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農林水産省

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畜産農家の皆様へ(その3)~原子力発電所事故を踏まえた飼料生産・利用等について~

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畜産農家の皆様へ(その3)

  1. 通常よりも高いレベルの放射線量が検出されている地域などでは、今後、各県が牧草中の放射性物質について調査を行い、その結果を踏まえ、事故後に収穫した粗飼料の使用や放牧について指導を行います。
  2. 放射性物質の濃度が粗飼料中の放射性物質の目安(暫定許容値)を大きく上回る地域では、
    [1] 牧草が収穫可能な草丈となったら、できるだけ早く刈り取り、再生草の生育を促しましょう。
    [2] 刈り取った草は給与せず、ほ場などで保管して下さい。今後、廃棄の方法等を追ってお知らせしますので、それまでの間、堆肥への混入、すき込み、焼却等は行わないでください。
  3. 平成23年産の飼料作物の作付けの制限は行いませんが、放射性物質の降下が続いています。そこで、収穫・給与については、今後、作付け後の飼料作物や土壌の調査を行い情報提供を行います。
  4. その他、以下のことに気をつけましょう。
    [1] 育成牛や肉用繁殖牛向けの粗飼料は、搾乳牛や肥育牛と同一のものを使う場合を除き、分けて保管しましょう。
    [2] 屋外運動場は、放牧ができるようになった地域に限り、除草などを行って利用しましょう。

 

このお知らせに関するお問い合わせは

生産局畜産部畜産振興課  小倉、相田
代表:03-3502-8111(内線4925)
ダイヤルイン:03-6744-2399

 

原子力発電所事故を踏まえた飼料生産・利用等について

23生畜第186号
平成23年4月22日

東北農政局生産経営流通部長
関東農政局生産経営流通部長 あて

生産局畜産部畜産振興課長

原子力発電所事故を踏まえた飼料生産・利用等について

東京電力(株)福島第一原子力発電所事故(以下、「事故」という。)の発生による放射性物質を含む粉じんの降下に対応した家畜の飼養管理については、「原子力発電所事故を踏まえた家畜の飼養管理について」( 平成23年3月19日付け22消安第9976号、22生畜第2385号畜水産安全管理課長、畜産振興課長通知)(以下、「関係課長通知」という。)により、各県を通じた指導をお願いしているところです。

今般、「原子力発電所事故を踏まえた粗飼料中の放射性物質の暫定許容値の設定等について」(平成23年4月14日付け23消安第456号畜水産安全管理課長通知)に基づいて、食品の暫定規制値を超えない牛乳や牛肉を生産するための目安として、粗飼料中の放射性物質の暫定許容値が定められるとともに、牧草等の放射性物質の定点調査(以下、「定点調査」という。)が進められることとされたところです。

このような中、安全な畜産物の生産を図るための対応策として、今後得られる定点調査結果に応じた粗飼料の取扱いや、飼養管理上の留意事項等について、以下のとおり整理したので、貴局管内の各県に対し、周知されるようお願いします。

なお、今後とも飼料の生産・利用について知見の収集を図り、留意事項の見直しや追加を行うこととしておりますので申し添えます。

1 定点調査結果が得られるまでの対応

大気中の放射線量が通常より高いレベルで検出された地域(注)にあっては、引き続き、関係課長通知に基づく対応を行うこと。

注)大気中の放射線量が通常よりも高いレベルで検出された地域については、文部科学省がとりまとめている都道府県別環境放射能水準調査結果、原子力施設周辺環境モニタリングデータ等(http://www.kantei.go.jp/jp/kikikanri/jisin/20110311miyagi/monitoring.html)のデータを参照すること

2 定点調査結果が得られた後の対応

(1)定点調査結果又は県が行う粗飼料の放射性物質測定試験の結果(以下、「調査結果等」という。)が粗飼料の暫定許容値を下回る場合
各県においては、調査結果等や農産物の出荷制限の実施状況を踏まえ、別表を参考とし、事故後(平成23年3月11日以降)に収穫された粗飼料の使用や放牧が可能かどうか判断するものとする。

また、その判断にあたっては、原乳等の出荷制限・解除の状況を考慮することとする。

(別表)放牧や事故後に収穫した粗飼料の使用が可能な地域の目安

  乳用牛(経産牛及び初回交配以降の牛) 肉用牛(出荷前短くても15ヶ月程度以降の牛) その他の牛(乳用牛及び肉用牛以外の牛)
セシウム

[1]各県内3ヶ所以上の全ての定点調査地点において、初回の牧草の調査結果が300Bq/kgを下回った県(初回の調査結果が300Bq/kgを超過した場合は3回連続して300Bq/kgを下回った県)

[2]または各県が行う粗飼料の放射性物質測定試験実施地点を3点以上含む地域において、初回の試験結果が全て300Bq/kgを下回った地域(初回の試験結果が300Bq/kgを超過した場合は3回連続して300Bq/kgを下回った地域)

[1]各県内3ヶ所以上の全ての定点調査地点において、初回の牧草の調査結果が300Bq/kgを下回った県 (初回の調査結果が300Bq/kgを超過した場合は3回連続して300Bq/kgを下回った県)

[2]または各県が行う粗飼料の放射性物質測定試験実施地点を3点以上含む地域において、初回の試験結果が全て300Bq/kgを下回った地域(初回の試験結果で300Bq/kgを超過した場合は3回連続して300Bq/kgを下回った地域)

定点調査または県が行う牧草の放射性物質測定試験の結果が5,000Bq/kgを下回った地域

注)ただし、これまでの農産物の定点調査事例の変動等を踏まえ、一定の数値上昇が見られた例があることから、 3,000Bq/kgを1つの目安として、これを超えた場合は次回の結果においても5,000Bq/kgを下回ることを確認してから判断することが望ましい。

ヨウ素

[1]各県内3ヶ所以上の全ての定点調査地点において、初回の牧草の調査結果が70Bq/kgを下回った県(初回の調査結果が70Bq/kgを超過した場合は3回連続して70Bq/kgを下回った県)

[2]または各県が行う粗飼料の放射性物質測定試験実施地点を3点以上含む地域において、初回の試験結果が全て70Bq/kgを下回った地域(初回の試験結果が70Bq/kgを超過した場合は3回連続して70Bq/kgを下回った地域)

農産物の出荷制限が課されていない地域 農産物の出荷制限が課されていない地域

※ 大気中の放射線量が通常のレベルであった地域にあっては、その限りでない。

(2)調査結果等が粗飼料の暫定許容値を上回る場合

調査結果等や農産物の出荷制限の実施状況を踏まえ、草丈が収穫可能となった段階で、できるだけ早期に低刈りにより刈取りを行い、再生草の確保を図ること。

その際、刈取った草については給与を見合わせ、保管すること。刈取った草の取扱いについては、飼料としての使用方法や 廃棄等の取扱いについて、追って通知する。それまでの間、堆肥への混入、すき込み、焼却等を行わないこと。

3 平成23年産の飼料作物の作付けについて

現時点で作付けの制限は行わない。今後、関係機関等が行う作付け後の飼料作物や土壌の放射性物質の濃度についての調査結果を踏まえ、飼料作物の収穫・使用については追って通知する。

4 その他飼養管理に関する留意事項等

(1)調査結果等を踏まえ、経営内の家畜に異なる粗飼料を給与する場合は、飼料庫の区分、粗飼料の包装への表示(大きくマジックで表示するなど)及び飼料の給与状況の記帳などにより、各家畜向け飼料の分別管理及び適正給与を徹底すること。

(2)貯水槽のふたや飼料タンクの密閉など降下する粉じん等の家畜の飲用水等への混入を防止するための措置については、引き続き講ずること。

(3)屋外運動場については、放牧が可能な地域において、清掃、除草等により、放射性物質の摂取の防止策が十分に講じられる場合、その利用を可能とする。
なお、その他の屋外運動場の利用を可能とするため、客土等による屋外運動場の放射性物質の濃度低減対策や家畜飼養管理方法による放射性物質の摂取防止対策等について知見を収集し追って通知する。

原子力発電所事故を踏まえた飼料の生産・利用に関するQ&A(未定稿)

【通知の趣旨】

 問1 今回の技術指導通知の目的について

(答)

これまで、原発事故への対応として、大気中の放射線量が通常よりも高いレベルで検出された地域については、事故前に収穫・保管した粗飼料を使用することや、放牧を控えることなどを指導してきました。

このような中、飼料の収穫、放牧の開始時期を迎えることから、放射性物質の汚染状況に基づく的確な対応を行うため、粗飼料の暫定許容値が設定されるとともに、牧草等の定点調査も開始されました。

今回の技術指導通知は、安全な飼料の生産・利用等を通じて安全な畜産物の生産を図るための対応策として、この定点調査の結果に応じた生育中の牧草の利用や放牧の取扱い、新たな飼料作物の作付けなどについての考え方を、現時点までの知見に基づいて示すものです。

今後も、粗飼料の放射性物質による汚染防止対策などについて技術的な検討を行い、継続的に情報提供を行う予定です。 

 

【定点調査結果が得られるまでの当面の対応】

問2 定点調査結果が得られるまでの対応について

(答)

定点調査結果が得られるまで、大気中の放射線量が通常より高いレベルで検出された地域では、引き続き事故前に収穫・保管した粗飼料等を使用し、放牧を控えてください。

なお、現在生育中の牧草は、収穫してかまいませんが、収穫した牧草については、青刈り給与は行わず保管してください。

 

【定点調査結果、粗飼料の暫定許容値を下回る場合について】

問3 乳用牛・肉用牛の放牧や粗飼料の使用が可能な地域を判断するための目安となる条件(調査点数・回数など)について

(答)

放射性物質による汚染状況は、風向きや地形等により左右される可能性があることから、これらの要素も考慮して放牧や粗飼料の使用を判断する必要があります。

このため、乳用牛(経産牛及び初回交配以降の牛)や肉用牛(出荷前短くても15ヶ月程度以降の牛)の放牧や粗飼料の使用が可能な地域を判断する際の目安として、本通知では、各県における全ての定点調査(3ヶ所以上)や地域において県が行う調査の結果(3点以上)において暫定許容値を下回る場合とします。

また、原乳等の出荷制限・解除の状況の考慮については、原乳等の出荷制限の解除にあたり、放牧の見合わせ等を条件としている場合、関係機関等と調整を図ることが必要となることがあります。

 

問4 育成牛等の放牧や粗飼料の使用が可能な地域を判断するための目安となる条件について

(答)

問3の乳用牛や肉用牛以外の牛の放牧や粗飼料の使用が可能な地域を判断する際の目安として、本通知では、乳用牛などの場合と異なり、各地域ごとの定点調査や県の調査(各1点)において暫定許容値を下回る場合としています。

なお、これまでの農産物の定点調査事例において、一定の数値上昇が見られた例があることから、3,000Bq/kgを超える測定結果の場合は、測定値の変動の可能性を鑑み、次回の調査結果も参考に判断を行うことを勧めています。

 

【定点調査の結果、粗飼料の暫定許容値を上回る場合について】

問5 定点調査において、暫定許容値を超えた地域の草地の取扱いについて

(答)

定点調査において暫定許容値を超えた地域及び農産物での調査結果などから超えることが想定される地域の草地においては、なるべく早期に牧草の刈取りを行い、再生草の収穫に向けた準備に取り組んでください。その際、刈り取った草について問6により対応してください。

なお、刈り取った草がほ場に残ることを防ぐため、[1]適切な草丈(30cm以上)になってから刈取りを行う、[2]適切な作業速度で作業する等の点に留意してください。

 

問6 定点調査や県の行う調査等において、暫定許容値を超えた地域で収穫した粗飼料の取扱いについて

(答)

原子力発電所の事故以降に収穫した粗飼料については、給与を見合わせ、ラップ等により事故以前に収穫した飼料と区分して保管してください。保管後の取扱いについては、牧草中の放射性物質の含有状況や牛への影響等の知見の収集を踏まえ、追って情報提供します。

暫定許容値を大きく上回るなど利用が困難と見込まれる場合は、廃棄することになりますが、改めて、その方法等について、情報提供しますので保管し、堆肥への混入、すきこみ・焼却等は行わないでください。

 

【今後の作付け等について】

問7 平成23年産の飼料作物の作付けについて

(答)

飼料作物については、作付けの制限は行いません。

ただし、計画的避難区域では、概ね1ヶ月を目途に計画的避難を実行するとされており、実態として作付けは困難になると考えられます。緊急時避難準備区域でも、自主的避難や区域内に立ち入る際に常に緊急時に屋内避難等ができるようにすることが求められていることから、作付ける場合にも、一定の制約を受けることがあるのではないかと考えられます。

また、土壌や作付け後の放射性物質の濃度についての調査を進め、改めて粗飼料の収穫・使用に向けた指導を行うこととしています。

 

【損害補償】

問8 放牧や粗飼料の使用が制限されることにより生じる損害への補償について

(答)

今回の原子力発電所の事故によって生じる損害については、事故との相当の因果関係が認められるものについては、「原子力損害の賠償に関する法律」に基づき適切な賠償が行われることとなります。

具体的には、今回の補償の範囲については、今後、原子力損害賠償紛争審査会が定める原子力損害の範囲の判定指針に基づいて判断されることとなりますので、適切な補償が行われるよう万全を期していく考えです。

なお、このような指針が明らかになるまでには、一定期間を要するため、現段階で農家が前もって準備するものとして、 飼料生産に係る作業日誌や、資材等の購入伝票、代替飼料等の購入に係る領収書、家畜の飼養日誌など損害が証明できる資料を保管しておいてください。

 

【その他】

問9 屋外運動場の利用について

(答)

屋外運動場においては、牛が屋外運動場内で土や雑草等を摂取することにより、放射性物質を摂取する可能性があります。

このため、放牧可能な地域の屋外運動場について、清掃、運動場の周囲を含めた除草など放射性物質を牛が摂取しないような防止策が十分に講じられる場合に限り、利用するようにしてください。

また、その他の屋外運動場についても利用可能とするため、今後、客土による屋外運動場の放射性物質の濃度低減対策などについて知見を収集し、追ってその対策をお知らせすることとしています。

 

問10 放牧や粗飼料の使用ができないことにより必要となる代替飼料の確保について

(答)

放牧や粗飼料の使用ができないことにより必要となる代替飼料については、関係者と連携し、他の地域で生産された粗飼料の広域流通や輸入粗飼料による確保を図ります。

粗飼料の確保が困難となることが見込まれる場合は、普段取引をしている農協等に早めにご相談ください。

 

 

畜産農家の皆様へ(その3)~原子力発電所事故を踏まえた飼料生産・利用等について~(PDF:276KB)

 

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