「和食」のユネスコ無形文化遺産登録5周年
2013年12月4日に「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。2018年に登録から5年を迎えることから、この間の和食文化を取り巻く情勢の変化と農林水産省の取組についてまとめました。
1.世界からの注目
海外における日本食レストンランの増加や訪日外国人観光客からの郷土料理を食べることへの期待などに見られるように、ユネスコ無形文化遺産登録後、和食には世界から高い注目が寄せられています。
(1)海外における日本食レストラン数の増加
海外における日本食レストラン数は、約5.5万店(2013年)から11.8万店(2017年)へと2倍に増加。 |
海外における 日本食レストラン数 |
(2)農林水産物・食品の輸出額の増加
農林水産物・食品の輸出額は、約5,505億円(2013年)から8,071億円へと1.5倍に増加。 |
農林水産物・食品の 輸出額の推移 |
(3)訪日外国人旅行者数、旅行消費額の増加
訪日外国人旅行者数は、1,036万人(2013年)から2,869万人(2017年)へと3倍に増加。 |
訪日外国人旅行者の 旅行消費額の推移 |
(4)地方の多様な食への期待
訪日外国人が日本の地方旅行でしたいことは、「温泉・自然観光地訪問」に次いで、「郷土料理を食べる」こと。 |
訪日外国人旅行者の 意向調査 |
2.国内の現状
国内に目を向けると、和食文化には「健康的、栄養バランスが良い」といったポジティブなイメージがある一方で、「手間がかかる、面倒」というイメージから、その料理や作法をどのように次世代に継承していくかが重要となっています。
3.保護・継承に向けた施策
農林水産省では、第3次食育推進基本計画(平成28年3月食育推進会議決定)を踏まえ、ユネスコ無形文化遺産に登録された和食文化を次世代に継承していくため、食生活への改善意識が高まりやすいライフステージにある層を中心に、和食文化の普及活動や情報発信を実施しています。
子育て世代と接する機会の多い行政栄養士や子育て中の母親・父親や、若者世代を対象として、平成28年度から和食文化への理解を深めるためのワークショップを開催。 また、子育て世代が和食文化の良さを理解し、家庭で実践してもらうことを目的として、スマホ向けのウェブサイトにて和食文化に係る情報を発信。 和食で子育て応援サイト「おうちで和食」(外部リンク) |
子育て世代向けワークショップ |
和食子育て応援サイト「おうちで和食」 |
(2)教育現場及び食育の取組
子ども達に行事食や郷土料理等の和食文化を楽しく学習し、実践してもらうための「全国子ども和食王選手権」の開催のほか、自治体や民間団体等が行う食育活動の支援等を実施。 全国子ども和食王選手権(外部リンク) |
全国子ども和食王選手権 |
味噌づくり体験 |
(3)情報発信の取組
国内における和食文化への理解を深め、実践に繋げるためのパンフレット(子育て世代向け、栄養士等専門職向け、和食給食、四季を楽しむ和食すごろく 等)を配布するとともに、ホームページでも無料でダウンロードできるようにし、広く情報発信等を実施。 | パンフレット (左:専門職等向け、右:ママパパ向け) |
年中行事が学べる 四季を楽しむ和食すごろく |
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/culture/index.html
(4)Let's!和ごはんプロジェクト
和食文化がユネスコ無形文化遺産登録5周年を迎える2018年に、味覚が形成される子どものうちに、身近・手軽に健康的な「和ごはん」を食べる機会を増やすことで、 和食文化の保護・継承につなげていくための新たな官民協働のプロジェクトを開始。 |
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/culture/wagohan_project.html
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/index.html
お問合せ先
新事業・食品産業部外食・食文化課食文化室
代表:03-3502-8111(内線4067)
ダイヤルイン:03-6744-2012