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農林水産省

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農林物資規格調査会議事録(平成26年5月29日開催) 

更新日:平成26年7月1日
担当:消費・安全局表示・規格課

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1.日時及び場所

    日時:平成26年5月29日(木曜日) 12時58分~15時21分

場所:農林水産省 第2特別会議室

2.議題

(1)日本農林規格の見直しについて

  • しょうゆの日本農林規格
  • 食用植物油脂の日本農林規格
  • ベーコン類の日本農林規格
  • ハム類の日本農林規格
  • プレスハムの日本農林規格
  • ソーセージの日本農林規格
  • 熟成ベーコン類の日本農林規格
  • 熟成ハム類の日本農林規格
  • 熟成ソーセージ類の日本農林規格
  • 混合ソーセージの日本農林規格
  • 生糸の日本農林規格

 (2)その他

3.議事内容 

越野上席表示・規格専門官

定刻となりましたので、農林物資規格調査会を開催させていただきます。事務局の越野でございます。よろしくお願いいたします。
本日は、委員の皆様には、ご多忙のところご出席いただきまして、ありがとうございます。
さて、本日の委員の出席状況でございますが、夏目委員、椋田委員は欠席とのご連絡をいただいております。委員12名のうち10名が出席されておりますので、農林物資規格調査会令第6条第1項の規定に基づき、本調査会は成立しております。
本調査会は、農林物資規格調査会運営規程に基づき、公開となっております。傍聴を希望される方を公募したところ10名の応募があり、本日傍聴されております。
また、審議において原案作成委員会の議論の概要を報告させていただく関係から、原案作成委員会の事務局、独立行政法人農林水産消費安全技術センターの高崎商品調査課長と田中分析調査課長が出席していることを報告させていただきます。
それでは、調査会運営規程に基づき、阿久澤会長に議事進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

阿久澤会長

こんにちは。阿久澤でございます。
本日は審議項目もたくさんあるようですので、委員の皆様におかれましては、円滑な議事進行にご協力よろしくお願いいたします。
それでは、議事次第に基づきまして、福島審議官にご挨拶をお願いいたします。

福島審議官

消費・安全局審議官の福島でございます。
本日は大変お忙しい中、また暑くなっている中、先生方にはお集まりいただきまして、ありがとうございます。
また、日ごろからJAS規格制度の推進につきまして、ご指導ご助言を賜りまして、改めて御礼を申し上げます。
JAS規格、表示規格に関しましては、先月でございますけれども、有機JASの不適正表示の件数について報道がされたのはご存じだと思います。せっかくの機会でございますので、有機JASについても少しご紹介いたしますと、諸外国でも「有機」の名称の表示を規制しているわけですけれども、我が国ではJAS法に基づいて、この第三者認証制度のもとでその表示の適正化を図っているということでございます。
この有機に関しましては、国内だけではなくて、米国、あるいはEUにおいても非常に大きなマーケットとなっておりまして、昨年当省で策定いたしました品目別の輸出戦略におきましても、この有機緑茶などについて、その重要なアイテムとして位置づけられております。また有機シラタキというのがダイエット食品として注目されているということでございます。
この有機制度につきましては、それぞれの国の有機制度を相互に同等性を認証するという仕組みがございます。例えば我が国の有機JASの制度で認証を受ければ、相手国に有機の表示を、そのまま輸出できるということで、それぞれの同等性の認証というものが、この輸出をしていく上でも重要な課題となっておるわけでございまして、ことしの1月、米国との間でも有機同等性の新しい仕組みといいますか、相互認証ということでスタートしたところでございます。今後も引き続きこれについては各国と交渉を積極的に進めてまいりたいと考えております。
きょうご議論いただきます内容につきましては、しょうゆ、あるいは食用植物油脂、ベーコン類などの規格の見直し、それから混合ソーセージ、生糸の規格の廃止ということでございます。生糸に関しましては、先般、富岡製糸場の世界遺産への登録等もございましたけれども、歴史的な品目ではございますけれども、今回は規格の廃止ということでご審議をお願いしているものでございます。
本日は忌憚のないご意見を賜りますようにお願い申し上げまして、私の挨拶といたします。どうぞ本日はよろしくお願いいたします。
○阿久澤会長 どうもありがとうございました。
それでは、議題に入る前に、本日の調査会の議事録署名人の指名を行います。調査会運営規程により会長が指名することになっておりますので、今回は丸山委員と宮地委員にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、事務局から資料の確認及び議事内容の公表についての説明をお願いいたします。

越野上席表示・規格専門官

それでは、資料の確認をさせていただきます。
本日お配りしている資料は、まず次第でございます。次に委員名簿、次に資料1の日本農林規格の見直しについて「しょうゆ」から資料12のJAS規格の制定・見直しの基準までとなっております。あわせて参考資料として、こちらの参考資料を皆様にお配りさせていただいているかと思います。
また、規格調査の結果及び原案作成の会議の報告書を委員のお二人の間に1冊、これを置かせていただいておりますので、お二人で1つになりますけれども、よろしくお願いいたします。
次に、議事内容の公表でございます。本日発言された方々のお名前を明記の上、後日、農林水産省のホームページで公表させていただきますので、ご了承ください。
以上でございます。

阿久澤会長

ありがとうございました。
それでは、これから議題(1)の日本農林規格の見直し案について審議を始めます。
しょうゆの日本農林規格の見直しについて、事務局から資料の説明をお願いいたします。

越野上席表示・規格専門官

それでは、説明させていただきます。
なお、質疑に渡邉課長補佐も対応させていただきますので、よろしくお願いいたします。
それでは、座って説明させていただきます。
初めに、資料1の1ページ目をごらんください。
日本農林規格の改正及び廃止についての諮問でございます。該当部分を読ませていただきます。
「下記1から9までに掲げる日本農林規格の改正並びに下記10及び11に掲げる日本農林規格の廃止を行う必要があるので、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(昭和25年法律第175号)第7条第5項(同法第9条において準用する場合を含む)の規定に基づき、貴調査会の議決を求める。」
記、1、しょうゆの日本農林規格となっております。
次に、審議事項でございます。次のページをおあけください。
趣旨は、標準規格の性格を有するものとして所要の見直しを行うこと。内容は、食品添加物の使用が必要かつ最小限であることを消費者に伝える規定にすること。異物の規定を削除すること。全窒素分の測定方法を修正することなどでございます。
本日審議する11規格全てについて、同様に審議事項が示されておりますが、内容の説明は改正案等の説明と重複する部分がございますので、以後の説明は省略させていただきます。
それでは、説明に入らせていただきます。
まず、参考資料の1ページ目をおあけいただけますでしょうか。
初めに、しょうゆの概要について説明させていただきます。
しょうゆは、「大豆」、「小麦」及び「食塩」を主な原料として、麹菌、乳酸菌や酵母による発酵、熟成を経て製造される調味料でございます。
しょうゆは原料として使用される大豆、小麦、食塩等の配合割合の違いにより、写真に示したように、こいくちしょうゆ、うすくちしょうゆ、たまりしょうゆ、さいしこみしょうゆ、しろしょうゆの5種類がございます。この中でこいくちしょうゆが全国で消費されておりまして、全生産量の84.2%を占めております。
つくり方でございますけれども、この参考資料の下側につくり方の概略を示しました。大豆を高温高圧で蒸して、そして小麦は高温で炒って、そしてローラーなどで割砕します。これに種麹を加えまして、湿度100%、温度が30℃前後の麹室で約45時間寝かせてしょうゆ麹をつくります。これに食塩水を加えます。しょうゆ麹と食塩水を加えたものをもろみと言っております。これを半年以上かけて発酵、そして熟成させます。それを絞ったものが生揚げ、そして火入れしたものがしょうゆでございます。
次に、JAS規格の概要について説明させていただきます。参考資料の2ページ目をおあけいただきたいと思います。
左側に、こいくちしょうゆの規格の概要を示してございます。JAS規格では、特級、上級、標準の等級が定められております。右側の製造方法でございますけれども、先ほどお示ししましたのが本醸造のつくり方でございます。醸造方式は伝統的で一般的な製造方法である本醸造方式と、そして真ん中に書かれております本醸造のもろみにアミノ酸を加えて醸造する混合醸造方式、生揚げしょうゆにアミノ酸を加えた混合方式の3種類あります。
そして、また規格の概要に戻りますけれども、醸造方式は、こいくちの場合は特級は本醸造方式のみを認めておりまして、それ以外の方法は認めていおりません。性状は、よく発酵し、熟成した色を有し、香り・塩味及びうまみが優良なものが特級、良好なものが上級、それより劣るものを標準としております。そして、品質指標ですけれども、うまみ成分の指標となる全窒素分、また無塩可溶性固形分は、特級が最も高い数値になっております。これがJAS規格の概要でございます。
ここで、委員の皆様方に等級と醸造方式の違いをご理解いただくために、サンプルを用意いたしました。審議の途中ではございますけれども、委員の方につきましてはこちらに移動していただいて、現物で、この違いがどのようなものか先に確認していただければと思います。
説明は渡邉補佐が行います。

渡邉表示・規格課課長補佐

委員の皆様に向かって一番左側に本醸造の特級、上級、標準、その右側に混合方式の上級、標準という順番で並べております。これについては、ぜひ手にとってにおいをかいでいただき、もし差し支えなければ口に含んでいただければと思います。その違いを見ていただければと思います。
混合方式はアミノ酸液を加えておりますので、アミノ酸液のにおいである、つくだ煮のようなにおいが感じとれるかと思います。

越野上席表示・規格専門官

では、すみません、短時間で大変恐縮ですけれども、審議を続けさせていただきたいと思います。 品位の検査は、JASの制度におきましては、認定の技術的基準において、認定事業者は格付担当者として登録認定機関が指定した技能研修を受けた者を1名置くこととなっており、その者が確実に検査をする仕組みになっております。
では、続きまして、資料の説明をさせていただきます。今度は参考資料ではなく、本編の資料1-5ページ目をおあけください。
初めに、品質の実態を説明させていただきます。(3)品質の実態でございます。JAS品はしろしょうゆで色度の基準に満たないものが確認されました。これは流通中に色が着色したと考えられます。非JAS品は色度、全窒素分がJAS規格の標準の規格、一番下位等級の規格でございますけれども、これに満たないものが若干確認されたということでございます。
次に、生産状況と格付状況を説明させていただきます。1-8ページ目をおあけください。
(イ)の生産量でございますけれども、平成24年の出荷量は約81万キロリットル、格付数量は約47万キロリットル、格付率は59%となっております。
次に、規格の利用状況でございます。1-10ページ目をおあけいただきたいと思います。
一番上の(3)の規格の利用状況でございます。製造事業者が約1,500社ございます。そのうち576者が認定工場となっており、このうち553者がJASの格付を行っているということで、しょうゆ業界が全体でJASに取り組んでいるということでございます。
そして、JAS規格は製造業者等が消費者に品質を保証するための基準として利用されているほか、製造基準や取引基準にも活用されているということでございます。
そして、将来の見通しでございます。1-10ページ目の一番下の、5の将来の見通しでございますけれども、JAS品は消費者に選択されているだけではなく、商品取引に浸透していることから、引き続きJAS規格が利用されると予想されます。
これが規格調査の概要でございます。
次に、改正案の概要を説明させていただきます。1-12ページをおあけいただきたいと思います。
初めに、規格の位置づけでございます。しょうゆの日本農林規格は製造業者等が消費者に品質を保証するための基準として利用されているほか、製造基準や取引基準に活用されている実態があることから、引き続き「標準規格」に位置づけることとしますということでございます。
次に、改正案の概要でございます。
改正事項は(1)「食品添加物」の改正、(2)「異物」の削除、(3)「全窒素分」の測定方法の改正の3項目でございます。この中で食品添加物と異物の改正につきましては、見直し基準に基づき、遵守義務の規格との関係整理の観点から品目横断的に行うもので、既に調査会でご了解いただいている内容と同じでございます。
具体的には、「異物」の削除ですけれども、食品衛生法で担保されることから削除し、「食品添加物」は食品添加物が必要かつ最小限であることをコーデックス規格の原則を引用して規定するとともに、当該情報を消費者に伝達する規定ぶりにするという改正でございます。
次に、窒素分の改正につきましては、新旧対照表を用いまして説明させていただきたいと思います。1-21ページ目をおあけいただきたいと思います。
ここに全窒素分の測定方法の改正が書かれております。右側が現行規格で左側が改正案となっております。測定方法につきましては、誰がどこで測定しても結果が一定の範囲におさまること、これを目的として独立行政法人農林水産消費安全技術センターが検討を行いまして、その検討を踏まえてここに改正しているものでございます。
改正のポイントのみを説明させていただきたいと思います。
まず、一番最初に1と書いてございまして、ケルダール法と書いてございます。そして、アとして試料の分解と書いてございます。その試料の分解方法ですけれども、(ア)出力可変式分解台と、そしてその下の中段になりますが、(イ)加熱ブロック分解装置と、この2つの用語が出ているんですけれども、事業者のほうでこの2つの分解装置を使っておりますので、この分解装置を使った分析方法を手順を明確にして詳細に規定する、このような改正でございます。
次に、蒸留装置の説明でございますけれども、1-21ページ目のイの蒸留というところがございます。そのところに(ア)として、塩入・奥田式蒸留装置を用いる場合ということがまず一つと、次のページを見ていただきたいんですけれども、(イ)パルナス・ワグナー蒸留装置を用いて、分解液を全部蒸留する場合と書いてございます。(ウ)は分解液の一部を利用する場合。そして、(エ)として、自動蒸留装置を用いた場合と、このようにそれぞれの蒸留装置に基づいて手順を明確にしている、このような改正でございます。これがケルダール法の改正でございます。
次に、燃焼法の改正でございますけれども、1-24ページを見ていただきたいと思います。
上段から8行目、9行目ぐらいに、2、燃焼法と書かれております。JAS法ではケルダール法と燃焼法、両方選択できて、事業者が都合がいい方法を選べる規定ぶりになっています。この燃焼法につきまして、誤差の規定を24ページの中段ぐらいになりますけれども、相対標準偏差がニコチン酸の場合は1.3%、リシン塩酸塩の場合は0.98%以下に改正しています。この部分につきましては、前JAS調査会委員の受田委員のご指摘を踏まえまして、誤差の規定を標準偏差から相対標準偏差に変更するという改正でございます。
次に、試料の採取方法の改正でございますけれども、1-25ページ目の上段を見て下さい。注2と書いてございます。試料の採取方法は、正確に設定量を量ることができる体積計を使用する方法に代えることができると書いてございます。これは従来の燃焼法は重量で試料を測定するということでございましたけれども、事業者の方から容量で測定できるようにしてほしい、そうすると作業性がよくなるとのご意見がありましたので、そのご意見を踏まえまして、独立行政農林水産消費安全技術センターで試験を行いまして、容量で行っても同じ値が出ることが確認されましたので、ここに改正をさせていただいたということでございます。
以上が改正案の概要でございます。なお、改正案につきましては、法令的な観点から字句の修正があり得ることをご承知ください。
最後にパブリックコメントの概要でございます。1-27ページをおあけいただきたいと思います。
パブコメ期間中に1件ご意見をいただきましたが、今回の改正案に直接関係のないものでございましたので、ご意見として賜り、今後の参考とさせていただきます。なお、事前意図公告によるコメントはございませんでした。
以上で農林水産省からの説明を終わらせていただきます。

阿久澤会長

ありがとうございました。
それでは、次に、原案作成委員会での議論の概要につきまして、原案作成委員会事務局から説明をお願いいたします。

FAMIC(高崎商品調査課長)

原案作成委員会の事務局を務めました独立行政法人農林水産消費安全技術センターの高崎と申します。よろしくお願いいたします。
しょうゆの日本農林規格の確認等の原案作成委員会につきましては、高野克己東京農業大学学長を委員長といたしまして、消費者、製造業者、実需等の各分野の代表の方、15名の委員からなる合議体で、その事務局を当FAMICが努めさせていただきました。
委員会は、平成25年6月28日に開催し、規格の位置づけと改正内容について審議を行いました。その結果、規格の位置づけにつきましては、この規格の利用状況を踏まえ、生産、取引、または使用の際に一定のスタンダードとして機能しており、標準規格として位置づけることが適当と議決されました。
次に、規格の改正につきまして、まず品目横断的な改正といたしまして、JAS規格の制定見直しの基準に基づきまして、遵守義務のある規格等との関係整理の観点から、「異物」の削除について、もう一つ、遵守義務のある規格等との関係整理及び食品添加物の使用が必要かつ最小限であることを消費者に伝えるという観点から、食品添加物の基準の改正について検討を行いました。
この結果、異物につきましては、食品衛生法で監視指導が行われているという実態を踏まえると削除が適当と、食品添加物の基準の改正につきましては、現行のポジティブリストの規定に変えて、コーデックスの食品添加物の使用に関する一般原則に則りまして、食品添加物の使用を必要かつ最小限とし、その使用目的等について消費者に対し情報提供を行う旨の規定に改正することが適当と議決されました。
続きまして、個別規格の改正でございます。こいくちしょうゆ等の色度の基準と、もう一つは全窒素分の測定方法について検討を行いました。
この結果、色度につきましては、最近結構出回っておりますけれども、生しょうゆの色が薄いことやこいくちしょうゆについて、全体的に淡色傾向にあるということから、この色度の基準値の変更が必要ではないかということで検討しましたが、具体的なデータがまだ完全に積み上がっておらず、合理的な根拠が確認できないということから、そのまま存置することが適当と、また、全窒素分の測定方法につきましては、妥当性確認試験の結果等から改正することが適当と議決されたところでございます。
以上でございます。

阿久澤会長

ありがとうございました。
それでは、しょうゆの日本農林規格の改正案について、ご質問、あるいはご意見等ございますか。
森光委員。

森光委員

お茶の水女子大学の森光と申します。
今回の改正に関しまして、事前にこういった全窒素の話でございますけれども、測定法に関しまして、私のほうでも少し調べさせていただきまして、実際日本においてはISOを初め、JIS、日本薬局法でも規定されていて、実際調べられたのはJISと薬局法だったんですけれども、かなり正直なところ私たちが学生だったころに習ったケルダール法という単純な装置だけではなくて、大きく装置が開発されている点、あと自動化されている装置も開発されている点、ケルダール法だけではなくて燃焼法が自動化されていて、誤差なく他社の比較をしていく中で、資料1-21の右側にあるような3行だけの文章、1ミリリットルをはかりとって2グラムを加えてというだけでは、やはり十分な構成になっていなくて、JISにおいても変更が加えられていることも確認できました。
今回の改正につきまして精査しましたところ、間違いなくこの形でいけば、今後もこの規格の全窒素分が安定的にはかれるだろうと今回の修正を全面的に協賛する次第でございます。
ちょっと質問ではありませんけれども、こちらのほうでも一応確認しましたところ、やはりこれだけ具体性を帯びたやり方を書くことと、今後もこれで科学技術の進歩に伴って、また改良されていくものであるということを判断いたした次第です。
以上です。

阿久澤会長

ありがとうございます。そのほかございますか。
村瀬委員、お願いいたします。

村瀬委員

ちょっとお願いという形で少し話をしたい。格付率でJAS規格はよく利用されているということがよくわかりましたので、今後、国際化ということをにらんだときに、特に和食が世界文化遺産という形で、しょうゆはその和食の基幹調味料でもありますので、コーデックスで過去に論議がされていますが、日本発の食文化の基幹をなす調味料として、農水省がリーダーシップをとっていただいて、コーデックスで論議されることがあれば、このJAS規格をもとにした国際標準化に向けた動きをぜひとってほしいという希望でございます。

阿久澤会長

ありがとうございました。お願いと言いましたが、貴重な、ご意見ということで、今の点に関しましていかがでしょう、何か事務局のほうからコメントございましたら。

越野上席表示・規格専門官

これからどうしますと即答はできないんですけれども、貴重なご意見として承らせていただきます。

阿久澤会長

ありがとうございます。そのほかございますか。よろしいでしょうか。
それでは、ご意見等いただきましたので、しょうゆの日本農林規格について、原案どおり改正するということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)

阿久澤会長

異議はないようですので、その旨報告させていただきます。
それでは、次に、食用植物油脂の日本農林規格の見直しについて審議を行います。
事務局から資料の説明をお願いいたします。

越野上席表示・規格専門官

引き続きさせていただきます。
参考資料の3ページ目をおあけいただきたいと思います。
食用植物油脂は、サフラワーや大豆などの種子から採取した油を食用に適するように脱酸、脱色、脱臭などの処理を行ったものでございます。
右側の製造方法を見てください。食用植物油脂の製造工程は、抽出工程と精製工程、この2つに大きく分けられます。抽出工程では原料種子を圧搾、または有機溶媒のヘキサンなどを用いまして油を抽出する、これが抽出工程でございます。今度、その抽出した、原油とここに書いてありますけれども、これを食用にするに当たって油をきれいにしていく、これを精製と言っています。精製工程では、はじめにリン脂質、これはガム質といって、どろどろっとしたものなんですけれども、これを取り除きます。
そして、次に、脱酸工程で遊離脂肪酸を取り除きます。次に、色を除く工程でございまして、これは活性白土を用いて油に含まれるカロチノイドやクロロフィルなどの色素を除去いたします。そして、次に、脱ロウ工程と言いまして、低温で析出するロウ成分、ワックス成分を除去します。そして、最後に脱臭工程で好ましくない臭いを除去する、このようにして食用植物油脂を製造します。
次に、JAS規格の概要を説明させていただきます。左側の規格の概要を見ていただきたいんですけれども、JAS規格では精製度によって3つの等級に分かれております。なたね油の場合ですけれども、通常のなたね油、これは精製を余りしていないものです。そして精製した精製なたね油、次に、なたねサラダ油でございます。このなたねサラダ油というのは、冷えても濁らないように脱ロウ処理を行った油でございます。それぞれに特性値がございまして、基準が定められております。基準には油の品質を規定した酸価や水分、そして油脂の真正性を規定した比重や屈折率、けん化価、よう素価などが規定されています。
次に、品質の実態を説明させていただきます。資料の2-4ページ目をおあけください。
(3)の品質の実態でございます。JAS品は全てJAS規格に適合しておりました。一方、非JAS品でございますけれども、一部の製品に水分とかきょう雑物、酸価がJASで一番下位等級の基準にも満たないものが散見されたということでございます。
次に、規格の生産状況と格付状況でございます。資料の2-4の(イ)の生産数量のところを見ていただきたいと思います。
平成24年度の国内生産量は1,640千トン、そして次のページ2-5ページの格付数量になりますけれども、格付数量は1,268千トン、格付率は77%と非常に高い状況になっております。これも業界全体で格付に取り組んでくださっているということでございます。
次に、規格の利用状況でございます。2-6ページ目をおあけいただきたいと思います。
(3)でございます。製造事業者53社のうち、36社が認定事業者となっており、全社が格付を行っていたということでございます。そして、JAS規格は製造業者等が消費者に品質を保証するための基準として利用されているほか、製造基準や取引基準に活用されている実態があったということでございます。
次に、将来の見通しでございますけれども、2-7ページ目をおあけいただきたいと思います。
5の将来の見通しでございます。JAS品は消費者に選択されているだけではなく、商品取引に浸透していることから、引き続きJAS規格が利用されていくと予想されるということでございます。
続きまして、改正案の概要を説明させていただきます。2-8ページ目をおあけいただきたいと思います。
初めに、規格の位置づけでございます。食用植物油脂の日本農林規格は、消費者に対する品質保証、製造業者で社内基準や取引基準として活用されていることから、引き続き「標準規格」に位置づけられるということでございます。
次に、改正内容でございます。(1)の「食品添加物」の改正、(2)「水分」、「きょう雑物」、「酸価」の測定方法の改正の2項目でございます。
「食品添加物」の改正につきましては、先ほど説明させていただいた内容と同じでございますので、説明を省略させていただきます。
次に、測定方法でございますけれども、新旧対照表を用いて説明させていただきます。
初めに「水分」ですけれども、2-25ページ目をおあけいただきたいと思います。
ポイントだけ説明させていただきますけれども、現行規格で使われている装置から、新しい装置が使われるようになったので、新しい装置を基本としてこの手順を明確にしたということがまず1点でございます。
そして、改正点の大きなポイントなんですけれども、現行では、(1)カールフィッシャー法のその3行目下に「四塩化炭素」という言葉が出てくるかと思います。この四塩化炭素というのは、環境に悪影響を及ぼすと一般的に言われているんですけれども、その四塩化炭素を改正案の方法ではクロロホルム・メタノール溶液に変えるもので、環境にも配慮した分析方法にするということが趣旨の一つでございます。
次に、「きょう雑物」の改正ですけれども、2-26ページ目をおあけいただきたいと思います。
こちらから、きょう雑物の改正が始まるんですけれども、次のページの2-27ページ目の現行の中段に(注)1、食用こめ油の場合は温ベンゼンを用いると書いてございます。このベンゼンは人体に悪影響を及ぼすと言われておりますので、改正案では温キシレンに変えております。
次に、2-29ページを見ていただきたいと思います。
酸価の方法でございます。現行の酸価は概略のみを書かれているのですけれども、改正案では方法を詳細に規定するということでございます。その中でポイントとなるところは、改正案の中で中段に書かれているとおり、あらかじめ標定した0.1mol/L水酸化カリウムエタノール標準液または0.1mol/L水酸化カリウム標準溶液、この2つ使えるようにたことです。従来は水酸化カリウムエタノール溶液でエタノール溶液を調整する必要がありましたが、今後は市販の試薬も使えるようになります。
改正の内容は以上でございます。
次に、パブリックコメントでございますけれども、37ページ目をおあけいただきたいと思います。
パブコメ期間中に1件、意見が寄せられましたけれども、今回の改正案に直接関係のないものでございましたので、ご意見と賜り、今後の参考とさせていただきますということです。なお、事前意図公告によるコメントはございませんでした。
以上で農林水産省からの説明を終わらせていただきます。

阿久澤会長

ありがとうございました。
次に、原案作成委員会での議論の概要につきまして、原案作成委員会事務局から説明をお願いいたします。

FAMIC(高崎商品調査課長)

食用植物油脂の日本農林規格の確認等の原案作成委員会でございますが、田所忠弘東京聖栄大学教授を委員長といたしまして、消費者、製造業者、実需者等の各分野の代表の方16名の委員からなる合議体で、その事務局を独立行政法人農林水産消費安全技術センターが務めました。
委員会は、平成25年10月1日に開催いたしまして、規格の位置づけと改正内容について審議を行いました。
その結果、まず規格の位置づけにつきましては、この規格の利用状況を踏まえ、生産、取引、または使用の際に一定のスタンダードとして機能しており、標準規格として位置づけることが適当と議決されました。
次に、規格の改正につきましては、品目横断的な改正といたしまして、JAS規格の制定、見直しの基準に基づき、遵守義務のある規格等との関係整理及び食品添加物の使用が必要かつ最小限であることを消費者に伝えるという観点から、食品添加物の基準の改正について検討を行いました。
この結果、「食品添加物」の改正につきましては、現行のポジティブリストの規定に変えまして、コーデックスの食品添加物の使用に関する一般原則に則りまして、食品添加物の使用を必要かつ最小限とし、その使用目的等について、消費者に対して情報提供を行う旨の規定に改正するということが適当と議決されました。
個別規格の改正につきましては、水分、きょう雑物、そして酸価の測定方法に関しまして、測定者の健康面への配慮、または取り扱いの容易性、こういった観点から使用する試薬について、より現状に則したものへ変更するということ、また、屈折率の項目につきましては、現行の測定装置に加えて、これと同等の性能を有する装置という旨を追加することについて検討を行いました。
この結果、それぞれの測定方法につきましては、妥当性確認試験の結果等から改正することが適当と議決されました。
以上でございます。

阿久澤会長

ありがとうございました。
それでは、食用植物油脂の日本農林規格の改正案について、ご質問、ご意見ございましたらお願いいたします。
近崎委員、お願いいたします。

近崎委員

これに関してということではなくて、ちょっと要望という、一般消費者としての要望なんですけれども、最初に2-3の資料のところに、健康志向を背景にサフラワー油やオリーブ油などが一定の評価をして普及してきているということなんですけれども、実際格付を見ると、オリーブ油というのは全くゼロの状態なので、特にオリーブ油というのは今いろんな食品があるので、ぜひメーカーの方にはこれを格付を普及していただくようにお願いしたいことと、それから表示に関してなんですけれども、健康油ということで、その効用がいろんな調理法によって余り意味をなさないというか、かえって熱を加えなくてドレッシングだとか、そのまま食用として飲んだほうが効果があるようなものもあるので、表示にやはりその油はどういう、揚げ物だとか、余り熱を加えないほうがいいとか、そういうような表示もしてほしいということを思っています。
それと、健康油って酸化が早いとお聞きしたんですけれども、商品によっては開封後一、二カ月で使い切ってくださいという丁寧な表示もあるんですけれども、やはりそういうような使い方に関しても、ちょっとこの規格とは違ってくるんですけれども、そういう細かいところを書いていただけると、消費者としてはとてもありがたいなと思うんですけれども。
以上です。

阿久澤会長

要望として大きく3点あったでしょうか。多くは業界に対して商品と使用法等を含めての要望ということですが、何かコメントありましたらお願いいたします。

渡邉表示・規格課課長補佐

オリーブオイルについて格付は今ゼロなんですが、そういうご要望があった旨は業界のほうにお伝えして、格付をしていただくよう要請していこうと思っております。
また、油の特性を踏まえた表示とか、酸化しやすい旨の表示云々については、機会を捉えて消費者庁のほうに意見としてお伝えしていこうと考えております。

阿久澤会長

ありがとうございます。そのほかございますか。よろしいでしょうか。
ご意見等が出尽くしたようですので、食用植物油脂の日本農林規格について、原案どおり改正するということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)

阿久澤会長

異議はないようですので、その旨報告させていただきます。
次に、ベーコン類の日本農林規格の見直しについて審議を行います。
事務局から資料の説明をお願いいたします。

越野上席表示・規格専門官

参考資料の4ページ目を見ていただきたいと思います。
ベーコンは、豚肉を整形し、塩漬、塩漬というのは発色剤を添加して塩漬けをすることでございます。
豚のばら肉を使用したものをベーコン、肩肉を使用したものをショルダーベーコン、ロース肉を使用したものをロースベーコンと言います。ベーコンが生産量の約90.8%、大半を占めています。
この参考資料に右側の下に「ぶたの部位」と書いてございますけれども、肩肉、ロース肉、ばら肉と、それぞれ使った部位によって名称が決まっているということでございます。
次に、JAS規格の概要を説明させていただきます。資料3-3ページを見ていただきたいと思います。
ベーコン類の規格は2規格ございます。ベーコンとロースベーコン及びショルダーベーコンの2規格が定められておりまして、ベーコンは結着材料を使用していないものを上級、1%以下のものを標準としています。
品質項目といたしましては、原材料、製品中の食肉の割合の指標となる「赤肉中の粗たん白質」、植物性たん白質や卵たん白質等の結着材料の使用量を制限する「製品中の結着材料」、形態、損傷、色沢、香味、異味異臭、肉質等を規定した「品位」の基準が定められています。
次に、品質の実態でございます。その下(3)見ていただきたいんですけれども、JAS品は全てJAS規格に適合していたということでございます。非JAS品につきましては、ベーコンが3件、ショルダーベーコン1件につきまして、赤肉中の粗たん白質について基準が合致していないものがあったということでございます。
赤肉中のたん白質というのは、水増しを規制している一面があることから、JAS品と非JAS品の品質差は、こういうところにあらわれてくると考えられます。
次に、生産状況と格付状況でございますけれども、次のページの3-4ページ目をおあけください。
(イ)の生産数量でございます。平成24年度のベーコン類の生産量は約8万3,000トン、格付数量は約3,000トンで、格付率が3.6%でございます。
規格の利用状況でございますが、3-6ページ目をおあけいただきたいと思います。
(3)でございます。製造事業者約157社のうち、55社が認定事業者となっており、全ての工場が、事業者が格付を行っていたということでございます。規格は製造業者等が消費者に品質を保証するための基準として利用されているほか、製造基準や取引基準にも活用されていたということでございます。
次、5番目の将来の見通しですが、JAS格付の減少が続いていますが、今回の見直しで、特級というグレードをつくることにより格付率の向上が期待されるというところでございます。
次に、3-8ページ目の改正案の概要を説明させていただきます。
初めに、規格の位置づけでございます。ベーコン類の日本農林規格については、格付率は減少傾向にあるものの、製造業者において製造基準等に活用されている実態があり、改正により格付率の向上が期待されることから、引き続き「標準規格」に位置づけられるということでございます。
改正の概要でございますけれども、事項は(1)「特級」の基準を新設すること、(2)「食品添加物」の改正、(3)「異物」の削除、(4)「容器又は包装の状態」の削除、(5)「粗たん白質」の測定方法の改正の5項目でございます。
それでは、具体的な中身ですけれども、「特級」の新設ですけれども、3-10ページ目をおあけいただきたいと思います。
現行規格の右側でございますけれども、現在は上級と標準、この2等級でございます。上級の製品の中に高品質な製品が見られる。そして、高品質な製品を格付をしたいという事業者がいるということで、事業者の要望から上級の上に特級の品質を設けるというのが今回の改正で、特級は形態等が優良、色沢が優良、香味が優良と、JAS規格の並びをとった官能用語を品位の基準に規定するということでございます。
そして、赤肉中のたん白質の基準でございますけれども、これはハム、熟成ハム、熟成ベーコンの規格との並びをとって、特級レベル基準である18.0%に定めます。そして、結着材料ですけれども、特級には当然認めない。こういうような規格の内容を定めさせていただくということでございます。
特級の新設につきましては、事業者の要望ではございますけれども、平成25年6月14日に閣議決定されました日本再興戦略で、地域産品のブランド化に資するためにJAS法に基づく高水準の規格の利用促進を行うこととされており、今回の改正はその政府の方針に沿うものと考えているところでございます。
次に、「容器又は包装の状態」の削除について説明させていただきます。3-12ページ目をおあけいただきたいと思います。
現行規格では、容器又は包装の状態といたしまして、「防湿性を有する資材を用いており、かつ、薄切りしたものにあっては、通気性のない資材を用いて密封されていること。」の基準が定められています。これにつきましては、今現在、容器包装の品質が非常に安定しておりまして、商品の特性に応じていろいろなタイプの容器包装が利用されている実態にございます。
その中にあって、容器包装の是非については、賞味期限の表示により代替されるということで、規格の並びを見た場合、煮干し魚類、削りぶしについては既に容器の基準が削除されている実態がありますので、規格の並びをとって、今回はこの部分を削除させていただくというところでございます。
なお、この基準が削除されたからといって、安全性とかそのような面に影響を与えることはないと思います。その理由としては、容器の基準というのは賞味期限の表示に代替されるというところでございます。気密性の高いものであれば賞味期間長くなる、またそれが悪いものであれば短くなる、そのようなことで判断できるということでございます。
次に、食品添加物、異物、粗たん白質の測定方法については、先ほど説明させていただいた内容と同じですので、説明を省略させていただきます。

改正案の内容は以上でございます。
次に、パブリックコメントの概要でございます。3-16ページ目をおあけいただきたいと思います。
パブコメ期間中に2件のご意見をいただきました。改正案に関するものは1件でございました。いただいたご意見の考え方につきましては、次のページの3-17に記載しているとおりでございます。
ご意見の内容としましては、新設される特級と上級の違いは、消費者が明らかにわかるものなのか、慎重に議論を行ってもらいたいと、とても重要なご意見をいただきました。これにつきまして、当方といたしましては、後ほど原案作成委員会で報告があるかもしれませんけれども、ベーコンは赤肉中の粗たん白質が高いほど最終製品の食肉の割合が多くなり、品質がよくなる、この考えに基づき、ハム・ソーセージと並びをとって特級の基準を設けたということでございます。
そして、慎重に検討するということでございますけれども、原案作成委員会において特級相当と上級品の比較により慎重に議論させていただいて、新設することが適当と判断されたことから、今回新設することとさせていただいたということを回答させていただきたいと思います。
また、事業者からの要望と流通・製造の実態を踏まえて改正することから、今回は原案どおりとさせていただきたいということが当方の考えでございます。
なお、事前意図公告によるコメントはございませんでした。
以上で農林水産省からの説明を終わらせていただきます。

阿久澤会長

ありがとうございました。
それでは、次に、原案作成委員会での議論の概要につきまして、原案作成委員会事務局から説明をお願いいたします。

FAMIC(高崎商品調査課長)

ベーコン類の日本農林規格の確認等の原案作成委員会は、高野克己東京農業大学学長を委員長といたしまして、消費者、製造業者、流通業者等の各分野の委員の方14名からなる合議体で、その事務局を独立行政法人農林水産消費安全技術センターが務めました。
委員会につきましては、平成25年8月8日と12月3日の2回開催いたしました。1回目の委員会では規格の位置づけと改正内容の審議を行い、2回目の委員会では、引き続き改正内容のうち、特級区分の追加についての審議を行ったところでございます。
その結果、規格の位置づけにつきましては、この規格の利用状況を踏まえ、生産、取引、使用の際、一定のスタンダードとして機能しており、標準規格として位置づけることが適当と議決されました。
次に、規格の改正でございますけれども、まず品目横断的な改正といたしまして、規格の制定、見直しの基準に基づき、遵守義務のある規格等との関係整理の観点から「異物」の削除、それから同じく遵守義務のある規格等の関係整理及び食品添加物の使用が必要かつ最小限であることを消費者に伝えるという観点から、食品添加物の改正について検討を行いました。
この結果、異物につきましては、食品衛生法で監視指導が行われている実態を踏まえると、削除が適当であること、食品添加物の基準の改正につきましては、現行のポジティブリストの規定に加えまして、コーデックスの食品添加物の使用に関する一般原則に則り、食品添加物の使用を必要かつ最小限とし、その使用目的等について、消費者に対し情報提供を行う旨に改正することが適当と議決されました。
個別規格の改正につきましては、現行の標準、上級のこの区分の上に特級区分を追加すること、それから「肉以外のたん白」という基準を削除したらどうか、また、「容器又は包装の状態」についての削除、これらについて検討を行いました。
この結果でございますけれども、まず特級区分につきましては、最近の格付検査において、上級ベーコンの赤肉中の粗たん白質の数値分布の幅が上位方向に広がっているという状況、あるいはこの原案作成委員会の中で生産者委員から、いわゆる高品質で特級相当の製品と従前の上級品相当の製品について、サンプルを提供いただきまして、このサンプル比較等を踏まえて特級区分を追加することが適当と議決されました。
「肉以外のたん白」につきましては、現行の規定でも使用できるものというのは標準品に限定されている実態があること、それからJAS標準品につきましては、結着材として植物性たん白、あるいは卵たん白といったようなものが使用されている実態があるということを踏まえまして、存置することが適当と議決されました。
「容器又は包装の状態」につきましては、他規格の状況、あるいはその賞味期限で担保できるといったようなことから削除することが適当と議決されました。
以上でございます。

阿久澤会長

ありがとうございました。
それでは、ベーコン類の日本農林規格の改正案につきまして、ご質問やご意見等ございましたらお願いいたします。
菅委員、お願いいたします。

菅委員

ご説明ありがとうございました。
このベーコンなんですけれども、また食肉加工品の売り場のところへ行って、いろいろとちょっと店舗を見てきたんですけれども、消費者にとって割とこのJAS規格が品質と合致するといいますか、お買い物して家へ帰って食べたときに、何となくわかりやすいJAS規格なんじゃないかなというふうに思いまして、今回見たところでちょっと格付率がベーコンの場合余り高くなかったことに正直驚いています。
もう少し高いのかなというふうに思っておりましたけれども、やっぱり消費者にとって品質がいいものがJASできちんと担保されていることがわかるというのは、非常にわかりやすくていいことだと思いました。ですから、格付率がちょっと低くて、この特級を新設することによって少しつけてくれる方がふえるのではないかということはありますけれども、せっかくですからぜひ積極的に格付の向上に努力をお願いしたいということでございます。
それから、やっぱりこういった添加物も先ほどの説明がこれからも続くと思いますけれども、食品添加物等にきちんと消費者がなぜ必要なのかということが、知ることができるというのをきちんとうたっていくというのは非常に大事なことだというふうに思いますので、積極的にJAS規格としてはそういったことを進めているんだということをやっぱり周知といいますか、広めていただいて、JAS規格の役割ですね、そういったものが適確なんだということを皆さんにわかっていただけるように努力していただけるといいなというふうに思いました。
それから、ちょっと長くなってしまうんですけれども、今回ベーコンは残念だったんですけれども、今のおしょうゆのところも、これが実際に味あわせていただけて、普通ああやって食べ比べるといいますか、そういったことは普通はできないことなので、実感として、例えば格付の何て言いますか、新設の等級があった場合なんかも、本当はわかると、これもわかると非常に実感があってよかったのかなと思いますけれども、初めてああやって食べてみることができたというのは、非常に事務局の方にご苦労いただきまして、今後もまたわかりやすく説明いただけるということで、よろしくお願いいたします。

阿久澤会長

ありがとうございます。2点ございました。現物提示の進め方に対しては、非常によかったという感想だったかと思います。ご意見ということでは、格付向上への努力をもっとということと、添加物の必要性の説明をもっと進めてほしいということですが、その辺に対して何かコメントございましたらお願いいたします。

越野上席表示・規格専門官

貴重なご意見ありがとうございます。
まず1点、格付率のことでございますけれども、先ほど渡邉補佐が発言したように、業界を通じて努力するようにとお伝えさせていただきたいと思っております。
2点目に添加物の情報提供ということでございますけれども、これについて少しご説明させていただきたいと思います。山根委員のほうからも前回、前々回ですか、改正が消費者にメリットになるようにしていただきたい、しっかりやっていただきたいということをこの場でご発言いただいているところでございます。それについて今取り組み状況を説明させていただきたいと思います。
まず、告示の状況ですが、平成25年4月に審議していただいたジャム類等の13規格と平成25年9月に審議いただいたドレッシング等の3規格と、平成26年2月に審議させていただいたトマト加工品2規格等については、1年6カ月の猶予期間を設けて告示させていただきました。
そして、今回のポイントである食品添加物が必要最小限であることを消費者に伝達することにつきましては、規格の告示と同時に認定の技術的基準を改正し、内部規程に食品添加物の情報伝達に関する事項を定める改正をさせて頂きました。
認定事業者は、問い合わせに答える体制を整えることを内部規程に定めることを規定させて頂きました。認定事業者は、猶予期間中に情報伝達できるように準備を進めているところでございます。これが添加物の作業状況の報告でございます。
次に、現物の用意ですが、内部で議論して、調査会の間際に事業者にお願いしたんですけれども、作成に時間がかかり、今回は用意できませんでした。おわび申し上げます。次回は可能な限り写真とか現物をつくってわかりやすく説明するように、事務局のほうとしても努力させていただきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

阿久澤会長

ありがとうございました。
ほかございますか。山根委員、どうぞお願いします。

山根委員

食品添加物の現状については、ご説明ありがとうございました。また引き続きいろいろと教えていただきたいと思います。
1点、3-17ページのパブリックコメントの回答なんですけれども、ここに考え方ということで最後に、「なお、今回の改正は、事業者からの要望と流通・製造の実態を踏まえて行うものです。」と書かれているんですが、ちょっとこの書き方が私が見ると、何かぶっきらぼうで言葉足らずの印象を受けます。これは消費者からの要望ではなくて、こういう実態を踏まえて行うものだという、わざわざ書く、明確にする必要があるのでしょうか。もう一度、この3行の意味を教えていただければと思います。

阿久澤会長

事務局からお願いいたします。

越野上席表示・規格専門官

貴重なご意見ありがとうございます。
これは先ほど説明させていただきましたけれども、確かに舌足らずの部分があったかもしれませんので、この部分についてはもう一回内部で検討いたします。
内容は、事業者が品質が向上しており、高い部分を格付したいんだという意向があるということ、現にそういう製品が流通実態していること、それを格付により消費者にわかるようにしていくということが趣旨でございますので、確かにこの部分わかりにくい部分もございますので、修正してまた公表するように手続したいと思っております。

阿久澤会長

よろしいでしょうか、山根委員。

山根委員

はい、わかりました。

阿久澤会長

それでは、村瀬委員お願いいたします。

村瀬委員

今の論議に絡みまして、品質実態調査を今回ベーコンではJAS品、非JAS品を含めて20品目されているということなので、例えばその中では特級に該当するものはどのくらいの品目があったのか、そういったことがもしわかっていればぜひ教えていただきたい。

阿久澤会長

これはFAMICさんのほうからお願いいたします。

FAMIC(高崎商品調査課長)

今回、FAMICで行いましたベーコン類の品質実態調査、市販品を買い上げて分析検査をしたという中で、明確に特級に該当すると思われるものというのはあったかどうかということは、明確ではありません。
というのは、今回、品質実態調査でJAS品のベーコンを13点買って分析しましたが、例えば赤肉中の粗たん白について18%超えているものというのはありますが、では、それが例えば品位、今回規格案にあります特級の品位と比較して、これに合致するのかという、そこまでの判断になりますとなかなか難しいというところが実態でございます。
ただ、この原案作成委員会の検討の中で、実際登録認定機関が整理した格付検査の結果、データ等々からすると、明らかに先ほど申し上げたとおり、赤肉中の粗たん白で言えば、分布が上位方向に広がっている、上位方向に広がっているというと、分布状況からすると、これまでの現行の上位区分の山と、より高いほうに来ている山、これは2つのピークと言いますか、これが相まっている。ですから、上位方向に分布が広がっているというようなことがあろうと思います。
以上でございます。

阿久澤会長

消費者のニーズと企業努力で、上級のものがさらに高品質のところに行ったということで、さらに一つ上のハードルを設けようということですかね。そこを超えるものをさらに消費者も求めているだろうし、企業努力もしていくということでしょうか。

FAMIC(高崎商品調査課長)

そうですね。それで、原案作成委員会の中で消費者の方からもそういった企業、メーカーさんがそういったものをつくっているというのであれば、消費者側からも選択肢が広がるといったような部分もあり、この特級区分の追加については全会一致で合意したという状況でございます。

阿久澤会長

村瀬委員、よろしいでしょうか。どうぞ。

村瀬委員

ということは、その格付なり評価のすり合わせという部分では、認定機関がある意味イニシアティブをとって、ある程度それを決めていくという理解でよろしいんですか。

FAMIC(高崎商品調査課長)

当然そういったところもありましょうし、今回その格付検査の結果、分布が上位方向に広がっているというのは、実際のJAS品のでもそういう実態にあるということでございまして、FAMICで行いました規格調査の中では、13点しか物が買えなかったものですから、その13点の中では明確にこうだといったところまではなかなか申し上げにくいということでございます。

阿久澤会長

それでは、事務局のほうから補足をお願いいたします。

越野上席表示・規格専門官

少し補足させていただきます。村瀬委員が言われましたように、先ほど品位の部分ですけれども、基本的には特級は優良、そして上級は良好、そして標準はおおむね良好と、こういうような区分になっています。これにつきましては村瀬委員が言われたように、登録認定機関がイニシアティブをとりまして、技能試験の中で目合わせをしていくと思います。
続きまして、赤肉中の粗たん白は18%の基準があり、結着材についても、使用の制限があることから、明確に特級と整理することができます。よろしいでしょうか。

阿久澤会長

ありがとうございました。
そのほかございますか。よろしいでしょうか。
ご意見等が出尽くしたようですので、ベーコン類の日本農林規格について、原案どおり改正するということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)

阿久澤会長

異議はないようですので、その旨報告させていただきます。
それでは、次の審議に入ります。
議題(1)のハム類の日本農林規格、プレスハムの日本農林規格及びソーセージの日本農林規格、3規格について、規格内容が類似しており、改正内容も同様であることから、一括して審議することということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)

阿久澤会長

それでは、これらの3規格の見直し案について一括して審議いたします。
事務局から資料の説明をお願いいたします。

越野上席表示・規格専門官

資料4、5と6、これを一括して説明させていただきます。
それでは、参考資料の5ページ目をおあけいただきたいと思います。ハム類についてというところでございます。
ハムは、豚肉を整形し、塩漬し、ケーシング等で包装した後、燻煙したものです。豚のもも肉を骨付きのまま加工したものを骨付きハム、もも肉を使用した場合はボンレスハム、ロース肉を使用した場合はロースハム、肩肉を使用した場合はショルダーハム、ロース肉などを加熱せず、低温で長期間熟成したものをラックスハムと、このように名称が定められています。
この中でロースハムが生産量が最も多く、全体の74.8%となっているということでございます。
次に、JAS規格の概要でございます。資料4-3ページ目を見ていただきたいと思います。
JAS規格ではベーコン類と同様に「品位」、「赤肉中の粗たん白質」、「製品中の結着材料」等の基準が規定されています。ボンレスハム、ロースハム、ショルダーハムについては、赤肉中の粗たん白質や製品中の結着材料の使用の有無によって、特級、上級、標準の等級が定められています。
次に、品質の実態でございます。4-4ページ目を見ていただきたいと思います。
(3)品質の実態でございます。JAS品は全てJAS規格に適合していました。非JAS品についてはロースハムが3件、赤肉中の粗たん白について基準値を合致していないものがございました。
次に、生産状況と格付状況でございますが、資料4と5ページを見ていただきたいんですけれども、平成24年度のハム類の生産量は約9万9,000トン、格付数量は約1万トン、格付率は9.7%となっております。
次に、規格の利用状況です。4-6ページをごらんください。
製造業者157社のうち62社が認定工場となっています。JAS規格は製造者が消費者に品質を保証するための基準として利用されているほか、製造基準や取引基準に活用されています。
将来の見通しでございます。4-7ページ目をおあけいただきたいと思います。
認定事業者は若干増加しております。そして、主力のロースハムの格付が一定量あることから、引き続き一定の格付はこれからも見込まれると思われます。
次に、改正案の概要です。4-8ページ目を見ていただきたいと思います。
ハム類の規格につきましても、標準規格に位置づけるということとしております。
改正内容でございます。「食品添加物」の改正、「異物」の削除、「容器又は包装の状態」の削除、「粗たん白質」の測定方法の改正内容につきましては、先ほど説明させていただいた内容と同じでございますので、説明は省略させていただきます。
最後にパブリックコメントでございます。4-17ページ目をおあけいただきたいと思います。
パブコメ期間中にご意見は寄せられませんでした。また、事前意図公告によるコメントはございませんでした。
以上がハム類の説明でございます。
続きまして、資料5のプレスハムの説明をさせていただきます。
参考資料の5に戻っていただきたいんですけれども、参考資料の右側の中にプレスハムの概要を書いています。豚肉のほか、牛肉や馬肉などを混ぜてケーシングに詰め、一つの塊にしたもので、生産量の約10%近くあるということです。これがプレスハムでございます。
次に、規格の概要ですけれども、資料5-3ページ目を見ていただきたいと思います。
JAS規格では水増しを防止するための「水分」、肉塊の使用量を担保するための「一片の大きさ」、そしてその「含有率」と、肉以外のつなぎの使用を制限する「肉以外のつなぎの含有率」、そして「品位」の基準が定められています。
なお、原材料や肉塊の含有率等によって、特級、上級、標準に区分されています。
次に、品質の実態でございます。5-4ページ目をおあけください。
(3)品質の実態でございますけれども、JAS品は全てJAS規格に適合していました。非JAS品は肉塊の含有率が2件、でん粉含有率が4件、標準の規格に合致していないものがあったということでございます。
次に、生産状況、格付状況です。資料の4ページ、5ページ目をごらんください。平成24年度のプレスハムの生産量は約1万850トン、格付数量は224トン、格付率は2.1%となっております。
次に、規格の利用状況でございます。5-5ページ目をおあけください。
(3)規格の利用状況でございます。製造業者約157社のうち24者が認定工場となっています。そのうち16者が格付を行っています。また、JAS規格の利用ですけれども、製造業者等が消費者に品質を保証するための基準として利用されているほか、製造基準や取引基準に活用されています。
将来の見通しでございます。5-6ページ目をおあけください。
生産量はほぼ横ばいですが、格付率は若干減少傾向にあります。しかしながら、業務用を中心に一定の格付は引き続き行われるのではないかと見込まれ、もうしばらく様子を見ていきたいなと思います。
次に、規格の位置づけでございます。5-7ページ目を見ていただきたいと思います。
規格の位置づけですけれども、プレスハムの日本農林規格につきましては、格付率は低いものの、製造業者等が消費者に品質を保証するための基準として利用されているほか、製造基準等に活用されている実態があることから、引き続き「標準規格」に位置づけるとしています。
次に、改正事項は、「食品添加物」の改正、「異物」の削除、「容器又は包装の状態」の削除、「水分」の改正でございます。(4)の「水分」の改正以外は先ほど説明させていただいた内容と同じでございますので、説明を省略させていただきます。
水分につきましては、新旧対照表で説明させていただきます。5-12ページ目をおあけいただきたいと思います。
現行規格では測定方法の概略のみを規定しております。試料2グラムをはかりとり、135℃±2℃で2時間乾燥した後ひょう量しと、概略だけ書いていますけれども、改正案では詳細に規定しております。その手順について、(1)アルミニウム製ひょう量皿を用いる場合と、(2)アルミニウム箔カップを使用する場合と、この2つの場合を書き分けております。事業者がいずれの方法でも選択できるようにという配慮で、このような改正をさせていただいているところでございます。
次に、パブリックコメントです。5-16ページ目をおあけください。
パブコメ期間中にご意見は寄せられませんでした。また、事前意図公告によるコメントはありませんでした。
以上がプレスハムの説明でございます。
引き続きソーセージの説明をさせていただきます。こちらの参考資料の6ページを見ていただきたいと思います。
ソーセージは、豚などのミンチ肉に調味料、香辛料、つなぎ等を加えて加工したものです。使用するケーシング、容器ですが、ケーシングの種類や太さ、原料及び生産方法によりボロニアソーセージ、フランクフルトソーセージ、ウインナーソーセージなどに分けられます。
ボロニアソーセージは調味したひき肉を牛腸、または太さが36ミリ以上のケーシングに詰めて加工したものと書かれています。そして、ウインナーソーセージが生産量の72.5%、大半を占めているということでございます。
次に、JAS規格の概要を説明させていただきます。資料の本編の6-3ページ目をごらんください。
JAS規格では水増しを防止する「水分」と、でん粉、小麦粉、粗ゼラチン等の結着材料の使用量を制限する「結着材料」等の基準を規定しております。そして、原材料は結着材料等によりボロニアソーセージ、フランクフルトソーセージ及びウインナーソーセージには特級、上級、標準、リオナソーセージ、セミドライソーセージ及びドライソーセージには上級、標準の等級区分が定められています。
次に、品質の実態について説明させていただきます。6-4ページ目の(3)を見ていただきたいと思います。
JAS品は全てJAS規格に適合しておりました。非JAS品14件が水分及びでん粉含有量について標準の基準に適合していないものがありました。ですから、非JAS品はJAS規格と比べると水分が多いものがあったということでございます。
次に、生産状況及び格付状況でございますが、6-5ページ目を見ていただきたいと思います。
(イ)の生産数量と(2)の格付の状況でございますけれども、平成24年度のソーセージの生産量は約26万8,000トン、格付数量は約10万トンで、格付率は37%となっております。
次に、格付の規格の利用状況でございますが、6-7ページ目をおあけください。
製造業者157社のうち89者、約半数でございますけれども、認定事業者になっているということでございます。JAS規格は製造業者等が消費者に品質を保証するための基準として利用されているほか、製造基準や取引基準に活用されているということでございます。
次に、将来の見通しでございます。6-8ページ目をおあけください。
生産数量は約26万トン前後で推移しておりまして、ウインナーを中心にこれからも引き続き一定の格付率が見込まれます。また、ウインナーの標準が減少し上級、特級が増加しているということで、引き続きソーセージの高品質化が期待されるというところでございます。
次に、改正案でございます。6-9ページ目をおあけください。
規格の位置づけですけれども、引き続き「標準規格」と位置づけるということでございます。
改正概要でございます。「食品添加物」の改正、「異物」の削除、「水分」の改正の3項目については先ほど説明させていただいた内容と同じでございますので、説明は省略させていただきます。
パブリックコメントでございますが、6-22ページ目をおあけください。
パブコメ期間中にご意見は寄せられませんでした。また、事前意図公告によるコメントはございませんでした。
以上で農林水産省からの説明を終わらせていただきます。

阿久澤会長

ありがとうございました。
次に、原案作成委員会での議論の概要につきまして、原案作成委員会事務局から説明をお願いいたします。

FAMIC(高崎商品調査課長)

それでは、この3規格まとめてということでございますけれども、ハム類、プレスハム、ソーセージの日本農林規格の確認等の原案作成委員会につきましては、高野克己東京農業大学学長を委員長といたしまして、消費者、製造業者、流通業者等の各分野の代表の方14名の方からなる委員での合議体で、その事務局を独立行政法人農林水産消費安全技術センターが務めました。
委員会は、平成25年8月8日及び12月6日の2回開催いたしました。1回目の委員会では規格の位置づけと改正内容の審議、第2回目の委員会では、第1回目の委員会での審議内容の確認等を行いました。
その結果、規格の位置づけにつきましては、この3規格ともこの規格の利用状況を踏まえ、生産、取引、または使用の際に一定のスタンダードとして機能しており、標準規格として位置づけることが適当と議決されました。
次に、規格の改正でございますが、まず品目横断的な改正といたしまして、JAS規格の制定、見直しの基準に基づき、遵守義務のある規格等との関係整理の観点から「異物」の削除について、また遵守義務のある規格等との関係整理及び食品添加物の使用が必要かつ最小限であることを消費者に伝えるという観点から、「食品添加物」の改正について検討を行いました。
この結果、異物につきましては、食品衛生法で監視指導が行われている実態を踏まえると、削除が適当。食品添加物の基準の改正につきましては、現行のポジティブリストの規定に変えて、コーデックスの食品添加物の使用に関する一般原則に則り、食品添加物の使用を必要かつ最小限とし、その使用目的等について、消費者に対し情報提供を行う旨の規定に改正することが適当と議決されました。
続きまして、個別規格の改正でございます。
まず、ハム類につきましては「肉以外のたん白」の削除、それと「容器又は包装の状態」の削除について検討を行いました。
この結果、「肉以外のたん白」につきましては、使用できるものというのが標準品に限定されていること、またJASの標準品には結着材として植物性たん白、あるいは卵たん白といったようなものが使われている実態があるということを踏まえまして、存置することが適当と、 また、「容器又は包装の状態」につきましては、他規格の状況や賞味期限で担保できること等から削除することが適当と議決されました。
続きまして、プレスハムにつきまして、プレスハムの個別規格の改正につきましては、「容器包装の状態」の削除、それから「水分」の測定方法について検討を行いました。この結果、「容器包装の状態」につきましては、先ほどのハム類と同様、他規格の状況、あるいはその賞味期限で担保できること等から削除することが適当と、また、水分測定方法につきましては、妥当性確認試験の結果等から改正することが適当と議決されました。
それから、ソーセージの個別規格の改正につきましては、「水分」の測定方法について検討を行いました。この結果、プレスハムと同じく、妥当性確認試験の結果等から改正することが適当と議決されました。
以上でございます。

阿久澤会長

ありがとうございました。
それでは、まずハム類の日本農林規格の改正案について、ご質問やご意見等ございましたらお願いいたします。
村瀬委員、お願いいたします。

村瀬委員

今説明がありました原案作成委員会で一部議論がありました、標準の原材料に認められている肉以外のたん白質をそのまま存置させるということに決まったということですけれども、ハム類自体の格付率が低く、先ほどのベーコンでは特級を新設してJASの規格としての品位というのか、基準を上げるような形で推進するという意味合いから考えると、逆にJAS品の品位を上げるという意味合いからは、そういったものを削除することで提案された製造者から見ると、より品位を上げることで格付率を上げて、それをお客様、消費者のほうに知らせていくという観点から見ると、ちょっと本当にそれでよかったのかなという疑問があります。その点に関して確認をさせてください。

阿久澤会長

どうもありがとうございます。FAMICさん、どうだったでしょうか、議論の中でその辺のことにつきまして。

FAMIC(高崎商品調査課長)

規格自体は特級、上級、標準とある中で、認められているのが標準品だけという、そういった規格の立て方になっているということがあります。
また、実際にJASの標準品に使っている実態があるといったようなことから、ここでこれを削除するというのは、ちょっと混乱といいますか、そういうような議論もございまして、 残しましょうといった結論になった、原案作成委員会の中ではそういう状況でございます。

阿久澤会長

村瀬委員、よろしいですか。

村瀬委員

やむを得ないということですね。

阿久澤会長

標準品においては存置ということですね。

FAMIC(高崎商品調査課長)

規格自体が標準品のみに使えるということでございます。

阿久澤会長

そのほかございますか。よろしいでしょうか。
それでは、ご意見等出尽くしたようですので、ハム類の日本農林規格について、原案どおり改正するということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)

阿久澤会長

異議はないようですので、その旨報告させていただきます。
それでは、続いてプレスハムの日本農林規格の改正案について、ご意見、ご質問ございましたらお願いいたします。
いかがでしょうか、プレスハムにつきましては特にご意見ございませんでしょうか。
それでは、特にご意見はないということでよろしいでしょうか。
それでは、プレスハム類の日本農林規格について、原案どおり改正するということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)

阿久澤会長

異議はないようですので、その旨報告させていただきます。
それでは、3つのうちの最後になりますが、ソーセージの日本農林規格の改正案について、ご質問やご意見等ございましたらお願いいたします。
ソーセージにつきましても、特にご意見はないということでよろしいでしょうか。
それでは、ソーセージの日本農林規格について、原案どおり改正するということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)

阿久澤会長

異議はないようですので、その旨報告させていただきます。どうもありがとうございました。
それでは、次の審議に入ります。議題(1)の熟成ベーコン類の日本農林規格、熟成ハム類の日本農林規格及び熟成ソーセージ類の日本農林規格の3規格について、これは規格内容が類似しておるということから、改正内容も同様であるということで、一括して審議させていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)

阿久澤会長

それでは、これらの3規格の見直し案につきまして、一括して審議いたしますので、事務局から資料の説明をお願いいたします。

越野上席表示・規格専門官

資料7から9まで一括して説明させていただきます。
その前に参考資料の7ページ目をごらんください。
熟成ベーコン類等の3規格の概要を説明させていただきます。
熟成ベーコン類等のJAS規格では、「熟成」という言葉について「原料肉を一定期間塩漬することにより、原料肉中の色素を固定し、特有の風味を十分醸成させることをいう」と、このような定義を定めているところでございます。そして、JAS規格の中身でございますけれども、生産方法の基準と品質の基準の2つの基準に分かれています。
生産方法の基準といたしましては、この塩漬期間、塩漬する期間ですけれども、熟成ハムを7日以上、熟成ベーコンは5日以上、熟成ソーセージは3日以上と、このような基準を定めております。
ちなみに、全てではないでしょうけれども、熟成ではない一般のハム類は3日、ベーコンは2日、ソーセージは1日となっており、熟成は通常品と比べると明らかに塩漬期間が長くなっています。
次に、品質の基準でございますけれども、原料肉、品位、赤肉中の粗たん白質、また水分の基準が定められており、これにはハム、ベーコン、ソーセージの特級相当の品質の基準を定められております
ですから、熟成ハムは通常品の価格より2倍以上高い実態がございます。
次に、熟成ベーコンの品質実態でございます。資料7-3ページ目をおあけいただきたいと思います。
こちらの(3)品質の実態ですけれども、JAS品は全てJASに適合していました。
次に、7-4ページ目でございます。
格付の状況でございます。平成24年度の熟成ベーコンの格付数量は563トンとなっております。ベーコン類の全生産量の0.7%に相当します。
次に、その下の規格の利用状況でございますけれども、157社のうち36社が認定事業者になっています。そして、取引において熟成ベーコンは高級品として、通常よりも高価格で取引されている実態があるということでございます。
将来の見通し、7-5ページ目でございます。
熟成ベーコンの格付数量は500トン前後で推移しており、今後も横ばい、または微増すると思われ、特色規格の位置づけは引き続き維持されるものと思われます。
次に、改正案の概要でございます。7-6ページ目をおあけください。
規格の位置づけでございますが、熟成ベーコン類の日本農林規格につきましては、原料豚肉を一定期間低温で塩漬し熟成させる製造方法に特色があり、通常より高価格で取引されているほか、他の商品との差別化が図られていることから、引き続き「特色規格」に位置づけることとしますということでございます。
改正事項は、「食品添加物」の改正、「異物」の削除、「容器又は包装の状態」の削除、「粗たん白質」の測定方法の改正でございますけれども、内容は先ほど説明させていただいたものと同じでございますので、説明は省略させていただきます。
次に、パブリックコメントです。7-12ページ目をおあけください。
パブコメ期間中にご意見は寄せられませんでした。また、事前意図公告によるコメントもございませんでした。
引き続き資料8の熟成ハム類について説明させていただきます。
資料の8-3ページ目の品質実態を見ていただきたいと思います。(3)品質の実態でございます。全ての製品がJAS規格を満たしていました。
次に、格付状況でございます。8-4ページ目をごらんください。
(2)の格付の状況でございます。平成24年度の熟成ハムの格付数量は1,455トンとなっております。この数量はハム類の全体数量の約1.5%に相当します。
次に、8-4の規格の利用状況でございますけれども、157社のうち49者が認定事業者となっているということでございます。また、取引においては高級品として通常より高価格で取引されている実態があるということでございます。
次に、8-5ページ目の将来の見通しでございますけれども、熟成ハムの格付数量は同程度の量で推移しており、今後も横ばい、または微増するものと見込まれます。
引き続き「特色規格」の位置づけは維持されると考えているところでございます。
改正案の概要です。8-6ページをごらんください。
位置づけですけれども、引き続き「特色規格」に位置づけるということでございます。
改正内容でございますが、熟成ベーコンと同じでございますので、説明は省略させていただきます。
引き続きまして、8-12ページをごらんください。パブリックコメント1件寄せられましたけれども、改正案に関係するものではございませんでしたので、ご意見として賜りたいと思います。
また、事前意図公告によるコメントはございませんでした。
引き続きまして、資料9の熟成ソーセージ類の説明をさせていただきます。
9-3ページ目をおあけください。品質の実態でございます。JAS品は全て規格に適合していたということでございます。
次のページの格付の状況でございます。24年度の熟成ソーセージの格付数量は2万5,945トンとなっています。ソーセージ類の全体生産の9.7%に相当するということでございます。
次に、(3)の規格の利用状況ですけれども、157者のうち46者が認定事業者となっています。取引において高級品として通常より高価格で取引されている実態があるということでございます。
将来の見通しですけれども、熟成ソーセージ類の格付数量及び認定事業者のいずれも増加傾向にあることから、今後も増加するということが見込まれます。
改正案の概要ですけれども、9-6ページを見ていただきたいと思います。熟成ソーセージ類の日本農林規格は引き続き「特色規格」に位置づけるということとしております。
改正内容は、先ほど説明させていただいた内容と同じでございますので、説明は省略させていただきます。
最後に、パブリックコメントでございますけれども、9-11ページ目でございます。
パブコメ期間中にはご意見は寄せられませんでした。また、事前意図公告によるコメントもございませんでした。
以上で農林水産省の説明を終わらせていただきます。

阿久澤会長

ありがとうございました。
それでは、次に、原案作成委員会での議論の概要につきまして、原案作成委員会事務局から説明をお願いいたします。

FAMIC(高崎商品調査課長)

熟成ベーコン類、熟成ハム類、熟成ソーセージ類、この3つの日本農林規格の確認等の原案作成委員会は、高野克己東京農業大学学長を委員長といたしまして、消費者、製造業者、流通業者等の各分野の代表の方14名の委員からなる合議体で、その事務局を独立行政法人農林水産消費安全技術センターが務めました。
委員会は、平成25年8月8日及び12月3日の2回開催いたしました。第1回目の委員会では規格の位置づけと改正内容の審議を行い、2回目の委員会では、第1回目の委員会の審議内容の確認等を行いました。
その結果、規格の位置づけにつきましては、この3つの規格ともに塩漬の期間等、生産方法に一般製品との差別化が図られており、特色規格として位置づけることが適当と議決されました。
次に、規格の改正につきましては、品目横断的な改正といたしまして、3規格ともこの規格制定見直しの基準に基づきまして、遵守義務のある規格等との関係整理の観点から「異物」の削除について、また遵守義務のある規格等との関係整理及び食品添加物の使用が必要かつ最小限であることを消費者に伝える観点から、「食品添加物」の基準の改正について検討を行いました。
この結果、異物につきましては、食品衛生法で監視指導が行われている実態を踏まえると、削除が適当であること、食品添加物の基準につきましては、現行のポジティブリストの規定に変えて、コーデックスの食品添加物の使用に関する一般原則に則り、食品添加物の使用を必要かつ最小限とし、その使用目的等について、消費者に対し情報提供を行う旨の規定に改正することが適当と議決されました。
個別の規格につきましては、まず熟成ベーコンと熟成ハム、この2つにつきましては、「容器包装の状態」の削除について検討を行いました。この結果、「容器又は包装の状態」につきましては、他規格の状況、あるいは賞味期限で担保できるといったようなことから削除が適当と議決されました。
熟成ソーセージ類につきまして、個別規格の改正につきましては、「水分」の測定方法について検討を行いました。この結果、妥当性確認試験の結果等から改正することが適当と議決されました。
以上でございます。

阿久澤会長

ありがとうございました。
それでは、初めに熟成ベーコン類の日本農林規格の改正案について、ご質問、ご意見等ございましたらお願いいたします。
森光委員、お願いいたします。

森光委員

先ほどの村瀬委員からの質問にもちょっとかぶるんですけれども、僕もちょっとベーコンのところに戻ってしまってあれなんですけれども、熟成ベーコンになって、まさにこの品質の基準というのが、先ほど話していた、まさに特級に相当、マルJASでいうところの特級に相当するのがベーコンで新設されたと。
そもそもこの熟成ベーコン自身は特色規格ですので、ぜひ差別化の意味で私自身は大賛成なんですけれども、先ほど何件か僕も全く同じ質問をしようと思ったのが、ベーコンでどれぐらい特級を満たしているものがありますかという話をしたときに、なかなか範囲はだんだん広がっていると。熟成ベーコンを今回16件調べた中ではこれを満たしていたということですよね。
ということは熟成ベーコンとしてもう流れているものは、そもそも特級に相当しているものが大多数出ているということで、格付する、新しく設ける前にもうそういったものが熟成ベーコンとしては出回っていると考えてよろしいのでしょうか。

阿久澤会長

よろしいでしょうか、今のご質問ですが。

FAMIC(高崎商品調査課長)

おっしゃられたような実態というのはあると思います。
原案作成委員会のベーコン類の特級区分の追加の検討の中では、熟成ベーコンというのが特色規格としてある。それはその生産方法を規定して熟成期間も規定した、そういった規格になっている。
一方、特級に相当するベーコンというのは、一律的な、例えば生産方法としてこういう基準以上という、そこまでは決めないにしても、それぞれ各社、それぞれの事業者がその塩漬の方法、あるいはその塩漬の調味液の使い方等々を工夫して、より高品質といいますか、そういったものを工夫してつくっているという実態にあるというお話がありました。

阿久澤会長

補足ございますか。お願いいたします。

越野上席表示・規格専門官

補足でございますけれども、森光委員のご指摘のとおり、熟成ベーコンの中にいわゆる特級というのは包含されます。当然ながら包含されます。
それで、差別化ということなんですけれども、明らかに通常製品とその熟成物というのが差別化されておりまして、先ほど説明させていただいたとおり、熟成ベーコンというのは熟成期間5日とかと言っていたんですけれども、通常品は熟成期間2日とか、そういう短い期間でやっておりまして、通常価格が例えば75グラムもので、一般品は例えば165円に対して熟成のものは358円とか、その倍以上価格が違って、もう商品体系が明らかに違うということで、流通実態上はそのように差別化されているということでございます。

阿久澤会長

どうもありがとうございました。
そのほかございますか。よろしいでしょうか。それでは、ご意見が出尽くしたということで、熟成ベーコン類の日本農林規格については、原案どおり改正するということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)

阿久澤会長

異議がないようですので、その旨報告させていただきます。
それでは、次に、熟成ハム類の日本農林規格の改正案について、ご質問、ご意見等ございましたらお願いいたします。
よろしいでしょうか。特にご意見等ございませんでしょうか。
ないようですので、熟成ハム類の日本農林規格について、原案どおり改正するということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)

阿久澤会長

異議はないようですので、その旨報告させていただきます。
次に、熟成ソーセージ類の日本農林規格の改正案について、ご質問、ご意見等ございましたらお願いいたします。
森光委員、お願いいたします。

森光委員

これも1件だけ、調べてもよくわからなかったんですが、実際に流通している中で、先ほど7日間、5日間、3日間とやって、例えば1日のものが7日に延びたとか5日に延びるって結構延びた感じがするんですが、今回の場合、ソーセージだけが3日以上という比較的生産者側の立場じゃなくて、3日間というのが、例えば1日が3日、2日が3日に延びているというのが現状なのか、例えばもっと3日以上というのが規格であって、実質というのはもっと延びて、ソーセージの実態といいますか、熟成ソーセージが流通しているもので、一体どれぐらいをもって、熟成の言葉ってなんか難しいなと個人的に思ったものですから、1週間以上たったほうが何か熟成なのかなと、勝手に個人的に1カ月だったらもっと熟成なのかなという、実際にはきっとあるおいしさの基準があるので間違いないとは思うんですが、品目によって食肉加工品によって、特にソーセージは3日以上でという点について何か説明があったら教えていただきたいと思いますが。

阿久澤会長

いかがでしょう、これは原案作成委員会にお聞きしましょうか。はい、事務局からお願いいたします。

渡邉表示・規格課課長補佐

ソーセージの場合の塩漬は、大きく2つ方法があって、小肉片を塩漬剤に漬け込む方法、これが大体一般的な製造方法ですと1日とか、長くても2日ぐらい。あとはカッティング工程のところに塩漬剤を直接入れてカッティングする方法、これは要は塩漬期間もゼロという形でございます。それが一般的であって、熟成ソーセージの場合はそれを3日間ということにしておりますので、はるかに一般製造方法よりは長い熟成期間がとられているというふうに考えております。

阿久澤会長

そうですね、それとハムやベーコン類とは肉塊の大きさが違いますので、その熟成に必要とする期間が短くて済むというところもあると思います。
何かございますか。井上委員、お願いいたします。

井上委員

ちょっと教えていただきたいのですが、この熟成という言葉を規格に通っていない商品の商品名に、熟成何々って使うことは、これは法律的にはどういうことになるんでしょうか。

阿久澤会長

お願いいたします。

渡邉表示・規格課課長補佐

熟成という用語につきましては、業界団体では公正競争規約をもって、それを一定の基準に基づき製造したものでなければ使っちゃいけないという規定にしております。
ただ、これは公正競争規約でございますので、会員外は適用されないものではあるんですが、一定の基準を定めてということになっております。
その一定の基準というのは、JASとほぼ同等、7日間、5日間、3日間の熟成を得たものが条件というふうにしておるところでございます。
あと加えて、品質の基準も同様定めており、業界の実施基準のほうはたしか上級相当品の品質以上という形であったというふうに記憶しております。

井上委員

例えば、商品のJAS表示のところをちゃんと見れば、JASの熟成何々とこれははっきりわかるわけですけれども、商品名として、例えば熟成したソーセージとか、そういう紛らわしい表現を商品名につけるというのは、どういうふうな扱いか。

阿久澤会長

ですから、ハム、ベーコン、ソーセージ類では熟成という名称がついた商品はほかには使えない、使っていないということ、そういう意味合いかどうかということですか。

渡邉表示・規格課課長補佐

JAS格付をしたものだけが熟成と認めているわけではございませんで、熟成というのは別にその格付を義務づけをしておりません。しかしながら、業界では一定の歯どめが必要ということで、公正競争規約を定めてそこで規制しているというところでございます。

渡邉表示・規格課課長補佐

客観的説明ができるのであれば、法的には触れない、使っていい言葉でございます。

井上委員

じゃJASマークをきちっと確認したほうがいいという、消費者としてはJAS表示の部分のところをきちっと確認するのが重要ということと理解すればよろしいですね。

渡邉表示・規格課課長補佐

はい、そのとおりです。JASマークのついているものは、一定以上の熟成期間をとっており、かつ品質の良好なものということでございます。

阿久澤会長

そうすると、ついていないものはこれに近い言葉はあり得るということ、そういうことですね。

渡邉表示・規格課課長補佐

そうです。

阿久澤会長

よろしいでしょうか。
山根委員、何か。

山根委員

いえいえ。熟成されていないものに熟成と書いてあれば、業界のルールで規約上問題があるので、抗議を受けるということですか。

渡邉表示・規格課課長補佐

そのとおりです。要は熟成の定義自体というのは、公的に定まったものはございません。しかしながら、それは優良誤認を与えるのであれば一定の規制はかかりますので、それはきちんと説明できることがないと使うことはできないというふうに考えております。

越野上席表示・規格専門官

補足させていただいてよろしいでしょうか。

阿久澤会長

お願いいたします。

越野上席表示・規格専門官

JASの制度では有機のようにJASを受けなければ有機と名乗ってはいけないものがあります。この熟成ベーコン、ハムは任意の制度でございまして、事業者は格付を受けずに自由に表示することができます。けれども、任意規格として熟成というものはこういうものだという国が望ましい基準を定めて、それに向かって事業者が取り組みを行うことで全体的な水準を上げ、また熟成という言葉を定着させていく、これがJASの目的でございますので、使って表示していいのか悪いのかといったら、使っていいということになります。ただ、その場合には事業者の責任でしっかりと説明責任を負うということが表示のルールになるかと思います。よろしいでしょうか。

阿久澤会長

現状ではそういう状況にあるということで。
そのほかございますか。よろしいでしょうか。
それでは、特にご意見等、ほかにないようですので、熟成ソーセージ類の日本農林規格について、原案どおり改正するということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)

阿久澤会長

異議がないようですので、その旨報告させていただきます。
次は、混合ソーセージの日本農林規格の見直しについて審議を行います。
事務局から資料の説明をお願いいたします。

越野上席表示・規格専門官

参考資料の8ページ目をおあけください。混合ソーセージについてでございます。
混合ソーセージはソーセージの原料である畜肉のかわりに魚肉を15%以上50%未満の範囲で使用したものでございます。混合ソーセージは日本独特の製品で戦後の豚肉の供給が不安定な時代に豚肉を補うために生産されたものですが、現在は生産量が少なく、市場ではほとんど見られなくなっております。
次に、JAS規格の概要を説明させていただきます。8ページを見て下さい。増量防止のための水分、魚肉と鯨肉の使用割合、結着材の使用制限などが規格に定められています。
品質の実態でございます。資料10-3ページ目を見ていただきたいのですが、流通品が少ないことから1件の分析ですが、でん粉含有率が基準よりも多く含まれていたということでございます。でん粉の基準は5%以下ですから、5%以上含まれていたということでございます。
次に、生産状況です。10-4ページ目を見ていただきたいんですけれども、平成24年度の混合ソーセージの生産量は104トンで、ソーセージの0.1%未満の数量でした。
次に、(2)の格付の状況でございます。平成17年から格付がなく、現在は認定事業者もない状況でございます。
将来の見通しでございます。10-5ページ目でございます。生産数量は減少傾向にあり、5年以上格付がないということから、今後も改善は見込められないと考えております。
パブリックコメントでございます。10-12ページ目、これは当該規格を廃止する案を出させていただきましたが、パブリックコメントで特段意見が寄せられませんでした。
以上のことから農水省としては廃止案を今回提案させていただきたいということでございます。
以上でございます。

阿久澤会長

ありがとうございました。
次に、原案作成委員会での議論の概要につきまして、原案作成委員会事務局から説明をお願いいたします。

FAMIC(高崎商品調査課長)

混合ソーセージの日本農林規格の確認等の原案作成委員会は、高野克己東京農業大学学長を委員長といたしまして、消費者、製造者、流通業者等の各分野の代表の方14名の委員からなる合議体で、その事務局を独立行政法人農林水産消費安全技術センターが務めました。
委員会は、平成25年8月8日及び12月3日の2回開催いたしました。1回目の委員会では規格の位置づけの審議等を行い、2回目の委員会では、1回目の委員会の審議内容の確認を行いました。
その結果、規格の位置づけについて、この混合ソーセージの規格でございますが、前回の見直し、平成21年度ですが、前回の見直しにおいて認定製造業者が存在していないこと等から廃止を検討したところでございますけれども、状況を見守るとした経緯がございます。
それから、その後、今回の見直しまでの間、認定製造業者はなく、今後もあらわれるという見込みがないこと等から、またこの規格の利用状況を踏まえると、引き続き標準規格として位置づけることは困難であり、混合ソーセージのJAS規格は廃止とすることが適当と議決されました。
以上でございます。

阿久澤会長

ありがとうございました。
それでは、混合ソーセージの日本農林規格の廃止案について、ご質問、ご意見等ございましたらお願いいたします。
よろしいでしょうか。前回の21年の段階から認定製造者がないというようなご説明がありました。よろしいでしょうか。
特にご意見ないようですので、混合ソーセージの日本農林規格について、原案どおり廃止するということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)

阿久澤会長

異議はないようですので、その旨報告させていただきます。
それでは、最後の案件になりますが、生糸の日本農林規格の見直しについて審議を行います。
事務局から資料の説明をお願いいたします。

越野上席表示・規格専門官

参考資料の9ページ目をごらんください。生糸とは、繭を蒸煮し、得られた繭糸を集束、抱き合わせて1本の糸条としたもので、加撚、精錬等の加工を施していないものでございます。
ここにどんな検査をするということを若干書いております。まず、サンプリングです。この1束を「かせ」と言います。これ1束120グラムあるんですけれども、検査の中ではサンプリングの方法が定められていて、1つの荷口から29かせを抜き取ることになっております。そして、水分の基準が決まっておりまして、生糸は非常に単価が高いもので、水分が多いと水増しされてしまいますので、水分の規定がございます。
次に、再操検査というのがございます。これ糸車でぐるぐる巻きます。そして、糸が切れてしまうと品物になりませんので、一定期間巻いて、糸がどれだけ切れるかを検査するのが再操検査でございます。
次に、繊度検査でございます。一定の長さのものの生糸の重さをはかるということで、糸の太さのばらつきを検査します。
次に、伸度検査でございますけれども、糸を伸ばしたときに切れやすさ、どのくらいで切れるかという検査でございます。
次に、節の検査でございます。生糸をパレットに巻き取りまして、節が何個あるなどの検査を行うものです。これが規格の内容でございます。
次に、資料の内容を説明させていただきます。資料11-3ページ目を見てください。(3)の品質の実態でございます。少し読ませていただきますけれども、国産の生糸につきましては、蚕糸業法により生糸売買に関して検査が強制的に義務づけられていましたが、平成10年に蚕糸業法が廃止され、後にJAS法に基づくJAS規格が制定され、任意の検査に移行したということです。
これ整理しますと、昔は蚕糸業法で強制検査だったものが、だんだん時代の変化とともに衰退して、平成10年には任意の制度のJAS規格になったというところでございます。
そして、現在では国産生糸の振興を図るために、糸むらがあるとか節が多いものなど、従来では品質が劣るとされていた生糸も使用され、これまでにない個性的な付加価値の高い織物が製造されるようになっている、そういうような実態に少しずつ変わってきたということでございます。
次に、4ページ目の生産状況を見ていただきたいんですけれども、国内生糸の生産量は非常に少なくなりました。平成24年度の生糸の生産量は約26トンと非常に少なくなっています。そして、平成20年に比べても57トン減少している、そのような状況でございます。
そして、JAS格付ですけれども、平成19年から認定事業者による格付がなく、現在は登録認定機関も認定事業者もございません。
次に、将来の見通しでございます。11-6ページ目を見ていただきたいんですけれども、今後も国産生糸の生産量と需要量は減少が続くということが想定されます。また、規格がこれから利用されるということも想定されにくいということでございます。以上でございまして、11-2ページ目を見ていただきたいと思います。
以上の実態を踏まえまして、生糸の日本農林規格については利用実態を調査した結果、利用がされておらず、今後も改善が見込めないことから同規格を廃止するという案でパブリックコメントをさせていただきました。その結果が資料11-12ページでございます。
パブリックコメント中に意見はございませんでした。また、事前意図公告によるコメントもございませんでした。
生糸の日本農林規格を富岡製糸が世界遺産に推薦を受けているときに廃止するというのは非常に心苦しいのですが、実態を踏まえると廃止案が適当ということで、農水案として今回提出させていただきました。
以上でございます。

阿久澤会長

ありがとうございました。
それでは、次に、原案作成委員会での議論の概要につきまして、原案作成委員会事務局から説明をお願いいたします。

FAMIC(高崎商品調査課長)

生糸の日本農林規格の確認等の原案作成委員会は、田所忠弘東京聖栄大学教授を委員長といたしまして、実需者、製造業者、流通業者等の各分野の代表の方9名の委員からなる合議体で、その事務局を独立行政法人農林水産消費安全技術センターが務めました。
委員会は、平成25年8月27日に開催し、規格の位置づけと存廃の是非について審議を行いました。
その結果、生糸のJAS規格の利用実態、これは格付率、あるいは他法令での引用等でございますけれども、利用実態からすると当該規格が生産、取引、または使用の際の一定のスタンダードとして寄与しているとは言い難いという状況にあること。具体的に申し上げますと、規格調査の結果から、現在の認定事業者は1社だけでございまして、平成19年度を最後に格付実績はなく、今後もJASの格付の可能性についてはないと見込まれること。
2つ目といたしまして、課税価格が基準価格を下回った場合の特別緊急関税制度、特別セーフガードでございますけれども、この発動に際しまして、生糸のJAS規格につきましては関税暫定措置法施行令に引用されております。しかしながら、これまでこの基準規格を下回ったことはなく、今後も下回る可能性がないという状況にあること、さらにこの法令を所管いたします財務省に確認したところ、JAS規格の引用部分を廃止しても、特段の影響はないとされたところでございます。以上のことから生産業者及び業界といたしましては、積極的に廃止を望むというものではないにしても、JAS規格の制定見直しの基準のJAS規格として普及すべき標準規格であると位置づけることができないものは廃止を検討するという、この部分に該当すると判断され、生糸の日本農林規格につきましては廃止することが適当ということで議決されたところでございます。
以上でございます。

阿久澤会長

ありがとうございました。
それでは、生糸の日本農林規格の廃止案について、ご質問、ご意見等ございましたらお願いいたします。
森光委員。

森光委員

先ほどのソーセージとあわせて、消え行くJAS規格の中で、多分11-6にあるような国際的な規格の動向というところが少し気になっておりまして、基本的には生糸に関しては安価な海外品が入ってくる、例えば中国であるとかという形で、そういったものが結局JASがなくなってきてこれまで頑張ってすごく規格化してきたものが、国際規格が結局まだこれ決まっていない中で、消えていくけれども影響がないという何か国際規格と日本のJASの関係みたいなの、何かわかっていましたらば、逆に言えば今輸入品が今のJASに比べて、例えば結構適合してるものが入っているのかどうかというような情報がありましたら、逆に教えていただきたいと思います。

阿久澤会長

何か情報ありましたら、輸入品の品質ですね。

越野上席表示・規格専門官

森光委員にお答えいたします。
海外から輸入するものについては、日本の技術がもう既に導入されて、日本と同等に近いものが輸入されていて、実情上は困らないということですけれども、根本は規格を廃止されて取引に何か影響がないのかということだと思います。
それについてお答えさせていただきますけれども、規格というのは3種類ぐらいございます。
1つは強制規格、そしてJASのような任意規格、そして業界の中で運用する業界規格、このように3つぐらい分類されるかと思うんですけれども、生糸の場合は、問屋との取引の中で糸の太さとか節の基準というのを定めておりまして、これから業界規格で対応していく、そのような対応をしていて、取引には支障がないのだということでございます。
あともう1点なんですけれども、現在のこのJASの規格の検査方法は、高度な検査テクニックが必要になります。節があるとかないとか、繊維の太さをはかるとか、これは非常に技術的に高くて、なかなか日本でももう検査できる人がほとんどなくなってしまったという状況で、業界ではセンサーを使って糸の節とか太さをはかる、こういうところに研究を行っているというところでございます。
100%お答えになっていないかもしれませんけれども、そのような状況でございます。

阿久澤会長

ありがとうございました。ほか何かございますか。
それでは、ないようですので、この生糸の日本農林規格について、原案どおり廃止するということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)

阿久澤会長

異議がないようですので、その旨報告させていただきます。
それでは、ここで議題(1)、これの審議結果について確認させていただきます。
報告案の配付をお願いいたします。
(調査会の報告書案を配付)

阿久澤会長

よろしいでしょうか。裏面もございますが、お配りした報告案はいずれも原案のとおりとなっておりますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)

阿久澤会長

それでは、報告案の「案」を削除して報告することといたします。
続きまして、議題(2)のその他になりますが、事務局から何かございますか。

越野上席表示・規格専門官

特段ございません。

阿久澤会長

ありがとうございました。
それでは、以上で本日の全ての議題が終了いたしました。円滑な議事進行にご協力いただきまして、ありがとうございました。議事進行を事務局にお返しいたします。

越野上席表示・規格専門官

本日は長時間にわたりご審議いただきまして、ありがとうございました。ご審議いただいた日本農林規格につきましては、速やかに告示ができるよう、所要の手続を行ってまいります。
以上をもちまして、農林物資規格調査会を閉会させていただきます。
ありがとうございました。
午後 3時21分 閉会

お問合せ先

食料産業局食品製造課食品規格室

担当:規格専門官
代表:03-3502-8111(内線4357)
ダイヤルイン:03-6744-7182

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