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農林水産省

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第16回   農業資材審議会農薬分科会   議事録

日時:平成29年2月2日(木曜日)
会場:経済産業省別館1階   108各省庁共用会議室
時間:13時57分~16時02分

議   事   次   第

  1. 開      会
    挨      拶
  2. 議      事
    (1) 土壌残留に係る農薬登録保留基準の改正について(諮問)
    (2) 飼料用農作物残留に係る農薬登録保留基準等の改正について(諮問)
    (3) 農業資材審議会農薬分科会検査法部会における審議結果について(報告)
  3. 閉      会

概   要

午後1時57分   開会

  • 農薬対策室長
       それでは、定刻より少し早いですけれども、本日出席予定の方、全員おそろいになりましたので、ただいまより第16回農業資材審議会農薬分科会を開催させていただきたいと思います。委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、御出席いただきまして大変ありがとうございます。
       事務局を務めます農薬対策室長の古畑です。分科会長に議事をお願いするまでの間、司会進行を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。本日の分科会は、公開で開催するということで、傍聴の方にもお越しいただいております。
       まずは、委員の皆様の出欠状況を御報告させていただきます。本日は、堀江臨時委員につきましては、御欠席となっております。委員の方7名、臨時委員の方8名、専門委員の方3名に御出席いただいております。本分科会は、農業資材分科会令第7条第1項で、委員と臨時委員の過半数の御出席で会が成立するという規定になっております。本日は委員と臨時委員、合わせて16名のところ15名の方に御出席いただいておりますので、本分科会は成立しておりますことを御報告申し上げます。
       それでは、最初に、農産安全管理課長の瀬川から御挨拶申し上げます。
  • 農産安全管理課長
       委員の皆様、本日はお忙しい中、御参集いただきましてありがとうございます。また、日頃から農薬行政推進に当たりまして、御尽力、御協力いただいております。改めてこの場をお借りしましてお礼を申し上げたいと思います。本来、消費・安全局長の今城が御挨拶を申し上げる予定でございましたが、急遽所用が入りまして、私、瀬川から挨拶をさせていただきます。
       本日の分科会ですが、環境大臣より2つ諮問がございます。1つが土壌への農薬の残留に関する登録保留基準、もう1つが飼料用農作物への農薬の残留に関する登録保留基準。この2つの改正案を御審議いただくこととなっております。また、一昨年の11月に設置しました検査法部会における農薬原体の成分規格の設定方法、これに関する審議の結果も御報告をさせていただきたいと考えております。
       この分科会ですが、一昨年の11月に開催をさせていただいてから1年以上経っております。その間の農政の動きについて、せっかくの機会ですから御紹介をさせていただきたいと考えております。
       皆さん御承知だと思いますが、昨年11月に我が国の農業競争力を一層強化していくということで、農業競争力強化プログラムが決定されております。このプログラムの中で、生産資材につきましては、価格の把握、公表、あるいは不要な規制の廃止、業界再編の促進、これらの価格引き下げにつながるさまざまな取り組みについて関係団体を含めまして、一丸となって取り組むこととされております。
       その中でも農薬については、病害虫への防除効果があり、人や環境により安全な新しい農薬の開発に向け、各業界含めまして努力が続けられるところであります。また、科学の進歩に応じて、安全性の評価も逐次見直しをされているところでございます。当然このような新しいプログラムのもとでも、これを踏まえた施策を講じていくということが必要となっているわけです。例えば、我々は3つの柱を持って農薬の刷新を進めさせていただいているところです。1つは、最新の科学に基づくこと。それから、透明性を持つこと。そして、国際調和を目指すということで進めさせていただいておりますが、このような国際調和も、日本メーカーの海外展開、あるいは新規農薬の日本への導入を進めやすい環境づくりに繋がるものでありますし、結果的には農業者、消費者の方に、将来にわたって安全でよりよい農薬をお届けすることにつながっていくものだと考えております。
       今回報告させていただく検査法部会で検討していただきました農薬原体の成分規格の設定も、当然国際調和の流れに従ったものでございますし、また、引き続き農薬登録の刷新を進める中で、いろいろ皆さんにも御知恵をお借りしながら進めさせていただきたいというふうに考えております。
       今後とも皆様の一層の御支援、御協力をお願いしまして、簡単ではございますが、挨拶とさせていただきます。本日はよろしくお願いいたします。
  • 農薬対策室長
       ありがとうございました。議事に入ります前に、本日の配付資料について御確認いただきたいと思います。
       お手元の配付資料一覧に基づいて確認いたします。
       資料1、1枚紙の議事次第。資料2として委員名簿、資料3として座席表、それぞれ1枚紙です。その後、資料4-1、資料4-2は右上とじになっています。資料4-3、その後、5-1、5-2、5-3、その後、資料6の1枚紙の後に、資料6-1、6-2、6-3、6-4、6-5、6-6 までございます。その後、参考資料が参考資料1、参考資料2、参考資料3、参考資料4までで、本日の配付資料になっております。もし足りないものがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事務局までお申しつけください。よろしくお願いいたします。それでは、これより議事進行を山本分科会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
  • 山本分科会長
       山本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。今日は皆様、大変御多用のところ、先ほど御報告ございましたように、ほとんどの委員の方に御出席いただきまして、本当にありがとうございました。
       今日は、先ほどの瀬川課長のお話にもございましたように、環境大臣から2件の諮問、検査法部会の検討状況報告といったことで、大変盛りだくさんでございます。限られた時間でございますが、慎重かつ活発な御議論をお願いしたいと思います。
       早速ですが、議事の1番目、土壌残留に係る農薬登録保留基準のほ場試験の方法の変更について、環境大臣の諮問でございます。環境省ご担当者の方、よろしくお願いします。
  • 環境省
       それでは、環境省から説明させていただきます。環境省農薬環境管理室の羽子田と申します。よろしくお願いいたします。
       御紹介いただきましたように、環境省から2件、審議会にお諮りをすることになっております。環境省が定める農薬登録保留基準について御審議をいただきますので、まず参考資料3で農薬の登録制度と農薬登録保留基準につきまして、簡単に御説明をさせていただきたいと思います。
       お手元、参考資料3をご覧ください。まず、農薬取締法上、この農薬登録保留基準がどのように位置づけられているかについては、御承知のように農薬取締法に基づいて、製造者、輸入者は農薬について登録を受けなければ、製造、加工、輸入などしてはならないとなっております。この登録に当たりまして、農林水産大臣は申請者の提出した資料等に基づき、登録の検査を行います。それに当たり、下のいずれかに該当する場合は、その登録を保留することとなっており、それを登録保留基準と呼んでいます。申請書に虚偽がある場合や、農作物に害がある場合と並びまして、4号から7号までが環境大臣が定めることとされている農薬登録保留基準でございます。
       まず4号が作物残留に係る農薬登録保留基準でございます。それから、5号が土壌残留に係る農薬登録保留基準でございます。6号が水産動植物の被害を防止するための農薬登録保留基準でございます。それから、7号が水質の汚濁を防止するための農薬登録保留基準となっております。
       簡単にこの4つの基準がどのように定まっているかを裏面で御説明いたします。これらは告示で定められております。4号の作物残留に係る農薬登録保留基準は、実際に作物を栽培する際に農薬を施用して、最終的に農産物が食品衛生法の食品規格、残留農薬基準に適合しない場合となっています。これが定められていない場合には環境大臣が定めるとなっていますけれども、今は全ての農薬について定められておりますので、環境大臣が定めている基準は存在しておりません。
       それから、5号の土壌残留に係る農薬登録保留基準でございますけれど、これは農薬の成分物質が土壌中に残りますが、半減期が180日をほ場試験で区切りとして、それ以降の農薬が残った土壌で栽培した後作物が食品規格に適合しないですとか、そのような基準が定められております。これは後ほど詳しく御説明をさせていただきたいと思います。それから、6号の水産動植物の被害防止でございます。農薬が公共用水域に流れ出た際の環境中の予測濃度をPECと申しております。魚類、甲殻類、藻類、3種の急性毒性試験から算出した影響濃度と予測濃度を比較して、この水産PECが急性影響濃度を超す場合には登録保留ということになります。
       それから、7号の水質汚濁でございます。これも同じく公共用水域における予測濃度を計算しておりますが、この予測濃度が、人間が水を1日2リットル飲んだ場合に、残留農薬で定められているADIの10%を上回る場合に登録保留ということになっております。本日お諮りをする1件目が、この5号の土壌残留に係る基準でございます。資料4-1にお戻りください。資料4-1が今回の諮問書で、環境大臣から農業資材審議会長宛てにお願いしているものでございます。
       土壌残留に係る農薬登録保留基準のほ場試験の方法の変更に係る意見聴取について。農薬取締法(昭和23年法律第82号)第3条第2項の規定に基づく「農薬取締法第3条第1項第4号から第7号までに掲げる場合に該当するかどうかの基準を定める等の件」(昭和46年農林省告示第346号)、こちらが先ほどの農薬登録保留基準でございますけれども、これで定められているほ場試験の方法を別紙のとおり変更をすることについて、今回御意見を伺うものです。
       別紙が資料4-2についてございます。現行の規定と改正の案について、新旧の形式で示させていただきましたが、わかりにくいかと思いますので、資料4-3に従いまして、内容を御説明させていただきます。
       資料4-3を御覧ください。先ほど御説明いたしました土壌残留に係る農薬登録保留基準でございます。これを保留基準の中で、ほ場試験によって土壌中の半減期を推定するということになっておりますけれども、ほ場試験が告示の中で別表の形で定められております。今回、このほ場試験を見直すものでございます。
       経緯でございますけれども、この土壌残留に係る農薬登録保留基準につきましては、農薬の土壌への残留により農作物等が汚染されて、それが原因となって人畜に被害を生ずるおそれを防止する観点から定められており、現行は以下のイからハのとおり定められています。具体的には、ほ場試験において土壌中半減期が180日以上の農薬を使用した場合に、その後に栽培される農作物が汚染される場合。土壌中半減期が180日未満の農薬である場合には、その後、農地で通常1年以内に栽培される作物が汚染されて、食品規格、残留農薬基準に適合しない場合。ほ場試験において土壌半減期が180日未満で家畜体内蓄積性のある農薬であって、当該農薬を使用した場合に、その使用に係る農地において1年以内に栽培される飼料用の作物について農薬の成分が残留する場合。この3つが定められております。
       この基準につきましては、農業資材審議会農薬分科会に平成17年にお諮りし、土壌中半減期は元々1年だったものを180日に改正をいたしました。また、試験管内の試験とほ場試験で確認することとなっておりましたけれども、試験管内の試験は土壌微生物の活性などが低下するということで、ほ場試験で行うと改正しております。こちらにつきまして、食品安全委員会に健康影響評価をお願いいたしましたところ、ほ場試験でやることは実環境中でやるということで、現実に近いものになるため改正自体は問題無いとのことでしたが、偏りが多い、つまりばらつきが多くなることから、引き続き、偏りをなくす、ばらつきをなくすよう努力することとご指摘がございました。こちらについて、環境省で長らく検討してまいりまして、今回御審議いただくものでございます。
       ほ場試験の見直しの概要でございますけれども、告示の中で定められておりますほ場試験の具体的な方法について、ばらつきをなくすために、ほ場試験の各過程、例えば試験ほ場を選定する、試験の手順、半減期の判定について、見直しを行っていくというものでございます。
       まず、試験ほ場の選定と管理の方法について具体的に御説明をいたします。どのような土壌で試験を行うかにつきまして、現行は、試験ほ場は2カ所以上でやると定められておりますけれども、土壌の特性の異なるものを選定することとなっておりますが、特に土壌の種類までは特定してございません。この考え方に対しまして、日本の農耕地の代表性を確保することによって、ばらつきを抑えられるのではないかという観点から、我が国の代表的な農耕地の土壌における農薬の挙動を統一的に把握することが望ましいと考え、選定する試験ほ場につきましては、畑地の場合には黒ボク土、水田の場合には灰色低地土を1カ所含むということにしてございます。
       参考1に、我が国の水田、普通畑、樹園地の主な土壌の割合がそれぞれ記載しております。こちらの中から割合の高いものを必ず1カ所ずつ選ぶということを条件にしてまいりたいと考えております。
       次に、2試験ほ場の農薬の使用歴でございます。現行は、過去の使用状況については、判定に支障を及ぼすおそれがある農薬が散布されたことがないことを規定しておりますけれど、実際には、過去に農薬を使用したといたしましても、試験を実施するときに判定に支障が生じるおそれがなければ、特段問題を生じるものではございませんので、判定に支障を及ぼすおそれのない量の農薬等を含まないこととさせていただきたいと考えております。また、長期間にわたって裸地、耕作放棄地として放置をされてきた場所は、実際の土壌としての耕作地とはかなり条件が異なっており、土壌中半減期に影響を及ぼす場合がございますので、実際に耕作が行われてきた田畑を用いることとし、供試農薬が畑地または樹園地の場合は畑地で、水田において使用される場合には水田でほ場試験を実施することを明記してまいりたいと考えております。
       次に、3試験ほ場の整備・管理の状況でございます。現行、特段の規定はございません。農薬の試験ほ場外への流出、土壌中における微生物等による農薬の分解以外の減少要因を排除するということで、ばらつきを抑え、不偏性の向上が期待できますので、畑地の場合には散布した農薬が表面流出するような傾斜や明瞭な亀裂がないこと、それから水田の場合は、漏水が少なく通常の水管理が実施できる試験ほ場で試験することとさせていただきたいと考えております。そして、農薬が残留している田面水が意図的に流出することがないように、水田の場合には落水させず、表面流出しないように管理をすることといたしたいと考えております。
       最後に、4試験ほ場での作物栽培の有無については、現行は法律に基づき、供試農薬の使用が可能な栽培作物を栽培している試験ほ場で試験を実施しております。しかしながら、作物栽培下で試験を行うと、土壌への農薬の分布が非常に不均一になるという現象が見られます。また、選定する作物の種類によっては、例えば時間が経ってからしたたり落ちる現象が発生するものなどもございまして、これらによっても影響を及ぼす可能性があると考えられます。これらの要因を排除する目的から、試験ほ場については、作物を栽培しない状態で試験を実施することといたします。
       今の作物を栽培した状態でのばらつきにつきましては、3ページ目の参考2、それから4ページ目の表の2までに、裸地ほ場とキャベツ、トマトを栽培した場合の土壌中の農薬濃度の不均一性やしたたり落ちで、濃度の挙動のばらつきが数字的にも示されております。そして、試験の手順でございますけれども、(1)の方に農薬の使用について、試験をする際にどのように農薬を使うかということを書いてございます。
       1は、試験の回数及び使用量でございます。現行では、供試農薬に係る使用方法に従いまして、複数回使用が認められている農薬は複数回散布を行い、半減期を判定することとしております。しかしながら、複数回使用した場合、最終使用時には、初期に散布した農薬の一部が既に分解しており、農薬の正確な半減期の算出が困難となることがあります。このようなことから、農薬の使用回数は単回処理とさせていただきたいと思っております。
       また、裸地での農薬の使用は、先ほど申しましたように、作物の栽培している状態と比べまして、土壌の農薬の落下量が2~3倍となると考えられておりますので、こちらにつきましては参考3で、下の囲みの中に裸地ほ場とキャベツ、トマトを栽培した場合の実際の土壌表面の農薬の量がございますけれども、こちらを参考にいたしますと、2~3倍になりますので、使用回数が複数回の場合には、1回当たりの最大使用量の2倍を目安として処理することといたしました。使用回数が1回の農薬につきましては、1回当たりの有効成分の最大使用量を目安とさせていただきたいと思っております。
       ただし、有効成分量が非常に少量の場合、土壌中濃度の分析及び半減期の算出が困難となる場合がございます。このような場合には算出が可能となる程度まで有効成分使用量を増加することができることにさせていただきたいと考えております。
       続きまして、5ページ目の希釈量でございます。農薬には、希釈して使うものがございます。こちらにつきまして現行は、希釈して使用する農薬の散布量は当該の農薬に係る使用方法に従うこととされております。農林水産省の課長通知に、試験方法が定めてあります。登録申請に係る使用方法において、具体的な散布液量が記載されていない場合には、10アール当たりの散布液量は稲の場合には150リットル、野菜の場合には300リットル、果樹の場合には700リットルとされておりますけれども、今回、先ほど御説明したように農薬の使用回数を単回処理に見直すことに伴いまして、単位面積当たりの有効成分投下量を裸地条件下で散布をするように見直すこととしております。
       一方、散布液量が異なるということによって、農薬の下方浸透量などに影響を及ぼすおそれが考えられるものもございますので、新たに10アール当たりの標準的な散布液量を、水田では150リットル、畑地では300リットルを目安とするということを告示上に明記させていただきたいと思います。合わせて、農薬は試験ほ場全体に均一に散布をするということを明記したいと考えております。
       続きまして、(2)試料の採取でございます。現行は土壌の試料を地表面から10センチメートルまでの深さを柱状に200グラム以上採取することとなっております。さらに、水田においては、土壌試料を田面水とともに採取をすることとしています。しかし、この方法では、例えば田面水深の変動によって土壌水分含量が非常に大きく変動するだけではなく、採取する土壌の深度を一定に保つことが難しいと言われております。
       このため、水田では下の※印に書いてございますように、土壌と水の層の境界面を攪乱しない方法で、まず小型のポンプなどを用いて静かに水の層を吸引した後に、土壌を採取するという方法をとりますと、採取時に土壌の採取量の変動を防ぐことができ、ばらつきがおさまるのではないかと考えております。
       また、畑地におきましては、農薬が10センチメートル以深へ移行する場合がございます。こちらにつきましては、6ページ目から10ページ目までデータをお示ししております。その結果、今までは10センチメートルまでで見ておりましたけれども、さらに深くまで農薬が浸透するということがわかってまいりました。下方浸透した農薬を考慮することが必要ですし、半減期がこれによってより現実に近い値として把握できると考えられております。なお、土壌残留に係る登録保留基準につきましては、後作物への汚染の原因となる人畜への被害を防止するという観点から定められているものですので、耕うんなどが行われる作土層に残留する農薬を対象とする必要があるのではないかと考えております。
       このため、土壌試料につきましては今まで10センチメートル採取しておりましたけれども、10センチメートルまでの試料と10センチメートルから20センチメートルまでの試料の、2層に分けて採取をすることにより、挙動を把握するとともに、科学的な知見の集積にも役立ててまいりたいと考えております。
       6ページ目以降のデータをご覧下さい。水田につきましてはほぼ10センチメートルで大体農薬の浸透がとまっておりますが、畑地につきましては、かなり下方に浸透しております。時折10センチメートルから20センチメートルのほうが濃くなる、逆転をしている場合もございます。今まで10センチメートルのところで挙動を把握して半減期を判定しておりましたが、これでは下に浸透したものなのか、分解されたものなのかわからないため、適正な範囲ということで20センチメートルを今回規定してまいりたいと考えております。続きまして、11ページ目2の採取箇所でございます。現行は試料の採取地点は4カ所でございます。しかしながら、均一になるように農薬を散布したとしても、8カ所サンプリングした場合、高濃度に分布する4カ所の平均値と、低濃度に分布する4カ所の平均値には、1.3~2倍の乖離が認められました。このため、試験ほ場で1回に採取する本数といたしましては、試験ほ場の全域から均等に採取できる8カ所以上から採取するように見直すこととしたいと考えております。なお、試料採取は農薬散布後複数回行いますが、2回目以降の採取地点につきましては、農薬の横浸透による影響を排除するため、サンプリングの点数や通常の試験ほ場の広さなどを勘案し、経験則でございますが、既に採取した地点から50センチメートル以上離れた地点から採取することを明記したいと思います。こちらにつきましては、12ページ目の表の8に数字の振れを示しております。8カ所のサンプリングをし、高濃度4本、低濃度4本で分析した場合、高濃度5本、低濃度5本で分析した場合、というように採取する本数を増やして平均値をとりますと、4本では非常に変動が大きく、7本でも1.26、1.1というような変動の範囲が出ておりますので、8本以上採取することでばらつきをなくしてしてまいりたいと考えております。
       それから、3の試料の保存でございますけれども、これは現行でも凍結保存をするということを考えておりますが、農薬の特性によりましては凍結保存以外で保存が可能な場合も考えられます。
       また、現行では保存安定性試験については明記されておりませんけれども、保存する場合には、きちんと試料中の農薬の安定性を把握して、減少がないことを確認する必要がありますので、凍結その他の試料及び農薬の特性を踏まえた方法で保存した上で、きちんと安定性を確認した上で分析に供するということを書いてまいりたいと思います。
       それから、(3)の試料の分析でございますけれども、先ほど申し上げましたように、今度、畑地につきましては20センチメートルまで採取することにしてまいります。このために、実際には0から10センチメートル、それから10センチメートルから20センチメートルまでの農薬の残留量の分析をそれぞれ算出することとさせていただきたいと思います。また、水田では、田面水とともに採取いたしますけれど、こちらも田面水と土壌の挙動、農薬の量を別々に把握するために、水と土それぞれを分析し科学的知見の集積にも努めてまいりたいと考えております。
       それから、13ページ目、最後の半減期の判定でございますけれども、まず、判定方法でございます。こちらにつきましては、現行では2種類規定しておりまして、180日未満に採取した試料について分析し、使用直後と比較をした結果、2分の1以下に減少した値が確実に示されている、これを半減期とする場合。それから、試料の分析値により減少曲線を作成し、これに基づく減少の傾向の結果を照合する場合。この2種類が規定されてございますけれども、最近の実際の申請の状況を見ますと、最小自乗法などに基づきます減少曲線によって半減期を求めるという評価が通常でございます。こちらにつきまして手法が確立しておりますので、a)の規定は削除してまいりたいと考えております。
       それから、最後の(2)の判定の対象でございます。今まで10センチメートルまでで判定しておりましたけれども、今回は20センチまで採取いたします。先ほどデータをご覧いただきましたように、畑地の場合は20センチメートルまで下方浸透する農薬がほとんどでございますので、こちらにつきましても20センチメートルまで分析し、この深さの残留量に基づき、半減期を判定することで、実際の農薬の正確な半減期の確認に努めてまいりたいと思います。
       なお、水田における半減期につきましては、10センチメートルまでで判定しておりますけれども、こちらにつきましても水と土、両方採取いたしますが、現行でも水と土を合わせた量で判定しております。こちらにつきましてはいろいろ考え方があります。土壌の半減期なので土の中だけの量だけで判定しては、という考え方もございますけれども、水田における農薬の土壌中半減期につきましては、水田で使用した農薬も水田という環境媒体に残留する全体量でリスクを判定するべきと考えております。田面水中に含まれる農薬の存在を無視すると、残留量が過小に評価されるおそれがございますので、安全側に立って、こちらにつきましても、水田の水と土、両方合わせて残留量につきまして、半減期を判定するという規定をしてまいりたいと思っています。
       こちらにつきましては、この考え方に基づきまして、パブリックコメントを実施しておりまして、この改正の対象外のご意見も数件ありましたが、5件ほどご意見いただいております。実際の試験方法の確認という内容のものが主なものでございましたので、農薬ガイドラインなどでも示していただきたいと思います。
       なお、こちらにつきましては、農薬取締法第16条の2により、厚生労働大臣に対しまして、ご意見を伺うことになっております。こちらの手続につきましても、既に終え特段の意見はないという御回答をいただいております。長くなりましたが、以上でございます。
  • 山本分科会長
       ありがとうございました。
       土壌残留に係るほ場試験の見直しということで、内容がなかなか盛りだくさんで、手短にわかりやすく説明していただいたと思います。ありがとうございました。
       それでは、ここから皆さん方、もし御意見がございましたら、お伺いしたいと思います。
  • 與語臨時委員
       資料4-3の5ページ目の標準的な散布液量というのは、基本的にはワーストケースを考えるのではなく、標準的な使用方法をベースにし、この手順等を全てつくっているというイメージでいいですか。
  • 環境省
       使用量、農薬の量につきましては、最大量を規定しております。しかし、希釈の水量によってはかなりむらが生じることがありますので、むらを防ぐため、このような水分量を規定させていただきました。
  • 與語臨時委員
       農薬によっては、かなり深いところの病害虫を防除するために、もう少し高い散布水量、液量を使うことがあります。しかし、深いところに入れば入るほど分解しにくくなることがあります。この液量は標準ということですね。もう1点、資料4-3の13ページの最小自乗法等を用いた減少曲線ということですが、半減期を判定する方法には、いろいろな減衰の算定方法がありますが、どういう意図で最終的には設定するのでしょうか。例えば、半減期が一番長いものを選定するのかいわゆるフィットするものを選定するのか。
  • 環境省
       基本的にはフィットするものでやっていただくことになりますけれども、農薬の有効成分がいろいろある場合には、その中で半減期が一番長いものを選定することとしております。
  • 與語臨時委員
       わかりました。ありがとうございます。
  • 山本分科会長
       そのほかに何か。
  • 山田専門委員
       まず1つ御紹介したいのは、資料4-3の1ページ目の1のロについて。毎年JMPRへ行っているのですけれども、そこでは前作が農薬を高い濃度ないしは高い投下量で使っていた場合、次の後作で農薬を使っていなくても、吸収効率が良ければ、更地でその作物をGAPどおり使ったときよりも高い残留になるということがあります。数年前のクロラントラニリプロールのレタスの基準値の例が、後作のデータに基づいて食品の残留基準をつくった最初の事例です。このような事例は現在増えており、後作のデータがないと基準値はつくれないという状態になってきており、世界でも気にし始めているところです。
       まず1つ目は、世界では、通常、実際に残留を気にしなければならないときに、Field dissipation studyを行うことになっています。この試験は試験を行うに当たり広いほ場が必要なので、この試験から行うことはありません。日本では、このほ場試験における試験さえすれば、ラボラトリーの実験は行わなくてもよいのでしょうか。ラボラトリーでの試験はアイソトープを使用しなくてはなりませんから、大変な試験ではあります。
       2つ目は、例えば、米を作るために登録する剤については、水田で試験を行うのは当然です。水田と畑地では好気性や酸化還元電位が異なります。しかし、稲に適用のない剤についても水田で試験する必要があるのでしょうか。
  • 山本分科会長
       ここまでについてご回答お願いします。
  • 環境省
       まず、水田に適用のないものにつきましては、水田での試験を行う必要はございません。前者については、農薬テストガイドラインに定まっており、土壌中の動態を把握するための試験はラボでの試験です。土壌残留試験につきましては、ほ場試験の結果から半減期を判定した上で行うこととなっております。
  • 山田専門委員
       ラボラトリーの結果は、フィールドでの結果よりも長い半減期になることが多いです。ラボラトリーでの試験結果は、滅菌すれば微生物による分解がない分、フィールドでの試験結果より長いというのがわかっていますが、試験を行うのでしょうか。また、ハーフライフ(半減期)は大きくなります。御存知かと思いますが、EPAやEUからDT50がオンライン上で計算できるツールが出ていますので、御紹介します。
       次の質問として、ほ場における土壌試料についてです。海外では土壌表層から20センチメートル、10インチというのが普通ですので、これはよいかと思います。
       一方で、5ページにある希釈液量は、散布液量のことですよね。また、試料の保存については、冷凍保存といっても、0度からマイナス30度ぐらいまで様々です。例えば0度を少し切るぐらいの温度があれば微生物の活性がなくならない場合もありますので、ある程度温度は決めておいたほうがいいと思います。
       先ほど與語委員がクリティカルな点をご指摘されていましたが、曲線はかなりでこぼこするカーブになりますが、通常行うような1次反応の速度式で処理するのでしょうか。先ほど申し上げたツールには様々なオプションがあり、数値の扱いによっては1桁数値が変わることもあり、このことについてはどうお考えでしょうか。
  • 環境省
       御指摘ありがとうございます。ほ場の選択については、農薬テストガイドラインに、具体的にどのようなことを把握するかということを記載しております。その中で、ほ場の使用歴というものにつきましても、できる限り確認をしていただくことにしています。
       保存の温度については、今お答えするのは難しいのですが、温度を規定する必要がある場合には、御相談させていただきたいと思います。実施された試験の信頼性については、試験設計やその結果等により判断してまいりたいと思います。そして、曲線が非常にでこぼこするというクリティカルな問題については、それぞれの濃度とともに、試験結果等を書いた曲線と、なぜこれを利用したかというものにつきましては、説明が求められるところでございますので、データ提出時に、求めてまいりたいと思います。
       振れのないように農薬テストガイドラインに書けるものについては書いてまいりたいと思います。得られた試験結果の妥当性についてはきちんと判断してまいりたいと思います。
  • 山本分科会長
       最後のカーブフィッティングについては、FAMICで4種類のシミュレーションを用意しており、その中でベストフィッティングのものを採用して半減期を決めるようになっており、エキスパートジャッジを行った上で最終的に決定しております。これは告示でありますから大枠のみの記載であり、農薬ガイドラインの方で詳細に記載があります。委員御指摘の点については、私の知る範囲では大体書かれていると思われます。
       そして、保存の温度については、保存安定性を同時に行うということですから、マイナス5度とマイナス80度では全く異なりますが、行った条件で保存安定性を見ておくことである程度のことが担保されると思います。
  • 山田専門委員
       凍結温度は、ある程度の範囲はありますが世界でも大体同じです。温度はセットした温度になるわけではないので、実際の温度を記録するよう求めているわけです。
       最後に、13ページの最後のパラグラフについて、含水量が異なることから一般的に乾土当たりで表すので、乾土当たりの重量比で表すことには賛成です。
  • 山本分科会長
       それでは、そのほかに何かございますか。
  • 與語臨時委員
       12ページの残留リスクという言葉と13ページのリスクという言葉があるのですが、これは何のリスクを想定されているのでしょうか。
  • 環境省
       土壌中半減期を判定する試験法で得られた半減期の値によって、その後の後作物残留試験等を実施するか判断することになります。ここでいうリスクは、後作物を通じた人畜への農薬による影響がないか把握するという意味で使ってございます。
  • 與語臨時委員
       わかりました。ありがとうございます。
  • 山本分科会長
       他にございますか。
  • 小林臨時委員
       例えば、半減期がA土壌で150日、B土壌で200日だったときはどういう判定をされるのでしょうか。
  • 環境省
       半減期が長い方をとります。
  • 小林臨時委員
       長い方をとるのですよね。一方、日本は黒ボク土が多いことから、畑地の場合は黒ボク土を1か所含むこととなっていますが、黒ボク土は微生物が割と多い方なので分解が速いかと思います。分解が速い土壌がある一方で長い半減期をとるのには何か理由があるのでしょうか。
  • 環境省
       今回、食品安全委員会からのばらつきをなくす努力指示御指摘に基づき、日本全国で行われる一つ一つの試験について、ばらつきをなくすという観点から改正したいと考えております。ですので、一般的に日本で一番多い土壌を選ぶことにより、ばらつきが抑えられるのではないかと考えました。実際の判定については、安全面を考慮し、半減期が長い方をとると整理しております。
  • 山本分科会長
       よろしいでしょうか。
  • 山田専門委員
       ばらつきをなくしなさいということは、データをねつ造しなさいと言っていることと同じだと思います。
    Variabilityは、小さくしたくてもなくせません。一方で、Uncertainty(分析のばらつき)は小さくできます。できるだけ均一に撒きなさいとは言えますが、ばらつきをなくしなさいと言えば、メーカーさんにできるだけ同じ数字を2つ持ってくるようにと言っているようなもので、非常におかしな言い方です。
  • 山本分科会長
       食品安全委員会はそのようなことを言っているのではなくて、今までの告示に従っていると、いろいろな考え方により、サンプルのとり方や、まき方等人為的なばらつきの要素が入るので、ばらつきの人為的要素が入りうる箇所については、できるだけ直しましょうというのが今回の答申案だと私は理解しております。おそらく食品安全委員会も、今、山田委員がおっしゃったようなことについては承知しているかと思います。今までの告示のままでは私も思うところがいくつかあったので、このような改正は妥当であると私は考えております。
  • 山田専門委員
       私も改正はすべきだと思います。例数を増やせばばらつきは小さくなります。今まで日本の問題点は、農薬に限らず自然を相手にしているのだからばらつくのは当然であって、統計学的な分布ということを考えないところです。間違ったメッセージが伝わらないように、審議会として正しくすることも必要だと思います。
  • 山本分科会長
       全くそのとおりだと思います。ただ、この土壌残留試験で統計処理に耐えられるような点数を行うのは非常に大変ですので、両者のバランスが重要かと思います。他になにかございますか。
  • 小島委員
       この条件が実現した場合には、メーカー、生産者、消費者にとっては、どのような意義があるのか、教えていただけますでしょうか。
  • 環境省
       この試験は土壌中の半減期を判定するための試験で、その後の後作物残留試験を行うか行わないかにつながっております。
       実際に後作物残留試験を行った上で、食品の残留基準に適合したものが市場に出回るような農薬を登録するということになり、正しい科学的知見に基づいて、より適正な半減期の判定をできることによって、リスクを低くすることができるのではないかと考えております。
  • 小島委員
       より安全になるということでしょうか。生産者にとってはどうなのでしょうか。
  • 環境省
       的確に使用方法を指導することで、後作物で実際に農薬が検出されることが少なくなり、廃棄しなければならない農作物が減少することが考えられます。
  • 山本分科会長
       製造者に対する影響としては、今までよりは若干手間のかかる試験となることでしょうか。10センチメートル、20センチメートルと分けて採取することで、分析量が倍になりますが、更なる食品安全の向上に向けた取組みということで御理解いただきたいと思います。
  • 永吉臨時委員
       畑作の場合に、20センチメートルの深さまで採取するということは、作土の深さを20センチメートルとして考えるということですか。最初の処理量の計算をするときに、現行10センチメートルで計算していたのですが、これからは20センチメートルで計算するということでしょうか。
  • 環境省
       基本的に、20センチメートルで試験を行うということで、20センチメートルで考えていただければと思います。
  • 永吉臨時委員
       わかりました。
  • 山田専門委員
       世界で行われている方法をご説明しますと、Field dissipation studyは、実際の農業で使う農薬の使用方法をしたときにどうなるかについて見るものです。検出できない場合、半減期を計算できないので、実際に使う場合よりも高い濃度で使用し検出できるようにしますが、深さを考えて使用量を決めるものではないと思います。ほ場試験は実験室で行う試験と異なり、世界では、ほ場で農薬をラベルどおりに使用した場合の残留の程度を判断するための試験です。
  • 永吉臨時委員
       実際、土壌分析のときに、処理濃度を計算するために必要なのです。
  • 山本分科会長
       理論最大値の計算をするときに、10センチメートルに均一に分布、20センチメートルに均一に分布したとするのかどちらなのでしょうか。理論最大値は20センチメートルでしょうか。
  • 農薬国際審査官
       環境省の説明ですと、最後の判定は20センチメートルの土壌で判定するということになっていますので、そのときに考える理論最大量は20センチメートルで算出して考えるということです。水田であれば10センチメートル、畑地であれば20センチメートルで考えるということとなります。
  • 永吉臨時委員
       わかりました。
  • 山本分科会長
       そのほか、いかがでしょうか。
  • 小田臨時委員
       これまでと全く違う観点ですが、国際調和の流れの中、様々な試験方法が国際的なものに統一される動きであります。聞いたところによれば、求められる試験について試験受託機関が対応しきれない事態が発生しているとのこと。様々な試験方法が広がり登録が遅くなる懸念がある。
       新しい農薬は効果が非常に高いので、早く使いたいという農家の方もいらっしゃる。
  • 山本分科会長
       農薬対策室からお答えください。
  • 農薬対策室長
       当然、実行可能性についてもあわせて考える必要があります。小田委員がおっしゃったような問題は起こり得る話ですので、ケース・バイ・ケースになると思いますけれども、それぞれ考えていきたいと思います。
  • 山本分科会長
       様々な御意見をいただきましたが、改正内容について問題があるというような御意見はなかったと思います。山田委員からいただいた御意見については今後の通知やガイドラインの整理の御参考とされてください。先ほど報告いただいたような内容で答申しますが、よろしいでしょうか。それでは、答申案を配布いただけますか。
  • 農薬対策室長
       ありがとうございます。それでは、事務局から答申案を配付させていただきます。

(答申案配付)

  • 山本分科会長
       お手元に届きましたでしょうか。こちらで答申をさせていただくということにさせていただきます。
  • 農薬対策室長
       ありがとうございます。それでは、答申いただきました事項につきましては、今後、所要の手続を進めてまいりたいと思います。
  • 山本分科会長
       続いて2番目の飼料用農作物残留に係る農薬登録保留基準等の見直しについて、環境省から説明をお願いします。
  • 環境省
       続きまして、資料5-1でございます。
       飼料用農作物残留に係る農薬登録保留基準等の見直しに係る意見聴取ということで、環境大臣より農業資材審議会の会長宛てにお諮りをしているところでございます。
       こちらも先ほど御説明いたしました、農薬取締法第3条第2項の規定に基づく農薬取締法第3条第1項第4号から第7号までに掲げる場合に該当するかどうかの基準を定める等の件において規定いたします、今度は作物残留に係る農薬登録保留基準、それから土壌残留に係る農薬登録保留基準、今回は土壌残留の基準そのものにつきまして、別紙のとおり変更することについて、御意見を伺うものでございます。
       経緯から御説明をいたしますと、試料用農作物を介した農薬の畜産物への残留につきましては、これまで乳汁への農薬の移行があるかないか、その有無を確認する乳汁移行試験の結果によって、当該農薬が家畜体内に蓄積される性質を有するかどうかということを判断をしてきたところでございます。
       一方、我が国では、御承知のとおり、飼料用農作物の生産振興が進められておりまして、国内における飼料用農作物用の農薬登録の申請が拡大することが予想されることから、農林水産省では、農薬の畜産物への残留をより的確に把握するために、農薬登録申請の際に必要な試験方法を示しました農薬テストガイドラインを平成26年5月15日に改正しておりまして、乳汁移行試験に代え、家畜代謝試験と家畜残留試験を導入することとし、平成29年5月15日以降の農薬の登録申請について適用をすることとしています。
       このような状況に鑑みまして、これまで環境大臣が定める農薬登録保留基準につきましては、飼料用農作物残留に係る基準につきましては食品衛生法を引用していなかったのですが、食品衛生法の残留基準を引用した規定に改定し、農薬登録保留の判断基準を明確化する改正を行うこととしたものでございます。
       意見聴取を行う内容でございますけれども、資料5-3の2の(1)と(2)をご覧ください。
       作物残留に係る農薬登録保留基準のうち、農薬が残留した飼料用農作物を供した家畜から生産された畜産物を摂取した人への被害を生じないように定める基準について畜産物が食品衛生法に基づく食品の残留農薬基準に適合しない場合には登録保留とすると定めたいと考えております。
       別紙1をご覧ください。
       こちらは食用農作物に農薬を使う場合と、飼料用農作物に使う場合と規定が分かれてございまして、食用農作物につきましては、既に食品衛生法の残留農薬基準を超過しないことが定められておりますけれども、現行は、飼料用農作物につきましては、どのような農薬が残留をしているか、その上でその農薬が畜産物としての家畜の体内に蓄積される性質があるか、牛の乳汁への移行試験で判断をしていたものです。農薬テストガイドラインに家畜残留試験を導入したことによって、その値をもって厚生労働省に残留農薬基準の設定依頼が可能となり、これにより残留基準が定められることを見越しまして、こちらの登録保留基準におきましても、家畜から生産される畜産物に当該農薬の成分物質等が残留する場合には登録保留しますけれども、残留の程度が基準をクリアしている場合には、それに該当しないものとすることと定めさせていただきたいと考えております。
       続きまして、土壌残留についてです。土壌に残留した農薬が、後作として栽培された飼料用農作物に残留することを通じて人畜へ被害が生じないように定める基準でございますけれども、この飼料用農作物を供した家畜から生産された畜産物が食品衛生法に基づく食品の残留農薬基準に適合しない場合には登録保留すると定めたいと考えております。別紙2をご覧ください。
       こちらについても後作物が食用農作物の場合と、飼料用農作物の場合で規定が分かれておりまして、食用の場合には既に食品衛生法の残留農薬基準を引用してございますけれども、後作物が飼料用農作物の場合は、作物残留と同じく、家畜の体内に蓄積される性質があるかを乳汁への移行試験で乳汁に出るかで定性的に判断をしていたというところです。改正案では、家畜から生産される畜産物に当該農薬の成分物質等が残留基準を超える場合には登録を保留する規定に変更したいと思います。
  • 山本分科会長
       ありがとうございました。何か御意見ございましたら、お願いします。
  • 小島委員
       例えば、新しく申請される農薬で畜産物に当該農薬の成分物質が残留する場合、試験数が増えるわけですよね。それでは、過去に登録された農薬についても実施すべきという議論は起きてこないのでしょうか。
  • 農薬対策室長
       既に家畜代謝試験を導入しており、平成29年5月15日以降登録申請のあった農薬に適用することとしております。
  • 山本分科会長
       他によろしいですか。
  • 矢野臨時委員
       家畜代謝試験は既に導入されているということですが、家畜代謝試験や家畜残留試験は、どのようにして行われるのでしょうか。
  • 環境省
       家畜代謝試験につきましては、標識をつけた化合物が家畜内に取り込まれた場合の代謝の状況を確認するもので、主要な代謝物がどのような挙動をするのかについて、実際に山羊や産卵鶏で確認するものです。
       飼料は予想できる飼料の最大の負荷量で、残留農薬を一番摂取できるような飼料を与えて確認するものでございます。
       家畜残留試験につきましては、やはり搾乳牛と産卵鶏につきまして、残留農薬量が多くなるような飼料を28日間与えまして、臓器、筋肉、卵等への残留量を確認するものです。
  • 山本分科会長
       よろしいでしょうか。
  • 関田専門委員
       それでは、確立された試験方法があるということですね。試験に用いる家畜は高価であり、その週齢等は決まっていて、各器官への残留が食品衛生法の規定量以下ならば登録保留にならないという考え方なのですね。
  • 山本分科会長
       放射性同位体を使用するということで、扱える資格を持った海外の施設に試験を委託することが多く、プロトコルは決まっております。
       非常に大がかりな試験なので、国際調和の一環で導入するに当たっては議論があったものですが、メーカーの方々にも了承していただいた過去があります。
  • 関田専門委員
       わかりました。ありがとうございます。
  • 山本分科会長
       どうぞ。
  • 代田委員
       家畜と申しましても、家畜として規定されているものの中にも様々な種類がございますけれども、動物種というのは定められているのでしょうか。
  • 農薬国際審査官
       まず、家畜代謝試験については、反すう動物と家禽ということで、通常、泌乳山羊と産卵鶏を使うことになっております。家畜残留試験については、乳牛と産卵鶏で基本的には試験をすることになっています。ただ、山羊と産卵鶏で、代謝経路の違いが明らかになった場合、ブタでの試験を要求することもあります。
  • 代田委員
       ブタはオプションになるのですね。ありがとうございます。
  • 農薬国際審査官
       山羊と産卵鶏で代謝が変わらなければ、ブタも同じと考えて、残留量などを計算していきます。
  • 代田委員
       しかし、反すう獣と鳥類とで大きな違いがあると思うのですが、同等性のような基本的には大丈夫だというようなデータがあるのでしょうか。
  • 山田専門委員
       泌乳牛を用いる理由は、ほとんどの場合、乳牛の方においての方が、データは少ないですが豚の場合より残留が高くなることが多いからです。Codexでは、泌乳牛の試験結果で筋肉への残留量を計算し、他のほ乳動物に当てはめることとしています。そのデータは、実際にブタを用いた試験結果より高くなることが多く、また、ブタはミルクが出ません。肉牛も代わりに泌乳牛で行い、ミルクを出さない肉牛の場合、よりその分体内に残ると考えてある程度エキスパートジャッジメントで足さなければなりません。代謝試験はアイソトープを用い、呼気や汗、尿、ふん、全部とらないといけないので、通常は1頭で試験を行います。投与は1回投与もしくは長くても7日間投与ぐらいです。
       一方で残留試験は、アイソトープは使わず、プラトーに達していると思われる28日や30日間試験を行いますし、牛を1群最低3頭使用します。多くの場合、濃度は3段階で、コントロールを入れ4種類です。また、クリーンな飼料に変えたときに減少するか確認するdepletion studyも行うので1試験で20頭ほど必要となるため非常に高い試験です。このため、世界では、そもそも飼料になるものが何もないときには、家畜代謝試験が不要です。家畜代謝試験を、十分カバーできるほどの濃度で行えていれば、残留試験の代わりに代謝試験で基準値をつくることも可能です。例えば牧草への登録を要望する場合、家禽では行わなくてよいことになります。両試験、目的とするところが異なっており、家畜代謝試験はどのような代謝物がふん尿含めどこにあるか調べますが、それはマスバランスのために調べるのです。ふん尿に多いといってもふん尿に基準値をつけるわけではありません。乳や卵を含めて人が食べる部位のどこにいっているのか確認することが目的です。
       まさにおっしゃったように、反すう動物でないほ乳類については、それは毒性試験の方の代謝試験で、ラット、マウス、時には犬や猿で確認することにより動物全体で同じ代謝経路なのか、鳥類と反すう動物では全く異なる代謝経路なのか、おそらく業界方々にとって一番困ることは、植物でしかできない代謝物が大量に生産される場合または高濃度で見つかる場合に、安全性が知られている化合物であれば問題ありませんが、安全性が知られていない化合物の場合に、それを使った代謝試験を行わなければならないこともあります。代謝試験を行わなければならない場合にはきっちりと行うことが非常に重要となります。
  • 代田委員
       ブタがオプションになる根拠は、反すう家畜の方が基本的には残留量が高目に出るので、反すう家畜の方で見ておけば、基本的には安全を担保できるということでよろしいですか。
  • 山田専門委員
       そのとおりです。それは100%科学的に正しいとは限りませんが、マジョリティはそちらになります。
  • 山本分科会長
       ありがとうございました。そのほか御意見ございますか。
  • 山田専門委員
       情報提供させていただきたいのですけれども、飼料については、飼料安全法がありまして、飼料中の残留農薬の濃度の基準値等を決めております。飼料中の濃度がわかるので、そのデータを使って畜産物の基準値も計算しています。ただ、御存知のとおり、ポジティブリストに追いつかない状態です。例えばエトフェンプロックスのように脂溶性が非常に高くて、飼料として摂取すれば必ず脂肪部分に蓄積するものについては、しっかり暴露評価も行い、消費者の方々にとって安全かどうかを確認し、農水省から厚労省にそれに応じた新しい基準値の設定依頼を行っております。畜産物や飼料のことについては、農水省内の別部署にて対応しているところです。体内に蓄積しないということはふん尿に出ていくということで、環境面から考えた場合、体内に蓄積しない方が問題なのではないのかと思いますがいかがでしょうか。
  • 大森臨時委員
       ふん尿に排泄される方が環境に問題あるのではないかという御意見について、水産に携わる我々としましては、非常に重要な問題だと考えておりますので、どういった形で環境に影響を及ぼさないよう処理されるか、しっかりと担保していただきたいと思います。
  • 環境省
       御指摘ありがとうございます。私どもも知見を蓄えてまいりたいと思います。
  • 梅田委員
       今回、乳汁への移行試験から家畜代謝試験を行うということで、代謝産物の何らかのデータも出てくるという前向きな考え方もあると思います。代謝産物の影響についても、今後このような試験の変更に伴って行っていただければと思います。
  • 山本分科会長
       ラットを用いた動物代謝試験であれば、様々な代謝物を全て同定し、ある一定以上の比率で出てくるようなものについては、別途、毒性試験を行う仕組みとなっております。
  • 梅田委員
       乳汁への移行試験は、そのものが乳汁に移行するかどうか確認する試験ですけれども、代謝試験は、代謝産物も含めどのような代謝経路になるか明らかにする試験です。そういった意味では、今回のこの変更は、代謝産物の影響といった部分に関しても、よい方向に変更されていると思います。
  • 山本分科会長
       ありがとうございました。特別問題はないということで、答申案を配布いただけますか。
  • 農薬対策室長
       ありがとうございます。それでは、答申案を配付させていただきます。

(答申案配付)

  • 山本分科会長
       お手元に渡りましたでしょうか。先ほどと同じように、諮問のとおりの内容で改正するのが適当であるといった答申を環境大臣宛てに農業資材審議会から出したいと思いますが、よろしいでしょうか。
  • 農薬対策室長
       ありがとうございます。今後、同様に所要の手続をとらせていただきます。ありがとうございました。
  • 山本分科会長
       ありがとうございました。審議事項は以上でございます。それでは、報告事項であります検査法部会における審議結果等について、御説明をお願いします。
  • 農薬国際審査官
       資料6に基づきまして、報告させていただきます。農業資材審議会農薬分科会検査法部会においては、市販される農薬の製造に用いられる有効成分、これを農薬原体といいますが、農薬原体が農薬の安全性を評価する毒性試験に用いられた農薬原体と同等であることを担保して、農薬の品質と、安全性を確保するために設定する農薬原体の成分規格、これは農薬原体中の有効成分と考慮すべき毒性を有する不純物の含有量に関する規格として、農薬取締法第14条第3項の検査方法として定めることにしておりますが、それを検討することとしています。
       検査法部会におきましては、個々の農薬原体についての審議に先立ちまして、まず平成27年12月22日に第1回部会を開きまして、部会で用いる審議資料等の取扱いと、利益相反の防止について取りまとめております。
       資料6-1の裏を御覧ください。まず、用いる審議資料につきましては、申請者の知的財産として保護すべきものですとか、農薬原体の製造上のノウハウに直結する有効成分や不純物の含有量に関する情報を含む資料については非公表として、転記や複製を禁じるとともに、審議で使った資料は審議終了後に事務局が回収することとしております。議事内容につきましては、個別の農薬原体の成分規格に関する審議が行われる場合には、その議事は非公開として、議事要旨のみを一般の閲覧に供することとしております。議事要旨には、成分規格の設定根拠を簡潔に記載すること、成分規格に含まれない不純物に関する情報や、農薬原体の製造方法に関する情報は、記載しないということにいたしました。そして、部会の審議を通じて知り得た情報については、委員はそういった情報について部会の委員や事務局以外の者に提供、公にしてはならないことを取り決めいたしました。
       次に、利益相反の防止については資料6-2を御覧ください。「記」以下に書いてありますとおり、審議する農薬について、その申請資料等の作成に関与している場合、審議する農薬の企業、申請者である企業に雇用等の関係がある場合、そういった方々との金品の授受がある場合については、利益相反があると考え、原則として審議の行われる間は退席を求めるということを取り決めました。裏面に、農薬の審議ごとに、委員から自己申告していただく申告書を規定しております。
       第1回部会では、以上について取り決めました。その後、平成28年3月29日に第2回部会を開きまして、農薬原体の成分規格の設定に必要な試験成績や評価方法について、審議をいたしました。その結果を資料6-3から資料6-6として取りまとめまして、平成28年6月3日に公表しております。簡単に中身を御説明しますと、資料6-3ついては、農薬原体の成分規格の設定に用いる試験成績を定めております。
       1ページを御覧いただきまして、農薬原体中に含有される有効成分や添加物、不純物の基本情報や含有量に関する情報を求めることとしています。3ページ、有効成分の物理的・化学的性状として、蒸気圧、融点、沸点等の試験成績を用いるということとしております。5ページ、農薬原体の製造方法として、製造場、原料、合成工程等の製造方法に関する情報を求めることとしております。6ページ、農薬原体中に含有されると考えられる不純物、それらが含有されると考えられる要因を推察できる情報を求めることとしております。組成分析として、実際に農薬原体中の有効成分などの含有量を分析した試験成績が必要となります。10ページ、農薬原体の規格をつくることから、農薬原体中に含有される有効成分や添加物、不純物の含有量の上限値や下限値の設定に関する情報を求めることとしています。11ページ、有効成分、添加物、不純物の毒性に関する試験成績が必要です。14ページ、農薬の製造に用いる農薬原体と、毒性試験に用いた農薬原体と同等と考えられる理由を報告することとしております。15ページ、農薬取締法第14条第3項の検査方法で用いる農薬原体の分析法に関する情報が必要です。
       資料6-4は、農薬原体の成分規格の設定方法を取りまとめたもので、2ページを御覧ください。農薬原体中の含有量の設定をする対象は、有効成分や添加物、農薬原体中の含有量が1g/kg以上の不純物、そして考慮すべき毒性を有する不純物としました。有効成分については含有量の下限値、添加物については上限値と下限値、不純物については上限値を設定することとしました。上限値や下限値については、農薬原体の組成分析の結果に基づきまして、その平均値と標準偏差から求め、平均値±3SDを根拠とすることを原則として定めます。上限値や下限値の有効数字等は、100g/kg未満の場合では1桁で、それ以上の場合では2桁として、上限値は切り上げ、下限値は切り捨てることを取り決めております。次に、考慮すべき毒性を有する不純物の決定方法について、資料6-5を御覧ください。考慮すべき毒性を有する不純物として、まずどういったものを検討対象にするかということで、組成分析で定量されている不純物について検討します。そういった不純物については、毒物、劇物等に相当する強い急性毒性がないか、変異原性、発がん性、催奇形性、神経毒性がないかについて検討することとします。このような毒性があった場合には、毒性試験に用いる農薬原体と比較して、その不純物の毒性によってもともとの農薬原体の毒性が強くなると考えられる不純物、もしくは遺伝毒性発がん物質等、閾値が設定できない毒性を有する不純物、標的臓器が異なることが明らかである等、もともとの農薬原体がもつ毒性と異なる毒性をもつ不純物については、農薬原体の毒性に影響を与え得る考慮すべき毒性を有する不純物であると取り決めております。
       最後に、資料6-6を御覧ください。農薬原体の同等性の評価方法について農薬原体の製造方法の変更、製造場の変更や追加をする場合に、今まで使っていた農薬原体と異なる新たな農薬原体が製造に用いられる場合の同等性の評価の考え方を取り決めました。
       評価は2段階制で行い、第1段階は成分組成比較による評価です。有効成分の含有量がもとの農薬原体の成分規格を満たしていること、考慮すべき毒性を有する不純物の含有量が成分規格を満たすこと、新たな農薬原体に、もとの農薬原体と異なる新たな添加物や不純物が含まれないこと、もともと含まれていた添加物や不純物については、記載あるとおり、含有量が6g/kg以下の場合には変動量が3g/kg以下であること、6g/kgを超える場合には変動量が50%以下であることを判断基準にして同等と判断することと整理しております。そして、成分規格が同等であると判断できない場合には、第2段階で毒性の比較により評価します。判断基準は4ページを御覧ください。まず、個別の添加物、不純物、量が増えた添加物や不純物が農薬原体の毒性に影響を与えることはないと考えられる場合、先ほどの考慮すべき毒性を有する不純物の決定方法もとの農薬原体の毒性に影響を与えることはないと判断されれば同等であると判断します。毒性に影響を与え得ると考えられる場合には、新たな農薬原体を用いた毒性と、既に評価している農薬原体の毒性を比較して、毒性が2倍以上強くならない場合、毒性区分を分類する毒性試験の場合においてより強い毒性区分にならない場合、陽性又は陰性を判定する毒性試験の場合において、判定結果に変更がない場合には同等と判断することと整理しております。2回の部会ではこういった資料を取りまとめまして、この資料6-3から資料6-6に基づいて、申請者に提出していただく試験成績を定めている通知や申請書の様式を定めている施行規則を昨年10月31日に改正し、平成29年4月1日から施行することとしております。
       今後の予定については、4月以降施行された施行規則や通知に基づいて申請されてくる新規有効成分を含む農薬や既登録農薬で申請者が製造方法を変更したい等、成分規格の設定をしたいと希望する農薬を対象として、検査法部会において審議を行っていくこととしております。これら個々の審議を行いましたら、農薬分科会が開催される際に、御報告をしたいと考えております。以上です。
  • 山本分科会長
       ありがとうございました。何か御質問や御意見ありますでしょうか。
  • 矢野臨時委員
       検査法部会の設置に当たっては我々も様々な論議を行い、得られた課題にはきちんと対応いただいたということで、大変ありがたく思っております。特に審議結果の資料の扱いや利益相反への配慮がしっかりなされ、各委員へ議事概要が速やかに送付されており、全体的に非常に丁寧な運営がなされていることに大変安堵しております。国民の行政への信頼につながる大事なことであると思っておりますので、スタートしたばかりですが、今後こういったことが形式的にならないように、引き続き緊張感を持って対応していただきたいと要望するところです。
  • 山本分科会長
       ありがとうございました。
  • 小田臨時委員
       国によっては原体規格の一部が公開されているという話を聞いたことがあるのですが、公開する考えはあるのでしょうか。データを保有するメーカーの権利も当然あるかと思います。また、データ保護期間後はどうなるのでしょうか。今後、原体規格ができたとき、原体規格から外れていた場合に、異なる点について明確に教えてもらえるのか、お考えをお聞かせください。
  • 山本分科会長
       農薬対策室からお答えください。
  • 食品安全情報分析官
       最初の規格をどこまで公開するかについては、資料6に書いておりますように、有効成分の含有量、考慮すべき毒性を有する不純物の含有量について公開します。どこまで公開するかに関しては、部会にて審議しております。欧州では同じ基準で公開していますが、一方、アメリカはメーカーの権利保護を重視していることから、全く公開をしておりません。基本的には、後発剤の場合でありましても同じ有効成分の別原体ということですので、新たな農薬原体が出たときの同等性の評価方法に基づきまして、同等性がある範囲内であればデータを、保護期間が切れておりましたら、その範囲で先行剤の利用ができるような形になるのではないかと思います。
  • 小田臨時委員
       アウトスペックだった場合に、アウトである旨のみを伝えるのか、それとも、異なる点についても言及するのか、お考えありましたらお願いします。
  • 食品安全情報分析官
       公開できる範囲を逸脱しては基本的には申し上げられません。
  • 小田臨時委員
       スペックアウトと判断した場合、データ提出者にどのような対応をとるかは、議論が必要なところと考えます。この対応については今後も協議をよろしくお願いします。
  • 山本分科会長
       同等性といっても多少幅がありますので具体的にはこれから検査法部会で御議論いただきたいと思います。また、先ほど矢野委員からもございましたように、農薬分科会が開かれたときに、部会の報告もあわせてよろしくお願いしたいと思います。
       以上で本日の審議事項2件、検査法部会における審議結果の報告が終了しましたが、そのほかに何かありましたらお願いします。
  • 安藤委員
       農薬を使用した飼料を食べた家畜の肉等のモニタリングは行うのでしょうか。
  • 農薬対策室長
       使用した農薬がどのように残留するかというモニタリングに関しまして、食品として農薬がどれくらい残留しているのかについては、厚生労働省が食品衛生法に基づき判断しています。国内であれば保健所等の衛生部局が行うモニタリングの対象になります。
  • 安藤委員
       既に登録された農薬についても、試験データとモニタリングデータで同じような数値になっているのでしょうか。いずれにせよ、モニタリングはきっちり行っていただきたいと思っております。
  • 山田専門委員
       情報提供ですけれども、畜産物の基準値は、最大限含むと仮定した場合の飼料中濃度と残留試験と比較します。農薬の基準値は、正しく農薬を使っているかを知るための指標です。そして同時に、安全も担保しないといけないということになっているので、最大濃度を超える農薬を含む飼料を与えなければ、通常超えない量として作られています。例えば野菜とか果物であれば、地方の農協によっては出荷前に測っています。検出されてしまってからその地方の衛生部や保健所が測ることもありますけれども、モニタリングはそれなりにやっているはずです。ですので、農薬の基準は農薬を正しく使用している基準としてみられることが多いのです。
  • 山本分科会長
       農薬対策室長からありましたように、衛生部局が監視するということから、一定のデータを持っているかもしれません。日本では違反が出れば全部廃棄してしまいますが、リスク管理の一貫としてそのデータを使用、原因究明のために用いられるとよいと思っております。それでは、これで終了させていただいて、進行を事務局にお返ししたいと思います。ありがとうございました。
  • 農薬対策室長
       本日は御熱心に御審議賜りまして、厚く御礼を申し上げます。今回の議事概要及び議事録につきましては、事務局で案を作成後、委員の了解を得て、発言者の氏名とあわせて公開することとなります。事務局案ができましたら、御確認をお願いいたします。以上をもちまして、本日の農業資材審議会農薬分科会は閉会となります。この農業資材審議会の委員の任期が平成29年3月末までとなっておりますので、このメンバーによる御審議は今回で最後かと思います。回数は少なかったですが、今後の農薬行政にかかわる大きな方向を決めていただくということで、重要な審議をしていただきました。本当にありがとうございました。一部の委員におかれましては、交代ということがあるかもしれませんけれども、引き続きこのような審議を続けていく所存でありますので、今後ともよろしくお願いいたします。以上で今回の御審議を終えていただきたいと思います。本当にありがとうございました。

午後4時02分   閉会