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農林水産省

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INTERVIEW02



日鰻養鰻ハウス

  養殖鰻生産量日本一の鹿児島県。約10年前から同県志布志市で国産種苗にこだわった養鰻業を営み、年間約300トンの鰻を出荷されている株式会社日鰻さん。
  株式会社日鰻さんは、ヒートポンプを活用した養鰻池の加温システム導入によるCO2削減プロジェクトをJ-クレジット制度に水産分野で初めて登録(平成29年10月)しました。そこで、プロジェクト登録の経緯などについてお話をお聞きしました。

■養鰻業界初の排水熱利用+ヒートポンプによる養鰻池の加温システムが補助事業に採択


日鰻山田社長
(株)日鰻 山田代表取締役社長

- 養鰻にヒートポンプを導入したきっかけは何だったのでしょうか?

(日鰻)以前は重油焚きボイラーで加温していたのですが、約5年前、燃油価格の高騰を受け、安定的、効率的に事業を実施するためにヒートポンプの導入を検討しました。
  当時、ヒートポンプを使用した加温の事例はあったのですが、更に効率的に加温する新たな加温システムということで、池の水替えの際にこれまで捨てていた30℃の排水から熱交換器により熱を回収するとともに、ヒートポンプを利用して19℃の地下水を加温するシステムを開発しました。
  これが(一社)新エネルギー導入促進協議会の補助事業に採択され、施設導入(約4億円)に当たり非常に助かりました。
  このシステムを導入したことにより、燃料コストの大幅な削減(約5,500万円/年)と大幅なCO2の排出削減(約2,400t/年)が実現されました。


■実質2ヶ月で計画書を作成


- どのようなことをきっかけにJ-クレジット制度に参画することになったのでしょうか?

(日鰻)ヒートポンプの導入を検討していた際に、ヒートポンプ導入による削減分のCO2を売買できるという話は聞いていました。その後、今年の7月頃に新電力事業者の方からJ-クレジット制度の話を聞き、J-クレジット制度への登録について具体的に検討し始めました。
  すぐに制度事務局に連絡したところ、9月末までに申請すれば、J-クレジット制度に登録できるということだったので、制度事務局の支援を受けて、実質2ヶ月で計画書を作成しました。
  J-クレジット制度に登録するために必要なデータ類は、補助事業で既に収集していたものが活用できたので、J-クレジット仕様に作り変える手間はありましたが、それほど苦労なく進めることができました。

養鰻場
養鰻場

■新たな加温システムにより養鰻場の環境が改善


ヒートポンプ
ヒートポンプ

- ヒートポンプ導入によるメリット、デメリットはありますか。

(日鰻)まずメリットについてですが、燃料コストが大幅に削減できたことと、重油焚きボイラーのみを使用していた際は、養鰻ハウスに臭いやシミがついたりしましたが、ヒートポンプの導入により、そのようなことはなくなり、養鰻場の環境が著しく改善されたことです。
  デメリットは、冬場の寒い時期は適温になるまで時間が掛かるため、重油焚きボイラーを併用せざるを得ないことです。また、余りヒートポンプを使用しない場合でも電気基本料金が常に掛かることです。このため、高い電気基本料金とならないように、ヒートポンプの能力をフルには使っていません。


■他社がやっていないことをやってみる


- 日鰻さんの取組について、養鰻関係業者の反応はどうですか?

(日鰻)他の養鰻業者さんは、どちらかというと池を増やしたりする方に関心があり、今のところ当社のような加温システムを導入するといった話は聞いていません。ただ、当社の加温システムにも関心があるようで、問合せや見学の要望があります。
  また、この応接室にJ-クレジットの登録証を飾っていますが、これを見た来訪者は、J-クレジット制度や削減分のCO2を売買できることに関心を示す人が多いです。そういったことから、J-クレジット制度やヒートポンプの導入、CO2削減といったことに関する情報発信に心がけているところです。
  当社は「養鰻業に良いことと思われる取組は、他社がやってなくてもやってみる」という考えがあり、今回の加温システム以外に、国内で初めて養鰻池に高濃度酸素(特許取得)を導入しています。これは、養鰻池の好気性の環境を保ち、鰻の成長が早くなるもので、既に近隣の養鰻業者も導入しており、スタンダードになりつつあります。
  また、魚粉価格の高騰に対応するため、魚粉比率を下げた配合飼料を飼料メーカーと共同で開発しています。

熱交換器
熱交換器

高濃度酸素溶解装置
高濃度酸素溶解装置

■養殖鰻に環境付加価値を付けて販売することも検討


プロジェクト登録証
プロジェクト登録証

-最後にクレジットの使い道について教えてください

(日鰻)認証されたクレジットを売却した資金は、事業で活用することを考えています。
  また、本日、製品にクレジットを付加するなど環境付加価値を付けて販売することも可能とのお話をお伺いしたので、一般の方々に関心を持ってもらえるように、環境付加価値を付けた養殖鰻を出荷することも今後検討したいと思います。


関連リンク

・取組事例 株式会社日鰻

お問合せ先

大臣官房政策課環境政策室

担当者:地球温暖化対策班
代表:03-3502-8111(内線3296)
ダイヤルイン:03-6744-2016
FAX番号:03-3591-6640