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農業資材審議会農業機械化分科会 第22回(平成27年7月17日)議事録

1.日時及び場所

平成27年7月17日(金曜日) 9時58分~12時02分
農林水産省 第2特別会議室

2.議事

  1. 開会
  2. 挨拶
  3. 議題
    (1) 今後の農業機械費の低減対策について
    (2) 農業資材審議会に対する諮問について
          ・型式検査の主要な実施方法及び基準の改正について
    (3) その他
  4. 閉会

3.概要

○齋賀課長補佐
皆さん、おはようございます。定刻、ちょっとだけ早いんですけれども、皆様おそろいのようですので、ただいまから農業資材審議会農業機械化分科会を開催させていただきます。
本日は、委員の皆様方には、天候も悪い中、ご多忙中のところご出席を賜りまして、まことにありがとうございます。
また、本日の分科会につきましては、これまでと同様に公開を原則として進めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
また、カメラ撮りは冒頭のみとさせていただきたいと思います。
なお、これまでは議事に先立って委員の皆様のご紹介をさせていただいておりましたけれども、お手元にある座席表及び出席者一覧をもって紹介にかえさせていただきたいと思います。
本日は、伊藤委員及び奥野委員がご欠席となっておりますけれども、委員8名のうち6名のご出席をいただいておりますので、審議会の規則により定足数である2分の1以上の出席を満たしているということをまずご報告申し上げます。
それでは、本日の議事に先立ちまして、生産振興審議官の鈴木よりご挨拶を申し上げます。

○鈴木生産振興審議官
開会に当たりまして一言ご挨拶申し上げます。
5月から毎月開催をさせていただいておりますけれども、今日は特に台風で非常に天候が悪い中、多数ご出席いただきまして心より御礼申し上げます。
前回、大久保委員、谷川委員からプレゼンをいただきまして、今後の農業機械の研究開発について貴重なご意見を頂戴したところであります。本日は、当初のスケジュール案では農業機械費の低減対策をご検討いただくということにしておりましたけれども、前回の分科会で議論をしてまいりました。農業機械の開発に関する方向性について、少し引き続き検討を深めていただきたいというふうに考えております。また、型式検査の実施方法と基準の改正についての諮問を予定しております。
それから、7月6日には、スマート農業の実現に向けた研究会において、今後の推進に関する議論を再開したところであります。スマート農業の実現には、農業機械開発、切っても切り離せないものであるというふうに考えておりまして、そのような観点も踏まえてご議論いただければありがたいというふうに考えております。
限られた時間でございますけれども、それぞれのご専門のお立場から忌憚のないご発言をいただきたいというふうに考えておりますので、本日もよろしくお願いいたします。

○齋賀課長補佐
それでは、議事に入ります前に、お手元に配付しました資料の確認をさせていただきたいと思います。
資料一覧をごらんになっていただいて、過不足等ございましたら事務局にお知らせください。
なお、次第の中の議題のうち(2)農業資材審議会の諮問という点につきまして、議場のみ諮問文の写しを資料の最後につけておりますので、ご確認をお願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは、議事を進めるに当たりまして、審議会議事規則により分科会長に議事の進行をお願いいたします。それでは芋生分科会長、よろしくお願いいたします。

○芋生分科会長
それでは、本日の審議会もこれまでと同様に円滑に運営してまいりたいと思いますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
先ほど説明がありましたように、本日の議題ですが、大きく分けまして3つございます。1つは農業機械の開発の方向性、それから2つ目はコスト低減ですね。それから3つ目は諮問となります。
それでは、まず最初の議題であります農業機械の開発の方向性についてということで、資料1に基づきまして説明をお願いいたします。

○松岡生産対策室長
資材対策室長の松岡でございます。
じゃ、私のほうから資料1に基づいてご説明させていただきます。
資料は、タイトル「今後の農業機械開発の方向性」となっております。以前から分科会に参加いただいている委員の方のイメージとしては、機械の開発といえば緊プロということでイメージされると思いますが、ここでは緊プロにかかわらず、今後の農業機械開発をどう進めていくのかということで、緊プロと、その周辺で、例えば生研センターが運営交付金でやっていたり、大学とか民間とか、あと地方の研究機関でもやってこられたりします。そういったことも含めて、今後の研究開発をどうやって進めていくのかということでご検討いただければと思っております。
資料を1枚めくっていただいて、過去の緊プロ事業の検証ということで資料をつけております。
以前より、過去の緊プロの普及状況、その分析を行って、過去に学ぶべきという指摘を受けております。ご意見を踏まえまして整理をさせていただきました。これまで緊プロを行ってきた、その成果として幾つかのパターンがあるだろうということであります。成果をパターン化すると7つだろうということで整理をさせていただきました。
1つ目は、比較的うまくいったものということになると思いますが、既に生産の体系ができ上がっていて、そこに、その中での一つの構成技術、既にある機械をグレードアップを図る、こういったものについてはうまくいったものではないかということで、例示として5つ挙げております。
それから2つ目でございますけれども、開発途上の栽培様式にはうまく組み込めなかったけれども、その後の機械の改良だとか栽培方法の見直しを行って、産地、流通関係から受け入れられたものということで、加工用・業務用キャベツ収穫機というようなものを挙げています。これは当初、生食用を対象に段ボールでパッケージするということを前提にしていましたけれども、業務用に絞って金属製のコンテナを使うということで、加えて栽培様式も見直していくということでうまくいった事例ということです。
3つ目でございますが、既にある要素技術を発展させて開発を進めたんだけれども、現在の生産システムに組み込むことができなかったものということでございまして、果樹用の農薬飛散制御型防除機ということで、農薬の飛散を防止するために、農薬の散布方向ですとか散布量を制御できるようなスピードスプレーを開発しました。これについては、生産システムを変えることなく、この機械を組み込まずに、例えば使用する農薬を選択するですとか、使用回数、時期を工夫するということで、機械を使わなくても栽培ができるということになっていることが一つの要因ではないかと思います。
それから4つ目ですけれども、開発目標は達成したんだけれども、結果としてユーザーが求める費用対効果を満たしていなかったんじゃないかということで、3つほど例示を挙げてあります。イチゴ収穫ロボット、こちらのほうは、ロボットは目標どおり開発できたんですが、それを使うために栽培用のベッドに移動式のものを導入しなければならないということで、導入費用が高くつくものになってしまったということです。それから、高機動型果樹用高所作業台車ということでございまして、はしごとか脚立を使って果樹の管理をするというものを、台車が前後左右上下、自動に動く。それで安定的に動くもので省力化を図るということでございますが、これは、開発されたときに価格が想定された価格より数十万高いものになってしまって、費用対効果を満たせなかったということです。それから、たまねぎ調製装置ということで、タマネギの根と葉を自動で調製する機械でございますが、こちらのほうは金額も目標は200万から300万ということだったんですが、300万におさまっているんですが、ユーザーから見れば費用対効果を満たしていないということで、こういう導入台数にとどまっているということでございます。
5つ目ですけれども、開発中に目標としている性能ですとか費用対効果を満たせないと判断して断念したものということで2つ、高精度てん菜播種機、玄米乾燥システムということで挙げさせていただいています。
それから、6つ目ですけれども、環境保全ですとか安全とか、そういった施策の必要性から速やかな対応が求められるものということで、こちらのほうは2つ例示しておりますが、こちらについては順次普及が図られているということです。
それから、7つ目ですけれども、こちらのほうは、ニーズはあったんですけれども実用化の可能性とか市場性が低いということ、また、シーズが見つからなかったということで開発課題として選定されなかったものということで、例えば里芋の収穫機、それから里芋の塊を分離する機械、れんこん収穫機、かんきつの運搬車、こういったものが例示として挙げられております。
そういう分析に基づきまして、今後の進め方として、次のページでございますが、産学官の役割分担の考え方ということで整理しています。
1つ目ですけれども、これまでの緊プロ事業の課題選定では、3年間で実用化に持っていくということ、それからメーカーの採算に見合う市場規模、こういったことを重視してきたため、園芸作物、畜産など、そういった技術的なハードルが高いものについては後回しになってきた経緯があります。
2つ目の丸ですけれども、普及台数を目標とする、目先の成果を追求するのではなく、将来の実用機の開発につながる要素技術の開発も一緒にやっていくべきではないかということであります。その際、判断材料として、想定される出荷台数、価格、そういったことを示していくことが適当ではないかということでございます。
3つ目の丸ですけれども、シーズがないということで選定しないということでニーズを埋もれさせるのではなく、シーズが足りないものは、その開発も含めて機械化がおくれている分野、作業の機械開発を加速化する必要があるのではないかということです。
先ほどの分析とあわせて見てみますと、1については民間が中心になっていただくんだろうということです。生産システムが確立されていない分析になった2、3、4というものについては、品目ごとに目指すべき所得とか作型とかを検討して、品種開発や栽培技術の改良も含めて一緒に考えていくべきではないかということです。環境ですとか安全性に関するものは引き続き緊プロという支援が必要ではないか。
4つ目ですけれども、7つ目の分析になったようなものですね。こういったものは地域のニーズ、シーズのマッチングができるような、そういったものについては地域レベルで開発・実用化ができるような仕組みを考えていく必要があるのではないかという方向性を考えております。
進め方について次のページに、整理してあります。緊プロ事業と他の研究との連携ということでございます。
技術会議事務局のほうでは、委託プロジェクト等でさまざまな品種での新たな栽培体系の構築に関する研究開発・実証をやっております。今後の緊プロでは、こういった研究プロジェクトと連携してプロジェクト全体で達成すべき目標を設定して、その上で機械開発も一緒に進めることが適当ではないかということでございます。栽培体系の改良等、全体を最適化するために、機械開発も含めたプロジェクト全体を統括するPD、こういったものを置く必要があるのではないかということでございます。
下の図で若干補足しますが、これまで緊プロの課題選定は、下のほうから課題選定、緑のほうから選定していました。ここの部分は広くシーズを募集することも加えてみたり、新たにシーズがないものについては公募とか、そういった仕組みも取り入れるべきじゃないかということと、上から栽培体系の研究から機械開発に係る課題も出てきます。こういった両方から課題選定を考えていくべきだろうというのが1つ。
もう一つは、栽培体系の研究等と緊プロ、機械の開発を一体的に取り組むということで、PDを置いて、そのもとで途中で評価をするということを取り入れて、途中でやめることも含めて評価をしていく、あるいは見直していく、そういったことが必要なのではないかというふうに考えております。
次のページから、ほかのプロジェクトでどういう例があるかということで整理をしておりますが、委託プロジェクトの中のフィージビリティースタディー、こちらのほうでは水田作の所得向上を図るとか、園芸作物と組み合わせるということで北海道のタマネギ、東海地方でキャベツと、こういった研究が進められております。ここから機械の課題が出てくるのではないかということでございます。
それから、2つ下の事例ですけれども、これは日本ワインの例ですけれども、ワインの振興を図っていこうということで、つくり方や品種を現在検討している。生食で用いるような棚仕立てになっていますけれども、これを垣根仕立てにする。ここに収穫機等が使えれば、さらなる省力が可能になるのではないかということ。
次の5ページですけれども、地域レベルでの取り組みということで整理をしてみました。市場規模が小さいけれども地域の農業の振興にとって重要なもの、こういったものについては、地域が中心になって管内の中小企業の活力を引き出して開発、実用化を推進していく体制がつくることができないかということでございまして、全国レベルの研究機関とか民間企業は技術的なアドバイス・サポートをしていくということでございます。具体的には、右のほうの緑の図がありますけれども、都道府県ですとか県の試験場、普及組織、民間企業が中心になってこういった仕組みがつくれないか、つくっていくことはいかがでしょうかということでございます。
地域の取り組み事例ということで6ページに整理をしております。2つ例を挙げております。
1つは青切り出荷タマネギの調製機ということで、これは香川県の事例でございます。それから、2つ目はネギの平床移植機ということで、これは埼玉県の事例でございます。ポイントとしては、細かく分析をしなければいけないんですが、地域の産地化の取り組みですとか生産振興の取り組みと、それから技術導入、そういったものと連動した機械開発を進めていくということで成功している事例だと思います。こういった取り組みを地方でも進めていくべきではないかということで提案させていただきます。
以上、簡単でございますが説明とさせていただきます。

○芋生分科会長
ありがとうございます。
それでは、今説明をしていただいたんですけれども、特に資料の1ページ目ですかね。過去の緊プロの検証ということで1から7まである。1は結構普及したということで成功事例ということになります。この普及台数というのは非常に重要ではあるんですけれども、余りにこの数値ばかりを追い求めると、地域のニーズが埋もれてしまうことも考えられる。本来の緊プロのご趣旨に外れてしまうということで、今回こういうふうに出していただきました。
それで、今後の考え方ということで、2ページ目になりますけれども、4点挙げていただきました。これについて、具体的にどういう方向性で考えていったらいいかということについて、本日は委員の皆様のご意見をいただきたいと思います。
特に、この地域のニーズを酌み取る、あるいはシーズとのマッチング、これについては昨年度から始められたわけなんですけれども、初年度ということもありまして、なかなかシーズのほうもそんなに集まらなかったというふうに聞いております。あと、3番目の環境性能、安全性というのは、これはもう政策的に引き続き対応していく必要があるということの説明がありましたということなんですけれども、特に地域のニーズの掘り起こし、あるいはニーズとシーズのマッチングですね。ここら辺について、まずは委員の方のご意見をいただきます。いかがでしょうか。

○谷川専門委員
このような国のプロジェクトは、農業に限らずいろいろな分野で行われていますが、プロジェクト終了後のビジネスとして、誰が開発したシステムを販売して、誰が買って利用するという、そのようなビジネスモデルを想定して、現プロジェクトを進めているのだろうかという疑問もあります。システムを開発することはプロジェクトの中で行いますが、国の補助がなくなると、事業化には至りませんでしたというプロジェクトがよく見られると感じています。それは開発する側も技術のみを追求してしまうという立場も悪いのですが、事業化を真剣に考えるのであれば、国の補助がなくなっても持続的に進めていけることを常に考えるということが必要かと思っています。
特に農業の場合は、今まで人での作業を機械に置き換えるわけですから、一番重要なのはシステムを開発するメーカーとそれを購入し利用するユーザーだけじゃなくて、その間に、ユーザー側の農業の作業をよくわかっており、かつ、メーカー側の立ち位置としても技術をよく知っているといった、間に立って、農作業とそれに本当に必要なシステムとはどういったものなのかコーディネーションする人がすごく重要となります。プロジェクトの中にも、そういう人がいないと、なかなかコストまで考慮した実用化に近いシステムを開発することは難しいと思っています。
あと重要なのは、開発した機器のマーケットサイズです。メーカーとしては販売台数をふやさないと開発コストを回収できない。一方で、対象となる農作物を限定してくると、その開発した機器の販売台数が少なくなり、どうしてもマーケットが小さくなる。これを解決するには、大きなマーケットが必要な大手のメーカーは、共通化した機器を開発する、例えばトラクターはどの作業でも共通して利用するので、マーケットサイズは大きい。一方、トラクターの後ろに装着する機器は、農作物や地域によって様々であるから、販売台数は期待できない。よって、その部分は、大手メーカーより、その地域の中小企業がそのメーカーからの標準的なものを受けてカスタマイズすることで地方のニーズをクリアするという体制が必要かと思います。要は、企業のサイズとマーケットのサイズって合わせることが重要で、大手のメーカーはやっぱり小さいマーケットには対応できないと思います。そういう意味では、大手と協力して中小企業のカスタマイズメーカーが地方のニーズを引き出しながらシステムを開発して販売する。そのような中小企業は個人経営でもいいんですけれども、そういった技術のよくわかる方がいて、農家と具体的に機械化が必要な作業を相談しながら進めていくといった、そういうスキームでプロジェクトをまず立ち上げていくというと、より実用化に即した開発機器ができるのではないかと思っています。
あと重要なのは、国の支援が終わった段階で、システムの維持や保守整備は国が出すわけにはいかないので、国の支援として、開発といった初期投資は支援できますが、それが終わっても、持続的に進めていけるか。要は、開発したものを販売し、ビジネスとして維持するためにもコストはかかります。だから、持続的にビジネスとして回して行くにはどうしておくべきかというのを、そのメーカーとユーザーの間に立つコーディネーターの方がわかっている形で現状のプロジェクトを進めていれば、プロジェクト終了後、開発した機器のコストが合わなくて事業化できませんでしたということにはならないのかなと思います。私のプロジェクトを進めていた経験では、大手のメーカーと間に入るコーディネーターみたいな人、それは地域の中小企業でも構いませんし、生産者でも技術のわかる方でもよいですが、そのような人が必要かと思っています。

○芋生分科会長
ありがとうございます。
コーディネーターのお話を出していただいたんですけれども、これ、ちょっと違う話になるんですけれども、大学の研究、これは多分シーズになると思うんですね。現場のニーズというのが、去年の事例を見ていましてもなかなかマッチしないというのが、やっぱり一つはコーディネーターになる人がいないのかなと。なるべき者がいないのかなということで、大学のほうはどうしても論文を書いたりしないといけないので、かなり基礎的な研究になってしまいますし、メーカーのほうは販売しなければならないので、例えば3年後ですとか5年後の研究になってしまうということで、そこら辺がなかなかマッチングしないのかなと。大学におりましても、現場にどういうニーズがあるのかというのがなかなか知らされていないというか、本来は自分の足でそういう方向を探しに行かなければいけないんですけれども、なかなかそれができないということで、その間に入っていただけるコーディネーター的な組織なり、そういう方がいれば、ニーズとシーズのマッチングというのはもっととれるんじゃないかと思います。
ほかにいかがでしょうか。

○川嶋委員
今、コーディネーターという言葉が出てきたんですけれども、それぞれメーカー、中小の地方のメーカーという面と、それから大学のシーズをということがありましたけれども、ちょっと手前みそになって申しわけないんですけれども、この5ページの図の地域の取り組みというところの真ん中のところに県農試とか普及組織ということが書いてございます。県の地方の農業試験場の職員というのは、アカデミックなこともやりますけれども、かなり自分の県の役に立つという観点がすごく大きくありまして、そういう意味では中小のメーカーと同じように、その地域のことを知った研究ができる組織だと思います。
それから、その下の普及組織というのは、これは一般的にいう普及させることが大事だということを言っているわけじゃなくて、各都道府県には協同農業普及事業に基づいた普及指導員という者がおります。その中でも今、革新支援専門員という制度が数年前から国のほうでできまして、試験研究と地域の農家の間をコーディネートする、そのコーディネート機能を持つんだけれども、その人たちは非常に専門的な知識を持ってコーディネートするという職員が必ず県にはいるんですね。なので、ここの人たちが研究の中にも入って、先ほどのお金がなくなる云々ということもありましたけれども、お金が、国の研究費とかメーカーへの開発費というところをどうしても思ってしまうと思うんですけれども、こういうコーディネートをするということに対する費用というのは結構手弁当で頑張ってやっている場合があるんですけれども、そこにもう少し活動費を与えるということも、私は、今のコーディネート機能は非常に大事で、実際には県にはそういうことをやっている人がたくさんいるよということをご紹介するとともに、そういう部分にも何か活動費が必要なんじゃないかということをちょっと申し上げたいと思います。

○芋生分科会長
貴重なご提案ありがとうございます。コーディネートの活動にもぜひ活用しろということで、非常に重要かと思います。

○蒲谷専門委員
この図を見たときに幾つかちょっと違和感があるというのがありまして、私、民間の企業でずっと新規事業とかをやっていた人間なんですけれども、これ、国だからしようがないのかもしれないんですけれども、上からになっているんですね。一番重要なのは、その地域の課題であったりとか農業者の抱えている問題を解決するということだと思うんです。そうすると、ここの図の一番上に来るのは、どちらかというと地域の課題であるとか地域の農業の課題であるとか、そして、あともう一つ足りないのが品目の課題というのがあると思うんですね。それを課題解決するために、一番地域とか品目がわかっている、そういうような技術を持っている、最初のテクノロジーを持っている企業がちゃんとソリューションするために開発をする。そういうことに対して支援するのが公的機関という、そういうような形になるんじゃないのかなというふうに思います。でないと、今の議論の中のニーズとシーズのマッチングというのがいつまでたっても埋まらないんですね。ですから、もう一回この図を逆転させた形で考えてみたときに、どういうような仕組みになっていくのかというのを見ていただければというふうに思いました。
あともう一つは、ここに入れていただきたいのは、地域をまたがった品目という部分で見ていただきたいと思います。今実際、例えば私たちの活動でやっているのは、関東と、例えば関西と四国のイチゴ農家がまたがったことをやっているんですね。あともう一つは、例えば葉物野菜に関しては、やはり例えば中国地方であるとか東北地方、そういうようなところと連携しながらやっている。実は、ある考え方を持っていくと、実は地域というよりは、もっと横断的な部分が出てくるんですね。そういうところを逆にどうやってサポートしていくのかというのもここに入れていただきたいなというふうに、そう思いました。
それとあと、もう一つお願いしたいのは、こうやって箱を書くのは簡単なんですけれども、ここに対してケーパビリティーを定義していただきたいというふうに思います。つまり、一般的に私たちがこういうものを書くときに、じゃ、ここというのは何をするところなんですよ、どういう権限を持つんですよと、そういうようなことをはっきりすることによって、そこの箱で活動する人たちのきちんとした仕事の定義ができるんですね。もしそこの中にそういうような機能の人がいなければ、じゃ、公募をすればいいでしょうし、例えば自治体の中で、無理に箱の中に人を入れるという、それによって結局物事が進まないということがなくなると思うんです。ですから、こういうような箱を書いたときには、どういう役割の人、どういうケーパビリティーのある人が必要なのかというのを考えていただきたいというふうに思いました。
それとあともう一つは、今の議論の中で、大きなメーカーが中小ととかいう部分があると思うんですけれども、そこ、ちょっと思い込みだと思うんですね。イノベーションというのはそういうことでは決して起こらないので、そこのところは逆に、大きなメーカーが何がいいとか、そういうことではなくて、もう少し逆にイノベーションが起こるような仕組みという部分をここの中にビルドインしていただければと、そういうように思いました。
ここの図を見て思ったことは以上です。

○芋生分科会長
ありがとうございます。
1つ思いましたが、コーディネートを誰がするかというのもあるんですけれども、最初の県農試、あるいは地域の農業研究センターの方がそういう役割を担っているというのはよく理解できますが、かなり、ある個別の関係ができてからの話になると思うんですね。例えば我々、大学も県農試の方と個別にお話ししたり地域に行ったりしてかかわりを持つんですけれども、その状況では非常にいいコーディネートをしていただけるんですけれども、もうちょっと広い視野に立ちまして、今、地域を超えた品目での連携とか、そこら辺になりますと、国レベルで地域農試、あるいは企業がコーディネートできるようにということで、もっと広くニーズを公開していただきたいし、シーズをくみ上げていただきたい。そういうコーディネートを地域農試ができる、あるいは企業さんができるような仕組みというのは大事かなというふうに感じております。
ほかにいかがでしょうか。

○青山委員
青山です。資料、ありがとうございます。
過去の検証という私のリクエストだったんですけれども、おつくりいただいてありがとうございました。とてもわかりやすくなりました。説明を聞いたときに感じたのは、概して土地利用型の機械は普及率が高く、逆に野菜とか畜産関連の機械の普及率は低い。そういったことが自分で整理できたことはよかったと思います。
2ページの今後の考え方なんですけれども、民間の力を入れるとか、技術会議との連携とか、複眼的に今後機械を開発されるということはよいことだと私は思います。一方で、先ほどの方もおっしゃったんですけれども、地域レベルの一番下のところなんですけれども、ここは、上の1ページ目の2、3、4、5あたりも多分ここに含まれるのかなというふうに思います。うまく開発が進まなかったとか、生産システムに組み込めなかった背景には、地域的ごとにニーズとかシーズが違っていた部分も影響しているのかなというふうに思いますので、ここは緊プロ検証の7の一部のみならず、2、3、4、5あたりもこの地域のシーズ、この一番下のくくりの中には含まれていくのかなというふうに思います。
ただ、やっぱりこういうご時世ですので、今まで国で一本でやっていたのを地域でそれぞれやってくださいというのは、また非効率になりかねないわけですよね。例えば、ピーマンの産地だったら全国のピーマン産地が一緒になって販売促進をするなど、品目でつなげられる部分は一緒にやっていますので、そういったように、1つ何か開発しようというときに、ほかの産地にも声をかけて、うちの産地はこうやってしているよというようなディスカッションができればなおいいですし、できれば海外の事例なんかも詳しい方に入ってもらうほうがいいと思います。この前、北海道の十勝の農協の人に会ったら、最近、タマネギなど野菜生産に力を入れているとのことです。あれだけ大きい圃場なので府県の技術は適応しにくいとのことで、オランダにタマネギの定植技術を視察に行ったというような話を聞いております。海外からの技術が日本に今度どんどん入ってくるということを考えると、この国内だけの地域が集まっての議論のみならず、海外のやり方なんかも随時入れて課題の解決につながっていけば、国際競争という点でも、あるいは低コストにもつながると思いますので、地域の視点を入れつつもグローバルな視点が入る方向性で進んでいけばいいなというふうに思いました。
以上です。

○芋生分科会長
ありがとうございます。海外の技術ですとかシーズも積極的に導入するような仕組みということのご提案ですが、ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。

○高橋(寛)専門委員
イオンアグリ創造の高橋です。本日もありがとうございます。
今回の議論をお伺いして先日起きたことを思い出しました。それは埼玉県における取組なのですが、埼玉地域で農業機械がどうあるべきかを情報交換する場があるので、ぜひイオンアグリにも参加してほしい、という依頼がこちらの農業機械分科会に参加させていただいた後に連絡がありました。「どこかのタイミングでこの分科会の情報が先方と共有されから、地域の中で農業機械を論じる場にお声掛けいただいたのかな。」と思って話を進めていくと、事実は全く違いました。「イオンアグリ創造の農場が埼玉県内にあることを知り、企業参入した農業法人として情報交換をしたくて電話をした。」ということでした。この出来事からも、農業機械開発のあるべき姿を国として議論しているという事実や内容を、各都道府県が十分に情報取得でき、地域ごとの議論にリンクできるように工夫していくことが必要と考えます。
さらに、各都道府県が情報取得する内容に、今回取りまとめていただいた過去の緊プロ事業の検証結果も含まれるべきだと考えます。緊プロ事業の成功および失敗が共有されるべきです。農業機械の開発を各地域で進めていくことを踏まえれば、おのずと各地で独自性が求められます。その際に開発ノウハウが乏しく、結局頓挫してしまうようなことが、起きてしまったら大変不幸なことだと思いますので、過去の事実、分科会での「今」の議論、それらを通じて得た知見というものが各地の取り組みに落とし込まれるように、意図的に進めていただきたいと考えました。
そして最後に、今後地域で開発を進めるにあたっては、シーズとニーズのデータベース管理と、データベースへのアクセスのしやすさが重要と考えます。都道府県に独自性を持たせながらあるべき農業機械開発を進めるためには、自らのシーズ・ニーズを体系的に管理でき、全国のシーズ・ニーズにアクセスできることが求められます。そもそも緊プロ事業の中で培われたシーズやニーズをどのように管理されているのでしょうか。また、新開発する機械の想定ユーザーまで管理されているのでしょうか。ユーザーについては、農業生産法人がいいのか、農業法人がいいのか、農事組合法人がいいのか、生産・面積規模はどの程度がいいのか、そういった点も事前にある程度データベースとして整理がされておくと、今後、国が、地域が農業機械のあり方を考えていくときに大変有用なデータベースになっていくだろうと考えました。
私からは以上です。

○芋生分科会長
ありがとうございます。
昨年試行的に緊プロについてのニーズ、シーズのマッチングがなされたわけなんですけれども、今ご提案のありましたように、もうちょっと大きな、例えばデータベースをつくるとか、1つのプロジェクト内の規模でやっていただけると、非常にまた成果が出てくるんじゃないかと思いますので、そこら辺もご検討いただきたいと思います。
原委員、さっき……。

○原委員
今のご意見に関連しているかと思うんですが、私も、先ほどからお話を伺っておりまして、やはり例えば県の試験研究機関の方がコーディネートの役割を果たすというのはかなり現実的であるかなというふうに思うんですが、そのためにも、そのサポートになるような部分のデータベースというのがかなり重要なのではないかなというふうに伺って思っておりました。特に過去の検証をしていただいたものを拝見しましても、その例えば品目であるとか、その地域であるとかに関しては余りうまくいかなかったような技術であっても、もしかするとほかのものに対しては大きなヒントになるようなものがあるのではないのかなというふうに感じるところもございますし、あるいは、そういうオープンなマインドでデータベースをごらんになる人によっては、何らかの意味があるというようなケースも考えられるのではないかというふうに思います。
いろいろ知的な所有権の問題等もあるとは思いますけれども、かなり簡単なものでも、余りデータベースありきで、そこにかえって労力が使われ過ぎるという問題もあるかとは思いますが、何らかのそういうものがあれば、県の担当者、あるいはそういういろいろな企業の方に対してもオープンなものがあれば、かなり有用な役割を果たし得るのではないかというふうに思いました。
以上でございます。

○芋生分科会長
ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。

○高橋(良)委員
福島の高橋です。ご苦労さまです。
現場の我々農民とすると、まさに研究段階のいろいろな仕組み等々も大切なんでしょうけれども、この4ページ以降かな、こういう事例の、先ほどデータベースの話も出ましたけれども、取り組み事例で成功、失敗、いろいろあるでしょうけれども、そういう方がなかなか我々現場では情報をとりづらいし、今のこのメニューを含めて、あとは有機栽培における除草の機械だったり、各地いろいろ皆さん工夫してやっています。あの中では我がのが一番いいという自慢をする農家も多いですし、ただ、やっぱりほかのものとの比較なり、先ほど申し上げたように改良、あるいは自分にマッチするように応用をしていくためにも、こういう事例を我々現場が欲しいなという感じがします。研究段階、先ほどのオープンできる、できないという問題もあるでしょうけれども、そういった地域のものの事例というのも我々にとっては大変参考になるかなというふうに思います。

○芋生分科会長
ありがとうございます。
いろいろ伺っていますと、ニーズ、シーズ、あるいは地域の、今、高橋委員が言われたような事例の情報とか、あるいは最初の成功事例、失敗事例も含めまして、情報が共有されていそうで意外と共有されていないというようなこともあるのかなという感じですかね。だからこそコーディネーター的な組織、あるいはプロジェクトが必要じゃないかというような感じがします。
地域を超えて、あるいはグローバルな視点でというのもあるんですけれども、一方で、異分野からのシーズを取り込むというのも、この委員会で積極的に検討しているところであります。そこら辺で野田委員、何かご提案がありましたら。

○野田専門委員
もう皆さんのお話で結論が出ているという話を申し上げてしまうのでございますが、コーディネーターが必要であるというところで、例えばデータベースのお話が出ていましたけれども、そういうものを知り尽くしているからこそ、この地域の作物にはこの方法だというのを引き出しをたくさん持っているコーディネーターというものの事業が創生する兆しが見えているのではないかというふうに思いました。
それから、成功例、失敗例の事例を教えていただいたわけですけれども、例えば農家がこれを云々できるのかどうかという視点で、適用が困難であるというふうな判断をされていたかと思うのですが、今後時代が進んでくると、担い手というものが、先ほどから話題に出ているコーディネーターであるとか農業法人であるとか、さまざまなプレーヤーがふえてまいると考えておりまして、そうなってくると、また判断基準というものが変わってくるのではないかなと思うわけでございます。投資してリターンするという投資の額というものが、例えば農家の方と、農業法人であるならばオペレーションしている年限の長さというのがおのずから変わってくるはずですので、多分金額レートも変わってくるはずであるというふうに考えますので、その観点でもう一度見直すと、ひょっとすると違った結論が出てくるのではないかというふうに思った次第でございます。
以上です。

○芋生分科会長
ありがとうございます。
今の検討ですね。今後の方向性を示すということで、何となく方向性が見えてきたような気もするわけなんですけれども、メーカーのサイドからということで、大久保委員、もし何かご提案、コメントがありましたらお願いします。

○大久保委員
逆に私、この後いろいろ話をさせていただきますので、そんな中でも、こういうことも一緒にやっていきたいということも、単に今までやってきておることだけじゃなくて、やはりこれからコスト─これは機械のコストというよりも、やはり農業の全体のコストをどう下げていくかという中で、やはりメーカーだけではもう我々も限界だと感じていますし、前回もお話しさせていただいたように、生産者の方が流通の方と一緒に考えていかないと、それに合った機械というのもやはり変わってくると思いますので、先ほどコーディネートと言われましたけれども、そういうことをぜひ議論させていただけたらなというふうには考えておりました。

○芋生分科会長
それでは、加工・流通の立場からということで、有井委員、もしご提案がありましたらお願いします。

○有井専門委員
私どもは園芸作物というか八百屋なので、野菜の観点から少し概論になりますけれどもお話をさせていただくと、TPPを前提にしても、野菜は今、平均関税率も3%ぐらいなので、海外からの野菜も輸入されています。しかしながら、主にはやっぱり日持ちがしやすい根菜類が中心で、果菜になるとやっぱり日本人の嗜好性があって、すぐさま輸入野菜に置きかわらない。それから、特に葉物に至っては、やはり鮮度が重要なので、なかなか海外から鮮度高く導入するというのはちょっと難しいかなと。
そういうマーケットの中で、これまでも発言させていただいたように、グローバルな視点から見ると、やはり大規模につくってコスト削減というのは、なかなか日本の国土を利用した農業は余り適していなくて、野菜の場合は特にやはり高品質で多収穫を目指していくというのが、やはり日本の野菜の今後の大きな流れかなと。アメリカとかオーストラリアだとか中国と同じような農業はやっぱりできないので、ただ一方、食というのは非常にドメスティックでありまして、ようやく和食というのが世界に広がっていく中で、日本産の農作物もどんどんと高品質化していけば、大きく輸出の食材、素材にもなっていくということですから、農業機械一つとっても、やはりもう少しグローバルな視点から、大きな会社さんはもう既に海外の畑作を、いろいろな農業を視野に入れた農業機械を開発して海外に機械を展開されていますけれども、日本の中山間地向けの機械も、例えばASEANだとか、割と日本と同じような環境の農業をやられている国もあるので、そういったマーケットを指向しながら、日本だけに売るんじゃなくて、そういう同じような農業をやられているようなほかのアジアの国なんかにも少しマーケットを展開して、もう少し視野を広くして開発していけば、その辺のコストも吸収できるのではないかなと。経済産業省さんもおられるので、小さな機械メーカーさんが海外にそういう機械を輸出するというのも重要な観点かなというふうに思いました。

○芋生分科会長
ありがとうございます。
当分科会は農業機械の分科会なわけなんですけれども、その農業機械の開発の方向性を検討するには、これからTPPのこともありますし、どういう農業、あるいは農業生産を目指すのかというのは当然考えに入れていかなければいけないと思います。どうもありがとうございます。
各委員から意見を出していただいたんですけれども、まだこれだけはどうしてもというのがありますか。よろしいですか。
それでは、幾つかご意見いただきました中で、1つ重要なことは、情報の開示、あるいは共有、あるいはコーディネーターの存在というようなものが挙がってきたと思います。本日いただきましたご意見も踏まえまして、次回以降の分科会で中間論点の整理を行いたいと考えております。
ただいまのコメントについては、もし事務局のほうで何かコメントがございましたらお願いいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○中谷研究統括官
農林水産技術会議事務局で研究統括官をしております中谷と申します。
どうも、いろいろご意見をいただきましてありがとうございました。1つだけご紹介をしておきたいと思いますが、今、ちょうど私どもが所管しております農業関係の国立研究開発法人の統合という作業を進めておりまして、その中で1つ大きく打ち出しておりますのは、地域にあります農業試験場というか、センターにただいまたくさんご指摘いただきましたコーディネーションの機能を非常に強くしていこうという方向で検討を進めておるところでございます。ですので、従来、どちらかというと、例えば果樹研究所でありますとか畜産草地研究所でありますとかという専門的な研究機関が国立研究開発法人の顔みたいな形だったんですけれども、今後は地域の農業研究センターを私どものフロントラインというふうに位置づけて、そこにいろいろなところとつないでいくハブ機能を持たせようというふうな形で検討を進めておりますので、いろいろご意見をいただいて、さらに皆さんのご要望に応えられるような形にしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○芋生分科会長
どうもありがとうございます。
それでは、1番目の議題はよろしいでしょうか。
それでは、次はコスト低減に向けた農業機械メーカーの取り組みについて、資料2に基づきまして大久保委員より説明をいただきます。その後、農業機械の製造・利用等に係る今後の見通しということで、資料3に基づきまして事務局より説明をいただきます。
それでは、大久保委員、よろしくお願いいたします。

○大久保委員
改めましておはようございます。大久保です。
今まで日農工としてどういうことを取り組んできたのか、また今後どういうことをやっていきたいのかということを説明させていただきたいというふうに思っております。(スクリーン)
これは前回、農林水産省のほうでまとめていただいた資料を抜粋させていただいたものです。それぞれちょっと出典を書かせていただいておりますけれども、ちょっと申しわけないです。資料、年代がちょっとばらばらになっておりますけれども、これは水稲作ですね。10アール当たりの直接労働時間の推移ということで、昭和45年からどういうふうに変わってきたのかということで、機械化の進展とともにどんどん水稲においては労働量が減ってきたということが示されております。
一方、これも農林業センサスから持ってきましたけれども、出荷台数、これは農家の戸数の減少とも相まって、この当時には、昭和50年でこのぐらいあったものが、もう今では3分の1、4分の1というような出荷台数になってきております。これはそれぞれトラクター、耕運機、コンバインというものですけれども、1つは、これも農業従事者が減ってきているという中と、もう一つは、小さい小規模でやっていられたのから大型化していっているということもあると思います。
これが平成16年からの、この近々になりますけれども、農業物価統計から持ってこさせていただきましたが、それぞれ指数は平成22年を100と置きましたときにどういうふうに推移してきたかということで、例えばこの白の三角が書いているんですが、肥料の高騰であったりとか、あとピークを持ったものもありますけれども、農業機械におきましても緩やかに価格は上昇しているという状況になっております。ただ、この台数の低減と、確かに価格というもの、この辺を努力はしながらも、これを上回る部分もあるということになってきました。
じゃ、一口に農業機械、価格、コストといっても、どうなっているのかということを一度ご説明したいと思います。
まず1番、機械のコストを決めてくるのに前提条件というものがあります。これは作物の特性であったり、栽培様式であったり、先ほど有井委員のほうからも話がありましたけれども、例えばもう加工用で効率だけを求めると、多少の形のふぞろいはいいよというものと、いや、これはもう一個一個の形をそろえて非常に見た目もいい野菜をつくりたいよというようなところで、やっぱり変わってまいります。
それから開発段階、これも求められる性能であったり耐久性であったり、操作性であったり、そういうものでコストがばらつく。要は高いものから低いものまでできてしまいます。
それから製造段階、これもいかにうまくつくるか、安くつくるか、それが大事になってきます。それで、部品を共用化していくか。この共用化というのは非常に大事で、例えば年間10個のものをつくるのと年間1万個のものをつくるのであれば、もうつくり方が全く変わります。手で削ってつくるものと、型を投資して一気にプレスでつくるものということで、この辺のコストが大きく変わります。
それから、忘れてはいけないのは、この開発段階でかかる開発費というものになってきます。例えば1つの農業機械をつくるのに仮に1億円かかったとしますと、年間仮に2,000台、5年償却、1万台としますと、1台当たり換算しますと1万円の開発投資ということになりますけれども、これが、じゃ、仮に年間20台で、しかもそれが5年間で100台となりますと、これは1台当たり100万円の開発投資というふうになってしまいます。先ほど開発投資が莫大過ぎてうまくいかなかったものというのも出ていましたけれども、やっぱりそういうことが非常に大事になります。ですので、ここはそういう開発投資も含めていかに下げていくかということが重要になります。
あとは流通、利用という段階。こういうのをやっていく中で新技術の導入というのもやってきています。
これ、順番に開発、製造、流通と書いていますけれども、実際メーカーがやるときには、これらの部門が全て一体となってコンカレントに商品化というのを進めてまいります。前回、谷川委員のほうからVプロセスというのが説明されましたけれども、まさしくそういう形で開発を行っていっております。
コスト低減というお題目をいただいて説明していくつもりなんですが、その前に、今後非常にコストを急激に押し上げるようなことが起こります。その辺についてまずご説明します。
先ほど、前提条件に環境というのを言わせていただきましたけれども、排気ガス規制というのが年々追って規制が厳しくなっていっております。これは米国、欧州、日本ということで、主要先進国では足並みをそろえて規制を強化していっております。
じゃ、日本だけを見ていきますと、これは4次とか3次とか、ちょっとわかりにくいとは思いますけれども、これが何を示しているかというと、この3次という規制におきましては、それぞれの馬力ゾーンにおきまして縦軸の青い線が、これはNOx、窒素酸化物、それの量を減らしていきましょうということ。それから、右に書いていますのがPMと言われまして、これはすすと言われるものと未燃の化学物質みたいなものですね。こういうものが結合したもの。これはやっぱり人体に有害だということで、これを減らしていきましょうということになっています。この2014年の3次、これは特に26馬力以上なんですけれども、ここでは非常にすすとPMというものの低減をやりまして、これに各社、DPFとかそういうものの開発というのを行ってきております。
これは実際、PMを抑えるための一例ですけれども、従来と違いましてコモンレール型の燃料噴射装置といいまして、これはフル電子制御の燃料噴射装置になっております。エンジンが1回転する間に1つの気筒に5回燃料を小分けにして吹くようなことができる技術です。そういうもので燃焼を制御しながら、できるだけすすの排出量、NOxの排出量、窒素酸化物の排出量を減らして、出たものはここのスートフィルターというやつで取るというようなものになっています。ただ、このスートフィルターというのも、ためていくだけですと詰まってしまいますので、このたまったすすを焼き切る必要があります。そういう特殊な運転モードを持って、そのときにはここに酸化触媒というものがあるんですけれども、これ、実はここに工業白金が使われています。非常に高価なものなんですけれども、そういうもので焼き切るということで、非常にクリーンで、かつ作業性が、燃費も落とさないというようなことが進んできております。
一方、これが今度2017年、継続生産車猶予というのがありますので17年10月になりますけれども、このときには、今度は76馬力以上の機械におきまして4次規制というものが始まります。このときには、先ほどはPMだけだったんですけれども、NOxと言われるものを10分の1以下にしなさいという形になります。
これはすみません。非常に技術的な話なのでちょっとおつけしていないんですけれども、今までこういう普通のエンジンに、今言いました3次規制というもので電子制御の噴射系であったりとか、DPFと言われるすすをトラップするものであったりとかがつきますけれども、今度はNOxを下げるという中では、今度SCRと言われます選択還元触媒システムというものが使われまして、尿素を排気ガス中に吹くことでNOxを選択的に還元して消していくという技術が農業機械でも要求されてきました。こういうものを当然農機メーカーだけでやっていても、非常に台数も少ない中、成り立っていきませんので、この辺はもう全て、トラック業界であったり自動車業界でつくられました技術をいかに農業機械に転用するかということで開発を進めております。実際、先ほど普通のエンジンにこういうDPFがつきますよと言いましたけれども、それにまたSCRがついて尿素を吹くようなものがつきますよという、こんなふうなものになってまいります。
実際、今の白金が入っているということで、3次規制で大体、ざくっとですけれども、エンジンで見ますと大体1.5倍から2倍価格が上がります。さらにSCRというのをつけていきますと1.8から2.2倍という、これも本当に、まだどこも発売していませんのでざくっとした言い方になりますけれども、これぐらい値段が上がってしまうだろうというふうに考えています。
それから、ここから先におきましては─これ、グラフが出ていない。大変失礼しまし。これは今までは直線なんですけれども、ここから先は、今までの軽油だけじゃなくて、ランニングコストとして尿素というもの、これも負担いただくことになりますので、ちょっとこれは見えていないんですが、実は右肩上がりになるようなグラフになってしまいます。
それから一方、安全性ですね。こういう安全性を担保していこうと思いますと、やはり新たな機能の追加ということで、何らかの形のコストアップにはなるということで、ランプがついたり連結防止装置がついたりということで、ただ、これは各メーカー、それから機種共通化ということで、できるだけ価格を抑えようということで進めております。
同じくコンバインにおきましても手こぎの事故が多いということで、さきの片ブレーキ防止装置と同じく、これも緊プロの安全性向上という中でやってきましたけれども、各社、緊急停止ボタンを押すことでエンジンが停止し、自動的にここの手こぎ部分が開放されるというような機能を追加することで安全性も高めていこうとしております。
次に開発段階になります。これは前回の谷川委員の説明をちょっと思い起こしていただきたいんですけれども、ちょっとお借りして申しわけないんですが、Vプロセス、こういう絵を描かれておりました。この左側というのは、もともとの前提条件からどんなシステムにしよう、どんな機械にしようというのを考えて具体的に設計していく段階になります。Vの一番底が、実際の試作機をお金をかけてつくって、右側のところは順番にテストしていきましょうという形になります。今まで我々も、過去は実際そうして試作機をつくって、そして壊したり、要求に合っていないなということで手戻りをして、この部分が非常にやっぱり開発費を押し上げていたということがありました。それに対して各社、こういう3D-CADと言われるものなんですけれども、新しい、これも自動車業界から生まれた技術ですけれども、そういうものを取り込んで、もう物をつくる前に、どこにどういうふうな力がかかって壊れるんだとか、こういうところはもう少し軽量化しても問題ないから、それで軽量化とコスト低減をやっていこうということをやっていっております。
実際、これは材質とか形状を変えた例ですけれども、形状と材質を変えることで強度を1.4倍にしながら、実際コストは5%下げたよとか、こういうのは枚挙するとすごい量になりますので、ちょっとこれぐらいにさせていただきます。
あと大事なのは、やはり標準化。これも一度言わせていただきましたけれども標準化だと思います。もう別に日本のメーカー、海外のメーカーも含めて、競争する必要のないところは同じ標準の規格を使って同じものを使えばいいということで、日農工を中心にそれをJIS化するということで、種々標準化をして、コスト低減、それから品質向上ということをやってきております。
これは実際外部電源の取り出しということで、今のトラクターというものは12ボルト、20ワットの外部電源、これはもうほんとどの機種がそうなっております。これが実は日農工規格ということで規格を制定しまして、各社、どこの作業機を持ってきていただいても各社のトラクターにつながるというふうにしております。ただ、昨今、非常に作業機が大型化してきまして、20アンペアというような電流じゃもう足りないということで、今は50ボルトぐらいまでの外部電源というものを考えていっております。こういうものなんですけれどもね。こういうものを実はISOとかで言っていきますと、非常に大きいISOカプラーというのがあります。これは特に欧米の大型農機向けにつくられた規格ですので、コネクター1個が非常に高いということで、これにつきましては小型用ということで、イタリアの農機メーカー等も賛同を得て、同じくISOに大型と小型ということで規格にもしていただいております。
あと、部品の共用化ということで、これは先ほど有井委員からもご指摘いただきましたけれども、海外と国内の販売しているモデルで共通化できるものは共通化し、海外の安いところで調達できるものは調達していくということで、もちろんコスト低減を図ろうとしておりますし、また、機種をまたいで、例えばこういうフロントアクセスのところを共用化する、部品の共通化をするということで、個数をふやして値段を下げるということも展開しております。
部品の共通化ということで、実際、先ほど、これも谷川委員のほうから、作業機はいろいろなものがついたらいいんじゃないかというお話をいただきましたけれども、実際、作業機装着用のこういうヒッチというものは、ある程度もう規格がされておりまして、3P、こういうものももう標準部品でやろうということにしております。
それからあと、先ほど、いかに今度は製造段階で下げるか。これは部品だけじゃなくて、例えば同じ組みつけるのでも、10分で組み立てるのと20分で組み立てるのではコストが変わります。先ほど、これもVプロセスの話をさせていただきましたけれども、実際今、この左の設計しているという段階では、開発だけじゃなくて資材であったり調達部隊、それからこういう工場部隊も一緒になって、この3Dのモデルを実際にコンピューター上で組みながら、こう組むほうが安いねとか、こことこことここのボルトは、もう一緒の長さでできるねとかいうことで、こういうものを積み重ねてコスト低減を図っていっております。
あと、今はメーカーの中で独自にやっている話ですけれども、今度はメーカーを超えてということでもやっていっております。これは緊プロがもともと音頭を取っていただいたんですけれども、各社が開発し、各社が販売としていったものを1社が開発・製造して他社にOEMしていくということで、この普通型の汎用コンバインなんですけれども、平成24年から1社が製造して、複数社が自社のカラーリングをして販売するということで、台数をふやしてコストの低減というものを図っていっております。
それからまた、流通段階。これも当然今、物流費がどんどん上がっていっていますので、どうやって下げるかということで、これは管理費の例なんですけれども、こういうコンテナに何個積めるかということ。これが要は1コンテナのかかる物流費は一緒ですので、そこに例えば10台だけ乗せた場合と50台乗せた場合では、当然価格が変わってまいりますので、そういうこともやっていっております。それから、パーツカタログの3D化による誤発注の防止、それから取り扱い説明書、分解整備書なども同じく、先ほどのこういう3Dを使って、お客様に見ていただいても間違わないで、誤発注したり誤組をしたりしないようなものというのも取り組んでいっております。これによってメンテナンスコストの低減につなげていきたいと考えております。
あと、これ、前回電子制御ということで精度の向上というのを説明させていただきました。これも一例なんですが、こういう勾配のあるようなところを実際水平制御することで、常に刈り高さを一定にする。左右でも上下方向でもそうなんですけれども、やるというようなこともやっています。これは一部のプロ農家、大手の担い手さんには高速化と高精度化による時間短縮、収量増ということで気に入っていただいていますし、逆に非熟練者の方、新規の方には、そういう方でもちょっとスピードを落とせばほぼほぼ熟練者並みの作業ができるということで、両様の方に使っていただいております。
ところが、今のちょっと間の方、そんなに高収量・高効率は求めないし、自分は非常に運転がうまいので、そんなもの要らんという人も当然いておられます。そういう方向けには、そういう機能を外して何とか低価格モデルということで、今各社、各シリーズとも発売するということで対応させていただいております。
あと、これは現在取り組んでいる内容なんですけれども、油脂の標準化ということを、今メーカー間を超えてやっていっております。今まではA社、B社、C社、それぞれ純正オイルということでやらせていただいていたんですけれども、それはお客様、特に最近、いろいろなメーカーの作業機とかも持っていただいておりますので、何とかこういうものを共通にできないかということで、今、日農工が主導して、こういう油脂の共用化、標準化というのをやっております。これによって油脂メーカーと交渉することで、コスト低減であったりとか、また、同じ油脂がどれにでも使えますので、お客様の利便性の向上になるんじゃないかなということでやっていっております。
あと、これはITの利用ということで、これ、すみません。ちょっとイメージで書いて申しわけないんですけれども、横軸、馬力が上がりますと、先ほど言いました25馬力で1つ、ぽんとエンジンの価格が上がるところが出てきます。次に、75馬力で2017年度以降FCRというのが入りますので、ぽんと上がります。それから、ずっと今度馬力が上がっていきますと、なかなか生産台数が今度は減っていきますので、どうしても馬力単価というものが上がってきます。例えば馬力8万、10万だったものが12万とかいうことになっていきます。こういうものを大馬力で1台、オペレーター1人でやっていくという大型化の農業のやり方だけで本当にいいのかなということで、今、こういう10馬力のものを2台でオペレーター1台、1人の人間がきちんと圃場とか安全性を確認しながら、もう一個のロボットトラクターを動かすということをできないかなという開発を今進めていっております。
また、これですと、水田では例えばロータリーと播種と一緒にやるとか考えていますが、今ある機械に新規に同じクラスのそういうロボット型のトラクターを購入いただくことで、新たに1台、2台別のものを買うんじゃなくて、そういうITを活用した農業ができないかなということを考えております。将来的には1人で何台も並べてできればいいなというふうには思っています。
あと、利用促進ということで、実際緊プロでやったもの、メーカーでやったものにつきまして、例えばこれでしたら野菜の全自動移植機、こういうふうに使ってください、こういうふうな作物のときにはこうやってくださいというようなものを発行して導入の促進というのもやらせていただいております。
あと、CO2の削減による営農手法ということで、農業機械の省エネ利用マニュアルというものも出させていただきました。
あと、今後ですね。皆様とぜひ一緒にやっていきたいなという中で、今、ちょっと時間を割いて排気ガス規制を説明させていただきましたけれども、尿素ステーションというもの、これはぜひ官庁の方にもお願いしたいんですが、今、トラックで使われていますので、高速道路網沿いにはそういう尿素を気軽に買えるところがあるんですけれども、本当に圃場の近くにそういう尿素が買えるところがあるのかということ。
それから、尿素の取り扱いですね。これは、尿素というのはマイナス11度以下で結晶化しますので、ある程度保管に温度が大事になります。また、160度以上で、劇物にも指定されていますアンモニアガスが出ますので、消防法上で軽油とかガソリンと一緒に置かないようにということもされています。こういうことをやっぱり徹底していかないと非常に危険なことになります。普通に使えば安全なものですけれども、それと粗悪品の利用とかをぜひやめていただきたい。こういうことをお願いしたい。
あと、さっきの標準づくりですけれども、我々、何とかISO規格、世界規格に持っていこうとしているんですが、なかなかメーカーだけの努力では限界があるので、公的な機関、国を代表しての規格づくりの場に参加できる環境をお願いしたいなと考えております。
あと、前回、これはキャベツの成功した例ということで、生産方式を1植え2条から1植え1条、60センチ幅にしていただくことで、機械化が成功して農業労力も減りましたというご説明をさせていただきましたけれども、野菜に関しては非常にこういうものがあります。当然地域、地域で高品質を目指してつくられていますので、それは仕方ないと思いますけれども、例えばレタスでも、こういう1条植えのところから2条、それから千鳥にして4条とか、いろいろな作物の植え方をされていますので、これを統一していくのがいいのか、それとも何か機械が走るところだけ共有化して、あとの刈り取るところは先ほど言われたように地域地域でつくっていくのがいいのかとか、そういうことをぜひ生産者の皆様方とも一緒に考えていきたいなと思っています。
あと、ニンジンの茎の残りもゼロミリにしてくれという地域もあれば、5ミリにしておいてくれという地域もありますし、この辺も本当は統一できるとありがたいなというふうに思っています。
あと、箱どり、袋どり、コンテナどりとか、これもいろいろありますので、正直、先ほどどなたかの委員から言っていただきましたけれども、全てを本当に網羅してそういう機械をつくるのがいいのか、ある程度共有化して、あとのところは地域独特に任すほうがいいのかとか、その辺も一緒に考えさせていただけたらなというふうに考えております。
これはさっきの栽培様式の統一であったり、収穫姿の統一であったり、この辺は本当に流通の方とお話しせなあかんと思いますけれども、あと収納方式であったりとか、こういうことをすることで同じ機械の適用範囲が広がって、それによってコストダウンということもまた図れるんじゃないかなということで、我々も期待していっております。
以上です。どうもご清聴ありがとうございました。

○芋生分科会長
どうもありがとうございました。
それでは、続きまして事務局より資料3の説明をお願いいたします。

○松岡生産対策室長
それでは、資料3の説明をさせていただきます。
5月の分科会でご紹介させていただいた内容ですけれども、国内の農業機械の出荷台数は減って、各メーカー海外展開が進んでいるという話を紹介させていただきました。それについて、新しい食料・農業・農村基本計画でもその傾向は強くなっているということを改めて紹介させていただきます。
1ページですけれども、労働力の点ですけれども、現在、平成22年、219万人おられます。それが基本計画で描いている姿が実現されれば90万人で足りるという試算が出ているということでございます。
2枚目の資料ですが、こちらは、経営体に土地の利用が集積されると農業機械はどうなるのかというと、規模が大きくなっても所有する機械はふえませんということ。例えばこの図ですと、農地面積が5倍になっても、農業機械が必要な農業は5倍になるんじゃなくて2倍とか、余り台数が変わらないという状況でございます。ということで、第1回目に紹介させていただいた国内の市場というのは今後大きくなっていくことはないということで、海外も含めて市場を考えなければ、農業機械のコストが下がらないのではないかということでございます。
3ページ、先走って説明させていただきましたけれども、日本の機械の海外での市場の位置づけですけれども、中国とかインド、米国に比べると非常に小さいということでございますが、我が国の機械は輸出も進んできて、今後はアジア、アフリカ、こういったところの市場の拡大が見込まれているということでございます。
4ページですけれども、そういったことも踏まえて今後の農業機械の展開方向ということでございますが、国内市場は担い手が中心になってくるということで、引き続き担い手が求める機械を供給していくということと、もう一つは、女性や若者が農業に入ってくる、加工用需要がふえてくる、科学技術が進展していくということで、こちらのほうで機械化・自動化を進めていくということが、2つの方向があると思います。2つの方向を考えるときも、いずれにしても、安全・環境に関する規格ですとか、通信だとか、そういった規格について国際的な調和を考えて、国際市場も含めた機械の展開を考えなければいけないということで、ここに国も積極的に関与する必要があり、かつそういった視点で研究開発も進めるべきではないかという展開方向があります。
もう一つの展開方向、5ページですけれども、海外だけ見ていても解決できない部分もあるだろうということで、例えば地域で重要な地位を占める作物ですとか園芸とかの一部については海外展開だけでは解決できないものもあるだろう。そういったものについては、地域にすぐれた技術を有する中小メーカー、農業分野におけるニーズをそういった人たちは把握できていない部分もあったり、把握できたとしても資金の面、そういったものがありまして参入に躊躇があるということでございます。そういった課題を解決するために、度道府県ですとか地方自治体が中心となってニーズを把握して、産業界、大学、行政、独法、それと金融、こういったものが連携して、連携を図って開発を進めていくようなプラットフォームをつくっていくべきではないかと考えております。
施行事例を紹介させていただいていますけれども、こういった国際的な展開、もう一つは地域で課題を解決する、2つの方向があるのではないかということで提案させていただいて、ご検討いただければと思います。
以上でございます。

○芋生分科会長
ありがとうございました。
ただいま大久保委員のほうからは、メーカーにおける農業機械、特にトラクターの事例ですけれども、開発・製造・利用の現状、その中のコストダウンの現状、それから事務局のほうから、規模拡大、あるいは海外展開、あるいは地域での成功事例について紹介がありました。
それでは、ただいまから農業機械のコスト低減に向けた方向性ということでご意見をいただきたいと思いますが、まずちょっと私のほうから質問があるんですけれども、大久保委員のほうに先ほど紹介していただいて、特に開発段階、製造段階、流通段階、利用の段階で、CADによるシミュレーションの導入ですとか部品の共通化、あるいはオイルの標準化、共通化ということで、非常にご苦労をいただいてコスト低減を図られていらっしゃるんですけれども、前提条件の環境安全対応、特に環境対応の排ガス規制のコストアップが非常に大きくて、その後の段階のコストダウンを大きく上回ってしまうんじゃないかという、そういう心配があるんですけれども、それについてちょっと紹介いただけますか。

○大久保委員
正直、上がりませんというか、非常にコスト的なインパクトは大きいと思っています。各社、それをどれだけ抑えるかということでやってきていますけれども、実際、今回3次規制になって、やっぱり各社とも、馬力によりますけれども、やっぱり20万から50万とかいうような価格で変わってきてはおります。ただ、これもやはり、逆に言いますと自動車で使っているものを持ってきていますので、これぐらいのアップにはなっておりますけれども、やはりこれをどう下げていくのかということは継続してやっていくべきかというふうには思っております。
ですので、先ほど、例えば75馬力が今度4次規制と言いましたけれども、今、80馬力でやっている仕事を何とか70馬力でできるようにできないのかとか、やっぱりそういうことも考えていかないと、それだけを見て下げるというのは非常に難しいんじゃないかなというふうに考えております。

○芋生分科会長
ありがとうございます。機械の単体を見るだけではなくて、その運用方法等についても検討していかなければいけないということで、そこら辺は事務局からの提案と合致する部分があるかと思います。
それでは、ただいまからご意見をいただくわけですが、まず日本農業法人協会の意向によりまして、高橋良行委員から、6月17日に同協会が取りまとめました提言を紹介いただきます。

○高橋(良)委員
すみません。貴重な時間をいただきまして、6月17日に我々協会の総会がございまして、そこの政策提言ということをまとめた、皆さんに一部参考としてお配りしましたので、若干お願い方説明したいと思います。
A4の1枚ペラで「農業の成長産業化に向けたプロ農業経営者からの提言」とございます。我々を取り巻く環境、大変厳しいですし、担い手として国含めて法人化を進めて、何とかこの成長産業化にしなさいと、農業はすばらしい事業だということに頑張っていきましょうということで、我々農業法人協会としても、それに向けてどういったことを現場としてやらなくちゃいけないということをまとめた一つの資料です。
やっぱり担い手といいましょうか、我々の世代等を含めると、やはり今までの汚い、くさい、大変だという仕事から、やっぱりここで議論している機械化、省力化というのは避けて通れないところでございますので、それを、ちょっとコピーしていただきましたけれども、この提言書の6ページをちょっと開いていただいて、まさに今、大久保委員から説明していただいたことを、やっぱり現場の人間も実感しておりまして、この6のスマート農業実現における経営効率の向上と燃油・資源高騰対策ということで、(2)で農業機械のコスト低減・部品の共通化の推進ということを挙げさせていただいております。当然、さっきまさに先ほど説明したとおりのことを、現場でもやはり古い機械等々を長く一生懸命使っている農家が多いものですから、そのアタッチメントのジョイントの部品だとか、そういったことが、最新の機械、共通化されたというご説明、当然そういう方向性はわかるんですけれども、古いものと新しいもののジョインターとか、トップリンクも含めても、やはりトラクターの躯体を、後ろのもの、いいものを引こうとすると改造費がかかるというような問題は現実にございますので、その辺の知恵もいろいろいただきたいなということで書かせていただきました。
そういったレンタル機械ということをここに書いてあるんですけれども、機械利用組合だとか、あるいはということで共同利用ということもあるんですけれども、農家というのはどっちかというと、人様のものを借りたり人様に貸すというのは、やっぱり嫌がるんですね。あと、機械等の補助事業を入れた場合に目的外使用というようなことも指摘されるでしょうし、なかなか貸したり借りたりというのは難しいと。レンタル業、普通の建設レンタルということをイメージさせていただくと、農家の場合、皆さんご存じのように作業は共通時期がもう集中するものですから、なかなか貸し借りができないという状況がある。ただ一部、さっき野菜の流通の方がおっしゃったように、産地リレーという形で使い回しというのは絶対出てくると思いますので、そういったことでのレンタル機械的な会社がそれぞれ料金を取りながら、こういう背景で産地を見ながらレンタル機械をということで農家が使えるような仕組みができないかということで、このレンタル機械ということも書かせていただきました。
その点、当然最後に安全対策ですね。やっぱり女性という労力、女性というオペレーターということも相当出てきましたし、逆に緻密で男性よりもうまいなんていう女性も出てきましたので、そういったことの使いやすいということも十分加えてあります。
それと、私、福島なものですから、ここ、15ページを開いていただいて、今、国と東電で一生懸命農地助成をしております。ここの下の2というところですね。実証実験フィールドとしての除染農地の有効活用と、ロボット新戦略等々でも議論されていますけれども、ぜひそこの実験フィールドとして、20キロ圏内、10キロ圏内、これからどんどん100ヘクタール単位であいてきますので、それぞれの活用を含めてどうか活用をお願いしたいということを一言ここに書かせていただきました。
簡単ですけれども、そういうことを我々法人協会としても、ぜひその機械化について期待大でございますので、いい議論をさせていただいて現場に落としていきたいと思っています。ありがとうございました。

○芋生分科会長
どうもありがとうございました。
それでは、皆様からの意見をお願いするわけですが、先ほどから説明がございましたように、メーカーさんの努力にもかかわらず、環境対応の関係で単体のコストはむしろ上がる方向に行くだろうと。そんな中で、例えば規模拡大ですとか海外展開、あるいは利用法の研究、あるいはレンタル、共用化、あるいはロボット化ですね。無人トラクターの導入で人件費を下げていく等、いろいろな方法が考えられると思います。委員の皆様の例えばアイデア、あるいはご意見等ございましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。ご自由に。

○野田専門委員
野田でございます。メーカーの立場、ロボット研究者の立場から意見を申し上げます。
まず、大久保さんが話し出される前におっしゃったことが非常に印象的で、単に農機の単体の話ではなくて、トータルなシステムで考えていくというのが今後やるべきことだというところで、私どもも非常に賛同しております。プレゼンの中でおっしゃったことは、私どものメーカーでもとことんやっていることでございまして、非常に納得できたところでございます。
それで、今後考えていかないといけないことというのは、やはり新しい技術、例えば自動車の世界ですと、自動走行というものが出てくると社会システムのデザインというものが変わるよと、恐らくは自家用車という概念がなくなって、車は共有するものであると、移動のための単なる道具になるというふうに社会システムの変化がもたらされるというふうなことが言われておりまして、恐らくは農業の世界でも、この自動化という新しい技術が来ることによって生産システムの組み方というものが変わってくるんだろうと思っていて、そここそ皆さんと議論をしていきたいなと強く感じた次第です。
それから、機械のつくり方のコスト削減ということで、さまざまな方策をご提示いただいていたのですが、私どももいろいろ取り組んでいて、さらにもう一歩進めていこうということでロボットの業界の中で考えていることが、この数で合っているかどうかわからないんですが、例えば5つ考えております。
ロボットの世界で真っ先に起きたことというのは動力の電動化です。電動化することによって、今までのメカではできなかったことができるようになった。例えばカムで制御していたものが、ソフトウエアで制御することによって、今までできなかった動きができて新しい生産ができるようになっていったというふうなことが起きています。それで、動力が電気にかわることですから、それでクリーン化が非常に進んでいったことがございます。今までロボットが入れなかったようなクリーンな環境にロボットを適用していける。薬品であるとか医薬品であるとか化粧品であるとか、あるいはクリーンルームの中といったものに進出していけたということがございます。
それから、電動化することによって何が起きたかというと、ソフトウエア化が進みました。真っ先に制御理論が進んでいったわけです。最近は、さまざまなパーツを、ロボットを含むコンポーネントを組み合わせてシステムを構築していくというシステム構築学という科学のメスが入り始めましたし、ここ数年はデザイン学と呼ばれるような分野がありまして、先ほど、こういうところを民間に任せて、こういうところは官に任せたらいいというふうな話に関連するようなお話がございましたが、そこにどういうインセンティブを与えると民間のほうに物が流れていくのかというようなことをゲーム理論を用いて考えていくというふうなことが、そのデザイン学の中では議論されていて、さまざまな世の中のスキームというものからデザインしていく。そのためにはこういうものが要って技術が要るよというふうなものをインプリメントしていくようなことに科学のメスを入れようという動きが非常に盛り上がりつつあるところでございます。
それから、ロボットの業界の中で今みんなで議論しているのは、例えば材料の革新です。それで、化学メーカーさんとお話をしています。プラスチックがお得意なメーカーさんとお話をしていまして、そういう材料を用いてロボットの筐体を安くて軽くすることができるのであるのかということであったり、極端な話、伝達機構をプラスチックでつくることによって潤滑をなくしていくというふうなことができないかというふうな議論を、そもそもロボットの体はこうなっていたらいいんだろうということを材料屋さんと一緒に議論をするというふうな活動を始めているところでございます。農機の世界でも、ひょっとしたら展開できるのではないかなと思うので紹介する次第です。
それから、もう一つ考えているのは配線レスです。ロボットの体の中、実はケーブルだらけです。ロボットを使ってシステムを組むときも、ケーブルが工場の中をのたうち回っています。我々も、私どもの実験装置─実験装置でですよ。実験装置をつくるときに制御盤をロボットの囲いの端につけるんですけれども、その制御盤の中にケーブルが床からざっとはい上がっていきます。笑い話ですけれども、その配電盤、ボルトで固定しなくても、ケーブルでそのまま自立するんじゃないかというぐらいケーブルが入ることがございます。そういうことで、その配線をなくしてしまうというのは非常なコストダウンにつながるということで、近距離の無線システムでできないかという、なかなか難しいところはあるんでございますが、そういうふうな研究も始めているところでございます。
それからもう一つ、オイルの話があったのでございますが、エンジンの潤滑オイルの話をされていたので全然違う話になってしまうのですが、ロボットの関節にはやはり潤滑用のオイルが入れられます。多くの場合はグリスです。ところが、このグリス、現場でよく漏れ出してトラブルを起こします。食品工場で漏れるとえらい目に遭うので食用グリスを詰めたりすることもあるのですが、いずれにしろ油を漏れないようにすることと、その油を時々交換しないといけないのでメンテナンスコストが発生するので、ロボットにとって潤滑というのは一つ大きな課題になっていて、もうそれこそ潤滑レスで動かないかということで、その摩擦現象から根本的にトライする、あるいはプラスチックでギアをつくれないかというふうなトライを業界の中で進めています。
こういう活動は今、ロボット学会の中で委員会をつくって活動していますので、十分時間があればご紹介できますし、学会誌でちょっと特集を組んだりしていますので、それをお配りするようなことも可能でございます。そういうようなところで、その5つのことを機械のつくり方のイノベーションということでロボットの業界では始めていますので、単にロボットの体だけを安くて高性能にしても意味がなくて、機械産業全般に波及させられるようなことが多分研究として必要なことかなと思うので、このロボットの業界、農機の業界、あるいは耕作機械の業界といったようなところで幅広く機械のイノベーションにつながるようなことを、例えばチュウサクとしていただけないかなというようなところは思うところでございます。
以上です。

○芋生分科会長
多くのご提案ありがとうございました。特にロボット化によって車が変わるだけではなくて、交通システムが変わると。もしかしたら同様に、農業機械が変わるだけではなくて、ロボット化によって農業そのものが変わっていくかもしれないというような、非常に大きな展望をいただきましてありがとうございます。電動化によってメカニズムがソフトウエアに変わっていく、材料の変更というようなことでコストダウンができないかというご提案をいただきましてありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。

○谷川専門委員
従来の設計指針としてのV字モデルの範疇でのコスト削減は皆さん非常に努力していると思いますし、切り詰めるところはもう無いかと思います。それを次に打破しようとすると、そのV字モデルのさらに上のレベルの段階を変える必要があります。野田さんが言いましたように、エンジンを使うという従来システムを変えて、電動化の可能性を検討するということが一例となると思います。排ガス規制でコストがかかるのであれば、何でエンジンから電動に行かないのか。要するに電気自動車のように電動トラクターも一つの解決策であると思います。
もう一つは、トラクターは従来乗るものでした。当然、自動車というのは人を乗せてどこかに行くというのが機能なので、人が乗る必要があります。一方、トラクターは人が乗る理由はない。そういう意味であれば、トラクターに乗らなくていいならもっと小型にできることになります。それを遠隔で横からラジコンのように操作するシステムも考えられます。さらには、若干自律で動いていく。自動車で言うならば、車庫入れするのに何で乗って車庫入れしなければいけないのか、運転者が操作できるのであれば、車外へ出て、外で見ながら車庫入れさせたほうが簡単なわけですね。技術的には当然できます。法的には問題がありますが。そういうように、もう少しやっぱり上のレベルのシステムとその運用形態のレベルから一端考え直すと、トラクター自体が大型にする必要はあるのかと、考え方を変えれば、小さくできて、さらに電動化ができて、今までやっていた課題というのをなくすことができる。その中でまた新たなV字モデルによる設計を行えば、新しいものができてくるんじゃないかと思います。先ほど野田さんが言ったように、局所的な改善を行うのではなく、トータルな農業の仕組みを考え直すというところも議論できればと思っています。

○大久保委員
我々の業界も、全く今言われたとおりで、人が乗らない、これにすると非常に物事がいろいろすごく考えやすくなるんですね。やっぱり安全にしても、人が乗るための居住スペースにしても、本当にそれがなくなるというと非常にやっぱりコストも安くなる。ただ、今のように圃場が分散していますと、じゃ、そこからトラックに乗せて移動するのか。もっと大きくなってくると、多分そういうふうな世界が開けてくると思いますので、我々もそういうのは考えていますので、ぜひまたいろいろご指導いただきながら一緒にやっていければなというふうに思います。ありがとうございます。

○芋生分科会長
ありがとうございます。
ロボット化についてはかなり深い話になってきたわけなんですけれども、一方で、例えば規模拡大ですとかレンタルですとか利用法ですとか、あるいは海外展開とか、あるいは政策的な部分も含めてご意見等がありましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○高橋(寛)専門委員
大変興味深く聞かせていただきました。私は、コンプライアンスを遵守しながら農業経営をするという着眼点でお聞きしていました。注目したのは、軽油、ガソリンの保管のあり方や、今後求められる尿素の管理のあり方についてです。トラクターのエンジンは今後ますます性能がよくなり、そこに対応してランニングコストもかかるようになる、ということでした。そして、そうした機材をメンテナンスするためには、利用者である農業者が、農業経営におけるインフラ整備の一環で尿素ステーションを設置しなければ危険であると認識しました。
現状の国内農業において、軽油やガソリンですらも、保管方法に課題を抱えています。ポリタンクで軽油を保管されたり、地域ごとの消防によって異なるガソリン缶の保管を知らずに保管されたりしています。弊社が苦慮していることのひとつに、地域ごとにばらつきのある規制を確認しながら、コンプライアンスを遵守して、軽油やガソリンを保管することがあります。やがて、本日のトピックにあった尿素をどう保管していくのかも検討しなければなりません。これらは等しくすべての農業者が直面している課題と考えます。新しく倉庫を買ったり、適切な土地にタンクを置いたりしなければならなくなるでしょう。
今後、農業界もコンプライアンスを遵守しようという流れになるだろうと想定しています。弊社は、安全な農場運営を求める国際的な認証規格、GLOBALG.A.P.認証を取得しながら農業経営を実践していますが、このGLOBALG.A.P.では法令遵守が必須となっています。尿素ステーションや尿素の取り扱いのあり方も経営上のリスクとしてどう対処するかが重要になります。軽油・ガソリンにしても、尿素にしても、自ずと地域ごとの対応、地域内の拠点づくりが必要になるでしょう。その時に、農業生産法人・農業法人や農協がステーションを保有し、供給機能を果たすことが解決策のひとつになるだろうと考えました。機械化を推し進めていく中でとても重要なインフラ整備となるでしょう。そのときに、各地域で受け皿となる組織が役割発揮していけるような国としての施策を講じてほしいと思います。あるべき軽油、ガソリン、尿素等危険物の保管について国として指導、教育をしていってほしいと希望しています。
私から、以上です。

○芋生分科会長
ありがとうございました。機械、あるいは資材のコストだけではなくて、その保管場所、あるいは倉庫等のコストも検討しなければいけないということで、非常に貴重なご意見ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。

○蒲谷専門委員
私はメーカーにいて、その後脱サラして実際に農業をやっているというところで、今のトラクターのコスト低減のお話、私も実際にトラクターを持って使っているので、ここまで本当にやられていてすばらしいなというのが一言でございます。
やっぱり電動化という部分に関しても、じゃ、本当にできるのかと。トラクターを使って、例えば30センチ掘り起こすというときに、そのトルクという部分を見たときに、あとその作業時間の長さというときに、やはりなかなか難しいのかなという部分は非常に感じております。でも、そういう中でここまで押さえられているというのはすばらしいというふうに思いました。
あともう一つは、私の場合には、もう一方で農業ロボットというのも開発してつくっている。そうしますと、そこでできる作業というのも実はかなり多いということが今わかってきて、いろいろな取り組みをしているんですけれども、できたら、そろそろ農業ロボットと、この農業機械というのを少しセパレートしたほうがいいんじゃないのかなという、要するにパワーを持って非常に広いところをやるという部分と、施設園芸の中のそういうような農業機械というのをちょっとそろそろ分けてもいいのかなと。
あともう一つは、播種機のようなものというのは、僕はこれは電動化できるというふうに考えているんですね。そういうようなところでロボット化ということを見る中で、電動化をすればかなりコストダウンできるというのは私自身非常に感じているところなので、そういうところも、コストダウンということを今後考える上で、ちょっと分けて考えてもいいんじゃないのかなというのは思いました。
以上です。

○芋生分科会長
ありがとうございます。
ロボットと一口で言ってはいるんですけれども、我々の学会等でも、1つは自立走行で、1つは果実収穫ロボットですとかというふうに、一応分けてはいられると思います。あと、電動化については、トラクター本体の電動化というのはなかなか難しいかもわかりませんけれども、例えば播種機ですとか、各種アクチュエータは今まで油圧でやっていた部分というのはかなり電動化が進んでいると思いますので、引き続きご検討いただきたいと思います。
それでは、そろそろ予定の時間が来たんですけれども、もしこれだけはというようなご意見がございましたらお願いしたいと思うんですが、コストダウンについていかがでしょうか。あと1件ぐらい、ぜひご意見があればと思いますが。

○川嶋委員
こういうふうにすると低コストにできるよということではないので、ちょっとさっき申し上げにくかったんですが、実情としてちょっとお知らせしようかなと思ったんですけれども、資料2の最後のページに低コストの機械化に向けての対応策、野菜ということでいろいろ統一したらどうか。逆に私は、ずっと野菜の研究者とか、そういうことをやっていて、これ、なかなかできないだろうなと思うところもあります。稲作なんかは全国で割と統一したやり方というのがあると思うんですけれども、野菜の場合は、その地域の特殊なつくり方ということもありますけれども、割とブランドとか品種とか、そういうことに生産者さんが結構こだわっておられるというところがありまして、うちの県だと、例えば加工用のキャベツとかもすごく出しているんですけれども、加工用のキャベツですら斜め切りとか、少し軸が斜めのものは愛知県としては許せないと、加工用ですらいいものを出すと、そんなような農家さんのこだわりみたいなものが、施設じゃなくても園芸農家、園芸をやっている人は多分すごくこだわりが強いと思うんですね。
でも、私もそれがいいとは思っていませんで、そういうことをできる、その中でも統一できることは何とか統一したほうがいいというふうには思いつつも、なかなか今までうまくいっていなかったというところは、そういう農家気質といいますか、園芸農家さんのこだわりということは今も続いていると思います。今の若い人でもそういうところは続いておると思いますので、だからこうしたほうがいいと言いたいんですけれども、ちょっとそこまでは私も難しいなと思いつつも、そういうこともありますということをちょっとご紹介させていただこうかなというふうに思いました。

○芋生分科会長
ありがとうございます。機械化による省力化とかコスト低減が必要だと、ただ、一方でこだわり、あるいはブランドですかね。それで高収益を上げていくというのも当然強いかと思いますので、そこら辺のバランスについても今後検討していきたいと思います。
それでは、どうもご審議ありがとうございました。本議題につきましても、本日いただきましたご意見を踏まえまして、次回以降の分科会において論点を整理していきたいと考えます。
それでは、最後の議題になりますが、農業資材審議会に対する諮問についてということで、事務局で資料4の説明をお願いいたします。

○松岡生産対策室長
それでは、資料4、農業資材審議会に対する諮問についてということでご説明させていただきます。
資料の4は、今回諮問させていただくのは型式検査の主要な実施方法及び基準ということで、それが機種ごとに定められておりまして、全部で11ございます。そういうことで資料が分厚くなっておりますが、それぞれの基準の改正点は共通でございます。それを1ページ目の参考ということでまとめさせていただいています。
今回の改正は、先ほど大久保委員からのご説明にもありました排ガス規制が強化されておりまして、それに伴いまして大型特殊自動車、小型特殊自動車の排ガス規制値が強化されています。道路を走る車両の保安基準というものが国交省から出ています。それが変わるので、型式検査においてもその規制値の強化に合わせて試験方法なり基準を変えていくというものでございます。
その内容が1つ目、2の(1)ですけれども、黒煙の測定を基準から削除するということでございます。PM、粒子状物質の規制が強化されて実質的に黒煙が排出されなくなったということで、その測定方法はやらなくてよいということでございます。
それから2つ目ですね。排ガス試験において国際的な試験方法を導入していこうということで、自動車で10モード燃費とか、そういった試験を耳にしたことがあると思います。特殊自動車については8モード試験をやっています。それが2つのやり方がございまして、国際的には2つともどちらからも選択できるということになっています。それを特殊自動車の試験でも国際的なやり方に変えていくということで、型式検査もそれに合わせていくということでございます。
それから3つ目、その他の体裁の整理ということで2点ございまして、丸の1つ目は、独立行政法人が国立研究開発法人になりました。型式検査の実施をしている農研機構が名称が変わりましたので、それに合わせて変更するということでございます。
それから、丸の2つ目ですけれども、型式検査においては独立行政法人交通安全環境研究所において定めた試験規定というものを準用しております。この内容は、測定値及び計算値の末尾の処理、四捨五入とか、何桁まで表示するとか、そういったものを定めているものでございます。この告示においては、主要な実施方法及び基準ということを定めていただくことになっていますので、それに該当しないのではないかということで今回は削除して、今後は農研機構、生研センターにおいて国際的な取り扱いですとか、あるいは受験者の要請に応じて弾力的、機動的に対応していただくということにしたいということで、そういった改正内容の諮問でございます。
それで、諮問文は机上に配付させていただいておりますので、読み上げは省略させていただきたいと思います。
以上でございます。

○芋生分科会長
諮問文については非常に長いんですが、要点は最初の参考のところということで、今説明していただきました。
それでは、農林水産大臣より諮問のありました型式検査の主要な実施方法及び基準の改正について、ご意見、ご質問等ございましたらお願いいたします。
よろしいでしょうか。
なお、本日欠席されております奥野委員と伊藤委員からご意見等はございますでしょうか。

○松岡生産対策室長
ご意見は、届いておりません。

○芋生分科会長
それでは、特にご質問、ご意見等ありませんようでしたら、型式検査の主要な実施方法及び基準の改正に関する件については、説明のありました諮問のとおりとしてよろしいでしょうか。
ご賛同いただきましてありがとうございます。それでは、農林水産大臣より諮問のありました本件につきましては、諮問どおりで差し支えないということを答申することといたします。
その他、特に本日は事務局からは議題を用意されていないということですが、本日の議論等に関しまして特にご意見等ありましたら発言をお願いいたします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、どうもありがとうございます。これをもちまして本日の農業機械化分科会の議事を終了したいと思います。
司会を事務局にお返しいたします。

○齋賀課長補佐
分科会長、ありがとうございました。
では、最後になりますけれども、技術普及課長の榊よりご挨拶を申し上げます。

○榊技術普及課長
熱心なご議論、今日はありがとうございました。また、大久保委員、プレゼンテーションをいただきましてありがとうございました。また、高橋委員からもご提言いただきましてありがとうございました。また、最後に諮問に対しまして答申をいただきまして、まことにありがとうございました。
今日、私どものほうからいろいろ考えていることをご披露して、それぞれの委員からいろいろなご意見を賜りました。次回までにそれを踏まえてしっかりとした方向性を打ち出していきたいと思っております。
何度も申し上げておりますけれども、我が国の農業、人がどんどん減っているという中で、もう機械に頼らないと本当に耕作放棄地が増え、本当にイノシシやサルの餌ばかりが増えるというような状況になりかねないというような危機意識を持っております。そういったこともありまして、今回、前回もご指摘いただきまして、過去のいろいろな開発の経験なども少し反省も踏まえて資料を整理させていただきました。反省だけをやっていてもらちがあかないわけでございまして、こういったことも踏まえながら、ぜひ新しいものをしっかりつくっていって、我が国の農業がますます発展するように頑張っていきたいと思いますので、引き続きご指導をお願いしたいと思います。
ただ、その中で、いい絵を描いても、何かどんどん設計費が上がっていって2,500億円にもなってしまうようなことになっては使われないわけでございまして、最後にご議論いただきましたように、コスト低減というのをしっかりと頭に置きながら、実際に使えるものをしっかりとつくっていけるよう、そういう方向を打ち出していきたいと思っております。これからもまたいろいろとご意見等々をお願いしたいということを最後にお願い申し上げまして、御礼のご挨拶とさせていただきます。
本日はどうもありがとうございました。

○齋賀課長補佐
すみません。最後に1点、事務的な連絡事項をお伝えさせていただきます。
本日の会議に提出された資料は、農林水産省ホームページに直ちに公表されることになっております。また、従前の取り扱いと同じですけれども、議事要旨、議事録につきましても、委員の皆様にご確認いただいた上で公表させていただきたいというふうに思います。
今後の日程ですが、後日改めて連絡をさせていただきますが、事前に委員の皆様に確認いただいたところ、8月27日木曜日の午後が最も多くの委員の方にご出席いただけるようでございます。次回分科会は同日を中心に調整させていただきたいと思っておりますけれども、本日ご出席の委員の皆様におかれましては、現時点でご都合が悪いというようなことがおわかりでしたら、もしくは、我々にご都合が悪いというご連絡をいただいている委員のうち、その後調整がついたというような変化がございましたら、事務局までご連絡いただければと思います。
それでは、これをもちまして事務的な連絡も終わりとさせていただきます。
長時間のご審議ありがとうございました。

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