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農林水産省

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更新日:平成23年6月15日

担当:生産局畜産部畜産振興課

保管している牧草等の取扱いに関するQ&A

農林水産省は、牧草の放射性物質の調査結果が粗飼料の暫定許容値を上回る地域において、刈取り保管している牧草等の家畜への給与や処分等について、6月8日(水曜日)に関係する都県に対し通知を発出したところです。この通知についての畜産農家の皆さまに理解を深めていただくため、Q&Aを取りまとめました。

畜産農家の皆様へ!!保管している牧草等の取扱いに関するQ&A(平成23年6月15日現在)

【通知の内容】

Q1.今回の技術指導通知の主な内容は何ですか。

【保管している牧草の利用】

Q2.保管している牧草を使って良いかどうかは、どのように判断すれば良いですか。

Q3.定点調査の結果(放射性物質の濃度)が、同じ地点でも調査時期により異なるのは何故ですか。

Q4.一番草は、良質なものが多くとれるので、刈り取り時期を遅らせて(暫定許容値以下になるのを待ってから)収穫して良いですか。

Q5.刈り取った牧草の検査を検査機関へお願いし、自らの牧草を使用しても良いですか。

Q6.飼料利用できない牧草等を敷料として利用しても良いですか。

【保管している牧草の処分】

Q7.飼料利用できない牧草等を埋却やすき込みを行った場合、ほ場に悪影響はないのですか。

Q8.飼料利用できない牧草等の埋却作業時には、何に注意すれば良いですか。

Q9.飼料利用できない牧草等を埋却する場合の覆土の厚さは、どのくらい必要ですか。

Q10.飼料利用できない牧草等を埋却しても、地下水等への影響はありませんか。

Q11.飼料利用しない牧草等は、いつ処分すれば良いですか。

Q12.放射性物質により汚染された牧草をほ場にすき込むと、消費者が畜産物の安全性について不安になるのではないですか。

【賠償等】

Q13.放射性物質汚染により利用できない牧草の代替飼料は、どのように確保すれば良いですか。

Q14.放射性物質汚染により牧草が利用できなくなったが、この賠償請求はどのようにすれば良いですか。

Q15.飼料利用しない牧草等の埋却やすき込みは誰が行うのですか。

Q16.賠償が行われるまでの、つなぎの金融対策について教えて下さい。

【廃用牛等への対応】

Q17.廃用を予定している牛には、放射性物質を含んだ飼料を与えても良いですか。

Q18.すぐに廃用したい牛がいるが、出荷して問題はありますか。

 

【通知の内容】

Q1.今回の技術指導通知の主な内容は何ですか。

A1.今回の指導通知は、「原子力発電所事故を踏まえた飼料生産・利用等について」(平成23年4月22日付け23生畜第186号畜産振興課長通知)による指導に基づき、給与を見合わせ保管していただいている牧草等について、各都県が実施する牧草等の放射性物質調査の結果に応じた利用方法や処分方法等を示したものです。

今後も、飼料の生産・利用等についての知見の収集を図り、留意事項の見直しや追加を行う予定です。

 

【保管している牧草の利用】

【放射性物質の濃度に応じた家畜への給与等の取扱いについて】

Q2.保管している牧草を使って良いかどうかは、どのように判断すれば良いですか。

A2.牧草の利用や放牧の可否については、各都県が定点調査を行い、その結果に基づいて指導を行っていますので、採草及び放牧地が所在する都県庁畜産関係課または、普及センター等へお問い合わせ下さい。


青森県畜産課  電話017-722-1111
岩手県畜産課  電話019-651-3111
宮城県畜産課    電話022-211-2111
秋田県畜産振興課 電話018-860-1111
山形県畜産課  電話023-630-2211
福島県畜産課  電話024-521-1111
茨城県畜産課  電話029-301-1111
栃木県畜産振興課 電話028-623-2350
群馬県畜産課  電話027-223-1111
埼玉県畜産安全課 電話048-824-2111
千葉県畜産課  電話043-223-2939
東京都農業振興課 電話03-5321-1111
神奈川県畜産課  電話045-210-1111
長野県園芸畜産課 電話026-232-0111

 

【調査時期により調査結果が異なる理由】

Q3.定点調査の結果(放射性物質の濃度)が、同じ地点でも調査時期により異なるのは何故ですか。

  A3.これまでの大気中の放射線量データや定点調査結果等から、牧草の放射性物質汚染は、主に3月11日の原子力発電所の事故に伴い放射性物質を含む粉じん等が降下し付着したこと等によるものと考えられます。したがって、牧草が成長したことによりセシウムの相対的な濃度が低下したことなどが考えられます。

なお、放射性セシウムは、半減期が2年または30年と長いことから、植物体に吸収された放射性セシウム量は、数週間程度ではほとんど変化しません。

 

【一番草を遅らせて収穫したい】

Q4.一番草は、良質なものが多くとれるので、刈り取り時期を遅らせて(暫定許容値以下になるのを待ってから)収穫して良いですか。

 

 

 A4.畜産農家における一番草の重要性は理解しておりますが、一番草について暫定許容値(目安)を大きく上回った地域では、
[1]刈り取り時期を遅らせても暫定許容値以下となることが確実ではないこと
[2]一番草の刈り取りにより、一番草に付着した原子力発電所の事故に伴い降下した放射性物質等が牧草地から取り除かれ、土壌からの移行のみとなるため、二番(再生)草の放射性物質濃度の低下が期待できることから、

一番草を早めに刈り取り、二番草の確保を推奨しているところです。

 【牧草の検査について】

Q5.刈り取った牧草の検査を検査機関へお願いし、自らの牧草を使用しても良いですか。

 

 

 A5.牧草のサンプルの放射性物質濃度の検査については、検査機関の検査能力に限界があることから、飼料作物については、農家毎ではなく地域毎での放射性物質の検査を行っているところです。このような事情にご理解をお願いします。

 

【敷料利用について】

Q6.飼料利用できない牧草等を敷料として利用しても良いですか。

 A6.牛が摂取するおそれがあるので、放射性物質により飼料として給与できない牛の敷料にはしないで下さい。

 

保管している牧草の処分等

【すき込みによる悪影響について】

Q7.飼料利用できない牧草等を埋却やすき込みを行った場合、ほ場に悪影響はないのですか。

A7.そもそも、300~5,000Bq/kgの牧草は、繁殖雌牛などに給与して構わないものです。また、放射性物質に汚染された牧草については、300~5,000Bq/kgの地域では、通常の一般廃棄物として処分又は、土中にすき込むことにより処分することとしています。

さらに、すき込みにより土壌中に増加したセシウムが、次に作付けした牧草等へ移行する割合(移行係数)は、土壌や牧草の種類等により幅がありますが、平均値は0.063とされています。

このため、作土の深さを15cm以上とし、まんべんなくすき込めば、すき込み後に生産される牧草の土壌中からの放射性セシウムの吸収による汚染は、非常に小さいものとすることができます。

土壌へすき込む深さについては、一般的な牧草の根の深さが約15cm程度であることから、30cm以上深くすき込むことにより、根からの放射性物質の吸収を抑えることができると考えられます。

なお、永年牧草地でのすき込み(草地更新)は、ルートマットの汚染状況を把握した上で草地の汚染度の低減のため、どのような方法が適当か検討しますので、可能な場合は、追ってお知らせするまで行わないで下さい。

【参考】

作土の深さを15cm、土の比重を1とすると、土壌の重さは、150トン/10a。牧草の単収を4トン/10aとすると、すべての牧草を深さ15cmにまんべんなくすき込んだ場合に、牧草と土壌の重量比は、
[1]牧草:土壌 = 4:(150+4) ≒ 1/40

になります。

さらに、すき込んだ牧草を含む土壌から、次に作付けした牧草へ移行する放射性セシウム濃度は、この移行係数の平均値(=0.063)を用いて推定すると、
[2]1/40 x 0.063 ≒ 1/635
になります。

これより、仮に暫定許容値の上限である5,000 Bq/kgの牧草をすき込んだ場合、次に作付けする牧草へ移行する放射性セシウムは、
[3]5,000 x 1/635≒8(Bq/kg)
と推測されます。これは、放射性物質の検査機器の検出限界(≒10 Bq/kg未満)とほぼ同じレベルです。

 

注:農作物中に蓄積される元素の濃度と、土壌に含まれる同じ元素の濃度比を「移行係数」といいます。ここでは、土壌(乾燥土壌)と農作物(生鮮重)としています。これまでの調査結果から、土壌の性状、土壌中のミネラル濃度及び酸性度(pH)及び作物の種類等によって異なることが知られています。なお牧草のセシウム移行係数については、IAEAのリポート(Technical Reports Series No.472)では、0.048~0.99(平均:0.063)とされています。
 

【埋却作業時の注意事項について】

Q8.飼料利用できない牧草等の埋却作業時には、何に注意すれば良いですか。

 A8.牧草等を大量に埋却した場合、有機物が分解される過程で地面沈下が起きることがあります。このため埋却地は、トラクターの通行など農作業に影響しない安全な場所に設定して下さい。転作田等に埋却する場合には、深い埋却により暗渠の破壊や、ほ場の漏水を起こすことがないよう注意して下さい。

また覆土は、できるだけ厚くしっかり鎮圧し、埋却後は、その場所が分からなくならないようロープを張るなど目印をし、トラクターの通行などの安全を確保して下さい。

なお、地面沈下が発生した場合は、覆土を行い、地盤が落ち着くまで作付等は控えて下さい。


【覆土の厚さについて】

Q9.飼料利用できない牧草等を埋却する場合の覆土の厚さは、どのくらい必要ですか。

  A9.覆土の厚さについては、一般的な牧草の根の深さが15cm程度であることから、30cm以上を確保すれば、埋却場所で作付けを再開した際に、作物の根から放射性物質の吸収を抑えることができると考えられます。なお、放射性セシウムは、土壌中での移動速度が非常に小さいことが知られています(ほとんどが下方に年間1cm以下の移動速度との報告)。 

注:チェルノブイリ事故後の東欧や北欧の調査結果(Arapisら、1997)

 

【埋却による地下水への影響について】

Q10.飼料利用できない牧草等を埋却しても、地下水等への影響はありませんか。

 A10.放射性セシウムは、土壌粒子と結びつきやすい性質を持つ1ことから、土壌中の移動速度は非常に小さいことが知られています2。このため、土壌に吸着する前に地表水等に溶出することの無いよう、水源地、地下水脈、河川敷、湿地等直接水が流れている場所を避けて埋却することにより、地下水等への影響を低減することができます。

 

注1:セシウムは土壌中では、1価の陽イオンになるため、負に帯電した土壌に引きつけられ、土壌表面に止まる性質を持ちます。さらに、土の中の粘土に含まれる鉱物(粘土鉱物)のうち特定のものは、放射性セシウムをしっかりと保持し吸着する性質があります。土に降った放射性セシウムの70%が、粘土鉱物に強く保持されるという研究結果も報告されています。 

注2:降水量の多い日本の土壌においても、1960年代に沈着した大気圏核実験由来のセシウム137は、表層土壌に蓄積しており、表層から30cmより深いところではセシウム137は、ほとんど検出されていません(Fukuyamaら、2004)。

 

【利用しない牧草の処分時期について】

Q11.飼料利用しない牧草等は、いつ処分すれば良いですか。

 A11.飼料利用しない牧草等については、それぞれの農家の年間の作業スケジュールに合わせ、作業のしやすい時期に、埋却、すき込み(5,000Bq/kgを上回る牧草は除く)などを行うこととし、それまでの間は保管していただいてかまいません。

 

【すき込みによる安全性の不安について】

Q12.放射性物質により汚染された牧草をほ場にすき込むと、消費者が畜産物の安全性について不安になるのではないですか。

A12.5,000Bq/kgを超える牧草等については、すべて一般廃棄物として処分することとしており、ほ場へ還元されることはありませんので、畜産物への影響はありません。

また、5,0000Bq/kg以下の飼料利用が可能なレベルの牧草等について、すき込んだ場合の、栽培される牧草への影響については、問7の通りです。

このため、通知に従って放射性物質により汚染された牧草をほ場にすき込むのであれば、畜産物の安全性への影響はありません。 

福島県の浜通り地方及び中通り地方(一部を除く)は、引き続き保管することとなります。

 

【賠償等】

【代替飼料の確保について】

Q13.放射性物質汚染により利用できない牧草の代替飼料は、どのように確保すれば良いですか。

 A13.安全な畜産物生産を継続できるよう、放射性物質汚染により利用できない牧草の代替飼料の確保を図る必要があります。このため、農林水産省では、主な輸入団体に対し、農家ニーズを踏まえた輸入粗飼料の確保を要請するとともに、他県の粗飼料をあっせんする等の対応を行っているところです。

 また、代替飼料の注文が間に合わないなど、国産粗飼料が緊急に必要な場合等の相談については、県に相談窓口を設置するようお願いしている他、国にも相談窓口を設置していますのでご相談下さい。

 

 【賠償請求の方法について】

Q14.放射性物質汚染により牧草が利用できなくなったが、この賠償請求はどのようにすれば良いですか。

 A14.原子力損害賠償紛争審査会で提示された第2次指針では、政府の指導等により、放牧及び牧草等の利用を自粛した場合は、代替飼料の購入費用などの追加的費用を含め営業損害分を賠償すべき損害と認められると明記されていることから、適切な賠償が行われるものと考えています。

なお、東京電力に対する賠償請求に当たっては、証拠書類が必要となりますので、飼料生産に係る作業日誌、資材等の購入伝票、代替飼料等の購入に係る領収書、家畜の飼養日誌等を前もって準備しておいて下さい。

 

【牧草等の埋却処分について】

Q15.飼料利用しない牧草等の埋却やすき込みは誰が行うのですか。

A15.埋却やすき込みの作業は、畜産農家自ら行って頂くか、困難な場合には業者等に依頼して、これを行って下さい。

なお、賠償に備え、証拠書類となりうる写真や作業日誌、業者等からの請求書等を保管しておいて下さい。

 

【つなぎ融資について】

Q16.賠償が行われるまでの、つなぎの金融対策について教えて下さい。

 A16.東電からの賠償が行われるまでの間、JA等からつなぎ融資を受けやすくなるよう、補正予算において、農業信用基金協会による無担保・無保証人での債務保証を実施しているところです。

 

廃用牛等への対応

【廃用予定の牛の飼料について】

Q17.廃用を予定している牛には、放射性物質を含んだ飼料を与えても良いですか。

 A17.廃用を予定している牛については、当該牛から生産された牛肉が食品衛生法上の暫定規制値を上回ることがないよう、乳用牛の最終分娩後や肉用繁殖雌牛の廃用直前の妊娠期間中においては、事故発生前に刈り取った牧草や輸入粗飼料など放射性物質を含むおそれのない粗飼料を給与してください。

また、「原子力発電所事故を踏まえた家畜の飼養管理について」(平成23年3月19日付け22消安第9976号、22生畜第2385号畜水産安全管理課長、畜産振興課長通知)に基づき、水や土等からの放射性物質の摂取をできるだけ抑えるようわき水や流水等の利用は避けるなど適切な飼養管理を引き続き行って下さい。

 

【廃用牛の出荷について】

Q18.すぐに廃用したい牛がいるが、出荷して問題はありますか。

 A18.放射性物質を含む粗飼料を与えた牛を廃用する場合は、すぐに出荷せず、まず各都道府県の畜産関係窓口(問2参照)等に相談してください。各都道府県の畜産関係窓口等において、飼料から牛肉への放射性物質の移行の考え方に基づいて、地域の粗飼料において検出された放射性物質の濃度や粗飼料の給与量から牛肉中の放射性物質の濃度を推定します。推定の結果、牛肉の暫定規制値を上回るおそれがあるときは、と畜場への出荷は行わず、暫定規制値を上回るおそれがなくなると考えられるようになるまでの間、出荷を延期するようにして下さい。

 

 (参考)

平成23年6月8日付プレスリリース

東日本大震災について~調査結果が暫定許容値を上回る地域において刈取り、保管している牧草等の取扱い等について

お問い合わせ先

生産局畜産部畜産振興課草地整備推進室
担当者:飼料生産計画班 小倉、相田
代表:03-3502-8111(内線4925)
ダイヤルイン:03-6744-2399
FAX:03-3580-0078

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