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「和食」文化の魅力 再発見イベント “『和食;日本人の伝統的な食文化』の魅力”

「「和食;日本人の伝統的な食文化」の魅力」をテーマに、平成25年8月から全国9ブロックで開催してきた「和食文化“再考”シンポジウム」の集大成として、「和食」のユネスコ無形文化遺産登録申請をきっかけに、私たちが「和食」文化について認識を深め、次の世代に日本全国の「和食」文化を維持継承していくことの大切さについて考えることを目的として、平成25年11月24日、「和食」文化の魅力 再発見イベント“『和食;日本人の伝統的な食文化』の魅力”を開催しました。

第1部 議事概要(PDF:383KB)

第2部 議事概要(PDF:329KB)

第1部 「和食」文化シンポジウム

本シンポジウムでは、「和食のこころ~文化としての和食」をテーマに、平成25年8月から10月にかけて全国9ブロックで開催してきた「和食文化“再考”シンポジウム」の総括を行うとともに、文化としての和食について考えました。

(1)主催等

主催:農林水産省

共催:読売新聞社、NHKインターナショナル

協力:「和食」文化の保護・継承国民会議、NPO法人日本料理アカデミー

(2)開催内容

1.挨拶 

 皆川事務次官挨拶

   挨拶する皆川農林水産事務次官

2.基調講演

    「日本の伝統的食文化としての和食」

熊倉 功夫 氏(静岡文化芸術大学学長、「和食」文化の保護・継承国民会議会長) 

 基調講演

3.パネルディスカッション

「和食のこころ~文化としての和食を考える~」

コーディネーター:熊倉 功夫 氏(静岡文化芸術大学学長、「和食」文化の保護・継承国民会議会長)

パネリスト: 

村田 吉弘 氏(株式会社 菊乃井 代表取締役、NPO法人日本料理アカデミー理事長)

伏木 亨 氏(京都大学大学院 農学研究科 教授、NPO法人日本料理アカデミー理事)

フランソワーズ・モレシャン 氏(ライフスタイル・プロデューサー、元日本ユネスコ協会連盟スペシャルアドバイザー)

羽田 美智子 氏(俳優、和食プレゼンター)

司会:後藤 繁榮 氏(NHK放送研修センター、「きょうの料理」)

 パネルディスカッション

左より、後藤氏、羽田氏、村田氏、モレシャン氏、伏木氏、熊倉氏

第2部 日本全国こども郷土料理サミット

本サミットでは、「和食」文化を次世代へ継承していくことを目的として、それぞれのふるさとや家庭の郷土料理について、小学校高学年の子どもたちが、発表を行うとともに、郷土料理の試食会を開催し、日本全国に伝わる「郷土食文化」への関心と理解を深めました。

(1)主催等

主催:農林水産省

後援:読売新聞社、NHKインターナショナル

協力:「和食」文化の保護・継承国民会議、NPO法人日本料理アカデミー

(2)開催内容

1.全国の子どもたちによる「郷土料理」プレゼンテーション

2.審査結果発表

3.全国9ブロックの郷土料理メニューの試食体験

(3)審査員等

(司会)

後藤 繁榮 氏(NHK放送研修センター、「きょうの料理」)

羽田 美智子 氏(俳優、和食プレゼンター) 

(審査員)

熊倉 功夫 氏(静岡文化芸術大学学長、「和食」文化の保護・継承国民会議会長)

村田 吉弘 氏(株式会社 菊乃井 代表取締役、NPO法人日本料理アカデミー理事長)

向笠 千恵子 氏(フードジャーナリスト、食文化研究家、エッセイスト)

清 絢 氏(郷土料理研究家)

(ゲスト審査員)

グッチ裕三 氏(タレント)

(4)作品集

    【一括版】(PDF:4,798KB)、【分割版】1(PDF:1,722KB),2(PDF:1,973KB),3(PDF:1,690KB)

 

 サミット

 

会場0301 会場0302

 

議事録

【第1部「和食」文化シンポジウム

「和食のこころ~文化としての和食~」】

議事録

「和食」文化の魅力 再発見イベント“『和食;日本人の伝統的な食文化』の魅力”

 ――第1部「和食」文化シンポジウム「和食のこころ~文化としての和食~」――

 日時:平成25年11月24日(日曜日)

会場:東京ドームシティ プリズムホール

時間:10時00分~12時00分

議事次第 

1.主催者挨拶:皆川芳嗣 農林水産事務次官 

2.基調講演:熊倉功夫氏『日本の伝統的食文化としての和食』 

3.パネルディスカッション

『和食のこころ~文化としての和食を考える~』

コーディネーター:

熊倉功夫氏(静岡文化芸術大学学長、「和食」文化の保護・継承国民会議会長)

パネリスト:

村田吉弘氏(株式会社菊乃井代表取締役、NPO法人日本料理アカデミー理事長)

伏木亨 氏(京都大学大学院 農学研究科教授、NPO法人日本料理アカデミー理事)

フランソワーズ・モレシャン 氏(ライフスタイル・プロデューサー、元日本ユネスコ協会連盟スペシャルアドバイザー)

羽田美智子氏(俳優、和食プレゼンター)

司会:後藤繁榮氏(NHK放送研修センター、「きょうの料理」)


1.主催者挨拶

後藤氏

皆さん、こんにちは。ようこそお越しくださいました。「和食」文化の魅力再発見イベント、和食、日本人の伝統的な食文化の魅力、その第1部「和食」文化シンポジウムへご参加くださいまして、誠にありがとうございます。

本日のシンポジウムは、「和食のこころ~文化としての和食」をテーマに今年の8月から全国9ブロックで開催してきました「和食」文化再考シンポジウムの総括を行うとともに、文化としての和食について考えていきたいと思っております。

申しおくれましたが、私は本日の司会役を担当します、NHK「きょうの料理」のアナウンサーの後藤繁榮と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、シンポジウムの開会に当たりまして、農林水産事務次官、皆川芳嗣よりご挨拶を申し上げます。皆川事務次官、どうぞよろしくお願いいたします。

皆川農林水産事務次官

ご紹介いただきました農林水産省の皆川でございます。今日は大変天気がいい中このような形で催しましたところ、大変多数の方にご来場いただきまして、ありがとうございました。心より御礼申し上げます。

和食ということでございますけれども、今日皆様方は朝何を食べてこられたでしょうか。また、どなたと一緒に食べてこられたでしょうか。私は、妻と息子と3人で、シャケの焼いたものと、蒸し野菜にかつおぶしをかけたもの、それから、豆腐の汁、若干チゲ風でございましたので和食という概念に当たるのかどうかというのは後でまたシンポジウムでもお話しなるかと思います。さらには、香の物としてはカブのぬか漬けを食べてまいりました。

ただ、その食事だけではなくて、朝、家族3人、ほんとうはもう2人おるわけですが、3人の家族で一緒に食べながら、今日何があるかということを話して出てきました。今日和食のいろいろなお話を伺っていただくわけでございますけれども、皆様方も多分、今日の朝何を食べたか、さらには最近の食事がどうだったかなということをまた考え直す、いいきっかけになればなと思っております。

後ほど基調講演をいただきます静岡文化芸術大学の学長の熊倉先生、さらにはパネルディスカッションの方には、村田吉弘様、伏木亨様、フランソワーズ・モレシャン様、また、羽田美智子様にご出演をいただくということになってございます。快く参加をお引き受けいただきまして、ありがとうございました。

本イベントは、先ほど司会の後藤さんの方からもありましたけれども、日本の伝統的な食文化をユネスコの無形文化遺産に登録申請したことをきっかけに、この8月から全国で行ってまいりました「和食」再考イベントの集大成となるものでございます。

さて、和食のユネスコ無形文化遺産登録ということでございますけれども、ご存じの方もいらっしゃるかと思いますけれども、先月、事前審査を行いますユネスコの補助機関が、登録すべしといった勧告を行っております。最終的な登録の可否自体は12月の上旬に参加国の間で決定されるということでございます。

さて、ユネスコの遺産登録ということになりますと、さまざまな類型があるわけでございます。例えば有形のもの、形のあるものといたしますと、例えば富士山といったような形の世界文化遺産とか、あとは、日本の中では小笠原諸島とか白神山地というような世界自然遺産がございます。それから一方で形のないものということでは、無形文化遺産というものがございまして、芸能とか伝統工芸技術といったようなものが登録をされてきているということでございます。日本でもこれまで無形文化遺産ということでは、歌舞伎とか能楽といったようなものが登録をされてきております。

今回ユネスコの方に登録申請をいたしました和食といいますのは、別に形としてこの範囲だということではなくて、例えば懐石料理とかお節料理といったような具体的な料理そのものということではなくて、自然を大切にするとか、収穫を喜ぶとかいった、日本人の心に基づく食習慣、いわば和食文化と呼べるもの、それを無形文化遺産として登録申請をさせていただいているということでございます。そういった意味で、日本食の食というだけではなく、それを取り巻くさまざまな我々の精神風土ということも含めてその範囲に入っておりますので、我々が食事をする時に「いただきます」と言うこと、さらには「ごちそうさまでした」といったことをお互いに口にするといったことまで含めて和食文化に含まれるのではないかと思っております。

和食文化を特徴づけるキーワードというものには、自然の尊重ということがあろうかと思います。その自然を大切にする心のもとに、例えば新鮮で多彩な食材と、だしとか調理技術というものでその持ち味を生かす工夫、さらには一汁三菜を基本にしたバランスよく健康的な食生活、また、それを食べる際の器、例えば陶磁器とか木のおわんとかおはしといったようなもの、それによって自然の美しさを表現するといったようなこと、さらには、地域の行事、お祭りといったようなものと、お正月といった伝統、1年の歳時記といったものとの密接なつながりという中で、和食文化が育まれてきたということでございます。

我々、食生活を見ますと、どうしても個食化とか、スナックのようなものを食べて食事のかわりにしてしまうといったような形、そういった中でやはり和食文化の継承にはいろいろな意味で危機的な状況もあるのではないかと思っております。そういった意味で、今回の無形文化遺産の登録申請の取り組みというのは、和食文化の持つ価値、また日本人にとっての大切さということをもう一度見つめ直して、私たち自身がその価値を再認識し、次の世代につなげていく1つのきっかけになるのではないかと期待するところでございます。

また、本日午後、第2部ということで行わせていただく中には、日本全国に伝わる郷土料理、文化への関心と理解を深めていただくというために、和食の未来を担う全国のお子さん方にそれぞれのふるさとの家庭料理とか郷土料理について発表いただく、「日本全国こども郷土料理サミット」を開催することといたしております。

本日のイベントが、参加者の皆様方にとりまして、和食文化についての知識を広げるためだけではなくて、私どもの日ごろの食生活、食習慣というものまで含めて見つめ直して、和食文化について新たに捉え直すよいきっかけとなりますことを心より祈念させていただきまして、冒頭の主催者としてのご挨拶とさせていただきます。本日はご来場ありがとうございました。

後藤氏

農林水産事務次官、皆川芳嗣よりご挨拶を申し上げました。

 

2.基調講演

後藤氏

続きまして、基調講演です。本日は、静岡文化芸術大学学長、「和食」文化の保護・継承国民会議会長でいらっしゃる熊倉功夫さんに、「日本の伝統的食文化としての和食」と題してこれから講演をいただきます。

熊倉さんは、日本文化史、茶道史を専門とされた歴史学者、文学博士でいらっしゃいます。また、日本食文化のユネスコ無形文化遺産登録を目指す際の検討会の会長も務められるなど、日本の伝統的な食文化の保護・継承についての活動を行っていらっしゃいます。

それでは、熊倉さん、どうぞよろしくお願いいたします。

熊倉氏

皆さん、おはようございます。こんなにたくさんお見えいただいて、大変うれしいことでございます。皆さんの和食に対する関心の高さがよくあらわれている今日のシンポジウムかと思います。

実は私がお話ししようと思っていることはみんな皆川事務次官がお話ししてくださいまして、私が申し上げるようなことはだんだんなくなってまいりました。ですから、私は裏話をちょっとさせていただこうと思っております。

「和食」を世界の無形文化遺産にしよう、ユネスコに登録申請をしようということになりましたのはかなり歴史的に古いことでございます。一番早くに言われたのは誰であったかよく分からないんですけれども、少なくとも京都府が、日本料理アカデミーという、今日もお見えですけれども、村田さんたちとご一緒に、ひとつこれを無形文化遺産にしてはどうかという提案を出してこられたのもございました。

私が関係しているところでは、もう四、五年前だと思うんですけれども、小泉内閣の時に、日本のブランド化、日本のいいものをブランド化して世界に発信しようよという時に、アニメとファッションと食文化が取り上げられまして、じゃあ、食文化って何だというのでコンテンツ委員会みたいなものを作りまして、議論したことがございました。

私はその時のメンバーに入ったものですから、いろいろ議論が。でも、その時は、海外に日本の文化を発信していく、日本はクールだよ、格好いいよと、こういうことを発信するための内容づくりでありまして、一番元気のよかったのはアニメだったんです。ですから、アニメは今にも何かすごいことになりそうだと思って、次の麻生内閣の時に、アニメ博物館を作ると。いいなと思っていたら、潰れてしまいました。あれ、気の毒なことでしたね。

さすが和食、食文化についてはそこまでは行きませんでしたけれども、当時、海外にある日本の食文化は大体2万5,000ぐらいだろうと。これを倍増しようじゃないかというような計画とか、日本の農産物の輸出を倍増しようじゃないかと、そういう数値目標を設けて、これから5年間で何をするかと、こういうような議論をした覚えがございます。これはどちらかというと日本の食文化を海外に普及させようという運動だったんですが、それも1つの要素だったと思います。

実は2010年になりまして、ユネスコの無形文化遺産に、思いがけずといいますか、その前からそういう動きはあったんですが、食文化が登録された。これはちょっと画期的なんです。皆さん、食文化というのは文化だと思っておられるでしょう。ところが、日本の文化財保護の政策の中では、食というのは文化として認められていないんです。

衣食住といいます。衣もちゃんと文化なんです。ですから、染め物のすばらしい技術を持っている人、あるいは沖縄の芭蕉布(ばしょうふ)という珍しい織物がありますよね。あの芭蕉布を作っている平良敏子さんなんかはちゃんと人間国宝なんです。建築家もそうでありまして、建築家に至っては、文化勲章をもらったり、いろいろなそれなりの栄誉ある処遇を受けている。

ところが、食に関してはそういうものがないんです。つまり、それは食というものが文化としてちゃんと文化財保護法の対象になっていないということです。これはやっぱりおかしいんじゃないかと。食に携わるすばらしい人たちがたくさんいるのに、また、その人たちによってこそ日本の伝統的な食が守られている部分があるのにそれを無視していいのかと、こういうようなことを我々常々思っておりました。

そういうこともあって、やっぱり日本の食文化をちゃんと文化として認めようということを。実はユネスコが先に無形文化遺産として食を認めた、これは行けるじゃないかというのが我々その時の思いでございます。そして、2010年7月に、ユネスコの無形文化遺産に和食――当時は和食と言っていませんでした。日本の食文化、日本料理をひとつ提案しようじゃないかと、こういうふうな流れで第1回の会合が開かれたわけでございます。

その時に、今、無形文化遺産に登録されている一覧表を出していただけるといいんですが、この通り、フランスの美食術、それから、メキシコの伝統料理、それから、地中海の料理、それから、トルコのケシケキ、上の3つが2010年でございました。トルコのケシケキが2011年だったと思います。そして、今、我々の和食が申請中と、こういうことであります。

この中のフランスの美食術というのは、ここに書いてありませんけれども、フランス人全体がこれを担うんだと。つまり、何が無形文化財かといった時に、担い手がちゃんと指定されないといけないんです。ですから、能楽が指定された時には、能楽協会がその担い手なんです。あるいは、とても珍しいものがいろいろ認定されているんです。奈良県の大和台地の上に、題目立(だいもくだて)という、小さな村でやっている芸能、これも無形文化財です。そうすると、その村の百数十人の村人たちがその担い手ですというふうに担い手を指定しなければいけない。

フランスの場合は、その担い手はフランス人全体なんです。フランス国民がその担い手である。ところが、メキシコとか地中海とかトルコとかいうと、これは非常に小さなコミュニティです。別に地中海料理といったから、イタリア料理もスペイン料理もモロッコ料理もギリシャ料理も全部世界の無形文化遺産になったかというと、そんなことはありません。それはそうではなくて、スペインのある小さな町、5万人だったか6万人だったか忘れましたがそのぐらい町、ギリシャも小さな町、モロッコも小さな町、それぞれの小さな町で行われている、オリーブオイルを中心にした魚介の料理なんです。ですから、ここではイベリコ豚を使う料理は入っていないんです。パスタも入っていないんです。そういうふうに非常に特殊な料理を保護条約に記載していくという。

つまり、2つのタイプがあったということです。1つは、国全体で支えている料理か、もう1つは、その国の非常に特殊な地域で特殊な料理として大事に守られている料理か、この2つのタイプがあるということが分かったわけです。ですから、日本でいえば、近江にフナずしってありますね。臭くて臭くて、皆さん、あんまり召し上がらんと思うんです。ある東京の人がフナずしを買って、これでお弁当を食べようと思って電車に乗った途端にあけてみた。「あっ、腐っている」というのでそのまま捨ててしまったという。これはすばらしい食文化なんです。すばらしい食文化なんですが、ある意味では地域的な特殊な文化です。こういうものを登録すれば、逆に言うと案外通るんです。通りやすいんです。

だけども、最初の検討委員会の時に、山口委員という方が提案されました。それもいいけれども、やっぱり日本人全体が、ああ、よかった、登録されてよかったというふうに思える、そういう提案にしようじゃないか。提案が通るということは大事だけども、通すための手練手管じゃなく、やっぱり王道を行って、全体国民が、ああ、よかったと思うような提案にしようじゃないかと、こういう意見が出されまして、これが大勢を占めたわけです。じゃ、日本はフランス型で行こう、国民全体が、日本人全体がその担い手であると、こういうふうな食文化の形で行こうと、こういうことになりました。

そして、それから全部で4回検討会をやったんです。4回やっていくうちに、いろいろな情報が入ってきました。そのうち、一緒に出ている韓国の宮廷料理が途中でどうもポシャったらしいという情報が入ってくるわけです。だんだん分析していきますと、ユネスコの考え方というのは、商業主義的なことは一切いかんと。ですから、今、富士山が文化遺産になった。富士山にみんなかこつけて、おせんべいを作ったり、料理を作ったり、観光事業をやったり、そういうことを目的にしてはいけない。結果としてなるのはいいんです。そこら辺が難しい。ですから、ちょっと衣の下によろいを隠すようなところがあるんですが、つまり、表にそういう商業主義的なことを目的としてはいけないということがだんだん分かってきました。

それから、韓国の例を考えてみると、やっぱり非常に限られた人が食べられる高級料理ではなくて、むしろ一般庶民の中に伝えられている非常に伝統的な大事な社会慣習、その地域の人々に根づいた料理でなければいけないと、こういうことも見えてまいりました。そんなことで、我々は和食という提案にしたわけです。中黒を打ちまして、「日本人の伝統的な食文化」というふうなタイトルでこれを申請したということでございます。

申請してみましたら途端に、和食とは何だという、こういうご意見が百出してまいりました。日本料理と和食はどこが違うのか。そう言われるとちょっと困るんです。でも、「今日はうちは日本料理にしましょう」なんてあんまり言いませんね。「今日はご飯と焼き魚で行こう」と、そういうふうなことでしょうけれども、それをもう少し庶民的な感覚でいうと、和食がいいんじゃないかと。

定食屋さんへ行っても、和食定食というのはある。「今日は和食だ」というふうなことでいうと、和食の方がちょっと幅が広い。日本料理というと料理屋さんというイメージが来るけれども、和食だったら、家庭の食事というそういうイメージが非常にはっきりするんじゃないかと、こんなことで和食というものをメーンにした。でも、和食という言葉をローマ字でWASHOKUと書いても、外国の人は何のことか分からんわけです。ですから、そこへ英文で「日本人の伝統的食文化」と、こういうふうな副題をつけて提案したわけでございます。

でも、和食とは何か分からんのですね。皆さんも和食とは何かと言われて明快に答えられる人はおりません。我々はどうかというと、これまた後のシンポジウムがちょっと心配なんですけれども、みんな違うんです。「いや、おまえが言っている和食は違う」というようなことになりかねない。ただ、大事なことは、さっきお話にもありましたけれども、まずご飯なんです。ご飯と食べるということが和食の非常に大事なポイントです。

しかし、ご飯だけでは食べられません。日本人はどうしていたかというと、汁というものを非常に大事にしたんです。汁というのは、ご飯を食べる、のどを滑らかにするための液体だということだけじゃないんです。今のみそ汁は比較的淡泊になっていますけれども、昔の汁を見ると結構具がたくさん入っています。例えばみそ汁の具の最高のものは何かというと、鶴なんです。鶴ですよ。僕は鶴が食べたいとずっと20年ぐらい言っているんですが、まだ食べさせてもらえないんです。天然記念物ですから、あれは食べられないんです。そういうものが戦国時代の最高の汁の実でございます。ということは、汁というのは、今少し変わってきていますが、地方に行きますとかなり具だくさんの汁がございますよね。けんちん汁とかせんべい汁とか、ああいうふうな比較的お菜的な要素も含んだ汁があったんだろうと思いますが、いずれにしてもみそ汁。

それから、おかず。お菜です。お菜がある。

それから、もう1つ大事なことは、今日も朝から感動させられたわけですが、次官のうちではカブのぬか漬け。これ、すごいですね。ぬか漬け。ぬか床を作るというのは昔は当たり前だったわけですが、今、ほんとうに少なくなった。そういうふうなほんとうに発酵させた漬物、こういうもので出来ている。

もう一度申しますが、ご飯とみそ汁とお菜と香の物、これを備えているということが和食の基本的な形です。ですから、ご飯を美味しく食べるということが和食の一番大事なことなんです。美味しく食べるためにはどうしたらいいかということで、そういう構成が出来た。お菜の数は幾つあってもいいです。3つであってもいい。3つだと一汁三菜といいます。2つでもいい。1つでもいい。多くてもいいんです。5つ、6つでもいいんです。その辺は自由自在でございます。

そのおかずは何にするかということについては、皆さん議論があると思うんです。洋食的なおかずが入ってきて構わないと思うんです。それは構わないと思うんです。むしろご飯とみそ汁と漬物がしっかりそこに出来ていれば、それでよろしかろう。だから、この時にえてして議論というのは、じゃ、カレーライスは入りますか、豚カツ定食は入りますか、焼き肉定食はどうですか、ラーメン定食はどうですかと、こういう話になってくるんです。そういうのはやめましょうと。それをやっていると切りがない。みんな思い思いに違うわけです。ですから、私どもが言っていることは、料理そのものも大事だけれども、料理そのものだけを今考えているんじゃなくて、料理を含んだ日本の食文化の文化的な要素を大事に今これから考えていこうと、こういうことでございます。

そうしますと、食べ方というのが非常に大事なんです。先日もある会がございました。そうしたら、京都大学の学生でございましたけれども、韓国の学生が質問してきました。韓国だって、ご飯とはしで食べています。中国だってご飯とはしで食べています。日本の、ご飯とはしで食べているというのはどこが違うんですかと、こういう質問が来ました。これは農水省の方が上手にかわしてくださいました。「いやいや、うちはよそと違うということで出しているんじゃない。うちはこうだということで出しているので、それはどうぞご自由に」と、こういうふうに逃げたんです。

だけど、私は違うと思います。やっぱり違うんです。例えば皆さんがちらしずしを食べる。ちらしずしを食べる時に、特に生ちらしというのが最近ありますよね。生ちらしを食べる。その時に、例えばそこにワサビをのせて、お醤油をかけて、そして、ご飯から魚を全部ひっくり返してぐしゃぐしゃにまぜて食べるという方はまずいないですよね。まずいません。しかし、ビビンバというものを考えてみてください。これは丁寧に味をまぜて、均等な味にして食べるわけです。

つまり、日本人はそれぞれの素材そのものの味わいというものを非常に大事にしているわけです。それを口の中に入れて、口の中に入れる時に、例えば醤油が少ない方が僕は好きだという人は醤油をちょっとする。ワサビがたくさん好きだという人はワサビをたくさんのせる。それぞれ自分の味わいに合わせて口の中で調味して、しかもそこへご飯を一緒に食べるんです。比較的淡泊な味わいのご飯と、それから、比較的濃厚な味のお菜と、それがそれぞれ自分の好みで口の中で上手に調味されて食べている。こういう食べ方はよその国にないんです。こういうふうな和食というものは、決して料理そのものだけではなく、それをもちろん含んだ上で、それをどう食べるかという食べ方、ここに非常に大切な要素があります。

そうすると、食べる時に我々は、「いただきます」「ごちそうさま」、こういうご挨拶をします。これもそんな古くからやっていることではないんですが、家族が一堂に集って食事をするということ自体が近代の非常に大きな現象なんです。むしろ近代になりまして、みんな家族が小さくなりました。昔は、使用人がいたり、いろいろな人が一緒にいて大家族ですから、親戚もいた。いろいろな人が一緒に食べているわけですから、順次、自分たちで手のすいた時に食べて、また仕事に戻っていかなければいかんというような環境だったんです。

ただ、明治以後になりますと、家族というものが小さくなった。そして、それぞれ家族を大事にするような思想が出てくる。そうすると、ちゃぶ台です。ちゃぶ台を囲んで、そこで一斉に食べ始める。「いただきます」「ごちそうさま」。でも、その「いただきます」「ごちそうさま」の中に、ご飯を大事にする、食べ物を大事にするという気持ちがちゃんと入っていたわけです。食べ物に対する敬虔な気持ち。ご飯粒を無駄にしたら、大変怒られました。ご飯粒を残すと目が潰れると言われたんです。そのぐらいご飯粒1粒でも大事にするというふうなことがちゃぶ台の中で教えられて、そして、我々の生活態度になってきた。

そこで何があったのかというと、結局、和食というものは、自然の恵みに対する感謝の気持ち、自然の恵みを大切にする気持ち、これが和食の非常に大事な1つの要素でございます。日本はこの当時、周囲を黒潮と親潮のぶつかるすばらしい漁場に恵まれている。モンスーン気候で年間1,800ミリぐらいの雨が降っている。このごろちょっとおかしいですね。二、三日で800ミリ降ってしまったりするわけでちょっと異常気候ですけれども、非常に豊かな雨量。そして、山が75%ぐらいあるわけです。そこからは清冽なる水がいつも里に流れて出ている。そこには川魚がいる。

そういう川魚を食べる食文化、それから、海を泳いでいる魚を食べる食文化、そして、里には野菜が出来、そして、お米が出来る。山には山菜が出来る。こういったものが我々の和食の環境です。そういう周囲にある、その時々に出来たものを我々が身に取り込んで、生活に取り込んで、それを食べるということが和食の非常に大事な要素なんです。自然の尊重、そして、その自然の中から生まれてくる旬の素材を食べる。こういうことが和食であれば当然だった。

ところが、今、どうですか。今、日本の食料事情は、自給率がどんどん下がっています。カロリーベースでもう40%を割っている。ということは、我々が身の回りのものを食べなくなってきているんです。これこそ和食の危機なんです。我々は和食というものを大事にするのは、まずご飯を食べます。それから、皆さんのおうち、我々のうちではなかなか裏の畑の野菜というわけにはいきませんけれども、それでも近くの周辺の郊外の野菜が皆さんの手元にすぐ届くでしょう。近海の魚を食べる。そういうようなことを我々が大事にしていかないと、和食というものは続けられない。つまり、和食というのは、我々の身の周りに生まれてくる新鮮な素材を使う。その旬の味わいを使う。

そうしますと、味わいというのは、食べ物そのものに全部十分含まれているわけです。野菜1つとってみてください。大根1つとってみてください。大根、あれは94%が水ですよね。でも、にもかかわらず、あの大根のうまみというものはすごいものがありますね。そういうふうな大根のうまみを上手に我々が引き出すにはどうしたらいいか。そこにうまみ文化というものがあったわけです。

うまみということを日本人が意識するようになったのは、私、800年ぐらい前だと思うんです。かつおぶしだとかいろいろなうまみ調味料といいますか、そういううまみを引き出すための昆布だとかかつおぶしが出てくるというのは大体五、六百年前でしょう。それがさらに発達して、日本の料理というものはまず何が基本かというとうまみだというふうに料理書に書かれたのは今から300年前です。

日本人はずっとうまみということを追求してきたんです。ですから、海外の人たちはうまみということに気づかなかった。気づかないうまみを日本人は何百年という間追求してきたんです。そのことが、池田菊苗博士が明治時代に昆布からグルタミン酸ソーダというものを分析して、うまみというものが科学的にどういうものかということを初めて発見した。これはノーベル賞物です。そういうふうなことはなぜ出来たのかというと、日本人がうまみというものにずっとこだわってきた。それを追求してきたということです。

このうまみが今、非常に機能的な役割を研究されているわけです。これはまた後のパネルディスカッションでいろいろお話が出ると思うのでこれ以上申しませんけれども、今やうまみというものをキャッチする味らいも発見されている。第5の味だと。甘い、辛い、酸っぱい、しょっぱい、それに対して、第5の味という、うまみというものが今、世界的に認められてきている。これは日本の食文化が世界的に認められてきたというよき証左でおります。

こういう和食というすばらしい食文化が今、危機に面している。これは皆さん感じてられると。今日また先ほどの皆川さんのお話で私は非常に内心じくじたるものがありまして、ここへ上がってくるのもつらいなと思って出てきた。私は今朝何を食べたか。パンとコーヒーでございまして、申しわけありません。たまたま今日は東京でひとりで食べたものですから、寝坊もして、言いわけはしません。言いわけはしませんが、なかなか朝からというのは難しいかもしれない。でも、1日1回はご飯とみそ汁の和食を食べましょう。出来れば2回食べましょう。そういうふうに我々が和食に対して誇りを持って、和食文化というものは、すばらしい、世界に冠たる文化だと。栄養的にもすばらしいんです。これも後でお話が出ると思います。栄養的にも日本型食生活がすばらしい。こういう思いを持って、これを次の世代につないでいかなければいけないだろうと。

では、どうやったら次の世代につないでいけるのだと、これが大問題でございます。後でまたそういう議論が出てくると思います。ただ、ユネスコの保護条約の代表一覧に記載されたということは、我々が義務を負ったということなんです。どういう義務か。それはユネスコがこれを保護しなさい、保護することがいいことだと言った以上、我々はそれを保護する義務が出てきたということです。

これはそもそも提案する前に、日本の政府あるいは地方自治体は和食というものをどういうふうに保護しているのか。実態ないところでそれをやってもだめなんです。実態があるということを説明しました。それは食育基本法の中に伝統的な食というのは大切なんだということが書いてあります。たった1行です。そこがちょっと弱い。ですから、これからはもっとちゃんと書かなければいけない。でも、国も大事にしている。

地方自治体でいいますと、京都府がこのたび京料理を無形文化遺産に指定しました。京都市は今度は、市民をつなぐ無形文化として京の食文化を指定しました。こういう動きが出てくると、石川県は金沢料理を、沖縄は沖縄料理をというふうに、いろいろな地域で伝統的な地方の文化、さらには郷土料理を守るべく運動が生まれてきてほしい。むしろこれは義務である、我々の課せられた義務であるということを考えていく必要があろうかと思います。

そこで、我々は和食会議というものを立ち上げました。「和食」文化の保護・継承をするための国民会議を立ち上げました。これはまだまだ産声を上げただけで、なかなかこれからどういうふうにそれを育てていくかが難しい。これは皆さんのご協力で育てていくほかないんでありますが、もしそういうものが出来てくれば、そこにこれからの和食を。今回はこれ、きっかけです。この間のオリンピックではありませんが、これがゴールじゃないんです。これがきっかけです。ここからどういうふうに和食というものを広げていくか、こういうことです。

和食というものは、もう1つ文化として大事なことは、地域、家族のきずなだということです。この間、滝川クリステルさんがこういうのをやりました。あれでおもてなしが今、ブームでございます。私のところにも取材が来まして、「あなたはおもてなし文化の専門家だそうだ」と。そんなこと誰が言ったんですか。私はそんなことやったことない。でも、聞かれました。

私がその時言ったのはちょっと違うんです。おもてなしというのは一方的なサービスではありません。歓待する、ごちそうするという一方的なサービスじゃないんです。私の研究しているお茶の湯、茶の湯というところでは、むしろ亭主がお客様をおもてなしすると同時に、客も亭主をおもてなしするんです。お互いに刺激をし合って、お互いが高まっていく、高められていくということがおもてなしです。

つまり、ご飯をおうちの方が作ってくれた。子供がそれを食べる。「美味しい。これ、どんなふうにしたの」と言うことが、今度、作った人を非常にうれしくさせるわけです。両方がうれしくなる。おもてなしというのは、家族というものが、例えばお手伝いするだけでも1つの大事な協力なんですが、そういうものを通してコミュニケーションを作るということです。食べることがコミュニケーションとして非常に大事だと、これは言うまでもありません。同じ釜の飯を食ったという言葉がありますけれども、食べるということによって仲間意識が生まれるわけです。

そして、地域もそうです。今はなかなかそういうことはなくなってきましたけれども、昔は隣近所が集まって餅つきをした。餅つきをして、そこで餅をついて、つきたてのお持ちをみんなで食べる。あるいは、のし餅にする。鏡餅を作る。それをみんなで配る。ここに地域、家族あるいは親戚の結びつきが生まれた。つまり、それは和食が持っている社会慣習でございます。そういう社会慣習が和食によって支えられている。今、それが危機なんです。それが危なくなっている。ですから、和食というものをきっかけに、もう一度我々は自分たちの生まれ育ってきた環境を作り直していくというきっかけにこれがなればさらにすばらしいことになると思う。

そして、和食はまだまだ十分研究が尽くされておりません。ですから、和食をこれから次の世代につなげていくためには、和食の専門家も作らなければいけない。今、京都では、高等教育機関、大学の中に、和食文化コースを作ることで今、かなり話が進んでおります。ぜひ皆さんも興味があったら、京都へ留学されてそのコースにお入りいただけるといいと思うんです。

あるいは、日本料理アカデミーの方々の子供たちに対する和食の体験イベント、こういうものを通して、ほんとに小さい世代に和食の美味しさを伝えていく運動も今、進んでおります。いろいろな形で和食というものをどうやったら次の世代につないでいけるか、ここら辺が今、知恵の出しどころでありますし、そのためのいいきっかけにこの提案がやがて総会で確定することを私は期待しているところでございます。

基調講演ということでこういうお話をさせていただきました。どうも失礼いたしました。

後藤氏

熊倉さん、ありがとうございました。熊倉さんには、この後のパネルディスカッションでも和食文化の魅力についてご発言をいただきたいと思っております。ありがとうございました。

それでは、パネルディスカッションの始まるまで、しばらくお待ちください。

 

3.パネルディスカッション

ナレーション

お待たせいたしました。これよりは、パネルディスカッションとして、「和食のこころ~文化としての和食を考える」をテーマにディスカッションを行っていただきます。

ここで改めましてご案内申し上げます。メディア及び関係者以外のカメラ、携帯電話での撮影、収録はお断りいたします。皆様のご協力をお願いいたします。

それでは、コーディネーター及びパネリストの皆様をご紹介いたします。

まずは、パネリストの皆様です。

本日、和食プレゼンターとしてお越しくださいました、映画、ドラマ、CMを中心にご活躍されていらっしゃいます、俳優、羽田美智子様。

株式会社菊乃井代表取締役、NPO法人日本料理アカデミー理事長、村田吉弘様。

ライフスタイル・プロデューサー、元日本ユネスコ協会連盟スペシャルアドバイザー、フランソワーズ・モレシャン様。

京都大学大学院農学研究科教授、NPO法人日本料理アカデミー理事、伏木亨様。

そして、コーディネーターを務めていただきます、静岡文化芸術大学学長、「和食」文化の保護・継承国民会議会長、熊倉功夫様です。

さて、本日のパネルディスカッションは、12月上旬に読売新聞朝刊にて記事掲載されるほか、来年1月にNHKEテレ番組にて放送される予定です。

パネルディスカッションの司会進行は後藤繁榮さんにお願いいたします。

後藤氏

それでは、皆さん、まずはオープニングVTRをごらんください。

(VTR上映)

後藤氏

グローバル化する現代、そういう中でも日本人の仲をつなぐ和食。私たちの暮らしの中には和食文化が根づいています。それは私たちに旬の味覚を届け、季節の移り変わりを知らせ、また、正月料理など年中行事に欠かせないものです。

2012年3月、政府は「和食・日本人の伝統的な食文化」と題して、ユネスコ無形文化遺産に登録申請しました。申請では、和食を料理そのものではなく、自然をとうとぶという日本の気質に基づいた食に関するならわしと位置づけています。特徴は、多様で新鮮な食材、バランスがよく健康的、自然の美しさの表現、年中行事とのかかわりとなっています。

グローバル化によって食も多様化する中、和食や和食文化についてどのように捉えているのか皆さんに聞いてみました。

街頭インタビュー

和食ですか。和食、ちょっと高いですね。

敷居が高いようなイメージがあります。

子供のころから何十年も、僕は田舎育ちですけど、田舎出身ですけど、やっぱり和食ですよね。

今も食べてきたけど、すしだとかさ、てんぷらとかさ、うなぎとか、そういうものになるね。

和食という言葉がどこまでのものなのかというのが、和食って何なん、と聞かれた時にちゃんと答えられるかといったらちょっと難しいなというのも。

日本で生まれて日本で育っていったものだったら、和食ではないでしょうか。

でも、実際文化遺産になるのは、やっぱりすごい立派な職人さんが作った、手の込んだ和食がなるんですかね。

何か職人さんとか技術みたいなのが登録されるのかなって。

何となく、子供にそういう行事があるんだよとか、そういうのも伝えていきたいので。

いや、でも、やっぱりお正月にお節みたいなのが形上でもあった方がやっぱり落ちつきますよね。全くそれ、お正月から、元旦からハンバーグ食いたいというよりは、そういうものがやっぱりあった方が季節感としては、何だろう、文化としてですかね。登録されることによって付加価値が出て、活性化とかになる分には非常にいいことだと思うし。

後藤氏

無形文化遺産への登録申請を契機に、和食文化の魅力や次世代への継承などをテーマに、北海道から沖縄まで全国9カ所で「和食」文化再考シンポジウムのキャラバンが行われました。そして、全国の有識者や若い世代からの意見や課題などが取り上げられました。

地方シンポジウム

これから孫たちに伝えていく食というのをもっと考えないといけないような。

今の若い世代というのは、家でおみそ汁とかを食べないし、ご飯も食べないし。

こういう和食というのを先頭にして、日本の食品業界を元気にしていただければなと思います。

(VTR終了)

後藤氏

さて、オープニングVTRで紹介されましたが、和食のユネスコ無形文化遺産登録申請をきっかけに、この8月から全国9カ所で和食文化シンポジウムキャラバンが行われました。全国の有識者や若い世代からの意見あるいは課題などが挙げられました。今日はその集大成としてのシンポジウムでございます。

その各会場で出された、オープニングVTRの最後の方でも提起をされていた質問あるいは疑問、なぜ和食を守るのか、あるいは和食の継承は難しいんじゃないですかという声も多かったんですね。まず、なぜ和食文化を守るべきなのか、パネリストの皆さんにご挨拶がわりに一言ずつ伺っていきたいと思います。

熊倉さん、いかがでしょうか。

熊倉氏

守らなければいけないといったって、これ、好きな物しか食べませんから、無理やり食べろと言っても無理な話で、やっぱり美味しさというものをどうやって体験してもらえるか、体験させるかという、そういうことが広がっていかざるを得ない。ユネスコで登録されたということは、決して日本の食文化が世界のどこの食文化よりすばらしいという意味ではないんです。これ、誤解してはいけないんですが、無形文化遺産の場合には、すぐれているかすぐれてないかではなくて、その地域に特異な、人類の文化として将来大切にしなきゃいけない多様な文化の1つであるという、そこが大事ですので、日本人がやっぱり和食に対する誇りを持って、日本人自身がこれはすばらしいという思いが生まれてくるということが大事じゃないかという気がします。

後藤氏

伏木さん、いかがでしょうか。

伏木氏

先程のインタビューでは、皆さん、大変素直なご意見がいっぱい出ていて、確かに、なぜと言い出すと分からないことがいっぱいあると思うんです。私も、なぜ伝統が、というふうにいつも考えているんですが、1つは、自分の子供たちあるいは孫が自分と全然違うものが好きだとか食べているとか、それ、すごく寂しいですよね。1番目、寂しいってあると思うんです。

もう1つは、ずっと長くこれまで脈々と続いてきた伝統の流れというのに自分もそれに参加しているというのは大変心地よい。先ほどのインタビューを受けている人にもそういう話がありました。

もう1つは、これまでいろいろな人たちが、先人が残してきた文化というのはいろいろな知恵が詰まっていると思うんです。これを自分の世代でバサッと切ってしまっていいのかという、そういう恐れがあります。その3つが自分にとっての、文化を守る1つのモチベーションかなと思っています。

後藤氏

モレシャンさんはどんなふうにお考えになりますか。

モレシャン氏

まずフランス人として、ご存じのようにフランス人は自分のアイデンティティーを結構守りたい人達ですね。というか、生かしたいと思っていますね。フランス人は頑固者で、文句屋さんです。ですから、逆に質問として、和食を守らないといけないという質問は、私にはおかしく聞こえます。ここは日本でしょう。みんな住んでいらっしゃる方は日本人でしょう。だから、日本人として日本の和食をいただくのは当たり前じゃないですか。

1つだけ。私はもう日本に住んでいるのは50年目でございます。結構経験も多いです。日本の皆様は日本を愛していますけれども、たまにちょっと残念なのが、日本の皆さんは外国の影響に弱過ぎることです。もうちょっとご自分のアイデンティティーのために、自信というより愛情を持ってほしい。プライドを持ってほしい。フランス人としてまずそれを申し上げたかった。頑張りましょう。

後藤氏

質問が変でした。和食はアイデンティティーだということですね。

村田さん、いかがですか。

村田氏

今、もう5万5,000軒ですか、世界中に和食の店がというぐらい世界で評価を受けている。せやけども、日本人はどうかというと、朝食はコーヒーとパン。いや、先生に嫌み言うてるわけと違う。

モレシャン氏

今朝だけ、今朝だけ。

村田氏

今朝だけ。

モレシャン氏

普通はご飯でございます。

村田氏

それから、井の中の蛙大海を知らずと言いますけれども、日本の料理の構成の仕方、それから、調理の方法、世界と日本というぐらいすごく変わっているんです。それを自分らで、これはおばあちゃんらが作ってきたもんやからくだらん料理や、こういう料理はもう古いんや、田舎の料理やからろくなもんないんですわというふうに思うこと自体がもうおかしい。ナンセンスですよね。

それが外国の人ら、世界中で評価されて、世界中で美味しいとされているものが、日本人が無理してほかの、それから、ハンバーグ食べたら、野菜サラダ食べて、スープ飲まなあかんのちゃうかなと思っている。ハンバーグは食べるなと言うてるわけと違うんですけども、ハンバーグを食べていいんですけれども、お浸しとみそ汁にしてほしいというように、ちょっと心がけるだけで和食になるんちゃうかというふうには思うてますね。

それから、それらを継承していくこと、それらのええところを見つけ出す、それから、自分らがずっと子供のころから食べてきたものがそんな悪いもんやないというふうにもう一遍見直すということがこれを機に必要やないかなと思います。

後藤氏

羽田さん、いかがですか。

羽田氏

私は去年の9月にフランスの食事が文化遺産に登録されたということの取材のためにフランスに「地球イチバン」という番組で行った時なんですが、フランス人のシェフの冷蔵庫の中を見せていただきましたら、日本の食材がすごく多かった。特に調味料が。ユズこしょう最高とか、ほんとに私たちと同じような調味料が冷蔵庫に入っていて、今、ほんとに和食に使われていた調味料が見直されているというか、向こうではすごく新しく注目を浴びていて、お豆腐屋さんが出来ていたり、日本の食事はとてもヘルシーだということで人気があるということを聞いて、自分の祖国にちょっと誇りを持ったんです。

その時に同行したフランス料理のシェフの方がおっしゃった言葉にちょっとびっくりしたんですが、日本に国賓がいらっしゃった時に迎賓館でお出しする食事はフランス料理だと。「えっ、そうだったんですか。なぜ和食じゃないんですか」と聞いた時に、フランス料理は形式があるから、フォークの順番とかそういうところが全部もって文化とされているので、フランス料理というのが世界の共通語なんだということをおっしゃったんです。えー、わざわざ日本にお越しになったお客様にフランス料理出すんだと思ってともて驚いたことから、和食に対して改めていろいろなふうに思いを経てきて今日のシンポジウムということになったんです。

私も和食というものってどこからどこまで和食なのかはっきり分からないんです。ほんとにラーメンはどうなんだとかなんですが、私が捉える和食というのはやっぱりおふくろの味なのかなというふうに思っています。最後死ぬ時に何が食べたいかと思ったら、その時に多分母はもういないでしょうが、母が作ってくれたご飯が食べたいときっと思うんだろうなということから、やっぱりおふくろの味を継承していくという。

わざわざ文化遺産に登録されて保護しなきゃいけないということは、やっぱり今、絶滅の危機が近くに来ているんだなという危機感を改めて持ちまして、すごくほんと単純に美味しいものだし、美味しい物を食べたら人は笑顔になるし、健康にもなるし、食べるって生きていく中で一番必要不可欠なことだと思っていますので、和食を次の世代につなげていく重大な時期に来ているんだなということを改めて考えている次第です。

後藤氏

会場から拍手が起こりました。和食大好きの羽田さん、今、話にもありましたが、じゃ、和食って何だろう。羽田さんはおふくろの味というふうにお答えになりました。

羽田氏

はい。

後藤氏

そして、先ほど村田さん、ハンバーグもいいけどというふうにおっしゃいましたけれども、ハンバーグも和食の範疇でよろしいんでしょうか。

村田氏

いや、難しいですよね。日本で出来て日本人しか食べていない洋食というのがたくさんあるんですけれども、それって外国の人から見ると和食なんですよね。それから、ラーメンは、僕らは中華そばといいますから中華やと思っていると、今、ラーメン屋にラーメンを習いに来てはる中国人がいますよね。

後藤氏

アメリカ人でラーメンを勉強に来ている人も知っています。

村田氏

アメリカ人はもう日本でラーメン屋を出していますね。それから、ほんなら、お好み焼きはどうなの。和食かと。たこ焼きはどうなんやと。カキフライ、僕らは洋食やと思っているじゃないですか。ヨーロッパのシェフはアメージングと言いまっせ。何を言うてるんだ、お前らの方がアメージングやと思いますが。せやから、そういう料理も含めて、僕は裾野は広い方がいいと思っています。せやから、みんな和食にしてしまえと思っているんです。

後藤氏

モレシャンさん、日本には日本料理のお店ももちろんありますけれども、イタリア料理、フランス料理、それから、エスニックの料理、いろいろなレストラン、味がありますよね。和食ってどこに行っちゃったんだろうというような、さっきの。

やっぱりモレシャンさんからすると、ほんとにこの国はアイデンティティーがない国なんじゃないかとお思いになりますか。

モレシャン氏

正直な話、ちょっと心配です。例えば今日は、羽田さん、見てごらんなさい。もともと美人ですが、でも、美人だけじゃなくて、やっぱり着物着ていらっしゃると余計美人に見えますね。

羽田氏

ありがとうございます。

モレシャン氏

それは日本の伝統、日本の文化、日本の心でございます。ですから、着物を着てらっしゃらない皆様、ごめんなさいね。でも、やっぱり日本人に一番似合う着るものは着物でございましょう。当たり前。何百年もの間に日本女性が最も美しく見えるように考えられた文化です。それはお料理も同じ。お料理、和食に言えるんですね。それから、器。日本の器、最高です。漆ももちろん最高です。

インタビューの中で、「和食とは何ですか」「高いです」と言われました。そこがやっぱり問題です。なぜかというと、高くない和食もあるでしょう。ご飯、おみそ汁。梅干し。私はよく朝食でいただきます。玄米が多いですけれども、玄米でもいいですか、先生。オーケー。

村田氏

玄米、いいです。

モレシャン氏

健康のためにいいですからね。

村田氏

はい。

モレシャン氏

玄米の上に納豆。納豆はちょっとだけならいいんですけれども、お醤油をちょっとかけて、卵を1個かけて、お海苔はぱりぱりなのをかけていただきますよ。

羽田氏

わー、すごい。

モレシャン氏

私は外人なのにって昔からよく言われましたね。最近言われないけれども、日本のことを好きと言うと、よく言われました。最近やっと落ちつきましたけれども。

なぜか。外国人は日本の文化を分かることが出来ないと思われてきました。日本の物を好きな外人は変な外人。それなら、変な外人たくさん増えた方がいいと思いませんか。

もう1つ、人はどこの文化でも、ご自分の土地の食べ物でご自分の細胞を作っているわけですね。ですから、日本人の細胞は、三島由紀夫の細胞、谷崎潤一郎の細胞、今の若い芸術家の細胞も、ある点で和食で作られていますから、それはやっぱり変えられないです。変えると、変な日本人になりますね。

後藤氏

でも、たまにはパンを食べてもよろしいですかね。

モレシャン氏

たまには。ごめんなさい。たまには。

後藤氏

さあ、このあたりで少しずつ本論に入っていきたいと思いますけれども、ユネスコの無形文化遺産への登録申請、「和食・日本人の伝統的な食文化」というふうになっていますよね。例えばその国の食文化がユネスコ無形文化遺産登録された例として、フランスの食文化がありますよね。その登録されている定義というのは、フランスの美食術というふうに言っています。簡単に言いますと、食事のシーンを非常に大切にして、出産、結婚、誕生日などの生活における最も重要な時を祝うための社会的習慣として登録されています。ちょうど今、それぞれの地域の登録理由が皆さんごらんいただけるかと思いますけれども、フランス美食術はそういうことですよね。

メキシコの伝統料理。これは7,000年前から口承の儀式や祝祭とかかわる、料理にかかわる社会的な習慣。

それから、地中海料理。これはスペイン、イタリア、ギリシャ、モロッコと広がっていますけれども、風景から料理に至る技術、知識、慣習、伝統に基づく、これも社会的な習慣ということになりますよね。

トルコのケシケキの伝統。これは結婚式や祝日、雨乞いなどの儀式でのケシケキ料理、麦のおかゆです。それにかかわる社会的な習慣。

日本の場合は、和食・日本人の伝統的な食文化、食に関するならわしということですが、それを無形文化遺産として残すことの重要性についてどういうことなんだろうかと、熊倉さん、お願いいたします。

熊倉氏

社会的慣習というのはユネスコの申請書のチェックポイントにありまして、我々もぜひ単なる料理そのものではなくて、それがどういうふうな組織で人たちによって支えられているかということを入れたわけです。ですから、和食というのは、ここにもありますように、自然をとうとぶ。それは我々の実の周りにある大変な豊かな食材を使っている。それから、その結果、その食材の持ち味を生かす。そこにうまみという1つの工夫があった。そして、出来上がった料理は、一汁三菜と我々言っていますが、ご飯とみそ汁とお菜とお漬物と、こういう構成から成っていて、大変栄養バランスがいいんだと。ですから、健康にいい。これが3つ目です。

そういうふうな和食というものを支えているのはまず家族なんですねですから、いわば和食というもの、食事を通して家族のきずなが生まれる。また、コミュニティとして地域のきずな、いろいろなそういう食というものが、郷土料理がそうですよね。郷土料理なんかを通して、日本人がお互いに結ばれている。こういう社会的慣習。あるいは年中行事もそうですし、あるいは年の祝いで、今日は七五三だというとお赤飯を炊くとか、そういうふうなことが日本人の社会慣習になっている。ここを強調したわけです。これは日本人全体がそれを支えている、担っている食文化だと、これが今回の提案の骨子です。

後藤氏

そうしますと、和食の中でも、みそ汁がとか、あるいは煮魚がということではなくて、そういった料理ももちろん含まれるんでしょうけれども。

熊倉氏

そうです。ですから、さっき村田さん言われたように、ハンバーグでいいとも僕も思っているんです。豚カツもいい。コロッケもいい。ただ、食べる時にはしが大事なんです。ですから、はしでちぎれるやわらかさ、あるいははしでちぎれないなら、あらかじめ切ってあって、そのまま口に入れられるようなことです。

そうすると、和食というのは食べ方が問題なんです。要するに、どういうふうに日本人は食べているのか。豚カツのソースの味わい、それから、油の味わい、肉のうまみ、そして、ご飯の美味しさというものが上手にマッチして口の中で食べられているわけです。そういうふうな食べ方を含めた日本人の食。

さらにそれにははし使いが入っています。それから、さっき器の話が出た。器も大事で、日本の器は、さっき漆の話が出た。そうすると、熱の伝導率が悪いんです。ですから、直接器を唇につけても熱くない。手に持っても熱くない。だから、そこで、直接器からすするということが出来るんです。すする時には音が出るんです。ですから、日本人は食事中の音に関しては結構寛容なんです。これも日本のそういう食文化の一部と言えるでしょうね。

後藤氏

伏木さん、今、熊倉さんのお話の中に、いろいろなおかずを食べて、口の中でまぜ合わせて楽しむという、これはやっぱり韓国や中国の食習慣とは違いますね。

伏木氏

そうですね。例えば我々は食べる前にまぜないですよね。別々にまず目で楽しんで、そして、口の中に入れてからそれぞれを、ご飯とのマッチングとか、あるいはおかずの余韻でご飯を食べるとか、そういう食べ方をします。一方では、別の国では完全に均一にまぜるということがあります。これは多分、最終的には同じなんですよ。食べる前にまぜるか、口の中でまぜるかの違いなんです。私たちは、しかし、違うものが口の中に入ってきて、そして、ご飯と別のものがこっちとこっちで分かれているなという、この不均一な感じ、これが大変好きです。

後藤氏

それが美味しく感じる。

伏木氏

はい、我々は美味しく感じていると。ただ、私は一度、韓国に行ったことがあるんですが、ビビンバ、これをまぜないで食べていたら怒られまして、まぜなきゃいけない。彼らにとっての譲れない伝統だと。これはこれで確かに尊重すべきだとも思いました。けんまくに押されました。

後藤氏

日本人の暮らしと密接にかかわり合ってきた和食文化ですが、日本の風土から生まれたということ、これが和食文化とは何かを考える1つの出発点なのかなと思います。日本の国土は南北にほんとうに長いですよね。海に囲まれているということもあって、海の幸、山の幸、里の幸、こういったものに恵まれているということが言えると思います。そうしたバックグラウンドから、食材の多様性というのが国際的に見てもとても豊富であるということが言えると思います。それと、日本人の感性あるいは器用さが結びついて、素材の味わいを生かす調理技術も発達したと思います。

村田さん、日本の食材の多様性、そして、それを調理技術に発展していったという。

村田氏

もうね、日本の食材が、世界中いろいろ回っていますけれども、一番美味しいです。

モレシャン氏

これはちょっと。

後藤氏

ちょっと待って。モレシャンさん、異論がありますか。

村田氏

それはフランスは農業国家ですから、フランスのものが一番美味しいと言わはりますけども。

モレシャン氏

1番はありませんね。違うだけ。

村田氏

違うだけ、違うだけ。それは日本人にとって日本の物がやっぱり美味しいと思うんです。それから、あんなでかくて、あんな甘いリンゴはフランスにはないですからね。

モレシャン氏

おかげさまで。大き過ぎるんです、これは。ごめんなさいね。

村田氏

料理に対する考え方がよその国とは全く違うんです。この大根1本は神からいただいたもんや、これはこれで完璧なもんやと思うんですね。

まず水は清しで、何でも水で洗うんです。何でも調理の初めは洗うことなんです。

この固い部分は中を保護してんやと。固い部分はむかなあかんといって、何でもむくんです。せやから、リンゴから何でもむくんです。イチジクでもむくでしょう。むいて、これ、本来のもんになったと。

本来のもんを今度生でかじると、大根やったら、えぐいし、苦いですわね。辛いし。これは本来のものを邪魔しているあくがあるんやと。あくというのを取り除かないかん。どうするんやというと、また清き水につけて、聖なる火であぶるわけです。

さあ、大根が湯がけたと。神からいただいたもんに味なんかつけたらあかんと。人間ごときで味をつけるもんではない。味は添えるんや。ユゾみそかけました。ふろふきどうぞという。

こういう考え方する、引き算引き算で、本来のものはそこにあんやというような考え方というのは、日本の調理法の根本ですね。

伏木氏

村田さんたちと一緒に京都で料理人さんたちとの研究会みたいなのを定期的にやっているんですけれども、その時に今おっしゃっているあくの話が出まして。ちょうどその時にフレンチの有名なシェフが同席しておられて、フレンチの人たちはあくを取らないと言うんですよ。このあくの中にこそ美味しいものがたくさんまじっている。これをあくが出てしまうまでずっとかきまぜて、あくが立たないようにする。でも、日本の料理屋さんたちはずっとせっせせっせとあくを取り続ける。

その次の回にメンバーの1人が同じ煮物を2つ作ってきて、1つはせっせとあくを取ったもの、もう1つはあくを取らないものを作ってきた。あくを全部溶かし込んだもの。それで、皆さん食べ比べしたんです。そしたら、みんなが、あくを取らない方が美味しいと。意外でした。

羽田氏

そうなんですか。

伏木氏

しかし、村田さんをはじめ日本料理の人たちは、これは確かに分厚い味がして美味しいけれども、これは店で出せませんと言うんです。なぜですかと聞くと、品がない。品がないというのは実は彼ら独特の言い方で、実はあくを取った純粋なうまみというのは、確かに分厚さはないかもしれないけれども、それは素材を生かすためには大変大事ですと言うんです。つまり、いろいろな素材を邪魔しないように、出来るだけ雑味のないピュアなだしをとって、それで素材の味をそのまま生かしていくという、これが日本の料理の神髄ですと言われて納得いたしました。ここが先ほどおっしゃったように、それぞれの素材をすごく尊敬しているというか、大事にしていて、いただいたものを決してほかの、自分の雑味のようなだしで邪魔しない。これが先ほど日本の無形文化遺産としての登録の一番最初にあった、自然に大切にすると。

私たちは、自然の素材に対して、ものすごく近い距離といいますか、自分たちはむしろ大根とニンジンとゴボウと同じ世界で生きているわけですね。だから、変なと言うと申しわけないけれども、個人的なソースなんかでそれを隠してしまわないというのはフレンチと大きな違いがある。ある料理人、フレンチの方は、一生かかって自分はソースを作りたい。これがフランス料理の料理人の夢であると。日本の料理人は、一生かかって素材を探したいと。この2つは大きな違いかもしれません。

モレシャン氏

すみません、1つコメント聞いてですね。まず私は、違う仕事でユネスコとずっと結構関係しましたが、和食がユネスコに認めていただくためにも、日本のお料理が1番とか言う必要がないんです。もちろん日本のお料理はすばらしい。繊細で、私はほんとに日本のお料理の大使になってもいいぐらい。それはそう。でも、他の国の料理と簡単に比べられないですよね。

ご自分の和食にプライドを持つのはいいですけれども、自信と自慢の違い、気をつけてください。世界中違っていいんです。そうでなければ、何て退屈でしょう。どこ行っても同じ食べ物。それはグローバリズムの危ない部分だと思います。

後藤氏

村田さん。

村田氏

その通りやと思います。僕は最初フランス料理やろうと思ってフランスにいましたから、それで日本料理をやっていますからよく分かります。

それよりも一番危ないのは、日本の子供やらですね。先生方、口中調理をと言うてはりますけども、給食食べる前に、小学校の先生が「三角食べをしましょう」と言うんです。「ばっかり食べはだめですよ」と言うんです。せやないと、今の子供は口中調味が出来なくて、ばっかり食べなんです。1個ずつ片づけていきよるんです。最後にご飯が残るんです。「ご飯は」と言うたら、「ご飯は味がないから食べへん」「これって一緒に食べへんの」と言うと、「先生、口の中でぐちゃぐちゃになって気持ち悪いやんか」「気持ち悪ないやろ。それが美味しいんやろ」という話をするんですけれども、それはもう。

小学校2年生の子供に「朝、ご飯食べてきたか」と聞くと、「食べてきた」。「何食べたんや」と聞くと、「ピザ」。「朝からピザかいな。ご飯食べへんのか」と言うたら、「お兄ちゃんはご飯やで」と言うんですよ。「お兄ちゃんは何食べたの」「焼きおにぎり」と言うんですよ。お父さんはコーヒーとパン、お母さんはサラダ。君ら4人ともばらばらなもん食べてんやなと。「朝からピザってどうすんや」と言うたら、お母さんがチンしてくれはるんやと。焼きおにぎりもチンなんですよ。

「夜は、ほな、みんな一緒に食べるのか」「食べへん」と言うんです。「僕はプール行かなあかんから、5時前にご飯食べる。お兄ちゃんは6時から塾やから、塾行く前に食べる。お父さんは、僕が帰ってきてから、8時ごろに食べてはる」「お母さんはいつ食べてはるんや」「知らん」と。

モレシャン氏

そうね、その通り。

村田氏

それが今の現状なんです。そやから、ここで大人ばっかり寄ってこうやって和食の大切さを言うてますけれども、食育の現場というのはほんとうに大変なんです。せやから、この前も京都市長には特区申請またしてきましたけれども、給食の特区を作ろうと。ご飯とみそ汁。ご飯を食べながら牛乳飲んでいるんです、今の子供。おかしいと思いません。そやから、ご飯を食べながら、みそ汁、漬物、お菜という給食に何とか戻したい。一番の和食を守る方法としては、給食を和食に変えることやと思うているわけです。

モレシャン氏

それはそう、確かに。

後藤氏

給食の特区。

村田氏

それから、フランスの子供やらの給食を見に行ったんです。フランスの子供やら、フランス料理食べてまっせ、やっぱり。

後藤氏

そりゃそうでしょうね。

モレシャン氏

そうですね。

村田氏

チーズも食べていますよ。

モレシャン氏

当たり前でしょう。

村田氏

当たり前ですよね。

モレシャン氏

ただ、運悪くグローバリズムのせいで、今の世界中どこでもライフスタイルは似てしまいました。そうすると、お兄ちゃんはプール、お母さんはやせたいからサラダ、お父さんは帰りが遅い、といったように家族が食卓を共にすることが少なくなってきました。

では、ユネスコはなぜフランス料理のことを認めてくれたのか。それはまだまだ日常生活の中でも、一緒に食べる習慣が残っているからです。フランスにはラ・デジュネ・デ・ディマンシュという言葉があるんです。ラ・デジュネ・デ・ディマンシュは日曜日のお食事という意味で、日曜日のミサに行ってから帰りまして、うちへおばあちゃん、おじいさん、おじ、おばを呼んで、みんなと一緒に美味しい物をいただくんです。フランスのものをもちろん。今はミサへ行く人はとても少なくなりましたけれども、日曜日のお食事、お昼ですけれども、残っていますね。

私は日本に住んでいますから、日本のお料理結構いただきますけれども、フランスへ行く時、一切食べません。どうせ日本に住んでいますから。フランスへ行く時は、美味しいフランスのお料理を食べます。それは正しい人生だと思いませんか。日本で日本、フランスでフランス。人生って、簡単でしょう。

後藤氏

そうですね。ありがとうございます。

その登録申請に当たりまして、日本の風土の最大の特徴、四季が明瞭であるということがありますよね。日本人の伝統的な食文化というのは、日本人の自然をとうとぶ気質に基づいた食に関するならわしというふうにされているわけですが、羽田さん、実は先日、京都を訪ねられましたね。和食文化と季節の移ろいなど自然とのつながりを大切にする日本人の心のかかわりについて興味深いリポートをしてくださった。

羽田氏

京都で何度か取材で伺ったことがあるんですが、杉本家という国の重要文化財になっているお宅に住まわれている方がいらっしゃって、そこには年中行事をずっと記載されたご先祖様からの本が残されていて、1月1日はどんな物を食べる、2月10日にはどんな物を食べて、どんな物を着て、どんなしつらえに直すということが事細かに書かれているものが残っているというお宅に伺ったんですが、そこではやっぱり昔ながらの伝統的な家庭料理のあり方について、教えてもらったというよりは、ほんとに当たり前のようにされていることをちょっと見せていただきました。

後藤氏

では、そのVTRをごらんいただきましょう。

(VTR上映)

羽田氏

いつもこちらで。

杉本節子氏

そうですね、こちらは京野菜とかたくさん置いてはるので、ちょっと通りがかっては、もう赤ニンジンが出てきたし、もうこんな季節になったのかとか。ねえ、きれいですよね。

羽田氏

きれいな金時ニンジン。

杉本氏

ほんとにね。やっぱりこの赤い色のニンジンのこの色が日本らしい色というのかな、何かね。やっぱり年末から新春にかけてこういう色目の食材があると、お料理も色どりがよくなってきれいですよね。

お芋さんも美味しくなりますね。エビ芋ですね。エビみたいな反り返ったような形になるからエビ芋というんですけど、栽培されるにどうしても手間がかかっているんですよね、農家の方の。やっぱり大事に食べなあかんなと思いますね。

羽田氏

もったいないもったいないという精神でね。

杉本氏

そうですね。

棒ダラを欲しいなと思って来たんですけれども。

店主

ありがとう。何本に。

杉本氏

今はエビ芋と一緒に炊く炊き合わせというのがやっぱりお正月料理の欠かせない1つということで、この季節になったらこうした乾物屋さんでも店先に棒ダラを並べて、八百屋さんを見たらエビ芋が出てきてというので、もうこれで師走、お正月を迎える、そういう時期になってきたなというふうに思うんですよね。

羽田氏

じゃ、ここを歩いていると、季節を感じることが出来るんですね。

杉本氏

いや、ほんとにそうですね。

羽田氏

このお醤油とお砂糖とみりん、お酒、こういう調味料のにおいって、学校から帰ってきた時に、「ただいま」と言って、家からこういうにおいがしてきたら、すごい幸せを感じたというにおいですよね。

杉本氏

そうですね。やっぱりこういう煮物の香りというのは、やっぱりそういうふうな懐かしいな思いにさせてくれますよね。

羽田氏

懐かしい、何か。家という感じですね。

杉本氏

そうですね。

羽田氏

家とかお母さんとか、そういうのを思い出しますよね。

すごいあっと言う間にこんなにきれいな、エビ芋、こんなきれいな形に。きれいなまんま。このユズがね。

杉本氏

やっぱりこの季節のものですし。

羽田氏

季節ね。エビ芋をいただきます。

杉本氏

はい。

羽田氏

うーん、絶妙なコンビネーションですね、これ。

杉本氏

ねえ。やっぱり芋のちょっとこの粘りといいますかね、きめと。

羽田氏

作り方はとてもシンプルだし、でも、どれもこれも今の季節ならではのという物なんですよね。

杉本氏

そうですね、はい。やっぱりこの新鮮なお野菜から出てくる気といいますかね、葉っぱそのものが持っている味わいというのが体に元気を与えてくれるんだなと思いますね。

羽田氏

そうですね。でも、今だと頭で考えがちで、ビタミンとらなきゃ、ミネラルとらなきゃ、アミノ酸だ何だって知識で入っていて、じゃ、これをとるには何を食べたらいいというふうに考えがちだけど、昔の方は、そういうのではなくて、自然に四季と向き合って、今これが食べどきだとかそういうところから入って、身に、体に栄養をつけていったって、何か今の現代人とちょっと逆の発想だった。

杉本氏

そうですね。毎年例年どおり同じことを繰り返せることのまた幸せ、また同じ時に同じ物を食べて、去年も美味しいと思ったなというようなそういう思いが出来るということ、何でも自然が知らせてくれるし、それを素直に受けとめていた暮らしぶりというのが、私は先祖が江戸時代に書いた帳面ですけれども、そういう暮らしがちょっとうらやましいなと思えたり。

羽田氏

ほんとですね。

杉本氏

出来るだけそういった暮らしをまねてといいますかね、近い暮らし方をしていきたいなというふうに思いますね。

(VTR終了)

後藤氏

とても貴重なリポートでしたね。

羽田氏

改めて、家庭での食事が一番いい道徳の時間であり、しつけの時間であり、私は随分、年寄りが一緒だったので、曽祖母と9人ぐらいの家族で育っていたので、知らず知らずに教えてもらっていたことが今の方たちに通じないことがあって。ドラマの撮影でよくご飯を食べるシーンがあるんですけれども、日本人は、おみそ汁は右、おわんは右、ご飯は左というのが当たり前のようだったんですけれども、このごろめちゃくちゃに置かれていたりとか、おみそ汁があっちの方にあったりとか。

そういうことを若い方たちに伝えると、「えっ、知らなかった」。「家庭で教えてもらわなかったの」と言っても、「いや、誰も教えてくれなかった。だって、両親、共働きだったから」とかいう答えが返ってくると、やっぱり現代の日本人というのは忙し過ぎるんじゃないかなとちょっと思ったんです。お母さんが家庭で教えていない。子供が外で恥をかくのは長年たってからなんですよね。小さいころの5年ぐらいでしつけてしまえば簡単に覚えられることが、大人になってからではなかなか身につかないことをやっぱり昔のお母さんたちはちゃんとしつけてくれていたんだなということを改めて思った京都の旅でした。

後藤氏

そうですね。次世代に和食をどうつなげていくのか、また後ほど皆さんと議論をしたいと思っているんですけれども、羽田さんのリポートを見ていまして、やっぱり季節感、暮らしの中に季節がしっかりとあるということも感じましたね。

羽田氏

そうですね。VTRの中でもお話はしたんですが、私も時間がないもので、今日必要な栄養分を何でとろうかと、手っ取り早く、じゃ、この栄養ドリンクだとかというふうになりがちな日もあるんですけれども、そうではなくて、普通に八百屋さんの前を通っていれば、今、何が旬で、自然はどういうリズムでどんな食材が出ているのかという、市場を見れば今旬なものが分かるのに、そこに行く手間を省いて簡単な物で済まそうとしている自分がいるということもはたと気づきました。

やっぱり日本食というのは、自然というものをほんとに大事にしてきて、感謝する。「いただきます」「ごちそうさま」というのを海外からの留学生が、日本人は変な呪文を唱えてご飯を食べるんだということを実家に戻った時に。

モレシャン氏

何ですか。

村田氏

呪文。

羽田氏

「いただきます」「ごちそうさま」が呪文というふうに聞こえたんですって。何かひとり言をぶつぶつみんながしゃべって食事する、変な国なんだよということを。

モレシャン氏

失礼な。

羽田氏

変な国というか、ちょっと変わっているということを。

でも、確かに海外に行って、「いただきます」という言葉を探そうとするとないんですよね。

モレシャン氏

イタリアでボナペティート。フランス人は確かに言葉で何も言わないけれども、フランスのお食事は、日本語でアペリティーフ、何でしょうか。

羽田氏

前菜。

モレシャン氏

前菜から始まるんです。シャンパンやら。

羽田氏

食前酒ですね。

モレシャン氏

食前酒。

羽田氏

食前酒。

モレシャン氏

ありがとう。シャンパンとかウイスキーとか、それはテーブルに移る前に。ですから、リビングルームで、ソファの上で、椅子の上で腰かけて、まずお酒を飲むんです。そういうお酒。ちょっとおつまみを出して。それで、これが終わってから、じゃあ、ダイニングルームへ行きましょうか。同じ部屋でもいいんですけれども、ダイニングテーブルへ行きましょうか。といった感じですね。

でも、フランス人は、「いただきます」よりも会話でございます。会話はユネスコが認めて。私たちは日本と違って同時に同じ意見を持っていなくてもいいから、逆に違う意見を持った方がおもしろい。そうすると、「昨日私は映画を見にいきました」「そうですか。私たちも見たんですけど、どうでしたか」「あー、すばらしい」「いや、僕たちはあまり好きでは」「そうですか」。けんかにならないです。議論になります。軽い議論ですね。人それぞれでいいじゃないですかという。それもユネスコは認めてくれたみたいですよ。

後藤氏

それが食事の場にあるということですね。

モレシャン氏

そうです。ライフスタイルですね。

後藤氏

熊倉さん、「いただきます」「ごちそうさま」、これもやはり文化として考えていいんでしょうね。

熊倉氏

文化で、それは大事なんです。ただ、必ずしも「いただきます」「ごちそうさま」というのが日本人は大昔から言っていたのかというと、そうじゃないんです。意外に新しいんです、これは。でも、近代になって、日本人が一緒に、つまり、日本人はそれまではめいめい膳という形なんです。1人ずつお膳を持っていたんです。ですから、1人ずつのお膳ですから、手のあいた人から食べていって、食べ終わったら、そのまま布巾で拭いて、膳棚にお膳ごとしまっちゃうんです。洗わないんです。

それが不衛生だというので、明治時代になりまして、ちゃぶ台というのが出来たわけです。ちゃぶ台が出来てきた時初めて、ちょうど家族が小さくなってくるんです。その小さくなってきた、それまでは使用人がいたり、親戚がいたり、いろいろな人が一緒に食事をしていたんですが、そういうことがなくなって、サラリーマン家庭が出来てくる。そうすると、みんな、1つの家族が1つのテーブルを囲むようになる。昔から言っていた人もいますけれども、その時、「いただきます」「ごちそうさま」というのが普及してくる。つまり、近代家族というものが、「いただきます」「ごちそうさま」という自然の恵みに対する感謝の気持ちで家族が1つのまとまりを持ってくるんです。

これは逆に言いますと、「ごちそうさま」と言うまで立っちゃいけなかった。ご飯済んだからといって、勝手に立ってどこかに遊びに行っちゃいけないんです。みんなが食べ終わるまでじっとしていなきゃいけないというしつけの場だったわけです。そういうことが日本人の文化というものを非常に支える大きな力になったんだと思います。

モレシャン氏

もう1つだけごめんなさい、今のお話を聞いて思い出しました。フランスで「ごちそうさま」は言わないけれども、私たちの食事、どこの国もと思いますけれども、いい意味で宗教と関係していますからね。うちでも、うちのおじいさんは、パンがあるでしょう。パンを分ける時に、まずパンを切るのはいけなかった。割るということでした。それは宗教的な歴史的な文化で。プラス、おじいさんはパンをとって、パンの下に十字架をつけるんです。無宗教でも習慣として残っています。

後藤氏

ありがとうございます。

羽田さんの京都リポート、ちょっと話が戻りますけれども、ほんとに暮らしの中に季節があるということと、いわゆるおばんざいですよね。

村田さん、最初、オープニングVTRで、和食というと職人さんが作るものかなという話もありましたが、今のVTRは、まさに生活の中に息づいている和食。

村田氏

そうですね。それが一番肝心なので、おばあちゃんが作ってきたもんはもう時代おくれやなとか、田舎で食べてきた、あんな田舎料理やからくだらんもんだというふうに思わんことが肝心です。それってやっぱり先祖から食べ続けてきたものを次の時代にも食べ継いでいこうという努力。何でも続けていくためには努力が要りますよね。

それから、このごろ、お正月も雑煮もお節もなし、正月からホテルがあいているから、ホテルで食事するというようなことが出てきていますけれども、それはやっぱり1つのけじめとして大切にせないかんことは守っていかないかんというふうには思いますけどね。

伏木氏

そうですね。モレシャンさんの話の中で一番うらやましいなと思ったのは、食前にソファでまずお酒をゆったりと飲むと。これはゆとりだなというふうに思うわけです。

僕らはそういう生活してないけれども、先ほどの錦市場のビデオの中で、杉本家の方で、同じことをずっと繰り返して、今年またこの季節になってこの淡々とした繰り返しが落ちつきますねという話がありましたね。あれは我々にとっての1つのゆとりだと思うんです。我々は食前にアペリティーフでゆったりとするという、そういうフランス風のゆとりは持っていないかもしれないけれども、食材を囲んで季節の話をするとか、あるいは我々の生活をずっと食事に持っていくとか、これはいいゆとりだなと思って、ここを生かしたいなという感じがします。

熊倉氏

そのゆとりも、さっきのレポートの中でちょっと誤解されるといけないと思うんですが、錦で棒ダラ買ってきて、次の瞬間煮ていて、次の瞬間もうお料理になって出てくる。これはあり得ないわけですよね。棒ダラを水で戻すというのは大変なんです。

羽田氏

大変な作業。

熊倉氏

大変な作業なんです。それを大変だと思うか思わないかということだと思うんです。何に時間の価値を感じるかということはとても大事だと思うんですね。ですから、お料理を作るということは、僕は日常生活の中で我々が出来る一番創造的な仕事ではないかという気がするんです。

女性にとって例えば子育てというのは一番創造的な仕事、なかなか男がやろうと思っても出来ないわけですよね。出来ないというのは、要するに、おっぱいをあげるということは男はどう考えたって出来ませんので、これは女性にしか出来ない。つまり、女性の持っているすばらしさというものがそういうところに発揮される。

だけど、お料理は別に女性の問題じゃない。だけど、我々男も含めて、日常生活の中で非常に創造的な仕事が出来るというのは、お料理はすばらしい時間だと思うんです。そこをどういうふうに受けとめるか。価値観というものは人によって違うと思うんですけれども、料理を作るということのおもしろさというのがあると思うんです。

後藤氏

そうですね。そこを再発見していきたいですよね。そして、季節の話題が食卓に上るということですよね。自分がこんなに手をかけて作ったものを、「どう、美味しい?」という会話がそこに生まれますよね。

熊倉氏

食べてくれる人がいないとちょっと困るんですけどね、そこがね。でも、やっぱり食べてくれる人がいる、そして、その人が反応してくれるということが、作ることの喜びですもんね。そこがきずなだと思うんです。

後藤氏

はい。

後藤氏

日本人の男性は、「美味しい?」と聞かないと何も答えてくれないんですよ。ずっと黙々と食べる人が多くて。アイデンティティーですかね。

もう1つ、和食文化が大きな役割を果たすのが年中行事ですね。お正月料理などは典型的なものだと思います。お正月料理に欠かせないものの1つの例として、地域の暮らしに根差している雑煮がありますよね。ここで、全国の実に多様な雑煮を羽田さんと一緒にご紹介していきたいと思います。

羽田氏

こちらは江戸雑煮。関東ですね。東の代表です。東日本というところは武家が支配していたので、敵をのすという縁起の言葉から、のし餅を切った角餅を焼いて使うことが多いということです。汁は透明というか、これはなぜみそではなかったかというと、みそがつく、みそをつけるといってみそ仕立てを嫌って、カツオだしのすまし汁としたことから始まっています。

後藤氏

さあ、西の代表は京都のお雑煮ですが、京都は昆布だしで白みそ仕立ての雑煮。具には、人の頭になれますようにと頭芋。餅は、円満に角が立たないようにと戒める丸餅。餅は焼かないですね。そして、地にしっかり根を張るようにという大根などが入っています。

モレシャン氏

健康的。

後藤氏

とてもシンプルですね。

羽田氏

クルミ雑煮は岩手県の沿岸地方です。だしは煮干し、かつおぶしで、味つけは醤油です。お餅の形は丸でも角でもどちらでもよいということですが、このほかにクルミだれを用意していまして。

後藤氏

このほかにクルミだれがあるんですか。

羽田氏

はい、こちらですね。このクルミだれに雑煮わんからお餅を引き上げて、絡めて食べるということです。昔はクルミが高くて、お正月だけはぜいたくに食べたいという思いが込められています。

後藤氏

やっぱりお正月特別な料理ということなんですよね。

さあ、こちらがあん餅雑煮。あん餅雑煮は、香川県などあんこ入りの餅を、いりこと昆布でだしを作って、地元の白みそで味つけをした名物料理です。この金時ニンジンは日の出をあらわしているんですね。大根との色合いでめでたい紅白をあらわしています。ほんと絵のようですね。

羽田氏

そうですね。ほんとに日の出が上がっていますね。

これ、珍しいですね。

後藤氏

この中のあんこ。何と言っても、餅にあんこが入っているのが特徴なんですけれども、一度食べると忘れられない味だと地元の人たちは自慢をしていらっしゃいます。

羽田氏

こちらの具なし雑煮は、石川県です。だしはかつおぶしと昆布のすまし汁で、お餅は丸餅をそのまま入れて、具は何も入れないというのが特徴なんですが、これはお節がごちそうだから、あえてシンプルにということだそうです。ても、とても美味しそうですよね、シンプルですが。

後藤氏

そうですね。美しいですよね。

羽田氏

そうですね。何かちょっと国旗のような。逆の色ですけどもね。

後藤氏

塗りの赤に白いお餅で。

こちらは博多雑煮、福岡の雑煮ですね。だしはアゴだしと昆布。具には、出世魚として縁起がよいとされるブリが入るのが特徴です。こちらがブリですね。唯一の緑は、地元のカツオ菜。こちらですね。勝負に勝つという験を担いでいます。丸餅を入れた具だくさんの博多雑煮ですね。

いや、ほんとに日本列島。

羽田氏

いろいろなスタイルの。

後藤氏

そう。外国から見ると小さい島国のように思われますけれども、実に豊かな食文化が息づいていると言えますよね。

ちょっと皆さんにも、皆さんの召し上がるお雑煮、聞いてみましょうか。

村田さん、お芋が入りましたよね。

村田氏

そうですね。

後藤氏

京都では、お芋って長男にとっては大変なものらしいですね。

村田氏

うん、僕は3日間ぐらいかかって食べていますけどね。

後藤氏

3日間ですか。

村田氏

おわんの大方芋ですから。あれが畑の土地の神さんなんですね。白いお餅はご先祖の魂なんです。それを重ねて食べるということが必要なので。食べるの、柳のおはしでしょう。両方細いですよね。片っ方は自分のために。あれ、両方使えるからと違うんです。もう片っ方はご先祖が一緒にここで食べている。それから、今までいる何千人ものご先祖は、今自分がここにいるために存在している。畑の神さんとご先祖と一緒に正月を祝うということです。あれが形になって鏡餅になるわけです。

後藤氏

意味があるんですよね。

村田氏

そうですね。また怒られるかもしれませんが、京都が一番古くて、京都からやっぱり派生していったもんやとは思うんです。フランス人と京都人似ていましてね。

モレシャン氏

似てます、似てます。

後藤氏

似ていますか。

モレシャン氏

ものすごく似ている。

後藤氏

頑固なところですか。

村田氏

頑固なところと、自分のところが1番やと常に思っている。

モレシャン氏

そうそうそうそう。認めてあげる。認めてください。

熊倉氏

でも、雑煮というのは武士のものですね。もともとは武家のものですね。

村田氏

そうですか。

熊倉氏

はい。ですから、武士が式三献(しきさんこん)という最初の酒の儀式をやる時の一の杯が回る時のさかなが雑煮なんです。ですから、別に正月のものじゃないんです。雑煮というのは、ですから、酒のさかななんです。ご飯食べませんでしょう、一緒に。あれは一緒にとそを飲むわけです。

村田氏

なるほど。そやけど、法事の時も雑煮みたいなの食べますやん。

熊倉氏

そうですね。そういうことで武士の中から生まれてきた。雑煮という言葉が大体、変な言葉ですよね。

後藤氏

そうですね。雑煮ね。

熊倉氏

雑煮(ざつに)でしょう。ごった煮でしょう。つまり、これは武士が田舎から出てきた時、田舎のスープだと思うんです。だから、ヨーロッパでもスープは具だくさんじゃないですか。スープは食べるわけでしょう、飲むんじゃなくて。

モレシャン氏

スープによってだけど、まあ大体。

熊倉氏

まあ、違うけどね。そういう非常に古い庶民の中から生まれてきた文化だと。

モレシャン氏

なるほど。

後藤氏

先ほどから、食事の場が人とのつながり、絆をもたらす、あるいは、楽しい食卓だとそこでまた会話が弾むでしょうという、そんなお話もありましたけれども。

モレシャン氏

出会いと触れ合い。

後藤氏

熊倉さん、こうした行事食というのは、まさに人のきずなをつないできたものかもしれませんね。

熊倉氏

そうですね。それとやっぱり今、大事なことは、もう1つ、栄養ということですね。栄養ということから考えた時、これは伏木先生にお話しいただきたいと思いますけれども、どうなんですか。

伏木氏

まず日本食は、世界中から健康的な食の代表として見られています。それは確かだと思うんです。ご飯というのは非常にすばらしい食べ物で、ご飯を真ん中にして、そして、いろいろな食べ物を食べる。この日本の食べ方というのは全体のカロリーをすごく低く抑えられます。しかし、ものすごく満足感がある。それから、ご飯には油の含量が低いですから油脂の摂取量は低く抑えられますし、いわば食物繊維とか栄養的に好ましいものは和食を中心にすれば全部かなうというふうに、一番すばらしい食だと思っています。

ご飯を食べると体によくないという説が昔少しだけ出ました。今でも、でん粉を食べない方がいいんじゃないかという説も出ております。あれ、全く根拠はございません。病気になった、例えば糖尿病になった人にとってはでん粉を抑えるとか塩分を抑えるとかそういうことは大事ですけれども、健康な人はそれと違う食事をするのが普通で、健康のためにはむしろでん粉をたくさん食べる方が私は正しいというふうに、栄養学者としてはそういうふうに言えると思います。

後藤氏

そうすると、基本的に和食はヘルシーであるということ、これは間違いなく言えることですね。

伏木氏

ヘルシーです。全く間違いございません。

後藤氏

健康的な食生活を送るためにも非常にメリットのあるものだという。

伏木氏

そうですね。

熊倉氏

それがやっぱり日本の長寿社会を作っているわけですよね。ですから、そういう長寿社会を作ってきた和食というものは、ただ栄養的にすばらしいだけではなくて、家族をつなぐきずなだということです。食べるということは、人間がこんなに親しくなるツールはないんです。コミュニケーション。ですから、同じ釜の飯を食ったという言い方がありますけれども、食べることで仲間意識が生まれるなんていう、そういう、いわば人と人をつなぐ大事なコミュニケーションが失われてしまったら、みんな、家族も地域も崩壊しちゃいますよね。

伏木氏

どういうふうに継承していくかというのは大事な問題ですね。

後藤氏

そうですね。まずヘルシーであり、そして、美味しいということが、ひょっとしてまた食卓に人々が一緒に戻ってくる1つの大きな要素になってくるかなと思いますよね。

伏木氏

ちょっと画像をお願いしたいんですけれども、和食、日本の食がどれだけ右肩下がりかという話なんです。米の消費量なんです。先ほどから、和食ってシンボリックにお米が大事だと言っていますが、何度もこの図は皆さん見られたと思うんですけれども、1人当たりの年間のお米の消費量が、1960年代中ごろから比べると、今、ほんとに半分になっているんです。

これだけでなくて、その次の、お願いします。これ、醤油とみそもほとんど同じカーブで下がっています。これはご飯を食べなくなったというだけでなくて、みそ、醤油、みりん、それから、清酒もそうでしょうし、日本の和のテーストというのがみんな右肩下がりなんです。ここにおられる中高年の方はほとんどの方が日本食好きだろうと思うんです。食べておられると思うんです。じゃ、この右肩下がり何かというと、若い世代が食べていない。

日本で暮らすと自然に日本食が好きになるというのはこれは錯覚でありまして、食べ物の好み、嗜好性というのは全く遺伝しません。ですから、これは教えないとだめなんです。だから、日本に住んでいるから日本食好きになるだろうと思って、そして、子供を育てると、いつの間にか全然日本食が好きじゃない子供が横にいたと、こういうことになるわけで、意識的に教育をしないと難しい。それは今、大変大事な時期に来ていると思います。この時期に文化遺産に登録されたというのは、そういう意味で非常に重要な意味も持っていると思います。

後藤氏

そうですね。ほんと、村田さんが提案してらっしゃいましたが、給食特区とか、いろいろなプランを私たちも考えていかなきゃいけないと思います。

村田氏

国民運動としてご飯を食べようという運動がいいんだなと思うんですけどね。

後藤氏

そうですね。そして、そういうヘルシーな和食を支える中にまた、伏木さん、うまみというものも大きいですよね。

伏木氏

はい。うまみは、先ほど来、日本の味わいの中心であるというふうに言われていましたが、これはまさにその通りです。世界中にうまみはあるんです。どの国も自分たちの料理の中に実はうまみというのを持っていて、それを中心に食べているんですが、日本の場合は特にそれを前面にバッと押し出したというところが特徴的です。

しかも日本のうまみは、主にカツオ、昆布、あるいは煮干しなんか来ますけれども、先ほど申しました、非常にピュアな味がして、そして、外国の方から見ると、実は日本のカツオ・昆布だしって嫌われているんです。好きじゃないと言われる。なぜかというと、昆布の海藻臭さって、世界中では嫌なにおいの1つです。それから、カツオのいわば生臭さというのも嫌いな人は大変多い。私たち日本人は全部これ、ほとんどの人が好きでしょう。やはり子供のころからこれを食べなれて、そして、このうまみが一番美味しいという時に、この香り、風味、においも同時にセットになって我々は美味しいと思っているから、世界の中で最も妙なだしを食べていると言われるわけです。

だしというのは、フランスにはもちろんだしの、スープの文化がありますし、中国にもありますし、世界中にあるんですが、私たちのカツオ、昆布というのを、これをいかに子供たちに違和感なく食べてもらうかという運動をしなきゃならないと思うんです。この味のうまみは、先天的に皆美味しいんです。新生児だってうまみは美味しい。ところが、においは完全に後天的だから、教えないとだめなんです。子供たちに、カツオのにおい、昆布のにおい、あるいはだしジャコのにおい、うまみと同時にこれを教えて、そして、これが美味しいというふうに思わせないと次の世代は育たないと思います。

後藤氏

大事なことです。

さあ、村田さん、外国人シェフと交流がとても盛んに行われているということでございましたが、外国人の方もうまみとかだしについてはかなり関心を持っていらっしゃるんですか。

村田氏

そうですね。たくさんのシェフ連中がうちの店でスタジエって研修をやっていますけれども、今も3人ぐらいいます。それから帰った彼らは、デンマークやったら、トナカイの足をふしにして、デンマークにある海藻を乾燥させて、それとトナカイのふしからだしを引いていたりします。ということは、だしはカロリーゼロですから、油脂は1ccで9キロカロリーありますから。それから、フランスのシェフも、今、若手のシェフはだしだし言うてますね。せやから、カツオと昆布でだしをとらなくても、グルタミン酸とイノシン酸を相乗させるという考え方というのは世界に広がってきていると思いますね。

せやから、彼らは別に日本料理を作ろうと思ってだしを学んでいるわけと違うて、自分らの料理をもっとステップアップするためにだしの文化を吸収しようと思っているわけですから、日本人がだしを捨てたら本家本元がなくなってしまいますよね。

モレシャン氏

そうね、その通り。

後藤氏

やっぱりうまみ、それから、だし、これは和食を形成する上でほんとにベースになるものですね。

村田氏

そうなんです。和食というのは、うまみというものを中心に同心円的に、甘い、辛い、酸っぱい、苦いというあとの4味を均等にバランスよく並べたというように作るわけですから、せやから、うまみが中心であることは間違いないんです。

後藤氏

そうですね。羽田さん、だしとってらっしゃいますか。

羽田氏

だし、とっている日もあれば、とらない日の方が多いかもしれないです。

村田氏

それはだしを別にとらなくていいんですよ。少しの水の中にいりこを入れて、そこに山のような菜っ葉を揚げと一緒に入れて、それで、その物自体の水気でお菜が煮えますから、そのお菜から出てきた水自体はグルタミン酸がすごく多いですから、いりこと揚げでみんな一緒に食べればいいんです。これが京都の一菜です。一切合財ですわ。

後藤氏

一切合財、そこから来ている。

村田氏

いやいや。それで汁にもなるし、おかずにもなるという食事方法です。京都の始末の料理です。

後藤氏

始末というのは、もったいないからですか。

村田氏

もったいない、はい。もったいないし、要る時にはお金を使うけれども、要らんことはしないと。食べられる物は、いい物を買って、端から端まで全て食べるというのが正しいんやと思うんです。

後藤氏

そうですね。熊倉さん、もったいないというのも、エコといいましょうか、これも和食の1つの特徴ですね。

熊倉氏

そうですね。ですから、今、我々考えているのは、和食は世界を救うと。やっぱりこれ、今、地球規模の大変な食糧危機が起こっていて、いろいろな問題が起こっているわけです。その時に、和食の精神とか和食というものはある意味で非常に有効な、日本自身もそれで救われる。ひいては、世界に対しても提案が出来るんじゃないかと、こういう思いです。

ですから、それをどうやってこれから継承していくか。これは登録されると、当然これは登録された我々に保護・継承の義務が生じます。ですから、ほっといていいんじゃないんです。これ、一度限りのイベントではないわけです。これから我々が和食をどうやって大切にしていくかということに取り組まなければいけないということです。

これはユネスコに提案する時に、農水省とか文化庁が中心にやっぱり推してくださりました。もちろんほかの省庁もみんな賛成して、政府からこれ、提案したんです。でも、政府から提案する前提は、日本人、日本の国民の中にこれだけたくさんの支持者がいますよという調査もしました。世論調査もしました。そういうことが背景にあって、これが出ているわけです。

そうすると、我々が今度はそれをどうやって継承していくかという時に、例えば和食の研究をするための高等教育機関も作らなきゃいかん。あるいは、全国の郷土料理をやっている方々と上手に連絡を取り合いながら、日本にはこんなすごい、1万5,000ぐらいあるというんですが、そういう郷土料理がどういうふうに今支えられているかという連絡もしなきゃいけない。最近、食育もあります。いろいろな問題があります。

それをやっぱり世界を超えてやっていくために、我々は今、「和食」文化保護・継承の国民会議を作りました。これ、どなたでも自由にお入りになれます。これをこれから1つの主体として、中心にして、政府にも働きかけ、各企業の方にも賛成していただいて、なるべく大きな国民運動にしていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

後藤氏

熊倉さんに、どうしたらこの和食文化が継承されていくのか、守られていくのか、具体的なお話を今いただきました。

最後に、私たち日本人は、この和食文化を守ってさらに発展させていくために何をすべきかということで、和食文化を次の世代にどのように継承していくべきなのかということを各パネリストの皆さんに最後のまとめとしてお話しいただきたいと思います。

伏木さん、いかがでしょうか。

伏木氏

ご飯を好きになること、これに尽きますね。ご飯を好きになるためは、ご飯と一緒に食べる和のテースト、うまみを含めたそういうものをセットで置かないと、ご飯だけでは生きていけません。みそ、醤油、みりん、みんな大事な食材、素材です。

それで、子供と一緒に食べる。あるいは、小学校、幼稚園、そういう小さな子供たちがそういう食べ物に触れるという機会をふやしていく。パンやそれは楽しみとしては非常にいいですけれども、最初に出ましたが、1日1回はお米のご飯の主食を、ご飯を食べたいというふうに思います。

後藤氏

モレシャンさん、和食の自慢ばっかり続きましたけれども。

モレシャン氏

子供たちは、どこの国も小さい時、慣れ親しんだ物を好きになります。ですから、後でご両親が頑張るしかないです。でも、頑張り方、うちの母のやり方。私は全部、何でも大嫌いでした。ジャガイモのピューレ以外に何も食べたくなかった。そうすると、母が、1年とか2年かかりましたけれども、嫌いな物を少しずつ、「フランソワーズ、今日は一口でいいから」。一口。「わー、ブラボー、ブラボー、よかったわね」。「全部じゃなくて、一口でいいですよ」。それで、ちょっとぐずぐず言いながら、一口いただきます。褒められて。1週間後、同じ食べ物、「じゃあ、今日は二口どうでしょう」。まあ、二口。三口、四口から、1カ月後ぐらいに好きになるんです。

味覚は慣れです。私も日本に来た時に、梅干しは大変でした。今、梅干しばばあになりました。大好きです。ですから、慣れですから、少しずつ少しずつ、母の愛情と微笑みと一緒です。学校でもちろん出来るだけ日本の食事をしてほしいですけれども学校は学校です。愛情は、ないことはないけど、そんなにないでしょう。だから、家庭です。家庭。文化もそうだし、美術館もそうだし、何でもそうです。おうちでお父さん、お母さんと一緒に、「うーん、美味しい」で、1つでいいから少しずつ。そうすると、なれてしまう。何でも美味しくなる。

私、今は何でも食べることが出来ます。問題なし。人生の中で、キャリアの中で助かりましたよ。外国へ行っても、大使館行っても、田舎へ行っても、何でも大丈夫という人物はほんとに人生は楽です。

外国で和食もほんとに宣伝とか広告してもいいんですけれども、まず日本で子供にそういう気持ち、愛情がふえるようにということですね。

後藤氏

ありがとうございます。

村田さん。

村田氏

やっぱり教育が肝心なんやと思います。それから、食育という言葉ばっかりが先行していますけれども、食育で何を教えなあかんかという基軸がみんな地方地方でぶれているような気がします。子供やらは日本の子供ですから、誰が育てるんですか。国が育てる、違うでしょう。学校が育てる、違うでしょう。それぞれの子供はそれぞれの家庭、それぞれの親が育てるわけですから、その親が責任をちゃんと負わなくてはいけない。それが次の食につながっていくというふうに思いますね。

後藤氏

羽田さん、いかがですか。

羽田氏

私は正直よく分かりませんが、私、自分自身の人生を振り返りますと、今、健康で、こういうことのお仕事をさせていただいて、女優という仕事は見かけよりもかなりハードですし、寝る時間もない中でいつもきれいでいなきゃいけないというプレッシャーもありまして、お客さんからは「疲れているね」と、「やせたね」と、「年とったね」とか、いろいろ言われても、それに負けずにいなきゃいけない。これ、私の何が支えているんだろうと思うと、やっぱり食べる力と食べる気持ちと食べた食材だなと思うんです。

18歳まで実家におりましたので、健康でした。病気1つしませんでした。それはやっぱり母の食事のおかげだなって今改めて思います。ひとり暮らしを始めてからちょっと病弱になりました。それはやっぱり自分の食事、適当な食事が原因だったなと思います。この世界に入って、7年後の体は今の食事が作るという言葉を聞いたんです。7年後健康でありたいならば、今の食事を大事にしなさい、睡眠を大事にしなさい。というふうにずっと人生40過ぎまでやってこられて、さらに思うのは、ほんとに7年後健康でいたかったら、食事を見直そうということを今日の会話を聞いて改めて思いました。

若い女性でも、塩こうじがはやって、「これが体にいいんだよ」と言えば、塩こうじもはやるし、甘酒もはやる。やっぱり体にいいんだ、美容にいいんだということがあったら、女性は飛びつくんです。モレシャンさんおっしゃるように、人生、楽に楽しく年を重ねて生きていくかというと、健康でなきゃいけないという前提があるわけですから、それをお母さん世代に伝えていくのはとても簡単なことなんではないかなと思うんです。和食はこうしなきゃいけない、だしをとら、とりますよ。

村田氏

とらなくていい。

羽田氏

分かりました。でも、先生のように、とらないでもこうやって簡単にだし成分はとれるんだということが家庭の中で。でも、和食って、昔のお母さんたちが毎日作ってこられたものだから、そんな難しくする必要なくて、そういうものの積み重ねで、和食の継承、そして、子供たちの将来の健康、健全なる日本の未来に向かうのはやっぱり食事ではないかなというふうに改めて思いまして、とても簡単なところから始めればいいのではないかなと思いました。

後藤氏

そうですね。ありがとうございました。

パネリストの皆さんからほんとうに示唆に富んだご意見を今日はたくさんいただきました。私たちの誇るべき和食、その食文化を守り、そして、育てて、次の時代、明日につないでいくには、やっぱり今日お話を聞いていて、改めて私たちの暮らしを再発見するといいましょうか、日本の暮らしを再発見するということが必要かなと思いましたし、そして、時々は昆布とカツオでだしを引くということも、これはやっぱりやることが大事なのかなとも思いました。今日は和食を改めて考えるいい機会だったと思います。

さあ、皆さん、今日はどうもありがとうございました。以上で、パネルディスカッション、「和食のこころ~文化としての和食を考える」はお別れの時間が来ました。

羽田美智子さん。

そして、村田吉弘さん。

フランソワーズ・モレシャンさん。

伏木亨さん。

そして、熊倉功夫さん。

どうも最後までありがとうございました。皆さん、拍手でお送りください。

 以上

 

【第2部「日本全国こども郷土料理サミット」】

議事録

「和食」文化の魅力再発見イベント

『和食;日本人の伝統的な食文化』の魅力

――第2部「日本全国こども郷土料理サミット」 ――

日時:平成25年11月24日(日曜日)

会場:東京ドームシティ プリズムホール

時間:13時30分~16時00分

議事次第

1.司会者、和食プレゼンター、審査員の紹介

2.全国の子どもたちによる、「郷土料理」プレゼンテーション

北海道ブロック「石狩鍋」

赤祖父ゆず香さん(札幌市立円山小学校5年生)

東北ブロック「しんごろう」

星美咲さん(下郷町立江川小学校5年生)

関東ブロック「しもつかれ」

齋藤健さん(宇都宮市立横川東小学校6年生)

北陸ブロック「焼きつけ」

石倉美佳子さん(魚津市立上中島小学校6年生)

東海ブロック「おこしもの」

中尾清敏さん(大府市立石ヶ瀬小学校5年生)

近畿ブロック「姫路おでん」

山口七実さん(姫路市立手柄小学校6年生)

中国四国ブロック「あんもち雑煮」

高木楓夏さん(高松市立川添小学校6年生)

九州ブロック「だんご汁」

井上紘志さん(大分市立金池小学校4年生)

沖縄ブロック「沖縄そば」

仲間英さん(八重瀬町立具志頭小学校5年生)

3.休憩及び最終審査

4.審査結果発表、授与式、記念撮影

司会:後藤繁榮氏(NHK放送研修センター、「きょうの料理」)

羽田美智子氏(俳優、和食プレゼンター)

審査員長:

熊倉功夫氏(静岡文化芸術大学学長、「和食」文化の保護・継承国民会議会長)

審査員:

村田吉弘氏(株式会社菊乃井代表取締役、NPO法人日本料理アカデミー理事長)

向笠千恵子氏(フードジャーナリスト、食文化研究家、エッセイスト)

清絢氏(郷土料理研究家)

ゲスト審査員:

グッチ裕三氏(タレント)


1.司会者、和食プレゼンター、審査員の紹介

ナレーション

皆様、お待たせいたしました。ただいまより日本全国こども郷土料理サミットを始めてまいります。小学校高学年の子供たちが、それぞれのふるさとや家庭の郷土料理について発表を行い、交流を深めることを通じて、日本全国に伝わる郷土食文化への関心と理解を深めることを目的として開催いたします。

それでは、早速ステージに司会の後藤繁榮様、和食プレゼンターの羽田美智子様をお迎えいたしましょう。どうぞよろしくお願いいたします。

後藤氏

皆さん、こんにちは。今日はようこそお越しくださいました。『NHKきょうの料理』アナウンサーの後藤繁榮です。どうぞよろしくお願いいたします。

羽田氏

皆様、こんにちは。私、和食プレゼンターを務めさせていただきます女優をしております羽田美智子です。どうぞよろしくお願いいたします。

早速ですが、今日はこちらの会場に全国9つの地区から小学校4年生から6年生の子供さんが、それぞれのふるさとや家庭の郷土料理を紹介するために集まっていただいています。

それでは、早速9地区の代表の皆さんに、ステージにご登場いただきましょう。どうぞ。

後藤氏

どうぞ拍手でお迎えください。

皆さん元気に登場していただきました。

羽田氏

私の方が緊張している感じがします。

後藤氏

それでは、日本全国こども郷土料理サミットの審査をしていただく皆様をご紹介いたします。

まずは、審査委員長、熊倉功夫さんです。どうぞよろしくお願いいたします。

羽田氏

よろしくお願いします。

後藤氏

熊倉さんは、静岡文化芸術大学学長で「和食」文化の保護・継承国民会議の会長を務めていらっしゃるなど、日本の伝統的な食文化の保護・継承についての活動を行っていらっしゃいます。どうぞよろしくお願いいたします。

続いて、審査員の皆様をご紹介します。

株式会社「菊乃井」代表取締役、NPO法人日本料理アカデミー理事長の村田吉弘さんです。

村田さんは、京都祇園の老舗料亭「菊乃井」のご主人でいらっしゃいます。医療機関や学校訪問、そして公式活動を通じた食育活動、そして日本料理を新しく世界に発信する取り組みを行っていらっしゃいます。

続いて、フードジャーナリスト食文化研究家、そしてエッセイスト、郷土料理伝承学校校長でいらっしゃいます向笠千恵子さんです。

向笠さんは、日本の本物の味や伝統食品の現場を知る第一人者として、志を持った食材の作り手、味、民族、器、食の伝播の道筋、歴史などを多面的に捉えながら現代の食を軽快につづっていらっしゃいます。どうぞよろしくお願いいたします。

羽田氏

よろしくお願いします。

後藤氏

そして、郷土料理研究家、清絢さんです。

清さんは、日本各地の農村、漁村を歩き、その土地の食文化と暮らしのつながりを取材される中で、郷土料理や地域の食文化を紹介されていらっしゃいます。

審査の皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。

羽田氏

よろしくお願いいたします。

そして、審査員として、もう一方、皆さんもご存じのこの方にお越しいただいています。ゲスト審査員のグッチ裕三さんです。

後藤氏

あれ。グッチさん。

羽田氏

グッチさん、こっち。

グッチ氏

ただいまご紹介に預かりましたグッチ裕三でございます。

後藤氏

ご丁寧に。グッチさん、お客さん向こう側。

グッチ氏

向こう、失礼しました。

後藤氏

すてきなステージ衣装ですね。

羽田氏

すてきな、ほんと衣装、すごい光ってますね。

グッチ氏

そんな話はいいの。

後藤氏

いいんですね。

グッチ氏

皆さん、こんにちは。元気ですか。

来場者

はい。

グッチ氏

元気ですか。

来場者

はい。

グッチ氏

僕は無理してます。

本日はようこそお集まりいただきました。実はね、僕も子供のころから料理を作っていました。最初はね、小学校2年だったんです。学校から帰ったらね、誰もいなくても何もなかったの。自分で作るしかなくて、冷蔵庫を見たらね、うどんしかなかったの。しょうがないからね、うどんをバターで焼いて醤油をかけたの。そしたら、美味しくてね。もう次の日から、毎日それ作ったの。それでね、これはすごいぞ、世界で最初にうどんを焼いたのは僕だって決めてね、すごく自慢してたの。大人になったらね、日本中、どこにでもあったの。これが僕の料理のデビューなんですけどもね。

今日、子供たちといっても、結構子供たち老けてますね。あっ、親御さんか。これは失礼しました。

とにかく僕、自分も子供のころから料理を作っていたので、本当に今日は楽しみに来ました。

あとね、皆さんね、一つだけ注意があるの。カメラが入っているでしょう。カメラが入っているからって緊張しちゃだめよ。子供たち、随分緊張、緊張と言ってたけど、それはだめだめ。だって、カメラの向こう側には何十万人という人しか見てないんだから。大丈夫、大丈夫。

羽田氏

煽ってどうするんですか。

グッチ氏

ということで、今日はほんとうに楽しみにやってまいりました。よろしくお願いします。

羽田氏

よろしくお願いします。

後藤氏

歌って踊れて料理も出来るエンターテイナーの、あっ、どこから降りるんですか。グッチ裕三さん、特別審査員として加わっていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

グッチ氏

よろしくお願いします。

 

2.「郷土料理プレゼンテーション」

後藤氏

さあ、ここで改めまして、日本全国こども郷土料理サミットについて、簡単にご説明いたします。

今日発表していただくのは、全国から応募のあった小学生190人の中から事前審査を通過した全国9地区を代表する皆さんです。これから一人ずつ、それぞれのふるさとや、あるいは家庭の郷土料理について調べた内容を、お子さんたちの言葉でこの場で発表していただきます。

審査基準といたしましては、発表内容を調査力、構成力、表現力、郷土愛、そして印象点、そして総合プレゼンテーション力の、この6項目、それぞれ10点ずつ加算をしていって、合計60点を審査員の合計点といたします。その審査員合計点で各賞を決定いたします。

羽田氏

それでは、発表に入りたいと思います。最初の発表は、北海道ブロックの代表、札幌市立円山小学校の5年生、赤祖父ゆず香さんです。ステージへどうぞ。

では、赤祖父さん、早速発表をお願いします。

赤祖父さん

このサミットに挑戦しようと思って、早速、小料理屋をしているおばあちゃんの店へ行って、郷土料理のことを聞きました。おばあちゃんは、うれしそうに郷土料理のことをたくさん教えてくれました。

石狩鍋は、石狩市で漁師が鍋に鮭のぶつ切りと野菜を入れて、みそ仕立てで食べたのが始まりと言われています。北海道産コンブでだしをとり、広い大地で育った野菜に、とれたての鮭を加えた地産地消のところが自慢です。

お母さんが、おばあちゃんから鮭のあらを使って作ることを教わり、25歳くらいの時、一緒に作ったそうです。お母さんは食材を無駄にしないように、また旬の鮭のパワーをもらえるようにと、キッチンで石狩鍋を作りながら教えてくれました。

北海道は昔、蝦夷地と呼ばれ、アイヌの人が住み、鮭を神様からの贈り物と考えていました。鮭は、産まれた川のにおいを覚えていて、ふるさとに帰ります。その鮭で作る石狩鍋は郷土料理にぴったりと、私は思いました。

4年生の社会の学習で、アイヌの人は、鮭を神様からの贈り物と考えていたことを知ってから、もっと鮭を調べたくなり、昨年9月から数回、石狩漁港に漁の様子を見学に行きました。

上の写真は、少しびっくりさせてしまいますが、今年8月にベニマスの稚魚の解剖に参加したら、今度は大きな鮭に挑戦したくなり、石狩漁港の朝市でメスの鮭を1匹買ってもらいました。

朝市で買った鮭を、お父さんに手伝ってもらい、三枚おろしにしました。イクラづくりにも初挑戦しました。1本の鮭で、お母さんと一緒に石狩鍋や二色丼などを作りました。

石狩鍋の作り方を、おばあちゃんとお母さんに聞きました。おばあちゃんからはプロのわざを聞けて、お母さんからは鮭や石狩鍋のよいところを聞けました。

11月15日、私の学校の給食の献立が石狩鍋でした。学校でも郷土料理を大切に思う気持ちを持つように取り組んでくれていることを知り、感動しました。

「皆さん、いらんからぷて」。突然でしたが、「いらんからぷて」とは、アイヌ語で「こんにちは」という意味です。北海道は昔、蝦夷地と呼ばれていたころからアイヌの人が住んでいました。今回、家族で北海道の郷土料理について話していた時、私はひらめきました。それは、石狩鍋でした。私は、鮭が入る石狩鍋を大切に思う気持ちがありました。札幌の小学生は、4年生の社会でアイヌのことを勉強します。昨年勉強した時、アイヌの人は鮭を神様からの贈り物と考えていたことや、アイヌの人は食べ物を必要な分だけしかとらないことを知りました。それ以来、神様の贈り物の鮭が気になり、石狩の漁港や鮭の加工工場や鮭祭りにも行くようになりました。鮭祭りの会場で、鮭は産まれた川のにおいを覚えていて、三、四年後にふるさとの川に戻ってくることを知り、ふるさとに帰ってきた鮭を使って作る石狩鍋は郷土料理にぴったりだと思い、早速おばあちゃんに石狩鍋について聞きにいきました。

私のおばあちゃんは76歳で、今も現役で小料理屋をしています。いつも朝から夜まで仕込みに追われているおばあちゃんですが、いつも美味しいお料理を食べさせてくれます。おばあちゃんは秋田出身なので、きりたんぽ鍋やだまっこ汁などの郷土料理も食べさせてくれます。いつもおばあちゃんの料理をする姿を見ているのですが、今回、石狩鍋の作り方を聞くと、とてもうれしそうにプロのわざを教えてくれました。

石狩鍋の質問がうれしかったのか、次の日、詳しいことを手紙にして渡してくれました。いつもおばあちゃんは忙しそうなので、質問するのも遠慮していたけど、これからはどんどんイカ飯やジンギスカンの秘伝のたれの作り方も習おうと思いました。

お母さんは、「三姉妹には料理好きでお嫁に行ってほしいわ」が口ぐせです。なので、お母さんは、私が3歳くらいから台所でお手伝いをさせてくれました。ふだんから、おばあちゃんから伝わるお料理や隠し味を教えてくれますが、今回、石狩鍋を一緒に作り、いろいろ教えてくれました。お母さんは食材を無駄にしないように心がけていて、石狩鍋は特に鮭の身、あらなど、残すところがなく使えるので、地球に優しいエコな鍋と教えてくれました。

石狩鍋は、石狩市で約100年くらい前に誕生した鍋と言われていますが、ルーツは、アイヌの人が鮭と野菜を煮込んだのが始まりとも言われています。

石狩市は、秋祭りに千人鍋といって、とても大きな鍋で石狩鍋を作って、1杯100円で食べさせてくれたり、9月15日に石狩鍋の日という記念日もあり、石狩鍋を大切に守ろうとしています。

私の学校も、先日の給食で石狩鍋が出ました。私は、石狩鍋を勉強していたので、前よりもっと好きになり、学校の郷土料理を大切にする気持ちを育てる取り組みにもうれしく感じました。

また、こどもサミットに応募した内容を担任の先生に見てもらうと、「石狩鍋について自然からちょうだいするという心を忘れず、大切に無駄なく食べるようにしたいですね」とメッセージカードをいただきました。

今回は、石狩鍋を通して家族の会話が広がり、よい経験が出来ました。アイヌの人が着ているアツシという着物の刺しゅうは、母から娘に受け継がれるものだと勉強しました。私も石狩鍋の作り方をお母さんが私に教えてくれたように、私がお母さんになった時、自分の子供に伝えていきたいです。

後藤氏

赤祖父さん、ありがとうございました。

さあ、赤祖父さんの発表に対して、審査員の皆さんからコメント、あるいは質問でも結構ですね。熊倉さん、いかがでしたか。

熊倉氏

いや、のっけから、こんな素晴らしい発表を聞いちゃうと、後どうやって点つけていいのかなと迷ってしまいました。とってもよくまとまってますね。しかもフリップがすごくきれいに書けて、あれはご自分で書いたんですか。

赤祖父さん

はい。

熊倉氏

とってもきれいに書けていて、関心しました。

後藤氏

ありがとうございました。

羽田氏

ありがとうございました。北海道ブロック代表、赤祖父さんに大きな拍手をお願いいたします。

後藤氏

トップバッターって、ほんと緊張するんですけどね。

羽田氏

ねえ。でも、すごく落ち着いて堂々と、とても心が洗われました。

後藤氏

よかったですね。

羽田氏

それでは、続いての発表は東北ブロック代表、福島県下郷町立江川小学校5年生、星美咲さんです。ステージへどうぞ。

では、星さん、それでは早速発表の方、お願いいたします。

星さん

「あなたの町の名物は」と聞かれたら、多くの町民が、このしんごろう、小づゆ、そば、アユの塩焼き、ニシンの山椒づけと答えることと思います。昔から伝えられてきた味だからこそ、郷土料理として残っています。

しんごろうは、町の素晴らしい宝です。新米と言えば、しんごろうです。新米の収穫が済んだ農家では必ず振る舞われます。ジュウネンみその味の染み込んだ風味は格別です。いろりを囲み、焼きながら食べます。しんごろうは、作った人の名前をとって名づけられました。貧しくて、神様に供える餅がなかった時に作られました。貧しくとも豊作への感謝を忘れなかった先人の知恵と工夫が詰まった、愛し伝えられ続けたものです。

今年も多くの町民は、秋の収穫を祈って家族でしんごろうを味わったと思います。この一つのしんごろうを食べるまで、100人もの手がかかっています。町内の農家によれば、今年の新米の出来は上々で、町中、笑顔いっぱいです。

私の住んでいる福島県下郷町の郷土料理を知ったきっかけは、両親や祖母から聞き、また学校の総合的な学習の時間に、下郷町の郷土料理をテーマにして調べ学習をしたことでした。そこで下郷町の郷土料理として一番食べられているのが、しんごろうだということを知りました。ほかにも小づゆやニシンの山椒づけなどの郷土料理を知ることも出来ました。

調べたことをもとに、実際に店に見学に行き、作り方を学んだり、食べたりもしました。

しんごろうの名前の由来や、作るまでの大変な苦労も知りました。しんごろうの味や素晴らしさは、昔からの伝統料理で、ここでしか味わえない世界一の郷土料理だと改めて思いました。

それから、私はもっともっとしんごろうについて知りたいと思い、町の歴史の本やインターネットで調べてみました。しんごろうは、炊いたご飯を棒でついて、粘り気を出して丸めます。そして、ジュウネンと呼ばれるエゴマを炒って、みそ、砂糖、醤油を入れて、すり鉢ですったものをたっぷりつけて、新米が出来た時期に食べるのが一番美味しいとされ、今が旬です。

みそとなるジュウネンは、収穫が難しく、一日から三日しか収穫に最適な日がないと言われています。その収穫の日を見極めるのは、やはり長年携わってきたおじいちゃん、おばあちゃんたちです。だからこそ、ありがたく、また受け継いでいかなければならないものだと思います。

さらに、しんごろうには、しんごろうのように粘り強く、甘さと同じに優しく元気に育ってほしいという願いも込められているそうです。私は、しんごろうという郷土料理は、どんな食べ物にも負けない栄養と知恵と工夫が詰まった、素晴らしい食べ物だと思います。

今月初めに学校の文化祭がありました。私のクラスでは、郷土料理のしんごろう、小づゆ、リンゴジャムを自分たちの手で作り、みんなに試食してもらう、うまいもの祭りを行いました。お客さんは、みんな笑顔で食べてくれました。そして、郷土料理の素晴らしさがよく伝わってきました。うれしかったですとか、皆さんが郷土料理を受け継いでくれて、ほっとしました。これからも自分のふるさとを誇りに思い、大切にしてくださいねなどと、たくさんの声をかけていただきました。私はとってもうれしくなりました。郷土料理は、やっぱり人と人、人とふるさとをつなぐ大切なものだと強く感じました。

しんごろうは、古くから愛されてきた下郷町の郷土料理です。現代風に言えば、B級グルメの筆頭です。下郷町民は、しんごろうを食べ、楽しい会話をし、豊作に感謝しながら家庭で味わい、家族みんなが笑顔になったはずです。

このようにしんごろうだけでなく、日本各地には昔から伝えられて大事にされてきた郷土料理があると思います。郷土料理には、その地域の風土に基づいた物語があります。それはきっとほかの地域では作られない、かけがえのないものです。先人が愛し、伝え続けた素晴らしい宝です。これからの未来を作る私たちは、新しいものを作り上げていくことも大切ですが、こういった郷土料理のように先人の知恵と努力が詰まった宝を大切に守り続け、伝える役目もしなければならないと思います。

私は、郷土の味を未来につなげていくことが出来るように、郷土料理の素晴らしさを広めていきたいと思います。家族や友達、観光客、そして、将来の自分の子供にまで、由来などの歴史を含めて、作り方、味などを伝えていきます。

私は、旅行に行ったところで、その土地の郷土料理を食べてみたいと思います。皆さんも、ぜひ下郷町に来てみてください。そして、美味しい郷土料理を味わってみませんか。下郷町の自然の素晴らしさ、人の温かさも一緒に楽しめること、間違いなしです。

後藤氏

星さん、ありがとうございました。

今の星さんの発表に対して、審査員の皆さんに伺ってみたいと思います。村田さん、いかがでしょうか。

村田氏

しんごろうを食べてみたいと思いましたね。ゲンゴロウは知ってるんですけど、しんごろうは知らん。

後藤氏

あれは食べられません。

村田氏

すごいですね。観光協会の役員さんよりも、すごいです。

羽田氏

素晴らしい。

村田氏

下郷町にも行ってみたいですよね。ほんとに、そう思いました。素晴らしいプレゼンテーションだったと思います。ありがとうございました。

星さん

ありがとうございます。

羽田氏

ありがとうございました。東北ブロック代表、星さんに大きな拍手をお願いいたします。

ほんと、下郷町、行ってみたいですね。

後藤氏

ぜひ行ってみたくなりましたね。

羽田氏

それでは、続いての発表は、関東ブロックの代表、栃木県宇都宮市立横川東小学校6年生、齋藤健さんです。ステージへどうぞ。

齋藤さん、それでは早速、発表をお願いします。

齋藤さん

栃木の郷土料理と聞いて、僕は一つしか浮かびませんでした。でも、家族や近所の人に聞いてみると、ふだん食べているものや給食に出てくるすいとんも郷土料理であるということに、とても驚きました。

栃木の郷土料理といえば、誰もが口をそろえて、しもつかれと言います。正月や節分で残った食材で作るこの料理は、究極のエコ料理であり、栄養満点、風邪知らずの僕が大好きな栃木県自慢の郷土料理です。

しもつかれを作るのに欠かすことが出来ない道具は、鬼おろしです。これは竹で出来ていて、すっている時は、ガリガリッという音がします。これのおかげで、子供からお年寄りまで美味しく食べられる無病息災を祈る究極のエコ料理です。

しもつかれは、平安時代に栃木県に伝わりました。1200年以上も前から食べられていたのかと思うと、しもつかれの歴史の重さを感じます。そして、僕も今、しもつかれの歴史を重ねているのかと思うと、とてもうれしいです。

しもつかれのキーワードは、まさにエコ料理、栄養満点、そして地域のきずなです。この三拍子そろったしもつかれこそ、人類、世界、そして地球を救う最高の郷土料理だと僕は心から強く思います。

僕の住む栃木県には海がありません。でも、そのかわりに温暖な気候と豊かな土があり、そのおかげで美味しい農作物がたくさん出来ることを知りました。そして、その農作物が、しもつかれやカンピョウ料理、耳うどんやいとこ煮といった栃木県の郷土料理の主役となっていることを知りました。「栃木の郷土料理って何」と聞くと、誰もが口をそろえて「しもつかれ」と言います。今、僕は栃木の人ならば知らない人はいない郷土料理の王様しもつかれを、一人でも多くの人に知ってもらいたい、食べてもらいたい、改めて、そう強く願っています。

しもつかれは、平安時代に下野の国、今の栃木県に伝わったと言われています。材料は、お正月に残った塩ジャケの頭、節分で余った大豆、冬の大根に人参、栄養豊富な酒粕、油揚げ、つまり残り物を上手に使った究極のエコ料理です。

毎年、2月の初午の日に作られる栄養満点のこの料理は、鬼おろしと呼ばれる竹で出来たすりおろし器でおろすので、とても軟らかく、子供からお年寄りまで、誰にとっても食べやすい料理です。

鬼おろしは、別名がりがりおろしと言って、しもつかれを作る時には欠かせない道具です。すっている時は、ガリガリッという音がします。この鬼おろしですった大根と人参を大きな鍋に入れ、シャケの頭と一緒に煮て作ります。

栃木県では、昔から2月の初午の日にしもつかれを作り、赤飯とともに稲荷神社に供え、家族全員の無病息災を祈ってきました。祖母は僕に「7軒の家のしもつかれを食べると病気にならないと言われているんだよ」と教えてくれましたが、その言い伝えの通り、それぞれの家庭で作られたしもつかれは、近所の人たちと分け合う風習があり、それは今でも続いています。そのため近所同士がとても仲よしです。

僕の家にも、この季節になると近所や親戚の人たちから、しもつかれが届きます。おもしろいことに、その家によって、それぞれ味が違います。その家その家のしもつかれの味があるのです。

そして、僕の住む栃木県の学校では、初午の日に給食にしもつかれが出ます。温かい赤飯と冷たいしもつかれの組み合わせは絶妙です。年に一度しか出ないことが残念なほどです。

このように究極のエコ料理でありながら、栄養満点のしもつかれが僕はとても大好きです。どれくらい栄養満点かというと、このしもつかれを食べて育った僕は病気知らず。その証拠に、小学校へ入学してから今日まで、学校を一日も休んだことがありません。まさに、無病息災を祈るしもつかれのおかげです。

地球温暖化や異常気象による食料危機が心配される今、しもつかれの活躍が期待されます。なぜなら、しもつかれは正月や節分に余った食材を使う究極のエコ料理だからです。決して高価な材料ではなく、どこの家にもある材料で、しかも余りものという食材で作ることが出来るなんて、この上ない最高のエコ料理だと僕は思います。

また、東日本大震災以降、地域のきずなが強く求められるようになりました。近所で分け合うしもつかれの文化は、このきずなを深めることにも役立ちます。

このように、しもつかれは地域のきずなを深め、食料危機に立ち向かい、世界を救う、栃木県自慢の最高の郷土料理です。祖母から母へ、母から僕へとつながれた人類、世界、そして地球を救うしもつかれの成果を、一人でも多くの人の心にともしていきたい、そう強く願っています。

世界の人々が、この郷土料理の素晴らしさ、大切さを肌で感じられたならば、きっと世界中がしもつかれのともしびでいっぱいになることでしょう。僕は、僕の心に宿るしもつかれのともしびを、一人でも多くの人たちにともし、これからの未来を、しもつかれの聖火ランナーとして走り続けていきたいと思います。世界を救うしもつかれ、ぜひ皆さんも召し上がってみてください。きっと、しもつかれのともしびが、心も体もぽっかぽかにしてくれるに違いありません。

今日この日がスタートです。無病息災、究極エコ料理、人類、世界、そして地球を救うしもつかれの成果を胸に、今僕は出発します。栃木から世界に羽ばたけ、しもつかれ。ありがとうございました。

後藤氏

齋藤さん、ありがとうございました。

スケールが大きかったですね。では、審査員の方に伺います。向笠さん、いかがでしたか。

向笠氏

齋藤さん、素晴らしいですね。

齋藤さん

ありがとうございます。

向笠氏

栃木に伺うと、若い方からは、うちで作るけど、ちょっと苦手なんですよという声を私も随分取材で聞きました。齋藤家のように、やはりおじいちゃま、おばあちゃまがいらして、昔からの言い伝えなどをお孫さんたちに伝えていらっしゃる環境だと、しもつかれの愛が育まれていくものなんだなと感動いたしました。

それと、酒粕が入ったり、大豆、それから鮭の頭からのDHAとか、ほんとに体にいいものずくめです。一見見たところ、ほんと地味な色合いなんですが、実は素晴らしいお味なんですね。

齋藤さん

はい。

向笠氏

もし会場の皆様、初めて後ほど目の当たりにされて、えっと思うかもしれない。でも、食べ込んで、食べなれていくと、じわじわと美味しさが伝わってくるものですね。

齋藤さん

はい。

向笠氏

ほんとうにありがとうございました。

齋藤さん

ありがとうございます。

羽田氏

ありがとうございました。関東ブロック代表、齋藤さんに大きな拍手をお願いいたします。

しもつかれに地球を救ってもらいましょう。

後藤氏

そうですね。

羽田氏

それでは、続いての発表です。北陸ブロック代表、富山県魚津市立上中島小学校6年生、石倉美佳子さんです。ステージへどうぞ。

石倉さん、それでは発表お願いいたします。

石倉さん

私が紹介する料理は、焼きつけです。私が小さい時から作ってくれているばあちゃんに聞きました。ヨモギがとれる春に食べます。白玉粉、餅粉に混ぜて焼きます。甘いみそだれをつけると、とても美味しいです。

私の住む魚津では、たくさんの山菜がとれます。毎年春になると、家族全員で山へ出かけるのが楽しみです。その時にとったヨモギで、ばあちゃんが作る焼きつけは、山の風味がして、一口食べると、家族みんなが笑顔になります。

ばあちゃんが小学五、六年生のころ、ひいばあちゃんに習ったそうです。ヨモギをタンサンという、あくをとり、きれいな緑色にするための粉でゆで、餅粉、白玉粉でよくこね、フライパンで焼きます。みそだれをつけて食べます。

ヨモギは、別名餅草、春に新芽をつんで、ゆでて使うことが分かりました。おきゅうにも使われ、止血作用もあります。若い芽を干して煎じて飲むと、腹痛や下痢、貧血にもよいそうです。体にとてもよく、いろいろ使われています。

ばあちゃんと焼きつけ。私が住んでいる魚津市は、自然がいっぱいです。車で30分ほど行ったところに、うちの山があります。雪が溶けて春になると、家族全員で山へ行きます。お父さんが杉の木の手入れをしている時に、ばあちゃんと、エラ、ゼンマイ、ワラビ、ウド、ヨモギなど、いろいろな山菜を教えてもらいながらとります。

幼稚園のころから一緒に行っていますが、そのころは行くたびに転んで、服を汚していました。最近は転ばなくなり、上手に山道を歩くことが出来るようになりました。降りる時は、今でも少し怖いですが。

山に行った数日後、台所からドンドンと音がしました。何だろうと思い、台所に行ってみると、ばあちゃんが力いっぱい餅をこねていました。「もうちょっとしたら、美味しいものあげるちゃ。待っとられ」と言っていました。しばらくすると、焼きつけが出来上がりました。食べると、びっくりするほど美味しくて、何個も食べました。今年もヨモギをとってきた後、台所で焼きつけを作っていたので、「私にもやらせて」と言って、ばあちゃんに教えてもらいながら、焼きつけを作ってみました。こねる時は、とても力が要るし、なかなかまとまらず、難しかったです。ばあちゃんは上手に作るので、さすがだなと思いました。

ばあちゃんが子供のころは、お父さんが石臼を使い、米を粉にしたものと、お母さんがとってきたヨモギで作ってくれたそうです。今の私たちの食べ物は、ほとんどお店で買ってきた材料を使って料理しています。でも、ばあちゃんが子供のころは、山でとってきたものや、田んぼ、畑で作った米や野菜などを使って料理していたんだなと改めて思いました。

また、昔は砂糖が貴重だったので、今と違って、焼きつけにはみそだけを塗っていたと聞きました。

今では冷凍庫があるので、焼きつけを冷凍保存しておくことが出来ます。だから、ばあちゃんに「焼きつけ食べたいな」と言うと、いつでも作ってくれるし、食べることが出来ます。また、ヨモギはとても体によいということを知りました。そのヨモギを使っている焼きつけは、美味しいだけでなく、体にとてもよいということが分かりました。

このようなことから、前よりも焼きつけがもっと大好きになりました。この美味しい焼きつけは、私が私の子へ、そして子が子へとずっと伝えていってほしいです。

小学校で、私は調理クラブに入っています。そこで作って学校のみんなにも食べてもらいたいと思っています。そして、この焼きつけが広まるとうれしいです。

来年も家族みんなで山へ行き、ヨモギをたくさんとってきて、ばあちゃんと一緒に美味しい焼きつけを作りたいです。

後藤氏

石倉さん、ありがとうございました。

石倉さんの発表に審査員の皆さん、どんなふうに。清さん、お願いします。

清氏

すてきな発表ありがとうございました。ご家族で山に行かれている楽しそうな様子がちょっと伝わってきて、いいなと思いながら聞いてたんですけど、うちの山で山菜をとられるとおっしゃってたんですけど、おばあちゃんの山っていうのがあるんですか。そういうわけじゃない。

石倉さん

自分ちが全部。

清氏

山なんだ。へえ、すごい。いいなと。

後藤氏

すごいですね。

清氏

ねえ、うらやましいと思って聞いてました。これからも毎年おばあちゃんたちと山に通ってほしいなと思います。ありがとうございました。

石倉さん

ありがとうございました。

後藤氏

ありがとうございました。

羽田氏

ありがとうございました。北陸ブロックの代表、石倉さんに大きな拍手をお願いいたします。

焼きつけ、食べたくなりましたね。

後藤氏

そう。焦げつきは要りませんけども、焼きつけは食べてみたいですね。

羽田氏

焦げつきって何ですか。

後藤氏

時々、あの。

羽田氏

時々ちょっと出るんですよね。

後藤氏

はい、そうなんです。失礼しました。

羽田氏

失礼しました。

それでは、続きまして、5番目の発表です。東海ブロックの代表、愛知県大府市立石ヶ瀬小学校5年生、中尾清敏さんです。ステージへどうぞ。

では、中尾さん、それでは発表の方をお願いいたします。

中尾さん

こちらのスクリーンをごらんください。5種類の料理があります。東海地方の郷土料理は、皆さんがよく知っている料理がたくさんありますね。でも、今日僕が発表する料理は、皆さんには初めてお目にかかるものかもしれません。それは、おこしものです。地元では、おこしもんとも呼ばれる郷土料理の語源は、この木型に入れて外す時、コンッコンッとたたいて起こすところから来ているとも言われています。僕も大好きで、ひな祭りが毎年待ち遠しいです。

僕が最も言いたいことは、ここ。おこしものは、おひな様の行事食でもあり、郷土料理でもあるということです。それを次世代に伝えていくために、流行に乗せて伝えるのではなく、地域や学校が僕らに残していく工夫をしているというところです。

では、どんな食べ物なのか。米粉をこねて蒸した餅のようです。どうぞ皆さんも後ほど会場内で試食コーナーがありますので、ぜひお召し上がりください。そして、興味を持っていただいたら、作り方も覚えていってください。

米粉を熱湯でこねて、代々家に受け継がれてきた型にとって色をつけて蒸し上げます。とっても簡単ですよ。僕にでも作ることが出来る郷土料理なので、ぜひ皆さんにも作ってもらいたいです。みんなで楽しんで、作ってください。

短い時間ですが、少しでもおこしもののことを知っていただけたでしょうか。我が町の文化遺産でもあるおこしものを、これからも伝えていきたいです。この後の作文も、僕の思いを込めて発表します。ありがとうございました。

僕の町の郷土料理「おこしもの」。愛知県大府市立石ヶ瀬小学校5年、中尾清敏。

「あなたの町の郷土料理は」と聞かれて思い浮かぶものはたくさんあります。この地方では、きしめん、ひつまぶし、みそ煮込みなどです。しかし、それらはこの地方の有名な料理であり、日常食でもあるので、僕も大好きで、よく食べます。しかし、家庭で作れる郷土料理ではありません。郷土料理というのは、食材を聞いた時、それぞれの食材から、その地方の情景が浮かんでくるものだと思います。魚を主材料としているものなら海や川、野菜や肉なら山や里の地方などとイメージが膨らみます。

僕たちの国に限らず、郷土料理には、昔から食材を長期間食べることが出来るような知恵が生かされています。干したり、塩漬けしたりすることで、長く貯蔵することが可能となり、よりうまみを楽しめるものが多いのです。その地にあるものを上手に使って、大切に食べ切るという美しい精神が、そこにはあるのです。心が豊かになる温かさに満ちていると僕は思います。

僕の住む町、愛知県大府市は、名古屋市と隣接し、知多半島のつけ根にある市です。毎年、おひな様の時期には、保育園や公民館で地域のおばさんたちに、おこしものを教わり、みんなで食べる会があります。僕が調べたところ、順に名古屋市南部から大府市、東海市中部より南部、常滑市、知多市、半田市で確認されました。

おこしものの歴史については、最高齢94歳のおばあさんにお伺いしたところ、そのおばあさんのおばあさんから教わったと聞きました。名古屋市史によると、起源は江戸後期、尾張藩武士のお膳に上がっているものであったそうです。この地域では、昔から米を貯蔵する知恵として、収穫した米の一部を石臼で米粉にしていました。その米粉でおこしものを作って食べていたのです。その後、庶民の暮らしの中に普及して、ひな祭りの行事食としておこしものを家族や友達と作って食べ、自分たちの郷土の宝として伝承し、現代まで伝わったのだと思います。

郷土料理が季節の行事食として変化したことは、現代に古きよき郷土料理を残していくための知恵の一つでもあり、僕たちの地方では、それを実践してきました。

それでは、なぜおこしものは、ひな祭りの行事食になったのでしょう。保育園の先生や地域の方にお話を聞いて気がついたことは、おこしものを作っているのは男性ではなく、主に女性だということです。おこしものは、見た目と食感はお餅に似ています。しかし、餅つきは元来、男性の仕事でした。おこしものは、米粉を熱湯でこねて作るものですが、女性が作っていたものだったのです。そういうところから、女の子のイベントであるひな祭りの準備として、女性たちがひな人形を出したり、お菓子を供えたりする中で、おこしものづくりが広まっていったのだと思います。

もう一つは、ひな祭りは女性たちにとって特別な日ではなかったかという点です。武家の男性だけが食べることが出来るおこしものを、この日だけは女性も食べることが出来たのではないかと思います。

食生活が豊かになることによって、高級で美味しいものばかり大事にされている気がします。どの地方の郷土料理にも共通する点は、決して高級食材ばかりではないというところです。つまり、地元でとれる食材を使い、その地方で調理されることこそが尊いのです。これは地産地消という言葉が生まれる前から実践されてきたことでした。その地の食材に手をかけることに目を向けてほしいのです。

さらに、食べるだけでなく、作る楽しみを感じることも大切です。みんなで作って、みんなで食べると、どんな料理もごちそうです。そんな食べるという基本的な幸せを、郷土料理は私たちにもたらしてくれるのです。

日本の食文化が、和食としてユネスコ無形文化遺産に登録申請されたこの機会に、僕は地域の子供たちだけでなく、日本全国、そして一気に世界の皆さんにおこしものの魅力を伝えたいです。節分で恵方巻きが関西から全国に広がって行事食として定着したように、プロの料理人にもおこしものづくりを体験してほしいし、お店でも食べてみたいです。

今日の発表が、僕の大好きなおこしものを皆さんに知っていただく貴重なチャンスでもあるのだと、声を大きくして言いたいです。そして、このようなチャンスを与えてくださった日本全国こども郷土料理サミットを今後も続けていってください。

いつも何となくだったおこしものが、これほどまでに郷土に根づき、愛されていることを知ることが出来た僕の発表を最後まで聞いてくださった皆様、おこしものについて教えてくださった皆様に感謝の気持ちを述べさせていただき、僕の発表といたします。ありがとうございました。

後藤氏

中尾さん、丁寧な発表、ありがとうございました。

それでは、この中尾さんの発表に対して、審査員のグッチ裕三さんにお願いいたします。

グッチ氏

中尾君、君、相当いいね。内容よりもね、君のキャラクターにやられたよ。

中尾さん

ありがとうございます。

グッチ氏

君、どっちかというとタレント向きだ。こっちから見てるとね、物産展の責任者みたいだよ。しゃべり出した時は、子供だかおやじだか、分かんなかったよ。そのアクションは、これは誰かに習ったの。こういう、うわっと、たまにびっくりするようなことをやるけど、あれはどうしたの。習ったの。

中尾さん

あれは、もう僕が考えました。

グッチ氏

素晴らしいね。いやあ、ほんとにね、どんな子なのかって考えてて、内容が全然頭に入ってないんだよ。いやあ、参ったな。説得力あるんだけど、内容が入ってこないんだよ。でもね、今、はっぴを着させたら日本一似合うよ。

とってもハッピーでした。ありがとうございました。

中尾さん

はっぴだけに、ハッピー。

羽田氏

ありがとうございました。東海ブロックの代表、中尾さんに大きな拍手をお願いします。

ほんとハッピーですね。

末は社長か。

後藤氏

ほんと、社長さんみたい。

羽田氏

社長さんみたい。何か怒られちゃった感じが。

以上、地区代表の発表が終わったところで、ここで10分間の休憩をとらさせていただきます。

後藤氏

審査員の皆様には、ここで中間審査をお願いいたします。

また、私たち、そしてグッチ裕三さんは、会場入口の郷土料理コーナー、今、中尾君からも、おこしもの、会場で食べられますよという案内がありましたけれども、郷土料理コーナーで子供たちが発表してくれた郷土料理、作っていただいておりますので、裕三さん、一緒にお願いいたします。

その様子を、この会場のスクリーンで映しますので、どうぞ皆様も映像でお楽しみいただければと思います。

それじゃ、参りましょうか。

羽田氏

はい。

(休憩)

後藤氏

皆さん、お待たせいたしました。ほんとうにいいにおいが、こちらまで来ますよね。美味しかったですね。「日本全国こども郷土料理サミット」、再開させていただきます。

羽田氏

それでは、後半の発表に入ります。

6番目の発表は、近畿ブロック代表、兵庫県姫路市立手柄小学校6年生、山口七実さんです。ステージへどうぞ。

いいですか。では、山口さん、発表をお願いします。

山口さん

私が住む町、兵庫県姫路市の郷土料理について調べました。その一つ「ばちじる」は、兵庫県の特産品のばちを使った、冬によく食べるお汁です。ばちは、そうめんを作る時に出来るそうめんの端っこの部分です。そうめんづくりは寒い冬です。このように郷土料理で季節を感じることが出来ます。

「姫路おでん」に、「しょうが醤油」は欠かせません。手づくりの野菜や、姫路のかまぼこ工場で作った練り製品をたくさん使ったおでんです。ずっと昔から姫路で親しまれ、なくてはならない郷土料理の一つです。

私の94歳のひいばあちゃんは、昔、おでん屋さんをしていました。その味を受け継いだのがおばあちゃんです。おばあちゃん自慢のしょうが醤油には、おろしたゆずの皮が入っています。オリジナルだそうです。いつもたっぷり作るので、二、三日は鍋にあります。3日目、残ったおでんの具を小さく切って、しょうが醤油を少しかけてお好み焼きにして食べると、とっても美味しいです。我が家のとっておきのごちそうに再び変身します。

私は、姫路おでんについて調べることでいろいろな発見をしました。まず、作る人の思いや願いに気づきました。いつも私のために作ってくれるおばあちゃんの姫路おでんは、私や家族を思う優しい気持ちが詰まっています。冬が旬の大根はもちろん、春にとれるジャガイモは冬まで置いておくことが出来るように倉庫に貯蔵してあります。家族のために一生懸命です。そして、おばあちゃんこだわりのゆず入りのしょうが醤油は、風邪予防になる上、体もぽかぽかと温かくなります。だから、おばあちゃんは、私に何度も何度も「たっぷりかけて食べよ」と言ってくれていたのです。

また、姫路の歴史や特産物について学ぶことも出来ました。姫路の南の方にある白浜というところは、昔、有名なしょうがの産地だったそうです。そして、姫路の隣にあるたつの市には、400年前から続いている醤油工場があります。姫路の特産物のしょうがと、昔からある醤油工場のいいところが合わさって、しょうが醤油が生まれたのです。私は、なるほどと思いました。

私の小学校では、給食で姫路おでんが時々登場します。給食の先生の話では、大根は姫路でとれたもの、ちくわは姫路にあるかまぼこ工場で作られたもの、厚揚げも姫路のお豆腐屋さんで作られたものを使っているそうです。身近なところで作られたものだから、新鮮で、味もよく、安心して食べることが出来ます。

姫路には、美味しい郷土料理がたくさんあります。なぜなら、姫路は瀬戸内海に面しています。世界一美しい姫路城を中心に、畑や田んぼ、山や川があります。海の美味しい食べ物、山の美味しい食べ物が身近にたくさんあります。このような環境の中で、姫路おでんのように多くの人に愛され続けている郷土料理が生まれたのです。郷土料理は、地域の特産物があってこそ、ずっと伝え続けられている料理なのです。

私は、こんなに美味しく、姫路の特産物が詰まった姫路おでんを、これからも大切にしていきたいです。ひいばあちゃんから続いている畑を手伝ったり、おばあちゃんと同じ気持ちで家族のことを思いながら、姫路おでんを作っていきたいです。そして、日本全国の人はもちろん、ぜひ外国の人にも食べてもらいたいです。だしで炊いて作るおでんは日本食の代表だと思います。野菜や魚、お肉、卵を使ったおでんは、栄養たっぷりの料理です。食べると心も体も温まります。ぜひ、しょうが醤油をたっぷりかけて食べてほしいです。

これで発表を終わります。ありがとうございました。

後藤氏

山口さん、ありがとうございました。

さあ、審査員の方に聞きましょう。熊倉さん、いかがでしたか。

熊倉氏

私が勤めている静岡には「静岡おでん」というものがありまして、真っ黒けのおでんなんですけれども、今のお話を聞いたら、姫路の方がどうも美味しそうですね。とても楽しい発表で、感心しました。ありがとうございました。

山口さん

ありがとうございました。

羽田氏

近畿ブロック代表、山口さんに大きな拍手をお願いいたします。ありがとうございました。

しょうが醤油で食べるんですね。

後藤氏

それがまたお好み焼きに変身したりとかね。

羽田氏

ねえ、すごい。食べてみたいですね。

それでは、続いて7番目の発表は、中国四国ブロック代表、香川県高松市立川添小学校6年生、高木楓夏さんです。ステージへどうぞ。

では、高木さん、早速、発表をお願いします。

高木さん

上から2つ目にある「まんばのけんちゃん」は、まんばという葉をけんちん煮にして食べる料理です。このように、香川には自慢したい郷土料理がたくさんありますが、その中で私が一番自慢したいのは「あんもち雑煮」です。あんもち雑煮とは、白みそのお雑煮の中にあんもちが入っているお雑煮のことで、学校の給食にも出る人気の郷土料理です。

あんもち雑煮が香川でしか食べられないと知った時は、ほんとうにびっくりしました。私の家では、香川の伊吹島でとれたいりこでだしをとります。伊吹いりこは、はらわたを取らなくても臭みのない美味しいだしがとれます。だしをとった後のいりこは佃煮にします。最後まで全部食べ切れるのが伊吹いりこです。お母さんに教えてもらい、あんもち雑煮を作ってみました。自分で作ったお雑煮は特別に美味しかったです。

また、うどん県・香川には、美味しい讃岐うどんもあります。こしが強い讃岐うどんも全国の人に食べてほしいです。

皆さん、想像してみてください。白みそのお雑煮にあんもち、絶対に合わないと思っていませんか。これがほんとうに合うんです。

なぜ、香川ではお雑煮にあんもちを入れるようになったのでしょうか。私の住む香川は、讃岐三白と呼ばれる塩、綿、砂糖づくりが盛んで、その中でも砂糖の生産に力を入れていました。しかし、昔の砂糖は貴重品で、庶民はなかなか口にすることが出来なかったのです。そこで、お正月でもぜいたくがしたいという思いから、お正月に砂糖を使ったあんもちを作り、お雑煮に入れるようになったと言われています。昔の人がお雑煮の中にあんもちを入れてくれたおかげで、あんもち雑煮という郷土料理が生まれ、今の時代の私も美味しいお雑煮が食べられるのです。昔の人の知恵や工夫は、ほんとうに素晴らしいと思います。

また、あんもち雑煮には、地元香川でとれた美味しい食材が詰まっているのも自慢の一つです。先ほど説明した伊吹島のいりこのほかにも、香川が生産量日本一を誇る金時人参も入っています。金時人参は、真っ赤な色をしていて、とても甘味が深く、お正月の時期にだけ食べることが出来る香川伝統の野菜です。この真っ赤な金時人参は、日の出をイメージしてお雑煮に入れられていると言われています。

これまであんもち雑煮についていろいろ紹介してきましたが、私が一番自慢したいもの、それはあんもち雑煮に込められた家族への思いです。あんもち雑煮に入れる材料は全て輪切りにします。それには、今年も家族が円満でいられますようにという、作る人の願いが込められているからです。私のお母さんも、毎年、家族円満の願いを込めてお雑煮を作ってくれています。この家族への思いは、お雑煮の作り方と一緒に、おばあちゃんからお母さんへと受け継がれたものです。香川のあんもち雑煮には、そんな香川県民の家族を思う温かい心も込められています。

私は、今回の発表を通じて、香川の郷土料理であるあんもち雑煮に込められた歴史や思いを改めて感じることが出来ました。そして、私の大好きなあんもち雑煮を全国の皆さんに知ってもらうことが出来ました。私は、香川の歴史と伝統、そして香川の人たちの家族を思う温かい心がたくさん詰まった、あんもち雑煮という郷土料理をこれからも大切にしていきたいと思います。そして、お母さんがおばあちゃんから味と思いを受け継いだように、私も将来、子供が出来たら、あんもち雑煮という素晴らしい郷土料理と、その料理に込められた思いを伝えていきたいと思います。

後藤氏

高木さん、ありがとうございました。

それでは、審査員の村田さん、どんなふうにお聞きになりましたか。

村田氏

あんもち雑煮、最初、僕は、食べたことないと時は気持ち悪いやろうなと。見た目は、京都の雑煮とよく似ているんです。京都も金時人参が入るんです。金時人参って、東京の皆さんがおっしゃっている京人参のことですけれども、京都と香川はよう似ているなという食文化がありまして、食べるとあんこが出てくるというのはちょっと想像つかないでしょう。そやけど、僕も食べましたけれども、美味しいんです。意外に合うんです。えらい意外に合うというので驚いたという経験がありますから、これをうまく説明していただけたなと思います。ご苦労さまでした。ありがとうございました。

羽田氏

中国四国ブロック代表、高木さんに大きな拍手をお願いいたします。ありがとうございました。

意外に合うんですよね、あんことみそが。

後藤氏

そうですね。

あのオリンピックのプレゼンテーションみたいでしたね。

羽田氏

それでは、続いて8番目の発表は、九州ブロック代表、大分県大分市立金池小学校4年生、井上紘志さんです。ステージへどうぞ。

お願いします。どうぞ。

井上さん

いろんな人から郷土料理をたくさん教えてもらったので、おもしろいと思った料理を紹介します。

「オランダ」は方言に関係する名前で、国のオランダとは違います。「あつめし」などの魚の醤油漬けは使う魚で名前が違って、あつめし以外は県外の地名です。

僕が自慢したい郷土料理は「だんご汁」です。小麦粉をコネコネしてビヨーンと伸ばすのが楽しいし、大分の食材がたっぷり入っていて、とても美味しいからです。

調べてみると、地域で違いがあって、おもしろいと思いました。お母さんたちも、おばあちゃんと一緒にだんごを作ったそうです。美味しくなあれとこねます。具だくさんのみそ汁に、平たく伸ばしただんごを入れて出来上がりです。平たいだんごを真ん中で割くのがプロの技です。

暖かい大分県では、お米を作った後に麦も作れるので、麦の文化が発展しています。クレープみたいな「じりやき」など、いろんな食べ物があります。また、昔のだんご汁は肉が入っていなかったそうです。現代に生まれてよかったです。

だんご汁は、戦国時代の有名な武将の大友宗麟も食べていたほど昔からある料理です。また、同じだんごに砂糖ときな粉をまぶすと「やすうま」というおやつになります。もちもちして、美味しいです。

お父さんとお母さんの作り方が違ったので、県内の市役所に作り方を聞いたら、だんごの形や具が違っていました。豚やカボスづくりが盛んな地域はそれを使い、北部は鶏肉を使います。さすが、空揚げの聖地です。

友達を呼んで、みんなでだんごをビヨーンと伸ばすだんご汁パーティーを開くと楽しいです。大人になって県外に出た時に、新しい友達にも教えてあげたいです。みんなも作ってみてください。楽しいよ、美味しいよ、コネコネビヨーン。

大分県は、昔、豊国と呼ばれていたほど海の幸や山の幸が豊富なところです。また、江戸時代に小さな国に分かれていたので、それぞれ違う郷土料理がたくさんあります。初めに紹介した魚の醤油漬けも、たくさんとれる魚を保存する知恵だし、地域ごとに使う魚や料理の名前が違います。オランダも、ほかの地域では「こねり」といいます。

だんご汁も、お父さんとお母さんの家で作り方が違って、お父さんのおじいちゃんが作っていたのは醤油味で、肉が入っていなかったそうです。僕は、豚肉とカボチャ入りが好きです。また、だんご汁は戦国時代の武将も食べていたので歴史が長いです。400年以上前から食べられていたなんて、すごいと思いませんか。

それから、大分県は麦がたくさんとれるので、麦を使った食べ物がたくさんあります。僕は、うどんやお好み焼きも大好きなので、大分県に生まれてよかったです。お父さんも麦焼酎が大好きです。今、大分県は温泉県・大分で売り出していますが、美味しい料理も多いので、ぜひ遊びに来てください。コネコネビヨーンと、たんご汁パーティーを一緒にしましょう。もちろん、みんなのおうちでも家の人やお友達と、だんご汁を作ってみてください。とっても楽しいし、とっても美味しいですよ。

後藤氏

井上さん、ありがとうございました。

コネコネビヨーンについて、審査員の向笠さん、いかがでしたか。

向笠氏

とても楽しい発表で、それから表現力も豊かで感心いたしました。日本はお米の国とよく言われますけれども、小麦を大切に、一生懸命いろいろなお料理に工夫されている地域もいっぱいあって、大分がその代表ですね。「コネコネビヨーン」、この言葉を世界に発信しましょう。どうぞ、頑張ってください。

井上さん

はい。

羽田氏

九州ブロック代表、井上さんに大きな拍手をお願いします。

コネコネビヨーン、流行語大賞にしたかったですね。

後藤氏

そうですね。語呂がいいですよね、コネコネビヨーン。

羽田氏

語呂がいいですね。はい。

それでは、最後の発表になります。発表者は、沖縄ブロック代表、沖縄県八重瀬町立具志頭小学校5年生、仲間英さんです。ステージへどうぞ。

仲間さん、お願いいたします。

仲間さん

沖縄は、たくさんの郷土料理があり、小さな島がだけど、いろいろあるなと思いました。写真は、左から「ピパーツ」「サーターアンダギー」「ふチャンプルー」「ナーベーラー」です。ピパーツは島こしょうで、主に石垣で使われます。

僕が自慢したい郷土料理は「沖縄そば」です。地域ごとにいろいろな呼び名があり、おばさんの実家、石垣島では八重山そば、宮古島では宮古そば、本島でも首里そばや、北部の山原そばなどの呼び名があります。

作り方を教えてくれたのは、保育園の調理のおばさんです。とても親切に教えてくれました。家では市販のスープを使っていたので簡単と思っていましたが、だしからとると時間も手間もかかり、大変だと思いました。

実際に自分で作ってみました。2回もだしをとるので、時間がかかり大変でした。麺は生麺なので、正面の油を落とすぐらいで、ゆでる時間を短くするのがポイントでした。美味しく出来たので、よかったです。

沖縄県でも、南部と北部では麺の太さが違うようです。南の方は北に比べて細く、さらに南の離島はもっと細くなります。僕の予想では、中国のラーメンが離島に伝わり、沖縄そばに変化したのかなと想像しました。

沖縄県民にも、県外の人にも愛されている沖縄そば、県内で1日に19万から20万食も食べられるそうです。沖縄の方言に「そばじょーぐー」という言葉があり、沖縄そば好きの人のことを言います。

皆さん、なぜ沖縄そばと呼ぶか分かりますか。一般的にそばと呼ばれるものは、灰色っぽくて、そば粉を30%以上使った麺ですが、小麦粉だけで作る沖縄そばは、戦後、生麺類の表示の決まりで、そばの名前が使えなくなったそうです。しかし、沖縄そばは戦前から親しまれていた呼び名だったので、変えることは難しいと沖縄県製麺協同組合などが何度も交渉をして、1977年10月17日に沖縄そばと呼ぶことが認められ、翌年、製造方法の細かい規定をクリアしたものに使用出来るようになりました。その日の10月17日は沖縄そばの日になっていて、県内全域の多くの学校給食は沖縄そばが献立になっています。

僕たちの知っている沖縄そばには長い歴史があり、いろいろな人たちが苦労を重ねて、みんなも知っている沖縄そばになりました。麺一本一本、スープ一口一口にも、その味が受け継がれています。

おもしろい発見として、麺の表面は油にまみれています。調べると、製造方法の決まりの一つで、ゆでた麺に油をまぶして自然冷却をして保存性を高めるそうです。昔、冷蔵庫があまりない時代に生まれた知恵のようです。

沖縄そばという呼び名は1つですが、地域によっても、いろいろな麺の太さやスープの味、トッピングなどが味わえます。一般的な沖縄そばは、三枚肉という皮つきの豚バラ肉を甘辛く味つけしたやわらかいお肉がのったものや、ソーキという甘辛く味つけした骨つきの豚バラ肉がのったものですが、もずくのてんぷらがのった沖縄そばや、肉野菜炒めがたっぷりのったボリュームのある沖縄そば、テビチという豚足のったそばもあれば、ゆし豆腐という寄せ豆腐の入った優しいそばなど、県内にはほんとうにたくさんの沖縄そばがあります。

一度食べたことのある人も、食べたことのない人も、沖縄県内各地にいろいろな味を探しに来てみてください。きっと新しい味に会えますよ。ぜひ皆さんも、そばじょーぐーになってみませんか。

後藤氏

仲間さんの発表でした。

さあ、仲間さんの沖縄そばの話、清さん、いかがですか。

清氏

すごく堂々とされていて、とても格好いい発表だったなと思います。私も沖縄そば、好きなので、よく食べるんですけれども、麺の太さが太かったり、細かったり、具もすごいいろいろなものがあるんだなと、今日、教えていただいたので、また食べに行きたいと思います。ありがとうございました。

羽田氏

沖縄ブロック代表、仲間さんに大きな拍手をお願いいたします。ありがとうございました。)

私、沖縄そばの由来を初めて、どうしてかなとずっと思っていたんですけれども、すごいよく分かりました。

後藤氏

それでまた、沖縄そばのほかにも山原そばとか、いろいろな種類があることも分かりました。

羽田氏

ねえ。

 

3.休憩及び最終審査

後藤氏

それでは、ここでしばらくお時間をいただいて、審査の結果を待ちたいと思います。では、皆さん、しばらく休憩の時間とさせていただきます。しばらくお待ちください。

(休憩)

4.審査結果発表

後藤氏

大変お待たせいたしました。こんなに時間がかかるとは思いませんでした。ほんとうに伯仲して、審査員の皆さんの議論が続きました。さあ、その結果をこれから皆さんにお伝えいたします。

審査の集計結果が出ました。まず、郷土料理応援賞の発表です。この賞は、郷土料理の魅力を十分に伝えてくれた皆さんに贈呈されます。羽田美智子さんから発表していただきます。

いよいよ「日本全国こども郷土料理サミット」の結果発表の時間になりました。

まずは、審査をしてくださいました審査員の皆さんにご登場いただきたいと思います。審査員の皆さん、どうぞステージの方にお越しください。

羽田氏

お願いします。

そして、本日発表していただきました9人の皆様も壇上の方にお越しくださいませ。

後藤氏

どうぞ皆さん、拍手でお迎えください。

みんなほんとうにすてきな発表でした。

それでは、審査員の皆さんから、まず一言ずつ感想をお願いしたいと思います。グッチ裕三さんからお願いいたします。

もう皆さん優秀で、お上手で、僕なんて全部満点ですよ。だから、もうほんとうに困っています。特に、彼(中尾君)がいい。キャラクター的には満点でしたね。

清氏

皆さん、すごく堂々と、生き生きと郷土の魅力を伝えてくださっていて、私も新しく教えてもらうこといっぱいだったので、すごく楽しませていただきました。ありがとうございました。

向笠氏

郷土料理というのが、ほんとうに家族の輪、地域の輪をつなぐ素晴らしい存在、ものだということを、本日、改めて認識することが出来ました。また、料理に欠かせない道具であるとか、そういうことまで皆さん調べていらして、その点も関心いたしました。ほんとうにありがとうございます。

村田氏

フランスでは、今、テロワールといいまして、地方料理の見直しというのが盛んに行われています。この子たちの発表を見ていますと、日本でもそろそろ起こりそうやなと、毎年これをやっていただけるとありがたいなというふうに、先生、いかがでございましょう。

熊倉氏

その通りですね。

とにかく皆さん、何とも素晴らしいプレゼンテーションで感動しました。今もお話あったけれども、郷土料理というのはまさに日本、今、ピンチなんですね。そのピンチのところを、この若者たちがやってくれたということが感動ものでした。ありがとうございました。

後藤氏

熊倉さんでした。ありがとうございました。

はい。まずは、郷土料理応援賞の発表です。この賞は、郷土料理の魅力を十分に伝えてくれた皆さんに贈呈されます。これは羽田さんから発表していただきます。

羽田氏

では、ちょっと前の方に失礼します。

発表させていただきます。郷土料理応援賞、初めの受賞者の方は齋藤健さんです。

そして、高木楓夏さんです。

そして、山口七実さんです。

もう一人、石倉美佳子さんです。

後藤氏

おめでとうございます。

それでは、郷土料理応援賞を受賞されました4人の方々に、羽田さんから表彰状を授与させていただきます。

まずは、「しもつかれ」の齋藤健さんです。

羽田氏

 

表彰状

郷土料理応援賞

宇都宮市立横川東小学校6年生齋藤健殿

あなたは農林水産省主催「日本全国こども郷土料理サミット」において郷土料理を応援する素晴らしい作品を発表され審査の結果頭書の成績をおさめられました

日本全国に伝わる郷土食文化への関心と理解を深めることに対する寄与をたたえこれを賞します

今後一層のご活躍を期待いたします

平成25年11月24日

日本全国こども郷土料理サミット審査委員長熊倉功夫

ゲスト審査員グッチ裕三

おめでとうございます。

(表彰状授与・拍手)

後藤氏

おめでとうございます。

受賞者へトロフィーと副賞の授与です。トロフィーと副賞は、グッチ裕三さんからお願いします。

グッチ氏

これだけじゃないんですよ。事もあろうに、僕のサイン入り色紙です。これは縁起物といって縁起がいいんですよ。おめでとうございます。

(トロフィー・副賞授与・拍手)

後藤氏

おめでとうございます。

続いて、鈴木楓夏さんです。

羽田氏

表彰状、郷土料理応援賞、高松市立川添小学校6年生、高木楓夏殿。

以下同文でございます。おめでとうございます。

(表彰状授与・拍手)

後藤氏

「あんもち雑煮」の高木さんでした。

では、トロフィーと副賞はグッチ裕三さんからです。

(トロフィー・副賞授与・拍手)

さあ、続いて山口七実さん、「姫路おでん」を発表してくれました。

羽田氏

同じく、郷土料理応援賞、姫路市立手柄小学校6年生、山口七実殿。

以下同文です。おめでとうございます。頑張りましたね。

(表彰状授与・拍手)

グッチ氏

おめでとうございます。おでん、さっき食べたら美味しかったよ。

(トロフィー・副賞授与・拍手)

後藤氏

おめでとうございます。

続いて、「焼きつけ」の石倉美佳子さんです。

羽田氏

郷土料理応援賞、富山県魚津市立上中島小学校6年生、石倉美佳子殿。

以下同文です。おめでとうございます。

(表彰状授与・拍手)

グッチ氏

おめでとうございます。

(トロフィー・副賞授与・拍手)

後藤氏

おめでとうございます。

郷土料理応援賞を受賞された4人の皆さんに、いま一度、大きな拍手をお送りください。

後藤氏

続いて、調査力賞の発表です。この賞は、家族や地域、学校など、周囲の声や情報に耳を傾けて自分の郷土料理について聞き取り、リサーチをする力にすぐれていた方に贈呈されます。

村田吉弘さんから発表していただきます。

村田氏

赤祖父ゆず香さん。

後藤氏

「石狩鍋」の赤祖父さんです。おめでとうございます。調査力賞を受賞された赤祖父さんには、村田吉弘さんから表彰状をお贈りします。

村田氏

表彰状

調査力賞

札幌市円山小学校5年生赤祖父ゆず香殿

あなたは農林水産省主催「日本全国こども郷土料理サミット」において調査力にすぐれた素晴らしい作品を発表され審査の結果頭書の成績をおさめられました

日本全国に伝わる郷土食文化への関心と理解を深めることに対する寄与をたたえこれを賞します

今後一層のご活躍を期待いたします

平成25年11月24日

日本全国こども郷土料理サミット審査委員長熊倉功夫

ゲスト審査員グッチ裕三

おめでとうございます。

(表彰状授与・拍手)

後藤氏

おめでとうございます。

そして、トロフィーと副賞をお贈りします。グッチ裕三さんからです。

(トロフィー・副賞授与・拍手)

後藤氏

おめでとうございます。赤祖父さんに大きな拍手をお送りください。

続いて、構成力賞の発表です。この賞は、みずから調べた郷土料理に関する情報についてまとめて、発表するための資料を、分かりやすく構成する力にすぐれていた方に贈呈されます。こちらの賞も、村田吉弘さんから発表していただきましょう。

村田氏

構成力賞、井上紘志君。

後藤氏

おめでとうございます。

井上紘志さんは「だんご汁」を発表してくれました。

村田氏

表彰状

構成力賞

大分市立金池小学校4年生井上紘志殿

あなたは農林水産省主催「日本全国こども郷土料理サミット」において構成力にすぐれた素晴らしい作品を発表され審査の結果頭書の成績をおさめられました

日本全国に伝わる郷土食文化への関心と理解を深めることに対する寄与をたたえこれを賞します

今後一層のご活躍を期待いたします

平成25年11月24日

日本全国こども郷土料理サミット審査委員長熊倉功夫

ゲスト審査員グッチ裕三

おめでとう。

(表彰状授与・拍手)

後藤氏

そして、グッチ裕三さんからトロフィーと副賞の授与です。

グッチ氏

おめでとう。

(トロフィー・副賞授与・拍手)

後藤氏

続いて、表現力賞の発表です。この賞は、みずからまとめた郷土料理について、壇上で気持ちを込めて、生き生きと表現する力にすぐれていた方に贈呈されます。向笠千恵子さんから発表していただきましょう。

向笠氏

表現力賞、中尾清敏さん。

後藤氏

「おこしもの」の中尾清敏さんです。

向笠氏 

表彰状

表現力賞

大府市立石ヶ瀬小学校5年生中尾清敏殿

あなたは農林水産省主催「日本全国こども郷土料理サミット」において表現力にすぐれた素晴らしい作品を発表され審査の結果頭書の成績をおさめられました

日本全国に伝わる郷土食文化への関心と理解を深めることに対する寄与をたたえこれを賞します

今後一層のご活躍を期待いたします

平成25年11月24日

日本全国こども郷土料理サミット審査委員長熊倉功夫

ゲスト審査員グッチ裕三

おめでとうございます。

(表彰状授与・拍手)

後藤氏

おめでとうございます。向笠さんから表彰状をお贈りしました。

続いて、トロフィーと副賞の授与です。

グッチ氏

中尾君はね、どこがかわいいのかなと思って、さっきからずっと見ていたら分かったよ。帯の位置がここなんだな。それ、最高。大人になってもそうしてね。おめでとうございます。

(トロフィー・副賞授与・拍手)

後藤氏

中尾清敏さん、おめでとうございました。

続いて、郷土愛賞の発表です。この賞は、みずからの郷土と、その食文化に誇りを持った発表で、全国のみんなの心を動かす郷土愛の強さにすぐれていた方に贈呈されます。こちらも向笠さんから発表していただきます。

向笠氏

郷土愛賞、仲間英さん。

表彰状

郷土愛賞

八重瀬町立具志頭小学校5年生仲間英殿

あなたは農林水産省主催「日本全国こども郷土料理サミット」において郷土愛にあふれた素晴らしい作品を発表され審査の結果頭書の成績をおさめられました

日本全国に伝わる郷土食文化への関心と理解を深めることに対する寄与をたたえこれを賞します

今後一層のご活躍を期待いたします

平成25年11月24日

日本全国こども郷土料理サミット審査委員長熊倉功夫

ゲスト審査員グッチ裕三

おめでとうございます。

(表彰状授与・拍手)

後藤氏

「沖縄そば」の仲間英さんです。

では、トロフィーと副賞です。

(トロフィー・副賞授与・拍手)

グッチ氏

おめでとうございます。

後藤氏

おめでとうございます。郷土愛賞を受賞した仲間さんでした。

続いて、審査員賞の発表です。この賞は、会場の人に自分の郷土の料理、文化について強く鮮やかな印象を残して紹介をする力にすぐれていた方に贈呈されます。清絢さんから発表していただきます。

清氏

審査員賞は星美咲さんです。おめでとうございます。

後藤氏

清さんから表彰状をお贈りします。「しんごろう」の星さんです。

清氏

表彰状

審査員賞

下郷町立江川小学校5年生星美咲殿

あなたは農林水産省主催「日本全国こども郷土料理サミット」において審査員の印象に残る素晴らしい作品を発表され審査の結果頭書の成績をおさめられました

日本全国に伝わる郷土食文化への関心と理解を深めることに対する寄与をたたえこれを賞します

今後一層のご活躍を期待いたします

平成25年11月24日

日本全国こども郷土料理サミット審査委員長熊倉功夫

ゲスト審査員グッチ裕三

おめでとうございます。

(表彰状授与・拍手)

後藤氏

そして、トロフィーと副賞、グッチ裕三さんからです。

(トロフィー・副賞授与・拍手)

後藤氏

星美咲さんでした。

それでは、いよいよ最後となります。総合グランプリの発表です。総合グランプリは、調査力、構成力、表現力、郷土愛、印象点、総合プレゼンテーション力のトータル点で決定をいたします。熊倉審査委員長より発表をお願いします。

熊倉氏

総合グランプリ、普通はここでライトかなんか回るんじゃないかと思いますが、何も回りません。皆さん、ほんとうに素晴らしい方々ばかりですが、総合グランプリとして輝いたのは赤祖父ゆず香さん。

後藤氏

「石狩鍋」の赤祖父ゆず香さんです。おめでとうございます。

羽田氏

おめでとうございます。

後藤氏

それでは、総合グランプリを受賞した赤祖父さんには、熊倉審査委員長から表彰状を授与させていただきます。

熊倉氏

表彰状

総合グランプリ

札幌市円山小学校5年生赤祖父ゆず香殿

あなたは農林水産省主催「日本全国こども郷土料理サミット」において発表者の中で最もすぐれた素晴らしい作品を発表され審査の結果頭書の成績をおさめられました

日本全国に伝わる郷土食文化への関心と理解を深めることに対する寄与をたたえこれを賞します

今後一層のご活躍を期待いたします

平成25年11月24日

日本全国こども郷土料理サミット審査委員長熊倉功夫

ゲスト審査員グッチ裕三

おめでとうございます。

(表彰状授与・拍手)

後藤氏

そして、トロフィーの授与、グッチ裕三さんからです。

(トロフィー・副賞授与・拍手)

羽田氏

おめでとうございます。

後藤氏

今のお気持ち、いかがですか。

赤祖父さん

緊張していたんですけど、皆さんに北海道の郷土料理を伝えることが出来たので、よかったです。

後藤氏

そうですね。作文は随分練習したんですか。毎日。

赤祖父さん

はい。

後藤氏

大変でしたね。でも、よかったね。石狩鍋は、これからも自分で作っていきますか。

赤祖父さん

はい。

後藤氏

じゃあ、今度、石狩鍋を作ったら、誰に食べさせてあげたいですか。

赤祖父さん

いろんなことを教えてくれたおばあちゃんに食べさせてあげたいです。

後藤氏

ねえ、そうだよね。おばあちゃんから、だめ出しが出たらどうしましょう。もっと美味しいのが作れるよね。

赤祖父さんに、いま一度、大きな拍手をお送りください。おめでとうございました。

羽田氏

おめでとうございます。

後藤氏

総合グランプリの赤祖父ゆず香さんでした。

それでは、熊倉審査委員長から全体のまとめのお言葉をいただきたいと思います。

熊倉氏

今日は、長時間にわたりましてこのイベントにご参加いただきまして、誠にありがとうございました。

初めての試みでありましたけれども、ほんとうに素晴らしい発表がありまして、我々も感動いたしました。北は北海道から南は沖縄まで、各地域9ブロック、二百数十人の発表者の中から選びに選ばれまして、今日、ここにいらっしゃった9人の方々です。

この9人の若者たちの発表を聞いておりましたら、いや、なかなか日本の和食は捨てたものじゃない、これからますます期待出来るという気分を皆様もお持ちになったことと思います。どの発表も甲たり乙たりがたしというところでございました。別に優劣はございません。一つ一つが大変印象的な、そして聞いているうちに食べてみたくなるような、そういう発表であったと思います。

この後、外でまた試食も出来るようでございますけれども、そういう日本全国に伝わっております郷土料理、県別の食べ物の聞き書きという本が出ていますけれども、その県別の聞き書き47冊を集めてみますと、全国で1万5,000の郷土料理がある。もちろん、それは重複しているわけでありますけれども、その郷土料理が実は日本人を支えている、日本の食文化を支えているほんとうの力であります。それをこれからも大いに継承し、そして将来に向けて、また世界に向けて、むしろ日本人が食べるということだけではなくて、世界の皆さんにこれを食べていただくというようなことを考えていきたい。

今日は11月24日、和食の日ということで我々は考えております。いい日本食の日でございます。このいい日本食の日、和食の日というものをきっかけに、皆さんとともに、これから和食文化というものをさらに発展させて、そして未来の日本につなげていきたいと思います。

今日は、諸君、ありがとうございました。皆さんも、ほんとうにありがとうございました。これで私のご挨拶とさせていただきます。

後藤氏

ありがとうございました。熊倉審査委員長にお言葉をいただきました。

それでは、発表いただきました皆さんにはここで退場していただきます。いま一度、会場の皆さんから、この子供たちに大きな拍手をお送りください。

羽田氏

審査員の皆様方も長時間ありがとうございました。

後藤氏

長時間、審査、どうもありがとうございました。

羽田さん、今日はとってもすてきな1日でしたね。

羽田氏

はい。和食に対しての改めての見方というか、ほんとうに日本って素晴らしいところだなって、ほんとうに思いました。

後藤氏

そうですね。そして、子供たちに継承出来る、そんな実感も今日は持つことが出来ました。

これで「日本全国子供郷土料理サミット」を終わります。ご出演の皆さん、審査員の皆さん、そしてご来場の皆様、改めてほんとうにありがとうございました。

羽田氏

ありがとうございました。

 

以上

 

 

 

お問い合わせ先

大臣官房政策課食ビジョン推進室
担当者:武元、橋本
代表:03-3502-8111(内線3104)
ダイヤルイン:03-6738-6120
FAX:03-3508-4080

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