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消費者相談

電気炊飯器の取扱説明書に「硬度の高い水で炊飯すると硬くなったり、色が悪くなる」と注意書きされています、また、アルカリイオン水でも同じく黄色く炊きあがるようですがその理由はなぜですか。

回答

硬度の高いミネラルウォーター(一般に300以上)で炊飯した時、ご飯が黄色く仕上がりますが、これはアミノカルボニル反応(メイラード反応)が主な理由であると考えられます。アミノカルボニル反応とは、糖とアミノ酸が反応してメラノイジンと呼ばれる褐色系の物質を作る化学反応で、ご飯には糖およびアミノ酸が含まれているため、この両者が反応して黄色に変色し、反応は温度が高温であるほど促進されます。
お米での代表的な事例は、炊飯時のおこげ形成やご飯を炊飯器で長時間保温時に発生する黄変があります。また、この反応を利用した加工・調理技術としては、煎餅などの米菓製造時の焼成過程における焼き色、芳香づくりなどがこれにあたります。
ミネラルウォーターで炊飯した場合、市販品の大部分のpH(ピーエイチ)は、通常の水のpH(水道水の基準はpH 5.8 以上8.6以下)の範囲内であり、pHの影響は大きくないといえます。しかし、高硬度ミネラルウォーター中には、カルシウムやマグネシウムが存在しており、過去の研究報告例で「カルシウムやマグネシウムがアミノカルボニル反応を促進している。」というものがあり、ご飯が黄変する理由と考えられます。
また、ミネラルウォーター中のカルシウムは、お米表層の繊維物質、ペクチンなどと結合しやすく、それが米粒の吸水を阻害するため、その結果、ご飯が硬く炊き上がり、パサパサになってしまう原因となります。
一方、アルカリイオン水による炊飯時のご飯の黄変は、アルカリ性が強い状態(目安としてpH8以上)で進行するものがあります。メカニズムは、はっきりと解明されておりませんが、お米表層に存在する脂質や繊維物質等がアルカリ性の状態で、黄変すると考えられています。アルカリイオン水とお米が接触しただけで、炊飯前の吸水段階でも変色が見られることもあり、この場合は炊飯後も黄色味を帯びたご飯となります。アルカリイオン水には、カルシウムを含むものもありますが、濃度は硬水ほど高くないのが一般的で、アルカリイオン水を使用した場合の黄変は、pHの影響が最も大きいことになります。

お米の黄変には、前出の変色のほかに、貯蔵による古米化で脂質等が酸化し、外観が黄色くなる場合、お米に着生した微生物が原因で炊飯後に変色する場合などがあります。

(注:水の硬度とは、カルシウムイオン、マグネシウムイオンの溶存量の度合を指し、水1,000cm3中に酸化カルシウム(CaO)として1mgを含むとき1度とし、マグネシウムは1.4MgO:1CaOに換算します。日本では水道法の規定に基づく水質基準の厚生労働省令で、水道水は「カルシウム、マグネシウム等(硬度):300mg/L以下」の基準となっています。)

 

参考資料

 

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