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対中国経過的セーフガード措置の運用についてのガイドライン

財務省
経済産業省
農林水産省
厚生労働省
国土交通省

I.運用に際しての基本的方針

日中間の貿易問題については、日中間の話合いにより、未然に貿易摩擦とならないよう努めることとする。
対中国経過的セーフガード措置の運用に当たっては、一般セーフガードとの制度の違いを踏まえるとともに、過去の他国の発動事例やWTO紛争解決手続の下で示された判断等も参考にし、今後、対中国経過的セーフガード措置に関し、国際的に確立される解釈を勘案するものとする。

II.市場かく乱等の判断基準

1.市場かく乱に関する判断基準

(1)  本邦の産業によって生産される貨物と同種の中国を原産地とする貨物その他用途が直接競合する中国を原産地とする貨物の輸入が、絶対的又は相対的に急激に増加しており、当該輸入の増加が本邦の産業の実質的な損害又はそのおそれの重要な原因となっている場合は、市場かく乱が存在するものとする。

(2)  市場かく乱の存在の決定にあたっては、

[1] 輸入量
[2] 同種又は直接競合する貨物の価格に対する輸入の影響
[3] 同種又は直接競合する貨物を生産している本邦の産業に対する輸入の影響

等の客観的要因を考慮した上で総合的に判断する。

[1] 輸入量については、
中国を原産地とする貨物の輸入量の急激な増加量及び増加率と国内市場占拠率の増加とを併せて判断する。

[2] 価格に対する輸入の影響については、
中国を原産地とする貨物の輸入の増加が同種又は直接競合する貨物の国内価格の低下に及ぼす影響を判断する。
その際、当該貨物と同種又は直接競合する貨物の国内の需給関係を考慮する。

[3] 本邦の産業に対する輸入の影響については、
中国を原産地とする貨物の輸入の増加が、これと同種又は直接競合する貨物の国内価格の低下等を通じて与える影響について、本邦の産業の生産、販売、損益、雇用、生産性、操業度等を総合的に勘案の上判断する。
また、中国からの輸入の増加が、本邦の産業の実質的な損害又はそのおそれの重要な原因になっているか否かを判断する。

2.国民経済上の緊急の必要性に関する判断基準

関税措置に関する関税暫定措置法(昭和35年法律第36号。以下「法」という。)第7条の7第1項又は輸入数量制限に関する規程第2条第1項の「国民経済上緊急に必要があると認められるとき」に該当するか否かの判断を行う際には、生産者、消費者等の関係者からの意見聴取等の手続を行った上で、消費者、ユーザー等への影響等の国民経済全体への影響を勘案し、総合的に判断するものとする。この場合において、措置終了後は輸入に対する規制がなくなるため、本邦の産業の見通しについても勘案するものとする。
(注)ここで「規程」とは、「中華人民共和国を原産地とする貨物の輸入の増加に際しての緊急の措置等に関する規程(平成14年経済産業省告示第159号)」をいう。以下同じ。

3.措置の内容及び期間

対中国経過的セーフガード措置の内容及び期間は、市場かく乱を防止し又は救済するために必要な期間及び限度に限り措置をとることができ、1.(2)の客観的要因、すなわち

[1] 輸入量
[2] 同種又は直接競合する貨物の価格に対する輸入の影響
[3] 同種又は直接競合する貨物を生産している本邦の産業に対する輸入の影響

及び2.の観点、すなわち

[1] 消費者、ユーザー等への影響
[2] 措置終了後の本邦の産業の見通し

等の要素を勘案し、総合的に判断するものとする。

III.貿易転換の判断基準

我が国以外のWTO加盟国が、中国に対し、対中国経過的セーフガードに係る協議を要請した場合、当該協議の対象となっている貨物について、産業所管省が通関当局の協力を得つつ、輸入状況、需給動向等の監視を行うものとする。

1.貿易転換の存在の判断指標
  貿易転換の存在の決定にあたっては、
    [1] 中国からの輸入貨物の市場占拠率の増加
    [2] 中国又は関係国の措置内容
    [3] 中国又は関係国の措置による輸入量の増加
    [4] 貨物の需給動向
    [5] 措置をとっている国及び我が国への中国からの輸出の程度

等の客観的な要因を考慮した上で総合的に判断する。

2.国民経済上の緊急の必要性に関する判断基準
法第7条の7第1項又は規程第2条第3項の「国民経済上緊急に必要があると認められるとき」に該当するか否かの判断を行う際には、上記B.2.に準じて判断するものとする。

3.措置の内容及び期間に関する考え方
  上記B.3.に準じて検討するものとする。具体的には1、2を総合的に勘案して判断するものとする。特に、措置の内容及び期間は、中国又は関係国の措置内容を十分勘案する必要がある。

IV.調査手続

1.調査の基本的方針

(1)  法第7条の7第3項及び第12項(同条第8項及び第15項において準用する場合を含む。以下同じ。)の調査と、規程第5条第1項(同条第2項から第4項までにおいて準用する場合を含む。以下同じ。)の調査とは、統一的・一体的に開始し、終了するものとする。この場合において、調査の結果についても、統一的・一体的に取り扱うものとする。

(2)  法第7条の7第3項及び第12項の調査(調査の結果の取扱いを含む。)において行われる中華人民共和国の特定の貨物に係る緊急関税に関する政令(平成14年政令第115号。以下「令」という。)の各規定に基づく手続と、規程第5条第1項の調査(調査の結果の取扱いを含む。)において行われる規程の各規定に基づく相当する手続とは、統一的・一体的に行われるものとし、調査に用いる証拠は、両調査において共通とする。

2.証拠の提出先等

(1)  令第4条において準用する緊急関税等に関する政令(平成6年政令第417号)第4条第1項、第2項、第4項、第5項、第7項(第9項において準用する第4項、第5項及び第7項を含む。)若しくは第8条第1項若しくは令第6条第1項に規定する証拠、証言若しくは書面、令第4条において準用する緊急関税等に関する政令第5条第1項若しくは第2項若しくは第8条第3項若しくは令第6条第3項に規定する意見又は令第4条において準用する緊急関税等に関する政令第6条第1項、第3項(第4項において準用する第4条第4項、第5項及び第7項を含む。)若しくは第8条第4項若しくは令第6条第4項に規定する情報の提出先又は申出先は、財務省関税局関税課とする。提出部数は10部とする。
  規程の各規定に基づく証拠、証言、書面、意見又は情報の提出又は申出が経済産業省貿易経済協力局貿易管理部特殊関税等調査チームにされた場合には、当該各規定に相当する令の各規定に基づく提出又は申出が財務省関税局関税課にされたものとみなす。

(2)  規程第10条第1項、第2項、第4項、第5項、第7項(第9項において準用する第4項、第5項及び第7項を含む。)若しくは第14条第1項若しくは第17条第1項に規定する証拠、証言若しくは書面、同第11条第1項若しくは第2項若しくは第14条第3項若しくは第17条第3項に規定する意見又は同第12条第1項、第3項(第4項において準用する第10条第4項、第5項及び第7項を含む。)若しくは第14条第4項若しくは第17条第4項に規定する情報の提出先又は申出先は、経済産業省貿易経済協力局貿易管理部特殊関税等調査チームとする。提出部数は、10部とする。
  令の各規定に基づく証拠、証言、書面、意見又は情報の提出又は申出が財務省関税局関税課にされた場合には、当該各規定に相当する規程の各規定に基づく提出又は申出が経済産業省貿易経済協力局貿易管理部特殊関税等調査チームにされたものとみなす。

(3)  令第4条において準用する緊急関税等に関する政令第4条第1項及び第2項並びに第8条第1項並びに令第6条第1項に規定する証言と、規程第10条第1項及び第2項並びに第14条第1項並びに第17条第1項に規定する証言とは、同一の日時、場所において行うものとする。

(4)  令第4条において準用する緊急関税等に関する政令第9条に規定する公聴会と、規程第15条に規定する公聴会とは、同一の日時、場所において行うものとする。

3.調査の開始

財務大臣及び経済産業大臣は、法第7条の7第3項及び第12項の調査並びに規程第5条第1項の調査を開始することが決定されたときは、法第9条第1項及び規程第2条に規定する本邦の産業を所管する大臣と協議の上、財務省、経済産業省及び当該本邦の産業を所管する省の関係職員からなる調査担当者団を設ける。

4.質問状の送付

(1)  財務大臣は、令第4条において準用する緊急関税等に関する政令第4条第2項、第5条第2項又は第6条第3項の規定による証拠の提出若しくは証言、意見の表明又は情報の提供を求めるときは、速やかに、利害関係者(令第4条において準用する緊急関税等に関する政令第4条第1項に規定する利害関係者をいう。)又は産業上の使用者等若しくは主要な消費者の団体(令第4条において準用する緊急関税等に関する政令第5条第1項に規定する産業上の使用者等若しくは主要な消費者の団体をいう。)に質問状を送付し、当該質問状の回答期限を調査事案ごとに質問状に明示する。
規程第5条第1項の調査における規程の各規定に基づく相当する手続による質問状は、令における上記の質問状を兼ねるものとする。

(2)  経済産業大臣は、規程第10条第2項、第11条第2項又は第12条第3項の規定による証拠の提出若しくは証言、意見の表明又は情報の提供を求めるときは、速やかに、利害関係者(規程第10条第1項に規定する利害関係者をいう。)又は産業上の使用者等若しくは当該調査に係る貨物の主要な消費者の団体(規程第11条第1項に規定する産業上の使用者等若しくは主要な消費者の団体をいう。)に質問状を送付し、当該質問状の回答期限を調査事案ごとに質問状に明示する。

法第7条の7第3項及び第12項の調査における令の各規定に基づく相当する手続による質問状は、規程における上記の質問状を兼ねるものとする。

参考1(PDF:9KB) / 参考2(PDF:23KB) / 参考3(PDF:7KB)

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