このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

グローバルフードバリューチェーン推進官民協議会平成27年度第1回分野別研究会(輸出環境整備)(平成27年8月4日開催)議事概要 

PDF版:議事概要(PDF:226KB)

 

1 日時:2015年8月4日(火曜日)10時00分‐12時00分
2 場所:農林水産省 講堂
3 議事概要:

   

1. 輸出環境整備に関する取組みについて、官民双方より、次のとおり情報提供があった。

(1)農林水産省食料産業局(近藤信 輸出促進グループ総括課長補佐)

「農林水産物食品の輸出促進について(輸出環境課題の解決に向けた取組み)」

農林水産物食品の輸出促進に向け、輸出戦略実行委員会を設置し、重点品目ごとの輸出団体を中心とした各種取組みを実施、検証するとともに、輸出環境課題レポート(席上配布)を作成し、原発事故後の輸入規制、動植物検疫、残留農薬等の輸出環境整備に優先順位を付けて取り組んでいるところ。

(2)(独)日本貿易振興機構(JETRO) (阿部勲 農林水産食品部長)

「輸出先国での日本産農林水産物食品の需要商流拡大に係るジェトロの取組み」

当機構では今年度、200件近いセミナーや、33回の国内商談会、11回の海外商談会など、様々な取組みを実施予定。また、輸出有望案件発掘支援事業や一県一支援プログラムにより案件ごとのサポートを実施。更に、海外23ヶ所に33名を海外コーディネーターとして配置しており、海外での相談窓口として利用可能。更に、海外バイヤーのニーズや事業者が抱えている課題等の情報収集にも努めているところ。

(3)特定非営利活動法人アジアGAP総合研究所(武田 泰明 専務理事)

「輸出先マーケットの需要喚起のため、海外非営利生産者マーケティング組織の取組みについて」

日本でこれほどまでに、グレープフルーツが普及した背景には、フロリダ州政府の支援を受けた非営利生産者マーケティング組織「フロリダ州政府柑橘局」による世界的なプロモーション活動がある。このような非営利の生産者マーケティング組織は、生産者から賦課金を集め、テレビラジオのCMや食品の機能性の評価PRなど様々な取組みを行っている。フロリダ州政府の場合、集められた賦課金と同額の予算を用意し、このような組織を支援している。当研究所も輸出先に対応するためのGAPの指導等を行う組織。日本でも、農林水産省が中心になり品目別の輸出組織ができているが、機能と目的が自分たちの考えているものと少し違う。更なる輸出促進のためには、生産者側の輸出促進組織が必要。

(4)(株)キュアテックス(藤代 政己 会長)

「シンガポールにおける販路開拓サポート事業」

当社は、上海とシンガポールで日本産食品等のアンテナショップを運営し、海外への販路開拓をサポート。プロモーションの手法は、ショップ運営のみならず、商品を実際に使った飲食の提供やブロガーを集めたイベント、展示会への出展などを、工夫しながら実施。商品の認知度向上や味パッケージ等の現地化、中小企業の意識改革などが課題。

(5)モリタフーズ(株) (君島 英樹 代表取締役)

「中国での販路開拓の実例と中国人観光客の日本における消費を輸出に結び付ける取り組みについて」

メーカーや地方自治体と連携して日本の食材の自社展示会の開催や、自社製のカタログの作成配布などを行っており、それを通じて外国人のバイヤーに日本食を分かりやすく紹介し、販路拡大へつなげている。味もプロモーションの方法も、現地に合わせて取り組むことが非常に重要。また、最近話題にのぼる中国人観光客の爆買いについては、「中国に帰った後に、その商品のリピーターになってもらう」ことを狙って販促を行うことが重要。

 

2.パネルディスカッションにおける意見交換の概要は次のとおり。

〇論点(1)「輸出先の販路をいかに開拓するか」

補助金頼みの一過性の取組みではなく、取組みの継続性が非常に重要。また、展示会への参加のみならず、別途、併せて商談をセットするなど、様々な工夫努力が重要。自治体や企業の意識改革も必要ではないか。

事業はリスクを取りながら行う真剣なものであり、出展者もそうあるべき。例えば、日本の自治体は知事等によるトップセールスをやりたがるが、現場で、下の人が偉い人の顔色ばかり伺って本来の売り込みに力が入っていないこともある。また、やり方が展示会では日本側は上役が法被(はっぴ)を着用することがあるが、中国人にはその意味が伝わらない。逆に、浴衣はPR効果が高いようであり、日本らしさを出すならば本気でやることが大事。中途半端なトップセールスをやるよりは、むしろ、展示会等も視察して、問題点や課題を探すことを心がけ、改善を図る姿勢で臨むべき。

〇論点(2)「輸出先での商慣習をきちんと踏まえ、いかに輸出先バイヤーの関心を引きつけるか」

輸出先の制度や商慣習への対応については、ただ1つの処方箋があるわけではない。思い込みで対応せず、実際に取引する商談相手としっかりコミュニケーションを取ることが重要。

農林水産省の様々な取組みのうち、生産振興対策や6次産業化推進のためのものでも、実は輸出促進に活用できるものがある。輸出促進は政策的に大きなテーマだと思うので、もう少し政策的な整理(デマケの整理、ポリシーミックス)をしてもらえると、より使いやすくなるのではないか。

〇論点(3)「これまでの伝統的な輸出アプローチの限界は何か」

これまでの論点(1)、(2)の議論の中で「国際社会で市場を取るためには、輸出者も継続的に一生懸命取り組む必要」、「輸出をするのであれば、自分なりの輸出戦略を生み出す苦しみがあるのは当然」等、少しずつ見えてきたと思う。

〇論点(4)「外国人観光客の日本における消費を輸出にどのようにつなげるか」

中国人の日本における「爆買い」は、見方を変えれば、日本食品のサンプル調査や、大きなプロモーションの機会と捉えることもできる。将来的には、併せて、国際的な電子商取引、すなわち越境EC(Electronic Commerce)などの要素を加味するべきかもしれない。

「インバウンド消費」という言葉も一般化しつつあると思う。これからは、マーケティングではなくプロモーションが重要になるのではないか。例えば、日本を1つの巨大な見本市と捉えることも必要ではないか。

日本に来ている中国人観光客は、中国の人口全体に比べればわずかな割合。今後の拡大に向け、消費者の購買行動の分析が必要ではないか。様々な情報を総合的に分析することにより、食品の販路拡大のみならず、包装や輸送の産業への波及も狙うべき。

 

3.その他、以下の民間企業/公的機関からの情報提供が行われた。

(株)海外交通都市開発事業支援機構(伊藤博信 事業推進部シニアダイレクター)

「JOIN(海外交通都市開発事業支援機構)の役割と事業支援の方針」

JOINは昨年10月に設立された官民ファンドで、インフラ投資への出資を行う。支援対象には物流も含んでおり、現在、70件近い出資案件に対応中。

(株)前川製作所(篠崎 聡 企業化推進機構次長)

「インドアンドラ プラデシュ州でのビジネスミッションへの参加企業団体の募集について」

2015年8月下旬~9月上旬に南インドのアンドラ プラデシュ州に対し、ビジネスミッションを計画している。ミッションでは、農産、水産関係の生産加工施設の視察等を予定。

農林水産省大臣官房国際部国際経済課(貿易関税等チーム)(河本健一参事官)

「フードバリューチェーン構築に向けた冷凍冷蔵技術に関する国際会議」への出展のご案内」

2015年10月28日~30日に鹿児島にて上記国際会議を農林水産省主催で実施する。会場の

ホテルに展示ブースを設けるので、冷凍冷蔵技術、鮮度保持関連商品の展示を行う企業

団体を募集。

 

4. 閉会にあたり、GFVC推進官民協議会の鈴木代表(ハウス食品グループ本社(株)国際事業本部国

際事業開発部長)より、以下のコメントがあった。

本日の発表の中にあった様々な角度の視点を、どう有機的に結び付け、マーケティングとして考え、お客様のニーズを捉えるかが重要。マーケティングの基本は、Product、Price、Promotion、Placeの4Pと言われるが、本日の発表でもそれをめぐる議論が中心になっていた。特に、我々日本企業にとって難しいのがPlaceであり、顧客接点をいかに事業に結び付けていくかが課題。グローバルフードバリューチェーンにおいても、この4Pの視点で考えることによって、様々な視点を生み出すことができるのではないか。産学官協同のオールジャパンで、一つ一つの課題を克服することによって、日本の輸出事業を成長戦略に結び付けることができると良い。

 

以上

 

                                                                                                                                                                                                                          

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader