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「和食文化“再考”シンポジウム『再発見!「和食」文化の魅力』」【北海道ブロック】

「和食;日本人の伝統的な食文化」のユネスコ無形文化遺産への登録申請をきっかけに、私たち国民一人一人が「和食」文化について改めて認識を深め、次の世代に日本全国の「和食」文化を維持・継承していくことの大切さについて考えることを目的として、「和食文化“再考”シンポジウム『再発見!「和食」文化の魅力』」【北海道ブロック】を開催しました。

議事録(PDF:393KB)

1.冒頭挨拶   

 挨拶  会場様子

挨拶する小林北海道農政事務所長

シンポジウムの様子 

 

2.基調講演

『北海道の食材と伝統食文化』

畑井 朝子 氏(北海道教育大学名誉教授、函館短期大学 食物栄養学科教授) 

 講演

 

3.事例発表

村田 ナホ 氏(十勝郷土料理研究会会長)

荒川 義人 氏(天使大学看護栄養学部栄養学科長 教授)
木村 光江 氏(bambic代表、北海道フードマイスター)  

 事例発表1  事例発表2  事例発表3

事例発表される村田 氏

荒川 氏

木村 氏

 

4.パネルディスカッション

「和食」文化の魅力

荒川 義人 氏(天使大学看護栄養学部栄養学科長 教授) 

畑井 朝子 氏(北海道教育大学名誉教授、函館短期大学 食物栄養学科教授) 

村田 ナホ 氏(十勝郷土料理研究会会長)

木村 光江 氏(bambic代表、北海道フードマイスター) 

阿部 綾音 氏(旭川大学短期大学部)

 シンポジウム1  シンポジウム2
 

阿部 氏

 

5.議事録

1.開会

司会

会場の皆様、こんにちは。そして、本日はお忙しい中、和食文化“再考”シンポジウム『再発見!「和食」文化の魅力』へご参加くださいまして、誠にありがとうございます。本シンポジウムは、日本人の伝統的な食文化である和食のユネスコ無形文化遺産登録申請をきっかけに、私たち一人ひとりが和食文化について改めて認識を深め、次の世代に日本全国の和食の文化を維持・継承していくことの大切さについて考えることを目的に、ここ北海道ブロックの旭川会場を初め、全国9ブロックにて開催して参りました。日本人にとってかけがえのない財産である日本の食文化、和食について、今日は皆様とともに考えてまいりたいと思います。

申し遅れましたが、私、本日司会を務めさせていただきます鈴木舞と申します。どうぞ、よろしくお願いいたします。それでは、開会に当たりまして、北海道農政事務所次長小林英典より皆様にご挨拶を申し上げます。

 

2.挨拶

小林北海道農政事務所次長

皆さん、こんにちは。ご紹介いただきました、農林水産省北海道農政事務所の小林です。本日はお忙しい中、和食文化“再考”シンポジウムにご参加いただきまして、誠にありがとうございます。また、本日基調講演をいただきます、北海道教育大学名誉教授の畑井朝子様、そして、事例発表を行っていただきます、十勝郷土料理研究会会長の村田ナホ様、天使大学教授の荒川義人様、bambic代表の木村光江様におかれましては、講師をお引き受けいただきまして、熱く御礼申し上げます。

先週、新聞やテレビで大々的に報道はありましたので、ご存じの皆さんも多いかと思いますけれども、政府が現在、ユネスコ無形文化遺産に申請しております和食について、ユネスコの事前審査を担当する補助機関から、新規登録を求める勧告が行われるという、大変喜ばしい出来事が先週ありました。この勧告によって、和食の無形文化遺産登録へ大きく前進し、今年12月に行われます、ユネスコの最終審査結果発表が大変待ち遠しいという状況であります。

ユネスコに登録申請しております和食は単なる料理ではなくて、自然を大切にするという日本人の心に基づいた食習慣であり、いわゆる和食文化というふうに呼べるものであります。和食文化には、多様で新鮮な食材の利用ですとか、バランスの良い健康的な食生活といった特徴があります。これらの中でも、年中行事や地域行事との結び付きという特徴に関しましては、和食文化は地域や家族、そして友人、こういった友人などの結び付きというふうな、重要な社会的役割というのも果たしているところです。

そして、和食文化の実践者、継承者というのは、私たち全ての日本人であり、和食は私たちにとって、大変身近な存在です。一方、私たち自身に目を向けて見ますと、日本食離れや地域社会の衰退などによりまして、和食文化の継承が危惧されるといった状況にあると思われます。このようなことから、今回の無形文化遺産登録申請の取り組みは、和食文化について、その良さと価値について改めて見つめ直し、その魅力を再認識するきっかけになるものというふうに考えられます。

本日のシンポジウムにおいて、和食文化について皆さんと一緒に学び、認識を深めることによりまして、地域の和食文化の継承が、私たちの食生活の改善に向けた新たな取り組みに繋がることを期待申し上げまして、開会の挨拶といたします。

本日はよろしくお願いいたします。

司会

北海道農政事務所次長小林英典よりご挨拶申し上げました。

 

3.基調講演

司会

続きまして基調講演のご紹介をさせていただきます。本日は北海道教育大学名誉教授、函館短期大学食物栄養学科教授の畑井朝子先生より、「北海道の食材と伝統食文化」と題しましてご講演をいただきます。畑井先生は、北海道の食材や小豆を使った調理の研究などを専門とされ、北海道の食文化や郷土料理に精通していらっしゃいます。また、函館開港150周年「食育シンポジウム」などにもかかわられました。それでは、畑井先生、よろしくお願いいたします。

畑井氏

ただいまご紹介にあずかりました、畑井でございます。今日、こういうテーマでお話しするんですけれども、皆さんからそれぞれ伺った方が、かえっていいような感じもしないでもないです。それで、今、北海道の食事として最初にここへ物を出していますが、この図を見られて、何かお感じになることはありますか。何でしょう、これは。北海道は一番上の方にありますけれども、日本全国の地図を想像しませんか。考えられませんか。それで、これは私も参加しました、農文協で出版化された本、『日本の食生活全集』というその本です。表紙を全部ここへ、地図の上に置いたもので、私もこれを見た時は、わあ、すてきだなと思ったんですが、いかがでしょう。あの地図の上に、そこで書かれた本を全部置いていったと。そして、これを数えてみたら、本当に全部あるのかなと思ったんですが、48冊ここへ乗っかっています。それで、一番上が北海道です。北海道では、北海道の食事というのと、アイヌの食事というのを発行しました。それで、最初はアイヌも北海道の食事に全部入れちゃおうと、そういうお話で原稿をまとめたり、調査をしたんです。アイヌと北海道の和人(シャモ)を、和人の食文化と一緒に書くのは大変なんです。アイヌもいっぱい書くことがありまして、それで、途中で編集会議を開きまして、そして、2冊に分けることになりました。それで、一番上のところが2冊になっています。本当は、最初の計画は1冊でやろうというお話だったんですが、1冊ではまとまりませんでした。それで、北海道の食事、それの上の2冊ですが、今日はアイヌの方は、ちょっと触れるほど時間がありませんので、北海道の食事ということになります。

皆さんも覚えがあることばかりなんで、これは「年取り膳(としとりぜん)」で、私がこの中で、道南の食事を担当いたしました。全部北海道、北海道全域に分けて、4人でそれぞれ分担したんですが、北海道はとても広いですね。それで、距離的にも離れていますし、それで私は函館におりますので、道南の食事、それを担当することになりました。それで今日も私が、ここでお話しするのは、私がやったこと、まとめたこと、それを中心にお話ししたいと思います。それで、これは「年取り膳(としとりぜん)」で、松前の原口というところの郵便局長さんご夫妻です。けれども、残念なことにこのお二人は、今、天から眺めていると思います。

それで、今から30年ぐらい前に調査したんですが、その時、私たちの調査対象になった方々は、ほとんど天から眺めております。そういうことで、もうこの時に調査しなかったらば、食生活もどういうふうになっていたのか。これがもう、日本にあると言えば大げさかもしれませんが、最後の調査をした出版物ではないかと。実際に、現地の人たちにお会いして調査したものの最後ではないかなと思います。その後、何年かしてまた調査していますが、それはみんな実際の体験よりもちょっと別のものになっているかもしれません。

今、私が所属している調理科学会では、その時の食生活がどういうふうに若い人たちに伝えられているのか、それを検討して、今、根付いている食生活をもう一度まとめてみようという、第二段階に入っています。そういうことで、今、調理科学会で次のことを考えているので、私たちが調査した一番最初のものとはちょっと違うかと思います。

それでは、お願いします。年取り膳です。これはどうでしょうか。見覚えありますか。私は小さい時、これを食べるのが楽しみでした。それでいかがでしょうか。今でもこういうのを召し上がっていらっしゃいますか。左に口取りがありますね。今では珍しくもないノリ巻きとか、お魚を焼いたの、それでミカンを半分に切ったり、それから、そこへ昆布巻きとか乗っていますけれども。これが子供にとっては一番大切なもので、後のお料理を食べてもこれを囲んで、次の日とかまた食べるように、自分のものをどこかに隠しておいたぐらいで、非常に大切な楽しいお正月のお皿でした。こういうのを言っても、今若い方は何だそんなもの、毎日食べているじゃないかと思うかもしれませんけれども、こういう歴史的なことがあります。

それから、その隣は年取り膳で、これはタラの昆布締めです。昆布締めというのは、今どうでしょう、作られていますでしょうか。昆布締め。それから左の真ん中へ来て、写真ははっきりしませんけれども、フキの煮つけです。それから、真ん中が黒豆の煮豆。それから、茶椀蒸し。それから、真ん中にちょっと白っぽいので、ちょっと赤くなっていますね。あれが、紅白なますです。紅白なますでタコが入っています。それから、茶椀蒸し。それから左の方にご飯ですね。それから、一番左に来ている汁物、これは何でしょうか。子供に質問するみたいな。教師っていつまでたってもこうなりますね。鯨汁です。これが今でも年齢の高い方々は、これがなければお正月を迎えたような気がしないと。けれども、若い人はちょっと分からないかもしれない。それで、おばあちゃんがいる学生たちは、案外知っています。くじな汁――鯨汁。それで、函館の近辺では、年齢の高い方々は何万出しても、鯨の白身を、脂身を買うと。分からない方、ここにもだいぶいらっしゃると思う。鯨の脂身を買うなんて何だろうと思うかもしれませんが、鯨の黒い皮のついた白い脂です、表面の。今は非常に高いですね。だから、私の知っている方々は、それを何万出したって買うんだからと頑張っていました。それで、お膳の外側は煮しめです、お酒と。

それで、くじな汁をもう少し大きく出してみます。次、これがくじな汁、鯨です。その黒い皮のついた脂身、それちょっと見えますね。それを煮て、鯨とワラビとか、によ、豆腐、コンニャク、大根、玉菜(たまな)、「玉菜」って何でしょう。私もわざと玉菜と言いましたけれども、知っている方、玉菜って何ですか。知らないんですか。じゃあ、みんなお若いんですね。キャベツのことを玉菜と言ったんです。キャベツ、そういうものが入っています。こういうもので本当に地元にある材料ばっかり使っていますね。それで、これはなぜこんなくじな汁なんかをお正月、それから暮れに食べるのか。それは、鯨のように大物になるようにという願いがこもっています。だから、その中に、食文化の中にいろいろな願いとか、そういうものが入っていると。

それから、ずんちゃ、これはお盆のお供え物。8月13日、お盆をしましたでしょう。この時、こういうふうな飾りつけをしておいでになった方もいらっしゃると思いますが、典型的なお盆のこれは仏壇のお供え物です。

では、次です。これがお盆のお膳です。それで、お盆のお膳、これが一番左のお椀、お皿に入ったのはキュウリなます。それから、右側へ来て、これは煮物です。それから真ん中のは水、白玉、それから赤飯と。それから、大根菜の味噌汁です。みんな材料をいろいろなところ。今、大根の葉っぱを食べている方はいらっしゃるでしょうか。大根の葉っぱをみんな捨てちゃうんじゃないかな。これは大根の葉っぱで作っている。葉っぱって津軽弁でした。葉っぱで作った味噌汁です。これが、お盆の典型的なものなんですが。

今、私は、お盆でも子供たち皆、生臭いものは食べないんだという感覚はないですね。お盆にはお魚、生臭いもの、肉、そういうものは一切食べちゃいけなくて、こういう精進料理を食べると。精進料理も今、字を読めない子もいます。「せいしん料理」って、先生、これ何ですかって聞く。「せいしん料理」って。「精進料理(しょうじんりょうり)」だよって言うんですけれども。精進料理、これは普通に仏様に上げます。

これが、お盆の時に仏様に飾る。今も飾っていますけれども、作ったので町で売っているものを私たちは買っています。糸でつないで、2つ、仏様に下げたりしますね。それはみんな作ったんです。「こうれん」というもの。これはお米の粉で作りまして、お砂糖が入っています。こういうお餅を伸ばしたようにして乾燥させます。だから、いつまでも取っておけるんですね。お盆の間、これを仏様に上げまして、それから取っておいて、また焼いたりして食べた。こういうものこうれん。これを私がうんと教えていただいた、榊原ツヨさんという方ですが、この間また、調理学会で調査することになったので、お電話したんです。そしたら、息子さんが出て、「先生、うちの母はもう死にましたよ」って。ええって。私はしばらく、ちょっとショックでだめでした。その時、まだお若くて、調査して、随分手伝っていただいて、いっぱい教えてくださったんですけれども、その方はもういなくなっていると。もう、本当に悲しいことで、これを知ったのは1週間前ぐらいなんです。それで、今日もどこかで見ているだろうと思いますけれども、こうれんを作っています。

これが、えびす講。えびす講って、旭川の方ではありますか。あります。ない。えびす講というのは、これはサケの何というか、お魚を捕る、そういう人たちのお祭りというか、神様にお祝いをする。それで、船をもってお魚を釣るんですが。ここにあるお料理は、ほとんどサケを使っています。サケ一尾からこういうような料理を作っているんです。まず、左の方は「おひら」という、魚肉だんごの汁物。それから、サケを焼いています。真ん中のちょっと汁物のようなのがありますけれども、これは「おつぼ」といいまして、いろいろなもの、野菜がいっぱい入っています。それから、コンニャクなんかも入っています。大根、ニンジンやかまぼこと、こういうものが入っている。それから、焼き魚の前にありますのは、氷頭なます(ひずなます)です。氷頭ってお分かりでしょうね。氷頭、ちょうどサケの鼻のところですね。あれ、美味しいですよね。これは、日本人もそうですが、アイヌもとても大切にいたします。それでその氷頭、これは軟骨で栄養的にもすごくいい。このなますです。こういうものを全部食べていた。捨てない。それから赤飯ですね。小豆飯。それから、右のところがサケの粕汁です。粕汁は三平汁とは違います。それで、魚はそれを入れて、三平汁と若い人たちは言ったりする。「それは三平汁じゃないよ、粕汁だよ」と言って、私はいろいろ学生に言ったりしますけれども。これがえびす講のものです。

それから、皆さんのところへプリントが行っているはずです。『再発見!「和食」文化の魅力』と書いてある。この2枚のプリント。ここのところに表が2つ載っていますね。これが本当の和食文化、この北海道の大切なものが書かれている。これは私が調べたんですけれども、大切なものと私が自慢しているみたいですが、食文化というのは、全部日常食とそれから行事食、その中を調べるとほとんどどういう食文化があったのか、それが分かると思う。それで、この2枚のプリントを出しました。表を出しました。一番上の方が、これはハレの日。ハレ、行事食ですね。1月から12月までずっとこういう行事があった。その行事が今消えています。けれども、もう一度その行事を再現したいと。行事のことが、西洋のものもいろいろと日本へ入ってきています。でも、それをやる前に、日本のことをもう少し見てほしいと。ここのところに今全部言いませんが、1月から12月までの行事食を全部書かれています。

このハレの食の中、それから、その下にケの食と書いている。「道南地方の四季の日常食」と書いています。春夏秋冬、その時に何を食べていたのか。この2つを調べると食文化というのは、ほとんど言い尽くせると思うんです。それで、この表を皆様のところへ入れさせていただきました。

それでは次です。これが今度ケのところへ行きます。春の朝食です。これを見ると皆さんどうでしょうか。今朝、食べた覚えのある方、いらっしゃると思いますが、お膳の上から、フキです。これはフキのフキ漬けです。それから、次の右のはヤリイカのお刺身。それからご飯。油揚げの味噌汁。これが春の朝食。それで、私が調べた時に、ヤリイカの刺身が、最初朝出てくる。それで、その時私の感覚では、お刺身というのは、夜食べると。何か皆ちょっとデラックスに食べるものだと思っていたんですが、朝に食べると。どうして朝に食べるんですかと私は質問したら、朝捕れたて、捕りたて、それを食べるって、冷蔵庫とかそういうものがないので、捕ってすぐ新しいうちに食べるんだと。「ああ、そうですか、ぜいたくじゃないんですね」と言ったら、「先生、違うよ」と言われました。これは新しいうちに食べると。これは春の朝食です。

それから、次が、これが春によく食べる、によの煮つけという、フキと似たもので山菜です。これを見たら、何も美味しそうに見えませんでしょうか。どうでしょうか。お醤油で煮て、とても美味しいんです。によの煮つけ、また、これを外国の人に食べさせたら、木くずを食べさせたと言われるかもしれません。戦後、捕虜だった人たちが日本を訴えた、その中の1つに、日本では木くずを食べさせた。木くずってなんだろうと思ったら、ゴボウの田麩ですね。あれが木くずに見えたんだそうです。木くずを食べさせて、それで訴えたということがありました。これもによの煮つけだって、今の若い人に見せたら、「先生、何だこの」と言うかもしれません。でも、分からないんです。私はそう思うようなものを幾つか学生に食べさせまして、先生美味しいねと言われたのを後でまたお話ししますけれども、分からないでまずいと思っている。によの煮つけ。

次は夏の昼食です。夏の昼食はキュウリのおごっこ。言葉が分かりますか。それから、フキの煮つけ、白茹で芋、それからウロマイです。ウロマイってご存じですか。アワビのウロの塩辛です。アワビのウロ、これは時聞がなきゃ、この世に出ませんでした。おじいちゃんの先生、いいもの教えるから、この次に来るまで作っておくと、「何ですか」と言ったら、このウロマイでした。アワビのウロ、それの塩辛。もし興味のある方は作ってみてください。すごく美味しい。

それから、これは秋の昼食。秋はカボチャ、それから、上の方はイカの塩辛。ホッケ。それから、塩茹でカボチャ。それから、切り漬け、大根、そうですね。

それから、これが冬の昼食です。冬、これはイカの塩辛。イカは必ず付きますね。それから、ニシン漬けがが付いています。それから、生干しホッケの煮魚。芋の塩茹で。こういうものが日常食。いいですね、日常食。これが本当の記述によったもの。これを今出しています。

これが冬の夕食です。豆です、煮豆。それから、その隣が、これは漬物です。漬物で冬の夕食。それから、下がご飯ですね。それから、三平汁が出ています。「三平しようか」というのが、皆の合言葉みたいな。三平がしょっちゅう夕食には出てきます。

この三平をちょっと大きくしてください。

次、これが冬の漬物です。それから、冬の漬物でホッケ漬けが左にあるけれども、ホッケの長いのが入っていますが、これは写真を撮る時に、おばさんたちがホッケが入っているのが分からないから、「先生、ホッケを上に乗っけておきました」と。それで、出来上がった写真がこれで、こんな大きいホッケは入っていません。これは、おばさんたちがいたずらをしたんじゃなくて、中に入っているよというのを見せたかったらしい。それから、カブのカブ漬けですね。これは美味しいですよね。赤くなっちゃう。今、若い人に見せたら、赤く染めて嫌だなと思うかもしれませんけれども、これは何も染めなくてもアントシアニン、そういうのがみんな酸っぱくなっていけば、赤くなっちゃうんですね。自然の色です。それから、キュウリの粕漬け。それから、今度はニシン漬け。それから右側に来て、これが切り漬けです。その中にゴマとかも入っていますし、いり大豆も入っている。美味しい漬物。ここへほんの一部だけですが、みんなこれ一品で、またたんぱく質もその他の野菜類も取れるようになっています。

それで、学生に私が、キュウリの粕漬けを食べさせたら、「先生、こんな美味しいものがあるんですか」「あるよ」と。私の物を残しておいてあったら、学生が全部食べちゃった。それで、美味しいと。分からないでいるんです。教えてあげたいです。

次は、ニシン漬け、これはスケソウ入りです。ここへ、キャベツ、さっき言った玉菜が入っているんですが、このキャベツは、北海道では入れるけれども、青森では入れません。気温が、こちらが低い。青森は高いので、すぐ酸っぱくなるので(どういう意味????)、それこそ、玉菜、キャベツは入れられないと。これは北海道は入れています。これは、イカの飯ずしです。それから、ホッケの飯ずし。サケの飯ずしです。皆さん、これは酢洗いしたらだめですね。最近売っているのは、酢洗いして、それから漬けるんです。ご飯と一緒にまぜて漬けまして、ご飯が発酵した、その酢で味がついてくる。酢洗いしたらダメなんですよ。今でも売られているものは、酢洗いして、私はすぐ分かるので、酸っぱくて口が荒れます。

今度三平に移ります。三平汁。春、フキ三平。それから、ワカメ三平。ナガラ三平、ソイが入っています。ナガラ三平と。三平は今、一般にサケだけが三平汁と思う人もいるようですが、三平はいろいろあります。これから出しますけれども、私が調べたところによると、23種ありました。全部季節で違うんです。夏三平。夏三平は菜っ葉三平、それからササゲ三平です。その時にとれる季節の物、それをちょうどに利用している。

これが秋の三平。見れば分かりますね。カボチャが入っていますね。カボチャは秋しか食べられなかった。冬を越せないんです。だから、ここで秋の三平は大根三平。それから、キャベツ三平。それから、カボチャ三平とあります。

次はこれは冬の三平で、冬は魚の名称が付きます。サケ三平、ホッケ三平、ニシン三平に、最後はタラ三平です。こういうものは季節によってみんな違うんです。そして、私が調べた結果では23種ありました。それでこれも、今学校でも教えたりしても子供たちに間違えて教えている人が、先生がおります。それを私が行った時に指摘しています。

これは三平汁、こういうものは必ずぬか漬けのお魚を入れると。こちらも、このままで洗って焼いたりしても、しょっぱくて食べられません。そのサケでも、こういうイワシでもニシンでもぬか漬けにして、そこから出るしょっぱみというか、それとお魚から出る出汁。それで漬けたのが、作ったのが三平汁なんです。このものでは、これが三平皿です。必ず三平皿によそうと。だから、これは歴史的に調べたらいろいろあると思います。これのお出汁のことです。小学校でこの次。三平を作ろうと言ったら、子供たちが、じゃあ、作る三平を書きなさいと言ったら、黒板に「林家三平」「激辛三平」と書いた。これは話すつもりはなかったけれども、私の口からはつい、林家三平が出ちゃいまして。

三平皿とそれから汁物と。よそう。これも歴史的なことについても、ちょっと調べたことがありました。この三平皿は今、高いんですよね。皆さんのおうちでおありの方は、大切にとっておいてください。前、函館近辺のところに行きましたら、おばあちゃんが怒っているんです。「何、しているの」と言ったら、「うちの嫁が、全部箱に入れて捨てているものがあったんだ。見たら、それが三平皿だった」と。お嫁さんは三平皿なんて、こんな古いお皿何するかと思って、リンゴ箱に入れて捨てたんです。それをおばあちゃんが今度は隠して拾ってきて、また隠していました。そういうので、昔のものって、皆、捨てない人も多いんですね。三平皿、これがもしお宅にありましたら、取っておいてください。今高いですよ。

これはジャガイモ料理です。ジャガイモ料理であの近辺で素晴らしいんですけれども、ジャガイモ料理の塩煮ですね。それから。汁粉。花まんじゅう。それから、左に出汁餅、どったら餅、ゴマ餅です。私はこれについてまた論文も1つ書き上げました。それは、北海道のジャガイモ料理の調理、科学的なことを全部調べると、ジャガイモの性状、それが全部はっきりと分かると。だから、昔は調理科学とか、そういうものはありませんでしたけれども、鍋というか、経験で、こういうものを作っていた。だから、ジャガイモの性状、これ以上のものがないと。全部の性質を利用したものです。これがもし、その性質を知りたかったら、またお電話でもください。私が調べたのを差し上げます。それで、次も出てきますけれども、この花まんじゅう、お通夜とかその時に使うものです。花まんじゅう。

それから、次がこれが出汁餅で、これはすごいいい汁物です。二日酔いにすごくいいそうです。

時間になりましたか。大丈夫ですか。出汁餅、これがすごく美味しいです。上がつるつるごそごその感じですね。これは本当につるつるごそごそなんです。こういうふうな出汁餅があります。それから、次がどったら餅。どったらって見えますでしょう。よくどったらしている。どったら餅。これは冷たくなったジャガイモ、いっぱい出ますね。朝茹でて、昼茹でて熱いところを食べた後、その冷たくしたジャガイモを潰して、すり鉢でこねる。潰す。そうすれば、お餅と同じようにべとべとしたものが出来上がります。それを温めないで、そのまんま黒砂糖の蜜を中に敷いて、その上にどったらとかけるんです。すごく美味しい。これは上にかかっていますが、またおばさんたちがいたずらをして、先生、黒砂糖蜜がかかっているのが分からないから、上にかけておきましたと。本当は下に敷いておくものなんです。どったら餅とか、こういうものがいろいろあります。芋の利用の仕方、これはまとめたものですが、もし欲しい人がいたら連絡ください、差し上げます。今、ここへ書いたもの。

それから、カボチャ料理がいろいろこれも同じようなことで出来ます。

ちょっと急ぎますね。

これはホッケ料理ですが、いろいろそこに挙げられていますが、ホッケかまぼこ、一番下の左のところ、そのホッケかまぼこは、これは作ったものですが。こういうふうな感じで、左が焼きかまぼこ、蒸しかまぼこ、これを切ると右のお皿のようになります。これも私は授業で作らせまして、そしたら、学生たちが、「先生、こんな美味しいかまぼこを食べたことがない。町で売られているのは食べられない」「何、あなた方がそう思うの」と言った。だから、若い人たちは知らないんです。だから、知らせてあげたいと。いいものがいっぱいあるんだということ。

これがかまぼこを作っています。これはイカの加工品、これは今、ご覧になると分かると思いますが、イカのお料理ですね。真ん中の一杯漬けというのはお分かりでしょうか。これは、イカを生きたまま、捕りたてのものをお醤油に漬けるんだそうです。それで、塩辛のようなんですが、これを切っていただくと。すごく美味しい。高いですね、今も売られていますけれども、それから、イカの加工品で、それを見れば分かりますね。酢イカにイカ飯。それから、これがホヤです。私にそっと教えてくれたこのおじいちゃんがもう死にました。それで、これがホヤというのは、下のお皿に入ったのが、酢醤油漬け。その右上のものが、これはおから漬けなんです。塩とおからと交互に漬けると。やってみてください。すごく美味しい。それで、イカの水っぽさも取れちゃいますね。宝物です。これも酒のさかなにすごくいいと。そういうところで、まだ、いろいろなものがあります。

あともう時間でしょう。

これは細目昆布、その食べ方。昆布をついて、粉にして、ご飯にかけて汁物に入れたりします。こういうふうな、いろいろなものがあるんです。これはノリを干しているところ。イカですね。みんなこういう光景分かりますか。次、これはタラですね。タラを干している。干しダラが。これが行事のお餅です。

それで、ここでぜひ皆さんに説明したいのは、この一番下の左のところ、これは、「よのこまんじゅう」と言います。よのこ、これはサケの子、それを入れておまんじゅうにする。「よ」というのはサケですね。よの子、まんじゅうなんです。これも、ここへもし調べて出さなかったら、もう世の中から消えていました。その教えてくれた人ももうあの世に行っちゃっているしね。だから、この『日本の食生活全集』というのは、今聞いても分からないことがいっぱい書かれています。それこそ、さっき出した48種類、日本の大切な宝物ではないかなと思っていますけれども、私は今、松前、道南だけ説明していますけれども、こういう本が出ていますので、日本、北海道の食事というので、出ていますので、興味のある方は見てください。

それから、風呂敷餅です。もう時間がないので、これは彼岸だんご、形は指の形です。一番上、よのこまんじゅう。これもおばさんたちが、イクラ、それが見えないからって、あそこへ、茹で上がったところにくっつけてくれて、サケの子が入っているんだということをみんなに見せたいというのでつけて、あんなに赤くなっていません。蒸していますので塩っぽくなったり、出汁粉を入れます。終わりです。

それで、これらのものをご覧になって、何かいろいろな考えをお持ちになったかと思いますが、受付のところに、プリントを置いておきましたので、この北海道の食材と食文化、これのまとめを書いておきました。書いたのをプリントしたのを受付に置いていますので、欲しい方は持っていってください。

司会

どうもありがとうございました。畑井先生には、この後のパネルディスカッションにもご出演いただきたいと思います。どうもありがとうございました。

先程、先生もおっしゃっておりましたが、ただいまの基調講演の資料を受付の方に置いてありますので、ぜひこの後、休憩の際にお持ちいただきますよう、お願いいたします。ただいまの基調講演の資料、こちら、会場を出られました受付に置いてございますので、ぜひこちらのプリントもお持ちくださいませ。

 

4.事例発表

司会

それでは、続きまして、事例発表もご紹介いたします。本日は、3名の方にお願いしております。初めに、十勝郷土料理研究会会長の村田ナホ様より、「郷土料理の伝承と料理教室を通じたこどもの食育」と題しましての事例発表を行っていただきます。村田様は、家庭科教師を務められた後、旦那様と2人で子供たちを対象とした料理教室を設立、主宰をされていらっしゃいます。そして、十勝郷土料理研究会を設立するなど精力的に活動を行われ、また平成23年には食育推進ボランティア内閣府特命担当大臣表彰を受賞されました。

それでは、村田様、よろしくお願いいたします。

村田氏

ご紹介にあずかりました、村田です。今朝、帯広を7時に出まして、こちらに10時に着きましたから3時間で、三国峠はちょっと雪が降っていましたけれども、とっても今日はいいお天気で、もみじもきれいで、そこを通って、旭川に参りました。

それでは、私は10分間の持ち時間ですから、ちょっと早口になりますけれども、私の十勝地方の食文化ということでまず触れたいんですけれども、帯広といったら、豚丼というのがすぐ来るんですけれども、豚丼って言われちゃっておりますけれども、六花亭のお菓子なんかでも、もなかが出ているんですけれども、当時、牛や何かを連れてくるといったら、船に乗りませんから、豚は抱えてきますとだんだん増えてきますから、その豚を連れてきて、たれを工夫して豚丼が出来たわけです。豚丼のたれはざらめか、氷砂糖か、醤油、みりん、みんな3者同量です。それをぐらぐら煮立てないで、ゆっくりと煮詰めてとろみをつけたのが、豚丼のたれになりますから、ぜひおうちでやっていただければと思います。

次に、何が帯広で有名かといいますと、ジンギスカンなんですね。ジンギスカンというのは、どういうところから始まったかといいますと、私が中学生ですから、もう随分昔の話なんですけれども、私のうちの父親が獣医をやっていたんですね。そしたら、いっぱい動物を飼っていたものですから、兄が羊を連れて、メーメー鳴く羊を川へ連れて行くんです。たまたま私の夫もその頃兄と友達だったものですから、メーメー引っ張っていって川で皮をはいで、それで肉を作って、そして、石を積んで、網を乗せて焼いて食べたんです。その時に、兄が私にジンギスカンのたれを作れと言うんです。中学生ですからね、「兄さんたれをどうやって作るの」。そしたら、兄さんが教えてくれたんです。たまたま兄さんが畜大の農芸化学の方へ行ったものですから、たれの作り方を覚えていて、簡単なんですよ。醤油の中にリンゴを擦って、ショウガ擦って、ニンニク擦って、そして砂糖を入れて、唐辛子を入れて、そして、一升瓶に入れてこうやって振るんですね。その一升瓶を持たして、河原でそのたれをつけて食べたら美味しいって。それが評判になって、うちも欲しい、うちも欲しいというもんですから、一升瓶に頼むというから、私はジンギスカンのたれで擦るのに手が痛くなっていた。それが一番初めのジンギスカン。その当時は、ジンギスカンも今のように改良されていなくて、とっても臭いがしたそうなんですけれども、でも、焼いたら美味しいということで、たれを作った思い出がすごくあるんですね。もう昔の話ですけれどもね。それから、その時にジンギスカンの肉、そんな野蛮なものを食べて、ひんしゅくを買ったという夫の話なんですけれどもね。だけど、それなりに美味しく食べたようなんです。

それから、もう一つ、十勝では、飯ずしがあるんですけれども、飯ずしはどこも、北海道のあちこちでやると思うんですけれども、ハタハタだとか、カレイだとか、先程出てきたように、イカとかホッケとかいろいろあるんですけれども、やはり、十勝は、サケが上ってきた、シャケの飯ずしが、みんな作っているんですけれども、やはりボツリヌス菌や何かあるものですから、ちょうど、お正月のちょうどあれです。クリスマス過ぎた頃の食べ頃に漬けていくわけなんですけれども、その時に、日曜日か土曜日か、またお医者さんがあいている時に毒味をしてもらんですね。うちの夫が毒味をして、猫にも食べさすか、猫ちゃんは止めなさいって。それで大体1日置いて何ともないということになったら、いっぱい今度はクリスマスには食べて、お正月にはわざわざこの頃、東京から飯ずしを食べるツアーで、私のうちへお客さんがたくさんやってくるんです。もう昨日も山漬けというのを6本買っていきましたよ。1匹3,000円ですからね。結構な値段なんですが、1樽に2本使いますから、大根、ニンジンや入れる物は全部自分のうちの畑で作っていますからね。そうやってお客さん来るから楽しみにして、飯ずしを作っていると、大体そのような感じです。

もう一つ宿題が何かといったら、食育のことについてお話をしなさいということなんですけれども、今日は文化の話ですから、かるたを作ったんですね。8年前です。「箸の移動は三角形、主食とおかずを一緒に食べるのは、日本の良い食文化です。ご飯、汁物、おかずを満遍なく食べましょう」って、かるたです。

それから、「昔の食事から生活の知恵、和食の良さが見直されてきています。見本の伝統食文化を大切にしましょう」って、ここにいろいろ和食の絵を描いたんです。子供たちもこれを見て覚えていきますね。

それから、これです。「いただきますは命に感謝。私たちは他の生き物の命をもらって生きていることを忘れないで」ということで、いただきますというのは、あるお母さんは、「学校給食にいただきますなんか言わなくなって、お金を出しているからいいでしょ」と言ったお母さんがいるって新聞に出ていましたよね。違うんですよね。他の命をいただいて、いろいろな作っている人の感謝の気持ちを表すいただきますだと思うんですね。

「つ」ですね。「土と人とは同じもの。中国の古い教えに身土不二。体と土は1つ不二であり、住んでいる土地の育ったものを食べるのが良いという考え方」。こういうようなカルタを作りまして、今、子供料理教室をやっているわけなんですけれども、本当に子供たちの成長が目に見えるんです。4月に教えた子供が、今、まだそんなに経っていないんですけれども、とっても段取りがよく、上手にやってくるんです。私は思いますけれども、会社の社長さんや何かで、人を入社試験の時に100点ばっかり取る人ばかりじゃなくて、本当に気配りの出来る人がいいと思うんです。それは、料理がぴったりだと思うんです。例えば、晩のご飯は何にしたら何を買おうかって、先に計画を立てて取り組み。その取り組みが大切、大体段取り8割と言いますからね。作るのなんか2割ですから。やはりそういう先を見通したこと、それからこれを作ったら、ああ、みんな喜ぶだろうな、思いやりの心、優しさ、そういうのも教えたいですしね。食べ物、食育だったら、教えることがいっぱいあるんですね。そういうことで、食育をやらせていただております。

あと、もう一つ、宿題は日本の食文化の保護、継承をしていく意義は何かということが言われているものですから、やはり日本の食というのは、米が中心、日本は海に囲まれているから、海の文化、魚、海藻です。それから後は発酵食品だと思うんです。その海の方といえば、私は驚いたことなんですけれども、ちょっと余談でありますけれども、大豆とサンマと昆布を煮つけにしたのをうちの舅さんから習ったんです。それをたまたま出しましたら、これは北海道らしいし、安いし、栄養満点だし、先人の知恵を受け継いでということで、樋口恵子さんが審査員だったんですよね。それで、入りましたら、お魚料理大使になってくださいって、日本を代表しまして、スペイン、フランスを回ったんです。その時に昆布を持っていきましたら、みんな喜びました。昆布が臭いを嗅いだり、硬いんだなとなめてみたり、昆布がやはり日本の文化です。北海道の昆布がたくさん採れるんですけれども、何か知らないけれども、もうちょっと大阪の方へ行っちゃって向こうから加工品で出ているですけれども、昆布の素晴らしさ、昆布と削りぶしのうまみ、うまみを子供たちに教えたいと思うんですね。出汁もインスタントの味噌汁に入った出汁で分からない子供たちもいますけれども、やはりきちんとしたものを教えたいと思うんです。

そんなことで、私の話は、こちらに皆さん方にお渡ししましたものを見ていただきましたら、こんなことで子供料理教室には、お料理の社会科というのを作ってやっているんです。私が料理をやって、夫が昔社会科の先生だったものですから、「お料理の社会科」と言っているんですよね。これで、トマトが赤くなると医者は青くなると。要するに、旬の物を食べましょうということと、もう一つ、森が育つと魚が増える。これはとても森というのは、魚の恋人なんですね。海から栄養を持ってきてくれるんです。今サケがどんどん上っていっています。森がそれこそ裸の森も植えて、増やしておりますけれども。

それから、次がヨモギなんです。これを子供たちにぜひ教えたいと思って、これは、ちょうどヨモギの出る5月にヨモギだんごを教えたんです。ヨモギの葉っぱを持っていって臭いをかがして、それで今度ヨモギはどんなふうに、草餅ばかりじゃないんだよ。昔はヨモギをもぐさといって乾燥させて煎じて飲んだり、薬草としてお灸にしたり、あと今度、ヨモギを炊いて蚊を追っ払ったり、ヨモギの硬い木をシシャモに刺したすだれにして、刺したものとか。それから魚の方ですけれども、この魚はこのようにいろいろな魚があるけど、川で赤ちゃんが生まれてだんだん大きくなっていくんだけれども、その赤ちゃんが生まれる時はお母さんとお父さんが川に上ってきて、赤ちゃんが生まれた時にそのまま死んでしまうんだよと言ったら、子供料理教室の前にいた女の子が、涙ぽろぽろぽろぽろ流して、あんまりにもサケの赤ちゃんがかわいそうだって、そんな反応があったんですね。これは、ある「お料理の社会科」の思い出なんですよ。

それから、あと大豆のこととかでんぷんのお話もしたんですけれども、この前、寒天とゼラチンの違いは教えたんです。寒天は海藻で、ゼラチンは動物の骨とか皮から取るんだよ。そしたら、ある女の子が、「動物園に行ったら猿のところに行ったら臭いしたわ」とか、あれの臭いだって。そしたら、いや、「うちの犬を風呂に入れた時に抱っこしたら、臭いがした」あれがゼラチンの臭いだって。そういう面白いことがいっぱい戻ってきて、子供たちが本当に成長していく姿が分かるんです。食育というのはすごく大切だと思います。今、この短い時間だけでお話し切れませんので、また後ほどのディスカッションの中で、まだちょっといろいろなお話を出来ればと思っています。失礼いたしました。

司会

どうもありがとうございました。村田ナホ様でございました。誠にありがとうございます。この後のパネルディスカッションの方でもよろしくお願いいたします。

それでは、事例発表、続きまして、天使大学看護栄養学部栄養学科長教授の荒川義人先生より、「食を通じて北海道を元気に~北海道型食生活の提言」と題しましての事例発表を行っていただきます。荒川先生は、食育と地産地消を進めることで、北海道の農業と食に関わる全ての底上げを目指して取り組んでいらっしゃいます。日本の食文化をオール北海道の食材で賄う「北海道型食生活」提言されていらっしゃいます。それでは、荒川先生、よろしくお願いいたします。

荒川氏

ご紹介いただきました天使大学の荒川です。よろしくお願いいたします。私の方はスライドを映しながら進めさせていただきます。なお、お手元の方にこういう資料が配布されていますので、後ほどご不明な点など確認いただければというふうに思います。

まず、私の方は和食のベースになる素材、これが北海道の場合、こういうふうに特徴を持っているという話からさせていただきます。北海道と一口に言いますけれども、実は北海道というのは、すごく広くて、東北の全部の県を合わせたぐらいの面積もありますし、とれるものも非常にバラエティに富んでいるということで、それをどうやって出していくかということでございます。例えばですけれども、道南の方に行きますと、先程、畑井先生からもお話がありましたが、現在は野菜を中心に畑作、畜産が少々という状況ですし、石狩、空知のあたりですと、米が中心、それに野菜とか畜産が少々、東の方に行きますと、特に網走、十勝は畑作、ジャガイモとか、ビートとかが中心で、それから乳用牛、野菜なんかも採れている。さらに、道北の方に行きますと、また釧路とか根室の方に行きますと、これはもう完全に乳用牛がほとんどで、野菜とかそういったものはほとんど採れない。これは完全に明らかに北海道の中でも地域の特産物というのは、かなり違ってきます。したがって食文化というのは、そのとれるものがベースになりますから、当然食文化なんかも違ってくるということになります。

特に北海道の場合に、北海道の野菜は美味しい、果物が美味しいとかいろいろなことが言われているんですけれども、実は、なかなかちゃんと北海道と本州のものを比べて、データ的に美味しいという裏づけはほとんどありません。その中で、唯一と言っていいぐらいこういう北海道の寒さを生かしたものというのは、結構美味しくなるんですよねということで、今現在、ホウレンソウとか、ジャガイモですとか、それからキャベツですとか、いろいろ寒さを生かして美味しくしているということはあると思います。そういったものを生かしていくというのは、北海道にとっては大事かなと思います。

例えば、ここにホウレンソウがありますけれども、寒締めのホウレンソウというのは、かなり量が広がってきています。この寒締めのホウレンソウは元々冬の野菜で、寒いところで採れると美味しくなるし、栄養的にも優れているんですけれども、それが春も夏も採れるようになって、なかなか栄養的に下がってきた。それをもう一回寒さを生かして作ったらこんなになりますよというのが、一番上の北農研が出しているデータなんです。これは北海道の農業研究センターが出したデータです。Brixというのは甘さです、糖分です。数字が大きいです。一番右端にビタミンCがあります。非常に高いビタミンCです。現在、市販されているホウレンソウは一番下に赤で括ってありますけれども、このようなビタミンCで、春夏ですとさらにもっと低いです。それがすごい、40年も50年も前の栄養的に素晴らしい美味しいホウレンソウが北海道で作られるようになった。実はこの寒締めという作り方は2番目にあります、東北の農業研究センターが編み出した方法です。生み出した方法です。それは盛岡なんですよ。盛岡で同じことをやるより北海道に持ってきて同じことをやったら、さらに栄養的にホウレンソウも高まったということで、北海道の寒さというのは、逆手に取るとすごい魅力だというふうに思います。

現在、日本の食生活はだいぶ変わってきています。その辺で、こういう文化というのをどうするかということを考えなければいけないと思うんですけれども、昔の食生活は一番上にありますけれども、お米や何かを中心に豆、野菜、藻類、あるいは魚介類を中心とする。そこに、右の方に、日本人の食生活はどう変わってきたかという、すごく伸びている食品を挙げておきましたけれども、例えば、肉とか、それから乳製品とか、卵、この商品はがーっと伸びてきています。実はこれによって、日本人の平均寿命は延びたというふうな、食生活の変化ですね。これは健康からすると、この辺は非常に注目しなければいけない部分です。元々の素材にこういう肉ですとか、乳製品とか、あるいは卵ですね。これが乗っかってきて今、非常にバランスのとれた食生活が出来上がったということで、栄養面では、20~30年前の日本人の食生活なんですけれども、世界中で注目されている食生活。これが、日本型の食生活といいます。今現在、私がやっているような食育の全国的な目標というのは、大体、日本型食生活の再生というか。なぜ今、再生という言葉を使ったかといいますと、主食離れが起こったり、偏食が進んで、この日本型食生活自体が狂ってきているということです。こういう素材を生かしながら、日本型の食生活の良さ。これを維持していくにはどうしたらいいかというのを考えるべきかなというふうに思います。

そこで実は、北海道は日本型の食生活の素材は全部整います。その日本型の食生活を整える北海道の素材を生かして、つまり、地産地消という考え方を生かして、日本型の食生活を展開するとどういうふうに言った方が分かりやすいかということで、私は10年ぐらい前から、北海道型の食生活、これを実践しましょうということで、ずっと言い続けております。日本型の食生活の良さを生かしながら、素材は北海道のものを中心に展開していくということです。

この地産地消ともう一つ、私が強調したいのは地産地活ということなんです。これはどういうことかというと、北海道は自給率がエネルギーベースで、カロリーベースで200%あります。つまり、地元でとれたものを100%消費しても、単純に考えて100%余ります。その100%余っているものをどういうふうに活用していくか、それはもちろん人の元気作りにも活用出来るし、地域の元気作り自体にもつなげられる。それをどうやっていくかということで、それをしっかり考えていくのが、北海道の役割ではないかなと思います。

先程、いろいろな伝統的な食材が、例えば昆布なんかはそうですけれども、ぽーんと本州に行って、本州でいろいろ付加価値がついて、それが戻ってきて、高いお金で買っている。そうすると、どこに一番お金が入るかというと、加工したところにお金がいっぱい入っていくわけです。これだと結局、北海道というのは、人の良い、原料の供給基地で終わってしまって、さっぱり元気になっていかない。それを北海道では何とかいろいろなことをしていきませんかということですね。よく言われているのは、明太子なんかもそうですね。たらこをどーんと博多に持って行って、博多ですごく付加価値をつけられて、それをお土産で買ってくる。ですから、簡単に言いますと、500円でたらこを売って、1,500円で明太子を買ってきている。1,000円はどこに行っているんでしょうかということをやはり北海道としては真剣に考えて行かなければいけないというふうに思います。そんなんで、地産地活という言葉を挙げさせていただいております。

この地産地活という意味が、人の元気作り、地域の元気作り、これに北海道の食材をもっともっと生かしていってというふうに思います。それで、北海道型の食生活というのを提案させていただいております。

そのためには、大事なことは幾つかあるんですけれども、とりあえず、地産地消の食生活を推進していく。特に学校で地産地消型の食生活を、いわゆる給食として実践していただくと、相当波及効果がありますということで、ここに図が描いてあります。もちろん、学校ばかりじゃなくて、日頃の食生活の中でも、ご自宅でもこういう地産地消型の食生活、すなわち、北海道型の食生活を推進していくことで、結局地域の産業も元気になっていきますし、もちろん北海道のいい食材を使えば、人も元気になっていきますし、そこでもう一つ大切なことは、地元の食材をしっかり生かすことで、地域の食文化の継承、それから創造。あえて創造のところを大きく字を書いてありますのは、実は北海道の食文化、先程、畑井先生からお話がありましたけれども、結構本州の母村から入ってきていて、これが北海道だという決め手というのが、結構地域によってまちまちといいましょうか、その辺があるんですよね。逆を言うと、それはある意味北海道のすごい武器でして、新しい食文化というのが北海道は育まれていく、そういう可能性のある地域性があるということも言えると思います。私はどちらかというと、そっちの方も北海道としては大事ということで、継承するのも大事ですけれども、新しい食文化を作っていくことも大事というふうに考えています。

そんなので、例えば、こんなこともやっているというのは、今、札幌黄、この後お話しする木村さんも一緒にやっているんですけれども、実は、北海道はタマネギが一番最初に作られたところという説もあるんですけれども、その代表的な品種である札幌黄、こういう美味しいタマネギがだんだん消えそうになってくるんです。これは何とかしなければいけないということで、ファンクラブを作って、さらにオーナー制度を始めて、こういう伝統的な食材の良さを生かしていく。こういう活動は、やはり北海道にとっては必要だなというふうに思います。まだいっぱいいろいろな種類があります。

またこんなこともあります。ご存じでしょうか、平取という日高の町ですけれども、トマトがすごいたくさん採れます。トマトが採れておりますし、ただ、地元の人は、自分のところでトマトが採れているなと思うんですけれども、それは、どこかに行っているなという意識しかないんですよ。それで、それじゃあだめだ、自分の町はトマトの町、トマトを誇りにする町ということで、実は学校給食の計画を作りに、平取町に呼ばれて行った時に、まず、地元で採れているトマトをいかに地域の人に食べていただくかという仕組みを作りましょうということで、学校給食で平取ランチというのでしょうね。ニシパの恋人って名前がついているんですけれども、ニシパの恋人ランチというのを、学校給食で入れていただいています。

そうすると、今度、飲食店がこれは面白いというので、給食と同じ名前でニシパの恋人ランチという、飲食店が基準を作って、ランチを出し始めました。というふうにして、地域で採れているものを地域の人が、その良さを知って生かしていく、そのためには、いろいろな方策がありますので、一致団結してそういう取り組みにしていくのが大事かなと思います。これが、今、周りの町村からもランチを食べに行くということで、人の交流が深まっているということで1つのきっかけになっています。北海道はこういう地域の特性がいろいろありますけれども、その地域の特性を生かして、なおかつその文化を継承しながら、かつ新しい食文化を作っていく。そんなことが北海道は必要ではないかなというふうに思います。

後程、またパネルディスカッションがありますので、とりあえず、私の方からのお話はこれぐらいにしておきます。ありがとうございました。

司会

どうもありがとうございました。荒川義人先生でした。荒川先生にはこの後のパネルディスカッションでは、コーディネーターとして、和食の魅力について提言をお願いしたいと思います。

それでは、続きまして、bambic代表、北海道フードマイスターの木村光江様より、「昔ながらの北海道の味を伝えたい」と題しましての、事例発表を行っていただきます。木村様は、北海道産の食材を使ったクッキング講座など、新しい発見のある昔ながらの味の紹介や地産地消の啓蒙活動を行っていらっしゃいます。また、北海道フードマイスターであり、平成22年には「北海道らしい食づくり名人」に認定もされていらっしゃいます。

それでは、続いての事例発表は木村光江様でございます。よろしくお願いいたします。

木村氏

皆様、こんにちは。ただいまご紹介にあずかりました、みーやんこと木村光江と申します。今日はどうぞよろしくお願いいたします。

ちょっと諸先輩方が多い中、大変緊張しておりますが、私は、昨年、植える、育てる、食べる、この3つをテーマに楽しもうということで、市民活動を立ち上げました。その活動の中で、各家庭における食文化の伝承、これは、かなり今、厳しいなというふうに感じています。今日は、私なりのチャレンジを皆さんにお話しさせていただこうと思います。よろしくお願いいたします。

まず、こちらは何のお肉か分かりますか。これは実はエゾシカ肉なんです。父がハンターでしたので、シーズンになると毎年2~3頭しとめてきていました。現在も父のハンター仲間からシカ肉が届きます。子供の頃は、父から教えてもらいながら、食べるばかりで自分でさばくとは思ってなかったんですけれども、今では教えてもらいながら、自分で肉を積極的にさばかせてもらっていると、そして美味しく食べています。

ちょっと変わった食育で育ったんですけれども、この他にも地域の食材ですとか、料理を親から教わる機会に恵まれて育ってきました。

この写真、こちらを紹介していこうと思うのですが、現在、私は石狩市を拠点に活動をしています。上の写真は昔ながらの味が楽しめる蕎麦がきです。地元の農家さんが栽培している蕎麦の在来種、牡丹蕎麦の野性味あふれる風味をあんこといただく自慢の蕎麦がきぜんざいです。これを紹介すると、若い女性の方は、どうやって食べるんですかって、とても興味津々に聞いてくれて話が弾みます。男性は、これなら俺にも簡単に作れそうだといって、興味を持ってくれます。

左のお弁当、こちらは山菜弁当になります。皆さんは、「しどけ」という三菜をご存じでしょうか。うなずいてくださっている方もいますが、葉がもみじに似ているモミジガサというあくの強い山菜なんですが、これをきんぴらやてんぷらにして食べてもらうと山菜が苦手だったけれども、これはうまいねと通ってくれるお客さんがたくさんいました。

そして、右の写真は北海道内で開催される北海道物産展でクッキングライブを行った時のものです。道産食材を簡単に美味しく食べていただく講座をさせていただいています。こういった、地元食材を生かして、簡単で美味しいをテーマに昔ながらの味を楽しく発見出来るような活動をこれからも広げていきたいと思っているんですが、こちらの写真をご覧いただきましょうか。

次に地域の食文化をどれだけ伝承されているかという点について、1例をお話ししたいと思います。これは札幌大球という明治以降、石狩などで栽培されるようになった大きなキャベツ、玉菜です。さっき、玉菜って、そう言うんだなっていうのを教えてもらいましたが、普通のキャベツは、普通の玉菜は1玉、大体1.3キロくらいなんですけれども、この札幌大球は1玉、大きいものになると、最大26キロにもなるそうなんですよね。私もその話を聞いた時には、本当に驚いたんですが、実際、これは大体15~16キロあったかなという重さです。昔から、作り継がれてきた、この札幌大球を栽培している農家さんは、石狩では現在5戸に減ってしまいました。とても残念なことです。

こちらをご覧いただきましょう。石狩の直売所では、この時期、この札幌大球を買いに朝から地域の人たちが並びます。北海道の郷土料理の1つ、ニシン漬けに使う野菜です。でも、並んでいる方々の年代をよく見ていただけますか、分かりますでしょうか、この年代だけが郷土料理であるニシン漬けなど、漬物を作る楽しみ、習慣、そして美味しさを知っているんです。シニア世代だけが買い支えているこの札幌大球、このままでは、札幌大球を作る農家さんも北海道の郷土料理の1つであるニシン漬けを家庭で作るという人もいなくなってしまうかもしれません。

そこで私は考えました。キャベツといえばお好み焼きです。この札幌大球でお好み焼きを作ってみたんです。肉厚でみずみずしいキャベツの触感と甘味、それは本当に美味しいお好み焼きが焼き上がったんです。キャベツが美味しいとお好み焼きってさらに美味しくなるんですよね。皆さんのお手元にもお配りいたしましたが、このチラシ、来週はこの札幌大球を使ったイベントを開催しようと思っています。地元の食材で北海道の郷土料理、ニシン漬けを作ろう、みんなで作ろうと宣伝しても、子育て世代、今の若い方々は、反応、きっといまいちだったと思います。札幌大球の大きさを見て、触って、その美味しさをまず、イベントに参加することで知ってもらおうと企画しました。入り口は興味を引いたお好み焼きかもしれないんですが、このニシン漬けも味わってもらって、その作り方もお伝えします。

まずは、若者受けするお好み焼きで集客し、美味しく味わってもらって、学んでもらおうという戦略です。参加してくれた皆さんが帰る時には、地域の魅力ある特産品、この札幌大球の美味しさ、郷土料理を知ることになるんです。今月、行ったイベントの動画がありますので、ちょっとご覧いただきましょうか。

(動画再生開始)

木村氏

ちょっと音が悪いんですけれども、この日はまずみんなで朝集まって、石狩鍋を作ってから稲刈りに行って、戻ってきてみんなで一緒に石狩鍋とご飯を炊いて美味しく食べようねという会だったんです。石狩の郷土料理ですからね。石狩鍋は、みんなで一緒に石狩鍋を作ろうということで、まずは、その稲刈りに行く前に石狩鍋を作りました。石狩鍋をうちで作ったことある人と聞いたら、「いいえ」と答えが返ってきて、イクラ漬けたことがある人、「いいえ」っていう声が半分ぐらいありまして、これは驚きましたね。

本場石狩鍋は白菜ではなくて、キャベツを使うのはご存じでしたでしょうか。朝方に植えたんですけれどもね。全部刈り取ると脅しちゃったんですけれどもね。ちょっと無理だったので、コンバインで半分刈ってもらいました。

この稲刈りの時期は、忙しいので農家さんは嫌がるんですよね。協力をなかなかしてもらえないものなんですよ。本当に無理を聞いてもらいました。

美味しかったんですよ、これが。

この子は初めてご飯の上にイクラを乗っけて食べた。ご飯の上に乗せるのが嫌な子だったんですね。ショーになっていますけれども、解体ショー。ちょっと斬新なさばき方です。子供たちにイクラをほぐしてもらいました。自家製のサケフレークの作り方も紹介して、みんなで作って、これは持って帰ってもらいました。

(動画再生終了)

木村氏

というような動画を、これは12回目になるんですけれども、毎回、このように動画を編集してウェブ上で発信しています。動画だけじゃなくて、写真、そして記事にして、その回の楽しかった様子を専用ブログに書いて、そして、外に向けたアウトプットもするようにしています。石狩には、実はネットテレビというのがありまして、ご協力をしていただけるのも大変ありがたいことでございます。そして、こちらが、この見ていただいた動画の回の時の参加してくれた皆さんの声なんですけれども、市民活動を去年始めて、ようやく1年半たったところではありますが、市民活動というのは一番の意識の高い人だけの活動になってしまうという傾向があるんじゃないかなというふうに感じています。食文化の豊かさ、美味しさは分かっている人たちだけで独占しないで、次の世代に上手に楽しく伝えていくことが大切じゃないかなというふうに感じています。

全国各地には素晴らし取り組みをされている方々がたくさんいらっしゃいます。福井県の小浜市では、4歳から6歳の子供たちは全員大人の手を借りず、子供たちだけで魚をさばいて料理すると言います。この食育が本当に素晴らしいんですが、伝統的な郷土食を親から子に受け継ぐ機会がなくなったと言われている現在、食の大切さを学ぶキッズキッチンという取り組みなんですが、キッズキッチンというこの取り組みは、本当に素晴らしいものだと思います。

また、こちらは、白老町のおばあちゃまたちです。70代から80代のおばあちゃまたちが、地域で採れる山菜料理を美味しく食べさせてくれる食堂を元気に営業しています。昔ながらのおふくろの味とその心意気が話題になって、道内各地からお客様がわんさとやってくるんです。地域の魅力ある食文化を受け継ぐためには、しっかりと伝える人が必要じゃないかなと思います。

このたび、日本の食文化、和食が無形文化遺産に登録される見通しになりましたが、このことは、昔ながらの食文化を見直すきっかけになるんじゃないかなと思っていますし、とってもそのことはうれしくて誇りに思っています。外側、海外から注目されることによって、私たちが改めて和食文化の魅力を再発見することにも繋がるんじゃないかなと思っています。隣のおばさんが、「石狩鍋うまいよ」と言っても、何にも心に響かなくても、ぽっとアメリカからやって来た観光客の外人に「素晴らしい」と言ってもらったら、にまっとする。ちょっと誇りに思うあの感じですよね。

私はまだまだ試行錯誤をしている最中ですが、これからも生産者と一緒に地域の恵まれた食材に向き合い、昔ながらの北海道の味を伝えていきたいなというふうに思っています。ご清聴ありがとうございました。

司会

どうもありがとうございました。木村光江様でございました。この後のパネルディスカッションもどうぞよろしくお願いいたします。

さて、会場の皆様、ここで10分間の休憩に入ります。シンポジウムの再開は10分後からとなりますので、それまでにご着席いただきますよう、お願い申し上げます。また、ここでお帰りになる場合は、アンケート調査票を資料に挟んでおりますので、ご協力くださいますようお願いいたします。ここでお帰りになられる方は、アンケート調査票を資料に挟んでおりますので、ご協力、よろしくお願いいたします。

なお、お手洗いにつきましては、会場を出られまして右手側にございます。ただいまから、10分間の休憩とさせていただきますので、お時間までにお席にお戻りくださいませ。

(休憩)

5.パネルディスカッション

司会

会場の皆様、お待たせいたしました。ただいまからシンポジウムを再開させていただきます。これからはパネルディスカッションといたしまして、「和食文化の魅力」をテーマにディスカッションを行っていきます。

それでは、コーディネーター及びパネリストの皆様をご紹介させていただきます。会場の皆様から向かいまして左側から、コーディネーターの荒川義人様です。そして、パネリストの畑井朝子様、村田ナホ様、木村光江様です。そして若い世代の方々代表といたしまして、旭川大学短期大学部・阿部綾音さんにもご参加をお願いいたします。

それではパネルディスカッションに先立ちまして、全体の概要を私の方からご説明させていただきます。本日のパネルディスカッション、テーマは「和食文化の魅力」です。和食文化を特徴付けるキーワードとして、多様で新鮮な食材とその持ち味を引き出す工夫、一汁三菜を基本としたバランス良く健康的な食生活というものがあります。さらには美しく盛り付ける表現方法や食器の使用などにより自然の美しさや季節の移ろいも表現し、また年中行事にも密接な係わりがあります。本日は、そんな和食文化の魅力についてディスカッションを行っていきたいと思います。また、先程もご紹介いたしましたが、本日のディスカッションには地元の大学生の方々にもご参加いただいております。ディスカッションの中では、和食文化を次世代へ継承してもらうために、若い世代の方々から見た意見もお伺いしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

それでは、ここからの進行はコーディネーターの荒川様にお願いしたいと思います。荒川先生、よろしくお願いいたします。

荒川氏

では、よろしくお願いいたします。今ご紹介がありましたけれども、パネルディスカッションは和食の魅力といいましょうか、その辺について、こちら側にいる方だけじゃなくてフロアの方々と一緒に考えていき討論しようという、そういう趣旨でございますので、ご協力よろしくお願いしたいと思います。

パネリストの中でお一人、本当に若い新しい方が入りましたので、まず一番最初に旭川大学短期大学部の阿部綾音さんから、簡単に自己紹介と、日頃どんな活動をしているかということをお話しいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

阿部氏

私は旭川大学短期大学部2年生の阿部綾音と申します。私は栄養士になるために学校で給食を作ったり、栄養のことについて学んでいます。ゼミナール活動では幼稚園の子供たちにお料理を教えたり、あと地元の食材を使った地産地消を意識したお惣菜店を開くという活動も行っています。本日は、皆さんと一緒に和食の文化についていろいろと考えていきたいと思っています。よろしくお願いします。

荒川氏

ありがとうございます。緊張していませんか。大丈夫ですか。はい、よろしくお願いします。

それでは早速始めていきたいと思うのですけれども、まず最初に、このシオリが配られておりますけれども、これは農水省さんの方で作られたのでしょうか。今回、ユネスコに申請されるに当たって、和食というものはどういうものかということで、これをめくっていただきますと特徴(ア)(イ)(ウ)(エ)ということで、そうだよな、なるほどと思わせる事柄が書かれていると思います。こういった持ち味のあるのが和食なのかなと。それを北海道として、これは本当に北海道なんかぴったりの言葉が並んでいるなという気がするんです。全国各地でそれぞれこういうシンポジウムがあって、それぞれこういったことを考えながらいろいろなメッセージを送ってきているようですけれども、ぜひ北海道としても、本当に和食の中心だよというか、日本の食の中心だよという、私は自負があるものですから、北海道として、こうだよねということを何かメッセージとして伝えることが出来ればうれしいなと思います。

それでは早速パネルディスカッションを始めたいと思うんですけれども、まず最初に、基調講演をやっていただきました畑井先生の方から、先程、日本の伝統食がいろいろ時代が変わって、伝統的な食生活をご紹介いただきましたけれども、そういうものがさらに今現在、どういうふうにして生活の中に親しまれながら引き続き続いているのか、またその辺がもしかしたら危なくなってきているというようなことをちょっとお話しいただければと思います。よろしくお願いいたします。

畑井氏

先程は時間が短かったので全部言い切れませんでしたけれども、前から作られてきた私たちの食べ方、あれは私たちの遺伝子、そういうのが作られてきた食べ物なんですね。だから今、私たちが西欧の人たちが食べていたものを食べても、私たちの体に合わない。だから学生たちにも、あまりそういうものを食べると体の中で遺伝子が迷っているよという話をするのです。腸の長さも、ああいう繊維の多いものを食べるので西洋人よりもずっと長いですよね。3倍ぐらいでしたか、長いんです。そういう体を持っているのです。これが白人並みの体になるのには、まだ何年かかるか分かりません。だからもう一度考え直して、元へ戻したいと。自分の体に合うもの、遺伝子のことを考え、それから腸の長さを考えて食べたいなと思います。

さっき言いませんでしたけれども、私は北海道とすごく関連が深いのです。大学を卒業した後、研究するテーマが分からないで恩師に「何か研究テーマはありませんか」と聞いたら、「食卓の上にゴロゴロしているでしょう。あなた北海道だから、小豆をやりなさい」と。だから、私のドクター論文のテーマは小豆なんです。だから北海道というのは私にとっては大切な名前だし、場所なんです。そして、小豆は宝物です。だから私は宝物をいっぱい抱えているので、まだまだ死ねないなと思って頑張っているのですけれども、チャンスがあったらまたお話しさせてください。

荒川氏

ありがとうございます。畑井先生は伝統的な食材に日本人の体自体が対応しているから、そういう伝統的な食材をしっかりと生かした形での食生活が健康作りにも欠かせないだろうという、そういうご指摘。特に主食なんかは、そういうものが取られなくなってしまうと日本人の腸の長さが何のためにそんなに長くなっているの、炭水化物をしっかり取らなきゃいけないよねという、そういうご指摘なんじゃないかと思います。ありがとうございます。

お2人目が村田ナホ先生。今も食育を通して伝統的な日本の和食の良さというのをお伝えいただいているのですけれども、和食の中でも北海道ならではというか、その辺の素材をひっくるめながら、北海道ならではのそういったものをどういうふうにお伝えしているのかという実践的なお話をちょっといただければと思います。

村田氏

子供料理教室を15年で一区切りをつけたんですけれども、その後また、やってほしい、やってほしいという声が出まして、今度は幼稚園です。だから、本当に小さい子供も来ているわけなんですね。「食の玉手箱」という名前にして、月1回ずつやっているわけなんです。それでこの前、一輪寿司といいまして、サケを使った、そしてホウレンソウで葉っぱを作って、かわいらしいお寿司を教えたのです。一番初めに私が巻き方をみんなの前でやりました。いざスタートしましたら、あんな小さい4歳の子供でもきちっとチューリップの形に葉っぱがついて、きれいなお寿司を巻いたんです。いよいよ切る段階になってドキドキなんです。お母さんに、「いい、切るよ」と言って、切ったら今度、本当にお花が咲いたような、「出来た、出来た」ってものすごく感動しているのです。あんな小さい子でも巻かせたら巻いていきますね。

台所に立ったら、包丁が危ない、ガスが危ないなんて遠ざけたらだめなんですね。包丁というのは切れるのが普通なんですよ。切るのが怖いからとわざわざ百均で包丁を買って持たせる親もいますけれども、あれは絶対だめですよ。かえってぎゅーぎゅーやらないと切れないわけですから。皮剥きだってちゃんとしたのを持たせないとならないのだけれども、そうやって何でも安物がいいなと思ったらだめ。やっぱりきちっとしたもので教えてほしいと思います。包丁で手を切った子の親が「いや、そこまできちっと見てほしい」と言うのですけれども、私は言いました。「でも小さい傷で大きな災害から守られたということだから、そういうふうにお母さん考えてください」と言ったら、なるほどということで納得してくれたんですよね。そんなことで、小さい子供にきちっと教えましたらそれなりに、素直にすっきりと受けとめてやってくれているのが現状なんです。今週も終わって、そして今日、月曜日が来たんですけれども、子供の成長が目覚ましいということで食育の大切さが分かるんです。

その反面、私もびっくりしてしまうのですけれども、今、伝統の食文化がだんだん薄れてきているということの1つに、急須でお茶を入れるのが分からなくなってきているのです。お母さん方でも急須を見たことない。お茶というのはみんな、ペットボトルに入っているものだと。ペットボトルは幾らか知らないけれども、全部飲み干せばいいけれども、夏、残したら捨てちゃうような感じですよね。この空瓶の行き先を考えたら、これはもったいないことだなと思うんです。作ってもらえるのならばむしろ2つぐらいに分けて、ドッキングして、量を半分ずつの方が片一方に手をつけないで済むなんていう感じもします。そして片一方にはコーヒーが好きだったらばコーヒーを入れてもらって、片一方はお茶を入れてもらって、そんなような感じで同じ値段がいいなと。要するに、そういうような言葉が通じなくなってきているということが1つです。

それから今の親は、お父さんの帰りが遅いのに酢豚でも何でも作ったら「僕は肉が好きだ」と言って、お父さんが帰ってくる頃になったらピーマンとニンジンしか残っていない。本当に、お父さんの分をちゃんととっておくというお母さんの気配りが足りないのです。その点、昔はいいことを考えたんですよ。陰膳というのを作ったのです。陰膳というのは何かといいましたら、お父さんの分を取っておくという意味ではなくて、お兄さんやお父さんが兵隊に行って、戦地で一生懸命やっているから陰膳を据えてなんていうことで別に取っておいた。そんな陰膳でなくてもいいから、お父さんの分はちゃんと取って。特に大皿盛りで食べさせる時には、自分が4分の1食べれば家族が5だということを頭の中にきちっと入れて食べてもらえるような優しさ、気配りかな、そういうのもぜひ、これは日本独特の文化として残していいと思うのです。

うちの父がよくこう言いました。私は兄弟が多かったので、父がこう言ったんです。「天井に神様がいて、魚を頭からこういうふうに切った時に、今日は頭の方を取ったら次の日は尻尾の方を取る。人間は公平になっているんだ」と。それを聞いて、兄さん方や何かは大きいのを欲しいのだけれども遠慮して尻尾の方を取ったり、そうやって思いやったのですよ。「昨日はここを食べたから、今日はここだな」と自分で判断する。親の一言で随分違うのです。

そういう面がたくさんあるのですけれども、たまたま子供料理教室じゃなくて親子料理教室に行きまして、どら焼きを教えたんです。10個のどら焼きを作るんだよといった時に、20枚焼かないと10個とれないのです。それで20枚焼くのに、面倒臭かったのでしょうね、どんなことをやったかといったら、私がちょっと目を離した時に親が大きくフライパンいっぱいに焼いて、あんこもどぼっと入れて、中華饅頭みたいにパタンと。それを大きなお皿に乗せて切って分けてくれるのなら分かりますよ、ラップに包んで自分のバッグにサッと入れちゃうんですよ。そういう自分さえ良ければいいという心、それも食べ物で教えていかないとならないと思うのですよね。その時は筑大生も一緒だったのですけれども、筑大生は遠慮して何も言わない。だから特にそのお母さんはやっちゃったんでしょうけれども。それから料理教室に行って「いただきます」と言ったら、講師のところに料理が並んでいない。誰か1人、気をきかせて1人分作るぐらい当たり前なのに、そこも出来なくなっている。悲しいことですね。

それからもう一つ、私が知っているところのお姑さんが言っていましたけれども、息子がお正月に来た時に「母さん、お正月だから、茶碗洗えだとか、何か作ったりするのに嫁さんに仕事をあまりさせない方がいいよ」と。本当に、遊びに来たという感じの嫁さんが多いんですね。そんなような矢先、昔の親は立派なことを教えてくれました。どこかへ行く、親戚だとか友達のところへ行く時は必ず、バッグの中に前掛けを忍ばせて行ったのです。その家へ行って「ごちそうさま」と食べ終わった時、前掛けをはめてパッパッと洗ったり手伝ったり、私たちは「前掛けを入れて行きなさい」と教えられた。今の若い人なんか、前掛けどころか手拭きも持ってこない。どこで手拭きなのと感じるでしょう。やはり昔の文化、これが切れてきているんです。だから私は、ちょっとしたことだけれども先人の知恵を若い人に教えていかないとならないなというような感じを持っております。

荒川氏

ありがとうございます。食育というのは子供に対する食べることの教育だけじゃなくて、いろいろな年代の方に対してやらなければいけない。今、村田先生から、特に親に対する食育というのがもっと必要じゃないのかと。それから和食というのはその辺の細かい気配り、それのきっかけになる、そういう文化を持っているのじゃないかと、そういうお話だったのではないかと思います。簡単で便利な社会になっていますから、お茶はティーバッグでいいし、ペットボトルでいいし、急須なんかは消えていく。最近では包丁がないとか、まな板がないとかいうことも話題になっていますよね。そういうことが進んでしまうと食文化なんて絶対崩壊するに決まっているよなという、そういう状況かもしれませんね。ありがとうございます。

それでは続いて、木村さんには北海道の味をどういうふうに伝えていくかということの実践的な取り組みというか、加えてお話しいただきたいと思います。

木村氏

先程見ていただいた動画があると思うのですけれども、先程もお話ししましたけれども、あの回は石狩鍋だったのですね。石狩で開催する石狩鍋、これは実は募集を12回やった中で一番集まる人数が少なかったんです。「石狩で稲刈りと石狩鍋を作ろう。作って食べよう」というのは、石狩市民の心に何も響かなかったみたいなんですね。地元の郷土料理、分かっているから別に習うまでもないと思ったのかなと思ったのですけれども。聞いてみたところ、「稲刈りがしたかったから参加してみた。参加してみて、汗流してお昼に食べて、久し振りに食べた石狩鍋が美味しかった。地元の郷土料理である石狩鍋の美味しさに改めて気がついた」と、そういう喜びの声があったんです。

今、魚の骨を口の中から出すというのが嫌みたいなんです。もう取ってある、骨のない魚を食べるのが当たり前になっていて、だから「魚の汁なんかとんでもない」みたいな感じなんですよね。私も子供の頃、やっぱりお母さんやおばあちゃんに作ってもらったものを嫌々ながらに食べたのは覚えていますけれども、でも、その味を覚えていて、それが何か懐かしくもあり、また食べたいなと思い出すんですよ、嫌いながらに食べていたものが。食べないから作らないんじゃなくて、食べなくてもやっぱり食べさせなきゃいけないのかなというのも感じているし、魚の汁は年を追うごとに「うまいな」と思うようになったんです。前は本当に思わなかったんですけれども、年のせいもあるのかなという気はするのですが。その口の中から骨を出すのが嫌だという子も、自分で作った石狩鍋は美味しく食べていました。

いないだろうと思って「イクラを作ったことがない人」って聞いたのですが、そしたらいっぱいいたんですよ。それはちょっと驚いちゃって。私は子供の頃からバラバラにばらすのが好きで、あれ楽しくて率先してやっていましたけれども、ないと言うのです。「じゃあどうしていたんですか」と言ったら、買ってきていた、もしくは外で食べるイクラ丼だけだと言うのです。そんなことで石狩市民だめじゃないのとかいう話になりまして、それでサケをさばいて出てきたのをまずは子供たちに触ってもらおうと思ってイクラをばらしてもらい、それを乗せて食べたわけですが、その中に、さっきもちょっと話しましたが、ご飯の上に何か物を乗せて食べられない子がいたんです。それはどうしてなのか。親のあれなのか、その子の性格もあるのでしょうけれども。だからもちろん納豆とかそういういろいろなものを乗せない、何も乗せない。それはそれで別々に食べる子で、初めてご飯の上にイクラを乗せて食べた姿を見て親が感動していたんですよね。不思議だな、そういう子もいるんだなという、毎回何やかやの発見があって、やっていてすごく面白いんですよ。

石狩は結構農家さんも多い地域なんですけれども、札幌のベッドタウンとして新興住宅街で一時期、住宅が増えたというのもあるので、昔ながらの石狩住民と、札幌からやってきて石狩市のことをほとんど知らない石狩住民と、大きく分けると2ついるのです。今、そんな中でも家庭菜園を楽しんでいるシニア層が多くて、野菜料理を楽しむお料理会というと結構シニア層も来てくれるんです。男性も「自家栽培している、家庭菜園で作っているものを美味しく食べる講座だから来ました」という方も多いです。そんな中の郷土料理の1つに三升漬けというのがあると思うのですけれども、三升漬けは家庭菜園の定番中の定番じゃないですか。春先の一番最初に出るのも青唐辛子ぐらいだと思うのですけれども、それが増えて困っていた。「三升漬けを漬けたいなと思いながら、いつも出来ていなかった。それで、ぜひ教えてもらいに来ました」という男性の方とか、「いつも漬けているけれども、これでいいのかと微妙に心配だったから教えてもらいに来た」という方と、「まるっきり知らなかったんだけど今、麹ブームだから来た」という方と、本当にいろいろいたんですよ。

それで、実際にやってみると、切り方をお伝えして、もちろんみんなそれぞれ手を動かしてやるのですが、面白かったのは、手がかわると味が変わるとよく言ったものだなと思うのですけれども、もちろんすぐには食べられない三升漬けですが、醤油のしみ込み方から麹の馴れ具合というのですか、同じ量をきっちり計ってやって瓶に入れているのに違うんですよね。いやあ、何か面白いよねという話でひとしきり盛り上がったのですけれども、そんな中、麹が発酵することによって出る、あのまろやかな大人の辛さというのは大人ならではの楽しみですから、簡単に作れるのでぜひやってほしいと思います。「講座でまた絶対作って隣近所に配りたい」と言ってくれて本当にうれしいなと思っていたのですが。

実は私のブログで検索ワードが断トツに多いのがこの三升漬けなんです。何のキーワードで私のブログを見てくれているかというのを調べるところがあって、そこを調べると断トツに三升漬け、ずっと三升漬けなんです。作らない、やらなくなったと言われながらも、そうは言っても作って楽しんでいる人がやっぱりいるんだなということも分かっていて、だから本当に二極化しているのかなと。何もしたくない、しない人と、手作りの良さを楽しんでいる、生活を楽しんでいる人と。これからそれがもっと広がっていっちゃうのかなと残念に思うので、食の楽しさを私なりに伝えて、楽しめる入り口、最初の一歩のチャンスを設けることが出来たらなと思っています。

荒川氏

ありがとうございます。何か共通しているのですけれども、簡単、便利で、例えば骨の付いていない魚の方が食べやすいとかいうところで、骨を抜いてしまうとまたそこに文化の継承というのが難しいよなという感じがしますね。安全ということにあまりにも気を使っているがために学校給食なんかでもそういうことが起きているかと思いますけれども、そのことが結局、箸を使えない子が増えているとかいうことにも波及してしまっていることにもつながっているのかなというふうに思います。

今、3名の方からお話しいただきまして、そういう、若い学生さんにとってはちょっと耳が痛いかなというような話もあったのではないかと思いますので、3名の方からお話を聞いて、ぜひ阿部さんの方で感想みたいなのがあったらお聞きしたいと思います。

阿部氏

先程、畑井先生の方でお写真を見せていただいたじゃないですか。あれも私は本当に初めて見たのがすごいいっぱいあって、味を想像出来るものがすごく少なかったのです。去年の学校の課題でお節を作るという課題があったんですけれども、その時も自分でお節を作ったことがなくて、友達も家ではお節を食べないとか、オードブルを食べるとかそういう人たちばかりで、和食文化とか和食に触れる機会がもう全然なくなっているなと今思いました。友達と遊んでご飯に行く時も和食に行くことはほとんどないですし、和食の調理の仕方とか、そういうのを学ぶ機会も家ではあまりなくて、祖父母の家に年に何回か行く時には必ず和食が出てくるので、その時には食べたりとか、作り方を教えてもらうというのはあるのですけれども、そういうのも年に何回かしかないので、和食に触れる機会はどんどん少なくなっているなというふうには思います。

荒川氏

ありがとうございます。この辺はあれですね、簡単、便利というか、ちょっとそこに行けばコンビニなんかでそういう素材を売っていたりすると、家庭でなかなかそういうものを作ったりというのがなくなったりとかってありますよね。あと、外食産業が発達しているから、決して悪いことではないのだけれどもそっち側が中心になっちゃうと、きっと自分の家でそういうものをしっかり作ることがなくなっちゃったりするんですよね。今、友達と食事に行ったりする時も和食の店にはなかなか行ったりしないという話が出ていたので。せっかく今日は友達が来ているので、ちょっと友達からの話も聞きたいなと思うのですけれども、どうですか。どうぞ。

来場者

今、阿部さんが言ったように、ご飯に行くといってもほとんど洋食とかで、そういう和食料理の店に入ることがなかなか、入りにくいというか、馴染みがあまりなくなってきているのかなとは思いました。

荒川氏

どういうところに行きますか。友達と行く時に何系が多いですか。

来場者

ファーストフードも行きますし、カフェとか。

荒川氏

何か和食の店に入りにくい原因というか、こういう理由とかってありますか。

来場者

値段が。

荒川氏

値段が高そう。

来場者

はい、そうですね。ちょっとイメージがあります。

荒川氏

居酒屋へ行ったらいろいろなメニューがありますよね。その時に和食のメニューはあまり頼まないですか。

来場者

そうですね。

荒川氏

あまり頼まない、そうですか。

もう一人のお友達はどうですか。

来場者

畑井先生のこのプリントというか、和食の行事食のこのプリントを見ても、見たことのない行事ばかりで、全く分からないものばかりで。12カ月あって月に1回は必ずあって、1月とか12月を見ても1カ月に何日間も行事食を食べる日があるので、その行事の日にかなりの品目を作ると思うんですよ。さっきのお写真を見てもすごく多かったので、昔は本当にこの行事食を、その行事の日にしっかり食べていたのかなと思うとすごいなと思いました。

畑井氏

くじら汁ってありましたでしょう。あれね、1個のすごく大きい鍋で作るんです。それで、暮れからお正月7日ぐらいまでそれを食べるのです。だから、今のようにそんなにいろいろなお料理を食べていたわけではなくて、けれどもその中には材料がいっぱい入っているということ。だから毎日それを食べてもいいというか、それにまた何かを加えていきますでしょう。だから、くじら汁は3升じゃなくてもっと大きい鍋、3升よりもっと大きい鍋なんですよ。それこそ私らがその中に入れるくらいの大きい鍋でずっと煮て、だから味もだんだん変わっていくし、美味しくなっていく。それをまた薄めたり、いろいろな方法でまた食べていけるのです。だから貯蔵食品をいっぱい作っていると、それを食べていると。

それから、もう一つショックなことを皆さんに言っていいですか。私は函館の近辺で調査したのです。そして、あるおばあちゃんが、いっぱい作ってくれたこういうのを見て、「あらあ、すごいね。じゃあ、お孫さんたちは、おうちでこういうのを作って食べるんでしょう」と。何かぶすっとしたんですね、おばあちゃんが。「どうしたの」と言ったら、「ばばあの作ったものは汚ねえって食わないんだ」と。「ええっ、それはお孫さんが」「うちの嫁もそうなんだ。私の作ったものを汚いと言う」と。

だから、その感じですね。今伝承で、姑-嫁-子供というその伝承を、何か心を変えるというところからやらないとだめだと。その時も寒気がしました、汚いって。何も汚くないんですよ、作っているの。だから、そういうところで何かみんなで頑張りませんか。ショックなことで、私はまだそのショックが直りません。そういうことでどうですか、私の言ったことに反対のことをやってみませんか。反対に、「そうだよ、頑張ってみるよ。おばあちゃんの作ったので汚くない。おばあちゃん、いっぱい食べさせて」というふうな、そういう心を若い人に持ってほしいのです。

荒川氏

便利になったのと、核家族化が進んでそういうことが難しくなっているかもしれませんよね。

結局、いっぱい作って保存ということも和食というのはかなり気を使っていますよね。それから、傷んだ頃にまたアレンジして違うメニューに展開していくという広がりも和食にはありますよね。その辺が今一切なく、1つ作ったらそれでもう終わりで食べ切って、つながりがないんですよね。だから、その辺ももう一回、ちゃんとしなきゃいけないなということですね。

畑井氏

それから学生らを見ていても、おばあちゃんがいる、おばあちゃんが作ってくれたというのを言う学生はすごく心が広いです。人間的にも割合と出来ている。それでおばあちゃんを非難する人はあまり大きい心でないように見えますけれども、いかがですか。

荒川氏

村田先生、食育でもそういうのありますよね。おばあちゃん方からあるしてというね。

村田氏

ちょうど私たちの年代は、老人ホームに入るかどうしようかと、そういう相談ばかりなんですね。お金を出して上に若い人の住宅で下に住宅を建てたけれども、上と下と食事が別で全然行き来がない、そして会話もない。何のためにそんな住宅を建てたかと。親が建ててやって、感謝の気持ちも本当にないし、特におばあちゃんが作ってくれるのは当然だと思っていると思うのですけれども、自分がその年にならないと分からないんですね。本当につくづく友達の話なんかを聞いていましたら、これからますます老後が厳しくなってくるなと思いますね。いや、やっぱり私は食べることが一番幸せなことだと思いますので、自分たちが食べながらいろいろなことを孫たちにも教えていきたいと思うのです。

私は先程、先生の一番初めの農文協の、日本の地図で北海道に2つの本しか出ていなかった、その1つはアイヌの文化だと。実は去年、帯広市の開拓130年の記念でアイヌ文化の料理のレシピを頼まれまして、アイヌの料理を学んでみました。本当に、これこそ日本食にぴったりだなと思うものがたくさんあるのですよ。例えば、簡単なんですけれども生ザケを買ってきて塩を振って、焼き上がったらトロロ昆布でぐるぐるぐるとただ巻くだけ。そしたら昆布がしっとりとしてきて、味がしみて、それはそれは美味しいです。ただトロロ昆布を上にまぶすだけでいいんですから。それがアイヌの料理ではラトゥシペという、そういう名前なんですよ。

それとか、あと良いなと思ったのは、これも私たちは真似しなきゃならないなと思うのですが、昆布でジャムを作るの。こんなに良いことないの。昆布を油でカラカラに揚げちゃって、それをすり鉢なんかでちょんちょんちょんと潰して、鍋にそれと醤油と砂糖を入れてコトコトコトコト煮て、もう揚がっているから早く熱が通る。そしたら、いい昆布のジャムが出来るんですよ。私はジャガイモにそれを乗せて食べるんですけれども、ジャガイモ団子を子供に教える時に、「ジャガイモが300グラムで、片栗粉(でん粉)が80グラム」と言ったって子供はぴんとこないんですよ。一番いい方法は、「はい、ジャガイモ何ぼでもいいから、まず煮て潰してご覧」と、鍋で潰すんです。「いいかい。こうやって4つに切るんだよ。4つに切った1つをよいしょと持ち上げて、空くでしょう、そこにでん粉入れてまぜてご覧」とやると、ちょうどいい団子になって絶対に子供たちは忘れない。「先生、ジャガイモの団子は簡単に出来るね」って子供たちがそれを気に入っちゃって。だから、何グラム、何グラムなんて細かいことを言わないで、そういうふうにして教えたらいいんですよね。

その時に昆布のジャム、これお勧めです。これも本当にいい料理です。あと、ジャガイモを潰して筋子のね、イクラをまぜるだけ、そういう美味しいジャガイモの食べ方も。去年、何品か乗せて作ったのですけれども、これも私は和の文化として。

そして、私はアイヌの人の文化は偉いと思うのです。「足るを知る」と昔から言われているように、徹底的に食べてしまわない。再生可能な来年のために、それ以上とって食べない。私たちはそれを学んでいかないと。自分さえ良ければいいと何でもとって根こそぎ食べてしまうのは、やっぱり反省しないといけないと思うのです。そういう文化の良いところは受け継いでいきたいなと思うのですね。北海道はこのアイヌの文化があるものですから、それもちょっぴり入れさせてもらえばと思います。

それから先生、昭和10年代のレシピですか、この前作った本に出ているのは。昭和60年だけど、内容はおじいちゃん、おばあちゃんの天国に行った人ばかりなんでしょう。だから、古いんですよね、昭和初期ですもんね。

大正末期か昭和初期なんですけれども、実は今度、昭和30年~40年代のを農文協で作るということで取り組みが始まりました。私はそれの十勝の方を受け持ってやっているのですけれども、30年~40年と考えましたらそう昔のようには、昭和の初めとは全然違って今とあまり変わらないんですよね。そんな感じでこのアイヌの文化を私は大いに使わせてもらっているのです。これは素晴らしいですよ。そういうことを学びたいと思うんです。

それと、もう時間もだんだん迫ってきましたが、カルタが3枚残っているんですよ。これを皆さん方に。「自国の作物を大事にしよう」。日本では食べ物の半分以上を外国から買っています。買えなくなったら困りますね、大事にしないといけないということですね。

それからこれ、「世界の食べ物を分け合って平和」。世界の人口は約65億人。その3分の1の人々が満足に食べられていません。これもやはり子供に教えていかないとならないですね。これ、こうやって地球の上に子供たちがね。

それから最後に私のカルタのまとめ、これが子供たちとても喜ぶのです。「地球は1つ、すべての生き物の乗り物」。温暖化、砂漠化、汚染など、環境破壊が進んでいます。みんなで大切な地球を守る方法を考えてみましょうと子供に考えさせているのですけれども、今、私たちはグローバル化されまして多国籍企業が市場を支配していきます。私たちはその波の影響を受けているのですけれども、現在、特にTPP協定の成立以後は国内の食育がどうなるか心配だと思うのです。北海道は本当に恵まれています。恵まれた北の大地で豊かな食生活、食育を推進していきたいと思うのですけれども、豊かとは何かといったら安心・安全、それから人との係わりを食べる、人の生き方に係わって食べていく。優しさ・思いやりですね、そういうような食育が進めていければなと思っているこの頃です。

畑井氏

済みません。アイヌが出てきたので、ちょっと黙っていられなくなりました。アイヌは静内アイヌの織田ステノさんという方、その方を対象に私は調査して、アイヌのお食事のものに書いたのです。その時のまたショックなことを言いますと、シャモって日本人のことですが、「アイヌがシャモの食べ物を食べるようになったら糖尿病が増えて、ころころ死んじゃった」とおばあちゃんが言った。「何だって、おばあちゃんもう一回」と言ったら、アイヌの食べ物はアイヌが食べてよかったけど、シャモ(日本人)の食べ物は体に合わなかったんです。「それで糖尿病になって、ころころ死んじゃったよ」と言ったのです。びっくりしました。

それからもう一つなんですけれども、さっきサケが出てきましたね。皆さんどうですか、サケでアイヌの人たちが一番大切にしていた部分はどこですか。どこだと思いますか、一番大切で高級な部分。鼻、目玉です、生の目玉。前に織田ステノさんと一緒にサケを料理したことがあるけれども、手でポッと目玉を抜いたんです。そして手の上に上げて、「先生、食べろよ」と言った。私が「いや、それ食べるの」と言ったら、「食べろよ」と言う。そしたら写真家が「食べないと気分悪くする」と、ボッととって食べた。それが一番高級なんだそうです。だからサケが上がった時に、川の淵に大人がみんな行って番をするのだそうです。なぜかというと、子供たちが隠れてきて、目玉を抜いて食べちゃう。生ですよ。それが今の科学というか、それにぴったり当てはまりますよね。ドコサヘキサエン酸とかなんとか、目玉は本当に健康にいい成分が含まれている。それをそのまま、アイヌはどうして分かったのでしょうか。そういうところに、みんな科学的なことを勉強したんじゃないだろうけれども、長年の経験で分かっていた。

皆さん、これからサケの目玉の方を抜いて食べてみますか。私は生は食べられないので、大きいブリでも何でも目玉を買ってくるんです。それからもらったり、それを家で焼いたり煮たりして目玉の部分を食べます。目玉は私、大好きです。生はちょっと。「どういう味がしますか」と写真家に聞いたら、生のタコを食べたような味と。そしたらいいかなと思うけれども、まだ生には手をつけていません。以上です。

荒川氏

アイヌの方々の食材というのを我々は科学的に分析をやっていますけれども、やはり相当根拠があるというか。例えばギョウジャニンニク(アイヌネギ)、あれはアメリカでデザイナーフーズ計画というのを出して、がん予防の一番信頼性のある食材の一番天辺にニンニクがあるのです。ギョウジャニンニクというのはその仲間ですから、そういう面で健康効果はすごいし、あとハスカップ、あれは不老長寿の妙薬と言われて、鉄分が多い、ビタミンCが多いということが今になって分かってきています。あれもすごく活用していますし、あとは1つ最近注目されているのはエゾシカの肉ですか。あれも高たんぱくで低脂肪で、非常に健康にいいと。それとサケなんかも。やはり見習うべきというか、そういう伝統的な食材というのはしっかりと受け継いでいかなきゃいけないなと思います。

フロアの方でどうですか、何かご意見、ご質問などあればお受けしたいと思いますけれども、よろしいですか。

では、そろそろまとめに入りたいと思います。まとまるかどうか分からないのですけれども、最後にお1人ずつ、もう一言ずつ締めの言葉を短い言葉でお願いしたいと思います。畑井先生から。

畑井氏

皆さん、地域のいい点をどんどん生かしていきましょう。そして私たちの体の遺伝子に合うような、腸の長さに合うような、そういう食べ物で頑張っていきたいと思います。皆さんも、私も変なことをしていたら注意してください。よろしくお願いいたします。

村田氏

やはり食べ物は本当の命だと思います。私は畑を作って、畑に行って畑の作物を見て、献立は何にしようかなと畑を見て献立を考えるのがとても幸せなんですね。そして朝、採りに行ったら、昼は、夕食はということで献立を立てるのがとても楽しみなんです。

その原点にあるのは何かといいますと、女子栄養大学の学長の香川綾先生、計量カップ・スプーンを考案したり、それから食べ物の食育もきちっと教えてくれたのです。私は今年、もう間もなく80近いのですけれども、魚1豆1野菜5――魚100、豆100、野菜500、「その割合で食べなさい」と教えられた学長の言葉を守ってきました。目も、新聞もちゃんと見える、1.5なんですね。歯もいい、体も健康なんです。だから私は、香川綾先生にはものすごく感謝しています。

高校時代も、家庭科の教師をやった時も、魚1豆1野菜5を教えました。同窓会に行ったらみんなが「先生、それ守っていたら元気だよ」と。私はそれで気を良くしまして、献立数え歌というのを作ったのです。「一つとや、魚1豆1野菜5の割合献立作りましょう」、それから「四つとや、四季に応じた献立に変化をつけてあげましょう」「五つとや、いつもご飯を炊く時は押し麦、雑穀入れましょう」と、そんなの昔から言っている。それから「八つとや、野菜は単色緑野菜、ビタミン吸収いたしましょう」「九つとや、献立作成する時は栄養、経済両立を」、そして最後に「十とや、父さん初め家中で笑顔で暮らす食生活改善」という献立数え歌を作ったぐらい、今現在の健康と幸せは良き指導者に出会ったことです。だからぜひ皆さん方も、お孫ちゃん、子供さん、お友達に、食べ物は命だということをぜひ伝えていただければと思います。特に和食は素晴らしいということです、和食のバランスはすごいです。以上です。

荒川氏

ありがとうございました。

では続きまして、木村さん、お願いいたします。

木村氏

今日はお二方の先生からも本当にいろいろと、私も新たな発見があって、教えていただくことが多かったです。やっぱり親から教えてもらわなかったら誰かに教えてもらなきゃいけないですよね。それが親であればいいのですけれども、またおばあちゃまであればいいのですけれども、それだけでは間に合いませんので、こういった教えてくれる場というのはまだまだ足りていないのじゃないかなと思っています。今日集まっている皆さんはもちろんですけれども、意識の高い人というのは日々アンテナを張っていますから、そういう情報をちゃんとキャッチするのですよ。だけれども、ちょっと意識のない子育て世代の若いお母さん方とかは、まるっきり何かをキャッチしようという意識がありませんから、そういった何も意識のない人たちをどう取り込んで、どう巻き込んでいくかということもとても大切なのかなと思っています。子供には食育でしっかりと学んでもらって、それを育てる親の世代もしっかりと、両方を育てていかなくちゃいけないのかなと。両方に向けた入り口を、すんなり入っていける入り口をいっぱい作ってほしいなというふうに、今日また改めて感じました。

荒川氏

どうもありがとうございました。

それでは、こういう和食の文化を背負っていっていただくのは若い阿部さんたちなので、その責任をドーッと感じながら語ってほしいと思いますけれども、どうですか。

阿部氏

私は今まで和食についてとかあまり考えたことがなかったのですけれども、今回、話を聞かせていただいて、今まで私は一品料理を作って一品食べるという感じだったのですけれどもそうじゃなくて、さっきも言っていたのですけれども、和食は一品作ったらいろいろな料理を作ることが出来て、そういうのもこれからすごい大切だと思いますし、学ぶ機会がまだまだ少ないのですけれども学ぶ機会をたくさん作っていただいて、自分も学ぶ気持ちをもっと持って、和食文化とか、アイヌの全部を無駄にしないで使うということはすごいことだと思うので、そういうのを守っていけたらいいなと思いました。

荒川氏

期待していいですか。任せてくださいと。

阿部氏

はい。

荒川氏

今日、まさにユネスコの申請の業務を担当しております農林水産省の大臣官房政策課の武元様が会場にお見えでございますので、その辺をひっくるめて、冒頭にもご挨拶があって、内容のご説明もありましたけれども、もう一度ちょっとその辺を、今の現状と展望をお話しいただければと思います。

農林水産省

農林水産省の武元と申します。今日、先生からいろいろお話を伺いまして、私も非常に勉強になりました。

ユネスコの申請の状況をちょっとお話しさせていただきたいのですけれども、申請したのが2010年なんです。フランスがまず無形文化遺産登録されたのがきっかけでして、当然そうなると日本の料理界の方が黙っていられないということで、ぜひ和食を無形文化遺産に登録していこうという動きが始まりまして、それで昨年3月に登録申請いたしました。数日前にニュースで大々的に報道されていたので皆様方もご存じかもしれませんが、補助機関というところから勧告が出て、和食を無形文化遺産の登録のリストに載せていくということが発表されました。これでまだ決定ではなくて、12月2日から7日にアゼルバイジャンという国で政府間委員会という会合が行われまして、そこで最終決定されることになっております。ですから、まだもろ手を挙げて喜ぶという段階ではないのですが、とりあえずは今ほっとしているという段階でございます。

この和食の無形文化遺産登録、何でこれを政府がやっていたかといいますと、何度もお話は出てきましたけれども、保護・継承していくことの大事さを、まず登録することを通じて皆様方にご理解いただきたい。あとは、やはり和食に対しての危機感なんですよね。今、学生さんのお話でも、見たこともないというものがいっぱい出てきていました。そこら辺のどうしたら次の世代につなげていけるのかというところを、こういう無形文化遺産登録の申請を通じて皆様方に、まさにこういうような場とか、他にもいろいろな地域のところでご議論いただければありがたいなと思っています。

あとは、食というのはただ守るだけではなくて、やっぱり食文化というのは生き物ですので、どんどん変わっていくものだと思っております。ですから、今ある食文化、昭和初期の食文化、それがそのままつながっていくというのが必ずしも無形文化遺産登録の趣旨ではなくて、それをどのように発展させるとか、改良させるとか、時代に合った形でつなげていくか、まさにそこが、我々がこれからやっていかなきゃいけないところなんだというふうに思っております。以上でございます。

荒川氏

ありがとうございます。

時間が来ましたのでまとめなければいけないのですけれども、北海道としても何らかのメッセージを発信しなければいけないということで、皆さんのご意見を私なりに整理してみたんですけれども。1つにはやはり世代を超えた交流が欠けてきているので、そういう世代を超えた交流、これを持つようなことをしっかりとしなければ、文化というのはなかなかつながっていかないのじゃないかということで、そういう仕組みをどうやって作っていくかということが大事かなと思いました。もちろん家族で同居すれば済むことですが、今、それをすぐ実現出来るかというとなかなかそういうこともいかないと思います。

それでちょっと事例をお知らせしますと、ある地域では学生さんたちがコミュニティレストランなんていう形で、若い方々がお年寄りのいろいろなお話を聞いたり、逆に自分たちがいろいろ接して情報を伝えたり、作ってあげたりとか作ってもらったりとかいうことで、そういうコミュニティレストランという交流の場を結構作り始めているところがポツポツ出てきています。その場合、行政がしっかりとサポートしていただかないと資金的になかなか続かない。そういう場所を駅前のシャッターがおりてしまったビルとかで、その有効活用。駅を出た時にシャッターがおりていると何か寂しいですよね。そういうところが違う形で使われていると町全体に元気が出てくるというような、そういう取り組みをやっている地域も出てきています。今日、旭川大学の学生さんたちが来ているので、そんなこともぜひやっていただければなというふうに思うと、また顧問の先生が「また負担が増えるわ」という顔をしてこっちを見ましたので、その辺は上手にやってほしいなと思いました。だから、いろいろな形の交流が可能ですよねということで、みんなでやっていきましょうということです。

それから、やはり便利な社会に流されちゃっていますよね。その辺、やっぱり一手間、二手間かけるということが忘れられているので、その辺をもう一回、皆さんで考える必要があるのかなと思います。例えば食の安全・安心とかいって、食中毒の事件なんかあった時もそうだったのですけれども、完全に自分の命を他人に委ねているところがあるのですよ。とにかく業者さんが悪いとか、行政が悪いとか、生産者が悪いとか。そうじゃなくて自分で自分の命を守る方法があるのに、それをやっていますかといった時に、消費者の方々も結構やっていないところがあるのです。その辺の一手間、二手間かけるということをしっかりと、特に食料基地北海道としてはそういうこともやっぱりもう一回見直すことが大切なんじゃないかなと。それが、一手間、二手間かけることが和食文化の継承にもつながっていくのかなというふうに思います。

それからもう一つ、最後なんですけれども、先程アイヌの食文化とか倭人の方の食文化とかいろいろありますが、そういうものが融合した形で、この形というのは独自で、北海道しか出来ないんです。ですから、やはりそこら辺を大事にして尊重して、お互いの良さを重ねて、引き立てて、1つの北海道としての食文化を作っていく、これは北海道にしか出来ないことだと思います。そんな素晴らしい素材がある北海道ですから、そういうものを生かしながら、そういう食文化を融合させて新しい食文化を作っていくことが大事かなと思いました。

北海道としては大体そういうところで皆さんのご意見が集約出来るかなと思うのですけれども、大丈夫ですか。不満があれば。そうですか。

そんなことでフロアからも非常に有意義なご意見いただきましたし、先生方からもいろいろなご意見をいただきまして、貴重な機会になったのではないかと思います。私が責任を持ちましたパネルディスカッションにつきましてはこれにて終わらせていただきたいと思います。どうもご協力ありがとうございました。

司会

ありがとうございました。荒川先生、進行、誠にありがとうございます。そしてパネリストの皆様、旭川大学短期大学部の阿部綾音さん、最後まで熱心な議論を本当にありがとうございました。どうぞ、一層の大きな拍手をお願いいたします。壇上の皆様、本当にありがとうございました。どうぞご降壇をお願いいたします。

今日は和食に関すること、この食の文化の話を皆様とともにしてまいりましたが、毎日の生活に関すること、これがひいては一生のこと、そしてもっと大きく文化に係わることですので、このシンポジウムをきっかけに毎日の生活のこと、和食についてちょっと考えていただきたいなと、そんなふうに感じます。

それでは、以上をもちまして、和食文化“再考”シンポジウム『再発見!「和食」文化の魅力』を終了とさせていただきます。最後までご参加くださいまして、誠にありがとうございます。

なお、本日、受付にてお渡しいたしました参加証、並びにアンケート調査票はこの後、退出される際に受付付近のスタッフまでお渡しくださいますようお願いいたします。参加証並びにアンケート調査票は、ご退出の際に受付付近のスタッフにお渡しください。今後の参考とさせていただきますので、アンケートにはぜひご協力くださいますようお願いいたします。

それでは、以上をもちましてシンポジウムは終了となります。皆様、本日は誠にありがとうございました。

以上

お問い合わせ先

大臣官房政策課食ビジョン推進室
担当者:武元、橋本
代表:03-3502-8111(内線3104)
ダイヤルイン:03-6738-6120
FAX:03-3508-4080

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