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日本農林規格調査会議事録(平成30年6月1日開催)

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1.日時及び場所

日時:平成30年6月1日(金曜日)
場所:農林水産省特別第3会議室
時間:10時30分~11時53分

2.議題

(1)「日本農林規格の制定・見直しの基準」の見直しについて
(2)JAS制度の今後の展開について
  内外における訴求力向上のためのJASマークの見直しについて
  JASの新たな取組について
(3)平成29年度第2回農林物資規格調査会試験方法分科会報告
(4)日本農林規格の制定及び改正について
  接着重ね材の日本農林規格(新規制定)
  接着合せ材の日本農林規格(新規制定)
  製材の日本農林規格(一部改正)
  直交集成板の日本農林規格(一部改正)

3.議事内容

午前10時30分開会

中村規格専門官 それでは、定刻になりましたので、日本農林規格調査会を開会させていただきます。

事務局の中村でございます。

皆様にはご多忙のところご出席いただきまして、ありがとうございます。

本日は、ご参集の委員、臨時委員の9名のうち、折戸委員が所用にて欠席とのご連絡を受けております。日本農林規格調査会令第7条第1項の規定に基づき、本会議は成立しております。

なお、本会は公開で行います。事前に本日の傍聴を希望される方を公募いたしましたところ、25名の応募がありまして、現在傍聴されております。

それでは、議事進行を議長の中嶋会長にお渡しいたします。

中嶋会長 おはようございます。中嶋でございます。本日もよろしくお願いいたします。

それでは、議事次第に従いまして、まず初めに新井審議官からご挨拶をお願いいたします。

新井輸出促進審議官 皆様、こんにちは。ご紹介いただきました食料産業局の審議官の新井と申します。日本農林規格調査会の開催に当たりまして、ご挨拶を申し上げたいと思っております。

本日は、まことにお忙しい中、本調査会にご出席を賜り、ありがとうございます。

私自身も実はこのJAS、昔、課長の時代、それから実は係長の時代もやっておりまして、大変、個人的にも非常に愛着がある制度でございます。

JASがこれから国内でいろんな形で使われるとともに、恐らく海外にもJASのクオリティのものというのが出ていけるような時代になってくるのかなと。昔から海外にも認証工場がございますので、国際的に開かれた制度ではありますので、そういう形でJASのますますの発展に向けて、皆様のご審議をいただいたものが実際に使われていくといった形にしていきたいと思っているところでございます。

JASは、まさに第三者認証の制度でございます。今、第三者認証というのが世界的に、民間の規格ではありますけれども、大きな潮流になっているということでございます。いろんな意味で、第三者認証をした環境に配慮したものとか、第三者認証の生産工程というものが世界的にいろいろな形で広がっていくということで、JASのこの制度というのは実は非常に誇るべき制度ではないのかなと思っております。そういう意味では、これからのJASの発展のために、これからの調査会で厳しいご審議をいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

本日はどうもありがとうございます。

中嶋会長 ありがとうございました。

続いて、調査会の議事録署名人の指名を行いたいと思います。

日本農林規格調査会運営規程第11条により、会長が指名することとなっておりますので、鈴木委員とそれから清野臨時委員にお願いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。

それでは次に、事務局から資料の確認及び議事内容の公表についてのご説明をお願いいたします。

中村規格専門官 それでは、資料の確認をさせていただきます。

本日の調査会は紙の席上配付は最小限とし、タブレットパソコンにて資料をご覧いただく形にしております。説明に合わせてご覧いただきますよう、お願い申し上げます。

また、新規格の制定申出書の参考資料は一旦閉じてもらって、デスクトップの上にそれぞれ置いてあります。そちらを必要に応じてご覧いただければと存じます。うまく動かないようなことがありましたら、事務局員がサポートいたしますので、会議の最中であっても事務局員のほうにお知らせください。

よろしいでしょうか。

次に、本日の議事内容ですが、ご発言いただいた方々のお名前を明記の上、後日、農林水産省のホームページで公表いたしますのでご了承願います。

以上でございます。

中嶋会長 ありがとうございました。

それでは、議題に入りたいと存じます。

議題の(1)ですが、JAS規格の制定・見直しの基準について、形式的な改正が必要でありますので、皆様にお諮りしたいと思います。

資料2をご覧ください。

現在の基準には、旧法の名称である「農林物資の規格化等に関する法律」と引用されている部分がありますが、法律名の改正に伴い、「日本農林規格等に関する法律」と、新法の名称に改めることとしたいと存じます。

また、現在の基準には「JAS規格」とありますが、JASの「S」はスタンダードの意味でございまして、農林水産省も今後、「JAS規格」ではなく、「JAS」との呼称に改めるということですので、この際、「JAS」と改正したいと存じます。

よろしいでしょうか。

ありがとうございます。

それでは、案のとおり改正したいと思います。

続きまして、議題の(2)JAS制度の今後の展開について、事務局からご説明いただきたいと思います。

松本基準認証室長 それでは、お手元のタブレット上、資料3という資料がございますけれども、そちらをお開きください。

2枚おめくりいただければと思います。

今日お話しさせていただきます内容ですけれども、まずJASマークに関するお話と、今、我々が新たに取り組んでいる取り組みについてご紹介をさせていただきまして、委員各位からのご知見、ご見識をお聞かせいただければと思っております。

まず、差別化目的のJASに対応する新マークというスライドがございます。

JAS、従来の平準化目的がメーンであった仕組みでありましたけれども、その仕組みは、昨年の制度改正によりまして、差別化を目的とする、あるいはブランド化のためのツールとして使っていくというように、使いやすい制度に改めるということで、例えばその規格の対象を広げるでありますとか、あるいは、事業者の皆様あるいは産地の皆様からのご提案に基づきまして規格化を進めていくといったようなスキームに改めたところでございます。こうした新しい枠組みのもとで、今後のJAS、その認証取得が、海外市場も含めまして高い訴求力を持つような差別化目的の規格の制定・活用、これを推進していくということとしております。

そうした中で、現行におきましても、必ずしもメーンというわけではございませんが、差別化目的のJASがいくつかございます。今、こちらの資料の左下のところに青いJASのマーク、あるいはこの緑の有機のJASのマーク、こうしたマークが複数存在しているところでございます。今のところメーンではないということもありまして、数も少ないので、どの規格とどのマークが対応しているのかということも比較的明確といえば明確なわけなんですけれども、ただ、今後、こうした差別化目的のJASをたくさんつくっていくということになりますと、マークが複数あると、やはりマークの訴求力、規格・認証の訴求力というのが分散してしまうだろうということもございますので、この際、新しいマークをつくると。新しいマークにこの既存のマークを集約していくというようなことを考えておるというお話をさせていただきました。

それから、その際に、いろんなマークが1つのマークに収れんしていくと何で区別をつけるのかということもございますので、認証内容が一見してわかるような標語をつけていくと。こういったような方向を、前回もお話をさせていただきましたけれども、その際、里井委員からも、新しいマークをつくるのはいいけれども、今みたいに認知が低いのでは意味がないのではないかということで、しっかりと認知を広げていくような取り組みをすべきだというお話をいただきました。

そうしたこともございまして、これを今後どうやって広めていくのかということの一環として、今、マーク自体はデザイン化の作業を進めているところであり、資料の右側にあります今後のプロセスにもございますけれども、これを一般投票、国民の皆様にいくつか案を提示して、どれがいいのかを選んでいただくと。その際に、日本国内だけではなくて、海外の方のコメントなり海外の方々の意向というのも把握した上で決めていくという趣旨で、在外の投票も実施しようと検討しております。こうした形で定めて、夏以降、新しいマークを決定いたしまして、イベント等々、あらゆる機会を捉えまして新しいマークをプロモーションしていくというようなところを考えておるところでございます。

そして、次のスライドをご覧ください。

今、認証内容がわかる標語を付していくというお話をさせていただきましたけれども、実際にどういう標語をつけていくのかということも、今あわせて検討しております。

まず、どういうものについて標語をつけていくのかということを簡単に記載させていただいておりますけれども、まず一般消費者向けの規格、これは必須だろうと思っております。また、日本だけではなくて、海外市場においても訴求をしていくということもございますので、日英両語の標語を設定しようというふうに思っております。これらにつきましては、事業者の皆様の反応あるいはマーケットの反応といったものを見る必要があるということでありますとか、あるいはその激変緩和といったような意味もございますので、当面は旧様式との併存も可能という形で、まずはスタートをさせていきたいと思っているところでございます。

実際、既存の規格をベースに、どういった標語をつけていくのかという案をお示ししております。こちらの案につきましても、先ほどのプロセスの中で、夏以降、正式に決定していきたいと思っておりますが、現状、右側にマークが並んでおります。一番上の丸いJAS、これは伝統的ないわゆる品質を保証するJASであります。それから、2つ目が、これが有機を意味しているJASであります。

それから、3つ目のカテゴリーですけれども、こちらは現状では青いJASがつけられるというものでございまして、こちらは地鶏肉でありますとか手延べそうめんでありますとか、ここに書いているようなものが対応しているところでございますが、これはそれぞれに、例えば品質のものであれば日本品質というような名称をつけ、これに対応する英語として、Japan Qualityと。また、この品質を保証するものの中には、特級・上級・標準というクラス分けのあるものがございますので、それぞれに対応する形で、特級・上級・標準と、英語もJapan Extra-high QualityJapan High QualityJapan Qualityといったような標語にしてはどうかと。それからまた、有機ですけれども、有機は有機、英語だとOrganicという形でどうかと考えております。また、以下にも、地鶏肉であれば、Jidori chickenでありますとか、あるいは、この熟成、今、熟成ハム、熟成ソーセージというのがございますけれども、こうしたものについては、熟成を意味するAgedといったような、こういったようなアイデアを今考えているところでございます。

マークの話は以上でございます。

続きまして、次の資料をご覧ください。

JASの新たな取り組みという資料になってございます。新たなJASのもとで、今も差別化につながる多様な規格というのを作成しているところでございます。

そうした新たな取り組みとして、まず1つ目が、次のスライドをご覧ください。SDGsの実現に資するモデルのJAS化と、こういったものを取り組んでおりますので、こちらについて簡単にご紹介をしたいと思います。

今いろんな社会的な課題がございますけれども、こうした社会的課題をどう解決していくのかということ、これは人類共通の課題でもあるわけですけれども、こうした課題の解決をしていく一つのモデルの中に、自国あるいは自社の強み・優位性が発揮できるようなモデルをつくって標準化していくという動きが大分加速をしているというように思われます。特に、近年ではSDGsに注目が集まっておりまして、このSDGsに掲げられております課題解決のモデルに、そうした自国の強みを盛り込んでいくというような動きが大分盛んに行われていると。

こうした動きもございますので、JASの分野においてもこうした動きを捉えまして、日本の強みがアピールできるような、そうした規格をつくっていこうではないかということで、現在いくつか取り組んでおります。そのうちの2つほどご紹介をしたいと思います。

まず、1つ目が、左下のところに、完全養殖技術による持続可能な水産養殖のJASというのを掲げさせていただいております。こちら、完全養殖でありますので、当然、持続可能性が高いと。この完全養殖という技術は、これは我が国の強みだろうと考えております。これをJASにしていくと。これで認証を取っていただくということで、今この持続可能性ということについては、このASCという国際規格、国際基準があるわけですけれども、こうした国際基準よりもさらに一段上の、今の国際基準では完全養殖というところまでは要求はされていないわけですけれども、それを超える技術、それを超える高い持続可能性ということをアピールをしていくということにつながるのではないだろうかと思っております。

これは前回、米岡委員からISOが万能ではなくてという、その国際規格が必ずしも万能ではないというお話をいただきましたけれども、そうしたお話も踏まえまして、こちらもそうした既存のASCという国際規格、これをベースに、それより一段上の上乗せのものだという、そうした形でJASを使っていったらどうかというようなアイデアでございます。

それから、2つ目が、右側にございます障がい障がい者が主体的に携わって生産された農産物のJASといったもので、こうしたものも現在、規格化に取り組んでおります。こちらの規格ができますと、枠の中にございますけれども、就労不足と低賃金の解決というような、こうした福祉的な側面と、それから農業の担い手不足や耕作放棄地の再生といったような、この農政上の課題といったようなものにも対応し得るものになるだろうと思いますし、また、これは日本版フェアトレードと言えるようなものだろうと思いますけれども、こうしたものをこの国際規格にしていくと。そうしますと、日本版フェアトレードのようなものは恐らく欧米でも賛同者が結構いるだろうと。その賛同者、支援者層、これを広く発掘することで、先行してこうした取り組みを行っている我が国が優位性を発揮できるのではないかと、こうしたアイデアでございます。

従来なかったようなコンセプト、従来なかったようなタイプのJAS化に今取り組んでおりまして、できれば秋以降、早いタイミングで審議会のほうにもお諮りできればと考えているところでございます。

それから、2つ目でございます。次のスライドをご覧ください。

こちらは、規格そのものは既存の規格の見直しになります。既存のものにつきましても、JAS、新たな展開ということで検討をしているところでございます。題名に、「JASを通じた安全管理の実践」と書かせていただいておりますけれども、こちらは従来の品質に関するJAS、こちらのJAS認証に当たりましては、規格に定められた品質を維持するために必要となる一定の管理方法あるいは施設、こうしたものを要求してございます。例えば、その規格上、一定の成分であるとか、あるいは特定の原材料というような基準が定められておりまして、製品そのものがそうした成分を満たしているかでありますとか、そうした原料を使っているかとか、そうした基準になっているわけですけれども、そうした品質を維持できるようにするための、こうしたいわゆるマネジメントの仕組みも備わっているのかどうかということ自体も、JASはこの認証の技術的基準という形で要求をしているところでございます。

他方で、こうした管理の方法というのは、そのおいしさを維持するためには温度管理が必要ですので、温度管理をしなさいでありますとか、あるいは原料管理をしなさいというようなことが基準に書かれているわけなんですけれども、こうした基準というのは、おいしさという意味での品質管理上必要だということでJASは要求をしているわけですけれども、これはとりもなおさず、安全管理上も当然その殺菌といったような観点からすれば、やはり温度管理は重要になりますし、あるいは異物混入といった観点からは同じように原料管理というのが求められるということで、JASの認証を取得していらっしゃる事業者の方は、品質管理の要求事項を満たしておりますので、同時に安全管理上必要な要求事項も一定程度満たしていると、実践しているはずであると、こうした実態にございます。

下の図、若干わかりにくくて恐縮なんですが、下の図をご覧いただければと思います。

これは、青い実線で書かれている部分が、これがJASで要求されている、JASの品質管理上、要求している要求事項の範囲だとお考えください。赤がいわゆる安全管理上、最低限必要とされる範囲とお考えいただければと思います。この中で、適正な温度管理でありますとか適正な原料管理ということを例示させていただきましたけれども、この中にも書かせていただいております。こちらは温度管理、先ほども申し上げましたけれども、おいしさを維持するためにも温度管理は適正でなければならない。例えばですが、JASであれば、うまみを醸成するために温度の管理、最初は低温から徐々に高温にしていくと、そういった温度管理をしっかり行うといった基準が例えば必要になってきます。

他方で、安全管理の観点からも、一定の温度を下回ってはいけないというような形で、やはり温度管理というのはしているわけでございます。適正な原料管理も、もちろんこれは異物混入してはいけないということでの原料管理もそうですけれども、またおいしさとか品質ということの意味では、例えばこの産地の管理でありますとか品種の管理でありますとか、そうしたことも含めて管理をしているということですので、非常にこの重複している部分が広いだろうということがございます。

他方で、今般、HACCPを食品衛生法上も制度化していくといったような動きもあります。そうした中で、JASの認証を取得すれば、そうした最低限必要とされる安全管理といったものも、これも実践していると言えるようにしていくと、JASの認証の価値そのものがまた上がっていくだろうと考えておりまして、下の図で申し上げますと、青の実線と赤の実線が今、重複していない部分、例えばこの従業員の健康管理の実施でありますとか、トイレの洗浄・消毒の徹底と、こういった内容は安全管理上は必要とされるものですけれども、JASでは要求をしていないというところがございます。こうした部分にまでJASの要求事項を広げていくと、こうしたことを今、検討してございます。

それから、同時に、いわゆる安全管理の部分にはさらに認証の仕組みがございます。今、農水省もJFSといったものを推奨しているわけですけれども、そうした安全管理の認証というのは、これはイメージ図ですけれども、この黒の点線部分、いわゆる安全管理が最低限必要とされるこの赤の実線を超える範囲のものを、こちらを要求事項としておりまして、これを満たしているということで認証を受けているということがございます。したがって、当然このJASの認証と安全管理の認証もかぶってくる部分、この安全管理の部分がかぶってきますので、こうした安全管理の認証を取得している事業者の方が新たにJASの認証を取得しようというようなケースにおいては、この重複している部分の審査・監査、こうしたものを簡素化するということで、手間をかけずに相互の認証が取れるようにするというようにしたいと考えているところでございます。

こうした認証で、複数の認証で似たようなところをチェックしているんじゃないかと、そうしたものがコストの増高要因になっていて、かえって認証が取得しにくいのではないかと、こうしたご指摘は、去年のJAS法の改正に当たっての国会の審議等でも、かなり大きな議論になったところでございまして、こうした形で一つの答えを出していきたいと考えているところでございます。

資料3につきましては、以上でございます。

中嶋会長 ありがとうございました。

ただいま、JAS制度の今後の展開についてご説明いただきました。ご質問、ご意見をいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

それでは、米岡委員、その後、森光委員、お願いいたします。

米岡委員 米岡でございます。ご説明、どうもありがとうございました。

最後の説明の部分につきまして、質問というよりはコメントをさせていただきたいと考えてございます。

今ご説明ございましたのは、かねてからございました日本の国内のHACCPの制度ですとか、衛生総合管理等々の制度、それからJFS等の最近起こりましたマネジメントシステム、管理システムを取り込んだ安全管理というものとの重複をなくしていくということだと思いますけれども、実は青の点線の部分が比較的業者様にも事業者の方にも取得をしていただいているISO9001の要求事項を相応にカバーできると考えてございます。したがいまして、安全管理にプラスして顧客満足、製品の品質を確保し、格付等も適切にできるような仕組みを持っているようなことも、あわせて認証の中でできると思いますので、ぜひそちらの青側との重複、もしくは一本化というようなことも、私の属してございます制度と一緒に考えさせていただければ大変ありがたいなと思っております。

以上です。

中嶋会長 ありがとうございます。

それでは、森光委員、お願いいたします。

森光委員 いよいよマークのところまで話が進んで、大変期待しているところであります。確かに、これまでのJASがやっぱり認識度が低いということで、どんなマークが出てということで、広く公募するというところのポイント、あとは、恐らくマークの形状も、英語と例えば日本語、どちらを選択しても、結構長い表記になる可能性があるので、丸にこだわらずに、ぜひ業界の方々のご意見を聞いていただいて、スペースの問題もございますので、四角のほうが実は書きやすければ、四角でやるというのをぜひ加味いただいた上での投票の考案をしていただければと思います。

この中で少し気になっているのが、やはりこのマークの件と、先ほどSDGsの5ページのところの下で例が2つありましたように、例として、例えば完全養殖であるとか、障がい者の方が携わってという大変よい試みであると。一方で、前回の議題でありましたような「切り花に関するものの日持ち向上」を狙ったJAS申請、あれは団体でまさにやってきてくださって、日本全体のある程度のシェアをカバーする方たちが出していると。

このいい点である「新しいJASは特定や単独の会社・団体でもできる」という反面、JASとして認定されたならば間違いなくそれは公的な、それをクリアしたらどこの会社・団体でも表示できるというところなので、何となくそこら辺が業界の方が不安になる点と思うところでもあります。わっと認められた後で、もっとうちは上が行けるなど、事後に混乱が起きないような、そういう新しいJAS化の中で一つ、当然、秘密にしなきゃいけないところは秘密にしますけれども、公的になるという点を踏まえて、再度、即決みたいなことのないよう慎重なステップをぜひ入れるような仕組みも加えていただければありがたいなと、個人的には思っています。

以上です。

中嶋会長 ありがとうございます。

今、お二人からご意見いただきましたけれども、事務局のほうからお答えいただけますか。

松本基準認証室長 米岡委員からのISO9001との重複といいますか、連携といいますか、そちら、我々も今のJASは、JISもそうだと思いますけれども、9001と重複がかなりの部分あることを前提とする設計になっておりますので、もう少し9001のほうの要素を我々のほうも取り込んでいくということもできるかなというのを私自身も思っているところがございますので、私たちも検討していきたいと思います。

それから、森光委員からの、これは恐らく変な不平等にならないようにというご指摘だろうと思いました。あるいは、交通整理をどうしていくのかと、そういった問題意識だろうと思っております。我々も国の規格である以上、やはりそういう公益性でありますとか、そういったものというのが重要だと思っていますし、当然、変な差別にならないというのは大前提だと思っております。

結果として、特定の方の強みの発揮につながるということになるのだろうと思いますけれども、そのプロセスにおいては、議論の透明化でありますとか、反対のお立場の方の意見というのをどのような形で収れんなり、あるいは妥協といいますか、調整していくのかというようなことというのも、その規格化をしていく中のプロセスの一つとしてビルトインしておるつもりでございます。また、最終的にはこれは調査会にもお諮りをするという形で進めていくということには変わりはございませんが、その点、改めて留意をして進めていきたいと思います。

中嶋会長 ありがとうございました。

今、森光委員からマークのことについても少し言及がありましたけれども、本日ご欠席の折戸委員からもJASマークの標語についてご意見をお寄せいただいております。ちょっとご紹介させていただきたいんですが。

1つ目が、特級・上級・標準というグレードがある場合の標準のものと、そうしたグレードがない日本品質に同じJapan Qualityを充ててしまうと、グレードがないものであるにもかかわらず特級・上級に劣る印象を与えかねないため、例えば標準に対応する英語にStandard Qualityとしたらどうかというご意見が1つ目。

それから、2つ目ですが、JASでJapanはあらわせているので、特級・上級の「Japan」は不要ではないかというご意見をいただいております。

それでは、ほかにいかがでございましょうか。

それでは、木村委員、お願いいたします。

木村委員 木村です。ご丁寧なご説明、ありがとうございました。

同じく標語についてです。英語のほうなんですけれども、もしかすると、外国人の方がご覧になって、適切に解釈をしていただけるかどうかというのが少し、確認をきっちりとしておかなければいけないなと思いました。

数点ございまして、まず、手延べにだけ「Japanese」というのがついているんですけれども、これは全てにおいて日本のという意味に、他のものについても日本のというのが入っているはずなんですが、手延べにだけどうして「Japanese」というのをつけていらっしゃるのかというのがわかりませんでした。

あと、定温管理といいますと、今のままだとTemperature controlledだと温度管理になって、これはどちらかというとワインなんかのリーファーコンテナで、温度を一定にずっと保ち続けるという意味になっているので、それもTemperature controlledだと、この定温という意味がおそらく伝わりにくくて、もったいないかなというふうに思いました。

あと、ピュアジュースとりんごストレートに関しては、両方とも否定で入っていて、これはこういう書き方もいたしますけれども、否定の言葉、NotあるいはNoをつけるというのはあるんですが、NoというよりもWithoutを使う場合が多いかなと思います。ですので、再度ネーティブの方にお聞きいただいたりして、せっかくなので、クオリティが高いというのを伝えたい英語にしていただければと思いました。

以上です。

中嶋会長 ありがとうございます。

ほかにいかがでございましょうか。

それでは、里井委員、お願いいたします。

里井委員 ご丁寧な説明をどうもありがとうございました。里井です。

私のほうからも、若干意見が重なるかなという点はあるんですが、賛同の意という意味で、意見を2点ほど申し上げさせていただきます。

まず、マークにつきましては、木村委員からもございましたように、英語表記に関しては、やはり確認が必要かなという印象を少し受けたことと、折戸委員からもございましたように、私も日本品質、Japan Quality、それから標準、Japan Qualityと同じになる点、また、Extra-high QualityHigh Qualityで「Japan」を取るという案がいいのかなという、今、私自身の意見としてはその1点がございます。

あと、マークだけではなくて、5ページのところで、これは意見というか、若干個人的に感じた点ではございますが、非常にいい試みとしての8番目、障がい者の方が主体的に携わって生産された農産物のJASということで、当然、農産物が主にはなるかとは思うんですけれども、今、障がい者の方々というのが積極的に、例えばその農産物を生かしてさらにジュースにしたりですとか、クッキーにしたりですとか、加工の部分だけを携わったなど、食べ物、広い範囲での食という点で非常にご活躍されている場面に遭遇することが多々ございます。どうしても農産物ということになるかとは思いますし、広げてしまうと、ちょっと管轄が変わってしまうかもしれないんですけれども、将来的な、継続的な、持続可能なという開発の目標といたしましては、農産物だけにかかわらず、広い分野でのマークになればいいなという思いということで、若干意見を述べさせていただきます。

以上です。

中嶋会長 ありがとうございました。

今、お二人からご意見いただきましたけれども、いかがでございましょうか。

松本基準認証室長 ありがとうございます。

折戸委員、それから木村委員、里井委員からのマークのお話がございました。いずれもその英語の表記の部分のお話だと思いますけれども、一応、今日お示ししている段階の案は、現在のユーザーの方とまずその相談をして、どういった点を強調していきたいのかというようなことをまずお話をさせていただいた上で、一応、外国の方にも見せてはおります。ただ、どんな人に見せたのか、あるいは、ほかの人に聞くと違う受けとめがあるのではないかということ自体は、私たちもまだ悩ましいと思っているところでして、夏頃までには決めたいと思っていますので、いずれにしても、もう少し今日いただいた折戸委員の意見も含めて、さらに検討はしていきたいと思っております。

手延べに「Japanese」がついている理由ですが、これは使っている方のご意向が強く反映されているというところですので、本当に何がベストかということは、引き続き検討していきたいと思います。

あと、里井委員から、障がい者が主体的につくった農産物というところについてのお話ございましたけれども、こちらも今、農産物と書いておりますけれども、少なくとも加工食品も対象にしたいと思っております。最終的にどこまでかとか、どういう種類の加工食品までかということは、もう少し議論は必要なのかもしれませんけれども、農産物にとどまらずに、もっと広がりをもってやっていきたいと思っております。

中嶋会長 ありがとうございました。

ほかにいかがでございましょうか。

よろしいですか。ありがとうございました。

それでは、議題の2はこれまでといたします。

続きまして、議題の3、平成29年度第2回農林物資規格調査会試験方法分科会報告でございます。森光分科会会長からお願いいたします。

森光委員 それでは、3月6日に開催されました平成29年度第2回試験方法分科会につきまして、ご報告いたします。

前回の本会におきましても少しお話をさせていただきました。第1回分科会に引き続きまして、3月6日に話題になっておりました有効数字の桁数や英語を含む文言表現ですが、べにふうき緑茶中メチル化カテキンの測定法の農林規格及びウンシュウミカン中のβ-クリプトキサンチンの測定方法の日本農林規格を調査・審議しまして、両案とも有効数字の桁数は3桁から2桁ということですね。文言の表現、文章表現などの一部につきまして、原案を修正の上、制定すべきものとして決定いたしました。

以上、調査会運営規程第6条第2項に基づいて、報告いたします。

中嶋会長 どうもありがとうございました。

今のご説明につきまして、何かご質問等ございますでしょうか。

よろしいでしょうか。ありがとうございました。

それでは、次に議題の4でございます。日本農林規格の制定及び改正について審議を行います。

初めに、農林水産大臣から諮問をいただいておりますので、事務局より朗読いただきます。

松本基準認証室長 それでは、資料4をご覧ください。朗読をさせていただきます。

日本農林規格調査会長殿。

農林水産大臣、齋藤健。

日本農林規格の制定等について(諮問)。

下記1及び2に掲げる日本農林規格については制定を行う必要があることから、日本農林規格等に関する法律昭和25年法律第175号第3条第4項の規定に基づき、下記3及び4に掲げる日本農林規格については改正を行う必要があることから、同法第5条において準用する第3条第4項の規定に基づき、貴調査会の議決を求める。

記。

制定。

1、接着重ね材の日本農林規格。

2、接着合せ材の日本農林規格

改正。

3、製材の日本農林規格(平成19年8月29日農林水産省告示第1083号)。

4、直交集成板の日本農林規格(平成251220日農林水産省告示第3079号)。

以上です。

中嶋会長 それでは、諮問のありました接着重ね材の日本農林規格及び接着合せ材の日本農林規格の制定案、並びに製材の日本農林規格及び直交集成板の日本農林規格の一部改正案について審議を行います。

また、規格の審議のため、運営規程第10条第4項により、株式会社えびす建築研究所、山根光様、髙岡繭子様、それから林野庁木材産業課木材製品技術室、齋藤室長が出席されています。

それでは、事務局からお願いいたします。

松本基準認証室長 それでは、ご説明させていただきます。

タブレット、一番上の右側に参考資料というのがございます。こちらをまずご覧ください。

臨時委員にも今日ご参加いただいて、ご審議をいただくわけですけれども、非常に技術的な部分が大きいということもございますので、簡単に、簡潔にご理解いただけるように、少し資料を準備させていただきました。

まず、お話の前提ですけれども、木材、一番左側に原木というのがございます。この原木をのこぎりで切ったもののほうに、こちらは製材でございますけれども、これは例えば在来工法で用いる柱のようなもの、これが製材ということで、製材のJASがございます。それから、これを板状にカットして、これを原材料として、これを接着剤で繊維方向に平行に重ねて張り合わせたものが集成材。また、この繊維を互い違いにする形で板を張り合わせたものが直交集成板─いわゆるCLT、クロス・ラミネーティド・ティンバーと呼んでおりますけれども─というように分類をされております。今日はこちらの3つが主としてかかわると思っておりまして、この3つ、専ら構造用の建築材料で、柱でありますとか梁、桁、そういったところに使用される、そういったものでございます。

それから、次の資料でございますけれども、今、接着重ね材とそれから接着合せ材というものの写真が出ております。こちらにも実物がございますけれども、写真にもございますし、実物をご覧いただいてもわかるかもしれませんけれども、先ほど1枚目の資料の一番上にございました製材、柱やなんかに使うこの製材、これを張り合わせたもの、これが接着重ね材になります。写真のほうに使用箇所という写真がございますけれども、主に見えるような部分の梁とか桁というところに使用するというようなものだと思っていただければと思います。

それから、下に接着合せ材がございます。こちらは、この製材を縦に切って、これを接着剤で張り合わせたものということになっておりまして、その横側にございますけれども、このログハウスの壁といったような部分に使用されるというようなものでございます。

それで、資料5をご覧いただければと思います。

資料5の2ページ目をご覧ください。文字だけの資料で恐縮なんですけれども。

今申し上げましたようなこの梁でありますとか桁、あるいはこのログハウスの壁と、そういったところに使う構造用の建築材料というのがございますが、近年、こういうところに使うことを前提に、今申し上げたような接着合せ材、接着重ね材といったものの生産がされ始めているというところでございますけれども、他方で、これらの材料、最近でき始めた建築材料ということもございまして、統一的な規格がないと。また、建築基準法上も、統一的な基準もございませんし、ほかの材であればJASを前提に基準が設定されておりまして、JAS材であればそのまま使えるといったようなことがございますが、こちらの材の場合、そうした状況にございませんので、これを使用する場合には、国土交通大臣の個別の認定が必要になると、こうした状況にございます。

したがいまして、生産者は、自分が生産されている接着合せ材、重ね材、こうしたものの仕様でありますとか性能を国土交通大臣の認定を個別に受ける必要があるということ。また、個別に受けるわけですけれども、その際、生産者ごとに当然、仕様・性能が必ずしも同じになるわけではございません。したがいまして、取引が非常に限定されているというようなのが実態としてございます。こうした状況に対応しまして、一般的な構造材として普及するようにしていきたいということで、今回、規格化をしようというものでございます。

一番下、制定の効果というのがございますけれども、こうした規格ができるということで、構造用の建築材料としてふさわしい仕様・性能、これが規格の形で明確化されるということで、製造コストというのも下がるだろうというふうに思われますし、また、当然、取引の円滑化といったようなことが実現すると。その結果として、全国的な普及が後押しされまして、中大型建築における木材需要の開拓、こういったものも含めまして、こうした材の利用促進ということが期待されるのではないかというふうに考えております。

こちらの規格の内容でございます。概要を簡単に真ん中に書いてございますけれども、そうした構造用の建築材料として一般的に使用できるようにするという必要がございますので、先ほど構造用の建築材料としていくつかご紹介しましたけれども、今、そうしたほかの構造用の建築材料と同程度の内容でありますとか水準、こうしたところに設定をするということで進めております。

1ページ下がっていただきまして、こちらに今回制定いたします接着重ね材、接着合せ材のJASの概要というのをつけさせていただいております。接着重ね材、先ほども申し上げましたが、柱などに使用される寸法の製材、これを接着剤を用いて張り合わせて大断面化したものだということでありまして、写真にはございましたけれども、木造建築物の梁などの横架材、柱材としての活用が期待されると。それから、接着合せ材のほうですけれども、薄くひいた製材、これを接着剤で張り合わせた材料でありまして、先ほども写真にございましたけれども、建築物の壁を構成するような材としての活用が期待されるということで、今回、主な基準を以下のとおり定めております。

今回定めております基準、こちらにつきましては、試験データ等々、規格を定められるだけの材料のあるものについて定めておりまして、今後データがあれば、そちらの内容を検討して、さらに規格の内容の追加でありますとか、あるいは修正といったようなこともあり得るところでございますけれども、まずはこうした内容でスタートするということを検討しているところでございます。

それから、続きまして、資料の右端には3ページ、4ページと振ってありますので、3ページ、4ページをご覧ください。

こちらが既存のJASの改正であります。

まず、1つ目、製材のJASの見直しであります。今回の見直しは、現場の実情等々に合わせまして見直しを行うというものでございます。1点目が、この寸法の許容差の見直しということでございます。

下の絵をご覧いただければと思います。

土台と桁の間にこの柱というのが挟まっておりまして、ここに材長というのがありますけれども、ここを表示寸法と、寸法が表示をされているわけでございます。今回の改正は、この表示寸法と実際の寸法の誤差、許容差ですね、これについての見直しを行うというものであります。これは今、絵の上側と下側に木があります。桁とそれから土台があるわけですけれども、これら材、当然乾燥していくわけでありまして、最初に乾燥すれば若干縮むということになるわけですけれども、建築段階で完全に乾き切ってなければ若干の膨張があるというか、そういった状況にあります。

その土台とこの間に柱をはめ込むわけですけれども、この際、これまでであれば、現場で大工さんなんかが木の長さを微調整をするということが行われていたわけですけれども、近年の大工さんが減っているとか、そうした建築現場の事情もございまして、そうした現場での加工というのを最小限にとどめる必要があると、そうしたニーズもございます。そうした関係から、現場ですぐにこの木がおさまるようにということで、従来の表示寸法、これが-0mmというのが従来の基準だったわけですけれども、これを表示寸法から1mm短くてもよいというような基準に見直すという内容でございます。

それから、2つ目、曲がりの基準というのがございます。

こちらもといいますか、こちらは現行が曲がりの率が、ここは分数、長さ分のたわんでいる幅のところでこの率を計算するわけですけれども、こちらが従前0.5%以下という、その程度に真っすぐな材であることが必要とされていたわけですけれども、近年のこの技術の進歩に合わせまして、この基準を0.5%以下から0.2%以下に厳しくすると、見直すと、そうした内容でございます。

それから、最後であります。直交集成板(CLT)のJASの見直しということでございます。

CLTのJAS、こちらは比較的新しい規格でございまして、平成25年に制定をいたしております。今回、その制定から最初の改正ということになるわけでございますけれども、今回の改正は科学的知見、その後に、制定後に得られた知見に応じて、製品の適正な評価の観点から見直しを行いたいというものでございます。

まず、1つ目が、面取り加工をしたラミナの追加というのがございます。

下の絵がございますが、ラミナ、先ほど絵でご覧いただきましたけれども、最初にご覧いただいた参考資料の1枚目のところにラミナというのがございます。この直交集成板の原料となる板でありますけれども、この板を繊維をクロスさせる形で張り合わせていくということで非常に強度が出るという、そういう材でありますが、このラミナについて、このラミナをのりづけして張り合わせていくわけですけれども、余分な接着剤が出てくるといったようなことによって、接着性能の低下が懸念されるというような問題がございます。

そこで、今回の改正ということで、一番最後の写真をご覧いただければと思いますけれども、面取りラミナとございます。余った接着剤がこちらに落ちるというような、そういった溝でございますけれども、そうしたものを、この強度でありますとかあるいは耐火性能といったものに影響がないということが確認できました範囲において、こうした溝を設けた面取りのラミナ、これの使用を可能にするというのが今回の改正の1点目であります。

それから、2点目でございます。

資料5のほうに戻っていただきまして、こちら右側、せん断試験の基準、それから曲げ強さの基準の見直しというのがございます。いずれも強度の性能の指標になる基準でありますけれども、従前、一番使われていますとか、データもありますスギをベースに基準を設定をしてまいました。せん断試験、木に上から圧をかけて、どれくらいで割れるかという、そうした試験でありますし、曲げの強さと、こちらもどれくらいたわむかという基準でございますけれども、こちらは従前は一律に基準が定められておりましたけれども、例えばこれはヒノキの場合、実際にはヒノキのせん断強さというのが、これが1.5よりも強い2.0であるというのが、これが新たに得られた知見でわかったわけでけれども、従前の1.5のままですと、本来2の強さがあるヒノキが1.5でしか評価されないというような問題もございましたので、今回そうした木、樹種の強さに応じてこの基準をきめ細かにつくり直すと、そうした改正でございます。

私からは、簡単ではございますけれども、以上です。

中嶋会長 ありがとうございました。

それでは、ご質問、ご意見を伺いたいと思いますが、いかがでございましょうか。

それでは、清野委員、お願いいたします。

清野委員 2つあります。

1つは、接着合せ材の件です。今の資料5ですと、詳しいことは書いていませんけれども、使用できるラミナの断面寸法が、厚さが3080mmで、高さが150200mmと書いてございますが、ツーバイフォー用のディメンションランバーに比較的これに近いサイズがあります。また、日本においてもスギでツーバイフォーのランバーがかなり生産されるようになってきていますので、今回の改正では難しいのかもしれませんが、ぜひ次回以降にツーバイフォーランバーもこの範囲に入るようにご検討いただきたいなという要望をまず申し上げておきたいと思います。ツーバイフォーは厚さが38mmと、あとスリーバイ系列ですと64mmというのがありますので。また、日本のスギのランバーはかなり面が平滑で、そのまま接着しても多分ほとんど問題ないと思われますので、ぜひ有効活用という観点からそのことを次回以降、検討いただきたいというのが1点目です。

2点目は、直交集成板に対してなんですけれども、今の見直しの内容のところの茶色い囲みのところの4行目ですか、強度性能や耐火性能に影響しない範囲でという溝を設けると書いてございましたが、具体的には影響がないということをどのように確認されたのかということをまずお聞きしたいと思います。

それから、もう一つ、面取りラミナの規格が、事前レクを受けたときには、JASの規格の中には入れずに外の規格として運用するみたいなことを少しお聞きましたが、そのあたりのところをもう一度理由をお聞かせいただけたらと思っております。

以上、3点になります。よろしくお願いいたします。

中嶋会長 ありがとうございます。

それでは、これにつきまして、事務局のほうからお答えいただけますでしょうか。

松本基準認証室長 それでは、清野委員の1点目のツーバイフォーランバーも対象にというお話がございますけれども、検討そのものはさせていただきたいと思います。

古藤課長補佐 面取りラミナについて、強度性能や耐火性に影響しない範囲で溝を設けた、どのように確認したかということですが、これについては、原案作成の検討の中で具体的なデータが事業者から提出されまして、それを踏まえて、担保されているということを判定しております。

3点目の面取りの仕様につきまして、現在のところは非常に限定的な仕様に限られているということから、規格の中では細かな仕様については定めていません。今後、さまざまな仕様のものが出てくるようになりましたら、規格の中で細かな仕様を設けていくことも含めて、検討したいと考えております。

以上でございます。

中嶋会長 今の面取りラミナの規格は、将来的にはJASの中に含む可能性があるというご回答ですか。

古藤課長補佐 具体的にどのような形で設定するかということも含めて、検討する形になると思います。

中嶋会長 この件についてはいかがですか。よろしいですか。

2番目のは、もう少しご説明していただこうと思います。3番目に関して。

清野委員 面取りについては、今、配付されている資料で、4ページ目の資料で左側にラミナが描いていますが、多分、写真のほうが正しいんでしょうけれども、これはかなりデフォルメして描いているので、いわゆる断面欠損というふうに見れなくもないと思うんですね。そうすると、面の取り方が特段決まりがなくて、どんどん大きくしていくと強度性能にも耐火性能にも当然影響が出てきますので、そういう意味で、この規格がただ面を取るということだけで、具体の寸法等が決められていないということについては、いささか不安を感じるということでご質問さしあげました。

中嶋会長 今の点については、いかがでしょうか。

松本基準認証室長 すみません、先ほどお答えが中途半端だった部分ですけれども、どうやって確認をしたのかというお話につきましては、デスクトップの参考資料4の中の199ページ以降に資料が載ってございます。こちらがその検討の経緯の関係資料でございます。

中嶋会長 ちょっと待ってください。よろしいですか。強度性能と耐火性能のチェックはどのように行ったかということの今、ご回答ですね。それで、この参考資料4でしょうか、それは今、チェックしていただいていますでしょうか。199ページ。右上に、資料4、(第3回CLT原案作成委員会)と書いてあるものですかね。

清野委員 参考資料の4ですか。

中嶋会長 参考資料4、直交集成板の日本農林規格(一部改正)、原案作成委員会の会議報告書というタイトルのものですね。

清野委員 曲げやせん断試験は確かにたくさんあるんですけれども、耐火のほうはどこにありますか。

古藤課長補佐 耐火性能については、溝がラミナを貫通しているものでもなく、数mm程度の非常に小さなものでございますので、専門家の意見を踏まえて、影響がないとしているものでございます。

清野委員 特に試験はされずに、委員の方々の意見として問題なかったということでしょうか。

古藤課長補佐 そうです、はい。

中嶋会長 2番目の質問に関してはよろしいでしょうか、今のお答えで。

清野委員 はい。

中嶋会長 3番目の質問で、まさに面取りの規格というのでしょうか、それがはっきりしていないんではないかと、そこが少し懸念材料であるということなんですけれども。

古藤課長補佐 今回、規格に定めていないということですけれども、現在検討しているものは特殊な機械で加工したものでございます。今後、細かな仕様について書き込む必要が出てくれば、規格に具体的に書き込んでいくことも検討していくことになると思います。

中嶋会長 今見ている資料の208ページに、6mmと2mm、少し溝のようになっている図があるんですけれども、この面取りで一応規格を考えているという理解でよろしいんですか。

古藤課長補佐 はい、そうです。

中嶋会長 それ以外には、その深さ、幅とかというのは変わらない。

松本基準認証室長 先ほど特殊な機械というお話もございましたけれども、今、世の中には基本的にこの2mm、6mmというものがあるといいますか、これしかないということなので、とりあえずといいますか、現状では想定されているものはこれだということでございます。ただ、もちろんほかのものというのもあれば、当然そこは基準はつくっていく必要があるのだろうと思います。

中嶋会長 それでは、その新しいものが出てきたときには、またここの会で検討するということで、一応この規格でお認めいただきたいということでございますね。

清野委員、いかがでございましょうか。よろしいでしょうか。

清野委員 はい、了解しました。

中嶋会長 ありがとうございます。

ほかにいかがでございますか。

それでは、鈴木委員、お願いいたします。

鈴木委員 本日のこの案件、その木材の用途の主要な方向といいますか、その軸材でございますので、この4つの案件につきまして理解しました。大いに賛同しているところですが、資料の詳細の話に入ってもよろしいんでしょうか。資料6-1なんですが、これに関してコメントさせてもらってもよろしいですか。

中嶋会長 はい。

鈴木委員 6-1の2ページ目ですね。細かなことで恐縮ですが、接着重ね材の3.12というのがございまして、これは試験方法を定義していると思うんですが、その言葉で「曲げ応力を受ける方向」というのがどうも私、少し違和感を感じておりまして、応力の方向というのは軸の方向になると思いますので、多分これは加力方向に対してということを言わんとしているのかなと思うんですが、少しご検討いただければと思います。先ほど見ていて、少し気になりました。

山根(えびす建築研究所) すみません。ご意見ありがとうございます。

そうですね、試験方法というよりも、使用方向をイメージしているという形でして、異等級構成という形になりますので、材端部のほうがヤング係数が大きいような材が配されるという形で、性能として内部が曲げ応力自体が小さくなるということで、こういう書き方をしているという形です。応力というのが材軸方向ということは確かにそのとおり、おっしゃるとおりということで感じましたので、そういうところについては、もう一度修正できるタイミングで修正させていただくという形で対応させていただきたいと思います。ありがとうございます。

中嶋会長 ありがとうございました。

鈴木委員、よろしいでしょうか、今の件。

鈴木委員 はい。

中嶋会長 ほかにいかがでございましょうか。

それでは、木村委員。失礼しました。

木村委員 好奇心でお聞きしたいんですけれども、これは実際この直交集成板の全体の流通量のうちJASマークがついている比率というのを御存じでしたら、お教えいただけますか。

中嶋会長 それでは、齋藤室長、お願いします。

齋藤木材製品技術室長 今、手持ちのデータで確認できている数字でいうと、40%ということになるんですけれども、実際は建築物に使う段になりますと、先ほど冒頭の説明にもありましたように、建築物できちっと基準強度に合致しているかということを確認していかなければいけないので、実際に使われる場面では、ほぼ100%ということだと認識しております。

中嶋会長 よろしいでしょうか。

木村委員 はい、ありがとうございます。

中嶋会長 ほかにいかがでしょうか。

それでは、桃原委員、お願いいたします。

桃原委員 少し細かな話になるんですけれども、接着重ね材のほうですね。資料6-2の5ページのところに腐朽のことが書いてあります。こちらは今、程度の軽い腐れが30%で、重い腐れが10%以下ということですが、この辺については今後ぜひ見直していただければと思います。今後の課題として残しておいていただければと思います。

中嶋会長 恐れ入ります、今の腐れの割合というのは、資料はどこの資料に。

桃原委員 資料6-2の5ページになります。下のほうに腐朽というところがあります。9)腐朽。

中嶋会長 腐朽の、この30%以下でなければならないというところでございましたでしょうか。

桃原委員 はい。

中嶋会長 これのご意見としては。

桃原委員 重ね材のほうは、腐朽はないこととなっています。ですから、今回の規格では、これはこのままでも構わないのですけれども、ほかのとあわせて調整していっていただければと思います。

古藤課長補佐 ご意見、ありがとうございます。

今回の腐朽につきましては、製材JASの機械等級区分の基準をそのまま適用したものでございます。ご意見を踏まえまして、今後の検討課題とさせていただきます。

中嶋会長 ありがとうございました。ほかにいかがでございましょうか。よろしいでしょうか。それでは、ご意見は出尽くしたように思います。

先ほど、資料6-1の接着重ね材部分の文言につきまして鈴木委員からご意見をいただきましたので、それについては少し検討させていただきたいと思いますが、今の2つの制定案、それから改正案につきまして、全体的にはお認めいただいたと思っておりますが、その字句の修正がもしあった場合には会長一任ということを前提に置きまして、これをお認めいただくということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

中嶋会長 ありがとうございます。それでは、異議はなしということでさせていただいて、その旨報告させていただきます。

それで、議題4の審議結果について、事務局からその報告(案)の配付をお願いしたいと思います。

(資料配付)

中嶋会長 それでは、今、「日本農林規格の制定等について(報告)」という文書を配っていただきましたが、この中に「原案のとおり」というところがございますけれども、先ほど申し上げたものにつきましては、軽微な字句の修正というふうにご理解いただきまして、この「原案のとおり」という文章でお認めいただきたいと思います。これでよろしいでしょうか、何かお気づきの点があれば。よろしいですか。ありがとうございます。

それでは、報告(案)の「(案)」を削除して報告することにいたします。今後、公示の手続を行うに当たりまして、内容変更を伴う、ここがそうなんです。内容変更を伴わない字句の修正が必要な場合には事務局と調整するということで、会長に一任とさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

以上で本日、全ての議題が終了いたしました。

最後に何かご意見やご発言があれば承りますが、よろしいでしょうか。

ありがとうございました。円滑な議事進行にご協力いただきまして、ありがとうございます。

それでは、議事進行を事務局にお返しいたします。

中村規格専門官 本日はご審議いただきまして、まことにありがとうございました。

本日ご審議いただきました日本農林規格につきましては、速やかに公示できるよう、所要の手続を行ってまいります。

最後に、松本室長から一言お願いします。

松本基準認証室長 本日はお忙しいところ、どうもありがとうございました。

今日、今後のJASのあり方のお話を少しさせていただいたのと、あと、林産物のJASの制定と、あと改正ということでご審議をいただきました。後者のほうについては、これは法律に基づく手続等々がございますので、そちらのほうを速やかにして、一日も早く世の中に役に立てていただけるような形にしていきたいと思っておりますし、前者のほうもJASの見直しといいますか、JASの新たな取り組みは不断に続いていくものですので、あらゆる機会、あるいは毎回いろいろなテーマ、あるいはいろいろな動き、それをご紹介させていただいて、また引き続きご知見を賜れればと思っております。また今後ともよろしくお願いします。

本日はどうもありがとうございました。

中村規格専門官 以上をもちまして、日本農林規格調査会を閉会いたします。

どうもお疲れさまでございました。ありがとうございました。

午前11時53分閉会