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農林水産省

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協同農業普及事業の運営に関する指針

平成十六年十一月三十日 農林水産省告示第二千五十五号

最終改正: 平成十八年三月三十一日農林水産省告示第五百二十二号

 
農業改良助長法の一部を改正する法律(平成十六年法律第五十三号)附則第二条第一項の規定に基づき、協同農業普及事業の運営に関する指針を次のように定め、協同農業普及事業の運営に関する指針(平成十二年三月三日農林水産省告示第三百二十八号)は、廃止する。

協同農業普及事業は、農業改良助長法(昭和二十三年法律第百六十五号)の規定に基づき、都道府県が農林水産省と協同し、専門の職員を置いて農業者に対し農業経営及び農村生活の改善に関する科学的技術及び知識の普及指導を行うこと等により、農業の持続的な発展を図ろうとするものであり、昭和二十三年の制度発足以来、農政上の様々な課題に対応して実施され、成果を挙げてきたところである。
一方、近年における食料・農業・農村を取り巻く環境の著しい変化に対応するため、農政改革を早急に推進する必要があり、協同農業普及事業の運営に当たっても、食の安全・安心の確保、農業の構造改革の加速化その他農政の新たな展開の方向に即した取組の強化が求められている。
このような状況に的確に対応するため、農業改良助長法の一部を改正する法律(以下「改正法」という。)が制定されたところである。今後は、改正法の趣旨にのっとり、協同農業普及事業について、消費者の視点をも重視しつつ、一層の重点化、高度化及び効率化を図り、農政の推進に資する最も基本的な手法の一つとして、その役割を引き続き十分に発揮させる必要がある。
以上のようなことを踏まえ、今後の協同農業普及事業を実施する上での基本的考え方を示すものとして、協同農業普及事業の運営に関する指針を定めるものとする。
第一 普及指導活動の基本的な課題
次に掲げる普及指導活動の基本的な課題について、国の施策との連携を図りつつ、取り組むものとする。
一 農業の担い手の育成及びその将来にわたる確保に向けた取組に対する支援
認定農業者(農業経営基盤強化促進法(昭和五十五年法律第六十五号)第十二条の二第一項に規定する認定農業者をいう。)をはじめとする農業の担い手に対し、地域の特性に応じて、試験研究機関等で開発された高度な農業の技術及び当該技術に関する知識の普及指導を行うことを通じて、その技術革新に向けた取組に対する支援に努めるものとする。
また、将来における農業の担い手を確保するため、青年農業者その他の農業を担うべき者による農業の技術及び経営方法の習得の支援並びに農業における女性の能力の活用の促進に努めるものとする。
二 望ましい産地の育成に向けた取組に対する支援
関係者の合意形成を図ることにより、地域農業を支える多様な主体が活躍できる環境を確保しつつ、地域全体において新しい農業の技術及び知識の普及指導を行うことを通じて、特色ある水田農業の展開、合理的な輪作体系による畑作農業の確立その他消費者及び原料需要者のニーズに十分対応することができる望ましい産地の育成に向けた取組に対する支援に努めるものとする。
三 環境と調和した農業生産に向けた取組に対する支援
持続性の高い農業生産方式の導入等による農薬及び肥料の適正な使用の確保、家畜排せつ物等の有効利用による地力の増進等に関する技術及び知識の普及指導を行うことを通じて、環境と調和した農業生産に向けた取組に対する支援に努めるものとする。
四 食の安全・安心の確保に向けた取組に対する支援
安全な農産物の安定的な供給、直売所を利用した地域農産物の販売等に関する技術及び知識の普及指導を行うことを通じて、農業者による食の安全・安心の確保に向けた取組に対する支援に努めるものとする。
五 農村地域の振興に向けた取組に対する支援
地域の特性に応じた農業生産、高齢化に対応した農村生活及び営農環境の改善等に関する技術及び知識の普及指導を行うことを通じて、農村地域の振興に向けた取組に対する支援に努めるものとする。
第二 普及指導員の配置に関する基本的事項
農業者の高度かつ多様なニーズ及び地域農業の技術及び経営に関する課題に的確に対応していくため、普及指導員(改正法による改正後の農業改良助長法(以下「新法」という。)第八条第一項に規定する普及指導員をいい、改正法による改正前の農業改良助長法(以下「旧法」という。)第十四条の二第一項に規定する専門技術員及び改良普及員を含む。以下同じ。)の配置に当たっては、試験研究機関及び農業者研修教育施設との連携、当該都道府県の農業をめぐる情勢、地域の特性等に配慮するとともに、普及指導員に求められる次の機能が十分発揮されるよう配慮するものとする。
一 農業の担い手に対し地域の特性に応じて高度な農業の技術及び当該技術に関する知識の普及指導を行う機能
二 関係機関及び地域の指導者との連携の下に地域農業の技術及び経営に関する課題の解決を支援する機能
第三 普及指導員の資質の向上に関する基本的事項
近年の農業分野における技術革新及び農業者の高度かつ多様なニーズに対応し、普及指導員について、その機能を十分発揮していくために必要な資質の向上が図られるよう、研修の充実強化に努めるとともに、意欲のある優秀な人材の確保を図る観点から、普及指導手当(新法第十一条に規定する普及指導手当をいい、旧法第十四条の五第一項に規定する農業改良普及手当を含む。)に関する制度の適正な運用に努めるものとする。
第四 普及指導活動の方法に関する基本的事項
普及指導活動の効率的かつ効果的な実施を図るため、普及指導活動の方法に関し、次に掲げる事項に留意するものとする。
一 普及指導活動の重点化
普及指導活動については、地域の特性に応じて高度な農業の技術及び当該技術に関する知識を組み立て、それを実証する等の方法を用いて、農業の担い手の技術革新に向けた取組を支援する活動並びに関係機関及び地域の指導者との連携の下に地域農業の技術及び経営に関する課題の解決を支援する活動への重点化を図るものとする。
また、普及指導活動の重点化に当たっては、青年農業者その他の農業を担うべき者による農業の技術及び経営方法の習得、農業における女性の能力の活用、男女共同参画社会の形成の促進等に留意しつつ、普及指導活動の課題の内容に応じて、市町村、農業委員会、農業協同組合等が担うべき分野を明確にし、これらと適切に役割を分担して、全体として成果が得られるよう努めるものとする。
二 試験研究、普及指導及び研修教育による一体的な取組の充実強化
新しい技術の開発を行う試験研究機関、科学的技術及び知識の普及指導を行う普及指導員並びに青年農業者その他の農業を担うべき者の養成を行う農業者研修教育施設による一体的な取組の充実強化に努めるものとする。
また、普及指導活動の課題の内容に応じて、大学等との積極的な連携に努めるものとする。
三 効率的かつ効果的な普及指導活動体制の整備
当該都道府県の農業をめぐる情勢、地域の特性等に即して、最も効率的かつ効果的に普及指導活動を実施することができる体制を整備するよう努めるものとする。
また、普及指導活動体制の整備に当たっては、普及指導活動の総体としての機能を発揮させるために、普及指導活動に関する総合的な企画調整及び普及指導員への技術情報の伝達が円滑に行われるよう配慮するものとする。
さらに、技術情報をはじめとする各種情報を迅速かつ効率的に農業者等に提供できるよう、情報ネットワークの構築、活用等を通じた情報提供及び相談の機能の強化に努めるほか、普及指導計画に基づき計画的かつ重点的に普及指導活動を実施するとともに、その成果の適切な評価の実施及び評価結果の反映を通じて、普及指導活動の改善向上に努めるものとする。
なお、普及指導センター(新法第十二条第一項に規定する普及指導センターをいい、旧法第十四条の六第一項に規定する地域農業改良普及センターを含む。)については、普及指導員の活動拠点並びに農業者等に対する情報提供及び相談の場としての機能が十分果たされるよう、組織の整備に努めるとともに、組織の一体性の確保及び農業者の視点に立った機能の明確化に配慮するものとする。
四 民間との連携の在り方
普及指導活動の重点化を図るとともに、農業経営を総合的に支援していく観点から、民間の活力の積極的な活用に努めるものとする。
また、普及指導協力委員(新法第十三条第一項に規定する普及指導協力委員をいい、旧法第十四条の七第一項に規定する普及協力委員を含む。)のより一層の活用を通じて、民間の専門家及び地域において先導的な役割を担う農業者の協力を得るよう努めるとともに、農業協同組合が行う営農指導との適切な連携の確保及び役割分担の明確化を図るよう努めるものとする。
五 研修教育の充実強化
農業者研修教育施設については、講義、実習等を組み合わせた実践的な研修教育を通じて、青年農業者その他の農業を担うべき者の養成を行う中核的な機関として、その研修教育内容の充実強化を図るよう努めるものとする。
また、試験研究機関及び普及指導員との密接な連携の確保及び役割分担の明確化を図りつつ、農業の担い手に対し、農業の技術及び経営方法に関する専門的かつ体系的な再教育を行う機関としての機能を果たすとともに、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構、農業者研修教育施設、大学、農業高等学校等との連携により、より効率的に研修教育を行うよう努めるものとする。
さらに、普及指導員、農業者研修教育施設、都道府県青年農業者等育成センター(青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法(平成七年法律第二号)第五条第一項に規定する都道府県青年農業者等育成センターをいう。)等が適切に役割を分担し、連携して、青年農業者その他の農業を担うべき者に対する就農の前後にわたる継続的な支援に努めるものとする。
なお、農業を担うべき者に対する就農の前後にわたる継続的な支援を行う場合、地域においては、営農指導を行う農業協同組合及び先導的な役割を担う農業者の協力により、農業を担うべき者を支援する体制を整備するよう努めるものとする。
第五 その他協同農業普及事業の運営に関する基本的事項
一 各種施策等との連携の確保
協同農業普及事業の特徴を活かしつつ、更にその効果が十分に発揮されるよう、農業改良資金をはじめとする制度資金、補助事業等の各種施策との連携の確保を図るものとする。
また、普及指導員と関係機関との密接な連携の確保及び役割分担の明確化を図るため、協同農業普及事業の推進のために関係機関によって構成される協議会等の活性化及びその機能の充実に努めるものとする。
このほか、林業及び水産業に関する技術の普及事業との密接な連携の確保についても、留意するものとする。
二 農業に関する教育への協力
国民の農業に対する理解の増進及び将来における農業の担い手の確保に資するよう、教育機関、市町村、農業協同組合等が行う農業に関する教育に対し必要な協力を行うよう努めるものとする。