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農林水産省

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農林水産大臣談話

事故米穀の不正規流通問題については、消費者をはじめとする国民の皆様に大変ご心配・ご迷惑をおかけしており、改めて深くお詫び申し上げます。
この問題につきましては、10月31日に、農林水産省の取組の中間的総括を行いましたが、関係職員の処分につきましては、内閣府に設置された「事故米穀の不正規流通問題に関する有識者会議」において、これまでの行政対応の検証結果が出るのを待って行うこととしておりました。
11月25日に「有識者会議」の調査結果報告書が取りまとめられました。報告書では、事故米穀問題に関する農林水産省の責任の所在を指摘されるとともに、食の安全の確保の重要性に関する認識の欠如、消費者の目線の欠如、業務の縦割り意識と組織の硬直性、危機意識や感性の欠如など、農林水産省の体質及び農林水産行政に対する大変厳しいご指摘を頂きました。私は、これらを農林水産省という組織全体の問題と厳粛に受け止め、今回の問題に責任のある関係職員に対する厳正な処分を行うことにより農林水産省の姿勢を正すとともに、農林水産省の改革を全力で進めてまいります。

また、私は省内の課長クラスを中心に構成される「農林水産省改革チーム」に対し、農林水産省が真に生産者や消費者にとって役に立つ組織に再生するため、それぞれの所掌にとらわれず改革案を検討するよう指示しておりました。そして昨日、政策決定プロセスの改革、リスク管理及び危機管理の改革、人事改革を含む国民視点での組織運営の実現やそれらを実現するために必要となる農林水産省の機構改革を内容とする「緊急提言」の報告を受けました。
報告は、自分が予想していたよりも根深い農林水産省の問題を明らかにし、農林水産省の再構築を提言しておりました。私は、熟考の上、人間の生命と健康の基盤である農林水産行政を再生するためにも、自ら痛みを伴う改革を進めていかなければ、国民の皆様の信頼を回復できないと判断いたしました。

このため、従来の農林水産省の業務の在り方を根本的に改めていくとともに、その前提として、組織について、「国民視点に立った行政を円滑に遂行するための機構改革」に全力で取り組みます。「行政機構の仕事は国民から与えられるものである」という改革チームが示した命題は、私も100パーセント共有します。国民ニーズのないところに、行政の仕事は存在しません。私は、国民本位の農林水産行政を実現するため、「緊急提言」の方向に沿って、次の基本的な方針の下、平成22年度における農林水産省の抜本的な機構改革に取り組む決意です。

第一に、主要食糧業務を担う地方農政事務所食糧部・地方農政局食糧部・本省食糧部の抜本改革を行います。「緊急提言」にあるように、事故米問題の発生に鑑みれば、地方農政事務所は、主要食糧業務を担当する組織としては廃止を前提に検討せざるを得ません。他方で、主要食糧の安定供給という責務は、十全に果たしていかなければなりません。また、食品表示の適正化や経営所得安定対策など国として実施している業務も存在します。したがって、これらの業務を担う組織の在り方については、主要食糧政策を始めとする今後の政策展開の方向を踏まえつつ、地方分権改革など政府全体の議論との整合性も図りながら、十分検討して成案を得ることといたします。

第二に、国民の期待に応えられる組織の構築に取り組みます。国民の皆様が農林水産省に最も求めているのは、「食の安全」の視点を最優先とする組織の実現です。従来の農林水産省は、消費者が何を求めているか、そのニーズの把握に欠ける面がありました。今回の問題を契機に、農林水産行政に求められるものを今一度根本から見直し、機構面で不十分な面があれば、既存の行政機構の見直しを大胆に行いながら、体制の整備を図ります。

第三に、農林水産省改革の実効を期し、その永続を担保する体制を整備します。BSEの反省を現在の教訓として常に危機意識を持ち、国民視点に立って確実に業務を遂行していれば、このようなことにはならなかったはずです。
「緊急提言」では、政策決定プロセスのチェックや第三者を長とする内部監査の構築など、全く新しい提案がありました。私は、これらの機能を相互に関連づけながら、国民視点に立った業務運営を担保する強力な内部監査・チェック体制の実現に取り組みます。

これとともに、「緊急提言」にあるように、農林水産省の政策運営についても見直しを進めてまいります。政策を決定するに当たっては国民各層が広く参加できるよう工夫いたします。国民の皆様に行政サービスを提供する際には親切・丁寧・正直をモットーといたします。今回の事故米問題のような事件が発生しないようにするためリスク管理・危機管理を徹底いたします。そして、このような政策・業務を効率的に実現できるよう、業務の再点検や組織運営の改善を実現します。

さらに、今回の事故米問題を受けて、米のトレーサビリティ、米関連商品の原料米原産地表示を含めた米流通システムの見直しを図るため、「米流通システム検討会」を立ち上げ、検討を進めてきたところでありますが、11月27日に中間取りまとめという形で制度の骨格を取りまとめていただきました。これを踏まえて、次期通常国会に関連法案等を提出できるよう準備を進めてまいります。

「事故米穀の不正規流通問題に関する有識者会議」の調査結果報告書も、「農林水産省改革チーム」の緊急提言も、農林水産省の職員の意識や組織の体質を根本から改革することの必要性を強く指摘しております。私は、こうした指摘と、農林水産省がBSE問題の経験を生かせなかったことを重く受け止め、その反省の上に立って、直ちに改革に着手し、平成22年度を改革の成果が結実する「農林水産省新生元年」とすべく、全力を尽くしてまいります。
農林水産省の職員一人一人が、消費者のことを真剣に考え、食の安全を守るとの強い意識をもって、政策・業務の改善・充実にまい進できるようになるまで、全力をあげて農林水産省の改革を実行してまいりますので、国民の皆様の御理解の程、よろしくお願い申し上げます。

 

平成20年11月28日
農林水産大臣   石破 茂