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農林水産省

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計画的避難に伴い必要となる費用の取扱いについて

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平成23年6月2日更新

 

 

計画的避難に伴い必要となる費用について、「東京電力(株)福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する第一次指針(以下「第一次指針」という。)」ではどのような扱いになるかについて、原子力損害賠償紛争審査会事務局の確認を経た回答を掲載いたします。 

1.農業機械の保管等に伴う費用の取扱いについて

【問】計画的避難に伴い、農業者が農業機械の保管管理を行うことが困難になるため、市町村等が農業機械を既存施設に集約して管理を代行する場合の費用(管理施設までの移動経費、機械の損傷防止のための資材等の経費、監視カメラの設置経費、巡回管理の委託経費等)は、賠償の対象となりますか。

(参考)例えば、計画的避難の実施期間中における農業機械の保管を以下の方法により、農業者に代わり市町村等が行う場合。
<農業機械の保管方法>
[1]地域の野球場及び陸上競技場に、農業機械を集約
[2]農業機械をブルーシート等の損傷防止のための資材で覆い、入口にゲートを設け施錠
[3]監視カメラを複数台設置するとともに、昼間は役場が、夜間は民間警備保障会社が監視

(回答)

  • 第一次指針(第3の5の「営業損害」)によれば、対象区域内で政府による避難等の指示があったことにより、事業への支障を避けるために生じた追加的費用(営業資産の保管費用を含む)も、損害として認められます。
  • ご質問のような費用は、こうした追加的費用として、必要かつ合理的な範囲で賠償の対象となると考えられます。この場合の必要かつ合理的な範囲は、具体的には個々のケース毎に、各保管方法の必要性及び合理性等を勘案して、判断されることになります。
    (※個々のケースでの判断は、原子力損害賠償紛争審査会が作成する指針(第一次指針を含む。)を踏まえ、被害者が損害賠償請求を行い、原子力事業者との間で賠償交渉を行うことによって行われます。その際、同審査会は必要に応じ、和解の仲介を行うこととされています。(以下同じ。))等。

 2.畜産関係の費用の取扱いについて

【問1】以下の費用は損害賠償の対象になりますか。
[1]屋内退避等の指示により生産者が家畜の出荷を見合わせた後、一定の条件で出荷が可能となるまでの間の、出荷適期を超えて飼養した場合の飼料費や労働費等の掛かり増し経費
[2]避難等の指示により家畜を移動し、移動先で家畜の飼養管理を第3者に委託した場合の預託料等の掛かり増し経費
[3]計画的避難区域等からの家畜の移動・出荷を断念し、殺処分するための経費(薬剤費、獣医師技術料等)
[4]計画的避難区域等から家畜を移動させ移動先で飼養するに当たり、頭数規模等に合わせた適正な飼養管理を行うための農地・牧野や畜舎等の改修、借り上げ費用等
[5]家畜の世話をするため、飼養者の避難場所から家畜の飼養場所(避難前の区域に家畜を残してきた場合や移動後の家畜の飼養場所が離れている場合等)に通う場合の交通費等の掛かり増し経費
[6]計画的避難区域等において、放牧・屋外飼育や粗飼料の利用中止を余儀なくされ、代替飼料を購入した場合の費用
[7]計画的避難区域等において、放牧・屋外飼育や粗飼料の利用中止を余儀なくされ、牧草を廃棄するための費用
[8]計画的避難区域等において、放牧・屋外飼育の自粛等により放牧ができないことによる掛かり増し経費(簡易畜舎の増設、遠方の放牧場への移送経費等)

(回答)

  • 第一次指針(第3の5の「営業損害」)によれば、対象区域内で政府による避難等の指示があったことにより、事業に支障が生じたために負担した追加的費用(商品、営業資産の廃棄費用を含む)や、事業への支障を避けるため又は事業を変更したために生じた追加的費用(営業資産の移動費用を含む)も、損害として認められます。
  • 上記[1]から[8]までのような費用は、こうした追加的費用として、必要かつ合理的な範囲で賠償の対象となると考えられます。        この場合の必要かつ合理的な範囲は、具体的には個々のケース毎に、例えば[1]では当該期間について出荷を見合わせざるを得なかった事情があったか等を勘案して、判断されることになります。 

 

【問2】避難等により畜産経営継続が困難となり、家畜を売却・処分し、その後、経営再開が可能となり家畜を再導入するまでの間の逸失所得は賠償の対象になりますか。
(例えば肥育豚は年2回、ブロイラーは年間4~5回の出荷・販売が可能であるが、経営再開まではこれらによる収益(所得)が全て失われる)

(回答)

  • 第一次指針(第3の5の「営業損害」)によれば、対象区域内で政府による避難等の指示があったことにより、営業が不能になる等、事業に支障が生じたため、現実に減収のあった営業、取引等については、その減収分が損害と認められます。
  • ただし、第一次指針(第1の2、第2の1)によれば、継続的に発生し得る損害の終期や、避難等の指示が解除された後に発生する損害の扱いは、審査会において今後検討されます。
  • 従って、避難等により畜産経営継続が困難となったことによる逸失所得は、こうした減収分として、賠償の対象となる損害に該当すると考えられますが、賠償の対象となる期間については、審査会における今後の検討を待つ必要があります。

【参考】家畜の生産サイクル
飼養されている家畜自体が商品(棚卸資産)である、肥育牛、肥育豚、ブロイラーについては、年間を通して切れ目なく出荷と導入を繰り返して収益を得ている。
また、搾乳牛、繁殖牛、繁殖豚、採卵鶏は、家畜自体は固定資産であり、当該家畜から生産される、生乳、子牛、子豚、卵を商品として出荷することにより、年間を通じて収益を得ている。

例えば、

  • 肥育牛は子牛導入後、約20ヶ月の肥育期間を経て出荷。空いた畜舎には順次新しい子牛を導入。年間を通して切れ目なく出荷と導入を繰り返して収益を得ている。
  • 肥育豚は約6ヶ月の肥育期間を経て出荷。年間2回転が可能
  • ブロイラーは約50日の肥育期間を経て出荷。年間4~5回転が可能 

 

【問3】避難指示等により家畜を移動する場合、トラックへの積込み作業や運搬中に家畜が損耗(流産、骨折等)する場合があり、これらの治療経費又は価値喪失は損害賠償の対象になりますか。

(回答)

  • 第一次指針(第3の8の「財物価値の喪失又は減少等」)によれば、政府の指示による避難等を余儀なくされたことに伴い、対象区域内に所有していた財物の価値の全部又は一部が失われたと認められる場合には、現実に価値を喪失した部分及びこれに伴う追加的費用は損害と認められます。
  • ご質問の費用や価値喪失は、こうした価値喪失部分及び追加的費用として、必要かつ合理的な範囲で賠償の対象となると考えられます。この場合の必要かつ合理的な範囲は、具体的には個々のケース毎に、積み込み作業や運搬に際して過失がなかったか等を勘案して、判断されることになります。

 

【問4】対象区域における畜舎・設備・機械等の除染費用は損害賠償の対象になりますか。

(回答)

  • 第一次指針(第3の8の「財物価値の喪失又は減少等」)によれば、政府の指示による避難等を余儀なくされたことに伴い、対象区域内に所有していた財物の価値の全部又は一部が失われたと認められる場合には、現実に価値を喪失した部分及びこれに伴う追加的費用は損害と認められます。
  • ご質問の除染費用は、こうした追加的費用として、基本的には、必要かつ合理的な範囲で賠償の対象となると考えられます。但し、第一次指針によれば、喪失又は減少した財物の価値を回復するため除染等した場合の具体的な損害のとらえ方については、審査会において今後検討されることとなっています。

(参考)「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する第一次指針」

 (URL)http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/kaihatu/016/houkoku/1305640.htm

お問い合わせ先

 

お問い合わせ先
1.農業機械関係
生産局農業生産支援課
担当者:今野、高畑
代表:03-3502-8111(内線)4774
ダイヤルイン:03-6744-2111

2.畜産関係
生産局畜産企画課
担当者:川原、平川
代表:03-3502-8111(内線)4893
ダイヤルイン:03-3502-5992