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農林水産省

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農地法関係事務に係る処理基準について

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平成12年6月1日12構改B第404号
改正:平成13年1月5日12構改A第966号
平成13年3月1日12経営第1152号
平成13年8月10日13経営第2051号
平成13年11月27日13経営第4010号
平成15年3月18日14経営第7030号
平成15年8月20日15農振第1126号
平成17年3月7日16経営第7910号
平成17年9月1日17経営第3325号
平成18年5月1日18経営第88号
平成21年10月30日21経営第3830号
平成21年12月11日21経営第4342号
平成24年3月30日23経営第3470号
平成24年12月14日24経営第2437号
平成26年3月31日25経営第3937号

各地方農政局長あて
沖縄総合事務局長あて
各都道府県知事あて

農林水産事務次官


農地法(昭和27年法律第229号)及び農地法施行令(昭和27年政令第445号)については、これらに基づき地方公共団体が処理することとされている事務を、原則として地方自治法第2条第9項第1号に規定する第1号法定受託事務とする改正が行われたところであるが、今般、当該事務について地方自治法第245条の9第1項及び第3項に基づく処理基準が、別紙のとおり定められたので、御了知の上、今後は、本基準によりこれらの事務を適正に処理されたい。
なお、別紙の第1から第5まで、第7から第13まで及び第25から第27までについては、その全部又は一部が市町村の第1号法定受託事務に係る処理基準であるので、管内の市町村に対しては、貴職から通知願いたい。
以上、命により通知する。

別紙1
農地法関係事務に係る処理基準
第1 全般的事項
(1) 農地等の定義
農地法(昭和27年法律第229号。以下「法」という。)、農地法施行令(昭和27年政令第445号。以下「令」という。)、農地法施行規則(昭和27年農林省令第79号。以下「則」という。)及びこの処理基準で「農地」及び「採草放牧地」とは、次に掲げるものをいうものであり、これらに該当しない土地を農地又は採草放牧地(以下「農地等」という。)として取り扱ってはならない。
[1] 「農地」とは、耕作の目的に供される土地をいう。この場合、「耕作」とは土地に労費を加え肥培管理を行って作物を栽培することをいい、「耕作の目的に供される土地」には、現に耕作されている土地のほか、現在は耕作されていなくても耕作しようとすればいつでも耕作できるような、すなわち、客観的に見てその現状が耕作の目的に供されるものと認められる土地(休耕地、不耕作地等)も含まれる。
[2] 「採草放牧地」とは、農地以外の土地で耕作又は養畜のため採草又は家畜の放牧の目的に主として供される土地をいう。林木育成の目的に供されている土地が併せて採草放牧地の目的に供されており、そのいずれが主であるかの判定が困難な場合には、樹冠の疎密度が0.3以下の土地は主として採草放牧の目的に供されていると判断する。
[3] 「耕作又は養畜の事業」とは、耕作又は養畜の行為が反覆継続的に行われることをいい、必ずしも営利の目的であることを要しない。
(2) 農地等に該当するかの判断に当たっての留意事項
(1)の農地等に該当するかは、その土地の現況によって判断するのであって、土地の登記簿の地目によって判断してはならない。
(3) 世帯員等の範囲
「公選による公職」とは、人事院規則14-5(昭和24年6月29日)第1項に定める公職(衆議院議員、参議院議員、地方公共団体の長、地方公共団体の議会の議員及び農業委員会の委員(選任委員を除く。)並びに海区漁業調整委員会の委員(選任委員を除く。))とする。
(4) 農業生産法人の判断基準
法第2条第3項の「農業生産法人」に該当するかの判断に当たっては、法令の定めによるほか、次によるものとする。
[1] 株式会社にあっては、その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定め(以下「株式譲渡制限」という。)を設けている場合に限り、認めるものである。
例えば、株式の譲受人が従業員以外の者である場合に限り承認を要する等の限定的な株式譲渡制限は、これに当たらない。
[2] 法第2条第3項第1号の「法人の主たる事業が農業」であるかの判断は、その判断の日を含む事業年度前の直近する3か年(異常気象等により、農業の売上高が著しく低下した年が含まれている場合には、当該年を除いた直近する3か年)におけるその農業に係る売上高が、当該3か年における法人の事業全体の売上高の過半を占めているかによるものとする。
[3] 法人の行う事業が、法人の行う農業と一次的な関連を持ち農業生産の安定発展に役立つものである場合には、法第2条第3項第1号の「その行う農業に関連する事業」に該当するものである。
具体的には、例えば次のようなことが想定される。
ア 「農畜産物を原料又は材料として使用する製造又は加工」とは、りんごを生産する法人が、自己の生産したりんごに加え、他から購入したりんごを原料として、りんごジュースの製造を行う場合等である。
イ 「農畜産物の貯蔵、運搬又は販売」とは、りんごの生産を行う法人が、自己の生産したりんごに加え、他の農家等が生産したりんごの貯蔵、運搬又は販売を行う場合等である。
ウ 「農業生産に必要な資材の製造」とは、法人が自己の農業生産に使用する飼料に加え、他の農家等への販売を目的とした飼料の製造を行う場合等である。
エ 「農作業の受託」とは、水稲作を行う法人が自己の水稲の刈取りに加え、他の農家等の水稲の刈取りの作業の受託を行う場合等である。
オ 「農村滞在型余暇活動に利用されることを目的とする施設」とは、観光農園や市民農園(農園利用方式によるものに限る。)等主として都市の住民による農作業の体験のための施設のほか、農作業の体験を行う都市の住民等が宿泊又は休養するための施設、これらの施設内に設置された農畜産物等の販売施設等である。また、「必要な役務の提供」とは、これらの施設において行われる各種サービスの提供を行うことである。
なお、都市の住民等による農作業は、法人の行う農業と一時的な関連を有する必要があることから、その法人の行う農業に必要な農作業について行われる必要がある。
[4] 法第2条第3項第2号本文の議決権の制限は、農業関係者以外の者が議決権の行使により会社の支配権を有することとならないよう措置しているものであり、定款で議決権を認めないと定めた種類株式を制限するものではない。ただし、このような議決権のない株式の所有者であっても、構成員の要件を満たす必要がある。
[5] 法第2条第3項第2号イの「移転」には、譲渡のほか出資等が含まれる。
[6] 法第2条第3項第2号イの「一般承継人」とは、被承継人の権利義務を一括して承継する者で、ここでは相続人及び包括受遺者をいう。一般承継人については則第4条に定めるものに限られ、これらの者は農地等の所有権又は使用収益権(地上権、永小作権、使用貸借による権利又は賃借権をいう。以下同じ。)を移転した個人と同様に取り扱われる。
[7] 法第2条第3項第2号ロの「個人」は、その法人のために使用収益権を設定した個人及びその使用収益権を設定した農地等を相続又は遺贈により承継した個人が含まれる。ただし、農地等の所有権等を移転した場合とは異なり、一般承継人であってもその使用収益権を設定した農地等を承継した者以外のものは、設定した個人とみなさない。
[8] 法第2条第3項第2号ニの「常時従事する者」の判定基準である則第9条並びに附録第一及び附録第二の算式における構成員がその法人に年間従事する日数及び法人の行う農業に必要な年間総労働日数は、過去の実績を基準とし、将来の見込みを勘案して判断する。
[9] 常時従事者たる構成員がその法人から脱退した場合であって、その者がその法人に移転等した農地等が現物出資の払戻の特約等によりその者に返還されるときは法第3条の許可が必要である。
[10] 則第6条の「農産物を生産するために必要となる基幹的な作業」とは、水稲にあっては耕起・代かき、田植及び稲刈り・脱穀の基幹3作業、麦又は大豆にあっては耕起・整地、播種及び収穫、その他の作物にあっては水稲及び麦又は大豆に準じた農作業をいう。
[11] 令第2条第1号の「継続して受ける者」及び同条第2号の「継続して行う者」とは、3年以上の期間を契約期間とする同条各号に掲げる内容の契約を締結している者をいうものとする。
この契約には、当初の契約期間が3年以上であってその後更新され契約期間が延長されたもの、また、3年以上の期間を契約期間とする契約を締結している者が法人に出資する時点ではその契約期間の残年数が3年未満となっているものも含まれるものとする。
[12] 令第2条第3号の「その法人に対するその法人の事業に係る特許権についての専用実施権の設定又は通常実施権の許諾に係る契約及び新商品又は新技術の開発又は提供に係る契約並びにこれらに準じてその法人の事業の円滑化に寄与すると認められる省令で定める契約を締結している者」とは、次に掲げる者とする。
ア 「特許権」については、特にその法人がそのノウハウの使用を許されるという点において、その法人の事業の円滑化に寄与すると考えられるものであることから、その特許権の内容は、農畜産物の生産の合理化等に資することによりその法人の経営の安定発展に寄与するものでなければならない。
イ 「新商品又は新技術の開発又は提供」については、その法人がこれまで一般に使われていなかった商品又は技術を利用できるという点においてその法人の事業の円滑化に寄与すると考えられるものである。したがって、「新商品」とは、新規性を有し、かつ、その農業生産法人の経営の安定発展に寄与する商品であり、その商品が社会通念上又は通常の農業生産等において新しいと認められる生産物又は生産資材等でなければならない。また、「新技術」とは、農業生産等において未だ実用化されておらず、かつ、その農業生産法人の経営の安定発展に寄与する技術でなければならない。
ウ 「これらに準じてその法人の事業の円滑化に寄与すると認められる省令で定める契約」については則第7条各号に掲げるとおりであり、同条第1号の「実用新案権」の内容はアの特許権の内容に準ずる内容のものとする。
[13] 法第2条第3項第3号の「理事等の数の過半」とは、理事等の定数の過半ではなく、その実数の過半をいうものとする。
また、「その法人の行う農業に必要な農作業」とは、耕うん、整地、播種、施肥、病虫害防除、刈取り、水の管理、給餌、敷わらの取換え等耕作又は養畜の事業に直接必要な作業をいい、耕作又は養畜の事業に必要な帳簿の記帳事務、集金等は農作業には含まれないものとする。
(5) 適用範囲
法第63条第1項各号及び同条第2項各号並びに令第42条第1項各号及び同条第2項各号に掲げる事務については、この処理基準は、適用しない。
第2 法第2条の2関係
農地は、現在及び将来における国民のための限られた資源であり、かつ、地域における貴重な資源であることに鑑み、これを優良な状態で確保し、最大限に利用されるようにしていくことが重要である。
このため、農地について権利を有する全ての者を対象として、農地の農業上の適正かつ効率的な利用を確保する責務があることが明確にされているところである。
特に、農地について所有権を有する者は、農地の農業上の適正かつ効率的な利用を確保することについて第一義的責任を有することを深く認識し、自ら農地を耕作の事業に供するとともに、自らその責務を果たすことができない場合においては、所有権以外の権原に基づき農地が耕作の事業に供されることを確保することにより、農地の農業上の適正かつ効率的な利用を確保するようにしなければならない。
なお、農地について権利を有する者の責務の考え方については、平成21年の農地法等の一部を改正する法律の国会審議の際、衆・参両院で附帯決議がなされている。
第3 法第3条関係
1 法第3条の許可対象
本条の制限の対象となる権利の設定又は移転には、私法上の契約に基づくものばかりでなく、競売、公売、遺贈等の単独行為、公法上の契約及び行政処分に基づくものも、全て含まれる(法第5条についても同様である。)。
2 法第3条第2項ただし書の許可基準
農業委員会は、法第3条第1項の許可をするかの判断に当たっては、法令の定めによるほか、次によるものとする。
(1) 区分地上権等の設定等の許可基準
民法(明治29年法律第89号)第269条の2第1項の地上権又はこれと内容を同じくするその他の権利の設定又は移転については、その権利の設定又は移転を認めてもその権利の設定又は移転に係る農地等及びその周辺の農地等に係る営農条件に支障を生ずるおそれがなく、かつ、その権利の設定又は移転に係る農地等をその権利の設定又は移転に係る目的に供する行為の妨げとなる権利を有する者の同意を得ていると認められる場合に限り許可するものとする。
(2) 農業協同組合法(昭和22年法律第132号)第10条第2項に規定する事業を行う農業協同組合又は農業協同組合連合会が農地等の所有者から同項の委託を受けることによる権利の取得等及び同法第11条の31第1項第1号に掲げる場合における使用貸借による権利又は賃借権の取得の許可基準
農業協同組合法第10条第2項に規定する事業を行う農業協同組合又は農業協同組合連合会が農地等の所有者から同項の委託を受けることにより法第3条第2項第1号に掲げる権利を取得する場合及び農業協同組合法第11条の31第1項第1号に掲げる場合において、農業協同組合又は農業協同組合連合会が使用貸借による権利又は賃借権を取得する場合であって自ら農業経営を行う体制が整備されていないと認められる場合等農業協同組合又は農業協同組合連合会がその申請に係る農地等について農業経営を適切に行うと認められないときは、許可しないものとする。
3 法第3条第2項第1号の判断基準
法第3条第2項第1号に該当するかの判断に当たっては、法令の定めによるほか、次によるものとする。
(1) 「耕作又は養畜の事業に供すべき農地及び採草放牧地」とは、法第3条第1項の許可の申請に係る農地等及び農地等の権利を取得しようとする者又はその世帯員等が同条第2項第1号に掲げる権利を有している農地等をいう。
このため、農地等の権利を取得しようとする者又はその世帯員等が当該農地等以外で既に所有しているもので他の者に所有権以外の使用及び収益を目的とする権利(以下単に「使用及び収益を目的とする権利」という。)が設定されているものも、「耕作又は養畜の事業に供すべき農地及び採草放牧地」に該当する。
この場合において、農地等の集団化等地域の農地等の効率的な利用のために他の者に使用及び収益を目的とする権利が設定されており、権利を取得しようとする者又はその世帯員等が当該使用及び収益を目的とする権利に係る農地等の返還を受けて耕作又は養畜の事業に供することができないときは、「すべてを効率的に利用して耕作又は養畜の事業を行う」と認められるかの判断をする上では勘案しないものとし、他方、他の者に使用及び収益を目的とする権利を設定している農地等で権利を取得しようとする者又はその世帯員等がその農地等の返還を受けて耕作又は養畜の事業に供することにつき支障がないにもかかわらず、他の者に使用及び収益を目的とする権利を設定したまま他の農地等の権利を取得しようとするときは、「すべてを効率的に利用して耕作又は養畜の事業を行う」とは認められないものとする。
また、法第32条第1項各号に該当する農地の所有者並びにその農地について使用及び収益をする者並びに法第51条第1項各号に該当する者については、耕作又は養畜の事業に供すべき農地等の全てを効率的に利用して耕作又は養畜の事業を行うと認められないことは当然である。
(2) 「効率的に利用して耕作又は養畜の事業を行う」と認められるかについては、近傍の自然的条件及び利用上の条件が類似している農地等の生産性と比較して判断する。
この場合において、農地等の権利を取得しようとする者及びその世帯員等の経営規模、作付作目等を踏まえ、次の要素等を総合的に勘案する。
[1] 機械
農地等の権利を取得しようとする者又はその世帯員等が所有している機械のみならず、リース契約により確保されているものや、今後確保すると見込まれるものも含む。
[2] 労働力
農地等の権利を取得しようとする者及びその世帯員等で農作業等に従事する人数のみではなく、雇用によるものや、今後確保すると見込まれるものも含む。
[3] 技術
農地等の権利を取得しようとする者及びその世帯員等に限らず、農作業等に従事する者の技術をいう。なお、農作業の一部を外部に委託する場合には、農地等の権利を取得しようとする者及びその世帯員等に加え、委託先の農作業に関する技術も勘案する。
なお、農地等の権利を取得しようとする者の住所地から取得しようとする農地等までの距離で画一的に判断することは、今日では、農地等の権利を取得しようとする者及びその世帯員等以外の者の労働力も活用して農作業を行うことも多くなっていること、著しく交通が発達したこと等を踏まえ、適当ではない。
また、農地等の権利を取得しようとする者又はその世帯員等が許可の申請の際現に使用及び収益を目的とする権利を有している農地等のうちに、生産性が著しく低いもの、地勢等の地理的条件が悪いものその他のその地域における標準的な農業経営を行う者が耕作又は養畜の事業に供することが困難なものが含まれている場合には、当該農地等について、今後の耕作に向けて草刈り、耕起等当該農地等を常に耕作し得る状態に保つ行為が行われていれば、当該農地等については、法第32条第1項各号に掲げる農地には該当せず、当該農地等の全てを効率的に利用して耕作又は養畜の事業を行っていると認められるものとする。
(3) (2)の判断に当たっては、農地等の効率的な利用が確実に図られるかを厳正に審査する必要があるが、いたずらに厳しく運用し、排他的な取扱いをしないよう留意する。
例えば、新規就農者について、農業高校を卒業しても研修を受けなければ必要な技術が確保されていると認めないとすること、まずは農地等を借りて実績を作らなければ所有権の取得は認めないとすること等の硬直的な運用は、厳に慎むべきである。
また、賃貸借等による農地等の権利取得については、絶対的な管理・処分権限がある所有権の取得と異なり、仮に不適正な利用があった場合においても、契約の解除等により農地等を所有者に戻すことができること等を踏まえ、特に農地等を利用する者の確保・拡大を図ることを旨として取り扱うことが重要である。
なお、耕作又は養畜の事業以外の土地を利用した事業を行っている者については、審査を特に厳正に行わなければならないことは言うまでもない。
(4) 一般に、耕作又は養畜の事業を行う者が所有権以外の権原に基づいてその事業に供している農地等につき当該事業を行う者又はその世帯員等以外の者が所有権を取得しようとする場合には、当該農地等は所有権を取得しようとする者及びその世帯員等の法第3条第2項第1号の「耕作又は養畜の事業に供すべき農地及び採草放牧地」に該当する。この場合において、当該農地等で耕作又は養畜の事業を行う者が第三者に対抗することができる権利に基づいてその事業を行っているときであっても、許可の申請の時における所有権を取得しようとする者又はその世帯員等の耕作又は養畜の事業に必要な機械の所有の状況、農作業に従事する者の数等からみて、[1]及び[2]に該当する場合には、不許可の例外となる。
[1] 許可の申請の際現にその者又はその世帯員等が耕作又は養畜の事業に供すべき農地等の全てを効率的に利用して耕作又は養畜の事業を行うと認められること。
[2] その土地についての所有権以外の権原の存続期間の満了その他の事由によりその者又はその世帯員等がその土地を自らの耕作又は養畜の事業に供することが可能となる時期が明らかであり、可能となった場合において、これらの者が、耕作又は養畜の事業に供すべき農地等の全てを効率的に利用して耕作又は養畜の事業を行うと認められること。
[1]及び[2]の判断については、「許可の申請の時における所有権を取得しようとする者又はその世帯員等の耕作又は養畜の事業に必要な機械の所有の状況、農作業に従事する者の数等」には、今後確保する見込みの機械、労働力等は含まれず、許可の申請の時に現に所有等しているもので判断する。
また、[2]について判断する際には、所有権以外の権原に基づいて耕作又は養畜の事業を行う者に対し、当該農地等での耕作又は養畜の事業の継続の意向を確認するものとする。
なお、その際、その農地等の所有権を取得しようとする者又はその世帯員等が自らの耕作又は養畜の事業に供することが可能となる時期が、許可の申請の時から1年以上先である場合には、所有権の取得を認めないことが適当である。
ただし、農業生産法人に使用及び収益を目的とする権利が設定されている農地等について、当該法人の構成員にその所有権を移転しようとする場合にあっては、当該法人が引き続き当該農地等の全てを効率的に利用して耕作又は養畜の事業を行うと認められるときに限り、当該構成員が自らの耕作又は養畜の事業に供することが可能となる時期に関わらず、所有権の取得を認めることができるものとする。
4 法第3条第2項第2号の判断基準
(1) 法第3条第2項第2号に該当するかの判断に当たっては、農地等の権利を取得しようとする法人が許可の申請の時点に法第2条第3項各号の農業生産法人要件を満たしていても、農地等の権利の取得後に要件を満たし得ないと認められる場合には、許可することができないものとする。
この場合において、例えば、その他事業の種類や規模等からみて、その他事業の売上高見込みが不当に低く評価されていると認められるなど、事業計画が不適切と認められる場合には、その法人に書類の補正等を行わせ、信頼性のある計画に改めさせる等の指導を行うものとする。
(2) 法人の設立手続中に農地等の現物出資を受ける場合には、当該法人が法第3条第1項の許可を得ることが必要であるが、その場合には、その設立しようとする法人が法第2条第3項各号に掲げる農業生産法人要件を満たし得ると認められ、かつ、定款を作成している場合には、設立登記前であっても、農業生産法人として取り扱うものとする。
なお、この場合の許可申請書には、定款に定めがあるか、又は株主総会若しくは社員総会で選任された理事、取締役その他の代表者の署名を求めるものとする。
5 法第3条第2項第4号の判断基準
法第3条第2項第4号に該当するかの判断に当たっては、法令の定めによるほか、次によるものとする。
(1) 「耕作又は養畜の事業に必要な農作業」とは、当該地域における農業経営の実態からみて通常農業経営を行う者が自ら従事すると認められる農作業をいう。したがって、当該地域において農業協同組合その他の共同組織が主体となって処理することが一般的となっている農作業はこれに含まれないものとする。
(2) 農地等の権利を取得しようとする者又はその世帯員等の当該農地等についての権利の取得後におけるその経営に係る農作業に従事する日数が年間150日以上である場合には「農作業に常時従事する」と認めるものとする。
また、当該農作業に要する日数が年間150日未満である場合であっても、当該農作業を行う必要がある限り農地等の権利を取得しようとする者又はその世帯員等が当該農作業に従事していれば、「農作業に常時従事する」と認めるものとする。このことは、当該農作業を短期間に集中的に処理しなければならない時期において不足する労働力を農地等の権利を取得しようとする者及びその世帯員等以外の者に依存していても同様である。
6 法第3条第2項第5号関係
(1) 法第3条第2項第5号の判断基準
法第3条第2項第5号に該当するかの判断に当たっては、法令の定めによるほか、次によるものとする。
[1] 「耕作の事業に供すべき農地」及び「耕作又は養畜の事業に供すべき採草放牧地」であるかの判断は、3の(1)の場合と同様である。
[2] 「北海道では2ヘクタール、都府県では50アールに達しない場合」とは、法第3条第2項第1号に掲げる権利を取得しようとする者又はその世帯員等がその取得後において耕作又は養畜の事業に供すべき農地及び採草放牧地の面積がそれぞれ別々に計算してそのいずれの面積も北海道では2ヘクタール、都府県では50アールに達しない場合である。
[3] 法第3条第2項第5号の別段の面積の設定は、平均的な経営規模が小さい地域等において同号に規定する面積(北海道にあっては2ヘクタール、都府県にあっては50アール)がその実情に適さないと判断される場合には則第17条第1項の規定により行い、高齢兼業化等により農地の遊休化が深刻な状況にあり、特に新規就農等を促進しなければ農地の保全及び有効利用が図られないと判断される場合には同条第2項の規定により行うこととする。
なお、別段の面積を定めようとする場合には、例えば、次によることが考えられる。
ア 則第17条第1項第3号の「耕作又は養畜の事業に供している者」の数については、農林業センサス規則(昭和44年農林省令第39号)第1条の調査(以下「農林業センサス」という。)の調査結果である市町村、旧市町村(農林業センサスでは、昭和25年2月1日現在での市町村をいう。)等の区域における「経営耕地面積規模別農家数」等を活用する。
イ アによる設定区域内の農家の経営規模別分布状況から、則第17条第1項第3号のおおむね100分の40を下らない面積を算出し、その算出した面積以上の面積で、当該地域の農業振興計画等を考慮して定める。
ウ 則第17条第2項の規定により設定される面積は、10アールを下回ることも可能である。
エ 則第17条第2項第1号の「現に耕作の目的に供されておらず、かつ、引き続き耕作の目的に供されないと見込まれる農地」とは法第32条第1項第1号の農地のことであり、「その他適正な利用を図る必要がある農地」とは、同項第2号の農地のことである。
また、このような農地が「相当程度存在する」地域とは、農業の経営体が不足し、農地の遊休化が深刻で、農地に関する権利の取得に際する下限面積要件の弾力的な運用により農地の保全及び有効利用を図ることが必要な地域をいう。
オ 則第17条第2項第2号の「当該設定区域及びその周辺の農地又は採草放牧地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に支障を生ずるおそれがない」とは、下限面積に満たない小面積での農地利用者が増加しても、設定区域及びその周辺地域における集団的な農地利用、農作業の共同化等に支障を及ぼすおそれがない設定区域の位置及び規模であることであり、地域の農地の保有や利用の状況及び将来の見通し、当該区域及び周辺地域の農業者の営農に関する意向等を十分に考慮して判断する必要がある。
(2) 都道府県知事に対する通知
農業委員会は、法第3条第2項第5号の規定により別段の面積を定めたときは、都道府県知事にその内容を通知するものとする。
7 法第3条第2項第6号の判断基準
法第3条第2項第6号の「水田裏作」に関する規定は、表作における稲を栽培することによる収益よりも裏作における稲以外の作物を栽培することによる収益の方が高い場合であっても適用する。
8 法第3条第2項第7号の判断基準
農業は、周辺の自然環境等の影響を受けやすく、地域や集落で一体となって取り組まれていることも多い。このため、周辺の地域における農地等の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に支障を生ずるおそれがあると認められる場合には、許可をすることができないものとされている。
法第3条第2項第7号に該当するかの判断に当たっては、法令の定めによるほか、次によるものとする。
(1) 「周辺の地域における農地等の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に支障を生ずるおそれがあると認められる場合」とは、例えば、
[1] 既に集落営農や経営体により農地が面的にまとまった形で利用されている地域で、その利用を分断するような権利取得
[2] 地域の農業者が一体となって水利調整を行っているような地域で、この水利調整に参加しない営農が行われることにより、他の農業者の農業水利が阻害されるような権利取得
[3] 無農薬や減農薬での付加価値の高い作物の栽培の取組が行われている地域で、農薬使用による栽培が行われることにより、地域でこれまで行われていた無農薬栽培等が事実上困難になるような権利取得
[4] 集落が一体となって特定の品目を生産している地域で、その品目に係る共同防除等の営農活動に支障が生ずるおそれのある権利取得
[5] 地域の実勢の借賃に比べて極端に高額な借賃で賃貸借契約が締結され、周辺の地域における農地の一般的な借賃の著しい引上げをもたらすおそれのある権利取得等のほか、農業振興地域の整備に関する法律(昭和44年法律第58号)第8条第1項の規定により定められた農業振興地域整備計画、農業経営基盤強化促進法(昭和55年法律第65号)第6条第1項の規定により定められた農業経営基盤の強化の促進に関する基本的な構想等の実現に支障を生ずるおそれがある権利取得等が該当する。
(2) 農業委員会は、許可の判断をするに当たっては、現地調査を行うこととし、その際に留意すべき点は、次のとおりである。
[1] 法第3条第3項の規定の適用を受けて同条第1項の許可を受けようとする法人等による農地等についての権利取得だけでなく、法第3条第1項の許可の申請がなされた全ての事案について調査を要する。
[2] 法第3条第3項の規定の適用を受けて同条第1項の許可を受けようとする法人等による農地等についての権利取得、農地等についての所有権の取得、通常取引されていない規模のまとまりのある農地等についての権利取得等については、特に慎重に調査を行う。
[3] (1)の不許可相当の例示を念頭におき、申請に係る農地等の周辺の農地等の権利関係等許可の判断をするに当たって必要な情報について、現地調査の前に把握しておく。
9 法第3条第3項関係
(1) 法第3条第3項の考え方
農地等についての権利取得は法第3条第2項が基本であり、同条第3項は、使用貸借による権利又は賃借権が設定される場合に限って例外的な取扱いができるようにしているところである。
これは、使用貸借による権利又は賃借権については、不適正な利用があった場合において契約の解除等により所有者に農地等を戻すことが可能であるが、これと異なり、所有権については所有者が絶対的な管理・処分権限を持つところであり、それぞれの権利の性質の違いに応じて取り扱うものとされたものである。
法第1条の目的においては、「耕作者自らによる農地の所有」等が規定され、今後とも農地の所有権の取得については農作業に常時従事する個人と農業生産法人に限るべきであることが明確にされたところである。
(2) 法第3条第3項の判断基準
[1] 法第3条第3項第2号の「適切な役割分担の下に」とは、例えば、農業の維持発展に関する話合い活動への参加、農道、水路、ため池等の共同利用施設の取決めの遵守、獣害被害対策への協力等をいう。
これらについて、例えば、農地等の権利を取得しようとする者は、確約書を提出すること、農業委員会と協定を結ぶこと等が考えられる。
[2] 法第3条第3項第2号の「継続的かつ安定的に農業経営を行う」とは、機械や労働力の確保状況等からみて、農業経営を長期的に継続して行う見込みがあることをいう。
[3] 法第3条第3項第3号の「業務を執行する役員のうち一人以上の者がその法人の行う耕作又は養畜の事業に常時従事すると認められる」とは、業務を執行する役員のうち一人以上の者が、その法人の行う耕作又は養畜の事業(農作業、営農計画の作成、マーケティング等を含む。)の担当者として、農業経営に責任をもって対応できるものであることが担保されていることをいう。
「業務を執行する役員」とは、会社法(平成17年法律第86号)上の取締役のほか、理事、執行役、支店長等の役職名であって、実質的に業務執行についての権限を有し、地域との調整役として責任を持って対応できる者をいう。
権限を有するかの確認は、定款、法人の登記事項証明、当該法人の代表者が発行する証明書等で行う。
10 法第3条第3項の事務処理基準
(1) 農業委員会は、法第3条第3項の規定の適用を受けて同条第1項の許可を受けた法人等が撤退した場合の混乱を防止するため、次の[1]から[4]までの事項が契約上明記されているか、[1]から[4]までの事項その他の撤退した場合の混乱を防止するための取決めを実行する能力があるかについて確認するものとする。
[1] 農地等を明け渡す際の原状回復の義務は誰にあるか
[2] 原状回復の費用は誰が負担するか
[3] 原状回復がなされないときの損害賠償の取決めがあるか
[4] 貸借期間の中途の契約終了時における違約金支払の取決めがあるか
(2) 農業委員会は、法第3条第3項の規定の適用を受けて同条第1項の許可を受けた法人等が撤退した場合には、次の利用者が継承できるよう、農地等の権利の設定等のあっせん等(農地中間管理事業の推進に関する法律(平成25年法律第101号)第2条第3項に規定する農地中間管理事業、農業経営基盤強化促進法第4条第3項に規定する農地利用集積円滑化事業等の活用等)について関係機関と十分連携して行うものとする。
(3) 法第3条第3項の規定の適用を受けて同条第1項の許可を受けようとする法人等による農地等の権利取得について、農業委員会は、許否の判断に当たり疑義があれば、地方農政局(北海道にあっては経営局、沖縄県にあっては内閣府沖縄総合事務局。以下同じ。)に積極的に相談されたい。
また、農業生産法人以外の法人による農地等の権利取得の状況については、農業委員会・都道府県・地方農政局の間で情報が共有されるよう配慮されたい。
11 法第3条第4項の事務処理基準
農業委員会は、法第3条第4項の規定により通知する際は、当該通知を受けた市町村長が意見を述べるべき期限を定めるものとする。
12 法第3条第5項の許可条件
農業委員会は、農業生産法人に対して法第3条第1項の許可をするに当たっては、同条第5項の規定に基づき、農地等の権利の取得後においてその耕作又は養畜の事業に供すべき農地等を正当な理由なく効率的に利用していないと認める場合は許可を取り消す旨の条件を付けるものとする。
第4 法第3条の2関係
法第3条の2の規定は、法第3条第3項の規定の適用を受けて同条第1項の許可を受けた者について、事後においても農地等の適正な利用の確保を確認することが重要であることから、設けられているところである。
なお、法第3条の2第1項の勧告は、同条第2項第2号の許可取消の前置手続であることから、地域の営農状況等に著しい被害を与えていることを十分確認した上で行うこととし、勧告を受けた者がその勧告に従わなかったときは必ず法第3条第3項の規定の適用を受けてした同条第1項の許可を取り消さなければならない。
(1) 法第3条の2第1項の判断基準
[1] 「相当の期限」とは、講ずべき措置の内容、生じている支障の除去の緊急性等に照らして、個別具体的に設定されるものであるが、法第3条の2第1項各号の状況を可能な限り速やかに是正するために必要な期限とするものとする。
[2] 法第3条の2第1項第1号に該当する場合とは、第3の8の(1)の法第3条第2項第7号の判断基準に該当する場合であって、例えば、病害虫の温床になっている雑草の刈取りをせず、周辺の作物に著しい被害を与えている場合等をいう。
[3] 法第3条の2第1項第2号に該当する場合とは、第3の9の法第3条第3項関係の(2)の[1]及び[2]に該当しない場合であって、例えば、担当である水路の維持管理の活動に参加せず、その機能を損ない、周辺の農地の水利用に著しい被害を与えている場合等をいう。
[4] 法第3条の2第1項第3号に該当する場合とは、第3の9の法第3条第3項関係の(2)の[3]に該当しない場合であって、例えば、法人の農業部門の担当者が不在となり、地域の他の農業者との調整が行われていないために周辺の営農活動に支障が生じている場合等をいう。
(2) 法第3条の2第2項の事務処理基準
法第3条の2第2項各号に該当するかの判断に当たっては、法令の定めによるほか、次によるものとする。
[1] 法第3条の2第2項第1号の「農地又は採草放牧地を適正に利用していない」とは、法第4条第1項又は法第5条第1項の規定に違反して使用貸借による権利又は賃借権の設定を受けた農地等を農地等以外のものにしている場合、使用貸借による権利又は賃借権の設定を受けた農地を法第32条第1項第1号に該当するものにしている場合等をいう。
[2] 法第4条第1項又は法第5条第1項の規定に違反して使用貸借による権利又は賃借権の設定を受けた農地等を農地等以外のものにしている場合には、違反を確認次第直ちに使用貸借による権利又は賃借権を設定した者に対し契約の解除を行う意思の確認を行い、契約の解除が行われない場合には、許可の取消しを行うものとする。この場合の手続については、行政手続法(平成5年法律第88号)第3章の規定により行う。
[3] 使用貸借による権利又は賃借権の設定を受けた農地を法第32条第1項第1号に該当するものにしている場合には、その状態が確認された時点から速やかに、使用貸借による権利又は賃借権を設定した者に対し契約の解除を行う意思の確認を行い、契約の解除が行われない場合には、許可の取消しを行うものとする。この場合の手続については、行政手続法第3章の規定により行う。
(3) 「あっせんその他の必要な措置」とは、当該農地等の所有者に対しての当該農地等についての権利の設定等のあっせん等(農地中間管理事業の推進に関する法律第2条第3項に規定する農地中間管理事業、農業経営基盤強化促進法第4条第3項に規定する農地利用集積円滑化事業等の実施等)の働きかけ等をいう。
第5 法第3条の3関係
農地等についての権利取得の届出は、農業委員会が許可等によっては把握できない農地等についての権利の移動があった場合にあっても、農業委員会がこれを知り、その機会をとらえて、農地等の適正かつ効率的な利用のために必要な措置を講ずることができるようにするものである。
この届出の取扱いについては、法令の定めによるほか、次によるものとする。
(1) 法第3条の3第1項に基づき届け出なければならないこととされている農地等についての権利取得は、具体的には、相続(遺産分割、包括遺贈及び相続人に対する特定遺贈を含む。)、法人の合併・分割、時効等による権利取得をいう。
(2) 「遅滞なく」とは、農地等についての権利を取得したことを知った時点からおおむね10か月以内の期間とする。
(3) なお、この届出は、法第3条第1項本文に掲げる権利取得の効力を発生させるものではないことに留意するものとする。
例えば、届出をしたことにより時効による権利の取得が認められるというものではない。
第6 法第4条関係
1 法第4条第2項に規定する許可基準
都道府県知事は、法第4条第1項の許可をするか否かの判断に当たっては、法令の定めによるほか、次によるものとする。
(1) 法第4条第2項第1号の判断基準
[1] 法第4条第2項第1号イに掲げる農地を転用する場合に令第10条第1項第1号に掲げる事由に該当するか否かの判断に当たっては、法令の定めによるほか、次によるものとする。
ア 令第10条第1項第1号イの「一時的な利用」とは、申請に係る目的を達成することができる必要最小限の期間をいい、農業振興地域の整備に関する法律第8条第1項又は第9条第1項の規定により定められた農業振興地域整備計画の達成に支障を及ぼすことのないことを担保する観点から、3年以内の期間に限定するものとする。
イ 令第10条第1項第1号イの「当該利用の目的を達成する上で当該農地を供することが必要であると認められる」とは、申請に係る農地に代えて周辺の他の土地を供することによっては当該申請に係る事業の目的を達成することができないと認められる場合であって、かつ、利用の目的が当該農地を農地として利用することと比較して優先すべきものであると認められる(具体的には、令第10条第1項第2号イからヘまでのいずれかに該当するものが対象となり得る。)場合をいうものとする。
ウ 砂利の採取を目的とする一時転用については、次に掲げる要件の全てが満たされなければならないものとする。
(ア) 砂利採取業者が砂利の採取後直ちに採取跡地の埋戻し及び廃土の処理を行うことにより、転用期間内に確実に当該農地を復元することを担保するため、次のいずれかの措置が講じられていること。
a 砂利採取法(昭和43年法律第74号)第16条の規定により都道府県知事の認可を受けた採取計画(以下「採取計画」という。)が当該砂利採取業者と砂利採取業者で構成する法人格を有する団体(その連合会を含む。)との連名で策定されており、かつ、当該砂利採取業者及び当該団体が採取跡地の埋戻し及び農地の復元について共同責任を負っていること。
b 当該農地の所有者、砂利採取業者並びに採取跡地の埋戻し及び農地の復元の履行を保証する資力及び信用を有する者(以下「保証人」という。)の三者間の契約において、次に掲げる事項が定められていること。
(a) 当該砂利採取業者が採取計画に従って採取跡地の埋戻し及び農地の復元を行わないときには、保証人がこれらの行為を当該砂利採取業者に代わって行うこと。
(b) 当該砂利採取業者が適当な第三者機関に採取跡地の埋戻し及び農地の復元を担保するのに必要な金額の金銭等を預託すること。
(c) 保証人が当該砂利採取業者に代わって採取跡地の埋戻し及び農地の復元を行ったときには、(b)の金銭等をその費用に充当することができること。
(イ) 砂利採取業者の農地の復元に関する計画が、当該農地及び周辺の農地の農業上の効率的な利用を確保する見地からみて適当であると認められるものであること。また、当該農地について土地改良法(昭和24年法律第195号)第2条第2項に規定する土地改良事業の施行が計画されている場合においては、当該土地改良事業の計画と農地の復元に関する計画との調整が行われていること。
[2] 則第33条第2号に掲げる施設に該当するか否かの判断は、次によるものとする。
ア 「農業従事者」には、農業従事者の世帯員も含まれるものとする。
イ 「就業機会の増大に寄与する施設」に該当するか否かは、当該施設において雇用されることとなる者に占める農業従事者の割合が3割以上であるか否かをもって判断するものとする。
当該施設の用に供するために行われる農地転用に係る許可の申請を受けた際には、申請書に雇用計画及び申請者と地元自治体との雇用協定を添付することを求めた上で、農業従事者の雇用の確実性の判断を行うものとする。
なお、雇用計画については、当該施設において雇用されることとなる者の数、地元自治体における農業従事者の数及び農業従事の実態等を踏まえ、当該施設において雇用されることとなる者に占める農業従事者の割合が3割以上となることが確実であると判断される内容のものであるものとする。
また、雇用協定においては、当該施設において雇用された農業従事者(当該施設において雇用されたことを契機に農業に従事しなくなった者を含む。以下このイにおいて同じ。)の雇用実績を毎年地元自治体に報告し、当該施設において雇用された者に占める農業従事者の割合が3割未満となった場合にその割合を3割以上に増やすために講ずべき措置を併せて定めるものとする。この講ずべき措置の具体的な内容としては、例えば、被雇用者の年齢条件を緩和した上で再度募集をすること、近隣自治体にまで範囲を広げて再度募集すること等が想定される。
(2) 法第4条第2項第3号の判断基準
申請に係る事業の施行に関して法令(条例を含む。)により義務付けられている行政庁との協議を行っていない場合については、則第47条第1号に掲げる事由に該当し、申請に係る農地を申請に係る用途に供することが確実と認められないと判断するものとする。
(3) 法第4条第2項第5号の判断基準
都道府県知事は、法第4条第2項第5号の「その利用に供された後にその土地が耕作の目的に供されること」とは、一時的な利用に供された後、速やかに農地として利用することができる状態に回復されることをいう。
2 法第4条第1項の許可に係る事務処理基準
法第4条第1項の許可に係る事務の処理に当たっては、法令の定めによるほか、次によるものとする。
(1) 賃借権の設定された農地の転用に係る事務処理
申請に係る農地の全部又は一部が賃借権の設定された農地である場合であって、当該農地について耕作を行っている者以外の者が転用する場合の許可は、その農地に係る法第18条第1項の賃貸借の解約等の許可と併せて処理するものとする。
(2) 公的な計画との調整
農村地域工業等導入促進法(昭和46年法律第112号)第5条第1項に規定する実施計画に基づく工場用地等の整備など地域の振興等の観点から地方公共団体等が定める公的な計画に従って農地を転用して行われる施設整備等については、農業上の土地利用との調和を図る観点から、当該実施計画の策定の段階で、転用を行う農地の位置等について当該実施計画の所管部局と十分な調整を行うものとする。
(3) 法第4条第4項の許可条件
都道府県知事は、法第4条第1項の許可を行う際は、同条第4項に基づき、原則として次に掲げる条件を付するものとする([3]に掲げる条件については、農地の転用目的が一時的な利用の場合に限る。)。
なお、都道府県知事は、条件を付する場合は、一定の期間内に一定の行為をしない場合には許可が失効するというような解除条件は避ける等、その後の許可の効力等につき疑義を生ずることのないよう明確な条件を付けるものとする。
[1] 申請書に記載された事業計画に従って事業の用に供すること。
[2] 許可に係る工事が完了するまでの間、本件許可の日から3か月後及びその後1年ごとに工事の進捗状況を報告し、許可に係る工事が完了したときは、遅滞なくその旨を報告すること。
[3] 申請書に記載された工事の完了の日までに農地に復元すること。
(4) 許可書に対する注意事項の記載
都道府県知事は、法第4条第1項に基づき許可書を申請者に交付するときは、その許可書に下記の注意事項を記載するものとする。
[注意事項]
許可に係る土地を申請書に記載された事業計画(用途、施設の配置、着工及び完工の時期、被害防除措置等を含む。)に従ってその事業の用に供しないときは、農地法第51条第1項の規定によりその許可を取り消し、その条件を変更し、若しくは新たに条件を付し、又は工事その他の行為の停止を命じ、若しくは相当の期限を定めて原状回復その他違反を是正するための必要な措置を講ずべきことを命ずることがあります。
(5) 農業委員会に対する通知
都道府県知事は、法第4条第1項の処分を行った場合及び農林水産大臣から同項の処分を行った旨の通知があった場合には、その旨を申請に係る農地の所在する市町村の区域を管轄する農業委員会に通知するものとする。
3 法第4条第1項第7号の届出に係る事務処理基準
農業委員会は、法第4条第1項第7号の規定による届出の受理に係る事務の処理に当たっては、法令の定めによるほか、次によるものとする。
(1) 土地改良区に対する通知
農業委員会は、法第4条第1項第7号の規定による届出があった場合において、当該届出に係る農地が土地改良区の地区内にあるときは、農地の転用を行う旨の届出がなされたことを当該土地改良区に通知するものとする。
(2) 届出を受理しない場合
法第4条第1項第7号の規定による届出については、少なくとも次に掲げる場合には、当該届出が適正なものではないこととして不受理とするものとする。
ア 届出に係る農地が市街化区域にない場合
イ 届出者が届出に係る農地につき権原を有していない場合
ウ 届出書に添付すべき書類が添付されていない場合
4 法第4条第5項の協議に係る事務処理基準
法第4条第5項の協議に係る事務の処理に当たっては、法令の定めによるほか、次によるものとする。
(1) 法第4条第5項の協議の手続
国又は都道府県が農地を農地以外のものにしようとする場合には、直接、都道府県知事(国又は都道府県が同一の事業の目的に供するため4ヘクタールを超える農地を農地以外にする場合には、農林水産大臣。以下この(1)において同じ。)に対し、文書により協議を求めるものとし、当該文書の提出により協議を受けた都道府県知事は、当該協議を成立させるか否かについて文書により回答するものとする。
(2) 法第4条第5項の協議の基準
当該協議を成立させるか否かの判断基準については、法第4条第2項に規定する許可基準の例によるものとする。
第7 法第5条関係
1 都道府県知事の事務処理基準
都道府県知事は、法第5条第1項及び第4項に係る事務の処理に当たっては、法令の定めによるほか、第6の1、2及び4と同様に行うものとする。
2 農業委員会の事務処理基準
農業委員会は、法第5条第1項第6号に係る事務の処理に当たっては、法令の定めによるほか、第6の3と同様に行うものとする。
第8 法第6条、第7条及び第14条関係
1 農業委員会は、法第6条第2項の規定による勧告及び法第7条第2項の規定による買収すべき農地等の認定を行うため、法第6条第1項の規定による法人の事業の状況等の報告を受けた場合、法第14条の規定による立入調査を行った場合等は、法第2条第3項各号に掲げる要件に関する事項について台帳に記録するものとする。
2 法第7条第1項の規定による農地等の買収は、農業生産法人の要件を充足しない法人が農地等を所有し、又は利用し続けるという状態を解消するための措置である。
このため、同項にいう農業生産法人でなくなったかについては、ある特定の時点をとらえて判断するのではなく、農業生産法人の要件を再び充足することが困難であり、当該要件を欠いた状態のまま、農地等を所有し、又は利用し続けると認められるかによって判断するものとする。したがって、理事等のうちその法人の常時従事者たる構成員が占める割合が一時的に過半でなくなった場合等、農業生産法人の要件を再び充足すると見込まれる場合は、農業生産法人でなくなった場合との取扱いは行わないものとする。
また、農業生産法人が要件を欠いている状態であっても、近く解散する予定で事業を廃止するため自ら農地等の処分を進めている場合、近く競売等により農地等の処分が行われると見込まれる場合等、当該法人が引き続き農地等を所有し、又は利用することが見込まれない場合には、農業委員会は、同条第2項の規定による公示を当分の間見合わせるものとする。
3 法第7条第3項の「過失がなくてその者を確知することができないとき」とは、登記簿等による農地等の所有者の居所の確認、農業協同組合等関係者への聴取り等社会通念上必要と考えられる手段をもって調査を尽くし、これによっても買収すべき農地等の所有者が不明である場合、その者が明らかであるが居所が不明である場合、買収すべき農地等の所有権の帰属をめぐって争いがある場合等をいう。
第9 法第18条関係
1 法第18条第1項の許可対象
(1) 法第18条第1項第1号関係
「信託行為によりその信託が終了することとなる日」とは、信託を設定する行為によって定められた信託期間の終了の日をいう。信託契約が変更され、信託期間に変更があったときは、変更後の信託期間の終了の日をいう。
(2) 法第18条第1項第2号関係
賃貸人の一方的意思表示によって「合意による解約」が成立する旨をあらかじめ定める等「合意による解約」について賃貸借の当事者が実質的に合意をしたときが法第18条第1項第2号にいう「合意」のときであると解され、そのときが農地等を引き渡すこととなる期限前6か月前である場合には、その合意に係る「合意による解約」をしようとする当事者は都道府県知事の許可を受けなければならない。
(3) 法第18条第1項第3号関係
[1] 「期間の満了前にその期間を変更したもの」には、賃貸借の期間を延長したものはもちろん、その期間を短縮したものも含まれる。
[2] 期間の定めのない賃貸借につきその期間を定めた場合におけるその賃貸借については、法第18条第1項第3号の「10年以上の期間」の始期は、その期間を定めたときをいう。
(4)  法第18条第1項第4号及び第5号関係
農業委員会に届出を行った場合であっても、届出に係る農地等が適正に利用されている場合には解除の効力を生じないことは言うまでもない。
2 法第18条第1項の許可対象
都道府県知事は、法第18条第1項の許可をするかの判断に当たっては、法令の定めによるほか、次によるものとする。
(1) 法第18条第2項第1号の判断基準
法第18条第2項第1号の「信義に反した行為」とは、特段の事情がないのに通常賃貸人と賃借人の関係を持続することが客観的にみて不能とされるような信義誠実の原則に反した行為をいうものとする。
例えば、賃借人の借賃の滞納、無断転用、田畑転換等の用法違反、無断転貸、不耕作、賃貸人に対する不法行為等の行為が想定される。
(2) 法第18条第2項第2号の判断基準
法第18条第2項第2号に該当するかは、例えば、具体的な転用計画があり、転用許可が見込まれ、かつ、賃借人の経営及び生計状況や離作条件等からみて賃貸借契約を終了させることが相当と認められるか等の事情により判断するものとする。
(3) 法第18条第2項第3号の判断基準
法第18条第2項第3号に該当するかは、賃貸借の消滅によって賃借人の相当の生活の維持が困難となるおそれはないか、賃貸人が土地の生産力を十分に発揮させる経営を自ら行うことがその者の労働力、技術、施設等の点から確実と認められるか等の事情により判断するものとする。
(4) 法第18条第2項第6号の判断基準
法第18条第2項第6号の「その他正当の事由がある場合」とは、賃借人の離農等により賃貸借を終了させることが適当であると客観的に認められる場合とする。
これらの判断に当たっては、個別具体的な事案ごとに様々な状況を勘案し、総合的に判断する必要があるが、法第2条の2の責務規定が設けられていることを踏まえれば、賃借人が農地を適正かつ効率的に利用していない場合は、法第18条第2項第1号に該当しない場合であっても、同項第6号に該当することがあり得る。
このため、賃貸借の解約等を認めることが農地等の適正かつ効率的な利用につながると考えられる場合には積極的に許可を行うべきである。
3 賃貸借の当事者への通知
農業委員会は、法第18条第6項の規定により賃貸借につき解約の申入れ、合意による解約又は賃貸借の更新をしない旨の通知をした旨の通知を受理した場合で、これらの行為が法第18条第1項ただし書の規定により同項の許可を受けることを要しないものに該当しないと認めるときは、速やかにその賃貸借の当事者に同項の許可を要する旨を通知するものとする。
4 農業委員会に対する通知
都道府県知事は、法第18条第1項の処分を行った場合には、その旨を申請に係る農地等の所在する市町村の区域を管轄する農業委員会に通知するものとする。
第10 法第25条関係
1 和解の仲介に当たっての農業委員会の事務処理基準
農業委員会は、法第25条第1項の規定により和解の仲介を行おうとする場合の事務の処理に当たっては、法令の定めによるほか、次によるものとする。
(1) 法第25条第1項の「和解の仲介を行うことが困難又は不適当」なときとは、例えば、その利用関係の紛争に係る農地等に他の農業委員会の区域内にある農地等が含まれているとき、その紛争が農地等に係る行政処分の変更等を必要とすることとなることが予想されるとき、その紛争の当事者の一方が当該農業委員会の委員又はその配偶者若しくは世帯員等であるとき等をいう。
(2) 法農業委員会は、法第25条第1項の規定による和解の仲介の申立てが当事者の代理人によって行われる場合には、その代理権を有することを証する書面の提出を求めるものとする。
(3) 農業委員会の会長は、法第25条第2項の規定により仲介委員を指名する場合は、当該紛争の当事者の親族である農業委員又は当該紛争について利害関係を有する農業委員は指名しないものとする。
また、農業委員会の会長は、仲介委員に事故がある場合には、その仲介委員の指名を解き、新たに仲介委員を指名するものとする。
(4) 民事調停法(昭和26年法律第222号)による農事調停に付されている紛争について和解の仲介の申立てがあった場合には、その申立ては受け付けておくものとし、和解の仲介は、原則として、当該農事調停の決着を待って行うものとする。
(5) 本条の和解の仲介により和解が成立した場合には、民法第696条の和解の効力が発生する。
2 和解の仲介に当たっての仲介委員の事務処理基準
法第25条第2項の規定により指名された仲介委員は、和解の仲介を行う場合の事務処理に当たっては、法令の定めによるほか、次によるものとする。
(1) 代理人の出頭
令第28条第1項の規定に基づき当事者の出頭を求めた場合に、同条第2項の規定により代理人が出頭したときは、当事者がその者に対し仲介についての代理権を授与したことを証する書面の提出を求めるものとする。
(2) 仲介手続の休止
和解の仲介に係る紛争が農事調停等他の法令による紛争処理に係属している場合、その係属中は、仲介手続を休止するものとする。
(3) 和解の仲介の打切り
第30条第2項の規定により仲介の場において和解の仲介を打ち切ることを決定した場合は、その旨を宣言するものとし、その他の場所においてその旨を決定した場合は、当事者及び参加人に対し、その旨を通知するものとする。
(4) 農業委員会に対する報告
和解が成立した場合又は令第30条第2項の規定により和解の仲介を打ち切った場合には、その経過及び結果を農業委員会に報告するものとする。
(5) 和解の仲介の申立ての取下げ
申立人から仲介の申立ての取下げがあった場合には、和解の仲介を終了するものとし、仲介の場以外において取下げがあった場合には、被申立人及び参加人に対しその旨を通知するものとする。
3 記録
農業委員会は、和解の仲介の申立てがありその仲介を行った場合は、申立人及び仲介委員の氏名並びにその経過及び結果を記録し保管するものとする。この場合、和解の仲介の経過としては、仲介の期日ごとにその出席した仲介委員、当事者、利害関係人等の氏名、仲介の概要及び法第26条の規定により聴取した小作主事の意見を記録するものとする。
4 調書の保管等
農業委員会は、仲介により和解が成立した紛争につき、令第30条第1項の規定による調書の原本を整理しこれを保管するものとする。また、当事者その他利害関係人から申請があった場合には、その調書の謄本を交付するものとする。
第11 法第26条関係
1 小作主事の意見聴取
小作主事は、法第26条の規定により意見を求められた場合は、仲介期日に出席して、当事者から事情を聴いた上で、意見を述べるものとする。なお、仲介期日に出席できない場合には、仲介委員又は農業委員会の職員等から事件の内容の詳細を聴いた上で、書面によって意見を述べるものとする。
2 記録
小作主事は、法第26条の規定により意見を述べた場合には、その要旨を記録しておくものとする。
第12 法第28条関係
1 農業委員会の意見聴取
都道府県知事(法第28条第2項の規定により小作主事その他の職員に和解の仲介を行わせる場合には、当該職員。2において同じ。)は、仲介を行うため必要があると認める場合には、成立させるべき和解条項の適否及び仲介方針について農業委員会の意見を求めるものとする。
2 準用
第10の2((4)を除く。)から4までの規定は、都道府県知事が法第28条第1項の規定により和解の仲介を行う場合に準用する。この場合において、第10の3中「法第26条の規定により聴取した小作主事の意見」とあるのは、「農業委員会の意見」と読み替えるものとする。
第13 法第37条から第43条まで関係
1 裁定の申請
(1) 都道府県知事は、農地中間管理権(法第37条に規定する農地中間管理権をいう。以下同じ。)の設定に関する裁定の申請があったときは、当該申請に係る農地の所有者等(法第32条第1項に規定する所有者等をいう。以下同じ。)の氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地並びに代表者の氏名)、当該申請に係る農地の所在、地番、地目及び面積、当該申請に係る農地の利用の現況、当該申請に係る農地についての申請者の利用計画の内容の詳細、希望する農地中間管理権の内容、始期及び存続期間並びに借賃及びその支払の方法その他参考となるべき事項を公告するとともに、その申請に係る所有者等にこれを通知し、2週間を下らない期間を指定して意見書を提出する機会を与えなければならない。
(2) また、所有者等への通知に当たっては、その者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地並びに代表者の氏名)、その者の有する権利の種類及び内容、その者の当該農地の利用の状況及び利用計画、その者が当該農地を現に耕作の目的に供していない理由、意見の趣旨及びその理由その他参考となるべき事項について、意見書において明らかにしなければならない旨を併せて通知するものとする。
2 裁定
都道府県知事は、法第39条第1項(法第43条第2項において読み替えて準用する場合を含む。(1)において同じ。)の規定により農地中間管理権又は法第43条第1項に規定する農地を利用する権利(以下「農地中間管理権等」という。)を設定すべき旨の裁定(以下「裁定」という。)をする場合は、次によるものとする。
(1) 法第39条第1項の「当該農地の利用に関する諸事情」とは、農地中間管理権にあっては裁定に係る申請書及び所有者等からの意見書によって把握したその農地の利用の現況、所有者等の農業経営の状況等を、法第43条第1項に規定する農地を利用する権利にあっては裁定に係る申請書及び法第32条第3項(法第33条第2項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による公示後の農業委員会からの聴き取りによって把握したその農地の利用の現況等をいい、裁定に当たっては、その農地の利用に関する事情をできるだけ幅広く、かつ、客観的に把握することが適当である。
(2) 農地中間管理権等を設定すべき農地の所在、地番、地目及び面積、その権利の内容並びにその権利の始期及び存続期間は、申請の範囲を超えてはならない。
(3) 農地中間管理権等の内容は、農地の現況及び用途からみて通常用いられる範囲内の利用形態であることとする。例えば、水田に土盛りをして畑として果樹を植栽したり、畑を開田して水稲を栽培したりすることは裁定をする場合における農地中間管理権等の内容としては認められない。
(4) 裁定をする場合における借賃又は借賃に相当する補償金の額については、農業委員会の提供等による当該農地の近傍類似の農地の借賃等を十分考慮し、当該農地の生産条件等を勘案して算定する。
この場合、農地中間管理権等の設定を受ける農地中間管理機構が当該農地を利用するために復旧工事を行う必要があると都道府県知事が認めるときは、復旧に必要な費用として算定した額を勘案して借賃又は借賃に相当する補償金の額から減額することができるものとする。
なお、法第43条第1項に規定する農地を利用する権利に係る借賃に相当する補償金の額は、当該権利の存続期間に係る金額である。
3 法第43条関係
(1) 法第43条第1項の規定による農地を利用する権利が設定された農地については、その残存期間が1年以下となった場合には、法第33条第1項に該当する農地となることから(則第78条第3号)、当該権利の設定を受けていた農地中間管理機構が再び当該農地の利用を希望する場合は、当該権利が速やかに設定されるよう配慮されたい。
(2) 法第43条第5項により供託された補償金の還付手続については、当該農地の権利を有することを証する登記簿謄本(所有権以外の権原による場合は、法第3条の農業委員会の許可を受けたことを証する書面)を添えて行うものとする。
第14 法第51条関係
1 法第51条第1項の規定による処分の基準
都道府県知事は、法第51条第1項の規定により、違反転用に対する処分を行うに当たっては、法令の定めによるほか、次によるものとする。
(1) 農地転用許可の記録の整理及び保存
都道府県知事は、法第4条第1項又は第5条第1項の規定により許可を行った場合には、許可処分をした事案について、その概要を整理した台帳を作成・保存し、工事の進捗状況の把握及び事業計画に従った事業執行についての催告等に資するものとする。
(2) 農業委員会からの報告の徴収
都道府県知事は、違反転用の事実を知り、又はその疑いがあると認められる場合は、法第50条の規定に基づき、必要に応じ農業委員会に対して土地の状況その他違反転用に係る事情等の調査及び報告を求めるものとする。
(3) 違反転用者等に対する勧告
都道府県知事は、違反転用事案があった場合には、法第51条第1項の規定による処分を行う前に、違反転用者等に対し工事その他の行為の停止等を書面により勧告するものとする。また、勧告を行った場合には、当該勧告に係る農地の所在する市町村の区域を管轄する農業委員会にその旨を通知するものとする。
(4) 処分に当たっての考慮事項
都道府県知事は、法第51条第1項の規定による処分を行うに当たっては、違反転用事案の内容及び違反転用者等からの聴聞又は弁明の内容を検討するとともに、当該違反転用事案に係る土地の現況、その土地の周辺における土地の利用の状況、違反転用により農地及び採草放牧地以外のものになった後においてその土地に関し形成された法律関係、農地及び採草放牧地以外のものになった後の転得者が詐偽その他不正の手段により許可を受けた者からその情を知ってその土地を取得したかどうか、過去に違反転用を行ったことがあるかどうか、是正勧告を受けてもこれに従わないと思われるかどうか等の事情を総合的に考慮して処分の内容を決定するものとする。
(5) 農業委員会に対する通知等
都道府県知事は、法第51条第1項の規定による処分を行った場合及び農林水産大臣から同項の規定による処分を行った旨の通知があった場合には、その旨をこれらの処分に係る農地の所在する市町村の区域を管轄する農業委員会に通知するとともに、その履行状況等につき法第50条の規定により当該農業委員会に報告を求めるものとする。
2 法第51条第3項の規定による処分の基準
都道府県知事は、法第51条第3項の規定による処分を行うに当たっては、法令の定めによるほか、行政代執行法(昭和23年法律第43号)第4条の規定の例により、当該処分のために現場に派遣される執行責任者に対し、本人であることを示す証明書を携帯させ、要求があるときは、いつでもこれを提示させるものとする。
第15 法第63条の2関係
この法律の運用に当たっては、我が国農業は、家族経営及び農業生産法人による経営等を中心とする耕作者が農地に関する権利を有することが基本的な構造であり、これらの耕作者と農地が農村社会の基盤を構成する必要不可欠な要素であることを十分認識することが重要である。
このため、法第63条の2において、運用上の配慮規定が設けられているところである。
なお、農地制度の運用については、平成21年の農地法等の一部を改正する法律の国会審議の際、衆・参両院で附帯決議がなされている。

 

別紙2
農地法等の一部を改正する法律附則に係る処理基準
都道府県知事及び農業委員会は、農地法等の一部を改正する法律(平成21年法律第57号。以下「改正法」という。)附則第3条、第5条、第6条及び第8条の規定により、なお従前の例による又はなおその効力を有するものとされた改正法第1条の規定による改正前の農地法(昭和27年法律第229号。以下「旧法」という。)の規定に基づく農地等の買収、売渡し、未墾地等の買収、売渡し及び譲与並びに買収した土地等の管理については、法令に定めるほか次によるものとする。
第1 改正法附則第3条関係
都道府県知事は、旧法第11条第1項第3号の対価の算定に当たっては、農地法施行令等の一部を改正する政令(平成21年政令第285号。以下「改正令」という。)第1条の規定による改正前の農地法施行令(昭和27年政令第445号。以下「旧令」という。)第2条第3項の規定により、農林水産大臣の承認を受けて定めた算定方法により行う。
第2 改正法附則第5条関係
農業委員会は、旧法第36条第1項第3号の規定により、売渡しの相手方として適当であると認めるに当たっては、旧法第37条に規定する買受申込書を提出した者の経営規模、経営の状況、経営能力等を総合的に勘案した上、効率的かつ安定的な農業経営の育成、農業経営の法人化の促進、農地の集団化等に資するよう配慮するものとする。
第3 改正法附則第6条第3項関係
都道府県知事は、旧法第71条の規定により、旧法第67条第1項第6号の時期到来後、遅滞なく、売り渡した土地等の状況を検査しなければならないこととされているが、次に掲げる場合には、検査を翌年度に延期して差し支えないものとする。なお、この場合には、土地等の売渡しを受けた者に対し、翌年度において検査が実施される旨を通知するものとする。
(1) 検査時期が冬期間となり積雪等自然条件の障害のため検査の実施が不可能な場合
(2) 災害等偶発的事故の発生その他やむを得ない事由により検査延期を相当とする場合
第4 改正法附則第6条第4項関係
(1) 旧法第73条の許可基準
都道府県知事は、旧法第73条第1項の許可をするかの判断は、法令の定めによるほか、次によるものとする。
[1] 旧法第61条の規定により売り渡された土地等について旧法第72条第1項の規定による買収を行うことが相当であると認められる場合には、許可を行わないものとする。
[2] [1]に該当する場合を除き、農地を転用するためその農地について農地法(昭和27年法律第229号。以下「法」という。)第3条第1項本文に掲げる権利を取得する行為に係る旧法第73条第1項の許可をするかについては、法第5条第2項に規定する許可の基準によって判断するものとする。
[3] [1]及び[2]以外に該当する場合は、法第3条第2項に規定する許可の基準によってその可否を判断するものとする。
(2) 農業委員会に対する通知
都道府県知事は、旧法第73条第1項の処分を行った場合及び農林水産大臣から同項の処分を行った旨の通知があった場合には、その旨を申請に係る農地の所在する市町村の区域を管轄する農業委員会に通知するものとする。
第5 改正法附則第6条第6項関係
都道府県知事は、旧法第74条の2第3項の規定により、譲与の相手方に譲与通知書を交付するに当たっては、同条第1項に規定する条件によるほか、次に掲げる条件を付するものとする。
(1) 譲与された道路等の用途を廃止しようとする場合には、あらかじめその旨を都道府県知事に通知すること。
(2) 譲与された道路等の所有権又は使用及び収益を目的とする権利を第三者に移転又は設定しないこと。
第6 改正法附則第8条第1項関係
1 維持及び保存
(1) 管理の一般原則
都道府県知事は、旧法第78条第1項に規定する土地、立木、工作物及び権利(以下「自作農財産」という。)のうち同条第2項及び旧令第15条第1項の規定により都道府県知事が管理することとされた財産については、次により管理の適正を図るものとする。
[1] 毎年調査を行い、必要に応じ適正な措置を講ずるものとする。特に、未貸付地については、調査を重点的に行うものとする。
また、開拓財産(旧令第15条の2第1項に規定する開拓財産をいう。以下同じ。)については、調査の際に3の(1)に規定する開拓財産台帳と現地に所在する土地との不符合状態の解消に努めるものとする。
なお、調査の結果を管理記録カードに記録して保管するものとする。
[2] 自作農財産の無断転用、不法占有、誤盗伐、侵墾、火災その他財産の管理上支障を来す事故(以下「無断転用等」という。)の発生を未然に防止するものとする。土地については、道水路、立木等を目標物として利用して所在及び境界を明らかにしておくとともに、必要に応じ、次の措置をとるものとする。
ア 確定測量を実施し登記の嘱託を行うこと。
イ 自作農財産である旨を表示した標識を設置すること。
ウ 国有財産管理人を設置すること。
エ 柵等を設置すること。
[3] 自作農財産の境界、不用物件の収去等に関し、紛争が生じた場合には、速やかに地方農政局長(北海道にあっては経営局長、沖縄県にあっては沖縄総合事務局長。以下同じ。)にその旨を通知するとともに、その紛争の解決に努めるものとする。また、紛争の当事者が境界確定、明渡し、収去等に応じない場合は、自作農財産の状況等を十分に把握し、必要に応じて、法務局、弁護士その他の専門家の意見を聴いた上で、積極的かつ速やかに必要な手続を行うものとする。
[4] 不法占有等を発見した場合には、速やかに地方農政局長にその旨を通知するとともに、自作農財産の状況等を十分に把握し、必要に応じて、法務局、弁護士その他の専門家の意見を聴いた上で、次の措置を講ずるものとする。
ア 自己の権原に基づかないことを知っている者によって無断で利用に供されている土地については、原則として所有権に基づく所有物返還請求権を行使するとともに、不法行為に基づく損害賠償請求又は不当利得の返還請求を行うこと。
イ 被害木等(自作農財産のうち、誤伐又は盗伐された立木及び正当な権原を有しない者に採取された砂礫等の自作農財産に係る雑産物をいう。以下同じ。)については、誤伐等を行った者の発見に努め、これらの者から始末書を徴した上、被害木等を回収すること。
[5] 開拓財産について5の(7)の不要地調書の提出を行うに当たり、その認定に伴い用途廃止をすべき土地改良財産(土地改良法(昭和24年法律第195号)第94条に規定する土地改良財産をいう。以下同じ。)があるときは、あらかじめ、当該施設等に係る用途廃止のための所要の措置を講ずるものとする。
(2) 他用途との併用
開拓財産である道路(以下「開拓道路」という。)について、併用(改修工事若しくは拡幅工事を行うこと又は現状のままで他の目的に併用することをいう。以下同じ。)を希望する者(以下「併用事業者」という。)がある場合には、都道府県知事は、次により処理するものとする。
[1] 開拓道路を旧法第74条の2の規定による譲与又は旧法第80条第1項の規定による売払い若しくは所管換若しくは所属替(以下「処分」という。)の対象とすることができる場合には、併用してはならない。
[2] 開拓道路が[1]に該当せず、かつ、併用を希望する旨の申出の内容がやむを得ないと認められるときは、次に掲げる事項その他必要な事項について文書をもって協定した上で併用させるものとする。なお、この場合において、開拓道路が将来土地改良財産として所属替をすると見込まれる財産である場合には、所属替後に管理することとなるべき者と十分に調整を行うものとする。
ア 開拓道路としての機能を現状以下に低下させないこと及び併用により開拓道路としての使用が著しく阻害されることのないこと。
イ 開拓道路の維持管理については、関係者は誠意をもってこれに当たるものとし、補修等のために要する費用は原則として、併用事業者が負担すること。
ウ 併用事業者において協定内容に違反した事実のあるとき又は開拓道路の処分が決定したときは、都道府県知事の併用解除の通知により、協定は失効するものとすること。
この場合において、協定前の原状に復する必要があるときは、併用事業者はその費用を負担することとし、また、併用事業者が開拓道路に関して支出した費用については、併用事業者は国に対し負担を求めないこと。
エ 協定の締結期間は、原則として1年とし、その後必要に応じ1年ごとに更新すること。
オ 協定に定めのない事項については、その都度双方で協議して定めるものとすること。
カ 協定を締結したときは、その協定書の写しを添えてその都度地方農政局長に報告するとともに、開拓財産台帳の当該財産の備考欄にその旨を記載するものとすること。
(3) 復旧措置等
都道府県知事は、天災その他の事故の処理について次により処理をするものとする。
[1] 自作農財産が毀損した場合の復旧及び毀損のおそれがある場合の防災措置を次により行うものとする。ただし、当該財産が旧令第16条第1項第6号に該当する場合には、ア又はイに該当する場合を除き、原則として復旧又は防災措置を行わないものとする。
ア 自作農財産の毀損状態が、人の生命及び身体に危険を与えるおそれがあり応急措置を要すると認められる場合又は隣接地若しくは建物等に被害を与えており応急措置を要すると認められる場合、直ちに必要となる応急措置を講ずるものとする。
イ 土砂崩れ等災害の危険があり、放置すれば隣接地等に被害を及ぼすと認められる場合には、防災のための措置を講ずるものとし、この場合において防災関係の補助事業を活用できるときは、これを活用するものとする。
ウ 次に掲げる場合で農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律(昭和25年法律第169号。以下「暫定法」という。)の適用を受けるものは同法による復旧を申請するものとする。
(ア) 自作農財産で農耕目的に貸付け中のものが災害を受けた場合
(イ) 自作農財産で未貸付けのものが災害を受け、隣接の農地等に被害を及ぼした場合
(ウ) 開拓財産で土地改良法第87条の2の規定により造成されたもの以外の土地改良施設である道水路の敷地に供されているものが災害を受けた場合
エ 土地改良法第87条の2の規定により造成された土地改良施設で敷地が開拓財産であり、かつ、管理未委託のものが災害を受けた場合は、都道府県の土地改良担当部局と連絡調整し、同法第88条第1項による手続をとるものとする。
オ 自作農財産に係る災害が暫定法の適用を受けられない場合又は防災関係の補助事業の採択基準に達しない場合において、復旧又は防災の措置を講ずる場合は、関係者の受益割合に応じて費用の振分けについて協議を行うものとする。
(4) 不要地の確定・旧所有者等の確認等
都道府県知事は、5の(7)の不要地調書の提出を行うとき又は地方農政局長(北海道において旧令第16条第1項第1号から第3号までに掲げる土地等に係るものにあっては、農村振興局長)から旧法第80条第1項の認定(以下「不要地認定」という。)があった旨の通知を受けたときには、次により不要地認定があった土地(以下「不要地」という。)についての境界及び数量の確定並びに旧所有者の調査を行うものとする。
[1] 不要地の確定
ア 開拓財産にあっては、隣接土地との境界を確定した上、その数量を確定するための測量を行い地積測量図及び土地所在図を作成し、土地の表題登記を嘱託した後に所有権の保存の登記を嘱託するものとする。ただし、当該開拓財産が旧法第72条の規定により買収されたものその他土地の表題登記がなされているものにあっては、この限りではない。
イ 旧令第16条第1項第5号から第7号までに掲げる不要地のうち、特に境界に係る紛争があるもの及び市街化区域内のものについては、境界を確定し、実測を行い、地積測量図を作成し、地積の変更、更正の登記を嘱託するものとする。
ウ イの境界確定に当たっては、隣地所有者(必要に応じて当該地の耕作者その他の利用者)の立会を求め、その結果について立会者の同意を得るものとする。
エ 一筆の土地の一部につき不要地認定の必要があるときは、あらかじめ分筆の登記を嘱託するものとする。
[2] 旧所有者の確認等
不要地が旧法第80条第2項の規定により、買収前の所有者(以下「旧所有者」という。)又はその一般承継人(以下「旧所有者等」という。)に売り払うべきものである場合には、旧所有者について、買収令書謄本に記載されている旧所有者の住所、氏名又は法人名等を確認するものとする。また、改正令附則第5条に規定する旧所有者等であって知れているものの住所、氏名又は法人名等を把握している場合には、改正令附則第5条に基づく通知を行うため、その関係資料を整理するものとする。
[3] 公共利用の計画の有無の調査
都道府県知事は、自作農財産(旧令第16条第l項第4号に該当する不要地を除く。)の公共利用計画の有無について、当該土地の所在する市町村長又は農業委員会に調査を依頼し、公共利用計画がない場合にはその旨、公共利用計画がある場合にはその事業主体及び用途につき報告を求めるものとする。
[4] 各筆調書の作成
都道府県知事は、開拓財産のうち不要地(以下「開拓不要地」という。)について[1]から[3]までに掲げる調査を行ったときは、開拓不要地の各筆調書を作成して、その調査結果をそれぞれ該当欄に記入し、確定測量図及び旧所有者の確認資料を添付して地方農政局長宛て報告するものとする。
2 貸付け
都道府県知事は、旧令第15条第1項第1号の貸付けを行うに当たっては、法令の定めによるほか、次によるものとする。
(1) 貸付区分
貸付けは、その目的に従い、耕作又は養畜の事業に供するためのもの(以下「農耕貸付け」という。)及び耕作又は養畜の事業以外の事業に供するためのもの(以下「転用貸付け」という。)とに区分するものとする。
(2) 貸付けの手続
[1] 農耕貸付け
農耕貸付けは、法令に定めるほか、次により行うものとする。
ア 旧令第15条の2の規定による農耕貸付け
(ア) 旧令第15条の2の規定による貸付申込みに係る貸付け(以下「旧令第15条の2農耕貸付け」という。)は、公用、公共用又は主たる業務の運営に欠くことのできない試験研究若しくは農事指導の用に供する目的で、国、地方公共団体その他の法人から借受けの要望があり、かつ、当該貸付申込者に貸し付けることがやむを得ないと認められる場合に行うことができるものとする。
(イ) 貸付申込者が、改正令附則第7条の規定による改正前の国有農地等の売払いに関する特別措置法施行令(昭和46年政令第157号。以下「旧措置法施行令」という。)第2条第1項各号に掲げる者(以下「地方公共団体等」という。)であるときは、原則として旧法第80条の規定による売払いの手続に移行するよう貸付申込者及び農林水産大臣に対して要請するものとする。
(ウ) 貸付申込者には、国有財産貸付申込書2部を農業委員会を経由して都道府県知事に提出させるものとする。
また、貸付けの対象となる土地が旧法第9条、第14条又は第44条の規定により買収したものであるとき(旧令第18条第2号又は第3号に該当する場合を除く。)は、あらかじめ当該土地の旧所有者等の同意を得た上で提出させるものとする。
(エ) 都道府県知事は、(ウ)の申込みを相当と認めたときは、国有財産貸付通知書を農業委員会を経由して貸付申込者に交付するものとする。
また、地方農政局長から不要地認定の通知を受けたときは、その旨を貸付申込者に通知するものとする。
(オ) 旧令第15条の2第2項の規定に基づき貸付申込者に国有財産貸付通知書を交付した場合には、当該通知書の写しを農業委員会に送付するものとする。
イ 旧法第9条等の規定による継続貸付け
(ア) 国有農地等(自作農財産のうち開拓財産以外のものをいう。以下同じ。)のうち、旧法第9条等に基づきこれらを国が取得した際に、地上権、永小作権、使用貸借による権利、賃借権又はその他の使用及び収益を目的とする権利が設定されていたものについては、取得当時に設定されていた賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利の内容を買収進達書及び農業委員会に保存されている小作契約書等により調査確認し、この結果に基づき、国有農地等貸付書3部を作成し、国有農地等を使用する権利を有する者との間で確認の上、このうち1部を都道府県知事が、1部を国有農地等を使用する権利を有する者が保管し、1部を農業委員会に送付するものとする。
(イ) 国有農地等貸付書の作成に当たっては、使用料額の適正化、附帯条件の明確化等を図るものとする。
[2] 転用貸付け
ア 都道府県知事は、農地法施行規則等の一部を改正する省令(平成21年農林水産省令第64号)第1条の規定による改正前の農地法施行規則(昭和27年農林水産省令第79号)第44条の3第2号に規定する貸付けの基準に従い審査を行うほか、次に留意して貸し付けるものとする。
(ア) 原則として旧令第16条第1項第1号から第3号まで及び第5号から第7号までのいずれにも該当しない自作農財産について、公用、公共用又は国民生活の安定上必要な施設の用に供する緊急の必要があり、かつ、その用に供されることが確実と認められる場合に行うものとする。
(イ) 転用貸付けを受けようとする者(以下「転用申込者」という。)が、申込みに係る土地を自ら使用するものでない場合は貸し付けないものとする。ただし、次の場合は、この限りでない。
a 転用申込者が、特別の法律で定めるところに従って行う計画的な宅地、工業用地等の造成事業の用に供する場合
b 土地収用法(昭和26年法律第219号)第8条第1項の起業者が、同法第3条に該当する事業の用に供する土地の代替地として使用する場合
c 申込みに係る土地の隣接土地又は周辺地の所有者が行う宅地造成事業であって、申込みに係る土地が袋地、地形狭長等単独利用困難であるか、又はその面積が造成団地全体のおおむね30パーセント以下で当該土地を除いてはその目的が達成できないと認められる場合
d 転用申込者が、賃貸住宅又は建売住宅敷地の用に供しようとする場合
(ウ) 住宅敷地として貸し付ける場合の土地の面積は、原則として次によるものとし、貸付けの目的からみて適正なものでなければならない。

 

住宅の種類

基準面積

最高限度

専用住宅
店舗、工場等併用住宅
(居住以外の用に供する部分の面積が40平方メートル以下のもの)
建築面積の
22分の100以下
400平方メートル
農家住宅 上記のほか、当該農家の農作業に必要な空地面積を加算する。 1,000平方メートル(ただし、北海道にあっては3,000平方メートル)

 

(エ) 貸付けに当たっては、貸付けの対象となる土地等を転用申込者に売り払う場合の価格の算定の際に借地権相当額の控除がないことにつき転用申込者が了解している旨を確認するものとする。
(オ) 転用申込者が地方公共団体等である場合(旧措置法施行令第2条第1項第2号又は第3号に掲げる者にあっては、その者の主たる目的とする事業の用に供する場合に限る。)は、[1]のアの(イ)に準ずるものとする。
(カ) 貸付申込みに係る土地が、所管換又は所属替を受けた土地である場合は、転用貸付けを行わないものとする。
(キ) 法第5条第2項に規定する農地転用の許可の基準を満たしていることを確認するものとする。
イ 転用申込者には、開拓財産(旧令第15条第1項第1号に基づき農林水産大臣が自ら管理することを相当と認めたものを除く。)にあっては都道府県知事に、国有農地等にあっては農業委員会を経由して都道府県知事に、国有財産転用借受申込書2部を提出させるものとする。
また、貸付けの対象となる土地が旧法第9条、第14条又は第44条の規定により買収したものであるとき(旧令第18条第2号又は第3号に該当する場合を除く。)であって、当該土地の耕作者、旧所有者等その他の利害関係者があるときは、あらかじめこれらの者の同意を得た上で提出させるものとする。
ウ 都道府県知事は、審査の結果、貸付けを相当と認めたときは、開拓財産にあっては直接、国有農地等にあっては農業委員会を経由して国有財産転用貸付通知書を転用申込者に交付するものとする。ただし、転用申込者が地方公共団体等である場合は、地方農政局長に不要地認定の進達を行い、地方農政局長から認定の通知を受けたときは、その旨を転用申込者に通知するものとする。
なお、貸付申込みに係る土地が、所管換又は所属替を受けた土地である場合は転用貸付けを行わず、あらかじめ耕作及び養畜の事業以外の事業に供することについて、旧所管庁の同意を得た上で、旧所管庁へ所管換又は所属替を行うとともに、その旨を転用申込者に通知するものとする。
エ 旧令第15条の2第2項の規定に基づき転用申込者に国有財産転用貸付通知書を交付した場合には、当該通知書の写しを農業委員会に送付するものとする。
(3) 使用料
[1] 農耕使用料
ア 農耕貸付けに係る使用料は、次により定めるものとする。
(ア) 土地については、農業委員会の提供等による当該貸付けの対象となる農地の近傍類似農地の借賃等(以下「提供借賃等」という。)を十分考慮し、当該貸付けの対象となる農地の生産条件等を勘案して算定した額とする。
(イ)  建物については、近傍類似の建物の固定資産課税台帳登録価格に相当する額に100分の36を乗じて得た額とする。
[2] 転用使用料
新たに転用貸付けする場合における使用料は、転用後の用途に従い、固定資産税課税標準(地方税法(昭和25年法律第226号)第349条第1項から第6項までの規定により貸付地又はその近傍類似地の土地課税台帳若しくは土地補充課税台帳に登録されたものをいう。)を基に、別表の1により算出した平方メートル当たりの使用料額に実測面積を乗じて得た額とする。
ただし、その用途が国有財産法(昭和27年法律第73号)第15条ただし書若しくは第22条、国有財産特別措置法(昭和27年法律第219号)第2条又は他の法令の規定により無償使用若しくは無償貸付けをすることができることとされている施設の敷地に該当する場合の転用使用料年額が平方メートル当たり1円を超えるときは、平方メートル当たり年額1円とする。
[3] 減額等
ア 国有財産特別措置法第3条の規定による使用料の減額は、[1]又は[2]により算出した額について行うことができるものとする。
イ 地方税法第343条第5項又は第702条第2項の規定により固定資産税又は都市計画税が借受者に課税される場合には、[1]又は[2]により算出した額から当該課税相当額を控除した額をもって使用料とすることができるものとする。ただし、市街化区域内の農耕貸付地については、生産緑地法(昭和49年法律第68号)第3条に基づき生産緑地地区に定められたものを除き、この控除を行わないものとする。
[4] 使用料改定
ア 都道府県知事は、提供借賃等の水準の著しい変動、固定資産税課税標準の改定等により使用料を改定することが必要であると認めた場合には、借受者に対し改定年度の前年度に使用料額改定予告通知書を送付し、借受者から使用料の改定に同意する旨の承諾書を徴した上で借受者に国有財産使用料額変更通知書を交付するものとする。
なお、転用貸付けに係る使用料については、地方税法第349条の規定に基づく固定資産税の課税標準の基準年度における課税標準の価額の改定があったとき、又は課税標準の価額の特例が定められたときに改定を行うものとし、別表の2により算定するものとする。
イ 都道府県知事は、アの使用料改定時に転用貸付地の借受者から近傍類似地の民間賃貸実例に比較して著しく不適当であるとの申出があった貸付地にあっては、その事実を確認するに足りる資料の提出を求めた上審査し、当該申出が適正と認められる場合には、別表の2により算定した使用料の修正をすることができるものとする。
ウ 都道府県知事は、使用料の改定を行ったときは、遅滞なく使用料額改定一覧表を地方農政局長に送付するものとする。
(4) 貸付けの変更、解約等
[1] 貸付条件の履行状況調査等
都道府県知事は、貸し付けた土地等について、適宜見回り等を行うとともに、毎年、貸付通知書に記載された貸付条件の履行状況調査をアにより実施し、調査結果を地方農政局長に報告するとともに、その結果に基づいてイからオまでに定めるところにより処理するものとする。また、その際に、買受勧奨も併せて行うものとする。
ア 貸付条件の履行状況の報告及び調査
(ア) 農耕貸付地の借受者又は転用貸付地の借受者から、使用料徴収等の機会を利用して、毎年12月までに耕作状況報告書又は転用借受状況報告書を提出させるものとする。
(イ) (ア)の報告書、見回り等により耕作していない事実又は無断転貸行為等の不適切な事実が判明した場合には、速やかに事実関係を調査の上、判明した事実を記録して保管するとともに、イからエまでに定める措置をとるものとする。
イ 貸付条件の履行の督促等
借受者において、転貸、賃借権その他の権利の譲渡、無断転用その他の国有財産貸付通知書、国有農地等貸付書又は国有財産転用貸付通知書に定める貸付けの条件に違反している事実があることを発見したときは、管理記録カードに記録するとともに、借受者に対し、原状回復その他違反を是正するために必要な措置(以下「原状回復等」という。)を講ずるよう書面にて求めるものとする。その際に、原状回復等を講じない場合は、通知が到達したときから土地にあっては1年、建物にあっては6か月が経過したときに貸付けを解除する旨を併せて通知するものとする。
ウ 貸付けの解除等
(ア) 農耕貸付け
原状回復等を講ずるよう求めたにもかかわらず、借受者においてイに定める期間内に原状回復等がされない場合は、法第18条第1項の許可(以下「18条許可」という。)を受けて、遅滞なく国有財産貸付契約解除通知書(以下「解除通知書」という。)を借受者に交付し、貸付けを解除するものとする。
また、やむを得ないと認められる事由がないにもかかわらず、法第32条第1項各号のいずれかに該当する現に耕作の目的に供されておらず、かつ、引き続き耕作の目的に供されないと見込まれる等の場合には、18条許可を受けて、更新拒絶を行うものとする。
(イ) 転用貸付け
原状回復等を講ずるよう求めたにもかかわらず、借受者においてイに定める期間内に原状回復等がされない場合は、遅滞なく解除通知書を借受者に交付し、貸付けを解除するものとする。
エ 貸付条件の履行の督促及び貸付けの解除等の特例
(ア) 農耕貸付け
イ及びウの規定にかかわらず、次に掲げる事実を確認したときは、遅滞なく18条許可を受けるとともに、当該許可を受けた日から1か月以内に解除通知書を借受者に交付し、貸付けを解除するものとする。
a 転貸又は賃借権その他の権利の譲渡を行っており、これらの行為により当該土地の使用収益が開始されたときから10年を経過していない場合
b 天災その他やむを得ないと認められる事由がある場合を除き、借受者が使用料等を滞納し、借受者との間における信頼関係が破壊されている場合
(イ) 転用貸付け
イ及びウの規定にかかわらず、(ア)のa又はbに掲げる事実を確認したときは、1か月以内に解除通知書を借受者に交付し、貸付けを解除するものとする。
オ 貸付けの変更
(ア) 借受者の死亡等により借受者と現使用者とが異なることとなった場合、土地区画整理等により土地の表示に変更があった場合その他国有財産貸付通知書、国有農地等貸付書又は国有財産転用貸付通知書の記載事項の変更又は訂正を必要と認める場合には、借受者と現使用者からこれに必要な証明書類(例えば、戸籍謄本、地上物件の売買契約書等)の提出を求める等して確認し、名義変更、土地の表示の変更、使用料の改定等の措置を講ずるものとする。
(イ) 借受者が死亡し、相続人が未確定の場合において貸付契約を変更するときは、法定相続人においてそのいずれか一人を選定させ、その者と貸付契約を締結するものとする。ただし、複数の法定相続人から契約要望があった場合には、複数の連名により貸付契約を締結することができるものとする。
(ウ) 借受者が行方不明の場合であって、その居所について、関係者、関係機関等からの聴取調査を行っても確認できないときには、法務局、弁護士その他の専門家の意見を聴いた上で、次の方法による措置その他の法的な措置を検討するものとする。
a 借受者の死亡が確認又は推定できる場合であって、配偶者又は推定相続人(以下「推定相続人等」という。)が存在するときは、失踪宣告等により当該推定相続人等に名義変更を行う。
b 借受者の死亡が確認又は推定できない場合には、公示送達による支払督促及び停止条件付契約解除通知を行い、その履行期限内に使用料等の支払等がないときは、建物収去土地明渡請求訴訟を行う。
c 借受者の死亡が確認又は推定できる場合であって、推定相続人等が存在しないときは、相続財産管理人選任の申立手続を経た上で、当該管理人に対して、支払督促及び停止条件付契約解除通知を行い、その履行期限内に使用料の支払等がないときは、建物収去土地明渡請求訴訟を行う。
カ その他
貸付けを解除したにもかかわらず、当該土地の使用収益を行っている者がいる場合には、1の(1)の[4]に準じて処理を行うものとする。
[2] 合意解約
都道府県知事は、農耕貸付けについて、借受者から解約の希望があったときは、解約を希望する土地等の表示、解約の申入れ事由及び土地の引渡しの時期を記載した解約申入書2部を提出させ、そのうち1部を農業委員会に送付するものとする。
また、その申入れの日から6か月以内に合意による解約の日までの使用料及び土地の引渡しの時期を記載した解約同意書を相手方に交付して解約を行い、併せて農業委員会に対し法第18条第6項の規定による通知をするものとする。
3 国有財産台帳等
(1) 国有財産台帳
[1] 国有財産台帳の名称等
都道府県知事は、旧令第15条第1項第3号の規定に基づき自作農財産に係る国有財産台帳を備え、財産の増減があったときは、遅滞なくこれを記載するものとする。なお、国有財産台帳の財産区分ごとの帳簿名称は、国有農地等にあっては国有財産台帳、開拓財産にあっては開拓財産台帳とする。
[2] 区分種目
国有財産台帳に記載すべき国有財産の区分、種目及び数量の単位のうち土地に係るものについては、次に定める国有財産区分種目表により、その他の国有財産に係るものについては、国有財産法施行細則(昭和23年大蔵省令第92号)別表第1に定める国有財産区分種目表による。
ア 国有財産区分種目表(国有農地等)

区分 種目 数量単位 備考
土地 平方メートル  
   
  採草放牧地  
  宅地  
  森林  
  池沼  
  雑種地 他の種目に属しないもの


イ 国有財産区分種目表(開拓財産)

区分 種目 数量単位
土地 開拓用地 平方メートル


[3] 台帳の作成
国有財産台帳は、次の事項に留意して作成するものとし、調製については、調製要領に定めるところによる。
ア 国有財産台帳については、買収、売渡し、売払い、貸付け、貸付けの変更その他の事由による変動があったときは、その都度遅滞なく記載するものとする。
イ 増減事由の用語は、国有財産法施行細則別表第2の国有財産増減事由用語表(以下「国有財産増減事由用語表」という。)に定める用語によるものとし、その詳細(買収、買戻し、売払い等の根拠規定)を備考欄に記入するものとする。
ウ 国有財産台帳に記載すべき価格は、国有財産法施行令(昭和23年政令第246号)第23条の規定に基づき算定した価格とするものとする。
エ 国有農地等に係る国有財産台帳に記載した種目及び数量は、次の場合を除き、その記載を改めてはならない。
(ア) 耕作又は養畜の事業の用に供するための貸付け又は売渡しを前提として行う種目変更
(イ) 境界確定、国土調査等による実測により増減があった場合における数量の変更
オ 開拓財産台帳については、旧自作農創設特別措置法(昭和21年法律第43号)第38条の規定により市町村農業委員会が定めた未墾地買収計画に基づき買収したものについては、市町村の区域ごとに1口座として記載するものとする。
カ 開拓財産台帳(土地)の備考欄には、境界の明示において利用する目標物を表示するものとする。
キ 1の(2)の[2]の協定を締結したときは、開拓財産台帳の備考欄にその旨を記載するものとする。
ク 国有財産台帳に記載されている立木等について、5の(5)の物品取得の通知を行った場合は、当該立木等を物品取得の年月日で国有財産台帳から除去し、「増減事由」欄には枯損又は風倒木については「喪失」、建物又は工作物については国有財産増減事由用語表に定める用語を事由として記載し、備考欄には「雑産物に編入」と記載しておくこととする。
ケ 都道府県知事は、法第50条の規定に基づき農業委員会に対し、毎年度、国有財産整理簿中総括の部分の写し1部を翌年度4月15日までに提出することを求め、これと国有財産台帳の記載事項の照合を行うものとする。
[4] 売払いに伴う国有財産台帳の整理等
ア 地方農政局長から、売払通知書の写しの送付とともに売払代金が納入された旨の通知があった場合において、売り払った土地等(以下「売払地」という。)を貸し付けている場合には、貸付けの相手方に所有者の変更通知を行い、売払通知書の写しを歳入徴収官に送付して、売払代金の納入があった日の前日までの使用料を徴収するとともに、今後の使用料の調査決定を行わないよう措置するものとする。
また、売払代金の納入年月日をもって国有財産台帳を整理するとともに、売払地が国有農地等である場合は、売払地の所在する農業委員会に売払代金の納入年月日を通知する。
イ 地方農政局長から都道府県知事が管理する財産の売払いの解除の通知があったときは、売払い以前の貸付けの相手方に対し、都道府県知事との間に従前の貸付けが継続される旨を通知するとともに、農業委員会に対し、従前の貸付けが継続される旨を通知するものとする。
(2) 国有財産整理簿
[1] 農業委員会は、旧令第15条の3第2項の規定に基づき国有財産整理簿を備え、国有農地等の増減があったときは、遅滞なくこれを記載するものとする。
[2] 国有財産整理簿に記載すべき区分種目等及び整理簿の作成については、(1)の[2]及び[3](オ、カ、キ及びケを除く。)に準じて行うこととする。
[3] 農業委員会は、都道府県知事から国有財産の貸付け等の通知を受けたときは、国有財産整理簿を整理するものとする。
(3) 貸付簿
[1] 貸付簿
都道府県知事は、旧令第15条第1項第3号の規定に基づき、自作農財産に係る貸付簿を備えるものとする。
なお、自作農財産に係る貸付簿の財産区分ごとの帳簿名称は、国有農地等にあっては国有農地等貸付簿、開拓財産にあっては開拓財産貸付簿とする。
[2] 貸付簿の作成
国有農地等貸付簿及び開拓財産貸付簿は、新規貸付け、売渡し、売払い、貸付けの解除等による貸付けの増減又は使用料額の改定その他の変動があったときに、その都度遅滞なく記載、整理するものとする。
4 国有財産増減及び現在額計算書等の送付
(1) 都道府県知事は、旧令第15条第2項及び第3項に基づき、毎会計年度間における、計算証明規則(昭和27年会計検査院規則第3号)第64条から第66条までに定める国有財産増減及び現在額計算書並びに国有財産法第33条から第36条までに定める国有財産増減及び現在額報告書等の資料作成に必要となる報告書等を当該年度終了後速やかに地方農政局長に送付するものとする。
(2) 都道府県知事は、国有農地等については、毎年度末に国有財産台帳に記載されている事項を種目別に集計し、農業委員会から提出のあった整理簿の総括の部分の写しと照合の上、台帳中総括の部分の写し1部を、開拓財産については、毎年度末に開拓財産台帳の当該年度における増減及び現在額を確認し、開拓財産台帳中総括の部分の写し1部をそれぞれ翌年度地方農政局長に提出するものとする。
5 報告等
都道府県知事は、旧令第15条第4項の規定に基づき次により資料の提出又は報告を行うものとする。
(1) 土地改良事業等の施行地区内への編入に係る報告
自作農財産が土地改良法に基づく土地改良事業及び土地区画整理法(昭和29年法律第119号)に基づく土地区画整理事業の施行地区内に編入される場合には、編入されることとなる土地の所在及び面積等を地方農政局長に報告するものとする。
(2) 検査内容等の概要の報告
自作農財産に関し、会計検査院の実地検査、総務省行政評価局の監察、財務省の監査等が実施された場合には、検査内容等の概要を報告するものとする。
(3) 併用協定書の提出
1の(2)の[2]の併用の協定を締結した場合には、協定書の写しを提出するものとする。
(4) 自作農財産の滅失又は毀損に係る報告
自作農財産の滅失又は毀損を発見した場合は、速やかにその状況を地方農政局長に報告するとともに、国有財産法施行令第19条各号に掲げる事項を記載した被害報告書を地方農政局長を経由して農林水産大臣に提出するものとする。提出部数は、その損害見積額が同条ただし書の規定に該当する場合は2部、その他の場合は3部とする。
(5) 雑産物に係る報告
自作農財産の中に枯損木、風倒木、盗伐木、野草、木の実、つる類、かや類、笹類、砂礫その他これに類するもの(建物又は工作物で取りこわし又は撤去処分を行ったものを含む。以下「雑産物」という。)であって、物品管理法(昭和31年法律第113号)第2条第1項に規定する物品に相当するものがあると認めたときは、物品管理法施行令(昭和31年政令第339号)第25条に基づき、遅滞なく物品管理官(地方農政局長、北海道にあっては経営局長)に対し、物品取得通知書を提出するものとする。ただし、不要地認定のあった土地の上にあるものについては、この限りでない。
(6) 貸付地に係る報告
貸付地について、次により地方農政局長に資料を提出するものとする。
[1] 転用貸付けについて毎年度、国有財産転用貸付報告書を作成し、その翌年度4月30日までに提出する。
[2] 毎年度における貸付けの増減及び現在額を確認し、貸付簿中総括の部分の写しを翌年度4月30日(北海道にあっては5月31日)までに提出する。
[3] 使用料の改定を了したときは、遅滞なく使用料改定一覧表を提出する。
(7) 不要地に係る報告
自作農財産の中に旧令第16条第1項各号のいずれかに該当する土地等があると認めたときは、次に掲げる事項に留意して不要地調書を作成し、これを地方農政局長に提出するものとする。なお、都道府県知事は、法第50条の規定に基づき、農業委員会が旧令第16条第1項第4号から第7号までに掲げる基準に該当する国有農地等があると認める場合には不要地調書により報告すべきことをあらかじめ求めるものとする。
ア 不要地が旧令第16条第1項第4号から第7号までに掲げる土地等で、同項第5号に該当し、かつ、同項第4号、第6号又は第7号のいずれかに該当する場合には、同項第5号に該当する土地として報告する。
イ 不要地が旧令第16条第1項第6号又は第7号に該当する場合は原則として現地確認を行うものとし、また不要地が同号に該当する場合は、不要地調書の提出に当たり、同条第2項の意見を付するものとする。この場合は、意見書において、当該土地等の利用状況、当該土地の所在する地域における土地利用の状況とその動向、人口の動向及び農業の見通し等からみた総合的な所見を記載するものとする。
(8) 所管換又は所属替に係る報告
[1] 自作農財産のうち、所管換又は所属替を受けて地方農政局長等(北海道にあっては農林水産大臣、都府県にあっては地方農政局長、沖縄県にあっては内閣府沖縄総合事務局長。以下同じ。)が管理するもの以外のもの(旧法第80条第1項に該当するものに限る。)について、各省各庁の長又は国有財産法第9条第3項の規定により国有財産の事務を行うこととされている長(以下「協議部局長」という。)から所管換又は所属替を受けたい旨の申入れがあった場合には、所管換(所属替)調書及び協議部局長からの申入れに係る文書を地方農政局長に提出するものとする。
[2] 自作農財産のうち、所管換又は所属替を受けて地方農政局長等が管理するものについて、不要地認定があった旨の通知を地方農政局から受けた場合には、所管換(所属替)調書を地方農政局長に提出するものとする。
(9) 引継ぎに係る報告
自作農財産のうち、不要地認定され、財務大臣に引き継ぐことが適当と認められる場合には、引継調書を地方農政局長に提出するものとする。
(10) 土地等の売払いに係る報告
地方農政局長から自作農財産について改正法附則第8条第2項から第4項までの規定に基づき土地等の売払いをすることを予定している旨の通知を受けた場合には、地方農政局長に当該自作農財産に係る売払調書を提出するものとする。
(11) 上記のほか、旧令第15条第4項の規定に基づき、地方農政局長等が資料の提出又は報告を求めた場合には、その求めに応じて資料の提出又は報告を行うものとする。

 

(別表)
転用使用料基準
1 新規貸付け
転用使用料基準
注1 用途の区分は、次による。
(1) 「住宅用」とは、生活の本拠としての住宅及び併用住宅(店舗等事業の用に供する部分の規模を問わない。)の敷地の用に供する場合をいう。ただし、営利法人の社宅及び従業員宿舎を除く。
(2) 「非営利用」とは、貸付けの相手方が地方公共団体、特別の法律に基づき国又は地方公共団体が出資している法人(公社、公団、事業団、公庫等)、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)に基づき設置された一般社団法人又は一般財団法人及び特別の法律に基づき設置された営利を目的としない法人(社会福祉法人、更生保護会、学校法人、日本赤十字社、宗教法人、共済組合等)であって、その事務、事業の用に供する場合をいう。
ただし、競馬、競輪等の施設の用に供する場合を除く。
(3) 「営利用」とは、住宅用又は非営利用以外の用に供する場合をいう。
注2 土地の価格
(1) 「当該年分」とは、新規貸付けにおける貸付けの始期の属する年をいう。
(2) 固定資産税課税標準額は、貸付地の個別事情に即して造成費の控除又は土地の個別要因の違いに基づく価格の修正をすることができるものとする。
2 継続貸付け
(1) 改定使用料の算定
改定使用料は、(3)の調整措置が行われる場合を除き、次の計算式により算定した額とする。ただし、転用貸付地に係る用途の変更、施設の増大等に伴う国有財産特別措置法第3条その他の法令の規定による新たな使用料の減額の適用、減額率の変更等がある場合には、1の新規貸付けに準じて算出した額をもって改定使用料とする。
計算式 算定額=算定基礎額(a)×スライド率(b)-諸経費(c)
(a)=前回改定時の算定額+前回改定時の諸経費(前回改訂時の(c)となる。)
(b)=(消費者物価指数変動率+地価変動率)÷2とし、(2)により設定する。
(c)=地方税法第343条第5項若しくは第702条第2項の規定により固定資産税若しくは都市計画税が借受者に課税されている場合にはその額、又は国有財産特別措置法第3条その他の法令により減額する場合にはその額
(2) スライド率の決定
スライド率は、前回改定した使用料の適用始期から今回改定する使用料の適用始期までの期間における変動率を、直近の指数を用いて小数点以下第4位(第5位以下を切捨て)まで求めることとし、次のア及びイに留意して設定するものとする。
ア 消費者物価指数変動率
都道府県ごとに、総務省が発表する消費者物価指数の都市階級・地方・都道府県庁所在市別総合指数又は各都道府県が発表する消費者物価指数の各都道府県の総合指数を用いて、今回改定時の指数を前回改定時の指数で除して消費者物価指数変動率を求めるものとする。なお、当該指数は、改定時の使用料の適用期間の初日の属する月の6か月前の月の指数をそれぞれ用いるものとする。
イ 地価変動率
貸付財産ごとに、今回改定時の土地の価格を前回改定時の土地の価格で除して地価変動率を求めるものとする。
なお、土地の価格は、改定時の使用料の適用期間の初日の属する年の固定資産税課税標準額をそれぞれ用いるものとする。
(3) 従前の使用料との調整措置
算定額と改定前直近分の使用料(以下「従前の使用料」という。)を比較して、次のア又はイによる調整を行った額をもって各年次の改定使用料とすることができるものとする。
ア 算定額が従前の使用料を上回った場合
[1] 第一年次 従前の使用料×1.05と算定額のいずれか低い方の額
[2] 第二年次 第一年次の使用料×1.05と算定額のいずれか低い方の額
[3] 第三年次 第二年次の使用料×1.05と算定額のいずれか低い方の額
イ 算定額が従前の使用料を上回った場合
[1] 第一年次 従前の使用料×0.85と算定額のいずれか高い方の額
[2] 第二年次 第一年次の使用料×0.85と算定額のいずれか高い方の額
[3] 第三年次 第二年次の使用料×0.85と算定額のいずれか高い方の額