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平成12年3月
平成11年7月16日、食料・農業・農村基本法(以下「基本法」という。)が施行された。
基本法は、従来の農業基本法の制定から約40年を経て、その間に生じた食料、農業及び農村をめぐる情勢の変化を踏まえ、新たな理念の下に政策体系を再構築したものであり、21世紀における食料、農業及び農村に関する施策の基本指針となるものである。
この基本法に即し、農業の持続的な発展と農村の振興を図り、将来にわたり食料の安定供給及び多面的機能の発揮を確保していくことは、政府はもとより、農業者、食品産業の事業者及び消費者、更には地方公共団体や食料、農業及び農村に関する団体も含め、関係者全体が取り組むべき国民的課題である。
このような課題に対処していくためには、基本法に掲げられた基本理念及び施策の基本方向を具体化し、関係者の不断の努力によりそれを着実に実現していくことが求められるが、その際、政府として、その的確な実施を図るための基本的な計画を明確に示すことが重要である。
食料・農業・農村基本計画は、このような観点から、基本法に掲げられた基本理念や施策の基本方向を具体化し、それを的確に実施していくための基本的な計画として、基本法に基づき新たに策定するものであり、政府は、この計画に基づき、食料、農業及び農村に関する施策を総合的かつ計画的に推進するとともに、施策の実施に当たっては、適切な時期にその効果に関する評価を行うこととする。
なお、この計画については、食料、農業及び農村に関する各種施策の基本となる計画であるという性格を踏まえ、今後10年程度を見通して定めるものとするが、食料、農業及び農村をめぐる情勢の変化並びに施策の効果に関する評価を踏まえ、おおむね5年ごとに見直し、所要の変更を行うこととする。
食料は、人間の生命の維持に欠くことのできないものであるだけではなく、健康で充実した生活の基礎として重要なものであり、食料の安定供給を確保することは、社会の安定及び国民の安心と健康の維持を図る上で不可欠である。
現在でも、世界で約8億人の人々が飢餓や栄養不足に直面しているが、21世紀においては、世界の総人口は増加を続け、これに伴い食料需要が大幅に増加すると見込まれているのに対し、農業生産については、既に水資源の枯渇や不安定化、過度な放牧や耕作による土壌の劣化や砂漠化といった資源・環境問題が顕在化しており、中長期的には世界の食料需給はひっ迫する可能性もあることが指摘されている。
こうした中で、我が国の食料自給率は、消費構造の変化等により年々低下し、最近では約3割にも及ぶ水田で米の生産調整を行っている中で、他作物の定着が必ずしも十分に図られていないこともあり、世界最大の食料純輸入国となっているが、国際的な規律を踏まえつつ、自国の資源を有効に活用して国民への食料の安定供給を確保する観点から、我が国農業の役割に対する期待が一層高まるものと見込まれる。このことは、我が国が世界の食料需給の安定に貢献することにもつながるものである。
また、食料に対する国民の需要については、食生活の変化を反映して高度化・多様化が進んでおり、今後消費者の健康志向・安全志向の高まり等を背景として基本的にはこの傾向が続くと見込まれることから、こうした需要の動向に即して食料供給を行うことが一層重要となる。
一方、このような食生活の変化に伴う栄養バランスの崩れ、かなりの食べ残しや食品の廃棄等の発生といった問題も指摘されており、食料消費の面において、これらの問題点の改善を図ることが重要な課題となる。
このような状況を踏まえ、食料自給率の目標を、その向上を図ることを旨とし、国内の農業生産及び食料消費に関する指針として、関係者が取り組むべき課題を明らかにして定め、その達成に向けて、国、地方公共団体、農業者及び農業に関する団体、食品産業の事業者並びに消費者が一体となって努力していかなければならない。
さらに、国民がゆとりややすらぎをこれまで以上に重視するようになっている中で、農業については、今後とも、国民に対し良質な食料を合理的な価格で安定的に供給することのみならず、水田農業を始めとして、農村で農業生産活動が行われることにより生ずる国土の保全、水源のかん養、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承等の多面的機能を適切かつ十分に発揮することが求められることとなる。
このように、我が国農業については、食料の安定供給の機能及び多面的機能を発揮することが期待されているが、これらの機能が十分に発揮されるためには、農業が持続的に発展すること及びその基盤たる役割を果たす農村の振興が図られることが重要である。
このような考え方に立ち、基本法に掲げる食料の安定供給の確保、多面的機能の発揮、農業の持続的な発展及び農村の振興という四つの基本理念の実現を図るため、同法に則り、次のような観点を踏まえ、食料、農業及び農村に関する施策を総合的かつ計画的に推進するものとする。
食料は、人間の生命の維持に欠くことができないものであり、かつ、健康で充実した生活の基礎として重要なものである。したがって、国民に対し、将来にわたって、良質な食料が合理的な価格で安定的に供給されなければならない。
国民に対する食料の安定的な供給については、世界における食料の需給及び貿易が不安定な要素を有していることにかんがみ、国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、これと輸入及び備蓄とを適切に組み合わせて行われなければならない。さらに、食料の安全保障を図る観点から、凶作、輸入の途絶等の不測の要因により国内における需給が相当の期間著しくひっ迫し、又はひっ迫するおそれがある場合においても、国民生活の安定及び国民経済の円滑な運営に著しい支障を生じないよう、国民が最低限度必要とする食料の供給の確保が図られなければならない。
また、国民の豊かな食生活の維持・確保を図っていくためには、国内の農業生産のみならず、国内の食品産業が重要な役割を担うことから、農業の生産性の向上及び食品産業の合理化・効率化を促進しつつ、農業と食品産業の健全な発展を総合的に図ることを通じ、高度化・多様化する国民の需要に即した食料の供給が行われるようにしなければならない。
国民がゆとりややすらぎをこれまで以上に重視するようになっている中で、農業については、食料その他の農産物を供給する機能以外の機能、すなわち、国土の保全、水源のかん養、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承等多面にわたる機能への期待が高まっている。これらの機能がもたらす効果は、農産物のように市場において評価されるものではないが、国民生活及び国民経済の安定に果たす役割にかんがみ、農村で農業生産活動が行われることにより生ずるこれらの多面的機能が、将来にわたって適切かつ十分に発揮されるようにしなければならない。
農業は、食料その他の農産物の供給の機能及びそれ以外の多面的機能という重要な機能を有している。したがって、将来にわたって、食料の安定供給が確保され、かつ、多面的機能が発揮されるようにするためには、農業の持続的な発展が図られなければならない。
このため、農業生産に必要な農地、農業用水その他の農業資源及び農業の担い手が確保され、農業技術水準の向上を伴いながら、地域の特性に応じてこれらが効率的に組み合わされた望ましい農業構造が確立されるようにするとともに、農業の自然循環機能(農業生産活動が自然界における生物を介在する物質の循環に依存し、かつ、これを促進する機能)の維持増進により、環境と調和のとれた農業生産の確保が図られるようにしなければならない。
農村は、農業者を含めた地域住民の生活の場であり、そのような場で農業が営まれていることにより、農業の持続的な発展の基盤たる役割を果たしている。このことにかんがみ、農業が食料その他の農産物の供給の機能及びそれ以外の多面的機能を適切かつ十分に発揮できるよう、農業の生産条件の整備及び生活環境の整備その他の福祉の向上により、農村の振興が図られなければならない。
したがって、地域の農業の健全な発展を図るとともに、景観が優れ、豊かで住みよい農村とするため、地域の特性に応じた農業生産の基盤の整備と交通、情報通信、衛生、教育、文化等の生活環境の整備その他の福祉の向上とを総合的に推進するものとし、農村における土地の農業への利用と他の利用との調整に留意して、農業の振興その他農村の総合的な振興が図られるようにしなければならない。また、中山間地域等の振興、都市と農村の交流の促進等が図られるようにしなければならない。
国民に対する食料の安定供給については、国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、これと輸入及び備蓄とを適切に組み合わせて行う必要があるが、食料自給率は、国内の農業生産の増大を図る際に、国内の農業生産が国民の食料消費にどの程度対応しているか評価する上で有効な指標である。
また、食料自給率は、国内の農業生産だけでなく、国民の食料消費の在り方によって左右されるものである。
したがって、食料自給率の目標を掲げることは、国民参加型の農業生産及び食料消費の両面にわたる取組の指針として重要な意義を有する。
さらに、食料自給率の目標を策定し、平常時において、その達成に向けて、必要な農地、農業用水等の農業資源の確保、農業の担い手の確保及び育成、農業技術水準の向上等を図ることは、我が国の食料供給力を向上させ、国内外における不作、国際紛争による農産物の輸入の大幅な減少や途絶等の不測の事態が生じた場合に、国民が最低限度必要とする食料の供給の確保を図ることにつながるものである。
(2)食料自給率の目標の定め方
食料自給率の目標については、これを掲げる意義及びその達成に向けた取組を通じ我が国の食料供給力の向上が図られることの重要性にかんがみ、また、我が国の食料自給率が年々低下し、供給熱量ベースで4割程度と先進国の中で最も低い水準となっている中で、国民の多くが我が国の食料事情に不安を抱いていることを踏まえれば、基本的には、食料として国民に供給される熱量の5割以上を国内生産で賄うことを目指すことが適当である。
しかしながら、この基本計画で定める食料自給率の目標は、計画期間内における食料消費及び農業生産の指針となるものであることから、実現可能性や、関係者の取組及び施策の推進への影響を考慮して定める必要がある。
このため、この基本計画においては、平成22年度までの計画期間を、関係者の努力により食料自給率の低下傾向に歯止めを掛け、その着実な向上を図っていく期間と位置付け、関係者が取り組むべき食料消費及び農業生産における課題を明らかにして、計画期間内においてこれらの課題が解決された場合に実現可能な水準を食料自給率目標として設定することとする。
なお、食料自給率の目標については、以下により示すこととする。
ア 食料消費及び国内生産による供給は、いずれも基本的に個々の品目についての消費者や実需者の選択の結果として位置付けられるものであることから、主要品目ごとの自給率の目標(重量ベース)を示す。
イ 我が国の食料全体の自給の程度を総合的に表す観点から、供給熱量ベース(カロリーベース)の総合食料自給率目標を示す。
なお、飼料の多くを輸入穀物に依存している畜産物並びにカロリーの比較的低い野菜及び果実の国内生産活動を適切に評価する等の観点から、金額ベースの総合食料自給率目標を参考として示す。
ウ 国民の主食である米等基礎的な食料として位置付けられる主食用穀物についての自給率の目標(重量ベース)及び飼料用を含む穀物全体の自給率の目標(重量ベース)並びに飼料自給率の目標(TDN(可消化養分総量)ベース)を示す。
(注)
1 供給熱量ベース(カロリーベース)の総合食料自給率は、国民に供給される食料を熱量に換算したもののうち、国内生産によって賄われるものの割合を示す指標である。また、金額ベースの総合食料自給率は、国内の食料供給額のうち、国内生産で賄われるものの金額の割合を示す指標である。
2 目標年次については、この計画が10年程度を見通して定めるものであることを踏まえ、かつ、今後の食料消費等を見通す上で前提となる経済動向等に関し、平成22年度(2010年度)までの見通しが公表されていることを勘案して、平成22年度とする。
3 国境調整措置の取扱いについては、WTO(世界貿易機関)の農業交渉の対象となるが、現段階ではその帰すうが明らかでないため、現行のウルグァイ・ラウンド農業合意による平成12年度の措置を前提とする。
我が国の食料消費は、所得水準の向上等に伴う国民の食生活の多様化及び高度化により、米の消費が減少し、畜産物や油脂の消費が増加するなど大きく変化してきたが、このことが、人口に比べ国土が狭あいで平坦でなく、耕作適地が少ないといった不利な条件を有する我が国において、国内生産がそれに十分対応し得なかったこともあって、食料自給率の低下の大きな要因となってきた。
こうした中で、近年、我が国の食料消費については、米を中心に地域産品も含めた多様な食品をバランス良く摂取する食生活が変化しており、脂質の摂取過多等の栄養バランスの崩れによる国民の健康への影響が懸念されている。また、食品の流通・消費段階においてかなりの廃棄や食べ残しが生じ、食料資源が無駄になるとともに、環境への影響が指摘されており、こうした問題に対する国民の関心も高まっている。
このため、健康で充実し、活動的な長寿社会の実現を目指し、脂質の摂取過多の改善等適正な栄養バランスの実現を図るとともに、食料資源の有効利用、環境への負荷の低減といった観点から、食品の廃棄や食べ残しを減少させることが、食料消費に関する重要な課題となっている。
食料消費については、消費者、食品産業の事業者その他の関係者がこれらの課題についての理解を深め、食生活の見直し等に積極的に取り組む必要がある。
近年の食料消費のすう勢によれば、食料消費が量的にはほぼ飽和水準に達している一方、質的には多様化する傾向が続く中で、米の消費の緩やかな減少と畜産物及び油脂の消費の増加等の傾向が続き、脂質の摂取過多等の栄養バランスの崩れ、かなりの食品の廃棄や食べ残しの発生といった状況が継続するものとみられる。
しかしながら、食料自給率の目標における食料消費については、食料自給率の目標が食料消費の指針としての性格を有することを踏まえれば、単にこれまでの動向が継続した場合のすう勢によるのではなく、消費者その他の関係者が食生活の見直し等に積極的に取り組むことを前提として定める必要がある。
このため、平成22年度における食料消費については、次のように、望ましい栄養バランスが実現するとともに、食品の廃棄や食べ残しが減少することを前提とする望ましい食料消費の姿を示すこととする。
ア 栄養バランスについては、摂取ベースでの脂質熱量割合を国民の健康の観点から適切な水準であるとされる25%にするという目標に対応して、供給ベースの脂質熱量割合が現状の29%から27%程度に低下すると見込む。
イ 品目としては、脂質を多く含む品目の消費が減少する一方、米を中心とする穀類の消費が堅調に推移し、糖質(炭水化物)の消費が増加すると見込むとともに、カルシウム等微量栄養素及び食物繊維の摂取の増加の必要性から野菜、豆類及びいも類の消費が増加すると見込む。
ウ 食品の廃棄や食べ残しを減少させることについて、国民の理解と関心が高まる中で、ダイオキシン対策関係閣僚会議(平成11年9月28日)で決定された廃棄物の減量化の目標量等を勘案して、近年の供給熱量と摂取熱量の差の約1割が減少し、供給熱量が2,540kcal程度になると見込む。
以上を前提とした平成22年度における主要品目別の食料消費の姿は、第1表のとおりである。
(第1表)平成22年度における望ましい食料消費の姿 (単位:万トン、kg)
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平成9年度 |
(参考)平成10年度 |
平成22年度 |
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米 うち主食用 |
1,011 909 |
991 897 |
1,008 906 |
|
| 小麦 |
629 |
622 |
652 |
|
| 大麦・はだか麦 |
271 |
269 |
258 |
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| 甘しょ |
114 |
114 |
120 |
|
| 馬鈴しょ |
409 |
383 |
416 |
|
|
大豆 うち食用 |
504 102 |
487 102 |
511 119 |
|
| 野菜 |
1,669 |
1,628 |
1,725 |
|
| 果実(計) |
869 |
807 |
842 |
|
| みかん |
139 |
122 |
124 |
|
| りんご |
150 |
134 |
145 |
|
| その他の果実 |
579 |
551 |
572 |
|
|
牛乳・乳製品 うち飲用 乳製品 |
1,210 |
1,202 |
1,318 |
|
| 肉類(計) |
547 |
552 |
534 |
|
| 牛肉 |
147 |
150 |
166 |
|
| 豚肉 |
208 |
213 |
186 |
|
| 鶏肉 |
182 |
180 |
172 |
|
| 鶏卵 |
268 |
264 |
252 |
|
| 砂糖 |
266 |
258 |
255 |
|
| 油脂 |
286 |
279 |
281 |
|
| 茶 |
10 |
8.8 |
9.7 |
|
|
魚介類 うち食用 |
1,136 838 |
1,075 814 |
1,104 814 |
|
| 海藻類 |
21 |
20 |
20 |
|
| きのこ類 |
48 |
50 |
53 |
|
|
(注)1 上段は1年当たりの国内消費仕向量(万トン)、下段の()内は1人1年当たりの供給純食料(kg)である。 2 平成10年度の数値については、一部未確定のものが含まれるため、参考として掲げるものである(以下同じ。)。 3 砂糖の<>内は、加糖調製品等に含まれる砂糖を除いた数量である。 |
(参考)平成22年度における総供給熱量とPFC熱量比(1人1日当たり供給量)
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平成9年度 |
(参考)平成10年度 |
平成22年度 |
|
総供給熱量(kcal) |
|
|
|
|
PFC熱量比(%) P(たん白質) |
13.3 |
13.4 |
13 |
|
(注)第1表の望ましい消費の姿に対応したものである。 |
食料消費のうち国内の農業生産によるものの割合を増加させることは、国内で生産された農産物等が消費者や実需者によって選択されることを通じて初めて実現されるものである。
しかしながら、麦、大豆、飼料作物等について品質、価格等の面で需要に見合った国内産の農産物の供給が行われていないなど、需要に応じた生産が十分図られていない状況が見られ、また、消費構造の変化への対応が十分でなかったこと等から多くの農産物の国内生産が減少する傾向にある。
このような状況を踏まえ、国内の農業生産の増大を図ることを基本として食料の安定供給を確保するためには、消費者や実需者によって国内産の農産物が選択されるよう、品目ごとに、生産性の向上、品質の向上等の課題を明確化した上で、農業者その他の関係者が、それらの課題の解決に向けて積極的に取り組む必要がある。
このため、食料自給率の目標における国内の農業生産については、食料自給率の目標が国内の農業生産の指針としての性格を有することを踏まえ、このような課題が解決された場合に実現可能な水準を「生産努力目標」として掲げることとする。
また、国内の農業生産の増大を図る取組をより着実に推進するため、全国段階における生産努力目標の策定と併せて、地域段階において、地方公共団体、生産者団体等による地域の条件と特色を踏まえた生産努力目標の策定を促進する。
ア 米
米については、望ましい食料消費の実現が図られることや需要拡大に向けた取組を通じ消費の減少傾向に歯止めがかかり、ほぼ横ばいになると見込むものの、依然として潜在的な生産力が需要を大きく上回る状況が継続すると見込まれる。一方、担い手の規模拡大等による生産性の高い営農の展開が十分ではなく、また、品質、価格、供給の態様等に関する消費者や実需者のニーズの多様化に対応した生産・流通体制の確立が十分には進んでいない現状にある。
このため、需要動向に即した計画的な生産を図ることを基本として、米と麦、大豆、飼料作物等を組み合わせた収益性の高い安定した水田農業経営の展開、生産規模の拡大等による低コスト化、多様なニーズに対応した生産・流通体制の確立等の取組を一層進めることが課題となっている。
イ 小麦
小麦については、近年、生産は横ばいで推移しているが、米の生産調整の規模や単収の変動により生産量が不安定な状況にある。また、国産小麦の多くの供給先である日本めん用の原料としては、輸入小麦(ASW(オーストラリア産スタンダード・ホワイト)等)に比べ品質面で劣り、かつ、ばらつきがあるという問題点が指摘されている。
このため、今後消費についてはほぼ横ばいになると見込む中、実需者のニーズを的確に把握するとともに、地域の条件に応じた基本技術の励行、品質分析に基づいた産地全体としての品質管理等の徹底、加工適性の高い早生品種の導入による品質の向上(製めん適性の5%程度の向上)及び安定化を推進することを基本として、生産組織や担い手の生産規模の拡大、作付けの団地化、合理的な作付体系の確立等による生産の安定化及び生産コストの3割程度の低減等の取組を通じ、品質の向上とそれに応じた価格の形成を図ることにより、日本めん用を中心として国産小麦の需要を拡大し、生産の大幅な増大を図ることが課題となっている。
ウ 大麦・はだか麦
大麦・はだか麦については、近年、生産は横ばいで推移しているが、米の生産調整の規模や単収の変動により生産量が不安定な状況にあり、また、品質にばらつきがあるという問題点が指摘されている。
このため、今後消費についてはほぼ横ばいになると見込む中、実需者のニーズを的確に把握するとともに、地域の条件に応じた基本技術の励行、品質分析に基づいた産地全体としての品質管理等の徹底、加工適性の高い早生品種の導入による品質の向上及び安定化を推進することを基本として、生産組織や担い手の生産規模の拡大、作付けの団地化、合理的な作付体系の確立等による生産の安定化及び生産コストの3割程度の低減等の取組を通じ、押麦等の食用需要並びにみそ及び麦茶用の需要をほぼ国産麦で賄うようにすることが課題となっている。
エ 甘しょ
甘しょについては、国内生産で需要をほぼ満たしているが、規模拡大や省力化の遅れ等により、近年生産は減少傾向にある。
このため、今後健康志向を背景とした需要拡大の取組により加工食品用の需要が増加し、消費全体についても大幅に増加すると見込む中、実需者との連携の強化を図りつつ、担い手の生産規模の拡大、機械化一貫体系の導入等による低コスト化や省力化(担い手層で労働時間の7割程度の減少)を実現する、加工適性の高い品種等をほぼ全量導入する等の取組を通じ、国内生産で需要を賄っていくことが課題となっている。
オ 馬鈴しょ
馬鈴しょについては、加工食品用の需要が増加しているものの、品質及び価格両面で輸入加工品に十分対抗できない状況にある中で、近年生産は減少傾向にある。
このため、今後加工食品用の需要が増加し、消費全体について、かなり増加すると見込む中、実需者との連携の強化を図りつつ、生産、流通及び加工の各段階における低コスト化(1割程度の供給コストの低減)を実現する、加工適性の高い品種をほぼ全量導入する、品種に応じた病害虫対策等の栽培技術を励行する等の取組を通じ、輸入品に匹敵する品質の向上・価格面の改善を図ることにより、加工用について国産馬鈴しょの需要を拡大し、生産の増大を図ることが課題となっている。
カ 大豆
大豆については、豆腐、油揚げ等の食品用として、たん白質含有率が高く、味が良いとの評価を受けているものの、供給量や価格が不安定であり、ロットが小さく品質にばらつきがある等の問題が指摘されており、また、生産量は米の生産調整の規模や単収の変動により不安定な状況にある。
このため、今後健康の観点から消費については大幅に増加すると見込む中、消費者及び実需者のニーズを的確に把握し、契約栽培、ロットの大型化等ニーズに対応した産地の取組を拡大するとともに、地域の条件に応じた基本技術の励行等を基本として、優良品種の導入、生産組織や担い手の生産規模の拡大、作付けの団地化等による多収化や生産コストの3割程度の低減及び収量の安定化、良好でばらつきの少ない品質の確保等の取組を通じ、豆腐用、納豆用等の食品用を中心に国産大豆の需要を拡大し、生産の大幅な増大を図ることが課題となっている。
キ 野菜
野菜については、生産及び流通の機械化・省力化が遅れていること、加工用・業務用への対応が十分でないことから、生産は減少傾向にある。また、消費者の健康に対する要請の高まりに対応した生産を行う必要性も指摘されている。
このため、今後健康の観点から緑黄色野菜を中心に消費がやや増加すると見込む中、担い手の生産規模の拡大(露地野菜2倍程度、施設野菜1.5倍程度)、機械化一貫体系の導入等による生産及び流通の省力化や低コスト化(生産コストの2割程度の低減、流通コストの1割程度の低減)の実現、消費者や食品産業との連携の強化、産地間の連携による周年供給の推進、食味や加工適性に優れた品種の導入等の取組を通じ、国内生産の維持増大を図ることが課題となっている。
ク 果実
果実については、国際競争の激化及び消費者ニーズの多様化等に国内生産が十分対応できず、生産は減少傾向にある。また、消費者の健康に対する要請の高まりに対応した品質本位の生産及び流通を行う必要性も指摘されている。
このため、今後消費についてはほぼ横ばいとなると見込む中、樹園地の再編、基盤整備等を通じた担い手の生産規模の拡大、作業の機械化等による生産の省力化(労働時間の1割程度の減少)や低コスト化の実現、栽培が容易で品質の優れた品種の導入(りんごの高品質品種の導入割合1割程度等)、選果の高度化(みかんの光センサー選果割合3割程度等)の推進等の取組を通じ、輸入品に対し品質面で優位性を発揮できる果実の生産・流通体制を確立し、需要に対応した国産果実の生産の展開を図ることが課題となっている。
ケ 生乳
生乳については、一頭当たり乳量は増加しているものの、後継者不足等により、乳用牛飼養戸数及び飼養頭数が減少しており、生産はほぼ横ばいの傾向にある。また、経営規模の拡大等に伴い畜産環境問題が顕在化している。
このため、今後チーズ、生クリーム等の消費についてかなり増加すると見込む中、担い手の育成及び確保、酪農ヘルパー等支援組織の活用による労働の軽減、また、飼養及び搾乳に関する技術の高度化等を通じた一頭当たり乳量の増大、自給飼料の活用、家畜排せつ物の適正な管理及び有効利用等の取組を通じ、生産コストの2割程度の低減等により国内生産の増大を図ることが課題となっている。
コ 肉類
(ア)牛肉
牛肉については、小規模な肉用牛経営の離脱を規模拡大や新規参入で補いきれなかったこと等により、近年、肉用牛飼養戸数及び飼養頭数が減少しており、生産が減少してきたが、最近では、子牛生産頭数の増加等もあり、生産はほぼ横ばいないしやや増加の傾向にある。
このため、今後消費についてはかなり増加すると見込む中、経営規模の拡大、肉用牛ヘルパー等支援組織の活用による労働の軽減、また、飼養管理技術の向上等を通じた産肉・繁殖能力の向上、家畜排せつ物の適正な管理及び有効利用等の取組を通じ、生産コストの2割程度の低減や品質の向上により、家庭用のほか、輸入品との競合の度合いの大きい業務用及び加工用の需要についても国産品による対応を拡大し、生産の増大を図ることが課題となっている。
(イ)豚肉
豚肉については、豚飼養戸数及び飼養頭数の減少により、生産が減少してきたが、大規模層が生産の大宗を占めてきたこと等により、生産はほぼ横ばい傾向にある。また、経営規模の拡大等により畜産環境問題が顕在化している。
このため、今後消費についてはかなり減少すると見込む中、飼養・衛生管理技術の向上(人工授精の4割程度の実施等)等を通じた一分娩当たりの生産頭数の1割程度の増加や安全性の高い豚肉の低コスト生産、家畜排せつ物の適正な管理及び有効利用等の取組を通じ、家庭用のほか、輸入品との競合の度合いの大きい業務用及び加工用の需要についても国産品による対応を拡大し、生産の増大を図ることが課題となっている。
(ウ)鶏肉
鶏肉については、経営規模は着実に拡大しているものの、小規模層の離脱による飼養羽数の減少及び業務用を中心とした輸入品の増加により、生産はやや減少傾向にある。他方、消費者ニーズの多様化等により、地鶏等の高付加価値の鶏肉の生産が増加している。
このため、今後消費についてはやや減少すると見込む中、飼養・衛生管理技術の向上等を通じた産肉能力の向上(4%程度)及び飼料要求率の改善(1%程度)、消費者ニーズの多様化に対応した地鶏等高品質な鶏肉の生産、家畜排せつ物の適正な管理及び有効利用等の取組を通じ、家庭用のほか、輸入品との競合の度合いの大きい業務用及び加工用の需要についても国産品による対応を拡大し、生産の増大を図ることが課題となっている。
サ 鶏卵
鶏卵については、経営規模の拡大等により生産は安定的に増加してきたが、近年は需要の停滞等により、生産はほぼ横ばいで推移している。一方、構造的に需給の不均衡を生じやすく、また、一層の低コスト化や鶏卵の安全性の確保が求められているほか、付加価値の高い鶏卵へのニーズも生じてきている状況にある。
このため、今後消費についてはかなり減少すると見込む中、飼養管理技術の向上等を通じた産卵能力の向上(2%程度)及び飼料要求率の改善、衛生管理技術の向上による衛生問題への適切な対応、付加価値の高い鶏卵の生産、家畜排せつ物の適正な管理及び有効利用等に取り組みつつ、引き続き需給動向に対応した計画的な生産に取り組むことが課題となっている。
シ てん菜
てん菜については、北海道における輪作体系の一環として、農業団体による作付指標の設定により計画的な生産が行われているが、近年、気象変動により生産量が変動する状況にあり、また、国産てん菜糖と輸入糖との価格差、白糖として販売されないてん菜原料糖の増大が問題となっている。
このため、今後砂糖の消費についてはやや減少すると見込む中、関係者の取組を通じた価格競争力の回復により国内で製造される砂糖の需要拡大を図るとともに、土層改良等による安定的な生産、直播栽培等による省力化(労働時間の2割程度の減少)、優良品種の導入等による低コスト化を図りつつ、引き続き作付指標による計画的な生産に取り組むことが課題となっている。
ス さとうきび
さとうきびについては、沖縄県及び鹿児島県南西諸島において生産されているが、経営規模が小さく機械化・省力化が遅れていること、他作物への作付転換が進んでいること等により、生産は減少傾向にある。また、国産甘しゃ糖と輸入糖との大きな価格差、国内の甘しゃ糖企業の操業率の低下等が問題となっている。さらに、離島地域の含みつ糖生産についても、内外価格差の縮小に向けた製造・販売コストの低減が課題となっている。
このため、今後砂糖の消費についてはやや減少すると見込む中、関係者の取組を通じた価格競争力の回復により国内で製造される砂糖の需要拡大を図るとともに、担い手の生産規模の拡大、農作業受託組織の活用や機械化一貫体系の導入による省力化(労働時間の6割程度の減少)、優良品種の導入や新たな種苗増殖技術の活用等による収量の1割程度の増加等の取組を通じ、生産コストを3割程度低減し国内生産の維持増大を図っていくことが課題となっている。
セ 茶
茶については、栽培面積の減少、良質茶志向を背景とする三・四番茶の減少等により、生産は減少傾向にある。
このため、今後消費については横ばいになると見込む中、作業の機械化(乗用型摘採機等の栽培面積の2割程度への導入等)による低コスト化、栽培加工技術の高度化による高品質化、年間を通じた茶期ごとの収穫の安定化等の取組を通じ、国内生産の増大を図ることが課題となっている。
ソ 飼料作物
飼料作物については、昭和40年代から50年代にかけて、草地開発及び既耕地への作付拡大により生産が大幅に増加したが、近年では、生産農家の減少や労働力不足、輸入粗飼料の低価格化、濃厚飼料多給型の飼養形態への傾斜等から作付面積の減少が見られることに加え、地域に適合した品種や技術の普及の遅れ等から単収も伸び悩んでおり、生産はやや減少する傾向にある。
このため、転作田等における飼料作物の作付けの拡大、低・未利用地の活用、生産技術の向上や優良品種の導入等による生産性の向上(生産コストの3割程度の低減)及び品質の向上、飼料生産受託組織の活用による生産の組織化・外部化(飼料生産受託組織による受託面積の3倍程度の拡大)、我が国の土地条件及び自然条件に適応した日本型放牧の普及等の取組を通じ、自給飼料生産の大幅な増大を図ることが課題となっている。
(参考)魚介類、海藻類、きのこ類
1 魚介類
魚介類については、漁場の外延的拡大、漁獲能力の向上等により、昭和60年ごろまでは生産は増加傾向にあったが、その後、国際規制の強化、我が国周辺水域における資源状況の悪化等により、減少傾向で推移している。
このため、今後消費についてはやや減少すると見込む中、漁獲可能量(TAC)の設定や、減船、休漁等による漁獲努力量の相当程度の削減、資源の積極的培養等による我が国周辺水域における資源の回復、食用仕向割合の向上(さば類等で1割程度の増加)、新規漁場の開発等による遠洋での漁獲量の確保、養殖業の積極的な展開等に生産者その他の関係者が取り組み、国内生産の維持増大を図ることが課題となっている。
2 海藻類
海藻類については、消費の伸びに伴う養殖業の発展を背景に生産は増加傾向を示してきたが、近年は漁場環境の悪化等により横ばいで推移している。
このため、今後消費についてはやや減少すると見込む中、藻場の再生、造成等による漁場の環境の保全(おおむね過去10年間で3%減少した藻場面積を現状程度に維持)等に生産者その他の関係者が取り組み、国内生産の維持を図ることが課題となっている。
3 きのこ類
きのこ類については、ぶなしめじ、まいたけ等の生産増により、全体として生産は増加傾向で推移しているが、乾しいたけが生産者の高齢化、輸入品の増加等により減少傾向にある。
このため、今後消費についてはかなり増加すると見込む中、作業の機械化による生産の低コスト化や省力化(乾しいたけについて、自動植菌機の3割程度への導入等による労働時間1割程度の減少)、高品質高収量種菌の導入、低温貯蔵等による品質管理の向上、流通の合理化等に生産者その他の関係者が取り組み、国内生産の増大を図ることが課題となっている。
(第2表)平成22年度における生産努力目標 (単位:万トン)
|
平成9年度 |
(参考)平成10年度 |
平成22年度 |
||
|
米 うち主食用 |
1,003 940 |
946 897 |
969 906 |
|
| 小麦 |
57 |
57 |
80 |
|
| 大麦・はだか麦 |
19 |
14 |
35 |
|
| 甘しょ |
113 |
114 |
116 |
|
| 馬鈴しょ |
340 |
306 |
350 |
|
|
大豆 うち食用 |
15 14 |
16 15 |
25 24 |
|
| 野菜 |
1,431 |
1,364 |
1,498 |
|
| 果実(計) |
459 |
394 |
431 |
|
| みかん |
156 |
119 |
125 |
|
| りんご |
99 |
88 |
94 |
|
| その他の果実 |
204 |
186 |
212 |
|
| 生乳 |
863 |
855 |
993 |
|
| 肉類(計) |
306 |
304 |
324 |
|
| 牛肉 |
53 |
53 |
63 |
|
| 豚肉 |
129 |
129 |
135 |
|
| 鶏肉 |
123 |
121 |
125 |
|
| 鶏卵 |
257 |
253 |
247 |
|
| 砂糖 |
78 |
83 |
87 |
|
| てん菜(精糖換算) |
369(62) |
416(66) |
375(66) |
|
| さとうきび(〃) |
145(16) |
167(18) |
162(21) |
|
| 茶 |
9.1 |
8.3 |
9.3 |
|
| 飼料作物 |
394 |
390 |
508 |
|
(参考)
|
魚介類 うち食用 |
673 501 |
604 463 |
699 539 |
| 海藻類 |
14 |
13 |
14 |
| きのこ類 |
37 |
38 |
41 |
|
(注)1.米のうち「主食用」の平成22年度の数値は、ウルグァイ・ラウンド農業合意によるミニマム・アクセスに係る米が主食用に消費される場合には、それに見合う国産米を主食用以外の用途に振り向けることにより、国産米の生産量に影響を与えないようにすることを前提としている。なお、平成22年度における「主食用」以外の米の生産量については、平成9年度の実績値を用いている。 2.飼料作物は可消化養分総量(TDN)である。 |
(第3表)主要品目の10アール当たり収量 (単位:kg)
|
平成9年 |
(参考)平成10年 |
平成22年 |
|
| 水稲 |
504 |
507 |
520 |
| 小麦 |
376 |
375 |
436 |
| 大麦・はだか麦 |
365 |
368 |
396 |
| 甘しょ |
2,430 |
2,500 |
2,390 |
| 馬鈴しょ |
3,300 |
3,080 |
3,400 |
| 大豆 |
175 |
178 |
221 |
| 野菜 |
2,710 |
2,620 |
2,750 |
| みかん |
2,356 |
1,857 |
2,170 |
| りんご |
2,015 |
1,820 |
2,048 |
| てん菜 |
5,380 |
5,930 |
5,370 |
| さとうきび |
6,420 |
7,440 |
6,890 |
| 茶 |
176 |
161 |
185 |
| 飼料作物 |
4,100 |
4,040 |
4,461 |
|
(注)1 水稲、小麦、大麦・はだか麦及び大豆の平成9年及び平成10年の実績は、平年収量である。 2 大麦・はだか麦は、二条大麦のものである。 |
(第4表)主要品目の作付面積 (単位:万ha)
|
平成9年 |
(参考)平成10年 |
平成22年 |
|
| 水稲 |
194 |
179 |
186 |
| 小麦 |
16 |
16 |
18 |
| 大麦・はだか麦 |
5.7 |
5.5 |
8.9 |
| 甘しょ |
4.7 |
4.6 |
4.9 |
| 馬鈴しょ |
10 |
10 |
10 |
| 大豆 |
8.3 |
11 |
11 |
| 野菜 |
51 |
51 |
53 |
| みかん |
6.6 |
6.4 |
5.8 |
| りんご |
4.9 |
4.8 |
4.6 |
| てん菜 |
6.9 |
7.0 |
7.0 |
|
さとうきび 収穫面積 |
3.2 2.3 |
3.2 2.2 |
3.2 2.4 |
| 茶 |
5.2 |
5.1 |
5.0 |
| 飼料作物 |
97 |
97 |
110 |
(第5表)延べ作付面積、耕地利用率、農地面積
|
平成9年 |
(参考)平成10年 |
平成22年 |
|
| 延べ作付面積(万ha) |
472 |
462 |
495 |
| 耕地利用率(%) |
95 |
94 |
105 |
| 農地面積(万ha) |
495 |
491 |
470 |
|
(注)延べ作付面積は、第4表に掲げた主要品目の作付面積のほか、雑穀等の食用作物及び花き等の非食用作物の作付面積を含む農作物全体の作付面積の計である。このうち、花きについては、今後とも需要の増加が見込まれる中で、作業の省力化・低コスト化、新たな品種の開発等の取組により生産が増大することを見込み、作付面積は平成9年の4.8万haから平成22年には5.6万haへと増加するものと見込んでいる。 |
(第6表)家畜飼養頭羽数
|
平成9年度 |
(参考)平成10年度 |
平成22年度 |
|
|
乳用牛(万頭) うち成畜 |
186 130 |
182 128 |
180 126 |
|
肉用牛(万頭) うち肉専用種 乳用種等 |
285 174 111 |
284 171 113 |
317 228 89 |
| 豚(万頭) |
990 |
988 |
929 |
| ブロイラー(百万羽) |
112 |
107 |
114 |
|
採卵鶏(百万羽) うち成鶏めす |
191 145 |
189 143 |
173 131 |
以上のような平成22年度における望ましい食料消費の姿及び生産努力目標を踏まえた主要品目別の自給率目標は第7表、総合食料自給率目標は第8表、主食用穀物の自給率、飼料用を含む穀物全体の自給率及び飼料自給率の目標は第9表のとおりである。
(第7表)品目別食料自給率目標 (単位:%)
| 平成9年度 | (参考)平成10年度 | 平成22年度 | ||
|
米 うち主食用 |
99 103 |
95 100 |
96 100 |
|
| 小麦 |
9 |
9 |
12 |
|
| 大麦・はだか麦 |
7 |
5 |
14 |
|
| 甘しょ |
99 |
100 |
97 |
|
| 馬鈴しょ |
83 |
80 |
84 |
|
|
大豆 うち食用 |
3 14 |
3 15 |
5 21 |
|
| 野菜 |
86 |
84 |
87 |
|
| 果実(計) |
53 |
49 |
51 |
|
| みかん |
112 |
98 |
101 |
|
| りんご |
66 |
66 |
65 |
|
| その他の果実 |
35 |
34 |
37 |
|
| 牛乳・乳製品 |
71 |
71 |
75 |
|
| 肉類(計) |
56 |
55 |
61 |
|
| 牛肉 |
36 |
35 |
38 |
|
| 豚肉 |
62 |
61 |
73 |
|
| 鶏肉 |
68 |
67 |
73 |
|
| 鶏卵 |
96 |
96 |
98 |
|
| 砂糖 |
29 |
32 |
34 |
|
| 茶 |
89 |
93 |
96 |
|
(参考)
|
魚介類 うち食用 |
73 60 |
66 57 |
77 66 |
| 海藻類 |
66 |
63 |
72 |
| きのこ類 |
76 |
76 |
79 |
(第8表)総合食料自給率目標 (単位:%)
|
平成9年度 |
(参考)平成10年度 |
平成22年度 |
|
| 供給熱量総合食料自給率 |
41 |
40 |
45 |
(参考1)酒類を含む場合の総合食料自給率 (単位:%)
|
平成9年度 |
(参考)平成10年度 |
平成22年度 |
|
|
酒類を含む場合の |
40 |
39 |
44 |
|
(注)平成22年度における酒類の消費、生産等が現状(平成9年度)と同水準として試算したものである。 |
(参考2)金額ベースの総合食料自給率 (単位:%)
|
平成9年度 |
(参考)平成10年度 |
平成22年度 |
|
|
|
|
|
|
| (注)平成22年度における各品目の単価が現状(平成9年度)と同水準として試算したものである。 |
(第9表)主食用穀物の自給率、飼料用を含む穀物全体の自給率及び飼料自給率の目標 (単位:%)
|
平成9年度 |
(参考)平成10年度 |
平成22年度 |
|
| 主食用穀物自給率 飼料用を含む穀物全体の自給率 飼料自給率 |
62 |
59 |
62 |
|
(注)1.主食用穀物自給率は、米、小麦及び大麦・はだか麦のうち、飼料向けのものを除いたものの自給率である。 2.飼料自給率は、飼料用穀物、牧草等を可消化養分総量(TDN)に換算して算出したものである。 |
食料の安定供給の確保は、消費者が良質な食料を合理的な価格で安定的に得られるようにすることを意味するものであり、消費者ニーズにこたえ得る農産物を提供していくことが農業生産の基本である。したがって、食料の安定供給の確保という課題に的確に対応するためには、消費者の視点を重視しつつ、食料消費に関する課題に対応するための施策の充実を図る必要がある。
また、食品産業が、国産農産物の需要先として、かつ、国民に多様な食料を提供する主体として重要な役割を果たしていることにかんがみ、食品産業の健全な発展を図るための施策を講ずる。
さらに、食料の安定供給は、国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、これと輸入及び備蓄とを適切に組み合わせて行う必要があることから、農産物の安定的な輸入の確保及び適切な備蓄の実施に関する施策を講ずるとともに、国産農産物の市場を開拓し農業生産の活性化等を図るため、農産物の輸出の促進に関する施策を講ずる。
このほか、不測の事態が生じた場合においても国民が最低限度必要とする食料の供給が確保されるようにするための施策を講ずるとともに、世界の食料需給の安定に我が国として積極的に貢献し、このことを通じて我が国における食料の安定供給の確保にも資する観点から、食料援助その他の国際協力の推進に努める。
食料の安全性の確保の重要性及び品質に関する消費者の関心の高まり等を踏まえ、食料の安全性の確保及び品質の改善を図るとともに、消費者の合理的な選択に資するため、食品の衛生管理及び品質管理の高度化、食品の表示の適正化等の施策を講ずる。
また、食料消費の改善及び農業資源の有効利用に資するため、健全な食生活に関する指針の策定、食料の消費に関する知識の普及及び情報の提供等の施策を講ずる。
ア 食品の衛生管理及び品質管理の高度化
農産物の生産、食品の製造並びに農産物等の流通及び消費の各段階において、農業生産資材に関する法令の遵守等によるその適切な使用の徹底、食品製造業におけるHACCP(危害分析重要管理点)手法の導入の促進等を通じ、食品の衛生管理及び品質管理の高度化を推進する。
イ 食品の表示の適正化等
消費者が食品の合理的な選択を行うためには、食品の表示が適正に行われていることが前提となることから、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(以下「JAS法」という。)に基づく食品の品質表示基準の策定及び運用を通じ、生鮮食料品の原産地表示、加工食品の原材料等の表示、遺伝子組換え食品に関する表示等の適正化を図るとともに、検査認証制度の整備を通じ有機食品の表示の適正化を推進する。また、JAS法に基づく規格について、定期的な見直しを実施するとともに、国際規格の策定・見直しに積極的に参画する。
ウ 健全な食生活の指針の策定等
主食としての米等の穀類に地域産品も含めた多様な食品をバランス良く組み合わせること等を内容とする健全な食生活の普及浸透を通じ、国民にとって望ましい食料消費の実現が図られることが重要である。このため、健全な食生活に関する指針の策定及び国民各層への普及啓発、健康増進等の目標と施策体系を定めた総合的な計画の策定及びそれに基づく国民的な健康づくり運動の展開を図るほか、関係団体による食生活に関するさまざまな活動の促進、食料消費や農産物供給の現状、食料自給率と食生活の関係等についての積極的な情報提供を行う。
また、次代を担う子ども達が、食習慣を形成する上で重要な時期に、食生活や食料の生産及び消費について正しい知識を習得できるよう、各教科や学校給食等においてこれらに関する教育の充実を図る。
食品産業が食料の供給において果たす役割の重要性にかんがみ、その健全な発展を図るため、事業活動に伴う環境への負荷の低減及び資源の有効利用の確保に配慮しつつ、事業基盤の強化、農業との連携の推進、流通の合理化等の施策を講ずる。
ア 食品産業の事業基盤の強化
食品産業が食料の供給において果たす役割が十分に発揮されるよう、技術力の向上等を通じた生産性の向上等により、その事業基盤の強化を図る。
イ 食品産業と国内農業との連携の推進
食材の供給、商品の開発等に関する食品産業と国内農業との連携等を推進する。
ウ 食品流通の合理化
食品流通の合理化を図るため、卸売市場の機能及び体制の改善・強化を図るとともに、取引の電子化の進展等を踏まえ、集出荷・流通システムの高度化や産地直販、地場流通等の多様な取組を推進する。
エ 食品産業における環境への負荷の低減及び資源の有効利用の確保
食品産業の事業活動に伴う環境への負荷の低減及び資源の有効利用を図るため、食品残さの発生の抑制及びリサイクルの促進等の取組を推進する。
ア 農産物の安定的な輸入の確保
国内生産では需要を満たすことができない農産物の安定的な輸入を確保するため、食料輸出国との間の良好な関係を維持するとともに、主要輸出国との間の安定的な取引に関する取決めの着実な履行等の施策を講ずる。
また、農産物の輸入によってこれと競争関係にある農産物の生産に重大な支障を与え、又は与えるおそれがある場合において、緊急に必要があるときは、関税率の調整、輸入の制限その他必要な施策を講ずる。
イ 農産物の輸出の促進
国産農産物の輸出を促進するため、その競争力を強化するとともに、市場調査等農産物輸出に関連する情報の収集及びその提供、国産農産物の海外への普及宣伝の強化等を推進する
ウ 適切な備蓄の実施
国内外における不作や輸送障害等により食料の供給が不足する場合に備え、米、麦等について、国等による適切かつ効率的な備蓄を行う。
食料供給に影響を及ぼすおそれのある不測の事態には、国内外の不作等の短期的なものから、食料輸入の継続的かつ大幅な減少や途絶といったものまで、さまざまなレベルのものが想定される。このような不測の事態に的確に対処するため、我が国の食料供給力の確保及び向上に平素から努めることに加え、さまざまなレベルに応じて食料供給の確保を図るための対策を講ずることとし、対策を機動的に発動するためのマニュアルの策定等を行う。
特に、凶作、輸入の途絶等の不測の要因により国内における需給が相当の期間著しくひっ迫し、又はひっ迫するおそれがある場合において、国民が最低限度必要とする食料の供給を確保するため必要があるときは、熱量効率の高い作物への生産転換等による食料の増産、流通の制限その他必要な施策を講ずる。
農業の持続的な発展を図るためには、効率的かつ安定的な農業経営(主たる従事者が他産業従事者と同等の年間労働時間で地域における他産業従事者とそん色ない水準の生涯所得を確保し得る農業経営)を育成し、これらの農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造を確立することにより、生産性の高い農業を展開することが必要である。
このため、このような農業経営及び農業構造の姿を全国段階及び地域段階で明確にしつつ、望ましい農業構造の確立、専ら農業を営む者等による創意工夫を生かした農業経営の展開、農地の確保及び有効利用、農業生産の基盤の整備、人材の育成及び確保、農業技術等の開発及び普及、需給事情等を反映した農産物価格の形成とその著しい変動が育成すべき農業経営に及ぼす影響の緩和等に関する施策を講ずる。
また、農業の自然循環機能の維持増進により、環境と調和のとれた農業生産の確保を図ることを通じ、農業の持続的な発展に資するための施策を講ずる。
効率的かつ安定的な農業経営を育成し、これらの農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造を確立するため、営農類型及び地域の特性に応じ、農業生産の基盤の整備、農業経営基盤強化促進法に基づき農業経営改善計画の認定を受けた者を中心とする担い手への農地の利用の集積等による農業経営の規模拡大、地域の農業の担い手となるべき農業経営の育成及び確保のための総合的な環境整備その他農業経営基盤の強化に必要な施策を講ずる。
専ら農業を営む者その他経営意欲のある農業者が創意工夫を生かした農業経営を展開できるようにすることが重要であることにかんがみ、経営管理の合理化その他の経営の発展及びその円滑な継承に資する条件を整備し、家族農業経営の活性化を図るとともに、農業経営の法人化を推進するための施策を講ずる。
ア 家族農業経営の活性化
家族農業経営について、農業者による青色申告の促進等を通じた経営管理の合理化等の経営の発展のための条件整備及び農業から離脱する者の経営の円滑な継承のための条件整備を行い、その活性化を図る。
また、農業者年金制度について、これまでの政策効果、年金の財政状況及び基本法の基本理念を踏まえつつ、制度の在り方の見直しを行う。
さらに、家族農業経営、法人経営等の経営形態に応じ効率的かつ安定的な農業経営を育成する観点から、育成すべき農業経営に諸施策を集中することとし、それらを体系的総合的に実施する。
イ 農業経営の法人化の推進
法人経営が、経営管理能力の向上、新規就農の促進等の面で重要な役割を果たすものであることにかんがみ、農業経営の法人化の推進に必要な施策を講ずる。
また、農業生産法人の活性化及び担い手の経営形態の選択肢の拡大を図る観点から、農業生産法人の一形態としての株式会社形態の導入を含む農業生産法人の要件の見直しを行うとともに、農業委員会の機能の活用等によりこれに伴う投機的な農地取得等の懸念を払拭するための措置を講ずる。
国内の農業生産に必要な農地の確保及びその有効利用を図るため、農地として利用すべき土地の農業上の利用の確保、効率的かつ安定的な農業経営を営む者に対する農地の利用の集積、農地の効率的な利用の促進等の施策を講ずる。
ア 農地として利用すべき土地の農業上の利用の確保
農業振興地域の整備に関する法律(以下「農業振興地域整備法」という。)に基づく農業振興地域制度及び農地法に基づく農地転用許可制度の適切な運用を通じ、集団的な農地や基盤整備が実施された農地等の農地として利用すべき土地の農業上の利用の確保を図る。
また、農村における農地の利用等に関連する諸制度の在り方について、総合的な観点に立った検討を行う。
イ 効率的かつ安定的な農業経営を営む者に対する農地の利用の集積
都道府県段階及び市町村段階における効率的かつ安定的な農業経営を営む者に対する農地の利用の集積に関する目標の達成に向けた取組の推進、農地保有合理化事業の活用、多様な担い手による農作業の受委託の促進等により、効率的かつ安定的な農業経営を営む者に対する農地の利用の集積を推進する。
ウ 農地の効率的な利用の促進
地域における耕作放棄地の活用に向けた取組の推進、耕地利用率の向上等により、農地の効率的な利用を促進する。
良好な営農条件を備えた農地及び農業用水を確保し、これらの有効利用を図ることにより、農業の生産性の向上を促進するため、地域の特性に応じて、生態系等の自然環境の保全や美しい景観の形成等環境との調和に配慮しつつ、事業採択に当たっての適切な費用対効果分析等による事業効果の評価を通じた事業の効率的実施を旨として、農地の区画の拡大、水田の汎用化、農業用用排水施設の機能の維持増進その他の農業生産の基盤の整備に必要な施策を講ずる。
ア 地域の特性に応じた農業生産の基盤の整備
平場地域において生産性の高い農業等を展開するため、農業用用排水施設の計画的かつ機動的な整備及び更新を、農業用水の地域用水機能の発揮や循環利用の促進等に配慮しつつ推進するとともに、地域の農業の担い手への農地利用の集積に資する大区画ほ場の整備、麦、大豆等の生産振興に資する水田の汎用化等の基盤整備を推進する。
また、中山間地域等における高付加価値型農業等を展開するため、地域の実情に応じた農業生産の基盤と農村の生活環境の一体的整備を推進する。
イ 土地改良施設等の管理及び保全
管理体制の整備等を通じて、土地改良施設の適切な管理及び保全を推進するとともに、老朽化したため池等についての防災対策を計画的に推進する。
ウ 土地改良制度の見直し
土地改良法に基づく土地改良制度に関し、農地の利用等に関連する諸制度の在り方について総合的に検討する中で、土地改良制度をめぐる情勢の変化等を踏まえ、所要の見直しを行う。
効率的かつ安定的な農業経営を担うべき人材の育成及び確保を図るため、農業者の農業技術及び経営管理能力の向上、新たに就農しようとする者に対する農業技術及び経営管理手法の習得の促進等の施策を講ずる。
また、国民が農業に対する理解と関心を深めるよう、農業に関する教育の振興等の施策を講ずる。
ア 農業者の農業技術及び経営管理能力の向上
農業に関する技術の普及事業等を通じ、担い手たる農業者の農業技術及び経営管理能力の向上を図る。
イ 新たに就農しようとする者に対する農業技術及び経営管理手法の習得の促進等
農業外からの新規参入等を含め、多様な就農ルートを通じ農業を担うべき人材の幅広い確保及び育成を図るため、新たに就農しようとする者に対する情報提供、研修等により、その農業技術及び経営管理手法の習得の促進を図る。
また、新規就農者が農地等を円滑に取得できるようにするための施策を講ずる。
ウ 農業に関する教育の振興
国民が農業に対する理解と関心を深めるよう、学校教育や社会教育における農業に関する学習の充実、農業体験の機会の充実等を図る。
男女が社会の対等な構成員としてあらゆる活動に参画することが重要であることにかんがみ、経営の法人化、役割分担の明確化等を通じて女性の農業経営における役割を適正に評価する。
また、女性が自らの意思によって農業経営及びこれに関連する活動に参画する機会を確保するための環境整備として、女性が農業経営及びこれに関連する活動に参画する機会を確保するため、農村女性の社会参画の目標の策定及びその達成に向けた普及啓発、農業技術及び経営方法の習得のための研修の実施、農業に関連する起業活動に必要な情報の提供等を推進する。
高齢農業者は農業生産やそれに関連する諸活動に関し豊かな経験、知識及び技術を有しており、地域の農業生産に関する取組や子ども達の農業体験における指導等にそれらを適切に活用することが重要である。
このため、地域の農業における高齢農業者の役割分担並びにその有する技術及び能力に応じて、生きがいを持って農業に関する活動を行うことができる環境整備を推進し、高齢農業者の福祉の向上を図る。
ア 高齢農業者の役割分担の明確化
地域の農業における高齢農業者の役割分担を明確化し、それを踏まえて高齢農業者によるその技術と能力を生かした農業関係活動の促進を図る。
イ 高齢農業者に配慮した環境整備による福祉の向上
高齢農業者が安全かつ快適に農業関係活動に取り組めるように配慮した環境整備を推進するほか、農協を含めたホームヘルパーの育成や既存施設を活用した取組などにより、農村における高齢農業者の福祉の向上を図る。
農業並びに食品の加工及び流通に関する技術の研究開発及び普及の効果的な推進を図るため、これらの技術の研究開発の目標の明確化、国及び都道府県の試験研究機関、大学、民間等の連携の強化、地域の特性に応じた農業に関する技術の普及事業の推進等の施策を講ずる。
ア 技術の研究開発の目標の明確化
農業並びに食品の加工及び流通に関する技術の研究開発の目標を明確化し、これに基づき具体的な技術の確立に向けた戦略を定め、麦、大豆、飼料作物等の品質向上や省力・安定栽培のための技術等農業生産の現場を支える技術、稲等主要作物の画期的な品種開発を図るためのゲノム解析等の革新的技術等に関する研究開発の効果的・効率的な推進を図る。
また、国の研究機関の独立行政法人化に伴い、試験研究の集中化・効率化を推進する。
イ 国及び都道府県の試験研究機関、大学、民間等の連携の強化
産学官による共同研究の充実等により国及び都道府県の試験研究機関、大学、民間等の連携の強化を図る。
ウ 地域の特性に応じた農業に関する技術の普及事業の推進
普及事業の対象者を担い手等に重点化するとともに、農協による営農指導等との役割分担の下で、地域の特性に応じた農業に関する技術の普及事業の効率的かつ効果的な推進を図る。
従来の農産物価格に関する政策は、農業経営及び国民の消費生活の安定を図る上で一定の役割を果たしてきたが、需給事情や消費者ニーズが農業者に伝わりにくく、農業者の経営感覚の醸成の妨げとなり、農業構造の改善や内外価格差の是正につながらず、結果的に国産農産物の需要の減少を招いた面がある。
このような評価を踏まえ、消費者に選択される農産物の生産を促進する観点に立ち、消費者の需要に即した農業生産を推進するため、農産物の価格が需給事情及び品質評価を適切に反映して形成されるよう、麦、大豆等の主要品目ごとの価格に関する政策を見直す等必要な施策を講ずる。
また、農産物の価格の著しい変動が育成すべき農業経営に及ぼす影響を緩和するために必要な施策を講ずる。
なお、育成すべき農業経営を個々の品目を通じてではなく経営全体としてとらえ、その経営の安定を図る観点から、農産物の価格の変動に伴う農業収入又は所得の変動を緩和する仕組み等について、今後、品目別の価格政策の見直し状況、品目別の経営安定対策の実施状況、農業災害補償制度との関係等を勘案しながら検討を行う。
災害によって農業の再生産が阻害されることを防止するとともに、農業経営の安定を図るため、農業災害補償法に基づく農業災害補償制度の適切な運用を通じた災害による損失の合理的な補てん等の施策を講ずる。
農業の持続的な発展を図るためには、望ましい農業構造を確立することと併せ、農業に本来備わっている自然循環機能の維持増進により、環境と調和のとれた農業生産の確保を図ることが重要である。また、このような農業生産の在り方は、資源の循環的な利用、農業生産活動に伴う環境への負荷の低減及びそれを通じた生物多様性の維持等の自然環境の保全にもつながるものである。
このような観点から、農業の自然循環機能の維持増進を図るため、農薬及び肥料の適正な使用の確保、家畜排せつ物等の有効利用による地力の増進等の施策を講ずる。
ア 農薬及び肥料の適正な使用の確保
持続性の高い農業生産方式の導入等により、農薬及び肥料の適正な使用の確保を図る。また、農業生産活動に伴う環境への負荷の低減を図るための取組を推進する。
イ 家畜排せつ物等の有効利用による地力の増進
家畜排せつ物の適切な管理を確保するとともに、地域の実情に応じた家畜排せつ物処理施設の導入等を促進する。また、畜産農家と耕種農家の連携等による家畜排せつ物等の有効利用により地力の増進を図る。
ウ 有機物の循環利用の促進等
家畜排せつ物、稲わら、食品残さ等の有機物について、その循環利用を促進する取組を推進する。
また、温室効果ガスの排出の抑制、オゾン層破壊物質である臭化メチルの削減等の効果のある新技術の開発の推進等により、農業分野における地球環境保全対策の充実を図る。
さらに、農業生産に係る環境面に関連した施策の在り方について、諸外国における動向、今後の国際規律の動向等を踏まえながら検討を行う。
農業経営における農業資材費の低減に資するため、肥料、農薬、農業機械等の農業資材について、安価な製品の開発、普及等による生産、流通及び利用の合理化の促進等の施策を講ずる。
農村は、農業者を含めた地域住民の生活の場であり、そのような場で農業が営まれていることにより、農業の持続的な発展の基盤たる役割を果たしている。したがって、農業の有する食料その他の農産物の供給の機能及び多面的機能が適切かつ十分に発揮されるようにするためには、農業の生産条件の整備及び生活環境の整備その他の福祉の向上により、農村の振興が図られなければならない。
一方、農村においては、農家人口の減少と混住化が進んでおり、また、地域産業の経営の厳しさ、過疎化・高齢化の進展等によりその活力が低下している。
このため、農業の振興を図ることはもとより、自然、歴史、文化、景観等の地域資源を活用しながら、農村の有する豊かな自然環境との調和を保ちつつ、個性的で魅力ある地域づくりを総合的に進めるとともに、農村に住む上で必要な生活支持機能の向上を図ることにより、農村が、農業者はもとより幼児から高齢者まですべての地域住民にとって、また、都市住民からみても、快適な地域社会となるよう努める必要がある。特に、少子高齢化の進行等も踏まえ、女性や高齢者が暮らしやすく活動しやすい農村の形成を図ることが重要である。
また、近年、一つの市町村では対応できない諸課題が増加していることを踏まえ、市町村合併を積極的に推進するほか、複数の市町村の広域的な連携・機能分担による効率的・効果的な地域づくりを進めるとともに、地域住民が誇りと意欲を持って自主的な取組を展開することの重要性にかんがみ、多様な主体の参加と連携による個性ある地域づくりを推進する必要がある。
これらのことを踏まえ、農村における土地の農業上の利用と他の利用との調整に留意して、農業の振興その他農村の総合的な振興に関する施策を計画的に推進することとし、地域の農業の健全な発展を図るとともに、景観が優れ、豊かで住みよい、アメニティに満ちた農村とするため、農業生産の基盤の整備と交通、情報通信、衛生、教育、文化等の生活環境の整備その他の福祉の向上とを総合的に推進するよう、必要な施策を講ずる。
また、食料の安定供給の確保及び多面的機能の発揮を図る上で重要な役割を果たしている中山間地域等については、その総合的な振興を図る観点から、地域の特性に応じて、農業その他の産業の振興による就業機会の増大、生活環境の整備による定住の促進等の施策を講ずるほか、中山間地域等において適正な農業生産活動が継続的に行われるよう、農業の生産条件に関する不利を補正するための支援を行うこと等により、多面的機能の確保を特に図るための施策を講ずる。
さらに、国民の農業及び農村に対する理解と関心を深めるとともに、健康的でゆとりのある生活に資するため、都市と農村との間の交流の促進等の施策を講ずる。その際、広域的な観点からの交流を促進することにより、農村の住民のより高度な都市サービスの享受等を容易にするとともに、都市の住民にとっても魅力ある農村の地域資源の活用を促進する必要がある。このほか、都市及びその周辺における農業について、都市住民の需要に即した農業生産の振興を図るために必要な施策を講ずる。
農村における土地の農業上の利用と他の利用との調整に留意して、農業の振興その他農村の総合的な振興に関する施策を計画的に推進する。
また、地域の農業の健全な発展を図るとともに、景観が優れ、豊かで住み良い農村とするため、地域の特性に応じた農業生産の基盤の整備と交通、情報通信、衛生、教育、文化等の生活環境の整備その他の福祉の向上とを総合的に推進するよう、必要な施策を講ずる。
ア 農業の振興その他農村の総合的な振興に資する施策
農業振興地域整備法に基づく農業振興地域制度の適切な運用を通じ、農村における土地の農業上の利用と他の利用との適切な調整を図る。
また、地域の特色を生かした農産物、加工食品等の開発及び提供、地域資源を活用した内発型の地場産業の振興、農村への工業、物流業等の計画的な導入、多様で個性的な観光資源の提供等の取組を推進するとともに、高度な情報通信基盤の活用等による立地自由度の高い産業の導入等を促進し、農村における就業機会の確保に資する。
さらに、農村の経済を支える多様な産業の振興を図るための基盤として、市町村道から高規格幹線道路に至る道路ネットワークの整備を進める。
イ 農業生産の基盤の整備と生活環境の整備その他の福祉の向上との総合的な推進
(ア) 農業生産基盤と農村の生活環境の一体的な整備
農村においては、地域住民の生活の場で農業が営まれていることから、農業生産の基盤と農村の生活環境が密接に関係している。このことを踏まえ、農業用用排水施設、農業用道路、農業集落排水施設等の整備を効率的かつ効果的に進めるため、農業生産の基盤と農村の生活環境の一体的な整備を推進する。
その際、自然環境の保全、良好な景観の形成等の多面的機能の発揮、魅力ある田園空間の形成及び地域資源の循環利用の促進に資するよう配慮する。
(イ) 生活環境の整備その他の福祉の向上
基礎的インフラの整備等を通じた地域の存立基盤や生活支持機能の確保、地域固有の資源の活用、参加と連携の促進等による地域づくりの観点も含め、以下の施策を総合的に講ずる。
a 農村の生活環境の向上、輸送の合理化等に資するため、市町村道から高規格幹線道路に至る道路等の交通ネットワークの整備を推進する。また、安全な通学路の確保等の交通安全施策を推進するほか、地域の生活に密着した公共交通の確保を図る。
b 都市とそん色のない高水準の情報の提供により、地域の活性化や地域住民の利便性の向上に資するため、民間主導を原則としつつ、高度な情報通信基盤の整備を推進する。
c ナショナルミニマムの実現の観点から、農村における汚水処理施設や上水道等の整備を推進する。
d 農村における適切な教育環境の整備及び社会教育施設、社会体育施設等の整備を推進するとともに、その効率的かつ高度な利用を促進する。
e 農村において受け継がれてきた多様な伝統文化について、その保存及び継承等を推進する。
f 農村における医療体制の整備を図るとともに、医療機関の機能分担と広域的な連携を通じ、農村における良質で効率的な医療サービスの確保を図る。
g UJIターン、田園居住等による地方定住を推進するため、良好な居住環境を確保し、地域資源を生かした魅力と個性ある住宅・宅地の供給を促進する。
h 地域の社会経済の発展を支え、安全で安心できる生活の確保を図るため、治山・治水対策、土砂災害対策、代替性を考慮した道路等の交通ネットワークの構築、道路防災対策等を推進する。また、除雪等の冬期交通確保対策を推進するとともに、農地防災対策、農地保全対策等を推進する。
i 農村におけるレクリエーション活動の場の提供や、生活文化、景観等の保全等に資するため、公園の整備を推進する。
j 農村における高齢化の進展を踏まえ、高齢者の保健福祉サービスの充実、公共施設のバリアフリー化の促進等により、高齢者が安全に安心して活動できる環境整備を推進する。
中山間地域等において、その地域の特性に応じて、新規の作物の導入、地域特産物の生産及び販売等を通じた農業その他の産業の振興による就業機会の増大、生活環境の整備による定住の促進等の施策を講ずる。
また、適切な農業生産活動が継続的に行われるよう農業の生産条件に関する不利を補正するための支援を行うこと等により、多面的機能の確保を特に図るための施策を講ずる。
ア 農業その他の産業の振興による就業機会の増大
地域の条件に適合した農業生産の基盤の整備や技術の開発及び普及、多様な担い手の確保等を図りつつ、新規作物の導入による高付加価値型の農業等の地域の特性に応じた農業の展開を図る。
また、農産物等の付加価値の向上と販路の拡大を図るための加工流通施設等の整備の促進、地域資源を活用した内発型の地場産業の育成、地域の観光資源の活用と地場産業の一体的振興、立地自由度の高い産業の導入等により、就業機会の増大を図る。
さらに、交通条件が極めて悪い地域において、産業の総合的な開発の基盤となるべき道路の整備を促進する。
イ 生活環境の整備による定住の促進等
地域の特性に応じ、農業生産の基盤の整備と一体的に農村の生活環境の整備を推進する。
また、過疎地域対策、山村地域対策等の一環として、上水道、汚水処理施設等の整備を推進するほか、住民の日常生活に必要不可欠な交通サービスの維持・活性化、情報通信施設、医療福祉施設、商業施設等の生活基盤的施設の効率的な整備、周辺地域を含む広域連携・ネットワーク化の推進、機能強化のための集落の整備、再編等を通じ、十分な生活基盤の確保を図る。
このほか、森林と農用地が混在する地域における農林地の一体的な保全整備等を推進する。
ウ 中山間地域等における多面的機能の確保を特に図るための施策
多面的機能の低下が特に懸念されている中山間地域等において、担い手の育成等による農業生産活動等の維持を通じ、耕作放棄の発生を防止し多面的機能を確保する観点から、農業生産条件の不利を補正するための施策を実施する。
国民の農業及び農村に対する理解と関心を深めるとともに、健康的でゆとりのある生活に資するため、都市と農村との間の交流の促進、市民農園の整備の推進等の施策を講ずる。
また、都市及びその周辺における農業について、消費地に近い特性を生かし、都市住民の需要に即した農業生産の振興を図る。
ア 都市と農村との交流の促進
(ア) 農村における滞在型の余暇活動(グリーン・ツーリズム)の推進、農産物の産地直売を契機とする農業体験等の促進その他都市と農村との交流機会の確保や交流の場の整備等により、都市と農村の交流の促進を図る。
(イ)広域的な交流・連携の軸となる高規格幹線道路、地域高規格道路等の幹線道路網の整備を推進する。
(ウ)豊かな自然環境を有する地域でゆとりある生活を過ごせる田園居住を実現するための住宅宅地供給を推進する。
(エ)地域固有の資源を活用しつつ、都市住民にとっての地域の魅力を高め、都市住民との交流の増大を図るための道路、河川、公園等の整備を推進する。
イ 市民農園の整備の推進
都市住民等の農作業による健康づくりや高齢者の生きがいづくり、家族がともに土とふれあうこと等のレクリエーションとしての需要にこたえ、農地の有効利用に資する市民農園について、その適切かつ円滑な整備を推進する。
ウ 都市及びその周辺の地域における農業の振興
新鮮な農産物の供給、農業体験等の場の提供等の都市住民のニーズにこたえ、都市及びその周辺の地域における農業の発展が図られるよう、農産物の直売施設の整備、都市住民への情報の提供等適切な振興策を講ずる。
基本法の基本理念の実現に資することができるよう、食料、農業及び農村に関する団体の効率的な再編整備につき必要な施策を講ずる。
なお、これらの団体に関連する食料、農業及び農村に関する諸制度の在り方の見直しを行う場合には、これらの団体の体制についても、その見直しを行う。
ア 農業協同組合系統組織
農業協同組合系統組織が、自主的に、食料の安定供給、農業の持続的な発展、農村の振興という基本法の基本理念を的確かつ効率的に実現できるような体制を整備するのに必要な施策を推進する。
イ 農業委員会系統組織
農業委員会系統組織が、優良農地の確保及びその有効利用、担い手の育成及び確保等の役割を効率的かつ十分に果たすことができるよう、組織体制の適正化や組織の効率的な再編整備に必要な施策を推進する。
ウ 農業共済団体
農業共済団体が、農業の担い手の育成や農業経営の安定に果たす役割を強めつつ、農業災害補償制度の円滑な普及・定着に向けた取組を効率的に展開できるような体制を整備するのに必要な施策を推進する。
エ 土地改良区
土地改良事業の実施及び土地改良施設の管理の主体である土地改良区が、その役割を効率的かつ十分に果たすことができるよう、統合整備を通じた事業運営基盤の強化を促進する。
また、土地改良制度の見直しを行う中で、土地改良区が地域において果たす役割等についても見直しを行う。
オ 団体間の連携の強化
地域の実情に応じ、森林組合や漁業協同組合を含む団体間の連携についての条件整備を進める。
この計画に従って各施策を実施するに当たっては、必要に応じ第三者機関による評価を活用することも含め、適切な時期に施策の評価を行い、その結果を踏まえ、必要に応じ施策内容等の見直しを行うものとする。
この計画に従って各施策を実施するに当たっては、厳しい財政事情の下で限られた予算を最大限有効に活用する観点から、財政措置の効率的かつ重点的な運用に努めるものとする。また、類似の事業について重複投資を行わないよう、関係省庁が連携して計画的に事業を実施する。
この計画に従って各施策を実施するに当たっては、施策実施における透明性の確保の観点から、情報の公開及び国民の意見の聴取に努めるほか、施策の目的、内容等について国民の理解が得られるよう、広報活動の充実等に努めるものとする。
この計画に従って各施策を実施するに当たり、地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の自然的経済的社会的諸条件に応じた施策を策定し、実施するものとする。
特に公共投資の分野では、民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用する観点から、PFI(民間の資金等を活用し、効率的効果的に社会資本を整備する手法)の活用を図るとともに、地域住民、NPO(非営利組織)、民間企業等の多様な主体の参加と連携の促進を図るものとする。
この計画に従って各施策を実施するに当たっては、国際的な規律との調和を保つものとし、新たな国際的な規律の形成に際しては、我が国の立場や主張を最大限反映させるよう努めるものとする。
この計画については、食料、農業及び農村をめぐる情勢の変化並びに施策の効果に関する評価を踏まえ、おおむね5年ごとに見直し、所要の変更を行うものとする。
(第1表)平成22年度における食料消費のすう勢試算値 (単位:万トン、kg)
| 平成9年度 | (参考)平成10年度 | 平成22年度 | ||
|
米 うち主食用 |
1,011 909 |
991 897 |
945 843 |
|
| 小麦 |
629 |
622 |
645 |
|
| 大麦・はだか麦 |
271 |
269 |
258 |
|
| 甘しょ |
114 |
114 |
120 |
|
| 馬鈴しょ |
409 |
383 |
409 |
|
|
大豆 うち食用 |
504 102 |
487 102 |
570 108 |
|
| 野菜 |
1,669 |
1,628 |
1,572 |
|
| 果実(計) |
869 |
807 |
886 |
|
| みかん |
139 |
122 |
131 |
|
| りんご |
150 |
134 |
153 |
|
| その他の果実 |
579 |
551 |
602 |
|
|
牛乳・乳製品 うち飲用乳製品 |
1,210 (40.2) |
1,202 (39.3) |
1,387 (44) |
|
| 肉類(計) |
547 |
552 |
626 |
|
| 牛肉 |
147 |
150 |
195 |
|
| 豚肉 |
208 |
213 |
222 |
|
| 鶏肉 |
182 |
180 |
200 |
|
| 鶏卵 |
268 |
264 |
284 |
|
| 砂糖 |
266 |
258 |
268 |
|
| 油脂 |
286 |
279 |
333 |
|
| 茶 |
10 |
8.8 |
10 |
|
|
魚介類 うち食用 |
1,136 838 |
1,075 814 |
1,148 857 |
|
| 海藻類 |
21 |
20 |
21 |
|
| きのこ類 |
48 |
50 |
55 |
|
|
(注)1.上段は1年当たりの国内消費仕向量(万トン)、下段の()内は1人1年当たりの供給純食料(kg)である。 2.平成22年度の数値は、近年の動向を基礎に、そのすう勢が継続した場合の姿を試算したものである(以下同じ。)。 3.砂糖の<>内は、加糖調製品等に含まれる砂糖を除いた数量である。 4.平成22年度の総熱量は2,640kcal、PFC比率は13時30分57秒と試算される。 |
(第2表)平成22年度における生産のすう勢試算値 (単位:万トン)
|
平成9年度 |
(参考)平成10年度 |
平成22年度 |
||
|
米 うち主食用 |
1,003 940 |
946 897 |
906 843 |
|
| 小麦 |
57 |
57 |
58 |
|
|
大麦・はだか麦 |
19 |
14 |
19 |
|
| 甘しょ |
113 |
114 |
111 |
|
| 馬鈴しょ |
340 |
306 |
329 |
|
|
大豆 うち食用 |
15 14 |
16 15 |
15 14 |
|
| 野菜 |
1,431 |
1,364 |
1,255 |
|
| 果実(計) |
459 |
394 |
387 |
|
| みかん |
156 |
119 |
122 |
|
| りんご |
99 |
88 |
89 |
|
| その他の果実 |
204 |
186 |
177 |
|
| 生乳 |
863 |
855 |
935 |
|
| 肉類(計) |
306 |
304 |
304 |
|
| 牛肉 |
53 |
53 |
57 |
|
| 豚肉 |
129 |
129 |
128 |
|
| 鶏肉 |
123 |
121 |
118 |
|
| 鶏卵 |
257 |
253 |
273 |
|
| 砂糖 |
78 |
83 |
80 |
|
| てん菜(精糖換算) |
369(62) |
416(66) |
376(65) |
|
| さとうきび(〃) |
145(16) |
167(18) |
132(15) |
|
| 茶 |
9.1 |
8.3 |
8.1 |
|
| 飼料作物 |
394 |
390 |
380 |
|
(参考)
|
魚介類 うち食用 |
673 501 |
604 463 |
572 426 |
| 海藻類 |
14 |
13 |
13 |
| きのこ類 |
37 |
38 |
38 |
|
(注)飼料作物は、可消化養分総量(TDN)である。 |
(第3表)品目別食料自給率のすう勢試算値 (単位:%)
|
平成9年度 |
(参考)平成10年度 |
平成22年度 |
||
|
米 うち主食用 |
99 103 |
95 100 |
96 100 |
|
| 小麦 |
9 |
9 |
9 |
|
| 大麦・はだか麦 |
7 |
5 |
7 |
|
| 甘しょ |
99 |
100 |
92 |
|
| 馬鈴しょ |
83 |
80 |
80 |
|
|
大豆 うち食用 |
3 14 |
3 15 |
3 13 |
|
| 野菜 |
86 |
84 |
80 |
|
| 果実(計) |
53 |
49 |
44 |
|
| みかん |
112 |
98 |
93 |
|
| りんご |
66 |
66 |
58 |
|
| その他の果実 |
35 |
34 |
29 |
|
| 牛乳・乳製品 |
71 |
71 |
67 |
|
| 肉類(計) |
56 |
55 |
49 |
|
| 牛肉 |
36 |
35 |
29 |
|
| 豚肉 |
62 |
61 |
58 |
|
| 鶏肉 |
68 |
67 |
59 |
|
| 鶏卵 |
96 |
96 |
96 |
|
| 砂糖 |
29 |
32 |
30 |
|
| 茶 |
89 |
93 |
79 |
|
(参考)
|
魚介類 うち食用 |
73 60 |
66 57 |
60 50 |
| 海藻類 |
66 |
63 |
64 |
| きのこ類 |
76 |
76 |
69 |
(第4表)総合食料自給率のすう勢試算値 (単位:%)
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平成9年度 |
(参考)平成10年度 |
平成22年度 |
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| 供給熱量総合食料自給率 |
41 |
40 |
38 |
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(参考)平成22年度の総合食料自給率目標(45%)とすう勢値(38%)との差に係る寄与の割合については、食品の廃棄や食べ残しの減少の影響を除くと、消費面で約4割、生産面で約6割である。 |
(第5表)主食用穀物の自給率、飼料用を含む穀物全体の自給率及び飼料自給率のすう勢試算値 (単位:%)
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平成9年度 |
(参考)平成10年度 |
平成22年度 |
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| 主食用穀物自給率 |
62 |
59 |
59 |
| 飼料用を含む穀物全体の自給率 |
28 |
27 |
27 |
| 飼料自給率 |
25 |
25 |
27 |
(第6表)研究・技術開発の展望
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今後10年間の主要な達成目標
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水稲 |
・麦の収穫後(6月上~下旬)に栽培できる良食味品種を早期に育成し、さらに直播も可能な品種を育成 ・需要拡大のための新形質品種(低アミロース米、色素米、巨大胚米等)を早期に育成し、さらに低アレルゲン、低たん白品種等を育成 |
小麦 |
・早生品種の育成と早播栽培技術の開発により収穫期を農林61号より1週間前進化することを早期に実現 ・めんの食感を改善した品種(製めん評点を3点向上)を早期に育成し、さらにめんの色の改良によりASWに匹敵する高品質品種を育成(製めん評点を現状より5点向上) |
甘しょ |
・色素用、ジュース用、パウダー用、ジャム用等新規用途品種を早期に育成 ・直播技術と直播適性品種の組み合わせにより大幅な省力化が可能な機械化直播栽培技術を開発(機械化移植栽培技術より労働時間を3割削減)
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馬鈴しょ |
・和洋食兼用、サラダ用、色素用等の新規用途に適する品種を早期に育成 ・シストセンチュウ、そうか病、疫病、ウイルス病などに対する複合抵抗性品種を育成
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大豆 |
・たん白含量の低い「タマホマレ」に代わる高たん白品種(たん白含量:39%→44%)を早期に育成し、さらに機械化適性を付与した高品質多収品種を育成(単収を10%向上) ・わい化病、シストセンチュウ等の病虫害に対する複合抵抗性品種を育成
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野菜 |
・機械収穫に向いた直立性のキャベツ、芽かき作業が不要なトマト、メロンの品種・中間母本を早期に育成し、さらに着果促進作業が不要なトマト、なすの品種・中間母本を育成 ・重量野菜について大幅な省力化を可能とする機械化一貫体系を開発・改良(キャベツの労働時間を5割削減)
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果樹 |
・需要拡大につながる有用成分が多い品種、食べやすい品種等を育成 ・ももの無袋栽培適性品種を早期に育成し、さらになし、おうとうの人工授粉不要品種及びりんご、かんきつの新たなわい性台木を育成 ・かんきつ栽培の大幅な省力化を可能とする園地別隔年交互結実技術を品種・立地条件ごとに開発
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畜産 |
・受精卵移植、受精卵クローン等繁殖技術を高度・安定化 ・DNAマーカー等の開発・利用による選抜育種の効率化・高度化 ・我が国の飼養条件に適合した搾乳・哺乳ロボット利用システムを確立 ・実用規模での畜舎排水処理技術及び精密栄養管理技術の開発により窒素及びリン排出量を低減 ・放牧牛の行動習性を利用した省施設・省力型放牧管理技術を開発 ・牛、豚、鶏の重要疾病の診断法の高度化と多機能・省力型ワクチンを開発
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てん菜 |
・糖度の高い品種を育成(糖度:17.5%→18.5%) ・直播栽培技術を早期に改良し、さらに適性品種の育成により直播栽培の単収を10%向上
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さとうきび |
・野菜等との輪作が可能な早期収穫(10月下旬)用の品種を育成 ・側枝苗等を用いた密植・機械化栽培技術を早期に開発し単収を10%向上
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茶 |
・耐虫性(クワシロカイガラムシ)品種を早期に育成し、さらに耐病性(炭そ病、輪斑(りんはん)病)を強化した品種を育成 ・窒素施肥量を3割削減する施肥技術を早期に開発し、さらに少肥適性品種の組み合わせにより窒素施肥量を半減する技術体系を開発
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飼料作物 |
・消化性・永続性の高い新型牧草品種(ライグラス類とフェスク類の属間雑種等)を育成 ・ホールクロップサイレージ用稲について可消化養分総量(TDN)の高い品種(TDN収量:0.9t/10a→1.1t/10a)を早期に育成し、さらにTDN収量がとうもろこし並みの品種(1.3t/10a)を育成
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食品 |
・脳の老化予防に役立つ食品・食材を開発 ・HACCPに対応した乾燥食品、液体食品の風味を損なわない非加熱殺菌技術を早期に開発し、さらに生鮮食品について開発
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ゲノム等 先端技術 |
・イネゲノムの全塩基配列を解読 ・200個以上のイネの有用遺伝子を単離し特許化 ・スーパー光合成イネ、スーパー耐性イネ等の画期的新作物の個体を作出 ・動植物から抗菌作用を持つ物質等を生成する遺伝子を単離し、医薬品等に活用し得る有用物質を生産する動植物個体を作出 ・昆虫の感覚器を模倣したバイオセンサー等を開発
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環境 |
・ダイオキシン類等内分泌かく乱物質の農産物への移行防止及び汚染地からの拡散防止技術を早期に開発し、さらに微生物等を利用した分解・浄化技術を開発 ・臭化メチルの全廃に対応するため、物理・化学的な代替防除技術を早期に確立し、さらに弱毒ウイルス、拮抗(きっこう)微生物、抵抗性品種等による新たな総合的防除技術体系を開発 ・遺伝子組換え生物の環境に対する安全性評価手法を高度化 ・野生鳥獣の行動パターンの解析による防除技術を早期に開発し、さらに個体数制御のための生態系管理技術を開発 |
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(注)ここに掲げた数値目標は、試験研究段階での達成水準である。 |
(第7表)熱量効率を最大化した場合の国内農業生産による供給可能量 (平成22年度試算)
| 平成10年度 | 試算(ケース1) | 試算(ケース2) | ||
| 一人一日供給熱量 | 2,570kcal | 1,890kcal~2,030kcal | ||
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米 小麦 大麦・はだか麦 いも類 大豆 野菜 果実 牛乳・乳製品 肉類 鶏卵 砂糖 油脂類 魚介類 |
kg 65 |
kg 85~51 |
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(注)試算の前提
・熱量効率優先の供給へ作付けを転換。 |
(参考)昭和20年代等の供給熱量(kcal/人・日)
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昭和23年 |
24年 |
25年 |
26年 |
27年 |
28年 |
29年 |
30年 |
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1,852 |
1,927 |
1,945 |
1,858 |
1,995 |
1,933 |
1,951 |
2,217 |
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