国農業コンサルタント協会の香川県の研修を税理士の先生がやるということで、私の牧場で現地研修をやりました。
そのときの写真であります。
集まっておられる方は総勢40名余りいたんですけれども、コンサルタント協会の会員の税理士の先生が20名ぐらい、私の取引先の飼料会社であったり、銀行の支店長であったり、私の従業員も全員参加しております。
次、お願いします。
これが私の牧場の今までの経営の経過のグラフですけれども、ちょっとわかりにくいですね。
大きな投資をしたときにどうなるかとかというのがよく分かり、自分の牧場の強いところ弱いところがどこにあるかというのがこれでよくわかるんですけれども、主に生産性と収益性と安全性という部分をウエートを置いて、全国の優良企業との比較をしてもらっております。
毎年してもらっております。
次、お願いします。
これがわかりやすいと思うんですけれども、過去3年、直近3年間のグラフです。
レーダーチャートなんですけれども、一番よかったのが平成22年の青い線なんですけれども、総資本経常利益率を出しておりますけれども、総売上経常利益率と書けば一番いいんだろうと思うんです、わかりやすいと思うんですけれども、余りにも生々しいので、こういうところでやっております。
生産性と収益性と安全性ということで、全国のTKCの会員の優良企業の平均といいますか、上位の15%の経営と比較しています。
相当高いレベルの経営と比べていただいております。
次、お願いします。
これが今までの売上高です。
私のところは、先ほど言いましたF1子牛の生産と、あと和牛の繁殖を21頭ほどやっております。
これは酪農部門の乳牛から出る残飼、どうしても牛乳を搾るときに餌をたくさんやるので、余る餌で和牛の繁殖をやっております。
このグラフの推移の中で、平成20年に段がありますけれども、このことが次説明させていただきます餌代、乳飼費と言われる部分にどう影響するかとか、平成20年は和牛の販売、子牛の販売も落ち込んでおります。
今現在、規模なんですけれども、総頭数で275頭ぐらい経産牛がおります。
売り上げが2億9,400万ぐらいです。
和牛の子牛の売り上げが、昨年ですけれども900万ぐらいです。
F1子牛が4,580万ぐらいで、総売り上げで3億4,800万ぐらいな数字になっております。
このグラフの、先ほど言いました20年のほうがちょっと気にとめておいていただきたいんですけれども、次、お願いいたします。
これなんですけれども、飼糧割合と表示しておりますけれども、3部門あるので、本当は牛乳、乳飼費という部分だけであらわすのが一番わかりやすいと思うんですけれども、全部の餌、和牛の繁殖とF1仔牛の哺育部門と乳牛の餌代というのを、総額をその総売上の中にどの程度占めているのかということであらわしております。
成績の悪かった平成20年には、一番悪くて48%ぐらいです。
一番よかった22年というのは、40%を切って38%ぐらいになっております。
単価については年々少しずつ上がっております。
餌の単価高いという部分ももちろん大きな経営の中に占める餌代上昇の要因になるんですけれども、やっぱり経営努力といいますか、1頭当たりの成績内容によってある程度は餌代の乳飼費の割合というのは吸収し下げることが出来ます。
1頭当たりの牛乳の売り上げというのは平成22年で、私のところで110万を超えました。
子牛の売り上げはその上に15万から17万円平均ぐらいあります。
成乳牛1頭当たり126万くらいです。
次、お願いします。
これが1頭当たりの指標ということで、過去1頭当たりの売り上げと1頭当たりの付加価値ということで出しております。
先ほど言いましたように、平成22年に売り上げが100万を超えるようになりました。
これと、もう一点なんですけれども、今、税理士の先生から言われているのが1人当たりの売り上げが下がっていると。
というのは、私のところは、今現在、スタッフをふやしております。
それは将来的にいろんなものに挑戦したいということでやっております、その税理士の先生からすると、1頭当たりの売り上げがふえている間はいいけれども、これがいつまでふえるのか、1人当たりの売り上げが下がっているというのをカバーできないときがいつか来るだろうという指摘をされました。
これについても従業員とみんなで話し合って、今いろいろと対策を組んでおります。
次、お願いします。
これが1年間の売り上げの推移を月別に出しております。
ちょっとわかりにくいんですけれども、2年分を比較を出しているんですけれども、昨年の10、11月、12月が上のほうで太くなっている部分が、長くなっていると思います。
これは、昨年の乳価の値上げによる影響がこういうふうに大きく出ております。
もう一点なんですけれども、通常、酪農の場合は、西南暖地の場合は6、7、8、9というのが牛乳の売り上げ、生産量が落ち込む時期なんですけれども、夏場対策を積極的に導入することによって、少しずつ形が平準化するようになってきました。
お願いします。
酪農経営の開始が昭和54年で、私はとにかくいつも楽しくしたい、何かやっておきたいという思いがあって、ずっと何かを経営の中に取り入れてきました。
その中で大きな転機になったのは地域交流牧場全国連絡会との出会いがあります。
11年に岡山の全共のときに中央酪農会議がブースを出していたところを通りかかって、いろいろな活動をしているんだというのを知りまして、すぐ私はそこで会員になって、それから活動しております。
その翌年なんですけれども、酪農協議会の認証制度があるということで、私の妻が東京で認証研修会を受けて帰って、本格的に教育ファームの活動をしております。
私はやっぱり新規でやっているといろんな今までのしがらみというか、那須委員も言われたように、雰囲気がちょっと違うところがあり、既得権が強く、前からやっている人たちの意見が強いというのがあって、交流牧場に来るとみんな楽しくいろんな意見交換ができるというので非常に元気をもらったし、いろんな情報をそこで仕入れて帰れるというのが大きな経営の発展につながったというのは感じております。
次、お願いします。
これは酪農教育ファームの写真なんですけれども、来られる方は、子供会から老人会までいろんな年齢の人たちが来られます。
事前に打合わせをして、体験プログラムを決めてやるようにしております。
地元の中学生とかは毎年来てくれたり、またそこの先生が高松市内の学校に変わって、そこからまた来てくれるようになったり、少しずつふえております。
次、お願いします。
これが体験の様子とログハウスの宿泊施設なんです。
私のところで大学生等のインターンシップ、農業を将来目指す人たち、若い人たちが来るようになって、受入れをしております。
多い年は年間20人とか30人とか来るんですけれども、その施設をつくりました。
平成13年、会社にする前につくったんですけれども、いつでも受け入れられるようにということでつくりました。
次、お願いします。
これが、繁殖診断の様子です。
コンサルタント獣医師に繁殖だけを診てもらっております。
月、これはスタッフ全員で対応するんですけれども、コンサルタント獣医師が月2回来てくれて、繁殖を診てもらって、その後、いろんな技術的なミーティングを、問題点をみんなで話し合う機会を設けております。
私のところの分娩間隔というのは今、412日ぐらいです。
平均産次が非常に長くて、3.4ぐらいです。
1頭当たりの乳量というのは1万ちょっと超えるぐらいのところにあります。
酪農の場合、繁殖というのが一番大きな重要な課題でありまして、繁殖412日と言いましたけれども、412日が多分1日縮まれば40万から50万ぐらいの年間の収益につながると思っております。
可能性としたらできるだけ400日に近づけたいというのがありまして、今、皆スタッフでどうしたらいいかというのを考えております。
これは、下の右側の写真が先生の写真なんですけれども、かばんを持っていますけど、エコーで診ております。
そのために双子であったり、雄雌の診断も相当な確率でできております。
次、お願いします。
これなんですけれども、森のいちごというのを平成20年に立ち上げました。
これは、私も新規であるということがありまして、何にもない子が農業に参入して、農業はもうかると、農業は夢がある、楽しいというのをみんなで応援しようじゃないかということで、地域の仲間に声をかけまして、立ち上げました。
今、5年を経過したんですけれども、非常に元気にやっております。
社長は私のところの従業員でおりました大阪の子がやっております。
大きな事業で、総事業費で7,500万ぐらいの事業です。
強い農業づくり交付金を頂いたり、銀行融資で対応いたしました。
次、お願いします。
6次産業化なんですけれども、これは、森のいちごを立ち上げるときに、納屋と母屋と農地を一括、地権者の方から借りました。
そこの納屋を改造して、パン屋さんを立ち上げました。
今は休んでおりますけれども、できるだけ早くパンとピザとチーズということで再開したいと、今、準備を進めております。
この立ち上げるきっかけになったのは、私の妻が家庭用にパンをずっと焼いておりました。
研修生とかお客さんが来たときに、このパンはおいしいということを言われたんで、これだったら商品化しても売れるんではないかなということで挑戦しました。
総事業費は、これ350万です。
ほとんど手づくりです。
真ん中の釜も自分でつくりました。
れんが900枚ぐらいを使ってつくったんですけれども、店内のカウンターとか、上のシャンデリアなんかも自分でつくりました。
冷蔵庫はもらってきた冷蔵庫とかで対応いたしました。
次、お願いします。
これが、昨年立ち上げた、森のジェラテリアMUCCAです。
農業の現場に多くの人に来てもらいたいと、農業は楽しいというのを見てもらうためにはやっぱり一番いい方法でないかなと思っております。
これは6次産業化認定をもらって、補助金も頂いております。
総事業費で3,300万を超えております。
そのうち補助金が約半分ほど入っております。
これは母屋の方を改造してやりました。
初年度1年間で売り上げは960万ぐらいで、現実に赤字は150万ぐらいの赤字です。
目標は1,750万の売り上げで300万強の黒字を出すということで目標設定しており、今年はぜひそれに近づけたいと思っております。
次、お願いします。
6次産業化への過程ということです。
この中で、平成23年に6次産業化の認定制度があるということで、私はすぐ申し込みまして、認定をいただいて、23年に商品開発、販路開拓ということで、1,100万の事業費を組んで、ソフト事業を申請いたしました。
それで、24年にハード事業ということで、2,800万の施設機械を導入いたしました。
24年にオープンさせたんですけれども、その後もう一度、ソフトクリームをやるということで600万の事業費を組んで、今現在に至っております。
6次産業化というのは、後でも話したいと思うんですが、非常にハードルが高いなと思っております。
その補助事業というものの検証についてもちょっと後で触れます。
次、お願いします。
私がなぜ取り組んだかというのがあります。
農業で生活できますかという話なんですけれども、随分昔なんですけれども、幼稚園の子育て教室というのに呼ばれて、その場でお母さんから、「廣野さん、農業で生活できますか」ということを真剣に話されたことが、やっぱりみんなこういうふうに思っているのかなと、これでは農業はよくならないと思い、できるだけ農業の現場のことをわかっていただきたいというので、交流が始まっております。
もう一点は、農業というのは生産だけじゃなくて、いろんなことができる。
教育も含めてそうなんですけれども、農業の可能性というのは非常にいろんなことがある。
人さえ育てばいろんなことができるんではないかなということで、森のいちごというのも取り組んできました。
それと、イメージをよくしたい。
農業って楽しいですよというのはやっぱりわかってもらいたいというのがあって、いろんなことに取り組んでおります。
それで、農業って本当にもうからないかということなんですけれども、もうからないわけじゃなくて、やり方によってはちゃんと経営は継続できるし、発展していくやり方というのはたくさんあります。
そのためにはやっぱりいろんな人の知恵を借りる、みんなで考えていくということが必要だろうと思っております。
次、お願いします。
6次産業化についてのメリットとデメリットと、現時点で私が感じていることをちょっと並べただけなんですけれども、メリットのほうにいろいろと書いております。
女性が元気にに輝いて一生懸命仕事してくれるというのは6次産業化じゃないかなと思います。
それで、お客様よりおいしいとよく言われるんですけれども、いい牛乳を持っている、新鮮な牛乳を持っているというのは絶対強いところであって、MUCCAがあるところは、高松市内からでも40分ぐらいかけて、わざわざジェラートを食べに来てくれるところにつくっております。
それだけに、来てもらうために、お客さんに満足していただける品質であったり、サービスであったりというのを提供するというのは本当に大変なんですけれども、喜んでくれ、おいしいと言ってくれれば元気も出ます。
とてもいい環境の場所でやっております。
今の目標というのは、田舎に人をどう呼び寄せるかというのがありまして、年間5万人を目標にしております。
可能性としたら10万人まではあるんではないかなと思っています。
10万人来れば、次、新しい事業が何かできると思っております。
なれない仕事というので、クレームの処理に気を使います。
パンのことなんですけれども、パンを休むということをホームページで出したときに、随分昔に買ったんですけれども食べられなかったというメールが入りまして、その対応には、なれなかったので、本当にどうしたらいいのか分からなくて、いろんな方に相談して、何とかその処理をしたんですけれども、なかなかそのあたりは、やっぱり農家ではできないし、わからない部分って多いのかなと思います。
次、お願いします。
ポイントなんですけれども、常に変化をしていく、対応していくというのが、なれない私達にとってなかなかできないというのがやっぱり私達の一番弱いところかなと思います。
6次産業化のポイントの中で、1番の1次産業の基盤が確立されているということは先ほど皆さん言っておられますけれども、まさしくそのとおりだと思います。
150万の赤字といっても、1年で赤字が終われば大きな金額ではないとは思うんですけれども、なかなかならない場合もあります。
実際に自己資金の部分って、先ほど3,300万ぐらいの話をしたんですけれども、ほぼそれと同じぐらいの自己資金の余裕がないと、スタートができません。
つくづく、その成功事例ばかりを私たちは見てきたり、話を聞いて思っていますけれども、実際にやってみると、なかなか楽しいけれども大変だな、可能性はあるけれども大変だなというのは感じております。
次、お願いします。
これが補助金のある、なしの場合を、税理士の先生に相談してつくってもらいました。
当初計画は1,750万で、381万8,000円の利益が上がるということで申請を上げました。
補助金ありの場合、補助金なしの場合というのがあります。
一番右端の資本回収額、これは減価償却費なんですけれども、この資本をどう回収するかというのがあって、1年間に168万1,000円、補助金ありの場合だったら168万1,000円償却ができれば赤字にはならないと。
補助金なしの場合は290万の償却をしていかなきゃならない、これほどの差があります。
売り上げに関しては、1,750万と1,800万の百数十万ぐらいの売り上げの差なんですけれども、実際のその資本の回収額といいますか、減価償却費というのは120万ぐらいの差がでてきます。
次、お願いします。
これは、私の牧場の経営理念です。
私の息子が中小企業家同友会に入って、みんなと一緒につくりました。
次、お願いします。
これは、私のところのスタッフの写真です。
今現在、牧場のほうに正社員が9名、ジェラートショップのほうに2名、11名おります。
牧場のほうにパート、アルバイトが5名、それからジェラートのほうに3名います。
私の牧場のスタッフは若いです。
女子が多いです。
女子の平均年齢というのは26歳ぐらいです。
男子が3名、女子が今、6名います。
長期の研修生が今1人、来年スイスに研修に行く方が1人います。
きのうも就活の先生が来られて、農業はもっと年のいった男の人が多いのかなと思っていらしたんですけれども、現場を見てびっくりしておりましたけれども、うちのところでは非常に女の子が頑張ってくれております。
それで、最近は新卒者の方が入ってくるということで、だんだんその年齢が若返ってきております。
どうもありがとうございました。

 

質疑応答・意見交換

○小谷部会長代理
廣野委員、ありがとうございました。
数字もオープンにしていただきまして、わかりやすいプレゼンありがとうございました。
申し訳ございませんが、今4時10分ですけれども、笹﨑委員が4時20分ぐらい、そして近藤委員が4時半ぐらいをめどに退席ということですので、まず、笹﨑委員のプレゼンあるいは御意見に関しまして、質疑を1人か2人受け付けたいと思いますが、まだ発言されていない方で笹﨑委員のお話に関連して、何か御意見、御感想などある方、挙手で、よろしければお願いしたいと思いますけれども。
急に振られても、出てこないかもしれませんので、廣野委員、ちょっと重なってしまいますけれども、せっかくですので、6次産業化で同じテーマで取り組んでいらっしゃいますので、笹﨑委員のお話も含めて何か御感想、すみません、急に。
お願いします。

○廣野委員
私も何年か前に、笹﨑さんのところのお店に伺って、バーベキューをいただいたことがあります。
まず、すごく大きな規模でやっておられるのに驚きました。
堆肥の直売所、豚ぷんの直売所であったり、野菜の直売所であったり、私が行ったときは、まだ温泉ができる前でした。
それで、社長さんの、多分お父さんだったと思うんですけれども、お話を聞いて感動した覚えもありますし、本を買って帰った記憶もあります。
サイボクという、埼玉種畜牧場という名前であったので、公共のところかなと最初思って、行きました。
そうしたら、個人で経営されているということですごい。
僕はそのころは6次産業化とかというのは全然考えたこともなかったときだったので、こういう経営も農家がやられているというのに本当にびっくりした記憶があります。
私もこれから、先ほど何度も言っているように、農業を消費者の方にどう伝えていくかという中では、6次産業化というのは非常に有効な方法というか、伝えやすい場所でないかな。
実際の現場を、農家のやっていることをわかってもらわないと、これから一緒にいろんなことを考えていけないというのは感じております。
そういう意味では本当にいい勉強というか、いい現場を見せていただいたのが今、記憶にあります。

○小谷部会長代理
ありがとうございました。
私も以前、サイボクさんに伺いましたけれども、すごくいろんな、直販だけじゃなくてエンターテインメント性のあるパークになっているなというふうに思いました。
それでは、お時間もありますので、では、事務局からお願いします。

○渡邉畜産企画課長
笹﨑委員は、ご退席されるということですので、プレゼンの中であったご質問のほうに若干コメントをさせていただきたいと思います。
やはり戦後の先進国の農政の潮流は、価格の支持から、価格は支持しない形で直接的な支払いなどで所得を守るという方向に大きくかじを切ってきたということだと思っています。
アメリカも、もともと生産調整と価格支持を組み合わせていたものから、価格は市場に任せて、不足があれば不足払いをするというふうなものに転換をしてきて、さらにそれをデカップル化を進めて固定支払いみたいなものになってきた。
EUもやはりウルグアイ・ラウンドを踏まえたCAP改革で、価格支持から直接的な支払いにやってきましたし、やはり我が国農政も、生産者米価を生産費・所得補償方式で支えるようなことから転換をしてきたわけでございますし、この畜産におきましても酪農の分野で10数年前ですか、不足払い法の改正をして、市場価格は市場に任せつつ、ゲタの部分を払うというふうなことでやってきたんだろうと思っています。
我が国農政の現在の考え方としては、やはり食料・農業・農村基本法ということで、食料の供給、これが大事だということ、それから農業の発展というのが大事だ、また、農村の発展というようなことが大事で、それらによる多面的機能の発揮というものをしっかり進めていくというのが根本的な考え方でございますし、現在、攻めの農業の中でも、やはり産業政策たる農業政策と地域的な政策を、両者をしっかりやっていこうということで展開をしていくということが今の基本方針だと考えております。
また、笹﨑委員からコメントございましたけれども、ライブストックがまさに先ほど那須委員のご質問のお答えにもなっているのかなというふうに思いますけれども、肉類の備蓄ですけれども、やはり笹﨑委員からコメントございましたとおり、生きた状態で飼っておくということがその備蓄といいますか、ライブストックの意味だというコメントがございましたけれども、実は政府としても肉類を肉類の形で備蓄をしていこうというような、公的な備蓄をしていこうというような考え方はとっておりません。
もちろん流通在庫ありますけれども、それを不足時の供給に備えた公的な肉類の形でということは、現在ないということでございます。
以上でございます。

○田村畜産総合推進室長
あともう一点、自給率の件につきまして、いつもながら熱い御意見をいただきまして。
それで前回もちょっと申し上げましたけれども、笹﨑委員のおっしゃられた守れないから下げるというのはけしからんと、それはそのとおりだと思います。
それで、前回の企画部会、22日の企画部会の翌日の新聞で、審議会として自給率下げとか、そういう見出しが出たということを踏まえて、委員から今のような御発言があったんだと思いますけれども、事実関係といたしましては、前回も申し上げましたけれども、具体的なその自給率目標につきましては、今後これまでの企画部会で整理された課題を踏まえて、夏以降にその設定の考え方を議論していくということでございますので、端的に申し上げれば新聞の見出しは、そういうふうに御理解いただきたいということでございます。
その中で、では、どういったご議論があるかと、先ほど、2、3の御意見も紹介しましたけれども、資料3の中ほど、飼料自給率の資料の9ページの中で、ちょっとおめくりいただく時間はないかもしれませんけれども、例えば、品目別に現実に見合った需要量を想定すると、生産量について需要面に加え現実的な生産条件に見合ったものとすると、そういった基本的な方向のもとで、品目別に生産数量目標を設定した上で、全体のカロリーベース及び生産額ベースの食料自給率目標を設定していくと、こういった方向で企画部会においては、今後、夏以降、議論をされていくと、こういうことでございます。

○小谷部会長代理
ありがとうございました。
それでは、どちらでも。

○近藤委員
いいですか。

○小谷部会長代理
では、近藤委員、お願いいたします。

○近藤委員
すみません、ちょっと退席しなければいけない時間が近づいておりますので、お時間をお先にいただきました。
3人の方の非常に特色あるお話を伺いまして、力強いご活動をされているということに大変感激いたしました。
本当にありがとうございました。
いつか機会があったら、ぜひそれぞれの牧場にお伺いして勉強させていただきたいと思っております。
ただ、それは、いずれもお三方ともかなり大きい規模の農家でいらっしゃるので、一方、お話があった廃業とか、もう空き家になってしまって滅びるだけの牧場の跡とか、耕作放棄地じゃないですけれども、そういうところが実際は多々あるんだというところと、今回お話しいただいた、必死になって頑張ってこれだけのものを御提供になってくださっている御活躍の農家さんたちとのギャップみたいなものを逆に感じてしまって、その辺で今後どうなのかなと、これをどう見るのかなという気がいたします。
TPPに対抗するためには、大規模経営というのを非常に求められているわけですけれども、一方その小規模のところならではの手づくり感であるとか、小規模経営から生まれるよさみたいなものも求められている、逆に攻めの農業のところではあるわけで、それをどういうふうに見計らっていったらいいのかなという気もいたしました。
それと、もう一つ、6次産業については私も大変関心がありますし、興味がありますが、あくまでも産業なのであって、単に乳を絞って、アイスクリームつくって売っている、というのと違って、産業という言葉がつけば、やはりそこには人が関与するサービスの部分というのが必ずついてくるわけです。
そこでさきほど、廣野委員が御説明になった、様々なデメリットのところに関与してくる問題が生まれると。
そこを抜きにして6次産業という産業は語れないのかなという気がいたします。
例えば、全然分野は違いますけれども、すばらしい洋服のデザイナーの方が洋装店を開いても、それだけでは、デザインの腕がいいからといってその方がビジネスとして衣料業で成功できるというわけではないという感じがいたします。
例えば、隣の農家が一生懸命つくられたものをおいしく分けていただくということではなくて、6次産業というのは、見も知らぬ消費者を相手にしなければいけないというビジネスの規模になったときに、やはり私が前回申し上げましたように、消費者が変わっているんだと、近所の人だけではなくて、見たことも会ったこともない方もお買いになるんだと。
見知らぬ多くの方に買っていただかなかったら、産業としては成立しないというところをしっかり踏まえた、行政に対して言えば支援も、今までと違った形の目線で見た支援というものが、お金のかけ方というのがないと、6次産業としてはこれからはうまくいかないんではないかなという気もいたしました。
専門家ではないので、外部から見た意見になりますけれども、ちょっと感じたことを申し上げました。
ありがとうございました。

○小谷部会長代理
近藤委員、ありがとうございました。
では、笹﨑委員、お願いします。

○笹﨑委員
規模の問題とか、いろいろおっしゃっているわけですけれども、実際はうちなんかの会社も、日本の大手から比べたら、吹けば飛ぶような規模です。
ただ、なぜ私たちが希望を持ってやっているのかといいますと、ローカルに徹することはナショナルをしのぐというロマンなんです。
それに対して夢をかけています。
ナショナルの次にグローバルというのはあるわけですけれども、ヨーロッパの名店を訪ね歩いたときに、ミュンヘンならミュンヘンのお店、ダルマイヤーという店があります。
その店はローカルに徹しています。
でも、実はナショナルを越えてグローバルのブランドになっているわけです。
実際に日本に来ているそのブランドの味がミュンヘンの味と同じかどうかというのはちょっと疑問があるわけですが、それは、海外に進出した日本食だって同じです。
ヨーロッパのあの水を使って刺身をつくっていますが、それと日本の水とは硬水と軟水の違いがあります。
厳密に言うと日本と同じ和食が提供できるはずがないのです。
だけど、和食は和食です。
それを、いかに地元の水に合わせてつくっていくかというのがシェフの腕になります。
ですから、サイボクはハムをつくっておりますが、ドイツから学んでも、ドイツのお肉とドイツのスパイスと日本人の嗜好は違います。
ですから、日本人のためのハム、ソーセージをつくったところ、現在825個ヨーロッパから金メダルをもらっているわけです。
ドイツのまねをするんだったらドイツのマイスターを連れてくれば済んでしまうわけですが、実はそれでは日本の味が出せない。
日本の豚肉もそうですけれども、ハム、ソーセージを含めて徹底的に日本化して、ローカルなものを創出すると、それが逆に今、本場ヨーロッパから評価をされるということになるわけです。
日本の文化にもう少し誇りを持ち、磨きをかけ、気候風土に合わせたものをさらに一層進めていくと、初めて、ローカルがナショナルを越えて、グローバルを呼び込むような力になると思い、希望をかけてやっている次第です。
これはまだまだ夢の段階ですけれども、少しずつですが着実にやってゆきたいと思っております。

○小谷部会長代理
近藤委員、お願いします。

○近藤委員
本当にありがとございました。
私の関係する会社も、100年かけて世界で売れるような商品になったというのがたくさんありますので、それで、今日、資料にもありましたが、チーズですね。
本当にチーズを今、日本で頑張ろうと思ったら、これだけ腕のいい、舌の肥えた日本人による、世界に負けないチーズをぜひ中野委員つくってください。
よろしくお願いします。
それをちょっと言い忘れました。
ありがとうございました。

○小谷部会長代理
ありがとうございました。
これは事務方、大丈夫ですか。
それでは、お時間となりましたので、近藤委員、笹﨑委員、ありがとうございました。
皆様、今4時25分ということで、4時35分まで10分間休憩をとらせていただいて、引き続きということにさせていただきます。
それでは、10分間休憩です。
ありがとうございました。

午後4時24分 休憩

 

午後4時35分 再開

○小谷部会長代理
それでは、後半の部を再開させていただきます。
各委員にお話しいただきますが、前回とは反対に、山内委員のほうからということで大丈夫でしたか。
山内委員から、3、4人ずつ御発言いただいて、また回答というふうにお願いしたいと思います。

○山内(孝)委員
山内です。
よろしくお願いいたします。
今日はお三方、畜産経営者の皆さんに現場のいろんな苦労話を始め伺わせていただいて、大変ありがとうございました。
私も飼料メーカーという仕事柄、全国いろんな農家を訪問させていただいて、本当に頭の下がるといいますか、真面目に真摯に肉づくりに取り組んでいらっしゃる、あるいは卵づくりに取り組んでいらっしゃるのを毎日のように拝見しております。
一生かけて、ご家族も含めてやっていらっしゃって、それで安くてよいものをつくるという、あらゆることを試しておられます。
6次産業化も含めてですね。
そういうのを見ておりまして、大変感動しておるんですけれども、大きな流れとして、やっぱりTPPという流れが今、皆さんご存じのように毎日のように新聞をにぎわわせております。
防衛面では安保条約があって、アメリカに全て守っていただいているということですけれども、TPPに関して今、新聞紙上でいろんな数字が出ております。
笹﨑委員は先ほど御退席されましたけれども、アメリカの豚のコストは日本の半分だということになると、日本の消費者が安いものを求めれば、日本のせっかく築き上げたこういう文化とも言っていいぐらいの日本の畜産業が何の抵抗もできずにすっ飛んでしまうというような状況に今あるということも我々は理解しないといけないんじゃないか。
これに対してどうしていかなくちゃいけないのかということも考えないといけない、せっかく熱く語っていただいた後ですけれども、今の日本の置かれた状況もしっかり理解しないといけないんじゃないか。
我々飼料メーカーも、できれば少しでも何とかお手伝いしたいということで、配合飼料価格安定基金制度というものを持っておりまして、少しでも原料が上がった場合には補?させていただくという制度を持っておりますが、この基金も再三申し上げておりますように、今まだ1,000億円弱の借金を抱えておりまして、首が回らない状態です。
配合飼料の製造業界は中小企業の集まりでありながら、3つの配合飼料基金で合わせて1,000億円の借金を持っていて、なかなか十分にお手伝いできないという状況です。
この基金の負担割合が、補?金額ベースでメーカー6、生産者3、国が1という、国の出しているのが10分の1ということでございまして、本当に畜産が大事だと、こういう会議をやっていただいて、みんなの意見を聞いていただけるというぐらい大事な産業であれば、もう少し国のコミットもあってもいいんじゃないかなというふうに思います。
そういう中で、1つ光明がありますのは、毎回のことで耳にたこかもしれませんけれども、飼料用米というのが一つの助けになるのかなというふうに思っております。
飼料工業会では飼料業界としての飼料用米へのメッセージというのを一冊にまとめました。
全部その中に入っておりまして、先週金曜日23日に記者会見させていただきまして、ぜひ積極的に使いたいと、あるいは米の生産者と畜産生産者の仲介もやらせていただきたいということを申し上げました。
これまで日本経済新聞を始め一般紙や農業新聞にも取り上げられまして、少し認知度が上がってきたように思います。
余り得意じゃないですけれども、もう少し露出して、飼料用米の宣伝をしていきたいなと思っておりまして、飼料工業会の中に飼料用米相談窓口電話みたいな「飼料用米ダイヤル」をつくりましたら、けさから電話が鳴りっぱなしというような状況でございます。
今のところ工業会としては、こういうことぐらいしかできませんけれども、やはりさっきも申し上げましたように、日本の畜産というのは海外にない非常に繊細な文化とも言える畜産物をつくっておられますので、少しでもこれが絶えるということのないようにお手伝いしていきたいと思っておりますので、頑張りますのでよろしくお願いいたします。
コメントになったかどうか、ちょっとわからないですが。

○小谷部会長代理
山内委員、ありがとうございました。
それでは、引き続き、藤井委員お願いします。

○藤井委員
お三方の発表を含め、非常に勉強になりました。
まず、6次産業化についてということについて、この酪肉近を含めた中で総括すべきかなというふうに思いますので、実際、私もチーズ工房初め、いろいろ勉強してきた中で、この6次産業化というのがどういうふうに農家に影響を与えたかということで、一番大きい面でいうと、やはり夢というところなのかなという気がします。
それまでは、やはり規模拡大あるいは生産効率を上げる一辺倒だったという中で、そこで牛乳の廃棄とかがあって非常に行き詰まり感が強かった中で、そこにそういう白黒の世界に色がついたというような形で経営者には見えました。
これはやはり開発すべきフロンティアであったというふうに思いますし、じゃ、平成22年ぐらいから6次産業化を始めた農家がみんなすごいもうかってにこにこかというと、余りそういう話は聞いていないんですが、ただ、経営財政のみで農家が経営の判断をしているわけではないということだと思うんですよね。
やはりそういう夢、フロンティアというところを国の方向性として示されるということは、やはり農家にとって非常に重要なことなんではないかなというふうに思っております。
しかし、やはり採算がとれるまでの苦労というところでは、本当に工房ができたところで、じゃ買ってくれますかというと、本当に笹﨑委員のお話にありましたが、その流通も含めですが、消費者の方がそれを食べてくれるような形になっているか、価格的にも合わない。
じゃ、品質的に今のナショナルブランドと比べてどうなのかというところをシビアにやはり判断されたときに、なかなか正直苦しいところがあるわけですね。
というところも、なかなか採算性をとっていくというのが非常に厳しいという現実があると思います。
ただ、その中でも副産物として、やはり農家が、市場であったり消費者の目線、流通や加工という面を学ぶことができている、これはやはり、これからまた農業経営にとってはやはり大きなことであったのかなというふうに。
非常に厳しい面もあって、これから恐らく、例えば北海道のチーズ工房で言えば100軒以上乱立していく中で、やはり競争があって倒れていく農家がある中でも、そこで勝ち残ったものがしっかりその地域の産業として、先ほど近藤委員が言われたような産業として残っていくようなものをつくっていけるんじゃないか。
ただ、これにはやはり非常に時間がかかると思うんですよね。
という意味では、長い目線でしっかりとしたサポートをしていただく必要があるんではないかなというふうに思います。
ここで、じゃ、どういう規模の方がやるべきなのかというところの話もあるかと思うんですが、笹﨑委員の話だと、やはり始めたころからかなり広大な面積でやられている、規模でやられている感じもいたしましたし、今は本当に6次産業化というか、本当の産業として本当の完成形なのかなというふうに見えたんですけれども、確かに小規模でもできるわけですが、非常に余剰人員がないぎりぎりの中でやっていると非常に厳しい話になってしまう。
那須委員の話の中にあったように、生産も目が届かない、販売も中途半端ということになると、むしろ非常に経営が悪くなってしまうという可能性もはらんでいると。
本当に自分でやっていて思うのは、生産と販売を頭を一人の経営者がやるというのは、これは非常にハードルが高いわけですね。
ここに関してはやはりしっかりと理解していく必要があるし、生産がきっちり成り立っている中で次のステップというふうに行くのか、そのあたり、きちっと補助金のつけ方にしてもきちっとした考えがないと難しいんではないかなというふうに思います。
その中でも、女性の活用、活用と言うと何か失礼ですけれども、うちの嫁さんだったり妹だったり、非常にそういう中で活躍してもいますし、あるいは地域のパートでのご婦人といいますか、奥様方に活躍していただくという場にも確かになっていますので、そういった面をうまくミックスしていくことがこれから重要になってくるんではないかなと。
やはり家族経営だけでは到底できないんで、法人化もあわせた形で、この6次産業化というのを考えていかないと、そういう意味ではやはり人員的にも規模がどうしても大きくなってしまうと思うんですよね。
一家族だけで生産と販売両方というのは、ほとんどうまくいかないんじゃないかなという気がします。
ですから、法人化プラス6次産業化のサポートという形でちょっと考えていただきたいなというふうに思います。
あとは、やはり最終形としては、笹﨑委員がおっしゃられましたが、本当にローカルなものがグローバルで通用する食に変わっていけるのか、ここにこそやはり6次産業化の最終目標があるんではないかなというふうに思います。
やはりイタリアやフランスのチーズが日本まで来て、それで通用していると、そういった食文化を日本でもやはりつくっていくということが、国際競争を勝ち抜く上で、力強く農業が立ち行く上で大事なことなんじゃないかなと、それがポジショニングという意味でなってくるのかなと思いますが、やはり、繰り返しになりますが、それは本当に消費者を含めた食文化が醸造されていないかぎり、「はい、つくりました」というものではないと思うんですよね。
ということで、非常に長い年月をかけて蓄積していかなきゃならないわけですが、そういった中で既にTPPというものが目の前に迫ってきて、ある意味、準備の時間が非常に足りないような気がしています。
今、規制改革会議の中でも牛乳の輸出ということが急にとは言いませんけれども、結構急に出てきたなという印象を受けています。
そのために果たして日本がどれだけ、日本の畜産が準備をしてきたのか非常に疑問に思うところがありまして、私としてはやはり長期的に考えれば当然輸出は必要だとは思っていたんですが、そのための準備、戦うための武器といいますか、守るための盾といいますか、そういったものを本当に今しっかり構築する、この酪肉近でしっかり盛り込んでいかなければ、笹﨑委員が懸念されたような、一気に畜産がとってかわられる、そしてその後、もう畜産物が食べられなくなるとかという事態すら起きるんではないかなという気がしております。
北海道は今、本当に輸出どころではないという話、非常に生産が落ちていく中で、その基盤をどうしていくのかというところなんですけれども、そのあたりも含めて。
ただ、やはり経営の中には夢というものが絶対に必要であるというふうに思いますし、この6次産業化という灯は消さずに、しっかりともしていく中で、農業の競争力というのを強化を考えていってほしいなというふうに思っております。
以上です。

○小谷部会長代理
ありがとうございました。
それでは、中野委員、発言をお願いします。

○中野委員
3名の方の発表内容につきましては、3名の方それぞれが経営者としてのお立場でポリシーを持って進めてきているということですので、聞いていて非常に重みがあると感じました。
したがって、個々の内容については私が軽々しくコメントする立場にはないと思っていますが、1つは、発表された内容はそれぞれの地域とか、あるいは色々な条件の中で、工夫をしてやってこられて、様々なパターンが6次産業化の中にはあり得ると思っております。
ただ、お話を聞いていて思ったのは、経営者として様々な課題の解決の中から試行錯誤してここにたどり着いてきたものと感じまして、決して6次産業化という形が頭の中に明確にイメージがあってスタートしたものでも多分ないのではと感じました。
そうは言っても、今このような中で6次産業化というのが1つのテーマになり得るということについては、やはり農業の持つ多面的な価値だとか、ポテンシャル、そういったものが潜在的にあるということで、6次産業化というものがテーマに上がってきていると思っています。
ただ、これはある程度割り切った言い方をすれば、経営者として自分たちのビジネスにおいてどのようなポートフォリオを組み立てるか、ある意味ではその1つとも思えます。
優秀な経営者の方はいろいろ考えた中で、試行錯誤しながらやられると思いますし、どんどん進めていけばいいと思っています。
私どもも、北海道でチーズ工房のお手伝いもさせていただいておりますけれども、いろいろな課題があるということも一方では事実であります。
品質管理の問題、販路の問題など、まだまだ課題は大きいと思っています。
この6次産業化は個々の経営の安定化には非常に有効だと思っておりますし、藤井さんが仰ったように夢を持ってやるという意味でも大きな価値があると思います。
ただ、食料資源の安定的な確保や自給率など、今、喫緊の課題として抱えている問題の根本的な解決にはならないのかなと思っております。
6次産業化で個々の生産者の皆さまの経営が自立して足腰が強くなることは非常に大切なことなので、様々な取組はどんどん進めるべきだと思います。
一方で、今日本が抱えている課題は食料資源の安定的な確保、それから自給率の問題、これらはむしろ日本として国家戦略をどうするかという問題だと思っております。
私ども乳業者は、原料の調達のところから消費者へ安定的に商品を届ける、いわゆる川上から川下までのサプライチェーンの中で活動しているわけでございます。
食料自給率の問題を解決しようとすると、グローバル化の中で、このサプライチェーンの競争力そのものをどうやって高めるかということを考えていかなければならないと思います。
今のサプライチェーンは分業体制で成り立っているので、個々の生産者が生産して物をつくって販売することとは別の世界で動いているようなところになります。
6次産業化自体を否定しているわけではありませんが。
一方で食料資源という大きな問題を6次産業化とあわせて、戦略を明確に打ち出していただきたいと思っています。

○小谷部会長代理
ありがとうございました。
今、3人の方から伺いましたが、引き続きそれでは委員に伺いたいと思います。
飛田委員、お願いします。

○飛田委員
ありがとうございます。
飛田でございます。
よろしくお願いします。
私は農協の立場です。
個々の経営者というよりも農協、いわゆる全国の、あるいは、私は北海道の会長ですから、中央会の会長ですから、組合員をどのように守っていくか、そして、経営と生活をどのように守るかという、そういう重大な責任も保っているというのが私の仕事ですが、今の現状をちょっと、今日は6次化といわゆる肉の関係のテーマだというようにお聞きしましたけれども、ちょっとは皆さんに現状を知っていただきたいのは、24年の北海道の酪農、今は酪農というのは北海道が55%、6割近くの生産を持っております。
以前は、北海道は50%以上搾ると、生産をすると加工乳としての位置づけが変わりますよという、そういう話もあったわけですが、今はそんなことはありません。
6割近くの生産を誇っていると。
ところが現状は、平成24年は240戸の方が搾乳を中止、これは農林省の方はよくご存じですから農林省の方は聞かんでもいいです。
委員の方にお聞きいただきたいんですが、それが現状なんですよ。
なぜか。
先ほど廣野委員が体験発表、事例発表の中で、餌高を回避することができる方法がありますとおっしゃいました。
後ほど、どんな方法があるのかお聞きしたいんですが、まず餌高、平成18年の一般的な餌高から見ると、今は1トン当たり2万6,000円以上の単価が上がったんです、これは。
単価が上がったんですよね。
ですから、そういう状況の中で経営を継続することが非常に困難になってきている。
それと燃料が上がりました。
今、軽油も全国的には140円以上、北海道でも142円ぐらいですよ、今は。
いわゆる経費が上がり過ぎて経営が成り立たない、所得確保が非常に難しい。
恐らく藤井さんも同じような状態の中で経営されているというふうに思いますが、それが現実。
それと、もう一つは、TPPです。
平成22年10月1日から当時の総理があの話をしてから、北海道ですら、専業農業が75%いる北海道だからこそ、そのことが非常にきつくのしかかっているんだろうというように思いますが、いずれにしても240戸の方が生産を中止しました。
それで、それまでは前年対比100%を切ったことがないんですよ。
150戸ぐらいやめても、やめた組合員のきちっと補?は既存の酪農家がちゃんとできていたんです。
それができなくなった。
これはやはりいろんな要素がある。
今言ったような要素があるんですが、私どもが調査をしました。
やめる原因の搾乳を中止する、搾乳を中止するから離農するわけではありません。
離農する人もいますけれども、ほかの畑作、あるいは和牛、あるいは肉畜に変える人もいるんです。
今、酪農の話をしていますから。
そういうやめる理由の一番多いのは、息子がやりたい、やらしてくれと言っても、お父さんが、こんな状況でやって資金を投資しても償還できるのかと、やめる人の中に、それが3割いるんです。
そういう現状があるということだけは、皆さんにも北海道の現状としてお知らせをしておきたいというように思います。
それで、今日は肉牛の話ですから、肉は北海道もホルスタインの雄がほぼ6割近くの肉の資源を占めております。
日豪のEPAも大筋合意をされました。
やはり北海道というのは、さっきも言ったように、牛乳が6割近く生産しておりますから、当然ホルスタインの雄は多く生産をされるんです。
それは当たり前ですよね。
オーストラリアの肉との競合はホル雄が一番競合するんです。
そうすると、農林省の方もいろいろ説明をしていただきました。
今のところは心配ありませんということを言っていただいておりますから、組合員もそこは安心をしているというように思いますが、それがどこまでしっかりとした検証ができるかということを、これは役所じゃなくて我々がしっかりやればいいんです。
我々がしっかり検証して、もし経営が難しくなったときは、どうやって経営が安定するかということをちゃんと考えていくこと、あわせて、国に対してもどういうことをきちっとやっていただくかということを、我々もしっかり考えていかなきゃならんというように思います。
これが1つの大きな問題。
それで、今、肉の話をしかけたんですが、肉というのは特に今、ホルスタインに対して今、広野委員がおっしゃっておられましたよね。
F1をつくる。
北海道も大体、今27%ぐらいがホルスタインに和牛をつけるんです。
F1です。
これはまた違う話ですけれども、今、和牛が非常に頭数が少なくなり、頭数が少ないということは販売価格が非常に高くなっている。
この間、十勝の私どもの、私は十勝ですから、十勝の市場でいくと、和牛8か月、9か月が一番高いのは92万円ですよ。
平均すると58万円です。
これだけ高くなっております。
ですから、それを買って、肥育をしてしまって、そして、肥育価格が、よくご存じだと思うんですけれども、A5でも2,000円ちょっとしかしないんですよね。
そうすると本当に経営が成り立たないというのが今の現状です。
ですから、そういう状況を回避するために、ホルスタインの腹を借りて和牛生産をし、これはF1です。
F1じゃなくて、受精卵移植という制度がありますから、これをしっかり受精卵移植をして、27%和牛をつけるんであれば。
私どもは今ホルスタインが頭数が減っておりますから、必ずしもホルスタインに和牛をつけろということは言うつもりはありませんが、27%つけるんであれば、F1でなくて受精卵で受精をして、和牛を生産してくださいという話をしておりますが、なかなかこれが難しくて、そううまくはいきませんが、いずれにしてもそういう個体、個々のホル雄であればホル雄、あるいはF1であればF1、そういう一つ一つの事柄に対して、しっかりとした思いを、対策を打っていくことが今、組合員の、さっき言った3割ぐらいがやりたくてもやめると言う、そういう人たちをどうやって経営にフィールドバックさせるかということをやらないと、本当に先ほど笹﨑委員おっしゃっておりました、そして農林省からお話があったけれども、自給率がどうやって守られるかということについては、自給率の状況がどこまでできるかじゃなくて、自給率を上げる目標をつくって、それに向けて努力をするということがないと、どんどん下がっちゃうよ、自給率は。
自給率がこれぐらいで設定されそうだから、それに向かって設定をするということじゃなくて、自給率をしっかり持った、そういう対策をどのように打つかということがないと、日本の自給率は非常に心配です。
例えばTPPで今、牛肉あるいは豚肉の話がありますけれども、自給率をどうするのか私はわかりませんが、世界的に片方では干ばつです。
今年も干ばつが発生しております。
片方では大水ですよ、大洪水です。
農業の生産というのは、世界的に非常に心配なんです。
片方で、中国、インドなんていうのは、開発がどんどん進んでいきます。
開発が進むということは、食料の需要がふえるんですよ。
先ほど話があったように、90億人ですよ。
今は10億人以上の方が、命を本当に維持するのが大変な人たちが、世界中に10億人以上の方がいるんですよ。
日本が何ぼ金持っても、お金を出しても、自分の国の自給率が、アメリカにしてもそうですよ、オーストラリアにしても、ニュージーランドにしても、フランスでも、自分の自給率が100%を切ったら、日本が何ぼ欲しいと言ったって、それは売ってくれませんよ。
その議論がされていないこと自体が、将来の日本の国民の皆さんの命を守るために一番大事なことでないのかなと、その議論がされないことがおかしいと私は思っておりますから、TPPもそんなことで、例えば農協が今、農協だけでなくて、それは金融も貯金も、例えばISDも、みんな戦いの中にいますけれども、いずれにしてもそういう基本をしっかり、国民の生きる道をしっかり日本人として守るべきであるということを申し上げながら、余りこういうことを言うと規制改革会議が、そんなことを言う農協は潰してしまえという話まで出てきますから余り言えないんですけれども、現実はそうですよ。
そういうことをちゃんと頭に置いていかないとだめだと。
ちょっと蛇足になりましたけれども。

○小谷部会長代理
飛田委員、どうもありがとうございました。
では、引き続き市川委員、お願いします。

○市川委員
市川です。
私は消費者としてこの会議に参加しております。
今日の皆さんの熱い思いをお聞きしていると、ちょっと居心地の悪さみたいのを、正直感じているところです。
今、飛田委員が御発言されましたけれども、これからどうしていくのかということについては、そのどうしていくのかというのを考えるときに、よく言われる話ですけれども、日本という国はこれから何で食べていくんですか、そして何を食べていくんですかというふうに問いかけられていると思います。
まさにそういう議論をすべきだと、それは私も本当にそのとおりだと思っています。
TPP絡みでいろんな意見も出ていますけれども、私はTPPの話と食の安全という話を一緒に結びつけて、TPPが進むと食の安全が脅かされるというふうに短絡的に捉えるのはどうかなと思っています。
そのあたりについては、事務局としても丁寧に説明なりを追加して、そういう御発言が出たときには、やはり具体的に丁寧に答えていくような対応を私は期待をしたいと思います。
今日は、那須委員、それから笹﨑委員、そして廣野委員から、とても熱のこもった畜産農家の現場のお話を聞いて、とても本当に勉強になりました。
皆さん、こんなに熱心に、そして熱意を持って、そして大変なご苦労をされて、そしてまた将来にも夢を持っていらっしゃるんだなということを思いました。
笹﨑委員が、消費者というのは市場原理に任せると安いものに突っ走って、そしてまた、日本の畜産もだめになってしまうんじゃないかというようなニュアンスのことをおっしゃられましたけれども、畜産だけにかかわらず、要は生産者も多様であるように、私は消費者も多様だと思っています。
決してコスト、安いものだけを選択する消費者だけで日本という国は成り立っていないと思うので、私は余りそこのところは悲観的には考えていません。
生産者の人は自信のある生産物を自信を持ってつくっていただく、そのために国が足りないところをサポートしますよという、そういう仕組みがあるべきだろうと思っています。
ただ、そういう仕組みが過剰に働き過ぎると、支えてくれるから、要は8割までは補?してくれるからというような認識を持ちつづけると、いつまでたっても生産する方々の自立というのが阻まれてしまうのではないかなと。
生意気に聞こえるかもしれませんが、例えばもう年とった親が、いつまでたっても自立できない子供、でも、子どもはかわいいから、どうしても面倒を見てしまう。
エンドレスでできないというのはわかっているんだけれども、とりあえず面倒を見よう、見ますよみたいな、そういうふうにも聞こえて仕方がないです。
なので、そこのところは生産者の人も、どこかのところで痛み分け、消費者もどこかのところでそれを分けて痛み分けをするみたいな、そういうときがいつかは親離れ子離れのようにあるのではないかと思っています。
それを繰り返すことによって、国というのは強くなっていくのではないかと、私は個人的には考えています。
那須委員のお話の中にジェンダーの、女性の話が出てきて、私は大変興味深く聞かせていただきました。
確かに九州という地域は、よく言われる男尊女卑とか、6歳か7歳にして何とかって、私も鹿児島生まれなのでそれはよくわかります。
それで、女性の農家の方がどうしても長時間制約されるという、それは那須委員もおっしゃったように、事実だろうと思います。
そこのところを、やっぱり解決していくためには、技術とか、それから研究とか、そういうところの革新的なものを思い切って取り入れるぐらいの大胆な判断というものが必要なのかなと思います。
今の延長線上には、私は決して女性のすばらしい未来、ポテンシャルが十分生かせる未来はなかなか来ないんじゃないか、100年ぐらい待たないと来ないんじゃないかと思えてしようがないです。
だから、那須委員にはぜひ、現場に取り入れる例えば品種であるとか、技術であるとかというところの判断において、今までのその考え方、判断の仕方とはまた違うドラスティックな判断ができるような、そのためには学びも必要だし、いろんな人たちとの意見交換とか、その情報の共有とかも必要だと思います。
そういうのを積極的にどんどん取り入れていってほしいと思っております。
6次産業化について、最後に一言。
藤井委員から夢、フロンティアというような言葉も出まして、長いサポートが必要なのだというお話を聞きました。
本当に、夢、フロンティアに続く、つながるものであれば長いサポートがあってもいいと思うのですが、6次産業化といういろいろな仕組みができて、ファンドが動き出したりとかしていますけれども、そういう資料を見たときに、私はお金の流れには詳しくないのですが、評価のポイントというのが見えてこなくて、何をもってこの6次産業化はうまくいっているとか、うまくいっていないんだとかと判断するのか、消費者目線で見たときに、それがいま一つよくわからないというのがあります。
6次産業化でという旗を振ることによって、現場の農家の方々が疲弊してしまわないかなと。
逆に資源を浪費することがあってはいけないと思います。
私は以前、バイオマスタウン計画というのにちょっと地元の環境ボランティアでかかわったことがありましたが、あれは何だったんだろうという思いがちょっとあります。
国が大きな資金を動かして大きな構想で動くときというのは、やっぱりきちんと評価の仕組みまでも整えて提案とかしていかないと、そこにかかわる現場の人たちが、やっぱり一番振り回されてしまうというような二の舞をしないでほしいというのが率直な気持ちです。
以上です。

○小谷部会長代理
市川委員、ありがとうございました。
続いて、石澤委員、お願いいたします。

○石澤委員
今日は、那須さんには笑わせていただいて、本当にありがとうございました。
楽しいプレゼンでした。
笹﨑さんは、いつものようにすばらしいお話を聞かせていただきました。
また改めてライブストックという大切なお言葉をいただきました。
廣野さんからは、今一番大切な部分をお話ししていただいたのかなと思っています。
そこで1つ、今回、農水省さんが肉酪近で目指している中で、経営規模の多様性という言葉が有りますけれども、それはいいことですが、中身を見ると、「いっぱい働いて、いっぱい稼げ」というような、農家の人たちにとってみれば、本来はできるだけ楽しく稼げるような農業になれるようにしていければいいと思うんですけれども、あの素案を見れば労働時間が長くなって、お金も稼いで、しかも新しい機械も入れていくというようなことで、今以上に大変な農業になるのではないでしょうか。
果たしてそれはいかがなのかなと思います。
やはり所得の向上というんであれば、規模拡大して所得を上げることも大事ですが、どうやって経費を減らしていくか、やっぱりその辺のことをそろそろ打ち出していかないと、恐らくこのままの状況でいくと、先ほどいろいろお話がありましたけれども、酪農家も、畜産農家はますます減っていくのかなというような気がします。
やはり大事なことは、廣野委員のほうからもありましたけれども、適正な規模というか、経営規模というやつを、これからどう打ち出していくのかということが大切になっていくのかなというような気がします。
どうしても規模拡大とか、そういうふうになっていかざるを得ないような、今の現状なんですけれども、そうではなくて、この地域でその地域の取り組みとして、やはりそろそろ農村では、畜産が地域の中心になっていく時代になってきているのかなと思いますので、その地域にとっての適正な規模、言葉としては、私も前々から有畜複合農業という話をしていましたけれども、先ほど那須さんから複合農業はちょっとよくないよと、複合農業が悪いのではなく手広くいろいろな農業に手を出しても中身が伴わないと、やっぱり観察ができなくなっていって、かえって自分の足元が見えなくなっちゃうんじゃないのというお話がありましたけれども、まさにそのとおりで、地域での複合農業が大切で、その取り組みの一つに飼料米が有ります。
ただ、ここで大切なのが、飼料米というと飼料米だけのお話になってしまいますが、かつて水田フル活用というお話がありましたけれども、ある意味もう一度、水田を目いっぱい活用していくような取り組みということを将来に向けて出していくと、その地域複合農業、地域総合的な活用というか、そういうものが生きていくような気がします。
少し話題がそれますけれども、先日、長野県の佐久総合病院というところに行かせていただきました。
実は日本経済新聞にちっちゃな記事でTED×Sakuというのをやっていたものですから、それで私は佐久総合病院ってどういうところなのか勉強不足でわからなくて、実は、非常に有名な病院だということは後でわかりましたけれども、そこに行って、すごいと感じたのが、佐久地域の皆さんは、最期に畳の上で死ぬんだそうですね。
それはホームドクターという制度があって、先生がおっしゃっていましたけれども、畳の上で死ねるというのは、やはりその地域にいて、最後まで役割がその方にあるからできるということをおっしゃっていました。
その最後まで役割がある一番大切なお仕事というのは、孫のため、家族のために野菜をつくったりという農業をすることだそうです。
この生きがいやりがいがあるので、お年寄りがそこの地域で生きていける、我々の医療というのは、そのほんのちょっとのお手伝いして、畳の上で死ねるようなお手伝いをしていくだけのことであって、地域全体での取り組みが日本一長生きの県になった原動力だというお話を、32歳の先生がお話しされていました。
非常に感動しました。
ということで、もう一度畜産に戻りますけれども、やはり私は前にも原田部長にもお話ししましたけれども、そろそろ農業も畜産が中心というと言葉に語弊がありますけれども、畜産から見た農業経営というものをきちんと打ち出していかなきゃいけないのではないかなと思っていますので、ぜひその辺をもう一度頭の中に入れておいていただければと思います。
それで、最後になりますけれども、先ほど大分の鈴木養鶏場の会長さんとたまたまお会いしたんですけれども、杵築のヒラタさんという方がホシアオバをつくって850キロ収穫したそうです。
今、5ヘクタールの飼料米をつくられているそうですけれども、その方がもう自分の代で農業をやめようと思ったんですけれども、飼料米ができたおかげで息子さんが帰ってきたそうです。
というようなお話を添えて、最後にしたいと思います。
今日は本当に皆さん、ありがとうございました。

○小谷部会長代理
石澤委員、ありがとうございました。
それでは、いかがですか。
課長、お願いします。

○渡邉畜産企画課長
委員の皆様方から非常に率直な御意見、非常に鋭いご指摘、いろいろといただいて、今日は深い議論になって、どこからコメントをしたらいいのかよくわからないほどでございます。
6次産業化が1つのテーマとしてございまして、非常に夢を与える取り組み、あるいは経営の1つの展開のあり方としても、もちろん重要なことだというご指摘、まさにご指摘のとおりだと思います。
ですから、政府としてもしっかり6次産業化、これはみんながみんな6次産業化ということにはならないのかもしれませんけれども、取り組みとして創意工夫を持っておやりになる方を、政府としては側面支援をするというようなことが政府の立場だろうというふうに考えております。
また、6次産業化をすることで、確かに自給率の問題が解決するわけではないというご指摘ございましたけれども、やはりこの日本の農業が強い農業になって、産業として強くなって、農業のみならず農業を支える関連産業も含めてでございますけれども、強い産業として競争力ある形でやっていけるというようなことが、やはり1つの農政の大きな目標だろうというふうに認識しております。
まさにそれが飛田委員からもございましたような離農の問題への対応というようなことにもつながるわけでございまして、まさに酪農の生産基盤にしても肉用牛の繁殖基盤にしても非常に弱体化が懸念されているというのは、やはり私ども、この国際的な貿易交渉のいかんにかかわらず、やはり畜産、酪農の基盤の強化というのをしっかりアクセルを踏んでやっていかなければならないというふうに考えております。
今年度、またいろんな事業、性判別精液とか受精卵移植みたいな話、飛田委員からございましたけれども、そういったものも今回組み込んで今年度からやっているようなところもございますし、また来年度以降に向けてしっかり対策を、基盤の強化につながるような対策を打ち出していきたいということで考えているところでございます。
日豪EPA、TPPということで、それがまた離農の原因にもなっているというようなご指摘もございましたけれども、今、日豪につきましてはいろいろ御説明をさせていただきましたし、必要に応じて、また御説明をどんどんさせて、正確なご理解を賜るための御説明なりさせていただきたいと思いますし、TPPにつきましてはなかなかこの場でコメントできることもございませんけれども、いずれにしても競争力の強化、基盤の強化というような対策をしっかり進めていくことが大事なのかなというふうに考えております。
市川委員からもご指摘がございましたけれども、政府の役割はやはり、政府は産業そのものではもちろんございませんので、完全に政府丸抱えの産業というのは、これは産業のあり方としておかしいわけでございます。
というのはご指摘のとおりでございます。
そこは、国は、いろんな意味でセーフティネットとして側面支援をする中で、また、競争力を強化していくという中でコストの削減というようなものも当然進めていきたいというふうに考えておりますし、そういった対応をしっかりやっていくのが国の使命なのかなということかなと考えております。
規模の拡大、石澤委員からございましたけれども、確かに日本の畜産は戦後、相当規模の、特に飼養頭数の規模なりは拡大をしてきたということでございます。
適正な規模をどう考えるかというのは、もちろんその地域、あるいはその経営体のお考えということが、もちろん基本になろうかと思います。
もちろん、その規模拡大をして、規模拡大によって例えば農地中間管理機構で農地の集約化を進めて、そういった中で飼料基盤に基づいて規模なり拡大をして利益を生み出そうという経営も、あり方としてもちろんあるわけでございましょうし、あるいはその規模拡大はほどほどにしておいて、例えば6次産業化をしてやって、その付加価値を高めて売ることで、それほど規模は大きくないけれどもやっていけるような利益を生み出すというような経営も、もちろんあろうかと思います。
それが多様な経営という話なのかなというふうに考えております。
規模拡大のみならず、そういった多様な経営体が元気を持って畜産に取り組んでいけるような環境整備、それが国の大事な役割なのかなということで考えております。
やや順不同で雑駁になりましたけれども、それじゃちょっと小林課長、お願いします。

○小谷部会長代理
畜産振興課の課長さんです。

○小林畜産振興課長
畜産振興課長でございますけれども、今いろいろお話しいただきました。
飼料用米の話も最後やっぱり締めくくりだなと感心をいたしました。
私の立場から、御紹介をしておきたいと思います。
前回も家畜改良増殖目標の検討を始めますという御紹介をいたしました。
具体的に、来週から始めます。
2日の月曜日、肉用牛の改良目標の研究会を皮切りに、各畜種ごとに始めます。
ここの委員の方の中にも、それぞれの畜種に入っていただいている先生方もございますので、よろしくお願いしたいと思います。
今いただいたお話の中で、改良研究会の中では、各畜種の能力をどうするかということだけではなくて、今、例えば石澤委員の言われた畜産の役割、それから、お話が出ました飼料の問題をどう解決するかということも含めてご議論いただきたいと思っております。
もしかしたら飼料用米と地域の話も出てくるかもしれません。
飼料用米の餌の問題のほかには、放牧ということをどう考えるかという話もあると思います。
もう一つは、消費者の目からどう家畜を見るかという視点でご議論もいただきたいと思います。
それほど回数を重ねることはできないわけですけれども、濃密なやり方、それから工夫をしたやり方でもって、皆様のいろんな視点も入れて改良目標を検討していきたいと思っております。
私からの紹介でございました。

○小谷部会長代理
ありがとうございました。
では、先ほど、石澤委員から佐久総合病院のお話が出ました。
ちょっと私のこととかかわるので、一言お話しさせていただきたいんですけれども、高齢者福祉の介護の番組をしていまして、農水省でも医福食農連携と言いまして、医療、福祉と食と農業が連携し合って、新しい食のイノベーションで自給率アップにつなげていこうという動きもあるんですね。
まさに、リハビリ農園とか取り組んでいらっしゃる方もいらっしゃると思いますけれども、地域のお年寄りや障害者が自分の居場所というか、仕事を持つ、役割を持つということが一番いきいきして、地域の活性化にもなって、その人本人の活性化にもなるというのが、また、そのソフト面での6次産業にもなるのではないかなと思っているんですけれども、那須さんがそれこそ若いころに、おばあちゃんにお孫さんを預けたように、おばあちゃんはうれしいんですよね。
そういう役割を持つことが生きがいにつながると思います。
好きな言葉で、「牛乳を配達する者はこれを飲む者よりも健康である」という言葉があるんですね。
つまり、与える側のほうが健康だと。
消費者ももちろん健康になるんですけれども、生産者のほうがそれはすばらしい営みを持っているんだなと。
改めまして、今日は廣野委員、那須委員、笹﨑委員と、誇りを失いかけている生産者が多いと言われる中で、誇りを持って、夢を持って活動されているリーダーお三方のお話を伺えて、光を見ていきたいなというふうに改めて思いました。

○原田畜産部長
では、締めていただけますか。

○小谷部会長代理
はい、失礼いたしました。
本日は長時間に及び熱心に御審議、ありがとうございました。
議事は以上となります。
次回は当初の予定どおり、酪農と乳業に係る本格的な議論ということで、事務局から同じテーマについて、現状での課題やそれを踏まえて施策等の方向性について、考えを説明いただきます。
そして、それをもとに議論していきたいと思います。
よろしくお願いします。
それでは、事務局より連絡事項は、ありましたらお願いします。

○渡邉畜産企画課長
長時間にわたり、どうもありがとうございました。
次回につきましては、やはりこれまで同様に基本計画のほうの企画部会のほうの審議の状況も見ながらということになりますけれども、また1か月後、6月下旬ごろを予定したいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
具体的なスケジュールにつきましては、また事務的に御連絡させていただきまして、調整をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○小谷部会長代理
ありがとうございました。
これをもちまして、食料・農業・農村政策審議会平成26年度第2回畜産部会、閉会いたします。
皆様、どうもありがとうございました。

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